○
委員外議員(矢嶋三義君)
委員長のお許しを得まして、
風水害対策特別
委員会の
委員長といたしまして当
委員会に御
報告を申上げます。
本
国会で成立しました
風水害対策特別
委員会は、去る六月下旬西日本を襲いました
災害によつて大
災害を受けた西日本地域の
災害に対するために、去る六月三十日本院に設けられました
水害地緊急
対策特別
委員会が第十六
国会において、更に閉会中において審議結論づけたものを尊重して、これを引続き審議して行くという基本的態度を確認いたしまして、その角度から当特別
委員会が前特別
委員会から引継いだ事項、並びに現在当特別
委員会で審議しつつある事項について御
報告申上げたいということを先ず以て申上げておきます。
なお、この特別
委員会は十月三十一日、
災害予算について当
予算委員会に対し
連合審査の申入れを確認いたしまして、申入れたのでございまするが、本日当
委員会においてこれが拒絶されたことにつきましては、
風水害特別
対策委員長としては遺憾に存ずる次第でございます。と申上げることは、六月下旬に大
災害が起
つた、そこでこれを速急に
復旧するために、第十六
国会において全会一致の形で二十四の法律を成立せしめたわけでございます。その法律を適用するところの地域は政令に委任されてある。この政令の決定というものは
予算と
関係があるというので、随分と審議いたしましたが、本日までその政令はなお公布されていない
実情にあるわけでございます。更に特別
委員会としましては、
政府側に各県からの
被害総額、それからそれに対する
各省の
査定、次に
各省が大蔵省に要求うしたところの金額、最後に確定したところの
復旧予算額、こういうものを
災害の種類別に表にして出して欲しいということを十日前から
災害対策中央本部を通じて
各省並びに特に大蔵当局へ要求して参
つた次第でございますが、その資料の提示が頂けないのでございます。従つて特別
委員会といたしましては、
各省にこのたびの
補正予算が盛られているところの
災害復旧予算が如何ように配分され、更に
各省の内部においてその種類別に如何ように配分されたかということを一切承知していないわけでございまして、特別
委員会としては今の経過から申しまして、是非ともそういう点を明確にいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
なお、先ほど主計局長からも御
報告ございましたが、この
治山治水の非常にやかましく言われている現在、食糧増産費並びに河川改修費等、こういうものを五十九億も削減したということは、如何なるお考えの下に削減されたか、それらの点につきましても、特別
委員会としては糾明いたしたい。こういうふうに考えておる次第でございまするが、本日までその機会を得ないままおる次第でございます。
なお参考に申上げますが、二十八日の朝、私は農林省当局に対しまして、例えば
農林省関係の排除費の
予算配分は幾らに
なつているか、そういう点を二、三尋ねてみたのでございますが、大蔵事務当局との話合いがつかないでまだきまつていないという答弁であ
つたわけでございます。なおその頃における我々の審議の過程においては、
被害の
査定額を尋ねましても、これは明確でないのでございます。具体的に例を申上げまするならば、例えば台風十三号による文部省
関係の
被害の
査定額はきまつておりません。従つて文部省は大蔵省に要求もいたしておりません。ところが大蔵省側からは本
年度と来
年度合せて七億五千万という配分があ
つたと、こういうような一つの事例でございますが、そういう点が明確に
なつておりませんので、或いは二割、或いは三割の
復旧と言われるけれども、どういうところから出て来ておるのか、そういう点を明確にいたしたい。こういう立場から当
予算委員会に対しまして
連合審査の機会をお与え下さるよう
委員長から申出たわけでございますが、一応これは拒絶の形となりましたので、特別
委員会の
委員各位が
委員外
発言を後日求めるような機会がございましたならば、
委員長並びに当
委員会において然るべくお取計らいを願う次第でございます。はつきりと申上げておきますが、特別
委員会の
委員は超党的に本日までこの
対策に善処して参りました。これを審議を引延ばそうとか、そういう考えは毛頭持つていないということをはつきりと申上げておきたいのでございます。
次に申上げたい点は、
風水害対策特別
委員会は、現在八月以降の大
災害に対しまして六、七月の
災害にとられた法的措置と同様のものをとらるべきであるということを
政府に申入れ、
内閣提出の形においてその
法律案が今
国会に出ることを要望してお
つたのでございますが、すでに内閣から提出されておりまするので、その審議の過程にあるわけでございます。ただ基本的態度といたしましては、
水害地緊急
対策特別
委員会並びに
風水害緊急対策特別
委員会、このいずれも大
災害を三点的に急速に
復旧せしめるというところの大方針で本日まで参
つた次第でございます。そこで私ども現在一審心配いたしている点は、六、七月の
災害に二十四の立法がなされ、そうしてその政令の公布について随分ともめて、そのために
国会の召集が遅れたと若しするならば、むしろそういう二十四の立法をなさらないで、六、七月
災害の直後
国会でも開いて、早急に
予算を
災害地に流したならば、却つて効率的な使用ができて効果があ
つたのじやないか。本日まで延びて、十分の
予算が流れればともかくも、不十分な
予算が
災害後数カ月も経つて流れて行くというようなことでは、却つて二十四の立法をなして
災害地の皆さまがたに大きな期待を持たして、その期待に反するような愚かな政治というものになるのではないか。この点を非常に懸念いたしている次第でございまして、二十四の立法の精神並びにその政令の
内容、
災害の実態等、そういうものを十分と本
予算委員会で審議して頂いて、当初の立法精神、基本的態度というものが生きて、そうして国民からこの
国会というものが信頼され、
国会の権威を
確保するという立場からも、本
予算委員会における
予算の審議は極あて重大であり、私ども特別
委員会としては大きく期待申上げているということも申上げておきたいのであります。
次に申上けたい点は、私ども
委員会において審議して参るに当りましては、大臣並びに
各省の
説明員各位の速記に残された言明、並びに
各省から我々
委員会に提示されました資料というものを足場にいたしまして、本日まで審議して参
つた次第でございますが、その過程において大臣の言明が、或いは提示されるところの資料というものが時々によつて変つて一貫していなか
つた点を認めざるを得ません。例えば本
会議において論ぜられました
予備費二百億の
補正予算への
財源としての使用、或いは安全保障諸費
関係、更には当
委員会において議決してつとに
政府に申入れました
災害復旧年次計画、三・五・二の三というものは堅持する、三以上やる。更には或る法律によるというと、その
復旧年次計画というものを法律の中に規定しているものがありますが、それは尊重して取運ぶということを言明いたしておられるわけでございますが、そういう点がその後くずれて来たという点については、私ども
委員会の運営をするに当つて非常に困
つた次第でございます。
なお、皆さまがたの今後の審議において明確にして頂きたいのでございますが、こういうふしも考えられます。それはこの大
災害を早急に
復旧するために法律を作
つた、
高率補助の法律を作
つた。そこで非常に
査定を厳重にして更には抵抗の比較的薄いところの
予算を不当に削減して、そうして
災害復旧の全額というものが小さくなるように事務当局において努力したというふしがあるわけでございます。時間の
関係上具体的に申上げませんが、どうか各
項目に亙つて十分な御検討を切に要望申上げる次第でございます。
次に、是非とも明確にして頂かなければならない点は、今時の
災害における
復旧費の
国費所要額、というものは幾ばくであるかということでございます。この点について特別
委員会において速記に残されたものは、千八百億以外残つておりません。十月の二十六日の
委員会が最後であ
つたのでございまするが、その
委員会においても
国費の
所要額は千八百億と記録付けられております。然るに十月二十八日からこの
所要額が千五百六十五億という数字が出て参
つた次第でございまして、若干先刻森永主計局長から
説明があ
つたようでございまするが、私ども明確な資料を頂いておりませんし、この点本日まで明確に糾明することができないままにおる次第でございます。その後この保守三派の協定というものが成立いたしました。この点について本
会議で若干の質疑応答がなされたのみでございまして、この本
会議における質疑応答の結果から我々が推察するときに、どうも不明確でございます。このたび
補正予算案が更に
修正されて出されておりまするが、それは保守三派の協定に基いてなされたことは各位御承知の
通りでございます。この保守三派の協定は如何なるものであるか、これを如何ように実現しようと
政府当月は考えているのかと、そういう点を明確にすることが最も大切なことであつて、特別
委員会といたしましても、大臣並びに
政府委員の出席を請うて、この点を明確にいたしたいと考える次第でございますけれども、当
予算委員会において
予算の審議をなされまするので、一応当
予算委員会においてその点を明確にして頂くようお願いを申上げて、その推移を見守りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。(「本論々々」と呼ぶ者あり)只今申上げておるのは本論でございます。(「特別
委員会でやることじやないか」と呼ぶ者あり)そこで
予算の点について更に御
報告申上げますが、立法、それから政令
内容の検討、それから所要
予算の検討審議というものは、つい数日前まで超党的にやつて参りました。なお第十六
国会において設けられました
水害地緊急
対策特別
委員会時代からも衆参両特別
委員会は緊密な連絡をとつて超党的に運営して参
つた次第でございまするが、最後の段階においてこの超党的な態度がくずれまして、而もその保守三派の協定というものが不明確な状態にある次第でございます。これにつきまして特別
委員会として態度を決定し、
政府側に申入れた件について時間的に順序を立てて御
報告申し上げておきます。
先ず十月の十三日には、特別
委員会といたしましては、
災害復旧は短期間に是非とも完成せしめなければならない、そのために十分の
予算措置を講ずべきであるということを骨子とするところの決議をなして、緒方
対策本部長並びに
大蔵大臣に再三再四これを申入れ、
予算編成に善処するよう強く要望いたしました。次に十月二十二日、全会一致を以て
災害復旧費に対するところの意思決定をなしました。なお特別
委員会としては
災害の実態について種々
報告を聴取し、なお親しく
災害地を視察したその結果から、我々はこのたびの
災害復旧については国家財政ともかれこれ勘案し、少くとも次のような
予算を計上すべきであるというところの意思決定を全会一致を以てなしたわけでございます。その金額というのは、
災害復旧に要する
国費所要額の少くとも三割以上であるべきである。でなければ今次の大
災害というものの
復旧は期しがたいという決議をなして申入れた次第でございます。次に十月二十四日、今次
災害に
関係があるところの農林
委員長、建設
委員長、それに
水害地
特別委員長である私と三者がこれらの点について種々協議し、次の点において意見が一致いたしまして、
政府側に申入れをいたしました。それはお手許のプリントか配付されていると思いまするが、要点は、伝えられるところの
災害対策費三百億円、
冷害対策費七十億円、この
程度では今次の
災害対策は期しがたい。そこでかくのごとき
予算に対しては当該
委員会としては絶対に承認しがたいから、再三再四
水害地緊急
対策特別
委員会から申入れてあるところの線に副つて
政府は再考すべきであるというところの申入れをいたした次第であります。なお当時の情勢では、
災害対策費の増額がどうもうまく行きそうにない、併しながら
災害地のかたがたの声を聞き、又我々が
政府から受取つておる資料に基いて判断するときに、この
程度ではどうしてもいけないという立場から、各政党の態度も一応打診いたした次第でございまするが、そのときに改進党は、自由党と改進党という党と党の立場においてはこのたび
補正予算案は
修正をやらない、併しながら専門的に長期間に亙つて検討して来た
水害地緊急
対策特別
委員会の超党的に一致した結論については、それを両毛して
災害復旧が
実情に副うように行われるところの
予算の
修正をやりたい、こういう基本的態度であることを私ども承知いたしておる次第でございます。そこでこれらの線に副つて両院
水害地緊急
対策特別
委員会の合同打合会が持たれ、最後的に両院の特別
委員会の申合せ事項として確認した申合せ事項は次の
通りでございます。これも印刷が配付されておると思いまするが、要点を申上げまするというと、二十八日頃から
災害復旧国費所要額は千五百六十五億というような数字が伝えられておるが、両院の特別
委員会としては今までそれぞれの特別
委員会で
政府側から明言のあ
つた千八百億円と確認する。そうしてこの千八百億円の三割を
災害復旧に要する
予算額として計上すべきである。それからもう一点は、これを申合せました十月二十八日現在出されておりました百八億円の繋ぎ資金は本
年度は
引上げないこと。これらの二点について両院の特別
委員会は完全に意見が一致いたしまして、これを
政府側に申入れた次第でございます。この両院の特別
委員会の申合せ事項が尊重されなか
つたということは非常に
特別委員長としては遺憾に思つております。でその後出されました三派協定につきましては、私ども各位のこの問題に対する明確化を期待するわけでございますが、ただこの際に一言申上げておきたい点は、三百億円を
予算化して残りの百、九十七億とか、或いは百四十四億三千万という数字を出しておりまするが、それは如何ように算出されたか、我々は
委員会では明確に聞いておりません。これらの金額については十分調査して、
復旧工事の進捗度と相待つて誠心誠意努力する、こういう表現で
政府は答弁されているのでございますが、この際我々が想起することは、特別
委員会発足以来
国会の
開会が遅れている、従つて
予算が成立しない、で
災害地は資金切れがして
災害復旧に困つておる、そこで繋ぎ融資を出すようにということを再三再四決議して
政府に申入れました。その当時
政府は必要があれば如何ようでも繋ぎ融資は出すということを常に明言してお
つたわけでございまするが、これは詳しく申上げませんけれども、繋ぎ融資を出すととは非常に
実情に離れて、地方公共団体をして非常に困却せしめた過去の
実績があるわけでございます。それを併せ考えるときに、この三派協定の融資は調査の上出すということ、それだけでは私どもどうしても納得できないわけでございまして、これを開きましたところの
災害地の地方公共団体の或いは執行部、或いは議会というものは
災害復旧計画が立たないのではないかと考える次第でございまして、この点を明確にすることが今後の
災害復旧を計画に乗せて、そうして順調に進ませるところの最も大事な要素であると、こういうふうに考えておる次第でございます。
最後に、この当
予算委員会に切にお願い申上げたい点は、只今の三派協定の件と、それから来
年度の
災害復旧については或いは九百億組むとか、或いは七百億組むとか、こういうことを言われておるのでございますが、
過年度災害で
予算化されなければならないものが千七百億円あるということは
政府は速記をつけて答弁いたしております。これらとの
関係を如何ように考えて、来
年度の
予算に如何ほどこの
災害復旧費を組むお考えであるか、或いは今のは第一次
補正でございまするが、第二次
補正においてそういう計画があるかどうかという点が明確にならないというと、大
災害に襲われた地域というものは本当に困る
実情にあるわけでございます。そこで私はこれは当
委員会の
理事会で検討さるべき問題かと思うのでございますが、私は地方公共団体の首長のかたがたに当
委員会に出席してもらつて参考意見を聞くことが大事ではないかということを考えております。と申すのは第十六
国会で我々は超党派的に二、十四の法律を作つて、そうして
災害地に対しましては、もうこれで
災害復旧は急速にできるというような大きな期待を持たしたわけです。その線に沿つて各公共団体はすでに議会において
予算を議決した所もあります。執行計画を立てているのです。然るに現在に
なつて前に確約した線と違
つた内容のもの、或いは
予算が決定されました場合に、今後の地方公共団体の財政運用計画というものは私はめちやめちやになるのではないか、こういう点を非常に懸念いたしている次第でございます。なお
災害復旧に対する
国費の
所要額につきましても、例えば台風十三号は五百九十三億と、こういう数字を私どもに出されておりまするが、これについては十三号台風に襲われた知事
会議は千三百億と
公共事業費を
報告しているのであります。この千二百億を仮に七割と見ましても八百四十億になるわけでありまして、こういう点非常に懸隔があるわけでございまするので、この地方公共団体の首長から参考意見を聴取して、各位の
予算審議の資料とされることは私は時宜に適したものではないかとこういうように考えている次第でございます。
一応ここで
報告を終りまするが、要するにこの特別
委員会といたしましては、百年に一度も襲われないほどの大
災害に襲われた今次の大
災害を急速に
復旧させたい。更にこの十六
国会から本日までの立法府のと
つた経過から考えて、
国会に対する国民の信頼、
国会の権威というものを維持できるように今次の
災害の
予算というものが議決されたい、こういう点に現在特別
委員会の希望というものは集約されている、こういうふうに申上げることができると思うのでございます。
私ども特別
委員会といたしましては、最終的にこれを審議し、一応の結論を出されるところの当
予算委員会において十分慎重審議され、
災害地の国民の期待に副うような結論を出して頂きますよう、切にお願いいたしまして一応の御
報告を終る次第でございます。