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1953-11-27 第17回国会 衆議院 農林委員会農業災害補償制度に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員昭和二十八年十一月七日(土曜日)委 員長指名で次の通り選任された。       足立 篤郎君    平野 三郎君       佐藤洋之助君    吉川 久衛君       足鹿  覺君    中澤 茂一君       安藤  覺君    久保田 豊君 同日  足鹿覺君が委員長指名で小委員長に選任され  た。     ————————————— 会議 昭和二十八年十一月二十七日(金曜日)     午後零時三十分開議  出席小委員    小委員長 足鹿  覺君       足立 篤郎君    綱島 正興君       吉川 久衛君  小委員外出席者         農林事務官         (農林経済局農         業保険課長)  久宗  高君         専  門  員 難波 理平君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君     ————————————— 十一月二十七日  小委員平野三郎君同日小委員辞任につき、その  補欠として綱島正興君が委員長指名で小委員  に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  冷害等による農業共済保険金に関する件  農業災害補償制度改正問題に関する件     —————————————
  2. 足鹿覺

    足鹿委員長 これより会議開きます。  本日の会議でいろいろと御協議を願うことについて御相談を申し上げたいのでありますが、十月二十一日の本小委員会におきまして、大体今後の審議方針をお打合せ願つて、一応次のようにきまつてつたわけであります。すなわち臨時国会中に小委員会開きまして、各党あるいは各委員の御意見とりまとめてもらつて臨時国会の開会中に小委員会案とりまとめたいということで話合いを御決定願つたのでありますが、当時臨時国会は会期も短かし、また冷災害対策のために没頭いたしましたため、皆様方も御多忙で、遂に私の手元にも御意見が御提出願えなかつたわけであります。もつとも一、二の小委員の方からは、まとまつた意見を御提出願つたのでございますが、全体としてはまだ皆さんの御構想を承つておらないのであります。従いまして小委員会案の起草につきましては、そういう事情のために躊躇をいたしておつたわけでありますが、ただこの重大な問題を荏苒日を送つてつたのではどうかと思いまして、私としましては僭越とは存じましたが、今まで十数回にわたる本委員会の大体の空気なり、また速記録等によつて調べました皆様方の御意向を大体集約いたしまして、目下これらの点につきましては一通りとりまとめをいたしておるわけであります。しかし近く第二次臨時国会も開催になることでありますし、委員の御集合も本日は十分でないようでありますのであとで懇談的にいろいろと小委員会案とりまとめ方について御懇談を申し上げたいと思いますので、御了解願いたいのであります。  つきましてはきようは時間も大分経過をいたしましたが、当面の問題ともいうべき本年の異常な災害に伴う災害補償法に基いて支払うべき金額、またその財源措置等について農林省当局から御説明を願い、それを聴取しもかつあわせて最近、栃木県における事件について政府行政命令等を発せられたやに聞いておりますが、まだ正式にこれらの点については何ら承つておりませんので、その栃木事件経過並びに現在の状況、今後の見通しというようなことについて、当局から御報告を聴取いたしまして、大体議事を進めて行きたいと思いますが、いかがでございましよう
  3. 吉川久衛

    吉川(久)委員 今委員長の申されたように、私の方でも、共済制度の根本的な改正に対する検討をした結果に基いてのわが党なりの案をただいまとりまとめ中でございます。本日まで間に合わないのは、異常な凶作等に忙殺をされていた関係等もございますので、できるだけ早い機会皆さんの御参考に供したいと考えております。ただいまの委員長の申された動議につきまして、私はまつたく異議はございませんが、その問題については少くとも経済局長が見えなくては私はやつてもどうかと思います。何か健康を害されてきようはお休みのようでございますから、どうでございます臨時国会に入りましたら、さつそく小委員会を招集していただいて続けてもけつこうでございますが、その機会にひとつつていただくようにおとりはからいを願いたいと思います。
  4. 足鹿覺

    足鹿委員長 今私の申した全体の問題でありますか。
  5. 吉川久衛

    吉川(久)委員 全体の問題です。
  6. 足鹿覺

    足鹿委員長 それでは久宗農業保険課長が見えておりますので、第一の本年度保険金支払い並びに財源措置等について一応御説明を願います。
  7. 久宗高

    久宗説明員 お手元に「昭和二十八年度農業勘定保険金支払財源不足に伴う借入金措置に対する利子補給金算出基礎」という刷りものを差上げてございますので、これに従いまして御説明を申し上げます。  前国会におきまして特別会計関係につきましての不足金予定いたしまして、一般会計から八十五億の繰入れを出していただいたわけでございますが、当時出ておりました資材とその後の見通しが若干かわつて参つておりますのと、それに伴う具体的の融資措置の問題がございますので、対比した表を差上げているわけでございます。下の段に書いてございますのが前回八十五億を入れていただきましたときの基礎数字でございまして、上の段が、最近の見通しによりましたどの程度支払い予想しておるかという数字であります。この表には盛り込んでございませんが、下の段の見通しのときには、政府特別会計におきますいわゆる予想されます赤字が約百八十五億予定されておつたものでございますが、最近の推定によりましてさらに二十七億ほど加わつて二百十三億程度不足金になるのではないのかという予想になつておるわけでございます。その内訳を申し上げますと、水稲、陸稲、麦、蚕繭全部を含めまして、本年度におきます支払い共済金見込みは約三日七十五億と予定されます。これに対しまして支払い保険金はその九割でございますが、三百三十六億見当と予想せられるのであります。この場合政府責任になりますものは、通常被害を越えましたものでございますから、通常被害までの分を計算いたしますと約六十三億ございますので、三百三十六億から六十三億引きました二百七十三億が大体政府の再保険金として支払われる予想となるわけであります。これに対しまして再保險料手持ちが約六十一億ございますので、それを差引きました二百十二億、本年度におきます政府バランスがそれだけ破れる、つまり不足金がそれだけ出るという予想になるわけであります。これに対しまして前国会におきましての経過は御承知の通りでございますが、当時百八十五億政府不足金予想いたしたのでありますが、これはまだ推定段階を出ませんので、そこに若干振れるだろうということで、むしろ下に振れるという見通し最低のものを一応予想して考えたわけでございます。従いましてこの百八十五億から下に二十五億振れるだろうということで、不足金は少くとも百六十億は出るだろうという予想を立てたわけでございます。それに対してさらに政府準備といたしましては、特別会計基金勘定が二十五億ございまして、また昨年度の残が積立金として五億ございますので、さらに三十億引きまして、結局百三十億入れていただけば、一応最低支払いには事欠かぬというわけでお出ししたわけでございますが、国会審議の過程におきましてさらに四十五億それから差引かれまして、結局八十五億を一般会計から受入るということになつたわけでございます。そうしますと、最近のよう見通しに基きますと、逆に上に振れるという予想が非常に強く出ておりますので、それに伴う実際の融資措置その他の裏打ちをしなければなりませんので、計算いたしましたものが、そこに差上げた資料でございまして、支払い財源といたしましては、六十一億の手持ちと二十五億の基金と五億の積立金、それに一般会計から受入れました八十五億、計百七十七億というものがあるわけであります。それに対しまして実際の支払いは二百七十三億になるだろう。そこでこれに九十六億の不足が出る。何らかこれの裏打ちをしなければならぬということになるわけでございます。そこで先般来政府といたしましていろいろ支払い方針を明らかにいたしておりますように、できるだけ早期支払いを完了したいという考え方で、東西にわけまして、東の方につきましては十二月中に正式の支払いをしてしまいたい、西の方つきましては、おそくも旧正月までに支払いをしたいという考え方で一切の事務を進めておるわけでございます。その予想に基いて考えますと、十二月中に支払うべきものが、すでに払つております蚕繭なり、麦なり、水稲を加えますと約二百三十三億と予想されます。百七十七億しか財源がございませんので、ここで五十六億すでに十二月中に足りなくなるということでございます。しかしながら来年度二十九年産麦見込み計画の分がことしの予算に組まれており、それが十億ございますから、それをこれにさらに充当することにいたしまして、四十六億を十二月中に融資によつて手当する必要がある。さらに年が明けましてから四十億程度のものをさらに借りなければならぬという見通しで考えておるわけであります。この財源につきましては、目下財政当局といろいろ折衝中でございますが、一応予定いたしておりますのは、再保険特別会計としての支払いが正式な形でできませんので若干不足になりますが、連合会保険金の仮渡しをやるという形にいたしまして、それに必要な資金農業共済基金から貸し付ける、ただ農業共済基金資金が足りませんので、結局中金資金基金が借りて連合会に貸しつけるという方法で考えておるわけであります。この場合中金資金繰りその他に伴いまして指定預金をする、しないといつたような問題も残つておるわけでありますが、そういう問題を一応前提にいたしまして、若干変則な方向でございますが、こういう方向によつて実際の支払いに事欠かないようにいたしたいと考えておるわけであります。それに伴つてその場合予備費の方から共済基金なり連合会に対する利子補給の問題を考えまして、一応その利子補給の分を予備費の中へ組んでおるわけであります。もちろん年度を越えて利子支払期の来るものは二十九年度予算の中に織り込もうという予定で考えております。さらにそれに伴いまして連合会の方の支払い関係が残るわけでございますが、これは本来基金が貸し付けるべき性質のものでございますが、先ほど申しましたよう基金そのもの資金不足いたしますので、この関係におきまして別に約二十五億ほど基金融資をする必要が出て参ります。この点につきましても財源は、本来ならば流動的な財政資金をわれわれの方としては予定をしておるわけでございますが、中金資金繰りその他を考えまして、中金から基金が借り受けて連合会に貸し付ける、その場合先ほど申しましたよう国庫余裕金をつける、つけないといつたような問題は、全体の資金繰りとの関連で目下財政当局と交渉中でございます。  以上のよう方法によりまして、非常に多額な不足が出て来るわけでありますが、末端共済金支払いには支障を来さないように鋭意努力中でございまして、災害態様から言いましても、従来企図し得なかつた早期支払いをこの際完璧に行いたいということで、諸般準備を進めておるわけであります。  大体資金関係につきましては以上のようなことになつております。
  8. 足鹿覺

    足鹿委員長 質問がありましたら……。
  9. 足立篤郎

    足立委員 ただいまの御説明を伺いますと、農民の声にこたえて早期支払いをいたすべく、農林省当局として財政上きわめて困難の折にもかかわらず諸般準備を進められておることにつきましては、大いに敬意を表する次第であります。ついてはただいまの御説明の中で最近の予想、つまり総額にしてマイナス二百十二億という上の欄に出ておりますこの予想の中で、水稲だけの共済支払金予想額、それから支払い保険金連合会負担分政府責任分政府責任分は二百二十三億五百万になるようでありますが、その数字をひとつお示し願いたい。それと、今まで農林省がこの共済金査定の場合、統計調査事務所数字と照し合せまして査定をなすつてつたのですが、今回の凶作指数といいますか、統計調査事務所で出ておりますものと引比べてこの予想がどういう関係になるかという点について、全国的な数字けつこうですから御説明を煩わしたいと思います。
  10. 久宗高

    久宗説明員 水稲だけの数字を申し上げますと、支払い共済金が約三百億と予定されます。それから支払保険金が二百六十九億、それから先ほどの順で申し上げますと連合会支払い負担になつております分が四十六億でございます。従つて政府の再保険金支払いは二百二十三億程度になろうかと思います。これに対しまして、水稲関係手持ちが約四七九億でございますので、その間の過不足は百七十四億程度になろうと考えております。  それからお尋ねのありました損害評価の問題でございますが、災害態様が非常にはげしい形をとつておりますので、評価には非常な困難が伴うと思いますし、ただいま本委員会でいろいろ取上げておられまする問題の中でも、損害評価そのものが非常な問題の中心になつておるわけでございますので、私どもといたしましても、今年度におきまして、早期支払いということと完全な評価ということをいかに両立させるかについて、非常に苦慮しておつたわけでございますが、末端事情をいろいろ調査してみますと、災害が非常にはげしい形をとつておりますので、もちろん保険金をもらいたいといつた気持は非常に強く農民の方は持つておられると思いますが、同時に村内におきまして、あるいは村間、郡間のバランスと申しますか、こういうことは非常にやかましくなつておるようであります。従いまして、通常でございますと、普通の損害評価をいたしますものを二回、三回と繰返して相当詳細な調査をどの町村においてもやつておられるように見受けられるのでございまして、末端から積み上つて参ります数字相当詳細な検討を経たものが出て参ると思うのであります。そこで本省といたしましては、従来それを中央に事前に打合せに来ていただきまして——普通農家の方はこれをよく査定査定と言つておられますが、そうではなくて、私どもといたしましては、いろいろな客観資料からそれを見まして、県単位検討いたしまして、それが妥当するかどうかということについての見解を示しまして、それを参考にさらに検討していただくようなやり方をとつておるわけでありますが、本年度におきましては、その作業をわざわざ中央にまでお持ち願わないで、従来私ども中央でやつておりましたいろいろな査定と申しますか、評価方式を様式化いたしまして、県におまかせしておるわけでございます。従つて連合会数字がまとまつて参りました際に、県もそれに関与いたしまして、県単位にその数字客観資料に基いてある程度検討していただく。そこで相当検討を経たものを十分な内訳をつけて出していただきまして、いわば一本勝負という形できめたいと考えておるわけでございます。もちろん私どもの示します見解が、ある程度抽象的な形をどうしてもとらざるを得ませんし、また作報資料をそのまま使うわけではありませんが、作報資料相当大きな根拠にいたしまして、それと連合会の方から出ました数字とを組み合わせましていろいろ検討するわけでございますが、これが何も確実な、これでなければならぬというものではないわけであります。従いまして、その間に相当開きが出て来る場合におきましても、個々の具体的なデータをもつて御提示になれば、それを十分検討した上で最終的な決定をいたしたいと考えておるわけでございます。従来やつておりました方式通りではございますが、末端組合にことしから作況調査をお願いしておりますので、そういつた資料を全部組み合せて持つて来ていただきますと、私どもが現在予定しておりますものよりも大きな食い違いは必ずしもないのじやないかというふうに思います。若干の地域につきまして、その後の作況その他で、若干の狂いが出ることはもちろん予想されますが、その問題もある程度織り込んで考えておりますので、大きな狂いは必ずしもないのではないかという予想を立てておるわけであります。
  11. 足立篤郎

    足立委員 私が今伺つたのは、保険課長のお答えになつたこともお聞きしたいのですが、実は保険課長の御説明で、支払い総額水稲三百億と押えられておりますが、この三百億と押えられた数字はどこから来たかということをお尋ねいたしたのでありまして、作報数字とにらみ合せておそらくある方程式で算定をして、これくらいになるだろうということにされたのだろうと思いますが、そのされた方を、どういう算出方法をなさつたかということをまずお伺いしたいと思います。
  12. 久宗高

    久宗説明員 ただいまお示しいたしました推定数字につきましては、作報数字から直接には出ないのでございます。あくまでやはり連合会からの報告をしていただきましたものを基礎にいたしませんと、作報数字をこれに組み入れることができませんので、基本的には団体の方から、大体この程度見込みだというものを出していただきましたものを一応基礎にいたしまして、さらに私どもの課員が各県ごとに今度は詳細に相当おまわりしておりますので、その見ましたものを基礎にいたしましたものを織り込んで、さらに作報あたりで出して参りました作況指数なり被害調査なり、そういつた数字と、結局そういう三者を織りまぜまして見通しを立てたわけでございます。従いまして一律にある方式だけで出したということではないわけでございまして、いろいろな見込も入りまして加工した数字になつております。
  13. 足立篤郎

    足立委員 保険課としては自立性をもたれた御答弁で、御趣旨はまことにけつこうだと思いますが、実際に各県の査定をされる場合に、やはり一定のベースがないと、これはなかなか各県が納得しないと思う。作報数字が絶対正しいのだということは言えないので、作報自体としても何パーセントかの誤差率というものはみずから認めておる。ましてやこれを性格の違うこの共済制度に当てはめて、査定の材料に使つた場合に、この誤差率がさらに著しくなるということは明白だと思うのですが、しかしさりとて下から積み上げて来た各県の評価が妥当かどうかということを検討する場合には、やはり基礎になるものは何といつて作報数字よりほかにないというふうに思う。そこで私は少しつつこんでお伺いしたいのですが、今年の評価は非常にむずかしいと思うのです。たとえば一つの件が同じよう傾向損害を全般的に受けている場合には楽だと思う。作報で出す減収量共済で出す被害反別あるいは金額というようなものは、数字はもとより性質が違つておりますが、傾向が一致すると思うのです。たとえば冷害地でありましても、山形、秋田あるいは新潟というような、ある地区は比較的よくとれている、ある地区は非常に冷害を受けている、あるいは九州のごとく、一部は著しく災害を受けておる、他の地区は部分によつてむしろ増産されているところもあるというようところは、作報数字は、増産数字増産数字で出しまして、減牧減収で差引いて、差引平年作に対して幾らの減収である。それによつて減収率というものが出されております関係上、この共済とは著しく趣を異にして参りまして、数字に照らし合せが非常にむずかしいと思う。東海地方におきましても、静岡、三重、愛知というようなところは比較的楽なんですが、岐阜県あたりへ行くと非常に照らし合せがむずかしくなるのではないかというふうに思いますので、今まで作報数字相当程度基礎にしておやりになつたのでありますが、今年は必ずしもそうは行かない。保険課長も前もつて警戒線を張られてなかなか巧妙な答弁をなすつておられますので、私の申し上げたいことを前もつておつしやつたような形になつておりますが、今私が申し上げた点も、ひとつおくみとり願つて、大蔵省が単に事務的にすべてを作報数字に押しつけて、連合会が下から積み上げて来る数字を、血も涙もなく切り捨てるというようなことは、今回はひとつなさらぬように、実情に応じての評価をお願いいたしたい、かように存じますが、保険課長の御所見を伺つておきたいと思います。
  14. 久宗高

    久宗説明員 ただいま足立委員からの御意見通りども考えておるわけでございまして、特に、十分ではございませんが、各県に郡別基準組合といつたよう制度もあります。また非常に御無理とは思いながら、作況調査個々町村にもお願いしておりますので、そういつた資料も十分生かして検討いたしたいと考えております。
  15. 足鹿覺

    足鹿委員長 ほかに御質疑はありませんか。
  16. 吉川久衛

    吉川(久)委員 今課長が、統計調査事務所資料あるいは個々町村における調査等を勘案してと言いますが、この統計調査事務所調査最後は何日現在でございますか。
  17. 久宗高

    久宗説明員 従来でございますと、十二月の末に出ます推定收高、あれを主として使つてつたわけでございますが、それをそのまま使うという形をとりますと、東日本の方につきまして早期支払いということが非常に困難になりますから、現在利用し得る一番最近のものという形になりますので、基礎としては予想收穫高のものが出て参るわけであります。ただ、同時に実收高基礎になるよう調査も一応進行しておりますので、そういうものも拝見しながら、最終的な判断をいたします場合、どちらに触れるかといつたような問題の判定には加えて参りたいと思うわけであります。ただ統計調査の方といたしましては、おそらくきめられました規定の期日以前に具体的な実收高数字を発表するということはあり得ないことでありますし、そういう形で実收高そのものを使うというわけには行かないのであります。その傾向としましては、私どもとしましても、内部で十分連絡をとりまして、実情に即するよう判断をいたしたいと考えております。
  18. 吉川久衛

    吉川(久)委員 今各県において、県で下から積み上げて来た数字と県の連台会農林省と折衝する段階においての数字大部開きがあるということでたいへん問題になつているのですが、これはただいま課長説明された表に基いてみましても、予算をつくるときの推定は二十五億ほど下に触れる。ところが最近のものによると、むしろ上に触れる。これは全然逆なんで、ことしの作柄から見ると、この前私が本委員会言つた通り刈つて悪く、こいて悪く、ひいて悪いというようなわけで、だんだんその結果が悪く出ております。従つて、いつの期日の現在をとるかということが非常に大きな問題であるということと、それからその最後の、従来通りの十二月二十五日の予想收高ということが今度の特別措置で間に合わないということはわかりますが、それならば、大体上に触れるその歩合でございますね、それのきめ方を誤ると、今地方で問題になるような点が出て来るわけです。ですからそこを、共済組合組合員である農民に納得の行くような取扱いをしていただかないと、いろいろの問題に影響しますので、私は心配しているのですが、その点について特に御配慮を願いたいと思います。
  19. 久宗高

    久宗説明員 そういう御心配が確かにあると思うのでございまして、また団体側からもそれを強く言つて来ているわけでございます。それで私ども、の方から示しております見解とははなはだしく違います場合には、当然具体的なデータについて当らざるを得ないわけでございますので、従来は書面審査でいろいろやつておりましたが、非常に食違う場合には、現地にお伺いいたしまして、台帳その他も拝見した上で具体的な決定をいたしたいと考えているわけであります。
  20. 足鹿覺

    足鹿委員長 ちよつと私からお聞きしますが、栃木事件ですね。あれは公開においてやられても別にさしつかえないのでしようね、新聞にも出ていますからね。
  21. 久宗高

    久宗説明員 さしつかえないと思います。
  22. 足鹿覺

    足鹿委員長 ちよつとお諮りをいたしますが、先ほどきよう委員会の運営について私の率直な考え方を申し上げたのでありますが、吉川委員から、自分の意見も近日中にとりまとまる、臨時国会中に委員会を開いて小委員会案とりまとめに向つたらどうかという御発言もありましたが、大体そういうことで御了解を願つて、もうすぐ第二次臨時国会も開かれるわけでありますから、その際に小委員会案とりまとめ方についてみつちり御研究願うということで、きようはこの問題については一応延期をいたしたいと思いますが、いかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 足鹿覺

    足鹿委員長 それではそういうことに大体御了解を願います。今度は、臨時国会中にはひとつ必ず皆さんに御勉強を願つて、ぜひ問題を一歩前進させたいと思いますから、御協力をお願い申し上げます。
  24. 足立篤郎

    足立委員 ただ、実際に現在共済制度の運用の第一線に当つている連合会長などでございますね、そういう人たちで、非常に熱心に制度のために挺身していらつしやる方々等の御意見等も聞く機会をつくつた方がいいのではないかと思います。公述人の説明を聞きましたけれども、どつちかというと学者のような方が多いし、それから研究している方の公述が多かつたのでありますが、制度の内容について実際の仕事をしている人たちの意見も聞かれたらどうか。これは正式な参考人としてのことでなくても、懇談会等でお聞き願つてもいいと思います。あまり形式張つてしまつて、かえつて同じような御意見ばかり聞いてもしようがありませんから、これはひとつ委員長におとりはからいを願いたい。
  25. 吉川久衛

    吉川(久)委員 それに関連しまして申し上げますが、足立委員の言われることに私はまつたく賛成です。それは懇談会がいいと思うのです。そして連合会長とかいうような人もですが、そのほかにもつと下級といいますか、適当な言葉ではないのですが、もつと実際にやつている職員、職場の人たちも含めてひとつ懇談会でやつていただく、そういうふうにおとりはからいを願います。
  26. 足鹿覺

    足鹿委員長 けつこうでしよう。では御要望の点につきましてはまたよく相談をいたしまして、関係者等とも適当にとりはからつて、次会には御趣旨に沿うように善処いたしたいと思います。  それではこれから栃木事件の輪郭について保険課長から聴取いたしますが、先刻の吉川委員からの御意見もありますので、正式には次会の委員会等で、皆さんが顔のそろつたところで、経済局長の病状もありましようし、直られたら正式に聴取するということにいたしまして、今日は非公式に懇談会の形式をもつて保険課長からその輪郭を聴取する、こういうことで進みたいと思います。  それではこれより懇談会に入ります。      ————◇—————     〔午後一時十一分懇談会に入る〕     〔午後一時三十六分懇談会を終る〕      ————◇—————
  27. 足鹿覺

    足鹿委員長 それでは、これにて懇談を終ることに致します。この問題につきましてはいずれまたあらためて、農林経済局長の出席がありました際に、取り上げることに致します。本日はこれにて散会致します。     午後一時三十七分散会