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1953-11-06 第17回国会 参議院 風水害緊急対策特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月六日(金曜日)    午後三時三十五分開会   —————————————   委員の異動 十一月五日委員亀田得治君辞任につ き、その補欠として菊川孝夫君を議長 において指名した。   —————————————  出席は左の通り。    委員長     矢嶋 三義君    理事            藤野 繁雄君            三浦 辰雄君            成瀬 幡治君            永井純一郎君    委員            井上 清一君            大谷 贇雄君            重政 庸徳君            田中 啓一君            松岡 平市君            井野 碩哉君            上林 忠次君            新谷寅三郎君            林   了君            竹中 勝男君            松浦 清一君            山田 節男君            石川 清一君   衆議院議員    水害地緊急対策    特別委員長   村上  勇君            柳田 秀一君            八木 一郎君   政府委員    内閣官房副長官 田中不破三君    大蔵省主計局次    長       原  純夫君   事務局側    参     事    (委員部第三課    長)      川合 重男君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○決算委員長よりの申入れに関する件 ○昭和二十八年六月及び七月の大水害  により被害を受けた地方公共団体の  起債特例に関する法律等の一部を  改正する法律案内閣提出衆議院  送付)   —————————————
  2. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今より本日の会議を開会いたします。  先ず委員長より報告申上げる事項がございます。十一月一四日付を以つて決算委員長東隆君から委員長宛申入書が参りましたので、参事に朗読させます。
  3. 川合重男

    参事川合重男君) 朗読いたします。   昭和二十八年十二月四日      決算委員長 東   隆    災害復旧費効率的使用に関する要望書について  災害復旧効率的使用に関し別紙要望書写通り内閣総理大臣に対し本委員会の議により申入れ行つたので貴委員会においても宜敷く御配慮願いたい。    災害復旧等の効率的に関する要望書   本決算委員会は、決算の審査にあたり、年々批難事項増大傾向があり、特に災害復旧費等においてのは、不当使用甚だしいものかあるのを遺憾としてみる。仍つて政府は、今次災害復旧費等使用に当つては、その効率的使用に充分意を用いて、遺憾のないよう努むべきである。   昭和二十八年十一月四日      参議院決算委員長  東   隆    内閣総理大臣吉田茂殿
  4. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今参事の朗読いたしました決算委員長からの申入事項につきましては、いずれ後刻御協議申上げます。   —————————————
  5. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 次に、本日午前中開かれました委員長理事懇談会経過と結果について御報告申上げます。  数日来当委員会審議対象になつております昭和二十八年六月及び七月の大水害により被害を受けた地方公共団体起債特例に関する法律等の一部を改正する法律案についてでありますが、これの内容は、災害復旧に最も関係の深い部分内容とするものであり、予算的に考えましても、最もその主要な部分を占めるものでありまして、極めて重大でありますので、委員長理事懇談会で一応検討いたしました。そしてその結果は、大体次の事項に要約されたわけでございます。先ず第一番に、本件に関しましては先日御報告申上げましたように、先ほど参議院建設長申入れがあつております。この申入れについて建設委員長説明聴取いたしました。然るところ、建設委員長説明の要旨は、法律第二百五十六号の第五条の二、第一項中の「十分の八」を「十分の八以内」と改めることと、面して事業量を伸長せしめたい、こういう申入れでございますが、更に突込んで三分の二くらいが、妥当だと建設委員会としては考えておる、而もこれは前回各派出席の上全会一致結論であると、こういう御報告でございました。私の報告に誤まれる部分がありましたら報告終了後に願います。  次に、只今審議中の案件につきましては、各党において意見の統一ができない面があり、委員長としては委員会運営にやや困難を感じておりまするので、次の事項について各党はその意見を統一して午後の委員会に臨むということを確認いたした次第でございます。その内容は先ず排水の件でございますが、排水の件につきましては、現行令第二条の農林大臣が特別の事情があると認める応急工事費の中に、排水事業費入れるように政令を改めると同時に、建設関係のもその線に沿つて明確化することによつて解決するか、それとも衆議院から修正送付されておりまする線に沿つて立法をするか、そのいずれをとるかということをそれぞれの党において態度決定して来ること。それから第二点は、防潮堤の件でございますが、これは衆議院送付案の十分の八とするか、或いは建設委員会からの中入れの十分の八以内にするか、或いは三分の二とするか、それらの点について党の態度を決定すること。それから第三点は、湖岸の問題が起つているわけでありますが、この湖岸の問題については、内閣提出にかかわるこの法律案の中に、湖岸に基く項を新たに追加して解決するか、それともこの内閣提出案から分離して新たに単独立法をやるか、その単独立法をやるとするならば、一応提示されました第一案で行くか、第二案で行くか、それとも他の案が考えられるか、そういう点について各党態度を決定して午後の委員会に臨むということを委員長理事懇談会では申合せて散会いたした次第でございます。  そういう経過迪つてこの委員会は開会されております。で、これらの報告を御了承願うと同時に、これと合せて一つお諮り申上げたいのでございますが、それは国会の会期は明日まででございます。そこでこの法律案に対する結論を本日中に終了するかどうかということを先ず確認いたしまして、委員会運営して参りたい、こういうふうに考えております。その運営につきましては、我々は特別委員会でございますが、農林省関係或いは建設省関係につきましては、それぞれ農林常任委員会、或いは建設常任委員会において平時においては取り扱つて来られておるのでございますので、それらとも、如何に特例法といえども、或る程度関連性としうるものは考慮して我々は審議するなり立法しなければならんと思いまするので、建設省関係並び農林省関係に皆さまがたが、質疑事項があるならば、それを質疑して頂いて、そののちに協議をいたし、若しその協議結論衆議院側送付案と不一致の点がありましたならば、法の成立を円滑ならしめるために、衆議院側とも十分に連絡をとつて、そうして最後の本特別委員会としての結論を出したい、こういうふうに考えておりまするので、そういうことにつきましても御意見を承わりたいと思いまするが、それを参考にして、本日中に結論を出すかどうかということを先ずお諮り申上げたいと思います。そこで具体的には委員長理事懇談会報告を申上げましたので御了承願いたいと思います。若し質疑がありましたら……。
  6. 石川清一

    石川清一君 先ほど委員長報告のうちに、建設委員会申入れに対して、たまたま委員長全会一致であつたかという御質問がありまして、全会一致でありますと答えたのでありましたが、先ほど委員会を開きまして、当日出席していなかつた右派田中委員事情をお話いたしましたところ、本委員会において申入れを決定したしましたときに、右派主催農民大会出席しておりまして、そのときに二項の項目は同意しがたいような決議をしたので、その点お含みを願いたいというお話がありましたので、その点申上げておきます。従つて多数決でありますが、異議者のあつたことを御報告申上げます。  それと委員長の今の説明の中で、第五条の二のうちの十分の一以内というのが申出でありまして、委員長は三分の二と限定されたような報告でありましたが、この点は条文通りでありまして、政府意向を確かめましたところ、三分の二以上にしたいと、こういう意向でであつたことを、私はこの際附加えておきます。
  7. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 建設委員長にお尋ねするわけですが、前回申入れを議決された場合、或いは質疑討論の過程において、速記をつけておやりになつたのですか。
  8. 石川清一

    石川清一君 速記をつけた部分もあるし、ない部分もあるかと存じております。
  9. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私はここで氏名を挙げたり、政党の名前を挙げてどうすることは差控えたいと思いますが、必ずしも私が聞き及んだのは全会一致ではない、こういうふうに聞き及んでおります。私も若し速記がついておるとするならば、一応ここで調べて、私は又あとでそれに対して、あなたは全会一致だ、私が聞いておりますのは全会一致じやない、こういうふうに聞いておりますから、このことについてあとでもう一度確かめて重ねて私はその点について御質問申上げたいと思います。
  10. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 先ほど何といいますか、今日のスケジュールの点についての意見を求められましたが、私は委員長考えられているように、今日中に結論を出すことに努めなければならない。先ほど集まつている間に、だんだん議論があつて、或いはまとまりかねる問題もあるようですが、それについても、この委員会の大方の空気として至急おつかみになつて、提案をされた衆議院のほうの風水害特別委員会と、委員長その他必要な人があれば行かれて十分連絡される必要がある。特に衆議院においては水害委員会が今日開かれておるか開かれていないか、この点もあらかじめ申入れをしておいてお待ち願つて、この際御協議を願うということで、どしどしお進みになることを希望します。
  11. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  12. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起こして下さい。  委員長理事懇談会でも一応農林省建設省関係から若干の見解は聴取しております。併し更に農林省並び建設省関係政府委員に対して質疑のあるかたは願います。別にございませなか。それでは質疑はないようでございますから、政府委員に対する質疑は打切ります。  続いて修正案提出者である衆議院議員柳田秀一君が出席されておりまするので、質疑のあるかたは願います。その前に柳田さんからちよつと……。
  13. 柳田秀一

    衆議院議員柳田秀一君) 衆議院柳田でございます。このたび政府提出昭和二十八年六月及び七月の大水害により被害を受けた地方公共団体起債特例に関する法律等の一部を改正する法律案に対しまして、三点修正案が出ておるのでありまするが、私の提案いたしましたのは、堆積土砂排除法律に、「又は災害地域内に存する農地水害等のため停滞している政令で定める基準以上の滞水の排除事業」というのを附加しようという修正でありまして、衆議院水害地緊急対策委員会におきましては満場一致でこの修正案が可決され、本会議においても全会一致通過したのであります。お手許に修正案案文は御配布になつておることと存じまするので、時間の制約上一一案文を朗読さして頂くのを省略さして頂きたいと存じまするが、簡単に趣旨を申上げますと、特にこのたびの十三号台風滋賀県におきましては、約十カ所の干拓地がございます。更に京都府におきましては巨椋池八幡郷等の非常に低地の干拓地がございます。更に大阪府におきましても高槻におきましてその例があるのでありますが、ここにおきまして京都の例をとりますと、巨椋池のごときは、もと八百町歩くらいの巨椋池が、このたび淀川決壊により二千五百町歩八幡郷干拓地入れまして、約三十町歩以上の非常に、甚しきときは四メートルくらいの全く一望昔の池に戻つたのであります。これに対しましては直ちに更に決壊口を開けたのでありまするが、何分にも琵琶湖水位等関係もありまして、或いは南郷洗堰等の開閉の問題等もありまして、約二週間の間は殆ど減水しない。こういう状況でありまして、漸くにいたしまして、その後決壊口のほうの作業、更に排水決壊口復旧、更にこれを人工的に開きまして淀川に放水する事業、更に電気等によりましてこれを揚水する事業稻によりまして二週間、完全にこれが排除できたのが約一カ月後のようなことでございます。もとよりその間におきましては、農作物は全部全くもう泥の中に埋まつて、収穫皆無の状態でありました。ここにおきましては自然排水ということは不可能になつておりまして、当然これは電気によるか何かしなければできないのであります。以上のような実情を私どもは実際に視察に参つて見て参つたのでありますが、先に西日本の水害におきまして、阿蘇山等の泥土のために堆積土砂等排除事業特別立法の御措置が御制定になつたと同様の意味におきまして、こういうような非常に多量の停滞しておる水に対する排除事業も、それと同じ御趣旨国庫補助を願いたい。かように考えまして提案したようなわけであります。どうか何とぞよろしく御審議の上で、相願いまするならば、全会一致で御採決あらんことを特にお願いいたします。簡単でありますが……。
  14. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 柳田さんにお尋ねしたいのですか、ここに「停滞している政令で定める基準以上の滞水の排除事業」というので、この政令で定める基準というのは、どういうふうにお考えに、おおよそなられて立案せられましたかという点と、もう一つは成るほど滞水、堆積土砂との関係のようにお考えなつたために、従つて全額国庫負担という形になるわけですが、他の締切の工事その他の関係仕事に対する補助率とのいわゆる釣合については、どういうふうにお考えなつたか、この二点を……。
  15. 柳田秀一

    衆議院議員柳田秀一君) この政令基準でございますが、これは早々のうちにこういう何にを作りましたので、まだその政令のどの程度基準ということは、我々としては農林省とも十分に打合をしておりません。ただ非常に、こういうような滞水に対するところの、堆積土砂と同様の趣旨立法してくれというようなことで、で、これを法制局に見せたのでありまして、更に他の補助基準等で、これを堆積土砂であると、全額でありますが、それと他の補助ということの関係検討も……。大体堆積土砂等に対してと同様の意味において、こういう滞水の排除ということをお考え願いたいということでございますので、従つて堆積土砂のほうを主にとりまして、それが全額になつておるのでございますので、全額、こういうことで大体……。
  16. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 一応お考えの点はわかりますが、これは農地においてというふうに特に限定してあるようにも見えるのですが、高槻の市のように、つまり都市部と申しますか、市街地についてはどういうふうにお考えになつているのですか。私は若し対象にするならば、当然そういつた問題も考えられるのではないかと思うのですが、この点について、どういう御議論がありましたか、その点について。
  17. 柳田秀一

    衆議院議員柳田秀一君) 衆議院におきましては、その点別に大して議論も何もございません。
  18. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それでは念のためにお聞きするのですが、そういうふうなつまり農地だけでなくて、いわゆる役所で言えば建設関係の扱つておる方面へ滞水があつた場合に、これをやはり使えるようになおすという問題については、どういうふうにお考えになつておるか、念のために。
  19. 柳田秀一

    衆議院職員柳田秀一君) 実はこの第九条の二行目におきまして、「一部を次のように改正する」と、こうなつておるが、これは大体農地関係改正条項でございます。従いましてこれを更にいらいますと、これだけでは済まんということになつて来ます。丁度衆議院のほうで、この修正をやつておりますときには、まさに本会議が始まるというので、あと何分だということで随分紛糾いたしまして、そういうような十分検討をするあれではなしに、取りあえずの法律を出そうということで、そういうような検討にしておりません。
  20. 井上清一

    井上清一君 政令基準の問題でございますが、これはやはり立案されたときには、相当の面、相当長期間における滞水は、これは人工を以てしなければ、自然排水はできない、人工を以てしなければ排水できない、そういう土地に限定するというような御趣旨と了解してよろしいですか。
  21. 柳田秀一

    衆議院議員柳田秀一君) 我々もそういうふうな趣旨でやつております。
  22. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 排水関係に関しての質疑は他にございませんか。
  23. 田中啓一

    田中啓一君 衆議院委員長がおいでになりましたから……。排水の問題はどうしてもやらなければならんだろうと思いますが、排水だけは十分の十の補助をして、それから肝腎の壊れたところを直すのは十分の八というのも甚だおかしいので、復旧事業一つと認めればよろしいわけですから、復旧事業補助率の適用というものを、これと同じに持つて行くということが一番すらつとするように我々は思うのですが、そう直してもよろしうございますか、委員長にお伺いしたい。
  24. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) 実はその排水のほうは大体農地対象になつてつたような関係で、農地特別立法でその堆積土砂の助成が全額と、こういうようなことになつておりますので、やはり排水のほうも全額というような趣旨立法したのであります。
  25. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 田中さんがこういうふうに直してもよろしいかと言つて、今衆議院委員長見解をお伺いしているのですが、田中さんの質疑に対してまだ答弁ないですがよろしうございますか。
  26. 田中啓一

    田中啓一君 質問のことはよろしいです。
  27. 井上清一

    井上清一君 滞水の排水事業につきましては、私は本委員会においてしばしば申上げてその必要性を強調したわけでございますが、特別な立法をしなくても、農林省大蔵省との話合によつて補助対象になり得るのじやないかということもしばしば議論に出たわけたんです。併しその後の折衝の経過を聞いてみますと、一向に埓があかん、話をしても、大蔵省農林省との話合がつかないということでございますので、先ほど委員長政令でやつたらどうだというような御意見もあつたようですが、私は政令じやこの問題は解決つかないと思うのです。ですから或いは特別立法するか或いはこんなふうな形で、どのくらい補助するかは別問題といたしまして、やはりこういう形じやないと私はどうしてもいかんのじやないか、こう私は考えるのでございまして、これらの点について立法された皆さんと言いますか、衆議院側のおかたも御同感じやないかと思うのでございますが、その点について一つ意見を承わりたい。
  28. 柳田秀一

    衆議院議員柳田秀一君) 今井上委員から申されましたが、我々もそういうふうに考えております。それで曾つて堆積土砂等の法案においては、国家補助対象にあつたということもある、滞水の排除ということは、これはあるのじやないかというような御議論も聞いたのでありますか、併しながら非常に多量土砂排除するというようなこと、これは水と土との迷いはありますけれども、放つておけば自然に出ませんから、而もこれは水害によつてこういうのが起つて来たのでありまして、農地に全然駄目になりますので、これは全額とか十分の九ということの比較論になりますと、問題がありますけれども、堆積土砂特例はそう大きな地区でもありませんし、広範囲でもありませんから、できれば全額まま、原案のままで願えたら大変結構だと思います。
  29. 石川清一

    石川清一君 具体的に入つて誠に恐縮でございますが、排水は異常の異常として扱われますと、全額補助ということになります。勿論その地域土量についてはそれぞれ政令できめられることになりますが、この最高の滞水してるところで一反歩どのくらいの排水費用がかかるか、これが負担に耐えられないほどの異常な金額になるのか、その点お調べになつたかどうかお伺いします。
  30. 柳田秀一

    衆議院議員柳田秀一君) 負担については大して調査はしておらないのですが……。
  31. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) それで今資料の調査中でありますので、答弁あとに保留いたしまして、これと並行的に高潮等により生ずる災害を防止するために必要な事業に対する補助、即ち「第五条の二」の修正部分について修正案代表者衆議院議員八木一郎君が出席されておりますので、質疑のかた願います。
  32. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 この修正の案を見ますというと、「海岸海岸に接続する湖岸を含む。以下のこの条において同じ。)」とありますが、これは海外に接続する湖岸という点だけを特に拾つたと思われるのですが、御承知のように例の滋賀県の琵琶湖におきますところのいわゆる湖岸におきましては、洗堰の操作の関係淀川水系における流量の、いわゆる或る程度結果から見ると過少な洪水をとつてつたという理由、又下流の繁華な土地、経済的に非常に重要な地点を擁護するために、いわゆる琵琶湖の周辺でこれを調整したというようなことから、非常にあの干拓等堤防がやられた。このことは建設省にいろいろ意見を聞いても、あそこの淀川洪水の水量の問題と南郷洗堰関係と湖水のキヤパシテイ関係等をみて、根本的に対策を立てなければならないということだけははつきり回答されているのですけれども、そういうような点からみますと、或る意味においての、いわゆるこれは下流部面というものを助けるために、或いは当分そういう変態な被害上流地帯で受けなければならないといつたような、犠牲的な形というものが続けられるかも知れない。だとすれば、この問題についても或る程度折角こういつた修正をお入れになるならば、問題になるべきではないか。そういうふうに考えておりましたけれども、衆議院におきますところの委員会でも相当強くこれが問題になつたやに聞いたわけなんです。お聞きしたいことは、海岸に接続する湖岸だけに限つたのはどういう意味かということと、琵琶湖干拓湖岸被害復旧というものとについての議論のあつた点を御披露をお願いしたいと思います。
  33. 八木一郎

    衆議院議員八木一郎君) 例示をして具体的に言えば話が早わかりいたしますから申しますと、琵琶湖浜名湖というところに問題があるのだが、これはどうだという話であります。浜名湖関係については、この法律の文字を文字通り読んで頂きますと、建設省設置法の一部を改正いたしまして、十四条の二項に「臨時に海岸堤防建設部を置く」、この所管に属しまする事業分野対象となるように法律的にも字句が作文してあるわけであります。そこであいまいな点は湖岸云々という字があるので、浜名湖の中で全体のいわゆる干拓堤防に関する湖岸工事、それから琵琶湖湖岸工事はどうするかということが問題になりまして、含むか含まないかとの質問に対して、私はこう答えた。問題となつておるいわゆる干拓背後地に持つ湖岸工事は行政の担当から言うと農林省である。従つて予算農林省についておる。従つてその根拠の法律農林省所管にあるから、その法律を直して一緒にやるべきだと思つて研究してみたが、研究をするとなかなか問題が大きくて、殊に琵琶湖の問題は只今細かにご説明になりましたように、いわゆる洗堰問題その他琵琶湖湖岸工事問題と言つて工事方法の根本的な問題が解決して来ぬと、弥縫的なことにはなるが、農林省としては、復旧と改良、いわゆる干拓工事費用を以て、この事業をやりたいというお考えで、農林自身の、仕事をやるほうの官庁の意思も、やりよい方法としては、法律でこれを規定するのならば、農林関係法律を直し、或いは単独立法をするということが適切のように思いますという意見も、非公式ながら呼んでそれぞれの関係のところから、はつきり確かめたわけであります。従つてこの修正は、さつき申しましたように海岸堤防建設部まで設けてやろうというところに合わした立法になつているが、別途に取上げるべき問題であり、これは立法の順序としては単独立法ででも取上げて行くべき問題ではなかろうかというので、今折角研究中であつて、この改正の中には含めない。こういうことでございました。そうことを申上げて了解を得たわけであります。
  34. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 只今だんだんお話を承わりますと、いわゆる中部建設局の中に特別な部を設けてやるという、あの官制の制度に合わせたものだけを一応取上げられた。併し一面においてこの琵琶湖等の問題は同様に重要な問題であると思うのだが、多少工法との関連の問題があるから、これをこの際としては取上げなかつたというお説のように承わつたのですが、私どもはこうも考えるるのです。いわゆる被害を受けたものの救済についての法律の制定に当つては、今日の行政官庁がどういうものは建設が持ち、どういうものは農林省が持つているというようなことに区別を置かないで、そうしてひとしく同じような線において、必要であるというものなら、これを国会としては取上げて、そうして農地関係湖岸であるならば、現行では農林省、それからその他のものについては建設部となつているというその線で行つても、行政の中において適当な調整をとり連絡をとつておやりになれば、それはもう執行部、内閣のほうの問題であつて、国会としては、この際取上げたらどうかという問題が実はこの内部にあるのです。で、重ねて恐縮ですけれども、そういうような観点から言つた場合には、私どもやはり琵琶湖が問題になるということで、かなりこの委員会では問題になつている点なんです。
  35. 八木一郎

    衆議院議員八木一郎君) 今御指摘の問題も只今衆議院委員間で相当時間を費やして問題として再協議をいたしたのです。というのは、委員長見えておりますが、その協議が整わないうちに出ても、お返事のしようがないのじやないかということで、私は呼び出しを受けましても、遅くなつたのであります。結論としてはお説の通り取上げるべきであるし、又取上げても時間的に間に合わないだろうし、取上げて却つて混乱して、却つて立法と予算との関係が離れ離れになつて行く、この際であるから、これは慎重にやるべきであるから、そういう意味で、執行部や行政府意向に引摺られたという意味では亳もありません。それは別途に取上げてやろうじやないか。若しそういう発案が参議院側にあれば、案を見て大いに検討しようじやないかというようなことに、只今の懇談会は、話が大体結論的になつたようですが……。
  36. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それはそういうふうに承わりまして、もう一つの問題として、復旧事業についていわゆる負担法の対象になるものは負担法のあの特例で行くけれども、そうでないものは十分の八というのがこの修正の要旨だと思うのですが、そこで一つお伺いしたいのは、この負担法で行く場合においては、いわゆる原形復旧という問題が原則になつているのですね。ところがあの負担法をまあ読んで参りますと、その目的であつた用途を満すために多少改良をするようなものは、これは復旧と見なすという言葉が入つているわけです。従いまして例えば海岸ならどこでもいいのですが、やられてしまつたところ、これを完全に直すときには、つまり流失してしまつて跡形もないところを直すときには、恐らくその後のデータ等を入れて、その堤防を作つた目的を達するための、例えば高さが違つたとしても、負担法で行くということになるかと思うのです。ところが今度は接続しましてかなり決壊、破損しているところ、その決壊破損を元のように修築するには、これは原形復旧に違いない。従つて負担法に迷いないけれども、その後におけるデータから見て、高さを増さなければならんというようなことが出た場合においては、私はやはりそこはかなり壊れた、いかれたのだから、元来施設したところの目的を達成するためには、合せて所要の高さでやるということまで含めて、いわゆる原形復旧と解釈し、負担法によつて、行くべきものであつて、この修正にありますところの除かれない部分、つまり負担法によらない部分、十分の八を補助するというものは、その対象になるところに、繁れないけれども、その後のデータによつて、特にいわゆる蒿上げ式にやらなければならないという部分だけを十分の八にしようという意図かとも解し得られるのですが、その点についてはどういうふうにお考えになつて決定したわけですか。
  37. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) それは全くあなたのお説の通りですね。崩壊個所については、その個所の原形復旧だけでなくて、それより堤防の高さが蒿上げされた費用負担法によつてやる。併し海岸堤防を見ますと、全然無傷なところがあります。無傷なところがありますがその無傷なところが戦時中の地震による地盤低下によりまして、やはり災害の虞れがある。どうしてもこれはやつておかなければならないという、そのところについては、どうも今の負担法を適出するわけに行かないと思いまして、併し、といつて一般今までの現行法の助成では容易でないからというので、ややその中間より少しよくとつた十分の八の助成によつて完璧を期したいと、こういうようなつもりでやつたのです。
  38. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今衆議院委員長さんから御説明承わりましたが、いわゆる流出してしまい跡方もなくなつた場合については勿論わかつた。それから無傷であつて、改めてその上にいわゆる施設しなければならない、工事をしなければならない部分についてはわかりましたが、その恐らく中間にあると考えられます既往のいわゆる堤防等の施設が、或る程度やられておるわけです。跡方がなくなつたとは言わない。あるのだ、あるのだけれども、先ず先ず相当にやられちやつてるという部分復旧個所については、流出された部分と同様に、例えば原形復旧という解釈を、所要の高さまで行くという継ぎ足しの部分については、同じく流出した場合と同様に、国庫負担で行くと、こういうふうなことに考えておられるのかどうか、この点を一つ間に漏れた分を……。
  39. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) 私どもは堤防として全部下まで壊れてはいないが、例えば堤防の尖端ですかな、それから一メートルなり一メートル五十なりやられているという場合には、その復旧なり負担法でやり得るべきものと解釈しております。
  40. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今のお答えを頂きましてありがとうございましたが、それについて大蔵省建設省等のいわゆる政府の側から、その解釈で行くべき点を確かめられたことだと存じますが、一体大蔵省は誰に確かめ、それから建設省は誰に確かめられたか、この点だけを伺つてあと質問終わります。
  41. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) これは我々議員立法で出ておりますが、この点も役所に……実は一気呵成に準備を終りまして、殆ど質疑応答を省略して、もう日がないからというので、上げてしまつたわけです。そういう点についての役所の意向は、話はしていますけれどもその返事はとつておりません。
  42. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 匆々の間のことですから、或いはそういうことがあると思いますが、とにかく役所のほうは議員立法は、まあいろんな一般的な視野もありますが、特に役所はどうも都合よく解釈するので、今のような間の部分ですね、それなどについては、どうも従来の役所式の考え方で解釈して、こと議員立法の志と違うというような結果を見たのでは、この法律によつて期待している或いはこれを立法したその議員の人たちとの間に、面白くないものですから、これは実はこうしたので……、有難うございました。
  43. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) この法律案は随分重要な法律案でございますので、いずれ参議院側としては衆議院側協議いたしまして、この法律が会期内にスムーズに成立するように取り計うて参りたいと思つておりまするので、その折は協議かたよろしくお願い申上げるわけですが、今後の本委員会運営上、私まあ改めてお伺いするわけじやございませんが、特別委員長として一、二伺つて置きたいと思います。  その第一点は、先般八木君のほうから、具体的に例えば琵琶湖の問題については、参議院側のこれについての立法を考慮しているやに承つておるのですが、併し今ここに提出されておる衆議院から送付されておるこの法律案の中に一緒にすれば、法律の成立等時間的に懸念される向きもあるので、参議院にそういう意向があるならば、別途これを参議院側で考慮されて来るならば、大いに検討しようということに、衆議院側の意は決したとこういうふうに表現されましたが、この意味は、別途に参議院側で切離して立法して衆議院側送付すると、衆議院側はこれに賛成して頂けるこういう意味の御発言でございましようか、どういう内容でございましようか、どういう内容でございまししようか、念のため伺つて置きます。
  44. 八木一郎

    衆議院議員八木一郎君) 先に申したような審議の途中に問題になりまして検討をしたと、こうこれは取上げて大いに検討すべきだという結論には達しておりますが、それが参議院側においてどういう案でどうなつておられるかということについては、内容を伺つて十分に検討したい、こういう意味で申上げておるのであります。  ただ私がはつきり申したことは、この中に修正案の中に、ちよつと一部の字句を挿入すれば、それでもやれるじやないかという意味の御意見審議の途中にあつた際に、それはまあ強い表現で言えば、木に竹をついだような立法になり、予算の伴う法律は、できるだけやはり内閣と、予算権を持つておる政府の都合なり仕事のやりよいように考慮して立案すべきであるという見解で、単にこの挿入をするということは賛成できない。従つて単独立法等で考慮すべきじやないかということが、先ほどもまあ検討して、私はその主張であるし、その主張を中心にして御協議つて、すでにその結論に達したように了承して、今ここに来たところでございます。
  45. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 次の点は、委員長に念のために伺つておきたいのですが、それはこのたび衆議院から修正して参つているのは、これは改良工事でございます。それが十分の八と修正されて参つておるわけでございますが、琵琶湖の問題については、最終的な態度はまだきまつていない、こういうお話でございます。他の日本全国各地に起りました河川の改良の復旧は、御承知のようにこれは二分の一の補助になつておるわけでございますが、この河川改良補助の二分の一と琵琶湖の問題と、更にこのあなたがたの修正されたこれらの関連ですね、これを如何ようにお考えになつていらつしやるのか。まあ例えば琵琶湖は二分の一というような形になれば賛成できるとか。こういうおつもりでございましようか、如何でございましようか。
  46. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) 琵琶湖の問題は只今八木委員からお話のあつたような程度にしかまだ進んでおりませんが、海岸堤防の復興助成の十分の八につきましては、衆議院ではいろいろとこれに対する意見がありましたが、結局法案に提出されているような十分の八になつたですけれども、併しこれにつきましては提出者に対しましても、むしろ余りに高率の補助の場合には工事の改良が遅れるんじやないか、やはり地元が起債による負担金を出すことによつて、国の助成と地元の起債による負担金とプラスされれば、費用がそれだけ増額されて仕事の進行が早くできるんじやないかというような意見を、これは私委員長として折衝したんですが、そういうような話をしましたところが、すでにもう提出して審議の丁度途中でありましたので、万一参議院の委員会において十分の八以内とかというようなことにでもなりますければ、それは呑んでも差支えないというような話もあつたのです。で私は今これを十分の八以内にしてほしいとか、或いは三分の二にしてほしいとかいうようなことは、只今の私どもの立場からは申されませんが、多少の参議院の修正には同調できる用意がある、こう私は考えております。
  47. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) もう一点、立法者の責任者としての委員長として、もう一点伺いたい点があります。それは非常に重大な問題でありますが、衆議院においては、もうすでに補正予算案は通過成立いたしておる次第でございます。で、その予算が通過したのちに補助率変更の法律全会一致で議決されたわけでございます。そこでこの全会一致の形で不足になる予算については、第二次補正を政府にさせるとかいうようなお話が、大体の話合いができているかどうかですね。それができているとあらば、私のほうのこの委員会審議も非常に好転する一つの材料になると思うのでございますが、そういう点は如何ようになつているか、念のために伺つておきます。
  48. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) 只今私が十分の八いないになつても、まあ修正されても、それは何とか衆議院側話合いが付くだろうというようなことを申上げましたその裏に、一つの条件があるのでございます。その条件は私から申上げますよりも八木君のほうから一つ条件をご説明いたしたいと思います。
  49. 八木一郎

    衆議院議員八木一郎君) 問題は昨日でしたか、一昨日でしたか、この会で繰返し申上げましたが、太平洋の水に浸入されたままの状態は放置できない。これを二十九年末までに喪失した国土、領土を取戻すという意味で情熱をこめて政府にやらせるんだと、又やらせなくちやおけないんだという、この我々の要求に合致させた立法をいたしたのでございまして、今の十分の八というのが出たのも、実は十分の九で超過工事と俗に言われておる、特に三浦委員が指摘されたようななかなか専門的なデリケートな点があるが、要するにそれは立法の基本精神に副つて予算を付ける側で相当にこれは掘下げて検討してもらいたいんだ、そういう意味からいうと、高率の八を四分の三ぐらいに下げる、そうするとその不足分は地方庁の起債に待つ。特例起債の紐付の枠の起債を認めるとか、或いはその融資の具体的な措置が的確になつているとか、そうして施行の地域はどことどこであると、こういうことが具体的にならずに、ただ一般論で八が高いから、それを下げろと言われても応ずるわけにいかない。今言つたように具体的にその特別起債を認める言明があるとか、特別地域を指定して、こことここをこれだけの経費をかけてやる、こういうようなことを具体的に聞かないと、九の原案を八以下に下げることはできない、こういうことで政治的な妥協が八に到達したのだ、この点は私も不安ですから、予算委員会において、私自身の質問政府答弁を求めた、その速記録も読上げて皆さんの御了解を得た通りであります。条件というのは、裏付となる具体的な内容を確かめて、意見があるならば八を下げるということには応ずるにやぶさかでない、実はこういうことを繰返して申しておりますが、委員長の今言われた通り、無条件で率が下つて来るなら、それに応ずるというようなことは塔もありません。これは各党で強く、その点に裏付けられておりますから、自由党は政府を抱えているいろいろ都合があるかも知れませんが、私も自身自由党で容易じやございませんが、こういう実情だけに卒直に申上げておきます。
  50. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 委員長として伺いたい点はもう終つたのですが、さつきの予算の点について、一つ念のためにお答えおき願いたいと思うのですが、それと幸いにして衆議院委員長修正案提出者八木君は、いずれも与党に属しているかたですが、百五十七億円の融資という点も明確な資金計画からなされたのかどうか。それが明確ならば、参議院側の修正にも応じないわけじやないという意味の御発言が、八木君からありましたので、その点だけ伺つておきたいと思います。
  51. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) これはどうも予算の問題は大蔵大臣がたびたび言明していることでありますので、私はこれをどこまでも了承する以外にないと思つております。それ以外のお答は私としては只今のところできないと思います。
  52. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私はこの前八木委員がここへ来て説明されたのは、若しこの五条の二をつけ足すためには、総花式ではなくて、重点的にやると、そのためには中部地建の下に、碧南市、津市に、海岸堤防地殻部を設ける、そうしてやるんだ、そのためには予算の裏付もあると、そう言つてここで読まれたことは、私も聞いております。そこで今一番問題になつておりますのは、十分の八にすると、改良のほうを十分の八にすると工事が伸びないということを非常に心配されているのです。そこを私はもう一言八木さんに確認するわけですけれども、これは大蔵大臣なり建設省関係から、あなたは確たる返事をとつておられるかどうかということを、私、もう一度一つ確認しておきます。
  53. 八木一郎

    衆議院議員八木一郎君) 工事量か八だから少し八を下げれば、七になら七に下げるということによつて工事量が殖える。その殖える裏付となる資金的な、予算的な措置について政府に確約があるならば、その際考えよう、その確約もないのにこの八を七に下げて行くという御要請に応じかねる、こういう態度でいるわけです。
  54. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いやそうじやなくて、あなたのほうは、私の聞きたいのは、一番問題になつているのはこういう点です。アンバランスの点が一点と、もう一つは実際十分の八にしても、八にするほうが、却つて三重、愛知の海岸堤防が、工事量が伸びないじやないか、そういう点を心配しておられる向きはあるのですよ。ですから十分の八にしても、工事が決して伸びたいということはないんだと、こういうことをあなたは確たる返事を予算委員会においてとつておられるか。或いはこの水害対策特別委員会においてとつておられるかということを御質問しているわけです。
  55. 八木一郎

    衆議院議員八木一郎君) 押問答になるのですが、確たる確約に至らないのです。抽象的な答弁は私が読み上げた通りです。確たる点は追い詰めて返事を得ることができない。そのときに時間には迫つている。そこで各党協議の結果、八という線以下には下げることができなかつた、こういう次第であります。
  56. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 もう一点、それから村上委員長は、今八以外のどうだこうだ、こうおつしやつたのですが、そういうことはあなたのほうの委員会全部の空気なのか、あなた個人的な見解であつたか、それをはつきりして頂きたい。
  57. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) それは全体会議で話したことではありません。提出等と膝を交えて相談したときに、まあそういうような話が出たのです。但し今言うようにそれには条件をつけるぞということで、その条件はなかつたか私がどうも呑めないものですから、衝いて言たわけなんです。
  58. 松岡平市

    ○松岡平市君 お伺いいたしますが、八木委員説明によりますと、太平洋の波に侵略された、急いでやれ、それですまあこういう立法をしたんだ、政府のお気持に合せた立法をしたんだと、これはもう了承いたします。而もそれは災害復旧でなしに、それに接続する部分の改良工事を十分の八という高率補助をしてやる、補助率も高める、こういうことで私も了承した。ところがこれが終つたらば、そのほかに日本全国にはたくさんの河川が、復旧工事では今度の場合は高率でありましよう。併しそれらの河川においてはいずれも国の直轄工事の場合でも三分の二を越えない。一般の準用河川、その他府県の処理するものは二分の一の補助に過ぎないのであります。今回の災害で如何ようにひどい災害をこうむつている白川といえども、或いは筑後川といえども、それはその通りでありまするが、これは片方は太平洋の波にやられたから、これは急がなければならんというので急いでもよろしい。済んだならば、然らば白川或いは筑後川、その他の全日本の河川において今後これを改良するという場合には、これと同じように補助は十分の八にするというような意図は十分お持ちだと思うのですが、常任建設委員会等においても、その点についてに十分了承をしておられるかどうかということを一つここで明らかにしておいて頂きたい。先ずその点についての委員長の……
  59. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) それは各直轄河川は三分の二になつておりますので、この場合でも三分の二にすべきものじやないかというお説は御尤もでありますが、この愛知、三重等の海岸堤防は戦時中の大地震によつて地盤が甚しいところは一メートルも沈下している。そのために直ちに戦時中から戦後に亘つてこれの改良工事を施しておかなければならなかつたはずのものでありますが、それが今日まで等閑にされておる。それで今回の場合は非常に直轄河川も皆急を要することは同様でありますけれども、特にそういう同じ災害でありましても、多少趣きを異にしておるというような解釈でこの立法ができたように私どもは解釈いたしております。
  60. 松岡平市

    ○松岡平市君 戦時中の地震によつて地盤が沈下しておる。それを復旧が遅れておつたために、その部分復旧をやるのだということならば、この風水害に対する特別立法とは別にお考えになるべきものである、私はかように考えます。或いは復旧が戦時中で遅れておつたということならば、そのほかの河川においても年々川底が上つて行く、併し日本の財政の不如意のために、或いは戦争を、したということのために河川の改修に金を出せなかつた。そのために甚しきものはいわゆる天井河というものが各地に出ておりますが、天井河とまで言わないにしても、非常に川底が上つている。或いは直すべき堤防か脆弱のまま残されているというようなものに、全国の河川において残されておるわけです。これも今言うように、やがてできれば改良したければならんけれども、今は財政的に困難だからせずにある、或いはしてもこれは二分の一上の補助はせんということになつております。ところがここで海岸を、よしんば戦争中の地震のための地盤沈下であれば、ともかく国の直轄事業でないものを十分の八までの高率補助をするということをなされば、今後において一般の河川の改良工事、府県かやる場合においても、直轄工事でなくても、これは当然これが終つたならば、十分の八までの高率補助をするということは当然予定されたければならんと思う。私は同じ国内の改良工事でありますれば、これは特に急いで二年間でやれということも書いてあるわけでありますが、二年間でやつた後は、全国の河川工事についても改良工事は十分の八の高率補助をするという前提がなければ、かようなことはできないと私は考えますか、その点についての論議は如何でございましよう。重ねてお伺いいたします。私のお聞きしたいことは、これを十分の八を認めるならば、将来の河川の一般改良事業についても十分の八を認めるということが前提になつておるということを、ここで言明をして頂かなければ、にわかに十分の八に賛成しがたい、私はかように考えます。
  61. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) どなたに質問でありますか。
  62. 松岡平市

    ○松岡平市君 委員長質問を求めます。
  63. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) これは松岡委員の御賛同に全然海岸堤防は故障のないものということを前提におかれての御質問と思います。私はすでに戦時中にこれに大きな災害をこうむつてつたのだ、であるから今災害復旧と同じような見方をして下されば、全然傷のないところを改良するのに十分の八を適用するのじやないということを御了承願いたいと思います。
  64. 松岡平市

    ○松岡平市君 海岸は下つた、これは地震で下つたのであります。川は永年かかつてつたのであります。これは下つたと上つたとの相違だけで、災害をこうむる原因においては同じことである、下つたものは高率補助をする、上つたものは高率補助をせん、これは地震であろうか、永年かかつて砂がたまろうが、片一方は上つただけである、下つたものについては十分の八の高率補助をするならば、上つたものの改良工事についても、災害が一遍であつたか、十年、二十年の累積の結果砂がたまつたということで起ろうが、これは同の一の取扱いをすべきものである。何ら違いはないと思う。その結果、河川の堤防を高めなければならんというときには、改良工事においても十分の八の国庫補助をするという原則をお立てにならなければならんと思うのです。その点については、いささか私は見解を異にしておるので、改めてそのところの見解をお伺いいたします。
  65. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) これは何度御質疑を頂いても同じことで、私どもの考え方といたしましては、今回の台風によつて戦時中の大傷がここにはつきり傷として現われて来た。であるからやはり同じ改良でも、今堤防の、全然川底が上つておりましても、今回の大水害に何ら被害を受けていない堤防決壊もない個所、その個所を大事をとつて一つ上げておこうじやないか、蒿上げしておこうじやないかという場合と、必ず台風の度にやられるということがはつきりしておるところは……これは見解の相違であろうと思います。かように私は考えられるのです。
  66. 松岡平市

    ○松岡平市君 いや、私は今度の災害において、決していたんでいないものについて申上げておるのではない。今度の災害において川は両岸ともに数十キロ、数百キロに亘つてあちこちにおいて寸断された。そうして今度の災害のみならず、今までの災害においても、二十三年にも二十四年にも殆んどやられておるという川があります。それの復旧の場合においても、成るほど切られた場合については、今度のは高率補助があるけれども、それより以上の場合は、直轄河川において四分の三、準用河川以下は二分の一でございます。今回の成るほど海岸の切られた部分についての高率補助については、いささかも異議がない。併し切られておらない場合、それについては成る部分が切られており、或る部分は切られておらないのであります。従つてなおこの次大水が出れば、切れるということが明らかである河川においては、然らば十分の八の高率補助を改良工事についてもなさるかということに限定しても結構です。その点については見解の相違であるからいくら議論をしてもだめだと思うのですか、私の意見を率直に申述べますれば、ただ海岸が今度ひどくやられたということで、この復旧に急なる余り、全国にたくさんやられておる河川の復旧について、十分な考慮を加えておられないといううらみがある、いささか河川関係において。海岸関係においては、私は成るほど海岸関係は実地に見て参りましたが、これは一日も速やかに復旧したければならないことには同意であります。これについて大体高率補助を改正工事にも行なうことにして、他の河川には何らこれを加えずにこれをなされたということについて、私は聊か疑問を持たざるを得ないということを繰返し申上げているわけであります。御答弁は要りません。
  67. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 先刻石川君の質問に対する柳田君の答弁が保留となつておりますので、この際、御答弁を願います。
  68. 柳田秀一

    衆議院議員柳田秀一君) 全体の数字に亘つて高槻巨椋池等の資料を持つて来ておりませんので覚えておりませんが、大体記憶に誤りなければ、これも水深によつて、水量によつて異りますが、一反歩あたり千円ぐらいじやなかつたかと思います。水量によつて同じ一反歩でも違いますから、全体の今までのものは、これちよつと部屋において来たのでわかりませんが、大体一反歩当り千円くらいじやないかと思います。
  69. 石川清一

    石川清一君 一反歩千円くらい、そうしますと負担に堪えられないほどの金額とも考えられませんね。
  70. 柳田秀一

    衆議院議員柳田秀一君) いや、そうじやございません。一町で一万円になりますから、大体それでおわかりになるんじやないかと思います。
  71. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 この委員会としてもだんだん結論を急がなければなりませんが、幸い衆議院委員長がおられるので、一点だけ念のためですが、例の衆参水害委員会の合同打合会で申合せた一つの中に、いわゆる法律の補完的意味で、完全にその点はぬかつていたという問題、その点を入れる、丁度この法律関係があります。つまりそれは地辷り地の場合に直轄工事をした場合は、負担が旧法によるために三分の二府県が持たなければいけない。それからこの堆積土砂の場合に、堆土の中でやはり直轄工事があるので、港湾等においてありまして、その場合においては十分の一乃至二を自治体が持たなければならない。これは当然土石の場合においてはこの法律趣旨から言つて全額国庫が持つべきであり、地辷りの場合においては、この趣旨から言つて十分の一しか府県には持たすべきじやないということで、全く補完的な意味修正したいということで一致した意見があつたんのですが、この匆々の間であるために或いは落ちたのだと思います。これは是非入れたいと思うのですが、これについての御意見だけ伺いたい。
  72. 村上勇

    衆議院議員村上勇君) それは一つ是非入れておいて下さい。私どものほうでちよつと落ちておりましたけれども……。
  73. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 先ほど村上委員長から災害が二つ重なつたということであつたわけですか、私もさように思うのでありまして、従つてまあ実は全部か負担法で行つてもいいくらいな今度の海岸堤防の状態だと思うのです。そこで十分の八ということで出て来たわけですが、村上委員長事情によつては十分の八でもいい。それは八木さんが条件云々ということでしたが、あなたの条件というのははつきり出ていないのですが、もう一遍お尋ねしておきます。
  74. 八木一郎

    衆議院議員八木一郎君) 原因が今二つと言いますが、私は三つを挙げておるはずであります。一つは地震によりその地盤が沈下したということ、もう一つはここもう三年このかた満潮時において潮の高さが上つて来ておる、いわゆる高潮という自然現象と法律に書いておきましたが、そこに台風が来たというのですから、三つの現象が今次のような未曾有の大被害なつた。そこでこれに対処するのに復旧だけで以つて行つたのでは、それは技術的に言えば、負担法から来る復旧できる部分と、それからそれに接続した部分と、改良の部分と、言いますけれども、事実問題としては再びその高潮が来ると、現にある堤防を越してみな来ておる。そういう状態に放任させない、これが立法の最小の限度の要求なんであります。それに合うような事業分量をさせたい、こういうことが主眼であつた従つて若し八では国の予算の都合で予算が少いから、地方負担を殖やすことの操作をすれば、その目的に副えるというなら考える余地がある、こういう条件を出しているのであつて、結局事業量と資金或いは予算量、こういうものをきちつと出してもらわないと、この八だけの予算ではいかないというのであります。その条件に合う場合も、この海岸だけやればはいいという考えに毛頭ない。この間申上げた通り、河川においても同様な状況がある場合においては、災害から国土を守るために、捨ておけない事態については当然これはやるべきだ、十分の八つけてやるべきだ、こういう主張を私はいたしまして、この修正案を提案いたして参つた次第であります。今も変つていないのであります。御了承頂きたい。
  75. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記止めて下さい。    午後五時三分速記中止    —————・—————    午後六時五十七分速記開始
  76. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。  先般来当委員会において審議しておりまする昭和二十八年度六月及び七月の大水害により被害を受けた地方公共団体起債特例に関する法律等の一部を改正する法律案、この内容について種々意見があり、協議を重ねて参つた次第でございますが、先刻来長時間に亘つて懇談協議した結果をここに委員長は申上げまするので御確認願いたいと存じます。  その第一番は、排水の件は農地のみと限ることとする。その復旧事業費への補助率農地及び農業施設に準じて取扱う。その方法としては政令の変更を大蔵、農林当局に確約をさせる。若しその確約ができない場合においては、内閣提出にかかる法律案の一部を懇談会の決定の線によつて修正する。次に湖岸の件は考慮する。そしてその湖岸琵琶湖等特定湖岸に限ることとし、それは内閣提出法律案にそういう事項を新たに挿入し、修正を行う。  次に第五条二の修正を行う。即ち台風十三号のみに限ることなく、第十六国会で成立した二十四の災害特例法並びに本国会ですでに成立し、又はこれから成立するであろう法律を全部通じて六、七月から十三号台風までも入れるように、その線に副つて修正を行う。  次に防潮堤の問題については衆議院送付にかかる原案の補助率十分の八の数字はこれを変える。その内容は、流出、全壊は改良を含めて国家負担法による率とする。無傷のものの改良に対しては三分の二とし、半壊に原形復旧生での分は国庫負担法の率、それ以上改良の部分は十分の八、最後に湖岸背後地農地に限ることとする。  以上であります。これを確認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから、さよう決定いたします。  明日は午前十時に開会し、大蔵、農林当局の出席を求めて、排水の件を明確にして、その後最終決定して衆議院側協議し、明日中に本法律案が国会で成立するように努力することをここに確認いたします。本日はこれを以て散会いたします。    午後七時三十分散会