○
政府委員(
武岡憲一君) 御指摘の点誠にその
通りでございまして、私どもも
起債の手続の簡素化ということについては、もつと努力しなければならんと常に
考えておるのでございます。現状におきまして実際
市町村が
起債をいたします場合にどれだけの手数を経ておるかということを話して見ろということでございますので、
概略申上げてみますと、
市町村で先ず
起債をしようとします場合には、一応所属しております都道府県のほうに
起債の申請と申しますか、要望をいたすわけであります。それから同時に
市町村では、一方
地方の大蔵省の出先機関でございますところの財務部のほうにも同様な書類を提出いたします。これはそういうふうに二重に
なつておるわけでございますが、これは御承知のように
起債の許可自身はこれは
市町村のものにつきましては府県知事が許可をいたすわけでございますが、その総体の枠の
関係がございますのと、それから実際に
起債の許可をやりましても、それに対して実際に融資されるかどうか、殊にこれは大蔵省が所管をいたしております資金運用部資金を借入れる場合において特にそういう問題があるわけでございます。許可とそれから実際の金の貸付というものが全然無
関係に行われますと、実際問題として許可は受けたけれども金が借りられなか
つた、こういう
事態を生ずる虞れがあるわけでございます。そこでその間におきましてはどうしても密接な連絡をとることが必要であろうということで、そういう
意味の協議連絡というものを今日行
なつておるわけでございます。純粋に
法律上から申しますならば、府県及び五大市についての
起債につきましては、今日
法律及び政令の定むるところに従いまして一県五百万円以上のものについて
自治庁長官がこの許可をいたします場合には、大蔵省と協議しなければならんという
規定がございますので、いわゆる
法律上の協議をや
つておるわけでございます。ところがそのほかに
市町村のものについては別に
法律上の協議は必要といたしません。
法律上は必要がないわけでございます。ただそれにかかわらず、
自治庁と大蔵省との間でその
起債の許可についていろいろ協議をいたしておりますのは、先ほど申上げましたように、この許可を
自治庁長官が許可をいたしましても、その実際の
裏付けになる資金というものを大蔵省が貸してくれるかくれないかという問題が残るものでございますから、こういうふうな許可をするということについて、事前に連絡をしておきますれば、その協議の整
つたものについては、これは大蔵省が無
条件で金を貸すことになりますと、あとに
なつての問題がなくなるこういうようなことで連絡をしておるのであります。そこで大蔵省のほうの立場で申しますならば、この
起債については二重の、二つの立場を持
つておるのでございまして、
一つは先ほど申上げましたような
法律上の協議というものについては、つまり国の全体的な
財政、金融を統制して行かなければならんという立場からその協議を受けるわけでございますし、一方におきましては、国の資金運用部資金を貸付けるというもの、法的融資機関という立場における機能を持
つておりますがその二重の立場からこの問題に
関係しておるわけでございます。そういうような
関係にございますので、
趣旨から申しますれば、こういう
起債の総枠だけきめて行けば、その範囲内で以て府県並びに五大市のものについては
自治庁長官が許可をし、
市町村のものについては府県、市が許可して、そのものについてはその範囲内で以て大蔵省がどんどん金を貸して行けばいいじやないかということで、いわば簡単なんでございますけれども、現実の問題といたしましては、今申上げましたように許可と実際の融資との間の食違いが将来起らないようにということで、そういうような非常に複雑な協議をいたしてお
つたわけでございます。大蔵省といたしましても、今申上げましたような二つの立場がございますので、そういう
意味で必要だということで、機関を使いまして、各
市町村における
起債の要望額でございますとか、又その
起債を充当する
事業でありますとか、又その
団体の
償還能力に関しまする
関係のあります
財政状態でございますとか、そういうものについていろいろ調査をしておる状況に
なつておりまして、これが非常に複雑な
関係がございますために、
市町村には非常に御迷惑をかけておるのが実情でございます。