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1953-10-13 第16回国会 参議院 水害地緊急対策特別委員会 閉会後第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月十三日(火曜日)    午前十時五十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     矢嶋 三義君    理事            藤野 繁雄君            永岡 光治君            永井純一郎君            石川 清一君    委員            井上 清一君            剱木 亨弘君            重政 庸徳君            谷口弥三郎君            松岡 平市君            上林 忠次君            新谷寅三郎君            安部キミ子君            山田 節男君   国務大臣    国 務 大 臣 緒方 竹虎君   事務局側    参     事    (委員部第三課    長)      川合 重男君   説明員    総理府事務官    (内閣総理大臣    官房審議室総括    参事官)    久田 富治君    自治庁財政部財    政課長     柴田  護君    大蔵省主計局長 森永貞一郎君    文部省管理局長 近藤 直人君    厚生省社会局長 安田  巖君    農林大臣官房総    務課長     奥田  孝君    運輸省監督局民    営鉄道部長   山田 公猷君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省河川局長 米田 正文君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水害地緊急対策法律適用地域指  定基準に関する件   —————————————
  2. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から委員会を開会いたします。  先ず、臨時災害対策本部首席参事官久田君から十三号台風災害についての一般的報告を聴取いたします。
  3. 久田富治

    説明員久田富治君) 台風第十三号の被害状況及びこれに対する対策について申上げます。  この台風は九月十七日カロリン群島トラツク島附近発生したものでありまして、中心示度は九百十五ミリバール、中心附近最大風速は六十メーター、毎時二十五キロ乃至二十キロの速度で本土に接近いたしまして、二十五日の十三時に至り室戸岬南方約百八十キロの地点で向を北東に転じまして、潮岬をかすめて伊勢湾を横切り、十七時四十分頃には三重宇治山田附近に上陸したのでございます。このときの中心示度は九百五十ミリバール、最大風速五十メーター速度は毎時四十五キロでありました。それから愛知県の岡崎附近通りまして、北東に向いまして、長野県飯田を経て、二十二時には諏訪の東方約五十キロの地点において二つに分かれ、一つはやや北部に寄りまして山形方面に、一つ福島会津方面に進みましたが、この頃から著しく勢力は衰え始めまして、第二のほうは福島猪苗代湖附近で、前者は山形県酒田市附近で大体衰えたものでございます。以上は建設省報告によるものでございます。  この台風被害は、当初はさほどではないというように伝えられておりましたが、通信が回復いたしまして、報告が入るに従いまして、その著しく重大なことが判明いたして参りまして、その被害範囲は全国的に及び、むしろ被害のなかつた県は数えるほどしかないという事態にあることがわかつたのでございます。国家地方警察本部の調査によりますと、これを六月下旬の西日本水害の場合と比較して申上げることにいたします。死者につきましては、今回は三百九十三人、西日本は七百三十二人、負傷者につきましては、今回は二千五百五十九人、西日本の場合は二千六百六人、それから行方不明が八十五人、西日本が二百六十六人、まあいずれにいたしましても人的被害につきましては、西日本よりも被害は比較いたしまして少いという報告になつております。家屋の点につきましては、家屋全壊は、今回は五千九百八十九戸、西日本は三千二百十五戸、それから家屋半壊は一万七千、まあ簡単なために百以下は省略さして頂きますが、家屋半壊は一万七千に対して、西日本は一万一千、家屋流失は二千六百、西日本は二千四百、それから床上の浸水が十四万四千、それに対しまして西日本は十九万七千、床下の浸水が三十五万一千、西日本は二十五万八千、家屋関係家屋全壊とか流失、そういうものは、数はむしろ今回の台風のほうが多い、被害は大であるというような報告になつております。  それから水田、畑、こういう方面に参りますと、台風十三号は一万九千町歩、それに対しまして西日本は二万九千町歩、それから水田の水を冠つたもの、冠水でございますが、これが二十四万八千、西日本が十六万二千、それから畑の流失、埋没が、今回が一万四千、それに対しまして西日本が一万一千、それから畑の冠水が三万六千、西日本が一万九千、水田とか畑、これを比較いたして見ますと、西日本より被害が軽くはない。それから道路の損壊でございますが、今回が一万九千六百ヵ所、前回西日本が一万五千ヵ所、それから橋梁流失が、今回が七千百、前回が三千四百、前回と申しましたのは西日本のことでございます。堤防の決潰が九千五百、西日本が七千九百、要するに道路橋梁堤防、この公共関係のものは、西日本に比べまして、むしろ今回の台風のほうが被害が大である、こういう報告になつております。つまり被害といたしましては、人的被害が少かつたというのが西日本との違いでございます。これは国警報告によりますれば、台風の予防、台風の予報とか或いは又避難措置、そういうようなものが種々訓練を受けた結果によるものだろうと、不幸中の幸いというように報告をいたしております。罹災者の数でございますが、これも正確なところはちよつとわかりかねるのでございますが、各府県報告によりますと、罹災者総数は二百四十五万、西日本水害が二百十万というように報告を受けております。被害金額につきまして主な十三府県をとつてみますと、その総額は約二千三百億程度でございまして、被害の特に甚だしかつた府県は、愛知三重、福井、滋賀、京都、大阪、和歌山等、まあそういうようなことになるような数字になつております。  今回の台風十三号によります被害の特色といたしましては、その被害地域が非常に広範で、殆んど全国的に亘つておりますこと、それから又三重県とか、愛知県とかという箇所で、台風の通過の時間が丁度満潮時に当つておりましたので、海岸の施設その他公共土木施設が甚大な被害をこうむつて沿岸各地罹災が目立つているという点でございます。  公共事業関係被害額を各府県報告額によりまして申上げますと、その総額は、土木関係が五百四十八億円、農林水産業施設関係が四百八十五億円、合計一千三十三億円となつております。このほかに直轄河川被害が約十五億円程度ございます。  罹災の各県におきましては、災害発生と同時に災害救助法を発動いたしまして応急救助に当りました。政府といたしましては、この災害の甚大なことに鑑みまして、九月の二十九日に内閣臨時災害対策本部を設置いたしまして対策を推進することといたしました。西日本水害におけると全く同様に必要な応急対策を実施いたしまして、復旧対策につきましては、実行できるものから片つ端から実行するというように手配を進めて参つた次第でございます。まあ細かいことを申上げるのもなんですから、通常のことといたしましては当然やるべき罹災者応急収容とか、政府手持ち物資の放出とか、主要食糧の払下げ、こういう細かいことはこの際もう申上げないことにいたします。幸い憂慮されました伝染病発生につきましても、現在までのところ何ら特異なものはなく、愛知三重京都、こういうような所は患者総数は昨年同期に比較いたしましてむしろ低い、集団発生は全然ないという報告になつております。なお治安方面におきましても、警察或いはその他関係方面努力によりまして、現在までのところ何ら特異の事態もないというように報告を受けております。  更に復旧対策といたしましては、国の直轄河川関係といたしまして。一億円、それから災害救助法関係といたしまして十億円の概算払いを決定いたしました。更に府県、市町村の復旧事業につきましては、資金面が著しく困難になつておりますので、繋ぎ融資を行うことにいたしまして、九月二十九日、十月二日、この分といたしまして十二億二千万円、これを十四府県に配分いたしました。なお十月十二日に十二億三千万円を追加配分県別割当をいたしました。今後も必要に応じて追加するよう手配いたしておるものでございます。なお災害復旧に関しまして、更に根本的な予算的措置につきましては、只今のところ鋭意努力中でございます。  今回の台風災害によりまして尊い生命を失つた犠牲者に対しましては勿論、家財或いは田畑等被害を受けた罹災者に対しまして誠に同情の念を禁じ得ざるものがありますが、これら罹災者生活再建に或いは又復興のために政府といたしまして西日本水害におけると同様にできる限りの対策を講じ、遺憾のないよう努力する所存でございます。  簡単でございますが、これで報告を終ります。
  4. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 質疑に入る前に改めて確認願つておきますが、只今のあなたの御報告は、災害対策本部長緒方総理に代つて説明された内容のものと、こういうように了承して差支えありませんね。
  5. 久田富治

    説明員久田富治君) その通りで差支えございません。副総理にも見せてございます。
  6. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 質疑のある方は願います。
  7. 松岡平市

    松岡平市君 概略については只今の御説明でわかりましたが、御説明によるというと、十三号台風被害なるものは西日本水害に匹敵する、むしろそれよりも大きいというようなお話であります。言うまでもなく西日本並びに南紀の水害については前国会においてこれの救済のために多くの特別立法がなされております。この特別立法とそれから特別立法がなされて短い期間のうちに起つた今度の十三号台風についての対策との関係、即ち前国会特別立法をこの十三号台風に当てはめてどういうふうに考えておるか、又政府はこれをどういうふうにしようとするかということについて、若し御説明ができるならば、大体の只今政府考え方というものを御説明願つておきたい。
  8. 久田富治

    説明員久田富治君) 只今のことは最高方針にも属しますので、まあ決定的でない対策本部事務当局としての考え方というようにお含みの上でお聞き頂きたいと思いますが、私ども仕事を担当いたしております者といたしましては、被害金額といい、又被害程度といい、罹災者の数といい、すべてにおきまして西日本に優るとも決して劣るというようなことじやございません。又社会的な或いはいろいろな扱い上軽くすべきものでないというように考えておりますので、行政措置はもとより、予算措置というようなことにつきましても、西日本と同じようなやり方にやつておるつもりでございます。ただその立法関係は、前回西日本議員提出という恰好になつておりますので、そのほうにきめて頂くほうがまあ大体において穏当じやないか、そのほうにおきめ願つた上で行政府としては立法府の御決定に従うというような空気になつておるものでございます。
  9. 永岡光治

    永岡光治君 念のために、今の松岡委員からの質問に対しての答弁を再確認する意味ですが、今次補正予算において、当然今まで八月までに起りました特別災害と同じようにこれも含めて予算措置をやるし立法措置もやりたい、その間における繋ぎ融資も同様な趣旨で取扱いたい、こういうように解釈してよろしうございますね。
  10. 久田富治

    説明員久田富治君) 改めて御質問申上げるのですが、立法措置というのはどういう意味かちよつとわかりかねるのでございますが、議員提案として法律になりましたもののあとの措置を法的にどうするかという意味でございましたら、西日本と同じような扱いにする、そういう意味で私は申上げたのでございます。そうでなくて六月、七月については国会立法なされた、八月とか台風十三号については、国会のほうは何もしないから政府でやるかという御質問ならば、これは私としてはまだそこまで委せられて答弁するような状態におかれておりませんので、その点については答弁いたしかねると思うのであります。
  11. 井上清一

    井上清一君 只今永岡委員から御質問つた点は、十三号台風については西日本水害と同じようなまあ考え方で以て進みたいという政府の御意向、問題は十三号台風について、政府国会立法を期待しておる、こういう意味だろうと思いますが、現実に今度補正予算を編成される場合に、そうした十三号台風西日本水害に準ずるという法律がなくても予算措置をするかしないか、こういうところが問題だと思うがという御質問だろうと思うのですが、そういう点についてお考えはどんなものでしよう。
  12. 久田富治

    説明員久田富治君) それは、それぞれ対策面を担当しております法的根拠が違いますので、比較的被害が固まつてからでないと補助の金額がきまらない法律もございますし、そうでない法律もございますので、一律に台風十三号について措置すべき全体をくるめての予算措置ということは、或いは事務的に不可能かと思います。例えば二十八年度の税収が全部きまらなければいかんとか、或いは災害総額がわからなければいかんというようなことについては或いは困難かと思いますが、そうでない部分につきましては、補正予算の固まる時期までに、事務的に固まりましたものは補正予算の中に当然入れて行くべきじやないか、そういうように考えております。
  13. 永岡光治

    永岡光治君 どういう意味ですか。端的に質問いたしますが、八月までに起つた、十三号台風を除いて、問題については予算措置政府は講ずるということを言つている。そして十三号台風の問題についても同様な措置を講ずるということを緒方総理は言つているわけですが、そういう意味からすれば、今度の補正予算のときには、十三号台風も含めて、六月、七月から十三号までの台風も含めて、総体の復旧補正予算を組む、こういう考えでおるかどうか、それを確認したい、こういうことなんです。当然のこととは思うけれども。
  14. 久田富治

    説明員久田富治君) 私ちよつと質問趣旨を深刻に、事務的に考えておりましたので間違えておりましたが、そういう意味でございましたら、副総理が言われました通り、十三号台風についても補正予算考えるだけは考える、そういうように事務的には進んでいると思います。一応数字としては入つているように私伺つております。ただその予算的措置ができるかできんかは別問題といたしまして、それはもう少し関係の深い大蔵省にでもお聞き願いたいと思います。
  15. 松岡平市

    松岡平市君 十三号台風西日本並に扱う、新立法についても同様にするということについては、これは緒方総理からもこの委員会お話があつたし、事務当局もそのつもりで事務を進められているということは我々も了承しているのですが、併し予算に組む、少くともあの特別立法によつて予算的な措置を講ずるということは、私は事務的には不可能であると考える。何となれば、あの特別立法は六月並びに七月のこれこれと期限が切つてある。十三号台風は、あの法律の掲げている期限内でないということであつて、あの新立法を適用した予算を組むためには、少くとも立法措置として、これらの法律をこれこれの場合にも適用するとか、或いは準用するとかいうような立法措置を講じない限りは、政府事務として、幾らやりたくても実際においてはこれは私はできないはずだと、かように考えておりまするが、この点について、そういう措置を講じなくてもやれる、こういうことなのか。私は大体久田さんのお考えとしては、これは国会において、臨時国会冒頭に直ちにそういう措置両院において行われるであろう、現在の状況から……。その場合に、それはちやんと講じ得るように諸般の事務的準備を進めている、こういうようなことでなければならんと思うのですが、その辺のところを一つ、そういうことでなしにやるというのか、やれるというのか、もう一遍伺いたい。
  16. 久田富治

    説明員久田富治君) 只今松岡委員の御発言通りでございまして、法律的には六月、七月台風というように議員立法がなつておりますので、何ら法的措置を講じないで、そのままに台風十三号についても、六月、七月の特別措置法が適用されるというようには解釈できません。ですから臨時国会冒頭において何らかの形で法的基礎を与えられますれば、予算措置といたしましては、それに即刻応ずる態勢ができるように事務的には準備している、そういうように考えます。
  17. 永岡光治

    永岡光治君 今松岡委員言つたのは、私はおかしいと思うのです。来年の法律案はまだ国会で通るか通らんか、わからないのですから、その裏付けとして出すわけです。その補正予算でも、裏付けは、政府が出すか国会が出すか……、通常国会乃至は補正予算における法律予算との関係は当然そうはる。法律国会を通過するかしないかで、補正予算を組まんということにはならんと思います。それは従来の点においてそうだと思うのですが、その点はどうですか。
  18. 久田富治

    説明員久田富治君) どういう意味でございますか、もう一度、失礼でございますが。
  19. 永岡光治

    永岡光治君 法律が通らないから、法律でつまりこの十三号についての措置が講ぜられていないから補正予算を組む用意がないということはおかしいのじやないか。ということは、通常国会における本予算を組む場合にも、或いは補正予算を組む臨時国会の場合にでも、法律案関係のある予算を組んで、併し法律案が通るか通らないかわからないのですよ。けれども予算を組んで出すわけです。だから当然この国会では十三号を適用するという法律が立てられるのですから、当然その建前になる。政府が提案するか、国会が提案するか。国会が提案するかしないかは別として、出ることは間違いないのですが、補正予算はその場合において本予算と同じように国会で組まなければならんと私は思う。
  20. 井上清一

    井上清一君 この問題は、十三号台風によつて被害を受けた府県については極めて大きな問題なんで、もつと政府としては積極的に一つ考えて頂きたい、こう思うのです。これは只今永岡委員からも発言がありましたように、法律が出ることをはつきり予想される場合においては、当然私は組んで差支えない。又組むべきだと私は考えている。それと同時に、今度の十三号台風というものは、非常に年度も相当過ぎてからの被害であつて、いろいろ査定とかその他の事務的な運びが相当遅れることは事実だと思いますが、そういう点も相当勘案して、思い切つて予算の中に、十三号台風に対する措置を含めて予算措置を講じて頂きたい。それで若し変なことになりますと、又通常国会中に更に第二回目の補正予算を組まなければならんというようなことは甚だ私は不恰好なことだと思います。今度の十三号台風について、余り十分予算措置がされてないということになりますと、二十九年度で考えなければならんというようなことになつて仕事を執行して行く上においていろいろ不都合だ、こう思いますので、その際は査定が十分つけてないとか何とかいうことじやなしに、大局から一つ御判断を願つておよその見当だけでも、とにかく十分一つ今度の補正予算に組まなければならん。又組むのが私は当然だと思つております。この点について一つ政府からの意見を伺いたいと思います。
  21. 久田富治

    説明員久田富治君) 只今永岡委員井上委員の御発言の点につきましては、政府側としては、台風十三号の措置を十分考えまして補正予算の作業を進めておると私は了解いたしております。なお実際にそれがどうなつておるかということにつきましては、関係省のほうから発言させて頂くというようにお願いしたいと思います。町
  22. 山田節男

    山田節男君 私、途中から来たので、その前に或いは質問があつたかも知れませんが、今の永岡井上委員質問を聞いておりますと、これは主客顛倒しているのじやないか。というのは、大体この法律を作る発端が、例の台風第二号の問題、そうして六月、七月の問題が起きた。併しながら台風第二号はこれは一応切離して、専ら六月、七月という、この異常中の異常の災害、いわゆる関東の大震災に次ぐこれは大災害、そこにこういう特別立法措置の必要がこの対策委員会のいろいろまあ協議の結果生れたわけなんです。法律は飽くまでこれは適用するというので、こうして今政令についても政府衆参両院緊急対策委員会が協議している。その立場からすれば、今のような永岡或いは井上君の言われたような質問は逆なんです。我々が予算裏付けをしなければならん法律を作るその原因はどこにあるかと言えば、要するにこれは異常中の異常の災害、例えば熊本、続いて起つた和歌山、それから奈良県の南部、これの災害が異常中の異常と、これでこういう特別措置をとつた従つてこの法律を適用するに当つて台風第十三号に対しても適用するかどうか、これは政府認定も勿論なくちやならんが、今までの六月、七月或いは八月の北海道まで入れるかどうかということは、これは国会のこの特別委員会できめているわけです。台風第十三号について六月、七月のこの大水害に対する特別立法措置を適用するかどうかという認定国会でしなくちやならん。これは異常な立法の仕方なんです。そこで今の永岡或いは井上君の言われることは、この法を作つた最初動機から言うと逆なんです。これはもう委員会でやるべきなんです。異常中の異常のものであるかどうか、我々がこうして特別委員会を作らざるを得なくなつて、而もこういう特別立法をせざるを得なくなつた。異常中の異常という程度、これは我々委員会が見るべきです。そうしないとこの六月、七月の法律作つて、あのときにあれだけ我々が盛んな議論をして異常中の異常という言葉で作つた法律が、次々起きて来る災害、勿論この災害台風第十三号の災害も六月、七月の災害に劣らんものがあるだろうと思う。併しそうなつて来ると、この法律というものは実にだらしない法律になつてしまう。而も予算裏付けをしなくちやならん法律、若し将来かような法律がどんどん臨時立法でできるということになれば、これはもう国家財政というものはめちやちやになつてしまう。政府も責任持てないことになる。不幸にしてこういう災害がどんどん起きて来たからこういうことになつたのですが、併し私は第一国会からおりますが、こういう法律は初めてなんです。而もこういう法律を次々に適用しなければならんとなると、立法行政の権限が混淆してしまう。憲法なり国会法から言うと、これは非常に重大な問題になつて来る。私はこれはすでに久しくこの点を憂えておつたけれども、不幸にして台風十三号のようなものが起きて来て、何とかしなければならんということは、これは当然でありながら、議員立法予算裏付けをしなければならん法律について、こういう前例を開いた場合、一体政府立法府がどういう関係になるか。これは我我が憲法違反をやり、それから政府憲法違反をやる、こういう憂いがある。これは初めてのケースです。私はこの間から行政法或いは憲法国会法を調べてみて、又今までの国会歴史、九十何回の歴史を見てもこういう例は少いのです。従つてこの十六国会においてこういう立法措置を我々せざるを得なかつたその原因はどこにあるか。これは矢嶋委員長のしばしば言われたことく、熊本県のあの白川の或いは熊本市内の氾濫、それから土砂、火山灰、これが異常中の異常というので立法化したのがこれが根本動機です。ところが十三号台風による惨害もこれに劣らんものがあると思いますけれども、我々立法者としては、一体どこにけじめを付けるのか、これを考えなければいかん予算を伴う限りは、ひとしく我々は政府と同じ立場一つ考えないとどうもこうもならなくなる。従つて或いは今の永岡それから井上議院員の言われたことは、これは政府に懇願するのでなくて、我々が考えなければならん、我々は法律作つた責任者であるから。そうして政府においてこれだけの予算裏付けをして、補正予算において或いは通常予算においてこれを計上さすというのが今までの建前。本件に関する限りは政府にどうのこうのというのじやなくして、我々が責任を持つてやらなければならん。ですからそういう一つの態度というものを、明確に最初からの態度をとつておかないと、これが不幸にして又次の災害が起つた場合はどうするか、こういうようなことがありますので、これは私はむしろ委員長に対して、法律作つた最初に立ち帰つて立法動機というものを考えないと、この法律が突拍子もない法律になるということを考える。従つて立法行政とのここに混淆の現象をすでに来たしております。我々は飽くまでも行政に携わるべきものではない。飽くまでも立法の府であつて、その憲法建前をここで漠然としておつては次第にあいまいなところに入つて来る。そうすると我々は憲法を侵し、国会法を侵すことになる。どこに行政立法のけじめをつけるかということを非常に注意しながらこの委員会を進めて行かないと……、我々は法に関する限りは責任を持ちます。併し行政的な措置においてはこれは政府が絶対責任を持たなければならん。もう立法行政の三権分立の理由がめちやちやになつてしまう。私は重ねて申上げておきますが、この台風十三号の惨害に対しては、我々は極力これをしてやらなければならんが、建前というものは飽くまでも明瞭にして、そうしてこの台風十三号の惨害、これにマツチするほどの救済を如何にしてやるかということを考えるべきだということを私は委員長に御注意申上げます。できれば今後のこういう審議に当つても、その趣旨は、飽くまでもその建前だけは忘れないようにやつて頂かないと、我々がこの委員会を初め作つた動機がしまいにあいまいになつてしまう。これは恐ろしいことだ。私はその点を委員長に、明確にこの委員会は今どこに立つておるか、どうするのか、こういうことをはつきりお考えにならないと、この委員会が延びれば延びるほど将来憲法上の問題になつて来るということを警告して、委員長にこれは厳重な一つ法的なそこに解釈をつけて、この委員会の動向をきめておかれることを私はこの際強く要望しておきます。
  23. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 委員長に対する注意でございますから、委員長の見解を申述べます。当初立法の作業に取りかかるときに、数十年に一回という程度の異常災害に対して、その復旧を迅速ならしめるために立法する、こういう考えの下に出発したことは山田委員言明の通りでございます。それ以来その根本方針を常に想起しながら委員会を運営して参りました。併しながら参議院における各党から本委員会に持つて参りました御意見とか、或いは衆議院側等の協議等によつて現実的に到達した線は、現在においては皆さん御承知の通りでございます。或いは現在における情勢というものは、当初立法に着手した当時と若干の懸隔があることを委員長みずから認めます。併しこれはそういう基本方針を十分考慮しながら参りましたが、現実の動きというものは、委員長個人の力では如何ようにも癒し得ない部分もあつたと私は考えております。そうしてその後八月台風が起つたわけでございます。この八月の災害については、本特別委員会としては、如何なる程度災害であるか、それに対して如何に対処すべきかということについては、本特別委員会としてはすでに意思決定済みでございます。更に九月起りました台風第十三号については、本日まで政府側からそれぞれ災害に関するところの情報、対策等資料によつて我々は部分的には承知いたしておるわけでございますが、総合的に聴取していないので、本日臨時災害対策本部の首席参事官久田君から説明を承わつた次第でございます。この聴取した数字から言うならば、この災害がどの程度のものであるかということについても委員諸君の判断がおつきであろうから、この質疑終了後において改めてお諮り申上げる、こういうことで只今委員会を取り運んでおる次第でございます。その過程において久田参事官に対して、永岡井上両君から久田参事官説明に対して一体政府はどのように考えてどういう方針によつてつておるのかという点を質問されたと私は了承しておる次第でございまして、山田君の指摘される、この委員会政府とが逆になつておるというような立場においての永岡井上両君の質問ではなかつたと、こういうふうに委員長考えております。で、山田委員からの本委員会の今後の運営についての御忠告は、誠に委員長に対して妥当なる御忠告だと考えております。六月、七月の災害についての政令指定についての衆議院との打合せは、先日来皆さんも御承知の通りでございます。この件についても本日午後一時から再び合同打合会がありまするが、先ほども御意見がありましたそういう点も十分肝に銘じて本日の合同打合会に対処して行く必要がある、そういう決意を持つておる次第でございまして、そのように今後の委員会を運営して参りたいと、こう思います。
  24. 永岡光治

    永岡光治君 今山田委員からの発言の中で、やはり途中からおいでになつたので、いきさつを多少誤解しておると思いますので、なぜこういう質問をしておるかという経過だけを明確にしておかなければいかんと思います。実は第十三号台風について政府から説明があり、私たちがいろいろ状況を聞いても、これは確かに今度の特別立法を適用するに値するものであるという認定を持ちつつ、国会議員も政府も現在までその処置に当つて来ておることはこれは間違いない事実だと思う。ところで確かにこういつた法律は御注意のごとくあらゆる災害に適用すべきでないことは、もう論を待つまでもないのであります。ただ予算の問題は、御案内の通り未だに以て六月、七月の風水害復旧についての予算すら組んでいない、こういう状況である。若しこれが国会予算の提出権があるのならば、これは簡単であります。御案内の通り国会には予算の提出権はないのであります。残念ながら修正権しかないのであります。政府予算を提出しないことには、現在見るがごとき状況にあるわけです。若しこれが六月、七月のあの水害についても、八月十日までに開かれておりました国会予算が提出されておつたならば、今日このような騒ぎを起さなくても済んだであろうということを私たち考えるが故に、今度の補正については、この十三号台風についても十分措置してもらいたい、そうなくては困るのだというこの観点から、一体政府はどのように準備を進めているのか、その答弁如何によつては、若し準備を進めてないと触れば、私たちもはこの委員会の中においても、是非とも組ませなければならぬ必要ができて来る、こういう観点から、一体この問題についてどのように予算措置を講じておるのか、こういう質問をしておるのでありますから、何も別段逆では私はないのではないかと思うので、念のため一応山田委員の今の質問といいますか、要望といいますか、そのことについて私たちの経過だけは一応説明しておきたいと思います。
  25. 山田節男

    山田節男君 今永岡委員の御説明ですが、これは私も或る程度了解し得ます。決して私今申上げたように、立法府が行政府に変化した、こういう極端に申上げたように響いたならば、これは私は訂正します。  もう一つ私この際委員長に要望したいことは、一体この昭和二十八年六月、七月の災害特別措置法を作る経過から見て、第一院である衆議院と第二院の参議院、これはいろいろないきさつでああいう法律ができた、そうして政府がいよいよこれを適用する政令の基準という問題が起きて以来又揉めていることは御承知の通りです。揉めておりながら、国会として第一院の衆議院と第一院の参議院とこれ又意見の食違いがあるわけです。併しながら我我第二院としての存在価値、存在理由から考えれば、これは殊に私昨日来の、夜遅くまでの合同打合会等の経過を見ても、これは一体二院制度の建前として、ああいう合同打合会、この問題に対しての打合会をあれほどまでやる必要があるか、そこにやり方に方法があるのではないかという問題、これは申すまでもなく第一院は第一院としての一つの性格はあるわけです。併し血がらそれだけで行くことが国民に対して、或いは財政上危険であるがために我々があるのだ。我々が果して合同打合会において第二院の性格であり、安全バルブであり、ブレーキであり、又濾過する機械であるかどうか、この建前を我々が堅持しながらこの打合会を見ると、私はこの特別措置法立法経過から見て、衆議院との合同打合会の経過から見て、今度いよいよ実際にこれが行政的に資格をきめる政令の基準ということになつた場合、これは大きく言えば国会政府が一体どういう方法をとるべきものか、更にこの問題が非常に重要であるが故に、政令基準に対しても国会の意向を聞くという政府の肚であるならば、これは勿論我々聞かせなればならない。併しながらその政府の意図する点、勿論これは財政問題を含めての政府の意図、これに対する態度というものは、第一院と第二院とではおのずから差異があることは当然のことなんです。が、その場合に第二院の態度を、放棄してまで、第一院の案を取入れる、これは非常な私は注意すべき点だと思う。妥協広くして政治はないのですから、妥協はしなければならんけれども、その妥協をする方法なり、或いは妥協するポイントにおいて、第二院としての堅持すべきところは堅持する、妥協すべきものは妥協する、こういう点を私は昨日の合同打合会の経過等から見まして、衆議院と参議院との性格がはつきり現われて来ている。こういう場合の議事進行の手段としては、私過去第一国会からの、私も委員長としての経験を持つておりますが、一応参議院は参議院としてのこの委員会の結論を出して、そうして出した上で委員長或いは理事程度で向うで一応当つて見る。どうしてもそれでいけなければこれは合同打合会というものは最後の場合で、できれば委員長と理事ぐらいな方々でこの委員会の、参議院の議論をまとめて頂いて、そうして衆議院の委員長理事との打合せをして、そうしてまとまらん場合には、或いはまとまつた場合においても、今度は合同打合会をやる。こういうふうにしないと、どうも昨日のような場合ですと、本当の打合会になつて、合同打合会になりますると、御存じのように甲論乙駁、而も性格の異なつた意見が乱れ飛ぶようなことになつて、結論は出ません。こういう点で私は今後のいよいよけじめをつける、政令基準の問題について政府国会の意向を聞いておるのでありますから、而も財政問題も加わつておる問題でありますから、衆参両議院で別々の一応の結論を出して、その違つている点については委員長理事、それからそれでまとまらん場合には全部の合同委員会でやる。そういうふうな工合に一つ進めて頂かないと、この法律特別措置法を作りました経過から見て、私は又将来これは非常に危険を加えて、先ほど申上げましたように、立法行政との混淆の現象がますます著しくなるのではないか。かような点を憂えますから、一つ委員の方にもお諮り願つて、若しそれがいいということになれば、私はさように今後のこの両委員会の運営、それから結論を出すべき方法としてさような方法をおとりになることが、これはもう憲法的であり又我々の立場を堅持し得る方法であろうと思いますから、この点を一つ委員長におかれて強くお考え願つて進行されるように私はこの際お願い申上げておきます。
  26. 松岡平市

    松岡平市君 今、山田委員の御発言の、特に後段のことについては委員長からお話があると思いますが、私は一番初めに、新立法の取扱方と十三号台風について特に確かめた点は、私は先ほどの山田委員発言と非常に大きな関連を持つて来たわけなんです。と申しますのは、もとよりすでに十三号台風をあの西日本水害と同じように取扱いたいという気持が委員会に充満しておることもわかつておる。政府もさよう期待はしておる。併しながらあの立法は、それこそまことの特別立法であつて、あの法律はにわかにほかの場合に適用されたり準用されたりすべき性質のものではない。あれが他の場合に適用されるというようなことの場合には、もうそれぞれ特別な立法が要るものであつて、ああいう法律一つあれば、もう大きな災害であれば当然これが準用される、或いはもう必ずそういうものは又これを適用するという、立法によつてなり、これが災害のたびごとに適用されるような措置が講ぜられるものだという感じを私は国民に与えるべきものじやない、かように考えております。先ほど来山田委員が繰返されておられたように、或いは委員長が答えられたように、これは特別の水害だからかような特別立法をして応対するということであつた。これに匹敵する、或いはこれより以上のものが出た場合には当然しなければならんというような性質のものではあの法律立法趣旨からなかつたのだと。それで十三号台風についてこれを適用することについては私も反対するものでないけれども、少くとも我々委員としても、或いは殊に政府はこれを適用するかどうかということについて、もう当然適用されるのだというようなふうな、気持はそうであつても、そういう取扱方は私はして頂きたくない。従つて我々委員としてはもう大体この休会中において十分説明を聞き、そして心構えを作つて臨時国会冒頭において両院直ちにこれの立法措置を講ずるという特別の私は作業をなすべきである。政府はそういうことがもう大体反映してわかつておるから、その際に直ちに予算に組込むというような、多少面倒であつてもそういう措置を私は講ずるくらいな特別の措置を講じて、この特別立法の取扱について慎重を期してもらいたい、こういうふうに考えたわけであります。その辺のところをよく一つお取計らいを願いたいと思います。
  27. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 委員長から申上げます。只今十三号台風被害はどの程度で、その対策は如何ようにしたかということを究明するのが議題でございました。只今両君から御発言がございました十三号台風に対して本院は如何なる態度をとるべきか、如何なる判断をすべきか、或いは衆議院との合同打合会を今後如何ように持つて行くかということについては、冒頭に申上げましたように、後刻切離してお諮り申上ぐべく本委員会を運営しておつた次第であります。併しながら只今両君から議事進行の形で御発言がございましたので、委員長の意見を申上げておきます。  私は本委員会委員各位の御決定の通りに、このたびの法律というものは、異常災害に適用すべきである、濫用すべきでないということを、これは委員長みずから本会において委員長報告をなしておるわけでございますが、その基本線を捨てておりません。異常災害とは如何なるものであるかということは、委員各位の御判断によつて御判断を頂いて決定をいたしたいと、こういうふうに考えております。  なお第一院と第二院との関係でありますが、このたびの災害に関する立法、それに対する処置についてぐらい第一院と第二院が、或いは必要以上と評される方があるかも知れませんが、密接な関係を以て審議或いは調査をして来た例は恐らくないだろうと思います。併しこの点については当初発足当時、参議院の特別委員会は極力衆議院と連絡をとつて、でき得べくんば両院一致、超党派的に委員会を運営して欲しい、すべきであるという本委員会の決定に基いて、委員長はさように取り運んで参つた次第でございます。併しすでに確認いたしましたように、第二院の自主性は喪失しない、こういう基本線は常に持つてつたつもりでございます。  なお只今問題になつておりますところの政令の基準の問題については、政府側から、政令指定についての基準については立法者であるところの立法府の意見を尊重して聞くからという言明がありましたから、一応私どもはお諮りして、この程度の基準において政令を出して欲しい、それが立法者立法精神であるという立場から決議し、政府に申入れました。私個人の見解を以てするならば、その程度にとどめ、我我の立法精神を蹂躙しない程度であるならば、根本的に蹂躙しない程度であるならば、政令というものは行政府の責任においてなすべきものであつて、私個人の見解を許されろならば、現在両院で審議或いは論じておるところの政令に関する問題はやや進み過ぎたのではないかという個人見解を持つております。併しながら従来の、発足当時からの或いは法律案の作成、立法、それからその後の政令基準の問題、それに伴う政令の問題等、第一院であるところの衆議院との今まで持つて来ました経過からして、昨日も懇談会で申上げましたように、潮時というものがある。その潮時を逸することなく委員会の運営を適正にしなければならないということは、皆さん方の御意見、御意向を体しているつもりでございます。で、昨日の皆さん方の御意見もございましたので、本日午後一時からの合同打合会に臨むに当つては、如何なる態度において臨むべきかということを改めてお諮り申上げたいと思います。両君の御意見について、他の委員諸君も御異議のないことと存じますので、委員長はそのように委員会を運営して参りたいと思いますが、十三号台風について……。(永岡光治君「異議あり」と述ぶ。)十三号台風について、本院はその災害程度をどのように判断するか、そうして如何に対処すべきかということについては、後刻御諮り申上げます。更に本日の合同打合会を如何ように持つて行くべきかということについてもお諮り申上げますので、現在議題となつておりますところの十三号台風災害程度は如何ようであるか、それに対する政府は如何なる対策をとつたかという点の質疑を続けて、それを先ず明確にすることが今のこの委員会の運営ではなすべきことたと思いますので、その角度から御質疑願います。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 その議事進行には異議ありませんが、ただ両君の意見に異議ないものと認めるような発言がありましたが、私は松岡委員の今の説明に異議があるのです。異議あるということは、十三号台風は自分は認める、だけれどもこれは法律を作つたあとで政府予算を組んでいいのじやないか、こういう趣旨発言がありましたので、それでは困る。なぜ予算を厚く組むように努力しないか、この問題なんです。この問題を松岡委員はそういう考えでおるのかどうか明確にした上で、私は議事進行を図つて頂きたいと思います。
  29. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記とめて。    〔速記中止〕
  30. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記つけて下さい。
  31. 松岡平市

    松岡平市君 私はこういうことを希望するのです。十三号台風について、私たちはこれを当然新立法を適用すべきものなりという意思表示を一遍もしておりません。私はむしろ何をおいてもこの際に少くとも国会は開かれておりませんけれども、この委員会としては、この十三号台風について若し要すれば新立法を適用するような取扱をするという決議をすることが先だ、こういうことを言いたいのであります。十分に被害状況をも聴取せず、ただ地方の報告、陳情等を聞いただけで、そして当然これが新立法が取扱われるかのごとく、それに何ら疑義を差挾まないで、議事を運営することに非常な危惧を持つものであります。少くともこの特別立法というものの立法の当初からの関係考えるならば、かような特別立法を適用するかしないかということについては、十分ここで被害状況等にも鑑みて委員会で論議をして、そうして政府にこれは特別立法を適用すべき性質のものであるという意思表示を何をおいてもしてから、私はその予算措置を求むべきものである。そういうこともしないでおいて、これは政府が当然これをやるべきものを期待しているかのごときは、この特別立法の取扱方に、立法者自身として多少私は態度があいまいじやないか、かように考えるが故に、さようなふうに申上げたのである。その点については永岡委員の了解を求めたいと思います。
  32. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) これから久田参事官緒方総理の招致によつて約十五分間席を外します。  この際、米田河川局長から建設関係の概況を聴取いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから、さよういたします。
  34. 米田正文

    説明員(米田正文君) 台風十三号は御承知のように九月二十五日に襲つた猛烈な台風でございまして、ルートは紀伊半島の南部をかすめて伊勢湾を通つて北上いたしたのでございます。この台風は従来稀にみる猛烈な勢いを持つておりましたために非常な災害を各地に起したのでございます。風を伴い且つ豪雨を伴つておりました。特にこの台風の特徴は、従来の、今年度当初からの豪雨が主として不連続線によるものであつたのが、これは台風性であつたところに相違がございまして、特に伊勢湾を中心とする海岸地帯に非常な被害を生じたのでございます。特に愛知県、三重県の海岸一帯が非常な被害を受けたのは御承知の通りでございます。殆んど海岸にあります海岸防護の施設が全滅をいたしたような状況でございます。碧南、一色、吉田というような地区或いは知多半島沿岸等の施設は殆んど全壊でございます。なお三重県に関しましても四日市、津、松阪、宇治山田というような地区の海岸施設が殆んど全滅をいたしたのでございます。  非常に大ざつぱな数字を申上げますが、愛知県の海岸ではその施設約四十キロが破壊いたしたのであります。三重県で約三十キロというものが破壊をいたしました。三重愛知合計七十キロに及ぶ海岸施設が殆んど全滅をいたしたのであります。この地区はすでに地盤沈下を来たしている土地でございまして、そのために従来の海岸防護の施設がすでに沈下をいたしておつたという条件も加わりまして、而も台風が伴つた強風及び高潮と同時になりまして、海岸の堤防を乗り越して、堤防の裏の士の部分を洗い去つた。そのために施設全壊をしたような状態でございます。現在この二県が今度の最も被害の甚大な地区でございますので、その処置についていろいろ対策を練つておるのでありますが、河川の災害でありますると、大出水がありましても漸次水が減水をいたしまして、決壊口等の流水が減つて来るのでありますけれども、海岸はそれと趣きを異にいたしまして決壊口からだんだん入るのがむしろ殖えて来るような所もございます。一日に二回の高潮が参りまして、それが耕地に侵入して参りまして、だんだんとむしろ決壊口を拡大するというような状態でございます。で、その決壊口も非常に幅も広く且つ非常に深くなつておる所が相当にあります。深さも地面下八メートルにも及ぶ、而もその決壊口の長さが百七、八十メートルに及ぶ所がございまして、これから入る潮の勢いというものは非常に強い。これの締切をやらないと、農地も人家もまだ水浸しという状態であります。その締切をやる準備をいたしておるのでございますけれども、何しろ尨大な資材が、特に石材、木材を中心とする資材が必要でございまして、それを集めることに相当な時日を要しますのでございまして、我々としては復旧計画の確立と資材の収集というようなことについて対策をいたしておるのでございます。そういう状態にありまするので、なかなかすぐ簡単には手がつかないというのが現実の状態でございます。且つ今手をつけておりますのは決壊口の小さい所、海水の入つて来るのが非常に少い所では比較的簡単に締切工事ができまするので、実はそれから手をつけておるというような実情でございます。或いは一番堤、二番堤とありますが、それらの復旧をやるというような仕事を現在やつております。又県だけではその実施の能力も不足いたしておる現状でありますので、中部地方建設局という建設省の建設関係を現場で担当いたしておる役所が名古屋にございますので、これに県の復旧工事の委託を受けさせまして、現在一部着手をいたしておるような実情でございます。  これがまあ今度の災害の最も甚大な地域でございまして、他は御承知のように京都、大阪と流れております淀川水域でございますが、滋賀県の宇治川に発して大阪に流れておる淀川という川がございますが、これが例の昔の巨椋池の干拓地がございますが、その干拓地の堤防が破壊をいたしましたために、旧巨椋池一帯が浸水をして、三千町歩に及ぶ浸水地帯を生じたのでございます。且つ淀川右岸の高槻市を中心といたします芥川、檜尾川という支川が決壊をいたしましたために浸水地を生じたのでございます。これは人口の棚密な地区でありますために、非常に被害もひどいのでございまして、これらの復旧工事については、現在仮締切工事は全部完成をいたしております。なお本復旧に今着手をいたさんとしているのであります。なおこれについては災害地の避難民の労働力を使うということによつて、避難民の救済の一助にいたしつつございます。  なお、和歌山県については、この前の災害を受けました地区を応急工事をやつてつたのでございますが、それが今度の災害で再び流失をいたしたところが非常に多かつたのであります。特に紀川及び有田川沿岸ですでにやつてつた仮工事が、殆んど流失をいたした、そういう状態であります。あとは奈良県にも相当被害がございましたが、特に福井県の小浜市を中心とする地区が雨量が一平方約五百ミリでございまして、従来にない大被害を生じたのであります。小浜の附近の南川、北川という川がございますが、これはもうすでに改修工事の済んだ川でごさいましたが、これが増溢水をいたしまして、ずたずたに堤防も切れたような実情でございます。なお福井については、福井市中心の地帯においても相当な被害を生じたのでございますが、この激甚さにおいては小浜が最もひどかつたのでございます。そんなわけで各地に被害を生じたのでございますが、今申上げましたのは、特に激甚を極めた地区の状況でございます。それらについては現在応急工事を実施いたしておるのでございまして、差当り繋ぎ融資によりまして応急工事を進めておるのであります。  なお直轄河川復旧については別途に予算を支出いたしまして、それで実施をいたしております。  十三号による土木被害総額、これは県の報告でございまして、私どものほうで今各地に出かけて調査中でございますが、大体五百四十八億という被害額総額になつております。県工事が四百六十五億、市町村が八十二億という内訳になつております。件数は県と市町村全部合せまして五万一千ケ所に及んでおる。これについては九月三十日及び十月二日に決定をいたしました緊急繋ぎ融資十二億二千万円、それと昨日決定をいたしました十二億三千万、合計二十四億五千万というのが現在出しておる繋ぎ融資でございます。概要以上であります。
  35. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 質疑のある方は願います。質疑はないものと認めて、米田局長の報告聴取を終ります。  速記をとめて下さい。    午後零時二十一分速記中止    —————・—————    午後零時四十一分速記開始
  36. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。
  37. 柴田護

    説明員(柴田護君) 今回の六月及び七月の大水害によりまして、地方団体におきまして税収入の欠陥或いは新らしく生じました財政需要等に関するいわば一番最後の尻拭いと申しますか、そういうような重大な意味を持ちますので、ほかの政令との関係を十分顧慮されなければならないと考えるのでございます。従つてその水害を受けた地方公共団体の範囲も、この起債の特例を認める政令だけで一方的にきめましては、ほかの補助金等について特別の取扱がありますにもかかわらず、この政令の特例をこの地方債関係については特別の取扱は受けないというようなことになりましては、非常にちぐはぐ血結果になります。そこでこの二十五の法律の中で、他の法律で地方団体に非常に高率の補助をされた、或いは特殊の恩典も認められておりますようなその法律に基きます政令が、どういう団体に対してできるようになつておるかということを見定めた上でこの団体を指定したいというように考えております。現在この法律の解釈につきましては、若干問題が実はあるのでありますが、それは第一条の中の「水害に係る災害救助対策」、第一条の第二号でございますが、「水害に係る災害救助対策伝染病予防対策、苗しろ対策、病虫害駆除対策、農機具対策その他これらに類する命令で定める災害対策通常要する費用で当該地方公共団体の負担に属するものの財源とする場合」、この費用というものの取扱につきましては、私たちと大蔵当局との間には若干の見解の相違がございます。どの範囲まで行くか、我々の見解では、水害に関する相当の広い範囲を考えて行かなければその法律趣旨が死んでしまうのじやないかという考え方でやつておりますが、若干この間、この点につきまして資金関係その他からの顧慮もあるのでありましよう、若干見解を異にいたしております。それから第二条の問題でありますが、この利息の定率の償還方法は、今までやつておりました預金部資金で以て災害復旧事業費に当てます場合と大体同程度の方法でいいのじやないかというように今のところでは考えております。と申しますのは、元利補給金を出されておるのでありますが、元利補給金を出すならば利息の定率償還方法につきましては、大体今の普通の場合の金利から災害に対しまする準則によつていいのじやないかというふうに考えておりますが、これは元利補給金との関係で下げられれば下げたい、こう思つております。ただこの法律を施行になりまして非常に大きな問題は、国にどれくらい資金源があるか。つまり現在地方財政計画の中では、或る程度の本年度災害のための枠を取つておりますけれども、それはいわゆる災害復旧費としての枠でありまして、ここに認められておりますような特例に関する枠というのは、いわば純粋の赤字債と考えられております。通常の場合には起債を許されないものが多いのであります。そういうようなものまでも起債で以て考えてやろうというのがこの法律趣旨であります。そこでその資金源をどうするかという問題が実はあるのであります。何とか特別の考え方措置をとつて、十分この法律趣旨が達成されるような資金の調達というものを考えて行かなければならんということで、理財当局との話を進めておりますが、この原資の状況は、必ずしも一般に考えられているような楽観すべき状態ではないようであります。いろいろな方面から考えて行かなければならんというような状況でございます。結局私たちといたしましては、災害によりまして甚だしく生じました財政需要の、又災害によりまして生じました税の減収額というものは、結局この起債とそれからその他のいわゆる特例法によりまする起債それからその他一般の通常の場合の災害に関する起債、それと平衡交付金ということになるのじやないか。税の伸びが、最初の地方財政計画よりかどれくらい伸びるかという問題もございますけれども、現在の状況では、税の減収等と災害による税の減免等を考えますと、余り伸びないのではないか。そうなつて来ますと結局資金源を獲得して起債によるか、或いは交付金によるかということに相成るのじやないかというような状況でございます。  繰返して申上げますが、政令の遅れております原因というのは、ほかの政令を早くきめて頂くようにいろいろ関係省にお願いいたしておりますが、それによりまして最後の総元締をこちらでやる、それがこの法律趣旨ではないか。それからその財源対策としては、前途にむずかしい問題が多々あるという状況でございます。簡単でございますが現段階につきまして申上げます。
  38. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 質疑のある方は願います。質疑は別にないようですが、その財源について非常に難色があるという御説明ですが、大まかでも何か数字が出ておりますか。
  39. 柴田護

    説明員(柴田護君) この前政府の中で大蔵省の計算によりまして、大体今年度全体の災害が二千十一億程度の事業費、つまり復旧事業総額が二千十一億であります。それによりますと大体公共事業費関係が、公共事業費と申しましても、地方で賄いますいわゆる公共事業費でありますが、この公共事業費が千八十億見当になります。それから推算して行きますと、災害関係で地方に新らしく生じました財政需要と申しますものは約三百億乃至四百億近くなるんじやないか。そうしますと原資がどれくらい、運用部資金と申しますか、原資がどれくらい殖えるかということが問題になります。と申しますのは、公募債ということが言われるかも知れません。災害による起債というものは公募債によるということはとんでもない話である。それは起債の問題といたしましては政府資金で考えて行くのが建前で、そういたしますと、政府資金がどれだけあるかという問題が非常に大きな問題になつて参ります。それが一つと、それからもう一つは、然らばそれで少いものはやはり地方財政平衡交付金で考えればいいじやないかと。そうしますと地方財政平衡交付金と申しますと、結局国の財源がどのくらいあるか、国の税収がどれくらいあるかということにかかつて来るわけであります。新らしい地方財政平衡交付金だけの公募債もありますし、ほかの特例によります新らしい公募債の金がありますから、それらから考えますと相当大きな財政需要に対しまして財政収入がどこまであるかというむずかしい問題があります。私たちといたしましては、現在地方団体で非常に困つておりますので、極力地方団体の財政状況を勘案いたしまして財政の窮状を救うべく努力いたしまして、問題はどれだけ金があるか、どれだけ資金があるかということにかかつているわけであります。そういう意味で必ずしも楽観は許されないのではないかということを申上げたのであります。
  40. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 今直ちに具体的な数字の発表はできないと思いますが、先刻申上げましたように、本委員会としては、この地方団体に関連のある法律としては、この起債の特例に関する法律は最も重大関心を払われたのです。この法の成立の過程において、或いは衆議院側に或いは政府側に難色があり、難航したということも課長御承知の通りでございます。併しこのたびの災害の規模、それから災害府県の現在における地方財政状況という立場から是非ともこれは立法化しなければならないという決議の下に成立した法律でございます。従つてこの第一条の第二項の地方公共団体としての政令、それから第二条第二項の利息の定率及び償還方法に関する政令の動向については、本委員会としては最も重大関心を払つてある問題でございますので、提案理由に示しました立法精神に副つて、今後も一層の善処方を特に委員会として要望いたしておきます。
  41. 柴田護

    説明員(柴田護君) 御趣旨に副いまして、なお一層御要望の線に副うように努力して参りたいと思います。
  42. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 社会局長が出席されております。  厚生省関係の政令については、先般承わりましたので、その政令についてはそれで結構だと思いますが、私から二点伺いたいと思います。  それは六月、七月の災害に関する立法がなされて、その地域指定の基準が一応考えられておる。その中に災害救助法が発動された市町村という基準があつたので、このたびの十三号台風に当つては、各災害府県は競つて災害救助法を発動した傾向がある。県によれば知事と市町村長とが対立したような所もあるというような噂を聞いておるわけですが、災害救助法の発動状況、それは噂か、一部は事実か、如何ように厚生省は把握されているか。それが一点と、それからもう一点は、この西日本災害のときに遺族年金公債の買上げを行なつたわけですが、このたびの十三号台風については如何なる府県にこれを適用しているか。実施しているか。その二点について承わりたいと思います。
  43. 安田巖

    説明員(安田巖君) 十三号台風に際しまして災害救助法を発動いたしました市町村のことでございますけれども、これはこの前お手許に差出しました一覧表に出ておる通りでございますが、前回西日本災害状況に鑑みまして、今回特に町村が災害救助法の発動というものをあせつたかどうかという点につきましては、私どもまだつまびらかにいたしておらないのでございますが、私どもの救助法の建前から申しますというと、府県知事が一応そういうことについて権限を持つておりまして、そうして若し無用に災害救助法を発動して適用いたしますることになりますというと、それに基きまして、府県の負担も殖えるわけでございますので、従来は余りその点につきましては心配はなかつたわけでございます。今お話のようなことがございますならば、そういう点につきまして今後十分考えて参りたいと思います。  それから第二の点は、十三号台風につきまして被害を受けました遺家族についての遺族債券の買上げでどの程度金を出したかということでございますが、今すぐ担当の局の課長が参りますので、私所管外でございますけれども、今回の災害につきましては一億九千万円金を出すことに決定をいたしております。大体半壊以上で生活困窮に陥る虞れのある者というような標準で一億九千万円の買上げをいたすような措置をとつた次第でございます。各府県にどういうふうに流したかということにつきましては、ちよつと私承知いたしておりませんので、すぐ参りますから、その者からの答弁によつて御了解頂きたいと思います。
  44. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に御質疑はございませんか。質疑はないようでございますので、安田局長に対する質疑は終ります。  速記をとめて下さい。    午後零時五十七分速記中止    —————・—————    午後一時二十四分速記開始
  45. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて下さい。  先ほど全員協議会のときにお諮り申上げ、全員協議会で意見が一致いたしました決議案を改めて本委員会で確認決議し、即刻これを吉田総理以下関係大臣に手交いたしたいと思います。なおこの決議については、委員長から衆議院側の委員長にその旨連絡し、衆議院側の協力も要請することを併せて申上げておきます。  決議案を事務局に朗読させます。
  46. 川合重男

    ○参事(川合重男君) 朗読いたします。     決   議   参議院水害地緊急対策特別委員会(昭和二八、一〇、二二)  一、政府は昭和二十八年九月十九日当委員会に於て決定した水害地緊急対策法律適用地域指定基準の趣旨に則り早急に政令を公布すべきである。  二、政府災害府県の応急工事が其後進捗せざる現状に鑑み各道府県の必要とするつなぎ資金を早急に融資すべきである。  三、政府災害復旧工事を短期間に完成せしめると共に本年度に於て十分の予算措置を講ずべきである。  四、第十三号台風により生じた災害についても災害特例法を適用するよう法的措置を講ずることとし、政府においても他の災害府県と同様な諸措置を講ずべきである。  右決議する。
  47. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 以上朗読いたしました決議案並びに申上げましたこの取扱方を一括お諮り申上げます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。    午後一時二十六分休憩    —————・—————    午後五時五十四分開会
  49. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) それでは只今から委員会を再開いたします。  ちよつと速記をとめて。    午後五時五十五分速記中止    —————・—————    午後六時二十六分速記開始
  50. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。  御報告申上げます。午前中に本特別委員会で決議されました件については、即刻吉田総理大臣以下関係大臣に決議文を手交し、その特別委員会の意図しておるところを伝えておきました。只今緒方総理が出席されておりますので、緒方総理からこの決議に対してその所見を承わりたいと思います。
  51. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 今日午後院内において矢嶋委員長から四ケ条に亘る当特別委員会の決議を受領いたしました。これに対しまして今お答えし得る程度のお答えを申上げまするが、第一の当委員会において決定した緊急対策適用地域指定の基準の趣旨に則つて早急に政令を公布しろということにつきましては、先ほど懇談会の際にも述べましたように、この委員会におきましては御趣旨が決定いたしましたが、衆議院のほうで多少まだ未決定なものがありまするので、更にその決定を待ちまして政令の公布をいたしたいと考えております。  それから第二の繋ぎ融資の問題でありますが、これは多少手続が遅れておつた事実もあるようでありますけれども、これは地方の事情、十三号台風の事情又西日本の六月、七月の災害復旧状況もよくわかつておりまするし、それに対して非常に早急に資金を要するという訴えもたびたび聞きますので、できるだけ早く融資をするつもりでおります。今週未にも西日本に対する繋ぎ融資の追加をいたしたいと考えております。  それから三の今年度において十分の予算措置を講ずべきであるというこの点につきましては、政府が今一番頭を悩ましておる点でありまして、一口に申しまするというと、補正予算又二十九年度の予算に対する財源が極めて限られておりまして、その中からどれだけ災害復旧工事に割き得るかという最後の結論まではまだ行つておりません。勿論できるだけのことは政府としてもするつもりでありまするが、仮に予算にすでに盛られております既定経費を打切りましても、財源とし得るものが極めて少いので、その点は政府が最も苦慮いたしておるところで、只今ここにどれだけということはまだ申上げる段階に至つておりません。  それから第四の十三号台風により生じた災害についても災害特例法を適用するよう法的措置を講ずることとし、政府においても他の災害府県と同様な諸措置を講ずべきであるという御意見に対しましては、先般この委員会で大蔵大臣が申上げた数字は、大体この御決議の趣旨に従いまして、即ち特例法を適用したと同じ措置をしておると了解いたしております。  以上であります。
  52. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をとめて懇談会に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。
  53. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 その前に委員長にお尋ねしたいのですが、先ほど決議をされるときに、ちよつと席を外しましておらなかつたのですが、勿論のことだというのでここに書いてないと思うのですが、十三号台風による災害は異常災害であるということを、まあ参議院の当委員会は一応認定したものだと思うのです。ところが、この前九月十四日に本委員会で決議しましたところは、八月以降生じた異常災害についても、災害特例法を適用するよう法的措置を講ずることとしと書いてあつて、八月に東近畿に起つた異常災害はこれは異常災害と認めるのだという認定はまだしていないと思うのです、公式にはですね。肚の中はこれもそういうつもりでやつたことだと思いますけれども。ここで十三号台風というものを具体的に表に出して決議をするならば、八月における東近畿の災害もこれも当然異常災害であるという認定をされなければならん筋合いだと思いますが、そういう趣旨で、これはもう当然のことであるという趣旨で、この本日の十三号台風についての決議をされたものと思うのですが、その点はどうなつておりますか。丁度副総理がおられますから、そういう趣旨であれば、そういう趣旨であるということをやはりはつきりと政府のほうにも伝えて、当委員会趣旨に副うように政府に要望する必要があると思いますので、お尋ねしておきます。
  54. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 委員長から答弁します。あの決議は、八月以降に異常災害があつたという前提の下にあの決議をしたわけでありまして、どの県にあつたかということは確認いたしませんが、八月以降、ともかく若干府県に異常災害があつたという前提の下に決議し、その趣旨政府に十分に伝えてあります。従つて、新谷君のお気付きになつている点、本委員会趣旨と全く同様だと思います。こういうふうに委員長は確認いたします。  それでは速記をとめてこれより懇談に入ります。    午後六時三十五分懇談会に移る    —————・—————    午後七時三十九分懇談会を終る
  55. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) これにて懇談会を閉じます。  本日はこの程度で散会いたします。    午後七時四十分散会