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1953-11-27 第17回国会 衆議院 農林委員会農業災害補償制度に関する小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本小
委員
は
昭和
二十八年十一月七日(土曜日)委
員長
の
指名
で次の
通り
選任された。
足立
篤郎
君
平野
三郎
君
佐藤洋之助
君
吉川
久衛
君
足鹿
覺君 中澤 茂一君 安藤 覺君 久保田 豊君 同日
足鹿覺
君が
委員長
の
指名
で小
委員長
に選任され た。
—————————————
会議
昭和
二十八年十一月二十七日(金曜日) 午後零時三十分
開議
出席小委員
小
委員長
足鹿
覺君
足立
篤郎
君
綱島
正興君
吉川
久衛
君 小
委員外
の
出席者
農林事務官
(
農林経済局農
業保険課長
)
久宗
高君 専 門 員 難波 理平君 専 門 員 岩隈 博君 専 門 員 藤井 信君
—————————————
十一月二十七日 小
委員平野三郎
君同日小
委員辞任
につき、その 補欠として
綱島正興
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
冷害等
による
農業共済保険金
に関する件 農業
災害
補償
制度
改正問題に関する件
—————————————
足鹿覺
1
○
足鹿委員長
これより
会議
を
開き
ます。 本日の
会議
でいろいろと御協議を願うことについて御相談を申し上げたいのでありますが、十月二十一日の本小
委員会
におきまして、大体今後の
審議方針
をお
打合せ願つて
、一応次の
よう
にきま
つて
お
つた
わけであります。すなわち
臨時国会
中に小
委員会
を
開き
まして、各党あるいは各
委員
の御
意見
を
とりまとめ
てもら
つて
、
臨時国会
の開会中に小
委員会案
を
とりまとめ
たいということで話合いを御
決定願つたの
でありますが、当時
臨時国会
は会期も短かし、また
冷災害対策
のために没頭いたしましたため、
皆様方
も御多忙で、遂に私の
手元
にも御
意見
が御提出願えなか
つた
わけであります。もつとも一、二の小
委員
の方からは、まとま
つた
御
意見
を御
提出願つたの
でございますが、全体としてはまだ
皆さん
の御構想を承
つて
おらないのであります。従いまして小
委員会案
の起草につきましては、そういう
事情
のために躊躇をいたしてお
つた
わけでありますが、ただこの重大な問題を荏苒日を送
つて
お
つたの
ではどうかと思いまして、私としましては僭越とは存じましたが、今まで十数回にわたる本
委員会
の大体の空気なり、また
速記録等
によ
つて
調べました
皆様方
の御意向を大体集約いたしまして、目下これらの点につきましては一
通り
とりまとめ
をいたしておるわけであります。しかし近く第二次
臨時国会
も開催になることでありますし、
委員
の御集合も本日は十分でない
よう
でありますのであとで懇談的にいろいろと小
委員会案
の
とりまとめ方
について御懇談を申し上げたいと思いますので、御了解願いたいのであります。 つきましてはき
よう
は時間も
大分経過
をいたしましたが、当面の問題ともいうべき本年の異常な
災害
に伴う
災害補償法
に基いて支払うべき
金額
、またその
財源措置等
について
農林省当局
から御
説明
を願い、それを聴取しもかつあわせて最近、
栃木
県における
事件
について
政府
も
行政命令等
を発せられたやに聞いておりますが、まだ正式にこれらの点については何ら承
つて
おりませんので、その
栃木事件
の
経過
並びに現在の状況、今後の
見通し
という
よう
なことについて、
当局
から御
報告
を聴取いたしまして、大体議事を進めて行きたいと思いますが、いかがでございまし
よう
。
吉川久衛
2
○
吉川
(久)
委員
今
委員長
の申された
よう
に、私の方でも、
共済制度
の根本的な改正に対する
検討
をした結果に基いてのわが党なりの案をただいま
とりまとめ
中でございます。本日まで間に合わないのは、異常な
凶作等
に忙殺をされていた
関係等
もございますので、できるだけ早い
機会
に
皆さん
の御
参考
に供したいと考えております。ただいまの
委員長
の申された動議につきまして、私はま
つた
く異議はございませんが、その問題については少くとも
経済局長
が見えなくては私はや
つて
もどうかと思います。何か健康を害されてき
よう
はお休みの
よう
でございますから、どうでございます
臨時国会
に入りましたら、さつ
そく小委員会
を招集していただいて続けても
けつ
こうでございますが、その
機会
にひ
とつ
や
つて
いただく
よう
におとりはからいを願いたいと思います。
足鹿覺
3
○
足鹿委員長
今私の申した全体の問題でありますか。
吉川久衛
4
○
吉川
(久)
委員
全体の問題です。
足鹿覺
5
○
足鹿委員長
それでは
久宗農業保険課長
が見えておりますので、第一の本
年度
の
保険金支払い
並びに
財源措置等
について一応御
説明
を願います。
久宗高
6
○
久宗説明員
お
手元
に「
昭和
二十八
年度
農業勘定
再
保険金支払財源不足
に伴う
借入金措置
に対する
利子補給金算出
の
基礎
」という刷りものを差上げてございますので、これに従いまして御
説明
を申し上げます。 前
国会
におきまして
特別会計関係
につきましての
不足金
を
予定
いたしまして、
一般会計
から八十五億の繰入れを出していただいたわけでございますが、当時出ておりました資材とその後の
見通し
が若干かわ
つて参
つて
おりますのと、それに伴う具体的の
融資措置
の問題がございますので、対比した表を差上げているわけでございます。下の段に書いてございますのが前回八十五億を入れていただきましたときの
基礎数字
でございまして、上の段が、最近の
見通し
によりましたどの
程度
の
支払い
を
予想
しておるかという
数字
であります。この表には盛り込んでございませんが、下の段の
見通し
のときには、
政府
の
特別会計
におきますいわゆる
予想
されます赤字が約百八十五億
予定
されてお
つた
ものでございますが、最近の
推定
によりましてさらに二十七億ほど加わ
つて
二百十三億
程度
の
不足金
になるのではないのかという
予想
にな
つて
おるわけでございます。その
内訳
を申し上げますと、
水稲
、陸稲、麦、
蚕繭
全部を含めまして、本
年度
におきます
支払い共済金
の
見込み
は約三日七十五億と
予定
されます。これに対しまして
支払い保険金
はその九割でございますが、三百三十六億見当と
予想
せられるのであります。この場合
政府
の
責任
になりますものは、
通常
の
被害
を越えましたものでございますから、
通常
の
被害
までの分を計算いたしますと約六十三億ございますので、三百三十六億から六十三億引きました二百七十三億が大体
政府
の再
保険金
として支払われる
予想
となるわけであります。これに対しまして再
保險料
の
手持ち
が約六十一億ございますので、それを差引きました二百十二億、本
年度
におきます
政府
の
バランス
がそれだけ破れる、つまり
不足金
がそれだけ出るという
予想
になるわけであります。これに対しまして前
国会
におきましての
経過
は御承知の
通り
でございますが、当時百八十五億
政府
の
不足金
を
予想
いたしたのでありますが、これはまだ
推定
の
段階
を出ませんので、そこに若干振れるだろうということで、
むしろ下
に振れるという
見通し
で
最低
のものを一応
予想
して考えたわけでございます。従いましてこの百八十五億から下に二十五億振れるだろうということで、
不足金
は少くとも百六十億は出るだろうという
予想
を立てたわけでございます。それに対してさらに
政府
の
準備
といたしましては、
特別会計
に
基金勘定
が二十五億ございまして、また昨
年度
の残が
積立金
として五億ございますので、さらに三十億引きまして、結局百三十億入れていただけば、一応
最低
の
支払い
には事欠かぬというわけでお出ししたわけでございますが、
国会
の
審議
の過程におきましてさらに四十五億それから差引かれまして、結局八十五億を
一般会計
から受入るということにな
つた
わけでございます。そうしますと、最近の
よう
な
見通し
に基きますと、逆に上に振れるという
予想
が非常に強く出ておりますので、それに伴う実際の
融資措置
その他の
裏打ち
をしなければなりませんので、計算いたしましたものが、そこに差上げた
資料
でございまして、
支払い財源
といたしましては、六十一億の
手持ち
と二十五億の
基金
と五億の
積立金
、それに
一般会計
から受入れました八十五億、計百七十七億というものがあるわけであります。それに対しまして実際の
支払い
は二百七十三億になるだろう。そこでこれに九十六億の
不足
が出る。何らかこれの
裏打ち
をしなければならぬということになるわけでございます。そこで先般来
政府
といたしましていろいろ
支払い
の
方針
を明らかにいたしております
よう
に、できるだけ
早期
に
支払い
を完了したいという
考え方
で、東西にわけまして、東の方につきましては十二月中に正式の
支払い
をしてしまいたい、西の方つきましては、おそくも旧正月までに
支払い
をしたいという
考え方
で一切の
事務
を進めておるわけでございます。その
予想
に基いて考えますと、十二月中に支払うべきものが、すでに払
つて
おります
蚕繭
なり、麦なり、
水稲
を加えますと約二百三十三億と
予想
されます。百七十七億しか
財源
がございませんので、ここで五十六億すでに十二月中に足りなくなるということでございます。しかしながら来
年度
二十九
年産麦
の
見込み計画
の分がことしの
予算
に組まれており、それが十億ございますから、それをこれにさらに充当することにいたしまして、四十六億を十二月中に
融資
によ
つて
手当する必要がある。さらに年が明けましてから四十億
程度
のものをさらに借りなければならぬという
見通し
で考えておるわけであります。この
財源
につきましては、
目下財政当局
といろいろ折衝中でございますが、一応
予定
いたしておりますのは、再
保険特別会計
としての
支払い
が正式な形でできませんので若干
不足
になりますが、
連合会
が
保険金
の仮渡しをやるという形にいたしまして、それに必要な
資金
を
農業共済基金
から貸し付ける、ただ
農業共済基金
も
資金
が足りませんので、結局
中金
の
資金
を
基金
が借りて
連合会
に貸しつけるという
方法
で考えておるわけであります。この場合
中金
の
資金繰り
その他に伴いまして
指定預金
をする、しないとい
つた
よう
な問題も残
つて
おるわけでありますが、そういう問題を一応前提にいたしまして、若干変則な
方向
でございますが、こういう
方向
によ
つて
実際の
支払い
に事欠かない
よう
にいたしたいと考えておるわけであります。それに
伴つて
その場合
予備費
の方から
共済基金
なり
連合会
に対する
利子補給
の問題を考えまして、一応その
利子補給
の分を
予備費
の中へ組んでおるわけであります。もちろん
年度
を越えて
利子
の
支払期
の来るものは二十九
年度
予算
の中に織り込もうという
予定
で考えております。さらにそれに伴いまして
連合会
の方の
支払い関係
が残るわけでございますが、これは本来
基金
が貸し付けるべき
性質
のものでございますが、先ほど申しました
よう
に
基金そのもの
の
資金
が
不足
いたしますので、この
関係
におきまして別に約二十五億ほど
基金
に
融資
をする必要が出て参ります。この点につきましても
財源
は、本来ならば流動的な
財政資金
をわれわれの方としては
予定
をしておるわけでございますが、
中金
の
資金繰り
その他を考えまして、
中金
から
基金
が借り受けて
連合会
に貸し付ける、その場合先ほど申しました
よう
な
国庫余裕金
をつける、つけないとい
つた
よう
な問題は、全体の
資金繰り
との関連で
目下財政当局
と交渉中でございます。 以上の
よう
な
方法
によりまして、非常に多額な
不足
が出て来るわけでありますが、
末端
の
共済金
の
支払い
には支障を来さない
よう
に鋭意努力中でございまして、
災害
の
態様
から言いましても、従来企図し得なか
つた
早期支払い
をこの際完璧に行いたいということで、
諸般
の
準備
を進めておるわけであります。 大体
資金関係
につきましては以上の
よう
なことにな
つて
おります。
足鹿覺
7
○
足鹿委員長
質問がありましたら……。
足立篤郎
8
○
足立委員
ただいまの御
説明
を伺いますと、
農民
の声にこたえて
早期
に
支払い
をいたすべく、
農林省当局
として
財政
上きわめて困難の折にもかかわらず
諸般
の
準備
を進められておることにつきましては、大いに敬意を表する次第であります。ついてはただいまの御
説明
の中で最近の
予想
、つまり
総額
にしてマイナス二百十二億という上の欄に出ておりますこの
予想
の中で、
水稲
だけの
共済支払金予想額
、それから
支払い保険金
、
連合会
の
負担分
と
政府責任分
、
政府責任分
は二百二十三億五百万になる
よう
でありますが、その
数字
をひ
とつ
お示し願いたい。それと、今まで
農林省
がこの
共済金
の
査定
の場合、
統計調査事務所
の
数字
と照し合せまして
査定
をなす
つて
お
つたの
ですが、今回の
凶作指数
といいますか、
統計調査事務所
で出ておりますものと引比べてこの
予想
がどういう
関係
になるかという点について、全国的な
数字
で
けつ
こうですから御
説明
を煩わしたいと思います。
久宗高
9
○
久宗説明員
水稲
だけの
数字
を申し上げますと、
支払い共済金
が約三百億と
予定
されます。それから
支払保険金
が二百六十九億、それから先ほどの順で申し上げますと
連合会
の
支払い負担
にな
つて
おります分が四十六億でございます。
従つて政府
の再
保険金
の
支払い
は二百二十三億
程度
になろうかと思います。これに対しまして、
水稲関係
の
手持ち
が約四七九億でございますので、その間の過
不足
は百七十四億
程度
になろうと考えております。 それからお尋ねのありました
損害評価
の問題でございますが、
災害
の
態様
が非常にはげしい形をと
つて
おりますので、
評価
には非常な困難が伴うと思いますし、ただいま本
委員会
でいろいろ取上げておられまする問題の中でも、
損害評価そのもの
が非常な問題の中心にな
つて
おるわけでございますので、私
ども
といたしましても、今
年度
におきまして、
早期支払い
ということと完全な
評価
ということをいかに両立させるかについて、非常に苦慮してお
つた
わけでございますが、
末端
の
事情
をいろいろ
調査
してみますと、
災害
が非常にはげしい形をと
つて
おりますので、もちろん
保険金
をもらいたいとい
つた
気持は非常に強く
農民
の方は持
つて
おられると思いますが、同時に村内におきまして、あるいは村間、郡間の
バランス
と申しますか、こういうことは非常にやかましくな
つて
おる
よう
であります。従いまして、
通常
でございますと、普通の
損害評価
をいたしますものを二回、三回と繰返して
相当
詳細な
調査
をどの
町村
においてもや
つて
おられる
よう
に見受けられるのでございまして、
末端
から積み上
つて参
ります
数字
も
相当
詳細な
検討
を経たものが出て参ると思うのであります。そこで本省といたしましては、従来それを
中央
に事前に
打合せ
に来ていただきまして
——普通農家
の方はこれをよく
査定査定
と言
つて
おられますが、そうではなくて、私
ども
といたしましては、いろいろな
客観資料
からそれを見まして、
県単位
に
検討
いたしまして、それが妥当するかどうかということについての
見解
を示しまして、それを
参考
にさらに
検討
していただく
よう
なやり方をと
つて
おるわけでありますが、本
年度
におきましては、その作業をわざわざ
中央
にまでお持ち願わないで、従来私
ども
が
中央
でや
つて
おりましたいろいろな
査定
と申しますか、
評価
の
方式
を様式化いたしまして、県におまかせしておるわけでございます。
従つて連合会
に
数字がま
とま
つて参
りました際に、県もそれに関与いたしまして、
県単位
にその
数字
を
客観資料
に基いてある
程度
検討
していただく。そこで
相当
の
検討
を経たものを十分な
内訳
をつけて出していただきまして、いわば一本勝負という形できめたいと考えておるわけでございます。もちろん私
ども
の示します
見解
が、ある
程度
抽象的な形をどうしてもとらざるを得ませんし、また
作報資料
をそのまま使うわけではありませんが、
作報資料
を
相当
大きな根拠にいたしまして、それと
連合会
の方から出ました
数字
とを組み合わせましていろいろ
検討
するわけでございますが、これが何も確実な、これでなければならぬというものではないわけであります。従いまして、その間に
相当
な
開き
が出て来る場合におきましても、
個々
の具体的な
データ
をも
つて
御提示になれば、それを十分
検討
した上で最終的な
決定
をいたしたいと考えておるわけでございます。従来や
つて
おりました
方式通り
ではございますが、
末端
の
組合
にことしから
作況調査
をお願いしておりますので、そうい
つた
資料
を全部組み合せて持
つて
来ていただきますと、私
ども
が現在
予定
しておりますものよりも大きな食い違いは必ずしもないのじやないかというふうに思います。若干の地域につきまして、その後の
作況
その他で、若干の
狂い
が出ることはもちろん
予想
されますが、その問題もある
程度
織り込んで考えておりますので、大きな
狂い
は必ずしもないのではないかという
予想
を立てておるわけであります。
足立篤郎
10
○
足立委員
私が今
伺つたの
は、
保険課長
のお答えに
なつたこ
ともお聞きしたいのですが、実は
保険課長
の御
説明
で、
支払い総額水稲
三百億と押えられておりますが、この三百億と押えられた
数字
はどこから来たかということをお尋ねいたしたのでありまして、
作報
の
数字
とにらみ合せておそらくある方程式で算定をして、これくらいになるだろうということにされたのだろうと思いますが、そのされた方を、どういう
算出方法
をなさ
つた
かということをまずお伺いしたいと思います。
久宗高
11
○
久宗説明員
ただいまお示しいたしました
推定数字
につきましては、
作報数字
から直接には出ないのでございます。あくまでやはり
連合会
からの
報告
をしていただきましたものを
基礎
にいたしませんと、
作報数字
をこれに組み入れることができませんので、基本的には
団体
の方から、大体この
程度
の
見込み
だというものを出していただきましたものを一応
基礎
にいたしまして、さらに私
ども
の課員が各
県ごと
に今度は詳細に
相当
おまわりしておりますので、その見ましたものを
基礎
にいたしましたものを織り込んで、さらに
作報あたり
で出して参りました
作況指数
なり
被害
調査
なり、そうい
つた
数字
と、結局そういう三者を織りまぜまして
見通し
を立てたわけでございます。従いまして一律にある
方式
だけで出したということではないわけでございまして、いろいろな見込も入りまして加工した
数字
にな
つて
おります。
足立篤郎
12
○
足立委員
保険課
としては
自立性
をもたれた御
答弁
で、御趣旨はまことに
けつ
こうだと思いますが、実際に各県の
査定
をされる場合に、やはり一定のベースがないと、これはなかなか各県が納得しないと思う。
作報
の
数字
が絶対正しいのだということは言えないので、
作報自体
としても何パーセントかの
誤差率
というものはみずから認めておる。ましてやこれを性格の違うこの
共済制度
に当てはめて、
査定
の材料に
使つた
場合に、この
誤差率
がさらに著しくなるということは明白だと思うのですが、しかしさりとて下から積み上げて来た各県の
評価
が妥当かどうかということを
検討
する場合には、やはり
基礎
になるものは何とい
つて
も
作報
の
数字
よりほかにないというふうに思う。そこで私は少しつつこんでお伺いしたいのですが、今年の
評価
は非常にむずかしいと思うのです。たとえば一つの件が同じ
よう
な
傾向
の
損害
を全般的に受けている場合には楽だと思う。
作報
で出す
減収量
と
共済
で出す
被害反別
あるいは
金額
という
よう
なものは、
数字
はもとより
性質
が違
つて
おりますが、
傾向
が一致すると思うのです。たとえば
冷害地
でありましても、山形、秋田あるいは新潟という
よう
な、ある
地区
は比較的よくとれている、ある
地区
は非常に
冷害
を受けている、あるいは九州のごとく、一部は著しく
災害
を受けておる、他の
地区
は部分によ
つて
は
むしろ
増産されているところもあるという
よう
ところは、
作報
の
数字
は、
増産数字
は
増産数字
で出しまして、
減牧
は
減収
で差引いて、差引平年作に対して幾らの
減収
である。それによ
つて減収率
というものが出されております
関係
上、この
共済
とは著しく趣を異にして参りまして、
数字
に照らし合せが非常にむずかしいと思う。
東海地方
におきましても、静岡、三重、愛知という
よう
なところは比較的楽なんですが、岐阜県
あたり
へ行くと非常に照らし合せがむずかしくなるのではないかというふうに思いますので、今まで
作報
の
数字
を
相当程度基礎
にしておやりにな
つたの
でありますが、今年は必ずしもそうは行かない。
保険課長
も前も
つて
警戒線
を張られてなかなか巧妙な
答弁
をなす
つて
おられますので、私の申し上げたいことを前も
つて
おつしや
つた
よう
な形にな
つて
おりますが、今私が申し上げた点も、ひ
とつ
おくみとり
願つて
、大蔵省が単に
事務
的にすべてを
作報
の
数字
に押しつけて、
連合会
が下から積み上げて来る
数字
を、血も涙もなく切り捨てるという
よう
なことは、今回はひ
とつ
なさらぬ
よう
に、
実情
に応じての
評価
をお願いいたしたい、か
よう
に存じますが、
保険課長
の御所見を伺
つて
おきたいと思います。
久宗高
13
○
久宗説明員
ただいま
足立委員
からの御
意見
の
通り
私
ども
考えておるわけでございまして、特に、十分ではございませんが、各県に
郡別
に
基準組合
とい
つた
よう
な
制度
もあります。また非常に御無理とは思いながら、
作況調査
を
個々
の
町村
にもお願いしておりますので、そうい
つた
資料
も十分生かして
検討
いたしたいと考えております。
足鹿覺
14
○
足鹿委員長
ほかに御質疑はありませんか。
吉川久衛
15
○
吉川
(久)
委員
今
課長
が、
統計調査事務所
の
資料
あるいは
個々
の
町村
における
調査等
を勘案してと言いますが、この
統計調査事務所
の
調査
の
最後
は何日現在でございますか。
久宗高
16
○
久宗説明員
従来でございますと、十二月の末に出ます
推定
実
收高
、あれを主として
使つて
お
つた
わけでございますが、それをそのまま使うという形をとりますと、東日本の方につきまして
早期支払い
ということが非常に困難になりますから、現在利用し得る一番最近のものという形になりますので、
基礎
としては
予想
收穫高のものが出て参るわけであります。ただ、同時に実
收高
の
基礎
になる
よう
な
調査
も一応進行しておりますので、そういうものも拝見しながら、最終的な
判断
をいたします場合、どちらに触れるかとい
つた
よう
な問題の判定には加えて参りたいと思うわけであります。ただ
統計調査
の方といたしましては、おそらくきめられました規定の
期日
以前に具体的な実
收高
の
数字
を発表するということはあり得ないことでありますし、そういう形で実
收高そのもの
を使うというわけには行かないのであります。その
傾向
としましては、私
ども
としましても、内部で
十分連絡
をとりまして、
実情
に即する
よう
な
判断
をいたしたいと考えております。
吉川久衛
17
○
吉川
(久)
委員
今各県において、県で下から積み上げて来た
数字
と県の
連台会
が
農林省
と折衝する
段階
においての
数字
が
大部開き
があるということでたいへん問題にな
つて
いるのですが、これはただいま
課長
の
説明
された表に基いてみましても、
予算
をつくるときの
推定
は二十五億ほど下に触れる。ところが最近のものによると、
むしろ
上に触れる。これは全然逆なんで、ことしの作柄から見ると、この前私が本
委員会
で
言つた通り
、
刈つて
悪く、こいて悪く、ひいて悪いという
よう
なわけで、だんだんその結果が悪く出ております。
従つて
、いつの
期日
の現在をとるかということが非常に大きな問題であるということと、それからその
最後
の、従来
通り
の十二月二十五日の
予想
実
收高
ということが今度の
特別措置
で間に合わないということはわかりますが、それならば、大体上に触れるその歩合でございますね、それのきめ方を誤ると、今
地方
で問題になる
よう
な点が出て来るわけです。ですからそこを、
共済組合
の
組合員
である
農民
に納得の行く
よう
な取扱いをしていただかないと、いろいろの問題に影響しますので、私は心配しているのですが、その点について特に御配慮を願いたいと思います。
久宗高
18
○
久宗説明員
そういう御心配が確かにあると思うのでございまして、また
団体側
からもそれを強く言
つて
来ているわけでございます。それで私
ども
、の方から示しております
見解
とははなはだしく違います場合には、当然具体的な
データ
について当らざるを得ないわけでございますので、従来は
書面審査
でいろいろや
つて
おりましたが、非常に食違う場合には、現地にお伺いいたしまして、台帳その他も拝見した上で具体的な
決定
をいたしたいと考えているわけであります。
足鹿覺
19
○
足鹿委員長
ちよ
つと私からお聞きしますが、
栃木事件
ですね。あれは公開においてやられても別にさしつかえないのでし
よう
ね、新聞にも出ていますからね。
久宗高
20
○
久宗説明員
さしつかえないと思います。
足鹿覺
21
○
足鹿委員長
ちよ
つとお諮りをいたしますが、先ほどき
よう
の
委員会
の運営について私の率直な
考え方
を申し上げたのでありますが、
吉川
委員
から、自分の
意見
も近日中にとりまとまる、
臨時国会
中に
委員会
を開いて小
委員会案
の
とりまとめ
に向
つた
らどうかという御発言もありましたが、大体そういうことで御了解を
願つて
、もうすぐ第二次
臨時国会
も開かれるわけでありますから、その際に小
委員会案
の
とりまとめ方
についてみつちり御研究願うということで、き
よう
はこの問題については一応延期をいたしたいと思いますが、いかがでし
よう
か。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
足鹿覺
22
○
足鹿委員長
それではそういうことに大体御了解を願います。今度は、
臨時国会
中にはひ
とつ
必ず
皆さん
に御勉強を
願つて
、ぜひ問題を一歩前進させたいと思いますから、御協力をお願い申し上げます。
足立篤郎
23
○
足立委員
ただ、実際に現在
共済制度
の運用の第一線に当
つて
いる
連合会
長などでございますね、そういう人たちで、非常に熱心に
制度
のために挺身していらつしやる方々等の御
意見
等も聞く
機会
をつく
つた
方がいいのではないかと思います。公述人の
説明
を聞きましたけれ
ども
、どつちかというと学者の
よう
な方が多いし、それから研究している方の公述が多か
つたの
でありますが、
制度
の内容について実際の仕事をしている人たちの
意見
も聞かれたらどうか。これは正式な
参考
人としてのことでなくても、懇談会等でお聞き
願つて
もいいと思います。あまり形式張
つて
しま
つて
、かえ
つて
同じ
よう
な御
意見
ばかり聞いてもし
よう
がありませんから、これはひ
とつ
委員長
におとりはからいを願いたい。
吉川久衛
24
○
吉川
(久)
委員
それに関連しまして申し上げますが、
足立委員
の言われることに私はま
つた
く賛成です。それは懇談会がいいと思うのです。そして
連合会
長とかいう
よう
な人もですが、そのほかにもつと下級といいますか、適当な言葉ではないのですが、もつと実際にや
つて
いる職員、職場の人たちも含めてひ
とつ
懇談会でや
つて
いただく、そういうふうにおとりはからいを願います。
足鹿覺
25
○
足鹿委員長
けつ
こうでし
よう
。では御要望の点につきましてはまたよく相談をいたしまして、
関係
者等とも適当にとりはから
つて
、次会には御趣旨に沿う
よう
に善処いたしたいと思います。 それではこれから
栃木事件
の輪郭について
保険課長
から聴取いたしますが、先刻の
吉川
委員
からの御
意見
もありますので、正式には次会の
委員会
等で、
皆さん
が顔のそろ
つた
ところで、
経済局長
の病状もありまし
よう
し、直られたら正式に聴取するということにいたしまして、今日は非公式に懇談会の形式をも
つて
、
保険課長
からその輪郭を聴取する、こういうことで進みたいと思います。 それではこれより懇談会に入ります。 ————◇————— 〔午後一時十一分懇談会に入る〕 〔午後一時三十六分懇談会を終る〕 ————◇—————
足鹿覺
26
○
足鹿委員長
それでは、これにて懇談を終ることに致します。この問題につきましてはいずれまたあらためて、農林
経済局長
の出席がありました際に、取り上げることに致します。本日はこれにて散会致します。 午後一時三十七分散会