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長谷川(保)
委員 今の問題は、東京都の
医療機関は非常に心配をしておるのです、あわてております。この点、どうか
厚生省の方で
実情を明らかにせられまして、そういうような不必要な狼狽をさせないように御
尽力をしていただきたいと思います。
次に、
社会福祉事業振興会法の問題でありますが、前
国会におきまして、
社会福祉事業振興会法ができまして、全国の私設社会事業が、非常な喜びと希望とに燃えて参りました。私はこの前の
国会でも、厚生大臣の御意見も伺
つて、一応敬意を表してあるのでありますけれ
ども、民間のすぐれた社会事業家が、長い間非常な苦労をいたしまして、いばらの道を踏んで、同胞の、国民の
基本人権を守るためは奮闘して来られました。しかし戦後、この国民の
基本人権を守るということが、国の責任に
なつたということからいたしまして、とかく公的な
社会福祉施設というものに国の政治の重点が置かれました。そして一方民間の
社会福祉施設の万は、国からの
補助金等も非常に少くな
つて来た。いろいろな経緯をたどりまして、幾分かはございますけれ
ども、非常に少い。
地方の都道
府県の末端に参
つてみますると、とかく都道
府県の役人の息のかかる、自由になるところの公的な
社会福祉施設に対しましては、相当な力を入れておりますけれ
ども、民間の施設はそういうわけに参らないけれ
ども、その民間の
社会福祉施設、
社会福祉事業の経営者あるいはその従業員の中には、身を挺した、社会事業精神に徹したところの権化というような
人々が多数おるのである。そういう
人々に対しまして、国が相当な努力をして、ことにその
人たちの困
つておりますのは、金融の面と人的な面であります。ことに金融の面、
資金の面であります。それに対して、国はなかなか
資金を流さない、与えないということからいたしまして、この施設の
資金及び経営上の金融という点で、非常な苦労をなめて来られた全国の
社会福祉施設の中には、施設も相当古い、ぼろぼろにな
つているものがたくさんございます。これは社会事業振興会法を多年要望してお
つたのが、前
国会でできました。御
承知のように、全国至るところで大きな感謝が爆発をいたしました。しばしば会合等におきましては、感謝決議がなされておる。社会事業大会等におきましても、今年も感謝決議がなされておるわけであります。ところが二十九年度の
予算の要求の様子を拝見いたしておりますと、
厚生省は十億八千万円ばかりこの金を要求なさ
つておられますけれ
ども、しかしどうもこれがあぶ
なつかしいらしいようによそ目に拝見するのであります。むしこれができないと
なつたら、全国の社会事業に挺身しておりまする
方々の志気を沮喪させることはどれくらいであるかわからぬと思う。どんなにかれらが失望するかと思うのです。私はこの点国の
財政もなかなか困難でありまして、大蔵省としては難色があるかもしれませんけれ
ども、全国の
社会福祉事業をや
つております
人々が、あれほどに喜んでおるその理由を、ひとつ
厚生省は十分お
考えいただいて、あくまでこの
予算を確保してもらわなければならぬ。もともと御
承知のように、この法案が出ましたときには、大体五十億円というものを目標にしてお
つたのでありまして、ことに今年の社会事業大会等では、五十億円ではとうてい足らないから、少くとも八十億はほしいというような、数字的のなかなか
りつぱな基礎のあるものを提出いたしております。この点今せつかく御
尽力中のようでありますけれ
ども、どんな見通しを持
つておられるか。全国の
社会福祉事業の
人々が、非常に心配して知りたが
つておりますので、
社会局長の御意見を承
つておきたいのであります。