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政府委員(
武岡憲一君)
昭和二十六年でございましたか、
政府がこれは
府県、市町村を通じまして
基準財政収入額算定の基礎でございますところの
基準税率を七〇%から八〇%に引上げをいたしたいという御提案を申上げたのでございます。そのときに御提案申上げました理由は、やはりこれは前回にも
ちよつと私申上げましたように、
平衡交付金制度の
趣旨から申しまして、だんだんにこれは調整的機能を高めて行くために、
基準税率というものを七十から八十、八十から九十というふうに高くして参ることが、
交付金制度の理想に一歩近づくことであるということで御提案申上げたのでございます。そのときには
只今お尋ねがございましたように、ただ併しながらこの実際問題として
基準財政需要額の
算定というものについて、まだ制度が始ま
つてから丁度二年目のことでもございますし、まだ十分な経験を積んでなかつた。
従つて各
団体の本当に必要な需要額というものが、そのときの方法によ
つて確実に把握されておるかどうかわからない。殊にその当時におきましては、又
単位費用さえもまだ法定されておらないような
状態でありまして、そういう
段階で以て、いきなりこの均衡化の徹底を図るということが、まだ時期尚早である、危険である、もつと確実に各
団体の
基準財政需要額というものを
算定できるような
段階に
行つてから、これは考慮すべきであるということが理由であつたように伺
つておるのでございます。その後いろいろ毎年度
平衡交付金の
算定につきましては、
地方団体の御意向等も伺い、又実際に
配分をいたしました実績等にも鑑みまして、数次に亙
つてこれは
修正を続けて参
つております。殊に昨年度からは学位
費用も是非法定して頂く
段階にもなりましたし、さようなことでまあ二年前、三年前に比べますれば、
基準財政需要額の
算定方法というものは相当に私たちは進んで来た、と申しますとおこがましいのでありますが、よほど
改正されて来たように、結果的に
考えておるのでございます。そこでさような
意味合いにおきまして、この際やはり
交付金制度の本質からいたしまして、七十を八十にいたしたいと
考えたのでございますが、その際、なお市町村分につきましては、これは市町村というものの態容が非常にまちまちでございまして、これを一律に
基準財政需要額で捕捉をいたしますことは、なおそこに若干の困難性、問題性がございますけれども、
府県につきましては、これは大小、それから性格等について相違がございますから、大体から申しますならば、各
府県を通じまして、
基準的な需要額というものは四十六都道
府県におきましては、およそのところは把握できる
段階にまで来たのではないか、かように
考えまして、今回は
府県分についてだけ、この分を実施したい、かようなことで御提案申上げた次第でございます。