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1953-11-07 第17回国会 参議院 郵政委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月七日(土曜日)    午前十時四十分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長    池田宇右衞門君    理事            柏木 庫治君    委員            中川 幸平君            永岡 光治君            三木 治朗君            最上 英子君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政省経理局長 中村 俊一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○公共企業体等労働関係法第十六条第  二項の規定に基き、国会議決を求  めるの件(郵政事業)(内閣送付) ○継続審査要求の件 ○郵政事業運営実情に関する調査の  件  (報告書に関する件) ○継続調査要求の件   —————————————
  2. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) これより郵政委員会を開会いたします。  先ず公共企業体等労働問題関係法第十六条第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件を議題といたします。御質疑のおありのかたは御質疑を願います。
  3. 永岡光治

    永岡光治君 郵政大臣お尋ねいたしたいのでありますが、今度仲裁裁定について政府公企労法の第十六条の第二項によつて、これの予算資金上困難だという理由で、今実施困難だと、これを今承認して欲しいということの承認を求めることが提案されておるわけでありますが、その事由の中に謳われておることはこういうことになつております。それは、事由書の三号に明確に謳つておるのでありますが、前項経費というのは所要経費でありますが、この仲裁裁定実施するに当つて所要経費というものはいずれも昭和二十八年度特別会計予算歳入歳出予算に含まれておらないんだ、それから給与総額については予算総則の第八条の金額を超過することになつておるんだ、これはすでに予算総則で今年の二十八年度郵政省給与予算はこれこれだと、従つてそれを超えることになるから、予算上これは実施できないんだと、だからこれを実施できないから、どうか国会のほうでこれを決議してくれという理由になつておるわけでありますが、私はこの考え方は実に非常におかしいんじやないかと思うんです。それは昨日毎日の社説を見ても明確に出ておりましたように、三つ児でも見て笑うような理由になつているわけです。ということは予算をきめるときに余分の予算人件費に組むはずはないんです。だとすればその予算がきまつた以上は、その中間において幾ら裁定が出されましても予算上これは組込んでいない、見てないからだめだと、こういうのであれば永久にできないということになつて仲裁裁定ということは単なるお座なりに過ぎないと思うのでありますが、この点一つ大臣はどのように考えておられますか。で私たちはこういう考えを持つております。それは予算資金上困難ということは、これは公企労法の第三十五条が最終的に両者を縛るのであつて、それが若し実施できない、いろいろ努力したけれども現実実施できないというのであれば、その実施を暫定的に延ばす、延期するという意味での第十六条ということはあるのだろうと思うんですが、そうしますと、若し差繰りができれば当然私は予算補正して組替えて国会承認を求める、こういう態度でなくてはならないと思うのでありますが、若し私たちのその建前を是認するというのであれば、幸いにして国会は開かれておるのであります。而も三公社五現庁の中の経理状況検討いたしましても、国鉄郵政等については多少の困難は財源上あるかも知れません。併しこれとても相当の工夫によつて私は解決方法もあろうかと考えられますが、少くとも他の六つについてはこれは資金上差繰りができるということであれば、幸い国会が開かれておるのですから、補正をして出す、補正をして承認を求めるというのが本当にこの公企労法の精神に従うものではないかこう考えられるのでありますが、このような点について郵政大臣はどのような見解を持つておられるのでありましようか。
  4. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 継続審査を先にやつて答弁をして頂くことにいたします。  なお、本件につきましては、本院規則第五十三条によりまして、閉会中の継続審査要求書議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 異議ないものと認めます。さように決定いたします。  なお要求書案文等委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 異議ないものと認めます。   —————————————
  7. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 次に、郵政事業運営事情に関する調査についてお諮りいたします。本件につきましても、本院規則第五十三条によりまして閉会中の継続調査要求書議長に提出いたしたく存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 御異議ないものと認めます。さよう決定いたします。  なお、要求書案文等については委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) なお本件につきましては、未了報告書を提出いたしたく存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) ではさよう決定いたします。  なお、本報告書には多数意見者署名を付することになつておりますから、御署名を願います。  多数意見者署名      柏木 庫治  中川 幸平      永岡 光治  三木 治朗      最上 英子
  11. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 報告書文案等委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 池田宇右衞門

  13. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) では大臣答弁を願います。
  14. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) お答え申上げますが、私もこの実質的なものの考え方としては、永岡委員考え方と同じなのでありまして、私も実はそのように考えておつたのでありますが、だんだんと関係閣僚、各省と話をしてみると、法律上の考え方はそうはなつておらないということに結局なつたのでありまして、三十五条によつて仲裁政府を最終的に拘束しているものだいうところに、勿論異存はないのでありますが、併しそれじやその拘束に基いて政府がどういうことをすべであるかというときに、あの第十六条の関係で結局まあ拘束されて、できることも予算範囲内でしかできないんだ、こういうのが十六条の解釈のあり方なんです。そういうことになつている。従つて国会に提出してありますのは、できないから承認してくれという形で提出をしてあるのではなくて、予算がこういう工合になつてつて裁定が出て、政府が縛られるけれども政府としては措置のしようがない、そこでどういう工合にしたらよろしうございますか、国会の御意見を伺いたいのです。こういう形で出ているわけであります。で、まあ政府の一種の責任逃れじやないかと言われれば、それもそうでありますけれども、法の解釈がそうせざるを得ない性質のものなんであつて、あそこに資金予算上不可能ということは、結局まあ極く常識的に判断すれば、資金面に裕りがあれば予算を組替えて出すのが当然じやないかという考え方も当然出て来るのでありますが、十六条の解釈はどうしてもそうは行かないのであつて、結局公社それから特別会計を通じて、それから今の財政法上の考え方からすれば、資金的に措置そのもの予算に根拠がなければできないようになつているので、だからそういう意味におきまして、あの十六条の資金上の可能不可能という問題は死文みたいになつている。予算は大抵一ぱいに組んであるから、年度の途中で出て来ても資金上裕りがあるということは充ずない、そういうことになつてる。併し十六条の解釈としては、そうせざるを得ないような法の立て方であるためにそういう結論になるのだと、そこでまあ国会の御意見を伺う。併し国会の御意見を伺うということになつても、実質的に資金的に裕りがあるかどうかという問題は依然として残るのであつて国会意見を聞かれて判断を下される際に、政府国会実情状態をそのまま赤裸々に申上げて、そうして国会の御判断を得る、国会がこの状態ならば資金的に可能であると、従つて政府のこれは予算を組替えて運用すべきであるという判断なつたときに、そういうように措置する、こういう手順になるということになつております。ですからして、今国会に出してありますのは、重ねて申上げますが、できないから不承認ということに、賛成をして頂きたいという意味では必ずしもないのだ、こういうことになつております。ですからまあこれは法律をそういう状態のままにしておくがいいかどうか、従つて公企労法の第十六条の或いは改正という問題が起るかも知れませんが、それはどこまでも立法論或いは実質論の問題であつて、今の法措置の上からこうせざるを得ない。そういうことになつておるわけであります。そこで実質的にこれは可能であるかどうかという問題の検討があり、従つてどもも行なつておりますし、国会側においても恐らく審議経過において御要求になるでありましようし、私どももそのつもりで検討をし、御要求があれば提出できるような準備をいたしておるという状態でございます。どこまでも今の法の建前では国会を中心にして政府が協力してこの問題の解決を図つて行く、こういうことだそうでありますから、御了承願いたいと思います。
  15. 永岡光治

    永岡光治君 この法律解釈論については、これは意見の相違ということになるでありましようが、私の考え方に基本的には大臣も恐らく賛成されておると私は思うのでありますが、従つてここでは問題はその法律解釈をどうするかということじやなしに、現実実施してもらうことのほうが実は重要な問題でありますので、その方面について一つ大臣のほうにお尋ねしてみたいと思うのでありますが、端なくも大臣答弁の中に言われておりますように、これは実施しないからそのように承認してくれという趣旨で出したのではない。一体どういうふうに取扱つたらよろしゆうございましようかというところで出しておるのだということであるわけでありますが、私もそういうことになつたのではないかと思つております。そこで本会議に提案されて、昨月の予算委員会までの政府答弁、それから官房長官発言等を総合してみますと、私はこういうようなことが大体政府考えられておるのではないかと思うのでありますが、それはどういうことかと申上げますと、裁定は尊重したい、したいが併し現実に今の予算そのままで行けば実施しようがない、併しなお且つ仲裁裁定というものは尊重しなければならないことには変りがないので、それについての取扱いというものは慎重に取扱いを進めておる。で政府のほうも十二月の通常国会も早期に開催をして、そうしてその節この問題を慎重取扱いの結果、結論を出して行きたいということになろうかと思うのでありますが、そうしますと、私のほうで考えますと、十二月の国会小笠原大蔵大臣も第二次補正は出しますということを答弁しておるのでありますから、その際にこの問題について政府は極力実施できるように努力をして、その第二次補正に出すようなつもりで今研究を進めておるのだというようなことに解釈されるのではないかと思うでありますが、このような解釈大臣として了解できるものかどうか。
  16. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは政府全体として、従つてまあ一般公務員を含めてということになりますと、おのずから自分の所管外の事柄が入りますものですからして、そこまでは申上げられないのですが、私の所管しておる郵政電通だけについての私の物の考え方から申上げますならば、仲裁裁定が出ておるし、形式的にも尊重すべきであり、又実質的にも仲裁裁定の前半に出しておるいろいろな従業員諸君生活状況その他からみれば、やはり考慮すべき面が多々実質的にあると考えますので、できるならばしたいという考え方で物を見ておるわけであります。ただ現実に物を見た場合に、今の経理状態からいつて、私もこれは年末には幾らになるか別として、手当だけは絶対だと、その手当に必要な金額も除いてしまうと、恒久財源として給与の引下げというものに充て得る財源というものは一応経理を見た上ではなかなか容易に出て来ない。楽だと言われておつた電通でさえも、必ずしも楽な状態でない。郵政のほうは一層困難な状態で、殊に郵政は他会計からの繰入がある、短会計が同じような歩調で上げるということでなければ、郵政だけ、おれのほうは上げるので、その分はお前のほうで負担してくれということにはとても行かない。そうなれば郵政の場合には各一般会計特別会計ともその関係の問題があるので、一層問題が困難になつて来る。郵政の場合には今年の年度内はどうかなるとしても、来年になると更に一層増収見通しどもなかなかつきにくくて、見通しが一層困難になるというような事情で、非常な困難さがあるという感じはどうしても抜けないのです。今のをどういう工合に処理したらいいか、私できるならば何とかして差上げたいものだというので、経理の実態や、それから増収の面、経費の節約の面、その他を通じえ検討しておる状態でございます。
  17. 永岡光治

    永岡光治君 それからこれは一般人事院地域給の引上の勧告と関連して参る経理上の、財政上の問題でございますが、両院人事委員会審議経過の模様、及び人事院考え方からいたしますると、現在地域給をもらつていない地域、これは最近の物価状況生計費状況から考えまして、非常に開きがあり過ぎるので是正をしたいと言つて、第一段階として全部無くすわけに行かないので、零級地の所を一級地引上げて、あとは地域給のでこぼか是正だけにしたい、こういう考えがどうも強いようであります。恐らくこの次の通常国会ではこのことが実施勧告がされて、両院でこれを実施するという動きになるのではないかと私は想像されるのでありますが、そうしますと、この零級地というのも大部分実はこの郵政職員であります、特定局の所在地でありますので、殆ど郵政職員がその大部分を占めるのではないかと思つておりますが、そうなりますと、そこに当然財政上の措置を講じなければならないと思うのでありますが、大蔵省との折衝に当つては、給与予算折衝に当つてはやはりその点も考慮されて行なつておるのではないかと私は思いますが、まだこの点には何も触れておらないのでございましようか。それとも人事院等動きで、何か一応当局としては若しこれがそういうように実施されるとすれば、予算がどのくらい要るのだということであらかじめ話合を進めておるのでありましようか、どうでしようか。
  18. 中村俊一

    説明員中村俊一君) 只今のところそういつたような具体的な問題として大蔵省との間に補正予算のことについて、給与予算というようなものは折衝は行なつておりません。
  19. 永岡光治

    永岡光治君 これは一つ大臣にこの仲裁裁定、年末等のことで特にお尋ねしておかなければいけない問題があるわけですが、先ほども大臣から申されましたが、そして一貫した政府の方針は、たとえ資金上、許されても、実は他の公務員との関係もあるので、特にそれだけこれを引上げるということも非常に不均衡建前でできないということも言われておりますが、これは三公社、五現業の各職員の間にも通ずる考え方であると私は考えるのでありますが、暮の手当にもそうでありますが、ベース改訂、暮の手当、この点について区別をするという考え方はないだろうと私は思うのでございますが、その点は念のため確認をしておきたいのでお尋ねをするわけですが、同一歩調でべース改訂はやるし、年末手当も同一歩調でする、こういうふうに解釈してよろしうございましようか。
  20. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 考え方としては、たまたま公務員に対しては、人事院勧告、それからして公労法適用職員に対しては、仲裁裁定という形でほぼ歩調を合せて進んでおるような結論が出ておりますからして、政府考え方としては全部バランスをとつて均衡をとつて問題の解決を図りたいということは強く考えられておるのであります。ただ一般会計の場合には、御承知のように財源に非常な災害の関係があつて困難しておるので、一般会計をやれば当然地方にも同じ歩調でやらなければならん。地方までやるようになると七百二十億か三十億要るというわけで、とてもそれだけの財源考えられない。平年七百二十億か三十億ですが、たまたま困難さが一般会計に特に強いですが、特別会計公社を通じて、つまり公労法適用職員については一般公務員歩調を合せてやりたいという考え方がありながらも、幾ら違つた扱いができるか知れんという感じはある。まあそう思うのは仕事性質も少し違うし、それから給与の基も、企業でありますからして、料金収入運賃収入という源があるわけですから、少し感じがずれている。併し少くとも公労法適応職員の間では全部歩調を合せて行きたいという考え方は非常に強くあつて、恐らくそういう結論解決ができることと思つております。
  21. 永岡光治

    永岡光治君 そこで又大臣にもう一つお尋ねしたいのですが、この財源の問題では資金年度内に可能であつても、将来果してベース改訂財源を置いておかれるかどうかということも考えなければならないという趣旨お話でありましたが、この予算総則の第八条の但書ですか、第二項で一応各事業会計について給与予算をきめられております。郵政事業においては四百五十一億一千万円ということを大体きめられておりますが、併しこの予算総則のこの給与総額規定にかかわらず、「造幣局、印刷局国有林野事業アルコール専売事業及び郵政事業の各特別会計において、職員能率向上による企業経営の改善によつて収入予定より増加し、又は経費予定より節減したときは、大蔵大臣承認を経て、収入の増加又は経費節減額の一部に相当する金額昭和二十八年度において公共企業体等労働関係法適用を受ける職員に対し、特別の給与として支給するため前項に定める給与総額を変更することができる。」こういう第二項の規定があるわけで、これは当然年末の各事業会計における一つ特殊事情を私は是認したものと考えるわけですが、若し資金上かく余裕がつくということであれば、べース改訂一般問題としてこれは考慮するでありましようが、このような資金が出た場合、当然これは私はこの予算総則の八条の規定によつて特別の支給をするものだと、こう考えるのでありますが、この点大臣はどのような見解を持つておられましようか。念のためにこれもお尋ねしておきたいと思います。
  22. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) お尋ねのように、この範囲においては裕りがあればそういう措置をしていいわけでありますが、これは併しどこまでもその年度限りにおいて他年度影響をいたさない形の給与支給方法従つて賃金ースを上げるという形でなしに、年末手当とかそういう形において出すか、このような形で措置ができるということを規定していると了解しております。
  23. 永岡光治

    永岡光治君 そこで先ほど触れた問題に重ねて触れるわけでありますが、結局この第二次補正を目途にいたしまして、恐らく政府のほうでは慎重に取扱をされると思うのであります。御承知通りすでに物価人事院勧告が今年の三月の基準になつておりましたが、今年の八月とこの三月と比較いたして見ましても、内閣統計局資料を以ていたしましても、すでに総合指数において六・八%値上げになつております。こういう状況でありますから、新聞社の、又これも同じ内閣統計局資料でありますが、或る標準世帯主収入状況を見ましても、収入の二万六千円に対して支出が三万一千円という五千円以上の開きに、赤字が出ておる状況でありまして、当然これは私は政府は何が何だろうとこの改訂努力をしてもらわなければならんと思つておるのであります。勿論この公務員給料取りというものは物価の下ることを実は願つておるのでありますが、残念ながら今日までの実績を見ましても物価は下りませんし、今までの補正予算説明における政府答弁を見ましても、どうやら支出は殖えるばかりで、米の値段も上げなきやならんだろうと言うし、来年の四月にも又電燈料金引上げなければならんだろうと言つて来ているし、運賃引上げなければならんと言つて来ておるし、こうして見れば物価値上げというのも目に見えた事実であります。非常に公務員は弱つたものだと考えておるわけですが、その意味からして明らかに物価が下らないとすれば、給与の面はべース改訂において面倒を見てやらなければならんというくらいは、これは大臣も否定することはできないだろうと思うのでありますが、そういう意味において税金の問題を見ましても、中小企業も非常にひどいようであります。ところが給料取りは取り分け苦しい生活の中から更に天引で文句なしに毎月税金は取られている。滞納も何もできない状況になつておる。苦しい状態に置かれておりますので、是非とも私は遅くとも十二月上旬に開催される国会で冒頭かけられるでありましよう第二次補正では、是非ともベース改訂や年末手当の面について十分一つ措置を講じて頂きたいと思うのですが、もう一度一つ大臣決意お尋ねし、又要望したいと思うのでありますが、なぜならば、仲裁裁定なり、公務員の中で大きな分野を占める郵政職員及び電通職員を預つておる郵政大臣でありまするから、どのような一つ決意でありますか、お尋ねいたしたいと思います。
  24. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 繰返して申上げますけれども、今度の裁定、それから人事院勧告のこの公務員立場、それからして従業員立場から見てのお話の面については、全く私は異論を挿む余地はないと思つております。又その後の物価の値上りにつきましても、只今永岡委員の御指摘の通りと了解しております。実質的にはこれは何らか手当をしなければならんと思つております。このままで放つておけない。ただそれを措置することが今の国家財政の面で他に影響を及ぼす、例えば一般公務員の場合には増税という形にならず、又郵政の場合には利者用に対する負担、つまり料金の値上という形にならずにどの辺まで行けるか、成る限度まで行けば当然料金改訂という形にならざるを得ないのですが、それが今日の公務員事情従業員事情からして、国民に忍んで頂くということがお願いできる程度のものがあるかどうかというようなことを総合的にどこまでも検討しまして、そこで何らかの結論を出さなくちやいけないと、こういうふうに考えておるわけです。
  25. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 他に質問がございませんか。
  26. 永岡光治

    永岡光治君 なければ、別な機構改革のことでちよつとお尋ねしたいと思います。実はこの待命制度というのが頻りに問題になつておりまして、これも国内でも相当動揺している空気があるので、この際お尋ねしておきたいと思うのでありますが、人事院では政府の意向を以て待命制度実施しようとしておる。これは政府考え方お尋ねしたいのでありますが、この待命というのは希望だろうと思うのでありますが、希望すればその者は一年間出て来なくてもよろしいということになるわけです。相当希望者があつた場合に全部を認めるかどうかは別としても、成る程度認めるということになれば、その分は実際の仕事をしないということになるわけです。そうしますとそれでなくてさえ今事務上の処理に困難になつているのが、大都市の郵便局あたり事務が非常に困難になるだろうと思う。何か待命制度と関連して定員の面で特別の措置考えられる用意を持つておられるでありましようか。その点を一つお伺いいたしたい。
  27. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ待命は、本来これは内閣委員会でもしばしば申上げているのでありますが、本来待命という問題が論議されるようになつて出て出ましたのは、機構改革の構想ができ、そして或る程度人員の整理という数字が出て来たときに、まあ希望者がないときには止むを得ない事情のときは離職をするようにお願いをして、そして待命ということにするつもりでおつたのであります。併しそれをやりますのには、法措置が今の国家公務員建前では要るということになつたので、今の状態ではできない。併し、まあ退職を希望されているかたがあるかも知れないし、又どうせおやめになることであれば、一度にどつとおやめになるよりも、ばらばらにだんだんとやめられて行つて、だんだんと就職の機会を早く見つけられるということがいいのじやないか。又やめられても、国の側から仕事に差支えなければ双方ともいいのではないかという考え方で、今度の閣議決定により双方の合意による待命制度というのができたのであります。そこで、希望者があれば誰でもよろしいのかというと、そうは行かないのでありまして、今度の待命を許すということになりますと、一年間給料をただ差上げる代り、その待命を許した数だけはその事業の定員が使えなくなつてしまう。そして今度の改革のときには当然にそれが定員から落ちるということになるわけであります。ですからして、待命希望者がありましても、そこのところからその人間を外して、そして他からもその定員をやりくりがつかないで、どうしてもその人間はやめる、新らしい人間を入れなければならないという事情である場合には、これは待命は許可できないというような実質的に関係になつておる。定員が使えなくなつてしまう。ですからして、一方やめられる側に対しても、待命希望される側に対しても、希望或いは承諾がなければならないと同時に、待命を許すか許さないかも、任命権者の間に判断の自由があり、これは困るという人に対しては待命は許さないというような関係になつておるので、その面で調和がとれるようにできておるのであります。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 これは又元に戻つて甚だ恐縮でありますが、実は公企体等労働関係法の改正を労働省あたりでは研究されておるという話であります。何か、大臣のほうで、郵政大臣立場から考えて特別にこれを改正しなきやならないというような理由なり動機なり、何かあつたのでしようか。
  29. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは私のほうは、機構改革立場から若干そういうことを考えたことがあるのと、それからして例の適用職員と非適用職員関係で、何かあそこのところを直して、その点の調和をとる工夫がないだろうかということで、公企労法の改正ということをちよつと考えたことがあるのですけれども、まだ改革本部としても別に具体的な案があるわけでない。従つて労働省とそういうことについて話合いをしたこともないのであつて、労働省側からそういう考え方が出ているといたしますならば、恐らく別の面から労働省が独自にお考えになつて、必要な面が生じてお考えになつているのじやないかと思います。
  30. 永岡光治

    永岡光治君 機構改革等、これはまあ定員の整理も含まれておるだろうと、政府考え方からすればあるだろうと思うのですが、政府は何かこのような考えを今研究を進めているそうでありますが、いつ頃大体国会に出す目途で研究を進められておるのでしようか。
  31. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ特別のものは特に早くしなきやならんものがあるかと思うのですが、今のところそういうものも思い当らないものですから、全体として予算の編成と睨み合せて、予算が提出される時期ぐらいには国会に提案をして、御審議願えるように段取りをして行つたらいいのじやないかと、こういうことに運んでおります。今、十二月中ということになつております。
  32. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) ほかに質問がございませんか……それでは一時休憩したいと思います。  それでは一時休憩いたします。    午前十一時十六分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた。〕