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政府委員(
稻田清助君) 前段は根本的に
免許法を
改正する用意があるかというお尋ねでございますが、これにつきましては、まあ終戦後出発いたしましたあらゆる
教育制度につきまして、それぞれの部面において、常に再検討を加えつつあるという一部といたしまして、養成或いは
免許制度につきましても
教育養成
審議会という
文部大臣の
諮問機関を設けまして、現職の
教育者或いは
学識経験者その他のかたをも
つて、
委員といたしまして、先年来研究いたしております、この
委員会におきましても、まあいろいろ御検討になりました結果が今回の
改正案にな
つて参
つたわけでございますが、更に根本的に検討するという点につきましては、今
委員会の御
審議の
傾向としては折角今
高等学校以下の
教育につきまして、
教育課程
審議会におきまして御検討中でありますから、その御検討の結論を見まして、
教員免許状或いは養成
制度につきましても根本的な検討を加えよう、それらの成行きを今見守
つておるというような状況でございます。
本法の簡易化につきましても、勿論我々といたしましても、できればもつと簡素にいたしたいのであります。ただその
一級、二級、仮、臨時というような級別にいたしまして、現在のところ
教員養成が四年を本体としながら、二年課程にも相当依存しなければならんという状況から見れば、やはり当分の間この二級という級も必要じやないか、或いは又助教が非常に多い、殊に僻地あたりにおいては一年養成ということも奨励的に考えなければならんというような状況から見れば、仮というのも当分存置しなければならんじやないか。こういう経過的な問題もございまして、根本的に今直ちに全面的に
改正するという結論は得ておりません。併し今申しましたように
教育課程
審議会で
高等学校以下の
教育内容が変
つて参りますれば、それを機会にできるだけ従来各方面にありました御論議を参考として
改正を考えて行きたいというつもりでございます。
それから第二点の、昔ありました検定
制度、あれを復活する意図があるかどうか。この点もやはり
教員養成
審議会で論議せられたのでございますけれども、その結果といたしましては、全然教職にないかたに対して、検定
試験という一片の
試験を以
つて免状を与えるということは、まだ適当じやないのじやないか、やはり建前は
学校教育、
大学教育を養成の根本とし、それから再
教育も
大学教育を根本とする、この
範囲において認定講習、通信
教育以外に
大学に依嘱して行なう
試験によ
つて単位を修得させる、その道を開こうというのが今日の考えでございます。それ以上のことはまだ我々としてもまた養成
審議会としても考えていないのでございます。