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1953-10-23 第16回国会 参議院 郵政委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月二十三日(金曜日)    午後二時三十五分開会   —————————————   委員の異動 七月二十四日委員中川幸平辞任につ き、その補欠として松野鶴平君を議長 において指名した。 八月四日委員瀧井治三郎辞任につ き、その補欠として山縣勝見君を議長 において指名した。 八月六日委員山縣勝見君及び三木治朗辞任につき、その補欠として中川幸 平君及び曾祢益君を議長において指名 した。 八月七日委員曾祢益辞任につき、そ の補欠として三木治朗君を議長におい て指名した。 八月十二日委員松野鶴平辞任につ き、その補欠として瀧井治三郎君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長    池田宇右衞門君    委員            瀧井治三郎君            深水 六郎君            永岡 光治君            三木 治朗君            最上 英子君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政大臣官房人    事部長     八藤 東禧君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○派遣議員報告郵政事業運営実情に関する調査の  件  (郵政職員給与体系是正に関する  調停案実施に関する協約に関する  件)   —————————————
  2. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 只今より郵政委員会を開会いたします。  本日は、公報を以て御通知申上げましたように、郵政職員給与体系是正に関する調停案の問題について政府当局質疑、及び派遣議員報告を行いたいと思います。  先ず派遣議員報告を求めます。報告につきましては、一班の代表は来ておりませんから、二班にお願いいたします
  3. 最上英子

    最上英子君 御報告申上げます。  第二班は三木委員と私最上でございます。委員二人でございました。八月十六日から同二十一日までの六日間北海道に出張し、この間函館、小樽、札幌室蘭において、郵政局郵政監察局郵便局地方簡易保険局地方貯金局を視察し、つぶさに実情調査し、各局郵政従業員組合幹部とも会見して、その陳情をも受けて帰つたのでありますが、その大要について申上げます。  先ず第十六国会において成立いたしました郵便法改正によつて航空郵便速達郵便に併合せられた結果、速達郵便に如何なる影響があつたかを調べたのであります。それによりますと、本年一月から六月までの一カ月平均引受物数は、航空郵便が二万二千四十七通、速達郵便が五万四千三百八十七通、合計七万六千四百三十四通であるのに対し、郵便法改正後の一カ月間における速達郵便引受数は十万五千九百通でありまして、改正前に対して三割八分の増を示しているのであります。内地各都市と遠距離にある北海道としては特に航空機によつて輸送する速達郵便の価値が高いので、料金の低廉化と相待つて利用の増加を来たすものと思料せられたのであります。  次に、先の調停案の承諾が組合員職員勤労意欲に如何なる影響を及ぼしたかについて調べたのであります。全逓信従業員組合が組織を挙げての闘争の結果である調停案であつただけに、多大の希望と期待をかけておつたのであつたが、結局実施期日二カ月のズレを生じたことに対する多少の不満を内蔵するとは言え、省側受諾をみた喜び職員一般に蔽いがたきものがありました。ただ臨局当時はまだ調停案実行をみておりませんので、現実の動きを把握することができませんでしたが、職員勤労意欲は一段と高揚せられるものとみられたのであります。この調停案受諾により、公労法適用者と非適用者との間に不均衡を生じ、札幌函館、旭川、室蘭、根室、稚内、江差、伊達、札幌鉄道郵便の九局では、主幹又は平主事で課長俸給を凌駕する者十二名を生じ、甚しき同一の課内で課長を凌駕する者六名を出しておる現状でありまして、かかる現象は幹部の士気に悪影響を与えはせぬかと懸念せられるのであります。これに対しましては、何らかの対策が講ぜられる必要があるのではないかと痛感した次第であります。  次に職員に対する休暇付与及び超過勤務状況、並びにこれに対する超勤手当支給実情について調べたのであります。休暇につきましては、特別休暇及び病気休暇は除外し、年次休暇(一年に付二十日)の付与状況を調べたのでありますが、実情郵政局一〇・二日、普通局九・八日、特定局六日でありまして、各職員相当数休暇残日数を持つている実情であります。札幌郵便局五四日、室蘭郵便局五四・三日、札幌鉄道郵便局五四・六日、函館地方貯金局四四・四日のごとく、各局職員平均五十日くらいの残日数を持つている実情であります。これらに対しては現在の職員配置状況からして完全実施各局とも困難な実情であつて休暇買上げ等適当の措置要望する声がありました。  次に各局における超過勤務命令超過勤務手当支給実情について調べたのでありますが、超過勤務手当原資の不足から各局とも命令時間を超えて実際に超過勤務をしておる実情であつて札幌郵政局調査によれば、一人平均実際の居残り時間一三・五二時間、一人平均命令時間(手当支給時間)八・三七時間でありまして、居残り時間の六一%に対してのみ手当を支給し、三九%は各職員の自発的居残りになつている実情でありまして、各局とも超過勤務手当原資増額要望する声が強つたのであります。  次に積立金運用権復元加入勧奨に及ぼした影響について調べたのであります。積立金運用権郵政省への復元簡易保険及び郵便年金事業従事者の多年の希望が実現したのであるから、郵政局幹部はもとより、特に簡易保険従事員諸君喜びは誠に多大なるものがあり、感謝の意を表明せられたのであります。併しその効果は外務員が実際募集するに当つて顕著に現われるというところまでは行つておりませんが、郵便局において簡易保険又は郵便年金の大募集運動等を展開するというような場合、市町村当局協力を受けるのに非常に好都合となり、従前に比し格段なる好意と援助を得ておる趣きであります。将来漸次積立金の融資とこれが周知により、募集面にますますいい影響をもたらすものと認めたのであります。  次に指定局制度実施後の状況について見たのであります。本制度は二十五年十月実施せられ、当時は指定局側特定局側双方において不慣れのため種種摩擦を生じたのでありますが、その後約三カ年の実行により双方とも本事務に習熟したこと、及び当局における定員の再検討、要員の適材配置がなされる一方、本年四月受持局数の再配分が行われ、従来の不備は著しく改善せられたのであります。現在札幌郵便局管内においては、受持局数の最大なもの札幌郵便局七十八局、最小なもの幾春別郵便局六局で、その平均は二十四局となつており、曾つて摩擦も解消し、現在においては両者緊密なる協力の下に円滑な運営を見ており、大部分特定局も本制度の存続を希望しておる実情でありまして、本制度は大体軌道に乗つたものと認めた次第であります。  最後に、各局において逓信従業員組合幹部と会見し、その陳情を受けたのでありますが、その主な事項は、   一、石炭手当増額であります。石炭需要期を控え日ごとに高騰しており、昨年支給せられた一トン六千四百円では必要カロリー石炭購入は到底困難であるから増額方配慮願いたい。なお、本手当所得税をかけることは酷であるから改正して欲しい。   二、給与ベースの引上については、省側との団体交渉不調のため労働委員会調停の申請中であるが、人事院から勧告が出ていることでもあり、郵政委員会においても何分の御援助を仰ぎたい。  というのであります。  以上を以て簡単でありますが、私の御報告を終ります。
  4. 三木治朗

    三木治朗君 当局のほうに、私が視察して来て、まだ今の報告に漏れた点でお伺いというか、御注文申上げたいことがあるんですが、函館なんかで公舎、官舎といいますか、職員住宅があるんですが、これが腐朽して、そうして土台がもう雨が降ると、水はけのないような、下水の溜つているような所に建つているために、どんどん腐つて行くというのが六十戸くらいあるんですが、見せてもらつて、是非何とかしてもらいたいという話があつて電電公社なんかのほうは手入れして大分よくなつている。郵政省のほうの官舎だけが非常に腐つて見にくいものになつている。やはりすべて比較しますしね、実際の面から言つて、早く手入れをしておけばまだ相当持ちもするのに、あのままにしておけば忽ち腐朽して駄目になつてしまうという現状なんで、これを是非当局へ頼んでくれという強い要望がありましたが、この点も一つ含みおき願つて然るべき御処置願いたいと思います。
  5. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 私ども職員住宅につきましては、非常に関心を払つておるところでありまして、年々国費だけでは足りませんでして、共済組合の資金まで投入いたしまして、数億円の官舎宿舎をやつているわけでございますが、何分にも非常に多数の職員がおりまして、容易に満足を買うまでに至つておりません。又一方御指摘ようになかなか保守のほうも思うに委せないわけでありますが、御趣旨はよく承りまして、今後とも一層努力をいたしたいと思います。
  6. 永岡光治

    永岡光治君 私も北海道の的場町の宿舎だと思うのですが、函館現地を是非見てくれというので参りましたが、排水工事もできておりませんし、函館の大火の直後にできたいわゆる仮住宅程度のものでありまして、ちよつと水が出ればもうすぐに畳近くに入つて来るということで、非衛生的でもあるし、何とか建て替えたいという要望従業員は持つてつたようですが、話によると最近これを従業員、その住んでいる人に払い下げたい、だから買わないかという話があつたそうであります。併し払い下げられてもどうにもならないので、結局個人の負担において改築するか新らしく造らなければならんという程度住宅で、どうしようもないので、そういうことではなくて、郵政省のほうで別な敷地を求めて建てるか、或いは現地敷地を若し求めるとすれば、更にはかの建物を建ててもらうか、いずれかにしてもらいたいということで上京するやにも承つておりますが、その節には一つ地方実情を十分参酌されまして、善処をして頂きたいと思います。
  7. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 了承いたしました。
  8. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) なお、私も関連質問というよりも希望を申上げたいと思うのですが、今の報告にもありました通り給与体系が、あとで質問出るでしようから、そのときに申しますが、極めて低廉地方局舎を提供しているので、固定資産税が場所によつては非常にかかつて困る。それから各局舎修理費が極めて低廉である。又明治七、八年の当時に建つた局舎がそのまま地方に残つている所は、只今委員からも申されたごとく、すでに改築期が迫つているというようなことでありまして、これらはできるだけ助成により、或いは修理費増加によつて改築希望しているという実情でございます。なお冬季を控えまして、本年の予算の通過は八月で遅うございましたが、併し大蔵当局折衝に苦労された建前もありますから、成るべく改築を要する町村において、土地のまとまつた地方においては、水害その他によつて材料が騰貴するような傾向のある今日だから、よく調査の上、至急取りかかられるように特に御高配を望んでおきます。   —————————————
  9. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) それでは給与体系是正に関する調停案の問題についてこれより質疑を行いたいと思います。
  10. 永岡光治

    永岡光治君 給与体系是正についてでございますが、実は今度地方に参りまして、いわゆる非組合のほうから、とりわけ局長からいろいろ陳情を受けたのでありますが、公企労法適用を受けている諸君とそうでない人々の間に給与アンバランスができたので、これを何とか早急に高いほうに是正して頂くよう善処をして欲しいという要望が頻りにありました。そこで勿論これは公企労法適用された諸君がそうでないかたがたと開きのできることは当初予想せられておつたことでありますが、併し先ず第一段階としては当然大部分の人の給与調整実施したい、まあ救いたいというところからこの措置が講じられたと私たちも看取しましたし、又その点もそうであろうと思うのでありますが、現実にこのような結果が出てみれば、これらのかたがたについても何とか措置しなければならなくなつておる段階ではないかと思うのでありますが、これらについて郵政当局で何かお考えがあるか、計画があるとすれば一つ聞かして頂きたいと思うのでありますが、どのようにこれを調整されようとしておるかお聞きしたいと思う。
  11. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 御指摘通り公労法適用職員二十三万名に対しましては、先般の待遇是正調停案実施によりまして相当の昇給、是正を見た、これに対して適用外職員つまり管理監督に当る者並びに機密事務に従事する者につきましては、何ら処置が講ぜられていない、その間に最高三号俸程度アンバランスが生じておる、事実その通りでございます。この点につきまして、私ども決してかようアンバランスがあるということ自体が正しいというふうには毛頭考えていないのであります。併しながら公労法適用外職員につきましては、御承知おき通り一般国家公務員法並びに国家公務員法に関する給与法適用されておりまして、郵政省限りでは何ら処置し得ない、又してはならない建前になつておるのでございます。その結果公労法による団体交渉により若し職員に対して給与是正がなされても、郵政省限りで適用外職員には適用がなし得ないという法制的建前になつておるのでございます。又これを原資的に考えましても、予算総則或いは特別会計法等によりまして、二十三万人に対しまして給与総額というものがはつきりきめられ、適用外職員に対する二万一千名に対するものは全然別個俸給給与原資で、この間彼此流用することは全く禁じられておりますし、又流用することは適当でないと考えておる次第であります。言い換えますれば、二万一千の適用外職員に対する一切の法規制度におきまして、その原資の中において行われなければならない、さようになりますと、率直に申しますれば、二万一千名に対する俸給給与予算におきましては、全くこれに対して応急的であれ、臨時的であれ、さよう処置をなし得る財源的余地がないということであります。そこにおきまして、今お話ございましたし、これを何とかいたしたい、又せねばなるまいということは、私ども一致した希望であり信念でございますが、これを打開するには立法手段をのみ以て解決し得るのであるというふうな結論只今到達しております。然らば立法手段といたしまして如何なる方法を以てするかということにつきましては、いろいろ案も研究、検討しておるのでございます。例えば郵政省設置法改正することによりまして、適用外職員給与について郵政大臣がこれをなし得る、言い換えれば一般給与法から外す、そうして郵政大臣が適当であると認めるというやり方もございましよう。或いは只今国会において継続審議中と承つておりますが、公企労法改正によりまして、いわゆる但書職員というものに対しても、これは公企労法職員と同様な処置がなし得るものであるというふうに改正して頂く、共にこれはなし得るのである。或いはさよう法規によるにあらずして、単独立法を以ていたしまして、郵政公務員法乃至は郵政職員に対する給与の特例に関する法律というふうな名称でございますか、さよう法律を以てするということが考えられるわけであります。併しながらいずれにいたしましてもこれをいざ実施するとなりますと、郵政省限りでこれを国会に提出するわけでございません、政府部内におきまして、大蔵省であるとかその他各方面との協議会議を得て後初めて政府として国会に提出願える運びになるのでございますが、この際私たちといたしまして、まあ率直に申上げますれば、ひとり適用外職員と申しましても、管理監督機密に従事する者以外に御承知通り電波職員というものが三千名ございます。この電波職員一般監督行政と同じ立場に立つておりまして、この俸給等一般会計を以て賄われております。この職員がいわゆる公企労法適用適用外ということで直接的に解決せられるところの組合員と、或いは管理監督という場以外におきまして、やはり国家公務員法の上に何らこの間の是正措置の恩恵に浴しておらないという職員が三千名おるわけでございます。この中には管理監督の者ばかりでなく、山の中でキイを叩いている者も、レシーバーで聞いている者もその中にはおるわけであります。ひとり郵政省の中にあるばかりでなしに、例えば建設省であるとか、厚生省であるとか、さよう方面におきまして、やはりいろいろと公企労法適用職員同一作業に従事している職員相当おるのではないか、例を以てしますれば、郵政省逓信病院職員はこの間もこのお蔭で是正があつた厚生省国立病院職員には何ら措置されていない。一般国家公務員として同じ病院看護婦の間にもアンバラがあるわけであります。かようアンバラがあるという場合に、問題は私たち単独立法特殊立法をしようとする場合に、当然これは検討考慮の中に入れらるべきものであると思います。かようなことを考えますと、立法手段措置にあらずんば解決し得ず、而もその立法措置たるや前途非常に多難なものがあるというような事情でありまして、私どもも今日いろいろと日夜腐心しておる次第でございまするが、何ら只今のところ実施に移れるという結論には至つておりません。併しながら私どもといたしましては、劈頭申上げたように如何なる意味においてか、適用外適用職員俸給の合理的な調整を図るべきであると、はつきり考えておる次第でございます。
  12. 永岡光治

    永岡光治君 実はこの給与体系是正がこの前の特別国会にかかつた際に、私たちが非常に憂えておつたのは、大蔵省当局は一波万波であるから、これを若し実施すれば、他の公務員影響することは必至だからというので強い反対をしておりました。そのこともあるだけに予想はしておりましたものの、やはり非常にアンバランスが多いということで、それ見たことかということで、折角実現した二十一万数千名に及ぶ現業職員給与是正がブレーキをかけられるということになれば非常に遺憾だと思うのでありますが、その意味で一番正しい方向と言えば、先ず何を置いても立法措置において解決をしなければならんと考えておりますが、勿論只今人事部長答弁の中にもありましたように、目下公企労法改正労働委員会国会において継続審議としてかかつておりますから、この点についても一つの途はあるということが言えると思うのでありますが、政府当局として、積極的に政府当局の手でこの公企労法改正をしようという意図はないのかどうか。それで当然政府当局もそれだけの積極的意思を持つてよいと思うのでありますが、部長乃至は政務次官がおられますが、政務次官からでもお答え願えればよいと思います。
  13. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 只今国会において継続審議になつておるところの公企労法改正案、それ以外に政府みずからとしての立案の意思がないかということの趣旨でありますが、そういうような立法的な問題となりますと、これは事務当局としてはさよういたしますという御答弁を申上げることのできる立場でございませんので、いずれ大臣からお答えになると思いますが、ただ事務当局といたしますと、先ほど申上げたように何らか立法手段を講じなければならん、こういうことを御答弁、申上げたのでありますが、前国会において議員提案として公企労法改正案が出た。それに対して政府内部事務的な問題としてこれに対する意見等内閣から求められたことがあるのでありますが、その際において郵政省として半公式的に事務折衝協議の過程におきまして、只今の問題即ち適用外職員に対しても何らか一つこれは給与的措置がなし得るようにする改正が必要ではなかろうか、或いは電波職員等もやはり元逓信省で一本だつた職員でありますし、又三千名の中の大半の者は現業でやつておりますから、この際同じよう公企労法適用したらどうかという点は事務当局として内閣のほうにお答えしたような経過であります。
  14. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、かように解釈してよろしゆうございますか。ということは、国鉄の本庁の職員がいわゆる国鉄公社全体として公企労法適用を受けております。又電電公社を見ましても、職員全体が公企労法適用を受けております。併し適用を受けておりましても、その範囲における組合員と非組合員区別はおのずから分けらるべきものとして処理されております。そのような現在の法律建前であるとすれば、それがスムーズに行つておるとすれば、郵政全体について考えても、これは公企労法適用職員である、但し組合員、非組合員区別はおのずから別個の取扱ということで、一つの途は開けて来ると思うのであります。そういう意味管理者は勿論そういう問題が残りますが、只今人事部長お話があつたように、曾ては同じ仕事をしておりまして、そうして今は私たちの職場に還つて参りました電波従業員であります。これを含めて郵政職員公企労法適用するというその考え郵政当局としては一応是認される、こういう考えに解釈してよろしゆうございますか、念のために……。
  15. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) お答え申上げます。国鉄電電専売等が総裁以下全部が一律に適用されておる、郵政省においても同じような状態であるから一律に適用さるべきではないかという御意向のようでありますが、私たちといたしましても誠に御趣旨はよくわかるのでございますが、その際国鉄電電専売と違いますところは、やはり国家公務員の身分を郵政省職員は保有しておる、そうしてその中に適用職員適用外職員とが分れた、適用外職員の中の事務次官以下すべてのものが適用職員としてよいかどうかということは、理念的には私は永岡委員のおつしやつたようなところに全面的に御賛同申上げたいのでありますが、併し事実上といたしまして、これが郵政省の例えば指定官職も入るとかというようなことにつきましては、やはり今日の場合にわかにその理念にまで飛躍するかどうかということにつきましては、若干疑問の念を持つておる次第でございます。
  16. 永岡光治

    永岡光治君 それではこれは現在公企労法改正継続審査中でございますので、この改正審議の際に公企労法改正案一つとして、只今私から申上げたよう趣旨の、つまり人事部長答弁では指定官職としてちよつと問題があるかも知れないという御答弁がございましたが、それはそれとして、一応原則的に考えて、他の公社よう郵政職員全体を一応公企労法適用範囲に入れる、そういうよう改正が出た場合にはこれに反対しないというようになろうかと思うのでありますが、この点はどうでございましようか。できれば郵政大臣から直接お答えなつたほうがよいかと思うのでございますが、若しお答え願えないとなれば、郵政大臣出席なつたときに改めてお答え願つても結構です。
  17. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 速記をやめて。    〔速記中止
  18. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 速記を始めて。
  19. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはどんな形で法案が出るという前提になつておりますのか、よく御質問お聞きしておらなかつたので何でありますけれども考え方としては私は反対する筋はないのじやないか。ただ公労法適用職員と非適用職員との間のアンバランスを何とか是正しなければならんということは私も衷心から、先般給与体系是正があつた直後から考えて、事務当局に何とか早く適当な案を考えてくれということを言つておりますので、何らかの形でこれはやらなくてはならない。それで今ここで問題になつておりますよう方法一つ方法じやないかというように私も考えておるのでありますが、ただほかにもう少し適当な方法があるか、又今の方法でその他の面にいろいろな支障が生ずるようなことはないかというようなことの、そういう技術的な検討だけはやらして見なければならんのじやないか、こういうふうに思つておりますが、考え方としては反対しなければならないというようなものではないと思います。
  20. 永岡光治

    永岡光治君 これを是正したとして、年間予算で、現在のベースに引直してどのくらいの予算が要るのでございましようか。
  21. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 永岡委員の御質問趣旨適用外職員を現在の公企労法体系是正実施職員と同じようにしたらばというのでありますか。……これは大体年間予算といたしますと、七億程度必要でございます。
  22. 永岡光治

    永岡光治君 ところで便法か何か講ぜられて、実質上是正できるようなものが立法措置を講ぜないまでもできれば幸いだと思うのでありますが、そういう便法が仮にないとしても、何か併しこのままでは過ごされないということであれば、大臣として何かその範囲内における更に便法、応分の措置、将来の立法改正改正としてお進めになりましようが、それまでの暫定措置、これを何か具体的に考えられておりますか。
  23. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは具体的に何か方法があるならば、そうしてその方法が今の会計規則、財政諸規則、そういうものの上からも一応差支えないということであれば、どのよう措置でもいいのだ、一つ考えて見るようにということを事務当局に繰返して言うておるのでありますが、今のところまだこういう方法ならばできそうだという思いつきも余りないのでありまして、非常に苦慮はしております。恐らく問題が問題でありますから、根本的な解決策を講じなければむずかしいのではないかなと実は私としては思つておるわけであります。
  24. 永岡光治

    永岡光治君 先ほど人事部長にも質問したのでありますが、繰返すことになるかも知れませんが、立法措置は最も私は正道ではないかと思つておるのでありますが、その意味では政府当局から進んで改正案を出して頂けば幸いだと思うのでありますが、その用意はあるのかないのか、その点をお尋ねしたい。
  25. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは案がないかないかと、いつまでも言うておるわけには行きませんので、どうしても適当の時期、と申しますのは、遅れない時期に、どうしても方法がなければ正道を踏んだ措置考えて、それを国会にお諮りするということにならなければならないと思います。
  26. 永岡光治

    永岡光治君 それでは、そのぎりぎりの段階が来たならばどうしてもやらざるを得ないだろうといろ今の御答弁でございますが、その時期は、目途としてはどの程度考えているのでありましようか。一月一日であるとか、来年の四月一日であるとか、そういう一つの区切りがあろうかと思うのでありますが、それは一体目途としてはどの程度考えておられましようか。
  27. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはいつ出すかということと、いつから実行するかしないかということとは別に扱かえると思うのでありますが、私としましては、できるならば一般の人たちが、公労法適用職員が上つた時期に遡つてできるようにできるならば一番いい。仮にできないとすれば、法律施行のときということになるのでありますが、いずれにしましても臨時国会はそういうものを出しておるわけには恐らく時期的に行きませんと思いますので、通常国会の成るべく早い時期に出して、できるものならば成るべく早くそうして頂いて、成るべく早く実施できるというふうに持つて行きたいわけであります。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 実は今給与の問題が出ておりますので、引続いてお尋ねするわけでありますが、現在郵政職員については調停案が出ております。他の現業官庁には裁定の出たところもあるようであります。いずれ近日中に郵政職員に対する給与の問題も裁定が出ようかと思つておりますが、この裁定に対する政府措置ですね、この臨時国会でどのよう措置をしようとしているのか、その点を一つお尋ねいたしたいと思います。
  29. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは私は所管の問題でありませんので、はつきりした政府考え方というものを承知しておらんのでありますが、この裁定が出ると、次の国会の開会日から五日以内にどうしても国会に諮らなければならないということになつておりますので、形式的には恐らくこの法律の要請通り五日以内に国会に諮られるということになると思うのでありますが、今度は会期一週間という考え方のようでありますので、そういたしますと、今会期は解決がむずかしくて、結局継続審議というようなことになるのではないかと想像しているわけでございます。
  30. 永岡光治

    永岡光治君 これは、郵政大臣が私の関係でないということを答弁なさつていることなんですが、これは実に私は奇怪に聞える。実は公務員の中で裁定を受けるのは郵政職員、或いはアルコール、印刷等でありますが、関係大臣のうち、非常にたくさんな、大きな重要な位置を占めている大臣でありますので、真剣に考えてもらわなければ困る問題であります。そこであなたが積極的に閣議で実は発言してもらつているのかと私は想像しておつたのでありますが、今の話では全然まだそれは考えていないように受取れるのでありますが、これは極めて不満であります。あなたの主管である電電公社に対してもすでに裁定が出ているわけでありますが、これはどういうよう措置されるのか、明確に答弁頂きたい。
  31. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) ちよつと失言をいたしました。電電公社は正に私の主管でありますので、電電公社につきましては、私といたしましては先ほど申上げたように、措置しなければならない。うつかり郵政のことばかり頭に置いて考えておりましたので、まだ裁定が出ませんので、先ほどのよう答弁をいたしたのでありますが、考え方といたしましては、さつき申上げるようなことになる。ただよりより同じよう立場と思われます現業を持つておられる運輸省でありますとか、その他のかたがたと話合いはいたしているのでありますが、こういうことはやはり話合いに上つてはいるのです。各公社が財政的な意味においては多少裕りのあるないがあつて、裁定を実施することの難易というものに若干の違いはあるようではあるが、併しやはり各公社は歩調を合せて行くようにしないといけないのではないか。又その場合に、今の同じよう公社ではないけれども公企労法適用されている五つの現業についても、やはり今度は同じ考え方で臨まないといけないのではないかというようなことは、よりより話合いをいたしているわけでありますが、まだ併し最終的な結論は勿論非常に困難でありますので、出ておらんのでありますが、心配をいたしております。内輪の話を申上げますと、以上であります。
  32. 永岡光治

    永岡光治君 只今大臣答弁の中にもありましたが、今度の臨時国会は非常に短期であるので、それは審議する余裕はないかも知らぬという趣旨でありましたが、それであれば何か別に政府としてです、これは閣議に大臣出席されておると私は思いますが、その意味でお尋ねするわけですが、新聞紙上によれば、第二次補正もまあ臨時国会でも用意しているやには伺うわけでありますが、そのときでも開いて、少くとも年内に解決するというような熱意を持つておられるのかどうか、その点を一つお伺いしたいと思います。
  33. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ今も申上げましたように、非常にまあ問題にして、しよつちゆう話合いをしておるわけでありまして、できるならば早くやりたいという気持は十分持つておるのでありますが、果してそれが今の全体の財政需要の状態からしてうまく行くかどうかということにつきましては、大蔵当局も非常に苦慮し、且つ難色があるように私どもには見受けられるわけであります。
  34. 永岡光治

    永岡光治君 その財政問題で難色があるように伺つておるというお話でありますが、具体的にどういうことなんでしようか。それは他の公務員との問題とも関連があるというように解釈されることになりますか、それとも公企労法適用される組合の中でも、その職員の中でも財政的に困難な状況があるというのか、苦しその困難な状況があるとすれば、それは具体的にどういうことなのか、その点をお尋ねしたいと思います。
  35. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあこの仲裁裁定が出ました以上は、財政面からの困難がない限りはまあ実施をするということが建前になつておりますので、結局仲裁裁定を実施するかしないかということは、財政面の裕りがあるかないかということに問題がなつて行くと思うのであります。それを個々のこの公社について、若し現業について見れば、考えられるものも中にはあるが、又中には考えられないものもある。例えば国鉄にいたしましても、郵政省にいたしましても、今の段階では郵政省の場合には結局通信、切手、はがきの料金の値上げをいたさない限りは、ちよつとできないのじやないかということになると、まあ非常に困難なので、そこでまあそういうものをひつくるめて見る場合に、やはり全部歩調を揃えて行くという考え方と、中にはそういう料金値上げにまで発展しなきやならないものがあるということになると、そこのところまでは今の国の経済情勢、一般国民の生活状態というようなものから考えて、そこまでは行けないんじやないかというような判断も絡みまして、やはり結論が出るところまで行かない、こういうことになつておるわけであります。勿論第二段といたしましては、やはり人事院が勧告をいたしておりまする一般公務員給与とこれらの現業職員給与というものも、やはりバランスというものは全然見ないということにはならぬのじやないか。これはまあ大蔵省給与問題でいつも申します一波万波という考え方で、大蔵省考え方からすれば、公務員も企業体の職員も、公企労法適用職員も全部或る程度の歩調を合せた給与であつて欲しいというまあ考え方であるわけです。まあそういう考え方がいろいろと錯綜いたしまして、なかなか結論が出て来ない、こういうようになつておると思つております。
  36. 永岡光治

    永岡光治君 これは非常に重要な問題になつて来そうでありますから……、実は水害関係の地方公務員の困つておる実情もこれは又大臣も御承知でありましようが、これと関連いたしまして、最近の闇値の上昇の傾向、それから生活が従つてだんだん苦しくなつて来ておる。一方民間でも、人事院の勧告にも具体的には出ておりませんが、やはり開きはあるし、民間としては上昇しておる。公務員の窮状はこれは火を見るよりも明らかであります。今米価の問題に対しましても、恐らく来年の一月はこれは当然引上げになるという情勢であるようでありますが、そうなつて来ると、公務員の生活もますます苦しくなることも又火を見るよりも明らかであります。だとすれば、当然私は年内に何としてでもこれは措置してもらわなければ困ると思うのでありますが、最近の労働情勢を分析いたして見ましても、非常に私は危険な情勢がだんだん出て来ておるのじやないかと思つておる。水害地における災害復旧に対する地元民の不満、或いはそこへもつてきて、公務員なりその他のいわゆる待遇の低い人々の不満というものが激化されて来つつある態勢にありまして、一つ間違えば農民のほうもむしろ旗を立てるでありましようし、更に又労働者もそれから公務員も非常な反撃をして来るだろうと思うのでありますが、そういう情勢を考えてみるならば、どうしても年内に措置をしてもらわなければならない。国際情勢から見ましても、決して楽観をされるような情勢では私はないと思つております。そういう意味から考えて、私はここに今財政的な問題を大臣が言われておるのでありますが、聞くところによれば二百億の剰余金も使おうと思えば出す途もあるのだという緒方副総理の答弁もありましたし、私決算委員をしておりまして、二十七年度以降の政府の支出の状況を見ましても、そう緊急を要しないと思われる経費が相当たくさん余つておる。例えば安全保障諸費という費目でありますが、これは昭和二十七年度には五百六十億も予算が成立しておりますが、使つたのは僅かに二十九億であります。而も今年はもう二十八年度に繰越されて半ばを過ぎておるのでありますが、それでもなお且つ莫大な経費が、五百億近い金が残つておる状況でありますが、或いは又保安庁の経費を見ましても、成るほど政府の政策からして一つの政策を立てて実施するのはこれはその通りだろうと思うのでありますが、それにいたしましても、経費の支出の状況を見ますと、やはり二十七年度の成立から繰越されたもの二百八十億の残額を有しております。而もこれが支出した経費の内容を見ますと、十年間分の資材を購入しておるものがある。それほど無駄な使い方をするのであれば、この窮状を私は是非とも救うことが、保安隊を強化して日本の安全を維持する方法一つとしてあるのでありましようが、そういう見方も政府としてはあるでありましようが、又私はそうでなしに、現実にそういう不満から醸成されて来る危険な状態を防ぐ方法も当然考えなくちやなりませんし、その意味ではこれらわけのわからんと言うては失礼に当るかも知れませんが、一応使途を、具体的に明確に支出の予定がされていないものを持つておるのでありますから、これは当然私はこの労働不安情勢、従つて国内治安の立場からも、経済の安定の立場からも支出するのが正しいと考えておるのでありますが、このような問題について検討されたことがあるのでありましようか、その点をお尋ねいたしたい。
  37. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは今の情勢では、一つの問題を解決いたします場合には必ず他の問題が関連いたして参りますので、総合的に物を考えて解決して行かなければならないことは申すまでもないのでありますが、これはこの予算をどういう工合に組むかという場合には、今までの例におきましてもそうでありますが、今度の補正予算の場合におきましても、第一次予算補正を組んだ場合に第二次がどうなるか、そうして第一次と第二次を本予算と含めて、二十八年度の予算の構想というものができるときに、二十九年度の予算というものがおのずからそれを前提にしてどういうことになるかということを頭に置きながらやつておかなければならないことは申すまでもないのであります。従つてそういう工合に先々これを考えて行きます場合には、今永岡委員が御指摘になりましたような、例えば予算に組んではあるが使用しないですむだろうというようなもの、又年度的な関係で使用が繰延べられるのじやないかというようなことも一応頭に置いて検討いたしておるのでありまして、今度の補正予算でも僅か二十億か三十億の不足がなかなか出ないで、最後まで各省の節約ということでもめておつたというような事情も御検討下されば、その前段階におきましては、今御指摘になつたような問題が一応検討に上つて、なお且つ全体的な見通しの上でそういうものは今の財源と言うわけに行かない、こういう結論なつたということは御了解願えると思うのであります。  殊に給与の問題を解決いたします場合には、今年一度給与を上げて或る額の支出増加を起しました場合には、必ずその翌年度においては今度平年度化して、一年を通じて新しい給与体系によつて支出をしなければならないということになりますので、給与について金を新しく支出するという場合には非常に将来の財政計画の上に大きな影響があるものでありますから、一層なかなかそう簡単には行かない、こういう結論になるわけであります。併し現在の公務員諸君の生活が非常に困難な事情、又今度の災害に対する農村その他被災地に対する政府措置も必ずしも十分でないということも私ども考えるのでありますが、併しそれをどの程度出したら、又どの程度給与を上げたらば、日本の今日の国民負担力と、その負担力を前提にした財政の規模と、その財政規模の上から出て来る経済界に及ぼす影響、もつとはつきり申上げますならば、物価はどういう工合になるだろうかというようなことを総合勘案いたしまして、やはりこの辺の線で押えておかなくちやならないのじやないだろうかというように判断をいたしておるわけでありまして、一応政府といたしましても、及ぶ限りのそういう検討を加えた上のものであるということを御了承願いたいと思うわけであります。
  38. 永岡光治

    永岡光治君 そういうことになりますと、やはりこれは見解の相違ということになつて、一応これは更に別の討論の対象になると思いますが、ただここで要望しておきたいことは、非常に窮屈な苦しい状態ではあるし、これはもう郵政委員地方を廻られて把握して来た実情だと私たちつております。そういう意味で何としても善処して頂きたい。少くとも年内にこれを解決するということに最大の努力を、直接主管大臣でもありますし、努力をして頂きたいと思うのでありますが、そこで財源と関係があるということになつて参りますと、又質問せざるを得ないことになりますが、勿論只今申上げましたまだ不急不用と称せられる財源が余つておるものは、将来の二十九年度予算と関連してみなければわからない、そういうことを予定しておるということであれば、この短期国会における私たち予算に対する検討の仕方も総体を洗いざらい出してもらわなければ本当の検討意味がないということにもなつて参りますし、そうなるだけに、是非とも臨時国会で私はこの給与ベースの改訂というものを爼上に上げて来なければならんと考えておるのでありますが、是非一つこの点を取上げてもらいたいと思うのでありますが、どうでしようか。ベース改訂、公務員給与問題について臨時国会では全然取上げる意思はないのでありますか。
  39. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは予算の上には乗つかつておりませんから、予算の上の検討としては恐らく取上げる時期にないと思うのでありますけれども、さつきも申上げましたように仲裁裁定が出ておりますから、それを国会にどうしても諮らなければならないということになりますと、その面から御検討願うということに結局なると思うのであります。仮に国会が終りましても、継続審議になりますれば、国会のない時期におきましても委員会などを開かれて、恐らくこの問題は各位で十分御検討願うことになるかと思います。
  40. 永岡光治

    永岡光治君 実は残念ながら国会予算提出権がないのです。これは大臣も御承知通りです。調停案をどうしましようかという、これから予算を組んで出して、その予算の修正という問題ならこれは国会でもできますが、全然ないものを新しく追加できないという悲しい運命に実はあるのでありますから、その意味で是非とも年内に解決するとすれば、この臨時国会において恐らく出て来ないのではないかという虞れを非常に私は抱くのです。私としてはそこで何とかこの問題を、政府としては予算がありませんので一応継続審議にしてもらいたいという結果になるというようなことではすまされない。何としても責任のある大臣でありますから、大蔵大臣は財政面では責任はありましようが、郵政大臣が裁定という問題についての大きな責任を持たされておるのでありますから、是非ともこの問題を出してもらいたい。これは強く要望しておきますが、そこでなんですか、ベースを上げれば将来に影響するということになつて来る、郵政は財政的に相当困難な情勢にある、そういうお話でありましたが、一体それでは通常国会において、少くとも通常国会において郵政の財政について何かこれを解決するお考えを持つておられるのかどうか、この点を一つお尋ねいたします。
  41. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 郵政の財政面を解決する考え方という御質問でありますが、それは場合によつては料金の値上げまでも考えるのかということのお尋ねなんでありますかどうですか。若しそういうよう考えであれば、どうしても上げるということになればそうならざるを得ないと思いますけれども、併し今の政府の一般物価政策、従つて一般物価政策を或る考え方で抑えて行きます場合に、やはり政府の決定権を持つておりますいろいろな料金というようなものもやはり抑えておかなければならないというよう考え方も出て参りまして、今の段階ではまだそういうものを上げるというところまではちよつと踏み切れないのではないかという考え方のほうが私も強うございますし、一般の物の考え方もどうもそのようであります。
  42. 永岡光治

    永岡光治君 実はこれは今度地方に参りましても、更に強い要望がつのるばかりでありますが、事あればべース改訂はしたいけれども財源がない、これで終始している。ところが実際の郵政省の財政を見ますと倹約、物件購入をするにいたしましても、郵便の逓送にいたしましても、国鉄の輸送は別といたしまして、普通の民間の場合には原価計算から利益を見積つたものを支払われる。ところが収入の面についてはそういうものは殆んど考えられていないわけです。特に第三種以下、わけても第三種ですが、この問題は最近は郵便におぶさつているという実情であります。どんな高い山でも田舎でも、集配はかさんだ量を持つて歩いているわけでありますが、実にこれを経済的にみれば、ばかげた仕事だと思うのでありますが、だとすればこの面の解決もなされなければならないものと思つております。料金を値上げするなり、一般会計から繰入れをするなり、当然の郵政省の正しい主張、根拠ある誰にもひけをとらない堂々たる主張だと思うのでありますが、このような問題について只今予算折衝の時期に入つているから、大事な時期だと思いますが、郵政の財政の建直しについて、この問題について何か郵政当局ではお考えないのでありますか。これをやらずに又予算がないからベース改訂もできないということであつては非常に困るので、非常に今大事な段階に来ておりますので、ちよつと大臣からその辺の状況を御報告を願いたいと思います。
  43. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまだ事務当局と詳しく話合いをした考え方ではないのでありますが、私の個人の考え方、感じ方から行きましても、若干永岡委員と同じ考え方はあるわけであります。併しこれらのものが低料金で以て郵便事業が或る程度の負担をしながらやつているということについては、それ相当の理由があつて行われているものであり、その理由というものは、昔も今も引続いて行くものと私は考えておるのでありますが、そういうものの負担をかけることによつて、そういう面における国民の受ける利益というものを減殺するということになれば、やはり彼此プラス・マイナスどちらが利益になるかということの結論になるわけでありますが、併し仮にどうしても郵政事業が苦しい、従つて郵政従業員諸君にも当然受くべき待遇もして差上げられないというよう段階になつて、料金の値上げというようなことが考えに上つて来ます段階になれば、やはり一番先に考うべきものはそういうものではないだろうか。又一緒に考えるにしても、特に次の改正のときにはそういうものには若干それらの関係業者の協力、議会の協力を得て特段に料金値上というものを考えてみるべきではないかということは私ども考えておるわけであります。
  44. 永岡光治

    永岡光治君 私一人ばかりで申訳ないのでありますが、御了解を願いまして更に続けますが、只今もベース改訂について述べましたが、年末手当の問題ですが、期末手当の問題、これを政府はどのよう考えておるのでありますか。
  45. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) この点も最終決定をしたものとして申上げることはできないのでありますけれども、一応まあ第一次補正を考えます場合に、問題になつておりました第二次補正の或る程度の金額というものを考えます場合に、ベースというものを新らしく予算措置をしてその範囲で何とか面倒を見て差上げたいという考え方になつておるように、私には大蔵省考え方が察せられるわけであります。
  46. 永岡光治

    永岡光治君 この〇・五というのは純然たる増でなくて、この中には多分夏の期末手当で繰上げ支給された〇・二五が、余りがあるのではないかと思うのですが、その点どうですか。
  47. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ物の表現の仕方だと思うのでありますが、二十八年度の当初予算になかつたものを新らしく補正で〇・五を追加するのでありますから、今年年間を通じて考えるならば、やはり〇・五は本来の当初の予算よりは余計に差上げるということになると、こう申上げなければならんのでありますが、ただその一部分は前以てもう余分に差上げてしまつておるという意味においては今後の支出増は減る、こういうことになります。
  48. 永岡光治

    永岡光治君 そこが実は問題なんです。そこが実に重要な問題です。昨年は暮の手当は一・〇ありました。そこで今年は騒がれて、各所で何とかしろというので〇・二五を加えて、実質においては〇・二五先に出ておる。そうしますと、残りの〇・七五、昨年と同じだというこういうこと、ところがお盆の手当はどうかというと、昨年に比べて〇・二五殖えておる。暮はそれじや殖えないかというと、当然殖えるべきだ、これは常識だと思う、常識ですよ。お盆に殖えて暮は少くていいということは誰が見ても考えられない。当然これは〇・二五だけでは済まされないと思う。どうですか、この点。是非考えて頂かなければならん。どうでしようか、この点は。
  49. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは永岡委員のおつしやるよう考え方も常識だと思うのでありますが、又一年を通じて、去年よりは余計出ているということも一つの常識じやないかと私は思うのでありまして、問題は年間を通じて毎月分けて、俸給としてどれだけ差上げてあるか、又盆と暮にまとめてどれだけ差上げてあるか、併し年間を通じて昨年はどれだけ、今年はどれだけというよう考えるのが、私どもとしては一層常識的じやないかと、こういうように思います。
  50. 永岡光治

    永岡光治君 それは駄目なんです。年間を通じてすでにもらつたものは、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、もらつたものはもらつたもので、残されたものが昨年と同じだということでは済まされんと思う。特にこれは大臣一つ聞いてもらいたい。私は苫小牧に参りました。あそこの王子製紙というのは非常に高い。二万一千円でしたかのベース、期末手当は七万円から八万円取つてある。それがために困るのは、結局公務員は非常に物価を吊上げられて困つておる。恐らく今年の暮でも景気のいい所は出すと思う。そういうことから考えてみると、又今年もじつとしておられない。これは大臣、騒がれて後で出すということでは、やるほうも精力の無駄であろうし、出すほうも一つ先手を打つて、今年ぐらいは政府のほうでこのくらいやろうということで、その代り一生懸命働いてくれというようなことに行つたほうが賢明だ。これじや収まらないことは火を見るよりも明らかです。昨年通りでいいということはない。而も慣例によつてきめられた通り何かもらうという、去年も一昨年もそうなつておるのですから、私はここで思い切つて〇・五という少い金では済まされないというところに、大臣責任を持つて善処してもらいたいと思います。
  51. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 同じことですからちよつと私つけ足しておきますが、期末手当の今永岡委員の言うのも当然であるが、それも賞与という手当は内容から申しますならば、本当にそれによつて年内、つまり半期以内の労苦をねぎらい、家族を安定させる重要なる意味を含んでおるのは、苦労人の大臣が知つている通りだ。然るにこれに対する税金が五五%、それは下部に行けば多少違うだろうけれども、これは大蔵省の所管だけれども、実際親心を持つて出すのが多少上げても、その大半が税金に徴収されてしまつたということになれば残りが少いが、むしろこの点もよく十分に考えて、賞与にああした五五%などという税金をかけることは、これはもう実際意味がないと思うが、この点も税法の改正をしなければならないけれども、これも十分に一つ考えて、見通しをつけて、この際できれば共に御発表頂ければ誠に結構だと思うのです。
  52. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはこの給与を上げましたり、余計に賞与を出したりいたします場合に、予算の面でも一方に出しますときには、必ずはね返りというものを財源の収入として見込むわけでありますが、私が承知いたしておりますところでは、今の段階では大体総体として見ますと、出しますものの一割五分からせいぜい二割ぐらいしかはね返りがないというようにまあ考えられておるようであります。これはまあそういう考え方でありますが、それと又併せて米の値段が仮に消費者価格が上るというようなことになると、それで給与を上げてカバーをするか、減税でカバーをするか、そういうことはしよつ中私どもも心配をし、大蔵当局とも話合いをし、又大蔵当局もその点については検討を加えなければならないことなんでありまして、減税問題もそういう意味におきましては、やはり問題になつておるようでありますが、今のところまだ結論は出ておらないようであります。
  53. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 速記とめて。    〔速記中止
  54. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 速記を始めて下さい。
  55. 永岡光治

    永岡光治君 第二次補正でこれだけしか考えられないのですか。
  56. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはさつきもお答え申上げましたように、そのようにきまつているという意味においてお答え申上げているのじやなくて、一応第一次補正を考えるときには、やはりさつき申上げましたように、二次補正も昭和二十九年度予算というものも頭に置きながら考えていると、そのときにまあ一応大蔵省側がこんな腹を持つておるのじやないだろうかと思われる数字は〇・五であつた、こういうことを申上げたわけでありますから、御了解願います。
  57. 永岡光治

    永岡光治君 それであればきまつていないということでありますから、これも勿論増額もしてもらわなければ困るのでありますから、特に先ほど申上げましたように、非常に緊迫をしておりまして、一つ是非〇・五では済まされないという態勢で強力に頑張つて頂きたいと要望しておきます。なおこれは恐らく組合のほうからも、これは承知されないという論議も出て来るときまつているので、そういうことのないうちに善処してもらいたいと思います。  機構改革については懇談の形式でよければ懇談でいいのでありますけれども
  58. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 明日開くのじやないが、これは大きな問題ですから、種をちよつと蒔いておかなければならないから……。
  59. 永岡光治

    永岡光治君 これは今日の読売に出ているのですが、大臣から要綱をもらつておらないから止むなくこの要綱を以てやらなければならないのでありますが、これによりますと、すでに整理案が着々案としてでき上つておるのですが、この狙いとそれからこの機構改革の郵政省に及ぼす具体的な影響でございますね、それはどういうよう考えておるのでありますか。
  60. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) この問題はこれから非常に各委員会でお取上げになられることと思います。今も地方行政委員会でやはり御質問を受けてお答え申上げて来たのでありますが、新聞に伝えられているところは今も委員長ちよつと御想像になつておりましたように、新聞が一部分はまああちらこちらから特異な職業的な六感で以て聞き集められたものもあると思いますが、大体は創作をされておるものであります。そういうようなものは何もまだできておらんのであります。ただこれだけは一般的な問題として、今度の整理に当りましての、私として又は行政改革本部として皆が相談をしたこの整理の基本方針というものがあるのです。そしてその整理の基本方針の一つに、今度は成るべく出先機関を十分検討してみようという考え方が一つある。その出先機関を検討する場合に、どういう観点から検討ようという考え方があるわけです。そういうような基本の考え方というものは、まあときどきの機会に私も申上げておりますように、まあその程度のことは申上げて、考え方が違つておる面があれば又いろいろ御意見も出るだろうから直せばいいと、こういう意味で申上げたわけです。そういう考え方からしまして、つい昨日の行革本部の会合までに出先機関の一応の検討は終つたのでありますが、その終つたということを私が昨日行革の会議のあとの定例の記者会見で言いましたので、それを機会に、その基本の私ども考え方で各社の記者諸君がまあ或る部分は想像し、或る部分は聞き集めておまとめになつたのが本日の新聞記事に出ておるものである、こういうように御了解願いたい。勿論この考え方からして或るものを見て、それがどういう工合に整理されるかということを考えてみまするときには、大抵誰が考えても同じよう結論になるものはあるものでありますから、全然それが根も葉もない形のものである、従つて今行革本部が考えておるものがそれと全然違うものであるということは申上げることはできません。当つておるものもあると思うのでありますが、併しそういうような形においてそれはできたものであるということはこれは間違いない。  そこで郵政省の整理をどういう工合にするかということは、私が行政管理庁長官と郵政大臣を兼ねておりますので、実は私も非常に面倒な立場にある。併し事柄が事柄であります、私といたしましては自分の基本の考え方としては、自分が行政管理庁長官と郵政大臣を兼ねておるということによつて、行政管理庁長官として自分が背負わされておる行政機構改革の問題を郵政省に当てはめる場合には、自分が郵政大臣であることのために郵政省を特別に有利に扱おうとは考えていない。従つて又特別不利に扱おうとも考えていない。私の気持としては成るべく他の省と同じよう考えて、同じ原則に照して整理をして行くという考え方、特に私一人で以て案をきめておるわけではありませんので、行革本部におきまして四人の副本部長、それに本部員として併せて十二、三人おると思いますが、そこで先ず検討する。第二の段階におきまして、そこでできましたものはほんの草案の程度といたしまして、今度各省へ個別折衝して、なお各省の意見も十分伺つた上できめる。その上で或る程度まとまるものはまとめる。まとまらないものは閣議へ持つてつて閣議決定によつて最終的な決定をしてもろう。こういう考え方をしておるのでありますから、私としては郵政省は今申上げました意味において、そういう考え方で他の省と同じに扱いたい、こういうことが一つ考え方。  それからなお郵政省の具体的な整理の考え方といたしましては、先般来機会あるたびごとにぼつぼつと断片的なお話を申上げておるのでありますが、自分は現業におられる、殊に末端の小さい局にこうあれしておられるものは、或る程度のロスというものは、例えば半分の人間が欲しいんだが、半分という人を置くわけに行かないから結局一人置く、そこに〇・五人の無駄があるというようなことが非常にたくさんあると思う。そういう意味のものは整理するということはとてもいかんのであります。更にもう一つの観点から、近年業務量が殖えておりますので、そういう意味においてむしろ殖やさなければならないということがあるのですから、これは現業に従事される人たち立場を別途に一応考えることにしよう、まあこういうふうに考えておるわけであります。  そこでその他を整理の対象として考える場合、殊に機構の面を考える場合に一つ考え方の基準としては、一つの省の出先機関は一本にしていいのではないか、一本にするほうがいいのではないかという考え方が確かに一つあるのであります。その考え方で行きますと、郵政省の場合には郵政局全般、それから郵政監察局電波監理局というのは一つの出先機関であるから一本にまとめたらという考え方が一応出てて来る、そういう考え方が新聞に載つておる。併しそのときに申上げておかなければなりませんのは、結局この考え方の筋というものは原則でありますから、その原則を当てはめて各省に行きます場合に、各省の特殊事情、それからそれぞれの出先機関の特殊の性格、そういうものを考慮いたしますと、おのずからその原則に対して最終の案は例外の形で出て来るものが相当ある。こういうふうに考えなければなりませんので、今その原則であるから郵政省の出先機関が三本が一本になるという結論にすぐなつておるものでは毛頭ないのであります。そういう点も併せて考慮しながら今後の案を最終的にきめて行きたい、こういうふうにまあ考えておる段階であります。
  61. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、基本はやはり具体的の現れとしては地方の出先機関の整理ということになりますが、とにもかくにも人員を落そうというのが目的でございますか。
  62. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 行政整理の一つの狙いは、まさに人間を減らして幾らかでも国費を節約できるならば、これも一つの狙いであるということは申上げられると思います。併し今度の行政改革の場合にはそれだけを狙つておるということではないのでありまして、私は行政整理をいたします場合に、幾ら国費を使つても国費を使つただけのサービスが国民に対して返つておるならば、従つて国民が税を負担して頂いてもそれだけの恩恵を受けていらつしやるならば、どれだけ国費を使つても差支えないと私は考えておるのであります。むしろこれだけの国費を使つてこれだけのサービスを国民に与えている場合に、果してこれだけの機構とこれだけの人員が絶対必要なものであるだろうかどうだろうかということを実は中心問題として考えておるわけであります。そういう場合に考えますときに、どうも今の機構自体が余りに複雑過ぎる。例えば縦の出先機関と中央とが重つておる。又国の出先機関と府県その他の自治団体と重つておる。又中央だけ見ましても、横に重複をしておる。一つの仕事をいつでも省の共管という形で、そういうために却つて国民に迷惑をかけておることがあつてもプラスをしていない面が相当あるのじやないか。そういう面もあるならこれは整理しよう、その結果出て来る余剰人員があるならばこれを整理しよう、こういうふうに考えられるのであります。
  63. 永岡光治

    永岡光治君 そうしますと、郵政事業については現在はむしろ私は、先ほど今度の休会中に地方に出られて郵政事業の実態を調査された結果の報告がありましたが、例えば年次休暇なんというものは勿論たくさん残つておる。超過勤務手当も十分でない、而も事務量は漸次増加しておる、こういうことを見ましたときに、郵政事業には整理という結果的には現在の定員は落されない、むしろ私は増員になるようなことが出て来るのではないかと思うのでありますが、その点はどうでございましようか。
  64. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ末端の機関を成るべく整理しないという考え方は、繰返して申上げますように、原則としては固くとつておるのでありますが、併し末端の機関は絶対に整理しないというように若しおとりになるならばやはり間違いであつて、末端の機関であつて検討してみて無駄をしておるということであれば、やはりそれは整理の対象に当然なるべきものであり、又すべきが当り前だ。従つて又そういう同じ考え方からスタートいたしまして、本当に御指摘通りに非常に無理がかかつておるというのであれば、やはりこれは是正をしなければならない面もある。殊にこの間から本委員会において問題とされておる例の断続勤務の問題といたしまして、これは労働省がどのように御決定になるか、その決定によつては今の労働三法の建前から行けば今の定員では足りないということになるかも知れない。そういう関係を私は法律とそれから現実の状態というものを尊重し、無理のない形で整理すべきものは整理をし、又考慮すべきものは考慮して行く、こういうよう考えております。
  65. 永岡光治

    永岡光治君 私はもう抽象論や原則論の段階ではないのではないかと思うのです。恐らくもうそういう今大臣の縷々述べられました原則に立つて各省も検討をしておおよその結論が出ておる段階ではないかと想像するから具体的に聞いておるのです。これは大臣があの談話で発表したものをつぎはぎして、想像も入つておるとおつしやるけれども、いずれにしても私は確かにそこまでこういう記者がこのことを発表するよう段階ということは、やはりこれを計画されておる当局考えも内容は別として、大体もうまとまつて来ておる段階ではないかと想像するわけです。これは通常国会に出すか、臨時国会に出すか知りませんが、通常国会に出すにいたしましても、もはや私は具体案が出ておる段階であろうと思うので、具体的に聞いておるわけです。郵政省ではこのきめられておる定員を減員されるのか、それとも増員をしなければならないということになつておるのか、その点を結論として簡単にお聞きしたい。
  66. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) この点は、先ほど申上げましたように、行革の本部としては一応の構想というものを持つておる。事務においても整理すべきものがあるならば、こういう事務は整理すると、機構はこういう工合に直してもらつたらどうかと、こういうような案を作つて次の段階において各省と個別折衝をするということを申上げたのです。その個別折衝段階において御指摘ような問題は詳細に検討さるべきものと思いますので、まだそこには実際に行つていない。これは郵政省だけが行つていないのではなくて、いろいろな省がどれだけの人間をどうするかという段階にはまだ行つていない。今の行革のこの事務の進め方といたしましては、出先機関のなには大体終り、明日は特別にもう一度会議を開いて附属機関の検討を加えて、その次の段階に本省の機構をやる、そこまでまとまつたときに一応行革本部の本当の試案というものができて、そこで、今申上げた個別折衝に入る、こういうことになると思います。やはり時期的にもう少し先に延びると思います。
  67. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、この新聞紙上に郵政省の機構改革案というものが出ておる。地方郵政監察局郵政監察官事務所、地方電波監理局、同出張所は地方郵政局に統合するというのが出ております。具体的にはこの案が出ておるわけです。これについて大臣はこの案でいいと思うのですか、これは適当でないと考えておるか、具体論を聞きたいと思う。
  68. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 郵政省の問題は、私の考え方と今度どの範囲のものか相談いたしますが、郵政事業に十分経験をお持ちになつておる省内の諸君と一緒に、つまり郵政省と行革との個別折衝ということになるのでありまして、私ども考えたからといつてきまるものではない。ただその案は先ほど申上げました原則を当てはめて郵政省の出先機関がこういうふうになるのではないかという想像記事でありますので。
  69. 永岡光治

    永岡光治君 これは大臣が非常にこのそらすものであるから結論が出ないのです、これは簡単なんです。あなたは郵政大臣ですよ。そして今あなたは方針をきめられておる、その案がここに出て来ておる。これがいいか悪いかということは相談できめるということなんですが、郵政大臣として、これは私としては呑める呑めないという結論が出ておると思う。常識的にそうなると思うが、どうですか、これは結論は出ませんか。
  70. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 大臣の一存では結論は出ないのです、こういう重大問題は。
  71. 永岡光治

    永岡光治君 最後に時間の関係で簡単に申上げますが、待命制度があるが、これは次の機会に申しますが、この狙いは一体どこにあるか、どういうことであるか、これを見ると経費を落しておる、人件費を浮かすわけです、これでは何にもならん……。これはこの次の機会に譲ることとして、機構改革の問題はとにもかくにも何か行詰りを来たすと、何か機構をいじると何とか息を復活するのではないかということで手を付けがちであるが、これは私はほかならん郵政大臣であるから申上げるのですが、僭越でありましたら、それは内輪であるということで本席はお許しを頂きたいと思うが、そういうことではないのです、これは運用の問題です。機構をいじることではなくて、どうして人を活かして使うかということ、運用の問題になつて来る。特に現業官庁というものは機構をいじつたからといつてうまく行く性質のものではない。だからどうか一つ特に現業官庁である郵政省全般、これは電波監理局、監察局を含めてであるが、これを考えるときにはそういう考えで行つて頂きたいと思う。決してそういうように末期になつて機構ばかり変えても駄目です、吉田さんが大体内閣が末期症状を呈して来ると、すぐ機構に手をかける。そういうことではなくて、運用によつてつて行くということが必要なんでありますから、これによつて不安をかもし出したり、或いはそれによつて刺戟を与えて能率を落したり、そういうことは決してとるべきことではないと思います。先ほどからしばしば申上げておりますし、大臣も又現実を把握しておりますのですから、定員が足りないということは把握されておるのですから、どうかこういう機構改革、整備に当つてはそういうことのないように、是非とも一つお願いいたしたいと思います。  それでそれは要望といたしまして、明日委員会を開いてくれませんか。断続勤務とかいうことが起つておるのですが。
  72. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  73. 池田宇右衞門

    委員長池田宇右衞門君) 速記を始めて。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時十五分散会