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1953-10-22 第16回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月二十二日(木曜日)    午前十一時一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事            石村 幸作君            館  哲二君    委員            伊能 芳雄君            西郷吉之助君            小林 武治君            若木 勝藏君            加瀬  完君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    地方制度調査会    副会長     野村 秀雄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政改革に関する調査の件  (地方制度調査会答申に関する  件)  (災害その他地方財政需要増嵩に  伴う地方財政平衡交付金及び起債対  策並びに地方税減免に関する件)   —————————————
  2. 内村清次

    委員長内村清次君) では只今から地方行政委員会を開会いたします。  ちよつと委員長から政府側に御注意申上げますが、この地方行政委員会は四日間今日まで開催しておりますが、政府側出席がないために非常に委員会運営上困難いたしておるのです。特に又これはあと委員方々にも御相談しますが、災害その他地方財政需要増加に伴う地方財政平衡交付金及び起債対策並びに徴税の減免に関する件、この議題は重要な時期的な問題でもありますからして、この点に対しましても委員会開催期日も或いは委員方々の御承諾を得て一日延会しなければならないという事態になつて来たわけです。その他の問題も委員会の運営上ずれて来ております。非常にこれは遺憾とします。特に又自治庁長官も、予算その他の閣議の問題もありましようが、四日間まだ一回も出席されておらないという状態で非常に運営上困つているのですから、そのようなことの一つないように今後注意して頂きたい。  今日の議題に入りますまでに、先ほど申上げましたように委員会を明日一日延会をしてはどうかと存じますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内村清次

    委員長内村清次君) それではそのように一日延会いたすことにいたします。  地方行政改革に関する調査継続審査の中の地方制度調査会答申に関する件、これを議題に供します。  本日は地方制度調査会前田会長が不在のために野村会長が見えられておりまして、地方制度調査会答申のなされたやに委員会としては承わつておるわけでありますが、委員会地方制度調査会答申に対しましては、只今まで休会中再三地方団体の御意見も承わりまして関心を持つてつた事項でございます。答申経緯につきまして御説明願いたいと存じます。
  4. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 本日前田会長がお差支えがあつて、私に出席して経緯説明せよというお話でありまして、私僭越でありますが今日までの経過を一通り報告且つ御説明申上げたいと存じます。  地方制度調査会は御承知通り昨年の十二月に発足いたしまして、そのとき総理大臣より地方制度について改革する点があると認めておるが、地方制度調査会では必要ありと認めたならば、その大綱を示せという諮問があつたために、調査会におきましては鋭意地方制度の全般に亙りましてその調査を進めておつたのであります。自来かれこれ一年になんなんといたしまするが、先日漸く第一の答申として当面の問題に関する答申をいたすことに相成つたのであります。と申しまするのは、地方制度調査会が発足して間もなく義務教育の問題、警察の問題について政府調査会とその取扱について所見を異にいたしたために議事の進行にいろいろ曲折がありまして、その根本の問題について審議を進めることができなかつた事情があるのであります。次いで三月十四日の衆議院の解散によつて選挙が行われ、又参議院の半数改選による選挙が行われるために三月の半ばより国会が構成せられるまで約二ヵ月半の長きに亙つて休会のやむなきに至つたのであります。六月の半ば頃より再び審議を進めて来たのでありまするが、その審議については根本の問題もさることであるけれども、二十九年度の予算案並びに法律案の編成並びに立案に必要なる事項審議する必要あることを認めまし三当面の問題を行政財政の両面に亙つて審議を進めたのであります。暑中でありましたけれども委員の精励と努力によりまして行政部会で先ず原案が作成せられ、財政部会はこれに基いて財政上のいろいろの処置を講ずる必要を認めてその作成に当つたのであります。その内容は或いはお手許にすでに参つておるかも存じませんけれども、第一は前文でありまして、ついで行政部会地方行政制度改革に関する事項、そのうち第一は地方公共団体の種類、性格規模及び事務配分に関する事項、その二、行政簡素化合理化及び能率化に関する事項、その三、大都市制度に関する事項、その四その他の事項。第二は地方財政制度改革に関する事項といたしまして、その一は地方財源所要額の総額に関する事項地方税制改革に関する事項、国及び地方公共団体間並びに地方公共団体相互間の財源調整に関する事項地方債制度に関する事項赤字地方公共団体財政再建整備に関する事項国庫支出金及び使用料手数料等に関する事項大都市制度に関する事項、これらをそれぞれ行政部会財政部会とにおいて立案いたした結果これを総会に付議いたしたのであります。然るところ総会においては、行政部会事項に関する地方議会議員の数を三分の二に減少する事項と、警察府県自治体警察とするのみならず、五大都市にも同様なる自治体警察を設けることに修正いたざれた結果、財政部会としてもこれに基いて又財政部会の立案した事項を修正いたさねばならんことに相成つたのであります。その結果一回の総会においてこれを決定することができないで、財政部会を改めて開会して審議を進めた結果、その成案を得ましたために本月の十二、十三両日に亙つて総会を開いて、そうして原案を決定してこれを答申することに相成つたのであります。  御承知通りこの地方制度改革についてはいろいろ利害が錯綜しておる問題がたくさんあるため頗る難航を極めたのでありますが、併し皆さんがお互いに譲り合つて、いわゆる互譲妥協いたされた結果かくのごとき成案を得たのであります。もとより筋を通すとか合理的にどうするとかいつたような理窟を言つたならば幾多の欠陥があるかも存じませんけれども、現在の状態に即し、先ずこの程度は最善ではないけれども次善であると我々は自認してあえて憚らないと信ずるのであります。  なおこの当面の問題については、さように答申いたしましたけれども、残つておる問題は、地方制度根本の問題を如何にするか、地方団体、殊に府県規模性格を如何にするか、道州制をどうするか、大都市制をどうするか、こういう問題もありますと共に、又今後地方団体永久的事業として如何なることを取扱つて行くべきものか。又これに伴う財源をどうするか。或いは首長選挙制度がこれでいいのか、悪いのか、今後残されたこの大きな問題を慎重に審議検討いたして、この独立した日本の自治体制を確立して、これに即応する適切な、而も憲法の理念に基いて地方制度を確立し、完備することに努めることが我々に課せられた大きなる責務と存じまして、今後ますます熱心に、構成にこの審議を進めて行きたいと存じております。  以上が経過の大要であります。又今後我々が考えておる考えの極めて雑駁なことを申上げて、皆さんの御了解を仰ぎたいと存じております。
  5. 内村清次

    委員長内村清次君) 御質疑はございませんか。
  6. 若木勝藏

    若木勝藏君 大体今の御説明で以て経過がわかりましたのでありますが、二、三の点について伺いたいと思います。  先ず行政関係財政関係にわかれまして、行政関係方面ですが、一番問題となつたところの点はどういう点であるか、その点についてお話願いたい。
  7. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 行政関係におきましては、府県規模性格についていろいろの議論がありましたが、この問題は更に今後検討をいたすことといたしまして、結論は出なかつたのであります。それと同時に首長選挙等につきましてもなお議論意見がありましたけれども、同様な取扱をいたすことにいたしておるのであります。  警察の問題でありますが、警察現行制度によつてつて行くのがいいのか、悪いのか、或いはこの答申に示したように、公安委員の下に府県自治体警察を置くのがいいのか、悪いのか、この点が相当行政部会において成案を得るまでに幾多議論がありました。  又義務教育の問題についても、市町村府県との間にいろいろ意見がありましたけれども、結局原案のように相成つたのであります。  又地方議会議員の数を減すとか、或いは又これを名誉職にするがいいか悪いか、こういう点についてもよほど議論がありましたけれども、結局この地方議会の問題は賛成も反対も絶対多数を得ず、結論としては原案廃案なつたような、法律的にはどう申上げていいか知りませんが、廃案なつたような状態であります。行政部会における議論の主なる点は以上のようにあつたと記憶いたしております。
  8. 若木勝藏

    若木勝藏君 続いて財政部会につき財政部会におけるところの……。
  9. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 財政部会につきましては税源配分が最も大きなる問題で、この点は府県市町村とそれぞれ立場々々によつていろいろの意見が出、又これに対して国庫か代表したと申されて大蔵省側の強い原案反対意見もありましたが、結局原案のように相成つたのであります。なお内容につきましては自治庁当局者がおいでになりますから詳しく御説明を煩わしたらよかろうと思います。
  10. 若木勝藏

    若木勝藏君 財政部会においては税源配分の点が一つの問題で、あとは大したことはない、こういうことになりますか。
  11. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 大蔵省関係としてはこの大部分について反対意見があつたのでありまするけれども、先ず地方団体を中心として考えると税源配分が最も大きなる問題であつたと思うのであります。申し忘れましたが、この財政規模について府県市町村それぞれの立場からいろいろの意見が出たのであります。原案では三百億か足りないということを示しておりますけれども、市は百九十億ですか、府県は三百億、町村は二百六十億、合計七百五十億足りんのだということを申されておりまするけれども、この数字の根拠についてはいろいろの見方がありまして、先ずこれに対して大蔵省は決して足りんことはないという建前をとつておりまして、いろいろそれぞれの数字を以て自分立場説明いたされましたけれども、私ども自治庁から得たいろいろの材料に基いて、先ず三百億が妥当なものであろうという見解の下に、三百億不足ということをここに謳つたわけであります。一々の項目について御説明することも煩雑でありまするが、先ず主なる点はそういう点であつたと記憶いたしております。
  12. 若木勝藏

    若木勝藏君 問題点から伺つておきますが、次にその調査会の運営に関することについてちよつと伺いたいと思います。  大体行政関係とそれから財政関係は私は連絡があるものだと思つておりますが、両々相待たなければならんと思うのでありますが、財政部関係のいわゆる委員のかたが相当行政部に対しての意見もあるだろうと思う。そういうふうな方面はいわゆる総会以外には発言機会がなかつたのであるか、それらの発言はいわゆる総会で認められる機会を得たということでありますか、それを伺つておきます。
  13. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 今の御質問の御趣旨が私によくわかりませんけれども行政部会財政部会との連絡は、絶えずいろいろの機会においてとつておりました。その間の調整には大体遺憾がなかつたと私は思うております。財政部会の人も行政部会出席してその会議内容をよく承知しておられるし、行政部会の人も又財政部会出席して会議の模様を承知しておられるような状態である。その間に齟齬を来たすようなことはなかつたように存じております。
  14. 若木勝藏

    若木勝藏君 私の伺つておるのは、そういう調整というふうなものは、或る一つの公式の会合で意見の交換をするとかいうような形になつてつたかどうか、ただ行政部会財政部会の人が出て、そうして意見を承わつて了承するというような程度のものであるかどうか、この点を伺つておきます。意見を持つておるような人はどういう機会一体発言をして自分主張を述べることができたかどうか、それは総会以外にはないのですか。
  15. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 部会のほかに又小委員会というのがありまして、その小委員会にも出席して意見を述べたり、或いは質問をせられることもあつたのであります。
  16. 若木勝藏

    若木勝藏君 それから何か参考人を呼んでいろいろな意見を聞かれたというようなこともありますか。
  17. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 参考人をお呼びして意見を聞いたということはなかつたかも存じませんが、併し各方面からいろいろの陳情とか或いは要望とかいうものがおありになりましたから、私どもそれぞれの部会においてこの意見とか希望とかをよく承つてこれをその有力なる材料といたしておることは間違いないのであります。
  18. 内村清次

    委員長内村清次君) この際塚田長官はこの答申案に対しまして、政府のほうでの立法措置ですか、それにつきましてお伺いしたいと思います。
  19. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 非常に長い時間に亙りまして熱心に御審議願い、私どもも拝見しまして立派な答申を頂いたと考えておりますので、早急にこの線に沿うて政府側の応分の成案を得たいと、こういうように考えております。御承知のように今ちよつと予算の問題でごたごたしておりまするので、これが一段階つきますればすぐに財政機構の面についても成案に取りかかる予定であります。ただ先般もちよつと申上げましたのでありますが、中には非常に微妙な状態で、或るものは否決され、或るものは採用されておる面もありまするので、なお広く国会その他の御意向も自治庁といたしましても参考にいたしまして、そういうものもとるべきものがあると考えますれば取入れる、こういうような考えでおります。
  20. 内村清次

    委員長内村清次君) それからその集約されました立法関係はいつの国会に出される予定でございますか。
  21. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 恐らく全部十二月の上旬に召集になります通常国会に御審議願う予定になると思つております。
  22. 若木勝藏

    若木勝藏君 明日委員会で取上げられる問題は、地方制度改革の問題がありますね。それで今日は私としては問題点を聞いただけでとめておきます。
  23. 内村清次

    委員長内村清次君) ほかに御質問ございませんか……。それでは一応調査委員会答申の趣意につきましては、又只今長官が言われましたような経緯立法措置がなされると思いますが、併しこの具体的な問題は、明日行政改革の問題で議題をもつておりますから、そのときに一つ長官からお聞きすることにしまして、地方制度調査委員会の副委員長経過報告は大体これで了承いたしておきます。又今後立法がなされまして委員会に提出されましたときには、或いは又調査委員会の御意見その他も具体的に聴取するようなことがあると存じますからそのときは一つ出席をお願いいたします。   —————————————
  24. 内村清次

    委員長内村清次君) それからこの際もうすでに臨時国会の召集日取、或いは又それに付議されるところの予算計画も発表された通りでありますが、その経緯につきまして、地方行政関係予算関係の推移について一つ塚田長官から御説明願います。
  25. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 昨日の閣議で、二十九日から開かれます臨時国会に出されます補正予算原案が決定いたしたのでありますけれども、形式的なことを申上げますると、自治庁では所管の分は予算表面には結局何にも出ておらないわけでございます。ただ奄美大島関係部分がその他とひきくるめて総括十億という形でまあ出ております。ただ予算表面には出ておりませんけれども、当然あの災害復旧冷害対策予算がきまりまするにつれて地方負担増加の分というものが出て参りまするし、そういうこともあの法案がきまります前段階におきましては私どもも十分検討し主張もいたしましたので、そういう点を頭におきながら少し経過を御報告申上げたいと、こういうふうに考えております。  自治庁といたしましては、今度主張いたしました主な問題点並びにそれに関連しての予算は、第一は勿論今度の災害冷害に伴う地方財政不足分、一方の税の減免徴収猶予による減収、それから一方におきましては支出増加というものを、或るものは平衡交付金の形で、或るものは起債の形で主張すると、こういうふうに進めたわけであります。併し結果におきましてはこの平衡交付金の形で主張いたしましたものは給与関係部分だけにしまつたわけでありまして、その他の部分従つて全部取りあえず起債考える。そうして起債がなされたあと金利負担平衡交付金にプラスして考えるというような、こういう考え方で参つたわけであります。  そこで大蔵省が当初示しました案では、まあ国が〇・五の給与措置をする、それに伴つて地方も当然九十二億ぐらいの支出増があるはずだが、それを半分だけ国からやるからあと地方節約で賄つてくれるわけには行かないか、こういう主張であつたわけであります。それを数字的に申しますと、九十二億の中から十九億が義務教育費半額国庫負担という形で平衡交付金から当然抜けるわけであります。これは義務教育費半額国庫負担法の実施の関係で当然出て行く金でありますから、これは平衡交付金考えないでいいわけであります。そういたしますと七十三億の残りになるわけでありますが、その七十三億の中から富裕団体の不交付分が大体十四億ぐらいあると考えられますのでさらにそれを抜きまして、五十九億が平衡交付金考えれば考えなければならない分として残るわけであります。それに国庫補助職員の分がありますのと、先ほど申上げました起債の利子がありますので約五億、これを見まして六十四億はどうしても要る、こういう考え方でおつた。ところが大蔵省が出しました原案では、そのうち二十七億までは見られる、こういう考え方になつておりましたので、私どもの案と三十七億、端数を繰上といたしまして三十八億という数字になるのですが、これだけはどうしても足りない。こういうことになつてつて、この不足分を何とか面倒見てくれるようにということを強く主張しておつたわけであります。それに対して大蔵省側は、さつき申しましたように節約してくれ、殊に国が当初二十八年度の予算を組みますときにも節約したし、それが国会修正になるときにもさらに節約を強化しており二度節約しているが、地方は一度しか節約していない。国会修正のときしか節約していないからもう一度つき合つてくれ。こういう考え方でありますので、それに対しまして自治庁としてはそんなことはないので、当初予算を組んだときにも実質的に節約したのであります。ただ地方財政計画の上に節約を立てなかつたのは、節約を立てるとすればそのほかいろいろ支出になお計上しなければならん分もあつたのであるが、そういう分の見合い、それから給与関係見合い、そういうものでそれらの支出はそれでは一応立てない、従つて節約も立てない、両方落すという形で地方財政計画の上には出ていなかつたわけで、実質的には節約は二度している。従つて今度の場合もう一度節約をするということは非常に困難がある。更に又今度の地方財政この需要増というものを考えても〇・五のほかに法律措置その他による義務費増加がかなりあるから、本当に節約しろということであれば、そのものは全部出してその上で節約ということであれば考えられるけれども、かかるものは〇・五の国の措置に伴う地方負担分しか見ないで、その半分を節約でやれという考え方は何としても絶対納得できないということで強く主張いたしまして、この点は結局まだ未解決で残つております。昨日の閣議のときも大蔵大臣は国のほうも給与の分はまだきまつておらんのであるから、今後の折衝によろうということで、結局これは平衡交付金部分は未解決のまま残つているわけであります。  それから災害復旧冷害対策、そういうものに伴う地方負担増加、つまり地方起債で賄います分でありますが、これは一応自治庁折衝いたしました段階におきましては、大蔵省の当初原案であります災害復旧に二百五十億、冷害対策費五十億、これを頭におきましてどのくらいの地方負担増加が要るか、もちろん税の減免減収も考慮いたしまして従つてこれから申上げます数字は、そういうことの基礎になる二百五十億及び五十億の数字が憂更になればそれに伴なつて当然変更になるものであるということを条件として折衝したわけであります。そこで二百五十億と五十億を基礎にした数字地方負担増加をいろいろ検討してみますと、いわゆる特例法によります、従つて特例債考えなければならない部分が結局百十億ということになるのであります。それに対しまして大蔵省が当初示しました原案では三十億しかみてくれておりませんのでまだ八十億不足があると、こういうことになるわけであります。それからそのほか一般起債、つまり特例法によるものではないものとして考えなければなりません部分が二百五億、そのうも措置考えられている分が九十億、一般債考えておかにやならん部分が累計で百十五億ということになつておりましたのと、それに対しまして大蔵省原案におきまして示しました数字が五十億ということになつておりますので、この差引き六十五億が結局不足しておる。そういたしますと八十億の特例債部分と六十五億の一般債部分合計百四十五億、大蔵省原案自治庁考え方との間に食い違いがあるとこういうことになつておりますので、これを一ついろいろな意見を持出しまして向うと折衝をしておつた段階であります。昨日の閣議補正予算の分がきまりましたときに、私から大蔵大臣にこの問題は、どういう考え方なのだと言つて確かめましたら、自治庁当局から私のほうに申入れがあつて百四十五億ばかり足りないということの話も聞いておるのでこれも今後の折衝によりたい、こういうことに閣議大蔵大臣からの御発言がありましたが、従つてこの部分も今後大蔵省折衝する、こういうことになつております。そこで平衡交付金の分は時期的には、国のほうに給与関係予算が今度出なかつたのでありますから、これは国のほうに給与関係の出るときに一緒に解決される問題と思いますので、従つてかなり時期的に遅れると思うのでありますが、併しこの起債部分だけは今度の国会までに最終的な結論をつけて皆さんの御審議、御判断を願いたいと思います。  なお細かい数字事務当局から御説明申上げます。
  26. 内村清次

    委員長内村清次君) それから町村合併の費用はどうなつておりますか、その点を一つ
  27. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) それから町村合併関係でありますが、これは一番最初の案として持出しましたのが三十七億ということであつたのでありますが、何にいたしましても、災害関係が今度の予算であの通り大蔵省の態度が非常にシヴイヤなものでありますので、そんな数字を持つて行つてもなかなかむずかしいのじやないかということで、実質は崩さないようにして延ばせるものは二十九年度に延ばすという考え方でだんだんと数字を検討いたしまして、まあ十九億、十四億というふうな数字で最後にぎりぎり十億は絶対に確保したいという考え方折衝に当つてつたわけでありますが、当初大蔵省が示しました原案には残念ながら何にも考えておらない。併し気持の上では全然考えないということはないらしいのでありまして、何がしかは考えるという気持のようなんであります。今のところ一応大蔵省側原案には何にも計上されておらなかつたという関係になつております。ただもうこれは必ずしも今度の補正予算でなければ時期的に間に合わないということではないのでありますので、次の二次補正の機会に鋭意折衝をして、成るべく委員会皆さん方の御期待に沿うように努力をいたしたいと、こういうふうに考えております。
  28. 内村清次

    委員長内村清次君) 御質問ありませんか。
  29. 若木勝藏

    若木勝藏君 今日は午後から予定もありますので二、三点お伺いしたいと思います。先般来我々委員会を開きまして、まあ災害復旧関係方面府県或いは市町村の代表にも来て頂いていろいろ事情を調査したのであります。そういうまあ重要な委員会であつたのにかかわらず、長官には今日初めてここに御出席された。併し長官としてはまあ予算折衝で随分閣議あたりで努力されているであろうということを考えまして、我々はその都度事務当局に対しての質疑等によつて今日まで来たのであります。ところが今の経過報告については非常に我々は長官としての努力がどれだけなされたかということに対して疑問を持つ。こういうふうなことを考えるのであります。  それで先ず私は一つの点で伺いたいのは、今日の新聞発表によりますと今度の補正予算は第一次、第二次に分けて、而も第一次は災害或いは冷害、まあ救農が主になつております。こういうふうなことが閣議で決定されたということについては非常に我々としては意外に思う。予算性格から考えてみまして、補正予算というものは第一次と第二次といろふうにちぎられるというようなこと自体がどうも性格から考えておかしい。こういうふうなことに関しまして、一体政府としてはどういうお考えを以て第一次と第二次と分離したのか。その点をお伺いしたい。
  30. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) この点は最終的に昨日の閣議になります前にも幾たびか議論もされ、又考え方としても幾たびか変つてつたのでありまして、或るときは災害部分だけを別に扱おう、又或るときは、いや、それじや工合が悪いから全部扱おうというふうにいろいろに変遷し議論もいろいろに行われたのでありますが、最終には結局今度の国会側の意向も短期に、而も災害部分だけを成るべく早くというような考え方でもおられるようであり、非常に早くやるということになりますと、やはり災害部分だけを取上げて行かないと、なかなか予算の編成その他ついても時間的にも暇が要るので、やはり分けてやるほうが一番都合がいいということで最後にああいう考え方なつたようであります。
  31. 若木勝藏

    若木勝藏君 それが我々のふに落ちないところなんで、先ず第一と第二に分離するということ自体がおかしいのと、それから公務員の給与の問題については御承知通り人事院からああいう勧告がなされた、或いは又国鉄その他専売公社の裁定の問題もある。こういうふうな問題がいわゆる一つの機関を通して勧告され、或いは裁定されているのに、そういうふうなものが第一次のいわゆる補正予算に取上げられておらない。私はこれは国の行政上非常に重要な問題だと思うのであります。先ずそれに対して政府の今回のやり方については我々としては承服できないところがあります。それに関連いたしましてそれでは国鉄裁定或いは特に公務員給与、そういうふうなものがいつ一体取上げられるのか、この点を伺いたい。
  32. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ私の所管の仕事でありませんので、責任を持つたお答えということにはならないとお聞きおきを願いたいと思うのでありますけれども、まあ大蔵省側財政面から非常に裁定が出たことに対し、又今後出る裁定の線も想像されることに対し、財政面と睨み合せ非常に苦心をされておるようであります。併しそういう財政面の顧慮と仲裁ということの法的な意味と併せ考えて、適当な時期に適当な形で結局予算措置が出て来ると考えております。又今後の〇・五だけは国会におきましても成るべく早く審議するということが、手当が公務員の方々に手渡しされる時期と睨み合せていいのではないかということでありましたが、それはまあ時期的に十分間に合うように次の機会においてやればいいのだからということで見送られたようであります。
  33. 若木勝藏

    若木勝藏君 まあ所管のことでないから責任を持つた御答弁ができないということは、私もわかります。閣議に参列されておつて閣議状態がよくおわかりであろうと思うのであります。そういう点から特に我々の考えるのは、〇・五というふうなものによつて先ず当面公務員の気持を抑えて、いわゆる給与ベースにすり替えてしまうと、こういうふうにも考えられるのでありまするが、一体今年度においては給与ベースの改訂はやらないおつもりか、或いは今お話の通り適当な機会考えるということは第二次の補正予算の面で考えると、こういうふうな意味を含まれておるのか、この点を伺いたい。
  34. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) その点は私としても全く何とも申上げることができないのでありまして、まあどういう形に大蔵省措置されるか主大蔵省の判断によつて恐らく適当な時期に適当な措置をされるものであろうと、こういうふうに了解をしておるわけであります。
  35. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうすると今のところでは閣議を通してみて、今年度において給与ベースの改訂があるということは見通しができないというふうなことに了承してよろしうございますか。
  36. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) この問題は閣議においても正式に何も議論になつておりませんし、そういう意味において実質的に何ら申上げる資料を持つておりませんので、まあ仮に閣議において議論をされましてもこういう事柄についてはここで申上げるというわけには行かないと思いまするので、悪しからず御了承願いたいと存じます。
  37. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうしますと第二次補正予算案は一応新聞でも発表になつておりますが、あれでは全然公務員のベース改訂というものは取扱われておらないように思いますが、その通りなんですか。
  38. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 第二次の補正予算というものは新聞にいろいろ伝えられておりますが、私ども閣議において承知しておりますのでは、何ら確定したものはないのだということに承知いたしておりますので、新聞に出ておる通りであるというようには申上げられません。
  39. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうしますと何らそこに確定がないということになれば、或いは又ベース改訂というようなものは今後において考えられるというようなことも考えられますが、その点は如何ですか。
  40. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) それはまあ形式的な議論としては、第二次補正予算というものは全然まだ政府としてきまつたものの輪郭がないのでありますから、考えられないとは申上げられませんが実質的な話になりますと、どういうことになりますか、それは私としては申上げられませんので御了承願います。
  41. 若木勝藏

    若木勝藏君 次に伺いたい点は、先ほどから起債の問題或いは半額地方で持てというふうな問題については非常に自治庁としては不満であると、そこでこれは今後において折衝を重ねて行くつもりであると、これは一旦第一次補正予算できまつた問題でありまするが、これを一体どういうふうな方面に今後折衝して自治庁としてのお考えを組み込むことができるかどうか、財源的に考えてそういうことがあり得るかどうか、その点を伺います。
  42. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ自治庁関係予算部分につきましては、一度大蔵省から案が示され、それに対して私ども自治庁意見を持つて行つて折衝いたしましただけで、話合がつかないままに第一次予算がきまりましたので、第一次予算には差当り給与部分が国の予算にも盛られなかつたので、これはまあ時期的に今後の折衝に待つということでありますのでこれはまだ折衝段階で、どのようになるかは私どももわからないわけでありますが、ただ大蔵省側災害費の部分についても強く財源がないということを主張しておりますので、併しながら財源がない、ないと言いながら災害費の部分につきましては当初の案よりも多少ふえておりますので、まあ大蔵省のないというのは、何かどこかに少しぐらいあるのではないか、従つて地方としても地方財政の成り立つ範囲までは、どうしても国から面倒みてもらうべき性格のものはみてもらわなければならない、こういう考え方で強く交渉するつもりでおります。
  43. 若木勝藏

    若木勝藏君 次に、先般我々この委員会におきまして地方団体から来て頂いて、いろいろ災害の要望事項について聞いたわけでありますが、その際における大蔵省の査定ですかそういう方面から見ても、初年度においてはいわゆる三・五・二の割合で行きますと、大蔵省自身の査定において五百四十億になると、それを市町村の要望から言えば第一次の初年度においては八百億近くにしたい、それを今度僅かに三百億で抑えるということになれば、当然これは地方負担にしわ寄せが来ることは明らかでありますが、これらに対して長官としてはどういうふうにお考えになりますか。
  44. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは国の災害復旧費、冷害対策費が減つたから地方負担がそれだけ増加するということにはならないのではないかと思うのでありまして、今年の補正予算に出ませんでも、国が当然責任を持つて仕事をすべき分は二十九年、或いは三十年というように時期が先へ延びるだけで、必ず延びて行くと思うので、地方といたしましては結局負担の増加が出て来ますのは、私ども考えるだけの減免減収を見てもらえないということが若しあるとすればその部分から出て参ると、国のやります部分についての負担の割合が変更すればその部分からも出て来るわけでありますが、まあ一応負担の割合を固定のものといたしますと、減免減収による部分と、それから中央が面倒みない、地方が単独でやらなければならない小災害部分があるわけであります。この小災害部分をどういう工合に大蔵省考えるかということは、私どもとしては一番重大関心を持つておりますので、本来から行きますれば、この小災害部分というものは、今度の特別災害については必ずしも国が幾ら出したからという考え方で判断せずに、現地の実情から見ても実際にどんどんと直してもおりましようし、復旧をいたしておりましようし、又早く復旧すべき性質のものなのでありますから、これだけは三・五・二というような比率でないほうを希望いたしておるのでありまするが、併しまあそうばかり言つて主張もできかねますので、一応私どもといたしましては、従来の一般の扱いでこれだけの直轄若しくは国が補助をする、災害に面倒をみる場合にそれのどれくらいの割合においてこういう単独の小さい災害が面倒をみられるかという、従来の比率を頭において計算いたしております数字がさつき申上げた部分になるわけであります。だからそういう意味におきまして実質的に若干不足があるかも知れませんし、若しそれに不足があるとすればそのほうは実際に地方負担増加して来ると、こういうふうに考えております。さつきも申しましたように、国の面倒みる災害復旧費や冷害対策費が足りないということによつて地方負担増加というものは一応はないものと、却つて国のほうが余計出れば、それに対して地方負担分措置をしなければ、その場合のほうが地方負担が余計になるということになると、こういうように考えております。
  45. 若木勝藏

    若木勝藏君 どうも長官の考え方は私には了解ができない。先般も地方の代表が来て要望しておる事項は、一体三・五・二なんという割合というものはおかしなもので、むしろこれはもう六・四くらいで二ヵ年でやるべきものであると、そこまで要望しておるものに対して国の負担が多くなれば却つて地方の負担が多くなるのだと、こういうふうな考え方では長官としては地方の実情を知らないのも甚だしいものだと私は考えます。実際において先般のこの要望など聞いてみますと、一体公共事業方面についてのいろいろな国の費用とか或いは府県の費用というようなものが考えられるけれども、いま収穫皆無というような方面はこの農民の生活を考えてみるときに、一体これは誰がやるのだ、我々がやらなければならないじやないかというのが市町村考え方。そういうような方面にまで心配して行かなければならないときに、国の負担がぐつと減つて来るということになれば、その方面にも自己資金を以てやらなければ当面の急場をしのぐことができない、こういうところに追込まれて来る。私の言うのがその点なんです。だからして結局国の方面でそういうところまで面倒をみない、これを圧縮してしまうということになれば、府県とか市町村の負担が増して来るのは当然じやないか。これは実際に長官は地方の団体の意見も聞いておるだろうと思うのですが、我々はこの切実な代表の意見を聞きまして、今の長官の答弁については非常に了解に苦しむのでありますが、御所見を伺いたい。
  46. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは実質的におつしやる通りだと私も思うのでありまして、私も地方災害の実情というものは幾らも見まして承知しておりますので三・五・二というような割合で復旧が間に合うとは私も思わないのであります。而も実際予算に組まれましたものは大体の説明によりますと三・五・二の割合にまで初年度はいかない。ただ初年度がそこまで行かないのは大蔵省側説明によれば、時期的にかなり遅れておるのだから年度内にそんなに要らないのではないかという、大蔵省大蔵省としての意見もあるわけであります。併しそれに対しまして農林省、建設省は最後まで非常に強くこれでは足りないという考え方主張して行つたことは事実であります。併し国家財政の全般的な釣合からいつてそういうような点に落ち着いた。それで国が十分金を出さないといつてつて置けないから地方が面倒をみるということに或いは実質的にはなるのかも知れません。恐らくなるだろうと思いますが、仮にそうなりましてもその場合に地方団体のそういう負担というものは地方団体自体の歳出というもので見べきでなくて、最大限にみても一時的な資金操作で見べきであつて、やはり災害の性質上国が見べきものはそういう場合に地方団体の責任に持つて行つてしまつてはならんのじやないか、私どもはそう考えておるのであります。国が見べきものは当然国が早く余計出すという方向に努力をし、それに伴なつ地方の負担すべきものを地方が負担し、それに見合うものは成るべく早く出す、そういうふうにすべきだ。そこで私は先ほど申上げましたように、少くとも地方が負担をして災害を復旧しなければならない小災害の責任は、国の考え方のように二割だの三割だのといつておらずに、小災害は殆んど現実に仕事もしておるだろうからして、それは大蔵省の当初の原案では二割五分くらい年度内に支給すればよいのではないかということでありましたけれども自治庁といたしましては小さい三万、五万という災害が国と歩調を合せて三・五・二だの二割五分という考え方は全然肯けない。小災害の責任は六割くらい年度内に支給すべき考え方で行くべきだと我々の考え方数字というものから言つておるわけであります。そこに食い違いが出ておるわけでありますが、その点も折衝して成るべくこちらの考え方に応じた線で復旧が行われるように努力をしたい、こう思つております。
  47. 若木勝藏

    若木勝藏君 時間がありませんから、簡単に一つ。それは先ほど町村合併の費用につきまして自治庁の御報告がありましたが、これは御承知通り先般の委員会におきますと、我々は地方を廻つて見ましても非常に実際において国で出すところの金が少い。それが町村合併の促進の上のガンになつておる。こういう点から全会一致の要望事項としてあなたのほうに申上げた。それに対してはまああなたのほうでも十分一つ善処したい。こういうことでありましたが、今回の予算の結果を承わりますと、こういうことでは一体町村合併というものは全く画にかいたぼたもちに終る。何のために一体首相談話というものをされたのか、そういうことすら我々は考えられる。まあこの要望事項をひつさげて閣議で相当あなたとしては強硬に主張されたことだろうと思いますが、その辺についてのお話を承わりたい。
  48. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは御想像の通り私も強く主張いたしましたのであり、形式的には首相談話まで出してやるという意気込でやつてつたのに、この程度予算ではどうにもしようがないという考え方で強く主張いたしたのでありますが、又実質的にも今僅かな金を出してもらうならば、将来大きな経費の節減になるものだから、その意味においてもこの際財政困難の際ではあろうが、大蔵省側もがんばつてもらいたいと強く主張いたしております。ただ何にいたしましても災害の極めて緊急のものすらもああいう状態になつております際、この補正予算機会にこちらの考え方を百パーセント通すということは今むりだ。そう思われますので先ほど申上げました通り幾たびか検討し直してぎりぎりの線というものを出したわけでありますが、併しぎりぎりの線を出しましたときに、実質的に自治庁考えておりました、従つて委員皆さん方の意を体して我々が検討して出した数字というものを譲歩したという意味ではなくて、時期的に先に繰延べる、従つて二十八年度中にほしいと考えておつた金ではあるが、補助金などは二十九年度の予算に組んでもらつて、合併は推進して行つてもらつて二十九年度の予算で差上げるという形にしてもらつて、延ばせるものなら延ばしたいという考え方で最後の十億という数字を計算いたしたのであります。実質的には絶対に減らさないという線は依然として堅持しております。殊に一番問題になるのは何としても補助金であると思うのでありますが、補助金は今まで自然発生の形で行われておつた町村合併さえも大体三年に亙つて百億、一町村当り百万近くのものが出るというあれになつておりますので、今度政府が本腰を入れてやるというものに対して今まで上りも却つて悪いということでは、とても推進なんというものにはならない。そういう意味におきましても是非大蔵省側に譲歩して金を出してもらいたいというように強く主張しておるわけでございます。
  49. 若木勝藏

    若木勝藏君 今の長官の答弁は若しいま町村合併をしようというところの地方の団体の人が聞いたならば私は失望するだろうと思う。そういう一体、先に繰越して十億なら十億を確保してやるから実質が減らなかつたらいいじやないか。こういうふうな自治庁の意気込では、これは私は実際にそういうふうな町村の代表あたりも絶望するだろうと思う。もつと熱意をもつてこの促進というような方面に本腰を入れてもらいたい、こう考えております。
  50. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 町村合併についてこの前の委員会で各省の協力ということを非常に要望しておつたのであります。殊にわざわざ予算を組まなくても既定の予算の中で大蔵省がこの本予算の繰廻しで町村合併に協力してもらいたいというようなことは、特に財政の非常に困難な時だと思いますが、その予算を伴わない非常にいいえさ、えさといつては語弊もありますが例の国有林野の払下の問題がある。あれは合併促進法の法案の中にも最後まで問題になつた個所の一つであります。事実国有林野整備法で現在合併の伴わないものをどんどんやつておるわけであります。あの合併の伴わないものをすでにやつておるが、あれをできるだけ農林省で町村合併を応援してやろうというような気持に積極的になつてもらうということが非常に必要なんで、町村合併気持を下部の営林局、営林署までしみ込ませて行つて、との町村合併機会にやろうじやないかというようなことをやつてもらうと、山のほうの町村はあれがいいえさになる。そのことは予算も伴わないし、ただ農林省に本当に町村合併が全国地方行政の確立の上に非常に大切だという認識を強くしてもらつて、これに協力するという気持があればよほど違うのであります。現在すでに町村合併を伴わないものが進行しておりますが、それをちよつとひつこましてもらうと非常にやり易くなるということを一つ承知下さいまして、農林大臣には特にこの点について強力な応援を求めて頂きたいと思います。
  51. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 御趣旨はよくわかりましたのでそのようにいたしたいと思いますが、この間の閣議のときにいろいろな町村関係の費用を要求した発言をいたしましたときに、農林大臣からいろいろ質問がありまして、そのときに私宅ついでに、いろいろ農林省側から本国有林野の払下げその他で御面倒をみて頂かなければならん部分がたくさんあるのだと言つたところが、農林大臣は心よく了承しておられたようであります。現在すでに行われておりますそういうものについて一応御指摘のように扱つてもらうように、更に重ねて要望いたしたいと思います。
  52. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 もつとはつきり具体的に申上げれば、林野庁長官から地方営林局並びに営林署までその問題を十分に考慮して頂くように、余りはつきりした通牒も出せないでありましようが、そう。いうものを出して頂けばなお具体的に有効になると思いますので、その点も御考慮願いたいと思います。
  53. 内村清次

    委員長内村清次君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  54. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記を始めて下さい。本日はこれで散会いたします。明日は午後の一時からございます。    午後零時二十八分散会