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清澤俊英君 この問題はいずれ又時期を見てお伺いをしたいと思います。御
承知おきを願います。
実は甚だこの重要な大臣の行政の質問の真つ最中に、
ちよつと横にそれたお伺いになりますが、全農林と林野庁との間におきまして、本年の一月以降の賃金の改訂増額につきまして争いがまとまらんで、それが四月六日に調停に入りまして、六月の二十六日に調停案第三項というものが出ておるのであります。これがこの七月の六日には、両方から本調停案を呑むか呑まないかということを調停
委員のほうに申出なければならん、それがまだ両方とも本案に対しますところのはつきりした意思表示が
なつておらんのであります。そこで私が申上げるまでもなく、この調停案という、
一つの調停
委員会というものができますることは、公共企業体等労働
関係法によりまして、いわゆる公務法によりまして、労働者の正当なるスト権が抑圧せられてその代償として調停というものが持たれて、その代替をしておる、こういう観点に立つた調停案というものがそこへ出まするとき、どうして
政府は呑まないのだ、今までたくさんの調停がありましたが、大体労働者は呑むが
政府は呑まんというのが例に
なつておる。これによりますと、それがもつれて来て強制調停に
なつてもなお且つ不満というのが例に
なつておる。一方において
法律で基本的人権を抑えて来て、一方においてはその代償として作つた調停案を呑まないで、いつでも紛糾しているのが例だという形がいつも出ておるのであります。而もこのたび争われておる争点というものを申上げますと昨年のベース・アップに対しまして人事院の勧告は一万三千五百十五円であつたと思います。それに対しまして決定いたされましたものが一方二千八百円に
なつておるのであります。この一万二千八百円という額は、他の公共
団体の額と比べて見ますると、国鉄は現に一万三千四百円、専売は一万三千七百円、全逓が一万四千七十五円、こういう形に
なつておりまして、結局見ますると一番最低である。現在の
段階におきましても、今現在他の公共
団体のもら
つておる賃金ベースから見ると、うんと引下
つておる。それが今度調停となりまして一万三千三百五十円の調停が出ておる。この一万三千三百五十円という調停を現在の各企業
団体から見ますると、なお低位にある。それがどうして
政府は呑めないのかということを私はどうも疑うのでありまして、従いまして調停
委員の調停書などを
ちよつと調べて見ましても、こういうことを言
つておる。極く簡単に言いまするが、国家公務員としての格付なり、給与体系がそのまま適用されているために、その給与は適正を欠いて多くの不合理まで生じておるというようなこともありますし、まだほかにたくさんあなたが調べて頂ければ数カ所あります。(「そんな問題は
内閣委員会でやつたらいい」と呼ぶ者あり)大分給与問題に興味のないお方がおいでのようでありますから……(「興味はあるけど、
内閣委員会でやつたらいい」と呼ぶ者あり)まあ少しお待ちなさい。だから私はほかのほうにいろいろそういう点もありますが、のけておきます。なお調停
委員としましてももう重要な問題として述べておりますこと等を考えて見まするならば、そうして現業においては職員が苛酷な労働に喘いでおる姿を見た。その労働しておる姿の中には、例えば日雇労働者のごとき遥かに封建的な要素を含んでおるものがある。不合理な賃金を少しでも改訂する
意味では極めて重要な
意味を持
つておるが
組合から見るならば不満であろうが、
金額に重点を置かないで、これらを土台として団交を重ねてもらいたいということ、もうこの調停自身が非常に労働者は不満だろう、無理だろう、併しながらそういうことを言わないで、その賃金を語る前に
政府の条件自身が目茶苦茶に
なつているのだから、一万三千三百五十円というような賃金の不満を言わないで、根底の条件から先ず直しなさいと言われているこの調停案をどういうわけで呑まないのかよくわかりませんが、恐らく大臣としましては、この調停案に対し欣然としてお呑み下さるような御用意があると、こう私は考えておりますが、たくさんの労働者はこの調停が一日も早く成立することを望んでいるのでありますが、大臣はどうお考えになりますか、
一つお考えをはつきりお伺いして置きたい、こう思います。