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1953-08-07 第16回国会 参議院 内閣委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月七日(金曜日)    午前十時五十三分開会   —————————————   委員の異動 八月五日委員長島銀藏辞任につき、 その補欠として大野木秀次郎君を議長 において指名した。 八月六日委員井野碩哉君及び大山郁夫辞任につき、その補欠として河井彌 八君及び堀眞琴君を議長において指名 した。 本日委員高瀬荘太郎君・大野木秀次郎 君及び泉山三六君辞任につき、その補 欠として山川良一君・上原正吉君及び 長島銀藏君を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小酒井義男君    理事            竹下 豐次君    委員            上原 正吉君            白波瀬米吉君            長島 銀藏君            松永 義雄君            松原 一彦君            野本 品吉君   政府委員    宮内庁次長   宇佐美 毅君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   —————————————   本日の会議に付した事件行政機構整備に関する調査の件  (高松宮家より福島県に賜与された  福島翁島ほか二カ村所在の同宮家  所有土地建物に関する件) ○小委員会設置の件 ○小委員選任の件   —————————————
  2. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 只今より内閣委員会開会いたします。  先ず高松宮家より福島県に賜与された福島翁島ほか二カ村所在の同宮家所有土地建物に関する件を議題といたします。  本件については従来の経過杉田専門員より御説明を受けてそののちに質疑をして頂きます。
  3. 杉田正三郎

    専門員杉田正三郎君) 第十五国会におきましてこの内閣委員会日本国憲法第八条の規定による議決案というものが付託せられたのでございますが、その議決案はどういう内容かと申しますると、高松宮家から福島県に対して福島県内翁島ほか二カ村にあるところの土地家屋、これは高松宮の御別邸でありまするが、その土地家屋価額にいたしまして二百五十八万円ということでございまするが、一応福島県に賜与するということにつきまして国会議決が必要となりましたので、その議決案が付託せられまして内閲委員会全会一致でこれを可決して本会議でこの議決案が成立した次第でございます。  そこでこの法律的の根拠はどういう点にあるかということを一応御説明いたしておきまするが、これは憲法の第八条、皇室経済法第二条、皇室経済法施行法第二条第二号、これら各規定によりまして内廷にある皇族、今日では御直宮でありまするが、この内廷にある皇族以外の皇族、今日で申せば秩父宮、高松宮三笠宮、この皇族が賜与せらるる場合、その賜与することのできる財産価額というものはこれらの各法規によりまして毎年、即ち四月一日から翌年の三月三十一日までの年間においては十五万円と定められておりまして、若しこの十五万円という金額をこえるときにおいては国会議決を必要とするということになつておるのでございます。そこで先に申しましたように、高松宮家から福島県にその御所有なつておる土地家屋二百五十八万円余というものを福島県に賜与せられるについては、この憲法以下の規定によりまして国会議決を必要とするということになつた次第であります。この高松宮の御所有なつておる土地家屋の今まで成行を一応御説明いたしますならば、明治四十年に有栖川宮様が福島県の翁島などにありまする民有地二百六十余町歩というものを買上げられたのであります。そののちに土地建物を新築せられたような経過もございまして、大正二年に高松宮にこれらの土地家屋が贈進せられたのであります。そののちこれらの土地の一部が或いは整理せられたりいたしまして、或る部分は譲り渡されたようなこともありまして大分狭くはなつておつたのでありますが、現在のところこの賜与せられました当時においては結局するところ宅地三千余坪、山林原野が九十町歩余り家屋が六百十三坪ということでありまして、これらの不動産、宅地山林家屋というものが賜与の対象になつておつた次第であります。そこで高松宮家から福島県にこれらの土地建物を賜与せられましたのは、これらの土地家屋をば将来福島県が厚生施設又はその観光施設に利用するようにということであつたのであります。ところがこの当初明治四十年に民有地を買上げられました当時において、地元民土地をば買上げられたそのときにおいては、当時の時価にいたしましても相当安い価額で買上げられた。そして又将来これらの土地が不用になつたような暁においては、地元民にこれを或る価額で返還してもらうというような約束があつたということを地元民が訴えて参りまして、十五国会当時におきましては国会に対しても相当し烈な陳情があつたのであります。国会のみならずその他の方面においても陳情があつたような次第であります。内閣委員会におきましては昨年の十二月二十三日の委員会でこの議決案を可決したのでありますが、その当時におきましてこの議決案に対しまして内閣委員全員全会一致で可決せられたのでありますが、当時上條委員討論に際して一つ条件を付けられたのであります。その条件というのは、この土地高松宮家から福島県に賜与せられた後は、福島県当局は委員会作つてこの土地の今後の処置を考究するとのことであるが、その場合においてはもともとこの土地が買上げられた当時の地元、特に元の所有者への返還の事情などを十分調査して観光厚生施設支障のない限り元の地主の要望に副うように、そしてその場合においては、元明治四十年に有栖川宮様がお買上げになつた当時の価額を十分調査して適当な価額で返還せられるように取計らわれたいという希望条件を付して可決する討論をせられまして、他の内閣委員も全部この条件を認められまして御賛成になつたというような経過なつておるのであります。ところが又最近に至りまして地元民から福島県の県庁委員会ができたけれども、どうも十分地元民の民意が反映していないということを訴えておるのでありまして、今日宮内庁宇佐美次長出席がありまするので、その経過を一応御説明があることと思う次第でございます。
  4. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは只今経過説明に続いて宮内庁宇佐美次長から一つその後の経過をお聞きすることにいたします。宇佐美次長
  5. 宇佐美毅

    政府委員宇佐美毅君) 只今専門員から御報告がございました通り、当時国会議決になります際に、討論に際して参議院ではもちろん衆議院におきましても、大体同趣旨の御希望がございまして今御報告通りでございます。それはその議決がたしか昨年の十二月二十三日と存じますが、本年の一月五日に私の名をもちまして福島県知事宛に書面を出しておるのでございますが、これは今回高松宮家から貴県に賜与せられた土地等については国会における審議及び議決に際して両院ともそれぞれ強い希望意見があるので、而もそれにつきましては速記録日付けが全部書添えてございます、今後の運営について十分この趣旨がしんしやくせられるように考慮してもらいたいということを文書で申しておいたのでございます。  その後福島県の模様につきまして、二、三度にわたりましてその後の進行状況を聞いたわけでありまするが、最近までにいたしました処置につきまして福島県の報告によりますと、昨年の十二月二十二日にこれらの下賜せられました土地所有権移転登記を終つております。本年七月になりまして翁島下賜地調査委員会というものが設置せられ、翁島下賜地処理について知事の諮問に応じて調査審議するという趣旨でございます。その構成員は副知事委員長になりまして県庁の総務、土木、林務の各部長、地元県会議員を含む県会議員が五名及び翁島の村長でございます。委員会は今までに前後二回会議を行いまして、第二回目の七月十六日に現地調査をいたしまして近く第三回目を開くようであります。県といたしましてはこれらの委員会の答申を待つて県議会で処理の方針も決定されるものと考えておるようでございます。  なおこの御下賜地及び建物運営につきましては、最近財団法人福島翁島別邸財産経営協会という財団法人設立登記を終りまして、県におきましては建物補修に二百五十万円、調度品整備に三百万円を支出し、維持費は年三百万円程度のものを財団法人に補助することを予定しているようでございす。建物のうち西洋館は本年七月から一般厚生施設として開放して宿泊の設備として百五十人程度収容力があるそうでございまして、約一月くらい前に聞きましたところでは約千五百人くらい、主として東京方面の学生が多いようでありますが、申込があるそうでございます。日本館は極力現状維持に努めて県の迎賓館として使いたいというような考え方でおるようでございます。今申上げました通り国会で御審議になりました事項につきましては、一応委員会ができて審議の途中のようであります。大分我々から見ますと遅れておるように思いまして、二三度注意を与えて経過を聞いておるような状況でございます。以上。
  6. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 只今報告について何か御質問ございませんか。
  7. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 今日の内閣委員会にこれがかかつているということは、その後の経過のいわゆる模様をお聞きするということなんですか。別にそれをどうこうするということでなしに、ただその後の経過模様をお聞きする程度にとどまつているのですか。
  8. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) そうです。速記をとめて下さい。    午前十一時九分速記中止    ——————————    午前十一時二十八分速記開始
  9. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 福島翁島宮家から賜与せられた土地財産等について最近に地元からの陳情もあつたそうでありますが、先にこの内閣委員会がこの問題を扱つた当時希望条件として、昔の所有者であつた地主等をも考慮して、この土地管理経営等の将来に支障を残さないように福島県において善処せられることを希望してあつたのでありますが、それがなお土地の元の所有者間に若干の不満も残つておるような陳情をも聞いております。この際宮内庁から知事にこの国会における委員会状況等をもお通じ下さいまして、将来禍根を残さないように周到な措置をとらるるよう希望方をお申し伝え願いたい。これが宮家のせつかく社会厚生施設としての御賜与の御目的にも副うであろうと私どもは思うのであります。以上希望を述べておきます。
  10. 宇佐美毅

    政府委員宇佐美毅君) 只今希望がございましたが、宮内庁におきましても同様にせつかく御下賜になりましたものが将来に禍根が残るようでは甚だ遺憾と思いますので、御趣旨の点は十分県庁に伝えることといたしたいと存じます。   —————————————
  11. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 次に、行政機構整備に関する調査のため小委員を設置する件を議題といたします。  実は昨日の打合会におきまして閉会中におけるところの行政機構整備に関する継続調査要求事件について小委員会を設置することにしたらという御意見でございました。本院規則第五十一条によりまして小委員会を設けることができることになつておりますので、本委員会におきましても小委員会を設置いたしたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 小委員会を設けることに決定をいたします。それでは小委員の数でございますが、やはり昨日の打合会における御意見通り自由党緑風会、社会党第四、第二、改進党、無所属から各一名宛の小委員を出して頂いて計六名になるわけでございますが、小委員会を構成したらどうかと思いますが。如何でございましよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは六名を以て小委員会を構成いたすことに決定をいたします。  次に小委員撰定でございますが、如何計らいますかお諮りいたします。
  14. 松原一彦

    松原一彦君 委員長の御指名にお委せいたしたいと考えます。
  15. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは只今松原君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それではさよう決定いたします。私から行政機構整備に関する小委員白波瀬米吉君、竹下豐次君松永義雄君、松原一彦君、野本品吉君、小酒井善男、以上の六名を指名いたします。では、小委員長委員会において一つ選出をして頂くことにいたします。  その他閉会中におけるところの開会日時等も小委員会に御一任願うことにいたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それではさよう決定いたします。  では、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十三分散会