○
石山委員 私
田中さんの言われることを全然理解しないわけじやない。よくわかるわけだが、言葉だけで理解し合
つても、
生活というものはそんなにゆたかにならぬ思う。われわれの望んでいるのは、言葉の美しさじやない。文字に書かれた文化というものじやない。私はもつと切実なものが、今の日本の
現状にあるし、
公務員の方々にもあるのじやないかと思う。その
公務員には、今回の
補正予算でも何も現われない。そして第二次
補正予算の件になりますと、これも
財源がない、
財源がないというふうに言われてしまう。そうなると、口では非常に理解されたということと、現実とはあまりに離れ過ぎているのじやないか。こういうところに、私たちは
公務員の方々に対する
政府の理解というものは、言葉だけだと思う。もう少し実質を示す余地があるのじやないかと思う。それが全然
政府にないとは私も申し上げません。この
臨時国会の開かれる前に、小笠原蔵相が当
委員会に来たときの話などにも、たとえば〇・五ぐらいは年末に
期末手当を出さなければ、とてもおさまりがつかぬだろうというので、あの当時は、大体八十何億か見積
つておられた。それが今度の
臨時国会では、突如として形をかえたのかどうか知らぬけれ
ども現われて来ない。私は災害もまことに緊急だろうと思う。しかし
公務員に対する前々からの
人事院の
勧告を見ても、これは緊急ではないというふうに言い切れないものがあると思う。
勧告後
相当日数もた
つているのでありますから、日数がたち次第、それが積み重なり次第、おとなしい者も、それから穏やかな者も、強くもなるし、いこじにもかわ
つて行く傾向があると思う。せつかく官公庁の方々が、一生懸命にな
つて勤めようとする気持をもし真実に理解するならば、
政府は今回の
予算にその理解しているという面を表わす必要があつたのではないか。たとえば今回の蔵相の
説明を聞いても、まことに味もそつけもない
予算の
説明をしておるこういうふうなことを見ますと、あなたがいくら口で理解されたといいましても、示された現実の
予算を見ましても蔵相の演説を聞きましてもわれわれさえも納得できない。ましてじかにその身にかかる
公務員の方々は、吉田内閣というよりも、全般の政治に対しての不信の念を抱くものではないか。官吏の方々に政治に対して不信の念を持たれたら、日本のほんとうの行政はそれじやどこを
中心にして動いて行くかというふうに私は言わざるを得ないのではないかと思う。そういう点ではあなたの言われるその理解というものを、現実に強く表わすように
政府は努力する必要が最も近くに来ているのじやないか。これ以上延ばしたら、先ほどだれかから不測の何かがあるというような言葉があつたかと思うが、そういうふうな言葉を使わなくても、だんだんうまくない傾向に追い込まれて来るのはあたりまえだと思う。こういう点をよく理解されて、特に
内閣官房は
公務員の
人事の全般を見ているところなので、私はそういう点を強く要求したい。もう言葉ではない。飾つた文字の文化でもない。現実に現われたものを
公務員諸君は切実に要求しているということをよく理解していただきたいと思います。
それから
人事院の方にお伺いしたいのですが、先ほど
入江人事官から、例の
地域手当の問題につきまして、
政府との
予算の折衝も云々というような言葉もございましたが、
人事院のあり方としましては、私はそういう点に非常に懸念を持つ。たとえば
待命制度の場合にも、
人事院はほんとうにその必要を感じてそういうような
方法をとるならばともあれ、そうでない。そうでないとするならば、
人事院がみずから
人事院の権威というものをくずしておるのではないか、捨てようとしておるのではないかというふうな懸念が起るわけなんでございます。その点はいかがでございますか。