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1953-08-08 第16回国会 参議院 水害地緊急対策特別委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月八日(土曜日)    午前十一時五十六分開会   —————————————   委員の異動 八月七日委員植竹春彦君、河野謙三君 及び秋山俊一郎君辞任につき、その補 欠として徳川頼貞君、北勝太郎君及び 堀末治君を議長において指名した。   ————————————— 出席者は左の通り。    委員長     矢嶋 三義君    理事            藤野 繁雄君            三浦 辰雄君            永岡 光治君            永井純一郎君            武藤 常介君    委員            重政 庸徳君            松岡 平市君            北 勝太郎君            島村 軍次君            新谷寅三郎君            林   了君            白井  勇君            東   隆君   政府委員    文部省管理局長 近藤 直人君    厚生省公衆衛生   局環境衛生部長  楠本 正康君    厚生省保険局長 久下 勝次君    通商産業省石炭    局長      佐久  洋君    中小企業庁振興    部長      石井由太郎君    労働省職業安定   局失業対策課長  澁谷 直藏君    建設大臣官房長 石破 二朗君   説明員    日本専売公社監    理官室長    三浦 道義君    大蔵省主計官  末廣 義一君    厚生省医務局医    務課長     内藤 誠夫君    厚生省社会局施    設課長     鶴田  寛君    厚生省保険局国   民健康保険課長  菅野 周光君    引揚援護庁援護    課課長補佐   安福 信雄君    運輸省大臣官房    企画課長    梶本 保邦君    労働省職業安定   局失業保険課長  三治 重信君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水害緊急対策建設省大蔵省、通  商産業省運輸省文部省労働省  及び厚生省関係予算措置に関する  件 ○理事補欠選任の件   —————————————
  2. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今より本日の委員会開会いたします。
  3. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 只今御配布いたしました資料のうち建設省関係の分について御説明申上げます。一枚紙になつております。  題目は「災害特別措置法に基く国庫負担額増額見込の試算」、単位は億になつております。八月五日付で作つたものでございます。一番左に災害種類別を挙げております。次に総事業費を書きまして、それから現行法特別法関係、その比較の増減を書いております。右の欄に二十八年度の仮の予定のことを書いておりますが、以下順次御説明申上げます。  第一番目の河川等と書いておりますが、これは災害土木国庫抗法に該当します公共土木施設一切を含んでおります。従いまして河川のみでなく、道路も、それから海岸も、いずれもこの中に含まれております。それの県の報告が六百五億に相成つております。申し遅れましたが、これは今回成立いたしました特別立法の適用ありやなしやということは、まだどの地域に適用するかはきまつておりませんので、一応六、七月中に発生した災害の全国の分を全部拾つております。六百五億、これに対しまして現行法では国庫負担が四百九十億、地方負担が百十五億を一応考えております。これは過去の実際の例から推算しておるわけでございますが、国庫負担は大体八一%であろう、かように考えて、こういう数字を挙げております。今度特別法ができるにつきましては、国庫負担が五百五十七億になるだろう。これは大体九二%ぐらいじやなかろうかと思つて書いておりますが、標準税収関係等からこの数字は若干動くことは勿論だろうと思います。その結果、河川等災害復旧国庫負担の増と思われますのが六十七億でございます。  それから右の欄に二十八年度にやりたいと思うことを書いておりますが、そこに書いておりますのは、六割仮にやるといたしまして、そういう数字を挙げておりますが、これが三割とか四割に下りますれば、それだけずつ下るわけでございます。六割やるとしますれば国庫負担が三十一億殖えるだろう、かように考えております。  その次の道路でございますが、道路はこれは道路災害、いわゆる災害復旧じやございませんので、今度特別立法の第四条でございましたか、あれに基きまして国庫が二分の一の補助砂利道などの洗われたのを復旧する意味において二分の一の補助をするというために要する経費を一応挙げているわけでございます。これは何キロ流れたかどうかわかりませんが、一応八百キロぐらいじやなかろうかという推定の下にやつております。現在実際補助はいたしておりませんが、補助するとすれば、現在は三分の一の補助でございますので、現行法のときは法律にはありませんが、三分の一の数字を挙げております。特別法では二分一を挙げたわけでございます。右の欄の御説明は省略さして頂きたいと思います。  それからその次の住宅でございますが、一応一万七千戸というものが滅失したと、こう推定いたしまして、こういう数字を挙げております。上のほうの十二億はこれは滅失戸数の三割をこの公営住宅災害復旧としてやるという普通法の場合の事業費を挙げております。括弧の中の二十億は今度特別立法されました五割をやるというのが二十億でございます。それから現行法のほうは三割をやる場合に、三分の二の補助をやるということで現行法の欄は計算しております。特別法の欄は五割の戸数を四分の三の補助でやることを考えて計算いたしております。  それから排土関係でございますが、これは実は報告がまだしつかりしたのが来ておりませんので、下の備受にも書いてございますが、熊本門司日田御坊、これだけしか計上いたしておりません。勿論御承知通りこあ以外の特に和歌山奈良の奥地では相当の部落が埋没したようなところもある模様でありまして、これだけにやるという趣旨では毛頭ございません。排土のところに、現行法のところに六億、八億と書いておりますが、法律上これは現在ありませんが、予算補助半額つておりますので、そこに書いてございます。  それから水防資材補助に幾ら要すのかということは、これはちよつと目当がつきませんけれども、一応こういう数字じやなかろうかという全くの推定でございます、この三億という数は……。各府県なり市町村状況をよく承わつた上でないとさつぱり見当がつかんと思います。  その次の地七対策経費でございますが、この中には地辻地帯の砂防に価する経費、それから今後地辻りを根本的にとめるというための経費、一応届方考えてはおりますけれども、地辻対策につきましては誠に申訳けありませんが、建設省としてはまだ確たる方策も立つておらんような次第でございまして、本年度対策予備費から調査費も決定いたしましたので、至急に八月中に大体の調査を完了して適当な対策をやつて行きたいとかように考えております。
  4. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後零時八分速記中止    ——————————    午後零時三十分速記開始
  5. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。
  6. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 先ほどの御質疑のお説明を申上げます。最後の計の欄をお願いいたしまして、総事業費六百九十五億の推定があるわけでございますが、現行法によりますと、国庫負担が五百四十六億、特別法によりますと、六百四十六億差引九十九億という国庫負担の増であろうと、かように考えております。二十八年度にそれではどれだけ殖える見込かと申しますと、先ほどちよつと御説明をいたしましたが、河川等災害は六割を今年復旧する。それから道路復旧は二十八年度に全部復旧する。それから住宅は六割を二十八年度中に建設する。それから排土は二十八年度中に全部やる。水防資材の補償も全部本年度にやる。地辷対策も、これはまだ対策がはつきりしませんので、こうは言い切れませんけれども、仮りに二十八年度中に全部復旧を行うと仮定いたしますと、本年度中の国庫負担総額は三百四十一億でございまして、普通法の場合に比べまして約六十億殖えるであろう、かように考えております。なおこのほかに直轄災害があつたわけでございまして、これもやはり特別法関係地方分担金が減りますから、その関係で約六億国庫の増が殖えるであろう、総合計六十六億程度、二十八年度におきましては、総合計六十億に更にその六億のうち大部分のものが加わつて殖えるであろう、かように考えております。  なお、念のためもう一遍申上げますが、下の備考を御覧願いたいと思いますが、本表には六、七月災害の全部を計上いたしております。但し排土報告の到着している熊本門司日田御坊のみを計上いたしております。それから総事業費県等からの報告のままでございます。査定は目下現地でやつておりますが、はつきりしませんので一応査定は全然行わないというままの報告のままの数字を挙げました。それから河川等の中には道路災害を含めていて、従いまして道路の項に挙げたのは特別法第四条による分のみでございます。  以上簡単でございますが御説明を終ります。
  7. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御質疑のあるかたは御質疑を願います。
  8. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私簡単に……。これらの災害に対して、私どもは前に申入れをした除に、是非調査継続費といつたようなものを、効率的な運用の上からいつても、是非この際一つ応急措置として、建設農林等の工事のほうに対しては廻わしてもらわなければいかんということを、緒方さんやら小笠原さんに話した。尤もだというようなことを言つていたんですが、その後一体それらの点については何か連絡があり、或いは更に申されたあれがありますか。
  9. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) お答えいたします。災害応急復旧、或る程度恒久復旧処置にもなると考えておりますが、この調査のために、災害対策予備費の中から一千数百万円支出決定いたしております。この対象は主として筑後川の関係、それから熊本市、白川、河蘇関係、それから長崎県の北松地帯、こういうものが中心になつております。
  10. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 もう一つ地辷り対策、これは非常に問題の点だと思います。ここに挙げました六十億、これはどのくらいの規模……、これはなかなか机の上で現場に臨まないでお聞きしたり説明したりするのも、なかなか容易なことではありませんが、概略的に言つて相当規模のものは拾つたというのか、或いは小規模であつても、下に道路、交通があるとか或いは住家があるとか、こういうところまで、小規模であつても、この対象として拾つて六十億というものができたのか、大体この調査精度程度です。概略です。
  11. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) お尋ねでございますように、これは誠に申訳ありませんが、非常にラフな数字でございまして、一応こういうことの見当はついておりますが、八月中に現地のほうの調査概略はやりたいと思つております。そういたしますれば、或る程度精度の高い数字が出て来るのじやないか、かように考えております。拾いましたのは、単に北松地帯だけでなくて、例えば先般ありました箱根の早雲山の関係とか、あらゆるものを拾つておりますが、中身はそうしつかりしたものではございませんので御了承を願います。
  12. 東隆

    東隆君 北海道に第一次、第二次、第三次と被害があつたわけであります。この中には第二次までが入つているわけですね。
  13. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 北海道は今年は先ず初めに、毎年のことでありますが、降雪災害というのが初期にあります。これは除いております。六月、七月の分は道から直ぐ報告が参つているはずでありますから全部入れておりますが、六、七月の分の法律適用につきましては間違いのないように、或いはこの資料の中に落ちているかも知れませんけれども、間違いのないように適用したいと思つております。
  14. 東隆

    東隆君 実は七月三十一日からやつたのだと思います。御存知だろうと思うのであります。その部分のほうが実は被害が非常に大きかつたものです。それでその分を合せてこの中に入ろうとしているわけですね。それでそんな関係から思うて、未報告の分の中に相当なものを計上してもらわなければいかんと思うのですが、期限かなんかつけられて、調査せられるような御構想がありますか。
  15. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 私のほうは事務的にはできれば、いつ幾日までに出して頂きたいということを申上げているかも知れませんが、そういうことには一切とらわれんように、間違いのないようにいたしたいと思つております。なお六月、七月との間にかかつたの採択分はなかなかどちらの法律を適用するか面倒な問題が起ろうと思いますけれども、法律違反にならん範囲では、この法律特別法趣旨をよく体しまして善処したいと思つております。
  16. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ほかに建設省関係の御質疑はありませんか。
  17. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 地辷りのは八月中に大体の調査が終るというようなお話しでありますが、さようですか。
  18. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 計画は目下そういうことで立てております。併しこれも内輪を申上げますと、実は九月に入つてからまで調査するような計画を立てて来たものでありますから、これはどうしても八月中にやつてくれといつて無理に計画を立てさせておりますので、或いは八月中には間に合わんかも知れません。
  19. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 この地辷りでございますが、これは新生のいわゆる地辷り、何ら施設をしないところが今度の法律で十分の九に修正しようとしている、従来の予算措置による分ですね、それとの関連が新しく出て来ると思うのでありますが、そこで六月、七月に、仮に、政令で指定された——甚だしい、態本だとか、奈良だとか、和歌山だとかいうところの或る局地が指定されたとして、そうしてそれは予算との関係もありますが、新らしい法律によつて十分の九という対象物になる、ところがこの九月の秋の災害に、不幸にして又その土地が襲われて、そして地辷りにその土地内でなりまするというと、同じ地域内に、一つは六、七月を使つて、十分の九の対象ができ、一つは九月の災害による通常の予算措置によるいわゆる新生地辷地ができる、こういう問題になろうかと思うのですが、そういうふうになることは必然的に避けがたい現在の形だと思うのですが、そうなんでしような、ちよつとその点だけ……。
  20. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) お説の通りでございます。法律上はそうなると思いますが、この法律を背景にいたしますと、地辷りを防止するための措置もこの特別法で行くということになつておりますので、実際問題としまして、六、七月の水害で起つた地辷りなのか、その後の地辷り、その後の水害による地辷りなのか、そういう区別はなかなかつけられんと思う。又特にこれの対策を、地辷り対策を、これは六、七月分の地辷り対策事業である、これはその十月分の地辷り対策事業であるというようなことは実際問題としてできないと思うのでありまして、従いまして、この法律趣旨は六、七月の地辷りをこの法律で全部防止せよという御趣旨に解して善処するよりほかなかろう、まあかように考えております。
  21. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私も同感なんです。その点はいよいよ実施の責任を持たされる建設省なり、或いは農林省なりは、その地域に当つては全く率が修正等によつて非常な高率になつ関係から、よつぽど予算的な裏付がありませんと、意あつて工事行われずといつたような非常な苦しい立場に追い込まれると思うのです。どうか苦しいところではございますが、できるだけあの災害のもとである地辷り、山崩れ等については一段の御奮闘を願いたいということをお願い申上げます。
  22. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 続いて要望事項に対しましてその後の処置につき報告を聴取いたします。
  23. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 建設省関係のは二項目頂戴いたしておるわけでございますが、第一番目の、「災害復旧事業年度比率二十八年度四割を下らざるよう努めること」という御要望の点でございますが、建設省といたしましては、年度の初めに災害が起つた次第でもございますし、技術的に申しますと、四割など言わずに、できれば六割ぐらいもやりたいという希望は持つておるわけでございまして、いずれ特別立法が出る、できぬにかかわりませず、本年度災害対策予備費百億という問題では或いは解決しないのじやなかろうかと、まあ建設省限りでは見ておる次第でございまして、これらの予算の問題と睨み合せまして、是非御要望に副うように努力いたしたい、かように考えております。大臣も就任以来口ぐせのように、従来三、五、二というような比率があつたけれども、おれはああいうのはきらいだ、できるだけその年にやりたいのだ、こう申しておりますので、建設省挙げて一つ努力したいと思いますので、国会におかれましても御援助をお願いいたしたい、かように考えております。  二番目の、「水源より河口までの河川一体性を基とし、総合計画至急樹立し、直ちに実行に移し、災害復旧事業と跛行せざるよう努めること」この点に関しましても御要望の点誠に御尤もでございまして、御承知通り建設省におきましては今年の初めから河川局計画課というのを新設いたしまして、根本的の河川改修計画をやろうと思つてつた矢先でもございますし、今回大災害があつたのに鑑みまして、十分御趣旨に副うように努力いたしたい、かように考えております。なお河川管理水源から河口までこれを一体的にやるということにつきましては、現行の法制では或いは若干欠ける点があるのじやなかろうかと考えまして、具体的には河川法改正等につきましても、今検討いたしておる次第でございます。
  24. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 別に質疑はないようでございますから、建設省関係の審議はこれを以て終了したものと認めます。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  25. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。  三十分間休憩いたします。    午後零時四十六分休憩    ——————————    午後一時四十三分開会
  26. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) それでは委員会を再開いたします。
  27. 末廣義一

    説明員末廣義一君) 昭和二十八年六月及び七月の大水害により被害を受けた公務員等に対する国家公務員共済組合給付特例等に関する法律案につきまして、その予算所要額並び関連事項につきまして御説明申上げたいと思います。  実は資料が、私のほうは下部機構至急に詳細なる資料を提出するように命じてあるのでありますが、提出しましたものは目下のところ、南九州熊本県が出ておるだけでありまして、その他は一応推定数字が加わるわけでありますが、熊本県で一県におきまして、組合員が四万九千百八十七人あるのでありますが、そのうちに罹災したものが一万一千八百九十三人、約五人に一人という計算でございまして、その給付見込額内輪数字で一億四千五百万円になつております。これは災害見舞金は手続上相当市町村或いは地区の民生委員等の確認が要りますので、一応急を要するものだけ内渡しをいたしまして、認定のあつたことによりまして、詳細な数学を弾き出して支給することになつておりまするので、一億四千五百万円は恐らく一億六千万円程度になるのではないかと思われます。そこでこの法律案につきまして、二カ月分の範囲内において増額支給することになりますと、私のほうの計算で参りますれば、南九州管内全部で二億八千百万円の増額が要るわけであります。そのほか北九州では六億三千八百万円、なお山口も六千万円程度、これは山口は大体その二分の一程度の人員が罹災をしておるのではないかという数字になりまして、六千五百万円程度数字になるわけであります。そういたしますと、これだけ合せましても約十億という金がこの法律案によりまして必要となるわけでありまち。御承知通り、この共済組合社会保障制度の一環として、相互扶助の目的から各組合員の醵出いたしまする掛金によつて給付がなされておるわけでありまして、その組合の内容によりましては、現業組合非現業組合相当な差がありまして、現業組合におきましては、設立後日が長くなお国庫より予算支出等の面が多額に行われておりまして、相当の余裕があるわけでありますが、非現業におきましては千分の四十以上も負担している組合がありまして、それはおおむね出先機関を多く持つている各省の各組合に多いわけであります。従いまして、この災害見舞金の十億円の半額は国費で持ち、半額組合員掛金で持つことになりますと、私のほうの見込みで参りますと、千分の一・五の掛金率を全般について上げなければ、この経費は支弁できないという実情になるわけであります。一方この災害見舞金支給につきましては永岡先生にも十分御説明いたしたわけでありますが、この西日本の水害地のみに支給される組合員と或いはその他の地域において、小災害といえども全家屋が焼失した場合のような具体的事例のある場合におきまするその被害者見舞金の問題とは、同じ共済組合員として掛金を掛けておる以上は、これは同一視するのが公平ではないかということも考えられますので、今回の法律によりまする特定地域の而も特定組合員というものに支給せられる結果となるというものは、共済組合制度の本旨から考えまして不均衡が生じますので、公平の見地から或いは如何かと、こういうふうに思われておるわけであります。これは蛇足を附加えまして誠に恐縮でありますけれども、共済関係の事務を担当いたしまする我々といたしましては、どこまでも公平の見地から、被害者に対しては、如何なる場合にも同額を支給するというのが建前ではないか、こういうふうに思われるわけであります。この二カ月の範囲内と規定してありまするが、この二カ月の範囲内において運営規則で定めるところに従いという規定になつておりますので、私のほうの数字は、一応災害見舞金の三カ月乃至〇・五月の支給に対して、一律に二カ月を一応加える数字に相成つておりまするので、提案をいたされました永岡先生には何か御意見があるようでありますので、のちほどお承わりをいたしたいと思います。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 今数字の算出の根拠ですが、大分私たちの考えておる数字と開きがあるようですが、これはいずれこの問題について詳細に論議になろうと思うのですが、ただ、今数字を示されたその金額が全部二カ月というような意味計算されておるというふうに聞いて、私も若しそういう金額とすれば、非常に立法趣旨とは違つておるのであります。私たちは、実はその被害の度合に応じて、御承知のように全壊及び全財産をなくしたものを最高といたしまして、これは二カ月、それから最低三分の一及び財産をなくしたもの、これは〇・五月ということで段階を分けてやつたほうがよかろうということになつたわけでありますが、併し、それを政令乃至は運営規則に委ねたほうが賢明だろうということで、あえて運営規則譲つたのでありますから、若しそういう誤解の虞れがあるとするならば、立法者趣旨に反するのでありますから、これはこの際明確にして置きたいと思うのでありますが、最高は全家屋流失全壊更にその全財産流失、つまり全然無一物の最高が二カ月でありまして、そのうちの段階に応じて、ここでは省略いたしますが、一・五、それからその次の段階が一月、最低は〇・五、こういう趣旨で実は考えたのでありまして、こういうことをいわゆる最高二カ月の範囲内で、それぞれの被害状況に応じて別表に定められる段階に応じて運営規則で定めると、こういう趣旨で委ねたのでありますから、この点だけはこの際明確にして置きたいと思うのであります。それからあとで又懇談会に移つたときに……。
  29. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 これは私の会派では非常に問題にしていた法案でありまして、現在のこの国家公務員、或いはこれに準ずる者の処遇は必ずしもよくないというよりは、御承知のように、随分他との釣合いの悪い給与を受けておる。だからこの際に当つて、ああいつた水害が起きて、そうしてこの共済法によるのではなくて、相互のお互いの扶助の精神によるところの助け合いということでは、あれだけの広汎の地域にひとしく受けたものであるから、これは全く気の毒なものだ、それは何とかしなければならないという考えについてはわかるけれども、さてこの法律のようにやつて行くとすれば、現在余裕のある共済組合の経営の内容のところは仮りにできるかも知れないけれども、そうでない場合、長く投資するものに使つちやつている。それでまあ金がないといつたものには果してどうするのだろうという点が実は問題になつた。恐らくこの法律の施行のあとには、いつかは一般会計からこれに補給してやらなければならないという事態が起きるのではなかろうか。若しそうでなくて、組合員掛金を上げることによつて、これを自家賄いで行くんだということであるならば、果してその上げた率というものが今のこのような俸給の生活者、勤労者にとつて堪えられる一体率の程度であろうかどうであろうか、この点が明確にならなければならないといつたような議論も実はあつたのでございます。併し、何としても早々の間であつて、全体のこの災害地の救済に関連する二十五にも及ぶ法律の早々の審議でありましたために、その点を明らかにしないで、この法律の見方によれば、肝心な所が明らかにされないままに法律が通つてしまつたという感もないわけではない。私はこれの実施のあとの始末については、当然近い機会に慎重に議員としてもこれを十分検討して、何とかこれら組合員の人たち、その又組合が本来の趣旨によつてつて行けるようにして上げなければならない。私はこういうふうに考えておるのであります。こういつた考え方をしなければ、恐らくこの法律を施行する担当者としては、非常にお困りだろうと思う。それについて簡単に感想だけをお聞きしたいと思う。
  30. 末廣義一

    説明員末廣義一君) 只今三浦先生から共済組合全般に対する御理解あるお話を承わりまして、非常に感謝をいたす次第であります。実は現行法律の建前のみでは、つまり国家公務員の全般に災害見舞金支給いたしますと見積りますのは、約八億円になるわけであります。すそれに先ほど永岡委員からおつしやりました段階別の災害見舞金を附加えることにいたしますと、大体五億二千万円程度要りますので、この数字を併せますと、従来のと今回の総額とを併せまして、十三億二千万円程度見込まれるわけであります。そういたしますと、各組合員掛金率は大体千分の二強だけ増額しなければいけないような実情になつておるわけであります。どうか国会におかれましても、この組合員掛金というものは、零細なる俸給生活者の供出によつて使つておるわけでありますので、十分御理解をして頂きたいことをお願いいたしたいと思います。
  31. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に御質疑ございませんか。
  32. 松岡平市

    ○松岡平市君 どういう意味ですか。千分の二というものは、零細なものの掛金であるから、それについては深甚な考慮を払えとおつしやることの意味はどういうことですか。はつきりおつしやつて頂きたい。
  33. 末廣義一

    説明員末廣義一君) その千分二のの掛金を上げますということは、一つには、現在、先ほど御説明を申上げました赤字を出しておる組合相当あるわけでございます。現業は掛金が千分の三十以下程度になつておりますが、非現業は三十五以上、四十二をかけておるような現状でありますので、千分の二を増額いたしますことは、現在最高限度の掛金をかけておりまする共済組合にとりましては、これ以上げることは相当困難視されるという実情にあります。そういう実情にあるということを御考慮願いますことが一つと、全国の国家公務員が千分の二上げることによつて災害地の言わば特定の人たち災害見舞金増額支給する結果になるわけでありまして、これは社会保障制度見地から考えますと、特別な地域の特別な人に特段の金を支給するという結果にも相成りまして、相当不均衡が生ずる結果になる。こういうことを国会においても一応御認識を願いたいと、こういうことになるわけであります。
  34. 松岡平市

    ○松岡平市君 千分の二上げることは困難だから考えろとおつしやることは、だからその分は何か政府の補助金を出すように考慮しろという意味でございましようか。
  35. 末廣義一

    説明員末廣義一君) お答え申上げます。共済組合制度は社会保障の一環として生れたものでありまして、御承知のごとく社会保障制度におきましては、健康保険組合、或いは船員保険組合一星年讐かいろいろなものができておるわけでありますが、そのうちの、健康保険のうちの政府職員にのみ適用される、言わば健康保険の代行的な役割を演じているのが今日の政府職員の共済組合なのであります。そういう実情にありますので、国庫補助金を共済組合に出すと、而も災害見舞金は健康保険にも例のない政府職員にだけ特別に認められた制度でありますので、他との、健康保険との均衡上これ又相当問題が生ずるのではないかと思います。従いまして、国庫補助を直ちに頂くということも他との均衡上如何であるかということをまあ心配しているわけであります。
  36. 松岡平市

    ○松岡平市君 御承知通り、私はこの立法には最後まで反対した者の一人であります。併し、これはこの立法を主張された側からは、この共済組合自身が是非こういうことをしてもらいたいという希望もあると、こういうふうに私は承わつておるので、只今説明員の御説明といささか差があるようであります。私どもは飽くまでもこれの立法を阻止しなかつたものは、この場合に見舞金増額するということについては組合が希望しておられる。即ち全部の組合員が希望しておられる。国家の負担も増額いたしますけれども、組合が希望しておられるならば、国家の負担の増加することも止むを得ないであろうということで私は最後の反対をやめたわけでありますが、今お聞きすると、その組合員が千分の二負担することは困難である、こういうような御説明であつて甚だ我々の理解したところと距離があるようであります。その辺のところをどういうわけで、そういうふうに行き違いになつたのか、それを明かにしておいて頂きたい。
  37. 永岡光治

    永岡光治君 私からもお尋ねいたしますが、この本委員会において、この共済組合を代表するところの、つまり加盟しておる従業員です。従業員と言えば組合員ですが、これを代表するものの官公労の議長からは是非とも実現してほしいという要望を受けておるのでありますが、今主計官の話によると、そういう要望がないというふうに今聞えるのですが、そういう意味でしようか。掛金をとにかく増額してでもやりたいという希望があるということを聞いているのですが、あなたの言う組合員が今要望していないというふうに今松岡委員がとつたようですが、そういうふうなことになつているのでしようか。
  38. 末廣義一

    説明員末廣義一君) 私は官公労の議長さんにお会いいたしておりますので、実は官公労の組合のおかたは、そういう希望を持つておられるかどうかということについてはつまびらかにしないのでありますが、一方共済組合の事務を担当いたしております各省に共済組合本部というものがありまして、その事務に従事している職員があるわけでありますが、この法案が参議院を通過……。
  39. 永岡光治

    永岡光治君 事務ですか。
  40. 末廣義一

    説明員末廣義一君) さようでございます。いたしましたことを聞きまして、私のほうへ各省とも一様に電話をかけて来まして、この措置をやるについては相当の財源が要る。現在ですら財源がなくて困つているのに相当な又赤字が出るということになるので、これは組合員掛金を上げなくちやならんことになる。組合員掛金を上げるということにつきましては、これは運営委員会等で、組合の代表者等と相当話合いをしなければいかん問題があるので、私どものほうでは非常に困つておる。実は大蔵省の指示もあつて、各共済組合では貸付金制度を大幅に活用いたしまして、従来俸給の一カ月程度しか貸していなかつたものを三カ月最高五万円程度までは貸付ける。そのほか従来なかつた据置期間を六カ月設けて返還期間を三十カ月にする大幅の措置を講じておりまして、これによつて応急に救済というものに当つておる。なお政府職員に義指金を募つてそれぞれ応分の救済資金というものを送つておる現状において、我々共済組合の経理を担当するものは非常に困つておるということを大蔵省共済関係をやつておる責任者としてどう考えるかということを各省から実は言われて、私はまあ困つておる現状なのであります。
  41. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 本日は法による必要なる予算額の検討並びにその法の運用、特に政令制定についての政府委員の見解を質すことを目的として、本委員会を進行いたしておりますので、大体その目的を達したと思いますので、この件はこれで打切りたいと存じます。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  42. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。  続いて日本再出売公社三浦理官室長に願います。
  43. 三浦道義

    説明員三浦道義君) 昭和二十八年六月及び七月における水害による被害たばこ耕作者に対する資金の融通に関する特別措置法に基きまして、どのくらいの予算措置が必要になるかという点を簡単に御説明申上げます。お手許に差上げました資料被害金額復旧に要する費用の大体を掲げてございます。  第一がたばこの乾燥室復旧費といたしまして、全壊、半壊、一部破損、それぞれ金額にいたしまして五百八十八万円、八百二十万円、七百二十二万円、この合計が二千百三十万円になつております。即ち、乾燥室の復旧に要する費用が二千百三十万円、それから肥料、薬剤等の購入に要するいわゆる営農資金関係を次のほうに掲げてございますが、被害面積が二千三百二十八町歩、その損失金額が六億六千四百六十万円になるわけでございますが、その被害金額の大体三〇%を融資するという考え方をとりまして、これが一億九千九百三十八万円、このように乾燥室及び営農資金関係の融資を要する資金は、合計いたしまして二億二千万円、これを大約法律で限度が二億円ということで定められたものと考えております。こういたしまして二億円の融資をするに伴いまして、利子補給を行います場合に、それではどのくらいの金額が必要かということになりますと、乾燥室の関係が五年間と見まして、この間の利子は約六百五十万円、それから第二の項目の営農資金のほうで、大体これは二カ年の融資でございますが、利子の総額が二千百五十万円、その合計は二千八百万円ということになります。而して本年度の分をそのうちから抜出して見ますと、本年度予算として新たに計上を要します金額は約二百八十万円ということになるわけでございます。大体これは再売公社の予算の補正の際に、大体この程度金額でございましたならば計上し得るものを考えております。
  44. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 質疑のあるかたは願います。
  45. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今の補正予算の場合に、公社の予算範囲においてやられるということは、この次の補正予算の際に公社のほうでできるということですか。
  46. 三浦道義

    説明員三浦道義君) そうでございます。
  47. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に御質疑ございませんか。それではこの案件の質疑は終了いたします。  続いて通産省関係を願います。
  48. 石井由太郎

    政府委員石井由太郎君) 議案といたしましては衆第七十号、七十一号、七十三号であります。このたび成立いたしました二十八年六月及び七月における大水害関連いたしました中小企業或いは小企業者に対しまする特別立法措置予算措置を伴いまするものが二点ございます。第一は衆第七十号に関連いたします中小企業信用保険法の特例に関する法律でございます。これは災害罹災中小企業者に対しまして、金融機関が再建資金を貸付けまする時分に、その回収不能によりまする危険を中小企業信用保険によりまして保険する、而もその保険率は従来の例によりますると、貸付額の八〇%と相成つ出ておりましたのを、九〇%といたすことが第一点、それから第二点は、信用保証協会が中小企業者の保証をいたしまして金融機関から金を借入れまする場合に、信用保険特別会計において再保険をいたしておるのであります。これの通常の填補率は貸付保証額の六〇%と相成つておるのでございますが、これを七〇%にいたしましておる点が第二点、第三点は、金融機関が国民金融公庫或いは近く発足いたします中小企業金融公庫の代理貸業務を行いまする時分に、元利払いを公庫に対しまして保証いたしまするが、その保証責任を再保険する、その填補率は、通常の場合は六〇%でございまするのを七〇%にいたすというのが法案の内容でございまするが、これに伴いまする予算措置といたしましては、次のように私どもは想定をいたしておるのでございます。  先ず第一に、中小企業信用保険においては、保険料をあらかじめ徴収いたしまして、保険金の支払いは、借入ふいたしました中小企業者が銀行その他の金融機関に期日に金を払わない、その場合に政府が代つて払うわけでございますので、保険金の支払いは相当遅れると思われますので、少くとも三十八年度におきましては、制定法律の第四にございまする信用保険特別会計に一般会計から差損補填のために繰入あるという措置が必要でないかと思うのでございます。併しながら昭和二十九年以降につきましては、おおむね二十九、三十、三十一年度の三カ年度を通じまして、約四億一千六百万円を一般会計から信用保険特別会計に繰入れをして頂く必要があるのじやないかと思うのでございます。と申しますのは、今度の特別立法によりまして信用保険の対象となりまする貸付額、一般銀行が四〇%、政府保証で貸しまするものが約三十三億四千万円、それから信用保証協会が政府の七〇%再保証で貸出しますものが二十二億九千二百万円、それから銀行その他の金融機関が、国民金融公庫並びに中小企業金融公庫の代理貸業務を行いまするのにつきまして政府に再保険を求めて参りますものが四億八千万円、これらの金額が貸付けられると思うのでございまするが、これによりまして上つて参りまするところの保険料収入は合計七千四百六十三万三千円と想定されるのでございます。お手許にございまする資料はこちらの事務局のほうでお作り下さいましたもので、数字が違つておりますことを申添えておきます。これに対しまして中小企業者が借りた金を払わないということを原因といたしまして、信用保険特別会計から銀行に代つてつてやらねばならん金額が一般の場合でございますると、大体保証いたしました額の五%ということに相成つておりまするが、今回は信用程度も悪くなつておりますこと並びに填補率が高いので金融機関の融資態度も相当緩和されるとい又ようなことも考慮いたしまして、一〇%の事故率があるものと考えておるのでございます。支払保険金の総額は四億七千四百六十四万円、こう想定いたしております。従いましてその差額約四億一千六百万円は本年度予算措置は必要ではございませんけれども、二十九、三十、三十一の三カ年間に逐次一般会計からこの中小企業信用保険特別会計に繰入をして頂く必要があることと存じておる次第でございます。  第二の予算措置関連いたしまする点は議案衆七十三号でございます。即ち少額の小規模の中小……。
  49. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 ちよつとなんですが、これに基いて説明して、これが間違つておればこれを直して行くようこ……。
  50. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて。   (速記中止
  51. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。  法律案施行に伴う経費説明聴取は都合により後刻に廻しまして、先般の申入事項に対するその後の処置の経過について佐久石炭局長より聴取いたします。
  52. 佐久洋

    政府委員(佐久洋君) 先般の政府に対する申入事項のうちで、特別鉱害復旧指定家屋復旧についての件がございます。これは特別鉱害と申しますのは、戦争中に強行出炭をいたしました結果生じた鉱害について国の特別会計を設けて、それで国の事業として復旧をしよう、こういう趣旨のものでございますが、本年度のこの水害におきまして、本年度家屋復旧計画しておりましたもの以外について相当被害を受けておる所がございます。これは勿論来年、再来年の時期を得まして当然復旧に入つて来る予定のものでございます。それを繰上げて復旧しよう、こういうことでございます。そのためには特別鉱害復旧法の改正を一つ必要とするのでありまして、特別鉱害復旧法には借入金ができるという規定がございません。そこでその借入金ができるという法律改正をするということが起つて参りますが、この問題が起きましたときには、本年度の特別鉱害特別会計というものは大体成立の一歩手前まで進んでおりまして、仮に特別鉱害の法律を改正いたしましても、借入金ができはしますが、それを支出する技術的な方法がない。それを支出するためには特別会計の修正を必要とするが、それは技術的に不可能であるという見解に到達いたしましたので、この問題については家屋復旧そのものは新らしく計画を立てまして、他の事業費は一時そちらの必要に応じて使つて、来るべき国会におきまして特別会計の借入金の予算措置法律の改正をいたしまして、それによつてつて来た金を穴埋めに廻して行く、こういう措置を講ずる考えでおります。この点につきましては当委員会永岡委員も衆議院の水害対策委員会関係委員のかたと御同席を願いまして、大蔵当局とも話合いをした結論が只今申上げたようなことでございます。
  53. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 関連なのですが、あの地帯は鉱山石炭地区ですから、いろいろとこれに対する融資等をやつておられる。私現地のほうに行つたときに、私が要望されたのはここに改めて申入れはしませんでしたが、石炭山の復旧について融資をなさる際に、何とか石炭坑木の業者に対する融資ですね、これもやつてくれ、これは坑木業連中の勝手な希望でなくて、鉱山側からも希望しておつた。とかくこれは一括してやりますというと、先ず自分たち復旧が忙しいので、坑木のほうには廻らないというので、かねてからいつも問題になつておる問題なんです。今度はどういうふうに処置されましたか、その点だけ聞いておきます。
  54. 佐久洋

    政府委員(佐久洋君) その後、中小炭鉱の代表者が大分大挙して出て参りまして、いろいろの資金手当についても、決して十分とは申せないのでありますが、一応この際としては、この程度以上のことは望めないということで、一応了承して帰つておりますが、萎がいろいろと要求した際にも一坑木の問題は当然出ておりました。ただ坑木引当のための資金という特別の枠を作ることは非常に困難であります。今度の一般資金につきましても、石炭鉱業の復旧資金という誓えなかなか作れなかつた関係もありまして、坑木という特殊の業種の融資枠というものが非常に困難でございましたが、それも含めて炭鉱の融資を考えたわけでございます。一応業者はそれで了承して帰つております。
  55. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 含めていつも含めている意味にはなるのですね。丁度平衡交付金が何でもかんでも含まつておる、含まつておるということによつて、さて実施面になるというと、足らないものだからいろいろとそこに問題が起る。どうか御承知通り坑木は石炭山にとつてはなくてはならないものであり、更に二十五万円、大体五十万くらいが月に要るはずです。そのうちの二十五万がいわゆる搬出路線が崩れたり何かしたために手当している。その二十五万、半分が出ないということから新しい資金に非常に困つているという問題がありました。鉱山側からもありました。この点は十分注意を払つて一つ円滑に石炭の採掘が進まれるようにお願いしたいと思います。
  56. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に質疑がないようでございますから、この件はこれを以て質疑を終つたものと認めます。  次に運輸省関係を願います。
  57. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) 運輸省関係を御説明申上げます。本日お手許に配付いたしました資料は三枚ございます。その前に先だつてお配りいたしましたものに、地方鉄道軌道関係被害額を調査したものと、それから自動車関係被害額を調査したものとを前にお配りいたしております。若し今日この席にお持ちじやございませんようでしたら、部数はまだ持つておりますから、改めてお配りしてもようございますが……。
  58. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 配付して下さい。
  59. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) 今委員部のかたからお配りいたしました運輸省関係被害額調というのがございますが、国鉄、私鉄、自動車、港湾、造船それから海上保安庁関係その他の運輸省の官署関係被害額を七月末までに判明いたしました分につきまして、西日本関係分と和歌山、その他南近畿地方分に関するものと分け計上いたしたものでございます。一番大きな被害額は国鉄の六十二億、その次は港湾関係の十億、その次が私鉄関係の九億七千万、それから自動車関係、こういうような順序になつておるわけでございます。  それからその次に半ピラの紙をお手許に差上げてあると思いますが、これが御審議を煩わしました地方鉄道等に対する特別措置法が実施されました場合の補助額の予算でございます。私鉄関係と軽軌路線のバス関係と軽軌路線のトラック関係の表がここに載つております。この中で地方鉄道軌道関係は、大企業のものは除いております。バスとトラックは車輌だけを計上いたしております。そのほかこの表を作りますまでに調査が間に合いませんでしたのは、議員修正になりました郵便物を運送しておりますところの自動車に対する補助でございます。これを急いで調査いたして被害額を調べてみたの査ございますが、大体全体といたしまして六百万見当のようでございますから、二割の補助額といたしますと、百二十万円見当数字になるのじやないかというふうに考えております。この数字は郵政省のほうから伺いました数字でございまして、なお我々のほうとしては地方陸運局を通じまして詳細に数字をとつてみたいと、かように考えております。従いまして地方鉄道等に対する特別措置関係補助額の予算といたしましては、合計いたしますと、一億九千五百万円見当のものに相成るわけでございます。現行法によります補助額というのは全然ございませんので、これは零でございます。  それからその次に差上げております表が港湾関係補助額でございます。これはたい積土砂の排除に関する法案の中に港湾関係をお入れ頂きましたので調査いたしました数字でございます。被害県の内訳が山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、和歌山、かように書いてございます。備考欄にはこの県下内における被害を受けましたところの港の数がございます。それで大体全体といたしまして三百九十五万立メートルの土砂が堆積しておる、こういうふうに推定いたしております。算定の基礎は大体一立メートルの土砂を排除いたしますのは三百円の単価でできると、こういう想定の下にこの八億八千八百万円という予算をここに計上いたしました次第でございます。なお現行法による補助額というのがございますが、これは現在の公共事業災害補助法によりますと、三分の二を最低にいたしまして国が補助することができるというふうになつておりますので、三分の二で行きました場合には五億九千二百万円、こういうことになるわけでございます。現行法では五億九千二百万円、今度の特別法で参りますと、八億八千八百万円、こういうふうな数字になつて参るわけでございます。  以上が今回の法案についての運輸省関係予算を御説明申上げたわけでございますが、昨日の政府に対する要望書に対しましてもお答え申上げたいと思います。  先ず第一に運輸省関係地方官署関係については直ちに善処するようにという、こういう御要望でございますが、これは大蔵省もいろいろお話があつたことを思いますが、全体で官署関係は予備費が三十億しかございませんので、只今事務的に大蔵省と折衝を続けておる段階でございます。なお、この中で下関と門司と小倉と若松のこの四つの港につきましては、取あえず二千五百万円応急復旧費として支出をして頂きまして、只今港湾の応急整備に着手いたしております。  それから次は国有鉄道関係でございますが、国有鉄道全体の被害額は約六十二億、こういうことになつております。なおこの席上を拝借いたしまして、今日現在の国鉄の不通箇所を御参考に申上げます。先ず九州関係でございますが、久大線と申しまして、久留米から大分のほうへ行つておる鉄道がございますが、この間の豊後三芳と豊後中川の間、それから引治と豊後中村の間、この間が現在不通でございますが、これは今日の十五時三十分に試運転をいたしまして、それでよければこの間は開通すると、こういう運びに相成つております。それから矢部線でございますが、山内・黒木間がこれは十月にならなければ開通はいたさない見込みでございます。それからもう一つは最も問題の松浦線でございますが、これは調川と浦崎間はまだ全通に三、四カ月は要するだろう、併し八月の中旬中には何とか徒歩連絡だけでも現場のところはしたい、かように国鉄のほうとしましては復旧に努めておる次第でございます。以上が九州関係でございますが、南紀州関係を申上げますならば、紀勢西線の箕島と藤並、この間が八月三十一日に開通の見込みでございます。それから道成寺から和佐という駅がございますが、この一駅間は只今のところはいつ開通になるか、ちよつとはつきりした日にちを申上げることができませんのでございます。なおその他長男県の水害だとか、各地で水害がございまして、鉄道が一時不通になりましたが、今日現在全部開通しておる、こういう状態でございます。  なお、御要望書の中には、早急に三十六億九千九百万円余を融資して輸送力の確保を図るように、こういうお話でございましたが、国鉄といたしましては予備費が今年度五十億ございます。取りあえず予備支出でこれを賄いまして、追つて補正予算のときにこの問題をお願いしたい、かような気持で今日おるわけでございます。取りあえず予備費の五十億でこの金を支出したい、かように考えております。それから地方鉄道と自動車、それから造船所関係被害がございますが、これにつきましては、私鉄と自動車関係は先ほど申上げましたような被害額で、而もそれに対しては格段のお骨折によりまして、法案を通して頂いたわけでございますので、まあそれの公布によつて或る程度償いができるのではないかと考えておりますが、とても追つつかないような所に対しましては、十分融資の途を考える。又復旧の際にはレールの足りないような所に対しては、国鉄の古レールの払下げも考える。こういうふうな方法を講ずることによりまして、できるだけ早く地方交通の復旧を図りたい、かように考えておるわけでございます。そのほか自動車局長とか船舶局長、鉄道監督局長、各局長のほうからそれぞれ関係方面に対しまして、いろいろ融資の斡旋をお願いし、且つ又いろいろつなぎ融資なり各方面の指定預金の制度等でいろいろ出し頂きました資金を活用するように十分に連絡して、手配をいたしておる、かような訳合になつております。  それから昨日衆議院の水害地緊急特別対策委員会のほうで附帯決議を頂戴いたしました気象台関係でございますが、これにつきましては只今のところ補正予算を待ちまして、それによつて要望の線に副いたい、かように考えておるわけでございます。  なお、御要望の中にはございませんでしたが、運輸省の所管の中に海上保安庁関係がございますので、お話申上げたいと思います。一番困つておりますのは流木の処理でございます。山のほうから根こそぎ流れて参りました流木が海へ浮かび出まして、浮んでおるだけならまだ始末がいいのでございますが、それが沈んだり浮いたりいたしまして、丁度三尺ぐらい沈んだ所に船が通りますときに、スクリユウに突き当るというようなことで実に困つております。それで海上保安庁といたしましては、航路障害となる障害物を除去しなければなりませんので、これについて今予算措置を講じまして、速かに除去するような方途を講じております。それも立木のことでございますから、一定の個所に停滞していてくれれば始末がいいのでございますが、それが風、潮等によりまして海岸に流れつき、又新聞紙上を賑わしておりますが、海水浴の客が立木のために困つたというような例もあるようでございますので、沿岸に漂流しておつて、沿岸から距離が一マイル以内の所にあります流木につきましては、これは地方公共団体のほうで御処理を願う、それよりも沖のほうにあります流木について、航路の障害となるものについては海上保安庁で予算をとつてこれを除去する、こういうふうに打合をいたしまして、只今それを実施いたしておる、こういう状態でございます。  以上でございます。
  60. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今予算額調、並びに先般の申入事項についてそれぞれ御報告があつたわけでありますが、質疑があるかたは願います。
  61. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今の根こそぎやられた流木が海に流れて港湾を非常に閉塞しておる。この問題は今度の堆積土砂の特別法案の中に港湾が入つておる。ところでこの指定の問題なんでんが、まだ御研究中であろうかとは思いますけれども、考え方だけを一つ聞きたい。それは例えば紀州の大水害で流れた山の奥の木が潮流によつて淡路の島の港に堆積している。ところが淡路というところは、水害の直接対象になつていない。私の聞くところによれば、聞く通りのごとくであれば、非常にその洲本というところは猛烈な、いわゆる対象になると思われるほど、うんと積つているようですが、本当かどうか、知つてつたらそれと、それから降らない土地にそういう現象が起きているのは、今のところどういうふうに考えられるか、研究中か、もうすでに何と言いますか、研究の結果どういうふうになつているか、その辺ですね、差支えなければ。
  62. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) おつしやる通りの情報が、我々のほうにもすでに入つております。非常に大きな話をするようで恐縮ですが、淡路のところの交通なんか、流木のために船が通れないというようなお話を現地のほうから伺つております。特に今お話の洲本の港なんか、船が入ることができない、こういうことでございますので、それにつきましては、水害地の中へ政令で指定して入れるか、それともまだそういうことはやつておりませんで、保安庁のほうで行政措置で緊急にとる、そのほうが手つ取早いじやないかということで、海上保安庁としては、そちらのほうで、政令の指定を待たないで、手早く着手するという方法で只今つております。
  63. 松岡平市

    ○松岡平市君 只今説明の中に、なお九州において水害のために、不通の箇所が相当あるようであります。甚だしいものは、まだ今後開通の見込が三、四カ月たたなければ立たないという松浦線の例を挙げられましたが、それらについては鉄道が開通しない間の、従来鉄道によつた交通は如何なる方法で現在処理しておられますか。
  64. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) まあ一番手つ取早い方法は、現地の徒歩連絡を御承知の上で乗車券の発売をするということが、一番原始的な方法でありますけれどもやつております。それから非常に交通量の多いところでございますと、民間の船を傭船いたしまして、そして国鉄の運賃と同じ運賃を頂戴して、それで民間から傭船した船でお運びすると、こういう方法をとつております。現に和歌山のほうは関西汽船の爵羽丸という九百トンの船を傭船いたしまして、それで鉄道の運賃と同じ運賃をお客様から頂いて、それでお運びしていると、こういうことでございますが、松浦線の場合はとにかく徒歩連絡で一部を通すと、こういうことのようでございます。
  65. 松岡平市

    ○松岡平市君 徒歩連絡で通すのもまだかなり先のようですが、今までは一体どうしておられるかということです。
  66. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) 今までは交通が物資の流れとか、そういうので行つておりませんです。
  67. 松岡平市

    ○松岡平市君 全然措置は講じておられないままですか。
  68. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) 措置が講じてないと言いますか、松浦線のほうは先ず関門トンネルの開通だとか、鹿児島本線というものに電点を置いたものでございますから、そういつた幹線に比べまして遅くはなつておりますけれども、何と申しますか、措置を講じていないわけじやございませんですけれども、遅れておる。中旬には現地の徒歩連絡ができる、こういうことを、今日私こちらに参りますについて、一番新らしい情報をとつて参りましたのでございます。
  69. 松岡平市

    ○松岡平市君 その間何かバスを代りに使うとか何とかいうようなことは、全然やつておられないのですか。
  70. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) 道路そのものが何と言いますか、ないわけでございますから、崩れておるわけでございますから、そこまでのことはできていないのです。
  71. 松岡平市

    ○松岡平市君 要するに結局そこで鉄道による従来の交通は杜絶したままで、やつておらんわけはないとおつしやるけれども、何もやつておらんというわけですね。それの代りとして何もやつておらん。やつておらんわけはないというのは、どういうことをやつておるか。片方のほうは船を使つておられるとおつしやるけれども、その部分道路が駄目で使えないというなら、結局何もやつておらんということだと思いますが、何かやつておられるのですか。
  72. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) その不通区間については、道路そのものが今不通でございますので、何もやれないのですね。やりたいのですがやれないという状況でございます。
  73. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 実は今度の九州の大水害で非常にああいう百長い間、軒までの水害というもので、農家の連中も、原料藁を非常に腐らしてしまつた。そこで今農家の人は、漸く減水と共にいろいろと営農にいそしみ、復旧に努力を重ねておるのですが、やがて何ぼかこれからとれる農作物のいれもの、或いは肥料を大口で共同購入したものの分配のためにするいれもの、こういうことで藁工品を相当に使うのです。そこで藁工品の材料である藁を遠くから輸送して、そうして女、子供のいわゆる副業的な仕事に、一つの授産的な材料にも兼ねてなるわけですが、この問題については運賃の割引をしてくれという問題は御承知だと存じますが、これは一体例えば農林省が予算をとつて、そうしてとつて鉄道が割引いたその損失を補填するという方式をとらなければ、実現ができないのか、同じ政府の間のことですから、そのことを前提として、この急場に実施してやるという、こういうようなことができるのか、この点簡単にこれだけを承わりたい。
  74. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) 今お話の点につきまして、国鉄のほうではそういつた物資を甲、乙、丙に分けております。甲物資は、罹災者用の救恤用の寄贈品、これを甲物資と呼んでおります。それから罹災者用の物資、これが乙物資であります。どういうものがあるかと申しますと、食糧品、薪炭、衣類、寝具、雨具、炊具、炊事の道具でございます。それから応急建築の材料の木材、竹、杉皮、ブリキ、トタン板、針金類、釘類、瓦、建具、敷物、筵、畳、畳表、板ガラス、軽便な壁板、こういつたものを乙物資、こういうふうに呼んでおります。それから罹災地の応急工事材料を丙物資と、こう呼んでおります。これは木材、竹、俵、筵、かます、繩、針金、こういつたものを丙物資と呼んでおりまして、甲、乙、丙に分けまして、甲は無賃扱い、乙及び丙は五割引、こういうような運賃の減免をいたしまして、勿論期間は限られておりますが、そういうふうにしておるわけでございます。それで従来の例もございまして、一応だんだんと範囲を拡げて参りまして、只今私の読み上げました範囲内で、今日減免の措置をいたしておるわけでございまして、先ずこれ以上殖やすことは現在の段階では困難だ、国鉄の負担において殖やすことは困難じやないかというふうに考えております。
  75. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それはわかるわけですけれども、筵は入つておるけれども、筵の材料或いはかますの材料となる原料藁、藁の問題ですが、このことは一つはあの災害地における婦人子供の或る一つの授産と申しますか、仕事になるので、これを非常に農民たちは欲しているのです。而も御承知通り遠くから送らなければならん。非常な米産地新潟とか、ああいつた米産地のほうから送らなければならんわけで、距離が不自然に遠くなる。だから補助してもらいたいというのがあるわけですが、それを農林省が予算を取つて、あなたのほうに、鉄道当局に補填するというような操作をしないのであれば、相手にならないかどうかという、あなたの感想ですね。あなたのお考えです。
  76. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) 農林省のほうで、そういうふうな予算措置を講じて下されば、もう国鉄としては何も異議の申しようのある筈がないと思いますが、そうでなければこれ以上に殖やすことは今日の段階では困難じやないかと思います。
  77. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 配付してもらつた被害会社、資本金、配当金という調べの中に、長崎県の私鉄が入つてないのは被害がないということで入れておられないのであるかどうか。
  78. 梶本保邦

    説明員(梶本保邦君) いいえ、そうじやございませんで、それは代表的なものをここに書いたわけでございます。決してこれ以外に何がないというわけのものじやございません。私鉄と申しますと、直ぐに非常に大きな私鉄というのがまず念頭にお考えになるものでございますから、私鉄々々といつても、ぴんから切りまであるというので、御参考のためにこういうのを出しましたわけでございまして、これがすべてじやございません。
  79. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に御発言がないようですから、これを以て運輸省関係質疑を打切ります。  続いて文部省関係を、文部省管理局長近藤君に願います。
  80. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 御説明申上げます。国会で御審議決定を頂きました昭和二十八年六月及び七月の大水害により被害を受けた学校給食用の小麦粉等の損失補償に関する特別措置法、これに基きます予算措置でございますが、お手許に差上げました水害による学校給食用物資(小麦粉、脱脂粉乳)の被害額調というのがございます。小麦粉百五十四万円五千円、脱脂粉乳五百三万一千円、合計六百五十七万六千円、これは法律によりまして全額補償に相成つております。それからこれは被害地におきまして倉庫にありました分で、今回の水害によりまして水につかりまして使用に堪えなくなつたものに対する損失補償でございます。  それから次に二枚目の紙の文教施設災害復旧費とございますが、その前にちよつと数字を御訂正願いたいのでございますが、公立学校施設といたしまして査定被害額三十五億円とございますが、三十三億円に御訂正願います。従いまして国庫支出額が二十六億五千万円を二十四億七千万円に御訂正願います。それからその次の欄で二十三億七千万円とございますのを二十二億円に御訂正願います。又その次の欄には二億八千万円とございますのを二億七千万円に御訂正願います。それでは御説明申上げます。  これは同じく、この度国会の御審議、御決定頂きました昭和二十八年六月及び七月の大水害による公立教育施設災害復旧事業についての国の費用負担及び補助に関する特別措置法に基きまして、公立学校の施設災害復旧に要する予算額でございます。公立学校施設国庫負担法によります国の補助率でございます。公立学校施設国庫負担法によります国の補助率三分の二でございますが、この度の特別措置によりまして、これを四分の三に引上げましたのでございます。従いまして国庫支出額は二十四億七千万円となります。これを昭和二十八年度はこの六割を要求いたしたいと考えております。なお、この法律によりまして公立社会教育施設につきましても国がその施設の三分の二の補助をいたすことになつておりおすので、その金額はお手許の表によりまして、被害総額三億二千万円の三分の二でございますので、二億二千万円となつております。以上二つは、先ほど申上げました法律に基く予算措置でございます。次になお申忘れましたが、この公立社会教育施設については負担ではございませんので補助となつております。念のため申上げておきます。それから次に同じくこの度法律の決定を頂きました昭和二十八年六月及び七月の大水害による私立学校施設災害復旧に関する特別措置法に基きまして、国はその復旧施設に対しまして二分の一の国庫補助をする、残りの二分の一につきましては私学振興会が二分の一を貸付けるという規定でございます。これによりまして査定被害額が一億七千万円でございまするが、国の補助といたしまして二分の一の約九千万円を補助することになるわけでございます。これはこの法律に基きます予算措置でございます。なお、その残余の二分の一につきましては私立学校振興会から貸付けることになりますので、その貸付金額につきましては、これは別途私学振興会の政府出資の増加要求といたしまして同じく九千万円の予算要求をいたすつもりでございます。  以上、大体法律に基きます予算措置を御説明申上げましたが。なお、ここで一つ問題になつておりますのは、和歌山水害におきまして、公立学校施設被害のみならず、教職員の住宅が非常な被害をこうむつているという場合がございまして、これにつきまして是非この法律を以て国が補助してもらいたいという要求がございましたが、この法律によりますると、その対象といたしましては、学校の建物、それから学校の敷地、学校の工作物、設備となつておりますが、教員住宅まではこの対象には入らないと考えられるのでございますが、事情が誠に気の毒なことでございますので、私どもといたしましては、別途これは予算要求をいたしたい。若しそれが困難な場合におきましては、何らか起債の措置を以てこれを救済することも考えたい、実はかように考えておりまするが、この点につきましては、実は多少思い悩んでいる点でございます。  以上、法律案に基きます予算措置につきまして概略説明申上げました。なおお手許に差上げた資料のほかに口頭で申上げたいことは、今回当委員会から御決議を頂きました点でございすが、その第一点は、罹災学生に対する援護措置でございます。これにつきましては、すでにお話申上げたところでございまするが、別途予算措置を以ちまして約一億七千万円を要求いたしております。これは西日本のみならず、和歌山奈良分も含めまして一億七千万円の予算を要求をいたしております。その内容を申上げますと、全壊流失した罹災学生につきましては一人当り六千円、その人数は四百五十二名、それから半壊及び床上浸水のものにつきましては一人当り月三千円、人数は七千三百五十三名、これが七カ月分の援護資金を別途予算要求いたしております。  次に教科書の支給の問題でございまするが、これにつきましては、この流失教科書の冊数の調査が先ず問題になるわけでございます。目下災害県から具体的調査報告を求めておるのでございまするが、七月の二十五日現在までに判明した数字は、小学校用、中学校用、高等学校用を含めまして、一部推定もございますが、全部で七十九万冊に上つております。これに対してその発行者が保有しておりまする各教科図書の在庫本数がどのくらいあるかと申しますると、これは七月十三日までに調査判明いたしました冊数は約四百八十八万冊でございます。これは小学校、中学校、高等学校を含めてでございます。従いまして、今回流失した教科書に対しましては、この在庫本を早急に送りまして十分賄い得ると考えられております。なお只今まで県からの要求に基きまして、第一発送すみの分は約七万二千冊でございます。内訳を申上げますと、山口が三千三百冊、福岡が五千六百冊、佐賀が九千七百冊、大分が一千冊、熊本が約五万二千冊でございます。
  81. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  82. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。
  83. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) それから授業料の減免でございますが、これにつきましては、文部省令によりまして、学校長は休学中の者や或いはやむを得ない事情によつて学費の支弁が困難と認められる者に対しましては、授業料の全部若しくは一部を免除し又はその徴収を猶予することができるものと規定されております。併しながらこれは当該大学の授業料歳入予定額の五%まで学校長に権限が委ねられております。若し五%を超えまして、例えば今回の大水害等によりまして五%以上の授業料の減免をいたします場合におきましては、これは割当減免増額の申請を文部省にして頂くと、かようになつております。只今まではこれを現地に通知いたしまして、その数を調査いたしております。  以上、大体私の説明を終ります。
  84. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 質疑のある方は質疑を願います。
  85. 島村軍次

    ○島村軍次君 先に御説明の罹災学生に対する援護費三千円乃至六千円を七カ月分出すことは、資金ですか、補助費ですか。
  86. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 罹災学生に対する援護資金は、これは補助金でございます。
  87. 永井純一郎

    永井純一郎君 さつきの先生方の家ですね。これはこの法律で学校用施設というふうにたしか書いてありましたが、町や村が学校を作るときに一緒に村や町でその学校にくつつけて作つていますね、校長先生の宿舎を。これはその中に入らないですか、入るようなつもりですか。
  88. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) この法律によりますると、第二条の第二項に「公立学校施設」としてございまして、「地方公共団体が災害地域内に設置する学校の用に供せられる建物、建物以外の工作物、土地及び施設をいう」とございます。建物垣外の工作物と申しますのは、例えば学校の門とか、或いは塀とか、そういつたものを考えております。それからまあ耕地でございますね。それから設備、ピアノ、オルガン、椅子、机、そういつたものを考えておりますので、これはどうもあの和歌山の場合に、先ほど申上げましたが、教員住宅でございますね、これが非常な被害を受けておるので、是非考慮してもらいたいというお話でございますが、どうもこの法律ではなかなか困難ではないかと実は考えております。
  89. 永井純一郎

    永井純一郎君 中山間部以上は全部和歌山では教員住宅はくつついておる。それは村のものです。村で作つたり町で作つたりしたもので、個人の住宅でも自分のものでもない。この規定ではいけませんか。
  90. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 実は二十八年度予算に僻地教員の住宅建設資金といたしまして、金額は僅か一千万円足らずでございますが、僻地教員の住宅に対して国が一部補助するというのが、実は今年の初めて予算化されたのでございますが、それは県、市町村がそれぞれ補助いたしまして、国も一部負担する、こういう形式でございますが、何らかそれに関係をつけるかということも一つの案だと思つて実は考えておりますが、これは非常な強い要求がございますので、我々のほうから予算要求はしたいと思つておりますが、この法律の中に入るかどうかという点に非常に疑問があると思つております。
  91. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 私から一つ局長にお尋ねしますが、罹災学生の援護に対する答弁は、二十日前の答弁と少しも変つていないのですね。ただ予算要求中だ、二十日前もそういう答弁だつた。一体その後どこまで進んだのか。授業料免除にしても、五%というのは災害がなくても決まつておるのですがね。増額申請をしておると言うが、その調査の結果どうなつて、この五%を臨時に拡げるような措置をするのかしないのか。二十日前の答弁と一歩も進んでいない答弁で物足りないのですが、交渉の経過はどうなつておるのですか。重ねて伺います。
  92. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 授業料の減免の問題につきましては、学校長のほうから何名罹災学生がある、それに対して授業料を減免しなければならないという報告をとりませんと、こちらの方針が決まらないわけで、その報告をとるような手配はしておりまするが、未だにまだ全部報告が集まつておりませんので、御趣意もございますので、この点につきましてはなお現地に督促いたしましまして、至急報告を集めるようにいたしたいと考えます。援護につきましては、これはほかの公立学校の建物等の予算と共に、目下予算要求をいたしておりおするので、これもはつきりいたしまするには相当期間がかかるのではないか、かように考えております。
  93. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に質疑のある方はございませんか。  それじや文部省関係質疑は終つたものと認めます。  次に先刻保留になりました通産省関係を願います。
  94. 石井由太郎

    政府委員石井由太郎君) 先ほど大変資料の配布が遅れまして恐縮いたしました。簡単なほうから御説明申上げます。一、昭和二十八年六月及び七月における大水害による被害小企業に対する資金の融通に関する特別措置法による予算必要額、法律によりますると、利子補給の対象となりまする貸付金の総額は二十億円と相成つております。これによりまして金融機関は半年以上三年以内の貸付けをいたすのでございまするけれども、金額が比較的少額であるということ、それから私ども従来中小企業融資をみておりました経験を総合いたしますると、長短いろいろの貸付けが行われておるのでございまするが、平均いたしまして、一年の貸付期間と想定することができると思うのでございます。これに対しまして利子補給額は年五分でございまするから、国の負担すべき総額はその半分の五千万円であろうと存ぜられるのでございます。而ういたしまして二十八年度中におきましては、法律によりますると、予算範囲内ということに相成つておりまするので、補正予算の成立を待たねば相成らんのでありまするけれども、或いは補正予算等におきまして利子補給の時期を繰上げる、遡らさせるということもできるのではなかろうかといつたような点も考慮いたしまして、二十八年九月から二十九年の三月までの七カ月間の平均期間をとつてみますると、補給総額三千万円、国の負担すべき額一千五百万円と相成ります。従いまして二十九年度におきまして利子補給をいたしまする総額は、中央、地方を通じまして七千万円、そのうち中央の国の負担となりまするものは半分の三千五百万円と想定いたしておる次第でございます。  次に同じく中小企業信用保険法の特例に関する法律案施行に伴う予算額でございまするが、先ほどもちよつと申上げましたごとく、中小企業信用保険においては保険料をあらかじめ徴収し、保険金の支払いをいたしまするのは、或いは六カ月とか或いは八カ月とかいうような貸付の期限が過ぎてからでございまするので、相当将来に延びるわけでございます。従いまして保険金支払の金額が嵩みまして、信用保険特別会計に赤字が生ずるということは、少くとも二十八年度内においてはないのでございまするので、一般会計から繰入れを求める必要はございません。二十九年度になりますると、後に申上げまするような計算によりまして、二十九、三十、三十一の三カ年程度を通じまして約四億二千万円を一般会計から中小企業信用保険特別会計に繰入れを求める必要があると存ずるのでございます。  それは別表によりまして御説明申上げたいと存ずるのでございまするが、先ず中小企業信用保険の対象として貸付けられまする金額が、どの程度あるかということを想定いたして見ますると、四、五行目の算出基礎にございまする融資保険、即ち銀行が中小企業者に貸付けます金額の総額が三十三億四千万円程度と予定いたしております。これは現実に信用保険の契約額を殖やしてくれという要求が九州方面等からすでに参つておりまするが、これらの数字をも考慮に入れての計算でございます。これに対しまして保険料収入が、いろいろ細かい計算はございまするが、設備資金分、運転資金分を締めまして五千五百十一万円、それから信用保証協会の保証債務の再保険を行いまするものが六百八万三千円、それから一般の銀行が中小企業金融公庫或いは国民金融公庫等の代理貸をいたしました時分に、中小企業信用保険で再保証いたしますることに伴う保険料収入が千三百四十四万円、合計七千四百六十三万三円の保険料収入を挙げる見込でございまするが、一方これに対応いたしまして、この中小企業信用保険特別会計から或いは金融機関に或いは信用保証協会に支払わなければならない滞り貸しに伴う代理支払と言いますか、保険金支払は四億九千四百六十四万円を想定いたしておるのでございます。これは先ほど申上げました融資保険三十三億四千万円、それから保証保険二十二億九千二百万円、それから代理貸の場合の政府金融機関に対しまする再保証の四億八千万円に対しまして、通常の填補率でございますると、大体損失五%と見込んでおるのでございまするが、今回は保証率が商うございまするので、即ち八〇%の保証率を九〇%に上げておる、或いは信用保証協会でございますると、六〇%の保証率を七〇%に上げておる等の関係もございまするので、金融機関側の融資の程度相当緩和されて来ると考えられまするので、発生いたしまする保険事故は貸付額の一〇%程度ではないかと思うのでございます。かような計算をいたしますると、この特別会計から或いは金融機関に或いは信用保証協会に払わねばならん保険金の総額は四億九千四百万円と相成りまするので、九千四百万円余と七千四百万円の差額約四億二千万円は将来一般会計から中小企業信用保険特別会計に繰入れを求める必要があるものと想定されるわけでございます。
  95. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 質疑のあるかたは参質疑を願います。
  96. 島村軍次

    ○島村軍次君 この説明はわかりましたが、現行法による場合とそれからこの法律による場合との差額を掻摘んで説明を願いたい。
  97. 石井由太郎

    政府委員石井由太郎君) これは法律によりまして、現行法によりまする保険のいわば別堪定になりまして、九〇%のリスクを二%、二分という低率の保険料で保険するということになりますので、法律の衆第七十号の第四条でございますが、「政府は、この法律の規定により支払つた保険金の額が、この法律の規定により徴収した保険料及び回収金の額をこえる額に相当する金額を、毎事業年度、一般会計から中小企業信用保険特別会計に繰り入れるものとする」ということになりまして、特別堪定で只今申上げましたように収入七千四百万円、支出四億九千四百万円という堪定ができて参るわけでございます。従いまして一般の分と離しまして取扱うわけでございまするが、一般の分、即ち金融機関に対する政府の責任八〇%、保険料三%といたしました。保険につきましてはこれは独立採算制の原則になつておりまして、大体収入保険料で支払い保険金額をすべてカバーするということに相成つているわけでございます。ちなみに昭和二十八年度におきまする信用保険特別会計の収入保険料総額は約七億、支払保険金が約七億ということで、これは特別会計予算で御承認を頂いているものと思う次第でございます。
  98. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 通産関係予算額についての質疑は終了したものと認めます。  続いて要望事項についてのその後の措置につき報告を聴取いたします。
  99. 石井由太郎

    政府委員石井由太郎君) 中小企業関係の融資についての御要望の事項は、国民金融公庫、それから中小企業金融公庫並びに商工中金の融資を約三十五億円増額せよという御要求がございまするが、これに対しまして、すでに国民金融公庫六億、中小企業金融公庫の業務を現在代行した形にいたしております開発銀行に対しては十億五千万円、商工中金にはすでに十億の資金を用意し、なお和歌山県方面のために三億の資金を用意して融資をいたしておるのでございます。只今までのところこれまでの融資は相当進行いたしておるわけでございまするが、中小企業金融公庫の金を更に増額するという点並びに国民金融公庫の金を増額する点につきましては、御要望趣旨に副いまして、中小企業金融公庫につきましてはその設立を急ぎ、又商工中金などにおきましても、すでに和歌山県方面には御要望の前にすでに三億円はもう出しておるというような状況でございますので、御趣旨に副えるように取計いたいと考えております。
  100. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) この点に関して質疑ございませんか。
  101. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私はこの商工中金のことについて、ちよつと一つ聞きたい。それは、商工中金が増資する場合に、新しい同じく中小企業等協同組合法によつた一種の団体に出資を要望された、要望されたその組合はその出資をした、で、いよいよ出資もし、金も借りようとしたところが、その産業が丁度商工業と農林業との中間にある組合なんです。だからということで金を貸さない、出資をしておいて貸さない。そうして私もどうもその辺がおかしいと思つて、当時の理事者に聞くというと、これは誤つたのだと、で、そんなはやかましいことであるならば、出資は戻してもらつてもいいと、一体そんな指導を通産省はしていいかどうか、その問題を具体的に言えば、その場合は山林の苗関係組合、全国山林種苗協同組合。この種類の問題は、例えば養鶏場というようなものが都市近郊にある。これなどは農業と見れば農業、畜産と見れば畜産、つまりこういつた商工関係と農業関係との間にある或る種の業種などは丁度エヤ・ポヶツトにあるようなもので、農林中金に行けば断わられ、商工中金にいけば断わられ、今の山林種苗組合のごときは、現に商工中金の出資者であるのに、事面倒だというので、断わられるなどというに至つては、僕はいつか問題にしようと思つている。僕は変なときに問題にしては皆に迷惑をかけるので、私はこれを一応こういう問題があるということだけをこの機会に御留意を願つておきます。大変体裁のいい商工中金であつて、そういうような出資をさせてまでしておる組合に貸さないなどという問題をお調べ願つておきたいと思います。
  102. 永岡光治

    永岡光治君 先ほど国民金融公庫、それから開銀等に対する融資ですね。これの幅を拡げてもらう要望に対しては極力努力するという回答ですが、大体それはいつ頃目鼻がつきますか。
  103. 石井由太郎

    政府委員石井由太郎君) 国民金融公庫は既存の金融機関でございまするから、これは資金計画だけの問題でございますが、中小企業金融公庫のほうは、これは極く近くでございまするが、発足いたしますが、只今発足をいたしておりませんので、これが発足をいたしますれば、第二四半期、即ち八、九月の融資計画の中には、災害関係の融資計画も組入れまして承認するような段取りに持つていきたいと存じております。
  104. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 通商産業省関係はこれを以て終了して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) それではこれを以て終了します。  続いて労働省関係に入ります。労働省食糧安定局失業対策課長澁谷君。
  106. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 緊急失業対策事業に関する特別措置法による事業費補助率引上に要する予算額調という一枚のガリ版刷の資料をお配りして以るわけでございますが、これについて御説明申上げます。これまでに政令による指定地域につきましては、未だ最終的な結論を得ておりませんので、一応この資料におきましては、今次の水害によりまして災害救助法の適用が似りました地域を基礎といたしまして、一応算定いたしてございます。現行此によりまする補助率は労力費、事務鶴につきましては、それぞれ三分の二前ございます。これが今回の特別法によりまして、五分の四、資材費につきましては現行法三分の一が二分の一というふうに上昇しておるわけでございます。それで一番左にございますのは、これらの県におきまして現在実施しております失業対策事業の就労割当の人員でございます。その次の欄が現行補助率による国庫補助額でございまして、これは本年の七月から来年の3月まで、年度いつぱいの9ヵ月間に必票といたします国庫補助額は、八億三二百二十三万七千七百五十五円、これが今度の特例によりますると十億一千山百七十七万千九百四十二円に上りまして、その差額といたしましては、一億八千五百五十三万四千百八十七円、こういうふうに一応の算定でございます。
  107. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 続いて失業保険課長三治君。
  108. 三治重信

    説明員(三治重信君) お手許に差しげてございます。失業保険法の適用の特定実施に伴う保険金給付見込額調、これの一枚刷を御覧頂きたいと思います。私のほうは急遽調べましたので、非常に十分とは言えない数字でございますが、集つた資料によりますというと、九州、山口地区で、石炭山の体廃止の事業所が約二百九十で、その所属の労務者の約八〇%が失業保険法の適用事業者であろうというふうに推定しております。以下同じような割合で和歌山地区も推定してございます。それから支給する日額でございますが、平均賃金の月額は、我々のほうの保険料の徴収対象となつている賃金で算定いたしましたのですが、一般の平均賃金と若干異ります。それから支給の日数は、多分水害の一番ピークであつたところの翌日乃至二日ぐらいたつた頃からであろうということで計算をしております。そういうふうな計算でいきます。というと、大体失業保険金の支給総額が九億四千六百万円というふうな計算になつております。これは非常に我々としても十分自信のない資料でございますが、我々のほうの関係のは、現実に事業所が休廃止して、それによつて安定所に出て来て頂ければ、この数如何にかかわらず、保険金は必ず支給できるような態勢にしております。さよう御承知願います。
  109. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 続いて労働省関係の申入れ事項について承わりたいと思います。
  110. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 労働省関係要望事項について御説明を申上げます。七番、八番、九番とこの三つの項目がございますが、七番の被災労働者の救助に資するため、政府資金を県を通じて二億三千万円程度労働金庫に預託すること、この件に関しては労働省大蔵省と話合いの結果、関係県の知事が地方の財務局長を通じて大蔵大臣にその希望額を申込むということにきめまして、現在大蔵大臣に申込みの手続きをとつておる段階でございます。金額の総額につきましては、まだ最終的な話合いがついていないようでありますが、いずれにいたしましても、地方要望の線に沿つて大体一億三千万円程度まで大蔵省が出す、こういうふうな話合いになつておるのでございます。  それから次に八番目の災害によつて多数の炭鉱、工場が休業し云々という手当に関しましては、只今失業保険課長から説明いたしました法律が施行されますので、これで万全の措置を講ずることができると存じます。  それから最後の現地における復興事業を急速に促進して、一般失業者に最大限就職の機会を与えるよう万全の措置を講ずること、現地における失業者の生活安定を図ることは、これはもう焦眉の問題でございますので、労働省といたしましては、中央におきましてはそれぞれの関係省、地方の府県におきましては、それぞれの関係機関と密接な連絡をとりまして、一日も早くそれぞれの現地における復興事業を本格的に起してもらうということに極力努力をいたしております。その事業が施行されますならば、労働省出先機関であります第一線の職業安定所がこれは全力を挙げて窓口に集まつた求職者をそれぞれの復興事業に斡旋するということで、現在努力をいたしておる次第でございます。それらの努力をいたしましても、なお失業者というものがあぶれるというような場合は、緊急失業対策法に基く失業対策事業を起すなり、或いは従来の枠を増大いたしまして、遺憾なきを期したいというふうに考えておる次第でございます。
  111. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 質疑のあるかたは質疑を願います。
  112. 松岡平市

    ○松岡平市君 労働省失業対策課長にちよつと聞きたいと思うのですが、失業対策のほうで扱つておられると思うのですが、一般職種別賃金基本日額表というのはあなたのほうでお作りになるのですか。
  113. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) さようでございます。
  114. 松岡平市

    ○松岡平市君 これを基礎にして賃金はお払いになるわけですね。
  115. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) さようでございます。
  116. 松岡平市

    ○松岡平市君 そうしますと、現在きめられている表のうち最も著しいと私の知つているものをお話ししますと、今度の失業対策に働いておる土工及びこれと同程度の技能、経験を必要とする職業及び雑役であり、自由作業に属するものといううち、福岡県は甲乙にわかれて最高四百円、甲四百円乙三百五十円、佐賀県は最高二百八十一円、標準や最低は申上げません。現在災害をこうむつた最も大きな筑後川、筑後川の左岸、右岸、これは大体佐賀県と福岡県を下流において川口で分けております。のみならずその左岸に佐賀県の村があり、右岸に福岡県の村が入り混つております。中には丁度川中島になつているところがあつて二つの村がある。一つは福岡県であり、一つは佐賀県である、そうすると、そういう地域においてあなたのほうの定められた日額表によるというと、一人の士工は四百円もらい、少くとも、乙であつても三百五十円もらえる。隣の村へ来ると二百八十一円しかもらえない、こういうことが現在行われておりますが、これに対していかようなる御見解を持つておりますか。
  117. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 只今御質問のございました一般職種別賃金を定めますのは、私の局と違いまする労働基準局で実施をいたしておるのでございますが、昨年の一般職種別賃金は、昨年の五月の全国調査を基礎といたしまして十一月から実施になつたのでございます。そこで本年におきましては、本年五月に調査結果の集計ができ上りましたので、現行の一般職種別賃金の告示を改訂すべく現在努力をしておる次第でございまして、まだ告示をする段階までは来ておりませんが、只今御質問にありました福岡県と佐賀県の比率は、今度の調査結果を見ますると、佐賀県の賃金額相当上昇いたしまして、福岡県との差が相当狭まつて来ております。従いまして今度の職種別賃金の改訂の際は、現在のごとき著しい差額というものは相当改善されるというふうに考えております。
  118. 松岡平市

    ○松岡平市君 それはいつ御改訂になりますか。
  119. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 一般職種別の改訂は、今までの例を申しますと、公務員のベース・アップと同時にやられておるのでございます。労働省といたしましては、失業対策事業の賃金引上げとも関連いたしますので、でき得るならば九月中には改訂いたしたいというふうに考えておるのでございますが、この点につきましては現在大蔵省と折衝中でございまして、まだはつきりした結論は出ておらないのでございます。
  120. 松岡平市

    ○松岡平市君 御承知のように、災害復旧は現在どしどし進行しております。九月の一日に御改訂になると仮にいたしまして、九月までの間に、今言うように並んだ一つの川中島の中で、一つの村は三百三十円、一つの村は二百二十円、こういう誠に奇異な現象がここに起つて、両方ともやらなければならん、これに対して如何様な措置をお講じになりますか。
  121. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 先ほど私がお断り申しましたように、所管局ではございませんので責任ある答弁はち士つと困るのでありますが、この件につきましては私も十分承知いたしております。先般労働基準局長と一緒に政府委員室におりました際にも、この件につきまして種々陳情がございまして、基準局のほうにおきましては、できるだけ早急に何らかの対策を講ずる、こういうことで話しておりましたので、なお本日の委員の御質問の趣旨も基準局のほうに早速連絡いたしまして至急善処されるようにいたしたいと思います。
  122. 松岡平市

    ○松岡平市君 至急何らかのということでは承服しがたい。現在今申上げるように、同じ並んだ村に片方は三百三十円、片方は二百二十円というのは、これは誰が見ても誠に矛盾しておることは誰でもわかるわけです。それが現在行われておる、それはすでにもう陳情もお聞きになつていらつしやる、栴かに何らかの措置をするということ価なしに、災害復旧に遡つて一つ確実な措置をお講じ下さるように、そうしてその結果を一日も早く明らかにして頂くように要望いたします。どういうふうになつたかということを成るべく速かに御示達を願いたい。
  123. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 御質問の趣旨よく承知いたしましたので、基準局のほうに連絡いたしまして、至急善処いたします。
  124. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に質疑ございませんか……。他に質疑ないようでございますから、労働省関係はこれを以て終了いたします。  続いて厚生省関係を願います。出席されている政府委員並びに説明員は医務課長内藤君、施設課長鶴田君、国民健康保険課長菅野君、環境衛生部長楠本君であります。
  125. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) 厚生省関係の特例のうち、最初に公衆衛生関係の特例につきまして御説明をいたしたいと存じます。それに先立ちまして、甚だ失礼でございますが、お手許に差上げました資料に対しまして若干お手直しを願いたいと存じます。甚だ失礼でございますが……。  第二の項目の簡易水道復旧費、これが二つに分れまして、復旧費が総額一億二千八百万円、復旧費の、これが二列に分れますが、復旧は二億二千八百万円、これが国庫負担地方負担等は従来はございませんでした。と申しますのは、簡易水道は昨年来初めて政府として取上げました関係もありまして、従来はこの簡易水道の復旧を見た例はございません。  次は特別措置法によります金額は、総額が同じく二億二千八百万円で国庫負担地方負担はそれぞれ同額の一億一千四百万円、つまり二分の一補助と相成つております。
  126. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  127. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて下さい。
  128. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) それから次にお消しを願いました下の欄の総額の数字が同じく簡易水道の新設費となりまして、総額が二億九千五百万円。それから従来の現行法によります国庫負担は七千三百八十万円、地方負担が二億二千百二十万円でございます。現行法によります地方負担の新設欄は、二億二千百二十万円と相成ります。  次に特別措置法によりまして変ります金額の総額は、同じく総額の欄は二億九千五百万、これが国庫負担のところにおきまして一億四千七百五十万円と相成ります。それから地方負担の分は同じく一億四千七百五十万円と相成ります。失礼をいたしました。訂正の分は以上でございます。  次にこの表につきまして御説明を申上げたいと存じます。最初の伝染病予防費、これは大半現在まで事業は実は終つた仕事でございます。と申しますのは、災害発生と同時に伝染病の早期発見・隔離、消毒、或いは予防接種等の緊急の措置を講じた経費が大部分でございます。なお、一部約四百五十床の隔離病床が緊急に復旧する必要に迫られておりますので、一部この経費が含まれております。これは従来は地方負担分に県と市町村とに分れておりました。おおむね二分の一ずつ分れておりましたが、今回は特別措置法によりまして、その金額国庫負担増額し、更に地方負担を著しく減少いたしますと同時に殆んど市町村負担はゼロということに相成つております。地方負担のうち、町村分は殆んどゼロということに相成つております。  次に簡易水道の復旧費でございますが、これは今回の法律の第三条によりまして、復旧の場合と同時に、災害のために従来使つておりました清水、湧泉、井戸水等が泥に埋つて水源の求めようのなくなつた個所がかなり見受けられるのでありますが、これらに関しましては新たに簡易水道を敷設する計画と相成つております。これらの復旧に要する経費、従来判明した極めて最近までの数字が、復旧分は先ほど申しましたように事業費総額二億二千八百万円、それから新設を要する場所、これも今後更に増加する見込みでありますが、現在まで判明いたしております事業要求量は三億九千五百万円と相成つておるわけであります。  なおここに一言若干この資料を離れまして御説明をいたしておいたほうが便宜かと存じますが、それは簡易水道のほかの一般の上水道並びに下水道につきましては、従来とも災害の場合は常時の二倍の補助率に増額をいたしまして、すでに予算措置を講ぜられております。これらはすでに御審議を頂きました二十八年度予算書の中にも明らかに項を起しまして上下水道の災害復旧費が載つております。従いまして一応ここには上げてございません。一般上下水道の補助率は、上水道は災害復旧の場合に三分の一補助といたしてございます。その総額が現在まで約二億七千万円を要します。次に下水道につきましては、災害の場合には従来三分の二の補助を支出することといたしておりまして、その補助費総額は、現在まで判明した分につきまして一億八千万円に達しております。  最後に、汚物処理の経費につきましては、これも伝染病予防費と同様、従来附近の農村から自由汲取りによりまして屎尿を処理いたしておりました。ところが災害のために自由汲取りがなくなり、その結果市内に屎尿が氾濫いたしました。これを応急に取り片付けた経費でございまして、これもおおむね事業は終り、又現在やりつつある次第でございます。  以上を以て簡単に御説明申上げます。
  129. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 次に内藤医務課長から御説明願います。
  130. 内藤誠夫

    説明員(内藤誠夫君) 病院診療所に対しまする融資予定額といたしまして、約七億という資料がお手許に参つておると存じますが、それの積算の内訳につきまして御説明をいたしたいと存じます。  極く最近までに集まりました九州地方とそれから和歌山県の被害額を申上げてみますと、これはいずれも私的医療機関のみでございまして、公的の医療機関は除外いたしておるのでございますが、病院の数にいたしまして七十五、その被害額が一億五千百三十二万三千八百円、診療所の数が一千三百十八、その被害額が四億四千十九万三千円、合計いたしまして五億九千百五十一万六千八百円となつております。これに対しまして、約一億円の余裕を見込みまして、七億と算定いたしまして、これを目標に努力をいたして参りたいと、かように考えております。
  131. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 以上の二案件について質疑のあるかたは質疑を願います。
  132. 林了

    ○林了君 ちよつと内藤課長に伺いたいのですが、この大体七億の金は一体どういうところから出して来るかということについては、大蔵省との折衝の経過をちよつと伺いたいと思うのです。
  133. 内藤誠夫

    説明員(内藤誠夫君) 昨日も大蔵省へ参りまして、主として主計局といろいろ交渉をしてみたのでございますが、主計局の見解といたしましては、勿論これはいわゆる財政出資という出資の形によるべきではないか、即ち、予算によりましてそれだけの出資をするという形をとるべきではなくて、栢金部資金の貸付とか、そういう形でやるべきものではないかと、こういうふうなまあ見解を持つておるようでございます。そういううな意味におきまして、今後は主として銀行局とこの貸付という問題につきまして折衝をいたしたいと、かように考えております。
  134. 林了

    ○林了君 そのときに、ちよつと伺うところによると、こういう法律がで当ても、この金は出しても出さんでも士いので、こういうことは別に大した意味のないようなことをちよつと漏れ聞いておるのだけれども、そういうことを大蔵省が計いましたか。
  135. 内藤誠夫

    説明員(内藤誠夫君) 大蔵省の見解といたしましては、これは義務的にどうのこうのという形ではないから、今回の法律の案を見ましても、政令で定めます金融機関が貸付けることができるというふうになつておりまして、その金融機関に対して更に国が貸付けることができるという形になつておりますので、義務的にどれだけの金額を貸さなければならないという解釈は生れないと、こういうふうに考えておるようでございます。
  136. 林了

    ○林了君 その今の話のようなことになると、この法律立法した意味が何もなくなるのですよ。そんな貸しても貸さなくてもよい、而も大蔵省政令で貸付ける金融機関を指定するのだ、併しそれは貸しても貸さんでもよいと、或いは国が金融機関に金を貸付けることもできると、つまり、できるので、できなくてもよいというふうなことならば、この法律を作らなくてもよいのです。我々はこの私的医療機関ということに対しては、最初はこの案に対しては一応三分の二の補助金を出すのだと、その後私的鉄道のような考えで、とにかく私的医療機関の公共性から現在の保険制度の問題を取上げてやつたのだけれども、予算がどうのこうのという話があつたので、そこは一応削ろうじやないかという話があつたので、私はそういうことをここで言うのは非常識になるが、反対であつた。併し私的ということでこれらを取上げるということでこういう法律案ができたのだけれども、これは出してみた結果、貸しても貸さんでもいい、こういうことはどうでもいいということになると、この法案というものは意味がない。一体厚生省はこういうことに対してどういうふうに考えておるかということを聞きたい。大蔵省がそういうことを一管うので、あなたがたはそうですがと言つて来たのか、或いは飽くまでもこれをやるというのか、先ずその意気込みを聞いておかなければ、この立法意味がなくなる。これについて先ず政府の見解を伺いたい。
  137. 内藤誠夫

    説明員(内藤誠夫君) この法律意味につきましては、私どもといたしましては、この条件が通常の条件よりも有利な条件によるものでなければならないと、こういう点を国会でお定めになりました点につきまして、意味があるものと考えておるのでございます。私どもといたしましては、勿論これを義務的に貸付けなければならないという解釈は困難だと存じますけれども、事実上その必要性を強調いたしまして、先ず国から貸付を行い、その限りにおいて又金融機関から私的医療機関に対して貸付を行なう、その金額を目標額に達せしむるように努力をいたしたいと考えております。
  138. 林了

    ○林了君 そういう考えで、それはもう義務的にやるのも困難だし、我々もそれについては困難だと思う——そういう見解がもう了承できない。そういう見解が、もう厚生行政がいつも弱いのだと、そういうことを今ここで披瀝されたのでは、我々はここで承知はできないのだ。一体更に厚生省の固い決意がどこにあるかということを聞きたい。これはすでにここで、ここに松岡小委員長もおられるが、最初厚生省に申入れをしてあるのです。そうしてここへ出てみると、ほかのほうの立法は出ておるが、私的医療機関に対するところの復旧ということは、公的は若干厚生省はやつておるが、ところがこれに対しては何も処置を講じていない。それだから委員長にすぐ政府委員を呼んでくれと言つたところが、政府委員は慌てて、それでは立法をするということを考えなければならんと、そういうざまなんだから、これに対して今の医務課長の答弁なんというものを考えてみると、それはできるかできないかわかりませんよと、この解釈はどうでもいいのだというふうに私は取れる。そういうものであるならば、当然今度の法律は出ないわけだ。これについて僕は所信を伺いたい。
  139. 内藤誠夫

    説明員(内藤誠夫君) 私どもといたしましては、国会でお定めになりました法律の解釈によりまして、努力をいたして参りたい、かように考えております。
  140. 林了

    ○林了君 法律の解釈ということであるが、それが併し厚生省がそういうことを、我々が法律立法したということは、できるということならば、そのできるというふうに努力をするという、どうしても飽くまでもやるという信念があるかないか。大蔵省にそう言われて、いや、これはしなくてもいいのだと言われて来たときに、厚生省は、はいさようでございますかということを言つてはおらないと思うのですけれども、どうしてもこれはやつてくれというような、とにかくそういう決意を以てやるということをはつきり私はここで明確にしてもらいたいということを希望いたします。
  141. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 関連して、今林委員と厚生省の側との間に質疑を交されておりまするが、これは法律の解釈ということから言えば、当然することができるということであり、そうする場合に、他の貸付の条件よりも有利な条件下にをいてしなければならないということだけの問題なんですね、法律から言えば……。ところが併し我々が、この国会が立案したゆえんのものは、この法律によつて、貸付をその通りに実施して、そして目的に掲げてある病院診療所の災害復旧を速やかにして、そうしてその地方の医療の施設を早くその地方の住民の人たちに使わせたい、こういうことにあるのだから、目的は明らかに掲げてあるのだから、私は政府の厚生省のほうの側は、当然その線に沿つてやるという固い決心は言うまでもなくあると思うのです。ただここに多少林委員ほか我々側が、なにかその煮え切らない態度のように見えるゆえんのものは、大蔵省の金融の計画からして、どのくらいをこの金融機関に融資することによつて、或いは財政資金を委託することによつて、どのくらいな額が、どのくらいの率で貸付けられるかという点が、今日の段階でもまだきまつてないという、それだから勢い声が少し細くなるという、だからそれを林委員としては、今いわばきめろと言つたのだとするなら、それはちよつと無理なんで、ただ覚悟を聞くだけなんだろうと思うのですが、私はその点もあわせて御答弁を願いたいと思います。
  142. 松岡平市

    ○松岡平市君 私は民生、即ち今当面問題になつておる法律案の一応の立法責任者として、只今の問題について一言附加しておきたい。先ほど林委員からも言われたように、当初この特別委員会は、一般の私企業には国庫補助ということは考えない、即ち地方軌道等においても補助は認めない。そして相成るべくはいろいろなもの、必要なものは融資でやつて行く、こういうことであります。病院診療所については、今回の災害に鑑みて、特に防疫の関係上、速やかなる復旧を要する。その復旧のために急いで融資が必要になり、特にそのうちの或る部分については、九月までのうちに是非融資が必要であるということで、金額を明示して、政府に向つて融資の措置を講ぜられることを、要望書として提出いたしました。その後同様に金額等を明示せずに融資を要望したものが、衆議院とのいろいろな関係から、それぞれ立法措置が講ぜられつつあることは、我々が私企業には補助をしないと言うたものについて補助をするという立法も見るに至つたのであります。ところが委員会は国会の会期末に迫つてつて、当委員会にしても多くの立法の処理に繁忙を極めておつたのでありまして、それらのことを事新らしく申出て、同じく私企業ではあるが、特に公共性がある、特に今回は、只今申しましたように、防疫の関係復旧をして頂かなきやならん公益性も十分持つておる病院であるから、地方企業等が若し補助金をとることができるならば、これも当然国庫補助をするという立法にも値いするというような、委員間の熾烈なる希望もありましてけれども、いろいろな事情を考慮いたしまして、ただ僅かに申入事項にとどめておつたものが、立法されたという関係に鑑みて、病院診療所に対して融資をするということを立法措置に勲えたのであります。かような関係がありまして、私はその後不幸にして立法の最後の事務に携わることができなかつたのでありますが、只今聞くというと、政府はすることができるとかというような、政府委員の解釈によれば、別に融資を政府は義務付けられておらんからというような御答弁でありまするが、立法趣旨そのものは、国庫補助金をも支出するような立法をして、立法に値いするという事案を融資するということに止めようという立法をしたのでありまして、立法趣旨そのものは、決して政府が義務付けられておらんというようなものではなかつたのであります。只今委員政府委員の御答弁に立腹せられることは、私は誠にやむを得ないと思います。先ほどの政府委員は、この立法の当初の事情に鑑みて、強く融資の必要が議せられんことを私は強く要望いたします。
  143. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 申上げます。先ほどから林君から種々質疑が行われておりますが、大蔵省の見解については後刻お諮り申上げます。明後十日に大蔵省政府委員を本委員会に招致して意向を質したいと思いまするが、本日は所管官庁としての内藤医務課長は、明快に決意を表明しておいて頂きたいと思います。
  144. 内藤誠夫

    説明員(内藤誠夫君) 只今まで諸委員の皆様からお話がございました御意見は、私どもも全く同じ気持でございまして、法文上の解釈はとにかくといたしまして、その必要性ということにおきましては、これはもう申すまでもないことでございますので、私どもといたしましては、最善を尽しまして、この法律所期の目的が挙りますように努力をいたしたいと存じます。
  145. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 病院及び診療所に関する件、並びに公衆衛生に関する件については、質疑を一応打切つて異議ありませんか。
  146. 松岡平市

    ○松岡平市君 水道は……。
  147. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ええ。それもありますのでありますが……。
  148. 松岡平市

    ○松岡平市君 先ほどの御説明のうちに不分明の点がありました。私がよくわからなかつた、私にとつて不分明な点であります。それは簡易水道でなしに一般水道については、すでに予算に注ぎ込んで云々とありましたが、国庫の負担と地方負担との災害復旧についての率はどのようになるのでございますか。もう一遍お聞かせ願いたい。
  149. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) お答えを申上げます。一般上水道の……。
  150. 松岡平市

    ○松岡平市君 上水道だけで結構です。
  151. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) 上水道は、災害復旧に要します経費は現在判明いたしました分で約五億四千万円でございます。これに対しまして従来の予算措置の例に慣いますと、二分の一が国庫から支出されますので、国庫負担金は二億七千万円と相成ります。
  152. 松岡平市

    ○松岡平市君 そうすると、一般の上水道については従来通り只今別段の、この災害関係において増額するというような措置は何ら講じておられんわけですか。
  153. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) さように理解をいたしておりますが、なお、当初私どもこの点につきましては従来通りなら、これくの経費が必要であるということを申上げたに過ぎないと存じておりますが……。
  154. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  155. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。
  156. 松岡平市

    ○松岡平市君 只今懇談の際に明らかになりましたごとく、一般水道については、従来も災害復旧の場合には二分の一の国庫補助があるということを私どもはつい承知いたしませんで、一般水道も簡易水道と同様の取扱いであると考え、一般水道についてはこの災害の場合に特別な国庫補助増額というような措置を講じておりませんが、つきましては関係当局におきまして、災害復旧の場合にこの災害が他のいろいろな場合に多くの国庫補助増額を見ておる事実に鑑みられ、災害復旧の施行に当つては、予算措置について、この一般水道の復旧の場合に特別なる考慮を加えられんことを特に希望いたしておきます。
  157. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に御質疑もないようでありますから、公衆衛生、病院及び診療所に関する質疑はこれを以て終了いたします。  鶴田施設課長より発言を求められておりますから許可いたします。
  158. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) お手許に資料として差上げてございます災害救助に対する国庫補助額調というものがございます。先般当委員会で御説明申上げたのでございますが、その後罹災府県の救助費の支出が相当増嵩いたしまして、それに基きまして七月の二十五日現在で一応私のほうで締切つたわけでございますが、この表によりますと、旧法で行きますと七億三千九百十七万八千円、それから去る三日に災害救助法の一部改正法が公布せられまして、三十六条の百分の一というのが千分の二に相成つたわけでございますが、その改訂率によりますと、七億三千九百万円の救助費は十一億九千七百九十四万七千円、更に今回の特別措置法によりまするところの千分の一に基準を置きまするというと、これが十二億四百四十三万八千円ということに相成るのでございます。更にその後奈良、長野、北海道にも水害が発生いたしまして、この金額相当増額するものと思いまするので、その点御承知置き願いたいと存ずる次第でございます。  次に社会福祉事業施設災害復旧国庫負担調というのがございますが、ここに掲げてございます生活保護施設、児童福祉施設、公益質屋、これはいずれも法律がございまして、現行法によりますると、いずれも二分の一の負担率に相成つておるのでございます。  従いまして生活保護施設について申上げますと、復旧費の総額が三千百六十五万五千円、これの二分の一の千五百八十二万八千円が国庫負担ということに相成るのでございまするが、特例法によりますると、これが国庫負担が二千百十万三千円ということに相成るのでございます。  又児童福祉施設について申上げますると、復旧費の総額が六千万円、それの二分の一が三千万円で国庫負担額ということに相成るのでございますが、特例法によりますると、これが国庫負担が四千万円ということに相成るのでございます。  なお、公益質屋について申上げますと、復旧費の総額が千百五十七万一千円と抑えて、それの二分の一の国庫負担が五百七十八万五千円、これが特例法によりますと、国庫負担が七百七十一万四千円ということに相成るのでございまして、これを合計いたしますと特例法で六千八百八十一万七千円ということに相成るのでございます。以上。
  159. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 以上二件について質疑のあるかたは質疑を願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)別に質疑ございませんか。(「進行」と呼ぶ者あり)質疑ないものと認めます。  続いて願います。
  160. 菅野周光

    説明員(菅野周光君) 国民健康保険の関係で申上げます。  この特例法によりまして大体の事業推定予算額等につきましては、昨夜のこの席上で御説明申上げましたので改めて繰返しては申上げないことといたしますが、大体全体で貸付金と補助顧で五億二千万円程度ということで、私どものほうで緊急推定計算をいたしております。この申入れにございまするような国民健康保険に対し一億八千二百万円の融資を斡旋するように努力せよという御趣旨につきましては、私どもの考えといたしましては、この特例法による貸付金、補助金というもの希法律できまつた、併しながらこの現価の問題は現実に金が早く行くということが問題でありまして、二ヶ月、三ヶ月後のこの立法によるところの予算花というものの、その間のギャップというものは、非常に現地の人たちには著しい期間である。その趣旨に基きまして、このギャップを何とか資金の繋ぎをしなければならんということは、私どもは彼此考えまして、その間の繋ぎにつきましては、官庁それから保険者である市町村、それと連絡いたしまして、必要な資額の算定を、今後とも具体的に正確にきめながら、財務局及び大蔵省との保険者である市町村の交渉、それを我々は現地と連絡してましめて、大蔵省と交渉する。そういつた措置につきまして努力して参るということにいたしております。
  161. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  162. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。  只今の菅野保険課長の説明質疑のあるかたは願います。
  163. 林了

    ○林了君 その五億二千万のうちで、この保険の給付はどのくらいになつていますか。大体……。
  164. 菅野周光

    説明員(菅野周光君) 給付費の正確な計算は私ちよつとわかりませんですが、立法趣旨そのものは給付費と、それから必要な事務費、特に給付費の遅滞のないようにというような趣旨立法されておりますことははつきりわかつております。私どもその給付費を、未払いが出ないようにということで、これは通牒、政令等によつてそれぞれはつきりといたしまして、やつて行くということになつております。
  165. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 これはどういうふうに考えられますか。実は午後だつたか、例の国家公務員等の共済組合加入者に対して、今度災害にあつた者に対して従来の給付額に、二ヶ月を最大としてプラス・アルフアーとして出すという法律ができたのは、御承知通りなんです。その説明を聞き、その運用者の意見を聞いているうちに、実は国民健康保険との関連において、いわゆるサラリーマン、官庁従業員というものに厚くするこの法律というものは、国民健康保険の考え方からいつて、商工業者、或いは農民といいますか、その官庁のサラリーマン、国家公務員法の共済組合に入らない人との間の釣り合いの問題が、一つ問題があるように思うという発言があつたのですが、これについてあなたはどういうふうに思われますか。
  166. 菅野周光

    説明員(菅野周光君) 共済組合、健康保険の関係、その点について私は詳しいまだ知識がございませんので、或いはお答えにならないかと思いますけれども、国民健康保険は全体において非常に遅れている。従つて給付の内容等についても残念ながらまだ健康保険なんかに比べても、実は遅れている状態にあるというような関係もございまして、そういうようなことをいろいろ考えてみますと、完全に共済組合とか健康保険とかいうようながつちりした保険と同じように考えるということは、必ずしもならないのじやないかというふうに考えておりますのですが、ちよつと具体的にお答えできませんので甚だ申訳ないのですが、非常にいろいろ遅れておる点が現在ございます。
  167. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 国民健康保険事業に関して別に御発言ございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)質疑は終了したものと認めます。  続いて先般本特別委員会から厚生省関係諸事項について要望事項を申入れておきました。これに対する見解並びにその後とられた処置について報告を求めます。
  168. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) 甚だ部分的で恐縮でございますが、三枚目の(ニ)に「その他」という所がございます。そこに「災害救助法にもとづく救助基準中」というのがございますが、先ず(1)に(イ)の「避難所設置費を一人一日六円に」というのがございます。この件につきましては以前は一人一日三円でございました。それを五割増すので四円五十銭ということに決定いたしまして、罹災府県にはそれぞれ連絡済でございます。なお、この避難所の設置費は通常考えられますることは、既設の建物ということに私どもは考えをおいておるのでございまして、屋外にテント張りで設けるというような場合もございますので、その屋外に設ける場合は更にそれの五割増し約七円くらいになると思いますが、更に五割増すということも大蔵省と折衝済みでございます。  その次の(ロ)の「炊出費を一人一日八十円に」というのがございますが、これは従前は三十四円でございました。それを今回四十円に引上げまして、これもそれぞれ罹災県では四十円ということで救助に当つているわけでございます。更にこの点で付加えて申上げたいと思うのでございまするが、先般も申上げました通り応急救助ということは大体六日なり十日或いは十五日、その程度に私どもは考えておつたのでございますが、今度の災害におきましては非常にその度合が深刻でありましたので、この避難所に収容する期間が延びておるのでございます。でありまするので、四十円の炊出しではこれが長期間に亘る場合、あらゆる面から支障が起るというような関係もありまするので、相当延びた人々に対しましては、これを実情に応じて増額するということも、大蔵省と話合ができたわけでございます。なお、又今回の水害におきましては乾パンの支給相当つたのでございまするが、乾パンが実は一人当り六十円くらいになりまするので、その点も大蔵省と折衝して、実際乾パンを出した場合は、それも考えるということにも決定いたしておるのでございます。  その次の(ハ)の応急仮設住宅の問題でございますが、これは御要望通り全壊流失の三割ということに決定いたしました。  次に(2)を飛びまして、(3)社会福祉事業施設は先ほど申上げた通りでございますが、実は今週の月曜日に漸く罹災県の報告が参つたのでございまして、これから大蔵省に折衝するという段階でございます。これは現行法もありますし、私どもは何とかしてこれは御要望に副えるのじやなかろうかという相当堅い自信を持つておるわけでございます。  次に一つ飛びまして(5)でございますが、今後の災害に備えるために全国各要地に罐詰、乾パンを備蓄するというのがございますが、これは実は今後の問題でございまして、この際、私どもは今回の水害に要した分について、先ず大蔵省と折衝して、これを有利に展開して行こうという考えを持つておりまするので、これはこの水害関係が一切大蔵省と折衝が済んだあとで、これを持出して折衝をいたしたいと存じておる次第でございます。
  169. 白井勇

    ○白井勇君 今の一番最後のお話ですが、これはあなたのほうでやはりここに書いてあるようなことをやるというようなお考えですか。
  170. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) これは農林省とも関係があろうかと思つておりまするが、農林省或いは大蔵省三者で恐らく話合になろうかと思つております。
  171. 白井勇

    ○白井勇君 それは関係があろうかどころじやないので、大ありで、これはむしろ食糧庁の仕事なんですから、要するにあなたのほうでは一つ計画を立てられて、その所管する食糧庁にそう申寄りをして、こういう仕事をやらせればいいじやないか。あなたのほうでこれをやるということは非常に国家的に二重の細工になりますから、これはやはりやれるところはやらせるということに願いますね。
  172. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私はこれを入れてもらつたときの一人なんだけれども、この意味は今も白井委員が指摘するように、所管に持たして、そしてその備蓄した食糧を使うようなことがなければ幸いなんですが、それを一定の時期をおいたら、新らしいものと更新しなければいけない。そうして更新して前の品は何ぼか値引して給食等に出して、新らしいものかやるという構想なんで、あなたのほうで心得て出して、文部省と話してもらう。それから食糧特別会計、あれとの関連一つこういうことをやつてもらいたい。これは成るほど今後のことには違いないけれども、そういうことを如何にも痛感したので出したという意味ですから、よろしくお願い申上げたい。  それから今御説明を聞いていると、社会福祉事業児童福祉施設、公益質屋、こういうものについては現在もやれるのであるからやつて行くと、こういうお話であつた。これは結構なんです。ただ、ところが今度の新らしい法律はそれぞれいわゆる負担率が変つて来ているのです。それについてはこれが公布され、そうして政令ができれば、いわゆる新らしい今回の非常措置の適用を受ける部分が新たにできるわけなんです。その点についてはどういうふうにお考えになつていますか。この点だけ。
  173. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) 今のお話は全くその通りでございまして、先ほども御説明申上げました通り、今度の特例法が公布になり、或いは又それに従つて政令が出るということになりますれば、それによつてやらざるを得ませんので、先ほど申しました通り、二分の一を今回は三分の二に切替えて行くという含みに考えておる次第でございます。なお、更にこの政令で指定する地域というのが今回の穂別措置法に入つておるようでございまするので、これもその政令によりまして、これは又増額することかと考えております。
  174. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) なお、白井君並びに三浦君から質疑並びに希望意見が述べられました乾パン等の応急食糧に関する件について鶴田課長の答弁を求めます。
  175. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) 先ほど繊々お話がございましたので、先ず私のほうから農林省に申入れをいたしたいと存じております。
  176. 松岡平市

    ○松岡平市君 この(6)の戦没者遺族に対する国債の現金化については、曾つて報告を受けております。私ここに資料を持つて来ておりませんが、大体その通り三億二千何百万円の予算措置を講じてあると、こういうふうなお話でしたが、現在それはどういうふうに足りたか、余つたか、そういうことについて一応お話を承わりたい。
  177. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記止めて。    〔速記中止
  178. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記始めて下さい。
  179. 安福信雄

    説明員(安福信雄君) 災害地に対しましては、只今お話がありました通り、九州各県に対しましては約三億二千万円、それから和歌山県に対しましては九千二百二十五万円の買上げのなにを用意いたしたのでございますが、これは目下買上げ中でございまして、現在如何ほど買上げが実施になつているか報告が来ておりませんので、今のところ詳細わかつておりません。
  180. 松岡平市

    ○松岡平市君 九州山口県の三億二千万円の府県別割当数字はおわかりでございますか。数字がおわかりにならなければ結構ですが。
  181. 安福信雄

    説明員(安福信雄君) 大体のところでお話申上げます。山口県が四千五百万円、それから福岡県が七千八百万円、佐賀が二千四百万円、長崎が四千五百万円、熊本が九千五百万円、大分が三千二百万円、和歌山只今申上げました通り九千二百二十五万円になります。これは水害被害を受けた方々のみならず、水害を受けていない方々で保護を受けておる方々の遺族が持つていられる国庫債券を買上げる分も入つていますから、必ずしも被害状態に比例はいたしておりませんことを御了解願います。
  182. 松岡平市

    ○松岡平市君 今生活保護を受けているものも入つている。これは生活保護を受けているものの買上げについては、全然別個にお考えにならなければいけない。我々が申上げていることは、この災害のために困窮しておる人人の国債を買上げなさい、こういうことを我々要望している。政府はそうしたらば三億二千何百万円、それに対してすでに手配をした。その際、には何らそれだけでなしに、一般困窮者のものを買上げる予算も、これに含まれておるということは何もおつしやつていない。私の承知しておるところによれば、例えば今例を挙げられた二千四百万円、佐賀県のごときは今回出ておる金は私の承知している限りでは六百六十何万円しかない。そして災害者が困つて、公債を買上げた後、行つてもその予算の金がないという実情であるやに聞き及んでおる。一つ至急にお調べになつて、さような事態のないようにして頂きたい。
  183. 安福信雄

    説明員(安福信雄君) これは生活保護法を受けておられる方と、被害を受けられた方と一緒に入つておりますけれども、被害を受けられた方々の分は別に示してございます。相当被害程度の高い方々に対しましては、その大部分は買上げができますように梓を定めてございますので、佐賀県の例等につきましても、その佐賀県下の遺族の方は相当ございますけれども、遺族国債を持つておられて被害を受けられた方は、大体今お話がございました通り、六百三十五万円という枠がございますが、その程度でなかろうかと考えております。
  184. 松岡平市

    ○松岡平市君 いや、国債を持たない人が買上げてくれろと言うはずがないのです。国債を持つておりながら被害を受けて困つてつて、そして買上げてもらえないかと県に頼んで、買上げを県でやるのかどうか知りませんけれども、頼みに行けば予算がない。こういうことで多数困窮しておるという事実がありますから申上げております。
  185. 安福信雄

    説明員(安福信雄君) その件につきましてはよく事情を調査いたします。
  186. 松岡平市

    ○松岡平市君 恐らく他府県につきましても、先ず第一に間違つておることは、この要望に応えて三億二千万円の措置をしたとおつしやるけれども、今伺いますというと、そういうことでない。二千四百万円佐賀県にやつたと我我はさように只今まで理解しておる。この水害の特別対策として、我らの要望に応えてそうされたものと今の今まで承知しておる。ところがあにはからんや、六百三十五万円であつて、二千四百万という多くの部分はそうでない。あなたたちが今まで別にやつておられたということであつて、この災害関係のないことの予算まで、そういう数字まで加えて返答されておる。これは甚だ私たちは納得いたしかねる。これが第一点。  第二点は、あなたたちは大体それで足りておるとおつしやるけれども、足りておらん部分があるやに私たちは聞き及んでおるし、いや、足りておるとおつしやるならば、事実を以てお示ししてもよろしい。恐らくそういう事態になつていると考えますから、政府は至急……、私たちはすでにこのために三億二千万円措置せられたと承知しておるのです。そういうふうに御答弁になつておられます。速記録をお調べになればわかつておるのです。是非さようなことのないように善処されんことを望みます。
  187. 安福信雄

    説明員(安福信雄君) よく調査いたしまして善処いたします。
  188. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 私から一つお尋ねいたしますが、先ほど炊出料一人一日八十円に引上げるについては実情に応じて増額すると、大蔵省と話合いができておると、こういう報告を承わつたわけですが、この度の災害は非常に甚大であつた関係上、未だに収容している地域もあるようです。従つて栄養失調者が或いは佐賀県或いは熊本県の一部には出ておるということを承わつているのですが、従つて具体的に実情に応じて、どことどこには炊出を一人一日何円にしたというような報告つて然るべきだと思うのですが、如何でございますか。
  189. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) 御尤もでございますが、一応災害救助費の予算は生産補助が建前になつておりますが、大蔵省と私どものほうとの申合せによりまして、これの清算の場合、あとで清算のとき考慮するということにいたしております。
  190. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 重ねてお尋ねいたしますが、案はできているのですか。
  191. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) まだ県から交付金も出ておりませんので、特に熊本県につきましては、県自体におきましても書類をまとめるのに非常に困難を来たしているというようなところもございますので、県から書類が出て参りましたから、至急やりたいと好じております。
  192. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 報告書は求めているのですか。
  193. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) 私のほうでは、今回の災害につきましては、相当早急にいろいろな予算措置もやつたつもりでおりますが、何しろ災害の金を支出するという段階になりました場合には、県の報告が基になりますので、電話で再三私のほうで督促もし、又県におきましても、これが一日も早くその金が県に入りまするように、希望しておるのでございまするが、先ほど申上げました通り、県の内部におきましても、なかなかそれが行われないところがあるというような実情でございますので、県からは一日も早く出してもらうように、私のほうではいたしております。
  194. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) この問題については、被害各県とも相当重大視している問題のようです。従つて至急に各被害県と連絡をとつて資料を調整し、大蔵省と具体的に話合いを解決するように特に努力して頂きたい。その結果を、できるだけ早く本特別委員会報告を求めます。
  195. 永岡光治

    永岡光治君 お尋ねいたしますが、今お話を聞けば、大蔵省のほうで折衝の上で考慮するということを言つたということは、これはこういうふうに解釈してよろしいのですか。各府県において適宜その八十円なら八十円の金をかけて出しておいて、その報告が集つてから、それを折衝して、その金額を出すと言つておる、こういうことに解釈してよろしいのですか。そうでないと、実際要つただけのものを見るというのか、大体この程度のものを目標にして出してよろしいと言つているのか、その点のところがよくわからないと地方でも困るのじやないか。ただ要つただけの報告報告しろということであれば、三十八円、四十円要つておると、そんなのがあるかも知れない。一応八十円程度でやると了解がつけば、地方のほうでも出してやろうと言つておると、私は考えるのですが、その辺了解事項は明確にしたいと思つております。
  196. 白井勇

    ○白井勇君 ちよつと関連して。今の厚生省のお話はこのようにならないのですか、大蔵省の話合いというのは。保健衛生関係の最も専門家のいる厚生省ですから、大体今の時価において、田舎においてもこのくらいの栄養を摂れば大体行けると、調べればすぐわかるわけです。それが商売なんですから。それを今の単価で言えば、大体八十円とか、七十円とかすぐ出るわけです。そういうことを大体大蔵省と交渉をして、大体いいという範囲で認めておるということを、長く給食をするものはこれでやれと、こういう資料を出してもらえばいいじやないですか。それが先じやないですか。予算の打合せしてと言つても、金額が幾らになるかわからんのですから、そういう措置をやつているか、やつていないかということは、厚生省としては問題なんです。
  197. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) 今の点につきましては、私どものほうでも、八十円或いは六十円という専門的な意見が出たのでございますが、私どもは大体六十円、一律に六十円かければ栄養失調にはならないのじやないかという、専門家の意見も、そういう意見もございましたので、六十円の線で大蔵省と話しておるのでございます。実はその話がまとまりましたのは、極く最近の問題でございまして、炊出を続けておりまするところにつきましては、はつきりした金額は言えないが、若干まあ何と申しますか、救済物資等の関係も、そういう方面に重点的に流してもらいたいというような指示もしてございます。その上に、更に今の増額大蔵省と話しておるのでございますが、その金額につきまして、幾らというところが実際はまだはつきりはしてございません。併し大体私どもの見通しは六十円ぐらいというふうに考えております。
  198. 松岡平市

    ○松岡平市君 この機会にお聞きしておきたいと思いますが、厚生関係要望事項のうち、国立及び公立医療機関の応急補修のために一億一千六百万円を即刻国費支弁なり或いは国庫補助なり、何でも構わんから処置せられたい。これは厚生省のいろいろなお話も聞いてかような要望をいたしますのみならず、私立の医療機関について、これはどうしてもこれどけは必要だ、防疫の関係上必要だということで、緊急に五億六千万円の融資を斡旋するようにという申入れをすでに早くいたしております。これに対してその後厚生省関係では、どういうふうに実際において御処置なつたか、この機会にこの二つの要望事項についてどこまでお進めになつて、どれだけ御措置をおとりになつたかということを明らかにしておいて頂きたい。
  199. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) 私どものほうの所管じやございませんので……。
  200. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 松岡君、所管の責任課長が本日出席していないのですが、月曜日にその御質問を保留して頂けないでしようか。
  201. 松岡平市

    ○松岡平市君 承知いたしました。
  202. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) もう一つ私からお伺いいたします。それは生業資金を給付する場合に、その該当者は、家屋全壊流失、即ち滅失したものの二五%に対して支給する、そういう枠があると承知しているのですが、そういう枠を拡げなければ今次のような大災害では立直りができないということを各被害県から承わつておりますが、これに対しては所管省としてはどういう見解を持つておられるか、一応承わりたいと思います。
  203. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) 生業資金の問題はお話のごとく、全壊流失の二五%ということに従前からなつてつたのでございますが、従前は一世帯当り五千円ということに相成つてつたのでございます。それを今回一万円に引上げまして、枠が従前通り二五%ということに相成つております。
  204. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 私が聞きたいのは、五千円が一万円になつたことはまあ結構です。厚生省は三万円を要求したと聞いているのですが、結局それが一万円になつておる。それはそれとして、二五%というものは、ああいう大災害の場合に問題があるのじやないかということを私は考えるのですが、それに対してどういうお考えを持つていらつしやるかということをお伺いしたい。拡げるような意思はございませんか。
  205. 鶴田寛

    説明員(鶴田寛君) 私のほうといたしましては、これを何とかして拡げたいということは勿論思つておるのでございますが、大蔵省とも折衝がなかなか、今回は二五%で抑えられましたので、更にその後いろいろ災害も起つておりますので、今回の水害に鑑みまして枠を拡げることに努力をいたしたいと考えております。
  206. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に御質疑もないようでございますから、厚生省関係質疑は、本日はこれを以て打切りたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  207. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございますからさようにいたします。  ちよつと速記をとめて。   (速記中止
  208. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。  お諮り申上げます。秋山君は水害地緊急対策特別委員を甜任されましたので、理事が一名欠員になつております。つきましては、これが補欠互選をいたしたいと思いますが、委員長に指名一任されたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  209. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから、理事藤野繁雄君を指名いたします。  本日はこれを以て散会いたします。    午後五時三十六分散会