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1953-11-02 第17回国会 参議院 人事委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月二日(月曜日)    午後三時十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     村尾 重雄君    理事            千葉  信君    委員            溝口 三郎君            岡  三郎君            紅露 みつ君            後藤 文夫君   政府委員    内閣官房長官 田中不破三君   事務局側    常任委員会専門    員       川島 孝彦君    常任委員会専門    員       熊埜御堂定君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国家公務員給与問題に関する調査  の件  (人事院給与勧告に関する件)   —————————————
  2. 村尾重雄

    委員長村尾重雄君) 只今より委員会を開会いたします。  本日の議題は国家公務員給与問題に関する調査であります。御質疑のあるかたは御発言を願います。
  3. 千葉信

    千葉信君 副長官にお尋ねいたしますが、政府のほうでは人事院勧告に対してその後どういう検討を加えられたか。
  4. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 政府におきましては、人事院勧告が出まして以来、十分にこれを尊重しなければならないことは当然でございまするので、各閣僚間におきましても国家公務員給与引上げにつきまして十分検討を加えたのでございます。大体におきまして、国家公務員とそれから地方公務員を合せまして、給与引上げ人事院勧告通りにいたすといたしますると、平年度に直しましておよそ七百億円以上の財源を要すると記憶いたしておりまするが、このような大きな財源を必要とするこの給与引上げにつきまして、果して国の財政勧点から可能か否かという点を検討を加えたのであります。勿論今度の只今御提出いたしておりまする補正予算等につきましては、財源が非常に不如意でございまして、災害とか或いは冷害とかに対する対策すら十分に計上することができかねておつたような次第もありまして、非常に財源の窮屈な困難な事態でありましたので、今度の補正予算に計上することは勿論できませんでした。又将来に向つて只今申しましたように、七百億を上廻る財源を必要とするというので、来年度予算につきましても、果して只今問題によくなります防衛費とか、或いは治山治水対策費であるとか、或いは災害対策費の継続というようなことを一緒に含めて考えまするときに、果してどれだけの財源がひねり出し得るだろうかという点については、目下慎重に考慮しているところでございまして、只今のところは非常に財政上から見ましてもなかなか困難なことのように思われるのであります。
  5. 千葉信

    千葉信君 私のお尋ねしている意味は、財源関係も最終的には問題になるでありましようけれども、従来の例から見ましても、給与引上げをやるかやらないかという問題、それから若しやるとすればどの程度改訂を行うかというようなこと、そうして又そのどの程度改訂をやるかという問題についても、従来例えば人事院勧告等が出ました場合は、その主務官庁であるところの総理府でその内容等についていろいろ検討を加えて、そうして勧告された各俸給表給与月額等についても、これがいいとか悪いとかいう検討を加えて、そうして一定の方針を出して、その方針従つて予算幾らという形の折衝が、主務官庁としての総理府と、それから大蔵省との間に行われて最終線が出る、こういう段階が従来もあつたし、今度の場合も当然それが必要ではないかと思うのですが、只今の御答弁では、一足飛びに、財源がやはり平年度では七百億かかるとか、防衛費がどうの、災害対策費がどうのという、大蔵大臣から答弁を聞いておるのか、総理府のほうから答弁を聞いておるのかわからないような答弁です。  私のお尋ねしておる意味は、総理府として一体人事院勧告等に対してどういう検討を行われたか。それから又各号の俸給表等検討も、一体人事院勧告が現在の物価の状態或いは公務員の生計の状態において妥当なものであるという結論に到達したのか。それとも検討をまだやつていないのか。検討をやつたとすれば、どの程度のもので、どういう結論が出たか。そういう点をこの際先ず具体的に承わりたいと思います。
  6. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 政府といたしましては、もとより人事院から十分に検討されました資料に基く勧告が出ておりまするので、これを十分尊重する意思がございます。従つて政府の一応の考え方といたしましては、この人事院勧告の線に沿つて考慮しなければならん、このように考えておるのであります。従いまして、いきおいその線に沿うのに果して財源的に沿い得るかどうかという点がもつぱらこの大きな問題になつて来るので、先ほど申上げましたような発言をいたした次第であります。
  7. 千葉信

    千葉信君 そういたしますと、総理府としての、若しくは内閣審議室検討された人事院勧告は、その内容等においてこれは十分尊重すべきものだという結論に到達されたのですが、ただ併しその結論が、先ほどお話なつ財政上の理由から、今早急にこの実施は困難であるという結論に達した、こういう御答弁でありますから、まあ財源問題等が今後どのように処理されるかどうかは別として、財源の見通しがつけば人事院勧告政府実施する方針であるという結論に到達した、こう了解して差支えありませんか。
  8. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 先ほども申しました通り人事院勧告そのものは十分尊重しなければならない。だから努めてこの線に沿つて行かなければならないということは、これは考えております。
  9. 千葉信

    千葉信君 総理府のほうとしては、只今のその結論従つて大蔵省との間にどういう折衝を従来行われましたか。その点を伺いたい。
  10. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) これは、私どもはもとよりでありまするが、大きな問題でありまするので、閣僚間におきまして十分に検討が加えられたのであります。そして只今の七百億を上廻る財源を要するというふうな点等につきましてもそれぞれ検討が加えられたのであります。それでありますから、関係閣僚間における審議というものは只今までに十分尽されておるのであります。
  11. 千葉信

    千葉信君 まあ今の国会補正予算が提出されておりますが、この補正予算には盛られなかつた部分としては、年末手当、或いはその他の関係で、第二次補正予算が提出されるかも知れませんけれども、併しいずれにいたしましても、十一月という今日の段階からいいますと、政府としてはそろそろ二十九年度予算編成という問題についてもかなり具体的な方針が取上げられて検討されておると思うのです。第二次補正予算に入る入らないはこの際一応別として、二十九年度予算編成するに当つて給与改訂をするかしないかということは、相当大きな影響を二十九年度予算編成の上に持つと思うのですが、従つてこの問題は一応の明確な結論が出ていなければ、二十九年度予算編成には着手できないという逆の立場もあろうと思います。従つて、そういう意味からすれば、今日すでに政府としては、給与改訂をどうするかという問題が、すでに二十九年度予算に関連しては当然出ていなければならん。その点については政府一体どういう考えを今持つておられるか。
  12. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) お尋ねはもつぱら大蔵当局関係のようにも思われまするが、私が承知しておりまする範囲においてお答えを申上げますならば、昨今までにおきましては、今回の補正予算等に時日を要しましたために、三十九年度予算におきまする諸般の考慮編成方針等につきましては未だ確定しておらないように思われます。目下大蔵当局において各省からの資料ちようど収集最中であるようでございます。従いまして果して各省要求がおよそどのくらいに見積られるものか、或いは来年度予算構想としてどういうふうな編成方針を取つてつたらよろしいかという点については、まだ固まつておらないように承知しております。
  13. 千葉信

    千葉信君 田中さんの御答弁は、ちようど逆答弁になつていると思うのです。今二十八年度、三十九年度予算編成するに当つての、給与改訂をどうするかという問題については、現在大蔵省でいろいろとその問題を考えているだろうと思うというお話でございましたが、大蔵省には成るほど主計局給与課があつて給与金額等についてはいろいろここで検討をされるでありましようが、併しこれは飽くまで事務的の立場に立つて給与予算の策定であつて一体給与改訂するのかしないのか。改訂するとすれば幾らするのか。まあその点については今田中さんから人事院勧告通りこれを尊重するのだという御答弁がはつきりありましたから、これは一応はつきりしましたが、併しそういうはつきりした政府の、特に総理府方針なるものが、二十九年度予算編成するに当つて重大な要素になるはずなんです。それをあなたのほうでそういう決定を一応見て置きながら、大蔵省のほうとどういう折衝をされたか、その折衝によつて大蔵省の二十九年度予算編成が左右されるということになると思うのです。それをあなたのほうで、一応の決定はしたけれども、そのまま、ほつたらかして、あとは大蔵省のほうの予算をどう編成するかということを考えているようだというのでは、この問題はちつとも前進しない。そういう点について総理府としてはどういうふうな具体的な態度を取られているか伺いたい。
  14. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 千葉委員お話、御尤もなんでございまするが、実はこの給与の問題につきまして、只今申しました通りに、人事院勧告の線に沿つて計上をいたして見ますると、約七百億を上廻る数字だという一応の大まかな、めどがついているのでありまするが、これを来年度予算にどういうふうに織込んで行くか、或いは織込めるか、織込めないかというふうな点、これは今お話の中にもありました通りに大きな問題でございます。従いまして関係閣僚間において十分これを御検討を願わなくてはならない。従いまして今まででも時々その話が出ているということを申上げたのでありますが、そのようにして関係閣僚間で十分に議を練つて頂かなければ、この最高方針、大方針というのは出て来ないというので、只今関係閣僚間の慎重審議の過程にあるわけであります。従いまして給与引上げという点から見ますると、おおよその枠がすでに目安がつきます以上、これを取上げるか、取上げないかということは、政府最高首脳部としての態度決定ということにおのずからなるわけであります。予算編成の全体のやり方としますると、先ほども申しました通り各省のいろいろの要求大蔵省において只今とりまとめている最中であります。その中にも当然この七百億を上廻る給与というものが考慮されなければならない、その予算編成方針目安に当然上つて来るのだという点で申上げたのであります。
  15. 千葉信

    千葉信君 まあ不満ですが、次の質問に入ります。  先ほど答辯がありました人事院勧告に対しては尊重するという方針であるということでありますが、その尊重の中に、人事院勧告ではこれは「速かに」という表現を使つておりますが、その内容から出て参ります結論は、本年度四月一日から実施されなければならないという内容勧告になつておりますが、先ほど人事院勧告を尊重するということの中には、四月一日から改訂すべきものという勧告に対して、どのようにお考えになつておられますか。
  16. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、只今予算に盛り込み得るかどうか、又盛り込むとすれば幾ら盛り込み得るのだというふうないろいろの考慮がめぐらされて来るかと思いますが、それと同時に、いつから実施するかということが当然財源の大きな要素になりますので、それらを彼此勘案しながら結論を出さなければならないのではないかと思つております。只今はきまつておりません。
  17. 千葉信

    千葉信君 これではもう全然話にはならないと思うのですが、……。  それではもう一つ問題がありますのでお尋ねしたいのですが、現行給与法が暫定的なものだからというので、一体この条件に対しては政府はどういうふうにこれを処理されるつもりか。これは全部今度の勧告実施なら実施という条件の中でこの問題を処理するつもりであるのか。それとも閣議で一応の決定があつたという新聞報道でございましたが、ああいう新聞報道のように何らかの措置をとられるのか。つまりその俸給表というものは暫定的なものだからということに対する措置を、勧告実施以前にとられるというお考えを持つておられるのか。その点についてお伺いしたい。
  18. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) このお答えもどうも御不満かと思います。千葉委員は十分いろいろの事情を御承知かと思うのでありますが、どうも只今のところは、いろいろの観点から、これを十分検討を加えておると申上げる程度一つとどめさせて頂きたいと思うのです。
  19. 千葉信

    千葉信君 閣議で一旦たしか決定されたはずですが、それは又予算の最終的な決定の際には全然……、その話が話題に上つたという閣議の経過があるようですが、その点は一体どういう理由でそういう結論なつたか。それを一つ承わつておきたいと思います。
  20. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 閣議決定がありましたかどうかは存じませんが、いずれにしましても今度の補正予算が非常に難航いたしまして、いろいろの実行いたしたいというふうな項目についてそれぞれ検討が加えられております。一方、口ぐせには申しますけれども財源の引当というものを睨み合せましてその項目取捨選擇が行われました結果が、只今御提出申上げておりまする補正予算案なつたのでございます。
  21. 千葉信

    千葉信君 今お尋ねしている問題等は、又官房長官なり、或いは副総理の御出席願つて、もう少し突きつめてみなければならない問題がかなりあろうかと思います。この機会ですから、副長官としてお答えになれる程度の問題だけを実はお尋ねしているつもりなのですが、そういう意味で、もう一つの問題をこの際お尋ねしたいと思うのですが、たしかこれ又閣議決定されて、今度の補正予算提出には次の機会にということで、今回の国会では提出されなかつたようですが、それは人事院勧告に基く年末手当増額の問題ですが、政府のほうで一応閣議決定されました八十八億という数字からいいますと、実際の所要額〇・五カ月分に対しては百九十一億程度必要なはずなのに、それをたつた八十八億しか計上しない。これで〇・五カ月分の年末手当増額を行う、その辻棲が合わない数字については、地方自治体においては行政費節約を行う、行政費節約が不可能な自治体に対しては融資の斡旋を行う、こういう決定をしたそうですね。その閣議決定内容一体どういうものですか。これは新聞に出ておりますから、田中さんの立場からも幾らでも正直にお答えし得る筋合の問題だと思いますが、その点を一つお伺いいたします。
  22. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 千葉さんから非常に突き進んだ御質問がございまして、実は答弁するのに弱るのでありますが、いずれにしましても、政府はこの年末手当には何らかの措置を講じたいと、できるだけの努力を払いたいというつもりでおりますことは御承知通りでございます。なお、その構想等につきましては、或いは今の千葉委員お話では、新聞にも載つたというふうなお話でございますが、政府としては最終的に決定されているとは私もまだ思いません。従いまして、私からどういうふうな考え方をいろいろ持たれたかというような点につきましては御遠慮申上げるよりほかに仕方がないと思いますが、結論といたしましては、何らかの形で年末手当増額したいというつもりで努力をしておられるわけであります。詳細につきましては関係のかたから又一つお聞き下さると結構であります。
  23. 千葉信

    千葉信君 そういたしますと、これは閣議最終決定なつたものではなくて、本問題の大事な点は今後に残されているということになるのですか。
  24. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 私は、私の感じではそのようだと思いますが、これはやはり責任あるかたからお聞き下さるほうがよろしいかと思います。御承知通り閣議でも、一々本当に決定されたもの、或いはお話合いがついたものというふうに、いろいろありますものですから、私の方からの感じで申しますると、今申しましたように最終的に決定されているものとは思つておらないのであります。その点は一つ関係者からお聞き願いたいと思います。
  25. 千葉信

    千葉信君 まだまだお尋ねしたい点があるのですが、先ほど来頂いております答弁の中からは、問題の決定最高責任者のほうでいろいろと考え中でもあろうし、自分としては今政府方針についてどういう方針考えられているかもわからないという御答弁なんですが、私の承知している限りでは、給与改訂、或いは期末手当決定等の問題については、これは総理府設置法等によつても、各省に属せざる事項として、総理府主務官庁としてその衝に当らなければならないことは、これは明白であります。そうして、その際における現在のいろいろの政府のとつているやり方を児ますと、総理府の中で緒方総理が相当いろいろな問題について直接責任を持つておられるようでありますが、従来はそういう点については副総理がおられないために官房長官が主としてやつておられる。ところが今緒方総理がそういう問題等について相当その衝に当つておられるという関係で、官房長官はそれ以外の仕事に専念されておる。そこで、最もその緒方総理を除いては田中長官がこの問題を主宰しておられるという事実があると思うのですが、そういう立場から、田中さんから、あれもよくわからない、これもどうも答弁できるのはこの程度だということになると、一体こつちのほうでは誰を呼んで聞けばよいのかわからないという恰好になるのです。田中さんは今総理府の中でこの給与の問題と期末手当問題等をあなたは分掌しておられるのじやないですか。
  26. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) お説の通りでございます。
  27. 千葉信

    千葉信君 そうすると、現行給与法の中に暫定的だといつて明記されている点を、政府としては当然何らかの措置を急速に講じなければならないはずだし、その仕事をやられるかたが主として田中長官だということになると思うのですが、その副長官から、この問題について一体どうするのだということについても御答弁頂けないということになると、一体その代りに誰を呼んでお聞きしたらいいことになりますか。期末手当の問題も同様です。
  28. 田中不破三

    政府委員田中不破三君) 分掌はいたしておりまするが、御承知通り給与問題等になりますると、これは先ほど来のお話もありました通りに、非常に大きな方針でございまするので、これは私どもの如き所での判定といいまするか、或いは勿論決定ではありませんが、判定といいまするか、そういうことは到定おぼつかないといいまするか、やはりこれは、この給与関係につきましては、閣議というものがございまして、それが決定をいたしまするために、どうも我々としましても、どういうふうな閣議、つまり政府方針であるかどうかというふうな、そういうふうな大きな点につきましては、どうも何ともいたし方がない。なお又それが大きな方針でもはつきりときまつておるものでありますれば、これは、私、承知いたしておる範囲で御披露に及び得るわけでありますけれども、まだそういうふうな決定もなされておらないというふうに見受けられるものにつきまして、私からお話を申上げることは、これは御遠慮したほうがよろしいのじやないか、こういうふうに考えます。
  29. 村尾重雄

    委員長村尾重雄君) ちよつと速記をとめて。    三時四十四分速記中止    ——————————    午後四時十一分速記開始
  30. 村尾重雄

    委員長村尾重雄君) じやどうぞ速記を始めて下さい。  ほかに御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十二分散会