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高田なほ子君 御苦心のほどは
お話の中に窺われるわけでありますが、〇・七坪に満たないいわゆる
落ちこぼれというものも
相当の
数字に上るわけであります。〇・七坪から更に
基準を
引上げるということのために
予算の
要求がされておるようでございますが、それはそれとしても、それの全部でなくて、五カ年計画の一部であるということに
なつて参りますと、
基準引上げという楽観的な
考え方を私
どもは現実の問題として、そう受取り難いのであります。問題は、その
自然増を今まで
地方に臨時に委ねていたというところに問題があるので、それを解決することなしには、この百万人の
児童増の具体的な
収拾策は私
はつけ得ないのじやないかと思う。ここでそれを論戦するわけではないのでありますが、今日なかんずく
木村さんも先般御発言に
なつたことですが、私も又東北に
参つてよりより実態を見ましたが、実に二十五株刈り取
つても、茶碗に一杯の
米粒すらとれない、どうにもこうにもならないという、実に言語に絶する
冷害地方の悲鳴を聞いておりますので、ただ単に
起債に委ねるというようなことでは、これ又
見通しが非常に暗いように思うわけです。そこで勿論私から申上げるまでもないことでありますが、これはただ単に
基準増という
基準の
引上げ、或いは
落ちこぼれを
収拾して行くというような
彌縫策をもう一歩進められまして、でき得べくんばこの
起債の枠をどうしても拡げて、百万人の
児童を遺憾なからしむるべく取上げて行くという
方向に、更にもう一段の御尽力を特にお願いしたいということ。それからもう
一つ関連いたしますことは、
児童増に
関連する
教職員の
養成の問題は、勿論これが契機ではないと思いますが、取上げられておるようで誠に結構であろうと思います。ただ御
質問を申上げたい一点は、最近全国的に、なかんずく
婦人教師に対する
辞職勧告がどんどんと来ておる。その
勧告の
理由は、全く問題にならない
勧告の
理由を挙げてあなたはもう四十五に
なつたからやめたらどうか、又旦那さんと共稼ぎだから、あなたはもうおやめに
なつたらどうかというように、全国的に今日一番弱い
婦人教師の上に首切が来ている。誠にこのことについて、
婦人教師側からは不安な声が上
つておるわけですが、一部にはその
教員の
養成ということを主張して、
予算を組んでおられながら、一部には
母性教師を、まだ十分に働き得る
教師の
辞職勧告をするというこの矛盾というものは、どうしても私にはわからない。なかんずく山梨県下の七名の
婦人校長あたりは、七名全部に
降職勧告が来ているというような
一つの例があるわけでありますが、これはまあ
辞職勧告とは
ちよつと性格が違うかも知れませんが、非常に
教員の
身分に今不安定を来している。これは誠に由々しい問題でございます。この
教員の
身分の不安定と、或いは
教職員の
養成という問題とを、どういうふうに
関連づけておられるものか、これが一点。
もう
一つは、最近の
教職員の
身分の不安定の
原因の
一つとして、
警察がやたらに
教職員の
身分調査のようなことをや
つている、こういうことを具体的に聞くわけであります。
公安調査庁が、この
破防法という
法律に基いて、いろいろな仕事をするということは、これは
国会が通したことですから、別に我々はそれについてその
法律がいいとか、悪いとか今更言うわけじやありませんが、何の罪もない、何のそれに該当する筋合のない
教職員の身辺にまでも、
公安調査庁の手が伸びておるということは、誠にこの
教職員の
身分不安定の大きな
原因をしていると思います。どうぞ今申上げたように、
教職員の
養成という問題と、
婦人教師に対する全国的に亙る
辞職の
勧告の問題と、それに伴う
教職員の
身分不安定の要因の
一つであるこの
公安調査庁の不当な検察というものを、どういうふうに一体お
考えに
なつておるか。又それに対してどういう手を
使つて、この
身分の不安定を除去されようとされるのか、それをお伺いしたい。