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1953-11-26 第17回国会 参議院 農林委員会 閉会後第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年十一月二十六日(木曜 日) 午後一時五十九分開会
—————————————
委員
の異動 十一月十六日
委員赤松常子
君辞任につ き、その補欠として小林亦治君を議長 において指名した。
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
片柳
眞吉
君 理事 白井 勇君
委員
雨森 常夫君
佐藤清一郎
君 重政
庸徳
君 横川 信夫君 北 勝太郎君
河野
謙三
君 河合 義一君
清澤
俊英君 松浦 定義君 鈴木 一君
事務局側
常任委員会専門
員
安楽城敏男
君
常任委員会専門
員 中田 吉雄君
説明員
農林大臣官房長
渡部
伍良
君
林野庁長官
柴田 栄君
林野庁林政部職
員課長
丹羽雅次郎
君
林野庁業務部業
務課長
山崎 斉君
林野庁業務部経
理課長補佐
槇 重博君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
農林政策
に関する
調査
の件 (
冷害対策
に関する
調査
の件) ○
公共企業体等労働関係法
第十六条第 二項の規定に基き、
国会
の議決を求 めるの件(
国有林野事業
)(内閣送 付)
—————————————
片柳眞吉
1
○
委員長
(
片柳眞吉
君) それでは只今から
委員会
を開会いたします。
最初
に、この前の
国会
で当
委員会
で
冷害関係
三
法律案
の採決の際行われました
附帯決議
に従いまして、
冷害関係
三
法律
の
政令
の
内容
及び
冷害関係
の
予算
の
配分
なり、
営農資金等
の
配分
の
内容等
について
農林当局
の
説明
を求めることにいたします。
渡部伍良
2
○
説明員
(
渡部伍良
君) それでは御
説明
申上げます。 先ず先般の
国会
で通りました
冷害関係
の
法律
の
政令
でありますが、先ず第一に、二十八年における
冷害等
による
被害農家
に対する米麦の
売渡
の特例に関する
法律
の
適用地域
はお
手許
に配付してあります各
都道府県
であります。これは私のほうで指定いたしましたのは、
府県
の中で処置できるというものは
府県
にお願いしまして、
府県
から出してくれというものは全部掲げたのであります。それからなおこの
法律
だけは何というか、不作による飯米の不足というのでありまして、
冷害
だけではな
病虫害
、風水害というものを全部含めておるのであります。従いまして、先の西日本の水害の場合のように流れたもの、こういうことにな
つて
おります。 それから第二に、二十八年における
冷害
による
被害農家
に対する
資金
の融通に関する
特別措置法
の
施行令
であります。これは
償還期限
を定めておるのであります。
償還期限
はこれは
法律
できまているものでありますが、五年以内で、
程度
の低いやつが二年、
開拓者
が三年ということにな
つて
おります。
利子
の
延滞利子
は、原資が日歩三銭二厘にな
つて
おるということに基きまして三銭二厘ということにな
つて
いるのであります。 それからもう
一つ
は
農林漁業
の
出資増
の
法律
であります。これはこういう
方針
でや
つて
おります。
自己負担分
の二十二億の分は十年以内で五分で貸す、こういうふうにな
つて
おります。そして
据置期間
は二年乃至三年、こういうふうになております。 その次に
予算
の
配分
でありますが、これはお
手許
に配付いたしておるのを一応第一次
配分
として先週内に出しました。更に
一般補助金
の分が未定でありましたが、これは別の紙で二十八年度
災害対策予備費
を
冷害対策
に使用する件という一枚の紙でありますが、十億の
割当
をいたしたのであります。
横書
の表の中で
冷害対策
の
関係
は
従つて
このプラスの分が入てないと思います。先ず
項目別
に申上げます。
救農土木事業費
の
関係
で
臨時救農施設
は十二億五千ということになておりますが、第一次
配分
では十億を
割当
てました。
従つて
二億五千の
リザーヴ
にな
つて
おります。それから
土地改良
の
関係
であります。これは二十八億を
割当
てまして四億八千弱を
リザーヴ
しております。それから
林野
は二億四千を全部
割当
てております。それから水産は一億二千としてありますが、これも全部
割当
てております。従いまして
土木関係
では五十億を予定しておるうち四十三億
余り
を
割当
てまして、七億
余り
を第二次の
配分
に回した、こういうふうにな
つて
おります。 それからこれの
配分
の方法でありますが、これは
縦書
の
救農土木関係
の第一次
配分方針
というので御覧願います。これはこれを読みながら御
説明
申上げますと、
被害
の
状況
が県の
市町村別
に非常に違いますので、
市町村別
の
単位
、
市町村単位
の
被害
に基いて
配分
することにした。
配分
の
対象
としましては、
原則
として五割以上の
被害
の
市町村
を先ず第一にや
つたの
であります。この
被害
の
程度
をどういうふうに見るかということは、
農林省
の
統計事務所
の
調査
、
都道府県
が
調査
した
調査
と、そのほか米以外のものにつきまして
雑穀
、養蚕その他の
被害状況
を勘案して決定するということにしております。この文章が少し足りませんが、
町村
の
選定
は県にお願いすることにしておるのであります。具体的な
町村
の
選定
は県にお願いすることにして……。なお
減収
が五割に達しない
市町村
でありましても、おおむね過半の
部落
が五割以上の
減収
を受けておる場合には、その
部落
に
事業
を行うことを条件としまして
配分
の
対象
として選ぶというふうにしております。 第三は
都道府県別
の
配分
は、
水陸稲
、
雑穀
、
蚕繭
の
減収量
、それから
被害農家戸数
、
被害面積
、
単作率
を勘案いたしました
総合指数
を作りまして、これを
基準
にしてや
つて
おります。なおこの
指数
は
実収高調査
がまだきま
つて
おりませんが、これがきまりましたらもう一逼算定し直しまして、
リザーヴ
の分を以て
補正
を行いたい、こういうふうに考えております。この
総合指数
はどういうふうにして計算したかと申上げますと、
水陸稲
の
減収
は
冷害
、
病虫害
に基く
減収率
三割以上のものを選んだのであります。
雑穀
はどういうものを取上げたかと申上げますと、大豆、「とうもろこし」、小豆、「いんげん」豆、粟、「ひえ」、「きび」、「そば」で、それで
減収
の三割以上のものを取上げたのであります。で、これは
統計調査部
のほうで一応調べて頂いたのをと
つて
おります。それから
蚕繭
の
減収量
は
冷害
による
減収量
で、
減収率
の三割以上のものをとております。それから
被害農家戸数
は
専業農家
及び第
一種兼業農家
のうち
減収率
三割以上のものを推定いたしましてとたのであります。それから
被害面積
は
水陸稲
、
雑穀
の
作付面積
の
減収
三割以上のものをと
つて
おります。
単作率
と申しますのは、
耕地面積
に対する
作付
の
割合呈
を出しましてとておるのであります。これは但し永年作物の
作付
二
面積
は除いております。 そうしまして第四を御覧願いますと、むしろ逆に第五からお願いいたしますと先ほどの表で
御覧賀
になりますように、各
費目
ついていろいろ
配分
をや
つて
おります。
都道府県営灌漑排水
のものは必ずしも
被害町村
だけに限定したのでは規模が
相当
大きいので拾えませんので、五割以上の
被害
をこうむ
つた
市町村
、即ちそれを含むところを優先的にと
つたの
であります。なお且つ
継続地区
を優先的にとることにして、これは具体的に県と相談して
地区
を先ずと
つたの
であります。それから
団体営灌漑排水
、
小規模土地改良
は、先ほど申上げました三の
総合指数
によ
つて府県別
に按分しました。それから
温水施設
の分は
過年度災害
を当年災とを合せまして、おおむね
総合指数
によ
つて
配分
しました。これは
温水施設
は
金額
は少ないし、これはで送るところと、できないところと今までのを先ずと
つたの
であります。
合計
して割るときには
災害復旧費
と合せて
総合指数
で按分したと、こういうのであります。
開拓事業
はこれは全然
別個
の
考え方
で分けておるのであります。これは入殖戸数、それから入殖の
地区数
、
被害面積
、
被害金額
、
集団開拓地
における
単作率
、そういうものを考えて
配分
いたしております。それから
治山事業
は
海岸砂地造林
だけに限定しております。そうして割り方は
総合指数
と
都道府県
における
事業計画
を参配して
配分
してあるのであります。それで林道は
総合指数
と、
民有林
の
山林面積総合指数
で一応平均してあります。
漁港
は、これは
漁港
のあるところの県を拾いました。その県の間では
総合指数
によ
つて
按分しております。これはまあ全額は少いものです。そういたしまして全体の
配分
から五、六、七、八、九のそれぞれ出て来たものの
合計額
を差引いたものを
臨時救農施設
というものに按分する
考え方
です。但し
開拓
は全然
別個
の分け方でありますので、
救農事業
の
予備
を除いた分及び
開拓事業費
を除いた分を
総合指数
で各
府県別
に按分して
配当額
を出しました。そうして
開拓
を除く各
事業費
の
都道府県別
の
金額
の
合計額
を考慮した
金額
を
臨時救農施設
に当てると、こういう
原則
を立てたのであります。そうして実際のやり方としては、先ず従来ある
助成費目
を行える
町村
から先に決定いたしまして、そうして
臨時救農施設
はそうい
つた
金が使えない村にと
つて
おく、こういうことにしておるのであります。 それから
臨時救農施設
の
内容
であります。これは別に
冷害地緊急救農対策資料要覧
というのを、まだ
資料
は届いてないそうでありますが、
あと
ですぐお届けしますが、こういうのを拾
つて
おるのであります。
項目
はいわゆる従来の
助成
の
対象
にならなか
つた
小規模のものを拾ておるのであります。例えて申上げますと農道は従来は一千メートル以上は
対象
にな
つて
おらなか
つたの
を二百メートル以上千メートルにする。或いは客土は三十
町歩
以上に
限つて
お
つたの
を二
町歩
から二十
町歩
にする。
床締
、暗渠排水、溜池、
頭首工
、
用排水路
、
区画整理
、
堤防護岸
、
畦畔改良
、
水温上昇施設
、
畑地灌漑
、
増反開墾
、
農用
小橋梁、小さい橋です。それから
牧道
或いは
牛馬道
、
木馬道
、
簡易索道
、
共同貯木工場
、
雪害防止施設
、
山地防災施設
、
漁港局部改良
、
漁港施設防災
、そうい
つた
ところで、従来の
補助
の
対象
にならない小規模のものを全部拾うことにいたしておるのであります。このほうはすぐ
資料
で差上げます。 更に一
市町村当り
の
国庫補助額
は、
各種事業
を通じまして、総
合計
のおおむね六割が
労銀収入
になるものと前提しまして、その村の五割以上の
被害農家戸数
、但しこれには第二種
兼業農家
を除きます。
一戸当り
の
労銀収入
二万円を確保できるような
金額
の範囲内とすること。
ちよ
つとよく
お話
にならないとわからないと思いますがこういうことであります。五割以上の
被害農家
掛ける二万円、で、それが総
事業費
の六割に
相当
する、
従つて
総
事業費
は、
被害農家
掛ける二万円の六分の十になるわけです。それに対応して、それぞれの
事業
によ
つて補助率
が出ますので、その総
事業
を基にした
補助金
の行くようにするのを
最高限
にする、
つまり
或る村に集中的にとられまして、
被害
がひどい村に行かないことのないようにしてくれ、こういう
最高限
をと
つたの
であります。 それから
都道府県
は、
市町村別
の
補助金
の
配当額
をきめましたら
農林大臣
の
承認
を受けてもらいたい、こういうのであります。これは
報告
だけをとればいいじやないか、こういうふうに考えてお
つたの
でありますが、
県内
のいろいろな事情がありまして、一応
最後
のきめは
農林省
でや
つて
くれと、こういう要望が強いのでございます。こういうふうにしております。但し大部分は、これは
報告
を受けるだけということになりまして、いろいろ県で、
町村
の
選定等
で問題があるところだけを協議を受ける、こういうことにな
つて
おります。 それから十二は、こうや
つて
県に各
事業別
の
費目
を渡しますが、必ずしも県で或いは
町村
で希望する
事業
とこの
配当額
が合わない場合が出て来ると思うのであります。その場合には、それぞれの
費目
をその
県内
の他の
事業
に流用を考えたいと、こういうのであります。なお
救農土木事業
は
繰越明許
がついておりますので、来年の
耕作
時期までこの
事業
をや
つて
行ける、そういう
法律
上の
関係
にな
つて
、
耕作
時期に間に合わすために、来年度以降も
使つて
もいいと、こういうことにな
つて
おります。念のために申上げておきます。 それから今
資料
をお配りしたいと思いますが、その
最後
のところに
予算
の
総額
が書いてあります。
資料要覧
の
最後
であります。そこで
冷害等対策諸費
の中で十億が未定にな
つたの
でありますが、これが先ほど申上げました一枚紙の
金額
に分れたのであります。それで前きま
つて
お
つた予算
と
合計
して御覧願いたいと思います。これは
資料
を 一緒にすればよか
つたの
でありますが、
閣議
がなくて
持廻り閣議
でや
つて
おりますので、それまで印刷をとめられてお
つた
ものですから、別の紙にな
つたの
でありますが、大体私のほうで、今作業の
進捗状況
はそういうことにな
つて
おります。先週の
終り
に内示しましたから、大体今週の
終り
から来週の初めにな
つて
順次
府県
の、
町村
の
配当
がきま
つて
、上へ上
つて
来るのじやないか、こういうふうに考えております。
河野謙三
3
○
河野謙三
君
ちよ
つと
救農土木関係
第一次
配分
の
方針
に当
つて
示されたこの三についてもう少し詳しく
説明
してもらいたいのですが、
救農資金
を出す場合に、
総合減収量
それから
被害農家戸数
、それから
単作率
、こういうのが出ていますが、これのそれぞれの持つ
ウエート
は一体どういうふうにな
つて
おりますか。
渡部伍良
4
○
説明員
(
渡部伍良
君) これはいろいろな試算をや
つて
みているのですが、この
配分
をやるときに考えましたのは、二つの案を参照しております。それによりますと、
水陸稲
の
減収量
の
ウエート
を六〇でみた場合と、五〇でみた場合、それから
雑穀減収量
は五です。それから
単作率
を一〇、
被害面積
を五、それから
被害農家戸数
は、六〇で
水稲
の
減収率
をみた場合に二〇、五〇でみた場合三〇、
被害農家
と
減収量
の
ウエート
を
ちよ
つ書いてみたのですが、それを睨みながら出しております。
河野謙三
5
○
河野謙三
君 この六〇と五〇の場合、
最終
はどちらをとられたのですか。
渡部伍良
6
○
説明員
(
渡部伍良
君) 両方を睨んでおります。というのは、私のほうでは
リザーヴ
をと
つて
おりますので、それと今の
水稲減収量
が
最終
的に出ておりませんから、この際
一つ
でやるよりも、多少幅があ
つた
ほうがいいのじやないかという
考え方
で、きちつとその
総額
を出して、それから差引をやらないで、多少幅を持たしてや
つて
おります。
河野謙三
7
○
河野謙三
君 それからこの
数字
は各
県単位
に、例えば
単作面積
とか、
被害面積
とか、
農家戸数
は、
県単位
のデーターですか。
渡部伍良
8
○
説明員
(
渡部伍良
君)
県単位
をと
つて
いると思います。
県単位
であります。
河野謙三
9
○
河野謙三
君 そうすると、そこで私非常に不思議に思うのは、この
配分
の
基準
は
原則
として
市町村単位
にする、こういうことにしてお
つて
、今の三のそれぞれの要素を
県単位
にと
つて
行かれるということですが、
総合指数
というのでは非常に
府県
の色が強く出ているということになると、そうすると、
原則
として
市町村単位
に分けるというこの
原則
が非常に私は崩れて来ている、こう思うのですが、もつと具体的に言うならば、
県境
によ
つて
よく
農業共済
で問題になりますように、村が
違つた
ために、隣りの村と次の村との間に、村が
違つた
という単なるそれだけの理由によ
つて
非常に
数字
が違
つて
来た、こういう例がありますが、こういうふうなことになりますと、
府県単位
の色が強くなりますと、
県境
において非常に大きなそこに私は
開き
が出て来る、こう思うのですが、これは繰返して申しますが、
原則
を
市町村単位
というこのアイデアを非常に私は薄くしていると思うのですが、そういう結果は出ませんか。
渡部伍良
10
○
説明員
(
渡部伍良
君) これは
予算
の
配分
の
基準
は、その県の
被害状況
でまあ持分をきめたと、こういうことにな
つて
おります。これを実施する場合に、
お話
のように実情に合わんといけませんので、まあ行政の
最小単位
である
町村別
にや
つて
行くということは、例えば県の
報告等
を前にお配りしたと思いますが、これでは
ちよ
つとわかりにくいのですが、図面に引いてみますと、
A県
と
B県
と、もう隣りでがたつと
作況
の違うような
報告
が出ておりますが、そういうことがないように、
配分
では
町村別
によく気を付けてもらいたい。それと同時にそういうことを防止するために一応
農林省
のほうへ出して頂いて、そこのバランスを私のほうでも見たい、こういうので十一項により
承認
を受ける、こういう
用意
をしているのであります。
河野謙三
11
○
河野謙三
君 この計算の仕方によると、
府県別
にも非常に大きな
開き
が出て来るし、更にもつと大きく
地方別
に見まして、例えば
東北地区
と
関東地区
というようなところに非常に私は大逆なギヤツブが出て来ると、こう思うのです。私は何もあえて一
地方
を代弁しようとは思いません。又そんなことは慎まなければならんと思いますが、ただ今度のこの
農林省
の
配分
の
基準
によりますと、
東北方面
は非常にこの恩典に厚く、
関東地区
が非常に薄いと、こういうような結果になると思います。この
総合指数
の出し方によると……。そういう点につきましては、今後第二次
補正等
によりまして補止される
用意
があるかないか。それなくしてこれを
最終
のものとするというふうなことであるならば、私は非常に納得の行かない
配分
だと思うのです。併しあなたのほうでは、それに備えて
保留分
がある、こう言われますけれども、先ほど御
説明
の
程度
の僅かな
保留分
では、私が今指摘したところのギヤツプというものは当然埋まらない。当然これは第二次
補正
の問題にかか
つて
来ると思うのですが、その第二次
補正
の
用意
があ
つて
一応こういうことをやられたのか、そこを
一つ官房長
に御
説明
願いたい。
渡部伍良
12
○
説明員
(
渡部伍良
君)
総合指数
は先ほど申上げましたように、
実収高
を待
つて
当然訂正いたします。なおその上にそれに基いて
補正
を行
なつ
た場合に、今までの先ほど私が
説明
申上げた
リザーヴ分
で足りるかどうかという問題であります。私のほうではいろいろ
検討
を加えまして、この
程度
あればいいと、こういうふうに思
つて
おりますが、とにかくまだ未
確定数字
を相手にしておりますので、これはできれば年内に
総合指数
の改訂を決定したいと思いますが、或いは来年になるのかも知れませんが、その上で
対策
を考える以外にはないのじやないか。これは内輪のことになりますが、もう少し
リザーヴ
を余計にしたら、こういうふうな
意見
が、これは一番強か
つたの
でありますが、ありましたけれども、先ず一割、これで大体通じて五分
余り
になると思いますから、この
程度
は穏当でないか、殊に
救農施設
は二割五分をと
つて
いるから
相当
の
総合指数
の
変化
、その
変化
の予想はいろんな
見方
があります。その
見方
をいろいろ
検討
した上でこの
程度
と
つて
おけば賄えるのじやないか、こういうふうに考えます。
従つて
第二次
補正要求
をこのものについてやるという考えは現在のところは持
つて
おりません。
河野謙三
13
○
河野謙三
君 まあ
官房長
、ここまで成案を得られるまでには非常な御苦心があ
つた
ことは私はよくわかるのですが、もう
一つ
ですね。第二のところで
配分
の
対象
は
原則
として五割以上の
被害面積
を持つ、五割以上の
被害
ということにな
つて
おりますのですが、我々から見れば突如として五割というものが出たと思いますが、我々今まで三割ということを
基準
にしてお
つたの
ですが、この五割というものは何かよりどころがあるのですか。
渡部伍良
14
○
説明員
(
渡部伍良
君) 五割にいたしましたのは、第一
順位
七割以上の
被害
、第二
順位
五割以上の
被害
、第三
順位
三割以上の
被害
、こういうふうなことでいろいろ
検討
を加えて来てお
つたの
であります。その
検討
をしております際に、
統計調査部
で一方ではこの
程度別
の
町村調
をや
つて
頂いております。それからも
一つ
はだんだんこの
提出割当
がきまりまして、
府県
の見た
作況
の
程度別
の
町村
が出て来たのであります。それがまだ全部は出ておりませんが、実は
割当
の済むまでに全部を出すようにという
意見
にしてお
つたの
でありますが、間に合はない県もありましたが、それをみますと
相当
な
開き
があるのであります。
従つて
私どもが従来三割以上の
被害
の中に当然入るものというふうに見てお
つた
村が、県の
調査
では五割以上の村に
相当数
入
つて
来ると思います。従いまして第一次の
配分
としましては、
昭和
九年の
冷害対策
のときに
救農土木
をや
つた
例もありますし、そのときやはり五割以上の
被害町村
を
対象
としてや
つて
おりました。
あと
は第二の末項にありますように、平均は五割以上ではないけれども、その村の
相当数
の
部落
が非常な
被害
を受けておるものは同じ待遇にすることによ
つて
、
被害程度
の順序が順次に拾
つて
行けるのではないか、その模様をみまして第二次の
配分
をどういうふうにするかということをきめたいのであります。ざつくばらんに申上げまして、先ほど申上げましたように、
府県
の
被害程度別
の
町村
と、
農林省
の
被害程度別
では
町村
の数が
余り
にも
開き
過ぎますので、そうかとい
つて
これを
農林省
の
町村別
の
調査
も県全体の
作況
の
調査
でありますと、これは大数観察、少しの誤差で済むと思いますが、
町村別
となりますと、そういうふうな
統計事務所
の
事務
にな
つて
おりませんので、私のほうでも
府県
全体の
作況
を
農林省
が主張するだけの強い根拠を持ち得ないのであります。従いまして、ここに書いておりますように、この
意味
を
反対側
からみますと、五割以上拾うときには大体
府県
で見たやつを拾う。但しこういうことは万々ないだろうけれども、
統計調査部
の
統計
で見ると五割以上にな
つて
いるのに、
府県
では五割以上には出ないということはないという
程度
になると思いますが、そういうことをやれば
被害程度
の著しいものは救える。こういうふうな見地から五割以上の
被害
ということにしたのであります。
河野謙三
15
○
河野謙三
君 ざつくばらんに申しますが、各
府県
から来る
数字
は非常に常識的にはふくらんでおりまするそこで今
お話
のように、この各
府県
の
数字
を
対象
にしてや
つて
お
つた
けれどもとても収拾つかない。そこで
農林省自体
が持
つて
いる
統計調査
の
数字
をいろいろ参配してみると、大体ここに言う五割というのは
農林省
の
統計調査
の
数字
による三割を
意味
すると、こういうことなんですが、各
府県
の言うところの三割という
数字
は、非常にこれは
尨大
なものになる。ところが
農林省自体
が調べた
数字
によりますと、大体各
府県
の五割というものは
農林省
の三割というところで収まる、こういうふうな
意味
のものなのかどうか。それともう
一つ
、ついでに伺いますが、いずれにしましても、この五割で
切つて
、
あと
は見ないということはそういう乱暴なことは私は言えないと思います。だから
予算
の絶対額の
関係
から一応五割で切
つた
ものの、三割、四割、五割、
つまり
三割から五割の間の線のものは、続いて然るべき時期に、これ又第二次
補正
との
関係
もありますが、面倒を見てやる、こういうことなのですか。それともこの五割はどこまでも
最終
のもので、これで
切つて
しまうこういうことですか、これを
一つ
伺いたい。
渡部伍良
16
○
説明員
(
渡部伍良
君)
お話
のように、第一点は
農林省
で三割乃至五割の
被害程度
である。即ち
作況指数
が五乃至七であるという
町村
が、県では三乃至五の
作況指数
である、
つまり
五割乃至七割の
被害
である、こういうふうに見ているのであります。言葉を換えて言えば、
農林省
で第三
順位
に予定してお
つた
ものが
府県
の五割以上の
被害程度
を見れば
相当数
入
つて
行く、こういうふうに見ているわけであります。なおそれで金が十分賄えるかどうかという点でありますが、私のほうでは、
最初
は
農林省
で
町村別
までにきめて行
つて
やろうというので、いろいろや
つて
お
つたの
でありますが、これは今の
統計調査事務所
の
調査能力
から
言つて
も、とてもできないということになりましたので、一応こういうふうなきめにしたのでありまして、これで
府県
で実際に
配分
して頂いて、その結果を見て、
リザーヴ
で
あと
の漏れを拾
つて
頂く。それで大体賄えるのじやないか、こういうふうな
考え方
をしているわけであります。
河野謙三
17
○
河野謙三
君 私は今までの御
説明
を伺いまして或る
程度
納得いたしましたが、ただここに私
自体
の
考え方
を申上げて御参考願いたいと思いますが、それはこの三の
総合指数
を出す場合のそれぞれが持つ
ウエート
というものが、これは
単作
に十を掛けるとか、その他
被害農家戸数
にたしか二十、若しくは三十を掛けるとかということは、これは非常に多きに失して、むしろこのほうの
ウエート
を引下げて、
最初
の
減収量
、これにより、私はもう少し
ウエート
を余計持
つて
行くということによ
つて
、私は或る
程度
私が考えろところの公平な
数字
が出て来るのじやないかと、こう思うのです。示されましたところのこの各それぞれが持つ
ウエート
というものは少し私は不満足であります。それからこの五割で打切
つた
ことにつきましては、私は各
府県
がそれぞれ
尨大
な
数字
を出すので、それをそのままとるわけに行かん、これは私も納得いたします。併しさらばと
言つて
余り
自信を持てないのであります。
農林省
の
統計調査
の
数字
そのままで押上切るということにもこれは少し私は疑義がある。これらにつきましては今
お話
のように、いずれにいたしましても次の機会において十分これらの持つ欠陥というものを補うように御再考頂きたいと、こう私は希望いたしまして、一応私のこの問題に対する質疑を
終り
ます。
片柳眞吉
18
○
委員長
(
片柳眞吉
君) 他に御質問ありませんか。
河野謙三
19
○
河野謙三
君 他に御質問もないようですから、私はもう
一つ官房長
に、この機会に、直接この問題ではありませんけれども、こういうふうな問題にぶつか
つて
、
農林省
がもつと確信を持てる基礎
数字
を持たなきやいかんということを私は痛感されると思うのです。たまたまこの
統計調査
等の問題は、常に問題になりますが、私は決して
統計調査
を徒らに
尨大
なものにしようというようなことを希望するものじやありませんけれども、もう少し
統計調査
のあり方というものを考えまして、この
被害
の問題に限らず、
あと
で御質問いたしますが、農村課税等の問題におきましても、大蔵省と
農林省
と常にごたごたするということは、結局
農林省
の持つ
数字
そのものに自信がないということなんです。これにつきまして今度の災害を契機にいたしまして、
農林省
が……、私は何も
統計調査
のことに限
つた
ことはないと思う。もう少し根本的に農林行政の基礎になる
数字
を出すために、 〔
委員長
退席、理事白井勇君着席〕 何か
官房長
、この機会に私は
一つ
の構想を持
つて
出られることが非常に私はいい機会でもあるし、又必要でもあると思うのですが、何かお考えにな
つて
いることがありましたら、
一つ
お示し願いたいと思います。
渡部伍良
20
○
説明員
(
渡部伍良
君)
お話
私ども全く同感でありまして、今度のような災害のときに、若し今まで
程度
の
統計調査
でもなければ、供米
割当
等は全然尺度を失
つて
、まあ
割当
せずに自由販売にする、こういうことになればいいのですが、そういう制度がすぐとれないとした場合に路頭に迷うというような状態に
なつ
ただろうと思うのです。殊にいわゆる民主主義が発達しまして、結局データーに基いて行う施策でなければ、得心して農家が生業を営むということはできないのじやないか。成る勢力で
ちよ
つとこう振れるというようなことになれば、金を効率的に使うという狙いからは随分違
つて
来るかと思います。今一番問題にな
つて
おります。のは、私のほうでは基本の
耕地面積
すらまだ正確に掴めておらないのであります。これは最近アメリカ等でや
つて
おります航空写真による耕地の確定、これは正確には使えなか
つたの
でありますが、特殊立法、急傾斜とか、或いはそういうところの
法律
を施行するとき、アメリカが調べたやつを
使つて
非常に問題をはつきり……、参謀本部の地図と航空写真を合わすとびたつと出て来るわけです。どうしてもそういうところまで持
つて
行かなければいけないのじやないか、こういうふうに考えます。更に今度の災害の
調査
であります。災害の
調査
につきましては、ここ両三年以来毎回
統計調査部
の
調査
の
一つ
の
事業
に加えるということで、加えるというよりか拡大するというのでや
つて
おりますが、まだうまく行
つて
おらないのであります。こういう際に、はつきりしたこの災害
調査
制度も確立して行きたい、こういうふうに考えております。これは併し
農林省
だけでできない部面が
相当
あります。そこで
農林省
の中といたしましては、現在問題点を拾いまして、来年度の十算に間に合えば、間に合う分から追加して要求すると、こういうふうな形で今内部的に協議を進めております。
河野謙三
21
○
河野謙三
君
ちよ
つと議事進行で…。若しこの問題でほかに御質問がなければ、私は
被害
の問題と絡んで、農村課税の問題で
ちよ
つと
官房長
に聞きたいのですが、ほかの
委員
のかたに直接この問題で御質疑があれば私は遠慮いたしますが、なければ続けて質問をさせて頂きたいと思います。
白井勇
22
○理事(白井勇君) 皆さん、何かございませんか。
重政庸徳
23
○重政
庸徳
君 この問題にこれは関連した問題ですが、
冷害
予算
、二十八年度の
冷害
並びに水害復旧
補正
予算
が、二十八年度の
農林省
予算
を節約して
相当
廻しているのでありますが、私は節約よりもしわ寄せをや
つた
というように考えるのであります。これは私暫らくこの
委員会
を休んだんだから、その間に
資料
が出ておればそれでいいのですが、若し出ておらなか
つた
らば、特にこの
農林省
の増産
予算
をどのくらい
とつ
たか、どういう方法で
とつ
たかというのを、私は或いは
土地改良
、農業水利
事業
、或いは小設備
事業
とか、
事業
を分けて
一つ
資料
を出して頂きたい。なおついでに林道及び
漁港
等、そういう方面の
事業
を分けて
一つ
出して頂きたいと思うのであります。 〔理事白井勇君退席、
委員長
着席〕
渡部伍良
24
○
説明員
(
渡部伍良
君) 総体の
資料
ですね。総体でいいのですか。
重政庸徳
25
○重政
庸徳
君 総体じやないこまかい
事業別
の……。
渡部伍良
26
○
説明員
(
渡部伍良
君)
事業別
ですね。承知いたしました。
白井勇
27
○白井勇君
官房長
、私今の質問に関連しまして、この前の
委員会
で実は改良局長が見えましたので、やはり同じようなことをお順いしてお
つたの
ですが、
予算
を大体頂いたわけですが、ところが今重政
委員
のおつしやる通り、食糧増産につきまして、一体どれだけ組んで、そのことによ
つて
どれだけ来年増産になるのだというような具体的の案というものがあるんじやなかろうか。丁度改良局長は手持がないからということで、それは
あと
で延期にな
つて
いるのですが、私からも特にお願いをいたします。
渡部伍良
28
○
説明員
(
渡部伍良
君) 増産量とからみ合せてですか。
白井勇
29
○白井勇君 ええ。
河野謙三
30
○
河野謙三
君 農村が非常な
被害
を受けて、救農
国会
まで開いてそれぞれの
予算
の
対策
も立てて、又
営農資金等
も一方に出しているかと思うと、一方において大蔵当局のほうでは課税につきまして何らの手心を加えていない事実が最近問題にな
つて
いるわけで、具体的に申上げますと、御承知のように農村といえども六月に予定申告をいたしまして、今月一杯で更に修正申告をするわけです。当然六月の当時の予定申告後におけるところの
冷害
、災害、これらにおきまして農村の収支は非常に変
つて
来ておりますから、当然ここで大きな修正申告が行われるわけで、これは当然の権利であります。然るに具体的の問題として、もう殆んど農家全員がそれぞれ予定申告、修正申告を出すということになると、税務当局はこの
事務
処理がなかなかできかねるというわけで、これを拒んでおります。そうして税務当局の言うのは一応とにかくや
つて
おいて、そうして
あと
でそれぞれ
調査
の結果払戻すべきものは払戻すから、こういうふうなことを
言つて
いるわけです。併しこれは丁度去る
国会
で問題に
なつ
たように、救農
国会
だと、いろいろ救済施設を一方で出すかと思うと、いろいろ政府の懐ろを洗
つて
見れば、一方において既定
予算
を削
つて
、そうして片つ方のほうで救災の手を差延べている。差引洗
つて
見れば何のことはない。大した変
つた
ことはない。これと私は同じような類いのものだと思う。
農林当局
が一生懸命で農村に
資金
を流しているかと思うと、一方においては災害前の予定申告そのままで税金を一応納める、取上げる、こういうふうなことをや
つて
いるわけです。この事実は
農林省
でも御承知のはずだと思うのですが、こういう問題は少くとも一
地方
の税務担当者の問題ではなくて、大蔵省と
農林省
の間で、本省と本省の間で大きくこの問題はこれは解決しなければならん問題だと、こう思うのです。私の結論としては、少くともこういう事態でありますから、税務当局が一々修正申告をと
つて
、これを
事務
処理す不在とはなかなか困難でしよう。でありますから、特例として、少くとも次の納税につきましてはニカ月なり、三カ月
一つ
延納を認めるということにするか、さもなければ天引二割なり、三割の課税の一応内払をさせるとか、何とかいう特例を
一つ
設けないと、これは大変な
地方
としては大きな問題になろと思う。それでこれらの点につきまして何かお耳に入
つて
おる点があ
つた
らばお知らせ願いたいと思うしまた大蔵省といろいろ折衝された点があ
つた
らば
一つ
の経過を
お話
し願いたいと思うのです。
渡部伍良
31
○
説明員
(
渡部伍良
君) 只今の申告替の問題でありますが、それはほかの県でもいろいろありまして、私国税庁の長官に掛合いましたが、特殊の税務署の特殊の人の感じで、国税庁の長官の意図が十分徹していないようなものが出ておるようであります。一番早く起
つたの
は福島でございます。すぐ掛合
つて
もつと延せということでや
つたの
であります。そこでは結局福島県庁と福島の税務署で話合を付けたと私は聞いております。ほかの県でもそういう悶着の起らんようにしてくれということを国税庁のかたがたにお願いして置きました。そこで具体的な問題として、私掛合
つた
ときに抽象的な問題でや
つたの
で、あまり下によく徹底していないということで、徹底漏れにな
つて
おるのじやないかと思いますので、今の問題が起
つた
税務署、それから問題の案件、そいつをお知らせ願いたいのであります。具体的な問題として処理しないと、抽象的にはまあま
あと
いうことで、ところが農民のほうは得心ができない、というのは、根本的には農業収入だけで税を納めておる人ならば、さつさとその申告替をしているのじやないか、こういうことを
言つて
いるわけです。というのは、
相当
大規模の農家でなければ予定申告もしないのであ
つて
、だからそう問題じやないかということで、併し今度の場合は
相当
被害
も深刻でありますから、或る局部の
地方
によ
つて
は税務署と一括交渉して、
お話
のように修正のあ
つた
ものとして取扱
つて
、その納税の仕方に特例を設けるということも掛合えるのじやないかと思いますので、
あと
で結構ですから、具体的にお知らせ願いたいと思います。掛合いますから……。
河野謙三
32
○
河野謙三
君 私はここで単に福島県だけの問題じやなくて、災害地共通の問題で、今各地ともこの十一月の末に、今私が申上げました問題は全部に私は起
つて
おるのじやないかと思うのです。これはもう
地区
別にそれぞれの特殊の問題ではなくて、共通の問題ですから、そこでこの災害
対策
の一環として私は大蔵省と
農林省
と、災害農家の納税についての大綱だけは
一つ
おきめ願う、そうしてそれ以外に例外的に
地区
によ
つて
異る問題があれば、それは今
お話
のように、具体的に我々がここで提示して
一つ
解決への御助力を願うということになると思いますが、とにかく今申上げましたように、六月申告したときと今とは非常にその事情が変
つて
おるのでありますから、又この変
つた
事情は
農林省
も認めて、先ず
冷害
、災害
対策
をや
つて
おられるのでありますから、その
数字
ももうすでに掴んでいるのでありますから、でありますから、勿論各県ごとに県庁と税務担当者とやるということにはなるでありましようけれども、その上で
一つ
農林省
と大蔵省の間で問題の処理の大綱だけは私はきめて頂くということで、而も非常に時間的に切迫しておる問題でありますから、私は御解決願いたい、こう思うのです。
渡部伍良
33
○
説明員
(
渡部伍良
君) これは
最初
に問題が起
つたの
は福島で、ほかの県でも起
つたの
であります。それは十月の十日前後だ
つた
と思います。そこでそのときにそういう問題が起らんように下部に徹底してくれということを頼んでおるのであります。なおその上に起
つて
おるというのでありますから、国税庁の長官の趣旨が徹底していないのじやないかと思いますので、どういう点で徹底していないかということを、もう少し私のほうでデーターをつかまえないと第二段の掛合に入るのは
ちよ
つと自信がない、こういうのであります。重ねてお知らせを願いたいと思います。
河野謙三
34
○
河野謙三
君 もう
一つ
、国税庁の長官から福島の問題のときに
一つ
指示をされた、その指示の
内容
を具体的に何かお聞きできますか、どういう指示をされたか。
渡部伍良
35
○
説明員
(
渡部伍良
君) それは今のような悶着にな
つて
おるのを杓子定規に扱うな、
被害
を受けているのですから、ゆとりを以て取扱え、こういう抽象的な指示と思
つて
おります。これは文書で出したから文書の写しをくれというふうな駄目を押しておりません。長官、この前の水害のときでしたか、ぴしつとや
つて
くれましたので、それに信頼してそのままにしておりますが、なおどういうふうにや
つて
いるかよく取調べたいと思います。
河野謙三
36
○
河野謙三
君
農林省
でいろいろ大蔵省に御折衝願わなければなりませんが、私は現在考えておりますことは、少くとも修正申告は農家は当然出す権利があるから出す、それが非常に数が多いものになりますから、
調査
に暇取りますので、その期間私は来年の二月一杯ぐらいまで、この納税は一時大蔵省の側の都合によ
つて
遅れるのでありますから、その間の
事務
処理ができ上るまでの期間だけ一時この納税を延期する、これを認めるということが一番私は妥当じやないか、こう思うのですが、そういう方向で私は大蔵省と折衝ができれば、これは農民のほうも納得して行けるのじやないか、こう思うのですが、ただ先ほど申上げましたような県は、例えば私の耳に入
つて
いる県では、とにかく納めろ、納めなければ承知しない、そうして返すものは追
つて
返せばいいじやないか、おれのほうは取上げるというのじやないのだから、こういうことで自分のほうの
事務
の処理の都合のいいように、自分の都合一点張りで農民を或る場合には威嚇して取上げる、こういうような態度だ、これは絶対に我々としても承服できない問題であ
つて
、
余り
事が紛糾しないように事前に
一つ
御処置を願います。
片柳眞吉
37
○
委員長
(
片柳眞吉
君) 只今の件は
官房長
でよく大蔵省と交渉し、その経過を適当な機会にもう一遍
一つ
はつきり重ねて御
説明
を願
つた
らどうでしよう。
ちよ
つと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
片柳眞吉
38
○
委員長
(
片柳眞吉
君) 速記を始めて下さい。 次に
公共企業体等労働関係法
第十六条第二項の規定に基き、
国会
の議決を求めるの件を議題といたします。 本日は本件の前提でありまする
国有林野事業
特別会計の経理
状況
及び
国有林野事業
従業員の雇用
状況
について審議をすることにいたします。なおこの件につきまして、先般の決議に従いまして明二十七日は
林野
庁当局と全
林野
労働組合当局から管理者側と従業員側との
意見
を聞き、明後二十八日は国民経済研究協会理事長稲葉秀三君の
意見
を聞くことにいたしまするから、お含みおきを願いたいと思います。 それでは
国有林野事業
特別会計の経理
状況
及び
国有林野事業
従業員の雇用
状況
につきまして当局の
説明
を伺います。なお、本日は
林野庁長官
、
林野
庁業
務課長
及び殖林課長が見えております。では、経理
状況
は経理課の槙
事務
官から
説明
を願います。
槇重博
39
○
説明員
(槇重博君)
国有林野事業
特別会計の経理
状況
を御
説明
を申上げます。 国有
林野
会計は、御承知のように国有林の生産されます木材を伐採して、これを売
つた
収入が歳入の規模を大体決定しております。国有林の場合には、大体生産保続の趣旨からいたしまして、年々生長いたします森林の生長量
相当
の木を伐
つて
、伐
つた
あと
に生長量を維持するだけの造林を行うということを建前としております。従いまして、そのときの木材価格と、その年度の生長量の量、質というものによりまして
予算
規模がきま
つて
参ります。この現在までの歩みを簡単に申上げますと、この会計が始まりましたのが
昭和
二十二年の四月一日でございますが、この当時は固定資産が百四十四億、流動資産が十億
程度
、
合計
百五十億
程度
のものを資本といたしまして始められたわけであります。二十五年までは木材統制が行われておりましたために非常に収入の
状況
も悪く、支出のほうは急激に上昇するインフレによりまして膨脹の一途を迫るという
状況
でございました。二十五年の一月に木材の統制が撤廃され、その三月に木炭の統制が撤廃されましたが、有効需要はその当時依然として低くて、二十六年の朝鮮事変の影響が現われますまでの経理は非常に窮屈であ
つた
わけであります。従いまして二十二年、二十三年にはそれぞれ八億九千万、十四億六千六百万という借入金をいたしまして、苦労して経営を続けて来た。二十五年は米国の対日援助見返
資金
特別会計から三十億の繰入をいたしまして、これを資本に繰入れて
事業
施設を行い、その当時から戦後の秩序も追々回復いたしましたので、造林
事業
なども軌道に乗
つて
、国有林の荒廃がだんだん復興に向いて来た。現在までの経過を申上げますと、二十二年は利益が六千万円、二十三年に二億六千万円、二十四年は利益一千万円、二十五年が利益十四億一千二百万円、二十六年がこれが朝鮮事変の影響が強く現われた年でありますが、利益九十三億四千七百万円、二十六年が五十五億三千九百万円、二十七年度の利益は五十億八千七百万円にな
つて
おります。今年の四月一日現在におきますこの会計の資産状態は、流動資産で二百五十五億、固定資産で二百九十七億、
合計
五百五十二億の資産を持
つて
おります。それに対しまして、資本の構成は保有資本が百七十三億に、損失補填の積立金、これは今までの利益の累積額でございますが、これが百六十六億円、それから減価償却引当金が百七十九億円、二十八年度、本年度の経理の
状況
でございますが、本年度は当初の予定が歳入を三百六億、これに対しまして歳出は一般会計に本年度から初めて利益金を繰入れることにいたしまして、二十二億の繰入をみまして、
予備
費九億ばかりをと
つて
、歳出はやはり
合計
三百六億という規模で今年度の
予算
は編成してございます。只今問題にな
つて
おります
補正
予算
におきましては、その後の木材の値上りなどからいたしまして一部に或る
程度
の増収が期待される。他面引続きました災害によりまして収入の減少を来たす面もありますが、
合計
で二十五億ほどの歳入増加が期待できる。勿論それにはそれに伴う災害復旧をやらなければならないのでありますが、いずれにいたしましても、二十五億
程度
の歳入の増加が予定できるようでございます。それに一般会計と同じような節約で三億三千万円ばかりの既定経費の節約をいたしまして、
合計
二十八億ばかりの財源を以ちまして、
冷害
の
対策
費として八億円、それから災害復旧、それから今問題にな
つて
おります公労法
関係
の給与改訂、仲裁裁定の一部実施というような経費を以て目下大蔵省と折衝中でございます。 大体以上のような
状況
でございます。
片柳眞吉
40
○
委員長
(
片柳眞吉
君) それでは今の経理
状況
につきましては、やや簡単に過ぎたきらいがありますが、
あと
でこれは御質問によ
つて
更に
内容
を伺うことにして、続きまして雇用
状況
につきまして職
員課長
から
説明
を伺います。
丹羽雅次郎
41
○
説明員
(
丹羽雅次郎
君)
林野
庁に属しますところの職員の実態を見てみますと、二万二千百人というものが
林野
庁におきますところの全体の定員でございます。この二万二千百人のうち、二万一千百十名というものが只今
説明
のありました
国有林野事業
特別会計に属するものでございます。
従つて
その残りの九百九十名、約千名弱のものが一般会計並びに森林火災特別会計に属しておるわけでございます。今回の調停なり、仲裁なり或いは団体交渉権等の公労法の
対象
になります人々は、これらの全職員のうち、先ほど申しましたところの特別会計に属しますところの二万一千百十名の問題でございます。なお二万一千百十名のうち、千四百名は組合に入
つて
はならない管理運営の
事務
に属しまして、いわば俗に申しますれば、当局側に立つ人々でございまして、それを差引きました残りの一万九千七百十名というものが、今回
国会
で御審議を願いますところの仲裁裁定その他に関しまするところの
対象
になる人々でございます。 以上が定員でございますが、
林野
庁の雇用条件は非常に複雑でございまして、これは定員内に属しますところの人間が更に多くの人間と使用いたしまして……使用するという言葉はよくございませんが、これらの人々のほかに、定員外の職員がなお非希にたくさんおるわけでございます。この定員外、一万九千七百十名の定員にすぐ続きますものといたしましては、九千名の常勤労務者というグループがあるわけでございます。
資料
といたしましてお配りしておると思いますが、「定員外労務者の概要」という
資料
をお配りいたしました。その二枚目の左の端にございますように、定員のほかでは常勤労務者といたしまして、定数で九千三百八十五名、現在員で八千二百六十三名が常勤労務者としてこれに引続いておるわけでございます。それから常用の年雇いの形式をと
つて
おりますが、給与の支払形態が出来高制をと
つて
おる、木を伐ります場合に一石幾らというふうな単価をきめまして、伐
つた
量によりまして賃金が支払われるという出来高給労務者というものが定数で四千三百四十四、現在員で二千九百六十九、それからその次に期間労務者という職分がございます。これは年間の雇用契約ではございませんで、一年間におきまして一定の月ぎめで、月をきめまして雇用をいたす形の雇用形態に入
つて
おるものでございます。これが同じように日給制と出来高制に分れまして、七月一日現在で出来高労務者が一万七千二百二十九名、それから期間の雇用契約によりまして、支給形態が日給であるものが一万百四十五名、更にそのほかに日雇いの形式におきまして雇用せられる職員が、同じく給与の支給形態としては日給制のもので五万二千二百十六名、それから出来高制によ
つて
賃金を支払われますものが一万三千十一名、以上を
合計
いたしますと、その次に書いてありますように、九万八千人近い数になるのでございます。 なおこの常軌労務者と常用出来高労務者を除きました職員は、時期的に非常に、
事業
の最盛期におきまして九月が一番多いのでございますが、数が殖えまして、一番少い時期と比べますと四万から七万ぐらいの幅におきまして時期的に差が生ずるわけでございます。で、御承知の通り公務員法はこれらの職員を全部一般公務員と規定いたしておりますので、公企労法は同時にこれらの全職員に適用になると、こういう形でございます。 なお、そういうそれぞれの労務者の何と申しますか、どういうものをこういうふうなものにするのかというような点は、刷り物でやや詳しく書いておきましたので、御質問等ございますれば、御
説明
申上げたいと思います。一応御
説明
を
終り
ます。
片柳眞吉
42
○
委員長
(
片柳眞吉
君) もう
一つ
国有
林野
特別会計の性格と言いますか、これができた由来、それが今
説明
を聞きますと、一時は見返
資金
から援助を受けて、最近は逆に一般会計に入れておるということで、特別会計の性格というものがまあ私にははつきりしないのですが、この特別会計のできた由来、それから一体はつきりした独立採算性か、或いは専売公社のような、或る
意味
で一般会計に寄与するという性格まで持
つて
おるか、これが要するに特別会計の発生した由来なり、沿革、現在の性格というものを、これを
一つ
お知らせを願いたいと思います。
柴田栄
43
○
説明員
(柴田栄君)
国有林野事業
特別会計で、独立採算によ
つて
計画的に保続的に経営しなければならない、こういう
考え方
は随分古くからあ
つた
わけでございます。と申しまするのは、従来
国有林野事業
が一般会計に属して経世をいたして参りました時代におきましては、国家財政の全般的な影響から、非常に年によりまして収入の増を
割当
てられる、その場合に折鶴
林野
の経営は御承知の通り計画的に保続的に行わなければ、一面におきまして国土保全の重要な役割を果し得ないというにもかかわらず、計画を乱して急激な過伐を招来する、その結果は国有林経営という目的に副い得ないというようなことを繰返して参りまするので、これを独立採算による特別会計として果して経理できるかどうかということにつきまして、随分長い間
検討
をいたして参
つたの
でありまするが、当時の木材、薪炭等の林産物の価格の
状況
と
事業費
構成の各因子等々を睨み合せますると、なかなかその見通しが立たない時代があ
つた
ということで、その当時におきましては一定額を一般会計から繰入れて頂いて、特別会計によ
つて
経営、経理をしなきやならんというような
考え方
も持
つたの
でございまするが、終戦後、戦争によりまして非常な
林野
の荒廃を招来し、国有
林野
につきましても、戦争のために非常に無理な過伐を繰返して参
つた
。この際これを放置いたすことは、国土保全或いは将来の資源の保続という面から非常な危険を招来するということで、総司令部等の強力な推進もございまして、非常に実は林業経世といたしましては不法正な状態の山を引受けて、併しながらこれを何とか特別会計で独立採算によ
つて
経営しなければならないということでこの会計が創設せられた次第でございます。 従いまして先刻御
説明
申上げました通り、特別会計発足当時は林産物
自体
が統制経済下にありまして、収入の見通しは一応確定する、而も労賃、諸物価等は時々高騰するというようなことで非常な難儀をいたしましたが、一応長期借入
資金
或いは見返
資金
等の導入によりまして、これを維持して参
つた
というような
状況
にあるのでございまして、その影響が誠に遺憾な話でありまするが、なかなか戦争中の営業上のアンバランスを取返し得ないという
状況
で参
つて
おるのでございまして、従来の経過から見ますると、独立採算制による特別会計によ
つて
実は精一ぱい、これを国土保全、林産物の保続、増殖という両面に寄与いたして参りたいという考えでおりまするし、さような性格のものであろうと私どもは考えておるのでございまするが、非常に本特別会計として仕合せなことには、統制撤廃後、
昭和
二十六年度中頃の朝鮮事変のブームの影響以来、林産物が予期以上に騰貴して参りました結果、現在最低剰余金を百七億
程度
保持しておるということでございまして、引続いて二十八年度においても比較的収入は順調に参
つて
おるということなのでございまするが、本特別会計といたしましては、将来の正常な保続経営をいたしまするために、損失補填のための
相当
程度
の積立を保有しなければならないと、かように考えておりまして、或る
程度
特別会計運営のための基金を持たなければならん、こういう
考え方
を以て、今その限度をどの
程度
まで確保すれば本特別会計が将来に亘
つて
保続経営をいたして、国土保全の基盤と林産物需給の調整の基盤を持ち得るかという
検討
をいたしておる次第でございまして、本来から申しますれば、本特別会計によ
つて
収入を挙げて、他の一般会計その他への繰入を期待し得る
内容
ではないと私どもは考えている次第であります。
白井勇
44
○白井勇君 私もこの間
ちよ
つと山を見ただけでよくわからんのですが、先ほどの特別会計に対しましての
お話
によりますれば、剰余金ですね。今の
お話
のように、まあ二十六年の朝鮮事変以来というお言葉のようですが、更にこれがただそれのみによ
つて
こういう剰余金がうんと出ているものか、どういうところにこの原因があるかということにつきまして更に詳しい分析をや
つて
いらつしやいますか、どうか。と申しますことは、これは勿論朝鮮事変の
関係
があると思いますけれども、やはり山に対しまする仕事というものは、これはまあ我々素人ですけれども、むしろ子孫のために美田を買わずということがありますけれども、この山につきましては子孫のためにやはり美林というものを準備するという、
つまり
投資の面が多いのじやないかと私は思いますが、そういう方面から、例えば経費を絞
つて
いるのでありますが、やはり現業職員になりますれば、伐
つて
すぐ売買をして行くということのほうが、これはすぐ目に付く仕事ですが、そういうような面において抜か
つて
いる点があるのか、或いは支払うべき合理的な賃金も払わずに働かしてや
つて
いるというような面があるのか、そういうようなことにつきまして何か詳しい分析はないのですか。
柴田栄
45
○
説明員
(柴田栄君) 只今お尋ねの点は、私どもといたしましても早く本特別会計の
内容
の明確な分析をいたしまして、経理
内容
といたしましても的確な損益計算をいたす、と同時に、伐採によりまする資産の減と、投資によりまする資産の増等々を的確に経理
内容
に反映させなければならないということで、只今これが
調査
を進めておりまするが、現状におきましては、誠に申訳ないのでありますが、まだそこまで参
つて
おりません。一番大きな問題は資産評価の点におきまして、本来は樹種別に、
内容
別に資産を的確に評価し、これの増減と将来の投資或いはこれによる収益というようなものを睨み合せて、果してこの経営が保続的に、自主的に可能かどうかという点まで出さないとはつきりしたことは申上げられないと思うのでございます。現在のところ先ほど固定資産、流動資本等を
合計
して五百五十数億という資産を以て経常に当
つて
いると申上げましたが、この
内容
自体
は実は私ども考えましても非常に不的確なものであろと考えておりますので、これが早急に明確化をいたして、近い将来に本特別会計としても的確且つ合理的な経営の基盤を確立いたさなければならないと、かように考えている次第でございます。
河野謙三
46
○
河野謙三
君 今白井さんから経理
内容
の分析の
お話
がありましたが、私もそれに関連して、いわゆる原価計算的なことはできておりますか。例えば年間四千五百万石の木材の売却をやる、それに要する民間で言う営業費と申しますか、あなたのほうの業務費と申しますか、こういうようなものの原価計算はできておりますか。
槇重博
47
○
説明員
(槇重博君) この会計もやはり特別会計令の
政令
の規定を以て原価計算をやることにな
つて
おりまして、直営
事業
といたしまして、こちらで伐木
事業
をや
つた
り、或ついは製材
事業
を行い、或いは木炭を作るという面におきましては原価計算をや
つて
おります。全体についての原価計算と申しますか、損益の種目というものは、損益計算書を作ります場合に掲益種目別
調査
書というものを作りまして、その中で経営の分析であるとか、或いは資産維持の分析というものをや
つて
おります。
河野謙三
48
○
河野謙三
君 そうしますと、製炭であるとか、製材であるとか、それぞれ
事業別
に原価計算ができていると、こういうことでありますから、これを
一つ
早急に
資料
として頂戴したいと思います。ただ私はこの機会に申上げてみたいと思うのは、例によ
つて
悪口になりますけれども、私たちのような役所の飯を食わない人から見ると、民間の小さな資本で小さな
事業
の経営をや
つた
経験の者から見ると、どうも役所の
事業
というものは外に向
つて
利益を追求するということは非常に急であるし、非常に上手である。ところが外に向て利益を求める前に、先ず内部的な利益を求めるということが、これが
事業
の先ず出発点でなければならん、その点が私は非常に欠けていると思います。例えば少し収支が合わなくなると、結果から見て手数料を値上するとか、その他
予算
を要求するとかいうようなことになりますが、そうでなくて、やはりこの収支のバランスというものは、先ず内に利益を求めて、然る後に私は外に向
つて
利益を求めるということでなければいかんと思います。そういう
原則
論に立
つて
私たちはものを考えるのですが、そういう
原則
論に立
つた
場合に、この間も製材
事業
なんかやめたらいいじやないかと、こういう話をした
あと
で、原価計算をしてもらえば私の
考え方
が間違
つて
いるかいないかははつきりわかるわけでありますけれども、私は非常にあなたのほうのや
つて
おられる製材
事業
も、他に多少の
意味
は持
つて
おられますけれども、これを原価計算的に見たら非常に私は非能率のものであると断定しているわけであります。もつと更に突つ込んで考えました場合に、どうして
林野
庁が木材の売却を立木でやらないか、何で素材までし
なつ
ければならん必要があるか、私は立木で
原則
はや
つて
、それで成る特殊な地帯の特殊な事情に関してのみ素材でやる、更に又特殊な場合に製材でやるという、この例外としての素材なり、製材の売却は私はわかりますけれども、
原則
が素材の
原則
にな
つて
、殆んど立木の売却というものが私はないように聞いておりますが、一体四千五百万石なり、六百万石のうち、素材の売却、立木の売却、又製材の売却、この比率は一体どうなておるか、私はこれを御
説明
願うと同時に、どうして立木で売却ができないのか、この理由を私は伺いたい、こう思います。
山崎斉
49
○
説明員
(山崎斉君)
国有林野事業
特別会計で二十八年度伐採します木材の量は、全体で四千六百万石
程度
のものであるのであります。そのうち立木のまま売払いますものが、用材におきまして千百四十二万石、薪炭林におきまして千二百五十万石、
合計
いたしまして二千三百九十万石、約半分は立木のまま売払いするという計画にな
つて
おるのであります。一方直営生産によりまして丸太として売払いますものが千四百五十万石あるのでありまして、そのほかに製材しまして売払いますものが二十五万石にな
つて
おるのであります。木炭として売払いますものが八万トン
とつ
なておりますし、それから、みずから薪に作りまして売払うものが五百五十万束という形態にな
つて
おるのであります。
河野謙三
50
○
河野謙三
君 そうしますと、今の原価計算は、これは素材としての原価計算と、立木としての原価計算がそれぞれできておりますか。
槇重博
51
○
説明員
(槇重博君) 只今のお尋ねの素材の正原価計算はや
つて
おりますが、立木としての原価計算というのはできておりません。これは実は国有林の経営のほうでは立木を固定資産という扱いにしておりまして、立木を年々四千六百万石伐るといたしますと、四千六百一万石に
相当
する原価に当るものが、造林費とその年度の生長価が立木資材価であるという
見方
をと
つて
おります。ですから原価計算に入
つて
参りました立木資材価というのは、市場価格から逆算して立木処分のときの単価を立木資材価格に一応仮定いたしまして、損益計算に載せております。
河野謙三
52
○
河野謙三
君 併し原価計算はできていないけれども、これは不可能なものじやございませんね。立木の原価計算は立ちますつね、立てようによ
つて
……。一応それを立てて
一つ
示して下さい。それからもう
一つ
伺いたいのは、今伺いますと、
相当
量の立木の売却もや
つて
おられるようでありますが、その立木なり、素材として払下げておられます、過去長いことは要りませんが、終戦後のそれぞれの払下げの比率ですね、一体長官の
方針
として漸次立木の払下に重点を持
つて
行
つて
おるのか、それとも素材のほうに重点を持
つて
行
つて
おるのか、この点を私は知りたい、その
意味
合において、終戦後のそれぞれの立木なり、素材又は薪炭なり、製材なり、これらの品種別の売却比率を
一つ
お示し願いたい、私はこう思うのです。なお私はさつきお尋ねした、どういうわけでそんなに大量の素材の払下をしなければならんのか、どうしてもつと原価計算的に見て、私の断定でありますけれども、能率的な立木の払下をなぜやらないのか、そこにどういう根拠があるのか、これを私は
一つ
長官に伺いたいと思います。
柴田栄
53
○
説明員
(柴田栄君) 経過的に申上げますと、直営伐採の仕事が始まりましたのは、各地域とも当時国有林材が非常に販売に苦労をいたしまして、新らしい用途を国で切り開いて行かなければならないという時代、丁度明治三十九年、日露戦争直後あたりから出発いたしておりますが、そういうために立木で売りましてもなかなか消化できない、而も有利消化できないというような
関係
が
一つ
ございまして、直営で伐採をし、更に丸太で消化できないというので、官営の大規模な製材工場を各地に設置いたしまして、新らしい用途を
開拓
いたして、それが一応見通しが付いて製材
事業
を漸次民間
事業
に移して行
つた
と、こういう経過が
一つ
あるわけであります。なお
昭和
四年から殆んど国有林全般に亘りまして、従来の皆伐人工植栽という
方針
を全部について行えば非常に国土保全上危険が多い、
従つて
国有林については天然林については特に択伐いたして天然更新を主体とする伐採方法によ
つて
更新を図らなければならない、こういう画期的な
一つ
の大きな
方針
が立ちまして、択伐をいたしまする場合には択伐木を立木処分いたしましても、多少金はかかりましても、
相当
技術的な伐採方法をとらないと係木を多くし或いは損を多くするというために本当に更新の目的を達しない、或いは択伐をいたし出すると、善意の場合或いは悪意の場合等によりまして、折角技術的に選木いたしましたものが伐採によ
つて
撹乱される、これはどうしても自分の手で
切つて
運び出してもらわなければならないということで、これが
一つ
の契機となりまして直営伐採が非常に増加いたして参た、こういう次第であります。なお最近におきまして、北海道等で一部直営伐採を加えて参
つて
おりますのは、従来御承知の通り、北海道は年期特売によりまして
相当
大
面積
を長期に亘って特定の利用者に年期で払下げておる。このために殆んど独占資本の資本というような傾向が非常に強くな
つて
おるだんだん資材を合理的に利用しなければならないという場合に、全林に且
つて
長い期間の特売をするということは適正な
配分
上面白くないということで直営伐採をいたしまして、それぞれの用途に適する材の
配分
をするという必要が生じて直営伐採をされるところもあるわけでございますが、現在といたしましては、一応搬出施設を国営において整備いたしまして、極力民間にお任せできるように、伐採書をとれるところは立木処分に移行して差支えない、こういう考えで今後はできる限り立木処分によ
つて
直営量を減少いたして参るというような考えで行きたいと考えております。ただここで
一つ
特に非常に大きな問題になりますのは、従来立木処分によりまして、大資本が入
つて
参りまする場合には、恐らく現場を御覧になり、現地で働いておる人たちの意向を直接御聴取頂けばわかると存じますが、山の仕事はとかくボス化するという危険が非常に多いのであります。そのために働く人たちが伐木業者等のために非常に搾取されるという傾向がありますので、これを救済しつつ技術的に山を扱
つて
行く、山の作業を妥当に民主化して参りたいというような場面も
相当
出て参るというために、安定して山で地元のかたたちに働いてもらうために、形態を急激に変えるということは
相当
問題があり、又逆行し、複雑化する危険があると思われますので、それらの点を十分に勘案しつつ妥当な方向に進めなければならないと私どもは考えておる次第でございます。
河野謙三
54
○
河野謙三
君 一々理由を付けて立木の払下が一直線に行かないという御
説明
がありましたが、これは私がここで討論する時間もありませんし、又討論の機会じやありませんから、一々反撥はいたしませんけれども、必ずしも長官の
説明
を全部納得するものでない、ただ結論として、長官の御
方針
として一時に画期的に素材の払下をやめろというのじやありませんが、方向として立木の払下に重点を置きつつ
林野
庁の特別会計の運営をや
つて
行くと、この方向には間違いないのでしようか。それとも逆に立木の払下を、
あと
で
数字
をもらえばわかりますけれども、立木の払下は今申上げたような理由によ
つて
順次素材のほうの払下に重点を置き換えるという方向になされるのですか、この
考え方
の方向を
一つ
お聞きしたいのです。
柴田栄
55
○
説明員
(柴田栄君) 只今も申上げました通り、現在までは特に北海道等が新しく私どもの管理下に入りましたので、一時的には直営伐採が増加いたして参
つて
おると存じまするが、今後におきましては、御説の通り民間に移し得るものについては立木で払下をする方向にしたいという
考え方
は、先生のお
考え方
と同じであると御了承願
つて
差支えないと思います。
白井勇
56
○白井勇君
ちよ
つと私もう一遍お尋ねしたいのですが、先ほど
お話
がありましたが、その年の伐採量というのは生長量の範囲内でや
つて
おるのですね、それを算定されます場合にどういうようなことでやられますか、
ちよ
つと私ども素人が考えますと、価値の全然
違つた
石数のようなものじやないかという懸念を抱くのであります。と申しますのは、伐採されるのは、非常に便利な市価の商いものが出て来て、生長量として計算されておりますものは、山奥の非常にコストの高くかからなければならないような生長石数であ
つて
、石数で行けば
内容
は殆んど違うのだというものが、実際上これは生長石数の範囲内で伐採されておるのだという恰好にな
つて
おるのだという気がするのですが、これはどうですか。
柴田栄
57
○
説明員
(柴田栄君) お答えいたしますが、これは国有林の植伐を計画いたしております経営案を御覧頂きますとわかると思いますが、全林を
調査
いたしまして、施業
対象
外を除きまして、普通施業地、それから施策を制限いたしますものは、又独立の経営という
関係
で全林に亘ります利用、それから更新を考えて場所を決定いたして参りますので、一定のローテイシヨンを以て全林を伐り、且つ植えて行くということになるので、只今御指摘のような便利なところだけに集中して伐
つて
奥のほうの生長量を伐ると、こういうことはいたしておりませんし、さようなことでは経営案は編成できないと、こういう
状況
にな
つて
おります。ただ全経営区を更に細分いたしまして、伐採列区を置きまして、それぞれの小さな列区によ
つて
ローテイシヨンを考えて行くということになりますので、大体一伐採列区、天然林でありますならば二十年乃至三十年でローテイシヨンする、人工植栽林ならば輪伐期六十年なり、八十年なり、百二十年なりという
程度
でローテイシヨンして更新を考えて全林を利用すると、こういうことにいたしておりますので、全体を通じますると、常に非常に便利なところ、或いは不便なところ等も入
つて
、一時に便利なところだけに集中されるということにはならないという仕組にな
つて
おりますが、これは場合によりましたら
一つ
経営案を御覧頂けば明確になると思います。
白井勇
58
○白井勇君 当初の私のお尋ねに関連いたします。が、先ほどの
お話
で、現在の剰余金が出ておりますが、
内容
につきましては詳しい分析は非常に困難であろという
お話
でありましたが、現在問題にな
つて
おります仲裁裁定は、そういう分析が困難であるという実情でありましても、あの
程度
のものはいずれの面から見ましても、完全実施いたしましても、これはこの特別会計には何らの支障がないのだと、こういうお見通しでありますか、どうか。
柴田栄
59
○
説明員
(柴田栄君) 実は経理
内容
分析等からいたしまする収支ということになりますると、
相当
問題はまだ残されておるわけでございまするが、一応従来のような収支決算をいたし、損益計算をいたすという形におきましては、現状におきまして裁定を実施することは可能である。なお引続きまして二十九年度以降についてもこの情勢が急激に
変化
しない限りは一応
事業計画
は立ち得ると、かように考えておる次第でございます。
片柳眞吉
60
○
委員長
(
片柳眞吉
君) それではなお御質疑があると思いますが、今日はこれで散会いたします。 午後三時五十六分散会