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1953-07-01 第16回国会 参議院 水産委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月一日(水曜日)    午後一時四十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     森崎  隆君    理事            秋山俊一郎君    委員            青山 正一君            森 八三一君            菊田 七平君   政府委員    農林省農林経済    局長      小倉 武一君    水産庁長官   清井  正君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    経済審議庁調整    部農林課長   森  茂雄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水産政策に関する調査の件  (水産金融に関する件)   —————————————
  2. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは本日の会議開きます。  本日の議題は水産金融に関する件でございますが、これは委員各位御存じ通り漁業者関係金融問題につきまして、特に最近は業者間から熱心に陳情があり、その根本はいろいろ融資関係で不満があつたのだろうと思います。まあ実情を聞きますと、非常に尤もな点もございまして、特に今日、定例日以外でございまするが、お集まり頂きまして、農林省関係経済審議庁関係実態をいろいろ聞きまして、できることならば、一つ漁業者全体の意向を尊重してもらいたいというのが狙いでございます。ここに資料もほんの一、二部作りましたのは、専門員室で非常に苦心をいたしまして、いろいろなものを作り上げたのでございますが、これを見ましても非常に漁業関係は不利なような取扱いを受けておるように我々のほうでは考えるわけでございます。こういう点につきまして、皆様方から忌憚なく御質問頂きたいと思います。本日は水産庁清井長官農林省農林経済局長小倉さん、松岡金融課長、それから経済審議庁のほうでは磯野産業課長並びに森農林課長その他のかたが見えておりますから、どうぞお願いいたします。
  3. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 今委員長からお話のございましたように、この水産関係に対する金融の途が開かれてはおるのでありますが、非常に資金の枠が小さい。漁業も従来農業と違いまして、かなり組合等の運動は立遅れておるのでありまして、戦後これが強化に官庁も又民間漁業者やつきになつておるのでありますが、昨今特に金融方面の梗塞によりましていろいろな施設を行おうとする場合に非常に苦心をしておるわけであります。ところで今回制定せられております農林漁業金融公庫というものから貸出されるところの資金が、ここに表が出ておりますが、御覧通り申込に対する貸出比率が一番下位にある。塩業のごときは九九%、殆んど一〇〇%に近い貸出をしておるし、又林業においても九七%、農業で見ましても七六%というような率の貸出をしておるのに、ひとり水産に対しては僅かに申込に対して六〇%しか貸しておらん。又この枠も大体そういうふうにきめられて来ておるようでありますが、これは如何ような理由でかように水産というものが低位にあるか、とかくすべての点に水産はいつも他の農林漁業に比較して非常に下位に置かれておることは我々の非常に遺憾とするところでありますが、どういうわけで、こんなに比率を違えなきやならんものであるかということについて経済局長お答えを頂きたい。
  4. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 只今農林漁業資金申込受理額貸付決定額比率につきまして、各業種別について相当開きがあるということでございまして、これはお話通りでございますと思います。ただ私もよくどういうわけでこういう開きがあるかという理由はいろいろあると思いますが、詳細に必ずしも分析して承知しておるわけじやございませんけれども一つ貸付の枠の金額というものが各業種別にそれぞれ適正に、公正になされているかどうかということがあろうかと思います。それからもう一つ貸付申込やり方と申しますか、指導の仕方、特に県庁などのやり方につきまして、相当やはり違いが出て来はしないかと思うのでありますが、なおその他の原因はあるかも知れませんけれども、さような事情が相待つてかような率に相成つておるのではないか、かように存じます。
  5. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 今のお答えでは納得が行かんのですが、そうすると、県庁あたり取扱いがまずいということでございますか。
  6. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) いや、その取扱方がまずい、よいということでなくて、業種によりましては一応枠がきまりますと、その枠の中で指導的に申請すべきものを或る程度セレクトいたしまして、そのうちから申請が出て来るというようなことにやつておる向きもあるのでありますが、従いまして、そういうふうになりますと、枠以上にはみ出すような申請は表向きは出て来ない、こういう恰好になるわけであります。そういうことが恐らく一つ原因であろうと思いますが、勿論それだけが原因であろうというふうにも必ずしも思つておりませんので、この業種別申込決定金額相当開きがあるということにつきましては、業種別金額の配分が適正かどうかということについても問題があろうかと思つております。
  7. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 これは農林漁業金融公庫の調べという細かい表がここに出ておりますが、この毎年貸付計画を立てて行く場合にいわゆる貸付の枠をあらかじめきめられるわけでありますが、その枠をきめる基準は何によつてこの枠がきまるわけですか。
  8. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) その枠の基準のきめ方も貸付対象業種によりまして必ずしも同一でございませんで、例えば業種による、土地改良等によるということになりますと、相当の年月の、数年間の事業計画と申しまするか、計画がまあ立つておるわけであります。そういうものは農林省といたしましては、できるだけ既定の年次別計画金融の面から見ても達成できるようにというふうに考えるわけであります。例えば土地改良でありますとか、造林でありますとか、或いは漁港というようなものにも恐らくそういうことがあるのじやないかと思いまするが、そういうわけでやつておりますが、共同施設ということになりますと、必ずしもそういう年次計画があるわけでもございません。ものによつては多少それに類似したものがございますが、一般的に申しますると、先ほど申しましたような年次計画というものが必ずしも……、ないものがあるわけであります。従いまして今申しましたような年次計画のあるものはその年次計画が達成できるように、その他のものについてもできるだけ諸般の情勢を考慮してきめて行くということで、予算要求と申しますか、一般会計、それから預金部資金等要求をするわけでありますけれども政府予算案として成立いたしまするものは農林省の原案通り参りませんものですから、相当そこに開きが出て来るわけであります。この本日御配付になつておりまする二十八年度の貸付計画を見ましても、必ずしも年次計画がそのままこれによつて実行できるという数字でございませんが、経過を申上げますと、そういうことを織込んでおるわけであります。なお特別法ができまして、例えば小水力の電気導入でございますが、農山漁村電気導入を促進すると、こういつたような法律が新らしくできると、そんなことになりますというと、これはやはりそういう点を若干考えなくちやならない、或いはこれは昨年の追加予算のときからでございまするが、堆肥舎、サイロといつたようなものにつきまして新らしく業種に入れるということになりますれば、そのことも考えなければならんという附随的な問題もございまするが、大筋は今申上げましたようなことでございまして、特にはつきりした計画というものが必ずしもあるわけではございません。
  9. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 初めから水産に対する枠というものを極めて低位置にきめて行くというふうな恰好から来ておるんじやないかと思うのですが、この表で見ましても、水産の枠とそれから申込書比率と対照しまして、そうして貸出を見ましても、他の団体のほうは大体貸付計画に対して申込もほぼ似通つたものが出ておつて、そうしてその申込のいわゆる九〇%とか、或いは九九%とかいうものが出ておるが、水産に関する限りぐつと下げてあるということも非常な疑念を持つわけであります。かようなふうに水産というものを差別扱いをするということについては、我々は日頃からどうもあきたらず思つておるわけでありますけれども、特にこういうふうに数字に現わして見ますと、著しい差があるということについては何らかのそこに理由があるのか、理由があるのならば、はつきりした理由を整理するということによつてこれが解決して行くんじやないかというふうに思うのですが、例えて言えば、水産申込が非常に杜撰であつて実際はそんなに要らないんだというような見込でこういうふうになるものであるかどうか。恐らくこういう数字水産庁が一応これを目を通して出しておるものと私どもは思うのですが、水産庁としまして、かような水産関係が非常に差別があるということに対して、何かこういうことのためにそういうふうになるんじやないかといつたような事情でも御存じであつたら一つ解決してもらいたいと思います。
  10. 清井正

    政府委員清井正君) 只今秋山委員からの御質問でございますが、私どもといたしましても、水産関係金融につきましては民間からも非常に要望がございますし、何とか金融の面についてできるだけ要望に答えたいと思つて日頃努力しているわけであります。特に只今問題になつておりますところの農林漁業公庫関係特融資金でございまするが、その点につきましても、主としてこれが協同組合要求する資金でございまして、私ども漁業協同組合関係のそれぞれの施設につきまして十分融資を斡旋いたしまして、水産業協同組合全般拡充強化に資しなきやならんというふうに考えて、日頃措置をいたしておるわけであります。只今の御質問の点でございますが、殊に水産関係金融の面から申しますというとなかなか実際問題として不利な点があるのでございまして、その点を何とかしてカバーいたしまして、いろいろな措置を講じまして金融ベースにのせなきやならんという努力は常にしなきやならんことは御承知の通りであります。私どももそういう意味合において常々指導いたしておるのでございますが、特に数字上つて参つておりますのも、要するに関係業界において非常に政府からの特融を希望しておると思う地元関係団体において、その施設のために特融に仰ぐ要望が非常に熾烈であるということの実態は十分わかるのでありますが、それらについて特に水産関係の特別な事情ということにつきましては、私どもは了解しておらないのであります。
  11. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 昨年あたりからでありますが、この資金枠の少いために水産関係申込に対して非常に困りまして、たしかいろいろとやりくりをしてそれを貸出しして、金融公庫なつたときにそれを切替えたといつたような事実もあつたはずでありますが、それほどまでに実際貸せることは貸せるけれども、枠がないから貸せないということは私は非常に不都合だと思います。それが同じ比率でいつて枠がないならば我々も納得が行くのでありますが、特にこの表を見ましても、畜産は少いのですが、畜産農業の一環と見てもいいような産業であります。水産業というものは業界も全然違つておりますので、特に立遅れている組合を伸して行こうという際に最も不利な状態におくということは政府方針にも副わないことでありまして、何とこれは一般のレベルまでは引上げるべきものだと我々は考えるのでありますが、農林当局といたしまして、特に経済局として、やはりこういうふうな低率でいつまでも進むつもりかという御意見を承わりたいと思います。
  12. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) この貸付申請に対する率の問題でございますが、こういう激しい差があることが当然だとは決して考えておりませんのでございまして、これが非常な漁業生産力を高めるために必要な申込に対して、相当他の業種と比べて圧縮しているということでございますれば、その点は実行上、それから今後の資金枠のきめ方というようなことについて十分参照すべき数字であるというふうに考えております。
  13. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そうしますと、この数字御覧になつて、他の業種と比較しまして水産を圧縮しているというふうにお考えになりませんか。
  14. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) この数字が他の業種から見まして特に水産を圧縮しているということを示すかどうかにつきまして、先ほどちよつと申上げたのですが、一応勿論そういうふうに推察するということは尤もだと思います。ただ仔細に私ども検討していませんので、はつきりしたことを申上げるわけには参りませんけれども、この申込についての指導の仕方が業種によつて、これは特に水産というわけではございませんが、同じ農業の中においてやはりこれは相当つているやり方をやつておりますので、この比率だけで、例えば水産の場合よろしいにしても、同じ農業内部で以ちまして、この比率が例えば六割と九割とある場合に、六割のときに圧縮したというふうなことには必ずしもならんような場合があるではないかということもちよつと心配をいたすものですから、その辺を少し内容を、水産庁の御意見も十分承わりまして、この数字本当の真摯な貸付要望を他の業種と比べて特に圧縮をしておるのだというふうでございますれば、実施上特段の考慮をしなければならんものだというふうに考えております。
  15. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 一昨年末でありましたか、昨年末でありましたか、はつきり覚えはないのですけれども、この枠が農業方面ではかなり年末になつて余つている。貸出さないで余つている。水産は足らなくて困つているので、それを農林省内部であるから融通すべくいろいろ我々は水産庁を鞭撻しましたが、それが殆んど融通ができないで困つたままで過したこともあるのであります。そういつたような事実等について水産庁は同じ農林省の一部でありますから、もつと今経済局長お話のような考え方であるとするならば、そういうふうな融通は付けて差支えないのではないか。特にこういうふうな低率にある場合に、我々としては是非今後の枠のきめ方は、かような不均衡なきめ方をしてもらいたくない。若し漁業者漁業協同組合等申込に対して水産庁指導が悪いならば、それを是正してもらいたい。同じ農林大臣の傘下にあつて指導がいいとか、指導が悪いとかいうことで差別を付けられるということは、国民はたまつたものじやない。これはお互いに全然別の庁ではないのでありますから、そういうところの、こういうふうな指導をしなければならんということならば、それははつきりしてやるべきであると私は考えるのでございまして、他人のように考えないで、指導の悪い点はよく話合つて、揆を一にしてやつてもらいたい。そうしないから、こういうものができて来るとするならば、これは農林大臣の私は責任だと、農林大臣を補佐するところの幹部の責任と言えるでしよう。ただ結果において指導が悪かつたからというのでは我々は納得がいかん。指導の面に違いがあるならば、それの食違いを是正してやるべきであつて、そういうことでこれを違えているのでは国民は誰一人納得いかんと思うのです。私はこの問題は現在の水産業界におきましては非常に大きな問題であつて、まだこのほかに私は質問したい点がありますが、この協同組合の必要とする資金、即ち折角できた金融公庫というものが、水産に対する枠が非常に少いという、これは本当にもう少し枠があるならば、水産業者の希望はうんとあると思うのですけれども、余りにも枠が少ないから、やむを得ず控えておるという点もあるのでありますが、それを更に圧縮されたんじや、たまつたものじやない。ですから今後の枠を定める場合には、水産庁ともその間の指導の点なり、或いは業者意向なりというものを十分検討して枠をきめて頂きたい。これは誰が見ましても、かような比率では納得がいかないのでありまして、我々は強くその点を要望いたしまして一応私の質問を打切ります。
  16. 青山正一

    青山正一君 只今秋山さんからいろいろお話がありましたんですが、私はこれは小倉経済局長を責めるよりも、僕は水産庁長官にお願いしたいわけなんですが、先だつてから、私製氷冷蔵庫の問題でいろいろ農業金融公庫と折衝しておるわけなんですが、むしろ漁業者のほうで、こういつた面を利用するお方が非常に少いのじやないかというふうにも考えるわけなんです。例えばこの間農林漁業金融公庫へ参りましたのですが、その際において、どうも私のほうを利用する面が非常に少いというふうなお話もあつたわけなんですが、もう少し水産庁のほうでこの農林金融公庫の問題について、こういつたものは、こうしたほうがいいだろうとか、ああしたほうがいいだろうというふうなことで、県のほうと十分折衝しておられるかどうか、連絡しておられるかどうか、その点について一つ承わりたいと思うのです。
  17. 森崎隆

    委員長森崎隆君) ちよつとお諮りいたしますが、小倉局長農林委員会があるので来て下さいと言われておりますので……。
  18. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 もう少し私は質問したいことがあるのですがね。
  19. 森崎隆

    委員長森崎隆君) ああ、そうですか。ですから清井さんに対する質問は後に廻して頂けませんか。
  20. 青山正一

    青山正一君 関連して今度小倉局長一つお話を伺いたい。
  21. 森崎隆

    委員長森崎隆君) では三十分くらい。それでは清井さん。
  22. 清井正

    政府委員清井正君) 只今青山委員からの御質問の点でありまして、いわゆる公庫業者利用させることにつきまして、業者指導徹底を欠く点がありはせんかというお話でございましたが、私どもといたしましては、実はこの特融水産関係協同組合に対する融資の最も有利なるものといたしまして、常々これは県庁を通じ、或いは直接の方法等を通じまして、業者には十分この利用につきまして普及徹底をしておるつもりであるのであります。特に製氷冷凍のごとき、相当組合から金融申込等もあるのでありますが、むしろその選択に困つているような実情もあるように聞いておるのでありますが、そういつたような実情もあるようなわけでありまして、私どもといたしましては、公庫利用について業者に対して指導啓蒙するということにつきましては十分今までも尽しておるつもりであります。併しながら、お話のごとく仮に欠けているような点が一般の批判としてあるといたしますれば、私どもといたしましても十分その点は注意をいたさなければならんと思つておるのであります。なお具体的な問題等を承わりますれば、私どもといたしましても一層努力をいたしまして、本金融の趣旨につきまして末端徹底させるごとにいたしたいと、こう考えておる次第であります。
  23. 青山正一

    青山正一君 いま一つ長官に承わりたいと思いますが、製氷冷蔵特融関係は、これは全部農林水産金融公庫扱いとなつておるのですか、どうなんですか、その点について承わりたいと思います。
  24. 清井正

    政府委員清井正君) 協同組合施設といたすものは全部公庫扱いになつておると私は考えておるわけであります。
  25. 青山正一

    青山正一君 それから小倉経済局長に承わりたいと思いますが、何だか聞くところによりますと、貸付申込受理は一応は六月二十五日を以て打切りにするかのような金融公庫方針なんですが、その点間違いありませんか、どうなんですか。
  26. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) これは農林省に指図したわけではないのですけれども金融公庫が最近の恐らく貸付申請の状況を見て、一応ストツプをするというふうにしたんだろうと思いますが、その点は先ほどからもいろいろ御議論がございますように、よく水産庁と打合せましてストツプするのが適当かどうか再検討したいと思います。
  27. 青山正一

    青山正一君 この一覧表によりますと「貸付計画」と、こう書いてありますが、二十八年度の貸付計画、これは農林漁業金融公庫として計画を立てたものですか。この中に経済局なり、或いは水産庁がタツチしておりますか、どうですか、その点を一つ承わりたい。
  28. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) この計画は二十八年度の予算附属書類として政府の一応の案と申しますか、政府案として附けてあるものであります。具体的な貸付計画主務大臣申請をして主務大臣が認可する。それによつて本当貸付が決定する、まあこういうことに御了解願つたらいいかと思います。
  29. 青山正一

    青山正一君 この表によりますと、例えば製氷の場合十億の計画があるのだが、五月三十一日現在として九億三千百四十九万の申込受理があつた。その五月三十一日以降においても申込があつただろうとは思いまするが、これは最高額になつておりませんし、それから二十八年度の予算というものはまだはつきりきまつていないわけですからして、六月の二十五日で以て打切るとか、どうとかいうようなことにしても、何だか様子が変だろうと思いますが、これは農林当局として、これは経済局長でも、或いは水産庁長官でも同様でありますが、こういつた点はいま一応日にちの点について考え直す必要があるのじやなかろうかと思いますが、どうでしようか。
  30. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 御意見のほどもよく了承できまするし、御尤もと存じまするので、水産庁とも篤と打合せいたしました上で適宜の措置をとりたいと、この点については思つております。
  31. 青山正一

    青山正一君 この貸付計画は十億になつておりますが、それに対して九億三千万円というような申入がありますが、こういう点から見ましても、せめて日本の内部において、あちらこちらと各漁業者関係から、或いは漁業協同組合あたりから相当製氷冷蔵庫を作るというような申出があるわけですが、この表を見ましてもわかるように申入の点がえらい。申込受理が非常に少ないというところを見ますると、県のほうですか、或いは水産庁のほうですか、少し指導が軽いんじやなかろうか、こういうふうに考えておりますが、どうでしようか。
  32. 清井正

    政府委員清井正君) 只今お話でございますが、私どもといたしましても、先ほど申上げました通り、県に対する指導並びに関係組合に対する指導は十分いたしておるつもりでございまするが、仮に数字の現われ方としまして、そういう問題があるといたしますれば、私どもといたしましても、やはり今後決定すべき枠との見合においてやはり適当な指導をして行かなければならん、こういうふうに考えております。なお今後十分この点については注意したいと思います。
  33. 青山正一

    青山正一君 この製氷冷蔵庫のこういつた手続きはどうなんですか。地元県庁とか、或いは県漁連とか、或いは水産庁とか、或いは経済局とか、或いは農耕漁業金融公庫とか、或いは中金とか、全部一切に当らなければこういつた手続きは完了しないというこになるわけですか、どうなんですか、その点について承わりたいと思います。
  34. 清井正

    政府委員清井正君) 詳しいことはこれは足りませんですから、不足を説明さして頂きますが、私ども考え方といたしましては、これは直接貸付をいたしますのは農林漁業金融公庫貸付をいたすわけでございますので、書類といたしましては、末端の出張所と申しますか、金融公庫末端機関から中央査定を経て上つて参るということになるわけであります。ただ農林省全般といたしましても、それに対して監督をいたしておるのでありまするが、水産といたしましては、特に水産関係貸付中、漁船であるとか、或いは特殊な製氷冷凍施設であるとか、特殊なものにつきましては、やはり全般的な観点から多少これを検討する必要があるというようなことでございまして、そういう意味合から公庫貸付を決定する場合に当局相談を受けると申しますか、連絡をして私どものほうが実際上相談をする。こういうような形で以て連絡をとつております。従つて私のほうに意見が上つて来ますのは、県庁の機構を通じまして本省上つて参る。それから民間の正式な申請のほうは公庫末端を通じて中央上つて参る。そこで公庫中央査定をいたしましたものについて、重要なものにつきまして本省のほうに意見を聞いて廻る。私のほうは県庁を通じてあらかじめ検討しておきまして、その結果、まあこういうことで意見の一致したものにつきまして公庫貸付けしてくれる。ラフな意見でございますが、そういうようなやり方公庫貸付をしてくれる。こう考えております。
  35. 青山正一

    青山正一君 これは農林中金が何か関係しますか、それについて何か承わりたい。
  36. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 貸付の決定の仕方の問題でお尋ねでございますが、先ず農林中金関係するかどうかという点についてでございますが、これは農林中金関係する場合が主として多いのでありますが、それと同じ理由で地方銀行がやはり貸付申請を受ける。それから審査をする、これは組合なり、貸付を受ける人が適当に中金なり或いは地方銀行にいろいろと申請するわけであります。そこで中金なり、地方銀行が貸付をしてよろしいという審査が上つたものが公庫に参りまして、公庫が最終的に決定する。こういうのが一般的な建前であります。
  37. 青山正一

    青山正一君 そういう意味合中金との繋がりがあるのですね。
  38. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) そこでもう少しちよつと詳しく補足の意見を申上げますと、それは実質的にどうか。どこが最終的に貸付をするかという関係があるのでございますが、これは業種によつて多少そのやり方が違つておりまして、例えば土地改良或いは農業倉庫といつたようなものは農林省が主となつて県別にその枠を割振りするわけなんです。きまりますれば……。そうしますと、県ではその枠の中でどれが適当だろうということを考えまして、中金を経て参りますものに意見をおのずからするということになるわけであります。そういうやり方一つであります。もう一つは全然その県別の枠を示さず、ワン・ケース、ワン・ケースで中金が検査し、最終的に公庫がきめる。こういうようなものが、まあ共同施設農業関係の多くのものはさようなものになつております。それからもう一つは、今水産長官からお話がありましたように、個々の貸付に成る程度農林省意見を附するというやり方があるのでございまして、大まかに申しますれば、三つのやり方がある。かように思つております。
  39. 青山正一

    青山正一君 これはその手続が非常に、やつて見ればそう大したことではなかろうと思うが、やる当事者から考えて見まして、先ず第一に地元漁業組合に話をする。県庁にも県庁の知事に話す。或いは県漁連に話をする。農林省に行つて漁業組合課に話をする。それから水産課に話をする。中金の出張所にも話をする。中金の本部にも話をする。それから経済局には勿論のこと話をする。その上で直接この面を担当しておる金融公庫に話をする。これは勿論出張所にも本部にも話をするというようなことで、手続の上で非常に煩瑣であるというような建前からして、ちよつと取つつきにくいのじやないかと思う。或いは指導してもその点がわからないのじやないかと、こういうふうにも考えておるわけなんですが、長官どうでしようか。この点については非常にむつかしいのじやないかと思う。やつて見ればそうでもなかろうと思うのですが。
  40. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) ちよつと経済局関係で申しますると、これは経済局独自の仕事もございますが、例えば水産庁といつた他局の仕事につきましての個々の貸付につきましては、経済局は何ら発言をいたしません。従いましてこれは公庫が主となり、水産庁が適宜の意見をするということに相成つておりまして、大蔵省、農林省公庫一般的な監督という立場に当つておりますけれども、個々の貸付の決定については全然タツチを、実は公庫ができまして以来関係をいたさないのであります。それからお話のような非常に厄介じやないかというのは、この貸付について実質的に金庫なり公庫なり或いは水産庁におかれて審査をしなきやならんというような、どの業種によりましても、そういうものはございます。そうでなくて県別に割切つて県と団体が適当に定めるということになりまするというと、比較的手続が簡単に済むわけですけれども、恐らく製氷冷蔵とか、或いは私ども関係で申しますると、小水力の発電というようなものは、一件当りの金額も非常に多いのです。而もこの絶対的な枠が小さいというようなことでございまして、又仕事の性質ということもございまするが、やつぱり或る程度ワン・ケース、ワン・ケースについて役所が意見を求めて歩くというような場合が、これはあるわけであります。さようなのは公庫ができましても多少厄介なものとして残つておるというふうに私は観察しております。
  41. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 時間がないようでありますからもう一、二点お伺いいたします。この貸付の枠がきまつておりまして、そうして貸出額が決定して、枠と貸出額との間にかなりの開きが出て来る。いわゆる枠が余つて来るというものを、これは水産で申しますというと、水産自体が相当余るのでありますが、これが他の枠で余つたものを、例えば農業で余つたものを水産の枠で使うというようなことは許されるのでありますか。
  42. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) これは勿論予算の款項といつたようなものと違いまして、流用と申しまするか、枠の相互間を融通するということは建前としても当然できるわけでございます。又現にこれはいつやるかという問題でございまするが、年度を相当過ぎましてから、例えば造林の枠が相当つているのじやないかということが明瞭になりますれば、それが農業なり、漁業なりに分けるということを昨年もたしか暮だつたと思いますが、実はやつております。そういうわけで実際もやつておりますし。形式的に申しましても、できることに相成つております。
  43. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 もう一つ、この農林漁業金融公庫の建前が大体協同組合を対象として考えられておるようでありますが、この条文の中には明らかに漁業者と謳つておりまして、必ずしも協同組合オンリイにはなつておらんようであります。併しながら、この貸出の目標につきましては、漁業につきましては、ことごとくこれは個人でない協同組合に対する貸付のようになつておりますが、今回提出されております中小企業に対する金融といつたような面が通産関係方面では考えられておりますが、漁業面では協同組合に対するもの及び極めて大規模の漁業形態組織のものに対しては開銀等によりまして考えられておるが、その中間にあるところの中小漁業者に対する金融の途というものはないようでありますが、それは農林当局としては、これには金融する必要はないと考えておるのであるか。どういうわけでこういうものに対する金融措置を考えておらないかということを伺いたい。
  44. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 今の御質問について、ちよつと公庫の業務にも関連がございまするので申上げまするが、公庫貸付の対象でありまする客体と申しまするか、相手方の組合であるか、会社であるか、個人かという問題でございまするが、これは一般的には組合でなくちやならんということはないのでございます。例えば造林といつたようなものでございますれば、これは会社でも、個人でも可能なようになつております。又現に会社や個人にも造林資金は貸しておるわけであります。ただこの水産或いはその他農業でも同じでございまするが、共同利用施設ということになりますると、おのずから組合員の共同ということになりまするので、そこで組合というものが出て参るわけでございます。例えば漁船で申しまするというと、個人の漁船ではなくて組合の漁船というふうな建前で現在の法制ではなつて参りまして、そこで今お話のような個人或いは会社の、中小漁業のそういう長期資金融通をする機関として必ずしも公庫は十分ではないではないか、その面についてどういう考えをしておるか、こういうお尋ねだと思うのですが、その点につきまして、公庫の業務を拡大するということも勿論考えられると思いまするけれども公庫が個人に貸付けるものと、共同に貸付けるものとどこで区別しておるかという、私ども法律を見ての感じでございますが、この業自体が、例えば土地改良とか、造林或いは漁港といつたような仕事自体が非常に公共的なものは、主体が必ずしも組合でなくてもよろしいというふうになつておりまして、そうでなくて、この業種自体は必ずしも公共とか、或いは私的とか言わないけれども、共同でやるということによつて、そこに或る程度公共的な色彩が出て来るというものは組合貸付けないとしておる。こういうことに建前としてなつておるのであります。従いまして現在の公庫法の建前から申しますると、そこに多少ギヤツプが出て参りまして、その間の資金融通につきましては、これは公庫の建前を変えるわけでございまするが、別途の措置が必要ではないかと私どもはさように考えております。
  45. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 今別途の方法とおつしやいましたが、農林漁業金融公庫法というものを一部改正するという意味でございますか、それとも又別途の金融機関を考えるということでありますか、その点を伺いたい。
  46. 清井正

    政府委員清井正君) 只今秋山委員からの御質問でございますが、確かに私どもといたしましても、非常にこの問題は重要視しなければならん問題だと考えております。お話通り確かに水産関係は他の一般農業事情を異にいたしまして、個人の中小企業というのが相当の部分を占めておりますので、それに対する融資につきまして何らかの方策を講じなければならんということは御指摘の通りでございます。ところが只今金融の体系は、只今農林経済局長から御説明申上げました通りでございまして、これは公共的な性格を有するという仕事自体の問題と、或いは共同利用という形によつて公共化する、こういう面について融資をするというのが公庫の建前になつておるのでありまして、私どもといたしましては、この体系の中に、或いは今言つたような中小企業としての漁業者に対する金融を織込むかどうか、或いは中金の制度につきましても同様な問題があるのでありますが、何か特例を開くというような方法が考えられるかどうか、或いは更に進んで水産の中小企業に対してだけの金融機関を別途考える必要があるかどうかというような問題につきましても、私どもといたしましても相当真剣に考えて参らなければならんと思つておるのであります。無論この問題は今までもいろいろ御議論になつたのでございますが、なかなか思うように行きませんで、先般御審議願いましたいわゆる漁業の信用基金協会というものが僅かに保証をするということで以て、この場合は個人等も入つておりますが、これは単に保証するというだけで間接になるわけであります。従いまして私どもといたしましては、この保証よりも更に一歩進んだ方策を講じまして、中小企業の漁業者が現在より以上に金融上利点を得るような方策を講じまして、何とか一つ考えて見なければならんと思つておるのであります。只今すぐにどうこうということはお答えしにくい、研究問題でございますので、この点はいろいろ御意見を十分伺いまして、政府側と申しますか、農林部内におきましても、経済局長と十分一つ相談をいたしまして、何らか今後漁業の中小企業者に対する金融というものの更に円滑化を図るために努力をいたしたい、かように考えております。
  47. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 大体御趣旨はわかりました。この中小漁業というものは農業と性格が違つてつて、まあどちらかというと塩業なんかをやつておるのも必ずしも組合ばかりでないので、個個にやつておるのでありますが、これらに対しては、ここで必要な資金を出すようになつておる。林業もそういうふうな面があると思います。ところがひとり水産についてのみこれが抜けておるということは非常に片手落のように思います。この法律が必ずしも全部が組合を対象としておるものでないということも窺われるのであります。従つて中小漁業というものをこのうちに入れて考えるということも、決して法案の趣旨に全面的に反するものではないと私どもは考えるのでありますが、この法律を一部改正によつて、ここに中小漁業というものを織込むという意思はないのですか。どなたでもいいですから……。
  48. 清井正

    政府委員清井正君) その点は只今私が申上げましたことに尽きるのでございますが、御意見の御趣旨はわかつたのであります。ただこの問題は非常にむずかしい問題でございまして、全体の体系との問題と睨み合の問題等もございますが、私どもといたしましては、只今秋山委員の御意見を十分了承いたしまして、今後この問題につきまして努力をいたしまして、何らかの解決方策を講じてもらわなければならんというふうに考える次第であります。
  49. 青山正一

    青山正一君 小倉局長に承わりたいと思いますが、中小企業金融公庫というもの、あれはただ地方銀行を通じてのみの調査でやつて行くよりほかに途がないものですかどうか。ほかに例えば中金を通じてやつてやるとか、そういうような途はないのですか。それがわかれば今いう秋山さんのほうの問題も解決するだろうと思います。
  50. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 中小企業金融公庫只今本国会で成立すれば成立するわけでございますが、これは恐らく業務運用をどうやるか、私ども詳しくは承知しておりませんけれども、恐らく農林漁業公庫と同じような差当りは業務の運営の仕方をいたすのではないかというふうに思つております。
  51. 青山正一

    青山正一君 私が聞いておるところでは、例えば製氷冷蔵庫あたり、地方銀行を通じて一千万円を最高限度として中小企業金融公庫あたりに借りることができる。或いは開発銀行の経営もあろうし、或いは漁業金融公庫の経営もある、そういつたような三つの方法があるのだと聞いておりますが、この場合はやはり主として組合というよりも、業者を対象としておるわけですから、そういつたような面が入るか入らんかという解釈、その点を水産庁長官あたりどういうふうに考えておりますか、冷蔵庫としては借りることができるのであるが、漁業者としては借りることができないのだというふうなわけなんですか。
  52. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 中小企業金融公庫でございますが、この中小企業というものは何を言うかということについての法的な解釈を私ここで責任を以てお話するわけには参りませんけれども、原始産業は恐らく除くという建前ではなかろうかと思うのであります。ただお話のような冷凍、冷蔵になりますと、これは原始産業とは密接な関係はありますが、そのものは原始産業ではないという意味は当然だと思いまするので、一応中小企業の範疇に入れて考えることができはしないかと思います。
  53. 青山正一

    青山正一君 それならばちよつと伺いたい。近代化されたる「かつお」、「まぐろ」のような大きい漁船などの建造費あたりはどういうことになるか。
  54. 清井正

    政府委員清井正君) 只今原始産業は入らんというふうに私は実は聞いているのでございますが、これは責任あるお答えもいたしかねるのでありますが、そういたした場合に、只今経済局長のほうからお答え申上げましたが、製氷冷凍というものを原始産業という面から見るのか、製氷冷蔵施設という面から見るかということは問題があると思いますが、製氷冷蔵施設から見ますれば原始産業ではないのでありますから、或いはそちらのほうの公庫の問題になるかもわかりません。その点はちよつと私ども研究さして頂きまして、仮にこの点が融通の途があるということでありますれば、私どもといたしましても、できるだけ一つ手広く金融機関を利用するように努めなければならん、こういうふうに考えますが、この点もう少し研究さして頂きたいと思います。今の「かつお」、「まぐろ」の漁船につきましても、これは漁業という範疇に入るか入らんかという解釈の問題でありますので、只今これは専ら開発銀行の融資に頼つておるわけでございまするが、仮に原始産業というふうに見られますれば、多少規模が大きくても範疇に入らないのじやないかという気もいたしますが、こういう点を一つ十分研究さして頂きたいと思います。
  55. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それじや小倉さんには農林委員会も待つておりますから、あと松岡金融課長がおりますから、こういう問題につきましては金融課長のほうへお願いします。ほかに……。
  56. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 経済審議庁のかたにお尋ねいたしたいと思いますが、今回、先ほどから話になつて出ております中小企業に対する金融制度が別途に立てられるか、これはどちらかというと、今お話のような原始産業を除いたというような面で、主として鉱工業等に関する問題ではないかと我々は想像するのでありますが、従来この水産に対する融資の面では、漁船でありますというと大型のもの、それから製氷冷蔵といつたようなものにのみ融資をされて来ておるわけであります。従いまして、その金額の一艘当りは大きいのでありますけれども、件数においては幾らもないという状態になつて来ておりますが、これも又他の比率に対しまして非常に比率が悪いという状態になつてつて、至るところ水産というものが下火になつているような感じがするわけであります。ところで過去のことを申しましてもしようのないことでありますが、本年はいずれ明日か明後日に通過しようとする「かつお」、「まぐろ」及び以西機船底曳網漁業の船型を増大せしめるという法律案が提案されております。これはいずれ通過すると思います。そうした場合にこれらに対する金融措置というものが非常に重大になつて参ります。ここに「かつを」、「まぐろ」漁船、それから鮭鱒母船というものは過去においてやつておりますが、本年これらの以西底曳漁船というものに対する金融は考えておられますかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  57. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 経済審議庁森農林課長にお願いいたします。
  58. 森茂雄

    説明員(森茂雄君) 私のほうの次長と調整部長がほかの委員会に行つておりますので、農林課長の私から御説明申上げたいと思います。只今の御質問の点でありますが、事務的の実際上の問題から言いますると、只今水産庁で御提案になつておる法案のほうが少しずれて参つた関係上、特に以西底曳特別法関係を考慮するという操作が開銀の融資見込の点からは出ておらないのであります。そうしますと、事務的に言いますると、例えば只今配付いたしました二十八年の開発銀行収支見込の支出欄で、特に事務的に申上げますれば、特別に掲げてあるようになりますれば、これは金額相当確保されるということになるわけでありまするが、只今該当するところでは上からずつと貸出のほうで予定しておりまする、電力から始まりまして、合成繊維までを一応特別に掲げてある、特掲としてありまするが、その次のその他の四十五億及び予備の四十億がこの対象になるわけであります。ところがその他及びこの予備の四十億の対象になります分では、上に掲げてありまする以外の産業、例えば機械工業、港湾その他水産以外の農林、水産関係或いは運輸関係などが対象になつて、目下それぞれ各当局において御査定になつて、私のほうにもその案が出ておる状況でありますので、併せて仮に予備を発動いたしましても、八十五億で硫安だとか、それから運輸だとか、農林水産全部を賄うという関係になりますので、水産庁から最近向つております以西なり、「まぐろ」に関係いたしまする代船建造なり、或いは隻数増加なりの問題がもつと具体化して参りますると、或いは貸出の特別に掲げてある分でこなせない分を予備その他に廻して、これを賄つて行くという関係になると思います。簡単に申上げますれば、現在水産庁計画されておりまする分については、まあ収まるか収まりませんか、御希望に副うように努力はいたしておりまするが、各産業の、言葉は悪いかも知れませんが、分捕りというか、分け合いになつておるものですから、言換えますれば、今回御提案になつておりまする特別の分につきまして、更にこれが御通過を見ました上においては、その他或いは予備等において、特別に更に追加的に申請がある分もあると思いますので考えなければならんと思つております。
  59. 青山正一

    青山正一君 開発銀行に関する項目ですね、これは水産長官はやはりはつきりしたほうがよかろうと思いますが、例えば水産に関する或いは漁港とか、或いは港湾とか、それから冷蔵庫とか、或いは漁船とかというような項目は一つもないわけなんですか、せめて水産関係というふうな文字を入れちやつて、そうしてそれに対する面もはつきりきめておいたほうがよかろうと思いますが、どうでしようか。
  60. 清井正

    政府委員清井正君) この点は実はこの項目をはつきりいたしますることによつて相当実際問題として、その結果融資相当つて頂けるというふうに持つて行きますれば、私どもとしても非常に有難いと思つておるわけなんですが、ここで御覧になりました通り、その他という欄だけで全体が四十五億ということになつておりますし、その他どんなものがあるかと申しますと、これは私たちの考え方から申しますと、農林、水産とか、運輸、ガス、鉱山、染色加工機械、硫安というようなものが全部その他の中に一切合財入つておるわけでありまして、その中で特に水産庁を特掲してやつて頂くということは、私たちの立場から申上げますと、非常に結構だと思うのでありますけれども、果してこれは審議庁のほうの立場から言いまして、全体の融資の枠というか、或いは産業の問題からいたしまして、そういうふうにやつて頂けるかどうかちよつと問題がありはせんかという私考えなんです。水産庁の立場としては、できればそうして頂くことが今後の融資を殖やして頂く上において好都合ではないかと考えております。
  61. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 水産庁のほうで今度の特例法によつて増トンする船が相当あるはずでありますが、ここに開銀に希望する数が、「まぐろ」、「かつお」で十五隻、それから底曳網船で二十隻ということになつておるのでありますが、この程度で間に合いますか。
  62. 清井正

    政府委員清井正君) 先般来御審議願つておりますところの法律によりましても、相当隻数が、これは増トンを要求をいたすものと私どもは実は考えておるわけでありまして、その隻数と申しましても、恐らく百を超す隻数だろうと考えております。従いまして、私どもは開発銀行の枠の中に入れて頂くという意味において要求しております数は、それと比べますれば殆んど問題にならない数字でございます。まあ併しながら枠を要求する場合におきましても、やはり実際問題としますれば、全体の水産に当てられると予想されるような、全体の枠のことも或る程度考えなければいけませんし、或いは又昨年の実績ということも或る程度考えて行かなければいかんというような、実際問題といたしまして僅かな数字でございますけれども、せめてその程度の数字は確保したい、こういうふうに考えましてお願いいたしましたようなわけであります。
  63. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 私どもの承知しておる限りでは百を越える数があると思うのですが、それは何も水産庁が遠慮して必要なものをみずから減らして要求するというようなことは、これはそういうことをするからだんだん枠が小さくなつて行くと思うのですが、必要な数は私は遠慮なく出すべきだと思います。今年は期間が短かいから、借りても実績はこのくらいだというならばわかるのですが、枠を初めから忖度して遠慮する必要はないと思うのです。これは必要に応じて貸出すべきものだと考えるので、枠のきまつたときには或いはやむを得ないかも知れんが、今後きめる場合もあるのであつて、必要な数字は私は遠慮なく出すべきだと思うのですが、そうしないと言うと、遠慮するというと、又これをはねられるという気ずかいがある。そこに先ほど経済局長の言つた指導の方法が悪いというようなことも加味されるのじやないかと思うのですが、そういうところは、私は本当に本年どのくらいやらせるというようなことは遠慮なく出させたらいいと思います。そうして、どうしても枠に入らんものは仕方がないけれども、みずから控え目にすれば、これをしも削られるかも知れん。そこで仮に削られましても、次の年度において残つたものを又要求するということにもなるのです。そういう意味において私は必要な数は遠慮なく出して要求しておかんと、いつも下積になる憂いがある。少し引込み思案に過ぎはせんかと思うのですが、その点は如何ですか。
  64. 青山正一

    青山正一君 今秋山さんからいろいろ御質問があつたわけなんですが、私も同感だと思つております。例えば漁船の問題を持つて行くにしましても、或いは製氷冷蔵庫の問題を持つて行くにしましても、水産庁ではどういうふうに指導しておるかと言つたら、どうも開発銀行は借りにくいからして、開発銀行はおよしなさい、どつか中金なり、或いは農林水産金融公庫あたりに当つて見なさいと、もうなかなか開発銀行は貸して呉れないというふうなことで、指導をして行く。そういうところを見ますると、水産庁自体もどうも開発銀行に当らんほうがいいじやないかというふうなことで、当つてもなかなかこれは金を貸してくれないだろうというような気持が多分にあつてですね。そういうふうに指導しておるのじやなかろうかと、そういうふうに考えるわけなんです。そこで今言うたような、今後この以西底曳の問題にしましても、或いは「まぐろ」、「かつお」の増トンの場合を予想しましても、相当開発銀行に厄介にならなければならん、余り食わず嫌いというようなことじやなしに、やはり相当そこへ侵入して行つて漁業者なり、協同組合あたりが借りやすいような建前にして、やはりそこまで侵入して行かなければいけないという、そういうふうに考えておるわけなんですが、その点は私秋山委員と同感でありますが、水産庁長官として、この点は一つ十分にお力添えを願いたいと思います。
  65. 清井正

    政府委員清井正君) 只今御鞭撻を受けたのでございまするが、私どもといたしましても、確かにいわゆる比較的規模の大きい漁業に対しますところの融資機関といたしましては、開発銀行を最も適当なるものと考えておりまするので、従前からもこの方面の資金開発には努力をいたして来ているわけでございます。御承知の通り、「かつを」、「まぐろ」につきましても、只今お話があつたのでありますが、この点は実は二十七年度は非常に従前に比べて大きく開拓されて来たわけであります。今後大いに又開発銀行との関係を留意いたしまして進展をいたして行かなければならんものだと考えておるのでございます。特に法律の関係につきましてもお話がございましたが、お話の点は御尤もな点もあるのでございまして、私どもといたしましては、十分法律の施行との関係も考えまして、今後正式に法律が御決定に相成りまして、これが出発いたしまして、更に具体的に御希望等が相当出て参ると思うのでありますが、そういたしました場合におきましては、只今森課長のお話もあつたのでありますが、開発銀行の融資を更にこの方面に振向けて頂くべく今後折衝をいたさなければならんというふうに考えておる次第であります。又その他の一般的な問題につきまして、少し引込み思案だという御批判も受けたのでありますが、まあ私どもといたしましても、この方面につきまして努力をいたしまして、今後積極的に開発銀行の融資を受ける最も適当の業種につきましては、関係の機関とも十分連絡をいたしましてやつて参りたいというふうに考えておるわけでございます。
  66. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 先ほど私が申しましたように、中小漁業者に対しまする金融の方法というものは今何もないわけです。僅かに開銀が一つ開かれておるとしか思えない。その開銀に対して遠慮しておつたのではしようがないと思うのです。今のところ中小漁業に対する金融の途が開けるまでは、飽くまでも開銀に頼る以外に方法はないのでありまして、ただ曽つて復金あたり相当漁業者融資をして、それが焦げついておるということのために、或いは開銀等においても、今度そういうような焦付は皆金融公庫のほうに持込んであるらしいのですが、これは当時の経済界及び社会情勢として誠にやむを得なかつた状態から来ておるものでありまして、戦後のあのどさくさの際に、全く素人の人が漁業を始めたために、金融を受けた、それが漸次情勢が落着くに従つて、素人なるが故に十分な成果を挙げることができないで焦げついて来た。併しながら、その船というものは今日日本に存在して活躍しておるのであつて、日本全体から見れば決して大きなマイナスにはなつておらん。併しながら金融機関として見れば、貸したものがとれなければ、これは困るのであるから、この点は十分銀行として審査をし、厳重なる調査の上での貸付は当然だと思います。併しあの復金に貸付けて焦付になつたというような状態が今後続くとは我々は思いません。そこに水産庁として、やはりこの業者に対する指導なり、或いは金融措置に対する援助と申しますか、斡旋なりということを強力にやりまして、そうしてこの中小漁業の困つておる金融を、この面で一つ当分の間でもその機関のできるまでの間はカバーして頂くというように考えて頂きたい。それについては経済審議庁がこの開銀を監督しておるのであるか、或いは大蔵省が監督しておるのであるか、その辺は私わかりませんが、少くとも経済審議庁においても、そういう中小漁業に対する金融機関が今ないのであるから、この金融の途は当分の間開銀が見てやるよりほかないという立場をとつて一つ指導なり御援助を頂きたいと思います。さもなければ、中小企業というものは浮ぶ瀬がないわけです。一方において中小企業というものには通産関係で以てそういうような金融機関を考える、ところが農林省はもう全く手放しであつて、これはどちらかというと本当の継子扱いをしておるような感じが我々にはするわけです。貸出をし、そういう企業を助ける意味においてできておるこの特別の開発銀行でありますから、その点は特に一つ農林省経済審議庁も一緒になつて、開銀と共にこの金融面を緩和して頂くように私は強く要望する次第であります。
  67. 森崎隆

    委員長森崎隆君) ほかに何か御質疑ございませんか。
  68. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 こういう問題について又出て来たら、一つつて頂きたいと思います。
  69. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは本日はこれで委員会を散会いたします。    午後三時三分散会