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1953-06-24 第16回国会 参議院 法務委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年六月二十四日(水曜日)    午前十時四十九分開会   —————————————   委員の異動 六月十九日委員棚橋小虎君辞任につ き、その補欠として小林亦治君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     郡  祐一君    理事            加藤 武徳君            宮城タマヨ君            亀田 得治君    委員            青木 一男君            楠見 義男君            三橋八次郎君            赤松 常子君   政府委員    法務大臣官房経    理部長     天野 武一君   事務局側    常任委員会専門    委員      西村 高兄君    常任委員会専門    委員      堀  眞道君   説明員    最高裁判所長官    代理者    (事務総局経理    局長)     岸上 康夫君   —————————————   本日の会議に付した事件派遣議員報告検察及び裁判運営等に関する調査  の件  (最高裁判所関係昭和二十八年度予  算に関する件)  (法務省関係昭和二十八年度予算に  関する件)   —————————————
  2. 郡祐一

    委員長郡祐一君) 只今から委員会を開きます。  先ず本日の議事についてでございますが、先般行いました請負派遣の御報告派遣議員からお願いをいたし、引続き最高裁判所昭和二十八年度予算及び法務省関係昭和二十八年度予算につきましてそれぞれ当局より説明を聴取いたし、御質疑を願いたいと存じます。  この際先ほど委員長及び理事打合会を開きまして協議いたしました結果を申上げます。今後の委員会運営についてでございますが、次回を六月二十六日金曜日に開き、只今予備審査のために付託されておりまする航空機批当法案司法試験法の一部を改正する法律案少年法及び少年院法の一部を改正する法律案刑法等の一部を改正する法律案、以上四件及び本院先議人権擁護委員法の一部を改正する法律案、以上五件につきまして政府より説明を聴取いたしたいと思いますが、その後は六月三十日火曜日に委員会を開き、その後政府より提出のありました法律案がありますれば、その説明を聴取いたし、これらの付託法律案質疑を行うことにいたしますと共に、選挙の取納並びに売春等処罰につきまして委員のかたより質疑の御通告もございまするので、法務大臣及び関係政府当局出局を求め事情の聴取をいたしますと共に質疑を行いたいと存じます。  それではこれより本日の議事に入ります。先ず派遣議員のかたから御報告を願います。
  3. 加藤武徳

    加藤武徳君 私たち、郡委員長、三橋委員、私の三議員、それに堀専門員等の御同道を願いまして、去る六月二日から四日までの三日間を栃木県及び群馬県に検察及び裁判運営等調査の一環といたしまして、裁判所検察庁刑務所等関係機関事務処理実情調査いたしたのでありまするが、その詳細は報告書に譲ることにいたしまして、概要を申上げたいと思います。  今回の調査目的といたしましたところは、帝都に近接する両県下所管事項につきまして、関係出先官庁事務処理調査することによりまして、中都市における標準型の第一線現場実情を把握せんとするものでありまして、裁判所及び検察庁を除き、他の官庁については同種類のものの重複を避けまして、両県を通じて代表的なものを選択したのであります。その調査対象とした官庁、及び調査要綱は、  一、宇都宮及び前橋地方裁判所につき、民事及び刑事事件処理状況、特に行政事件処理及び公職選表決違反事件審議状況法廷等秩序維持に関する法律違反及び法廷闘争の実例。  二、宇都宮及び前橋家庭裁所判につき、少年審判家事審判及び家事調停事件処理状況家事調停條項履行確保についての実情。  三、宇都宮及び前橋検察庁につき、検察事務処理状況、特に公職選挙法違反被疑事件処理状況、なかんずく公務員の同法違反の問題。  四、栃木地方公安調査局につき、調査員は如何なる経歴によつて構成されているか。又同地方における破壊活動防止法運用状況。  五、栃木刑務所につき、行刑実情。  六、前橋地方洪務局につき、事務処理状況、特に人権擁護事務取扱実情。  七、前橋少年鑑別所につき、少年鑑別状況。  八、前橋刑務所につき、行刑実情、特に赤城少年農場実情。  九、赤城少年院につき、少年収容保護状況。  等でありました。  調査方法といたしましては、栃木県においては宇都宮地方裁判所群馬県においては前橋地方裁判所にそれぞれ関係係官及び在野法曹人の御参集を願いまして説明を伺い、又資料提出を願い、質疑応答等を行いまして懇談に入り、各関係機関施設視察いたしたのでありまして、所期の成果を収め得たと存じております。最初申しましたように、この詳細は報告書及びこれに添付せられてありまする資料によつて御了承願うことといたしまして、簡単ではありますが、概要だけを報告いたします。
  4. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 検察及び裁判運営等に関します調査のために、当委員会委員亀田赤松宮城委員らは静岡及び山梨の両県に派遣せられることになりました。よつて調査対象を具体的に売春関係裁判及び少年審判事件処理状況公安関係調査並びに刑務所及び少年鑑別所視察の四項目に限定し、去る六月三日より三日間右両県に出張いたし、それぞれの項目について調査を遂げたのでございます。調査に当りましては、右四項目のうち、特に売春関係調査に重点を置きまりした。それは静岡山梨県下にまたがります冨士山麓が現在駐留米軍演習地となつておりますために、そのキヤンプをめぐつて米兵相手売春が行われており、最近特に世間の耳目を惹くに至つておるからでございます。富士山麓、特に山中湖及び御殿場町を中心といたしまする売春の実態、その一般住民に及ぼす影響、売春に関連して発生する犯罪並びにその取締の実情等について現地の視察を行いますと共に、関係機関等においてそれぞれの係員より詳細に実状を聴取し、これに対する対策についての意見を徴しました。これは今後問題となるべき売春等処罰のための立法に関しまして有益にして貴重なる参考となるものと思料せられました次第でございます。  なお、売春関係を除く他の三項目につきましては、専ら静岡市おきまして当該関係官庁において調査又は視察を行い、所期目的を達して帰京いたしましたのございます。調査内容につきましては非常に長うございますので、別紙調査報告及び参考資料によつてこれを報告することといたしまして、簡単に右の通り申上げる次第でございます。
  5. 郡祐一

    委員長郡祐一君) 只今の両君の御報告に対して御質疑はございませんか……。別に御質疑もないようでありまするから、本件はこの程度にいたします。   —————————————
  6. 郡祐一

    委員長郡祐一君) 次に最高裁判所関係昭和二十八年度予算につきまして最高裁判所当局より説明を願います。岸上経理局長
  7. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) それでは最高裁別所所管昭和二十八年度予算概要を御説明申上げます。  先ず裁判所所管の二十八年度予定経費要求額総額は八十七億一千四百九十七万一千円でありまして、これを前年度補正予算を含めました予算額七十五億八千三百十八万四千円と比較いたしますと十一億三千百七十八万七千円の増と相成つております。  この経費の中で主なものを事項別に申上げますと、先ず第一は、最高裁判所それから下級裁判所機構維持及び経常的な行政事務所要経費といたしまして六十二億五千六百四十三万七千円と相成つております。これは事項別に分けますと、最高裁判所自身の分は七億三千六百六十九万八千円、高等裁判所が五億二千五百四十五万七千円、地方裁判所が三十七億二千三百二万二千円、家庭裁判所が十二億七十百二十六万円ということに相成つております。  第二は研修費関係でありまして、裁判官司法修習生裁判所書記官その他の職員の人格の向上、それから司法に関する理論、実務の、研修というための経費、それから裁判所書記官調書作成能率化を図る目的ステノタイプライターによる速記の方法裁判所職員研修させる、そういうことのためのいわゆる研修費関係経費でありまして、二億九千八百五十二万円計上されております。  第三は、いわゆる法廷警備関係でございまして、労働事件公安事件等法廷闘争に対処して、法廷秩序維持し、審判の適正迅速な処理を図るために、いわゆる法廷警備を強化するという必要がありますので、その関係事務費、それから出張旅費等といたしまして九百十一万一千円が計上されております。  第四は、いわゆる裁判所関係でございまして、国選弁護人の報酬、それから裁判所の証人、鑑定人及び調停委員等旅費日当経費といたしまして、十一億六千八百五万九千円が計上されております。  第五は、裁判所営繕工事費といたりして、庁舎の新営費といたしまして六億五千八百五十万九千円、それから裁判所の各所の増築、修繕、それから敷地、建物買収費等といたしまして一億二千五百二十九万一千円が計上されております。  第六は、裁判所法の規定に基きます裁判所予備費といたしまして八百万円が計上されております。  これが今申上げました予算事項別に見ました主な分類であります。大体以上であります。
  8. 郡祐一

    委員長郡祐一君) 本件につきまして御質疑のおありのかたの御発言を願います。  なお、申し添えておきますが、本日は他の局長所要のため出席いたしておりませんので、経理局長より答弁いたしかねる問題については後日答弁をいたさせることにいたしたいと存じます。
  9. 亀田得治

    亀田得治君 三の法廷警備を強化するに必要な費用ですね。この中で九百十一万一千円、これは主としてどういう費用ですか。細かく……。
  10. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 内容は主なものを申上げますと、警備手当、つまり職員警備につきました場合の警備手当、それから職員出張旅費、これは警備のために特に臨時に他の省へ応援に行く場合の出動旅費、それから会議費、これは警察官に対する、まあ食糧費といいますか、茶菓を出して打合せをするというようなことのための費用、そういうものが主なものであります。
  11. 亀田得治

    亀田得治君 警備手当というのは普通の給料のほかに出すわけですか。
  12. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) これは職員警備いたしました場合に、危険を伴う場合、具体的に申しますと、例えば洋服が破けた。或いはそういうふうな場合ですね、或いは身体上の危険の場合もございましよう。そういう危険を伴うような警備に当つた場合の危険の手当といいますか、という意味で支給するということに相伐つております。
  13. 亀田得治

    亀田得治君 洋服が破れた場合はわかるですが、そういう実害がなくても一応出して行つているわけですね。
  14. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) これは警備についた場合、すべての場合に出すということでなしに、危険な警備についた場合に、その危険を各所属の長において認定いたしまして、その時間と申しますか、その割に応じて出しております。
  15. 亀田得治

    亀田得治君 それでは大体年間何名ぐらい延べで予定されておりますか。
  16. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 本年度予算に計上されております数は、全国におきまして、一年間でそういう危険を伴う警備の時間を見込むでありますが、三十万七千四百四十時間というものを見込みまして、一時間当り十円という単価でやつております。
  17. 亀田得治

    亀田得治君 もう一つ、ステノタイプライターですが、これの経費が出ておりますが、これは今年ぱいに全部研修をさせて、そうして来年から何かこう逐次切換えて行く。そうしてその備品も揃える。何かそういうふうになつているのですか。
  18. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) これは現在やつておりますのは書記官研修所でそういうことをいたしておりますが、二年計画でございます。そこで二十七年、つまり昨年ですね、昨年度に百名、それから今年更に二十八年度で百名というものを募集いたしまして、要するに二年間研修いたしまして、そうして二年後にそれが出まして実務に携わる、こういう構想でございます。ですから昨年二十七年の十月から入所いたしました。これは結局二十九年十月に百名実務に携わるのですね。こういうことに相成つております。
  19. 亀田得治

    亀田得治君 全国裁判所関係に行き渡るのは大分先になりますね。いつ頃の見込みですか。
  20. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) これは正確に計算をいたしておりませんが、先ず事件の多いところ、むずかしい事件のところから逐次やつて参ります。これは書記官との関係もございまして、現在書記官がやつておりますのは、それを逐次そういう能率的なステノタイプに変えて行く、書記官は主として記録作成及び記録保管その他の手続上のほうに保管をさせて行く。このほうはステノタイプを設備したもの逐次やつて行くという意味でありますから、全国的にこれをやると、正確には私は承知いたしませんが、相当の期間を要するのではないかと思つております。
  21. 亀田得治

    亀田得治君 大体の見当はわかりませんか。
  22. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) それはちよつと私今専門じやないものですから、あとで……。
  23. 亀田得治

    亀田得治君 後の機会においてでもいいです。これは非常に大事なことですから……。
  24. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 調べまして御答弁申上げます。
  25. 赤松常子

    赤松常子君 最初の増額の中の家庭裁判所の十二億七千百余万円の増額は、主にどういうものでございましようか。事件のための増加でしようか。
  26. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 今申上げました家庭裁判所の十二億七千百二十六万というものは、これは増額ではございませんので、二十八年度家庭裁判所関係の経常的な経費総額でございまして、その主なものは人件費でございます。
  27. 赤松常子

    赤松常子君 前年度比較してどのくらい増しておりますのですか。
  28. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 前年度の同種類経費、つまり家庭裁判所機構に関する経費比較いたしますると、約二億ほど殖えておりま。この内容の主なものは、人件費のべース・アツプによる俸給の増加というのがその主要部分でございます。
  29. 赤松常子

    赤松常子君 その次の二番目の裁判官司法修習生その他とございますが、最近、婦人の採用がだんだん殖えて来ておりますことは、私非常に嬉しいことに思つておりますが、ちよつとこれと関連して、今どのくらい婦人がこういうところに出ておられるか、採用されているか、それをちよつと伺いたいのでございます。
  30. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) ちよつと今はつきりした数字を覚えませんので、あとで御連絡いたします。
  31. 赤松常子

    赤松常子君 後に又よくお調べ下さいまして……そして婦人がこういう職場に適しているかどうかということも、若しおわかりでしたら詳しく御報告頂きたいと思います。
  32. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 この家庭裁判所経常費は十二億七千百二十六万円となつておりますが、これの中に新らしくできます家庭裁判所庁舎建設費が入つておりまずのですか。
  33. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 庁舎建設費のほうはこちらに入つておりませんので、五番目の営繕費のほうに含まれております。そこでこの営繕費のほうに入つており家庭裁判所関係の新営、新らしく造るという主なものは、大阪家庭裁判所庁舎の新営費と、仙台家庭裁判所の新営費、これはいずれも前年度、或いは前々年度からの継続工事でございますが、大体二十八年度で一応使えるようにするという見当でございます。
  34. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 新らしく計上されております家裁の庁舎はございませんか。
  35. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 前年度継続工事以外に、新らりしく家庭裁判所庁舎として建てたのはございません。
  36. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 これは大体の方針といたしましたら、地方裁判所家庭裁判所を分離するというような……そういう御意思は強くないのでございますか、如何ですか。どういうわけで今年新らしいものが計上されなかつたのでございましようか。
  37. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 家庭裁判所庁舎につきましては、家庭裁判所というものの性質から見まして、できますれば、つまり私どもとしての理想は、庁舎を別々に建てて行きたいという理想は、これは前から変りないのでございますが、ただ御承知のように、地方裁判所、或いは支部、或いは又新たに殖える簡易裁判所というふうなものの庁舎の新営、或いは大修繕というようなものが相当ございまして、いろいろ苦心しているのでございますが、二十八年度予算総額範囲内では、ほかの庁舎との振合上、家庭関係は今申上げましたような二個所しかどうしても認められないというふうな状況でございます。将来は勿論できるだけ努力いたしまして庁舎を建てて行きたい、これは変りはございません。
  38. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 この前年度から継続しております大阪仙台家庭裁判所にはどのくらい……、七億の中に計上されておりまずのでございますか。
  39. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 今の二個所を合計いたしまして一億六千四百三十万でございます。
  40. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 大体大阪仙台というのは大きいところでございましようか。大体において一個所どのくらいな予算で今までできておりますか。
  41. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) これはでございますね、主として人員、その職員数、或い事件数というふうなものによつて変るわけでございますが、裁判所のほうとして、こういうようなものを建てたいという希望と、従来大蔵省のほうでこれくらいが適当だということ、この間には若干相違はございましたのですが、二十八年度といたしましては、折衝の結果、今申上りげた数字にきまりましたのでございます。大阪家庭で申上げますと、大阪家庭は千八百坪、仙台が九百二十坪ということで今の予算が組まれておりまして、大体その見当で実施をいたす予定でございます。
  42. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 新築されました広島や熊本でございますね、これはこの間私行つて来たばかりございますけれども、なかなか立派なものができておりますが、これはどのくらいかかつておりますか。
  43. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) ちよつと今急で覚えませんので、あとで又すぐに御連絡いたします。
  44. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 と申しますことは、非常に立派に越したことはございませんけれども、今一番の大事なことは、とにかく地方裁判所家庭裁判所とを分離して、建物も分離して、所長も別の所長を立てるということが私ども一番問題だと思つておりす。そこで今年の予算に一庁舎も新らしいものが計上されておりませんということは、一体その隘路は、最高裁判所のほうでそういう希望がないのか、それとも大蔵省がそれを建てるということに努力しないのでございしようか、そこはどちらなんでございましよか。
  45. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) これは結局二十八年度営繕費と申しますのは、事務的の折衝では、いろいろ私のほうで新らしく家庭裁判所を建てるという要求は勿論いたしたのでございますが、財政状況等関係から、裁判所関係営繕費は、ここにありまする七億九千万円以上は出せないということに相成りまして、そうなりますと、その範囲内で私どものほうといたしまして重点的にいろいろの諸般の事情を見まして、最も緊急度の高いところからやるということで、今申上げたような家庭関係は二カ所以上には手が伸びなかつた、こういう状況でございます。
  46. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 それから今一つ、これは小さいことでございます。裁判所職員研修に必要な経費二億九千八百万円と出ておりますが、これで実際は家庭裁判所調査官なんかが出張いたしますその経費や、それからこちらに滞在する費用なんかはどのくらいでございましようか。
  47. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 家庭調査官関係研修は十分には今のところやれておりませんが、本年度予算の中では研修関係旅費といたしまして約五百万程度旅費が入つております。それから実際の事件につきつまして出張して調査する、これは先ほど申上げました裁判費関係、四番の裁判費系統の中に計上されているわけでございます。
  48. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 これは昨年度よりも少し増加されているのでございますね。
  49. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 今申上げました研作関係費用、これは昨年度より僅か殖えている程度でございます。まあ大体同額と御承知願つても結構でございます。裁判費のほうも大体昨年度同額でございます。
  50. 亀田得治

    亀田得治君 人権擁護関係費用ですね。これは非常に少い、実際の実情から見て少いというこを絶えず聞くのですが、どういう見解ですか。
  51. 岸上康夫

    説明員岸上康夫君) 人権擁護と申しますと、只今法務省関係です。裁判所とは別であります。
  52. 加藤武徳

    加藤武徳君 極く些細な問題で恐縮なんですが、営繕に必要な経費でありますが、地方の、例えば高等裁判所或いは地方裁判所が逐次新築されまして、その大部分が立派なものにすでになつてしまつている。こういう工合に見て参つたのでございますが、家庭裁判所等におきましては、すでに老朽化してしまつているものも相当あり、場所によりましては教育上極めて面白くないものが相当あるわけでございます。現に私の知つておりまする範囲でも一、二ございますが、特に学校の校内に裁判所が設けられ、同時に検察庁も設置されているために、手錠等をかけたまま校門をくぐらざるを得ないというような実情も私は承知をいたしております。すでに高等裁判所、或いは地方裁判所等は随分と立派なものになつているように見受人けられておりますので、今後は老朽化した家庭裁判所、又位置が極めて不適当であつて教育上の見地等から、又事務能率を上げるという建前からも、今後営繕等相当力を注がれて、新築、改築等を図つて頂きたいということを私は希望といたしまして申上げておきます。
  53. 郡祐一

    委員長郡祐一君) 特に御質疑ございませんか……。ございませんければ本件はこの程度にいたします。   —————————————
  54. 郡祐一

    委員長郡祐一君) 次に、法務省関関係昭和二十八年度予算について政府当局説明を願います。
  55. 天野武一

    政府委員天野武一君) 法務省所管の二十八年度一般会計予定経費について御説明申上げます。昭和二十八年度法務省所管予定経費要求額は、百八十六億八千九百六十九万六千円でございまして、前年度予算額百七十七億六千九百六十七万五千円に比較いたしますると九億二千二万一千円の増加になります。お手許にお配りいたしました表で御覧願いますと、その組織別の前年度との比較、それから項別比較が出ておりまして、只今申上げましたのは、その所管の合計について申上げたわけであります。  かような増加を見ておりまする主な部分は、実は昨年の補正予算で計上されました給与ぺースの改訂に伴います人件費によつて占められております。総予算額の五割ちよつと超える額が人件費ということになります。なお使途別にこれを申しますると、旅費は十億七千二十八万五千円、それから物件費が各組織を通じまして六十二億一千六百二十七万八千円、それから施設費や、それから公安事務関係無電施設整備費用など入れまして、九億八千八百七十六万八千円、それから補助額これが三億六千四十六万六千円、その他が三億九千十八万一千円ということになつております。  先ず使途でございますが、予算定員について申上げますと、前年度末の四万四千八百五十七人に比べまして四万五千三百七十四人、即ち五百十七人の増員を見ております。これは一方におきまして大臣官房で十人、それから矯正の職員で九十三人を減員いたしましたが、他方保護観察所保護観察官で九十三人、それから入国管理関係入国警備官などを五百二十七名増員が認められましたので、その差引の結果そのようなことに相成りました。  一般的な問題といたしますると、既定経費に対しまして極力節減の方針がとられましたことは申すまでもございません。例えば昨年すでに補正予算において旅費の一割、それから庁費の五割の節約をいたしましたが、その上更に今回一般的な行政費補充経費を問わず旅費物件費においておおむね一割五分の節約を行なつております。そうでないものも、財政規模の圧縮という面から全面的に調整されております。従いまして実質的に見ますると、交通費の値上り或いは通信費の改訂等によりまして予算運営は依然として窮屈であろうということを覚悟しておりまして、先般来実は種々の会議等におきましても、今後紙一枚、鉛筆一本の節約にも心がけようということを申合せている次第であります。何分法務省の予算はその仕事の性質上、昨年度に引続いて恒常的な経費によつて占められているのがすべてと言つてよろしいのでありまして、特別の政策による新規の事業というようなものはないわけでございます。尤も昨年七月一斉に実施いたしました例の住民登録でございますが、これはその実施当時初度的な事務がありましたが、本年度はそういうものもありませんので、そういうものは経費として落ちております。特に前年と異なるもの、特色のあるものを申上げますと、次に申上げるようなことになります。  一つは、本年ございました衆議院議員選挙、それから参議院議員通常選挙、これの選挙法規の違反事犯の検察を行いまするために、本省の刑事局それから検察庁を通じまして暫定予算におきまして八千三百七万一千円の予算が計上され、それを支出いたしました。すでに支出にかかつておりますのでここでは説明を省きます。  それから次に本年度の新らしい構想といたしまして、成人でありまするところの刑の執行猶予者に対して保護観察制度を実施するということを考えております。これに短期自由刑の弊害を除きまして、更に又再犯を防止するための施策として数年来研究をいたしました。法制審議会におきましても採用を議決されたのでございまして、いよいよ近い時期に、政令で定める時期によつてその実施に着手することになつております。そのための所要関係法律の改正案等国会の御審議を受けることになるのでありますが、保護観察所におきましては、観察の対象者の補導援護等に必要な旅費でございますとか、補導関係の諸費用、更生保護の委託等の経費八百九十八万三千円を計上いたしました。  それから巣鴨プリズンの関係でございますが、これは平和條約第十一條によりまする刑の執行及び赦免等に関する法律の規定に基く巣鴨刑務所在所者の仮出所、赦免、減刑等の審査、それから関係各国への勧告を行いますために在所者の環境の調査その他勧告用の各種の調査資料作成等が必要でございますから、その経費九十三万六千円を見ております。  次に法務局関係では従来出張所、いわゆる登記所、俗に言う登記所でございますが、の職員に対しては予算上超過勤務手当は認められておりませんでしたが、漸く昨年度において六大都市の出張所の職員に限つて一カ月五時間分だけの超過勤務手当が認められましたが、二十八年度におきましては出張所の職員会員についてその超過勤務手当を認められるだけの予算を計上いたしました。金額では極く僅かでございますが、私どもとしては多年の念願の一端がここで達成されたということで、今後ますますこの方面に力を尽したいと思つております。  それから刑務所、これに拘置所、少年刑務所を含めまして刑務所、それから少年院、少年鑑別所等におきまする収容者の収容に必要な経費並びに刑務作業に必要な経費、これは前年度の五十億二千七百四十一方円から四十八億七千九百四十五万四千円に減少いたしました。この内訳を申しますと、刑務所の収容費では九千二百二十三万円減少、少年院の収容費は逆に三千七百三十一万八千円の増、少年鑑別所収容費は一千四十万八千円の増、それから刑務作業費は一億三百四十五万二千円の滅ということになります。これは刑務所の収容費について収容人員が前年度の十万人に対しまして九万二千人を見込んでおります。食糧費等の単価の値上りがありましても総額において減少するということになつたものであります。なお、少年院と少年鑑別所の収容人員は前年度と同様に少年については一万二千人、鑑別所につきましては三千人を見込みまして、そのために必要な諸費、被服費、それから炊事用の燃料費、衣料費、教化費、又は鑑別費を計上しております。刑務作業につきましては、作業用の機具の整備、それから二十八年度におきまする収容人員の減少ということから、総額では減少いたしましたが、作業収入のほうは作業費の減少にもかかわらず収入歩合の増加等いろいろ工夫いたしまして、前年度より若干の収入増を見込みまして、その結果前年度の十八億三百十七万円に対し十八億九千九百五十六万四千円、即ち只今申したように九千六百三十九万四千円の増ということになつております。  それから前年度の当初予算では外務省の所管になつておりました入国管理事務関係のものが、本年度は法務省の所管に計上されております。最初に申上げました入国警備官等の増員五百二十七名のことを申上げましたが、この入国管理関係の事務は本年度において大いにこれを補強することが政策的に考えられておりまして、現在大村に大きな収容所がございますが、この収容能力も実はせいぜい七百名ばかりでありますために、今後の強制送還や収容措置の強化促進ということが行われますと、甚だしい手不足を感ずるというために、昨年度補正予算を以ちまして第二の大村収容所を建設中でございます。完成も間近いことになつております。他方これらの施設の収容者のために必要な諸費、それから炊事用の燃料費、衣料費など、それから被退去強制者の送還のための船をチャーターする用船料などにつきまして、前年度に対しまして六千百八十万六千円増の二億一千四百四十二万七千円が計上されております。  次に昨年度の途中から発足いたしました公安調査庁でございますが、ここでは職員増加を本年度行なつておりませんが、旅費研修費やそれから物的施設の整備という面で強化しようということになりまして、前年度から二億七千四百七十一万五千円増の六億六・千三百十五万円がその経費となつております。  施設費関係は、これは前年度に引続きまして法務省所管の諸施設の新営或いは移転整備、それから買収等を行いますために十億六百七十一万円を計上してございます。これは昨年度に比べますと七千百四十四万円の減額でございますが、そのほかに建設省の所管施設費の中にある本省でございますとか、法務局関係或いは公安調査庁それから入国管理関係のもの併せまして二億二千二百八十一万八千円が計上されておりますので、これを加えますると十二億二千九百五十二万八千円となります。それでも前年度建設省所管の計上額を含めまして一億九千六百六十七万五千円の減でございます。  そのほか細かいことになりますると、この国会で司法試験法の一部を改正する法律案の御審議を願いますが、そういうことに伴う若干の予算等がございますが、細かいことは予算の参照書などに出ておりますから一応省略いたします。  以上法務省所管の歳出予定について申上げましたわけでありますが、終りに歳入の関係について一言申上げておきます。昭和二十八年度法務省所管の歳入予算額は三十二億三千二百二十九万七千円でございまして、前年度予算額の三十億五千三百三十万五千円に比較いたしますると、一億七千八百九十九万二千円の増加となります。この中には刑務作業収入及び製品等の売払収入を併せました官業収入、これが十九億二千二十九万五千円、罰金等の懲罰及び没収金七億九百七十三万九千円を含めまするいわゆる雑収入、それから政府資産整理収入が含まれております。いずれも過去の実収成績等を基礎として算出したものでございます。なお、従来法務省は解散団体財産売却処理関係につきまして特別会計を持つておりましたが、これは二十八年度から一般会計に含まれることになりまして、前国会で解散団体財産収入金特別会計法が廃止されたことは御承知と存じますので、説明はこの程度にいたしておきます。
  56. 郡祐一

    委員長郡祐一君) 今お話になつた事柄の概略、前年度比較いたしました主な点というのは印刷物の御用意はありませんか。他の委員の諸君の御参考にもなろうと思いますから、作成して至急御配付願います。
  57. 天野武一

    政府委員天野武一君) かしこまりました。
  58. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今最後に御説明願つた法務省関係の歳入でありますが、昨年度の歳入予定額よりも本年度は一億数千万円増加いたしておるようであります。内訳けの只今の官業収入の十九億二千万円は前年度との比較は如何ように相成つておりましようか。
  59. 天野武一

    政府委員天野武一君) 昨年度は十八億一千三百九十九万五千円、今年はそれに一億六百三十万殖えました。
  60. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今伺つたように、官業収入の面でも一億数千万円収入増を見込んでおられるようであります。ところで刑務作業についてでありまするが、受刑者に対しまする職業補導にもつと重点が置かれなければならない、こういう工合に私は考えておるのでありまするが、ところが実際の状況等を伺つて見ますると、作業収益に余りにも重点を置き過ぎておるために、受刑者に対する職業補導の面に少々手が抜かれておるのではないか。十分な補導教育ができておらないということを私は案ずるのでありまして、勿論これは大蔵省等との交渉の段階で十分御主張なさつたことではございましようが、受刑作業費は削減されておるにかかわらず、只今の官業収入等がむしろ一億数千万円増になつておる。こういたしまするならば、更に本年度は昨年度よりも補導教育の点で心配な点が多くなつて来やしないか。このことを私は恐れるのでございまして、今後受刑者に対しまする職業補導に十分な力を注ぐという点からも、この点を考慮に入れて主務省と御折衝願いたい、こういう工合に考えております。  それからいま一つ少年院につきまして伺つて見たいと思います。只今少年院が全国でいくつ設置されておりますか。又御承知の少年院から退院いたしまする少年は、父兄若しくはこれに代る者が少年院に参りまして連れて帰らなくてはいけないのでありますが、地形的に極めて不便なところ等では、この点で難渋をいたしております。で、只今少年院が設置されておらない府県がありまするかどうか、この点も合せてお示しを願いたいと思います。
  61. 天野武一

    政府委員天野武一君) 先ず少年院の数でありますが、お手許に配りました法務省機構という早わかりがございますが、そこに矯正管区というところに少年院つまり昭和二十七年六月までの四十五と書いてありますが、これは五十大でございます。少年院五十六と、それから分院の十一とありますのは本院に昇格したのがありますので、現在八つになつております。つまり少年院五十六の、分院八であります。各府県について申上げますと少年院のないところはないと思います。
  62. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今の御説明で少年院は五十六、分院が八つ、合計六十四ということはよくわかりました。先ほど申上げました少年院に収容いたしております少年が退院いたしまする場合の、刑務所等におきまする取扱いと異なる点を考慮に入れなくてはいかんと思うのでありますが、只今設置されておらない県がございます。現に私も承知いたしておりまするが、こういう県等へは早急に設置なさるような運びを私は希望いたします。  それから少年院の少年に給与いたしております被服の問題であります。これは極く些細なことではございますが、最近私たちが国政調査のため少年院を視察いたしました際に、刑務所におきまする受刑者と同じ色の被服、具体的には何といいますか、曾て赤い着物と称しておつたこれに代りまする青い着物を着ておる。青い服を着ておるのでありますが、少年院におきまする少年の教育に重点を置く特殊の事情等を考慮せられまして、被服の色等を刑務所におきまする受刑者等と異にする、そうして受刑者ではないのだという意識を少年自体に持たせることが私は必要じやないか、こういう工合に考えておりますので、この点につきましての御意見があれば承わりたいと思います。
  63. 天野武一

    政府委員天野武一君) 今の加藤委員のおつしやいましたこと、一々御尤もと了承いたします。よく原局たる矯生局等にも研究してもらいまして、御要望に応えたいと存じております。
  64. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 表の第二のところの昭和二十八年度要求額と前年度予算額との比較というのは、保護観察所のところは今年の総額が一億三千八百万円余になつておりますが、これは非常な増額でございますが、これの内容はざつとどういうことでございましようか。
  65. 天野武一

    政府委員天野武一君) これは人件費でございます。
  66. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 それは今度提案になつておるかも知れないアダプト・プロベイシヨン・システムのそれをお見通しになつての、アダプト・プロペイシヨン・システムのほうの手当でございますか。
  67. 天野武一

    政府委員天野武一君) さようでございます。
  68. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 それからいま一つ伺いたいのは、少年鑑別所の建設についての営繕費というのはどのくらい組まれておりますか。
  69. 天野武一

    政府委員天野武一君) 大体の額を申上げますと、九千四百五十万円となつております。これは新らしく造りますのと、それから増築いたしまするのとを含みます。
  70. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 新らしく造る予定のものは幾つございましようか。
  71. 天野武一

    政府委員天野武一君) 場所はまだ確定しておりませんが、大体四ヵ所を予定しております。
  72. 亀田得治

    亀田得治君 先ほどちよつとお聞きしたのですが、人権擁護関係費用ですね、これは非常に少い。そして法務省は随分そういう方面には消極的だということが、これはもう忌憚なく言われておるのですが、どうでしようか。
  73. 天野武一

    政府委員天野武一君) 人権擁護関係の面は、経費の点でもなかなか取りにくいのでございまして、思うように参りません。実は昨年度機構改革のときにも人権擁護局自身の存在も危なかつたようなわけでございまして、今人権擁護局として組織は残つております。実は人権擁護局は現在全国人権擁護委員というものを三千五百名ばかり置いて連絡をとつて、民間のかたがたの力を借りて仕事をしておるような有様でございます。これを更にもつと網を拡げまして、一万ちよつと、この五倍くらいにはもつて行きたいというのが人権擁護当局の考えでございます。そうしたら、ますます予算の面でも併せて力を尽したいと考えております。
  74. 亀田得治

    亀田得治君 局としてはそういう考えは持つておるでしようが、法務省全体としてこの考え方を受入れませんと、予算化されて来ないと思うのです。法務省全体として、一体人権擁護局というものを予算の上に現われたところから見ても軽視しているというふうに感ずるのです。その点の一つ忌憚のない状況を御説明願いたいと思います。
  75. 天野武一

    政府委員天野武一君) 経理の面におきましては、人権擁護局を決して軽視いたしておりませんで、非常に予算的に弱いし、なかなか予算が入りにくいものですから、経理担当局としては非常にこの点力を入れておるのでございますが、なかなか思うように参りませんで、甚だ遺憾な状態にあるわけでございます。
  76. 亀田得治

    亀田得治君 それでは具体的にちよつと聞きますが、今年の予算で擁護局関係経費は幾ら要求されたのですか。それに対して結局幾ら認められてここに提出されておるのですか、その点一つ伺いたい。
  77. 天野武一

    政府委員天野武一君) 人件費などにおきまして、人件費関係の大きなものは、一つは人権擁護委員制度の運営に必要な経費、も一つは人権侵犯事件調査に必要な経費でございます。それで最初の人権擁護委員制度の制度の運営に必要な経費、これは法務省といたしまして事務当局大蔵省のほうへ要求いたしました額は三千七十万一千円、これが今度の予算の上では二百八十五万一千円と相成つております。それから人権侵犯事件調査に必要な経費、それを事務局で要求いたしました額は二千六百九十九万八千円、これが七百七十五万七千円ということになつております。
  78. 亀田得治

    亀田得治君 法務省全体の要求額は幾らですか。
  79. 天野武一

    政府委員天野武一君) 法務省全体の所管経費として大蔵省要求いたしましたのは三百六十三億三百大十九万八千円、つまり二十八年度予算として御審議願つておりまする額の約倍ということになつております。
  80. 亀田得治

    亀田得治君 公安調査関係費用が大分殖えて来ておりますが、殖えた理由は先ほど御説明がありましたが、調査庁全体に対する考え方をお聞きしたいのです。というのは、当初法律が作られた頃に比較してもつと拡充して行かなければならんという考え方なのか、その当時と同じ程度の考え方なのか、或いはもつと縮小してもよいという考え方なのか。
  81. 天野武一

    政府委員天野武一君) 公安調査庁につきましては、まだ出発が間もない役所でございますし、それから破壊活動防止法の事務がその主な仕事になつておりまして、人などにつきましても、原局は増員要求どもございますが、増員は今度我慢してもらいまして、専ら今おる人をもつとよく研修し、更にもつとよく活動するように、つまり今ある陣容によつて中身を充実しようという方向に考えております。
  82. 亀田得治

    亀田得治君 今ある人員では余り十分な仕事はできていないのですか。
  83. 天野武一

    政府委員天野武一君) 実際の仕事の内容に私立ち入つたことをよく存じませんが、非常な手不足を、つまり千七百名程度でございますから、これを全国にばら撒きますと非常に少いので、手不足を感じております。
  84. 赤松常子

    赤松常子君 先はどの御説明の中に、ちよつと不明瞭で私聞き取れなかつたのですが、超過勤務の増額を考えていらつしやいましたが、あれは一月の単位でございますか。
  85. 天野武一

    政府委員天野武一君) 先ほど超過勤務手当について申上げたのは、いわゆる登記所、つまり法務局の出張所の  ことを申上げたのでございまして、従来、二三年前までは出張所については全然超過勤務手当を認められていなか  つたのでございます。それを出張所も認めてもらおうということで、だんだんに予算が入つて来ておるということでございます。
  86. 赤松常子

    赤松常子君 それが五時間ということでございますか。
  87. 天野武一

    政府委員天野武一君) さようでございます。
  88. 赤松常子

    赤松常子君 一日ですか。
  89. 天野武一

    政府委員天野武一君) 一月でございます。
  90. 赤松常子

    赤松常子君 ほかのかたは超過勤務はきちんと出ておりますのですか。
  91. 天野武一

    政府委員天野武一君) ほかも予算的には月何時間というようなことで実は入つておりまして、実際の超過勤務時間と、まあざつくばらんに申しますとマッチしないというのが現状でございます。
  92. 赤松常子

    赤松常子君 私最近ちよつと関係がございます青年囚の問題でございますけれども、二度、三度出たり入つたりしておりますのですが、一応刑を終えて出られて、そうして或る民間の保護団体ですか、それにまあ一応引き取られていたのですが、ところがそこが誠にお粗末でございまして、どうも十分お世話をなさつて頂けなかつたと思うのですが、そういう民間の保護団体にはどのくらいの補助というものがあるのですか。
  93. 天野武一

    政府委員天野武一君) 民間の保護団体のお話がございましたが、民間のかたがたに対する予算上の手当といたしましては、一つは例の保護司という制度がございまして、保護司のかたが予算的には五万二千五百人いらつしやることになつておりまして、五万二千五百人に対しまして一人当り五百円の謝金と、それから更生保護の委託費と申しまして、これは実際宿泊させたとか、或いは食事を与えたとかいう仕事をなさいますので、そういうことをこちらでお願いした費用として、これは総額でございますが、二千五百二十万の予算が入つております。それから又保護司のかたが通信その他実費をお使いになりますので、その実費弁償金といたしまして、これが八千五百八十二万七千円ございます。それからこの保護会自身の実際の経営的な運営のために事務費がお入り用ですし、それから施設などに手を加えることが御必要でございますから、その関係で二千三百三十四万四千円を補助費として計上しております。
  94. 赤松常子

    赤松常子君 一人に幾らということではないのですか、基準はどうなつておりますか。
  95. 天野武一

    政府委員天野武一君) 実際の配りまする基準は、やはりお仕事に応じて差上げることになつておりまするので、名義は保護司でございましても、殆んど御活動なさらないかたと、非常に犠牲をお払いになるかたとございますので、予算的にはそういうふうに取つておりますが、実際の配賦はそういうふうにいたしておりませんのでございます。
  96. 楠見義男

    ○楠見義男君 さつき亀田さんから御質問があつた人権擁護関係の問題に関連して私も二三お伺いいたしたいのですが、人権擁護委員の拡充計画と申しますか、整備計画と申しますか、そういうような御計画は法務省はお持ちになつておつたように伺つておつたのでありますが、その計画はどういうようになつておりましようか。
  97. 天野武一

    政府委員天野武一君) 人権擁護委員は、先ほど申しました通りに、三千五百名ほどおりますのを五倍に増しまして、現在人権擁委員というのは町単位までおられますが、各村まで及んでおりませんので、つまり村にも人権擁護委員を選んで頂こうということで、これを殖やすということを考えておるわけでございます。
  98. 楠見義男

    ○楠見義男君 それで昭和二十八年度予算においては、その拡充計画が一部でも実現しておるのでしようか。それとも前年と変りないのでしようか。
  99. 天野武一

    政府委員天野武一君) 前年と変りございませんので、二十九年度にはこれを計上するつもりであります。
  100. 楠見義男

    ○楠見義男君 それから予算の中に人権擁護宣伝費というものが百数十万円ありますが、これはどういうような宣伝をやるのですか。
  101. 天野武一

    政府委員天野武一君) 一つには、世界人権宣言の記念行事のときの人権思想の宣伝、それから平時の各地に人権相談所などを設けたりしまして、人権思想を普及するというようなことにいたしておりますが、御覧の通りの非常に僅少な費用でございますので、地元に非常な御負担をかける、各府県に御負担をかけるというようなことで、非常に工夫に難渋しております。
  102. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 保護司の待遇のための増額がされましたでしようか。
  103. 天野武一

    政府委員天野武一君) 保護司の待遇につきましては、この二十八年度予算で、僅かに保護司を研修して更に活動して頂こうという経費、これが二百三万八千円ほど計上してございます。
  104. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 そうすると、先ほどおつしやつた謝礼は一人五百円くらいで、それから一件に対してどのくらいな手当がございますか。今までは百二十円くらいのようでしたけれども……。
  105. 天野武一

    政府委員天野武一君) 実際お配りするとき、一件がどうなりますかわかりませんが、予算の配り方としましては、先ほどちよつと申上げましたように一人幾らということで単価が書いてございまして、それが件数になりますと、この予算の配り方は、例えば今申すように謝金がお一人五百円、それから実費弁償金千六百三十五円ということでございます。でそれを一件にしましたらどうなりますか、今度具体的の資料を以てお答えいたします。
  106. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 実際に渡して頂きますのは件数によつて一件何円、たしか百二十円ぐらいになつているんですが、それは本当は殆んど保護司に渡つておらんのでございますね。そこにいろいろ検討してみなければならない問題がたくさんあると思つておりますけれども、それは今追及しないことにいたしますが、五百円の一カ年の謝礼ということも、これはどうでしよう、当局としてはもう少し増額しなければならないというような御意図はございませんでしようか。
  107. 天野武一

    政府委員天野武一君) これは非常に私どもとして増額要求しておるのでございまして、少くとも民生委員ともバランスがとれていないということでやつておるんでございますが、人数幸いせいでございますか、なかなかこれが入りませんのでございます。
  108. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 それで民生委員がその土地々々で電車のパスなんか出ておりますけれども、保護司はその取扱いも受けておりませんし、実際から申しますと葉書代も足代も殆んどないといつたようなことで、この一番大事な保護司活動が非常ににぶる一つの元はここに原因があるというように始終悩んでおりますので、この点一つ考えて頂きたいと思います。  それで今一つこの第二の表の前年度と今年度との予算要求額の表でございますが、それでこの法務研修所それから矯正研修所でございますね、これがちよつと九百万円ばかり、両方合せますと増額になつておりますが、これはどういうところに充てられる増額なんでございましようか。
  109. 天野武一

    政府委員天野武一君) やはりこの増額人件費の増に伴うものでございます。
  110. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 人件費内容はどうなんですか。
  111. 天野武一

    政府委員天野武一君) これは基本給が上りましたので、それに伴いまする諸手当、それから超過勤務手当がそれを基準としまして自然に増加された額を計上したわけです。
  112. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 そうすると研修に要する出張旅費というものはこの中に入らないんでございますね。
  113. 天野武一

    政府委員天野武一君) 研修生の旅費は入つております。旅費は若干殖えておりますが……。
  114. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 この間聞いて驚いたんですが、滞在費がたつた僅かに二百円だそうでございますが、こういうことも私どうかと思いますがね。二百円でまあ東京に一日いる、それがかなり長い期間でございましよう。そうするとやはりこの研修するために持出さなければならないなんていうことは、これはどうでございますかね。
  115. 天野武一

    政府委員天野武一君) 実はこういう研修生の場合の旅費につきましては、一般の出張と違いまして定額旅費という支給の制度をとります。それでその宿泊所も法務省で持つておるまあ寄宿所というような所に入れまして食事を賄いまする結果この宿賃だけのものは出ない、こういうことになるわけです。勿論たくさんやりたいのでございますが、そういう施設をも提供しているということで入らないわけです。
  116. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 その施設では一日百三十五円ぐらいで賄えるという話で、そこに僅かばかりの余裕があるということを言えば言えるのでございますけれども、こんなこともどうでございましようかね。じやそれもこの増額で一部分恐らく潤おうわけなんでございますね。
  117. 天野武一

    政府委員天野武一君) 法務研修所で申しますと、前年度より旅費の点では二百万ほど殖えております。
  118. 亀田得治

    亀田得治君 公安調査庁の費用六億幾らですね、これは大蔵省に対する要求額に対する割合はどれくらいなんですか。
  119. 天野武一

    政府委員天野武一君) ちよつと今その要求数字を持つておりませんので、調査してお答えいたします。
  120. 亀田得治

    亀田得治君 それから昨年の人権擁護関係費用総額幾らでしたか。のちほどでもいいのですが……わかりますか。
  121. 天野武一

    政府委員天野武一君) 人権擁護関係経費人件費、これは別にいたしまして、本省の局の場合とそれから地方ではこれを法務局の人権擁護関係の担当課でやつておりますので、二つに分けて申上げますと、本局のほうでは昨年度が二百七十六万四千円、これが二十八年度はそれより十九万六千円増の二百九十六万円、それから法務局の関係につきますると、先ほど申上げましたのですが、人権擁護委員制度の運営に必要な経費は、これは昨年度の三百六十五万八千円に対しまして例の一般の節減の影響を受けまして、二百八十五万一千円に減つております。それから人権侵犯事件調査に必要の経費、これは昨年度六百十三万二千円に対しまして、百六十二万五千円の増額  の七百七十五万七千円、かようなことになつております。
  122. 赤松常子

    赤松常子君 一つお願いしますが、先はど婦人の法務関係にお出になつたかたの数字、それから婦人がお出になつて今年で八年或いは四、五年という年月でございますが、その間のお働きになつた御成績とか、或いは将来そういう職場に適しているかどうかというような御経験からの意見をちよつと加えて頂きたいと思います。
  123. 天野武一

    政府委員天野武一君) 法務省所管婦人のかたのお働きになつていらつしやるのは、古い分野では刑務所の女看守、看守のかた、これは古くからいらつしやいます。それから一般の事務職員にもおられますが、特に新らしい現象としては、検事に婦人が任官していらつしやるようになりました。まあ今の事務官とか看守の点は詳しい数字はわかりませんから今申上げかねますが、検事について申上げますると、千葉と京都と福岡に各一名づついらつしやいまして、非常に活躍していらつしやるようなわけでございます。
  124. 赤松常子

    赤松常子君 ちよつと私伺つたことで、やはり家庭をお持ちになつていらつしやいます関係から、その御主人との仕事との関係で非常にいい場合もあるけれども、適性をお持ちになつていらつしやつても、なかなか何といいますか昇進ができないというようなこともちよつと聞いたのでございます。それはそれといたしまして、今やつていらつしやつての成績と、それから将来の見通しを一応まとめて御報告に附加えて頂きたいと思います。
  125. 天野武一

    政府委員天野武一君) それではよく人事課とも相談いたしまして報告書を作ります。
  126. 郡祐一

    委員長郡祐一君) 他に御質疑ございませんければ、本件はごの程度にいたします。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  127. 郡祐一

    委員長郡祐一君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十五分散会