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説明員(中島
征帆君) では配付資料につきまして簡単に御
説明を申上げます。
この前の、
委員会に火力借款
対象事業計画と新設発電設備概要と二枚の資料を配りましたが、この前の火力借款
対象事業計画と申しますのは、これだけでは甚だ不完全なように見えるのでありますが、実は文字
通りとりましてこういうものを作りましたのでございます。本日配付いたしました契約書の前文の翻訳の中に
事業計画契約証書というのがございますが、これの一番末尾にこの
関係のものがあるはずでございます。で世界
銀行と電力会社との
事業計画契約の中に別表といたしまして、それぞれの会社につきましての約定
計画というものがございますが、この約定
計画と申しますのは、各社が現在持
つております開発
計画を主体とするものでございます。この中には全国水力、火力それぞれの地点別に挙げてございますが、この資料によりますと、資料の十六頁だと思いますが表にな
つております。この中に今回の借款の
対象とな
つております発電所が、火力発電の末項の多奈川という所がございますが、これが今度の借款の
対象にな
つておる火力設備でございます。この多奈川につきましては、この表にありますより更に細かい
計画が必要でありますので、これだけ取上げまして別に関西
事業計画として……この多奈川の
計画だけにつきまして、その前の前の十三頁に関西
事業計画とございますが、こういうような恰好で、多少これは修飾を加えてございまして、その
事業計画だけをこの前御
説明申上げたわけでございます。内容は要するに全体につきましてこの約定契約で以て全体の今後の開発
計画、既定の
計画というものはどういうふうなものがあるということをここで一覧表に出しまして、そのうちで借款
対象であります火力発電の
計画というものはどういうものであるかということをこの
事業計画の中でやや具体的に謳
つておる、こういうことでございます。この
事業計画の中に盛られております要綱を抜出したものが
数字的に抜出しましたものが新設予定発電設備概要の表になるわけでございまして、これによりまして出力、利用率或いは生産費というようなものが一覧表にな
つておる、こういうことでございます。要するにこの
事業計画の内容を要点だけ申上げますと、この前の会に配付いたしました新設発電設備概要という横の表の表で一覧できることにな
つておりますが、例えば中部につきましては六万六千キロワツトの出力あるものを据付けまして、この利用率を五〇%としてあとどういうふうな効果があるかというような予定の
数字になるのであります。つまりこの場合におきましては熱効率が三〇・五、
石炭の消費率が乾炭が〇・五一二キログラム、それからボイラーの圧力が八十八キログラム、ボイラーの温度が五百十度、その前提といたしましては
石炭が五千五百カロリーのものを使う、こういうことでございます。
石炭の単価を五千八百十五円といたしますと、
石炭費は三円二十二銭になり、全体の発電原価が一番下にあります
通り五円九十五銭七厘になる、こういう想定でございます。関西、
九州共に同じようなことにな
つております。
それから今日もう
一つ別の表が配付にな
つておると思いますが、これは本日新設予定発電設備概要という見出しをつけましたやはり
二つの函にな
つております表でございます。これはこの前も似たような表を配
つておると思います。この前のやつは今度のやつにお差換えを願いたいと思うのであります。本日配付いたしました表によりまして御
説明申上げますが、これでは現在東京電力で
計画いたしております鶴見第二発電所の設備はどういうふうな性質のものであるかというものをここで出しております。これは大体規模で申しまして、中部電力の六万六千キロワットに
相当するものでありまして、これと比較するのが一番わかりやすいことになるのでありますが、ただ違います点は、中部、関西、いずれも新らしく敷地を購入いたしまして、設備を新らくし建設する、こういうことにな
つております。鶴見第二の場合には、すでに発電設備がございまして、それに新らしく今度の新規設備を附加するという
関係になりますので、敷地の
関係その他附属設備等の
関係におきまして、かなり鶴見発電所のほうが有利な条件にございます。
従つて発電原価をそのまま比較するという場合には、その点を
相当斟酌する必要がございますので、例えば鶴見第二におきましては、欄が二欄ございますが、左のほうの一番下に四円八十四銭というのがございます。それからその次の欄には五円二十八銭と、こう
二つございますが、これと、それから先ほどの中部の三重のものと較べますと、五円九十五銭でありまして、いずれも安いということにな
つておりますが、この安いという事情には、先ほど申上げましたような事情のほかにも事情はございますけれ
ども、斟酌を要する点があるということをあらかじめ御了承願います。
只今の表でございますが、右と左と
二つ欄がございますが、これは違います点は、左が
ちよつと
不足しておりますけれ
ども、左は利用率を六〇%としてや
つた場合、右側五〇%としてや
つた場合、この
二つの場合でいろいろ
数字が違
つて来るわけであります。何故かというと、鶴見の第二の場合におきましては、東京電力におきましては、現在は六〇%の利用率を挙げるという構想の下にいろいろの
数字を弾いております。中部においては五〇%の利用率だという想定の下に
数字を出しておりますので、これを合せますためには、利用率は東電の場合五〇%としなければらないのであります。そういう
関係で
数字をいじりまして、最終的には五円二十八銭ということになるのだという
数字でございます。この
二つを比較いたしますというと、いずれの場合におきましても、熱効率の点につきましては、中部の三重と比べましていささか劣
つております。中部の場合は三〇・五%、これは今度入れます関西、
九州に比べましては一番中部は低いわけでございますが、それに比べても鶴見第二の場合には二九%或いは二八%という
数字で熱効率は劣
つておる。
それからいま
一つの大きな違いは、鶴見の場合は重油専焼の設備として取りあえず設計をいたしております。いずれは
石炭と混焼するような設備も附加されるわけでありますが、只今の設計では重油だけを焚くという設計でございまして、
従つて、現在といたしましては燃料としては重油のほうが安く消費できるという
関係から、その点からもコストが安くなるという
関係でございます。
それからいま
一つの点は、輸入設備につきましては、今度のトータル四千二十万ドルという借款の
計画を全部設備費の一部として入れておりますが、この四千二十万ドルの中には、いわゆるエスカレーシヨンと申しまして、引渡しのときにおきます契約価格の変動に応じるために若干のゆとりを見ておりますが、実際にはどうなるかわかりませんが、現在の契約価格に比べましてそれだけ高くな
つておりますが、一割ほど
見込んでおりますけれ
ども、その分だけは未
確定なものが一応機械の購入費として中に入
つておるという点で、その点につきましても輸入設備のほうがいわば高く見積られておるということが
一つございます。
それからいま一点は、現在鶴見で発注いたしております設備は、二社に対して発注いたしておりますが、いずれも初めての、新らしく特許権を購入して作る試験的な設備でございますので、各社ともかなりこれにつきましては勉強いたしておりまして、或る社のごときは
相当な赤字を出して引受けておるという
関係もございますので、必ずしもこれが国内で今後継続的に生産し得る機械の正常な原価であるかどうかということにつきましては、まだその点につきましては未
確定だということを言わざるを得ないのであります。そういう
関係におきましても、国産の場合は一応機械の設備費というものは安くな
つておりますが、必ずしもこれが本当に安いのであるかどうかという点につきましては、まだ疑問があるということを御考慮願いたいと思います。
それから次に右側の表でございますが、これは今度国内で発注いたしております設備の中で、全部が全部を国内で作るのでなくて、そのうちの一部、非常に困難なもの等につきましてはやはり外注をいたしております。外国に注文いたしまして、輸入する品目をここに挙げてございますが、これは全部でございませんけれ
ども、主なるものはこういうものである、それが全体の機械の代価に比べてどうなるか、何パーセントを占めるかというのが註の2にございます
通りに一割から三割くらいに及んでおるというわけでございます。そういうような表であることを御承知願います。
それから次に本日配付いたしました契約証書でございますが、これは前にも御
説明申上げました
通りに、三つございまして、世界
銀行と開発
銀行との貸付契約、それから世界
銀行と
政府との間の
保証契約、それと電力会社との間に行われます
事業計画契約の三種類にな
つております。その内容につきましては、先般要旨につきまして御
説明申上げた
通りでございまして、各条項に対しまする見出し等によりまして大体御了承願えるかと存じまするので、内容につきましては一応省略させて頂きますが、なおこれを読むにつきましては、冒頭にもございます
通りに、貸付契約の第四号というものがこれが補充的な規定として必要になるわけでございますが、先ほど
委員長から申されました
通り、目下翻訳中でございまして、まだ一両日かかるというわけでございまして、本日御配付できないのは甚だ申訳ないのでございますが、大体の要点、抄訳的なものが手許にございますから必要に応じて私
どものほうから御
説明いたしたいと思います。