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1953-07-29 第16回国会 参議院 文部委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十九日(水曜日)    午前十一時十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     川村 松助君    理事            木村 守江君            荒木正三郎君            八木 秀次君    委員            大谷 贇雄君           大野木秀次郎君            剱木 亨弘君            谷口弥三郎君            吉田 萬次君            高橋 道男君            安部キミ子君            相馬 助治君            深川タマヱ君            長谷部ひろ君            須藤 五郎君   政府委員    文部政務次官  福井  勇君    文部省初等中等    教育局長    田中 義男君    文部省管理局長 近藤 直人君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工樂 英司君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○連合委員会開会の件 ○公立学校施設費国庫負担法案内閣  提出衆議院送付) ○学校教育法等の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今より文部委員会開会いたします。  暫時休憩いたします。    午前十一時十七分休憩    ——————————    午後一時五十九分開会
  3. 川村松助

    委員長川村松助君) 委員会を再開いたします。  私立学校教職員共済組合法案について厚生委員会から当文部委員会に対して連合委員会開会申入れがありました。つきましてはこの申入れを受託して厚生委員会連合委員会開会することに異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議ないものと認めます。日時その他については厚生委員長と協議してきめる関係上、その点は委員長に御一任願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 川村松助

    委員長川村松助君) それでは御異議ないと認めてさよう決定いたします。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕   —————————————
  6. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記を始めて。  次に公立学校施設費国庫負担法案議題といたします。本法案は去る七月十四日に提案理由説明を聞いております。質疑は本日が初めてでございます。念のため申上げますが、七月二十三日に衆議院では修正して本院に送付になつております。なお委員会において附帯決議がせられております。御質疑に入る前に本法律案審議方法について総括質問逐条審議と分けておやりになりますか。それとも初めから一本で差別なしに質疑に入られますか。
  7. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 一括して……。
  8. 川村松助

    委員長川村松助君) 一括して質疑に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 川村松助

    委員長川村松助君) 一括して質疑に入ります。御質疑のあるかたは御発言を願います。
  10. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 私はこの法案は悪平等の典型的なものだと思つておるのです。と申しますのは、成るほど公立学校災害並びに戦災を受けた施設復旧をいたしますのに、国が二分の一とか三分の一を補助することにいたしますと、如何にも平等のように聞えますけれども、おのおの各府県財政状態が不均衡がございます上に、やはり災害にしろ戦災にしろ受けている程度が各府県で別々でございます。そういたしますと、折角復旧工事を起そうと思いましても、たとえ国家が見てくれましても自前持のものの財源がないということになりますと、いつまでもこういうふうな施設復旧いたしません。教育はやはり国の子供を育てますので機会均等原則に則つてやられなくちやいけませんので、むしろ私はこういう問題は、全国一律に危険の程度を標準にいたして国家のほうで調査いたしまして、この線以下はどうしても子供教育にふさわしくない施設であるという鑑定が下されましたら、それ以上の危険校舎に対しましては国家財源によりまして早く修築すべきであつて、そのために地方財源のでこぼこがあるといたしますと、別個に幾らかの金を国家が吸い上げるというふうにすることか理想でないかしらんと考えているわけでございます。この法案のみならず最近文部省から出て来ますこの種類法案はみんなこういうもので、どうも極めて悪平等に聞えますので、なぜこういうふうになさいますのか、ちよつとお尋ねいたします。
  11. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 質問の要旨は、要するに戦災学校復旧補助金或いは災害学校復旧補助金或いは老朽学校の政策の補助金、そういうものにばらばらに出すということは面白くない、やはりこれは当該町村財政規模を検討して、その財政規模に応じて何らか一本でこれは国が補助をするなり助成をする、そういう措置が望ましいのではないかというふうに私は解釈いたすのでございますが、結局これはお説のように、町村財政の何と申しますか、不均衡と申しますか、町村財政が非常に総じて困難を極めておる、而も町村各自の間で非常にアンバランスがあるということが勿論前提になつておるわけでございます。かるがゆえに今日平衡交付金という制度がございまして、それによつて町村財政平衡化ということを図つておるのだろうかと思うのでございます。さような意味におきましては、これは平衡交付金のみによつてこれを平衡化する、均衡を保つということも、これは御指摘通りであろうかと思いますが、併しながら平衡交付金は、平衡交付金としての、又別の使命がございます。それのみによつてこれは町村財政の不均衡化ということは救済されるものではないというふうに考えられますので、やはり教育の面につきましては、これは別の補助手段を講じ、或いは農林関係につきましては別の補助手段を講じ、又厚生関係につきましては別の補助手段を講ずるということがどうしても必要になつて来るのじやないかと思うのでございますが、従いまして御指摘のように、確かに各方面から補助当該町村に出るということは好ましい姿ではないという考えでありますが、現実の在り方としては、やはりこういう補助がどうしても必要にならざるを得ない、こういうことではないかと考えるのでございます。成るほど御指摘のような面の関係に限つて申しますれば、確かにこの学校校舎に対しまして、或いは危険校舎補助金とか或いは災害学校補助金というものがございますが、これはそれぞれ対象が異なつておりますので、どうしてもかような別々の助成の途が必要になるのではないかと考えます。御趣旨は誠に御尤もでございますが、現状においては、やはりこのような制度がどうしても止むを得ないのではないか、かように考えております。
  12. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 文部大臣の御出席があつてくれたほうがよかつたと思うのでございますけれども現状においては、止むを得ないと仰せになりますけれども、私は改造の余地があると思うのでございます。こういうようなやり方にいたしますと、たまたま富裕県でございましたら或る程度施設復旧ができるでしようが、併し自前持で金の捻出方法のない貧困県でございましたら、ひどい危険な校舎もじつと我慢して子供教育をしなければならないということになりますと、これは非常に弊害が多い、それからもう一つ平衡交付金がそのために準備されておるようでございますが、今年の予算では、僅か五十億で平衡交付金の中で一昨日ここを通過いたしました学校の先生の年末手当が、今度は期末手当勤労手当にわけられました、それでもう二十億減つてしまつてあと三十億しかない、こんな小額な平衡交付金では大きな仕事はできませんので、危険の度合のひどい所から、順々に全国差別に調査いたしまして、危険の度合のひどい所から国庫で負担するのが理想だと思います。急場には間に合わないかも知れませんが、文部当局はこういうことをよく考えてもらいたいということを希望として申上げておきます。
  13. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに御質疑ございませんか。
  14. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この法案の第五条の二項に関係をいたしましてお尋ねをいたしますが、この第二項については、衆議院のほうで修正になつております「政令で定める」ところを「その教育を行うのに必要な最低限度の」というふりに修正になつておりますが、文部省のほうとしては「その教育を行うのに必要な最低限度の」とは、どの程度考えておるかということについて一つお伺いしたいと思います。従来は生徒一人当り小学校が〇・七坪というような基準になつてつたのですが、これをやはり今後も最低基準として保つて行くのか、或いはこれは戦後の応急的なものであつて今日では最低基準以下のものであるというふうにも私ども考えておりますが、文部省のほうではどのようにお考えになつておりますか、その点をお伺いしたい。
  15. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) お答えいたします。確か昭和二十二年から新制中学整備国庫補助が開始されたと記憶しておりますが、爾後今日まで国の補助基準といたしましては、御指摘のように一人〇・七坪という基準で参つておるのでございます。今日までそれが国の補助といたしまして、二百億以上のものがすでに支出されておると記憶いたしておりますので、この〇・七坪という基準につきましては、確かに応急最低基準でございまして、これはすでに御存じと思いますが、廊下教室便所という誠に貧弱な応急最低基準でございます。我々は決してこれで十分とは考えておりません、又学校側といたしましても非常に不自由を感じておることは一承知しておりますが、如何せん財政の都合上今日まで〇・七坪ということで参つて来たのであります。併しながら大体〇・七坪もほぼ目的を達しました、と申しますのは、当初の不足坪数をほぼ充足いたしました結果でございます。これは勿論計数上の充足でございますが、ほぼ 〇・七坪の充足を今まさに見んとしておりますので、従いまして将来はこれはどうしても最低基準までこれを引上げなければならんということを強く要望しております。又私どももさよう考えておりますので、是非これを最低基準の線まで持つて行きたいというふうに考えております。その最低基準と申しますのは、〇・七坪に予想しております廊下とか教室とか便所のほかに、管理室、これは職員室でございますが、管理室のほかに特別教室といつたものを加えましてこれは結局生徒一人当り一・二六坪になるわけでございますが、この一・二六坪まで是非充足いたしたい、将来は是非この線まで充足いたしたいと、かように考えておりますが、只今ども考えといたしましては、これは〇・七坪を完成いたしました暁におきまして、この一・一穴坪充足という問題を取上げたいと、実はさような心組を持つております。一・二六坪と申しましても、必ずしも十分ではございませんが、当面とにかく最低基準で困難を極めておりまする学校に対しましてこの一・二六坪ができますれば、相当私は充実されるのではないかというふうに考えております。
  16. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そういたしますと、公立学校施設建築に要する経費に対して補助する場合、現在の〇・七坪から一・二六坪にまで整備されるまでは国庫補助をやつて行く、こういうふうな考えを持つておられるというように解釈していいわけですか。
  17. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) さようでございます。
  18. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それからこの法案には、地域的な考慮が全然払われておらないようでございますが、私の考えでは、地域的な考慮を払う必要があるのではないかというふうに思うのであります。それは北海道の例でございますが、北海道に対しまして国が補助をして行く場合、これは明らかに特別な考慮を払つております。で、私は今ここに一々具体的な例を申上げませんが、ただ一例だけを申上げても、公共土木施設に対しましては、災害復旧補助といたしまして北海道以外の府県に対しましては三分の二の補助であるのに対して北海道の場合は五分の四を補助をいたしております。これはやはり気候という特殊的なものがあつて工事その他に相当違いがあるというふうな点を考慮された結果であると思います。従つて学校建設のような土木事業については、北海道を特別に他の例にならつてみる必要があるように私は思うのですが、そういう点について文部省の見解を伺いたいと思います。
  19. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) お話は北海道に対する補助率の点につきまして特別に内地違つた措置が必要じやないかということかと思いますが、この点につきましては、確かに御指摘のごとく公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の面におきましては、確かに北海道につきまして特殊な扱いをしておることは事実であります。その地森林法とか或いは道路法とかいうような面におきましても、さような扱いをしておるようでございます、と申しますのは、これは北海道特殊性ということか考慮された結果であろうと思うのでございます。従いましてこの公立学校施設費国庫負担法におきましても、北海道に対しては特別な扱いをすべきじやないかという御意見は一応御尤もでございますが、併しながらこの点につきましては、私どもは従来北海道につまして単価の点につきましては特別な考慮を払つております。又坪数配分の際におきましても、北海道につきましては事実上特別な配分考慮を払つておりますので、これによつてほぼ北海道に対する扱いといたしましてはいいのじやないかというふうに考えておりますので、本法案におきましても、北海道につきまして特別な補助率を設けるということは考慮いたしませんので、これは従来通り事実上の扱いとして考慮を払うというように考えております。
  20. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私は北海道特殊性というものはやはり尊重さるべき性質の問題だというふうに思うのです。併し今局長説明では、実際上の取計らいの上において考慮をしておる。特に単価確かに北海道の場合は基礎工事その他において内地と違う点があると思うのです。そういう単価の問題或いは坪数等の問題でそれを補うような配慮をして頂く、こういう説明がありましたので、私もこれ以上は申上げませんが、この点は十分留意して今後もやつて頂きたいということを希望申上げておきます。
  21. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに御発言ありませんか。質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 川村松助

    委員長川村松助君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  23. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記を付けて。  それでは討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  25. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私は社会党第四控室を代表いたしまして、本法案賛成意見を申上げます。ただ本法案につきましては附帯決議を附したいと考えておりますので、その内容只今から申上げたいと存じます。  本委員会は、公立学校施設費国庫負担法案に対し、次の通り決議する。 一 災害復旧及び戦災復旧に要する経費算定基準政令で定めるにあたつては、従来の基準によることなく、とりあえず少くとも最低基準までの復旧を実現するとともに、さらに将来は原形復旧が実現されるよう考慮すること。 二 災害復旧国庫負担率は三分の二であるが災害地域及び災害種類並びにその程度によつてはこの率を更に引上げることを考慮すること。 三 災害復旧適用除外限度額政令で定めるにあたつては、建物建物以外の工作物土地及び設備についてそれぞれ十万円とすること。 四 義務教育年限の延長に伴う公立学校施設建設に要する経費算定基準としての教育を行うに必要な最低限度坪数については、現行の生徒一人当り〇・七坪は単に終戦直後の暫定措置であるから中学校校舎については補正付一・二六坪、盲学校及びろう学校校舎については二・八八坪及び寄宿舎については五・〇〇坪迄、速かにその基準引上げが実現できるよう措置することとし又衆議院送付案の附則第二項第一号の児童及び生徒の数を政令で定めるにあつては、これをその年度当初現在の児童及び生徒の数とすること。 五 積雪寒冷湿潤地帯中学校の外速やかに小学校盲学校及びろう学校屋内運動場についても予算措置を講ずること。 六 公立学校国庫負担金予算については防火地域外にも鉄筋造鉄骨造を含む)が建築できるよう措置すること。 七 以上の公立学校施設整備については、教育重要性にかんがみ、合理的年次計画をたてて速やかに完了するよう予算措置すること。  以上でございます。
  26. 相馬助治

    相馬助治君 只今議題となつております公立学校施設費国庫負担法につきまして、私は社会党の第二控室を代表して賛成意思を表明いたします。日本が文化国家建設ということを謳いながら、財政上の理由を以て学校施設等についても、なかなか思うように進まないことは誠に残念なことであり、且つ又財政上のしわ寄せが特に教育の面に寄せられて戦災復旧公立学校施設というものもうまい状態に行つていないことは誠に私どもの遺憾としたところでございまして、これらの経緯に鑑みまして、復旧経費について国庫負担内容を明確にし、公立学校施設整備を促進し、学校教育の円滑な実施を確保するという意味合いを以て本法案提案いたしました政府に対し、一応敬意を表す次第でございます。而も衆議院におきまして、その国庫負担負担率その他について誠に妥当な修正が行われましたし、且つ又只今同僚荒木委員によつて極めて必要な、極めて妥当な附帯決議案提案されたのでございまして、この法律案が施行されまするならば、公立学校施設について格段の進捗を見ることは疑いを入れないところだと存じます。この際文部当局においても、いま一段の努力をされることを要望いたしまして私は荒木委員提案附帯決議を添えて只今議題となつておりまする公立学校施設費国庫負担法案衆議院修正にかかる送付原案に対して、賛成意思を表明いたします。
  27. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 この原案は、必ず一定額は各地方財政が負担しなければならない原則になつております関係上、如何に危険の度合の高い、そうして又そういう学校の数多くを背負つている府県がありましても、たまたまその地方財源貧困でありますときは、いつになりましても復旧工事が困難という大きい欠点を持つていると存じます。又現状平衡交付金制度によりましても、この欠点を完全に補うことができないと存じますので、将来は速かに、府県別ではなく、全国一律に危険の度合の高い校舎は、全額国庫負担によりまして、速かに義務教育を安全な校舎において学ばせることができますように御配慮されますことを希望いたしまして、本案暫定措置として改進党は賛成いたします。
  28. 高橋道男

    高橋道男君 私も衆議院から修正を経て送付された本案賛成いたします。  なお、希望として申上げたいことは、この災害復旧の場合にも、単に原形復旧にとどまらず、その必要に応じては、改善或いは拡張ども加えて復旧しなければならんことも、再々あると思うのでございますが、そういう場合には、予算関係から、原形復旧ということに囚われずに措置されることは当然だと思うのでありまするが、ややともすれば、形式的にそういうようなところにしわ寄せされる虞れもありまするので、将来のことを考えて、復旧ということには、改善拡張ということも含めて措置されるように希望いたしたいと思うのでございます。  それからもう一つは、義務教育年限の延長によつて逐年校舎拡張などが行われ、又児童生徒の増加によつて校舎拡張が行われるのでありますが、校舎拡張ということは、単に校舎拡張のみにとどまらず、敷地、土地も又拡張しなければならんということが必然的に伴つて起り得ると思うのであります。そういう場合におきまして、校地獲得ということについて、殊に都会地等におきましては、その方法が、周囲の状況からして、しばしば困難な状況に追い込まれているようなことも事実ございますので、そういう場合には、関係諸機関におきまして単にこの校舎建設に関する予算措置ということにとどまらず、土地獲得その地のことにつきましても、それぞれお力添えを頂いて、この義務教育学校の拡充、充実に資せられることを希望して、私の賛成意見を申上げる次第であります。なお、私が申上げたことと若干相違することがあるかも知れんと思いますが、原則的に荒木委員から提案されましたこの決議賛成いたす次第であります。
  29. 須藤五郎

    須藤五郎君 私は少し質疑をいたしたいと思つてりましたが、今ちよつと席をはずしておる間に、討論が打切りになりましたので、質疑をすることができなくなつたのでありますが、私も、この法案にいろいろまだ不備な点もあり、不満な点もありますが、賛成をしたいと思うのであります。ただ、先ほど深川委員からも意見がありましたように、地域的にいろいろな問題があると思うのです。従いまして、今度九州のような場合は、非常に災害程度が甚だしいという点、その点で、同額の三分の二というようなことでは、なかなかむずかしい点が出て来る。而も地方では、今度は税金が集まりませんから、なかなか容易なことではない。九州のようなところでは、こういう状況、条件では復興ができないのじやないかと、そういう心配かあるのです。ですから、そういう点、大いに政府のほうで全額負担するというような方向に今後進まれることを強く要望いたしまして、私は賛成いたします。
  30. 木村守江

    木村守江君 私は自由党を代表いたしまして公立学校施設費国庫負担法案並びに修正案並びに只今荒木君から提案されました同法案に関する決議案賛成の意を表するものであります。ただ私は申上げたいことは、災害復旧に関しまして、その実際の状態を勘案するとともに、原形復旧するということは勿論でありまするが、なお、私は一歩進んで、教育施設充実をはかるという点から考慮いたすならば、例えば、災害復旧の際に、橋梁等災害にかかつた場合に、木橋は流され易い、そういう点から、永久橋にしなければならない所が永久橋に変えられてあります。今回の九州災害において、私の聞いたところでありまするが、災害地において、鉄筋コンクリートの小中学校でありましたが、その所では一人も生徒児童災害を蒙らずに、その学校に避難したために一命をとりとめたという立派な実例が挙つておるのであります。そういう点から考えますると、私は原形復旧というようなことに囚わるべきではない。むしろその地方の実情に即応した学校建築をして行くということでなければならないと考えるのであります。そういう点を考慮されるように希望いたしまして本法案賛成いたすものであります。
  31. 川村松助

    委員長川村松助君) あと意見ありませんか。御発言は尽きたものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議はないと認めます。それではこれより採決に入ります。公立学校施設費国庫負担法案議題といたします。本案を可決することに賛成のかたの御起立を願います。    〔賛成者起立
  33. 川村松助

    委員長川村松助君) 全会一致であります。よつて公立学校施設費国庫負担法案全会に致を以て決することに決定いたしました。次に、只今討論中一ありました荒木提案附帯決議を採決いたします。荒木提出通り付帯決議を付することに賛成のかたの起立を願います。    〔賛成者起立
  34. 川村松助

    委員長川村松助君) 全会一致と認めます。よつて荒木提出付帯決議を付することに決定いたしました。なお、以下事務的な処置につきましては、慣例によりまして慣例通り取計らつて異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議ないものと決定いたします。なお報告書には、多数意見者署名を付すことになつておりますから、賛成のかたは順次御署名を願います。  多数意見者署名     大野木秀次郎   吉田 萬次      大谷 贇雄   谷口弥三郎      荒木正三郎   長谷部ひろ      木村 守江   八木 秀次      安部キミ子   高橋 道男      須藤 五郎   相馬 助治      深川タマヱ
  36. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記を止めて。    〔速記中止
  37. 川村松助

    委員長川村松助君) じや速記をつけて。  学校教育法等の一部を改正する法律案議題といたします。  前回において質疑は終了しておりますから、これより直ちに討論に入つて異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 相馬助治

    相馬助治君 この際、議事進行の問題ですが、確認しておきたいのですが、本法案については或る会派から修正案があるように聞いたのですが、それらの点を一つ委員長にたしかめたいと思います。
  39. 川村松助

    委員長川村松助君) 別に私のところへは出ておりません。
  40. 相馬助治

    相馬助治君 それじやお進め下さい。
  41. 川村松助

    委員長川村松助君) 御質疑は大体終了したことと思います。終了したことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  43. 須藤五郎

    須藤五郎君 私はこの法案に反対の意思を表明したいと思います。と申しますのは、今日まで教科書の検定は、府県教育委員会に検定権があつたのを、その検定権を廃止して文部大臣一本の検定権にしようという趣旨でありますが、私は今日の、これまで戦後やつて来ました文部行政の立場から見まして、文部大臣一本の検定にするということには或る危険を生じるというふうに考えるのであります。運営を一つ過ちますと非常な反動的な教科書、即ち昔の国定教科書のような教科書ができ上るという懸念がありますので、先ずその点において私はこの法案に反対をしなければならないと思うのです。なお大臣の検定権一本にしようという主張が、府県教育委員会に検定権を持たすと府県版かできるというようなことが理由になつておりますが、私は今日の教育上、この地域的な特色があるということも一つ教育の妙味だというように私はむしろ考えるのでありますから、このことはこの法案を作る理由には余りならないと思いますので私はこの法案に反対の、簡単でありますが意思表明をしたいと存じます。
  44. 相馬助治

    相馬助治君 只今議題になつておりまする学校教育法の一部を改正する法律案は、その内容とするところは、教科書の検定の制度をこの際新たなる制度をこの際新たなる角度から確立しようとする一つの意図を持つておるもので、誠に重要な法案であると存ずるのでありまして、この法案に関しましては我が党においては特に政調その他をして慎重に審議をいたしたのでありまするが、その過程においては賛否相半ばし、極めて重大なる関心を以て本法案の今日までの審議過程を本員は見守つて参つたものでございます。質疑の過程において明らかになりましたことをここで繰返して確認したいと思いますることは、先ず文部大臣は、国定教科書に逆行する意図はいささかも持つていたいという点。  第二は福井政務次官の言明といたしまして現在行われておりまする教科書審査の委員会については、大体において現行法を守り、なおより民主的なる配慮をする意図を持つておるという言明でございます。  従いまして私どもは現実の問題といたしまして、現在の府県教育委員会が教科用図書の検定をすることは、理論的には民主的であり望ましい姿ではあるけれども、現実に府県教育委員会がその任に堪えるや否やということについては、誠に疑問なきを得ないと共に、近き将来においてもこの重大なる使命を持ち得るような機構とその組織にまで成長するということは、望み得ないのではないかというふうに考えられるのであります。従いまして文部大臣一本に検定をするというこのことは一応中央集権に逆戻りすることであり逆行コースを行く感がなきにしもあらずでございますけれども、先の政府言明並びに現在の置かれておる教科用図書の検定の制度、その実際等に鑑みまして私どもといたしまして、はこの法律案に対し、特に政府の言明を信頼いたしましてあえて賛成をするものでございます。何とぞ文部当局におきましては、この法律案に対し、以上のことを申上げて賛成をいたしまする我が会派の意思のあるところを諒とせられ、文部省自身が教科用図書検定については、現在の審議会の制度において、日教組を初めとして、現場の教職員をその委員に喜んで採用し、これの審議に当つておる民主的態度をより進めることを強く要請するものでございます。  以上を以て社会党第二控室を代表して、本法案賛成意思を表わす次第でございます。
  45. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私は社会党第四控室を代表いたしまして本法案に反対をいたすのでございます。その理由は、第一は、教育委員会が、教育委員法の根本精神は、地方の実情に副うような教育をその住民の意思によつて行う、こういうところにあると思うのです。従つて教科書はその教育を行う重要な教末でございますので、どうしても教育委員会法の根本趣旨から考えて、教科書の検定権は都道府県教育委員会が持つということが、この趣旨に叶つておる。これを文部大臣に移行して全国一本にするということは、中央集権の弊を免かれることはできない。こういうふうに考えておるものであります。  それから第二番目の問題といたしましては、須藤氏からも述べられましたが、教科書の検定権が教育委員会にあると、地方まちまちのものができて困ると、こういう意見があつたのでございますが、むしろ地方の特色というものが加味されることがいいのじやないかというふうに考えておるわけであります。地方にはそれぞれ特殊な事情もございます。気候、風土の上から考えましても、又産業、いわゆる農、工、商、水産、こういうふうな産業の面から考えましても、それぞれ異なつたものがございます。こういうものを地方的な、特殊的なものを教科書に織込んで行くということは、これは非常に必要なことじやないかと、こういうふうに考えます。そういう意味におきまして今度文部大臣に統一して検定権を持つということについては、私は相当な疑義を持つておりますので、以上のような理由によりまして本法案に反対をいたすものでございます。
  46. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに御発言ございませんか。
  47. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 文部大臣の責任において教科書の検査をされますことは、私賛成に存じますけれども、現段階においてまだ修身、歴史、地理という学科も整備されておりませんし、修身のごときは徳育の基礎さえもはつきりと承わつたことのない段階でございます。そういうときに果して文部大臣がどういう抱負、どういう標準に基いて検定をされますか、誠に不安でございます。その他英語、漢文、女子の家政科或いはお作法等々、時間の関係上、政府の方針の聞けなかつたところも非常に多いことは残念でございますけれども、とも角も各界の権威者をできるだけ大勢お集め下さいまして、今日日本のこの段階におきまして将来の第二国民の養成に当つて遺憾なきよう、十分なる御配慮を頂きますことを附加えまして、改進党を代表して賛成いたします。
  48. 川村松助

    委員長川村松助君) 別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。学校教員法の一部を改正する法律案議題に供します。本案を可決することに賛成のかたの御起立を願います。    〔賛成者起立
  50. 川村松助

    委員長川村松助君) 多数でございます。よつて学校教育法等の一部を改正する法律案は多数を以て可決されました。  なお以下事務的なことは慣例の通り行いますることにして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議ないと認めます。  なお報告書には多数意見者署名を付すことになつておりますから、賛成のかたは順次御署名をお願いいたします。  多数意見者署名      相馬 助治  谷口弥三郎      高橋 道男  剱木 亨弘      木村 守江  大谷 贇雄      深川タマヱ
  52. 川村松助

    委員長川村松助君) それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後二時五十六分散会