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1953-10-21 第16回国会 参議院 農林委員会 閉会後第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月二十一日(水曜日)    午後二時零分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            宮本 邦彦君            白井  勇君    委員            雨森 常夫君            川口爲之助君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            関根 久藏君            横川 信夫君            上林 忠次君            北 勝太郎君            清澤 俊英君            戸叶  武君            松浦 定義君            鈴木  一君            野本 品吉君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    農林省畜産局長 大坪 藤市君    食糧庁長官   前谷 重夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (冷害対策に関する件) ○政府に対する申入れの件   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今から委員会を開会いたします。  農林委員に変更がございましたので、すでに御承知のところでありまするが一応御紹介申上げます。十月九日付で鈴木強平君に代りまして野本品吉君が、又十月二十日付で小林亦治君に代つて、まだお見えになつておりませんが、天田勝正君が農林委員に就任いたしました。御紹介をいたします。  昨日に続きまして冷害対策の件を議題といたします。昨日は官房長等から冷害対策総括的説明を聞いたのでありまするが、本日は更に各局別に詳細に説明を聞き、御質疑を願いたいと存じます。現在出席されておりまするかたは、畜産局長官房総務課長でありまするから、先づこの二人の事項に当りまして御質疑等お願いいたします。その前に……畜産局長からは昨日の官房長説明以外に特に附加すべきものがないそうでありまするから御質疑をお願いたします。
  3. 北勝太郎

    北勝太郎君 数年に一度は必ず見舞われる凶作地帯というもの、農業の状況でありますが、この地帯はやはりその稲作に依存しておるためにこういう悲惨な目に会うのだろうと思うのであります。今後いろいろ技術も進歩するでしようし、品種も改良されるだろうけれども、なお且つそれでこういう冷害があつても大丈夫だというような安心感を持てる農業ではないと、私はこう思うのであります。そこで農業と言えば直ちに米をとることばかりを考えやすいのでありますけれども、私はむしろ一反歩から多くの飼料若しくは人間の食糧となるもののカロリーをたくさん取ること、これ以外にないと思う。今度の東北地方に行つて見ますと、中にはこの冷害の中でラデノウクロバーどいうのを作つて一反歩五千貫の成績を挙げているところがある。これは飼料的に換算すると、大豆四俵と燕麦二十数俵に当る。一反歩にそれだけのカロリーがあつてそれが牛乳に変つて来るという工合になつておるのでありまして、これらのものは絶対に冷害を受けない。又冷害のようなときが、いくらいに生産が増し、こういうものを加えていわゆる混同農業で行かなければならない。殊に昨日は林業方面につきましても、もつと林業を中に加えたところの混同農業でなければならんと言つたんですが、畜産方面についてもこの機会農家考え方を直す一番いい機会じやないか、こういう工合考えるのでありまして、勿論稲作をやめてというのじやありませんけれども稲作以外に飼料を作るような場所を作るような方法一つ教え込んでおく必要があるのじやないか、こういう工合に思うのでありまして、農業を本当に安全農業にしなければならんと思うのであります。何かこの際特に一つ畜産局としてお骨折りになるようなお考えがあるならば伺つておきたいと思います。
  4. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 只今北委員より御発言がありましたことは誠に私どもといたしましても全くその通り考えておるのでありまして、特に東北地帯のように数年に一回は必ず起るような冷害地帯につきましては、地方を肥やすという意味合におきましても有畜営農、或いは立体農業をどうしてもその中に導入しなければならないと、かように存じておるわけであります。今回の冷害の場合におきましてもそういりような意味合におきまして、耕地既耕地に或る程度間作なり或いは混作なり、或いは輪作というような方法によりまして、そういう飼料作物を導入して行くことが冷害対策としても必要であると思いまして、そういうような必要のためにできるだけ種子を購入助成するというような考え方の下に目下財政当局に予算を要求しておるわけであります。
  5. 北勝太郎

    北勝太郎君 もう一つ、今度冷害地帯を見ますると、精農家ほど実は冷害会つている、こういう話を各所で聞かされたのでありますが、これはまあ品種の選択にも影響がありますけれども、いわゆる化学肥料偏用ということか私は大きな原因であると思う。あの低い土地におきましては肥料の分解が遅くて、そうして遅れて肥料がきいて来るものだから適時肥料きき目が出て来なかつたというような関係も私は大いに手伝つておると思うのでありますが、ただ堆肥利用の所は案外にそういう被害が少い。殊に今度のカリ肥料の少かつた所が非常に悪いのですが、堆肥の成分のうちには尿といい、或いはカリ分が非常に多い関係が、私は取得じやないかと考えるのでありまして、堆肥農業が比較的冷害を受けなかつたという点から、一つ堆肥の使用或いは堆肥を作る方法、そういうことについて大いに今度は奨励すべきいい時期じやないか。いわゆる鉄は熱しているうち打てというのだが、凶作のときに大いに力を入れるべきじやないかと、こういうのでありますが、そういう方面に大いに力を入れてもらうお考えがないかどうかということを伺いたい。
  6. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 只今お話のありましたように精農家のうちでも特に堆厩肥を多量に使用いたしましてその地方によつて農作をやるという意味合精農家のかただから、こういうような冷害の場合でも、多くの場合その被害を免れておるというのが大体皆様が言われておることであるのであります。その意味合におきまして、できるだけ堆厩肥増産する、その堆厩肥増産するためにはどうしても有畜農家創設ということが先決をなすのでありますが、そのためには堆肥舎、厩舎、こういうものをできるだけ農家が建設できますように低利資金を融通いたしまして、而もその金利の大部分を政府が持つというようなことも必要じやないかと、かように考えておるわけでありますが、とにかくそういうような意味合におきまして有畜農家創設する、これが一番大切である、かように考えております。
  7. 北勝太郎

    北勝太郎君 有畜農家になるには相当資金が要るのですが、農業協同組合の弱い所ではその資金を借入れることができんのだそうです。そこで何とかそういう協同組合の力の弱い所でも、或いは農家の連帯によるとか、或いは農家の将来戻し得る資力ある個人関係等を考慮して個人的にも一つ協同組合の弱い所は個人債権を担保として借り得るような途を開く方法はなかろうか、こういう方法によることは協同組合は殊に今度は弱くなつたので根本的に協同組合を強くなることを大いに国家としても考えなければならぬと思うのでありますけれども差向き牛を買いたいという場合、どうしても買いたいという人が協同組合が弱いために買えないということがあるのです。何かここに便法を一つ考え出してもらつて、意思のあるものにはこの際牛を持たすというような方法を講ずる必要があるのじやなかろうか、こう考えたのでその点についてお考えを承わりたいと思います。
  8. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 御承知のように前国会におきまして有畜農家創設特別措置法が成立いたしましたが、この法律の狙いといたしまする一つは、只今お話のありましたように中金から系統機関を通して農家資金が参ります場合に、単位農業協同組合の資力と申しまするか、経営の内容が悪い場合には、折角その当該組合組合員でありまする農家がその資金を借入れようといたしましても借りられない、こういうような事態が随所に発生いたしますので、そういうことの憂いのないように県が債務を保証いたしまして、その三割だけは損失を補償する、こういう措置とつたわけでありますが、これがまだ徹底していないというような憂いもありまするので、近く私どもといたしましては全国の関係者を集めましてその趣旨を徹底いたしまして、たとえ当該組合経理内容が余り十分じやなくとも借りられるような措置系統機関にも、中金関係にも、或いは組合員にも徹底させて参りたい、かように考えております。徹底いたしますれば只今お話のような憂いはないのじやないだろうか、かように考えております。
  9. 白井勇

    白井勇君 今年の凶作に関連しまして、殊にまあ北海道なんかにおきましては雑穀をあれといたしまして、その前の麦類から一切合財非常な減収のようでありますが、これは相当来年の、これからの飼料対策にも影響すると思いますが、これは、つまり来年度の飼料の問題はどういう見通しになりますか、その点一点。  それからもう一つは、これからまあ今年の凶作あとを受けまして来年の食糧問題というものは相当問題になつて来る。これは当然御承知通りに粉食なり、ああいう方向に行つたら相当大きいものが出ると思います。そういう場合に最近のように畜産品も一切合財値上りしておる。こういうことは非常に国民大衆といたしまして憂慮すべき問題だと思います。遠き将来の畜産対策はさておきまして、少なくも差迫つた来年の食糧問題に関連しまして、畜産関係のほうとしてはどういう対策をおとりになりますか、それから何か一つ方法がありましたらお聞かせ願いたい。
  10. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 本年度の冷害によりまして特に北海道東北方面雑穀、豆類、その他飼料関係の作柄が悪くて相当減収になるのじやないか、かように存じております。県或いは道の要望もありますので、政府飼料需給安定法によりましては、購入飼料によりまして、これを希望数量と、私どもの手持ちの数量を睨み合せまして、不足を来たしました地方には、政府がこれを売つてやる、かような恰好で行きたい、かように存じておるのであります。なお半面、例の、然らばその買う金はどうかという問題になりますが、これはいわゆる営農資金というものを出すというような方向に向いておりますので、その資金によつて政府が現実にものを売つてやる、かような方法で進んで行きたいと考えております。
  11. 白井勇

    白井勇君 第二の点について。
  12. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 第二の問題でありまするが、この点につきましては、政府といたしましては、食糧庁とよく相談をいたしまして、そうして食糧の安定にもなり、同時に家畜飼料につきましても値上りがないような措置をとつて参りたいと考えております。
  13. 白井勇

    白井勇君 第一点ですが、そうしますと、飼料対策としましては、少くとも現在の飼料市価よりも政府におきましては、いろいろな操作をやりまして、上るようなことはしないという方法がありますかどうか。  それから第二の点は、私は飼料の問題から又離れまして、つまり来年の食糧対策に関連しまして、まあ粉食等、その他の食生活の改善も大きく取上げられるでしようから、この際何か手を打つて畜産加工品というようなものが非常に安価に大衆に入るような措置を当然とらなければいかんのじやないかと、こう考えておりますが、そういうことにつきましても何か考えていらつしやいます点ですね。或いはこれからは少くもバターを現在の価格よりもこれだけ下げるとか、或いは牛乳をこれだけ下げるのだというような見通し数量を承わりたい。
  14. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 今後の飼料価格の問題でありますが、飼料需給安定法を本年の三月一日から実施いたしましたが、現在までのところ、大体始めました三月と殆んど並行的な価格でありまして、著しい値上り或いは値下りはなく、平静を保つております。今後もできるだけ政府需給状態を勘案いたしまして、外国から購入すべき数量を操作いたしまして、それを適時に払下げをいたしまして、値上りがないような措置購ずる考えであります。私といたしましては、そういう値上りをするような事態が起らないというように確信いたしております。  第二点でありますが、この問題は非常に実はむずかしい問題でありまして、給局数量を殖やす、増産をする以外には今のところ適切な手はないのじやなかろうか。そのためにできるだけ安い購入飼料を豊富に払下げいたしまして、養豚、養鶏その他各般の家畜増産して参りたい、その数量の供給によつて値段を安定せしめて行くというようになるのじやなかろうか、かように一応考えております。
  15. 白井勇

    白井勇君 そうしますと最近市場拝見をしますと、これとても国産品じや値上りして困るから、外国からも相当加工品を入れようじやないかというような方向に進みつつあるわけですが、これにつきましてはやはり農林省といたしましても、大体そういう考え方はおありなんですか。
  16. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 畜産加工品の輸入の問題は、内地産畜産品増産態勢というものと非常にデリケートな関係がありますので、それらの事情を十分に勘案する必要があるのであります。これらにつきましては勿論食糧庁或いは通産省とよく打合せをして、余りに値上りをするような事態が生じました場合には、外国産のものも購入するという必要があるのじやなかろうか、かように考えております。
  17. 白井勇

    白井勇君 もう一点。そうしますと少くも農林省といたしましては、畜産加工品につきましては現在のバターなり牛乳価格というものを、これから来年に入りまして米の小売値段が上りましても、現在よりも上げないという方向に進み得る自信はそれであるのですか。
  18. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 生乳の場合におきましては、今後不需要期に参りますので、これは現在より価格が上るということは予想いたしておりません。製品につきましては必ずしも一概にそういうふうに言い切れないと思いますが、製品の場合には著しい値上りをする様相を備えて来るような事態が発生いたします場合には、外国産のものも買い得ることになつておりますので、それによつて国内の暴騰を防いで参りたい、かように考えております。
  19. 北勝太郎

    北勝太郎君 関連してちよつと。畜産品が足らんからといつて外国から輸入した日には、これはもう一たまりもなく日本の畜産は潰れてしまうのでありまして、局長さんの言われた通りと思うのであります。ただ食糧下足に当つて生乳利用を盛んにやつてもらうということが、消費者生産者も両方が生きる途じやないか、こういう工合考えるのでありますが、生乳市乳に出すのにむやみに市乳業者が儲けている、牛乳生産者は三分の一、それから市乳業者が三分の一、それから配達する費用が三分の一というのが通例のことになつておるようでありますが、実は市乳業者が三の一もとる、或いは配達の人が配達方面費用に三分の一もとるということは、実は生産者からすれば実に不平でたまらない。我々一生懸命に牛を飼つてひどい目に会つてつても三分の一しかとれないということになつておるのであります。これが消費者をも又非常に脅やかしている。そこに何とか一つ政府は手の打ちようがありそうなものだ、即ち市乳東京なり大きな都市に持つて来るような方法に対して或いは助成して行く、そうして市乳業者にむやみに儲けさせずに行けるような方法を講じなければならぬのじやないか、実はいろいろ考えて見るがどうも政府はそういう方面については放任主義儲け放題ということになつておるようでありますが、これは一つこの際食糧不足のときに一つ手を入れてもらうべきじやなかろうか、こういう工合に思うのでありますが、一つ意見を承わりたいと思います。
  20. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 只今の問題について考えまする場合に、実は終戦以来経済混乱を契機といたしまして、大体すべての物資につきまして中間手数料が割合に多くなつているような実情だと思つております。で、牛乳の場合におきましても、戦前よりもそれと大体並行いたしまして相当中間経費が多いということは只今御指摘の通りであります。これにつきましては結局牛乳というものの量が少い、これが一番決定的な問題じやないか、と申しまするのは集乳いたすといたしましても、少しずつ乳を広い地域から集乳いたします場合には相当集乳経費がかかる。又配達いたしましても、一合ずつを配達いたしておりますれば一本当りにつきまして相当経費をとらなければこれは食つて行けない、こういう事態が出て来るのじやないかと思うのであります。早い話でありまするが、若し一合の牛乳を五合ずつ配達するということになりますれば、或いは五分の一でなくても、そこに半分なり三分の一の経費で間に合う、かような恰好になろうかと思つております。いずれにいたしましても集荷の面或いは配達の面、非常に小さくなつておりまするので量自体が少い、その半面取扱業者が多い、これが中間経費が多くなつている最大の原因じやないか、かように考えておりまして、従つてどもといたしましては、できるだけ乳の生産を集中的にやつて行くと同時に、配達につきましては簡易な方法でやつて行くような方法はなかろうか、これは勿論厚生省公衆衛生との関係がありまするので、厚生省といろいろ検討いたしております。只今は壌詰でああいう一合のような規格の品物でなければ配達できないというような恰好になつておりますので、これを何とかもう少し簡易な方法配達し得るような方法はなかろうか、そういたしまするというと配達賃が安くて済むというような恰好になりますので、そういうような強制的な方法でなしに、経済的な自然的な方法を以て行く以外にはないんじやないか、かように存じております。
  21. 北勝太郎

    北勝太郎君 今局長さんのお話では量が少い、こう言われたのですが、それは量が少いのじやない、これは輸送その他に対して政府助成等によつて広い範囲から牛乳を持つて来れば量は十分ある、その証拠には私はこの間も見たんだが群馬県に行きますと、ここから二時間くらいの所に練乳工場が建つておる、東京都では足らんで困つておるといつてあんな所へ練乳工場を置くというような集乳の仕方ではいかん、私は東北まで遠くから牛乳を持つて来る施設をしさえすればできる。アメリカの映画を見たのですが、四十石、五十石入りのタンカーで遠距離からずつと牛乳を持つて来ておる。そういう点を考えれば量は少くない、又送料のことにつきましては協同組合等一つ進出させるように手引いてやる、こうすれば別に強制的に値を下げるというんじやなくて、自然に量が殖えて来て、そうして市乳需要者は得をすることになる、そういう点まで一つ考えてもらわんといかん。ただ裏少い少ないと言つているが、今まで通りでやろうというからいかんのであつて、もつと伸びた智恵を出してもらうと量はたくさんある、而も又方法協同組合等にやらせれば方法は必ずあるんだ、こういり工合に思われますが、それらの助成についてもこの際大いに考えなければならん。食糧不足の今日ですから是非一つそういう工合にやつてもらいたいと思うのでありまして、これは希望なつたようですけれども、まあ一つそういう方法について御意見を更に承わりたい。
  22. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 量が少いと申上げましたのは、一カ所の集乳者の量が少い、と申しますのは或る一定の集乳者なら集乳者にいたしますれば、そこで一石しか取扱われない、ところがこれが十石も取扱うということになりますれば一合当り集乳経費というものは、その比例までには行きませんが、相当経費が少くて済む、こういう意味の量が少いということを申上げましたので、全国的な数量がどうのこうのという問題じやないのであります。従いましてそういう意味合におきましてできるだけ一カ所当り取扱数量を殖やして行く、そうしてその中間経費を少くして行く、かように大体私どもとしては指導して参りたい、そのためにはその当該地方に対しまして集中的に乳牛を飼育するというような方向を強く推し進めて行くということが必要であると思つておるのであります。同時に配達の面につきましては、只今申し上げましたように、もう少し簡易な方法はなかろうか、例えば一配達人が一日に何百本配達しますか、そこに能力の範囲があるのでありまして、その場合におきましては生活するためには或る程度手数料をとつて行かなくちやならない、それが配達数量が少なければ少いほど一合当り配達料を高くするということは経済上当然でありますので、これらの点につきましてもう少し簡易な方法或いは取扱方法はなかろうかというようなことを考えております。
  23. 北勝太郎

    北勝太郎君 協同組合を進出させることについてり御答弁は……。
  24. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) これはまあ牛乳に限らないのでありまするが、農民の生産しましたものにつきまして協同組合が全面的に取扱つて行くということは一番必要じやなかろうかと、かように考えております。最近例の有畜農家創設特別措置法によりまして農業協同組合取扱機関にいたしておりまするが、それらの意味合におきまして協同組合相当進出するような状態になつております。あれがその一つのきつかけになりまして、協同組合を集中的に導入して参つて、それを今度協同組合でまとめて販売をするというような形態がほうぼうに見受けられるのであります。非常にいい現象じやないかと、かように存じております。これはできるだけ伸ばして参りたいと、かように考えております。
  25. 清澤俊英

    清澤俊英君 只今の問題はこの前有畜農家創設特別措置法案のときに、私は経済機構としてまあ考えて行かなければならんというようなことを申し上げておるので、議論はたくさんありますが、今日の冷害対策ちよつと線が外れておるようでありますから、これはあとへ廻しまして、冷害上の必要なものをちよつとお伺いしますが、有畜農家転落を防止するために三万円の融資を大体一戸当りにされる、こういう説明を昨日官房長から聞きましたか、この三万円は大体どういう点を目標として貸し与えるのか、それを明らかにして頂きたいと思います。
  26. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 三万円の基礎でありまするが、これにつきましては非常に実はその計算基礎がむずかしいのであります。と申しまするのは、家畜飼養形態というものが農家々々によつてつて参るということ、従つてその飼育の形態から来る計算では実は計算がしにくいのでありまして、転落を防止するという意味合におきまして、従つて家畜価格、大体の売る場合の価格を一応の標準といたしまして、三万円ぐらいあれば家畜を売つたのと大体同じになるんじやなかろうか、こういうような点から三万円ぐらいを考えております。
  27. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうするとわからないのですが、まあ売らねばならんような農家がそこに出た、その場合に貸してくれるというのだが、それでは三万円ぐらいやつたら売らないで済むような人には貸してやるが、それ以上欲しい人には貸してもらえない、こうなりますか。
  28. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 只今お話でありますが、勿論乳牛なんかの場合には三万円どころの騒ぎじやないわけでありまするが、普通の牛馬につきましては大体まあ三万円見当で我慢をして頂く、こういうような意味合におきまして三万円を一応の限度にいたしておるわけであります。
  29. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) なお申上げますが、食糧庁長官も見えましたが……。
  30. 清澤俊英

    清澤俊英君 関連して……。丁度今食糧庁長官も来ておられますから、飼料需給安定法等関係もありますが、只今委託搗精に出しておられる小糠、この処理はどういうふうになつておりますか。委託搗精の搗精賃との関係はどうなつていますか。
  31. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 御承知のように早場米を御供出願います場合におきまして、まあ飼料との関係がございまするので、特に早場地帯につきましては飼料を、現在市価が六百円見当しておると思いますが、「ふすま」を特に早場地帯に対しまして市価以下で渡るように、県と相談いたしまして一定の数量をきめまして早場供出地帯に対しまして「ふすま」を配給と申しますか送つておるわけでございます。それと同時に今のお話のように産地におきまして糠を確保するという意味におきまして白米供出と委託搗精と併せまして県と相談いたしました上で一定の数量委託搗精をいたしておるわけでございます。委託搗精の趣旨からいたしまして、結局その委託搗精をいたしましてそしてその副産物収入をそのまま農家に落すという形で委託搗精を実施いたしておりますので、これはまあ御承知のように従来も同じような方法早場地帯としてはやつておるわけでございます。本年もこの方法を同じように続けて参りたいと思います。ただ、具体的にどの程度数量にするかということにつきまして、これは各県別に一つお話合いをして数量をきめて参りたい、かように考えております。
  32. 清澤俊英

    清澤俊英君 私がお伺いしているのはそこのところを聞いているのじやなくして、今委託搗精をやられる場合、小糠は今のお話だというと政府のものとして保存すべきものと解釈してもいいのですが、委託搗精をする場合小糠と離れて搗精料というものは、いわゆるすり賃というものを別に払つておられるのかどうか、その点をお聞きしたい。
  33. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) お答え申し上げます。御承知のように委託搗精の場合におきましては搗精賃を支払うわけでございますが、その糠を副産物収入といたしましてそれと差引いて計算する、こういう形になつております。
  34. 清澤俊英

    清澤俊英君 差引というのはどういうことですか。
  35. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 例えば搗精賃を政府が支払います場合には結局糠の価格を換算しまして糠で以て支払うといいますか、そういう形になつております。そこで勿論糠の価格をきめまして、そこの差引き計算がございますから、大体副産物収入で以て搗精して行くという考えでやつております。
  36. 清澤俊英

    清澤俊英君 その場合その糠は政府統制から外れておるわけですか。糠の計算をして、糠と搗精料と計算して農協なり或いは米穀商社なりに搗精させる場合に、その糠を搗精料として計算したからといつてそこに残ります、残つたものは飼料需給統制の枠から外して行けるのですか、どうですか。
  37. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 申上げます。大体委託搗精の場合は御承知のように農協を対象としてやつておるわけです。今の統制にどうかという問題、飼料統制との問題ですが、食糧統制としては糠は全然食糧統制の埓外にあるわけでありまして、飼料統制の関係では多分これは畜産局長からお話があると思いますが、現在の飼料統制というものは輸入飼料を中心にやつておりまして、それは全然関係はありません。
  38. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつと申上げますが、昨日の官房長の御説明で特に御質問もないかと思いますが、食糧庁関係を一緒に御質問して頂きたいと思います。なお検査課長も来ておりますし、先ほど申上げましたように大臣官房総務課長も来ておりますから一つ一般的に御質問して頂きたい。
  39. 松浦定義

    ○松浦定義君 先ず畜産局長にお尋ねしたいと思います。先ほど清澤委員から質問のありました一戸当り三万円を限度とする、こういう考え方について、私は特に昨日のこの要綱によりますと、冷害対策に対する融資は最高限度を十五万円と、こう抑えておる。従つて昨日もいろいろ白井委員等から御指摘もありまして、殊に北海道のような大農経営に対して十五万円ぐらいでは非常に少い、併し北海道については何とか考慮しようというような話もあつたのですが、なかなかそうは言うもものそう簡単には行かない。こう思いますので、恐らく農家は今年のあれから見たら家畜を手放さなければならない。従つて家畜を手放す場合に三万円ぐらいしか政府のほうで融資できないということになると、政府の融資に頼らないで、これは一般のほうに売つてしまう。そうしますと、先ほどからお話なつたような長い間かかつた有畜農業といつたものが根本的に今年一年で崩れてしまう。そういう場合にやはりこれはどうしても、三万円というようなことは一応の目案であるけれども、その家畜価格によつて或いは又そのうちの必要な限度によつて相当大幅にこれを考えるというようなお考えがあるかどうか、若しこれがないとすれば家畜を手放すのが一番手放しやすい。若しそういうことについてもどうしてもできないで売るということになりますと、農業経営が成立たないというようなそういう限度ぎりぎりの農家もあるわけです。そうしますと農家経営全体が崩れてしまう。家畜の次には過去にありましたようにやはり娘を売るといつた事態が起きて来る。最近の新聞ばかりでなく、我々は岩手、青森、北海道を今度回りましてそういうような意見相当出て参つておるのであります。そこで私はやはり今お話のように三万円以上貸せないということになると娘を売れといつたような政策だというふうに考えておりますので、それでは大変なことになつてしまう。而も過去におきまする親孝行というような形から家を救うために娘が出て行つたというような、これは非常にうるわしいような考え方ですが、この頃はそうじやないのです。便乗しましてこれが家を離れるといつたような傾向になつて来るということでありますので、これは社会問題としても非常に大きな問題だ。こういうことからどうしても私はこの三万円という限度というものをもう少し大幅にその家庭の実情においてはやはり来年度の農業経営に対して少くとも畜産を以てそれが支障をなからしめるといつたようにするような一つ幅のある考え方に直して頂きたい、こう思うのですが、この点一つどうでございますか。
  40. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 昨日の委員会官房長がどういう御説明をいたしましたか私出席いたしておりませんので任じませんが、例の三万円と申しまするのは私どものほうが十五万円の外枠として十五万円のほかに三万円を家畜かとして見てもらいたいということを私どもとして強く要求いたしております。ところが農林省内部におきましても、まだ外で三万円を見るかどうかということにつきましては、十五万円そのものの計算的な基礎があるのでありまして、まだはつきりいたしていないと思つておるのでありまするが、官房長はどういうふうな御説明をいたしましたか……、それではプラス三万円という説明をいたしたそうでありまするからさようでありますれば、私どもの主張が通つたことに相成るわけであります。勿論その三万円では少いということにつきましては御説の通りだと思いまするが、三万円以上ということになりますると、外枠として貸すことになりますので十五万円の外でありますからこれ以上はちよつと無理じやないか、かように考えております。
  41. 松浦定義

    ○松浦定義君 これはただ外枠だからこれだけでいいのだというふうにお考えになるようですが、それでは私今申上げましたようにやはり娘を売るより仕方がない、こういう農家相当出るということを一つまあお考えつて何とか是非してもらいたい、かように考えておるわけであります。それからもう一つはこういう場合にどうしても先ほど北委員の御指摘になつたように酪農地帯というものを最も強くこういう場合に対処するために大いに一つ畜産局としてはやつて頂かなければならんと思いますので、その一つ方法として昨年からやつておられる高度集約酪農地帯のあの設置ですね。現在ニカ所やつておられる。併し本年度は三カ所新設したいというふうな御意向のようですが、我々廻つて見ますると、どの地帯におきましてもこれを一つ是非設置してもらいたいという意向がある。要求は恐らく数十カ所に及ぶだろうと  いうことですが、その中でこの三カ所のものをどうするかということで恐らく現段階においては政治的な段階まで行つておるのじやないか、どうにも仕方がないという形であるとするならば、私はやはり三カ所というものを一年くらい見送つて、そうしてそれに対する本年度の予算というものをもつと広く全体の畜産経営を限定しないようにそれを利用されることのほうが却つていいのじやないか。今後何十年或いは何百年末のことを考えての大きなことはこの際は私は考えることは必要だとしても、今申上げましたように三カ所の新設に対して何十カ所といつたような要求があつて、それをどうするかということでいろいろ政治的な問題で苦慮されるというようなことよりも、そういうような予算をほかのほうに廻すというようなお考えにならないかどうか。そうすれば私は非常に今のような形のものが別な形で私は救われるというような点もあるのじやないかとこう思うのですが、こういう点についてはやはり既定方針通り三カ所は新設をして、一つ大いに将来のために期したいとこうお考えを持つておられるのか、それも悪いとは申しませんが、そういうことのために今申上げましたように小さい現在やつておる零細農家が救われないというようなことは……今年に限つて私は必ずしもやらなければならぬ問題じやないと、こう思うのですが、こういう点はどうお考えですか。
  42. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 高度集約酪農と申しますか、只今お話のありました外国から購入いたしましたジャージイ種の国有貸与制度、これにつきまして各地から要望がありますことは御指摘の通りであります。余りに要望が多いから三カ所くらいやつても駄目じやないか、従つてやめたらいいじやないかというような御意見のようにもとられましたが、私どもといたしましては、希望が多いからできるだけこれはやつて行かなければならぬ。従つてそういうたくさんの希望がありました場合にどうするかという問題になりますが、これにつきましては年度計画でも立てまして、順次態勢の整つたところから年次計画的にやつて行きたい、かように存じております。ご希望が多いからやめるというようなことにつきましては考えていないのであります。
  43. 松浦定義

    ○松浦定義君 私はやめてくれというのではなくて、何とか一年くらい見送つて、それを一つ薄く広くやつてもらえないかということを申上げたので、これはいろいろ計画もあることと思いますからこれ以上申上げませんが、それから一つ食糧庁長官、にお尋ねしたいのですが、実は我々廻つて見まして、そうでなくても問題になつておりますのは、過般の価格安定法できまりました澱粉の価格の決定の時期ですが、御承知通りもうニカ月も遅れている。而も普通の年であるならこれは政府考えとして止むを得んと思いますが、本年度のように、而も冷害地帯におきましては夏作は何ぼかとれた。従つてそれが一つの来年一カ年を見通してのいろいろな形における重要な農産物だ、こういうようなときにこの澱粉の価格がニカ月もまだ現在においても発表されないというようなことでは、もう農家としては絶対それを持つておりながらこれがいつ金になるのか、いろいろな形において非常に混乱いたしまして、その都度御指摘申上げましたようにすでに業者のためにいろいろ策動が行われておるというような形でありますので、恐らく十月三十一日が限度でありますから、もう余すところ幾らもない、大体の価格の決定はきまつておると思いますし、更に又その決定する前にはやはり生産者団体或いは学識経験者の意見を聞くというようなこともありますが、そういうようなことについて一つどういうような経過になつているか。更に又或る程度のこのくらいの程度だという見通しがあるなら、これは我々審議した建前上から当然そういう原案というものは発表になる前にお示しになつても、決して私はこれはそのために価格の安定が不安定になるといつたようなことではないと思うので、一つこういう点は時期としては私はもうすでに御説明があつて然るべきだと、こう思つておるのですが、特に甘藷はまだ相当期間がある。馬鈴薯はすでに時期が遅れている。だから相当ズレのあるものを一緒にして十月三十一日というようなことはこれは非常に矛盾があると思いますが、取りあえず馬鈴薯の問題としては或る程度の線は出ていると思いますので、その点を一つはつきり申して頂きたい。決して遅くないと思いますのでこの点を一つ御発表願いたいと思います。
  44. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 価格安定法に基きまする価格の問題につきましては、実は我々も早急に決定いたしたいというふうに考えておつたわけでございますが、御承知のように価格安定法の建前といたしまして価格の決定につきましてはパリティー価格を基準といたしますと同時に、需給条件の変化と申しますか、そのときの作況等も考えるということになつておりますので、実は先週の土曜日に大体一応のエスチメートと申しますか、生産高の予想ができたわけであります。そこで今週から鋭意これが決定についていろいろ検討をし、また財政当局とも打合せをいたしておるわけでございます。お話のように十月三十一日までに決定いたさなければならないので、是非一つ至急に決定をいたしたいと思うわけでございます。まだいろいろな点で内部で生産関係当局とも今検討いたしております。同時に又財政当局ともいろいろな面で検討いたしております。早急に或る程度政府といたしましての案ができますれば御報告申上げたいと思いますが、その前提といたしまして政府の案をもまとめまして、本院の決議もございましたので、学識経験者の御意見も承わりたい、大体二十二日頃には学識経験者のほうの御意見も承わつて財政当局と交渉のほうに入りたいというつもりで進んでおるわけであります。生産者団体の方面の意向につきましては、二十四、五日頃に生産者団体の御意見を伺いたい。で、こういう際でございますので、一つ一つ段階を追つて作つて参るわけには参りませんので、並行していろいろの交渉を進めて参つて、できるだけ早くきめたい、かように考えておるわけでございぎして、もう暫らく時間を与えて頂きたいと考えるのでございます。ただ昨年度の経験からいたしまして、今度の価格安定法に基きまする価格安定は御承知のように生産者団体の自主調整ということが主体になりまして、その自主調整のバツクアツプと申しますか、それと並行いたしまして、政府が買入措置を行なうわけであります。昨年度の経験から見ますると、御承知のように政府といたしましては最低指示価格でありますが、生産者団体のマージンと申しますか、そういうものはこれは見ない建前でございまするので、昨年度におきましては現在澱粉につきましては二千万貫、切干甘藷につきましては七百万貫買入れたのでございますけれども生産者側の自主調整の機能は全然行われませんで、むしろ右から左に政府に来たという形になつておつたわけです。それは価格の地位の問題だろうと思います。従いまして極端に申しますれば、生産者団体としては自主調整を行う余地がないのみならず、全然まあ無報酬で政府に売らざるを得ないというような形になつておると思うわけであります。そういう点につきまして本年度十分生産者団体の意見も聞いて参りたいと考えるわけであります。現在政府が買上げましたものにつきましては、政府は安定法の趣旨に則りまして、まだ市価関係上これを処分いたしておりません。これが政府の手持という形になつております。早急に一つこれは価格を決定し、又御報告できるように早急に運びたいと存じますので、もう暫らく一つ時間の余裕を与えて頂きたいと思います。
  45. 松浦定義

    ○松浦定義君 今お話を聞きますと、二十二日には学識経験者、二十五日には生産者団体と、そうしますと大体においてあと二、三日、例えば生産者団体の意見を聞いて後の二、三日後に発表しなければならないという事態になつておると思いますが、恐らくそれでは例えば米価審議会委員相当いろいろ議論があつたと同じように、この問題も当時はまあ審議会を作れというふうな意見があつたのです。ところが恐らくそうしなくても、これは生産者団体の意見を聞けばすぐ結論が出るんだというわけで、委員会としてはそういう線で原案を呑んだわけですが、その原案を呑んだそのものがもう二、三日後に決定する前にしか諮問にあずかれないというようなことでは、やはり末端の団体の希望される、或いは発言される人の気持はどうか知りませんが、真の生産者意見というものは私はそこに現われて来ないと思うのです。その前に大体こういうふうだ、ああいうふうだという資料の提供を受けて、そうしてそういうことについて御意見を聞きたいというのなら別ですが、全然そういうことでなしに、大体できたからこれでどうだといつたような形の切り方では、私は生産者団体の意見というものは全然通らない。今申上げましたようにとにかく北海道あたりは馬鈴薯が中心だと思うのですが、これはすでに委員長も御承知通り、十四日には山の六合目ぐらい以上は雪が降つておるのです。すでに零下に近いような気候になつておるので、圃場にそのまま放置するというようなことではいもの貯蔵ができないようになつておる。それにもかかわらず、自分のまあいもの価格がきまらないというふうなんです。でありますから、今年度は異例のときにあるわけであります。こういう年の食糧事情の面から行つて、生食用に出したほうが農家には少しでもゆとりがあるのではないか、生食用にしようか、これは澱粉にしようかということで選別をして待つておるのです。ところがそういうものの出廻り状態なんかを考慮しなければならない、生産の実情等も調べなければこれはできないという、これは通常のときならそれでいいのですが、今年のようなときは作付面積はこれだけだ、何分作だということは、大体出廻りはわかりますから大体単価はこうだ、私は大体大原則として昨年の買入価格二千三百二十円だと思うのですが、昨年よりは絶対下廻らないとか、或いはどの程度ならあれだというふうなことの一応の見通しぐらいは生産者団体の意見が出ておると思うのです。そういうときの内示的な問題を御発表になりますと、生産者団体を通じまして農民に対して、今年は昨年より大体この程度ぐらいは食糧事情等から行つてこうだろう、或いは作付の実態から行つてこうなるかも知れないというようなことを発表されれば、本当にこれは価格安定が、農民の価格の安定になるのですが、いろいろ指摘したように、やはり中間業者の価格安定というようなことになつてしまう、無論これは当然時期遅れになつてしまつたと思うのです。こういうふうなときには特例中の特例として、而も本制度ができた最初の年にこういうようなことをやるという……こういう年においては私はもつと生産者、農民の立場に立つたものでなければならない、こう思います。今としてこれ以上申上げる必要はないと思うのですが、少くとも十月三十一日の発表には、まあ昨年の価格をどの程度上廻るかは私どもとしてはちよつと予測はできませんが、生産の実態その他消費の実態を見ますれば、私どもとしてはいろいろ見通しはつけておるのですが、そういうものの期待に反しないような一つ価格決定をして頂きたい、こういうことを一つ、まあ希望条件を附しまして、これで打切りたいと思います。
  46. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 只今お話十分承わりましたので、できるだけそういう方向で検討いたしたいと考えてはおりますが、実は二十五日に生産者団体の意見を承わると申しましたのは、最終的な意見を承わるわけでございまして、各県連を中心といたしまして、いもと澱粉の対策委員会、各県連の首脳者のかたがたが対策委員会を作られておるわけです。これは相当頻繁に開かれておりまして、これにつきましては我々も会合のたびに出ましていろいろな御意見を承わつておるわけでございます。従いましてそういう御意見も十分我々としては承知いたしておりますが、そういう御意見も十分斟酌いたしまして、二十五日に最終的な話合いをする、そうして財政当局とも話を進めたい、かように考えておるわけでございます。ただ申添えておきたいと思いますことは、昨年度におきまする澱粉の価格は、松浦さん御承知のように相当遅くきまりましたので、而も馬鈴薯澱粉につきましては、甘藷澱粉から格差の問題で決定したというふうな事情もございますので、馬鈴薯価格それ自体につきましては昨年度としてはなかつたわけでございます。そういう点も本年度におきましては、格差等の問題につきましても甘藷澱粉とか馬薯澱粉の格差等につきましても、これは慎重に検討する余地が我々としてはあるのじやなかろうか、かように考えておるわけでございまして、十分御趣旨に副いまして検討いたしたいと思います。
  47. 戸叶武

    戸叶武君 今日は食糧庁長官畜産局長もおいでになつておるときだから好都合だと思いますが、今度の災害に直面して私たちが考えなければならないのは、日本の食糧政策のマンネリズムに対する再検討だと思うのです。今度私たちは長野や新潟の高冷地を見まして、とにかく標高七百メートル以上の殆んど米作には無理があると思うような所に、日本の食糧増産、供出制度、価格制度が遂に農民をして多収獲主義のほうに無理に引ずり込んでしまつて、而も品種の問題で早生よりも多収獲の中生というようなところまで行つて、今度の被害に打当つておるわけです。これを見ても結局我々が食糧というものに対して、米というものだけにとらわれ過ぎちやつていて、政府の指導というものも今までの惰性で以て結局米本位だけに持つてつて、当然畜産なり何なりを育成しなければならないところに、そういうてこ入れというものをやつていないと思うのです。ああいうところに行きましても、実際酪農に徐々に転換しようとしたところで、問題は相当資金が要る。それから安い飼料が確保されなければならない。ところが生産された牛乳なり何なりの処分の問題をどうするか、こういう問題に対する見通しが立たないところに、この日本の食糧政策の上における農民の自主的転換というものは困難だと思うのです。畜産局長お話を今まで聞いていて私たち非常に不満なのは、極めて自由放任的なものの考え方が強いと思うのです。本当に日本が今大きな食糧政策における転換期に立つて、而も酪農というものを積極的に育成しようとするならば、もつと筋金の通つた線が出来てなければ、日本の食糧政策の中におる何か仮住いみたいないじけた態度で日本の畜産行政がなされているのでは、実際日本の食糧政策の中における酪農の地位というものは私は盛上つて来ないと思うのです。特に相当資金、安い飼料、こういう問題がありますけれども、今の畜産局長が言つたのでは、私は別に挙足はとらないつもりですが、牛乳の量が少い、これはあとの細かい説明で私たちは若干誤解しておる点も了解できましたけれども、併し何が故にそういう畜産が伸びて来ないかというと、この牛乳の処分の問題でも、この前のときにも私主張したのですけれども、明治や森永の独占資本に縦横に蹂躙せられておつて、とにかく牛乳なんかは容易に一合四円二十銭で叩かれている、或いは五円六十銭という所もある、こういうようにばらばらで、とにかくひどい目に農民は会わされている。生産から消費にまで直結するところの協同組合的路線をとにかく当然作り上げて農林省は育成しなければならない。それに対して若干の法案なんかでお体裁をつくつているだけで、具体的にそれを筋金を入れて推し進めて行くという態度が非常に私は少いと思うのです。実際農村においていろいろな施設を行なつてくれ、或いは政府のほうから資金を出してくれるならば、日本の酪農というものはもつともつと伸びると思うのです。先に例に出た群馬の加工工場におきましても、農協のしるしではなかなか売れない、雪じるしのほうに頼んで幾らか金を払つてそうして雪じるしという名前をつけて市場に売出す。全く商業主業的な行き方なんですが、雪じるしなんか同情的だからその程度なんだが、あの傲慢な森永、明治の下において日本の酪農というものがとにかく蹂躪せられている限りは、私は日本の酪農事業は伸びないと思うのです。どこの農協もそれによつて痛めつけられる。而も酪農協同組合なんかのボスというものには渡りがついていて、そうして懐柔されて、値段を低く叩かれているというような現状なんです。そういうことに対して農林省がとにかく眼をつぶつているのか、あいていても見えないのかどうかわからないけれども、とにかくそういうことを放任しおいて日本の酪農を育成するなんということはできないと思うのです。そういうことに対してどういう考え方を持つているか、又、そういうことに対して一応調べたデータを持つているかどうか、そういうことも私は聞きたいと思います。
  48. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 現在の情勢におきましては、酪農は非常な勢いを以て伸展しつつございます。幸いなことにはその伸展の状態に対応いたしまして、消費のほうもぐんぐんと伸びて来ておりますので、現在のところ不当な値下りを来たすというようなことはないのでありまするが、今後酪農が更に伸展いたします場合には、御指摘のようなことが考えられ得るのであります。従いましてこれをどういうふうにするかということにつきまして、目下酪農振興に関する制度を検討いたしておりまして、できるだけ取引につきましては生産者の国体と処理業者との団体取引に持つて行く、そうしてそこに公正な値段を作り上げ得るようなそういうシステムを目下検討いたしておりまして、成案を得ますれば御審議をお願いいたしたい、かように考えております。
  49. 戸叶武

    戸叶武君 今の段階において一番欠点なのは、無性格な団体取引なんです。今まで長野県においても、或る村を訪ねましたところが、とても森永、明治に叩かれてかなわないので、消費地域を確保して農家から牛乳を高く買うことにしたというわけです。我々の地帯でも山間部なんか五円二、三十銭で売つていたところでも、とにかく森永、明治と契約すれば安全だということであつたのを、それが、ボスの手に入つて四円二十銭まで叩かれているという現実があるので、余りに生産者から手放すところの価格と、それから業者の手に渡つての儲けと、それから配給から消費に至るまでの間というものに、非常にひどいマージンが取上げられている、そういう現状に対して私は今まで畜産局においても相当のデータがあると思うのですが、それは或る地域においては集荷が困難であるとかいろんな点もあるでしようけれども、一目瞭然としてわかるような態勢で以つて、業者のとにかく独占的な力の前に、生産者消費者が翻弄されて行くこの現実に対して、何らの手が入つておらないというふうなことでは、これは畜産行政としてなつておらんと思うのです。そういうものを取りまとめたものがあるかどうか、一つそういうことを資料についてお尋ねします。
  50. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) 生産者の販売価格、処理工場の販売価格、ころいうふうなものを大体調べたものがありますので、その資料を提出いたしたいと思います。
  51. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 今日は食管長官がお見えになつておりますので、過日来農林大臣が外米を四十万トン今年は余計買入れる予定だと、或いは又農林次官名で以て農林省が合成米に本腰を入れるというような新聞記事がしばしば出ております。非常に主食問題が民間では危いのじやないかというような疑念が多分に持たれておるようであります。で農林委員会として二十八年度の需給計画は過般の国会で説明頂いたのですが、今日それに修正を加える必要があるかどうか。それから又食管として外米の買入れが、ああやつて大臣が発表されたようなあの内容がどういうふうになつておるか、どういうお見通しか。  それからもう一つ、合成米というものが、私ども実は多分にまだ合成米には疑義があるのじやないかというような考えを持つておるのですが、新聞にああいうふうに発表されたところを見ると、食糧庁としては政策的に考えられた発表か、或いは合成米に対する特殊なお考え方があるかどうか、そういう問題を取りあえず承わりまして、そうしてこの凶作対策の各項目に食管関係の問題が非常に多いのであります、それらにおのずから関連があるのでありますから、そういつた需要状況というか、それの説明を取りあえず承わりたいと思います。
  52. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 宮本委員お話御尤もでございますが、先般需給状況につきまして申上げましたのは、大体その当時といたしましては八月十五日の作柄を前提にいたしまして一応の需要計画を立てて御説明申上げたわけでございます。併し御承知のようにその後作柄が非常に変化をいたしておりますので、我々といたしましてもこれに改訂を加える必要を痛感いたしておりますので、検討いたしておるのであります。御承知のように主体となりまする内地の政府の買入が現在までのところ大体十県との間に話合いはいたしましたわけでございまして、今週から中心地でございます関東以西全部と話合いをするというわけでございます。御承知のようにこういう作柄でございますから、我々も慎重にその点については県当局と折衝いたしておるわけでございますが、ただ単に供出数量が幾らあるかということのほかに、まあ我々としてもいろいろな手を打たなければならんと思いますが、現実に供出数量のほかに如何ほど集荷し得る可能性があるかというふうな点について、実は各県ともお話合いをいたしたわけでございます。従いまして内地の集荷につきましては、供出の御相談をすると同時に、大体の県におきまして更にどの程のプラス・アルフアーの可能性かあるかというふうな点もいろいろ検討いたしておりますので、やはり或る程度相当の府県との話合いが済みませんと、その見当が非常に立ちにくいということで、我々も実は焦つておりまして、従来でありますと、昨年の傾向でありますと、大体十二月一ぱいに各県との話合いを進めたというのが実際でございますが、本年度はこれを繰上げまして、十一月の上旬には何とかその見通しを持ちたいということで進めておるわけでございますが、その点は一つ私たちもできるだけ早く勉強いたしまして、これは秘密会ででも御説明いたしたいと思つておりますので、御了承願いたいと思います。  もう一つの外米の問題につきましては、実は私たちとしてはいろいろな手を打つております。併しこれは具体的に申上げることは非常に海外の市況にも影響いたしますので、その際に需給計画と合せて御説明いたしたらどうかということで考えております。ただ荏苒としてその需給計画ができるまでの間、外に対して全然手を打たないということではございません。我々としてはできる限りの努力はいたしております。その点御了承の上もう少しお待ちを願いたいと思います。  それからもう一点は合成米のことでありまして、御承知のように麦の利用といたしましてはこれは粉食というのが大体の形態だと思うわけであります。併しながらやはり日本人の粒食に対する執着と申しますか、これは相当強いから、小麦を消費する場合におきまして必ず粉食でなければならんということも日本の現在の食形態として固執する必要はなかろう。そこで小麦を粒食の形で消費を進めて行くということも一つの過渡的な方法として、過渡的と申しますか、日本人の現在の食生活の状態においては必要ではなかろうか、こういう考え方を以ちましてそれを進めて参りたいという考えでおります。と申しますのは、現在御承知のように昨年度においても相当の闇消費があるわけでございまして、これが幾部分でも、闇消費に合成米が代替すればこれは直接我々としても集荷の面に益するところが非常に大きいし、同時にこれが集荷が大きくなりますれば又将来の外貨資金の節約というふうにも、将来の問題でございますが、廻り廻つて来る可能性もありますから、これは一つそういう意味におきましてやつて参りたい、従いましてこれを配給制度に乗せるというふうな考え方を現在持つておるわけではないわけでございます。合成米につきましては御承知のように現在食糧研究所といたしまして一つの研究ができたわけでございまして、それは勿論過去の特許のものを土台にいたしておるわけでございます。その製法を進めて参ればほぼ米と同様なものができ得る、これはカロリーの問題につきましては問題ございませんが、栄養価の問題につきましてはやはり澱粉を相当多くまぜますると栄養価が落ちます。やはり澱粉をまぜる限度が栄養価の問題からするとあるのじやなかろうかと思います。そういうことを考えまして、同時に澱粉の消化にもなりますから、これは融資斡旋等の措置を講じまして、そうしてできるだけ進めて参りたいと思つております。この進めて参りまする中心の考え方といたしましては、我々としては特許権についてはこれを公開するような措置をとつて参りたい。と申しますのは、これは政府が借りるという形になるかと思います。そうしてそれを公開して行くという形になろうかと思いますが、そういう措置で運んで参りたい、同時に検査を行えば、これは農林規格法によつて検査を行いまするから、強制検査にはなりません。併し検査を受けたものを表示をいたしまして、検査を受けざるものと然らざるものとを区別をして、その点において消費者が選択し得るような方向へ持つてつて、できるだけこういう新制品について不良品の出ないような措置をとりたいと、いうふうに考えておるわけであります。あとは金融の斡旋をして参りまして、そうしてやつて参りたい。現在ですと月二千トンくらいの生産量になつております。いろいろ各方面においても計画も聞いております。まあこれは相当の能力になるのじやなかろうかと思います。そういう形によりましてこれを進めて参ることがやはり闇米消費を節約いたすことにもなります。同時に小麦なり澱粉なりの消費の新規用途にもなりますので、そういう気持で従来から進めておつたのでありまして、特にこの際の凶作対策としても貢献すると思いますけれども、それのために思いついたものではないということを御了承願いたいと思います。
  53. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 今の合成米の価格の問題について何かお考えがおありかどうか、それからもう一つ今度の対策要綱に等級を下げるという問題がありますが、この二点だけ伺いたい。
  54. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 合成米の価格につきましては御承知のように現在一キロ市販価格が七十五円から八十円くらい、それからこれにビタミン類を入れたものは高くなつておりまして、百円近くなつております。我々といたしましてはできるだけこれを引下げたい、少くとも内地米の価格程度にすれば闇米にとつて代る力が相当あるのじやなかろうかというふうに考えておりますので、その程度価格に持つて行きたいというふうには考えておりますが、御承知のようにこれは全然私どもとしては自由的な消費、自由的な生産にいたしたいと考えておりますので、公定価格で以てこれを抑えて行くという考え方はないのであります。と申しますのは、現在の合成米の生産が初期でございますので、やはりここに自由経済のよさというものを発揮させまして、そうして合成米の生産なり技術というものが安定しませんと、向上の途中においていろいろな手を加えるということはその向上を途中でカットする虞れもございますので、そういう形でできるだけ向上させまして、この程度で大体、今後の生産なり技術というものが伸びないと申しますか、安定して参る、これ以上はそう大きな発展はないだろうというところに持つて行きたい、かように考えております。従いまして価格につきましては例えば融資斡旋をしますとか、或いは又特許権を公開する場合にできるだけこういう自主価格で以てやつてもらいたいというふうな形で、行政指導で以て行きたい、かように考えておるわけでございます。  それから規格の点でございますが、御承知のように昨年度におきましては供出につきまして四等米以上を供出の対象といたしておつたわけでございますが、今年はこういう作柄でもございますので、五等米を全部供出の対象にいたしたいということで以て、それには超過の場合には早場奨励金をつけて参るという考え方でおつたのであります。ただ今年のその後の作柄から考えまして、従来は等外米につきましてはこれを全然供出の対象にはいたさないで、県が買入の申込がございましたときに、他の用途を探しました場合において、政府を通じて買入をする、こういう制度をとつておつたわけでございますが、本年度におきましては、等外米につきましても上下の区別を付けまして、そうして上につきましてはこれを超過供出の対象にいたしたい、これはまあ配給の面とも非常に関連いたしますし、相当農家の側から申しますると、この等外の上下の上というものを下げないと、規格を下げないと意味がない。ところが配給と申しますか、消費の面から申しますと、これは相当消費の面においても問題があるわけでございますが、そういう点を睨み合しまして、できるだけ私たちとしては、上につきましても今年の作況を斟酌いたしたつもりでございます、そういうふうに、上につきましては、その品物にもよりまするけれども、配給に適するものは、これは配給のほうに廻して行きたい。これはその県の事情にもよりますので、具体的にこの処置につきましては、その県におきまする買上数量の見込とか、そういう点を十分把握いたしまして、そうしてその処置をつけて参るように、具体的に個々の県とお話合いをすることがいいのではなかろうか、かように考えておるわけであります。
  55. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 もう一つ今の問題について、供出の割当が完了しないけれども、供出の対象にならないこの下でもこれを出したときに超過供出の云々とこう書いてあるのですが、これはもらえるのですか、この価格として……。
  56. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 等外米の下は、これはもう殆んど飼料以外にはならないと思います。これは或る程度加工用といいますか、或いは飼料用といいますか……。
  57. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 価格なんですがね、ここには……。
  58. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) これにつきましては供出の対象にしませんが、買うことはこういう際だから政府は買つて……。
  59. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 奨励金は出るのですか。
  60. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 奨励金は、従つて供出外でございますからつけない方針でございます、下は……。
  61. 清澤俊英

    清澤俊英君 丁度そこまで行きましたが、大体この等外は上下があるが、幾らで買うのですか、これはきまりましたか。
  62. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 価格につきましては、大体従来も歩留まりによりまして、価格を決定いたしたわけでございます。その歩留まり関係も十分本年度の作柄を考慮しまして、細部は正確に申上げられませんが、一俵につきまして上は二千八百七十円、つまり五等から二百円引、五等の価格を二百円引というふうに考えておるわけであります。それから等外の下は五等からいたしますると、五百十円引、これは結局五等の搗精歩留まりから、搗精の標準率から見まして、どれだけの歩留まりになるかというふうな形で計算をいたしておりますが、実はこれを価格に見ますると、消費者価格関係から見ますると、食糧庁としてはこれは白井さんが怒られると思いますが、赤字になるのじやなかろうかと考えております。
  63. 清澤俊英

    清澤俊英君 その点はわかりますが、これは八百二十円ですか、八百二十円を基本にして……。
  64. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 二千八百七十円程度、二百円引でございますから…。
  65. 清澤俊英

    清澤俊英君 一俵の話ですか。
  66. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 一俵です。
  67. 松浦定義

    ○松浦定義君 私はこの等外の上下の問題に非常に疑義を持つておるわけであります。今のお話ですと下は加工用というのですが、これはやはり恐らく人造米のほうに廻すのじやないですか。
  68. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 加工用と書いてありますが、現在の何から申しますと、そういう方面には廻りかねると思います。而もこの作柄から申しますと、殆んど屑米でございますので、主として飼料用にしか……この中から精選いたしますと或いは加工用に廻すことは殆んど困難ではないかと思います。
  69. 松浦定義

    ○松浦定義君 人造米は外米の屑を使うということが大きな部分になつておりますが、そうすると外米の屑より今年はこれはまだ悪いということになるのですね。
  70. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 外国の砕米は、日本で申しますと完全な二、三等のいいものを搗精した場合の屑でございます。粃とか青粒とか被害粒とかいうものは全然ないわけであります。外米の砕米は御承知のようにタイ米につきましては、一定のホールライスを買います場合に一定の割合で買わなければならんわけでありますが、今年のような、状態におきましては外米の買付量を殖やしますと、おのずから一定の割合を以ちまして砕米を買わざるを得なくなつて来るのであります。この砕米はいわゆる等外、上とか下とかは全然別個でございまして、日本で申しますと、三等のようなものを搗精したときのいい米だけを砕米として来ておるわけであります。
  71. 松浦定義

    ○松浦定義君 そこで私はこの等外の場合が供出の枠には入らん、ただ超過供出としての価格で買取るということなんですが、恐らくそうしますと、今年度の割当は五等までのものを基準として必ず供出が完遂できるという数字に基いて割当を決定されておるものと私は聞くのですが、併し恐らく我々が見た結果、或いは現状を見ますると、恐らくこれらも入れなければ供出が完了しないというのが農家の実態だと、こう思うので、私は少くともこの上の場合は枠に入れて、下の場合は枠に入らないけれども希望によりまして買入れる、こういうふうでないと実態に副わない、こう思うので、若しこれができないという、こういう形になりますと、恐らく今長官は人造米は廻らんとか何とか言いますが、外米の砕米を例えば八割にして、このほうの屑を二割入れて、そうして人造米ができたのでうまくないのは澱粉が多かつたとか何とかいうことで、恐らくこれは相当の宣伝をするだろうと思いますので、農家のほうではただ枠に入らんようなものであつて、而もこの下のほうあたりを見ますと、恐らく政府が仕方なしに買つてやる、こういうふうな考え方なり調整の如何によつては上も下もなしに外として農家は何とか処分のしようが幾らでもあるわけです。従つて若しこの上の場合、或いは下の場合でも農家政府に売らないで自由に販売しても、これは何ら差支えないものであるかどうか、この点を一つお聞きしたいと思います。
  72. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 松浦さんの御意見もございすまから、今まで各県とお話合いをいたします場合におきましては、大体供出の割当といたしましては、五等以上をお願いするということでお話合いを進めて参つたわけであります。従いまして我々といたしましては、まあこれは今後の状態にもよるかと思いますが、一応五等以上を標準としてお話合いがついたというふうに考えておりますし、そういうお気持で各県もやつて頂いておると、こう考えるわけです。ただこういう際に我々といたしましても、できるだけまあ政府のほうの指示の方法、同時に又農家のほうの面から、販売処理から考えましても、やはり等外米について上下を分けて、上については超過供出として、超過供出の奨励金をつけて買うことが必要でなかろうか、こういうことでこういう措置とつたわけであります。御承知のように米の統制につきましては従来はやはりこの等外米につきましては取締の関係上、等外米と称して一般のものが流れるということもございすまし、いろいろ取締上の問題もございすまので、これは必ず政府を通してやるという形をとつておるわであります。従いまして昨年等の事情を申上げますと、大体等外米につきましては生産者団体が集めまして、これだけ集まつたからそこで県内におきまして等外米の需要先を探しまして、そうして一応政府を通つて、一応政府に売りまして、勿論政府はマージンをとるわけではございませんが、そうして今度は消費者にと申しますか、主として加工の場合が多かろうと思いますが、それに廻す、こういう形をとつておるわけでありまして、やはり米の統制の建前からいたしまして、等外米に上下をつけまして、これを自由にいたすことは我我としては全体の統制上弊害があるというふうに考えておりますので、さような取扱をいたしたくないと考えております。
  73. 松浦定義

    ○松浦定義君 私は政府は勝手なきめ方をしておると思うのです。例年でありますと、恐らく等外米なんか作ろうといつたつてなかなか作れやしない、ときたま余つたものはそれくらいは集めれば何とかなるし、利用も相当あるからということでまとまつたと思うのですが、今年の場合は私はそうでなくて、出そうとしても出せないような等外米がたくさんある、従つてこれは何も人為的にこれをやつたんでなくて、当然こういうような場合にできたやつに対して政府は責任を負わないで、農家に責任を負わせてしまつて、それでなお供出の配給以外のもの、例えば屑米として飼料或いはその他のほうへしか廻らないような一般消費者が要求も何もしないものまで、取締というようなことで私は非常にこれはどうかと思うんで、恐らくこのことは確かに今こういう状態でありますと、私は弊害が確かに出て来る。でありますからやはり一級引上げを私は要求しておるのです。従つて政府の責任はやはり当然凶作に対しては責任を折半すべきでありまして、当然上の場合は枠に入れる、下の場合は買つてやる、このくらいのことをやらなければ、今の形で上は枠の中に入らん、下のほうは全然問題にならんということで、而も統制の中には厳重に取締るということになりますと、自家用以外にたくさんのものを持つておりながら、みすみす消費者が別な形でこれを加工を何とかすれば相当のものになるにかかわらず、政府がそれを抑えることによつて、それが非常に一方的なほうへ利用されて、今申上げましたような形で本当に全体の消費者の口に乗らないで、農民が犠牲になつ形態になつてしまうのではないか、こう思うんで、恐らくこの場合私は相当緩和されてもいいんじやないかと思うんですが……。
  74. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつとその点はつきりしてもらいたい。
  75. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 申上げますが、政府が等外の上につきまして、これを勿論制限して買うという意味じやないわけでございまして、勿論超過供出として無制限に買うわけでございます。ただ御承知のように、今度の供出の場合におきましては、これだけの義務供出割当のほかに、各県として又日本全国として相当の集荷を必要といたしますから、これだけは超過供出として是非お集め願いたいということは、別に枠として県とお話合いをいたしておるわけであります。従いましていわゆるもとの義務供出というものは御承知のように相当低くなつております。それにプラス・アルフアーとして超過供出をこれだけぐらいは最低限度お集め願いたい、こういう形で行つておるわけであります。北海道なんかにつきまして申しますと、例えば七十万石はこれは義務供出でございまして、それと五等以上をお願いしたい。併し少くとも八十五万石以上は一つお集め願いたい。勿論それ以上結構なんです。その他の際には超過供出として等外米の上は超過供出価格でお買上げいたしますから、こういう形でお話を進めておるわけです。これは勿論お話のように、地帯によつて非常に状態が違うと思います。今のお話のように、全国的にこれを等外米の上を供出の枠に入れると言われますと、これは相当政府に集まるものは等外米の上が多くなりまして、而もいい米が、作柄等がいい所がございますと、それは又はかに流れるという心配もございます。これはやはり義務供出といたしましては五等以上をお願いいたしたい、併し超過供出としては無制限に買います。而も超過供出につきましては、府県の加工の数量を最低限度お願いいたしておる、これは我々としては多々ますます弁ずるところでございます。それで以て一つ御協力を願いたい、こういう形で府県との間にお話合いをして参つたわけであります。
  76. 松浦定義

    ○松浦定義君 一つだけ、それはどうも私はこれは結果的に必ず問題になつて来ることと思うのですが、それでは飽くまでこれは個人割当ですね、農家個々に対する割当ですから、個人がこの規定に合わない結果が出て来る、例えば一〇〇%出せないで、八〇%五等だけしかないのだ、併しその場合でもこれはやはり上の場合は一〇〇%になららくても、超過供出というので個人はお買上げになるのですか、それは五等米まではないのですから。
  77. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) お答え申上げますが、私たちといたしましては勿論個人割当でございますので、是非一つ割当したものはこれによつて従来の考え方によりまして御供出願うという考えでおります。併し割当の場合におきましてもよく府県等にも申上げておるのですが、その後の災害の事情等もございまして、現実にそれが達成できないという場合に補正をするかどうかというような問題も今後としてはあるわけでございます。でございますから、こういう問題を画一的に、これはこうしなければならん、ああしなければならんという性質のものじやなかろうかと私は思う。これはやはり実態に応じまして考えて行くべき性質のものではなかろうか、かように考えておりますので、どうか御了承を願いたい。
  78. 白井勇

    白井勇君 食糧庁長官にいろいろ、お尋ねしたいことがありますが、今五等米の問題が出ましたから取りあえずその問題だけに限りまして、私は多少こういう考えを持つているのです。今年のような場合ですから、五等米、等外米というように非常に細分されまして、あそこまでいろいろ措置を講ぜられまして非常に結構と思います。あの下と申しましてもこれは従来でありますというと、これは米にならんからということでまあ考えておつたわけです。ところがやはりこういうふうになつて見ますと、やはりこれは外米のことを考えますと、まあこれはただ加工用という考え方で扱うことはどうかという気がするのです。やはり食糧庁としては米を集めなければならんわけでありますから、やはり上と同じようなふうに超過供出だけは考えてやるということにして、そして極力政府の手に握る。私は今までの経験から言うと、あの上が七〇%近いものに止まるとしますと、多少品質が落ちましても下でも六〇ぐらいには止まるのじやないか、大体私はそういう感じを持つておりますが、専門家はおわかりでしようけれども、ですからこれはやはり無駄にしないようなことを考えて、この際は上と同じように等外下にも超過供出奨励金をつけられたらいいように私は考えておるのですが、これは一つ御研究になつたらいい。
  79. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 大専門家の白井さんのお話ですから十分研究いたしますが、実は私は素人でございますけれども、この上下の規格を作ります場合に、専門家にずつと米を並ばして見たわけでございます。専門家の通念の考えから言うと、三ぐらいのところでいいということを、まあ私素人で、米が欲しいものですから、五のクラスまで下げて、上というものを、本来なら下に入るべきものを無理して、これは専門家に言われて怒られたのです。こういう素人がそういうことをやるのは困るというお話でございましたが、こういう際でございますから、専門家がやつたものの中で、普通の専門家から見まして、又配給を担当しておるものから見ましても、等外米の上というものは、三までのところでいいというのを五まで落しまして、相当悪いものも入つているというふうに私としてはそれを見まして考えたわけです。ただお話のように、仮にこれは全国的にそういうこともありませんと思いますが、地域的に等外米の下というものがありまして、それがいろいろな手を加えることによつて消費に廻し得るということになれば、その集まり工合ももとより考えなければいかんと思いますが、これは飽くまでも一つプラス・アルフアーとして、我々の期待する超過の加工用とか何とかでなくして、これを我々としては需給計画を立てます場合においては、やはり超過の加工用を一つの目標として、更にそれにプラス・アルフアーとして需給計画を立てておるわけでございすまから、そういうものを需給計画の内容といたしまして、こういうものを確実に加えるのだということで、ものを見ないうちにやるのは非常に我々としても苦しいものでありますから、その点は一つよく事情はおわかりだろうと思いますから御了承願いたいと思います。
  80. 白井勇

    白井勇君 私は人造米をやるという段階であれば、やはり等外米は今のような恰好で行きますれば、政府の帳面を通して、従来通り売買されるという恰好なつちやう、そうして煎餅なり、或いは闇屋に儲けられる。政府は等外米について今のお話のように逃げるというような考え方でなく、積極的に超過供出奨励金をつけてやる、そして、政府の手に握るこの、ほうがいいように私は思うのですが……。
  81. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 実物をよく御覧になつて頂きたい。
  82. 白井勇

    白井勇君 実は私は実物を見ましたんですよ。
  83. 清澤俊英

    清澤俊英君 この問題は実はここに来る前に、農民六、七十名に集まつてもらつていろいろ相談をしました。四十匁、三百六十円にしてもらいたい、上を。何と言つてもこんな下は食われないというが、農民は四十匁の上を喜んで食べる。それから下の部分でも、再搗精して食べる。これを地方によりましては煎粉団子に作つても配給を受ければ小麦粉よりも腹持ちがよろしい。こういう地方さえあるのでありますから、配給米にさえ使われると思う。この下が食われないなんというのはよほどの贅沢な人間で、実際災害地におきますれば、戸叶さんも御承知と思うが、下でもよろしいし、場合によつたら籾でもよろしい。四十匁くらいの籾でもよろしいから、拾つて煎粉団十を作つて食べるからよろしい。却つてよろしい。こういう工合に言つておるのですから、食糧にならんなんて贅沢千万な話である。従つて等外上を三百四十匁くらいに又一格順を下げてもらいたい。片一方の五等の下のほうは三百匁でも結構ですから、これは四十にしてもらいたい、それなら喜んで出すだろうと思う、私は。
  84. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) これは御承知のように米の検査の問題で、制度といたしましては、一つの恒久的な制度でございます。今後やはり一定の制度として進めて行くべきものかと思いますので、我々といたしましては、規格の問題と、今年の作柄に徴しまして、標準をどうするかという問題と分けて考えておるわけでございます。只今お話の三百五十匁の標準量を三百四十匁にしろ、こういうお話でございますが、これはやはり価格からいたしまして歩留まり関係から検討いたしたわけでございます。これはまあ相当我々といたしましては、技術者の面から行きますと、相当の議論のある点でございまするが、そこを無理に下げたわけでございますので、その点を、一つそういう制度の問題と、それから歩留まりによりましてこれを価格に換算いたしておるというような点でございますので、一つその点は御了承願いたいと思います。
  85. 北勝太郎

    北勝太郎君 今日は河野委員がおられないのですが、この間長官のおられない席であつたと思いますが、河野委員の発言された中に重大なことがあつたと思うのであります。それは例年の米は三等中心に価格がきまつておる。だが併し今年は恐らく四等五等中心になろうと思う。そうすると、その場合において、食管会計は非常に不当利得をする。生産の中心が四等、五等であるのに、生産の中心を三等として価格を適用するために非常な不当利得になるのだ、こういう話があつたのでありまして、私ども尤もだという工合考えておるのであります。こんな凶作のときに、食管会計が儲けて農家を苦しめるという法はないのだ、こういう工合考えるのでありますが、その建値の標準を一つ四等若しくは五等にする、その年の生産の中心に当てはまるようにという工合にお考えになる考えはないか。これは農民として重大な問題だと思うので、その点を伺いたい。
  86. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) お答え申上げますが、只今お話食糧特別会計が不当利得をするということにはならないと思います。と申しまするのは、やはり五等、六等の払下げ価格というものは、おのずから払下げの場合におきましては、四等、五等は低いわけでございます。従いまして、四等、五等は低い金で払下げます。それが多くなりましたら、高い価格で払下げておるということにはならないわけでございます。御承知のように、従来の考え方からいたしますると、三等の価格をきめまして、そうしてそれによりまして、一定の歩留まりで以て価格をきめて参つておるわけでございますが、お説のように、こういう作柄の場合には、三等以上のものが少くて、そうして四等以下のものが多い、従つて農家のほうの手取りが減るのじやないか、これは尤もな点であると思います。併し価格の建て方は、従来とも三等中心で歩留まりによつて価格差をかけておるわけでございますので、若し価格を四等ということにいたしますると、この四等中心の歩留まりが下つて行く。結果としては価格の絶対額は変らないことになろうかと思います。ただお話のように、価格をプール価格としてやつたらどうか、プール価格としてやりまして、そうしてプール価格として払下げるということになりますると、これはお説のように、悪いものがあればいいものを予定して売るということになりますれば、それは食管会計の黒字ができるということでございますが、そういう建て方ではございません。プール価格としての考え方でございますので、その点は御了承願いたいと思います。
  87. 北勝太郎

    北勝太郎君 政府は白米配給をされるのだから、そこで五等もつ却つて皆三等白になる。そこで不当利得になる、こういうことを我々は考える。成るほど歩留まりで多少の差はあるかも知らんけれども歩留まりでは追付かん、等級と価格の差は。そこで私どもは不当利得だということを大変横著な言葉を言うかも知らんが、そういう感じを持一つわけです。
  88. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) それは裏腹でございまして、価格をきめまする場合には、やはり歩留まりによつてきめるわけでございます。従いまして、払下げる場合にも、その歩留まりで以て立てて払下げるわけです。例えば五等米でございますと、搗精歩留まりが八〇何ぼなら八〇何ぼという価格で、三等から換算いたしまして、その歩留まりのものとして払下げるわけでございます。その点は歩留まりによつて価格の差を見ておりますから、同じことになるじやなかろうかと思います。
  89. 北勝太郎

    北勝太郎君 次にお伺いしたいのは、今年の凶作、不作で農家はまあ非常に困つておるわけですが、これと一心同体にある協同組合は又非常に困る。これはまあ多く申上げんでもわかると思うのであります。ところが、その僅かばかり入つた政府米、農協倉庫に入つた政府米を、これをどうも食糧庁は精米業者本位に統制を付せられる。そこで、さらにだに困つた農協はいよいよ困ることなる。そこで、農家を救うのと農協を救うのと同じことなのでありますから、是非一つ政府米は農協に一つ統制を全部やらすように旧してもらいたい。そうでなければ農協は潰れてしまいますという陳情がこの間あつたわけなんです。是非この問題にそう願いたいのでありますか、果しどんなお考えであるか。
  90. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) この点につきましてはまあ従来から白米供出の問題と関連いたした問題でございますが、御承知のように今年のようなまあ政府の集荷状況のときには、政府としては本当に少い量で以て的確に消費者のほうに配給しなければいけません。或る量がございますると相当楽な配給操作ができるわけでございますが、とにかく少い量で以て全国各地にばらまいているものにやらなければなりませんので、大体玄米を主体にもう動かして行くと、そうして末端におきまして、消費者のその手前の末端におきまして、玄米のままで運んで行つて、そうして最小期間の間に白米にして消費者に配給するということになりますると、それを農協でやらすということになりますと、農協が配給部面を持つております場合におきましては、これはまあ農協の設備如何によりますが、それは御趣旨のようなそういう方法考えなければならんと、かように考えるわけでございますが、農協が配給部面を持つていない、農協に登録していない他の部面におきまして、農協に統制さして、そうして又それを送るというふうな余裕は、本年のように数量が少くて全国的に県外に出る県が少い、もう全国あちこちに振向けなければいかんという場合には非常に困難でございます。配給を農協が農村において担当いたしておりまする場合におきましては、これは農協にそういう精米設備がございますれば、これを利用して参るということはまあ考えて行かなければならんと思つております。
  91. 北勝太郎

    北勝太郎君 どうも政府は農民若しくは農協を救おうという意見が少し薄いように思う、今の理由では……。政府考え方を変えさえすれば地方で節約をしてそいつをすぐに消費地に送ることができるのでありまして、それによつて農協が救われる、政府が農協を救うということになるのでありまして、これは一つ大いに考え直してもらいたいと思います。  なおこの機会にもう一言御報告申上げたいことがあります。それは北海道の今度の配給の割当の問題であります。北海道の七十万石の米の割当が空知支庁管内の市町村に四十何万、六割二、三分のものが割当てられた、そこで北海道では大問題を起して、空知ではとうとう返上しちやつた。まあ収拾がつかんという情報を最近聞いたのでありますが、これは政府の割当が少し無理がかかつておるのじやないか。今年の米は成るほどちよつと見ると当り前にとれたように見える場合でも、実は籾が非常に厚くて米にすると非常に少いのです。そんな関係農家が知つておるからこれば無理だと言つて引受けんのだと思うのでありますが、政府のそういうような数字の見方に相違があるためにそういう問題を起しておるのじやないかと思うのであります。これはただまあ地方問題としてそういう問題があるが、一つ御考慮願いたいという意味の陳情に代えておきます。御答弁は伺いません。
  92. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつと等外米の問題で松浦委員の質問ではつきりしない点がありますので、重ねて私からも質問しておきたいのです。というものが量だけは超過供出に入つておるのですが、それは配給にも廻る、こういうことですが、食糧管理法の適用上真正面から食糧管理法の適用を受けるかどうか。というのはこれは松浦さんの聞かれた点ですが、要するに普通の米と同様に政府に全部売らなければ食糧管理法の違反になるか。一応政府が自主的に、何といいますか、政府を通じて一応売るということでございます。これはやはり食糧管理法違反になるかならんかということで非常に重大な点だと思うのであります。それが第一点。  それから超過供出奨励金は等外米の上にはつくわけですが、例の減収加算というものは、これは入らんように見えておりますが、入つておらんかどうか。  それから等外の下というものは供出数量の枠外で、超過供出奨励金もつかないと、ここに書いておいても殆んどこれは集荷対策にはならない。ただこれはお座なりにここに書いてあるに過ぎないという感じです。これは各委員から御質問された点ですが、以上の三点と、それからもう一つはこれに関連して早期供出米の確保のところに本年は作況配分するように考慮して各等級とも全体として検査標準の品位を引下げたと、こう書いてありますが、これは一等から五等まで下げて、更にその下につく等外米の上下であるかどうか。これは先ほど清澤さんの言われた一升重量にも関連して来る問題だと思うのです。以上の四点がはつきりしない点がありますので、その点ちよつとはつきり御答弁を願いたいと思います。
  93. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 只今の第一点の問題でございますが、これは法律論といたしまして食糧管理法の条文においては二点に関係することだろうと考えるのであります。つまり政府の指示した買入数量に入るのかという問題と、管理法全体としての統制体系といたしましては第九条の問題とがあると思うのであります。で、私たちといたしましては第九条の幅とそれから政府に売渡すべしというものとの幅においてまあこういう場合におきましては法律的にも幅があつていいのじやなかろうか、併し食糧管理全体の体制の中には入るものと考えております。  それから第二点の減収加算は超過供出として同様に考えて参りたい。勿論歩留まりの問題がございますが、一般の超過供出とは同様に考えておるわけでございます。
  94. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 出るわけですか。
  95. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) ええ。  それから三の等外米につきましては、これは供出の枠外として集荷面としてここに書くということは、或いは御指摘のようにおかしいと思います。ただ従来の場合におきましてもこれを買うという趣旨をはつきりさすという意味におきまして、従来と同様の意味のことを書いてあるわけで、趣旨は変らないと思います。  それから第四点の早期供出米の確保の点でございますが、これは只今清澤さんのお話のように規格の点について書いたのでございますが、本年度産米穀の検査標準と申しますのは、言葉は足りませんけれども、標準米を決定いたす場合においてという趣旨で書いてあるわけでございます。そういう場合には本年の作柄を考慮して、昨年度よりも本年の作況に応ずるような検査標準品を作つて参る、こういう趣旨でございまして、或いは誤解を、検査標準の査定ということで書いたということでありますが、規格として、検査規格という意味で誤解されるようなことがある、或いは文章の点が適当でなかつたかと、かように思うのであります。
  96. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつと一点、今はつきりいたしておきたいのですが、等外米は食糧管理法の適用は受けるけれども、いわゆる政府の指示した供出数量には等外米からも入らない、但し第九条の適用は受けるということでございますが、これで間違いないのでございましようか。
  97. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) さようでございます。
  98. 白井勇

    白井勇君 私食糧庁長官にお尋ねします前に、もう一言畜産局長に念を押しておきたいと思いますが、この畜産加工品の問題ですね。この前の生乳の例を見ますと、結局その集荷費が非常に高くつくのです。北海道あたり、一一升当り七円につく。逆に京浜あたりは四、五円にしろという、こういうお話をしておりましたが、先ほど私がお尋ねしておつたような考え方からしまして、全国的というようなことは、これはなかなかむずかしいでしようけれども、これから予算もまだ確定をしない時期でありましようし、何か集荷の運賃みたいなものを少くとも来年は食糧対策と噛み合せまして、相当政府と組んで助成でもしてやつて、もう少し畜産加工費でも下げるとか、或いは少くとも米が上つても、魚が上つても、せめて畜産品だけはとにかくまあ明るい見通しがあるんだというようなことを畜産局長の絶大な手腕によつて実現し得るような見通しがないものですか。  次に私、食糧庁長官にお尋ねしたいと思いますが、お尋ねに入ります前に、先ほど来いろいろまあ片鱗的に来年度の食糧対策の一、二端を伺つたわけでありますが、やはりこの五千五百万を割るというようなこの段階に来た場合に、食糧庁長官とされまして、来年の食糧対策はどう切抜いて行く考え方であるかというような考え方を初めに承わるほうがいいのじやないかと思うのですが……。
  99. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 白井君に申上げますが、これは当然必要だと思うのですが、今差当り冷害対策に当然関連して来ると思うのですが、先ほど宮本さんからも全体の需給計画について今頻りに供出作業中で、ちよつと具体的な供出目標の集荷目標が立たないで……。
  100. 白井勇

    白井勇君 私は需給関係よりも、食糧対策としましては、まあ供米の問題もいろいろあるでありましようし、人造米もやり、或いはこういう考え方で、来年は少くとも切抜けて行くという、こういうような考え方はあると思います。畜産局長一つ先にお願いします。これを先に聞きたいと思います。
  101. 大坪藤市

    説明員大坪藤市君) できるだけ畜産製品価格を引下げるということにつきましては、私どもといたしましても全力を挙げてやつて参らなければならんと思うのでありますが、例の集荷の費用につきまして助成をするという問題につきましては、今後これは大いに検討を要する問題じやないかと思います。現在の財政と申しまするか、そういうような面から見まして、そこまで簡単に行くかという点につきまして私どもといたしましては今後検討をいたしまして、そういうことができ得るというようなことになりますれば財政当局と相談いたしたいと考えております。
  102. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 白井委員の御意見御尤もでございます。先ほども米の具体的な需給につきましては宮本さんにお答えしたような点で御了承願いたいと思います。併し食糧全体といたしましては、我々といたしまして米麦冒せた、主食としてはこれは是非確保いたしたい、こういう考え方でおるわけでございます。現実に我々といたしましては、現在手を打つておりますのは、すでに供出の割当のきまりました県につきましては、御要求に応じて麦製品を出すということによつてできるだけ農家の米の節約によつて超過供出をして頂くように、これは県と数量を御相談いたしましてすでに出しておるわけでございます。これは今後更に希望がございますればだんだん追加して参る、こういう考え方で以ておるわけでございます。一方におきまして災害地帯、特に冷害地帯に対しましては、これは或る程度農家のかたがたも御安心されるようにということで、或る程度逆輸送になりますが、麦を保管いたします場合におきましても、そういう方面において保管をして参りたいということで、輸送量その他の運賃等の点について相当のロスはございます。更にこういう場合としては止むを得ないということで分散して、特に災害地に対して保管をしておく、こういうことを現に手を打つております。それから又消費地の面につきましては、従来でございますると中小企業との関係、或いは消費等の関係からいたしまして、政府の小麦につきましての売払い数量に或る限度を設けておつたのございますが、これは限度を設けないで、各工場の希望に応じまして、大体一月の能力が四十五万程度とされておるのでございますが、工場の能力一ぱいのものは売りますということをすでに計画いたしておりまして、これはもう実施中でございます。従いまして相当現在製粉工場においては殆んどの場合によりますとフル操業をいたしております。フル操業をいたしておらないところに対しましては、若し需要が伴いますれば工場の能力を限度といたしまして、これを無制限に売つて参りますということをすでに手を打つております。又一方におきまして製粉工場に対しましては、工場に対しまする原料を確保する代りに、現在の価格を自粛して、これ以上げないで欲しいということを行政的に話しまして、これは協力を得て、現在小麦につきましては価格が安定しておるということを承知しております。  又御承知通り東京都と相談いたしまして、精麦につきましても標準店を作りまして、現在時価が一キロ五十六円から六十円ぐらいになつております。これに外麦の数量を確保することによりまして、一キロ五十円ということで標準店では売るということにいたしまして、大体東京都におきましては一地帯三百世帯に一店ぐらいに標準店を置いて、これは実施しております。この反響が非常によろしいために大阪、兵庫、その他の各県からも是非その点を要望いたしておりますので、我々といたしましてはこれを重要な都市には拡めて参りました。ただこれにつきましては、東京都におきましては或る程度の原料をやつて、それで数量を確保し、適正マージンを守らす意味におきましても或る程度助成措置を講じておる、そういう点につきましては関係の都市と実施の場合においてはやはり何らかの助成措置考えたい。我々といたしましてもこれに対して何らかの助成方法はないかということを考えておりますが、現実にはこれに対しては数量については責任を持つということにいたしておるわけでございます。そういうふうに、米につきましては先ほど申上げた通りでありますが、これにつきましても関係府県の御協力を得て、極力集荷いたしますと共に、これのバツク・グランドとしての食糧全体の需給に不安なからしめるために、又麦価の安定を図るために行政的措置をいろいろやると同時に、これの数量に事欠かないような方法は我々としては十分とつておるつもりでございます。そういう程度一つ御了解を願いたい。
  103. 白井勇

    白井勇君 御質問のあるかたが多いようですから、私二、三伺つて見たいと思いますが、先ず今年の凶作に関連をしまして、片一方におきまして災害対策も講ぜられまして、相当災害のありました地帯も回復は見ると思いますけれども、やはりこの農地の回復はどういうふうに進むかということによつてこれは非常に違つて来るのじやないか。従つてこれからそれがどういうふうにきまりますかわかりませんが、災害を受けました人たちの救済ということは勿論でありますけれども、更に来年の食糧対策という見地からいたしましても、仮にほかの計画というものが三カ年計画で二、三、五というような、或は三、五、二というような年次計画で行くというような場合におきましても、むしろ来年の食糧対策考え方からいたしまして、少くも農地の回復というようなものにつきましては、これは全面的にやつて行くというようなこともこれは関連を持つて進めなければならんと思います。それから又来年の食糧に間に合いまする馬鈴薯の問題、或いはこれから間に合う麦の問題、いろいろお話をされておりますが、その辺の関係がいわゆる生産関係なり、凶作、災害地の復旧の関係とどういう関係を持つて御計画なさつておられるか、それが一点であります。  それから只今お話のありました麦類を大いに活用して行くというお話であります。月四十五万トンの枠もフルにこれは出して行く、こういうお話でありますが、これをもう少し積極的に、例えば今度の供出農家に対しまして二十キロ八百円の精麦を出して行く、これはやはり日本の大衆としましては、何といいますか、粉食よりも粒食であるとしますれば、外米以上に又精麦を希望する向もあるわけであります。これをもつと再統制をやるということになりますといろいろ政策的な問題もあるかも知れませんが、食糧庁自体におきまして積極的に消費者大衆に何日分でも、今のキロ五十五円というようなものを供出農家にのみ四十円で例えば月何キロ出すというような措置を積極的にとることができないものでありますか、これは結局その足りない分は外米を入れるとか、いろいろな経費を使うことを考えますれば、殊にまあ加工業者の面を考えて見ましても、御承知通りに統制時代におきましては僅か一、二カ月機械をフルに運転いたしましても採算が合つてあるというような加工業者の実態であるのでありますから、特に能率の上がりまする優秀な工場は非常に安い加工賃でできるのじやないか、むしろそういう加工賃でもやつて行けるというようなものにやらして、そうして一般大衆に、これは全国的にむずかしければ私はやはり大きい都市だけでもいいんじやないか、こう思うのでありますが、そういうような措置を積極的にやつてつて、いわゆる闇米の上がるようなことを少し防遇するような措置ができないものであろうかどうかというのが二点です。  それから第三点といたしまして、これはこういう場合、やはり食生活の改善というものをこれは大きく坂上げなければいかん、これはただ消費都市だけじやなしに、やはり農村に対しましてもそういう手が積極的に伸びることによつて、ただ出せ出せということよりも、いろいろこういう食生活を改善せいということで、やはり油物なりその他のものをとりますれば、五合食べておつたものは四合で間に合うという実態が自然に生れて来るわけであります。そういうような面につきまして食糧庁としましてはどういうような具体案を持つていらつしやいますのかどうか、それが三点。  それからそれに関連をいたしますが、私たち消費者の立場になりますと、統制の外れましたいろいろな加工品、これは人造米につきましては先ほどお話のように希望検査をやつて行くというお話でありますが、例えて見ますと、私たち精麦もそうでありまするが、とにかくうどんの例をとりましても、これがあの「ふすま」をうんと食わされました黒いうどんというようなあの反動からいたしまして、白いものであればうどんは何でもいいのだというような考え方大衆は持つておる。それがうどんとしましては誠に品質の悪いものであります。而もそういうものが自由にされることによつて消費者というものも自由選択ができるのだという考え方が一方にあるのですけれども、我々の現在を見てみますと、やはりこれはそう自由になるわけじやないわけでありまして、小売店で扱つておるものが手に入らない、やはり一つの制限を受けておる状態であります。ですからああいう加工品につきまして全面的にやれということではありませんが、少くとも品質保証をやつて行く、こういうものは少くも政府としてうどんとして適当なものであるという保証票を貼つてやる。そうしますと消費者というものはそういうものを安心して食えるということになりますが、そういうような考え方はないものでありますか。  それからもう一つはほかの委員からもありまして、又長官からもお話があつたわけでありまするが、まあ今度の災害で農協というものは非常に打撃をこうむつております。只今お話のように保管料等をできるだけ落すように御措置を願いますことは誠にこれは有難いと思いますけれども、その他委託搗精の問題、或いは又手数料の問題等もよほどこれはこの際大目に見て頂きまして農協を立てるようなことをやつて頂きませんと、やはり集荷の面におきましても、或いは配給の面におきましてもいろいろ批判がありまして、現在の段階においては農協というものの活用はないのであります。昔から産地から来ましたものは礼を立ててやるというような、徒らに倉庫業者を肥やすということでなしに、これは是非お考えを願いたい。これは先ほどお話がありましたから又私からも重ねてお願いを申上げておきます。
  104. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 第一点の土地改良の問題でございます。これはお説の通りでございます。こういう点につきましては私の担当ではございませんが、農林省といたしましては、勿論今度の補正予算についてもいろいろ努力をいたしておるわけであります。ただ今年の作柄から申しますと、一番やはり災害の大きいという点は御承知のように低温災害ということでありますので、こういう点については更に生産当局におきましては今後の指導等に遺憾のならいような措置を講じたいというふうに考えております。なお、御趣旨の点は十分関係の当局者には私からもお伝えいたしたいと考えておる次第でございます。  麦の点につきましては先ほど申上げたようなことで進めて参つておるわけでございまするが、現実の状態といたしますと麦の消費は相当進んでおります。現にうどん等につきましては都内の生産では間に合わないので、そうして近県からも入つておるというような状態でございます。ただ現在の消費状況からいたしますと、私たちは現在政府が払下げておるものにつきましてそれが適正利潤でやつて参れば十分消費者方面におきましての消費の促進をなし得るというふうに考えておりますが、これは麦の価格の安定といたしまして十分検討をいたさなければならないというわけでありまするが、我々といたしましては現在そういうふうな形で材料を放出することによつて価格が安定し得るというふうに考えておるわけでありますが、今後更にそういう点については十分検討いたしたいと思つております。  それから第三点の農村食生活の改善につきましては、これは御説の通りでございます。我々としましてもこういう考え方を持つておるわけであります。ただこれも所管の問題といたしましては改良局の生活改善課のほうでやつております。これにつきましては具体的に本年度におきましては農村地帯に対してパン焼竃の助成をするというふうな形、更にそれを進めまして、地帯によりますと製麺の場合も必要ではなかろうかというふうな形で、これは農村の生活改善の重要な一環といたしましても、食改善運動といたしましてこれは大いに展開すべきであるというふうに我々も考えておりまするが、改良局におきましてもそういうような考えでいろいろ施策を練つておるわけであります。  それから食品の検査の問題は、これはお話通りだと思います。ただこれにつきましては検査を我々としてはどういうふうにやつて行くかという問題でございますが、只今の保証票の問題でございますが、現在におきましては先ず価格を現在に据置くということを措置いたしておるわけでございまして、これがどの程度の負担増加になるか、又こういうことによりまして検査を厳重こし、保証票を付けるということは一面非常にいいことだと思います。それを口実に又価格が上るということもあるので、そういう点につきまして一つ品質の点についてはお説の通り今後我々としても注意いたさなければならないことだと存じております。それから農業倉庫の点につきましては先ほどお答えいたしたわけでございますが、今後も注意いたしたいと思います。
  105. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 議事進行について。この政府に対する申入を、時間的の意味もあるし、今閣議をやつておるというようなことも聞いておりますし、一つ早急にやつて頂きたいと思います。
  106. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 今重政委員かも御発言がありましたが、恐らく閣議らもそろそろやつている最中だと思いますので、なお御質問もいろいろあると思いまするし、なおあと控えに農林経済局長、農地局長が今来ておりますが、ここで休憩してこの申入をいたしますか、如何いたしましようか。
  107. 清澤俊英

    清澤俊英君 畜産局長が帰る時間を……。
  108. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) なお、この問題は当然関連すると思いますが、成るべく絞つて冷害対策に重点を置いて一つお願いします。
  109. 鈴木一

    鈴木一君 今回の冷害、災害でいろいろ農業政策の矛盾というふうなものが出て来たわけであります。それに対する根本的な解決の方法というものはこれは大いに検討しなければならないと思いますが、取りあえずこの冬をどう越すかというふうな困つた立場にある農家に対して、是非暫定措置として救済の手を伸べて行くというような問題に先ず重点を置いて審議して、行くというふうな議事の運び方をしてもらいたいと思うのですが……。
  110. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 私只今そういう趣旨で申上げたわけですが、差当り冷害対策一つつてつて頂きたいと思います。
  111. 清澤俊英

    清澤俊英君 私のお聞きしたいのは、ずつとこの間視察して参りますと、馬鈴薯、大麦、そば等を来年の食い繋ぎに増産をやつておる。それと同時に肥料等の関係もあり、現金収入等の見込から相当量の豚、鶏の増産が計画せられておる。折角増産が計画せられておつて飼料対策は今需給安走法がありまして外国の「ふすま」等で調整し得るといいますが、全国的な大重の飼方をして参りますると非常な数になつて飼料問題が出て来て飼切れないという問題も出て参り、非常に困る問題も出て来やせんかということと、飼つて見たところが一応飼料の面で今の価格を維持することができなくて、いつも出て参りますように増産の裏には値下りという悲惨な状態が起きますれば、折角の凶作農民がその目的を達することができないばかりか、却つて損害を倍加するような結果になりますので、これらの点を十分一つ御勘案頂いて、最後に農民に損をさせないというやはり畜産局長は御決心を以て何らかの方法考えて頂きたい。これだけ一つお願いしておきたいと私は思います。御返答は要りません。
  112. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは私から一つ、先ほどから遠慮しておつたのですが、緊急の問題で要領の売渡数量のところに今年の新米による保有日数の経過以後の数量のことが得いてありますが、これは東北に行つて見ますと、実は今年の新米の食い付きまでの飲米が足りないということがむしろ焦眉の問題になつておる。作が一月も遅れて普通ならば十一月となれば新米に良い付きができるのですが。大体福島県の浜通り等では十二月にならなければ新米の食い付きができない。むしろ一旦新米に食い付いてからあとに問題がありますが、今年の新米に食い付き得ないことが先ず焦眉の問題だと思います。ここに書いてありませんが、当然手は打たれるべきだと思いますか、それだけ御答弁願いたいと思います。
  113. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) ここに掲げてでございますのは、凶作対策として本年の作柄によりまして収穫皆無、それに近いような状態のものに対する場合の対策でございます。只今お話の点は作柄が遅れましたために食い付き得ないという場合におきましては、従来やはり転落農家の場合と同様にこれは飯米確保をやつておりますので、これは通常の場合におきまする需給の問題として当該府県とその月の飯米売却額決定等につきましては、そういう点は十分考えて参りたい、かように考えておる次第でございます。
  114. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後四時二十七分速記中止    —————・—————    午後四時四十八分速記開始
  115. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。
  116. 清澤俊英

    清澤俊英君 十八日以来当委員会はこのたびの冷害対策について審議を進めて参りましたが、政府等におきましても、予算措置に非常に毎日決定を急いでおられるような状態でありますが、我々の審議はまだ幾らか残つておりますが、緊急に政府に申入をしたいと思います。原文を安楽城君が読みますので、皆さん方の御賛同を得てこれを申入事項として提出したいと思いますから、その動議を提出いたします。
  117. 安楽城敏男

    ○専門員(安楽城敏男君) 申入案を朗読いたします。   冷害対策については当委員会においても目下鋭意審議中であつて、速かにこれが結論を得て改めて政府の善処を求める考えであるが、取急ぎ次の事項について遺憾なく措置せられたく、右当委員会の総意を以て申入れする。    記   一、農業生産を確保するため営農資金は迅速にこれを融通し、北海道並びに開拓地等についてはその特殊事情を十分考慮すること。   二、農業共済金の支払は、これを冷害対策とすることは不適当であつて、既定の制度として遺憾なく措置すること。   三、救農土木事業の経費を支出するため食糧増産対策費等の既定経費の削減をなさないこと。   四、凶作地帯における救農土木事業は凶作農家に現金収入を得せしめる線に沿つて単に農林省関係の土木事業のみに限定することなく、建設省の公共事業と併せて総合的に勘案し、その徹底的実施を期すること。 なお右土木事業の実施に当つて凶作農家の雇用を図ること。   昭和二十八年十月二十一日         参議院農林委員会    内閣総理大臣    農林大臣      宛    臨時災害対策本部長    大蔵大臣 以上であります。
  118. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 清澤委員から、只今朗読されましたような申入の動議が出ておりまするが、これにつきまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないものと認めましてこの申入をすることに決定いたします。
  120. 清澤俊英

    清澤俊英君 この申入は委員長並びに各党の理事が一つつてつて申入をして頂きたいと思います。
  121. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 了承いたしました。  速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  122. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。  それでは先ほどの申入は委員長ほか各党の理事のかた、若し理事のかたが今日おいでにならなければ、代りのかたにおいでを願いたいと思いますが、それで申入をいたしたいと存じますからよろしくお願いいたします。  それでは本日はこれで散会いたします。    午後四時五十五分散会