運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-07-10 第16回国会 参議院 農林委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十日(金曜日)    午後一時三十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            宮本 邦彦君            森田 豊壽君            白井  勇君   委員            雨森 常夫君            川口爲之助君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            横川 信夫君            上林 忠次君            北 勝太郎君            河野 謙三君            河合 義一君            清澤 俊英君            戸叶  武君            鈴木  一君   政府委員    農林省農林経済    局長      小倉 武一君    農林省農地局長 平川  守君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○農林政策に関する調査の件  (国際小麦協定を修正更新する協定  の受諾について承認を求めるの件に  関する件)  (日本国に駐留するアメリカ合衆国  軍隊行為による特別損失補償に  関する法律案に関する件) ○開拓融資保障法案内閣提出)   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今から農林委員会を開きます。  最初にお諮りいたします件は、先日小林委員委員を一時辞任せられ、理事補欠のままになつておりますので、その補欠互選でございますが、成規の手続を省略いたし、委員長から指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、私より指名をいたします。小林亦治君に理事をお願いいたします。   —————————————
  4. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に議題に追加になりまするが、国際小麦協定を修正更新する協定受諾について承認を求めるの件を議題といたします。  本件につきましては、去る七月八日外務委員会連合審査を行なつたのでありますが、この際本件に関連して外務委員会申入をしたらどうかというような御意見がありまするが、如何いたしましようか。速記をとめて。    〔速記中止
  5. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて。それではこれから朗読をいたしまするが、こういうような申入をいたしましてよろしうございますか、どうか、一応朗読をいたします。    「国際小麦協定を修正更新する    協定受諾について承認を求め    る件」に関する申入(案)   目下貴委員会において御審議中の  この件について、本協定はさきに貴  委員会と当委員会との連合審査の際  も御汲取り願つたことと存じます  が、わが国農業政策上将又食糧政策  上極めて重大な意義をもつものと認  められ、その取扱いは寸毫も忽せに  することができないものと考えら  れ、特に次の事項について有しくも  遺漏なからしめるよう政府を御督励  願う等特段の御配慮を煩したく  右当委員会の総意によつて申入れ  致します。    記  一 長期に亘る食糧需給計画を策定   し、力を先ず以て国内食糧の増産   に尽し、必要な外国食糧輸入の   確保に努め、国民食糧需給に遺   憾なからしめること。    特に本年産米麦国内生産が憂   慮されている際、これが対策につ   いて万善を期すること。  二 世界における食糧需給並びに   これが価格の推移を些細に検討   し、汎く世界の各地に食糧の給源   を索め、極力廉価にして良質なる   食糧輸入を図ること。  三 食糧国際価格が漸落しつつあ   る現状にかんがみ、差当つてはわ   が国農業の防衛に最善を尽し、延   いては速かにわが国農業国際農   業に対する競争力を培養するため   適切な方策を確立すること。    昭和二十八年七月十日         参議院農林委員会   参議院外   務委員長 佐藤 尚武殿  以上でありまするが、これで申入をいたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議がないと認めまして、至急申入をいたします。   —————————————
  7. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊行為による特別損失補償に関する法律案議題といたします。  本法律案の第十五回特別国会及び水産農林連合委員会における審査の概要は、先日の農林委員会説明いたしましたが、なお清澤委員からの御要求によつて本日これをプリントにいたしまして配付いたしました。水産委員会審査も始まるようでありますが、当委員会のこれに対する態度をおきめ願いたいと思います。速記を止めて下さい。    〔速記中止
  8. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。それではこの問題はいろいろ研究を頂きまして、できれば次回において態度を決定いたしたいと思いますから、よろしくお願いいたします。   —————————————
  9. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) その次に、開拓融資保証法案議題といたします。
  10. 平川守

    政府委員平川守君) 誠に恐縮でございますが、お手許にお配りいたしました議案にミス・プリントがございまして、正誤をお願いいたしたいのであります。一つは二十四頁の第三十六条第二項でございますが、「第十一条第二項第一号の規定による」とありますが、その「第一号」を削りまして、「第十一条第二項の」ということに御訂正を願いたいのであります。その次は四十五頁の附則の第十三項でございますが、農林省設置法の改正の条文でございますが、「第九条第一項中第八号を第九号とし、以下一号ずつ繰下げ」云云とあります八の「開拓融資保証協会指導監督及び助成を行うことと。」いうのを「七の二」ということに、御訂正を願いたいのでございます。
  11. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) この法律案につきましては、先般の委員会で論議されました、開拓営農資金金利引下の問題が残されておりまして、本日政府からその後の交渉の経過の報告を願つて、その上で今後の審議を進めて参りたいということになつておりますので、先ず農林当局から交渉の経緯、結果につきまして説明をして頂きます。
  12. 平川守

    政府委員平川守君) 先般来の御意見もございまして農林中金のほうといろいろ折衝をいたしました。その結果農林中金といたしましては、現在のままの制度の下において二銭四厘まで利子を下げることについては異議はないということを申しておるのでございます。併し私どもといたしましては、二銭四厘ではまだ不十分である、できるならば二銭二厘まで下げさせたいと、かように考えまして交渉をいたしておりますが、二銭二厘まで下げまするためには、この貸出の形式が、その手形日本銀行適格手形になるということが必要である。これは一般貸出のいろいろな関係がございまして、特にこの貸出低利にするためには、そこに手形そのものに特別の性質を持つておることがまあ必要であるということでございまして、我々といたしましては、更に日本銀行等に対しまして、この手形日本銀行適格手形とすることを更に折衝いたしております。これができますれば、中金としても二銭二厘で出すことに異議がないことと考えておりまするので、只今そのところまではまだ日本銀行側の方の確答を得ておりませんけれども、近日中に極力折衝いたしまして、是非これを実現いたしたいと、かように考えております。
  13. 河野謙三

    河野謙三君 過去におきまする開拓者に対する融資の実績からいたしましても、更に今回かような法的措置をいたされました以上は、当然私は疑いなく日本銀行はこれを適格担保として扱うことに私はなると思う。又されるべきであります。若しそうであるならば、二銭二厘で扱い得ると、こういうことならば、そこまで日銀との話を進めて、若しこの法律が通ることによつて二銭二厘に扱い得るということになるならば、そこまで話を進めて、私は政府から御答弁を願うなり、又そういう法律が通るという条件で、私は二銭二厘には扱えるということならそれでもいいと思うのです。とにかくそういうふうな見通しを私は政府からここに出して頂きたいと、こう思う。万々一これが適格担保として扱えないと、私はそういうことはあり得ないと思いますが、扱い得る場合には、二銭四厘、但し我々がここで審議を進める上におきましては適格担保として扱えるという前提に立つて二銭二厘、これを農林省のほうで責任を持つて頂きたい、こういうことを考えますが、如何でしよう。
  14. 平川守

    政府委員平川守君) これは日本銀行のほうの返答によるわけでありまするから、必ず適格担保にできるということを今私が明言するわけにも参らないけれども、併しお話のごとく、過去のいろいろな適格手形の理論構成なり、或いは今回のこの開拓者に対する融資手形性質なりを考えますると、私は十中九分九厘までできるのじやないかというふうに個人的には十分考えております。従いまして、むしろ原則としては二銭二厘が実現し得ると、万一実現しない場合には二銭四厘までは中金約束をしておるというふうな、つまり原則と例外が逆になるというような考え方で結構だと思うのであります。なお、日本銀行交渉いたします場合において、この法律ができるということが非常に重要な要素でございます。政府がこれだけの出資をして法律を以て補償の仕方を明らかにしておる、制度を明らかにしておると、これが日本銀行としてもこの問題を非常に好意的に考えてくれる原因になつておるわけでありまして、その事情一つお含みを願いたいと思うのであります。
  15. 河野謙三

    河野謙三君 すでに中金なり日銀交渉をされたようでありますが、私たちが考えるのに、これは適格担保としての条件において私は何も欠けておるところはないと思いますが、何か日銀のほうから更に適格担保にするためには条件一つ二つ附加えてくれとか、又具体的な条件等はありますか。私はそれは全部満しておると思いますが、欠けた条件がありましたならば日銀のほうから見た場合の欠けた条件適格担保としての欠けた条件がありましたならば、若しそれがあるならば、それが而も妥当な日銀としての要求であるならば、これも本委員会において解決したらいいと思います。それですべての条件を満たして、どこまでも二銭二厘ということにこの委員会で実現するか、さもなければ、実現の見通しを以てこの法案の進行を私はして頂きたいと思うのです。
  16. 平川守

    政府委員平川守君) 日本銀行のほうでこの適格とすることについて研究を要する点は、一点は、例えば一般農業手形のごときものでありますと、あれは原則として供出作物対象といたしております。これはそうでない、それから保険関係が、手形のほうの場合においては保険にかかるというような前提になつておりますが、この点につきましては若干問題がございますけれども、この開拓者作物についても大体保険にかかり得るというふうに農林経済局のほうとも話を付けておりますので、この点が問題にはなつておりましたけれども、これは解消したと思います。それからもう一点は、この手形対象になる作物価格米麦ほど安定しておらんものがあるじやないかということが一つ問題点でございます。併しこれに対しましては、私どもとしては原則は必ずしも法則的にきまつてはおらんけれども、併し借受ける金額肥料代金というような極く僅かなものであるからして、その担保力に不足はないじやないかということを主張しております。又漁業の関係手形のごときは、勿論その価格は安定しておりませんので、そういう例もありますから、この点も日本銀行を説得することはできるのじやないかというふうに考えております。
  17. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、私は今問題になるのは保険の問題だと、こう思うのですが、幸い農林経済局長も見えていますが、これについて私は当然農林省として、この法律と並行して成安を持つて委員会に臨まるべきだと、こう思うのですが、このお見通しをお伺いいたしたいと思います。
  18. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 只今農地局長からお話がございましたような趣旨で私どもも努めたいと、かように思つております。
  19. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、大体日銀要求するものは満たし得ると、又現在満たしてなくても農林省責任を持つて近い将来満たすと、政府責任を持つてやるんじやないですか。我々が約束するんじやないんです。日銀が信用するもしないもない。でありますから、私はこの問題は二銭二厘で勝負はきまつたと思うのです。でありますから、先ほど冒頭に申上げましたように、二銭四厘であつて適格担保取扱いを受けたときは二銭二厘にするというのでなくて、二厘に一応ここではきめておいて、そうしておいて若し万々一、そういうことはあり得ませんけれども万々一それが適格担保として取扱い得る条件が満たされなかつたときには、それは二銭四厘と、こう逆戻りしてもいいと思うのです。そういうことについて私ははつきりと農林省で御答弁願いたいと思う。それからついでにもう一つ伺いたいのですが、過日来の御説明を聞いておりますと、今度の融資の額によつて、大体肥料や餌の資金というものは大部分の開拓者資金を賄い得ると、こういうふうな御説明でありましたが、私が承知するところでは、肥料と餌と両方合算しますと、大体一単位三万円以上になると思うのです。そういたしますと、この程度の金では全開拓者に対して三分の一程度しか私は営農資金として肥料、餌の資金を賄い得ないと、こう思うのですが、この点は農林省のほうではどういうふうな御認識を持つていられますか。
  20. 平川守

    政府委員平川守君) 最初の、二銭二厘というほうできめる。但し万々一適格の問題が解決しない場合には二銭四厘のこともあり得るということは、それで結構だと思います。それから只今借入金額の問題につきましては、やはり農家によつて事情も違いまするけれどもお話のような要望も強いように思つております。これに対しましては、出資金を若干殖やしますれば、それに応じて十二倍の借受けができることになりますので、尤もこれに対しては県及び国の出資がそれに応じて増加しなければいけませんけれども、できるわけでありますから、それによつて只今のような希望のあります向きに対しては、出資金を若干増額するということに作つて参りたいと、かように考えております。
  21. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、一号資金と申しますか、開拓者積立、これをもつと増額するごとによつて、それと比例して国の出資を殖やす、そうして資金の全体の枠を殖やすという準備は政府にはある。こういうように伺つてよいでしようか。
  22. 平川守

    政府委員平川守君) その模様によりまして二十九年度予算等においては或る程度織り込むこともいたしたい、かように考えております。
  23. 森田豊壽

    森田豊壽君 只今河野委員から二銭二厘というお話がありました。二銭二厘できめればいいんじやないか。適格担保として、手形日銀適格担保として認むべきだというお話しでありました。なお日銀のほうへ適格担保としてこれを認めさせるということも重要でありまするが、政府中金に対しまして預入れをしておりまする金利幾らであるか、又開拓者会計を、開拓協会、組合の会計預金を以てやる。その預金は中央金庫に預入れてある。すべて金利は私が申上げるまでもなく預け金貸付金の鞘は幾ばくが適当であるかということになる。又それが金融業者営業費と言いますか、経営費と言いますかになることは私が申上げるまでもないと思います。従いまして預入れている金は幾らか、今度融資する金融もおおよそ見当が付いているわけであります。従いまして、その金利が私の漏れ聞くところによると六分だということでありますが、その政府の預けてある金はもう少し安くこれを預入れることによりまして、仮に五分と仮定いたしますれば、一分違うことは少くとも日歩二厘以上は違うことになります。従いまして二銭二厘というお話でありますが、適格担保日銀が認めた場合二銭四厘が二銭二厘になる。而うして預け金のほうが若しもこれが今まで高く預けていたものを安く預けるなら、借りるほうの側から言えば、なお一分安く預けることになりましてもう二厘は優に出すことができる。即ち二銭でこれを貸付けるという結果になります。この問題をはつきりいたさなければ、政府は高い利息で以て金を預けているのだということになつては相成らん。又少しばかりの金を高く預けることによつて高い金を借りるのだということになれば、開拓者の損害は莫大なものになるのでありまして、すべてこれは終始バランスをよく考え金利を決定すべきものと私は考えております。従いまして、その点に対しまして今幾らで預けてあつて幾ら金額があるか、而うしてこういうことになるということを説明して頂きたいと思います。
  24. 平川守

    政府委員平川守君) 只今農林中金に預けております金額は四億円弱でございます。そのうち一億九千万円ほどは農林債券を買つておる。その残りは年六分の定期預金にいたしておるわけであります。これが約二億足らずでございます。それを全部中央開拓信用基金協会の名前で中金預金しておるわけであります。
  25. 森田豊壽

    森田豊壽君 政府の預ける金を余計にして頂きまして、開拓者預金を下げるということは、開拓者収入の上において預金利息収入でありますから、政府がこの問題を提出するに当りましては、それだけの金を中金に預けて頂きまして、安く預けることを計画することによりまして、この金利がいわゆる相対的に下ることになります。日銀という適格担保のほうに重きを置いておりまするというと、話が手間をとつてなかなか容易でないと私は考えます。政府の金を中金に預入れることの計画を先ず第一番にして頂きまして、それを一分下げて頂く。即ち六分を五分に下げて頂くことは日歩二厘以上は違うはずであります。従いまして、これを一つつてもらう、少くとも開拓者日歩二銭、即ち年利七分三厘で使うにあらざれば、日歩二銭二厘、即ち年利八分の金を使つてやるということになります。これはなかなか容易でない。即ち二銭二厘で一年間やるということはあまり低利でない。即ち少くとも七分近所の金でなければ工合が悪いと私は思います。そういたしますれば預金は六分でありましても、而も借りるほうは七分三厘たということでありますれば、これくらいのことは、一分くらいのことは我慢しなければならん、私はこう考えられるのであります。もう少し政府資金中金に安く預けることを御計画なすつてこの問題を一つ解決して頂く御意思があるかどうか、これを伺いたいと思います。
  26. 平川守

    政府委員平川守君) この利子は、今回の計画におきましては開拓融資保証協会事務費に充てる考えを持つておりまする関係上、これについてどの程度まで下げ得るかということについてはなお研究を要すると思います。御趣旨十分了承いたしますので、そういう方向をもやはり研究いたして見たい、かように考えます。
  27. 森田豊壽

    森田豊壽君 今の問題が一番重要なところでありますから、先ず農林省はそういう方法でやるという御意思を持つておるかどうか、そういう意思があるようなこともちよつと言われたのでありますが、やる気ならばこの問題は造作ないと思います。利息を以て当ると言いますと、たくさん預ければ利息は安くなつて来て利息は十分あるわけです。従いまして金を余計にすれば六分のものが五分になつつてその経費はあるはずです。だから預金があるかどうか。それを余計にして頂くことによつて金利を安くすることができ、この経費も余計預けることによりまして、経費も賄える。金利は安くても収入は多いということになりますので、その意思はつきりして頂きまして、本法案を通過せしむる上におきまして、又金利を確定する上におきまして最も重要だと思いますから、その点をはつきり一つ伺いたい。
  28. 平川守

    政府委員平川守君) つまり只今申しましたように、この利子で一定の事務費を賄つて行きたいという考えがございますので、下げるということになりますと、同時に金額を殖やすということが絡むものと存ずるのであります。結局予算の問題になりまするので、我々としては極力そういう方向に参りたいわけであります。予算の問題もございまするので、できるだけそういう方向に努力はいたします。そういう方向で、研究いたしたいと、かように考えます。
  29. 森田豊壽

    森田豊壽君 ついでに……。予算を組まなければそれは下げることができないというお考えですか。それは予算はその組み方は追加予算なり、何りなでやつて行くことにいたしまして、取りあえずの経費はあるわけです、五分にいたしましても……。だからこれでやつて行く、金利を下げるという計画はここで確定することはできませんですか。
  30. 平川守

    政府委員平川守君) 結局全体のこの保証協会事務費と、それを賄う財源としてのまあ金利というもののバランスをとらなければなりませんので、それだけのバランスがとれるかどうかということを検討しなければなりません。やはり大蔵省のほうとのはつきりした約束のない財源を当にするということもできません。この協会の必要とする経費が賄える限度においてぎりぎり考えてもらいたいと、かように考えます。
  31. 森田豊壽

    森田豊壽君 協会経費は、表を頂きましたが、私が拝見したところでは贅沢だと私は思うのです。恐らく余るではなかろうかと思うのであります。余さないで使つて終えばそれでお終いですが。これは一分くらいの利息が入らなくとも何とか辻褄が合う程度までは合うのじやないか。今までよりは苦しいかも知れませんが、協会経費が足りるとか、足りないとかいう問題よりも、思い切つて開拓農民のためにこれは或る程度まで給付をし、若し足りなかつた場合には、又これに対して助成するなら助成方法をほかにとればいい。従いまして、これははつきり預金金利を一分下げて預けることを承諾して頂ければ、中金は二厘だけは下げることは直ちにできる。あと確定手形と言いましようか、適格手形と申しましようか、要するに手形適格担保としてとつてくれるか、くれないかの交渉が残るわけです。それだけ今日ははつきりして頂きたいと思います。
  32. 平川守

    政府委員平川守君) これは非常に費用が贅沢であるという御意見もございますけれども、実はほかの一般の、例えば農業手形の場合等は中金から出しましたあとで、五厘を系統金融機関でとつておるわけであります。それをこちらのほうは全然とりませんで、この純利子収入で賄つて参ると、こういう計画でありましたために、実はそういうものから比べれば、よほど安上りに経費考えておるということに考えておるのでございまして、これを余り切詰めますと、農業手形の場合のごとく、何か若干の手数料式のものでも、利鞘と言いますか、そういうものでもとらないと賄えないといつたようなことになるのではなかろうか。勿論資金全体を殖やして、預金の額を殖やして、それによつて金利引下をするということは考えられますけれども、これは大蔵省のほうがはつきりしませんと、それを当にして仕事をやつて行くわけにも参らないという事情がありますので、なおその点は一つよく研究さして頂きたいと考えます。
  33. 重政庸徳

    重政庸徳君 開拓者金融利子引下については、相当時間をかけてこの委員会で議論をしたのですが、農地局長も漸く積極的になられたので、やや愁眉を開いたように思うのでありますが、併し翻つて見ると、過去三カ年間の二銭六厘というものは、やはり二銭六厘とる理由はどこにもなかつた。その点が明らかになつたように私は考えられるのであります。ところが今の森田委員の質問で私は憂慮することがここに一つある。これは今農地局長説明で二銭四厘に中金はするということですが、今預けておる積立金三億七千万円、これを裏でこの利子を下げるとかいうようなことがあつた場合、これは今まで委員会研究した問題が無になる。少くとも二銭四厘のこの場合には、今の基金の三億七千万円に対する預金利子は決して低減しないという監督をして頂かなければならん。この点一つどういう御意見か承わりたいと思うのであります。
  34. 森田豊壽

    森田豊壽君 今重政委員のおつしやられた政府の預けてある金を安くしてもらいたいというのでありまして、開拓者預金開拓協会のほうの預金を安くしろという意味でなかつたのであります。御回答の関係でそういうふうになつて行きましたが、私は先ず開拓者といえども預金の一分くらい下げられるということよりも、借入金のほうを下げてもらうほうが開拓者に有利であるという私の主張はちつとも変つておりません。但し政府の預けてある金は、政府に今よりも余計に預けてもらつて、それを安くして、要するに日銀だとか、政府以外の方面の、関連はあるかも知れないが、交渉よりも手取り早くていいのじやないかという意味で申上げたので、その点はどうぞ誤解のないように……。
  35. 重政庸徳

    重政庸徳君 これは政府預金を殖やして、そうして利子を下げるということは、それは理論的である。今二銭四厘に漸く交渉がまとまつて、今現在の状態にある基金を、政府資金といえども、これを下げて、その二銭四厘に上げたものをカバーするということは、これは何か非常にペテン的な問題で、中金と汗をたらして農林省交渉する価値のない問題であると思います。少くともこの際二銭四厘に上げた今としては、この基金を、政府預金といえども、これをこの委員諸君が知らない間に下げるというようなことは、これは強く監督してもらわなければならんと私は考えておるのであります。その点御意見を伺いたいと思います。
  36. 平川守

    政府委員平川守君) 只今のこの政府預金に対する金利の問題につきましては、これは大蔵省との関係もございますので、よく相談をいたしたいと思つております。ただ中金といたしましては、やはり自分の採算の関係もありまするので、その採算の範囲内しか下げられないということになりますから、我々としては或る程度そういう政府預金のような方面は若干下げてでも貸出金利のほうはできるだけ下げない方向に向いたいと、こう考えておるわけであります。只今の二銭四厘ということについては、中金としては確答いたしておりますけれども、二銭二厘のほうは私は原則としても実現するというふうに見通してはおりますけれども中金として無条件で二銭二厘に下げるということをはつきり言つておるわけではありませんので、これは原則として実現するという確信を私は持つております。そういう状態でございますから、只今意見の御趣旨も十分考慮いたしまして、なお折衝をいたして二銭二厘を実現いたしたいと、かように考えております。それからこの政府預金金額を多くして利子を下げる、これは一番望ましいことでございますが、ただ何分にもこれは予算関係になりまするので、今直ちに一億の資金を急にもつと殖やすという前提に立つわけには参りませんので、その点を一つ御了承願いたいと思います。
  37. 重政庸徳

    重政庸徳君 私が質問するのは、今の政府資金一億円ですか、それを下げるという前提の下に考慮して二銭四厘にするということになつたのですか、その点ははつきりして下さい。
  38. 平川守

    政府委員平川守君) 二銭四厘ということを中金が承諾しておりますにつきましては、これは今の預金利子を下げるとか何とかいうことは一切条件を言いませんで、そしてこれは二銭四厘ならば中金は引受けますということをはつきり申しておるわけであります。ただ我々のほうといたしましては、二銭四厘じやまだ困る。是非二銭二厘にしろということを申しておるわけであります。それに対して向うとしてはなお確答はしないわけであります。今の適格の問題とか、いろいろの注文を付けておりますので、これははつきりさせるのにまだ数日かかると、かように考えております。
  39. 重政庸徳

    重政庸徳君 従来過去三カ年間の二銭六厘の経過を考えて見ると、それから今森田委員からの御質問もありまして、どうも政府資金の一億円の利子をこの際又下げるというような交渉が生ずるかもわからんと非常に憂うるのでありまして、この点は強く監督して、現在のままでは下げないという御意思であるかどうか。
  40. 平川守

    政府委員平川守君) 実はこの融資が、一昨年始められたわけであります。そのときには非常に何と言いますか、中金の便宜措置としてやつてもらつておるという形になるわけでございまして、中金としましても、まあ開拓者というものについては、かなりこの金融としての危険を感じておる。そういう状態の下におきまして、特別に政府としての制度というものもなしに中金から相当金額の融通をさせましたわけでございます。そういう場合におきましては、やはり中金としても危険を感ずる関係上、若干まあ高い利子を附けるということはあり得ると思うのです。併しこれは昨年、一昨年の実績によりまして、非常に回収率もよろしいということがはつきりして参りましたので、中金としても最近ではこれはよほど確実な金融になつて来ておるから、その点については金利のほうで相当考慮してもいいと、こういう気分になつて参つたわけであります。まあ過去二銭二厘でやつて参りましたのは当然二銭四厘でもできたことではないかと、こういう理窟も成立つかと思いますけれども、当時の非常に制度もしつかりしてない状態の下において、これだけの中金の金を出させるという場合には、どうもあれはやむを得なかつたのじやないかというふうに考えております。
  41. 重政庸徳

    重政庸徳君 危険を感ずるから……二銭六厘ということはこれはもう議論を尽した問題でありますが、これはそういう理由にならんと私は思うのであります。四億円という担保が入つておる。そうして七億円貸出しておるのだから、だから危険を感じたから二銭六厘とるということは、これは理由にならない。これは又話が逆に戻つて来るのですが、私どもはさように考えておる。今質問しておるところは、そういうところの問題じやなしに、政府資金の今の一億円の利子は勿論政府資金を殖やして、そうして利子を下げるということは合理的で適切な方法であろうと思うのでありますけれども、今のままの一億円の利子を下げるということは、これはこの際二銭四厘上げたということは本当に上げたことにならんので、これは強く監督して、現在のままにおいては一億円の利子は下げないというように監督して頂きたいと存じますが、御意見どうですか。
  42. 平川守

    政府委員平川守君) 先ほど申上げましたように、二銭四厘ということについては農林中金はつきりした回答を寄越しておりますので、この二銭四厘のはつきりした回答には全然そういう条件は附けずに、政府預金利子も下げないということの条件は何にも附けずにはつきりと回答しておりますから、従つて二銭四厘についてはもう御心配ございません。ただ私どもとしてはもつと下げたいと、こう考えております。
  43. 河合義一

    ○河合義一君 過日私が要求いたしました中金の貸借対照表、それに損益計算書、剰余金の処分の書類を手にいたしまして、まだよくこれを見ておらんのでありますけれども只今問題になつております中金から開拓農業者が融通してもらいます資金金利の問題とも緊密なる関係があると思われるところがありまするので、これを一つお伺いしたいのであります。この剰余金の処分を見てみますと、出資配当金一億九千二百六十七万五千円であります。そのほか特別配当金というのが、これも一億五千七百四十九万六千九百七十円と、こう出ております。で、これを見ますと、相当中金は豊かな手許であると思うのでありますが、なおこの特別配当金と申しますものは、どういう種類のものでありますか、少し私もこれについては知つているところがあるのでありますが、それが間違つておるといけませんので、特別配当金はこれはどういう配当金でありますか、一応御説明を願いたいと思います。
  44. 河野謙三

    河野謙三君 議事進行について……。今中金の決算についての河合委員のお尋ねがありましたが、我々もこれには非常に疑義を持つものであります。そこで先日委員長のお計らいで、改めて中金の運営その他につきましては、当委員会で一度十分中金の当事者を呼んで審議をしよう、こういうことに私は委員長のお計らいがあつたと思うのです。従いまして今河合委員からの御提案の問題は非常に、私は問題は決算だけの問題ではなくて、日頃の運営等の問題につきましても非常に意見が多いと思うのですから、後日中金理事長初め当事者を呼んで、当委員会において一日なり、二日なり、たつぷりと中金の運営についての審議を願いたいと思います。こういうことをやつて頂きたい。
  45. 河合義一

    ○河合義一君 私はそれも賛成であります。併し私の言わんとするところは、今日の本委員会に問題になつておりまするリストと非常に関係がある点なんです。この特別配当金は、これは預金利息、貸付利息に対するこれが配当になつておるのでありまして、こういう余計な特別配当をいたしませなんだならば、二銭二厘を二銭に下げることができると思う、これは非常に緊密な関係のある中金収入との問題でもあります。一応ここで説明願つておきまして、なお中金の件についての委員会は後日開いて頂くことには賛成をするのであります。この二銭二厘、もう少し安くできんかというような問題がここに現在出ておるのでありますから、特別配当金の処分法によりまして、それは何でもないことと思うのであります。私不敏にしてまだその計数についてはつきりと頭に入れることができませんので、或いは間違つた質問をしておるかも存じませんけれども、私はそう思うのです。政府当局におきまして、この特別配当金の操作によりまして金利を下げることができるというお考えを持つておられませんか、それを聞きたいのであります。
  46. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 私から申上げまするが、農林中金全般の問題につきましては、従来の皆さん方の御意向もありますので、私から適当な機会に農林中金の当事者を呼びまして、全面的にやはり御質問を願いたいというふうにお話をいたしたわけであります。それは適宜後日やつて行きたいと思いまするが、只今の河合委員の御質問の点だけは、今日お答えを願いたいと思います。
  47. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 只今の特別配当でございますが、これは一般の協同組合と同様で、出資に対して協同組合はまあ配当の制限がございます。中金の場合は六分でございますが、その他に剰余がございますれば、事業分量と申しまするか、中金の組合員の主として預金でございますが、そういう事業分量に対する配当でございます。
  48. 河合義一

    ○河合義一君 私は只今説明でまだ納得ができんのです。腑に落ちないのです。なお私もよく検討した上で、この次の中金に対する委員会のときに詳しく質問をすることにいたします。今日は私の質問はこれでやめておきます。
  49. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 了承いたしました。  他に御発言ございませんか……。御発言もないようでありますから、質議は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  51. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  52. 河野謙三

    河野謙三君 私は本案に賛成するものであります。併し過日来本案の審議の経過に鑑みまして、この機会に特に附帯条件を附して政府に強く要望する必要があると思います。以下私の附帯決議につきましての案を申上げます。    開拓融資保証法案に関する附帯    決議   開拓営農については、その特殊な  事情から、これが必要とする営農短  期資金は特別低利なことを必要とす  るにかかわらず未だこれが実現を見  るに至つていないことは失当と言わ  なければならない。   今回政府は開拓融資保証制度によ  つて開拓営農短期資金の疏通に資せ  んとしているのであるが、併し金利  の是正については未だ見るべきもの  がないのは遺憾とするところであ  る。   すでに実施されている開拓信用基  金制度の実績について見るに、開拓  営農資金の回収は極めて良好であつ  て償還不能のものは殆んど皆無であ  るとの趣であつて、而も今回開拓融  資保証制度が確立すれば資金回収の確実性はますます向上するものと認  められる。   かかる事情に鑑みて、政府は、こ  の際、開拓営農短期資金の疏通及び  これが金利引下げ(日歩二銭二厘  以下)に関して速かに適当な措置を  講ずべきである。   右決議する。  なおここの「開拓営農短期資金の疏通」という中には、資金源の確保、国の保証責任の拡大及び貸出手続の簡素化等一切の事項を含むものであることを念のため附加えておきます。  以上附帯決議を附して本案に賛成するものであります。
  53. 森田豊壽

    森田豊壽君 只今河野委員意見には賛或でありまするが、括弧をしたことは、括弧を抜いて頂きたいと思います。括弧の必要はないと私は思うのであります。二銭二厘というところへ括弧したことですが、括弧をなくして頂きたいと思います。河野委員如何でしようか。
  54. 河野謙三

    河野謙三君 別に異議ありません。
  55. 森田豊壽

    森田豊壽君 思い切つたというのがある場合は括弧したほうがいいと思いますが、これが一番主だから括弧してしまつちや何にもなりませんから、これを現わして頂きたい。
  56. 河野謙三

    河野謙三君 これを文面から言いますと、金利引下となつておりますから、その具体性を括弧して二銭二厘以下、こういうふうにしたわけですが、併し文が適当に、この趣旨を変えないところの適当な表現の仕方があればそれで異議はないと思います。
  57. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  58. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。  只今の附帯決議につきまして森田委員からちよつと御意見がありましたが、今こういうふうに直すということで如何でしようか。最後の項でありまするが、「この際、開拓営農短期資金の疏通及びこれが金利日歩二銭二厘以下に引下げるよう速かに適当な措置を講ずべきである。」、これで御異議はございませんか……。さような附帯決議と了承いたします。
  59. 清澤俊英

    清澤俊英君 本案には大体賛成いたします、社会党としましては……。なお只今議題となつておりました附帯決議に対しましても賛成いたして参りたいと思うのであります。附加えて申上げたいことは、どうも農林関係におきまする取扱いには、他の重要産業等と比べますると、これが育成等に対しましては相当の御努力は頂いておりますが、なお不足しておるものが相当感じられると同時に、殊に日本の農業構成の人員等から見ましても非常に零細農を持つておりまする関係上、もつとすべての農業政策の上に社会政策的な面が強く出て参らなければならんと思いまするが、却つて重工業等の基本産業から見ますと、そういう点が非常に不足しておると考えまするので、こういう点に対して特に御努力を政府当局にもお願いしまして本案に賛成する次第であります。
  60. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 他に御意見もないようでございまするが、これで討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。開拓融資保証法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  62. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 全会一致でございます。よつて本案は全会一致を以て可決すべきものと決定されました。次に、河野謙三君提出の附帯決議を採決いたします。  河野謙三君提出の附帯決議を附することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  63. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 全会一致と認めます。よつて河野謙三君提出の附帯決議を附することに決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容等、爾後の手続きは慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     森田 豊壽  宮本 邦彦     白井  勇  雨森 常夫     川口爲之助  佐藤清一郎     重政 庸徳  横川 信夫     河野 謙三  河合 義一     清澤 俊英  鈴木  一
  65. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  66. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。  それでは他の議案は後日に廻しまして、本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十六分散会