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参考人(飯島久君) 開拓者連盟の飯島でございます。いろいろ御配慮を願
つておりまして、誠に有難くお礼申上げます。
只今河野先生からの経過についての御
質問がございましたので、極く簡単に概要だけを申上げたいと思います。
過般の国会でいろいろご審議を願いましたのを我々は十分
承知をしております。元来中金から我々開拓者の借りておる金が二銭六厘という日歩は非常に高いというところに、常に困
つたものだという不満を持
つてお
つたわけであります。そこで
農林省等に対しましても、先生方に対しましても、この苦哀は常に訴えてお
つたわけでありまするが、幸い前国会におきまして、皆様方の御配慮によりまして二銭二厘に今度になるぞと、こういうようなことを伺いまして、我々は非常に喜んだのでございます。そこでいつこれが一体実現できるかというので、その日の来るのを実に首を長くして待
つてお
つたわけでありまするが、なかなか実現方がどうして実現するのやらわかりませんので、再々
農林省を通じまして早く実現方をお願いしてお
つたわけであります。
農林省のほうでも十分交渉をしてお
つたようでありまするが、なかなからちがあかん、こういうことで、それでは我々役員の者で面接交渉をしようというので始めてから、前後入れ代り、立ち代り六、七回に及んでの交渉をいたしておるわけであります。その交渉の当初におきましては、私たちは権威ある国会においてや
つて下さ
つたのだから、無
条件で二銭二厘、その
通りにや
つてくれ、こういうことを冒頭持ちかけたわけであります。それでできると思
つたところが、とんでもない話でございますので、それはそうは行かんということに相成りまして、どういうわけだというので、いろいろ今度は聞きましたところが、そろばんをはじいていろいろパチパチやるのでありまするけれ
ども、遺憾ながら私たちは素人でありますので、そろばんが本当
はつきり掴めなか
つたわけであります。成るほど中金のほうから言われてみると御尤もなような次第なのですが、ただ我々は常識的に飽くまで国会でや
つたのだからということを楯に上
つたのですが、ついにその理由は立たなか
つたわけであります。そこでいよいよ今度は
先ほど来から
お話のありまする保証協会というものが正式に発足をいたすことでありますので、末端組合或いは開拓者
個人等々からは、新聞ですでに発表に
なつちやうんじやないか、それにもかかわら何をぐずぐずしているのだというので、幹部は常にお叱りを受けてお
つたわけであります。そのような鞭撻、激励もありますので、火のついたような立場に立
つておりますので、やんやと迫
つたのでありますが、一方保証協会はぼつぼつできかか
つておる。そこでいよいよこれが全国的な発足は本月の中旬頃に発足するわけであります。そうしますると、この新らしい協会が発足するまでにはどうしても目安を付けなく
ちやならない、こういうことに迫られたわけであります。そこで最後に、一番交渉の最後が十月の二十一日と記憶しております。中金とや
つたのでありまするが、どうしても我々の満足するような線が出ない、こういうことに
なつたわけであります。そこで最後には十月の二十四日には農地
局長に、これはどうしても我々の力ではいかん、
局長も議会における
答弁云々という話を聞いてお
つたので、あれはそのようにできないものかというので、又振り戻して
農林省に持ち込んだわけであります。そのときにその過程におきまして、いろと、どうしても採算は引合わないというようなことになりましたので、そこで
局長のほうでも非常に心配して、とにかく長引けば長引くほど我々自体としても困る、何とかこれをきめて頂きたいという我々の要求に対しまして、そこでやむを得ず、
局長もそれでは当面の
措置として何とか妥協しようじやないかということで、余儀なく
局長もこれに参加して下さいまして、そうしていろいろそこで協議した結果が、
先ほど問題にな
つておりまする預金が現在三億八千一百万ございます。この三億八千百万のうち一億五千万、これは八分五厘の利子で預けてあるわけであります。それから二億三千百万、これは六分の利子で預けてあるわけであります。そこで全部一律に三億八千百万の一分を引くということになりますると、これは大変なことになる、こういうことで、一分の利子引下ということについては、これは勘弁してもらいたいというので、二億三千一百万の六分の利子だけを一分それでは我々のほうでも譲歩しよう、それで八分五厘のほうは手を付けないこと、こういうようなことでやれば何とか追つくじやないか。一方私たちは新らしい協会が発足いたしますると、現在ですら四億足りない金を預けておきまして、それがために三倍の約十二億の金を貸してもら
つておるわけであります。それが更に今後は信用が強化いたしますことによ
つて、もつと貸出をして頂く、こういう河野先生のおつしやるように、借りる身分の辛さもございますので、そのような将来のことも考えまして、ほどよく矛を納めようじやないかというところに余儀なく
なつたわけであります。そういうような過程で、この利子引下はどうも腑には落ちないけれ
ども、まあそれじや考えようじやないかというので、極めて不満ではございますが、やむを得ずこれは呑むほかあるまい、こういう態度を持
つたわけであります。但しこれにつきましては、昨日全国の代表者会議がございますので、その代表者会議に諮
つて、そうして正式御回答申上げるから、それまで保留、こういう形をと
つて、昨日全国の会合を開いたわけであります。十月二十四日は、そのような利子引下に対しては不満ではあるが、潔よくここで妥協しよう、こういうことで決心をいたしたのでありまするが、それについては私たちはただそれだけでは困る、末端の取扱いに対しては極めて親切に、そうして速かにやるような
措置を講じてもらいたいということが我々の強い要望であ
つたわけであります。更に今後政府のほうに対しましても、
資金増加で欠損する部分を補填してもらうような
措置を講じてもらうことを
農林省にお願いし、更に中金に対しては今後の問題といたしまして、何らか別な
方法があれば速かにこの六分の利子に又戻してもらいたいというようなことを語
つたわけであります。その他の
方法は、実はこの交渉の過程におきましても、適格手形がどうしてもできないということで、これはがつかりしたわけでありまするが、そのほか現在開拓者に流れています
資金が、現在本年でも貸付が約十七億ほどあ
つたわけであります。その十七億の金が
地方に参りますと、各県の日本銀行の支店を通して流れるわけであります。それが一カ月かそこら眠る。実際開拓者の手に届くまでは眠るから、それを
地方の中金の店を支店にしてもら
つて、そこに流してもらえばそれで利鞘がとれるというので、利子を引下げなくてもよろしいということがあ
つたわけであります。そういうようなことにつきましては、再三我々のほうもいろいろな方面から手を打
つてや
つたわけでありますが、すでにこれはもう法を改正しなくてはならないということにぶつかり、且つ十七億の流れる金が第一四半期から第三四半期まで流れまして
残り一億九千万なので、これも到底間に合わんというので、切羽詰
つた状態に相成
つたわけであります。そういうようなことでございまするので、一応この発足するものに利子引下げをしてもらわなく
ちや困る、こういう切羽詰
つたところから妥協しようということで、
局長まで煩わしましてこの妥協案に応ずる態勢をと
つたわけであります。
以上極めて概要でございまするが、我々の交渉の過程における大要を申上げて御
質問に
お答えしたいと思います。