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塚田国務大臣 行政
整理に関しましての大体の
基本の
考え方は、先日本
委員会においてちよつと申し上げたのであるいは重複する部分があるかもしれないと思うのでありますが、大体のものの
考え方は、やはり今の日本の
行政機構は中央及び地方を通じて、もちろん公共企業体も含めての意味でありますが、必ずしもそれらの仕事をや
つて行くに最小限度の必要数でも
つてしかも最高の能率があげられて運営されておるとは
考えられない。相当数人間も
整理し、機構も
もつと簡素にしても能率をあげて、
国民のための便益をもちろん今までよりも減らすことなく一層果して行くことができるはずであるという
基本の
考え方に立
つておるわけであります。そこでどういう面から検討すべきかということを
考えておるわけでありますが、まず第一には、今国もしくは地方公共団体がや
つておる仕事で、はたして国または地方公共団体の手で今後もや
つて行かなければならない仕事はかりが行われておるかどうかということを
考えておるわけであります。これは
事務整理と申しております。その
考え方の中にただいま
高瀬委員が御指摘になりましたように、今の日本のや
つておる仕事の中には、占領政治の治下においていろいろと新しくアメリカ的なものの
考え方で必要とされて起
つて来たものが相当あるものでありますから、そういうものも一緒に
考えておるわけです。そういうような
考え方も含めて、今申し上げますように
事務の
整理をする。それからそれに関連しまして今の機構そのものがはたして適当であるかどうかということをもう一つ
考えておるわけです。どうも今の機構、ことに部、課、係、それぞれ今の給与法の建前で行きまして課長であり、係長であることが給与に特別な
扱いが得られるようなかつこうにな
つておるためにどうしても不当にそういうものがふえる傾向が非常にある。そこで部をきめ、課をきめ、係をきめますと、どうしても人間がそこに固定するわけであります。そうしてその部の仕事はこういう仕事、その課の仕事はこういう仕事というように職制上きめてしまいますと、人間が固定して、最高能率が、固定されておるために発揮されなくなる。そこで部課というものはできるだけ
整理をし、少くしてしま
つて人間を自由に動けるようにしておきますと、仕事の必要、それから繁閑度に応じて能率的に運用ができる、そういうことを
考えられますので、部課の検討は、なるべく簡素にして、部課の数を少くするということを頭に置きながら検討てしおるわけであります。その場合同じような仕事を縦にもしくは横に重な
つてや
つておるようなものがあれば、もちろんそれはどこかにまとめてしまう、そういう構想をや
つております。そういうようにして
事務を
整理し、機構を簡素にして、その面から余剰な人間がありはしないかということを検討する。
それからもう一つ、実はこれは先日申し上げなか
つたかと思うのでありますが、
官庁事務は年々同じ仕事を大体や
つておるのでありますから、仕事が始ま
つたときにおきましては、なるほどある程度の機構というものが必要になり、ある程度の人間が必要であ
つた。しかしそれが例年の仕事として繰返して行われるようになると、当初必要とされた人間が必ずしも長く必要であるということにはならないと思う。ところが今までの人員の採用の仕方でありますとか、あるいは部課のきめ方などを見ておりますと、新しく起きたときにつく
つた機構、定員というものを長くそのままにほ
つておくという傾向が非常に強くな
つておる。そうして年々同じ仕事をや
つているという意味において、だんだんその仕事にもなれて来られて能率も上るし、また上げるべきであるから、そういうものは相当数今の
事務整理や機構の簡素化とは別に、能率を上げて行くという意味においてある程度の減員というものが
考えられるのじやないかということも
考えておるわけです。そういうように多方面から
考えてみまして、むだなものをこの際切
つて行く、そういうのが今の構想の大体の筋であります。
なおこまかいことを若干申し上げますならば、今度の改革において
考えておりますのは、中央と地方、その中央と地方も、国の中央の機関と地方の出先機関、それから国の機構と自治団体の機構、そういうものにおいて縦に重複しているものがあればこれを除く、それから国の各省相互間あるいは各部相互間において、横に共管でも
つてじやまにな
つておるものがあれはそれを除く、それから地方の出先機関のうちでは、単に中央と地方との間の連絡、取次の機関にしかな
つておらないものは
原則としていらないのじやないか、もし残して置くとすれば、国の権限を相当数地方に委譲して、出先機関が相当程度独断専行でも
つて処決できるような機構にして、それたけ国の中央の方を減らして行く、こういうように
考える。
最後にどうしても残りますものは、一つの省の出先機関はなるべく一本にまとめて、幾つにも別れてお
つて、少くも庶務、会計、そういう系統の
事務が重複して行われておる面のむだを省く、そういうようなことをいろいろ
考えておるわけであります。
大体それだけ申し上げたら
基本の構想は尽きておるかと思うわけでありますが、なおまた御不審の点があ
つてお尋ねがあれば、重ねて
お答え申し上げることにいたします。