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1953-10-10 第16回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月十日(土曜日)    午前十一時十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事      石村 幸作君    委員            伊能 芳雄君            西郷吉之助君            高橋進太郎君            小林 武治君            若木 勝藏君            松澤 兼人君            苫米地義三君            加瀬  完君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    自治庁次長   鈴木 俊一君    自治庁財政部長 後藤  博君    自治庁税務部市    町村税課長   松島 五郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政改革に関する調査の件  (町村合併促進に関する要望書に関  する件)  (地方制度調査会答申に関する  件)  (地方税法の改正に伴う固定資産税  の賦課に関する件)   —————————————
  2. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今から地方行政委員会を開会いたします  昨日の委員会町村合併促進に対して財政的な裏付要望する要望書作成委員長に御一任になりました。そこで委員長理事のかたと相談をいたしまして、次のごとき要望書作成をいたしました。これを先ず附議いたしまして審議いたしたいと存じます。  先ず要望書を朗読いたします。    要 望 書  町村合併は各方面一致要望であつて地方行政上は勿論国政上もこれに期待するところ大なるものがある。併しながら、政府方針のごとく、今後三カ年間に現在の町村数を三分の一に減少することは、実に明治二十二年の町村の大合併にも比すべき大事業であつて政府の異常な決意が必要である。政府は本事業を完遂するため、関係各省一致協力これに当ると共に、左の措置を講ぜられんことを望む。右本委員会全員一致議決により要望する。    要望事項  一、法二十七条及び施行令第十二条の規定による町村合併実施を促進するための町村及び道府県に対する補助金並びに国の所要経費に対しては二十八年度予算補正より三十年度に亙り少くとも三百億程度予算を計上すること。  二、法第二十九条及び施行令第十四条の規定による新町村建設計画実施を促進するために必要な各省関係合併町村に対する財政上の援助及び直轄事業費については、二十八年度予算補正より三十年度に亙り本法の趣旨々達成するに足る経費を計上すること。  三、新町村建設計画による新規事業に対しては、起債の総額を拡大し優先的に之に充当し要望達成に努めること。   昭和二十八年十月十日      参議院地方      行政委員長 内村 清次  そうしまして、宛名を内閣総理大臣大蔵大臣自治庁長官、この写しを衆議院地方行政委員長参議院各派政調会長、同じく予算委員長、こういうふうに作成いたしましたが、これに対しまして御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内村清次

    委員長内村清次君) 異議なしとの発言がございまして、この要望書全員一致議決といたしますことにつきまして、御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 内村清次

    委員長内村清次君) そのように異議ないものと確定をいたします。  そこで自治庁長官も見えておられますからして、只今要望書のこの要望の点につきましても、十分今後自治庁長官におきましては、特に又所管大臣といたしまして、この委員会全員一致要望決定を図つて頂きたい。  実は、昨日委員会の各委員のお方々の御意見に対しましても、十分自治庁長官として或いは又自治庁関係方々といたしまして、その委員熱意につきましては、察知せられたことであると存じます。ただ、私たちが気にいたしましたことは、この画期的な法律作成せられまして、そうして衆参が全くこの法律の成立に当りましては、非常な熱意を示したことは、もうすでに長官も御存じの通りですが、昨日のお言葉の中に、法律作成は皆さまがたがやつたんだからと、こういうようなお甘口葉があつたようでありまして、私たちはその意図が那辺にあるかはよくまだ察知しておりませんが、とにかく今後の推進状態に対しましての熱意というものは、何としましてもやつぱり行政府におきまして、特に又行政のその責任の衝にあられるところの、今後推進本部長になられる自治庁長官又はその関係者の一同の責任にあるとも私たち考えているんです。私たち国民要望からいたしまして、村作り及び町作りをして、民主主義の基盤を確立をして行く、住民の福祉を増大して行くということで、その要望に応えて法律の設定をいたしたわけでございまするからして、今後の推進に対しましては、何としましても、私は本部長であられるところ自治庁長官責任においてこの大事業を完成して頂きたい。その点が特に私は希望するところでございますが、総理大臣の談話にありましたように、内閣一致の今後の推進が期待されるわけでございまするからして、どうか一つ、先ず推進裏付けになる予算の獲得に対しましても、長官みずから熱意を示して、閣議におきましても十分にこの予算を獲得して頂きまするように、強く私は希望いたしておきます。
  5. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 御要望書を御決定願いまして、誠に有難く存じているわけでございます。実はこの町村合併の問題につきましては、いろいろな機会にいろいろに私も自分の考え方を申上げているんでありまするが、昨日、法案国会でお作り下さつたのだからというような御発言をいたしましたことについて、どういう気持であつたかという点について、若干御疑念がおありかと思いますが、この機会に重ねて申上げたいと思うのでありまするが、私はこのたびのこの町村合併促進法案国会で御提案になつたのは、これは当然私どもがせなければならないことをいたさないでおつたために、御注意、お力添えを頂いたのだと、そういう意味で非常にまあ感謝をいたしているのであります。それで最近国会立法というのが非常にたくさんあるのでありまして、それもみな立派なものでありますけれども、私はそれらの中におきましても、町村合併促進法案というのは、これは国会立法のヒットではないかと、そういうふうにいろいろな機会に申上げているんで、非常に時宜を得た適切なものであるというように考え、それだけに皆さんがた感謝をいたしておるわけであります。従つて私といたしましては、その実施につきましては最大努力をいたさなければならないと考えておりますし、又推進本部長として、その努力をすべき地位にもおりますので、十分の努力をいたすつもりでおります。ただ何にいたしましても私が心配をいたしておりますのは、ときあたかも非常に予算編成が困難な時期にぶつかつてしまいまして、この法案審議願つてつた時期には、そういうことは深く考えておらなかつたのでございますが、最近大蔵当局から本年度の補正及び来年度の通常一般会計予算というものの編成難の事情もいろいろ聞きまして、これは非常に予算編成の困難な時期に当面をしておるだけに、こういう問題も余ほどの熱意を持つてやらないと、国会皆さんがたの御期待に副うことができなくなるのではないかということを案じ、又みずから戒めておるわけであります。幸い国会側におきまして、このような要望を御決定願つて、又私どもの尻を叩いて力を付けて頂くということになりましたので、御趣旨を十分体しまして立派な成果を挙げるように努力をいたしたいと存じております。
  6. 内村清次

    委員長内村清次君) では、ほかに御意見ございませんですか。次の議題に進んでよろしうございますか。     —————————————
  7. 内村清次

    委員長内村清次君) 次は地方行政改革に関する調査の中の地方制度調査会答申に関する件でございます。これは従来委員会でも取上げて参りましたので、もう御承知通りでございますが、その後、財政部会の件がございますし、それから財政部会答申を待つて地方制度調査会総会が近く開かれようといたしております。これに対しましての経緯政府から伺いますことが一つでございますが、それからいま一つは丁度地方制度改革と関連いたしまして、行政改革、これが丁度長官も見えておられますが、今行政改革本部におきまする案が新聞もちよいちよい出ております。特に又塚田長官担当部門といたしましては、先に地方制度調査会で、その総会決定を見ました警察制度改革に対しまして、政府改革案というものも新聞に出ておりますし、特に私たち関心を持つておりまする地方に対するところ中央機関事務廃合の問題、こういう問題が新聞にも出ておりますが、こういうような点に対しまして、塚田長官がその経緯を、行政改革本部の今なしつつあるところのその経緯につきまして、委員会に御発表のできる程度のものに対しましては、努めて一つ国会尊重意味から発表して頂きまして、これを委員会審議の対象にしたいと存じますので、大体こういうような点でこの議題を設けたような次第でございます。
  8. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 私で答えられますことはいたします。私は委員でないものですから、ぽつんぽつんと総会のときにだけ出席しておりますので、鈴木君が自治庁を代表して出ておりますので……。
  9. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは鈴木次長が来られてからやるといたしまして、行政改革、これが新聞に大分出ておりまして、地方関心を持つておりますし、委員会といたしましても、中央機関地方委譲の問題だとか、それから事務廃合の問題につきましての法案整理新聞に出ております。こういう問題、それから警察制度改革、これはあなたのが新聞にぱつとこう出ておりますから、こういうようないきさつにつきまして……。
  10. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは制度調査会の案をどのように政府が取入れて行くかということに、きつと皆さんがたのお尋ねの重点があるのではないかと思うのでありますが、ただ今もちよつと申し上げましたように、私が常時出ておりませんので、はつきりした結論が出て参りませんと、私としても内容について詳細なととはまだ申上げることはできませんので、誠に恐縮に存するわけであります。その点は後ほど鈴木次長が参りましてから申上げるととにいたしまして、極く大ざつぱなことを申上げますならば、御承知のように、政府は、今中央地方を通じて、制度の全般的な相当根本的な改革というものを考えて、中央のほうはこれも御承知のように行政管理庁に附置されております行政審議会諮問し、地方制度のほうは地方制度調査会諮問をして、お考えを伺つておるということになつておるわけであります。而も地方の場合には、その機構改革と関連いたしまして、それと又一連のものとして財政制度税制制度というものも、この機会にもう一度検討し直そうということになりまして、地方に関しましては、制度調査会にその両面の御検討を願つておるわけであります。勿論国の面におきましても、税制改革というものは全然ないのではないのであります。これは御承知のような税制調査会という別個の機関においていたしておりますので、私どもといたしましては、ただ自治庁の代表を出しまして、地方税に関する部分について、それに対して意見を述べ、且つ審議に加わつておると、こういう形になつておるのであります。そこでそういうような諮問に対する答申が出て参りました場合に、私どもとしては、当然それは諮問に対する答申でありまして、参考意見でありますから、それをどういう工合に実際の政府提出法案の上に取入れるかは、地方の場合におきましては、自治庁事務当局に十分検討いたさせまして、政府の態度をきめて、それが法案になる。それから又国の場合におきましては、税の面は大蔵省が担当いたしますでありましよう。機構の面は行政管理庁長官の私が担当するということになつて、そうして政府案というものが出て参る。とういうふうに御了解願えばいいと思います。そうしてそれらのものを出します時期といたしましては、二十九年度の通常国会に出したい、こういうふうに考えておりまして、通常国会に出したいと考えておりますのは、二十九年の予算に、これらの制度及び財政、それらの面の改革構想が二十九年度の予算の上に現実のものとして出て来る。又それに編み込むということを狙いにいたしておるわけであります。全体につきましては、従つてそういう状態でありますからして、政府考え方というものが、確定的にきまつたというものは一つもないのでありまして、すべてのものは今まだ寄り寄り検討中という段階になつておるわけであります。ただ新聞紙上などにとき折或いは行政管理庁の案として出されたりいたしておりますのは、御承知のような臨時行政改革本部において検討中において、草案若しくはほんの素案程度のものとして作りましたものが出ておりますので、未だ確定した案は何もないわけであります。  殊に又只今委員長からも御指摘になりました警察制度の問題につきましては、これは地方制度と国の制度両面に関連をいたしておりますので、どこでどういう工合にこれを案を練つたらいいかということにつきましては、非常に問題があるのでありまして、只今の私ども考え方としては、問題自体に特殊な性質があるのと、今申上げる通り中央地方両面関係いたしておりますから、これは行政管理庁で案を作るということもいたさない。又自治庁で勿論案を作るということもいたさない。これはやはり所管警察担当の所で、と申しますことは、今法務大臣警察担当大臣になつておられますから、そこで起案を願うことにしたらいいじやないか。それにしても制度調査会からも一部案が出ておりますし、又行政機構改革本部にもいろいろな意見がありますから、それらの意見意見として取りまとめて、法務省において起案をされる場合、国家警察本部において起案をされる場合の参考にして頂くのがいいのじやないか、こういう考え方でこの問題はやつておりました。  従つてどもといたしましては行政制度改革、殊に人員を幾らかでも整理して、国民負担が軽減できないかという観点から、私ども考え方からすれば、こういう点をこういう工合にすれば、これだけの人員整理できて、非常に都合がいいという考え方でまとめたものが一部分あるわけでありまして、それも新聞紙上に伝えられたものが全部正確ではないのであります。若干私ども考えることと合致しておるものもあるととはあるのであります。そういうふうな段階でありますので、今のところ、まだここで私からして結論についてまとまつて御報告申上げる何らのものがないということを重ねて申上げて、なお又御質疑によりましてお答え申上げる、こういうことにしたいと思います。
  11. 内村清次

    委員長内村清次君) ただ、ちよつと警察制度改革の問題ですが、これは大写しで新聞に出たようでありますけれども行政部会で一応これが答弁せられましてから、総会で一応の形だけはきまつた。これは何としましても内閣諮問機関でございますから、この諮問機関のほうで、財政部会答申と相俟つて行財政答申がまとまつて答申された後において、政府がこの調査会の案を尊重されて、そうして法案骨子をお作りになる、こういうような問題が私は筋道ではなかろうかと思うのですね。ところがもうすでに、その案が答申されておらないときに、こういう新聞発表があるとすれば、これは地方混乱しておることは、もう確かだと思うのです。これは何かの意図の下に、而も新聞内容を見てみますると、非常な決意を以て次官会議も素通りさせて、閣議に持ち込むとか、それは塚田長官がそういう意図でやつておられる、そうして政府骨子法案に盛り込んで、こういう改革をいたすのだということは、はつきり出ておりますから、これはもう相当な混乱が私は起きると思います。又委員会でも、地方行政委員長宛にたくさんなその後の陳情が来ております。こういう点から見ますと、私は何かやはり臨時行政改革本部見解があつておるのか、或いは今のお話で見ると、これは最後の決定というものはなされておらないということは、私は想像されますけれども、その間におきまして、その見解があつておるのかどうか。この点はやはり責任の一半は長官に当然になければならんのじやないかと、私たち考えておりますが、今の御答弁では、必らず二十九年度の予算裏付けをすべく警察制度改革もやるのだ、或いは又は行財政関係から、制度調査会答申案に副うたところ骨子も作るのだと、こういう確信はあるわけでございますか。
  12. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ大体機構改革の案というものは、外へ漏れますときには必らずその関係者混乱を起すということは、まあ想像されますので、従つて最終的に或る程度まとまつたものでないものが世間に伝えられるということにつきましては、私も非常に注意をして、そういうことのないように努力をいたしておりますのでありますけれども、やはりたくさんの人が関係をいたして相談をいたしますものでありますからして、どうしてもしばしばそういうものが世間に漏れまして、非常に混乱を起して非常にまずかつたというように考えでおることは事実なんであります。で、警察制度そのものにつきましても、申上げますならば、さつきも申上げましたように、まだ次の国会に出るかどうかということも、勿論きまつておりません。従つてどういう案になつて出るのかということは、勿論きまつておらんのであります。ただ私といたしましては、自治庁長官をしておりますのと、行政管理庁長官をいたしておりますので、自治庁長官といたしましては、制度調査会において大体この程度の案が、これはまあ制度部会のほうは大体この間総会を経ましたのでありますから、大体あのままで答申自治庁長官に、私の手許に出て来るのではないか、実質的には審議終つた形になつておるというように思われますので、大体あの構想を頭に置いて、更に国の部分行政管理庁長官として、国の一般的な行政改革考えての方針と合せて、私といたしましては、どういう構想のものにして頂くならば非常に有難いというように、これは皆さん相談をして、まあ下相談をして定めたという程度のものでありまして、殊に先ほど申上げましたように、この問題は影響するところ非常に重大でありますので、特に他のものは一応行革本部で案を作るという慣例になつておりましても、これだけは作らないということにいたしておるわけなんです。その点は御了解願いたいと思います。
  13. 松澤兼人

    松澤兼人君 最近職員の定員を減らす、すでに何割定員を減少するというような話が出て来たようですが、これは行政改革の点から出て来たのか、或いは一般的に財源が不足しているので行政費を節約するというような点から出て来たのか、その点ちよつとはつきりしないのでお聞きしたいと思う。
  14. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 機構改革は、一つは現在の行政機構のあり方が、まだ戦争中からの引続きの関係もありまして、沿革的な理由もあつて非常に複雑になつてつて、果して国民のためにこれだけの仕事をいたしますために、今の機構でなければならないだろうかということを考えると、決してそういう複雑な厖大な機構をしてないでも、これだけの国民のための働きができるのじやないかというように考えられます。又場合によつては、却つてあういう機構であるために、国民に対する便益が不当に妨げられているということが言える面もないのではないかというように考えられますので、これは、そういう観点から機構簡素化して行こうということが一つございます。それからいま一つは、それに関して、若し又その他事務も、まあ今日の国家としてはしないでもいいというような仕事を、まだ引続いてやつておるというようなことがあれば、そういうものも整理するし、そうして機構簡素化事務整理、そういう両面から多少なり人間が減らせるならば、合せてこの国民負担の非常に過重になつておる今日、国民負担を幾らかでも軽減できる一つ緒口になるのではないか、こういう面と、両面から今度の機構改革考えておるわけです。従つて今度の改革におきましては、天引きで幾ら整理するという考え方は、少くとも表面にはとつておらない。むしろそういう機構事務、そういう面からして考えてみて、これだけの人間が減らせるはずだということになつたならば、それだけの人間を減らして行く、こういう考え方にいたしておるわけであります。
  15. 松澤兼人

    松澤兼人君 その話は、大体まあ反対か賛成かということは別として、順序としてはそういう方法をおとりになるのが適当だと思うのであります。併しすでに天引きということが出て来ているようであります。ところが、行政機構改革については、まだ殖やさなければならない、例えば情報機関であるとか、或いは科学技術振興であるとかといつたような、殖やさなければならない機関がだんだんと最近出て来たようであります。行政機構改革そのものについては、何らの見通しもまだできていないときに、すでに天引ということが表面に出て来たということを考えてみると、まあ自由党というか、政府は結局首切りというところ最大の目標として、あとの行政機構改革というようなことは、お茶を濁してしまうのじやないかという点を、私ども考えるわけなんでありまして、今頃特に天引何割といつたような行政整理を持ち出して来るということがわからない。行政機構改革なり、或いは事務の再配分なり、或いは仕事分量等考えて、漸次搾つた挙句に、どれだけの冗員というものがあるのか、或いはあると断定するということで整理をするというならわかるのです。本体が全然目鼻がついていない現在、首切りをするというようなことは、私どもにはどうも納得が行かない。これがいわゆる塚田長官のやつておられる行政管理庁仕事として、天引人員整理というようなことを考えておられるのか。或いは他の方向から来て、総理大臣も言つているそうでありますが、いわゆる予算の節用というような面から人員整理ということが考えられて来ているのか、この点がどうもはつきりしないので、お聞きしておるわけです。
  16. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは、この天引整理というのが二、三日、数日前のどちらかの新聞に出たのでありますけれども、あれはあの新聞も勝手に報道しておつたと思うのですが、行政管理庁及び行革本部が勝手に考えておるということでなしに、先ほどもちよつと申上げました行政管理庁に附置されておりますところ行政審議会に、主として機構改革についての構想を、やはり諮問いたしておるわけであります。その行政審議会意見として、もつとはつきり申上げますなら、審議会のメンバーの中の二、三の方々の御意見として、まあ政府天引はしないというように言うておるが、何ら天引をしないという考え方では、十分整理ができないのじやないか、やつぱり天引という考え方もとり入れられたらばいいではないかという御意見があつたということが、新聞に伝えられたと思うのでありまして、私といたしましては、先ほども申上げましたように、又只今松澤委員がおつしやいましたように、そういう考え方では、今度の問題は少しも考えておらないわけであります。
  17. 松澤兼人

    松澤兼人君 もう一つ関連してお聞きいたしますけれども政府のほうでは、最近ベース・アツプはやれないと、これはまあ来年度できるかどうかわからないけれども補正予算ではベース・アツプ考えてない、しかし期末手当の〇・二五というものが夏季手当にまあ繰上け支給されているから、その分を見なければならない。しかしベース・アツプはしないのだから、或る程度の、〇・二五ということだけでは満足しないだろう、プラス幾らかのものは加えなければならないだろうということを考えておられるように、新聞で見受けるのでありますが、若し政府として国家公務員に対して〇・二五プラスXというものをおやりになれば、勿論地方公務員に対してもおやりになるお考えたろうと思うのですが、その財源なり、或いは金額〇・二五にプラスどのくらいになりますか、プラスがはつきりしませんけれども、これを〇・二五をつけるというだけでなく、更に半カ月でもつけてやるということであれば、所要の財源というものはどのくらいになるか、或いは財源を確保する見込みがあるかどうか、この点についてお考えを承わりたい。
  18. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ国家公務員のほうがどういう工合になるかということについては、まだ大蔵省も恐らく考えておらんのではないかと思います。従つてどもも何ら承知したことはないのであります。ただ先般の閣議におきましては、仮にベースを上げるとすれば、本年度これくらい要る、それにプラス〇・二五の措置の問題もあるから、これぐらい要る、又上げなくても〇・二五だげの措置をすれば、これくらい要るというように、いろいろな考え方に基いた数字を挙げられました。但しどれについても財源が非常に困難であるし、節約について協力をして欲しいというような、大蔵省からの意見があつたことは事実であります。併し又どのようにきまるといたしましても、私といたしましては、中央がきまつたならば、やはり国家公務員と同じ考え方で、地方公務員も措置して頂かなければならないというように、固く考えておりますし、従つてその場合には、必ず地方公務員においても同じ措置ができるような財源措置というものを、当然従つて大蔵省が考える、考えます場合には、国の財源措置と合せて、地方の財源措置というものを結局考えた結果が、政府決定として出るということを自分としては強く希望し、主張する考え方であります。ただ具体的に、果してそういう場合の財源があるかないかということでありますが、国も非常に財源難に陥つているようでありますし、地方におきましても、必ずしも楽観できるという状態には行かんと思いますから、やはりそういう場合にも、どのような困難をいたしましても、国と地方とを違つた扱いをするというようなことがないように考えたい、こういうふうな考えであります。
  19. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 今のに関連いたしまして、丁度期末手当の問題が出たから伺いたいと思うんですが、先般私北海道のほうを廻り、又今度広島、香川、そういう方面を調査に行つたのでありますが、町村吏員の夏季の〇・二五ですね。これが渡つておらないところが非常に多いんです。これは財源措置としてどういうふうに政府はせられたものであるか、この点を伺いたい。
  20. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) この前の夏のときの〇・二五は、あのときの決定が御承知のように繰上げ支給でありますので、あのときは国におきましても新らしい財源措置というものはなかつたのであります。ただそのときに払う金があるかどうかということを、金融面の措置も若干考えところもあると思うのであります。従つて財源措置は、国の場合にもそうでありますと同じように、地方の場合におきましても、一応年度の当初に組みました地方財政計画の中にあるものを、繰上げ支給をしたという形になつておりますので、特にあの機会には財源措置というものは地方においてもされておらないわけであります。
  21. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 それで今の金融措置について、何か自治庁としては平衡交付金を早目に交付するとか何とかいう方法は取られなかつたのですか。
  22. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) 〇・二五の繰上げ支給でございますが、これは今御指摘の点は、町村だと思いますが、町村のそれぞれ給与の建前は、御承知のごとく、自主的な予算の上で、条例に基いてやるという建前になつているわけでございますから、そこで恐らく年度当初町村予算におきまして、そういうような関係予算を編成をしておつたと思いますけれども従つてそういうところではやはり同じような形で繰上げ支給をやつたところと、或いは繰上げ支給をしないで、自分のところではやはり従来通りやるのだ、こういう建前を取つたところと、両方あろうと思うのであります。これはそれがいけないか、或いは繰上げ支給をしてもらつたほうが適当であつたというような御意見かも存じませんが、今のところでの建前といたしましては、これはどうもいたしかたないのでございますというふうに考えている次第でございます。
  23. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 何か平衡交付金を早く繰上げて渡したというようなことがありませんですか。交付をしたというようなことは……。そのためにですね。
  24. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) これは災害の関係で本年は繰上げて交付すべく、月を早めて支給いたしましたが、それは同時にこの予算の成立が遅れました関係もございまして、ずつと暫定予算関係で、毎月殆んどちよちよぼとやつたような関係もございまして、大体今日におきましては、例年と同じようなだけの額はすでに行つておるわけであります。特に〇・二五のための措置ということはないのでございます。
  25. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 この前奈良県の知事を呼びまして、年末の手当が教職員或いは地方公務員に渡つておらん。これについていろいろまあ私らから質問したのですが、この点は御承知通りと思います。今回又町村吏員に対して同じようなことが起つておる。これらに対しては、何か別途な財源の心配をしてやるというようなこと、或いは運用の心配をしてやるというようなことをしなければ、非常に私は、国家公務員に比べて地方公務員は不均衡な立場におかれるのじやないか、こういうふうに考えておるのでありますが、それらについて自治庁としては、何かお考えになつておりませんか。
  26. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) 今回の措置は、政府といたしましても、別に特別の、これは予算的に新たな措置を講じたわけではなくて、既定予算の範囲内で繰上げて支給したわけであります。地方におきましても、同様な措置をとろうと思えばとれたわけでございまして、御指摘のような、或いは府県の中で、自主的な給与条例を作つておりますところと、作つていないところとございますが、作つていないところではやはり国家公務員の例によるというようなことになつておりますので、そういう関係で、国が繰上げで支給するということになりますと、やはりそういう府県では同様な措置をとつたはずであります。それ以外の自主的な条例で給与をすべて作つております府県では、これは先ほど申上げた町村の場合と同じように、国が繰上げましても必ずしも繰上げないで行く。これはまあ果して年末の財政措置がどうなるかということについての、県の当局としての見通しもございましようというようなことで、予算通り執行するというようなことをやつたところもあろうかと思います。これが町村になりますと、その点はなお自主性がはつきりとして参りますから、結果としては御指摘のようにやらないところもあつたと思います。併し総体といたしまして、予算の構成が、追加がなされない限りは、額に何ら変更はないわけでございまして、政府が将来この点についての追加補正予算をとり、地方財政計画もそれに応じて改訂されるということになりますれば、これは当然その点の、それに応じまして夏季に〇・二五余計支給していなかつたところでは、年末はそれだけ殖えるというようなことになるのだろうと思います。
  27. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 どうもそこは、私はおかしいと思うのですね。自治体によつて、いわゆる条例を作つておるところとおらないところによつて、支給されるところもあるし、支給されないところもあるし、そういうふうなことに対して、これは実際支給されないところの公務員から見たら、これは私は大きな問題だと思うのです。そういうことを自治庁そのものが全然関与しないというふうなことになれば、これはどうも法律上できないかも知れませんけれども、何とかそこにそういう不均衡の起らないような方法をとつてやるような措置はないものでしようかな。実際廻つてみて気の毒なんです。私らのほうは全然渡つておりません、繰上げ支給はありませんと言うのです。私びつくりした。全部、そういうようなことはないものだと考えておつた。香川県あたり聞いてみますと、やはり同じですが、これは仕方がないものだとして、自治庁では考えておられるのか。
  28. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) 県にはそれぞれ人事委員会がありまして、給与については必要があれば勧告するわけでございまして、まあさような、人事行政の上からの観点と、それから財政当局のほうの観点と、両方の要求を調整をいたして、現実の給与政策がとられることになろうかと思うのであります。で、法律上はやはり、まあ自主的に決定する建前になつておりますので、政府としては、国家公務員の給与とバランスを失するような財政措置をすることは、これは避けなければなりませんし、従つて先般の年末の〇・二五と俗に言われておりますものの財源措置については、変態ではありましたけれども、起債等を考慮しての財政措置を特に講じたわけです。そういう財源措置につきましては、やはり同様な措置をとらなければならんと考えておりますが、それを基にいたしまして、どういう具体的な給与政策をとるかということは、やはり各府県、市町村が自主的にきめるのが今の建前であろうと思います。これをまあ、例えば教育公務員なら教育公務員という仕事の特殊性からいつて、かなり府県の、教育公務員でも一律に給与を統制して支給するというような建前をとることも不可能ではありませんけれども、それにはやはり別途の立法措置が必要ではなかろうかというふうに考えております。
  29. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 これは実際町村吏員の人事交流というようなことにも、非常に関係して来る問題なんです。そういうことを調整するために、一体平衡交付金制度というようなものは考えられているのじやないですか。そういう財源の不十分なところ町村に対しては、特にその調整を図るためにそういう制度があるんじやないですか。それがあるにも拘わらず、現在そういう不均衡があることは、実際私はおかしいと思うんです。その点どうですか。
  30. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) 平衡交付金制度は、御承知のように、いわゆる紐付財源ではございませんから、平均的な行政をやつて行くのに必要な最低限度の財源を保障する恰好になりまして、従つて〇・二五を支給するという元の財源は、年末及び夏季の両方の期末手当を通じて、市町村、府県を通じて一定の保障はあるわけでございます。同じように平均的に保障されているわけでございます。併しさように保障されたその財源を何に使うかということは、やはり平衡交付金は一般財源でございますから、必ず平衡交付金算定上の基礎になりました基準財政需要額に応じて、それぞれの費目にそれぞれ使われなければならんというものではないわけでございますから、そこで自治体としては必ずしもそれを給与費に廻さないということも、まあ県としてはあり得るわけでございます。この点は今の制度の上ではいたしかたない結果であろうと考える次第でございます。
  31. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 それらにつきまして、自治庁としては今度の〇・二五の支給されておらないところ町村は、どういうふうな状況になつているかというようなことを、御調査をなされたことはありますか。これは若し平衡交付金制度が来年度においても続いて行くとすれば、それらの一つの重要な私は資料となるのじやないか、こういうふうに考えられるのであります。それは御調査はできているか。
  32. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) これはそういうことになりますと、一口に給与費だけでなくて、すべての一体経費が基準財政需要に算定をされました、ああいうような建前で使用されているかどうかということの実態調査をせねばならんということになるわけでございますので、これは自治庁といたしましては調査課の一つの組織を持つておりまして、これがそれぞれ府県市町村について、或る程度調査をいたしておりますけれども、全体の、殊に町村まで含めまして全体の町村を通じて調査を、今御指摘のような点の調査をするということは、なかなかこれは事務量も大変でございますので、今そこまでのことはいたしておらないのであります。
  33. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 それは是非調査して、私は公務員の待遇というふうなものは非常に重要なもんだと思う。地方行政を進めて行く上においても、これに対して、そう面倒なものではないと思います。報告させればいいのでありますが、そういうふうな一つ調査を進めて、来年度或いは再来年度の一つの重要な資料にするということは、自治庁としても大事な仕事ではないか。是非そういうような方法を取つてもらいたい、こう考えております。
  34. 松澤兼人

    松澤兼人君 今若木君から質問がありまして、私も地方においては、繰上支給が実施されていないというところもあることを聞いておるのであります。年末の問題として、若しこれが仮に国家公務員に対しては、少くとも〇・二五の繰上支給した分だけは穴埋めをするという予算的な措置がとられた場合には、地方公務員に対しても同様の財源的な措置を講ずるわけで、実態がはつきりわかつていなければ、この埋合せをするという財源を一応計算したとしても、うまく下部まで……、繰上支給した市町村或いは府県でも、それからしない府県、市町村というものについては、現在うまく実態が掴んであるのでしようか。
  35. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) 今の実態の調査というところはまだいたしておりませんが、併し仮に今後の補正予算におきまして、繰上支給をいたしました分の穴埋めの額が補填をされるということになりますれば、それに応じまして当然給与費の関係も単位費用を調整いたさなければなりません。調整をいたしまして、結局それだけ殖えたこととして計算をされるわけでございます。従つて地方といたしましては、さようなものを一つの基礎にいたすことになると思います。又一方夏季の期末手当といたしまして、〇・二五繰上支給いたしましたときには、やはりそれに応じまして給与法令が改正になつたわけでございます。そういう国家公務員についての改正になりました給与法令は、これはいずれも参考のために地方団体に流しております。従つて又年末におきまして同様な補償がございますれば、それに応ずる給与法令の改正があるわけでございますから、それを一方において地方自治庁としては流すわけでございます。そういう単位費用の改訂やそういう給与法令を流すという、この二つのことによつて、あとは地方の人事委員会なり、或いは財政当局なりが、それぞれ自主的な立場において、これを調節をして具体的な措置をとつて行く、こういうことになろうかと考えております。
  36. 松澤兼人

    松澤兼人君 そこで実態がはつきりわかつていなければ、本年の夏に繰上支給したところは、勿論この年末に補正予算か何かで埋合せの財源を地方に流すということになれば、その分だけは穴が埋まることになりますが、若し繰上支給をしていないとすれば、まあ給与法令如何にもよることでありますけれども、〇・二五丸々残つていたとすれば、まさかプラス〇・二五ということもできないと思います。そういうところは支給しない、繰上支給のあつたところだけ支給する、そういうことが中央において全体として把握ができるかどうかという問題なんですが、若し仮に府県市町村全体に対して穴埋めをするために〇・二五を追加計上したとすれば、それが繰上支給しないところにも行くというそういう心配はないのですか。
  37. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) やはり財源措置の問題といたしましては、夏季において〇・二五の繰上支給をいたしておりましようとも、おりませなくても、これはやはり同じようにその団体にそれだけの財源が参りまするように単位費用は当然改訂しなければならんと思いまするし、地方財政計画全体といたしましては、さような団体の分も含めて、これは国に要求をし、補填をしなきやならんと考えます。従つて夏季に支給をしていなかつたからと申しまして、その団体が十二月の期末の際には、ほかの団体と同じ程度にしか期末手当を支給しないということにはならんと思います。夏季の分を含めてそれだけ余計支給するということになつて、一向均衡を失しないのではないかと考えられるのでありますが、併しそれはいずれにいたしましても、地方の自主的な決定に待つほかはないと思います。
  38. 松澤兼人

    松澤兼人君 ではもう一つだけ。そうしますと、繰上支給やりましたものも、やらなかつたものも、一応まあ国家公務員に対して穴埋めができる措置をしたとすれば、地方公務員に対して繰上支給をしたと否とに拘らず計上して、これを地方に流す、こう了解してよろしうございますか。
  39. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) その通りであります。
  40. 内村清次

    委員長内村清次君) この際、鈴木次長が見えておりますから、財政部会ですね、それから財政部会を経て次の総会があるまでの委員会のこの経緯ちよつと説明して下さい。
  41. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) 財政部会のほうの審議の状況でございますが、これは先般の地方制度調査会総会を開きました際に、当初行政部会の最終案として決定されておりましたものにつきまして、若干変更が加えられたわけでございます。その一つはやはり大都市制度関係でございまして、大都市におきまする警察の問題であります。これは行政部会の最終案では、府県警察一本ということで、府県自治体警察の案がきまつてつたのでございますが、これはやはり大都市には大都市自治体警察を保有せしめるべきであるということになつたのでございます。そこでそれに並行いたしまして、中央財政部会で一応の総会に提案をする案ときまつておりました案を調整しなければならなくなつたのでございます。そこで去る七日の日に財政部会を開きまして、大都市にも自治体警察を、府県自治体警察と相対応するものとして存置するために、特別のまあ財政需要を生じたわけでございまして、そこでこの府県と大都市との間の財源の配分における原案を、再検討することになつたわけであります。原案を再検討するにつきまして、なかなかその財政部会のほうにおきましては、国と府県と市町村とこの三者間の財源配分、税の配分に関しまして、なかなか意見のまあ対立がございまして、そういうような関係で公正な第三者に、即ち中立的な委員に案を用意してもらう、こういうことになつておりまして、そういうかたが従来起草委員として財政部会の案を用意をしたのでございますが、その起草委員の人に再び労をとつてもらつて、七日の財政部会に出す原案を作つてもらう、こういうことになつたのであります。その結果、大都市と府県間の財源調整につきまして一案ができきまして、それを財政部会に提案をいたし、財政部会におきましては、それを総会に提案する案として了承をしたのであります。なおその財政部会に提案せられました案は十二日、十三日の総会において最終的に審議される。こういうような経過に相成つております。内容につきましては又お尋によりまして申上げたいと存じます。
  42. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 ちよつとその問題で大臣に質問したいのですが、今自治庁の説明の通り警察制度の問題について大都市の自治体を残すということに案がきまつたのですが、四、五日前の東京新聞の状況でありますならば、政府のほうで行政管理庁ですか、塚田さんが大臣をやつておられる行政機構改革の問題の一つとして、警察問題は国警一本にするのだということの詳細な記事が裁つかつたことは、政府制度調査会に警察問題を含めて答申を求めておつて、まだ今説明の通り決定しない以前に、勿論調査研究をすることは政府も必要であるけれども、もうすでに、まだ答申もせんうちに或る案が出たことを、新聞がすつぱ抜いたのか、漏れたのか知りませんが、相当詳細に出て、私は非常に不愉快に思つた。ああいうふうな全般にむずかしい問題を、多数の委員を置いて審議会を作つて、まだその結論が出ないうちに、たとでえ漏れたにしても、ああいうことはすでに何か案ができているというふうな感を与えて、私は非常に不愉快に思つて、あの制度調査会の開かれる前日でしたか、自治庁の政務次官にそのことを私は言つておいたのですが、ああいうことは甚だ調査会をなめたやり方だというふうな、不愉快な念を多数に与えただろうと私は思いますが、そういうことはどういうことになつたのか伺いたいと思います。
  43. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) この点につきましては、先ほど大体申上げたのでありますが、私どもといたしましても、非常にああいうものが外部に出て、御迷惑をかけたというので、非常にまあ恐縮をしているわけでありますが、非常に秘密に、殊に或る案がまとまらないで検討している段階において、ああいう工合に漏れるということは、従来も非常に注意はしておつたのでありますが、注意が足りませんで、ああいう工合になつた。併しこの間の新聞に載りましたのは、先ほど申上げましたように、全部が全部当つているわけでもございません。まあ一部分つているものもあるというふうに申上げたのでありますが、この間のあの案を作りましたときには、これもさつき申上げましたのでありますが、大体制度部分につきましては、制度調査会の御意見が実質的にきまつて、まだ形式的に御答申を頂いておらないという段階であるのでして、制度調査会意見というものを骨子にして、それに国の行政改革の立場のものをまぜたもので考えて、そうして警察所管の担当大臣参考意見として申し送ろうではないかという考え方で議論をいたしまして、その考え方を一応まとめたものが、実は外部に出たわけであります。併しまだそれもその程度でありまして、制度調査会行政機構改革本部といたしましても、お互いに議論はし合つただけなんでありまして、結論を出してまだそのように法務大臣意見を申述べるというところまでも、勿論行つておらんのであります。ほんの内部的だ事務としてやつた段階のものが、あのように漏れたものであると、いろいろ重ねて申上げますが、私どもとしても秘密が十分保持できなかつたということに対しては、恐縮に存じております状態でございますので、御了承願いたいと存じます。
  44. 内村清次

    委員長内村清次君) ほかに財政部会の問題につきましての御質疑はございませんか。  それでは次の議題に移つてよろしうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  45. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは先般の委員会で、これは委員会に、政令が決定する前に一遍審議をしてもらいたいというような要望で、政府に言つておりました地方税法の改正に伴う固定資産税の賦課に関する件でございます。この点についての経緯政府から……。
  46. 松島五郎

    説明員(松島五郎君) 私は今までの経過を御報告申上げます。大体貸付資産であるとか、或いは宿舎であるとか、福利厚生施設であるとかいうような項目の区分を作りまして、それに基きまして国鉄、専売、電々公社等と折衝をして、今日まで来ておりますが、原則的には一部のものを除きまして、大体了解点に達しております。ただ現在残つております問題は、国鉄の所有しております発電施設と、それから工場施設が課税対象とすべきかどうかということについて、若干まだ両方の意見の調整がつかない状況でございますが、その他の点につきましては、大体原則的に了解に達しております。
  47. 内村清次

    委員長内村清次君) そのほか政令の出されたものがありますか。麺類関係の……。
  48. 松島五郎

    説明員(松島五郎君) 政令は、まだこれが全部片付きましてから、ということを私どもとしては考えております。
  49. 内村清次

    委員長内村清次君) 麺類関係……。
  50. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) 今の御指摘の麺類業者に対しまする法律の改正に伴います政令でございますが、これは先般公布施行をいたしまして、一品五十円以下の麺類を販売する者につきましては、特別所得税の関係規定を適用する、こういうふうにいたしたのであります。
  51. 小林武治

    ○小林武治君 十六国会地方税法の改正は殆んど施行された、今のその鉄道とか今御説明の関係以外は、もう施行されたんですか。
  52. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) 只今この十六国会で御修正の関係で、政令措置を要しまする事項が残つておりますのは、今市町村税課長から御説明いたしました国鉄の関係の分だけでございまして、その他の分は皆施行いたしたのでございます。
  53. 小林武治

    ○小林武治君 それで実は私はこの税法改正の関係の政令は一括して出されると、こういうふうにまあ考えておつたわけですが、従つて今の麺類関係或いは国鉄等の関係も一括してやられる、こういうふうに予想しておつたところが、麺類関係を先に出された、こういうことでありますが、この問題につきまして、私どもが麺類食を少しでも減税しようとしたのは、今のような食糧事情からしまして、できるだけ粉食も奨励したい、従つてこれらを低価格に止めたい、これらの考えもあつてつたんだが、お出しになつた政令を見ますると、五十円以下のものだけ、こういうふうになると、而もその食堂で供給する麺類の価格はすべて五十円以下でなければならんと、こういうふうな解釈のように聞いております。従いまして今度の特別所得税の特典を受けるものは、殆んど東京、大阪或いは三、四府県に限られると、そのほかの府県においては適用がないと、こういうふうに聞いておりますが、そういうことになりますか。
  54. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) 御指摘のように、一品五十円以下という建前で政令を用意いたして施行いたしたのでございますが、これはやはりこの標準的な価格を抑えまして、そういう何といいますか、非常にお説のような麺類食の普及という趣旨から申しまするならば、やはりさような大衆的な値段で供給をするような業者の負担軽減ということが、延いて麺類食の普及にもなるというふうに考えまして、そこでこの五十円というような線を抑えたのでございます。大体まあ一般的に見ましても、その線に入るものと私ども実は考えておつたのでございますが、或いは所によりましては、若干それよりも高いような従来の値段を取つておる所があろうかと存じますが、それらの問題につきましては、果してそれだけの値段のものを含めますことが適当であるかどうか、そこまで拡げるということが、結局今の麺類食の普及という大きな御方針から申して、如何なものであろうかというところで、一応一番この標準的なケースの五十円以下というところを抑えたのであります。
  55. 小林武治

    ○小林武治君 これは私ども意見として申上げたいのでありますが、実は聞くところによると、地方では麺類の中で五十円以上の値段のものと五十円以下の値段のものと混ぜて売つている、こういう状態でありまして、今自治庁の解釈によりますれば、五十円以上のものが一品でもあると、全体に対してその特典がないと、こういうふうな解釈をされていると聞きまするが、私はやはり五十円で抑えるならば、五十円の販売のものの部分に対して、これは恐らく区別ができると、こういうふうに思うから、その部分一つ特別所得税の範囲に入れて頂く、こういうふうにすれば、却つて五十円以下のものは非常に増加して、私はその奨励になる、こういうふうに考えておりまするが、そういうふうにして頂けないものかどうか、解釈を。今の政令では必ずしも自治庁がお考えになつたように、五十円以上のものが一品でもあれば、全部に対して適用されないこういうことにはなるまいと思うのでありますが、如何なものですか。
  56. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) また実は私ども施行になりまして間もないものでございますから。小林委員はすでに若干これらにつきましての具体的の事情を御承知のようでございますので、なお、よくその辺の事情を拝承いたしまして、又自治庁といたしましては今少しこの施行の状況を全国的に調査をいたしました上で、只今の御意見一つ検討いたしてみたいと考える次第でございます。
  57. 小林武治

    ○小林武治君 それでは一つ申上げておきますが、実は地方でも、今のような厳格な解釈をされれば、三、四の府県にしか適用はない、こういうことになりますが、地方でも麺類は五十円以上で売つている種類と、五十円以下で売つている種類と、大体半々ぐらいになつているのが大体の状態のようでありまするから、従いまして五十円で区別をつけるということは、低価格で麺類を普及する、こういう点から私は必ずしも不賛成ではありません。従いまして五十円以上で売つた種類のものに対しては、これは適用しない。この五十円以下のものは区別しても特別所得税の特典を与える、こういうふうにされるならば麺類の価格を低める、こういう効果もあつて私は非常にいいのじやないか、こういうふうに思いますので、今のように五十円以上のものが何か一品あつても、全体を特別所得税にはしない、このやり方を何とか解釈を改めて欲しい、こういうのが私ども意見でありまするから、一つ御研究を願いたいと思います。
  58. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私もちよつと小林委員に関連して。あれはやはり五十円以上のものが一品でもあれば、全体についてあの特典がなくなるわけなんですか。
  59. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) この法律は「もつぱらめん類食を提供する業で政令で定めるもの」と、こうなつておりまして、今回施行いたしました政令では、専ら麺類食を提供する業で、政令で定めるものは当該業における提供品目の一品の価格が五十円以下であるものとするというように規定をいたしておるのであります。要するに例外なしに提供品目の一品の価格が五十円以下とこういうふうにいたしておるのであります。これはまあ蕎麦屋さんとか、うどん屋さんとかいう麺類を専ら売つているものが、第一の条件であり、第二にはそういうものが要するに大衆向きの一品五十円以下のものである、そういうところに対してはやはり減税の特典を与えよう、こういう趣旨でこの政令を用意いたしたのでございます。何かそこにやや高級のもので五十円を越える麺類の料理を提供するというものがあります場合に、只今小林委員から御指摘がございましたような、そういうものだけを抜いて計算をするということも、或いは一考かと思いまするけれども、そういたしますると、やはりこの所得額の算定の際におきまして非常に技術上困難を来たすのではないかというふうに考えられますので、さりとてこれを余り上げますることも、他の同様な主食を提供いたしまするような業者との関係も如何かと考えまして、やはり余り幅が広くなりますことは、負担の公平の点から、若干疑問がございますので、まあ大衆的な値段である一品五十円というところを、これは抑えたのでございます。併しながら只今いろいろ御意見がございまするので、なお自治庁といたしましても施行の状況を一つ全国的によく調査をいたしまして、その上で更に検討を加えて見たいと考えます。
  60. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 どうも私はその点がちよつと解しないのてすか、若し鈴木さんのようなお話であるなら、むしろ法律は例えば五十円以下なら五十円以下、或いは政令の定める価格以下で売る、要するに大衆食堂というものに特別所得税を課するというのなら、私はあなたのお話のような意味があると思うのです。ところが蕎麦屋の現状は、五十円以下の蕎麦だけ売つて成立つ営業というものはあり得ないわけなんですよ。若干やはり五十円以上のものも混ぜて売つておる、併しながらこの法律で特典を与えようというのは、そういう粉食というものを成るべく食べさせるという食糧事情も加味して、私はこの政令が、法律の特典が、できたと思うのです。ですから少くとも私は最小限を小林さんのおつしやるように五十円以下で切るならば、五十円以下のものを売つたものについての所得については、これは特典を与えるのでなければ、法の精神から私はずれて逸脱するんじやないかと思う。若しそういうような書きかたで行くならば、いつでも法律というものはずれて、その目的を失われるということになつて、これは法律上えらい問題じやないかと思うんですがね。そうしてまあ次長のお話だつたら、今言う通り営業の実態から言つて成立ちませんよ。一品でも五十円以上取つたものは特典をもらえないというものであるなら、それは羊頭を掲げて狗肉を売るので、それは法律はもうそういうものについてはやらないと言つて書くほうが本当なので、それはやはり蕎麦屋の実態を御覧にならない、抽象的に五十円以下の蕎麦屋があり得るんだという考えかたであつて、営業の実際としては五十円以下の蕎麦たけ売つておるというものはあり得ないですから、若しそうなら、蕎麦屋に対する法律の恩典というものは与えないのだと、こういう意味じやないかと思うんですがね。
  61. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) だんだんとお説もございますが、遊興飲食税の非課税の範囲につきましては、やはり一回の料金が百円以下で、一品五十円以下と、こういう一つの現在の建前があるわけでございます。それもやはり大衆性といいますか、そういうことを考慮しての立法であつたろうと思うのでございまして、そういうものとこの一品五十円以下というものは、やや見合つておるわけでございます。それから東京とか大阪のような所では、麺類の食堂で五十円以上のものを売つておるものはないのでございます。ただ高橋委員御指摘のような田舎のほうにおいては、そういうことがあるんじやないか、まあ天ぷら蕎麦を売るにいたしましても、種が、売行きが悪いから、若干腐つたりなんかして、そういうコストがかかつて来るということで、或いは五十円を少しオーバーしなければ成り立たない、こういうことがあろうかと存じまするが、東京等におきましては、大体四十五円とか五十円とかいうところで、天ぷら蕎麦を供しているのが標準じやないかと考えておるのであります。
  62. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 どうもこれは鈴木さん、あなたは蕎麦屋を歩かないということを言つているだけのことで、これはやはりあれじやないですか、それは自治庁の食堂か何かの蕎麦のことであつて、これは一般の場合にはないですよ。だからそういうことをおつしやることは、結局自分は蕎麦屋に行つていらつしやらないということを言つているだけのことで……。
  63. 後藤博

    説明員(後藤博君) 先ほどの次長のお話はちよつと違うところもありますので。東京都で以て粉食を奨励いたしておりますところの店舗は、大体原則として五十円よりは上げさしていないのであります。その店舗が大衆麺類食堂として普及しております。又それに対しては特別の配給その他考慮をしております。これが相当東京には普及しておりますので、大体ここをとれば大衆麺類食堂というものを捕捉できると、こういう意味で一品五十円以下のものだけを売つておる店、こういうものを指定したわけであります。ところがまあ先ほどからのお話は、田舎の業態は雑業態でありまして、専門業態ではないために、これは先ほどもありました遊興飲食税の場合におきましても、やはり一品五十円というような問題があるというのは、雑業態であるかあるので、雑業態の場合にはどうするかということは、地方の税務当局の非常に苦心するところであります。税務当局に対しては私どもはいろいろ中央国会趣旨をお話を申上げるのでありまするが、併し地方といたしましては、できるだけ堅いところから始めて行きたいというので、非常に最初搾つて、そして始めておる県が多いのであります。だんだん枠を拡げて参りまして趣旨に合うようにいたしたい、こういうまあ方針で一応はおります。従つて、まあ遊興飲食税の場合も東京や大阪のほうには相当適用店舗が多いので、割合も比較して多いので、田舎には適用店舗のパーセントが非常に低いと、こういうことを利どもまあ今年の三月頃に調査いたしてわかりましたので、会議の際に、もう少し適用区域を広くして、雑業態に対してもつと融通のある解釈をしたらどうか、こういう指導をして参つておるのであります。蕎麦屋の場合もやはり同じようなことに私はなつておると現在思つております。従つてまあこれはそれぞれの県の事情を聞きまして、もう少しおつしやるような方向に直して行くというふうでなきやいけないと思います。もう一つは、粉食奨励という看板がございまするし、従つて大衆に安価で売つておるところの食堂の所得に対する課税をまけるという趣旨でありまするから、その線からやはり価格を税で下げるというわけには参らんかも知れませんが、できるだけ引下げる方向に私は指導して行くのが、税務行政をやつておる者のみならず、まあ一般の考え方としていいのではないか、こういうふうに考えて、五十円という基準を出したのであります。これは大都市においては五十円の基準で相当広く参ります。もう一つ、五十円の場合に、田舎にもありますが、同じ店でゆでめんというものを売つておるのをどうするかという問題、これは東京都で大問題でありまして、これも兼業で売つておるものも含めて、こういうところまで拡大をしておるのであります。ゆでめんだけを売つておりますると、これは物品販売業になりまして蕎麦屋ではなくなりますので、ここまで拡げるのはどうか、こういうことで東京都の条例の際には、兼業者くらいまでは拡げてもよろしい、こういうことをまあ言つておるのであります。田舎の場合はゆでめんだけじやなしに、今度は雑業で他の麺類以外のものを売つておる業態が非常に多いのであります。その区分計算が果してできるかどうか、こういう問題があるのであります。二重に分けてやりますると、今までの例で参りますと、区分計算が実際問題としてできないのであります。従つて軽減税率を用いるところの業態というのは、こういうもの以下のものを売つている店であるということを明確にしたほうが、私は税務行政の運営上非常にいいのではないか、こういう意味で五十円というので抑えたわけであります。経過は大体そうであります。
  64. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 今お話ありましたから、私も重ねて申上げますが、仙台では、人口は約四十万ですが、あそこで今の五十円以下の大衆食堂と言いますか、それに該当するところの蕎麦屋というものは約八軒か九軒、全体として約百二十軒くらい蕎麦屋があるわけなんです。あと田舎に行つて単に五十円以下の蕎麦だけを売るというだけじや立つて行かないわけです。言い換えれば、東京のような或るそういう庶民層と言いますか、そういうものがたくさんあるような大都市には、それはあり得ても、田舎に行つては、そういうような雑業といいますか、そういう形において初めて蕎麦屋営業として成立つわけなんですよ。従つて若しそういうような御趣旨で、五十円以上のものを一品売つても、それはかからんということになれば、大都市の或る特定のものだけが、言い換えれば大衆食堂だけがかかるのであつて、それならそれで法律なら法律に、そういうような書き方をすべきだと思うのです。それを政令にもつてつて実際は一般の蕎麦屋の実態からやれないような非常な或るレア・ケースのものだけが適用になるなんということは、どうも法律を政令で壊すので、而もその法律改正の趣旨というものは、十分あの当時御承知であつたわけですから、これは少くとも小林さんのおつしやるように、若し五十円で切るならば、五十円以下のものの収入の部分については、やはり特別所得税というものは軽減するんだということでなければ、私は法律趣旨に合わんと思うのです。
  65. 石村幸作

    ○石村幸作君 ちよつとお伺いしますがね、今東京の状態を聞いて、まあ或る程度良い悪いは別として、説明を聞いたのですが、東京の大衆麺類食堂というのは五十円以上のものは売つていない、酒は、あれはどうなんです。大抵蕎麦屋じや酒、ビールは売つていますが、どんな蕎麦屋でも、そういう場合にどういうふうに扱つておるのですか。
  66. 後藤博

    説明員(後藤博君) これは「もつぱら」という意味なんですが、もつぱら麺類を売つておる、麺類以外に酒を売つておる、酒の量が少量ならば、もつばらまあ蕎麦屋であると、(笑声)こういうことになるわけであります。まあ量の問題、どつちが主体かという……。
  67. 石村幸作

    ○石村幸作君 それはおかしいな。同じ麺類のうちでも、五十五円、六十円のものを売つていたらいけないので、ほかの高いものを、ビール百何十円だつてかまわない。これはついでに、その出発点はここから出るのじやないかと思うが、遊興飲食税をかける大衆食堂、やつぱりもつぱら麺類、茶菓、そういふうなものを売つておる大衆食堂、この場合に十分の八以上五十円以上のものがあると、そこは五十円以下のものを食べても、そのお客は遊興飲食税をかけられる。これは大変不合理だと思う。そこからやつぱり観念が出ているのじやないかと思う。駅の前あたり行つて、一軒のうちへ行けば、同じものを食つて、遊興飲食税をとられない、隣のうちへ行くととられるという不合理があるのです。それは払うのはお客が払うのでして、それで食べるものは同じものを食べて、同じ値段のものを食べて、一軒違つたために遊興飲食税をとられる。これは事実なんです。これは事実で、どこへ行つても我々聞かされ、責められるのだが、そういうふうなところから、やつぱり観念がつながつているのじやないか。これはどうお思いになりますか。
  68. 後藤博

    説明員(後藤博君) 観念がつながつている、もつぱらという言葉を両方に使つておりますから、つながつていると言えばつながつていることになるかもしれませんが、あの条文が修正されましたときの経緯は、大衆の粉食奨励をやるというのが趣旨であつたと思います。それから相当これではしぼることになるということを申上げたと思います。相当しぼつて一定の価格以下のものを売つておる大衆食堂だけに適用するのである、そういうことでなければ、私は軽減税率を適用するという意味が出て来ないのじやないかということを申上げたつもりでありますが、そういうようで相当しぼつてもいいというお考えのように、私どもは拝承しましたので、できるだけ大衆の粉食奨励になるようなものだけを選ぶ、こういう方針で政令を作つたのであります。
  69. 内村清次

    委員長内村清次君) ただ問題はだな、先程から言われたように一品でも五十円以上のものを販売しておるならば、全部この度の改正の法案の特別所得税の問題を適用しないというのですから、そういうふうに各地方では解釈しておるのですよ、政令で。それでは二、三県しかそういうような適用の県というものはないのじやないか、なんにもならないじやないかというのが問題です。
  70. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 それから問題は、私はそれと、田舎の蕎麦屋の実態というものを掴んでいないと思うのですよ、おつしやるように。あなたの言うような意味なら、今言うように五十円以下の蕎麦屋なら蕎麦屋というものを、それならば課税対象にするとかしないとかいうふうに僕は法律で書くべきだと思う、あなたのような考え方なら。そうじやないので、やつぱり或る程度の粉食というものを奨励するというならば、それは田舎であろうと都会であろうと、やはり同じように五十円以下の蕎麦を食う者については若干安くなるような仕組に政令なら政令を持つて行くということが、法律趣旨を活かすのじやないかと思うのですよ。あなたのお話なら、田舎のというか、地方の蕎麦屋の実態というものを全然ネグレクトしているのだ。
  71. 後藤博

    説明員(後藤博君) あの修正がなされましたときに、私どもは蕎麦屋を対象とした軽減税率を用いると、田舎のほうは雑業態が多いものでありますから、どうしても中心は都市の蕎麦屋の大衆的なものだけが減税になる、それでそういう方針ですかということを、公開の席じやありませんけれども、たびたび聞いたのであります。で、まあ私どもの政令を作る際にはそれは都市とか何とかいう区別はつけたくもありませんから、できるだけ広くいたしたい、併し適用を、実際政令を書きますると、どうしても都市中心になるのではないかということがあらかじめ想像はできたのであります。併し今先ほどからのお話でありますと、田舎は雑業態でありますので、都市の方式そのままを用いることは、私は不自然な場合が出て来ると思います。これは遊興飲食税の場合にも現実に出ておるのでありますが、やはり田舎の雑業態に対しては、運用の面でもつて是正して行くということしか方法はないのではないか、かように考えております。
  72. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 どうも私らは根本的にあなたと考え方が違うのですがね。むしろ米の価値ということからいうと、僕は田舎においてもつと粉を喰わすべきなんであつて、そういう点からいうと、やはりむしろ五十円以下の蕎麦を食えば、地方の蕎麦屋で食おうと都会の蕎麦屋で食おうと、やはりそれは安くして、そうして粉食を奨励するのが法律趣旨であつて、あなたのお話なら、どこまでもそれじや都会の或る特定の蕎麦屋については免税するのだというふうな法律の書き方にしなければ、これは法律の立法からいつてもおかしいと思うのです。
  73. 加瀬完

    ○加瀬完君 今の御説明で兼業態であれば、若干の兼業態の形を変えないで酒類を出すということは認める。それなら雑業態であつても、殆んど雑業の中心を占めるものが今の目的に副うものであれば、雑業態であつても、それをやはり対象として扱つていいという解釈が成り立ちませんか。
  74. 後藤博

    説明員(後藤博君) 雑業態に対してどういう運営方針をとるかということは、これは遊興飲食税の場合も同じでありますが、はつきり区分計算ができて、而もその店舗の大部分が非課税とか軽減税率を使うものであれば、それは運営の上で考慮してよろしいということは、私ども言えると思います。雑業態と申しましても、いろいろな業種を一緒にやつておりますために、なかなかそのケースを一概にこういうものはよろしいということを、私どもちよつと言えないのであります。併し今申しましたように、大部分のものをまあ非課税乃至軽減税率を用いておるもので、而も区分計算のはつきりできる場合には、青色申告なんかやつていれば問題はないでしようが、できる場合にはできるだけ適用区域を広くして行くという方針を私はとつていいのじやないか……。
  75. 加瀬完

    ○加瀬完君 そうなれば、前の委員の方が申された点も解決するのじやないですか。その幅というのは或る程度認めるというふうに施行の上で注意をして行けば、ただそれがとちらではこういう質問に会えば、そういうふうなお答えが出ても、実際の通達の上では、そういう解釈ができないということになると、なかなか問題があるわけですね。今問題になりました点も重ねて地方にお話をして頂いて、今の趣旨の生きるような、広い幅の解釈ができるような方法を自治庁ではとつてもらわなければいけないと思うのですよ。
  76. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 法律のほうには「もつぱら」ということはあるが、政令では「もつぱら」をとつちまつて、全部五十円以下にしちやつた、僕はそういうふうにさつき聞いた。
  77. 内村清次

    委員長内村清次君) 鈴木さん、総括的に一つはつきりしたところでやつて下さい。
  78. 鈴木俊一

    説明員鈴木俊一君) いろいろ御指摘がございまして、なお私ども更に検討を加えたいと存じておりますが、いろいろ御議論のございました第一点は、もつぱら麺類食を提供する業という、その解釈をどうするかということだと存じます。酒を売るものはこの中に入るか入らないかということでございますが、この点については遊興飲食税の非課税の条件としてもつぱら麺類を提供する場所で政令で定めるものにおける飲食、こういうのがございますが、こちらの特別所得税の場合にもやはりもつぱら麺類食を提供する業でと、こうなつておりますので、これは法律の解釈としては、この範囲は両方同じように解釈しなきやならんと考えます。従つて遊興飲食税について現に行われておる慣行と同じ慣行をこの点の解釈としてはとるべきであろう、かように考えます。  それからその次の問題の点は、提供品目の一品の価格が五十円以下という、この点でございます。この点の立案者の私どものほうの気持といたしましては、後藤財政部長が申しました通りでございますが、この点について、地方における実際の実情が、これでは甚だしく不適当であるというような御議論がだんだんとあるようでございますから、この点は最初に申上げましたごとく、私どものほうといたしましても更に状況を調査いたしまして検討を加えることにいたしたいと、かように存じます。
  79. 石村幸作

    ○石村幸作君 関連してちよつと申上げておきますが、先ほどから地方だと雑業々々と言つていましたけれども、蕎麦屋に限つては雑業というのは殆んどないように思つています。ただ松並木にばあさんじいさんが何でも売つているというような、或いは橋のたもと、こういうふうなのは別ですけれども、大体地方の蕎麦屋というものは雑業はないはずなんです。蕎麦屋専門ですよ。
  80. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 そうじやない。さつきいう雑業というのはこういう意味なんだよ。同じ麺類でも五十円以下のほかに、同じ蕎麦屋でいろいろなものを……。
  81. 石村幸作

    ○石村幸作君 それはそうだよ。一つの蕎麦売つている馬鹿あるものじやない。そんなまぬけはない。どうしたつていろいろな蕎麦売らなきやならん。
  82. 内村清次

    委員長内村清次君) それではこれで委員会は閉じますが、政令関係は今の固定資産税の問題も一応委員会に布けて頂きたい。それと昨日申上げましたように、水害及び冷害関係地方行政委員会を十九日の日から四日間開きたいと存じますが、これはよろしゆうございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 内村清次

    委員長内村清次君) そうしまして、大体の議題は水害及び冷害対策ということでございますが、そのほか何か議題がございますれば、又御希望の議題がありますれば、今日委員方々から希望を出して頂きますれば、それをとります。と同時に、又そのほかの問題につきましては、理事方々委員長相談いたしまして、議題作成いたしたいと存じますが、何か今日御希望の議題がございますならば……。
  84. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 地方制度改革結論が出るだろうと思います。それから行政改革のほうも出て来るだろうと思います。そういうふうな方面について私は議題にしてもらいたいと思います。
  85. 内村清次

    委員長内村清次君) わかりました。そのほか、ございませんか。
  86. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 議題にすべき問題は、今日でなくてもいいですか。
  87. 内村清次

    委員長内村清次君) 結構でございます。どうかこちらのほうに通知して頂きたいと思います。  それではこれで委員会を閉じます。     午後零時四十九分散会