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1953-11-04 第17回国会 参議院 文部委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月四日(水曜日)    午前十一時四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     川村 松助君    理事            荒木正三郎君    委員            大谷 贇雄君            木村 守江君            谷口弥三郎君            吉田 萬次君            高橋 道男君            安部キミ子君            高田なほ子君            長谷部ひろ君   国務大臣    文 部 大 臣 大達 茂雄君   政府委員    文部省初等中等    教育局長    緒方 信一君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    文部大臣官房会    計課長     内藤誉三郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育、文化及び学術に関する一般調  査の件  (文部行政の諸問題に関する件)  (冷風水害地学童給食に関する  件)   —————————————
  2. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今から文部委員会を開会いたします。  丁度教育局長緒方君が見えておりますから、御質疑のあるかたは御発言を願います。
  3. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 来年度の予算関係した問題でございますが、来年度の教職員定数をどのように文部省としてはお考えになつておられるかという問題です。これについては或いは御存じだろうと思うのですが、前の十六国会予算を審議しておる途中で、いわゆる三党協定というものが結ばれたのであります。三党協定の中にこれは教職員だけに限定したものではありませんが、国家公務員及び地方公務員定数削減するということが入つているわけです。これが自由党のほうでも了承されておるわけなんですが、これは結局政府も了承されている問題ではないかと思いますが、その中で外部に発表されませんでしたが、三党協定の中に義務教育関係教職員定数を減らすということが入つているわけです。その数字を私のほうから一応私の聞いているところを挙げますと、義務教育関係で百七億の予算説明をしているということです。そのために中学校において五・九%、これは予算定員の五・九%、それから小学校においては五・七%の人員を節減しよう、こういうことです。これは三党協定申合せといいますか三党協定という形になつておりますので、かなり強い力を私は持つておるのじやないか、そういうことから考えて、こういうことが若し実際に行われるということになれば非常な問題になるのじやないかというふうに考えますので、この問題について私は政府に対してどういうふうに今予算折衝をしておられるのか、そういう点についてお伺いしたいと思います。で、これは私は文部大臣にお伺いしなければならん問題だと思つてつたのですが、どうしても今日はすぐ出られないと、こういうことですから、関係責任者にお伺いをいたします。
  4. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 只今教職員定員削減の件に関してでございますが、文部省といたしましては、現在すでにむしろ必要数から見まして非常に不足をしておるような状態考えておる次第であります。更に児童数増加はまだ今後相当考えなければならん状態でございますので、只今お話のありましたような小学校中学校をそれぞれ減員をするということに対しましては、文部省といたしましては交渉することができないというふうに考えておる次第であります。来年度の予算要求におきましては、やはり来年度特に児童数も殖えますので、それを基礎にいたしまして算出いたしまして相当増員を見込んで予算折衝をいたしておる次第でございます。
  5. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると三党協定文部省としては全然考慮する考えはないのだ、又考慮していたいのだ、こういうことになるわけで、これは実情に即して考える場合ですね、私は当然な考え方であると思います。併しこの問題はそういうことが明確になつているのかどうか、これはやはりお伺いして置かなければならんと思いますが、大臣が見えたのだからちよつと尋ねますが、簡単ですから、ちよつとだけ尋ねておかないと、これは事務当局に話が行つておるのかどうかということを疑問に思つておるのですがね。
  6. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 私は三党協定のことにつきましては実は承知しておらんのでありますが、先般の地方制度調査会意見といたしまして、これは当初さような内容が出ておつた丁度今お話のような内容が出ておりました。これに対しましては文部省といたしましては先ほど申しましたような見解で進んでおる次第でございます。答申案に対しましては、勿論これは慎重に考えなければならんと思いますけれども定員の問題に対しましては文部省といたしましては、只今申上げましたようなことで予算折衝をいたしておる次第でございます。
  7. 川村松助

    委員長川村松助君) 大臣質問ありましたら先に……。
  8. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 文部大臣お忙がしいようでありますから、私簡単にお伺いしたいのですが、教職員の来年度の定数の問題に関係しているのですが、前の国会でいわゆる自由党と改進党と鳩山自由党のいわゆる三党協定がございまして、二十八年度の予算修正が行われたわけでございますが、その際の協定の中に、外部には発表されませんでしたが、私の聞いておるところでは、国家公務員及び地方公務員人員整理を行う。その中で地方公務員関係においては大体二百二十億の削減をしよう、こういうことで、そこでその大半を占めるのは結局学校関係になる。そこでその中で百七億を中小学校教職員整理によつて生み出そう、こういうことで中学校では五・九%の整理をしよう、それから小学校では五・七%の整理をしよう、これによつて百七億の予算をとにかく浮かして行こう、こういう話合いが決定されたことを聞いております。これは非常に私に重要な問題であると思うのですが、このことについて文部大臣には予算の編成に当つて、この三党協定の枠を縛られておるのかどうか、そういう点についてお伺いしたいと思います。
  9. 大達茂雄

    国務大臣大達茂雄君) 三党協定内容を実は私よく承知いたしておりませんが、これは御承知通り他の職員と違いまして、児童数によつておのづからきまらなければならん性質のものでありますから、私どもといたしましては、現在の教員の数を減らすことは勿論できないと思います。殊に来年は非常に児童数が激増する廻り合せになつておりますことは御承知通りであります。従つてむしろ現在の教員数では相当の不足が起きますから、この点についても相当な増員をしなければならん必要がある、こう思つてそういう見解の下に、只今大蔵省と二十九年度予算について折衝をしております。
  10. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私は今文部大臣のお考えなり御説明を聞いて尤もであると思うのですが、そういたしますと、いわゆる人員整理の問題については、教職員実情から考えて、いわゆる一割天引とか、五分天引とか、そういうことは実施できないと考えている、こういうふうに伺つたのですが、それで間違いございませんか。
  11. 大達茂雄

    国務大臣大達茂雄君) その通り考えております。
  12. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それでは私はこの問題についての文部大臣に対する質問を終ります。
  13. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちよつとそれじや関連します。定員の問題で一番私ども前前から考えております問題は、婦人教師お産で休んだ場合の問題。御承知のように十六週間の産前産後を通しての休養というものが曾つて団体協約締結されましたときに、教育特殊性に鑑みてこのことが高く取上げられておりましたもですが、その後労働基準法の線に沿つて十二週間というふうに逐次後退して参りましたが、今日非常に先生の数が足りないということで、お産のときに十二週間を完全に休めるというような実情に今ないわけです。百万人の児童増に加えて、婦人教師お産のときの休暇をとるための補助教員というものが当然考えられなければなりませんけれども大臣婦人産休補助教員についてどういう見解をお持ちになつておられるのか、これを確保しようとなさるのか、それともそれをどういうふうにしようとなさるのか、一応お伺いしておきます。
  14. 大達茂雄

    国務大臣大達茂雄君) これは今高田先生お話のように、規則がきまつていることでありますから、私どもといたしましてはできるだけそれを確保できるようにしたいと、こう思つております。
  15. 高田なほ子

    高田なほ子君 そのお答えはもう歴代文部大臣がお考え下さるのですが、現実には殆んど実施されない。ただ実施が余りにひどいということで、地方財源の中から事務の幅をとつて若干の補助教員を置いておる県も全国に約十五、六県あるわけですが、それも現在はだんだんと少くなつて来ております。婦人教師が完全に母性保護をすることができないという非常な訴えを聞いておりますし、前々国会には実に百万に上る厖大な国会陳情が行われて、これをなんとか考えるという、研究するというお答えを頂戴しておるわけですが、更に具体的な方策が出て来ていないのを甚だ遺憾とするわけでございます。どうぞもう一度一つこの点はお考え頂きまして、積極的な方策を講じられたい。特に定員減の問題が大きく出ております折柄大臣の特段の決意を私は頂戴したいと思います。
  16. 大達茂雄

    国務大臣大達茂雄君) お言葉誠に御尤もであります。ただこれを十分にするということになると、御承知のように相当な予算を必要といたします関係で、従来そういう考えを持ちながら実は十分に行つていないというのが実情であります。私どもとしましては今後できるだけお話の線に沿うように努力したい、こう申上げる以上できません。それで御了承頂きたいと思います。
  17. 長谷部ひろ

    長谷部ひろ君 それに関連してでございますけれども只今高田先生がおつしやいましたように、お産をなさる先生があの苦しい肉体を以て教壇にお立ちになるということは、私は本当にお気の毒だと思うのでございます。こういつたような経験は男のかたではこれは絶対におわかりないので、女でなければわからない問題なのでございますが、ああいう姿で教壇に立つということは、やはり子供の教育の面にも私どういう影響があるかということを考えておるわけなんです。そこでやはり産前、産後というものは当然休暇を頂けるということに規則できまつていながらも、やつぱり先生が足りないというので無理をしてお出になつておるかたが随分たくさんあるのです。そのためにやはり産後の休養が十分行届かないためにお体を損じておるという現実の問題にも直面しておるわけなんでございます。ですから、どうかこういつた産休補助教員の数を減らさないように、現在でも足らないのです、ですから、その足らない先生が、やはり普通の先生が数が足らないというので、普通教員のほうにお廻りになつて行くというような現状もあるのです。どうか一つこの点十分お考え頂きまして、文部大臣の特別の御考慮を頂きたいと、特にお願いを申上げるわけでございます。
  18. 大達茂雄

    国務大臣大達茂雄君) 拝聴いたしました。
  19. 高田なほ子

    高田なほ子君 それで予算をとつてこれを解決するという積極的な面については、大臣も今直ちにお返事ができないということは私も一応わかるのですけれども、併しそれかといつて全然それを野放しにしておくということは、今申上げたように逐次補助教員の数も減つて来ているという現状でありますから、消極的な指導面というものは文部省のほうで幾らでもできる。特にPTAの規約の改正というところまで大分お世話が行届いておるのに、大事な婦人教師休養の時間がとれないということについては何にも指導されておらない。休ませないのが当り前のような顔をしておるのが今の実情で甚だ遺憾だと思いますから、是非予算の問題と同時にそういう消極的な面でありますが、母性保護ということはやはり大きな文教の任に当られる大臣指導面としても十分積極的に御指導頂きたいということを申上げます。
  20. 大達茂雄

    国務大臣大達茂雄君) かしこまりました。
  21. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 教職員定数問題については、文部省考え方というものは私は今のお話でわかりました。併しいろいろの情勢から判断いたしますと、果して文部省考え通り予算折衝が進むかどうかということについてはなお私は一抹の疑念を持つています。そういう点で近藤局長なり或いは会計課長にもう少し詳細に伺いたいと思います。今私どもの手許へ配布されておる来年度の予算要求刷り物によりますと百六十億ばかり増額した要求をしておるわけです。この内訳ですね、単価はどういうふうに本年度に比べてなるか、或いは教員定数においてはどのようになるか、それを簡単に一つ説明を願いたいと思います。
  22. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) お尋ねの点ですが、単価につきましては実績単価をとりましてそれに昇給率を、実績昇給率をみております。それから定員につきましては現員を基礎にいたしまして、生徒自然増加の分につきましては従来の五十分の一・五、一・八という数字で計算しております。
  23. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それを少し数字を挙げて御説明を願いたいと思います。実績幾らになつているか、そういう点ですね、数字を挙げて御説明を願わないと、それだけ聞いては何もならないわけなのです。
  24. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 本日はまだここに組かい数字を持つて参りませんので、いずれあとで取寄せてお話を申上げます。
  25. 高田なほ子

    高田なほ子君 だから私はこの前の委員会でそういうことの資料を頂戴したいということを申上げておるのに、全然資料は下さらないで、山ほどある資料だからそんなものは出せないというような不親切なお答え、今荒木委員から説明を求められれば、あるのに出して頂けない、これはどういうわけなのですか、甚だ不親切だと思います。
  26. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 高田先生にこの前申上げたのは、二十九年度予算予算折衝の問題でございますから、私どもは余り詳細に亘つては発表できない分もございますので、大体の点ならば特に事項を挙げて、今荒木先生からお話のような、こういう事項について資料を出せと、こういうお話なら私ども出しますけれども、全部についてはなかなか資料も大変でございますし、又予算折衝のこともございますので出しかねる、こういう意味で申上げましたので、その点を御了承順いたいと思います。
  27. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私が今質問いたしまして、それに関係した資料あとで出す、こういうことでございますが、そこでその資料について私はここでどういう資料出して頂くか申上げておきます。それは現在のいわゆる教職員給与実績ですね、これは各府県別一つお願いしたいと思います。そうしてそのトータルを平均したものをもお出し願いたい。それから定員については、これはもう別に申上げることはございませんが、やはり各府県別定員が、定員と申しますか実人員ですね、実人員はどなつておるかということですね。それから現在の各府県別中学校小学校生徒数、それをお出し願つて、そうして来年度の要求している給与幾らになるのか、それから人員はどうなるのかという資料を私は出して頂きたいと思うのです。この問題は別に私は予算折衝の経過を聞こうという問題ではありません。先ほど申上げましたように、この教職員定員だけでなしに、人員整理という問題は全般を通じて大きな政治的問題に私はなつて来ると思うのです。そういう場合に備えて十分実情というものを知つておかなければ、私は国会にいていろいろ審議をする場合でも非常に困ると思いますので、間違いのない数字出して頂きたい、いつ頃これは頂けますか。
  28. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 明日までにはできると思います。
  29. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 明日ね。
  30. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) はあ。
  31. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに御質疑ありませんか。
  32. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私はこの問題はこれで打切りますが、学校給食の問題について政府にお伺いしたい問題があるのです。これも予算関係しておりますので、ほかのかたに御質問があればやつて頂ければ結構でございます。なければ次に移ります。
  33. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 只今のに関連してですが、私も資料一つ頂きたいと思うのです。先ほど高田先生長谷部先生からお話がありましたように、女教員の分娩前後の休養ということは非常に大事な問題でありますが、それに対して或いは一方定員の減少というような関係で心配されておる向きもありますので、私よく数とか何かは知りませんので、折角資料をお出しになるそのついでに、全体の女教員の数、それも府県別にいたしまして、できれば男の教員さんと女教員さんとの比率、それからこれは少しむずかしくはないかと思いますけれども、わかりますならばその産前、産後の休養した十六週とか十二週とか、今言われておるのがどのくらいしておられるか、その数を調べたものをお出し願えればお伺いするのに都合がいいと思います。それだけ追加してお出しを願いたいと思います。
  34. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 学校給食の問題についてお尋ねいたします。関係のかた来ておられますか。私から申上げるまでもないことでございます。又前の当委員会においても給食の問題は取上げられておるわけでございますが、特に緊急な問題といたしましては、冷害地学校給食問題或いは水害地学校給食の問題、これは取分け緊要な問題だと思うのです。このことについては文部省のほうでもいろいろその対策について考慮しておられるということを聞いております。又当文部委員会でも委員の間において熱心な意見交換が行われておるような実情でございます。先般の委員会においても木村委員から冷害地域における欠食児童増加問題は憂慮すべき状態にあるというふうなお話もございまして、全く私ども同感に感じておるところでございます。それでこの際文部省としてのこういう災害地域に対する学校給食について応急措置としてどのような対策考えておられるか、この際御説明を頂きたい。
  35. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 災害地及び冷害地につきましてユニセフ寄贈ミルク無償で配付する計画を立てておりまして、これに伴う手配も大体済みましたので、すでに西日本については実施中であります。更に十三号台風地域及び冷害地域については大体のこの見通しがつきましたので近く実現の運びになることと思つております。それからあと小麦無償にする交渉をいたしておりますが、小麦につきましては御承知通り半額食管特別会計のほうから出ておりますので、あと半額を無慣にできるように大蔵当局交渉中でございますが、ただこの点につきましては大蔵省予備費で話合つているのですが、実情を申上げますと、大蔵省考え方としては、この冷害地及び水害地に対しては相当災害土木とか或いは営農資金とか或いは農業共済保険等合せまして約六百億程度の現金収入考えておるのに、そこに更に生活保護法関係についても相当増額しておりますので、全部無償にやるということはどうかというような一部の意見もございまして、今折角折衝しておるのですが、何らかの私どもは解決できるのではないかと考えております。特に今現在実施しておる給食学校以外にも設備を考えてやらなければならん、こういう点もございますので、それやこれやを考えながら恐らく今明日中には何らかの決定ができるのではないかと思つておりますから、いずれきまり次第当委員会で発表できるのではないかと思つております。
  36. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうしますとユニセフ寄贈によるミルクですね、これはこの前の委員会での説明では西日本水害地にこれにたしか約四千何百トンを無償で配付する、それから十三号台風については約八、九百トン、これも  ユニセフ交渉して無償で配付するように考えておる、冷害については何らか考えたいということで、具体的にはなかつたわけでありますが、今日の説明では、冷害地域についても同様な措置ができる、こういうふうに了承して差支えございませんか。
  37. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 大体できるという見通しがついたのです。まだ確定ではございませんが、この前申上げた時よりは明るい見通しになりました。
  38. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そういたしますと、冷害地域無償で支給したいというミルク数量を、これは西日本災害とか十三号台風については大体数量を挙げて御説明なつたわけですが、冷害地域についてはどのくらいの数量をお出しになる見込なのか、御説明願いたい。
  39. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) まだちよつと数が固まつておりませんが、大体の見通しはございますが、ちよつと今数字を記憶しておりませんので後ほど申上げます。
  40. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それはちよつと了解しにくいのですが、これはユニセフ寄贈によつて賄いたい、こういう考えでしよう。そういたしますとこれはユニセフのほうに交渉する時に数量を挙げておると思うのです。ですからちよつと了解しにくいというのは、水害のときは四千何百トン、それから十三号台風のときは八百トンの援助を受けたい、こういう交渉をして大体うまく行つている、冷害のときは幾らぐらいの数量交渉しておられるのか、私は数字があると思うのですが。
  41. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) お話のようにたしか数字があるのでございますが、今日私ここに数字資料を持ち合せませんので後ほど申上げたいと思います。
  42. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それでは小麦のほうに移りたいと思います。これもやはり私は金額と数量のことについて説明を願いたいと思います。そうしませんと話が食い違つて来ると思うのです。というわけでお尋ねいたしますが、若し仮に冷害地或いは十三号台風或いは西日本水害地、こういう水害受げた地域及び冷害を受けた地域学童小麦粉を無償で配付する、こういうことになると、先ず第一にお尋ねいたしますのは、対象となる生徒児童の数、これを幾らとお考えになつておりますか、私のほうにお配り願つた数字によりますと、水害関係で約六十万人ございます。小中学校合せてですが、それから冷害地域でもやはり六十万人ございます。従つて文部省学校給食としていろいろ考えておるものの対象となるのは合計百二十万人、こういうふうに了承して差支えないのかどうか、その点の説明を願いたいと思います。
  43. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 只今お挙げになつ数字は多小その後の情勢で変化しておるのですが、六、七月の分につきましては大体給食人員は四十万人、小学校二十七万二千人、中学校十三万六千人、この数を見込んでおります。十三号台風の場合は小学校が十一万六千人、中学校五万八千人であります 冷害の場合は小学校のみで一応四十万人、中学校三十万人で、お話のように大体六十万人という数字になります。併しこれはできたら中学校にも拡大したいという希望の数字でございますして予算要求しております数字小学校だけを要求しておりまして、小学校は六、七月の西日本水害で二十七万二千人、十三号台風で十一万六千人、冷害で四十万人、すべてその数字基礎にいたしまして、この八掛を予算要求いたしております。
  44. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そういたしますと、この今説明された数字を合計いたしますと、約八十万ということになるわけですその八割ということになると六十万と若干ということになると思うのですが、それを対象として考慮している、こういうことになるわけですか。そういうことになるのですね。
  45. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) さようでございます。
  46. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 これについては、現在小麦については半額補助があるわけですが、あと半額予備費で出そう、こういうことになつて小麦無償で給付するということになるわけですか。
  47. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 私ども要求が通れば無償になるわけでございますが、今のところなかなか折衝が困難でございますので、どういうふうに折衝を解決するか、もう一両日お待ち願いたい。
  48. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この問題については、我々も非常に関心を持つている問題でございますし、いろいろ当委員会においても意見交換をされておるのでございますが、そこで文部省としては水害冷害と区分して分けて対案を講じようと、こういう考えはないわけですね。
  49. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 原則的にはないわけであります。
  50. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私はそれは当然であると思うのです。同じ災害を受けておつて、そして水害地のほうは考慮しよう、冷害地は考慮しない、こういうことになると困るし、又その反対に冷害地だけを小麦の問題を一つやろうということになつても私は片手落があると思いますので、これは同様な態度で解決を図つて行くということが、先ず根本的な態度でなければならんというふうに考えますので、今の説明通りにこれはやつて頂きたいと思うのです。ただ約六十四万の学童に対して小麦粉を無償で給付するということになると新たに幾らくらい予算がいるか、その点を一つ説明願いたい。
  51. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 只今荒木先生水害冷害と区分しないという原則は、私どももその原則通りしたいと思つておりますが、多少の例外は或る程度止むを得ないかと考えております。  それから金額でございますが、十一月から十三号は計算し、更に冷害も十一月から三月まで見る。こういう計算ですと、大体二億程度かかろうと思います。但し西日本の場合は一応計算としては九月から要求しておりますが、どうも要求通りませんから結局十一月からにしますと、これが二千万くらい落ちまするから一億八千万くらいになるのではないか。
  52. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 大体お尋ねをしたいと考えておりました数量は、これで数字の問題は明らかになつたわけでございますが、これは一番初めに申上げましたように、非常に欠食児童が殖えて来ておる、こういう実情から考えまして、この際一段の文部当局の御努力を要請しておきたいと思うのです。  なお先ほどお話にありました、この中には従来学校給食をやつておらない、従つてそういう設備がないこういうところが相当多いかと思うのです。そこでやはりこういう学校学校給食を行うということになれば、設備から考えて行かなければならん、そういう点で、こういうミルク或いは小麦粉について考慮すると同時に、設備の面でも考慮して行く必要がある。この点についての御説明を願いたい。
  53. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 設備費について今この問題と関連して交渉しておりますが、設備費については或る程度明るい見通しを持つておるのであります。予算関係で全部に行くかどうかは私もまだ断言できませんが、或る程度の設備費については見通しが付きそうなのであります。ただ無償のほうは欠食児童のないようにという御趣旨は、私は完全と申せませんまでも相当程度実現できるような気がしておるのであります。ただ今度の冷害の特色として一村全部がやられてないので、或る部分的な冷害を受けたということですから、全部無償にするという点については、相当まだ大蔵当局も難色がありまして、全部を無償にするということは困難だけれども欠食児童のないようにするという線については、これは私ども大蔵省と全く同意見でございますので、何らかの措置を今研究しておりますので、暫くお待ち頂きたい。
  54. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 いや、設備は。
  55. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 設備につきましては、先ほど申しましたように大体の見通しはついておるのでございます。
  56. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 どこから金を出そうというのですか。
  57. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) これもいずれよく御相談して、今はつきり申上げかねますから、一両日待つて頂きたいと思います。
  58. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私の学校給食関係についての質問は終ります。ただ私はこの問題についても文部省考えているように進むのには、相当困難性がある。そこでよほどの努力をしなければならぬというふうに考えますので、十分な努力を要請して私の質問を終ります。
  59. 高田なほ子

    高田なほ子君 非常にこれは重要な問題だと思うのですが、水害地とそれから冷害地とは区別を原則としてはつけない、全くその通りだと思うのですが、但し例外がある、こういうような御発言は、私はやつぱり聞き逃せないところがある。何となればやつぱりこういう冷害とか或いは水害とかというような問題になつて来ますと、非常に政治的な意味がこれに含まつてくる場合が多い。つまり政治的な力に抑されてしまつて、原則的に同じことに取扱うべき性格のものに、何らかそこに比重をつけるという場合は、今日までいろいろな場合に起つてつたわけなんですが、内藤さんに伺いたいのは、どういう例外の場合に差がつくのですか、そこを聞かして頂きたい。
  60. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) お話のように原則として差別をつけないという線で只今交渉しておりますし、ミルクについても小麦についても同様でございます。多少その条件が違う場合もございますので、冷害の場合は相当全部一部落がやられておるというような場合がございまして、実状が水害の場合と違う点もあるようであります。ですから、人員の見方にしても冷害のほうが少し困窮度が強いようでございます。これは生活保護の基準でも違つておるようでありますから、そういう点にも差等が、あるのじやなかろうかと考えております。   —————————————
  61. 高田なほ子

    高田なほ子君 中等局長が非常にお急ぎのようですから一つだけ、問題が外れて来ると思いますけれども伺わして頂きたいと思います。  それは二十八年度の補正予算要求の中に新らしい劔道のために幾らかの費用が含まれておるようですが、新らしい劔道と古い劔道とあるようですが、どういう違いがあるのですか。
  62. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 私からお答えさして頂きます。  これは今まで竹刀競技をやつてつたのですが、講和が成りましてから、劔道も勿論自主的に認められておりますから、劔道を復活するわけであります。ただ劔道を昔のままで復活することはよくないのでございまして、民主的なスポーツの一環として新らしい立場から劔道を復活させたい。民間では劔道も自由でございましたが、学校体育の一部として課したい、こういう場合、只今申しましたように、新らしい教育の観点から劔道の教育をしてゆきたい、かような意味で予備金を要求をしたわけであります。
  63. 高田なほ子

    高田なほ子君 民主的な劔道というのはどういうことなんですか。
  64. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) つまり今までのように軍国主義的な色彩を払拭してスポーツとしての劔道、そういう点に重点を置いて考えておるのでございます。
  65. 高田なほ子

    高田なほ子君 私はどうしてもそういうことが納得できないのですが、ここでそれを議論するというつもりではありませんけれども、劔道の精神というのはやはり劔道に基く一つの精神があるので、ここに民主主義的な劔道とか、もとの劔道とかいう区別をつけているところに、私はすでに納得のできないものがあるのですが、普及伝達のために取られたこの予算はどういう方向でお使いになるわけですか。
  66. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) これは予備金を要求いたしましたが、遺憾ながら大蔵省の承認を得なかつたのです。ですから実施するとすれば既定経費ですが、幹部の人を集めて講習するのですが、その講習の仕方は、例えば試合をどうするとか、或いはこの訓練をどうするとか、そういうような技術的な面が多いのでございます。ただ遺憾ながらこれは大蔵省の承認を得なくて落ちてしまつた経費であります。
  67. 高田なほ子

    高田なほ子君 承認を得ないで落ちてしまつたそうでありますが、文部省としてはこれに対する計画を私はお持ちになつていらつしやると思うのです。一昨日も大臣質問申上げましたMSAの援助に絡む教育方針が頗る軍国主義的な方向になるということは、誰がなんといつても争えない事実でありますが、この新らしい劔道の指導に当るかたは、昔から劔道をやつていないかた、新らしい頭のかたがやられるのですか。昔から劔道をやつていらつしやるかたが指導に当られるようになるのじやないでしようか、どうなんでしようか。どういうかたが指導に当るわけですか。
  68. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 大体今竹刀競技をやつておりますから、竹刀競技ですと非常に簡単な器具を使つておりますので、ただそれに昔のように面や籠手はつけなければならんと思うのです。面や籠手をつけてやると思いますので、大体今竹刀競技が学校で取上げられておりますから、大体竹刀競技の先生が中心になると思つております。
  69. 高田なほ子

    高田なほ子君 竹刀競技というのは、文部省が普及するために一つのプランを作つてやられていることなんでしようか。その点を伺いたいのです。私はとにかく劔道についての計画というものが確かにあると思うので、その一環として、竹刀競技というものがやられているのじやないかと思うのですが、ついでにその計画を伺いたいのです。藪から棒にここに出て来るはずはないと思いますので。
  70. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 終戦後柔道、劔道、そういう一切のものが禁止されまして、柔道が復活し、更に劔道については最後まで抑えられてしまつた。そうしてその劔道に代るものとして、劔道の技をとつて形を変えて現われたのが竹刀競技でございます。竹刀競技は道具を余りつけないでする体育の一つでございます。で、劔道を復活したいという学校側の希望も強いのでありまして、そこで今度は竹刀競技ではどうしてもまだ満足しない向きもございますので、劔道を考えたのでございまして、MSAの交渉とは関連ございません。前から文部省考えておつたことでございます。
  71. 高田なほ子

    高田なほ子君 そのうち女子には薙刀なんということが入つて来るのじやないかと思いますが、そういう計画はないのですか。
  72. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 薙刀については、私まだ局のほうから聞いておりませんけれども、いずれその点については後の機会に御説明申上げたいと思います。
  73. 川村松助

    委員長川村松助君) あと御質疑がなければ一応休憩したいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 川村松助

    委員長川村松助君) では休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた。〕    —————・—————