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1953-10-31 第17回国会 衆議院 郵政委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月三十一日(土曜日)     午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 田中織之進君    理事 羽田武嗣郎君 理事 船越  弘君    理事 大高  康君 理事 片島  港君    理事 吉田 賢一君       小林 絹治君    伊東 岩男君       櫻内 義雄君    松浦周太郎君       佐々木更三君    淺沼稻次郎君       石田 博英君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         郵政政務次官  飯塚 定輔君  委員外出席者         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     八藤 東禧君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      白根 玉喜君         郵政事務官         (経理局長)  中村 俊一君         専  門  員 稲田  穣君         専  門  員 山戸 利生君     ————————————— 十月三十日  委員井手以誠君辞任につき、その補欠として八  木一男君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  委員八木一男辞任につき、その補欠として井  手以誠君議長指名委員に選任された。 同日  片島港君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員及び小委員長選任  郵政行政に関する件     —————————————
  2. 田中織之進

    田中委員長 これより郵政委員会を開会いたします。  郵政行政の近況につきまして、当局より説明を聴取いたします。塚田郵政大臣
  3. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 所管の事項につきまして概略御説明を申し上げます。去る五月に開かれました本委員会におきまして、一応業務につきまして御報告申し上げましたので、本日はその後において生じました当面の問題につきまして、御説明申し上げたいと存じます。  まず簡易保険及び郵便年金積立金運用事務を取扱い開始いたしましてから半歳余を経たのでありますが、その夫施状況等を簡単に御報告申し上げたいと存じます。  御承知通り本年度予算の成立が遅れました関係で、地方債承認が時期的に相当ずれて来ましたために、地方財政が逼迫いたして参りましたので、これを緩和するため、当初長期債に予定いたしておりました資金の一部を短期債融資いたしたのでありますが、その融資額は九月末現在で、三十四億円に達しております。またこのほかに過般の西日本、近畿等の風水害及び第十三号台風による災害に対する応急融資といたしまして、十一億二千万出を融資いたしております。一方、長期債につきましては、融資を円滑に行いますために、過般郵政、大蔵、自治庁の三者間で協議をいたしまして、本年度における地方債融通方針を決定し、これに基いて推進いたしておりますが、その融資承認額は十月二十日現在で七十一億円に達しております。以上のように、簡易保険及び郵便年金積立金運用状況は順調な歩みをたどつておりますが、今後とも各位の御指導と御支援によりましてさらに発展向上をはかりたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  次に郵政省職員断続勤務について申し上げます。  当省職員労働条件につきましては、昨年末までは国家公務員法適用せられておりまして、小規模郵便局において交代制勤務に服する職員勤務・時間は、宿直、宿明けの二十四時間勤務が認められておつたのであります。ところが本年一月一日より公共企業体労働関係法適用せられることになり、それに伴つて労働条件につきましては労働基準法によることとなつたのでありますが、労働基準法によりますと、このような勤務制を続けますためには行政官庁許可を受けなければならないこととなつておりますので、目下労働省に対しまして、一定規模以下の郵便局についてその許可を申請中でございます。なお本件に関しましては、休会中当委員会におかれまして御審議をいただきます等、御配慮を煩わしているのでありますが、労働省からの回答を待つとともに、当委員会委員各位の御指導を得まして、適切妥当な措置を講じたいと考えておりますので、これまた何とぞよろしくお願い申し上げます。  次に郵政省職員給与問題について申し上げます。  郵政省職員のうち、公共企業体等労働関係法適用を受ける職員給与是正につきましては、前国会におきまして当委員会の格段の御支援によりまして解決を見ることができたのでありますが、ここにあらためて衷心感謝申し上げる次第であります。  一方、公共企業体等労働関係法適用外職員給与是正につきましては、いまなお未解決なつておりまして、当委員会からいただきました御決議の通り、その解決を遅らせますことは事業運営上に悪影響をもたらすものと考えられますので、その是正措置検討いたしまして、これを急速に取運ぶべく目下関係の向きと折衝中でありますが、いずれは当委員会の御指導、御支援をいただかなければならないことと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  なお郵政省職員のうち、公共企業体等労働関係法適用を受ける職員に対する給与ベースの改訂につきましては、去る十月二十七日に公共企業体等仲裁委員会から、八月以降一万四千二百円ベースに改訂することを内容とする仲裁裁定書が提示せられました。これによりますと、年度内における予算増は約四十億円となるのでありますが、これに公労法適用外職員に対する人事院勧告による分等を合せますと、相当多額の予算を必要とすることとなるのであります。その財源につきましては、一般会計及び関連特別会計からの繰入れは別といたしまして、郵便事業だけでも約十七億円見当となるのでありますが、これは事業自然増収等にまつまかはないのでありまして、相当の困難を伴うことはいなめないところであります。いずれにいたしましても郵政職員給与につきましては、本来、国家公務員並びに他の公社職員との均衡を考慮いたして決定すべき筋合いのものであると考えますので、これらとの関連を十分考慮いたしまして適切なる措置を講じたいと考えております。  以上をもちまして私の報告を終りたいと思いますが、なお詳細の点につきましては御質問によりお答え申し上げたいと存じます。
  4. 田中織之進

    田中委員長 ちよつと皆さんに御了解を求めたいと思いますが、郵政大臣は十一時から本省ちよつと行事が予定されておるので、大体そのころまでに本省に帰らなければならないような事情委員長まで申し出ておられますので、それをお含みの上、大臣にただいまの報告に対して質疑がございますれば、お許ししたいと思います。
  5. 羽田武嗣郎

    羽田委員 それでは簡単に一点だけお伺いいたします。  この夏の当委員会現地調査によりまして、先般小委員会で議決をしまして、委員会承認を得て大臣のお手元まで出しております非適用職員のアンバランスの問題であります。ただいまのお話によりますと、関係方面に御折衝中とのことでございますが、折衝模様等ちよつと承れれば承つておきたいと思います。
  6. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 これは私も何とか早く解決をしたいという考え方で、この前の給与体系是正をしましたあとすぐに、そのようにいろいろ考えておつたのでありまけれども、いろいろ調べてみまと、なかなかめんどうな点がたくさんあるようなのでありまして、ことに同じく非適用職員と申しましても、中には電波職員のように、その性質が現在の適用職員に非常に似通つた仕事をしておる。従つてこの人たちはまた別の組合を組織いたしておるわけでありますが、この人たちと、さらに一般公務員人たち、こういうように内容がわかれておりますので、そこに一つめんどうな点がある。必要の度の強いことからしますならば、全電波職員諸君の問題の方が一層重大だと私は思うのでありますが、一般公務員部分は、何にいたしましても今一般公務員としまして、従つて公務員法適用を受け、従つて給与の問題は人事院の勧告によつてこれを考えるという建前なつておりますと、今の法措置のままでは、行政措置だけで何とかやれるという方法が見当りませんために、まだ具体的な解決は緒についておらぬのであります。しかしいろいろに考えておりまして、考え方としましては、先般新聞などにぼつぼつ伝えられておるので、御承知か思うのでありますが、郵政省だけの予算の総わく内で、その中の適用職員と非適用職員との配分は所管大臣にまかしてもらうというような方法が、一つとれないものだろうかということも考えております。またもう一つ言つてしまえば、結局特殊の高級の職員人たちを除いては、あと全部公労法の非適用からはずしてもらうかということも、もう一つ考えられる。かりにそういうことをいたしますとすれば、郵政省公務員についても、何か別の公務員法というものを考えれば考えられるというような案も、一つあるのであります。ただどちらにしましても具体的な結論は出ておりません。ただ何とか早期に解決をしなければならないということの必要性は痛感いたしておりますので、目下慎重に検討させておる段階でございます。
  7. 羽田武嗣郎

    羽田委員 大臣の先ほどの御説明もある通り、この問題は事業運営上重大な問題だと思いますので、ぜひ急速に実現方向に法的に財政的に御措置をいただくように特にお願いをいたします。
  8. 片島港

    片島委員 ただいまの御質問関連してお伺いしたいのであります。この公労法の非適用職員といいますと二万以上の人数になるわけでありますが、そのうち、私現地をいろいろ調査をいたしまして特に感じましたことは、現業の課長クラス人数が一番多いでありましようが、現場課長、主幹といつた人々でありますが、こういう人たちは、私が行つて実地調査したところによりますと、課長にはなりたくない。なつておる人はやめたいという希望も持つておりますし、局長から、もう君もぼつぼつ課長にならなければならぬのだからというようなことを言いますと、課長をやらせられるとならば、もう少し私も考え仕事の方をなまけなければならぬという、今までと違う方向に行つておるのであります。これを解決するために郵政職員二万幾らを全部一まとめにしてやろうということになると、他官庁との関係で非常に困難が出て来るかと思うのでありますが、この実現を促進するために、やはり現場関係を切り離してやるという方法が一番いいのでにないか、この点について大臣はどういうふうにお考えなつておりますか、特にお尋ねしておきたいと思います。
  9. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 私はどういう方法でもいいと思つております。内部的にもまとまり、それからそれが一般公務員のあり方というものにも、大きな変な形を与えないということであればいいと思つておりますので、あるいは今の御指摘のような案も実現が可能であるかもしれません。なお十分検討いたしたいと思います。
  10. 片島港

    片島委員 時間がありませんので、あと一、二点だけお尋ねしておいて、次の委員会に譲りたいと思います。今度の仲裁裁定一万四千二百円ベースは、今度の補正第一号には計上せられておらぬようでありますが、大臣としてはこれは第二次補正予算において出される考えがあるのかどうか。私たちとしてはもちろんこの予算案そのものに反対でございますし、これに入れてもらいたいという強い要求を持つておりますが、所管大臣としては、第二次の補正予算にはぜひとも入れたいというようにお考えなつておるかどうか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
  11. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 これは仲裁裁定というものの性質からいたしまして、それが出た以上は当然これは尊重すべきであり、これを尊重するということであれば、最も近い機会に予算措置をするということになると思うのでありまして、気持としては二次までに行かずとも、第一次に入れたいという気持は私もまつたく同感なのでありますけれども、ただ何にいたしましても、今ちよつと説明の際に申し上げましたように、今度の場合には給与の問題は、全公社、全国営企業、それから一般公務員みな一緒に問題が提起されておりますので、政治的に見まして別々に扱うということが非常にぐあいが悪いのじやないかという考え方が一つあります。その考え方から行きますと、一般公務員をかりに人事院勧告の線に従つて何がしかしげるということになりますと、これは国の予算措置財政支出の面で相当大きな数字が必要になる。本年度だけでも中央、地方を通じて二百億以上、それを平年度化すれば七百二十億という数字大蔵省側でも説明しておるのであります。その面において今日の財政事情とにらみ合せて、とてもこれは不可能であるという考え方が非常に大蔵省に強いわけであります。しかし一般公務員とかりに切り離して考えますと、少くとも国営企業公社というものだけは同じように公労法適用職員というようになつておりますから、これだけは歩調をそろえるということはぜひとも必要じやないか、こういうように私ども考えておるわけであります。また先般の給与体系是正のときも、私は主として電電の職員郵政職員が同じような仕事でありながら給与が違つておるということが、仕事をやる上に非常に支障になるのであるというように強く主張して、皆さん方の御支援を得て、ある程度不完全ではございましたが実現したようなわけでございます。従つて今度の場合にはどんなにしましても、国営企業公社企業歩調をそろえて行かなければならぬという建前でおりまして、そういうぐあいに考えますときに、先ほど申し上げましたように、一般会計からの援助というものは考えられないということになりますと、国営企業のあるもの、それからまた公共企業体の中にも、今年及び明年を通じて賃上げは料金の引上げをしなければ無理であると考えられるものが幾つかありますので、そこのところで今非常な支障にぶつかつておる。こういう状態で、先般来何べんか関係各省の者が寄りまして協議をいたしておりますが、今のところまだどういうぐあいに処置するとも結論が出ないままに実はなつておるわけであります。この点先般本会議において労働大臣から答弁された通りなのであります。まさにその通りなのですが、しかし私どもといたしましては、それぞれ所管のところに関係従事員を持つておるものとしましては、何とかしてその予算措置検討をして、できる範囲でこれを実現したいものであるという考え方で、今せつかく検討を続けております際で、まだはつきりした見通しを申し上げられませんのがまことに遺憾でありますが、いましばらく御猶予をお願いしたいと考えます。
  12. 片島港

    片島委員 今仲裁裁定が下つておりますのが公社公共企業体等公共企業体等労働関係法適用を受けるもので八つぐらい出ておるかと思うのでありますが、そうすると、お話によりますと、この八つ公社公共企業体あるいは人事院勧告による全国家公務員、ひいては地方公務員、こういうものを全部お考えなつてやるということになれば、これは相当財源もいりますし、特に塚田国務大臣郵政職員電通職員と、それから地方公務員のことまでやはりお考えなつておりますので、非常に財政的に大きな負担を感じておられると思うのでありますけれども公共企業体とか公社というものに切りかえをいたしましたのは、もともとその企業体内において十分に能率を上げて独立採算制を貫徹して、うんと能率を上げたところはそれだけやはり給与もよくする、そういうようなことが含まれておつたものと思うのであります。そういたしますと、人事院勧告から各公社公共企業体、全部一律にやるということでなくして、やはり公共企業体性質などに応じて、一つ一つこれを解決して行くべきものではないかと考えるのでありますが、その点についてもう一度お伺いしておきたい。
  13. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 考え方としては片島委員の御指摘になりました通りであると思いますし、私もまたその通り考えております。その考え方からいたしますれば、公社国企業一つ一つについて考えていい、また考えるべきであるということが、理論的な結論になると思うのでありますが、しかしやはりこういうぐあいに同じような仕事をやつております場合に、少くとも国営企業公社というものは、ことに同じ時期に問題が提起されておりますと、別々にこつちはできるから、こつちはできないからというように扱うことは、これはなかなかできにくいのではないか。しかし御指摘のように一般公務員——国家公務員地方公務員を含めてでありますが、それと企業体従業員との間は、企業体相互の間をばらばらに扱うほどには、そんなに関連性をいつも持たせなくてもいいのじやないかということは考えられますので、どうしても全部公務員企業体従事員一緒に行かないというときには、私は少くとも企業体従事員は独自の予算資金範囲内でまかなえる面があるならば、多少別に扱つてもいいのじやないかという感じを持つておるわけであります。しかしそれは政府としてのまとまつた考え方ではありませんので、私が個人としてそういう感じを持つておるという程度であると御了解を願いたい。ただそういうぐあいにそれではばらばらに扱うということにいたしまして、個々の企業体について資金がある、予算措置ができるかというような検討をいたします場合に、私が非常に心配しておりますのは、俗に資金があると考えられる考え方に、企業というものを健全な観点から運営して、今年も来年もというように見て行くときに、企業健全性というものをくずさないで、なおかつ賃上げにまわし得る部分があるという結論が必ずしも正確には受取られていないで、ただ金がある、上げれば上げられるのだということが漠然と考えられて、どうも資金があるあるといわれておるような部面があるというように、非常に疑われる節があるのでありまして、私の所管電通の場合には、俗に電通は何とかやれるといわれておるようでありますが、私が少くとも今までいろいろな公社当局及び郵政省管理官諸君から説明を聞いた範囲では、私の見たところ、どうも電通だつて必ずしもいわゆる公労法の十六条でしたかにいう、資金があるという判断に到達するのには、まだ相当検討を要する面があるのではないか、こういうふうに考えておるような状態でして、そういろいろな理論的な問題、政治的な問題それから経理面の現実の問題などをあわせて考えますと、なかなか早急に、結論が出にくい状態なつておるわけであります。
  14. 田中織之進

    田中委員長 大臣に対する質疑はほかにもあろうかと思いますが、先ほど御了承を得ましたように、次会に継続いたしたいと思います。     —————————————
  15. 田中織之進

    田中委員長 それから特定郵便局における電信電話委託業務に従事する職員断続勤務問題については、御承知通り閉会中に小委員会を設置して調査を進めたのでありますが、これを継続して調査いたしたいと思いますので、郵政従業員断続勤務問題に関する小委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めまして、さよう決しました。  それから郵政従業員断続勤務問題に関する小委員及び小委員長選任方法、並びに小委員異動追加等に関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めまして、さよう決しました。
  18. 田中織之進

    田中委員長 次にお諮りいたします。理事片島港君が去る二十七日委員辞任されましたので、理事が欠員になつております。その補欠選任委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者ありつ〕
  19. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めまして、片島港君を理事指名いたします。  次会は十一月二日月曜日の午前十時から開会することにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午前十時五十三分散会