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1953-07-17 第16回国会 参議院 地方行政委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十七日(金曜日)    午後一時五十分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事            石村 幸作君            館  哲二君    委員            西郷吉之助君            高橋進太郎君            長谷山行毅君            小林 武治君            島村 軍次君            秋山 長造君            若木 勝藏君            松澤 兼人君            加瀬  完君   衆議院議員    地方行政委員長 中井 一夫君            加藤 精三君   政府委員    人  事  官 入江誠一郎君    自治庁次長   鈴木 俊一君    自治庁財政部長 武岡 憲一君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    国家地方警察本    部総務部長   柴田 達夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方制度調査会に対する要請書に関  する件 ○町村警察維持に関する責任転移の  時期の特例に関する法律案衆議院  提出) ○地方行政改革に関する調査の件  (町村合併促進に関する件)   —————————————
  2. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今から地方行政委員会を開会いたします。  議題に入ります前に、委員の各位に御了解を得たいと存じますが、昨日の委員会の閉会直後に、実は衆議院地方行政委員長中井委員長から、本日地方制度調査会地方財政部会が開会せられるから、この際、衆参両地方行政委員長の名を以て、次のような要請書を提出いたしたならばどうかというお打合せがありました。で、この要請書内容を御披露いたしますと、    地方財政再建整備問題に関連して地方制度調査会に対し要請するの件案    地方財政再建整備に関する応急対策樹立方要請の件  一、要 請  現下地方財政状況は極めて憂慮すべきものがあり、その根本的改革地方制度全般改革と合せ行うべきも、既に生じたる赤字解消については応急措置を講じ、地方財政を健全なる基盤の上に運営せしむるよう整備することは緊急の要務と認められる。  地方制度調査会は、内閣総理大臣諮問に応じ、現行地方制度に全般的な検討を加えることを目的とするものであるが、本件については至大の関心を有すべく、政府諮問に応じて速かにその対策を樹立してこれを政府に答申するとともに、右の応急具体策を本委員会にも示されたい。 右要請する。  昭和二十八年七月十七日     衆議院地方     行政委員長 中井 一夫     参議院地方     行政委員長 内村 清次   地方制度調査会長前田多門殿  右のような要請書を提出することに私も同意いたしまして、直ちに地方制度調査会長宛に提出したような次第でございます。この点御了承をお願い申上げたいと思つております。御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  3. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に、町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案、これが昨日衆議院から廻付されて参りました。この法律案議題に供します。提案者理由説明をお願いいたします。
  4. 中井一夫

    衆議院議員中井一夫君) 只今委員長のお示しによりまして、衆議院地方行政委員会委員長として、本案提案理由を簡単に御説明申上げたいと存じます。  御承知通り警察法の第四十条の三第八項の規定によりますと、警察を維持しないことを決定いたしました町村は、その年の十月の三十一日までに所定手続を完了いたしましたときは、翌年の四月一日に警察維持責任転移が行われることになつております。然るところ若干の町村財政その他の理由よりいたしまして、この四月まで待つことができない、待つことが不適当であるという事情にあり、且つそれが又止むを得ないと認められるものがございます。かかる町村に対しましてはこの四月一日を待たないで町民の希望通り目的を達成せしめることが却つて行政上よい結果を来すのではないか、こういうような見地よりいたしまして、この法案が提出されることになつたのであります。而うして差当りこの法案によつて時期の繰上げを得まする町村は、福岡県の小竹町、碓井町の二町がこれに目下のところ該当することとなつているのであります。而うして法案内容は、即ち本年八月三十一日までに右の警察維持に関する責任転移手続警察法の定めるところによりまして、これを完了いたしました場合においては、その警察維持に関する責任転移は、警察法の定むるところの翌年の四月一日を待たずに、本年の九月一日を以てこれが行われる、こういう趣旨法案が即ち本法案趣旨でございます。  簡単ではございまするが以上を以ちまして説明といたします。
  5. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは衆議院加藤精三君から追加説明を……。
  6. 加藤精三

    衆議院議員加藤精三君) 只今委員長から御説明申上げましたが、なお細かいところを申上げたいと思います。  本法律施行になりますと、該当いたします福岡小竹町は町会議決が三月七日、住民投票が三月二十五日でございます。そうして警察吏員の数は十五名で、その他の職員を合せまして二十名の小さな警察署であります。又同じく福岡碓井町は町会議決が一月三十日、住民投票が三月五日、警察規模吏員十二名にその他の職員が五名の十七名という小さな警察署であります。  今回特別にこの特例を設けることを適当とすると認められました根拠になります一般的な事情を申上げますると、この両方の町はいずれも鉱業町村でございまして、重要財源である鉱産税は炭界不振の影響を受けて、出炭量の減少、炭価の低落のため、前年度より相当多額の減収歳入欠陥を招来し、次に法人税も従つて激減し、大幅の収入減を来しているのであります。  小竹町の場合は、昭和二十七年度の税収が四千三百余万円ありましたのが、昭和二十八年度におきましては当初三千四百余万円の税収を見込んでおりますが、風水害その他の関係上、現況ではこめ計上額収入欠陥を募慮されている状態であります。歳出におきましてもでき得る限り緊縮をいたし、経費の節減に努めましたが、鉱害復旧事業施行に伴う老朽学校校舎修復等炭鉱地特有の真に止むを得ない緊急な出費が山積しているような実情でありますが、これを賄う財源がなく、収支の均衡を失し、現に警察費におきましても、当初五百六十万円計上して僅かに辻褄を合せておりますが、これでは警察吏員給与の向上、装備の改善も十分できないような状態であります。  碓井町の場合は、昭和二十七年度の税収入は二千三百五十余万円ありましたものが、昭和二十八年度になりますと、二千二百九十四万円の税収も、その予定収入も、前申上げましたような事情で到底覚束なく、相当減収欠陥が予想されるのであります。警察費につきましても、三百五十五万円という、この種の規模警察としては最小限度のものを計上しておりまするけれども、日夜をわかたず、治安維持の重任に当つている警察吏員のかたを遇するには余りに薄くて、同情に堪えないこういうのであります。  いずれも非常にまじめな町村でありまして、十分警察につきまして、その機能を発揮してもらい、又待遇も上げたいと思つているけれども、それができないという状況を訴えて来ているのであります。で、これに加うるのに今次の大水害によりまして激甚なる被害をこうむつて復旧が容易じやない地帯でございますので、警察法の精神から見ましても、この予算或いは定員の編成という時期を失して、今どきに提案申上げるのは誠に変則でございますが、特に考慮する必要があるということを考えました次第でございますから、十分御審議をお願いしたいと思います。
  7. 石村幸作

    石村幸作君 これは政府のほうはどうなんですか、この法案に対して……。
  8. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) 只今衆議院地方行政委員長さんと提案者であられる加藤さんから御提案がございました町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案につきましては、国警本部側におきましても、提案者の側から緊密な御連絡を頂戴いたしているのでありまして、御連絡の結果、私どものほうといたしましては、本法立案成立の場合の実施につきまして異存がない旨をお答え申上げてございます。町村警察警察法の、先ほど御指摘の条文によりまして、住民投票の結果、廃止決定いたしました場合におきましては、同じく警察法に基きまして、所定の時期から国家地方警察責任転移を受けまして、その警察をお引継ぎいたしまして、全責任を持つべき義務を持つているのでございます。この法律案にございます二十七年の十二月二十一日以後二十八年七月三十一日までに、これこれの規定により警察を維持しないことに決定した旨の報告のあつた町村につきましては、先ほど御説明がありました通り、私ども当局のほうに本警察法の四十条の三第六項によりまして廃止決定がありましたときは、国家公安委員会を経てこれを内閣総理大臣報告しなければならない。この規定に基きまして現在までのところ報告を頂いておりますところの、廃止決定した町村は、先ほど衆議院の側から御指摘通り二ヵ町でございます。同じく同条の第八項によりまして、原則といたしましては十月三十一日までにきまつたものは翌年の四月一日から国警引継をするということでございますが、この法律案によりますれば、七月の末日までにきまつたものについて、八月二十日までに繰上げたい旨の申請を総理大臣にして、総理大臣がその承認を与えた場合においては、特例として九月一日から責任転移の時期を繰上げてやろうという法案でございます。その際におきましては、引継を受けます国家地方警察といたしましては、九月一日から当該廃止になりました自治体警察を持つておりました警察職員定員としてお引継ぎするという効果が現われるのでございます。これは警察法の中に六十七条の三という規定がございまして、警察を維持しないこととなつた目における当該町村警察吏員の数を、国家地方警察定員外として附加するということになつているのでございまして、碓井町は警察吏員が十二名、小竹町は警察吏員が十五名という定員を、廃止決定の日の現在において持つているわけでございます。この二十七名の警察吏員定員は機械的にこの法案成立いたしますれば、九月一日から国家地方警察定員外として附加せられることになるのでございます。定員としては法律によりましてさように機械的に、自動的に定員が殖えるわけでございますが、その定員になりました職員給与その他を支給する義務を生ずるのでございまして、その予算的措置について国家地方警察がお引受けすることができるかということが、我々当局側としての御提案者に対する御回答の内容になるわけでございますが、その点につきまして、何分該当町村は今までのところ僅かニカ町村のことでございますし、定員も二十七名、吏員といたしましての定員が二十七名という程度でございまするので、この程度定員職員給与その他の経費につきましては既定予算範囲更に詳しく申上げますならば、いわゆる年々きまつております人件費の中に、どうしても、いかに計画的に切り盛りをいたしましても、若干の欠員を生ずることは争えない、その欠員予算によりましてこの程度人員給与を賄うことは可能でございます。従いましてこの法案を御提案になりました際に、後のお引継ぎを受けます国警といたしましては、この程度人員であり、この程度町村であるならば、予算的の措置は合法的に可能であるということをお答えを申上げまして、異存のない旨を御回答申上げているような次第でございます。
  9. 若木勝藏

    若木勝藏君 これでこの特例は三回目と私記憶している。前の二十七年におけるところの特例法の場合においては、どのくらいの町村がそれによつて措置されたのか、この点伺いたい。
  10. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) 御御指摘のように従来この種の法案が二回特例法案といたしまして、衆議院からの御提案によりまして法律として成立をいたしております。第一回は昭和二十七年の、つまり昨年の六月一日から責任転移するという特例法案成立いたしております。その場合の該当町村が二十四ヵ町村でございます。それから第二回目は前国会におきまして丁度この法案の初めにありますような十二月二十一日からということが書いてございまするが、十二月二十日までに決定したものについては、報告をしたものについては、本年の一月一日から繰上げると、こういう法案が、この法律案の附則の第二項に書いてございますこの今回廃止をいたしまする法律といたしまして出ましたのが第二回目でございまして、この前回法律成立によりまして、責任転移いたしました該当町村が、即ち本年の一月一日に特例として転移いたしました町村が六十一カ町村、木十一カ町村ということになつております。
  11. 若木勝藏

    若木勝藏君 その場合においては相当町村該当したのですが、それらの町村はそれによつて措置されたわけですね。
  12. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) さようでございます。
  13. 若木勝藏

    若木勝藏君 その場合の予算措置はどういうふうになつておりますか。
  14. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) 前回この法案がやはり国会におきまして御審議になります際、詳しいやはり御質問がございまして、お答え申上げた経緯があつたわけでございますが、この場合は、本年の場合のごときは、一月から三月まででございますので、六十一ヵ町村でありますので、人数は今回の該当町村の場合よりは遥かに多かつたこともございますが、期間的には今回の法律案によりますると、九月一日からでございますから、九、十、十一、十二、一、二、三、この七カ月分の給与その他を支給する、前回の場合は一月から三月までの予算裏付がないということでございまして、人数は多うございましたが、三カ月分の給与につきまして、先ほど御説明いたしましたような既定予算範囲におきましての欠員を埋めるところの予算といたしまして、既定予算範囲におきまして、これを賄うことにいたしましたわけでございます。それからついでにその前の年の、昨年の二十四ヵ町村の転入につきましては、一応既決予算におきまして賄うという御説明、御了解の下に、法律案成立いたしておりまして、その後予算補正機会がございましたので、その予算補正機会におきましては、すでに法律上既決されている事項といたしまして、二十四ヵ町村職員給与費補正として予算上の追加がなされております。前回の場合は追加なくして既定予算範囲内において賄つたような次第でございます。
  15. 若木勝藏

    若木勝藏君 期間を繰上げた町村、それから繰上げないで四月一日に法令通り責任転移したそれらの町村の総数ですな、今までにおいてどのくらいあるのですか。
  16. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) 只今お尋ねになりました今までの町村警察廃止の数の状況をそれでは申上げたいと思います。警察法町村警察に限りましては、住民投票によりまして廃止することができるという一部改正が二十六年にございまして、その法律によりまして、第一回はその年の九月三十日までに決定いたしましたものについて、十月一日から転移をするという第一回の時期があつたわけでございます。このときにおきまして一千二十四の町村が二十六年の十月一日から責任転移をいたしているわけでございます。
  17. 若木勝藏

    若木勝藏君 パーセントはどのくらいになりますか。
  18. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) これは約八〇%余になります。警察法施行になりますと一番真つ先に町村警察としてありました数が一千三百八十六ございました。そのうちで一千二十四が第一回に責任転移をいたしたわけでございます。それから第二回目にはやはりこの法律特例によらない、本則によりまして、十月末日までに決定いたしましたものについて、本則通り翌年の四月一日からということで、昨年の四月一日から責任転移いたしました町村が四十九ヵ町村、これが警察法本則によりまして転移をいたしました町村の数でございます。つまり両方併せまして一千七十三ヵ町村でございます。それから先ほどのお尋ねがございました昨年の第一回の特例によりまして二十四ヵ町村、それから本年の一月からの転移によりまする特例によりまして六十一ヵ町村、これによりまして今までに一千百五十八の町村廃止をしたのちに責任転移をいたしているような次第でございます。
  19. 若木勝藏

    若木勝藏君 相当これはまあ八〇何%も国警に編入されたというような形になるわけですが、その重要な理由というふうなものはどういうことになりますか、その点を伺いたい。
  20. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) 数多い町村の中には、いろいろの特殊事情もあろうかと存じますが、私どもとして、全体の態勢といたしましては、この町村廃止をするに至りました原因としては、大体次のようなことだろうと想像をいたしているような次第でございます。  やはりその主たる原因の多くは、町村財政が自分で警察を維持して行くということについての困難性財政上の理由というものが一番多くの理由ではなかろうかと考えております。これが第一の理由でございます。  第二の理由といたしましては、治安上の不安と申しますか、或いは又警察を維持して参ります上の能率上の規模の問題におきまして、つまり町村警察の場合には、人数が少いというようなことからいたしまして、普通の治安状態におきましてはさほど不安がないかと思いますけれども、事がありますような場合におきまして、弾力性がないというようなことからいたしまして、不断非常の場合に備えまするには多くの人員を賄つておかなければならん、それにはお金が余計かかる、そういうことからいたしまして、そこに非常に財政上楽をするためには、僅かの人員で節約しておけば、いざという場合に心配があると、こういうような機動性と申しますか、或いは弾力性と申しますか、そういうような点におきまして、町村警察の場合に、町村住民の、これですべてではございませんでしようけれども、不安をお持ちになるというようなこともその理由一つとしてあるやに承つているのでございます。  第三は、これは警察の中の問題かと思いますけれども警察というものを管理して行く内部的な事情からいたしまして、町村というようなところは警察を維持して行く、管理して行くところの一つグランドとして非常に狭い、つまり町村警察職員は将来性、つまり昇進をいたしましたり、転任をいたしましたり、こういうような点につきまして、非常にまあグランドが狭いために、士気が上らないというようなことを御指摘になりますような方々もあるのでございます。そういうことから成るべく少し広い単位警察によりまして、或る程度の人事の異動、交流というようなことも行い、或る程度土地になじむとともに、土地と余りに密接するような弊害にも備え、本人たちが自由にのびのびと発展することができるというような、そういうような理由から、これを成るべく大規模なところにやらしたほうがよかろうというような御見解を持つところもあるかと思います。  私どもといたしましては、一々詳らかにその後の事情を明らかにいたしておりませんけれども、最大の理由はやはり地方財政上の理由であろうかと考えでいるような次第でございます。
  21. 若木勝藏

    若木勝藏君 只今のあなたの御答弁を伺つておりますと、結局主たる原因財政上にあるので、そのために十分な機動力も発揮できないし、又管理方面もうま行くかないんだ、そういうことで結局は自治体警察なんというようなものよりも、もつと規模の大きい国家警察にしたならば、国警一本槍にしたならばいいでないかというふうにも聞こえるのでありますが、それで、事財政関係するということになれば、この問題を処理したならば、現行警察法に最も合うところの、民主的な警察が、自治体警察としては私できて来るのじやないか、結局は自治体警察というふうなものを設けておりながら国で以てその財政の保障をしてやらないところに問題がある、こう考えられるのです。そういう点で自治庁財政部長さんもお出になりますから、一体その点は本当に警察が運営されて行くためには、与えられるところの平衡交付金というものは極めて貧弱なんじやないでしようか。その点はどういうふうになつていますか。
  22. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) 市町村自治体警察の運営に伴います地方財源裏付が非常に少な過ぎるのではないかというようなお尋ねかと存じますが、平衡交付金算定に当りまして、その各行政項目別基準財政需要額算定をいたしますため、今回も又改正法案を別途御審議願つておりますが、毎年度単位費用をきめて計算をいたしておりますが、これは法律建前上、或いは制度建前上からいたしまして、この行政をいわゆるまあ合理的、妥当な基準において行うに必要な最小限度財源を保障するという建前できめて参つているのでございます。各行政費目につきましてさような考え方から単位費用をそれぞれ測定し、それに基きまして警察費警察費消防消防費というようにそれぞれ必要な財政需要額算定いたしているのであります。それが実態から見で実際に必要だということで、各地方団体のほうで、今の御指摘警察の問題にいたしましても、警察のために使つている費用が多いか少いかという問題になりますと、これはまあいろいろ御意見、御議論もあるかと存じます。ただ基準財政需要額は、もう皆さん承知通り、今日の法律建前では、標準税収率の七〇%、それから又交付金の中に九二%という範囲内で最小限度の必要な行政費というものを測定いたしております関係上、基準財政需要額だけから見ますれば、これは実際の所要額というものに比べて、必ずしもその全額を現わしているとは考えられません。で、その他の必要な、まあ若しそれ以上に必要な経費があるといたしまするならば、それはその団体に別途付与されております税収なり或いはその他のまあ一般財源等で以て支弁するという建前なつておるわけでございまして、若しこれが過少であるというのが実情であるといたしまするならば、まあ問題は結局地方財政計画立てかたの問題になつて参ると存ずるのでございます。地方財政計画もこの前別途御説明申上げましたように、又皆さんよく御承知通りでございますが、国の財政の問題又国民の負担の状況又或いは国家経済の景況と申しましようか、そういうことに関連をいたしまして、計画を立てておりますので、必ずしも団体が実際に使つております経費を全部この財政計画の中に盛り込んで行つておるということには相成つておらないかと存じます。併しそこらは要するに今日の国家地方を通じて我が国の財政計画建前からも、そういう範囲内において一つ行政をやるということで、与えられた財源範囲内においてまあ流用してと申しますか、融通して、適当な行政をそれぞれの部面において行なつて行く、かようこと以外には止を得ない状態ではないか、かように考える次第でございます。
  23. 若木勝藏

    若木勝藏君 柴田さんに伺いたいのですが、まあ前のときには二十四ヵ町村或いは六十何カ町村という相当の繰上げに該当するところの町村があつた。今回は僅かに二ヵ町村ですね。そういうふうなときにこの特例法を常に作つて行くということになれば、四十条の三の第八項というようなものは無視されてしまうんじやないか、無意味なものになつてしまうんじややないか、こういうふうに考えられますが、あなた方の考え方としては、そういう要請があれば常にこれに応ずるというお考えになりますかどうか。その点を伺います。
  24. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) 特例が余り多いと本則が無視されておかしくないかという御意見でございますが、第一にはこの問題につきましては、私ども当局といたしましては、ここに現われておりますような廃止決定しておりますニカ町村、それから曾て該当がありましたようなそれぞれの町村について住民投票が行われて、廃止決定しましたということを前提といたしまして、それらの町村財政状況、如何にも気の毒だというような点から、この責任転移の時期を、予算状況が許せば繰上げたいと思うが、そういう法律案国会の側におかれまして出したいと思うが、当局の意見はどうかということを問われておりまして、その際におきまして、予算措置上は、この程度のものならば可能でございます、それから或る場合におきましては予算措置上若しむずかしいものにつきましては、この総理大臣の承認というものがそのためにありますので、すべての該当町村がいくら出ても、それを全部予算上必ずしも約束して承認することができない場合もあろうかと存じます。かように一つの既定事実に対しまして、国会側が法案を御提案になりますことについての予算上の措置が可能であるかどうかということをお答えをして来ておりまするのが、そうして今回も又それについて予算上は可能であると思います。従いましてこの法案の御提案には政府側と申しますか、国警側といたしまして何ら異存はございませんということをお答えを申上げておるのが、私どもの態度でございますので、これらのすべて廃止決定しております町村を繰上げて国警にすべて編入すべきものであるという見解を、私ども自身が持つているものではございませんことを、予めお答え申上げておきたいと思います。  それから今一つお尋ねでございますが、警察法建前といたしまして、このような本則が余り度々どのような提案にしろなされるということは意味がないではないかと、そう思わないかというお尋ねでございますが、その点につきましては、この四十条の三の八項と申します規定も、つまり十月三十一日までにきまつたものを四月一日から転移せしむるというふうにきめております規定は、一にこの予算上の措置を可能ならしめるためにあるものであると私ども考えておるのでございます。住民投票によりまして廃止決定いたしますところの手続までは極めて慎重に、いろいろのむずかしい義がございましてきまるのでございますが、ひとたび廃止が、法律上の転移を待たずして、住民投票決定によりまして、廃止という法律的効果は決定しているのでございます。あとぱその決定した効果をいつから責任引継をするかということは、この法の精神としても早いに越したことはなかつたのでございましようけれども、何分にも国が引継ぐということになれば、急に数多くの自治体警察職員というものについて予算を賄うということは困難な場合が多いことを予想されまして、予算編成時期を見合いまして、毎年十月三十一日までのものは四月一日からということを、この法律はきめているものではなかろうかと私どもは思つておるのでございます。従いまして千三百ぐらいございました町村の中で、千何ぼの町村が一遍に廃止するかしないかというような時期におきましては、この本則通りでなければ実際上予算措置がれは全く予想がつかないということであつたかと思いますが、先ほど御説明申上げましたように、大体今回の御提案の如きは僅かニカ町村であり、二十カ町村とか、つまり余り数が多くない町村の場合におきましては、予算事情さえ許すならば、その枠内におきまして、この時期の特例だけを設けるということは、必ずしもその時期の特例を設くべきであるとか繰上ぐべきであるとかいう考えは、私どもつておりませんけれども、それらの特殊事情に基きまして、救済的の意味を以て予算上の措置が可能であるならば、時期だけを繰上げる特例法案というものは、その故にこその特例法案であろうかと思うのでありまして、法の精神から全くこれは妨げるべき……とるべき態度じやないというような見解を私どもは持たないのでございます。飽くまでも本則ではないかと思いますが、一つの救済の手段として、そのような特例が事実上許されるならば、可能な限り許して認めるということは、あえて差支えないのではなかろうかという見解を持つておるのでございます。
  25. 若木勝藏

    若木勝藏君 あなたの説明は、一応私は理窟が通るように考えられる。ところがですね、そういう特例を設けて行くということは、これは提案者のほうに伺つたらいいかも知れませんが、一応まあ警察当局の御意見を伺いたいと思います。これは現行法で行きますというと、前文には非常に警察のありかたというものを民主的に謳つておる。そこで、そうなつて参りますというと、国家警察自治体警察というものが、両面を認め、自治体警察というほうに私は重点がかかつて来なければならないと思う。そういうふうなことが、そういう特例々々で以て行くということになれば、知らず知らずのうちに本当に民主的であるべき自治体警察というようなものが、全然ないようになつてしまつて、いわゆる国家警察のほうに一本化されてしまう、こういうふうなことを促進するようなことになりはしないか、こういう点をどうお考えですか。私はそこを懸念する。
  26. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) 先ほどお答えいたしましたと同様に考えるのでございまして、これがすでに廃止決定してしまつておりますものを、時間を繰上げ、時期を繰上げるということでございますから、つまり時期を繰上げるかどうかということが、町村を維持すべきか否かということにどれだけの影響力を持つかという問題でございまして、今回出ておりますような町村につきましては、すでに住民投票も行われて、法律廃止決定いたしておるのでございます。何らのそこに新しいことなくして、四月一日までを待つか或いは時期を早めてその決定した効果を現わすかということだけでございますから、この点についてはその廃止自体はもうきまつているのでございますから、廃止を促進をするということにはならないかと思うのでございます。併し今までにこのような特例法案がすでに一回、二回と出た、更に今回も出た、そうするとどうやら特例法案というものが出れば、やつてつていいものか知らんと、まだ決定しておらない町村が知ることによりまして、将来の町村警察を維持するかしないかに影響がありはしないかというような意味においてのお尋ねであろうかと思うのでございますが、その点につきましては、冒頭に申上げましたように、廃止決定しました場合に、それを何月にその引継ぎをするかということが、いやしくも町村警察を維持するかしないかという重大な事項をきめます際に、それが成立しました場合の時期の決定の如何ということが、本質的な影響を持つものとは、私ども考えられないように思うのでございます。
  27. 加瀬完

    ○加瀬完君 只今の御説明によりますと、千三百八十六警察のうち、当初二十六年度九月三十日に千二十四警察、その他を合せましてですね一千百何警察というものは、本則よりも内容的にはむしろ今度の特例と同様な立場において廃止されておるわけですね。で、この特例通り廃止されたものは四十九警察にしか過ぎないと思うのです。そうすると本則そのものというものが完全に守られたパーセンテージというものは非常に少い。そうすると本則そのものに相当な無理があるんじやないかということが考えられるわけです。で、あと残つたものは二百数十警察ということになりまするが、これも同様に廃止決定すれば、当然特例を求めて来ることは必然だと思う。そうなつて来ると、そのたびごとに特例々々というふうに進んで行くほうがいいのか、それとも本則そのものに無理があるんだから、本則そのものをこの際一挙に変えて特例を作らなくても特例内容を行わせるように、例えば一年を二期ぐらいに分けて、転移の時期を早めるという方法をとるほうがいいかということは、相当研究の余地があると思うのです。法的に考えれば、あなたの御説明通りになるかも知れませんが、実質的に行われておることは、全部特例と同じような方法で行われておるのでありますので、その本則そのものを変えるという意思は、当局にはないかどうか、この点。
  28. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) お答えいたします。法律本則廃止をいたしましたものが千七十三町村でございます。
  29. 加瀬完

    ○加瀬完君 併し実質的には長い時期を待たないで、現在の特例と同じように、特例転移を認めていると同じような条件で千二十四警察というものは転移が行われたわけであります。ですから本則通りに法的には行われましたけれども内容的には現在転移の時期の特例を認めている。求める必要はない、同じ条件で行われたわけでありますね。そういう問題は、これは本則で行われたと解すべきか、本則の矛盾というものが、この場合は矛盾でなく行われたので、特例を求める必要はなかつたのだと解すべきか、そのあとのほうでなければならないと思うのです。そういう意味でお答え頂きたいと思います。
  30. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) 実質的な意味においての本則、例外のお尋ねであるかと思いますが、第一回の十月一日というのは、これは予算建前から申しましてこの法律案の一部改正成立する当時、補正予算関係で十月からは予算措置が可能であるという見通しの下にですね、第一回の特例、第一回の今のおつしやつた実質的な意味の特例をおきめになつたということでございます。従いまして私どもは今のお尋ねの実質的の意味におきましても一回、二回の千七十三町村は、政府なり国会が、予算措置が組織的に可能であるという見当の下におやりになつたということに基いて転移したものであつて、三回目、四回目と二回だけがいわゆる請願、陳情その他の状況を御審査になりまして、救済的な意味において時期を繰上げたものであるというふうに了解しております。併し、お尋ねでありますが、どのように見ましても、今までこれがどのように現われておるかと申しますと、いわゆる廃止決定した町村は、きまつたものを早く実行したいと、きまつた以上は早く引継ぎもし、きまつておるように実行したいと、それは財政的には、きまつたその町村警察維持の経費というものがそれだけ安くなるからという理由で、廃止した所につきましては、若干平衡交付金その他で差引かれるという問題が仮に起りましても、実際に、現実に警察を維持する金のほうが高いわけでございますから、それを早く切上げてしまえば、財政上それだけ浮くわけであるということが一つと、それから廃止がきまつておりまして、漫然と転移の時期を待つております警察職員が、町村側から御覧になつておりまして、如何にも元気が出ないと申しますか、身分上のやや不安を持つ、どうも法律的にもこの職員引継ぐ場合におきましては、国警で無条件で引継いでおりますけれども、更に人事の扱いの上において不安を持つということは、当事者として当然で、そういうことから、きまつたものはなるべく早くしてもらいたいということで、町村側としては、国会等に対しましても漏れなく陳情するというような基本的な態度のように私どもつておるのであります。そのような基本的な、早くしたいという町村側の態度に対しまして、この法律が十月というふうに大変焦らすようにきめておるということ自体はどう考えるかという、こういう御質問になろうかとも存じますが、その点につきまして意見を申上げますというと、本則で若しそういうことが、技術的に予算措置をして、予め計画的に賄うことが可能でありますならば、そのような本則でこの法律自体を最初から作ることも可能であつたかと思うのでございますが、併し何分千三百の町村のどれだけが廃止するものやらわかりもしないという状況におきまして、初めから、廃止すれば片端からそれを適当な時期に繰上げてやるというような、法律のきめかたとしては、これはなかなかむずかしかつたと思います。法律でなしに、総理大臣とか何とか、行政府のほうの措置に委すというようなことだつたならば可能であると思いますけれども、やはりそのときの法律というものは、責任転移の時期というものは重要な事項だから、法律でぴしやりときめたいという御意向であつたかと思うのであります。従いまして現在町村警察に関する限り、現在維持されておるものは割合に少いのでございますけれど、併し現在維持されておるものは、理論的には全部廃止されるというようなことも考えられるのでございまして、そういう場合について予め予算措置が大丈夫かというふうにお尋ねになられますというと、私どものほうといたしましては、必ずしもお引受けできない場合もあろうかと思いますので、そういう方法も確かに一つの方法であろうかと思いますが、今日のところ、政府側といたしましては積極的にこの条文を改正して繰上げを敏速ならしめるというような考えかたは持つておらないのでございます。
  31. 加瀬完

    ○加瀬完君 まあ法律論から言えぱそういうことが多々あると思いますがね、併し責任転移の時期の特例というものは、当然今後廃止される警察においても、各町村は皆求めて来ると思うんです。そうすると、その本則というものはあつても、結局なかつたと同じようなことで、特例によつて全部打消しになるような状態になりますね、そういうことは当然見通しが、或る程度わかるわけでありますから……。それでもその本則を変えて、こういう特例を改めて作つて町村に便宜を与えるというふうなことは考えられないですか。
  32. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) 確かにお尋ね趣旨のようにすれば、町村側の全体の要望には副えるし、法律というものはできるだけそういう当事者のためになるように親切に作るべきものであるという点においては、確かに御高見の通りだと私ども思うのでございますが、やはり一々これは技術的の予算措置を、理論上現在残つておる町村警察……残つておると言うと非常に語弊がございますが、現在維持されておるところの町村警察だけを対象にして考えますならば、或いは今のお説の通りのものでも、この本則自体の改正によりましても、実際予算措置が可能であるかも知れませんけれども、理論上はやはり不特定の町村で、いつやめるかも知れないというものに対して、国が常に即刻予算の用意があるというような制度というものは、私ども政府側といたしましては、やや心配になる意味におきまして、提案の意思を持つておりません。併しこれは、そのようなことで国会で差支えないというような御見解に基いて、法の一部改正を曾て御研究になるという議もあるやに聞いたこともあるくらいであるのでありまして、確かにお説のように一つ考えかたであろうかとは存じます。
  33. 石村幸作

    石村幸作君 提案者にお聞きしたいのですが、この該当二ヵ町はもうすでに住民投票は行なつたし、そうしてそれはいつでしよう。
  34. 加藤精三

    衆議院議員加藤精三君) 問題の小竹町及び碓井町の住民投票の日時に対してお尋ねがございましたが、小竹町におきましては昭和二十八年の三月二十五日でございます。それから碓井町におきましては昭和二十八年の三月八日でございます。
  35. 石村幸作

    石村幸作君 この住民投票は町議会の議決によつたのでしようか、それとも住民の請求によつたのでしようか、おわかりでしたら。
  36. 加藤精三

    衆議院議員加藤精三君) ちよつと甚だ申しわけありません。議会の議決でございまして、先ほど御説明申上げました如く、議会の議決小竹町におきましては昭和二十八年三月九日でございまして、碓井町におきましては同年一月三十日でございます。
  37. 石村幸作

    石村幸作君 それで、もう一つちよつと聞きたいが、これは提案者のほうでそこまでおわかりですかどうですか、三月住民投票までやつた、併しこれは一年を置いた来年の四月一日でなければ転移ができないということがわかつていて、こう早くおやりになつたのだが、その時に予め特例等を、まあ過去の事実に徴して、特例でも設ければ早くできるというその特例を見越して、こういうふうに住民投票を一年前にやつたか、そういう点はございませんか。
  38. 加藤精三

    衆議院議員加藤精三君) 先ほど御説明いたしました如く、両町は警察を是非まじめに維持したいといつて努力しておつた町村でございますが、昭和二十八年四月一日からの警察維持転移が行われます時期までは、即ち昭和二十八年四月一日までに転移が行われますためには、十月三十一日までー昨年二十七年の十月三十一日までこの住民投票を終らなければならんという関係からいたしますと、その十月三十一日当時には、まだこの警察をどうしてもまじめに維持しようと、こう思つておつたようであります。その後先ほど御説明申しましたような工合に、どうも困難になりまして、そういうふうなことを議会できめ、住民投票をしたようでございまして、別に転移の時期を特に早めようという考えはなかつた、そういう悪意はなかつたと思います。ただ大変苦しくなつたので、殊に災害に次ぐ災害がありましたような関係から、お願いに出たものだと考えております。
  39. 若木勝藏

    若木勝藏君 私は提案者のほうにちよつと御質問申上げたいと思います。  とにかくこの特例はこれで三回目と私は憶えております。で、確か前にももうこの辺でやめようじやないかという話もあつたようですが、今回又出ておりますが……。先ほど警察側の御説明を聞ましても、なかなか転移した場合の予算的な措置も、私は簡単には賄われないように思うのです。欠員があるからそれを補充しないでそつちのほうに持つて行くとか、いろいろ苦心があるようでございます。いろいろ町村において非常に財政上維持できないというようなことに対しては御同情に堪えないのでありまするけれども国会側といたしましては折角できているところの自治体を育成して行くという面に力を入れて、そして財政上非常に困るのであつたならば、国から十分金を出すというような方面に努力して行つたならばよいではないか。そういう方向にむしろ行くべきであつて、困つているから常にこれを廃止の方向にのみ片寄せるというふうなことになれば、私は折角の地方自治体警察というものの育成ができなくなつて行くのではないか、そういうふうに考えるのですが、その点提案者のほうから……
  40. 加藤精三

    衆議院議員加藤精三君) 只今御質問がございましたこと、私たち衆議院地方行政委員会のほうといたしましても、警察費財源の問題につきましては大きな関心を持つているのでありまして、平衡交付金の中に基準財政需要額として含まれまする警察費の額が寡少じやないかという点につきましては、常に当局に注意を喚起しておる次第でございます。又特に先ほども総務部長からお話がございましたように、この小規模警察におきましては、殊に機動力につきまして十分でない、そういうことの原因の中には、或いはトラック或いはオートバイ或いはパトロールカー、そうしたような種類の警察装備をいたしますのに際しまして、非常な欠陥があることに鑑みまして、地方財政法の一部改正法律の際にも、特に従来法三十三条において認められておりまするところの、自治警察の創設の経費に関する建設的な経費以外に、警備力強化のための臨時経費に対しまして起債ができる途を開くべく、かなりの修正を地方行政委員会におきまして行なつたようなわけでありまして、それらの点につきましては誠に御同感でございまするが、なお現在の制度におきます地方財政計画及び地方財政平衡交付金制度建前から、どうしても掻いところに手の届かない関係にもなりまするし、他面そういう制度が完備するまで警察を維持さして置きまするのを気の毒でございますので、こうした措置に出たわけでございますので、その点御了承頂きたいと思います。
  41. 中井一夫

    衆議院議員中井一夫君) 只今委員の皆様からこの特例をたびたび出すことは果してどんなものであるか、これは全く警察法それ自体の改正と同様なことになるのみならず、政治的な悪影響もあるのではないか、こういう趣旨のお言葉に対しましては、私どもも誠に御同感に存ずるのであります。そうして衆議院における委員会におきましても、全く皆様方が御心配になりまするそのお言葉通り意見が極めて厳重に出されまして、もう将来は同じようなこの特例は出してはならんのだ、こういうような決議をばしようではないかという話まであつた次第でございます。ただこれにつきましては、将来再びかような特例は出しませんというような決議をいたしまするというと、それは立法府自身の立法権の侵害と申しまするか、規制と申しまするか、そういう問題にも立入る虞れがあるという又論議もございましたので、そこまでは衆議院委員会においては進みはいたしませなんだが、衆議院の各派の委員の御意見によりまして、委員長衆議院の本会議においてこの報告をいたします際において、再びかような特例を出してはならんのだという趣旨のことを、厳重に委員各位の希望意見として申述べるということに委員会におきましては話合ができまして、私といたしましては、その趣旨に基きましてその通り衆議院の本会議において報告をいたしておいたような次第でございます。右様の事情でこの法案はできて参つておるのであります。皆様方の御意見につきましては、十分衆議院としてもこれを尊重いたし、善処をいたしたいということを考えておる次第であります。何とぞ本法案につきましては右様の事情を御了承の上で、御承認を頂くことができますれば誠に幸いと存じます。
  42. 秋山長造

    ○秋山長造君 ちよつと中井委員長お尋ねしたいのですが、只今おつしやつたことはなるほどお気持はわかるのですけれども、併しあえて理窟を申しますと、じやこれだけを特例に認めて、今後は認めないということも私はおかしいと思うのです。なぜならば我々は常に国の政治たるや、飽くまでもすべての人間に対しての取扱いは、平等公平でなければならんと思つておりますにもかかわらず、この場合に対しては特例を認めるけれども、今後仮にこれ以上の逼迫した事情にある自治警から、転移の事期を早めてくれという要求が出ないとも限らない、そういうときに、もう特例は一回限りであとは認めないというようなことを言い切ることが、果して我々として公平なやり方であるかどうかということも考えなければならんと思いますので、飽くまでも最初の原則をそのまま突つ張るということならばまだ筋が通るけれども、この一つだけを認めて、あとは認めないということは、私はちよつと筋が通らないのじやないかと思うのですが、如何でしようか。
  43. 中井一夫

    衆議院議員中井一夫君) その問題につきましては、先ほど申上げましたように、この特例はたびたび繰返してはおらんという御意見につき、衆議院委員会においては再びかような特例は出さないようにしようというような決議をしようじやないかという御意見がございました際に、それでは衆議院として、国会として、みずからの立法権を制限するものである。又々どういう事情でこういう特例を作らなければならんような必要が起るかも知れない、それを今からこれを以て最後だと、こういうふうにきめることは却つてよろしくないというので、そういう決議はいたさずにおきました。ただ併しかような特例はいわゆる特例でございますので、たびたび繰返しますことは本法自身を改正すると同様の結果になつて、どうも立法のやり方としては少くとも余り面白くないような傾向にあるのではないか、こういうことだけは一同考えましたので、そこで希望意見としてこういう特例を将来いたすことについては、極めて厳重にこれを考えてやらねばならん、そういう意味において、これを更にたびたび繰返すようなことについては慎みたいというような意味において先ほど申上げました希望意見の附加陳述をいたしておいた次第なんでございます。決してかような特例は必ず本回を以て最後とし、将来は一切出さん、そういう趣旨ではないのでありまするからその点何とぞ御了解を頂きたいと存じます。
  44. 加瀬完

    ○加瀬完君 今衆議院中井委員長の御説明を承わりまして、又警察当局に伺いたいと思うのですけれども衆議院のほうでもこういう特例というものが矢継早に出ることによつて本則がどこかへ行つてしまうということのないようにという話合が取交わされたというお話がございましたが、現在まで大体責任転移の時期の問題は、殆んど特例を以て早められているという結論が出ているわけです。で、それにはそれとして相当理由もあつたでありましようが、今後とても二百いくつかの警察がやはり特例を求めて来る場合に、これを今までは今までだが、今後はもう特例を許さんということにはとても行かんのじやないかと思う。で、そういう点ですね、当局として特例を許しておつた条件というふうなものをどんなふうに考えておりますか。ただ各町村から出て来たもの、そのまま受けておつたのか或いは検討を加えて、こういう条件の下に特例を認めておくのだというふうな、何か条件があるのでしようか。或いは衆議院、参議院においてこの特例法律案が出ましたときに、そういう条件が問題になつたことはあるのですか、それらの点を伺いたい。
  45. 柴田達夫

    説明員柴田達夫君) 特例に対しましての従来の取扱の程度でございますが、従来二回に亙りましての議員提案によりまする法律成立いたしました際におきましては、町村側の議決によりまして期日を繰上げたい旨を申請して参りました場合、予算措置が可能であります限りは、総理大臣はこれを承認するという態度をとつております。条件をつけて、その審査によつて特例を認めないというような裁量は一切行わないということにいたしております。結果といたしましても、先ほど御説明いたしました二十四カ町村、水害の六十一カ町村予算措置が可能でございましたら、総理大臣からこの法律によります承認を与えておるような次第でございます。今回御提案なつております二ヵ町村についての定員は、極めて僅かでございますのでこれだけについてならば、若しこの法案成立の場合は、総理大臣の承認は予算の観点から勿論可能であるということを結論できるような次第でございます。
  46. 加瀬完

    ○加瀬完君 提案者に伺いたいのですが、今の当局の説明によりますと、予算的措置さえ講じられるならば、今後も特例を認めて行かざるを得ないということにも解釈できるわけでございますが、そうなつて参りますると、たびたび委員から繰返されましたように、責任転移の時期というものは殆んど特例を以で終始されるということに恐らくなると思うのです。そういうふうなことになるといたしますれば、私先ほども申上げたのですが、本則そのものが相当もう変更されて来ているわけでありますので、むしろそれならば本則を直して行くというようなことも当然考えられていいのじやないか、そういう点につきまして御討論の場合にでも何か問題になつたような点はないでございましようか。
  47. 加藤精三

    衆議院議員加藤精三君) その点につきましてはこういう事情でございます。昨年の末に特例法を作りましてから、今回までの間に住民投票の済みましたところの警察署というものは十二ヵ町でございまして、その後もそうした地方警察廃止というような具体的な事案はないのでございます。で、特にそうでありまして、今回の事案は極めて同情に価いするような事案でもあるしということを考えただけでございまして、今御問答のような広い見地に立つた点までは、衆議院に現実問題がないものだから、まだ考えておりませんでございますが、若しこの法律にもう期間上飛び込むことが不可能なようでございますけれども、これからもうそういうことを申出て来るものがあつても受け付けないつもりで提案者はいるのでございますから、さよう御了解願いたいと思います。
  48. 加瀬完

    ○加瀬完君 さつき秋山委員からも問題が出されたのでありますが、衆議院のほうで今後こういう問題が出て来ても受けつけないとおつしやられることは、どうも私腑に落ちないのでございます。私思いますのに、今までに殆んど警察の移管というものは特例で行われておつて、次々と同じような特例を二回も三回も出しておるのだから、我々のほうも当然特例として扱つてもらえるだろう、こういうふうな請願なり或いは陳情なりあつた場合は、今後は特例として認めんということは、真に首尾一貫しないことになるのではないか。それよりもむしろ特例の持つ内容本則を変えて行くということのほうがまあ自治警の廃止のよし悪しという問題を別にして、これはもう合理的ではなかろうか、だからあなたのほうでもそういうことが話合に出なかつたかということを伺いたいのです。
  49. 加藤精三

    衆議院議員加藤精三君) 私の答弁が不十分なために誤解を起こしましたのでございますけれども、私が申上げようといたしましたのは、この警察転移の時期を九月一日にいたしました関係上、この法案提案になることを聞きまして、そうして早く住民投票をやれば間に合うということで、今回飛び込んで来るのがあつても、それはしないということでありまして、それ以外のことにつきましてはまあこれはそういう事案が起きました際は、十分に衆議院地方行政委員会、参議院の地方行政委員会でよく御相談申上げまして善処したいという気持を委員長も持つているだろうと思いますし、そういう際には、提案者といたしましても十分に又参議院、衆議院地方行政委員会の御意見に従いまして、賛成、不賛成の意をきめたいと、そういう考えでおります。
  50. 加瀬完

    ○加瀬完君 大体了解いたしました。最後に一つ、この特例警察の装備或いは警察の実力という理由から、積極的に自治警というものを国警に編入したほうがいいという考えの下に特例考えられたのか、そうではなくて、今度問題になつております二つの町の特殊事情というものだけを主に考えて、どうしても特例的に扱つてやらなければならないということから考えられたのか、どちらなんでございましようか。
  51. 中井一夫

    衆議院議員中井一夫君) お答えをします。自治警は廃止するがよろしいというような趣旨でこの特例考えたなどということは毛頭ございません。我々はできるだけ自治警は維持すべきものだということの考えを持つて進んでおるのであります。ただたまたま特別の場合、その来年の四月の一日までの転移の時期が待てない、こういう町村につきましては如何にもお気の毒だから特別な例としてこれを認めるというだけに過ぎないのでございます。
  52. 加瀬完

    ○加瀬完君 よくわかりました。自治庁に伺いたいのですけれども、今衆議院中井委員長のような御趣旨で、自治警というものを育てて行こうといたしましても、結局地方財政の逼迫というものは、必然的に自治警というものをもう国警に、好まざるにもかかわらず、或る場合には編入せざるを得ないような状態にだんだん自治警としては進んでいるわけです。こういう地方財政の逼迫、そのために廃止される自治警という問題に対しまして、自治警としてはどういうふうにお考えなつておりますか。
  53. 武岡憲一

    政府委員武岡憲一君) 地方財政が逼迫いたしておりますために、折角制度としてできております自治警の維持ができないような町村がだんだん出て参つているということは、私どもといたしましても誠に残念に考えております。併しこれはまあただひとり自治警或いは警察に関する経費だけの問題ではございませんで、結局まあ地方財政全体としての問題に相ならうかと存ずるのでありまして、やはり地方財政の総体に亙りまして、その政財状態を改善いたすということが、警察行政のみならず、そのほか各般に亙る行政の水準を向上せしめるゆえんであることは申すまでもないと思いますので、今後更にいろいろこれにつきましては、制度改正ということも考えなければなりますまいし、或いは又更に国家財政地方財政との関連等々につきましていろいろ検討いたすべき問題は多々あろうかと存じますが、それらの検討を十分に遂げました上で、地方財政の全体としての水準を高めて行くように、なお一層今後の努力が必要であろうというふうに考えております。
  54. 石村幸作

    石村幸作君 大分質疑応答も徹底して行われたようでありますので、若し特に質問者がなかつたら、ここいらで質疑を打切りまして採決して頂きたいと思います。
  55. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今石村君から質疑打切の動議が提出せられましたが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 内村清次

    委員長内村清次君) 異議ないものと認めます。それではこれより町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案の討論に入りたいと思います。御意見のあるおかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたら討論中にお述べを願います。
  57. 若木勝藏

    若木勝藏君 私は日本社会党第四控室を代表いたしまして、本法案に反対の意見を申上げます。  現行警察法について考えて見ますと、その前文に謳われていることから考えますと、これは民主警察のあり方というふうな、自治体警察というふうなことについては、極めて私は重要な位置を占めていると思うのです。それがただ単に財政上から維持が困難である、そういうふうな事由から国警に編入されるというふうなことについては、これは現行警察法の本旨に副わないものであると考えるのであります。殊に警察法の四十条の三のその第八項の規定を越えまして、その維持に関する責任転移の時期を繰上げるというようなことは、これは現実の町村の事態については、私は誠に同情に堪えないところがあるのでありまするけれども、これは私は賛成のできないところであります。財政上維持が非常に困難であるというのであればいわゆる平衡交付金の増額とか、別個にこれは財政上の措置を国が考えまして、そうして民主的な自治体警察というものの育成を図らなければならない、こういうふうに考えられるのであります。この点に関しまして私は今想い起こすのは、前の国会におきまして、政府警察法改正法案を出して来た、ところがこれほ非常に批判を受けて、いわゆる国警を強化して、そして警察国家を再現するのではないか、こういうような批判が非常に強かつた、そのためか今回の国会においては再びこれは提出にならない、そういうふうなことを考えますと、特に四十条の三の第八項を越えて、そしてこの特例に継ぐに又特例ということになれば、この政府の意図に対して、つまりそういう方面に拍車を掛ける結果になるのではないかということを憂うるのであります。そういうふうな理由からこれに対して反対を申上げるものであります。
  58. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 私は社会党の第二控室を代表いたしまして、止むを得ざるものとして、今回の法律案に対しまして賛成をいたします。  政府警察法改正というようなことを立案いたしまして、非常に自治体警察に対して動揺を与えているという事実は見逃すことができないと思うのであります。従つて警察法改正の問題については、別にこれを議論しなければならないと思いますが、折角地方に分轄されて民主的に運営されている警察制度が、政府の思いつきの政策の変更によりまして、下部の警察が動揺しているということはこれは非常に残念なことであります。我々としましては、こういう弱小町村或いは弱小市町村における警察維持の問題については、政府として当然特別の考慮を払わなければならないにかかわらず、かかる措置をとつておりませんために、限界にある貧弱市町村においてはもはや自力を以て警察を維持することはできないという結果をもたらしたのであろうと存ずるのであります。従つてどもといたしましては、この時期において、やはり民主的警察制度というものはどこまでもこれを尊重し、拡充して行く方法をとらなければならないと思うのであります。ただ併しこの二つの場合におきましては、水害等、誠に事情止むを得ないものがありますので、これを以て将来の前例としないということを条件といたしまして、止むを得ざるものとして賛成いたします。
  59. 内村清次

    委員長内村清次君) 他に御発言はございませんか。
  60. 加瀬完

    ○加瀬完君 本則尊重の立場から今後特例を通例とすることのないようにする、この度の特例は二町の災害等の特殊事情による、以上の二つの点を確認いたしまして賛成をいたします。
  61. 内村清次

    委員長内村清次君) 他に御発言はございませんか。他に御意見もないようでございまするが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 内村清次

    委員長内村清次君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案について採決いたします。町村警察維持に関する責任転移の時期に関する法律案を、衆議院送付案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  63. 内村清次

    委員長内村清次君) 多数でございます。よつて町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における委員長の口頭報告内容は本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を得なければならないことになつておりますが、これは委員長において本法案内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認願うこととして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 内村清次

    委員長内村清次君) 異議ないものと認めます。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に報告する報告書において多数意見者の署名を付することになつておりますから、本法案を可とせられた方には順次御署名を願います。   多数意見者署名     西郷吉之助  館  哲二     小林 武治  長谷山行毅     高橋進太郎  加瀬  完     松澤 兼人  石村 幸作
  65. 内村清次

    委員長内村清次君) 御署名漏れはございませんか。署名漏れはないと認めます。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  66. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記を始めて。それでは町村合併促進法案議題に供します。それでは昨日の委員会で、委員の各位から要請がありました人事官の入江誠一郎君が出席されておりますので、この法案に対する人事院としての責任ある御答弁をお願いします。
  67. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) 町村合併促進法の施行によりまして、町村が合併されました場合における地域給の取扱いにつきまして昨日御質問がございまして、人事院のほうからお答え申上げました次第ではございまするが、この地域給につきましては、御存じの通りその地方の生計費を基礎にして作られるのが建前なつておりますので、現在同じ市町村内におきましても、著しく生計費、その他を異にします場合におきましては、同じ町村におきましても地域給の異なる場合もあるのでございますがも併しながら町村が合併されました場合等におきましては、この事実を十分認識いたしまして、現在地域給を改訂いたします場合におきましても、大体において合併の事実を一つの基礎としながら改訂につきまして善処しているような次第でございます。今回の町村合併促進法の御施行によりまして、町村が合併されまする場合におきましては、只今申述べましたような、特にそれは大体においてその規模その他の条件におきまして同様な町村が合併されることが多いと予想されまするが、特に著しく条件が異なるような場合は別でございますけれども、まあ大体において現在まで人事院が取扱つて参りましたことも先ほど申上げた通りでございます。そういう普通の場合におきましては、合併された町村の比較的高い地域給が適用されることが多くなることと存じております。
  68. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 大変結構な御答弁ではございまするけれども、人事官に特にお聞きいたしたいということは、折角法律を以て町村合併を促進するのでありますから、その趣旨を十分に尊重して頂いてこの法律によつて町村合併が行われた合併町村においては、地域給等の問題についてはとくと考慮するというような意味のことを伺えれば非常に幸いだと思うのです。
  69. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) お答え申上げますが、只今申上げました通り、現在におきましても、合併されました場合に、町村の地域給につきましても相当考慮している次第でございまするが、お話の通り法案施行によりまして合併されます場合におきましては、本法案の御趣旨をも十分尊重いたしまして、我々地域給の改訂の際におきましては十分善処いたしたいと思つております。
  70. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記をとあて。    〔速記中止〕
  71. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記を始めて。石村委員長から一つ昨日の衆議院の……、
  72. 石村幸作

    石村幸作君 昨日衆議院地方行政委員会の諸君が当委員会に出席して下すつて、合同でいろいろ懇談会をやつたその結果、昨晩夜を徹していろいろ衆議院のほうでは御検討を下すつたそうでして、その結果として、ここに衆議院の小委員会の研究事項と解しますか、試案と解しますか、その事項がこちらのほうへ廻つて参りまして、お急ぎになつたと見えて原稿そのままで参りましたので、当専門室でこれを仮印刷しまして委員諸君のお手許へ配布いたしてあると存じますが、今その内容をちよつと朗読いたして見ます。    衆議院地方行政委員会町村合併促進法小委員会における研究事項  (一) (1)地方自治法第七条を改め市町村の廃置分合につき都道府県知事及び当該都道府県の議会の介入を排除し市町村の廃置分合は関係町村の合意と内閣総理大臣決定とにより処分するものとすること      (2)都道府県知事は意見を付して経由進達する機関とすること。  (二) 法第三条前段を『町村は、おおむね八千人以上の住民を有するのを裁定の基準とし……」とし最低基準のみをおさえる最高を抑えざる所以を明らかにすること。  (三) 法第三十四条の弱小町村の合併を引き受ける市の側の人口に関する制限五万、十万の規定を削除すること。  (四) 法第五条の町村合併促進協議会の構成メンバー中に農業協同組合、商工会、婦人会、青年団等町村の区域をその設置区域とする主要な団体の代表者をも参加せしめなければならぬこととすること。  (五) 法第九条を改め合併関係町村地方自治法第九十一条第一項の規定にかかわらず、その協議による規約で合併決定後最高限一年間に限り合併関係町村の従前の議員が合併町村の議会の議員として在任することができるごとく定むることができるものとすること、但し市が町村を合併したる場合においては合併後引き続き在任する議員の数を過多に亙らざるごとく適当なる数に限定することを要するものとし合併関係町村の協議による規約で定めなければならないものとすること。  (六) 法第九条の次に被合併町村の従前の吏員の身分に関し保障規定を設くること即ち被合併町村吏員はすべてこれを合併町村吏員として引継ぎ爾後行政の整理をなす場合においては合併町村及び被合併町村吏員の間に差別的待遇をなすことを得ざることに法定すること。  (七)附則2の法律施行期間の五箇年を二箇年とすること。  (八) 法第二十五条及び法第二十七条の規定を一箇条にして国の助成規定を統一し法第二十七条の規定する『財政援助の優先取扱を実施する』との考え方を改め『合併町村のみを対象にするところの助成をなす』べきことを規定すること。もとより『毎年度法令及び予算範囲内において』という制限規定でしばることは差支えない。  (九) 法第十六条の売り払いの対象となる林野を合併町村の区域内に係る国有林野に限定せず右区域外に係る国有林野に及ぼし得ることにすること。  以上でありまして、大体昨日いろいろ話題に上つた点であります。ただ昨日話題に上らなかつたのは、(六)の合併関係町村吏員の問題と存じますが、以上のような研究事項がこちらへ廻つて参りました。如何でしよう、幸いこれをまとめられた衆議院地方行政委員会中井委員長と、加藤委員もお見えになつておりますが、これに対する御意見というか、説明と言いますか、それをして頂きましようか、如何でしようか。
  73. 若木勝藏

    若木勝藏君 議事進行につきまして私委員長に伺いたいのですが、これはまあこの間から衆議院と参議院ていろいろこれらについての事前のプイラベートな懇談をやつているわけですね。ところがこれは向うの正式な委員会によつて認められた、委員会のその事項をこつちの委員会に提出したということであれば、それについて速記をつけて正式にやつていいだろうと思う。そういうふうなことを、両方の正式の合同委員会という性質を持たないで、単にこれをこつちのほうで提案している法案についてそれをやることはどういうものであるかということを私考えております。どこまでもこれはプライベートな段階で、懇談で行くのだということになれば筋が通るのですが、そのへんの取扱はどらなりますか。
  74. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私も若木委員の御意見賛成なんですが、或いは我々の懇談事項として、審議のとき参考といつちや失礼ですけれども、そういうようなあれだということにして、速記を外して、懇談のうちにこの立案の趣旨について我々の疑点を一つ説明をして頂くというような形にして頂いたらどうかと思うのですが……。
  75. 内村清次

    委員長内村清次君) 大体只今若木委員や高橋委員の御発言の通りに、まあ委員長といたしましてもそのように考えております。先ほど若木委員の発言の中にありましたように、衆議院のほうにこちらから回付した正式な法律案と、その上に立ちましての小委員会というような形ではないのでございますからして、そういうふうに一つ取扱つて行きたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 内村清次

    委員長内村清次君) 御異議ないと認めます。それではこれより懇談にいたします。速記をとめて下さい。    午後三時三十九分速記中止    —————・—————    午後六時四十九分速記開始
  77. 内村清次

    委員長内村清次君) では速記をつけて下さい。  本日はこれにて地方行政委員会を閉じます。    午後六時五十分散会