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1953-07-08 第16回国会 参議院 地方行政委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月八日(水曜日)    午後二時二十三分開会   —————————————   委員の異動 六月二十六日委員伊能芳雄君辞任につ き、その補欠として愛知揆一君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事            石村 幸作君            堀  末治君            館  哲二君    委員            高橋進太郎君            長谷山行毅君            小林 武治君            秋山 長造君            若木 勝藏君            加瀬  完君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君   政府委員    国家消防本部長 瀧野 好曉君    自治庁次長   鈴木 俊一君    自治庁財政部長 武岡 憲一君    自治庁税務部長 後藤  博君    法務政務次官  三浦寅之助君   —————————————   本日の会議に付した事件地方行政の改革に関する調査  (日産化学工業株式会社鏡工場労働  争議事件等に関する件)  (西日本水害地方財政関係に関  する件) ○自治学校設置法案内閣提出) ○消防施設強化促進法案内閣提出、  衆議院送付) ○地方財政法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○地方自法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○地方自治法の一部を改正する法律の  施行に伴う関係法令の整理に関する  法律案内閣送付) ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○地方財政平衡交付金法の一部を改正  する法律案内閣送付)   —————————————
  2. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今から地方行政委員会を開会いたします。  去る六月二十二日の地方行政委員会におきまして、町村合併促進の件については、当初懇談という形式をとりたいというので速記を中止いたしまして石村委員より従来の経過、草案についての御説明があつたのでありますが、その後二、三の委員から、これを会議録に掲載するようにとの御希望もありましたので、石村委員説明を当日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内村清次

    委員長内村清次君) 御異議がないようでございまするから、さよう取計らうことに決定いたします。
  4. 加瀬完

    加瀬完君 予定されました議事に入る前に、一つきめて頂きたいと思うのですけれども、それは本委員会におきましても、又労働委員会との合同委員会におきましても取扱われました鏡工場の問題でございます。あの結論を何らかの形でお出し頂かなければならないと思いますが、その点おきめ頂きたいと思います。
  5. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今加瀬委員から言われました本委員会取扱つておりました鏡工場の件でございますが、実は理事会のときにも、ちよつとその点を希望だけを申して、取扱いの点につきましては話合いに入つておりませんが、その点どういうふうにいたしてよろしゆうございますか。当時連合審査のときには加瀬委員からも強い御要望がございまして、今一つ参考人の公述と、それから最初委員会で扱いましたときの齋藤国警長官との委員方々との質疑の間の要旨と少し食い違つておる点も認められておりまするからして、この点も委員会はつきりさせたいという要望が一点と、それから又この問題につきましての法律的な、本件について権威者一つ参考人として呼んだらどうかという点も附帯して御要求がありまして委員長といたしましても、その点委員会に諮つて善処いたしますということを、申上げた経緯もございます。この結論どういうふうに持つて行くかにつきまして、各委員方々の御意見を伺いたいと思います。
  6. 堀末治

    堀末治君 あの問題は理事会参考人といいますか、呼ぼうと言うたときに結論を出すという話合いでなかつたように思うのですが、要するに最初のときには、私は遺憾ながら欠席いたしましてわかりませんけれども、その後いろいろ要望があつて、ああいうふうに改めるとかで、当時の関係者を呼んで実情を聞いたのですが、これに対して当委員会結論をつけるということであれを呼んだように思わないのですが、是非ともこれは結論は必要ありましようか。
  7. 秋山長造

    秋山長造君 最初理事会での話合いが、結論をつけるということになつていたかなつていなかつたか、我々承知していないのですけれども、それはいずれにいたしましても、ああやつて二日間に亘つて相当長時間連合委員会まで開いて、いろいろ調査をやつて、そしてその結果、まだ我々としては特に警察権のあの場合の行使のやり方というものが必ずしも適当であつたかどうか、相当疑問を持つ。又国警長官とそれから警察隊長更に現地の指揮に当つた署長というような、この三者の証言内容にも相当食い違つておる点もある。又当局者同志の間で意思の疎通を欠いている点もあるし、いろいろ問題は残つておると思うのですけれども、これを今後更に三回目、四回目と参考人を呼んで調査を重ねて行くかどうかということは、又この委員会の今後の運営にもかかつて来る問題で、別途に考慮するといたしましても、少くとも二回に亘つて、我々が慎重に調査研究を重ねた結果は、やはりこの問題がただ参考人を呼んで聞き放しにしたということでなしに、できることならば、何らかの形においてこの委員会としての結論を打出すべきじやないか、そのほうがやはりこの委員会やり方としても、すつきりして来るのじやないかというように思いますので、只今加瀬君の動議に対しては賛成をいたしたい。
  8. 小林武治

    小林武治君 私もあの参考人供述をお聞きしたのでありますが、どうも両方のいうことに相当食い違いがあるし、委員会結論を出すということは私は極めて困難だと思うのです。あれだけ参考人を呼んでいろいろの事情をお調べになつたことだけでも、私は相当な効果があると思いますし、この上結論を出すことは恐らくこの委員会としてなかなかできない。こういうふうに思う。というのは、両方供述にとにかく相当食い違いがあります。従いまして私はあの程度でとどめられておいたほうがいいんじやないかというふうに考えます。
  9. 若木勝藏

    若木勝藏君 私はあの問題については、あのままで委員会を打切るということになると、何か尻切れとんぼみたいな形になつて始末がつかない。而も指令が出来たかどうかわかりませんが、明瞭に向うの署長自分のやつたことに行過ぎがあつたということを認めておる。そこが我々地方行政委員会として、警察権の濫用ということは重大な問題であると思います。そういうことに対しては一応委員会としては結論を出すというふうな、勧告なり、そういうことによつてけりをつけたらいい。あれをしつこくやつて行こうというのではない、委員会権威というような場合も考えられるし、何とか始末をつけたらいい。あれ切りで終つてしまうということになれば、何をやつたかわけがわからない。うやむやのうちに終つてしまつたということになる。これは前に委員会の例はありませんか。ああいうような場合に、どういうふうにして勧告をしたとか何とかいう結論の出し方は、文部委員会あたりはそういう方法をとつて始末をつけましたでしよう。
  10. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 あの問題、私はやはり、例えば署長の行過ぎとか、そういう結論を出すことになれば、相当こちらが何といいますか、裁判官なり検事なりの立場に立つたような、これは相当慎重な審査をしなければならないので、今の段階で、署長が行過ぎだとか、あの事件はこうだというような断定は下されないと思います。この前、署長が何かやつたときに、四国で同じような事件があつた。あのときも断定を下さなかつた。今まで法務委員会なんかで類似の問題がありましたけれども、殆んど結論を出していないと思います。従つて結論を出すということであるならば、更に慎重審議をやらなくちやならんと思います。それで私は提案します。そこでこの問題の取扱い方について、前に理事会にもかかつた点なんですら、一つ理事会でのお取扱いにも大体のことを御相談になつてあと委員会にお諮り願つたらどうかと思います。
  11. 内村清次

    委員長内村清次君) 私はちよつと高橋君に申上げておきますが、あのときに高橋君はちよつと姿が見えておらなかつたのですが、各委員からの口述に対する質疑、特に小林隊長斎藤署長に対する疑質のうちに、はつきりと自分のやつたこと、而もこのことのうちのビラの字句に対して、これは行過ぎであるということを認めて、あれを配付し直して、その報告も又こちらのほうにやるということを、はつきり確約をしておる。これは会議録の中を見て頂きますとわかりますが、当時やつております。こういう点が明らかになつて参りましたからです。それからもう一つ齋藤国警長官最初委員方々との質疑大分食違つておりました。これは当時の現地中央の問題ですから、或る程度食違つておることは止むを得んとは存じますが、大体問題の一番大事なところにおいて、国警長官の認識においてちよつと重大な食違いがあるようですからして、やはりあの点を聞くならば、委員会でこれはいつでもできますからして、聞くならばその点を先ず質して、そしてその後にどういうことをするか、結論を出すかどうかということが、私は必然として生れて来はしないかと、こう思うのですよ。そこであなたが言つておられる、或いは又はかの委員方々が要求しておられますような形は、一つ理事会のほうともはつきりとしまして、その点だけは一つ委員会で、一応齋藤国警長官を呼んで聞くということだけは、これは一つして頂きたい。
  12. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私もお聞きになつておるときに、農民の代表のかた、それから労組の代表のかたのお話を聞いたんですよ。今の委員長の話の、食違いだ、或いは行過ぎだという個々の問題を一々この委員会で取上げて、そういうふうな、よかつたとか悪かつたとかいう判定を下すべき筋合いではなくて、私は下すならあの事件全体について、言い換えれば、警察権の行過ぎについてどうだというふうに行くべきじやないかと、こう思うのですよ。従つて私は、やはり結論を出すまでは、余ほど委員会としては慎重に、余ほど時間をかけて、あの事件全体についても判断を誤らんようにした結論を下すべきじやないかと、こう私は思うのです。
  13. 内村清次

    委員長内村清次君) 当然なことでありまして、その点はあの事件全般、延いては地方的な治安関係に対しての問題と、労働の問題とも関連性を加味したところの結論を出さなくちやならん、結論を出す一番大事なところがそこにはつきりと当事者において認めたんですから、これをそのままにしておいてしまつては、折角取上げて来たことなのでどうだろうかと、私は考えるのです。
  14. 加瀬完

    加瀬完君 我々はこの問題を取扱うときに、労働問題としてこの問題を取扱うわけでもなければ、肥料の需給関係という一つの社会問題としてこの問題を取扱うわけでもなくつて警察過剰行為があつたかどうかという一点で、我々は取扱つたはずなんです。警察側答弁といたしましては、これは正当業務であるから、又正当業務妨害であるから、業務妨害で合法的だという説明をしておるんでございますが、果して正当なる業務行為であるかどうかということには非常な疑点があつたわけであります心で、若しもこれを業務妨害だか、或いは業務妨害が成立しないのだか、黒白を付けないでおきまするときには、同じような問題が何回も繰返されましても、それを我々は再び取上げて、これは警察過剰行為であると、越権行為であると判定をすることもできなくなるわけであります。そこはもう純理論的に考えて、果してこれが正当なる業務行為に対する妨害行為であるか、或いはかくのごときことは正当なる業務妨害とは認められないということになるのか、それらの点を結論を出さなければ、今までこの問題を扱つた意味というのが全然なくなつてしまうんじやないかというのを恐れて、理事会でその問題を、結論をお出し下すつても結構でございます。或いは又短時間において委員会結論を出すという便宜の方法をおとりになつても、方法は私はお任せいたしまするけれども、一応過剰行為であつたか、過剰行為でなかつたかということについては、はつきりと結論を出して委員会の態度というものを明確にすべきだ。そういう意味合いで提案いたしたわけであります。
  15. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私はどうも個々事件一つのことだけを捉えて、過剰行為かどうかというようなことは、これは余ほど裁判官検事局でもなければ、なかなか判定がむずかしいのと、又そういうことで森羅万象を一々挙げていうならば、この間新聞に載つていた俺は天下代議士だとどなつた、それがこれは過剰行為があつたかなかつたか、一々これは問題として取上げなければならんのですが、これはやはり事件全体が地方行政との関連においてどう取扱うか、それの結論はどうかというところに、私は主点があると思うのです。だからその点、やはり全体性を十分お考えの上で、取扱い方について、私は理事会でよく御相談願つて、その取扱いを大体の何か方法をきめられてお諮り願つたらどうかと、こう思うのです。
  16. 加瀬完

    加瀬完君 高橋委員の後半の理事会で、適宜な方法を考慮したらどうだろうということには賛成でありますが、その前半には賛成しかねる。といいますのはこの問題は、委員会としてすでに相当重要な問題だというので取上げられ、而も労働委員会合同委員会まで開いて七、八時間の長い間、揉みに揉んだ問題なのです。それを何ら結論を下さないでは、何のために委員会をやつたかという意味がなくなつてしまうと、そこでくどいようではございますが、労働組合と或いは販購連と、こういうふうな立場に立つて黒白をつけるというようなことではなくて、警察過剰行為があつたかなかつたかというだけの一点で、結論を出さなければならんと、こういうふうに思うのです。
  17. 石村幸作

    石村幸作君 記憶はつきりしないのですが、この問題を最初委員会で取上げた際に、私の一記憶では、こういう問題が起つた、それで地方行政委員会治安という関係上これを取上げた、それで一応関係者を呼んで、当時の実情を聞こうじやないか、そして二回目は、現地の人が来なかつたんだから現地関係者を呼んで、詳しく聞こうじやないか、そこでそのときにこの問題を取上げて、警察行為労働ストを抑圧したか、弾圧したか、それを質そう、まあ話を聞こうということはあつたらしかたつが、その結果、どういうふうにこれを結末をつけるかという点まであの最初にきめてなかつたように思うのですが、あの当時はどうであつたでありましようか。
  18. 若木勝藏

    若木勝藏君 今の石村さんのお話、あなたのいう通り、ただ実情を聞こうかなんていうことから、委員会が取上げたということがあつたら、これは滑稽なものです。その当時、どういうふうな理事会話合いがあつたか知りませんけれども、一度あの問題を取上げる場合、実情を聞いて、それでまあそのままうやむやということはあり得ないのです。何とかその実情を聞いた、その過程において、これは相当重要な問題であるとすれば、どうこれに対して委員会として措置しなければならん、こういうふうに私は進んで行かなければならんと思うのです。実際において二回に亘つて労働委員会との連合会も持ちまして、そしてやつて見たところ、相当これは労働問題として重要な問題だと私たちは考えておるのです。ですからこれに対しは何らかの結論委員会としてとらなければ、このままで押付けるということは、私は賛成できない、そしてそれを理事会によつてどう取扱うかというような説は、これは私は委員会として今きめなくちやならんというような問題ではないと思います。労働委員会業務妨害という問題で恐らく取上げて今後やるだろうと思う。そして労働問題として、こつちは警察問題としてやつたのでありまするけれども、ところが、警察の方面の現場からまだ資料など届いておらない、そういうふうなものを一切まとめた後に、この理事会でどういうふうに取扱うというふうな方法も私はいいと思うのです。今このままで打切るということは、私は尻切れとんぼだと思います。
  19. 石村幸作

    石村幸作君 私は決してこれをこのまま聞きつぱなすと、そういう意味じやない。初めどういうふうな申合せで呼出したか、喚問したか、その当時のいきさつを、ちよつとこれは記憶がなかつたもので聞いたわけであります。それでこれをどこまでも審議して結末を出そうというのだと、私はこの間の話外れ関係者の話を聞いて、あれだけでは先ず相当不足だろうと思う。あなたの、若木君のいつた資料とかいろいろの問題がある。そこでああいう発言をしたわけです。
  20. 内村清次

    委員長内村清次君) それはちよつと石村委員に申上げますが、理事会というものは結局おつしやつた通りだと思うのですね。これも地方的な治安関係の問題としては相当重要視していいから、先ず委員会に諮つて、この問題を取上げようじやないかということでまあ入つたわけであります。入つた経過については、委員各位が御承知通りですからこの結末をどうやつてつけようかというのが今加瀬君の発言になつて出ております。そこで各位方々意見も聞きましたが、まあ一応差当つてはですね。まあ私が申しましたように、国警長官のほうで、最初委員会で先ず中央のほうの関係者を呼ぶということで聞いたわけですが、その後現地人たちの状況とちよつと食違つておるようで、まあ大事な本質が食違つておるような点も多々ありますからして、委員会といたしましては、中央国警長官、而も中心治安関係の問題ですから、警察関係の問題の責任者には是非一つその点は質さなければいけないということを、まあ委員会でやつて、その後は問題の取扱いについては、各位方々の御意見も聞いて、理事会において一応その問題をどう扱うかということを一つやろうじやないかと、まあこういうことにしたなら如何でございましようか。
  21. 秋山長造

    秋山長造君 私はお願いしたいのですが、私らも国会常任委員会というものは初めての経験なんです。併しまあいずれにしても、これだけ費用もかけ、時日もかけて遠方から人を呼んで、一つの問題をいろいろの角度から検討して、そしてそれをうやむやに、もうあの程度で放つておこうじやないかということは、私はちよつとだらしがないじやないかと思います。尤も問題の性質によつては、これはなかなかそう簡単には結論の出ないという問題もあるかも知れんけれども、まあさつき高橋さんがおつしやつたように、俺は天下代議士だというあの問題は、別に新聞に出ておつただけで、この委員会として別に正式に取上げた問題じやないと思いますからね。これを例として出すということは控えて頂きたいと思いますけれども、まあこの問題はとにかく正式にこの委員会の席で取上げているときに、そうしてああやつて長時間に亘つて審議をし検討をし調査をやつたのですから、だからまあその扱い方その他については、或いは理事会で御相談下さるのは結構なんですが、いずれにしても、もうあの程度でいいじやないかで放つておくのは、私は不穏当じやないかと思うんです。何か一応の結論が出んという結論でも、何かこの締括りをして貰わんと、甚だどうもだらしがない。
  22. 堀末治

    堀末治君 今秋山さんの御発言ですが、私はこの委員会には大分長いですが、同じ問題が前にもあつた。やはりここに参考人その他を全部呼びまして調べましたが、それに対してはやはり、何と言いますか、黒白というような結論はこの委員会では与えません。果して与えるということがいいか悪いかということは当時論議はされませんでしたけれども、ややこれと同じもので、いわゆる八幡浜街頭録音をやつたときの問題ですが、殆んど同じ性質の問題です。併しこれは実情調査して、いわゆる我々の立法上の参考にこれを資しただけで、それに対して黒白をきめて、ああだこうだという結論は、これは出さずしてしまつた例がある。私はやはりこういうような問題を一々国会が取上げて、取上げた度にそういうふうな結論を与えるということになつて来ると、ますますそれは、又今高橋君が言つたように本当に裁判官のような立場でこれをやらなければならん。そうなれば裁判官的な立場ということになると、検事側的な立場にもならなければならんし、弁護士的の立場にもならなければならんというようなことを言つて、これはなかなか非常に、要するに複雑になつて来る。それですから、私はこういうのはやつぱりあのくらい聞き、あのくらい向うが話した以上は、あの人達の良識に訴え、乃至は又私たち議員としての良識に訴えて、余り厳格な結論などは与えないほうがどちらかというと、議会の権威のためにいいと思います。現にそういう実例がございました。
  23. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今堀君から言われました八幡浜事件につきましては、最後には警察のほうに警告申入れ委員会として出したらしいんです。併しまあそこまで行くかどうかはまだ今後の委員各位の御判定にもよることでございますが、問題はただあれ、だけでもうすんだのだということでは、ちよつと委員会取扱いました関係で、不十分ではないかと存じますから、ただ齋藤国警長官をもう一ぺん一つ委員会のほうには呼んで、やはりそこの食違いだけは明確にしないとどうも……。連合委員会で実は政府答弁を聞きたいという委員方々も大分ありました。ところが時間の関係も御承知通りでありましたし、又あの席上で政府委員方々答弁の交換という問題に波及して行きますれば、相当困難性も出て来ると思いますからして、委員のほうでは連合委員会がございましたから、遅くまで参考人中心とした聴取をやつたということでございますからして、やつぱりこのことだけは一つつて行くということで、あと取扱い理事のほうにもお任せ願えますれば、一つその点、委員会の空気を察して、委員会で又進行の点については討議をして行くということで、御了承願いたいと思いますが、如何でございましようか。
  24. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 いや、委員長、私は先ほど申上げました通り、この問題は相当議論をしましたから、それの取扱いはあなたのおつしやつたようなことにするのか、或いは又これで一応打切るのか、或いは何らか結論を出すためにもう少しするのか、そこいらのところを理事会で御相談下さつて、お取計らい頂けることを私は提案いたします。
  25. 内村清次

    委員長内村清次君) そういうふうにしてよろしゆうございますか。理事会のほうで、この問題の取扱いかたについて御一任願えるということでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
  26. 内村清次

    委員長内村清次君) そういうふうに決定いたしました。
  27. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは政府のほうの法案説明一つ……。それでは塚田長官がお見えになりましたから自治大学設置法案政府提案説明をお願いいたします。
  28. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 只今本委員会に付託されました自治学校設置法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申上げます。  地方公務員制度の本旨とする地方公共団体行政の民主的且つ能率的な運営を期しますためには、地方公務員の資質の向上と勤務能率発揮増進まつところが極めて大きいのでありまして、この意味において、地方公務員に対して適切な研修機会をできるだけ多く与え、その教養に努めることは、極めて肝要と存ぜられるのであります。地方公務員法におきましても「職員には、その勤務能率発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない」と規定しており、各地方公共団体においてもそれぞれ研修に力をいたしている次第であります。しかしながら地方では、初任者その他一般職員に対する研修は格別として、中堅職員に対する高度の研修については、その実施に種々支障があり、事実上困難な場合が多いのでありまして、かねてから中央に対し高度の研修機関設置要望する声が強かつたのであります。  申すまでもなく、地方公共団体の処理しております事務の大半は、国と密接な利害関係にあるものであり、国としてもその適正且つ円滑な執行については深い関心を持たざるを得ないわけでありまして、地方公務員の能力を向上し、勤務能率発揮するため、その研修を行うことの必要なるゆえんは、この意味においても痛感せられていたのであります。  以上の趣旨により、政府は本法案を提出したのであります。  次に法案内容の概要について申上げます。  自治大学校は、自治庁の附属機関として、東京都に置くことといたし、任命権者の推薦にかかる地方公務員に対して高度の研修を行い、これに併せて地方自治に関する制度等についての基本的な調査研究を行うと共に、地方公共団体研修機関に対して、研修に関する技術的助言をすることができることといたしたのであります。  自治大学校の講師には、各方面の有識者を委嘱いたしまして、その内容を充実し、設置の目的を達成いたしたいと考えておりますが、自治大学校の性格に鑑み、地方の事情に即した運営をする必要がありますので、地方公共団体の長及び議会の議長の全国的連合組織の代表者並びに学識経験者で組織する自治大学校運営審議会を自治大学校に置き、自治大学校の運営について校長の諮問に応ぜしめることといたしたのであります。  以上、自治学校設置法案提案の理由及び内容の概要を御説明申上げたのでありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
  29. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に地方財政法の一部を改正する法律案提案説明をお願いいたします。
  30. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 只今提出いたしました地方財政法の一部を改正する法律案提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  終戦後インフレーシヨンの抑制と経済の安定に寄与いたしますため、地方財政の面においても極度に健全財政の方針を貫き、地方公共団体地方債をもつて財源とすることができる場合を強く制限して参つたのであります。  併しながら、近来漸く経済も安定の段階に入つて参りましたし、他面規模の小さい団体の多い地方財政の面においては、公用施設と雖も臨時に多額を要する経費を一般財源で賄うことを一律に強制することは困難でありますので、一面には地方債をもつて財源とすることができる場合を拡張し、他面には地方債の分量を増加するとともに公募債によつても、相当の資金を集めることができるようにする必要があるのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。  以下内容の概要を御説明申上げます。  改正の第一は地方公共団体は公用施設の建設事業費の財源とする場合においても、地方債を起すことができるものとすることであります。地方財政法が制定せられました昭和二十三年の頃はなお悪性インフレーシヨンの進行しているさ中でありまして、その経済情勢を背景として健全財政を確保いたして参りますためには、住民一般の使用する公共施設の建設については、地方債を以てその財源とすることを認めても、行政全体の直接の用に供する公用施設は、地方債を以つてその建設費に充てることを認めないのも、止むを得ないとされたのであります。併しながらこれらの規定が実施されて四年有余を経た今日、経済情勢も大いに異つて参りましたので、臨時に多額を要する経費について、年度間の調整を図ろうとする地方債の本来の機能を発揮せしめて、公共施設のみでなく、公用施設の建設についても、地方債を以てその財源とすることを認めるのが適当でないかと考えられるに至つたのであります。  改正の第二は公募債を中心として地方債に関する規定を整備しようとするものであります。地方債は従来その殆んど全部を政府資金によつて賄われ、民間資金を募集するいわゆる公募は、殆んど行われなかつたのでありますが、昭和二十八年度においては、地方財政計画上百八十億円の公募資金を予定しているのであります。これらの地方債を育成し、その信用を高めるためには規定を整える必要があるのであります。  その一は、公共施設又は公用施設を建設するために起した地方債の償還年限は、当該施設の耐用年数を越えないようにしなければならないものとすることであります。償還年限を耐用年数以上に延長致しますと、当該地方債によつて建設した施設が老朽し、再建のため再び資金を借り入れなければならない際、未だ旧債が償還されたいないということになつて、徒らに債務が加重して参るのであります。その結果は、財政を健全な基盤の上で運営することができなくなつて地方債償還についての信用をも損するに至る虞れがあるからであります。  その二は、証券発行の方法による地方債の発行及び償還について、技術的な事項を政令で規定するものとする外、この種の地方債について割引発行及び抽せん償還をすることができる旨の規定を設けることであります。  その三は、証券発行による地方債について商法の社債に関する規定の一部を準用することであります。証券による地方債について、公衆の保護を図る必要がありますため、募集の委託を受けた、いわゆる受託会社の権限及び義務について、商法の規定の一部を準用し、一面には、地方債権者のために、地方債の償還を受けるに必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をなす権限を保障することにより、受託会社が、地方債権者に代つて適切な行為を行うことができるものとし、他面には受託会社が地方債の償還を受けた場合は、遅滞なくその旨を公告するものとするほか、受託会社が二以上あるときは、地方債権者に対し、連帯して償還額の支払いをなす義務を負うものとしたのであります。  その四は、資金調達を容易ならしめるために、地方公共団体が、一部事務組合を設けて起す地方債については、当該組合と当該組合を組織する地方公共団体とが連帯してその償還及び利息の支払いをなす責に任ずるものとすることであります。  その他に、個人に対する市町村民税の所得割について、標準税率とみなすべき場合の税率の算定方法を規定し、地方公営企業法の施行により、不必要となつた規定を削除する等必要な規定の整備を行つております。  以上地方財政法の一部を改正する法律案の概要を御説明いたしたのでありますが、何率慎重御審議の上、速かに可決されんことをお願い致す次第であります。
  31. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に地方自治法の一部を改正する法律案提案理由の説明を聞きます。
  32. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 只今本委員会に付託になりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要について御説明申し上げます。  御承知のごとく目下地方制度調査会において地方制度の全般に亘つて調査審議が進められておりますので、地方自治法の実質に触れる改正はすべてその審議の結果に待つことにいたしておりますが、昨年末までにおいて成立をしました他の法律の制定及び改廃に伴い地方自治法の別表を整理する必要がありますので、これを整備することとし、なお、当面技術的な整備を必要とする若干の規定を併せて改正することといたしたく、この法律案提案致す次第でございます。  内容を簡単に御説明致しますと、先ず、昨年末までに成立いたしました各種法律の制定改廃に伴い、地方公共団体又はその機関が処理すべき事務について増減、変更を見たものが少くないので、これを別表の各相当欄に掲げ、又はそれぞれ規定に所要の改正を加えることが主たる改正案の内容であります。  なお、この機会地方自治法の本文中規定の改正をしようといたしましたのは、第一に税関の出張所及び監視署等を、その所掌する事務の性質上、国会の承認を経ないで設けることができる国の地方行政機関のうちに加えることとし、第二には広く地方公共団体の一般の職員について共同設置できることを明らかにし、事務の共同処理に便ならしめるようにしたのであります。その他市町村の固定資産評価審査会を地方公共団体の執行機関としての一般規定中に加える等一、二必要な規定について技術的整備を加えることといたしました。  なお、昨年全市町村に教育委員会が置かれるにあたり、教育委員会法の規定により、本年三月三十一日までは、従来教育事務を取扱つていた助役は教育長となり得ることになつているのでありますが、市町村の教育委員会実情に鑑み、当分の間、市町村の助役で教育長となり得る資格を有する者は、教育長と兼ね得る途を開いて置くことが適当と認められますので、附則においてこれに関する規定を設けることといたしたのであります。  以上が本法律案の概要であります。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申上げます。
  33. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案提案理由を聞きます。
  34. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 只今本委員会に付託になりました地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案につきまして、その提案の趣旨を御説明申上げます。  昨年第十三国会において御審議を願つて成立した地方自治法の一部を改正する法律により、地方公共団体及びその機関に対して事務処理を義務づけるには、必ず法律又はこれに基く政令によらなければならないこととなり、以つて地方自治の健全な自主的運営を図ることと相成つたのであります。  しかしながら、当時、政令以外の命令により、地方公共団体及びその機関に対して事務処理を義務づけていたものは、なお、数多く存じておりましたので、これらについては、経過的に、右の地方自治法の一部を改正する法律施行の日から起算して一年以内即ち昭和二十八年八月三十一日までに、改正後の地方自治法の規定に適合するように改正の措置がとられなければならないものとし、これらの命令は、その法律改正がなされるまで又は改正自治法施行の日から起算して一年以内に限つて、なお、その効力を有するものと規定されておりまして、それまでの間に、これらの法令の規定を整備しなければならないことに相成つているのであります。  右のような次第で、整理を必要とする法律は、右物営業法以下七十四法律に及んでおりますが、これらを統一的に整理することが適当と考えられますので、便宜一括して地方自治法の規定に適合するように、省令等の規定事項を政令により規定するための根拠規定を設け、又は法律で直接規定するように所要の改正を加えることといたしたのであります。  而してこの際関係法律中明らかに地方自治法の精神に副わないと認められる若干の規定については、これを整理し、その他必要な調整を行うこととし、なお、従来の省令等にある事務についても、できるだけ簡素化する趣旨の下に、法律により根拠を与える必要のないと認められるものは、その立法措置を避けることといたしたものも若干ございます。  以上が地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案提案の趣旨であります。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。  これを以て提案理由の説明といたします。
  35. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に地方税法の一部を改正する法律案提案理由を聞きます。
  36. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 只今議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略について簡単に御説明申上げます。  地方行政制度と併せて現行の地方税制度についても根本的な再検討を加える必要のあることは既に御承知通りでありまして、政府におきましてもその具体的な改革の方法につきましては既に地方制度調査会に諮問いたし、同調査会は、目下鋭意検討中であります。従いまして、地方税制度の体系にふれる根本的改革につきましては、調査会の答申をまつて出来るだけ速やかな機会に行財政制度の改革と併せ行うことが適当と存ずるのでありますが、地方財政及び地方税制運営実情に鑑み、現行税法に差当り必要最小限度の改正を行う必要を認め、本法律案提案致した次第であります。  次に本法律案内容について御説明申上げます。  改正の第一は、事業税及び特別所得税に関するものであります。その一は、個人事業税及び特別所得税の基礎控除額の引上に関するものであります。御承知通り、現行法は、個人事業税及び特別所得税については三万八千円の基礎控除を認めているのでありますが、少額所得者の負担を軽減し、納税の合理化を図るため、今回これを五万円に引上げようとするものであります。その二は青色申告法人について、損金算入を認める繰越欠損金の範囲の拡大に関するものであります。現行法上は二年でありますが、事業税及び特別所得税を更に一年存置することとなつたのに伴い、今回更に一年延長し、三年としようとするものであります。その三は課税標準の算定から除外されます国民健康保険法等各種保険法に基く療養の給付につき支払を受ける金額の範囲に関するものであります。現行法上は国民健康保険及び健康保険に基くものに限定せられているのでありますが、税務行政運営上遺憾な点がありますので、今回これを拡大合理化するとともに、従来疑義がありました療養の給付につき支払を受けた金額の範囲を明確化しようとするものであります。  改正の第二は定額税の税率の調整に関するものであります。現行自動車税及び入場税の税率は、昭和二十三年乃至昭和二十四年における物価を基礎として定められたままになつておりますが、その後における物価は相当に騰貴いたしており、各種手数料の額等もそれぞれ物価の変動に即応して調整せられていることにも鑑み、旁々地方財源確保の趣意を含めて、この際物価水準の変動等に照し所要の調整を加えようとするものであります。  改正の第三は、鉱区税に関するものであります。鉱区税につきましては、従来その徴収は困難を極めていたのでありますが、地方財政実情に鑑み、賦課期日を改訂すると共に、滞納者に対しては試掘権の期間延長及び転願を許可しないこととし、その徴収の確保を期することといたしたのであります。  改正の第四は、市町村民税の課税方法に関するものであります。御承知のように、市町村民税の課税方法としては、現在所得税額を課税標準とする第一方式、課税総所得金額を課税標準とする第二方式及び課税総所得金額から所得税額を控除した所謂所得税引き所得を課税標準とする第三方式の三方式が定められ、それぞれ制限税率が定められているのでありますが、この三方式につきいずれを採択するかは、全く市町村の自由に委ねられておりますので、結局実質的意味における制限税率は、課税総所得金額の百分の十又は所得税引き課税総所得金額の百分の二十となるわけであります。然るに市町村の実情によつては、第二方式による場合は課税技術上の困難を倍加し、徴収費の増嵩を招くこととなりますため、第一方式をとりつつ第二方式と同様の目的を達成し得るの方途を開くことが要望せられていたのであります。今回の改正はこの要望に応え、第一方式によつて課税した場合においても、その税額が第二方式によつた場合の制限を越えない限り、税率決定の自由を認めようとするものであります。  改正の第五は、昭和二十五年度分以前の法人事業税に関するものであります。即ち、昭和二十五年度分以前の法人事業税のうち、二以上の道府県に跨るものについて、調査が不十分であつたため分割基準の錯誤を来し、是正することを要するものがあるのでありますが、これに対する是正方法として再賦課処分を行うことは、納税義務者に迷惑を及ぼすことになりますので道府県相互の間において誤謬訂正による差額を決済することとし、簡便な方法により所期の目的を達成しようとするものであります。  以上が本法律案提案理由及びその内容の大略であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことを希望するものであります。
  37. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案提案理由を聞きます。
  38. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 只今提出いたしました地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案提案の理由及び内容の概要について、御説明申上げます。  各地方団体に対して交付すべき地方財政平衡交付金の額の算定に用います単位費用につきましては、給与改訂に要する経費や市町村教育委員会設置に要する経費の年間所要額等を算入することとするため、これを増額する必要が生じている反面、別途国から地方公共団体に交付されることとなつた義務教育費国庫負担金相当額等を控除することとするためこれを減額する必要も生じているのであります。  これに加え地方税法の改正案との関連におきまして、個人に対する市町村民税の所得割に係る基準財政収入額の算定方法に関する規定を整備する必要があるのであります。これらがこの法律案を提出する理由であります。  以下改正しようとする内容の概要について申上げます。  改正の第一は、単位費用を改正しようとすることであります。その一は、義務教育に従事する教職員の給与関係費、児童保護措置費及び義務教育教材費に対し、それぞれ国庫負担金制度が復活乃至新設されることになりましたので、これらにかかる基準財政需要額から国庫負担金相当額を減額することに伴う単位費用の改訂であります。即ち道府県分の小学校費及び中学校費並びにその他教育費に含まれている盲聾唖学校費のうち義務制の児童生徒にかかる基準財政需要額から教職員給与関係費の五割を減額し、道府県及び市町村の社会福祉費にかかる基準財政需要額から児童の保護措置に要する経費の八割を減額し、市町村の小学校費及び中学校費のうち学級数及び児童又は生徒数を測定単位とするものから、国が負担する教材費担当額を減額する方針の下に、それぞれ当該単位費用を改訂することといたしました。  その二は、給与改訂に伴う単位費用の改訂であります。昨年十一月から行われました給与改訂の結果、標準的な団体又は、施設に配置されるものとされた職員の給与に要する経費は増加いたしますので、これらの団体又は施設において、当該行政項目について必要な経費を測定単位の数値で除して定められる単位費用は、それぞれ増加するわけであります。従いまして反面、または橋梁費、戦災復興費及び災害復旧費の単位費用については、その算定に当り職員の配置を予想しておりませんため、給与改訂による増額はないのであります。  その三は、恩給費の算入が之に伴う単位費用の改訂であります。  恩給費は、従来、各行政項目に配置された職員に伴つて、各経費ごとの単位費用中に算入致しておりましたが、地方団体ではこの種の経費は一括して経理していますので、警察、消防費及び教育費を除きその他の経費の単位費用中に算入されておりましたものは一括してその他の行政費のうちのその他の諸費の単位費用中に算入することとしたのであります。  その四は、各種法令の制定改廃その他に伴う単位費用の改訂であります。  即ち、石油関係資材統制の撤廃によるこの種経費の産業経済費からの減額、市町村教育委員会に要する経費の平年度所要額算入のためのその他教育費の増額、学校建物単価の引上げ等による教育費等の増額などであります。  改正の第二は、測定単位を改正しようとすることであります。その一は、港湾費にかかるものであります。現在港湾における船舶の出入トン数を測定単位としておりますが、トン数が毎年度かなり大幅に変化いたして参りました上に、その変化が港湾費として地方団体が出費いたします港湾管理費や港湾施設費と必ずしも、直接の関係があるとも考えられないのであります。勿論港湾の態容というものは、千差万別でありまして、それぞれの財政需要を機械的に、而も的確に測定するということは、技術的に困難なものでありますが、種々検討の結果、港湾における船舶の出入トン数よりも、港湾における繋船岸の延長と港湾における防波堤の延長とを併用いたしましたほうが、合理的であると考えられましたので、これをもつて測定単位としようとするのであります。この改正の結果は、個個の港湾について財政需要額に若干の異動は免れないのでありますが、総額においては従前の額を維持することになつております。  その二は、社会福祉費にかかるものであります。  社会福祉費の測定単位につきましては、人口の外、当分の間、児童福祉施設入所者数と被生活保護者数を用い、それぞれ児童保護措置費及び生活保護費を測定することといたしておつたのであります。  然しながら、経費を余り細分して測定いたしますことは、一般財源としての地方財政平衡交付金について、とかくひもつき財源のごとき感じを与える虞れがあります上、本年度からは、児童保護措置費が生活保護費同様、八割国庫負担となる関係もありますので、この特例は廃止することといたしたのであります。  その三は、公債費にかかるものであります。公債費と云いますと、土木、衛生その他各種の行政費に充てた地方債の元利償還額を全部ここで測定するかの誤解を与えますので、この本来の趣旨に鑑み、その名を災害復旧費に改める外、測定単位は、現在災害復旧事業費及び防空関係事業費の財源に充てた地方債の元利償還金となつておりますのを、災害復旧事業費の財源に充てた地方債の元利償還金のみに改めたいのであります。  防空関係事業費の財源に充てた地方債の元利償還金を廃止いたしましたのは、この事業は直接には災害復旧費には該当いたしませんのと、インフレーシヨンの影響を受け、その元利償還金は現在では極めて少額なものとなつているからであります。  改正の第三は、道府県を通じ義務教育にかかる経費に必要な財源の保障を厚くするため道府県基準財政収入額の算定に用いる基準税率を地方税法で定められました標準税率の百分の七十から百分の八十に引上げようとすることであります。普通交付金の算定に用います基準財政需要額は、特別交付金及び地方税の収入のうち基準財政収入額に相当するもの以外のものを財源とすべき部分を除いて算定されるため義務的経費についても、或る程度圧縮されており、昭和二十七年度分についてみますと、義務教育教職員の給与関係費にかかる基準財政需要額は、地方財政計画上のそれに対し、八八%程度となつていたのであります。そこで基準財政需要額に充てられるべき財源たる基準財政収入額を標準税率で算定された税収入見込額の七割から八割に増額する反面、この種の義務的経費は地方財政計画に算入されているとおおむね同額を基準財政需要額として算定することとして、すべての道府県に対する財源保障の程度を高くすることといたしたいのであります。  改正の第四は、あらたに個人に対する市町村民税の所得割に係る基準財政収入額の算定方法に関する規定を設けようとすることであります。  市町村にかかる基準財政収入額は法定普通税について標準税率の七八%、即ち基準税率で算定した収入見込額であります。  而して、個人に対する市町村民税にかかる所得割については、現在、地方税法上、課税方式の選択が許されておりますが、基準財政収入額の算定においては、所得税額を課税標準とし、その標準税率百分の十八を用いておつたのであります。然しながら、今回予定しております地方税法の改正法案によりますと、この種の標準税率が削除されますので、地方財政平衡交付金法中に、基準財政収入額算定の際用いる課税標準を所得税額とし、その税率を百分の十八とすることを規定することといたしたのであります。  以上内容の概要について御説明申上げました。  何卒慎重御審議の上速かに可決されんことをお願いいたします。
  39. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に消防施設強化促進法案について法務政務次官より提案理由の説明を願います。
  40. 三浦寅之助

    政府委員三浦寅之助君) 今般提案いたしました消防施設強化促進法案提案の理由並びにその内容につきまして御説明申上げます。  この法律案提案いたしました理由は、消防施設を購入し、又は設置しようとする市町村に対し、その費用の一部を国において補助する途を開きまして、消防施設の強化促進をはかるためであります。  御承知のごとく、昭和二十二年消防組織法が制定され、消防は市町村の責任において管理されることになつたのでありますが、同法は、その制定の頭初から第二十五条におきまして「市町村の消防に要する費用に対する補助金に関しては法律でこれを定める」旨の規定を設け、補助金法定の途を開いていたのでありますが、現在まで未だその運びに至らなかつたのであります。  一方消防の財源措置につきましては、必ずしも十分ではなく、あまつさえ市町村の財政状態は窮迫いたしております関係上、消防施設は整備強化されるすべもなくして極めて劣弱な状態のまま今日に及んでいるような次第であります。  翻つて火災による損害の状況をみますに、逐年増加の一途を辿り、昭和二十七年の年間統計によりますと火災件数二万二千余件、焼失坪数約七十二万坪、損害見積額は、実に三百八十六億円の多きに及んでいるのであります。  右のような事情にありますので、この際速やかなる消防施設の強化をはかる必要がありまして、今回国庫から補助金を市町村に交付する措置を講じ、その消防施設の整備を促進し、火災による損害の軽減に万全を期するため、本法案を提出した次第であります。  次にこの法律案内容について御説明申しあげます。  この法案は、本文七条及び附則一項からなつております。  先づ第一条においてこの法律の目的について定め、第二条におきましては消防施設を購入し又は設置しようとする市町村に対し、国はその費用の一部を補助することができる旨を定めております。  次に第三条におきましては、補助すべき対象を消防の用に供する機械器具及び設備とし、政令で定めることとしたのであります。  第四条は、補助基本額及び補助率について定めております。すなわち消防施設の種類及び規格ごとに内閣総理大臣が基準額を定め、予算の範囲内でその三分の一以内を補助することといたしました。  次に第五条は、補助の申請について規定してあります。即ち、市町村長は、都道府県知事を経由して内閣総理大臣に申請書を提出することとし、申請書の様式、添付書類等は、総理府令で定めることとしたのであります。この場合都道府県知事は必要な意見をつけることができることといたしました。  次に第六条でありますが、これは、補助金の使途を適正ならしめるために、正当な理由がなくて施設の購入又は設置の全部又は一部を行わないこととなつたとき、補助の目的以外に使用したとき、又は内閣総理大臣の指示に違反したと認められるときのいずれかに該当しますときは、内閣総理大臣は、補助金の交付を取り消し、停止し又は交付した補助金を返還させることができる旨を規定しました。この場合、市町村長に事前に釈明の意見を述べ、証拠を提出する機会を与えることとしております。  次に第七条におきましては、更に一層補助金を有効適切に使用するため、内閣総理大臣が目的達成の、ため必要な限度において市町村長に対し必要な指示を行い、報告書の提出を命じ、又は職員に実施検査させることができるように定めたのであります。  最後に、附則においてこの法律は、公布の日から施行することといたしました。  以上がこの法律案提出の理由及びその内容の大要であります。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申しあげます。
  41. 内村清次

    委員長内村清次君) この法案につきまして衆議院で修正がされておりますが、修正の経緯につきまして、瀧野国家消防本部長から状況をお聞きしたいと思います。
  42. 瀧野好曉

    政府委員瀧野好曉君) 今般提案されました消防施設強化促進法案の衆議院におきまする審議経過につきまして、極く簡単に御説明申上げます。  去る六月十六日に提案されまして、同月の二十三日に衆議院地方行政委員会において本法案についての提案理由の説明がなされ、爾後数回に亘り同委員会の審議の結果、七月六日お手許に配付してあります通り消防施設強化促進法案に対する修正案が各派共同で提出されました。修正案及び修正案を除いた原案に対する討論採決の結果、修正案及び修正案を除く原案はいずれも可決され、翌七日衆議院本会議に上程可決されたのであります。  以上がこの法案の衆議院におきまする審議の経過の極くあらましでございます。よく御了承をお願いいたします。
  43. 内村清次

    委員長内村清次君) 次に塚田長官が見えておりますから、西日本の災害と地方財政関係について、一応政府のほうから説明をして頂くことにいたします。
  44. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) このたびの西日本の災害につきましては、私どもも非常に心痛をいたしております。殊に最近現地に行かれて帰つて参りました方々の報告を聞きますと、口を合せたように東京で一般に報道され、そうして承知しておるものよりも、遥かに被害は大きい。勿論私たちがものを判断いたしますときには、大抵報道機関のものによつてものを考え判断をしておるのでありますが、最近の東京の新聞は余り来ませんものでありますから、非常に何かこう感じが薄れておるような気持がいたしておるらしいのであります。そういう報告を聞きますにつけましても、非常に私どもが今度の西日本の被害がどんなに重大であつたかということを考えて、心配をいたしておるわけであります。  そこで自治庁といたしましても、いろいろ自治庁の所管の仕事で手を打つべき事柄について、先般来手を打つておるのでありますが、何にいたしましても、当面の問題は自治庁所管でありませんので、結局、金を出していろいろやつて貰う、その管理を最後に地方団体の財政の面でどういう工合に見るかということになつて来るわけなんでありまして、従つて爾後の措置になるのでありますが、自治庁として今までやりましたもの、それから今後にそういうものについてどういう工合にやろうと考えているかということについて、極く簡単に御報告申上げておきたいと考えておるわけであります。  先ず第一に、丁度あの時期が七月分の平衡交付金を配分する時期になつておりましたので、七月暫定で組まれておりました平衡交付金総額の中から五億だけを特別に控除いたしまして、この分を今度の罹災七府県に配分をいたしたわけであります。その数字は後ほど自治庁から御説明申上げることにいたしたいと思います。大体府県分三億、市町村分二億というようにこれを配分したわけであります。それからして災害の応急復旧又は復旧のための国庫補助金又は起債等の決定以前に必要な資金は、御承知のように大蔵省の所管で、繋ぎ融資を出しておるのでありますが、最初に十億を出しまして、その後に又十億を出し、更に十億というわけで、合計三十億が出るようになつている予定であります。それから次に災害を受けた土地におられる地方公務員の給与の繰り上げ支給、これは国が同じような措置をとりましたので、それと同じように七月分に限り三日及び二十日に繰り上げて、分割支給するように、これは七月三日に各関係県宛てに通知を出しました。  それから次に地方公務員の諸君の共済組合からの見舞金その他の給付でありますが、これは現在、各府県の組合員がもつております運用の枠がおのずからありますので、その枠は一ぱいに使つてよろしい。更にその上に中央から各府県に二百万円ずつを追加送付をして、それに充てる措置をいたしました。それから自治庁といたしましては、政務次官と細郷理財課長ですが、細郷君が早く行きまして、そのあとで政務次官が追い馳けて現地に行かれまして、西日本の災害対策本部に着いて、あちらこちらを見舞いに行つたり、又は調査をしたりされておるわけであります。  それから災害のあとの措置でありますが、御承知のように、今御審議願つております国の予算には、災害のための公共事業費が百億組んであるのでありまして、その百億の裏付けになります地方負担額として起債の枠が二十五億円、これは全額起債でもつて予定をしてありますから、この国の百億で一ぱいで出します限りは、地方の負担分はこの意味においては十分あると考えられておるのですが、併しこれが若し殖えるようになれば、当然又殖えなくちやならない、そういうように考えております。従つてこの繋ぎ融資として、先ほど申上げました三十億の中から、一時融資を受けますのは、今の起債で当然割当つて来るものと、国の補助金と、そういうものを全部対象にした額だけは、繋ぎ融資を受けてよろしいとこういうようにしてあるわけです。  それから一般単独災害のほうは、恐らく今度の災害の大部分は公共災害になると思うので、一般単独災害の復旧が殖えるということは、そうたんとはないのではないかと考えておるのでありますが、併しこのほうは御承知のように五十億円、これは過年度分と現年度分を含めてでありますが、五十億円あるわけです。そのうち、現年度分に属するものがおおむね二十五億円あるのですが、これも災害で若し実際足りないというのであれば、何がしかを追加しなくちやならんというふうに考えております。  それからして公共災害復旧事業に対して起債をいたしました。その起債をした後の元利償還をどうするかという問題は、これは普通平衡交付金の算定をいたします際に、おおむね九五%程度は財政需要に見込むことにいたしております。それから単独災害の復旧事業に対する部分は、この起債の元利償還金は特別平衡交付金の算定の際に、これは一部分三五%程度見込むことになつておる。それから災害救助費の地方負担額というものは、これもまあできるだけ特別平衡交付金の算定の際に見込みたいと考えております。  今後とるべき対策でございますが、先ほどもちよつと申上げたように、一般単独事業及び公共事業起債については、当然必要があれば、今後これは何とかして少し殖やしたいと考えております。それから今までこの起債で許しておりますものを、若し希望があるならば、今度の災害の分に振替えて使用することがよろしいというようにいたしております。それから災害の復旧が余りひまが要るようでは困りますので、自治庁といたしましては、戦争前に災害復旧が大体初年度に三、次年度に五、三年目に二という割合の復旧率で以てやつてつたのでありますが、その程度の復旧率が是非確保されるように必要な措置を講じたいと、こういうように考えております。  以上で大体でありますが、なお説明の不足な部分は次長から補足説明をいたさせたいと思います。
  45. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) 只今の大臣のお話に補足をして申し上げます。  一番最後の表のところを御覧願いたいと思いますが、これは今回の西日本の水害復旧緊急融資その他財政資金として流しましたものを特に拾い上げたのであります。  一番最初の欄にございます第一次融資十億円、これは繋ぎ融資として最初に出したものであります。それからその次の第二次融資十億円、これは七月六日に出しました。それからその次の平衡交付金特別加算額、これは七月分の、その次の欄に(参考)平衡交付金七月交付額とございますが、七月暫定予算に計上されました平衡交付金が全部で百八億でありますが、それは全地方団体に、富裕団体を除きました全地方団体に交付されるべきものであります。そのうちからこれを五億だけをとりまして、この災害地の府県に、被災戸数、被災耕地面積並びに被災人口というものを基準にして配分いたしたのであります。その次の欄は一般的な基準によつて参りますものであります。参考の平衡交付金の欄は……、その次の災害救助費繋ぎ融資、これは災害救助法に基く災害救助に必要な経費は、今回一応きめましたのは八幡八千万でございますが、そのうち国庫補助が四億でありまして、地方負担が四億八千万であります。で、この国庫補助を見込むのは予備費から支出をすることになつておりまして、それの支出が行われますまでのつなぎといたしまして、二億九千八百万だけを取あえず短期融資をいたしたのであります。それらを合せまして、この計の欄にございますが、この参考の七月平衡交付金の分だけを抜きましたものでありまして、抜きますと、山口が八千四百万、愛媛が九百三十三万、福岡が一億、佐賀が四億四千、長崎が五千五百万、熊本が七億四千万、大分が三億六千七百万、合計二十七億九千八百万円であります。  その次の欄に参考として台風第二号以前災分つなぎ融資三億五千万円とございますが、これは本年度の北海道とか東北地方等の融雪災害、それから先般の台風第二号の関係のやはり公共災害の繋ぎ融資といたしまして、北海道などを含めまして全体の三億五千万出したのでありますが、そのうち台風第二号の関係で今回の水害と同一府県に出ました分をここに書いたのであります。それが一億六千万あるわけでありまして、山口に五千万、愛媛三千万、福岡五千万、長崎三千万出ておるのであります。  その次の最後の欄が参考でありますがこれはちよつと、ミスプリントでありまして、AプラスBプラスDプラスEプラスFですか、このDの中にCの額が入つておるのであります。これは全体の費用の総計であります。これが山口が三億、愛媛が三億、福岡が十二億、佐賀が五億、長崎が二億八千、熊本が十億、大分が五億九千万、合計四十三億というのが、大体六、七月を見合つて出ております財政資金でございます。  なおこれに対してこの地方の税収でございますが、六月には市町村民税の所得割の納期が参ります。七月には固定資産税の納期が参ります。八月は事業税の個人関係の分が納期が参るのでありますが、これらのものはとれるにいたしましても、どうしても徴収の時期が遅れることになりましようし、減免されるものも当然に出て参りますからして、さような面のほうから参りまする穴を埋めなきやならんと思うのであります。と同時にこの災害救助の地方負担分でございますとか、応急の復旧の措置、それには公共災害に属するものもございましようし、単独災害に属するものもございましようが、これらのものが全体の支出、必要の支出として又地方にかかつて来るわけであります。  それら全体の必要なる歳入の欠陥及び歳出というものと、今廻しましたこの四十三億というものとが大体においてマツチするかどうかということが、この六、七月の財政収支の問題になつて来るわけでありますが、ただ遺憾ながら、現地は理財課長を派遣しておりまして、明日恐らく帰つて来ると思いますが、その上で大体の事情が判明いたすと思うのでありますけれども、各省関係の被害の査定が確定をいたしませんというと、或いは確定とまでは参りませんでも、大体明確になりませんというと、所要の額が判明いたしませんので、各府県市町村がどの程度の財政の状況にあるか明確でございませんが、大体電話の連絡では、府県につきましては大体三億乃至五億の手持の資金があると、こういうような一昨日の理財課長の報告でございまするので、今のこの程度の金がそれに加わつて出て参りまするならば、応急のこの七月中の支給には何とかこぎ付け得るのではないか、八月に入る前、七月の下旬の大体の状態を見ました上で、更に必要な措置を要するならば、早急に措置をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  46. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 ちよつと一点だけ塚田長官にお伺いしたいのですが、九州の災害については誠に御同情に堪えないのですが、そのほかの府県は、特別平衡交付金なり起債なりというものは、大体平年度と申しますか、こういう異例に属する災害を予想しなかつたのであります。従つてどうも平衡交付金なり起債なりが、若しその枠内で災害地に流用と申しますか、そうすると却つてほかの府県というものは非常にこの特別平衡交付金なり起債なりが圧縮されるというようなことはないと思いますか。そういう点は非常に心配しておるのですが、その点についての御見解を……。
  47. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) その点は実は私も非常に心配いたしておる点なんであります。又平衡交付金の八%を特別平衡交付金として、額もおのずから限られておるし、これくらいの額はこういう突発した事態がなくても必要であるということになつておるのであります。ですからこれは何とか処置しなければならなくなるのではないかということを実は考えております。ただまあこれを処置いたします場合にも、平衡交付金をぽつんと殖やすだけでは、八%しか特別平衡交付金に廻りませんから、そうなれば、仮に国会で平衡交付金の総額をこの災害のための分として御修正になるならば、それについては、特別平衡交付金に廻す分を予定するという何か法律的措置を併せ考えなければならんという私の考えです、今これも事務当局にいろいろ現地の情勢がわかつたら、その他それに対応する処置を講ずる研究をさしております。
  48. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 従つて長官のお話も、これは是非、今度の異例の災害による地方財政に及ぼす財政的な影響というものは、数字的に十分はじきだして、その分はプラス・アルフワーとして平衡交付金において御考慮願いたいと思います。
  49. 内村清次

    委員長内村清次君) 委員長からも、実はこれは希望意見ですが、私も院議で調査して来た一員でございますから、勿論現地ではこの対策本部に丁度見えておりました政務次官青木君にお会いしました。で、視察してみますると、もう一村全滅しておるもの、又一町全部全滅しておるというような事態で、恐らく今日徴税の能力なんということは到底考えられない。而も又それに対する応急処置ですね。これあたりが現在の起債だとか或いは又政府からの補助、県からの補助、こういうような関連的な公共事業費の問題にいたしましても、到底それだけの費用を出すだけの余力もないんですな。それに対しましては、先ほど長官も言われましたように、特別平衡交付金の八%だけまあ政治的にこれを使つて行くとしましても、とてもこれでも追つつかない。それからこの際、やはり平衡交付金の増額をして、全体の額を増額をして、そして又それを支給するところの現在の平衡交付金法というものに関連した別途の立法が、私は必要ではないかということで、政務次官にも話をしましたわけですが、大体政務次官も同意見のようでございまして、この点は長官どういうふうにお考えでございますか。何とかしてやはり緊急立法とか臨時立法でもして頂いてやつて貰わないと、到底そこは立上りができませんですね、その点一つ
  50. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 只今も申上げましたように、私も委員長のお考えと同感であります。ただ時期的にどういうことにいたしますか、この国会にいたしますか、当面の措置、まあ今度予算ができればできると思うんです。ただそれをやりました場合に、今まあ高橋君からも御質問がありましたように、他の府県の今年一年のいろいろな財政需要に対する平衡交付金の配分が、額が不足になつてうまく行かないということがありはせんか、そのときにただ平衡交付金を殖やしましても、一般のものと特別のものとの配分の率を変えませんと、今の平衡交付金法では思うように行かないと思うんです。その場合にはやはり特別立法なるものを必要とするんじやないか、私の考えはそうであります。
  51. 内村清次

    委員長内村清次君) ほかにありませんか。
  52. 若木勝藏

    若木勝藏君 詳細のことは現地の報告によつてはつきりするだろうと思うのでありますけれども、今のところ、どれだけの一体総額において災害地の要請がされて、それに対して如何なる方法政府として救済して行くかという見通しについて、あらましでよろしゆうございますが……。
  53. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) その点は私の所管の仕事でありませんので、はつきりした正確なことは申上げられませんが、この間閣議で一応話になつておりましたのでは、非常にまあ被害が大きい、つまり過去のいろいろな台風の被害なんかに比較してみますと、五、六百億の被害というようなことを話していられました。併し、いつの機会にも、初めのうちに出て来る被害額の数字はかなり大きなものと存じますので、そういうような数字を基礎において、少くとも三十億は当面繋ぎ融資が必要であるということが現地の大野国務大臣から東京の本部に連絡があつた。それに対して二十億だけは措置した。第一回の十億、第二回の十億、残つた十億を現地の事情も分らずに東京で削つたんじやないかというので、非常に誤解があつたようでございますが、それはこの間閣議での各閣僚の説明を聞いておりますと、いや、別に大蔵大臣が削つたのではない、必要があれば当然出すものなのだ、そう一時にどんどん出しても、必らずしも今すぐ必要であるかどうかということが分らんという、取りあえず第二次分として二十億という考え方であつたということであります。大体あの時に私が感じましたところでは、三十億は全然現地の要求通りに出るものである、こういうように考えております。今繋ぎ融資で大体出しておりますのが三十億、そのほかに只今次長が説明いたしました災害救助のためのもの、そういうものがあるわけでありますが、今後、結局いよいよ現実の被害が分りますと、それに対しまして災害復旧費が出て、それに対して起債が出て、その額が三十億を越えるということになれば、この越えた額だけ追加出資すると、いうことになると思います。併し実際にどういう工合になるかということは、今の段階では全然私のところには勿論分つておりませんが、建設省その他でも分つておらないようであります。
  54. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうすると、六百億ということになつて来ると、これは相当大きな額ですな。今度は災害復旧費、私もその点はつきりしませんが、そういうふうなものを考慮して行く、更に不足分が出て来るんじやないかと思いますが、どういうふうにして据置したらよいでしようか。
  55. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは二十八年度予算に載つております災害復旧の予算の百億も、普通の年度の場合を考慮においておりますので、今後もまだ災害がないとは勿論言われませんので、今度のような突発災害が出て参りましたわけですから、当然これも必要額を越えてしまうであろう、不足を生じてしまうであろうと考えられますけれども、そうなれば、これは当然今度の国会の修正で措置されますか、或いは補正予算の時に措置されるか、ただ時期的には今度の国会の修正というところには行かずに、補正予算の時にということになるのじやないかと思われます。
  56. 内村清次

    委員長内村清次君) ほかにございませんか。それでは一応この議題はこれでおきまして、逐次情報が分り次第、据置が取れましたならば、委員会に報告して、その上で質疑を取交わすということにいたします。
  57. 内村清次

    委員長内村清次君) 次の議題の消防施設強化促進法案に移りたいと思います。先ず政府のほうから一つ説明、逐条説明はありませんか。なければ、委員のかたの質疑に入りたいと思います。
  58. 瀧野好曉

    政府委員瀧野好曉君) 大体先ほどの提案理由の説明で、大体の逐条の説明になつておりますが、御質疑にお答えしたほうがいいと思います。
  59. 内村清次

    委員長内村清次君) どういたしましようか。時間も大体四時に近ずきましたから、質疑はこの次にいたしまして、衆議院のほうとの町村合併の法案の審議をいたします。それではそのように取計らつてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 内村清次

    委員長内村清次君) それではそのように取計らうことにいたします。暫く休憩いたします。    午後三時五十六分休憩    —————・—————    午後四時十九分開会
  61. 内村清次

    委員長内村清次君) 休憩前に引続き委員会を開きます。  では本日はこの程度で散会いたします。    午後四時二十分散会