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1953-06-19 第16回国会 参議院 郵政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年六月十九日(金曜日)    午前十時四十六分開会   —————————————   委員の異動 五月二十九日委員石坂豊一君辞任につ き、その補欠として深水六郎君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長    池田宇右衞門君    理事            中川 幸平君            柏木 庫治君    委員            村上 義一君            永岡 光治君            三木 治朗君            最上 英子君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君   政府委員    郵政政務次官  飯塚 定輔君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○郵政事業運営実情に関する調査の  件  (郵政職員給与体系是正に関する  調停案に関する件)   —————————————
  2. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 只今から郵政委員会を開きます。  本日は郵政職員給与体系是正に関する調停案その他について御質問をお願いします。なおあらかじめお願い申上げておきますが、郵政大臣衆議院郵政委員会並び衆議院決算委員会出席を求められております。従つて大臣に対する質問から先にお願いいたしたいと思います。
  3. 永岡光治

    永岡光治君 大臣にお伺いしたいのですが、この前の五月の二十九日の郵政委員会と記憶いたしておりますが、郵政職員給与体系是正についての調停案が出たので、この調停案内容を検討しましても、これは無理のない妥当な調停案だと私たち考えて、是非ともこれを実現して欲しいという強い要望を申入れて、大臣も実現に努力することを約束されたのでありますが、その後いろいろな話を聞いておりますが、まだ大臣から正式にこうこうという話も聞いておりません。今日は、今日までの経緯を一応お聞きしたいと思います。
  4. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 前回の委員会でお答え申上げましたような考え方で、私としましても、二十八年度の予算の中に是非あれが予算化されるよりに極力努力いたしましたが、郵政大臣としての私の考え方と、国務大臣としての大蔵大臣財政全般を見ておられる考え方と、どうしてもまだ意見一致というところまで行かないで、従つてこの問題につきましては、私も国務大臣の一人として一応最後的には政府考え方国務大臣としての大蔵大臣考え方に同調いたしまして、あのような予算措置をしたので、従つて予算措置は二十八年度のこの間出したものにはしないということに一応いたしたわけであります。併しこの問題はいろいろ検討いたしまして、まだ自分としては自分努力が足りないで、もう少しよく説明をする時間的な余裕と努力を重ねたならば、了解がつくのじやないか、こういうように考えておりますので、引続いて党関係閣僚関係折衝をやつておるわけであります。
  5. 永岡光治

    永岡光治君 大臣の御努力に対しては非常に感謝しておるわけですが、実はこの調停案の取扱いになるわけですが、御承知通りにこれは調停してから二カ月ですか、一応結論が出なければ仲裁委員会にかけなければならんということになつておりますが、承われば何でも両者の交渉によつて、ひと先ずこれは仲裁にかけるということを見合せて、なお努力をしたい。こういう話合いができたやに承わつております。してみると、大臣只今の御答弁の中にもあつたようですが、何とか努力したいという気持を未だにお持ちになつておるように思うのでありますが、そうすると、この調停案は拒否するという気持は今のところないというように解釈してよろしゆうございますか。
  6. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) おつしやる通り、これを今日このままで拒否するというような考えは持つておらんのでありまして、本来の考え方からすれば、私としましては、調停案というものは成るべくよく検討してみて、納得が行く範囲では呑むのがいいのだ。調停案というものに対する一般的な扱い方としてもそのほうがよいのだ、こういうふうに考えておりますので、従つて調停案が出た以上は、あの線で何とか話がつくのじやないか。又つけたいという希望があり、従つて仲裁までの期間を延ばしてもらつております。従つてそういう考え方からしましても、調停案を少くとも今日の私の考え方ではすぐに拒否するというような考え方まではまだ行つておらん、なお努力をする、とこういうのであります。
  7. 永岡光治

    永岡光治君 そうしますと、こういうように解釈してよろしゆうございまか。実はそういうことはないと思うのですが、人を悪く考えると、いわゆる仲裁にはかけないのだということで引延し引延し行つてしまつて、いよいよのつぴきならん段階にまで行つて、実は予算も通過してしまつた、もうどうしようもないのだからこれは困るということで、仲裁委員会にかけたけれども、仲裁委員会結論が出たときにはすでに予算国会で成立してしまつた、どうしようもないということで次の国会まで待たなければならん、こういうようなことも一応悪く考えれば出て来ないとも限らないのですが、そういうことはゆめゆめないと私ども考えておりますが、それは念を押す意味でお聞きするわけですが、とにかく大臣この前の二十九日のお話の中にあつたようですが、無理でないと思うので是非とも実現したいということで行つておられると聞いておるのですが、これは調停案を実施したいということで進むのだというふうに了解してよろしゆうございますか。
  8. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) その点は私も調停案仲裁に附するのを延ばすという決意をいたしますときに、いろいろなそういう措置をとつた場合にどうすればどうなるかというような検討をしましたときに、四十日延ばしておいていよいよ駄目だ、それで今度仲裁をする、御指摘のように仲裁にかかる時期までに予算はどういう結末になるかわかりませんが、ついておる。そうなると、次の予算措置には新らしい国会ということになつて、事実上非常に遅れて行く結果になる、こういうことも一応考え方の筋としては事務当局とも相談して、そういうことはあり得る、そういうことも考えて、併し自分としてはそういうようにやつてはいけない。で今私が、ですからして結論としてその間に対して考えております考え方は、非常に最悪の場合にはそういうことになるかも知れないが、自分としてはそういうことになるというようなことでは自分が折角全逓諸君話合いをして、これを仲裁にかかるのを暫く延ばして、なお努力してみようという気持を非常に裏切るということになるから、自分考え方としてはそういうようにならないようにということを真剣に今考えておると、こういうことであります。
  9. 永岡光治

    永岡光治君 それでは先ほどの大臣の御答弁によりまして、一応今度の二十八年度の本予算には今のところ数字には計上されていないけれども、なお努力をする余地があるように考え努力しておるのだ、こういう趣旨の御答弁がありましたが、そのことは二十八年度の本予算は提出したけれども、修正用意があるのだということに解釈してよろしゆうございますか。
  10. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 修正用意があるということではなくて、私には私の考え方通り政府の意向がきまつたときには、是非修正をしてもやつてもらいたい希望を持つておる、こういうように御了解願いたい。
  11. 永岡光治

    永岡光治君 もう一つお伺いしますが、若し今後努力されてその話がつかなかつたという際には、これは全然実施しない、こういう考えでおるものか、それとも他に何か適当な方法があれば実施したいという考えであるのか、その点もこの際若し発表してもいい段階であればお聞かせ願いたいと思います。
  12. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 只今のところは、私としてはこの問題を調停案のように実現するか、或いはできるかできないかということだけを考えておりまして、その他の考え方というものは何もいたしておりません。
  13. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、今のところはまだそこまでの対策は考えておらない、是非これをできれば修正して実施するというところまでに努力をされておる、こういうことですね。
  14. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) その通りでございます。
  15. 永岡光治

    永岡光治君 ところで今のお話によりますと、大蔵大臣のほうで非常に一致点ができなかつたということでありますが、どういうところに理由があるのでしようか。
  16. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ私も具体的に突きつめて確めておりませんが、私が折衝の経過において、こういうところに意見食違いがあるのじやないかと私が感じました考え方を申しますと、やはり大蔵省側考え方はこの調停案、又は調停案をお考え下さつた調停委員考え方があのように非常に苦心して御説明をつけて下さつているにもかかわらず、これはつまり一千円のベースアップだ、こういうように考えておる。而も全逓諸君というものは一般公務員と同じものなんだから、これをやることによつて公務員全体に波及して行く。従つてこれは、即ち全逓の一千円ベースアップをするということは、全公務員の二千円ベースアップに必ず波及して行くから、その結果は又必ず地方公務員にも及ぶということになつて、厖大な国費の追加計上予算追加計上というものをしなければならない。だからしてこれには同意できない。こういうふうに考えておられるのが今回の根拠であるように推定されます。
  17. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 開会のときにも申上げました通り決算委員会からたびたび大臣出席を要望して是非一つというように私の手許に来ましたが、十一時ちよつとで大臣答弁は皆さんの御了解を得て他の委員会に廻すことにいたしまして、政務次官人事部長がお見えになつておりますから、そのかたがたによつて答弁をすることに御了解を願えれば仕合せだと思います。
  18. 永岡光治

    永岡光治君 只今委員長の発言の通りに、後ほど又関係者質問することにいたしまして、なお又その答弁内容によつては、大臣出席を求める必要があろうかと思いますが、それを保留の条件といたしまして、一応大臣が他の委員会出席することを認めまして、最後に一つお伺いしたい。  これは実は御答弁の中にも示されておりますように、決して他の官庁に波及すべき性質のものでないということになつておる。これは大臣も十分御承知通りだと思います。又私たちが見ましても、その通りだと思うので、今まで非常に低かつた全逓給与をやつと他の公社にその差を狭めて行くという、結果的にはそういうことになつてつて、決してこれは他の官庁に波及するものでないと解釈しているのであります。或いは又その理由としては、特殊勤務手当の条項を見ましても、郵政独自の特殊勤務手当でありまして、決して他の官庁に波及するものではないと考えております。特に大蔵大臣がそういう気持でないかと想像されると言われた、他の公務員とのバランスという問題になるわけですが、それにしても今まで何回か政府公企労法に対する調停案の実施についての考え方を聞いて見ましても、公企労法の適用される組合は、一般公企労法を適用されない組合職員給与とは違つてもよろしいのだと、はつきりした建前で現在まで来ているわけであります。だとするならば、私は大蔵大臣がそういう気持でないかと想像するそのことも間違つているのじやないかと思います。又他の公社諸君公企労法を受けている他の諸君給与ベースを上げるときには、公務員に影響するとは考えずに、今回に限つて全逓を実施することによつて他に影響することを考えるのも、これも理由の矛盾があると考えます。当然これは他に影響すべきものでない、こういうふうに考えておりますし、又一般公務員については別途に、これは恐らく人事院等の勧告によつて処置されるべきものと私たち了解するものであります。その意味においてはそういう関係を断ち切つて是非とも実現さして欲しいと思うのでありますが、大臣のお考え一つお聞きしたいと思います。
  19. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) この点は私は考え方としては確かに二つあるのだと思う。公社職員一般公務員というように二つに分けるか、公社職員一般公務員の間に今の全逓のように、一般公務員でありながら公企労法を適用されている、この三つに分けるかということで考え方が結局違つて来ると思うのであります。大蔵省考え方は、公社職員一般公務員というふうに二本に分けておりますから、この一般公務員の中の一部分である郵政職員というものの給与に手をつけるということは、他に波及するというふうに考えられるのではないかと想像されますのですが、私はその二つ考え方をいろいろ検討して見まして、私の考え方としては、只今永岡委員が御指摘になりましたように、やはりこれは三本に分けるほうが考え方としては正しいのではないか、従つてこの場合に、公企労法を適用される職員郵政職員のみでなく、その他の現業官庁、四つの官庁、林野でありますとか、それから印刷、そういうものと引つくるめて一つグループ公社職員一般公務員中間に置いて、そこで中間のものと公社職員との給与のあり方を三つに分けて、三つ違つたものにするか、現業のものを同じように現業に従事されておるのだから、中間グループ公社職員と同じように扱うかという問題が次の段階として残つて来るのでありすすが、これは多少は違つてもいいか知れないが、同じように現業に就いているのであるから、特に郵政職員の場合は、電電職員とは今まで同じ省の中で仕事をしておつたという沿革的な理由もあつて、この二つ一緒にしておいてもいいのじやないかというふうに考えているのが私の考え方であり、従つてその考え方から、今度の調停案というものは一応理由があるのじやないか、こういうふうに考えているのであります。
  20. 永岡光治

    永岡光治君 私は三本建というのは、公企労法を適用されておるという組合は全部一緒だと、こういうふうに考えておるので、今大臣の言つたことについて、三本建があつて公社一般公務員と、その中に公企労法を適用される一般公務員があつて、そうして俸給体系もそれぞれ三つになつてもいいのだと、こういうふうに考えておりませんので、若し誤解がありましたら解いてもらつておいて、特に郵政職員電電公社職員との関係を見ました場合に、むしろ今まで公社になる以前の給与体系の実際の状況から考えてみましても、決して郵政職員のほうが公社職員劣つていいという理由はないと思います。むしろそれより高かつた情勢もあるのであります。そういう意味からすれば、これは当然それ以下であつてはいけない、こういうふうに考えておるということを念を押しておきます。
  21. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 他に質問がございませんか。若しなければ大臣は他の委員会に廻すことにいたします。
  22. 永岡光治

    永岡光治君 それでは政務次官ちよつとお尋ねいたします。この調停案を実施することによつてどういう予算が要るのか、一つ説明願いたい。
  23. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) もう大体おわかりになつておることと思いますが、詳細な点は今人事部長がよその委員会に出て説明しておりますので、私の知つておる範囲内で先ず取りあえず申上げます。  大体今度の調停による予算として総額三十五億七千万円で、それに対して三つに分れておりますが、頭打ち号俸是正ということが大体十三億になつております、十二億七千万円。特勤手当のほうは十四億ちよつと超しております。それに従つて給与の上昇に従つて共済組合に対する負担金というものは八億七千万円ということになつておりますが、それが全部で三十五億七千万円になつております。ただ三十五億七千万円が各会計によつて、これが又それを配分するというか、それが変つております。三十五億七千万円のうちの一番多く支給する金額を要するのが一般郵便でございます。その一般郵便は十三億六千八百万円、その次は保険の七億五千五百万円、それから郵便貯金関係が五億二千五百万円、その他の委託業務と申しますか、これは収入印紙等関係一億八千九百万円、一般会計からお願いするのがこの貯金関係の五億と委託関係の大体一億と合せまして、七億一千万円になります。大ざつぱに申上げると、総額において三十五億七千万円、それを細分して貯金或いは保険一般郵便、或いは委託関係と申上げたのが、大体そういう予算的措置になつております。
  24. 永岡光治

    永岡光治君 それでいろいろ私たち組合のほうから話を聞いておるので、正式な話にならんかと思いますが、ちよつと申上げるわけですが、これは実施するとしてどの程度の予算措置ができれば完全に実施できるのか、その辺の事情がおわかりでしたら……。
  25. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) 今申上げましたなかの一般会計のほうからお願いする大体七億一千万円、それが捻出して頂ければ、あとの特別会計の分については何とか予算措置を講じようということになつております。
  26. 永岡光治

    永岡光治君 そうしますと、こういうふうに了解してよろしゆうございますか。郵政省のいろいろな増収目標等の設定、或いは各種経費節約等によつて、相当部内の差しくりをすることが第一点、それであつてもなお且つ足りないのが七億一千万円、これを一般会計から措置してもらえば完全に実施できる、こういうように解釈してよろしゆうございますか。
  27. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) 今までの我我考えとしては大体お話通りに進んでおります。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、これは予算的に見ますと、年間七億一千万円ですから、大した額でもないと思うんですが、特に反対されるという理由が余りよく私にもわからないんですが、もう一度なぜこれについてそんなに反対するのかおわかりでしたら一つ……。
  29. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) 先ほども大臣よりお話がありましたように、この郵政関係賃金是正によつて、それが他に波及するという、五現業におけるベースアップになる。なおそのほかを考えて相当な額の賃金値上ということに波及する虞れがあるということが、これが反対の一つ理由になつております。又予算措置も、今度の予算は前の解散直前予算を踏襲した予算であつて、ペース・アップにはあの予算では触れていないから、今度も前の予算を踏襲するという意味も含まれておるというように承わつております。
  30. 永岡光治

    永岡光治君 政務次官はどこかへ出られますか。
  31. 飯塚定輔

    政府委員飯塚定輔君) 衆議院人事委員会に十一時までに行くことになつております。
  32. 永岡光治

    永岡光治君 それでは委員長、私もう少し肚を割つたところで実は聞きたいと思うのです。それでできれば予算の操作の内容等についても公の速記にとどめられないような問題もあろうかと考えますので、懇談会形式にでもいたしまして、事務当局のほうから更に詳細な御説明を承わることができれば幸いと思いますが、そういう形式にしたらどうかと思います。
  33. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 速記をとめて。    〔速記中止
  34. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 速記を始めて。  それでは本日の委員会はこれにて散会いたします。    午後十一時十六分散会