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齋藤委員 なお私の調べましたところによりますと、
亜炭の中でも無機質
亜炭がいい。そこで
亜炭はどうもうまく
燃料に還元できないというので、特に無機質
亜炭の
調査を先決問題としてや
つていただきたい。これは
地質調査所と御連絡をとられまして、急速に
亜炭の
燃料化ということを計画していただきたい。
もう
一つこの際つけ加えて申し上げておきたいことは、これは
地質調査所にも
関係がありますし、通産省あるいは郵政省
関係いろいろあると思いますけれども、
日本の無機質
亜炭の中に〇・〇二ないし〇・〇三くらいのゲルマニウムが入
つておるということが——このゲルマニウム金属というものは、私から申し上げるまでもなく、九九・九九……と九が九つないし十つけばグラム七千円といわれておる。一匁二万八千円、なぜこれは一匁二万八千円もするかというと、このゲルマニウム工業というものが確立されたために、一切の電波界、通信界というものに革命が起きているわけなんです。アメリカは、昨年の調べによりますとアメリカの総力を結集しておる。十トンほしいというのでや
つたけれども、とうとう一トンしかとれなか
つた。それで
日本の
亜炭の中にはこのゲルマニウムを
相当含んでおるということが目標とな
つて、いろいろ
研究も進められておるようでありますけれども、私の
調査いたしたところによりますと、どこの
亜炭にゲルマニウムをどれだけ含んでおるかということについては、まだちつとも見当がついておらぬようであります。これは
地質調査所の方の重点的な問題になるのでありましようが、こういう点に対しましても、ひ
とつ思い切
つた調査をや
つていただかなければなりません。そこで私の聞いたところによりますと、九九・九九のところまでは今
日本でゲルマニウムがとれる。九九・九九で一グラム六百円する。もつと技術が進んで九九・九九と九が十もつくと、グラム七千円もするというような貴重な国家
資源であ
つて、これが今世界的に大きな需要の面にさらされておるというときに、
亜炭がどれだけ
日本にあるかという
埋蔵量もはつきりしないというようなことは、われわれ国民として
ちよつと承服できないところなんであります。ですからその点につきましても、徹底的な
調査と、それからそういうふうな貴重な軽金属が含まれておるかどうかということの分析と、もしそういうものが発見されたならば、これをどうや
つて摘出をするかということの
研究をしていただきたい。こういうことを総合的にや
つていただきたいということをお願いしたい。
それからもう
一つそれに関連してお願いいたしたいことは、
木炭をつくるときの煙を、あのまま空気中に逸散してしまうかということです。か
つて戦時中に松根油の製造をやりました。そのときには松根油はとれないで、その副産物の木醋液というものが多量にとれた。これは一時農作物に被害があるから流してはいけない、穴を掘
つて埋めろというので、われわれは穴を掘
つてあの木醋液を全部埋めたのであります。しかしながらその後の
研究によりますと、木醋液というものはPH試験をやりましても中性だ。これを糞尿に入れますと、尿がただちに分解をいたしまして、臭気がなくなる。寄生虫卵も死ぬ、大腸菌もチフス菌も死ぬ。ただこの中に棲息するものは硝化バクテリヤであるという非常に大きな貴重性が現われたのであります。きようは私のお願いいたしました農林省の
畜産局の衛生課長もお見えにな
つておるかと思いますが、家畜の糞尿にしろ、人間の糞尿にしろ、
日本の現実の
状態において、これを処理して衛生的に使用するということになりますと、非常に多くの処理費を使うか、ないしはこれを分解して人畜に害を及ぼさざる
程度にまで処理する方法というものを案出しなければならぬ。今日のごとく農村においてDDTをまけとか、BHCをまけということにな
つたら、農村は搾取の対象になる。そうでなく、あの炭をつくるときに出る煙を簡単に自然冷却をすることによ
つて——私が秋田県の林政課の技師とともに実験をいたしましたのでは、冬山では大体四貫目俵の白炭をつくるときに、あの煙の冷却によ
つて一斗から二斗出る。大体ボーメ二度であります。その木醋液を使用いたしまして糞尿の分解及びこれを肥料に用いて行くということになりますと、ここに参考書がございますが、これは寄生虫の卵も死ぬし、大腸菌、チフス菌も死ぬし、臭気もなくなるし、それから木醋液を家庭に
まきますと、のみ、しらみも出ないし、豚舎であろうが、牛舎であろうか、馬小屋であろうが、ことににわとりを飼
つておりますときには、羽虫なども全部これで死ぬ。ですから四貫目俵で今概算大体一億三千万俵くらい炭が出ておるそうであります。これは一俵から一斗の計算でいたしますると、大体一千三百万石、一升三十円に換算しますと、三百九十万円というものが炭焼きの副産物として出て来る。木醋液を分析しますとアセトン、メチールアルコール、それから酪酸、クレゾール、その他十数種類が含有されておる。これを工場でも
つてあの
程度につくれとい
つたら、一升何千円かけてもあの自然現象によるところの混合率は出て来ない。そこでひ
とつお願いいたしたいのですが、私は秋田県だけは農事試験場及び衛生試験所その他においてこの木醋液の実験は全部完了しておるのでございますが、この木醋液というものをひ
とつ農林省のどこかで
研究実験をしていただくわけに参らぬのかと思うのであります。これは畜
産課長にお願いするのがいいか、衛生課長にお願いするのがいいか、どこにお願いしていいか、私にはよくわかりませんが、こういう点に対しましてお考えをひ
とつ伺いたいと思います。ゲルマニウムとかそういうものはおわかりにならぬということでありましたら、それでよろしいのですが、
林野庁の
田中課長は炭をつくるときにそういう煙を空気中に逸散させないで、それを有効に
活用するというようなことに対して、
林野庁として何か御
措置がないかどうか、この点をお伺いいたします。