○
政府委員(
木村忠二郎君) 今回の
帰国者の
援護につきましては、この前の国会の際におきましてもいろいろ御説明申上げたのでありまするが、従来の
ソ連或いは
南方方面から帰
つて参りました
引揚者よりは極めて手厚い
援護をいたすように
なつております。これはやはり
国内情勢が相当変
つて来ておりますること、及び
引揚げて来まする
人々の
先方におきまする
生活状態というものが違
つておるというような点、そういういろいろな
情勢を
考えまして、従来の
引揚者よりは極めて手厚い
援護をいたすように
なつております。なおその後の
情勢によりまして更にこれを強化する必要があると認められたものも若干その後改善いたしております。例えば
帰りました
人々に対しまする
帰還手当が従来全然なか
つたものを、今回初めて大人一万円、
子供五千円というものを出すことにいたしたのでありますが、これを第一次
配船までは
持帰り金と合せまして二万円以上になりまするものは二万円までに押えるということにいたしてお
つたのでありまするが、
帰りました
状況等から
考えまして、我々としましては最初から
希望いたしておりました
通りに、一律に一万五千円というものをこれは出すということに変更いたしました。又
帰りました
人々の中で病気に
なつておりまする
人々の
治療につきましては、
政府におきましては大体十日間の
治療をする、
あとはそれぞれの
状況に応じまして
一般の
国民と同じような扱いをするようにいたしてお
つたのでありますけれども、その後
情勢によりまして
相当病人が多いというような
関係からいたしまして、これにつきましては二十五日間、大体国に
帰りますまでの
期間を合せますると約一ヵ月間ということになるのでありまするが、その
期間の
治療を国でみる、その間にその後の
治療についての
方針を立てるということに変更いたしたのでございます。又船の中におきまするところの医者、
看護婦等の
配置につきましても、第一次
船団の
状況によりまして第二次
船団以後は非常にその数を増しまして、その点に遺憾のないようにいたしましたし、又
援護局の
職員等につきましても、例えば
子供に対しまする
保護等をこれに加えますとかいうふうに、
援護の
内容を強化いたしております。
援護の
実施状況でございまするが、これは大体円滑に
行つているようでございます。主として問題となりまするものは定著地におきまする
就職の問題と
住宅の問題でございますが、
就職並びに
住宅の問題につきましては従来と違いまして非常な力を入れておるのであります。労働省におきましては、この
就職問題について特別なる
就職斡旋の
措置を講ずることに
なつておりまして、現在までのところ大体
就職希望者の三割以上が
就職いたしておる。大体一ヵ月ばかりの
期間でございまするが、その間に
就職希望者の三割以上の者が
就職いたしておるというような
状況でございまして、
一般の
就職者が大体一割見当しか
求職申込者に対して
斡旋ができないにもかかわらずこれは非常によく
行つておるようであります。勿論まだ三割以上と申しましても半分にも達しないという
状況でございまするからして、なおこれにつきましては努力しなければならんと思いまするが、まあ我々予想いたしておりましたよりはよく
行つておる。今後におきましても一層この点は努力いたしたいと
考えておるのであります。
住宅の問題につきましては、予定の
通り三千五百戸ばかり今度
帰りました
人々のために建てることに
なつております。成るべくならば現在の
住宅事情でございますからして、辛抱のできるだけは辛抱願いたいと思
つておるのでありますが、どうしても
縁故のない者、或いは
縁故があ
つてもそこに落着けない人、これらにつきましては特別な
住宅を建てるということにいたしたいと
考えておるのであります。これにつきましてはすでに最初建てました四百数十戸のものはこれはもうすでに建
つておりますし、次の一千戸もぽつぽつ建ちかけておるのであります。なおこの問題につきましてはあらかじめ建てておきまして、これに受入れるというわけには行かないのでありまして、皆さんがお
帰りになりまして落着いた先がきま
つた上でないと家は建てられないのであります。あらかじめ建てておきましてそれが空家に
なつていてほかに利用されるということになりましては適当でないと
考えましたので、大体帰られました
落着状況を見て逐次建てて参りたい、かように
考えております。現在のところこの
方面も建築につきましては不円滑に
なつておるというふうには
考えておりません。ただ
土地問題等におきまして若干問題がありますので、これらについてはできるだけ打開いたしたいと思いまして、先般来いろいろ手を打
つておるような
状況であります。