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1953-07-13 第16回国会 参議院 水害地緊急対策特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十三日(月曜日)    午後二時四十一分開会   —————————————   委員の異動 本日委員具根登君及び寺本広作君 辞任につき、その補欠として永岡光 治君及び武藤常介君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     矢嶋 三義君    理事            秋山俊一郎君            永岡 光治君            武藤 常介君    委員            小野 義夫君            剱木 亨弘君            藤野 繁雄君            松岡 平市君            三浦 辰雄君            安部キミ子君            吉田 法晴君            山田 節男君            松原 一彦君            鈴木 強平君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君    国 務 大 臣 大野 伴睦君   政府委員    総理府事務官    (内閣総理大臣    官房審議室統轄    参事官)    久田 富治君    自治庁次長   鈴木 俊一君   説明員    日本銀行政策委    員会委員    三井 武夫君   参考人    福岡県知事室長 鵜崎 多一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○小委員補欠選任の件 ○小委員長補欠選任の件 ○水害緊急対策に関する件   —————————————
  2. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から本日の会議を開きます。  お諮りいたします。阿具根君及び寺本君、松浦君が委員を辞任いたされました。その補欠としてそれぞれ永岡光治君、武藤常介君及び松原一彦君が委員になられました。右の変更に伴い小委員補欠選任理事及び通産運輸に関する小委員長補欠を互選いたしたいと思います。ついては右の選任及び互選については委員長に御一任願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないと認めます。よつて委員長は、通産運輸に関する小委員武藤常介君及び永岡光治君を、農林水産に関する小委員松原一彦君を指名いたします。  次に本委員会理事として武藤常介君及び永岡光治君を指名いたします。  次に通産運輸に関する小委員長に  は武藤常介君を指名いたします。
  4. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 一昨日の本委員会から被害県知事提出方を要請しました資料提出がありました。この資料について知事会を代表して福岡県知事室長鵜崎多一君がその資料説明をいたしたいと申出ております。福岡県知事室長鵜崎多一君を参考人として、鵜崎君から聴取することに異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 異議ないものと認め、さよう取計います。では鵜崎さん。
  6. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 私福岡県の知事室長鵜崎でございますが、十一日の本委員会九州県知事資料提出をお求めになりまして、昨日各県集りましてその資料を編纂いたしましたので、私代りまして御説明申上げたいと思います。  お手許に差上げました豪雨被害応急所要経費額調総括表という資料でございますが、初めにお断り申しておかなければなりませんのは、この所要経費は従来繋ぎ融資と言われております国庫補助対象融資というような金額の調べではありませんで、それも含み御要求のありました七月、八月中に県として、又市町村として必要な経費金額をお願い申したわけでございます。  で最初の復旧費と書いてございますのが、県として、又市町村として行いまする今後の事業費総額でございます。それも土木関係耕地関係山林関係災害救助法関係防疫関係農作物関係文教関係というものを拾い上げまして、それについてここに集計いたしたのでございます。  その次の二十八年度実施予定額といいますのは、大よそその事業費を二十八年度おいて四割実施する、こういう目途で四割分を県市町村に分けましてここに計上しておるわけでありまして、その隣りの同上中八月までに実施予定額は、その二十八年度予定額の中の四割分を七月、八月までに実施する、こういうふうに見込みまして、それの所要の県及び市町村おいて行う必要経費を計上したわけでございます。  それから二枚目の収入済という下の欄にありますその融資というのは、先般来の御配慮頂きましたいわゆる繋ぎ融資金額が二十億円、それから交付金加算額特別交付金として頂きました金額四億六千五百四十九万円。それからその次の災害救助費として一応配分を受けました三億一千九百八万円、合計収入が二十七億八千四百五十九万円というのを差引きまして、七月、八月両月におきまして必要とする経費が県におきましては八十五億六千八百六十三万七千円、市町村におきまして七十二億三千三百九十八万二千円、合計百五十八億二百六十一万九千円、これだけが七月、八月におきます事業費として県と市町村おいて行う経費でございまして、先ほど申上げました融資交付金額、又災害救助費合計が県におきまして十七億九千三百四十八万円、市町村におきまして九億四千六百八万七千円、合計二十七億八千四百五十九万円、こういうことになりますので、今後なお融資としてお願いいたしたい金額県分といたしましては、六十七億七千五百十五万四千円、市町村といたしまして、六十二億八千七百八十九万五千円、合計百三十億六千三百四万円を必要といたすのであります。なおこの表では、必要経費のうち、長崎の分が実は昨日連絡がつきませんで、この表から落ち、別途本委員会のほうに提出があるということでございますので、この表からは長崎の分が落ちております。今までお願い申上げまして、繋ぎ融資としていろいろ県側から出しておりましたのは、いわゆる公共土木施設農地災害復旧治山関係公共施設という関係の従来のいわゆる文庫補助対象となるべき補助金のいわゆる繋ぎ融資としての金額数字として前回の委員会で申上げておきましたが、この表におきましては、いわゆる県として必要な金額市町村として必要な金額の二月、七、八の所要額を表わしまして、追つて、国におきまして各種事業補助額がきまり、又起債がきまりますると、この所要金額が埋まることになる筋合の金額でございます。簡単でございますが一応骨子を御説明しました。
  7. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今鵜崎参考人説明について特に質したい点がありましたら質疑を願います。
  8. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 この資料が今度いろいろと基礎になつて議論が出ると思うのでお聞きしたいのですが、この今御説明を頂いた表ですが、これには県の分、市町村の分とある。例えば、土木事業関係で言うと、分けてあるのでありますが、これはいわゆる現在法律の対象なつておる、補助対象なつておる以外のもの、対象なつておる分は勿論だが、以外の分全体を含めた数字だと思うのですが、それはどうなんですか。
  9. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) この土木関係耕地関係山林関係では、例の従来国庫補助対象には金額で制限がございますので、その関係につきましては、実は別途御要望申上げておるような、今の補助金額下廻つた額数字を計上しておるわけでございます。
  10. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうすると、丁度鵜崎さんが出場されておるのですが、福岡で言えば、福岡の七月五日現在の地方公共団体公共土木施設関係被害として県から御報告なつておる、いわゆる現在法規対象なつておる災害復旧ですね。その額は、あなたのほうは八十七億六千六百万円の御報告なんです。そうすると、今頂きました表を見ますと、あなたのほうは県がかれこれその数字に当まりす八十九億何がし、市町村四十九億何がし、合計百三十九億三千万円、百三十九億三千万円ということになりますと、あなたのほうの県から御報告を七月の五日でなされた八十七億を引いた五十二億ばかりというものは、いわゆる対象以下の細かいやつの被害額だと考えていいでしようか、どうでしようか。
  11. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) そういうように考えて頂いていいと思います。
  12. 永岡光治

    永岡光治君 ここで二十八年度中の実施予定額復旧費総額の四割にしておりますし、又更に七、八月の実施予定額を二十八年度実施予定額の四割にしておるようでありますが、この四割というこの数字は、漠然と四割というようにしたのか、何か相当いろいろ検討してきめたのか、その四割の算出についての具体的な決定の経緯を聞きたいと思うのであります。
  13. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 従来災害復旧関係は、御承知のように三、五、二ということで、当初の初年度は三割を計上して、次年度五割、第三年度二割ということになつておりましたが、現地おいで願いました対策本部のかたがたといろいろ御相談して、是非不在度は四割をお願いしたいという御希望を申上げておりましたので、一応各県一律に四割を二十八年度事業としてこの表に計上いたしましてお願いしたわけであります。
  14. 永岡光治

    永岡光治君 重ねて伺いますが、そうすると、この四割という数字は、従来の三割との問題もありますが、一応消化できると、こういう自信の上に立つて要求だとお伺いしてよろしうございますか。
  15. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 県のほうでもいろいろ実際の機械、人夫その他能力等もよく検討いたしまして、四割はできると、こういうような、県といたしまして検討し上でのいろいろな措置の事業分量に考えております。
  16. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 鵜崎参考人に対する質疑は終了したものと認めて差支えありませんか。
  17. 小野義夫

    小野義夫君 この被害復旧費は、この表を見まするというと、県とそれから市町村合計して八百十七億六千何がしだということでありまするが、全被害額は一千億乃至二千億と言われておるのでありまするが、この表を作る場合において、全損害復旧等経費はどれくらいのお見込で、そのうち県と町村がこれだけの、ここにありまするところの八百十七億というものを算出されたわけでございますか。それとも全体に直接に県の負担町村負担として八百十七億何がしが出されたのですか。どつちですか。
  18. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) お答え申上げます。この表の中の土木関係耕地関係山林関係についての御質問と思うのでありますが、この算定につきましては、おのずと県において施行すべき河川なり道路、それから市町村おいて施行すべき河川なり道路というものがございまして、そういう区分の上から復旧のいろいろな事業費を出したわけであります。又耕地関係は主として市町村関係が多く、直接従来国から補助がありまするものについては市町村事業として計上するというので、市町村のほうの災害復旧のいろいろな事業量をとりまして、ここに計上してございまして、そういう区分……。
  19. 小野義夫

    小野義夫君 私がお尋ねしておりますのは、この八百十七億六千万という数字と全体の被害との関係を聞いておるのでありまして、仮に千億とすると、あと二百億ほどの損がある。それは政府一般会計並びに関係機関若しくは特別会計で賄うべき損害と認められておるかどうか、こういうのであります。
  20. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 実は先般西日本災害対策本部から御発表になりました二千数百億の被害額は、実は国の被害、例えば直轄河川被害、国鉄の被害、それから専売公社等被害を含めました県、市町村、国、全般の被害が恐らく二千億円に上る被害という金額なつておりまして、そのうち県分被害、それから市町村分被害だけの数字がこの表に載つておるわけであります。同じ県内の被害でありましても、国の関係被害復旧事業というものはこれからは除いてあるわけであります。
  21. 小野義夫

    小野義夫君 わかりました。然らばもう一つ進んで御質問を申上げますが、この八百十七億というものの中には、現行法規おいて各省の負担するところの例えば三分の一もあり二分の一もあれば全額もあるのであるが、これらの経費を如何なる基準によつて区分されましたか。若しくは区分せずに、一応あとから補助金補助金でこの中に入つて来るとして、一応県が出してあとから補助をもらうという立て方にしてこの八百十七億が出ましたか。それともそれはもう全然手を触れないで、それは純粋に各府県及び町村現行法規の下では自腹で負担するもののみがこの八百十七億に該当するということでありますか、そこを一つお尋ねしたいと思います。
  22. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) ここにあります八百十七億のいわゆる復旧事業費の根幹をなします事業につきましては、現行制度の下におけるいろいろな事業費の計算を主にいたしまして弾いておりまして、若干この市町村等に盛られております事業につきましては、従来国庫補助対象なつていないものの事業費も入つておる、併しその部分は全体から見ますると数量的には少いのじやないか、こう考えております。
  23. 小野義夫

    小野義夫君 簡単に、この八百十七億はどういうことをして補助をもらつても、最後のつまりそろばん尻がその府県若しくは市町村負担になるのか。併し一応は八百十七億と出すけれども、その中にそれぞれの現行法規補助をもらえば、これは最後のところは半分になるとか或いは何割に該当するものが負担であるということになるのかという点を簡単にお答え願います。
  24. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 実は土木関係について申上げますと、この事業費の中で例えば三分の二は国庫補助金額になり、あと何割かが起債になる、こういうような内容の金額でありまして、今お尋ねの全体の事業費を計上いたしますから、それで国庫補助比率がきまり或いは起債比率がきまりますと、との事業費の中がその分埋まる。勿論県の自己負担分、従来の制度におきます県の宿世分もこの中に当然入つておる数字でございます。
  25. 小野義夫

    小野義夫君 それでは私のお願いしたいのは、一体町村府県負担能力がない、だからこれをどうすることもできないということを言つておるのでありまするから、例えば法規の枠を拡大するにしろ、或いは資金の融通を拡大するにしろ、最後のところにおける起債といつたつて、結局起債地方起債であれば要するにそれは県民の負担になるのであり、純粋に各府県及び町村負担がこれだけの金額になるという数字を示してもらうことが、それでもなかなか県がやれないから、およそこういうような方式をとつてやらなけりやならんという解釈がそこから生まれて来るので、ただここにこれだけの事業量がいるからということだけでは、これも一つの見方でありまするけれども、最後おい現行法規の枠の拡大とか特例を設けるということには直接寄与するところが少いと思いますから、もう少しこの事業量の中で現行法規ではこれまでは町村、県の負担となり、そして国の負担となるという数字一つ、これは今急ぐか急がんか知りませんが、成るべく至急にお出しを願いたいと存じます。
  26. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 実は今のお尋ねのように、この金額は一応七月、八月、県において又は市町村おいて仕事をやるので、これだけの金を県なり市町村に御融通願いたい、こういう金額でありますので、実はあとの問題につきましては、九州知事会議として実は要望事項中央に対してお願い了いたしておりまして、補助率等について特別の御立法をお願いして、今度の災害に適応したところの一つ国庫補助をお願いしたい。又できますならば起債につきましては全額起債をお願いしたい。こういうような要望あとに付けまして、この数字が実は出ておるのであります。若し御必要がありますならば、今の現行法規おいてこの事業量をやるについて国庫補助金がどのくらい現行法規で来るか、又起債はどのくらい許されるか、それから県の財政収入負担すべきものはどのくらいかという数字を若し御要求でありますならば、基礎的な数字は出ておりますから、若干日にちを頂きますなら、その作成はできるかと存じます。
  27. 小野義夫

    小野義夫君 それを要求するのであります。と申しますのは、漠然たるかような数字では、なかなか中央におきましても、金融面から見ましても、或いは経費の面から見ましても、経常費の面から見ましても或いは補正を出すか出さんか、あらゆる諸問題がその一点にかかつておると思うのであります。でありますから、被害高につきましては大体のところは予想が付いておる。だが併し今の緊急問題にしろ何にしろ、現在の法規でやれないやれないということを一口に言われておるのですけれども、ぢやどういうふうに現状はやれないかという数字的な根拠を一つ提出願うことが、私はこの対策を推進して行く基礎的のことであろうと考えます。ですからそれを急いで出してもらいたいと思います。
  28. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 今のお尋ねでありますが、例えば一例を申上げますと、福岡県の例を申上げますと、災害救助法で今の現行法規で必要とします金額は大よそ八億円あるわけでございますが、そのうち県で負担する分というのは現行法規では四億円に上りまして、四億円の負担についてはなかなか今のところむずかしい、こういう現況でございます。その他耕地災害、その他ここに掲げておりますいろいろ文教関係のものにつきましても、負担現行法規ではじきまして、県の負担ということになりますと、非常な金額になりまして、到底今の県の財政収入からみるとむずかしい、こういう全般的に結論が出ておりますので、こういうような要望を実はいたしておるわけであります。
  29. 吉田法晴

    吉田法晴君 今の小野さんからの御要望であつたのでございますが、私他の委員会に出ておりまして遅れて、或いは御説明を頂いたことを重ねてお尋ねすることになるかも知れませんが、百億の中央への要望事項として、今まで決定しておる二十億のほか百億の繋ぎ融資の増額を願う、こういうことでございますが、その百億と、それから差引不足額に出ております百三十億との関係があると思うのでありますが、百三十億という数字が出たからはしたは切つて百億、こういうつもりでございますのか、その関連です。  それから中身につきまして、百億の中身について御希望がございますならばそれも承わりたい。勿論特別法を作つてもらいたい、或いは特別交付金の枠を拡大してくれ、或いは起債を認めてもらいたい、こういう要望もついておりますから、それも入つておることはこれは了承の上で……、百億についての内訳希望を承わりたいと思うのであります。  それからそれに関連しましてでありますが、財源の中に災害救助費というのが入つておりますが、前の融資交付金加算額と見比べますと、災害救助費の三億一千幾らというのがちよつと私ども了解いたしかねますので、併せてそれも一つ説明をお願いいたします。
  30. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 今の実はこの資料は一昨日この委員会要求されまして、昨日と今日にかけて各県相寄りまして実は作成したのでございます。それから九州、山口各県知事会議で、従来御世話願つております二十億円の繋ぎ融資のほかに百億円増額して頂きたいというのは、実は福岡でそういう要望があつたのでありますが、この表は実はこちらの東京で作成いたしましたので、各県それぞれの資料を出しますると、むしろ均衡がとれず不釣合いの数字になるという虞れがありましたので、先ほど御説明申上げましたように七月八日までに必要な経費を出すようにという御要求でありましたので、各県一律に四割を出してはじきましたので百三十億、こういう数字になりまして、恐らく多少被害の大小によつて七、八月にやる事業分量は若干いろいろ出入りがあると思いますが、ここでは各県均衡とつ数字として提出をしたほうがいいじやないか、若干は地元とのもう少し連絡をいたしまして提出願う、こういうことにいたしまして、この数字ができましたから、その点は少し差があると思います。  又災害救助関係で三億幾らという数字は、実は長崎がこの表からはのけておりますから、あの四億頂いたその中の五県分がここに出ておつて端数なつたと思います。
  31. 吉田法晴

    吉田法晴君 それから一点御答弁が落ちたのですが、繋ぎ融資百億の内訳について御希望がございましたら……。
  32. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 実は更に百億お願いしたいということでありますが、実はその内訳につきましては現地西日本災害対策本部もありまして、従来の二十億につきましてもその御指図で配分を受けておりますので、その対策本部にもいろいろ私のほうからお願い申上げておきめ願いたい、こういうふうに考えて、まだ配分数字は各県とも出しておりません。
  33. 吉田法晴

    吉田法晴君 お尋ねしたのは各県別配分内訳じやなくて、その百億、例えば今までの分について資金運用部資金、或いは簡保という工合に分れております。そういう性質の内訳、この中央への要望を見ておりまして、例えばこの間から営農資金お話が出ましたが、その営農資金幾らというのも入つておる。それから特別平衡交付金の枠を増大してくれということがありますから、平衡交付金の枠の増大ということもありましようが、それはあとからきまることなので、その百億について利子の点もございますから、そういう点の御希望があつたらお伺いしたい、こういうことなのです。
  34. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 実はこの百三十億の融資をお願いしたいというのは、先般来お願いしておりますいわゆる預金部運用資金簡保等と同じような資金源でこの融資をお願いしておるわけでございます。又営農資金の問題については別途西日本対策本部にも取りあえず百二十三億円の要求九州各県の所要額としてお願いしておりまして、取りあえず五十億出してもらいたい、こういうお願いをしておるのであります。これにつきましては、実は利子補給損失補償というものをお願いしておりまして、末端は三分六厘五毛の貸付の利子にしていたたきたいということで、これにつきましても別に知事会議といたしましては、どの資金からというような話は申しておりません。
  35. 小野義夫

    小野義夫君 もう一つ伺いたいのは、この二十八年度とおつしやるのは多分この財政年度であろうと思いますが、これを全体の四〇考という目標でやるということは言換えれば二カ年半でやる。こういうような数字になるはずでありますが、それは工事能力という点を考慮せられたのでありますか、或いは財政能力を考えてのことでございますか、それを一つお答え願いたい。
  36. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 各土木関係耕地関係等から所管省政府派遣官対策本部のほうにおいで願いまして、いろいろ御指夢願い、従来の災害復旧比率を四割ぐらいにすることは工事上もそう不可能なことはない、こういうようないろいろ具体的な各計画についてお話を申上げて、一応県といたしまして四割の線を打出しましたので、勿論土木技術上の検討をした上での数字でございます。又財政的には今度のこの問題につきましては、県といたしましては到底初めからめどが何ら立つておりませんが、財政的にどうかという点は、県といたしましては確信のある数字ではございません。
  37. 小野義夫

    小野義夫君 ところがこれが数字の点で一つお伺いしたいのですが、数字が合わない、八百十七億の四〇鬼ということになりますと、三百四十億以下でなくちやならん。然るにこれでは三百八十億、三百七十九億何がしであるから、それによりますると、そこに相当の、相当のと言つても大したことではありませんけれども、開きがある。更に又この二十八年度の四〇%という数字であると、それは百三十何億にならなくちやならん。仮に三百八十億と概算しましてそれの四〇%、百四十四億でなければならんというところが、百五十八億という数字が出て来る。ここにも十四億の数字的に狂いがありますが、これはどういうわけですか。四割とおつしやるのと、この内訳がそれぞれ違つておる。
  38. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 実はこの土木関係耕地関係山林関係、この三者につきまして四割を実は見込んだわけでございます、復旧事業として……。それから災害救助法関係のは実は四割でございませんで、本年度に全部やる、こういうような数字なつておりますから、総計は少し違つて参ると思います。
  39. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) お諮り申上げます。被害県知事会のほうから出された資料並びにそれに対する鵜崎参考人説明によつて、現金運用計画並びに応急所要経費の大要については、一応判明したようでございまするので、ここで鵜崎参考人に対する質疑を終了いたし、引続いて政府委員に対して質疑をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 一つだけお聞きしたいのですが、四割の四割、従つて被害額の一割六分、こういうふうにして、殊に説明がありましたように、土木と耕地、治山についてはそれを見た、ところが、八月末までにその四割の四割分をやる、こういうのですね。そうすると八月ということになれば、すぐ台風期の九月を迎える。そうなつて来ると、この額が上ればいろいろ災害を受けた河川なり、この耕地の関係は応済むというのですか。例えば河川もそうだが、耕地のごときもいろいろな施設をやる、その施設はこれから復旧して行つた田圃に苗を植えて、そしてそれに灌水ができ、排水ができるというものでなければ、今年の収獲にはならないのですね。八月末後では駄目なんで、従つてそういうようなことを考えて、一体土木、耕地というものは今年度四割、その四割を八月末までに欲しいという結論が出たのかどうか、ちよつと私はその点がお聞きしたいのです。
  41. 鵜崎多一

    参考人鵜崎多一君) 実は今のお話の各農地復旧と、その堰、又その河川の改修の関連性の問題と、テンポの問題の御質問と思いますが、その点は実は大よその計算の基礎では、その関連性を考えてはじいたのでございますが、この出ておる数字そのものは、先ほどちよつとお断り申しましたように、応四割とやつておりましたので、多少耕地関係山林関係等は少し市町村分県分が違つてみたり、それから農地復旧と堰の関係は前後するような関係が起るのではないかと思います。
  42. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) これを以て鵜崎参考人に対する質疑は終了いたします。  一昨日の本委員会の決定に基いて、只今大野国務大臣、塚田自治庁長官、鈴木自治庁次長、三井大蔵省日銀政策委員、内閣官房審議室統轄参事官久田君、以上の政府委員が本委員会に出席されております。質疑のあるかたは発言を求めて質疑を願います。
  43. 永岡光治

    永岡光治君 大野国務相にお尋ねしたいのでありますが、一昨日来地方の当局素らいろいろ実情を拝聴しているのでありますが、それによりますと、只今説明で大臣お聞きの通りに、莫大な要求をされておるわけです。又実際問題として、これだけの金でもなお足りないという非常に苦しい立場にあるようでありますが、この前の大野国務相の説明によりますと、大体三十億くらい出しておけば、支出しておけば現地はまあ大体足りるのだという趣旨に受取れる御説明を承わつたのでありますが、大分開きがあるわけです。これはどういうことからそういう結論を下されたのか、応冒頭にそれをお聞きしたいと思います。
  44. 大野伴睦

    ○国務大臣(大野伴睦君) お答えいたしますが、私が現地に赴いた当時は、中央で繋ぎ資金十億を決定し、これでは到底足りないから少くともあと二十億は是非確保してもらいたいという切なる要望でございました。そこで私は二十億円の増額を要求いたした、そして取りあえず現地おいて十億を決定いたし、そして中間報告に帰京いたしまして、直ちにあとの二十億の繋ぎ資金を閣議において一昨日直ちに決定をいたし、その場合には三十億あれば当座の融資になる、当座これでよかろうというまあ各方面の見解でありました。併しその後災害県知事等から、あとまだ二十億のほかに百億と言いますから、三十億円出したのですから、あと九十億必要である。これは私が去つたあとにそういう必要を災害県知事おいて認めたものと、必要を生じたものと思いまするが、これに対しては相当検討を加えて考慮しなければならんかと、かように考えております。
  45. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 永岡君に申上げますが、この部屋は非常に広くて、マイクを使つておりませんので、起立して発言願います。
  46. 永岡光治

    永岡光治君 それではこういうように了解していいかどうか、重ねてお尋ねいたしますが、現地のほうの情報で、おいでになつたときに、大体その程度あれば当座何とかなるのだという、漠然たる個々の意見を聞いたのであつて、具体的に資料を集めて検討を加えて、大体この程度なら行けるという自信を以てこの三十億でよろしいと考えたのではない。従つて現在各被害の地方のほうからは頻りに更に応急の措置を講じてもらいたいという要求も出ておるので、十分検討して政府としてもこれに対して善処するつもりであると、こういうように了解してよろしいかどうか、重ねてお尋ねいたします。
  47. 大野伴睦

    ○国務大臣(大野伴睦君) 十分検討の上、どうしてもそれだけを要するという場合には考慮するよりほかに途はないと思います。私が行つた当時は大体三十億もあればよかろうという漠然とした、もとより私が参りましたのは今月の一日、二日でありまして、まだ何ら大体の見当もつきかねるような場合でありましたので、先ず一応それくらいあればよかろうと、こういうのでそれで私は十億きまつた上に二十億を要求して、その二十億は今日中央から出すことにいたしたのでありますが、更にあとこれだけ必要があるというならば、十分検討の上、出すべきものは出さざるを得ないと、かように考えております。
  48. 永岡光治

    永岡光治君 私今お尋ねしておるのは、当時こういうことを言つたからけしからんじやないかということで質問しておるのではないのでありまして、政府の熱意を先ず聞きたいというのが私の趣旨であります。従つて今の国務相の発言によれば、出さなければならないようになつたら出すだろう、そういうように受取れるのでありますが、そういうことでなくて、積極的にこの問題については地方からの実情を検討して、十分に善処するという熱意があるかどうか、その点を重ねてお尋ねいたします。
  49. 大野伴睦

    ○国務大臣(大野伴睦君) 熱意は十分持つております。はつきり申上げます。
  50. 吉田法晴

    吉田法晴君 一昨日地方の知事なり或いは知事室長の御説明を聞いたのでありますが、佐賀県なり或いは熊本県もそうだつたかと思うのでありますが、歳計現金二億数千万円、それを仮に七月分の給与を出さなければならんとすると、手許には現金がなくなつてしまう、こういう状態で繋ぎ融資を緊急に望むということをお話なつたのであります。それからすでに佐賀のごときは三億の立上り資金として、営農関係が主であるかも知れませんが出しておる。そこで手許には金が極めて心細い状態になつておるというお話があつたのでありますが、そういう実情を御存じであつたのかどうか。それから九州、山口知事会議要望の第一には、泥土対策、或いは地すべり対策営農資金等々とございますが、門司或いは熊木等においては泥土が市を覆うて、これを除く仕事を緊急にやらなければならない。二、三日前のお話おいても、門司にもなお十名の未発掘死体があると言われております。どういう裏付、或いは国の援助等があるかわからんから、金のかからん保安隊の出動を求めて行つたけれども、それもだんだん減つて一割ぐらいになつておる。そこで泥土を取除く措置、国の援助なり裏付が緊急になされなければならんというお話もございましたが、そういう措置の緊急性については認識が一体おありになるのかどうか。融資の問題に関連をいたしまして、大野国務相の御認識のほどを一つ承わりたいと思います。
  51. 大野伴睦

    ○国務大臣(大野伴睦君) 一日も早くあの泥土を除去しなければ、私は今熊本について申上げますが、熊本の復旧はあり得ないのであります。故に熊本においては特に機動部隊と言いまするか、保安隊の工作隊というのをあそこに特に配置いたしまして、今懸命の作業に当つておるのであります。それはあの二百四十万立方米の泥土を取去るには十億或いは十二億の金を要する。これに対しては目下如何にしてこの金を生み出すか、今聞くところによればいろいろ調査しますると、国庫補助対象に相成らんのであります。それを強いてやつても三分の二でありますから、例えば十二億要るならば、八億だけは何かの方法を広義に解釈して、それを国家が負担いたしましてもあと四億、到底今の熊本市の財政状態からこれを負担するということは困難であります。何とかして特別立法でもして、そうして全額国庫負担したいという気持で、今中央でも調査し、或いは特別立法をするであろうということについて、中央本部において毎日研究調査をいたしております。併しながらこれは一日もゆるがせにできないので、早く結論を出そうと折角努力をいたしておるのであります。これをやらなければ熊本の復旧はあり得ないと、かように存じて、折角今工作部隊等によつて先ず幹線だけなりとも除去したいというので、今鋭意努力をいたしておる次第でございます。
  52. 吉田法晴

    吉田法晴君 ほかの点については御答弁を頂かなかつたのですが、熊本の泥土だけ御答弁を頂いたわけでありますが、例を挙げましたのは、各県から要望いたしました要望の第一の泥土の点を取上げましたところ、泥土のうちの熊本だけを御答弁頂きました。ところが問題は工作隊というお話でございました。それでは保安隊を最後まで使つて門司も熊本もこういう泥土を取除くという御方針ならば、それで了承いたします。併しながらお話のように特別法を作つてやらなければ費用の裏付がない、保安隊を最後までお硬いになるという方針ならば別でありますけれども、これは国の財政的な援助もあつて取除かなければ急速に取除かれない。そこでそういうものを含んで特別法を制定してもらいたいという要望があると思う。これは災害が起つて十日以上たつて、私はそういう緊急性と必要性を認めておられるならば、もう中央で策が立つておらなければならない、こういうように思うのでありますが、まあこの点はすぐには行かないとしても、施策の点については立つておるべきだと思いますが、まだ立つておりません。特別法の内容を含んで具体的な方策をお示しを頂きたいと思うのでありますが、泥土についても御答弁によると、門司は落ちたのであります。或いは地すべりを含んでも、これは実情を御存じかと思うのでありますが、途中ですべりかけて、更に雨が降るならば、或いは家を押し流すかも知れないような地すべりがなお残つておる。それについては市としては何ともできない。全く手をあげた形だから、早く国の施策を願いたい。それを取除くについては、保安隊なり或いは米軍の協力も得られておりましようけれども、それについては私ども対策が立つたとは考えておりません。なお営農資金その他もございますけれども、その具体的内容を揃えて対策がいつ頃立つかという点をお尋ねをしておくのであります。  それからもう一つのこの融資を切望する地方の財政の逼迫状態について御認識があるかどうかということを佐賀、熊本の例を挙げてお尋ねしたのでありますが、その点についてはどのように考えておられますのか、更にお尋ねしたい。
  53. 大野伴睦

    ○国務大臣(大野伴睦君) 地方財政が非常に苦しいことはよく存じております。故に繋ぎ資金等もできる限り早急にこれを出したいというので、現地おい中央の指令、許可というか、指令のないのに独断を以て十億の融資をいたしておるのもそこに原因しておるわけであります。苦しい事情はよく知つております。よく存じておりまするから、一日も早く然るべき措置をとらなければならんというので、鋭意努力をいたしておるのでありますが、地方も苦しければ中央も等しく苦しいのでありますから、如何にして無から有を生ずるかということについて折角検討いたして、一日も早く救済の手を延べたいと、こう考えておるわけであります。又泥土のことはひとり熊本のみではありません。門司市内の状況もつぶさに見て参りましたが、比較いたしまして熊本市ほどその災害に苦しんでおる所はないので、特に泥土の問題については熊本を取上げたわけであります。まあ速かに結論を出したい、こう存じて毎日中央本部の委員会、幹事会を開いて折角努力をいたしておるのでありまするが、いろいろ各省との関連性もあり、財政の関係もあるので、早急に結論を出したいと焦慮いたしておりまするが、なかなか結論に到達しないことを遺憾としておるのでありまするが、毎日調査いたしてはおりまするから、もうそう長い時日は要しない、速かに結論を出したいとかように考えております。
  54. 吉田法晴

    吉田法晴君 鋭意努力をしておる、焦慮しておる云々という今お言葉でありまするが、抽象的な焦慮ではこれは本部長としての責任も、国務大臣としての責任も私は果されないと思うのでありますが、そこで二十億をもらい、二十億の融資を受け、そしてそれを配分できても、なお佐賀、熊本のごときは歳計現金が二億か三億足らず、そこで急速に繋ぎ融資をもらわなければならんという現実にあるのだから、若しそれを政府が知つておるならば、二十億或いはそれに十億追加して事足りたというのでなくして、百億の要望に速かに応えられるのが私は政府の責任だと思うのでありますが、その百億の繋ぎ融資要望に対して、どういう決意とそれから態勢とを持つておられるかという具体的な答弁を求めておるわけであります。
  55. 大野伴睦

    ○国務大臣(大野伴睦君) あと百億の繋ぎ融資という具体的の数字は、私は只今初めて承知したのであります。今日まで私はあと百億を要求されたことはございません。初めて今日承知いたしたのであります。たつた今知つたのです。各県知事からあと百億の要求をしたということは私は今日まで寡聞にして存じませんでした。
  56. 吉田法晴

    吉田法晴君 これは十日の日に知事会議福岡で開いて、その際恐らく西日本水害対策本部の諸氏の中で、大野本部長おられなければ誰が列席しておられたか、或いは直ちにその結論等はこれは御存じであつたと思うのです。たつた今ここで聞いたというのは奇怪千万だと思うのでありますが、お尋ねをしたのは二十億を紀かをしたが、その結果どうなつておるか、或いは各県の財政実情がどうであつたかということを知つておられるかどうか、若し知つておられるとするならば、私は二十億或いはそれにこつちへ帰つて来て十億追加されたとしても足りんであろう、そうするとそれは金額が百億であろうと幾らであろうと、本部長として出してやるべきであるというので御努力されるのが当然であろうと思う。たつた今聞いてびつくりしておるというようなことでは、到底本部長の責任は私はお果しになることはできないと思うのであります。改めて現地の実情と、それから百億の融資増額要望が出ておりますけれども、これに対する所信を承わりたいと思います。
  57. 大野伴睦

    ○国務大臣(大野伴睦君) 怠慢かどうか存じませんが、とにかく具体的にあと一品億繋ぎ融資知事会議で決定されて、その結果はまだ私の手許へはその要望書も届いておらないのでありますから、今承知いたしました百億の追加の要求、これに対しては必要な金はこれはどうしても出さざるを得ないであろうと思いますが、併しながら国家財政の見地もありまするから、十分検討を直ちにいたして、そうして善処いたしたいと、かように考えております。
  58. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 大野国務大臣に対する質疑はございませんか。
  59. 武藤常介

    武藤常介君 只今対策本部長、国務大臣のお話を伺いまして、非常にこの復旧のためには熱意を持たれておるということは誠に私ども意を強うする者でございます。  私は只今から伺いたいのは中小企業者、商業、工業等の中小業者が今回の水害によつて受けたところの被害は想像以上のものがあるようでございますが、往々にしてこうした方面はどうも顧られないというようなことがあるのでありますが、先般来から通商産業委員会におきましては、いろいろとこの方面の研究を重ねて参つたのでありますが、只今県のほうからの御要望があり、これに対しまして、大野国務大臣の御答弁が失礼ではあるが、何だかぴんと来ていないようなお話でございます。それも急でありますから止むを得ないとは存じまするが、何にいたせ前古未曾有の大被害でありますので、御当局はいま少しその間の事情は、計画を立てられ、そうして対処するのでなければ、この救済は困難ではないかと存ずるのであります。  私は三、三これにつきまして政府にお願いをし、又御意見も伺いたいと思うのであります。中小企業者に対するところの災害復旧関係の金融を円滑ならしめるための万全の措置を講ずること。第一に業者が今日まで非常に悲境におりました関係上、債務の履行等も或いはこの場合整理されよう、或いはこれを強行しようという傾きもないでもありませんが、これらは十分政府の力で救済して行かねばならんと思います。又金融機関の融資に対しまして元利の保証、又は中小企業信用保険におけるところの填補率を臨時に百分の九十五程度にまで引上げることが私は必要であろうと思うのでありますが、第一にこの方面に関する関係者もおいでになつておるようでありますので、御当局の御意見をお伺いしたいと思います。
  60. 大野伴睦

    ○国務大臣(大野伴睦君) 中小商工業者の救済、御尤もであります。これについては十分現地におきましても十五億円でありましたか、政府資金を地方銀行に預託いたして罹災者のために取りあえず手を打つたのでございまするが、その後も中小商工業者救済のためには万全の方策を講じて、私は甚だ記憶力も悪くどういう金をどういう工合に出したなその後も相当出しておるはずでありますが、そういう数字につきましては、政府委員からお答えいたすことにいたします。
  61. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 政府委員から答弁を求めますか。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  62. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて。
  63. 武藤常介

    武藤常介君 只今政府委員のかたが御発表になりますならば、その御答弁を伺つてから第二の問題に入ります。
  64. 三井武夫

    説明員(三井武夫君) お尋ねの中小企業に対する今回の火災に対しての対策でございますが、只今までのところは差当り資金措置を講じまして、先ほど大野国務大臣から御答弁のありました政府の指定預金のほかに、中小企業金融公庫の前貸しといたしまして、開発銀行から別枠といたしまして五億円程度の融資を行うことといたしましたこと、それから国民金融公庫に大体六億円の別枠を与えまして、緊急の災害復旧資金の貸出に応じ得る態勢を整えましたこと、それから商工中金に対しまして十億円の別枠を与えまして、これ又緊急の災害復旧資金融資に応じ得る態勢を整えましたこと、同じく住宅金融公庫につきまして、総額四億円の別枠を与えまして、住宅の復旧につきましての融資に応じ得る態勢を整えましたこと等の専ら資金措置を先ず講じた次第でございますが、このうち開発銀行の融資と国民金融公庫の融資につきましては、差当り六分五厘の低率を以て融資に応じ得ることに措置いたしてございます。それから中小企業信用保険の保険料につきましては、政府負担割合を殖やしまして、一般の負担の割合を軽減することといたしまして、政令の改正を目下準備いたしております。  只今までのところは、只今申しましたような指掛を実行いたしたのでございまして、このほかに御質問にもありました利子の補給の問題、損失補償の問題、その他の問題につきましては、他の営農資金或いは炭鉱の復旧資金に関する同様の問題等々との関連をも考えまして、目下関係の各省と打合せ中でございます。至急に結論を出しまして措置いたしたいと考えております。
  65. 武藤常介

    武藤常介君 私は委員の更迭によりまして、今回出て参りましたものですから、或いは重複いたしておるかもわかりません。その点御了承お願いいたすものです。成るべく重複を避けまして私は打切りたいと存じますが、この中小商工業者に対するところの融資というものは、私もこの方面には相当経験がありまして、実際は下部にはなかなか渡りませんで、やはり要領のいい者は十分これを利用するが、要領の悪い者は更にこれを利用することはできないで、泣き寝入りになつていることが往々にしてある実情であります。どうかこれらの方面も政府当局におきましては十分御注意せられるよう、特にこの際にお願い申上げておく次第であります。
  66. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 各委員から大野国務大臣に質疑がないようでございますから、委員長として国務大臣に若干お尋ねいたしたいと思います。  御承知のように、緒方副総理は今次の災害は関東大震災に次ぐ大災害とこういうふうに本委員会で述べられております。先般緊急融資の問題が起つた時に、大野国務相も二十億円の繋ぎ融資で了承しておると、こういうように中央本部はお考えになつて、本委員会の意見と対立したわけですが、大野国務相が福岡から東京に帰られると同時に、大野国務相の十億の追加が必要だという御主張に基いて十億が追加されたことはお互い御承知の通りです。委員長として現在一番本委員会の使命達成のために苦悶しておることは、余りにも現地側の要望政府当局の見解に相違がある、これほど数学的に差異のあつた例というものは、それほど余計私はないと思うのです。現在我々が本委員会で承わつておるところでは、三十億の繋ぎ融資で一応収まるということを承わつておるわけですが、今日ここに提示された資料並びに鵜崎参考人説明によりますというと、緊急に八月中まで百三十億の金というものがどうしても要るのだ、こういうふうに述べられているわけです。  なお、一昨日各県知事から承わつた時に、佐賀県知事は、いま是非とも十五億の金がほしい、それだけの金があつたら何んとか今の急場を切り抜けることができる、そういうことは福岡の出先機関にも切にお願いしてあるという血の叫びを挙げておりました。福岡県側も今月中にやらなければならんのは百七億ある、少くとも四、五十億の金はどうしても要る、こういうふうにここで血を吐くような要望があつたわけです。で、百億の要望を初めて国務大臣が聞かれたというのは御尤もだと思います。百億という数字は、国務大臣は九日に帰京されて、本委員会に十日に御出席になつておりますし、福岡県における知事会議が十日に開催されておりますので、知事会議として百億という数字を具体的に打出したことをお聞きになるのは本日が初めてだというのは御尤もだと思いますが、余りにもこの数字に懸隔がございますので、本委員会の使命達成上委員長は非常に苦悶しておるのですが、国務相、如何でございましようか、御所見を承わりたいと思います。
  67. 大野伴睦

    ○国務大臣(大野伴睦君) いま三十億もあればというときは、まだ実情の調査もできなかつたときであつて、こう、こんなに大きな災害、大きな災害ということは大体わかつておりましたけれども、これほどとは、ちよつとまだ交通連絡、通信連絡等もできない当時でありましたから、さように考えておつたのでありましようが、併しその後実態がだんだんわかつて来て、わかればわかるほど大きい、或いは関東大震火災に次ぐ空前の大惨事であるというので、そういつた資金の必要を生じたものと私は承知いたすのでありまするが、併し、政府といたしましては、成るべくならば繋ぎ資金は止むを得なければ今後も出すよりほかは私は仕方がないと存じまするが、でき得れば今後は予備金の中から支出をいたしたい、必要な金を……。かように考えておるのでありまするが、止むを得なければ繋ぎ資金を出すことも決してやぶさかではないのでありまして、只今委員長の言われた通り、本当に具体的に百億の数字知事会議要求したということは今日初めて知つたんでありまするから、これについては明日といわず今日から直ちにこれが検討に当りたいと、かように考えております。
  68. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 重ねてお伺いしますが、その点は大野国務相の御善処を願いますと共に、重ねて伺いたい点は、大野国務相非常に積極的に、例えば泥土の処理の補助に対する立法をするとか、或いは特例を設けるべく鋭意幹事会を中心に検討中だと、こういう御答弁を本委員会で話されておりまするが、大野国務相は福岡対策本部には、その結論を持つて福岡にお帰りになるお考えでございましようか、その点が一点と、それからもう一点お伺いいたしたい点は、先ほど予備金から今後出したいという御答弁でございますが、昭和二十八年度の本予算案が成立いたしますというと、災害予備金としては百億円が予算化されておるわけでございます。羽田に九日の晩大野国務相が着かれた時に、とても今の予算では賄えそうにないから、秋には臨時国会でも開いて予算の補正をしなければなるまいというような御発言を新聞記者団になされたということを紙上で拝見したのでございますが、それらについての御所見、以上二点承わりたいと思います。
  69. 大野伴睦

    ○国務大臣(大野伴睦君) 私は営農資金、或いは中小工業者の救済資金、或いは石炭の救済資金、そういうものを成るべく決定いたして、一日も早く任地に赴きたいと、かように存じております。これを決定しないでいたずらに現地の本部に帰つてもなすところはありませんから、成るべくさようなものを至急に決定の上これをもたらして任地に赴きたいと、かように存じております。又予備金は現在災害の二十五億の中から出して、将来この予算が通過いたしますると七十五億はありまする予備金が、それで足りない場合にはやはり繋ぎ資金というようなことにも相成るであろうと思いまするし、又関東大震火災に次ぐ今回のこの大水害に対しては恒久対策といたしましては、どうしても、私の考えですよ、政府の考えじやありません、私対策本部長としての考えは、どうしても臨時国会でも開いてこれが予算措置等を、或いは立法措置等をしなければならんのじやないかと、かようにまで私は考えております。
  70. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 大野国務相に対する質疑はほかにございませんか。
  71. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今大野国務相から、帰るまでにはいろいろきめて行きたいという非常に熱意のある点わかるのですか、総額百億というものが何といつたつて予算のところにある。ところが水害の復旧を見るとそういうものじや賄えそうもない。そこでそうかといつて今日補正とか何とかいうことは政府としちや当然今のところ言える段階ではないし、そこで国務相としては、やがて来るべき議会には補正という問題も考えたいという個人的な御意見までお漏らしになつたという段階なんです。そこで私はお伺いしたいのですが、丁度三井さんも来ておられるのですが、こういつた際であるから、いわゆる狭い意味の公共事業費の繋ぎというだけの繋ぎではなくて、やがて起債というような問題で処理するものも当然あろうと思うのですが、総括していわゆる応急融資という形で或る相当額を多く出しまして、そうしてそれを良識に従つて而も本部は福岡にあるのですから、そうして疑問の点については、或いは各知事と連絡すればいいのですから、それによつてどしどし向うで仕事を進めて、あとでこれは繋ぎに該当する分、これは起債へ行く分、これは何らかにおけるいわゆる県或いは市町村負担の分、こういうふうにしてあとで整理をして行く、そうして今差当り必要なものはどしどし、勿論国費の村に流れることは向うも続けるでしようが、十分な監督ということも伴うかも知れないが、それでやつてもらう、こういうことならば今日予算の問題に直接関連しなくたつて、できる。つまり特別な融資、こういうふうに思うのですが、この点について如何でしようか。
  72. 三井武夫

    説明員(三井武夫君) 只今の御意見御尤もでございまして、実は只今までのところにおきます繋ぎ融資の三十億につきましては、大体御趣旨のような方針に基きまして大蔵省といたしましても相当思い切つてきめておるわけであります。実は将来この分は予備金に振替わるとか、この分は起債に振替わるといつたような点等のはつきりした内訳も立てずに、実は今日までのところは大体の枠を与えてやつてもらうというようなことで参つておるのでございます。それから更に今度の繋ぎ融資の三十億を増額するというような必要が起つて参りました場合には、従来と同じような、さような方法をそのまま継続してよろしいかどうか。或いはもう少し根拠を求めて、どういうような資金繋ぎ融資として出して置くのだ、将来これは何に振替わるのだというようなことにつきましての見当を立てながら出して行く必要があるのではないか。緊急の必要の点は私どもも十分了承いたしておりますけれども、繋ぎ融資として出しました資金が将来何に振替わつて、どういう形で回収が付くのだという点を、いつまでも十分な見極めを付けずに繋ぎ融資を継続して行くというわけにも実は参らないのじやないか。この点いろいろ問題があるわけです。これらの情勢を十分に考えまして、今後の繋ぎ融資の額も考えなきやならないと思つております。かような方針でこれからは参りたいと考えております。
  73. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 大野国務大臣に対する質疑は終了したものと認めて差支えありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ではこれを以て大野国務相に対する質疑は終了します。他の政府委員質疑のあるかたは願います。
  75. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今三井さんからまあ基本的な考え方を述べられたのですが、それに対して地方自治庁側としては、今日の府県町村の持つておる財源、それの今免除その他によつて入らない現状、こういう点から見ても今の三井さんの考え方、ゆるゆるという語弊がありますけれども、これからだんだんと明らかになるに従つてつて行くという、この考えの程度で一体いいと考えられるかどうか。この点をお伺いしたいのです。
  76. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 今度の西日本水害によりまして、関係府県及び市町村がどの程度の地元の負担を増加しおるかということは、いろいろ皆んな調べられるかたがたや立場によつて非常に違つておりますので、どうも的確な数字がまだ出ていないのでありますけれども、一応この間大野国務相に随行いたしました私どもの随員が現地に行きまして、各府県市町村のかたがたと当りまして調べて参りました数字でございますと、二十八年度中に百三十三億くらいは金が余計いるようになるのじやないかというような、こういうような推計にまあなつておるわけであります。その内訳を簡単に申上げますと、地方税の減収見込みが約五十二億ぐらいあるのじやないか、勿論この中には徴収を猶予するために出て来る分もあるのでございまして、必ずしも全部がとれないという税金ではないと思うのでありますが、少くとも二十八年度中には、これくらい予定よりもとれないというものが出て来るのではないか、残り約八十億というものが、今度の水害で以て追加して負担が余計になる、こういうようにまあ考えておるわけであります。従つて先ほどからいろいろと今まで三十億の融資に対してまだ足りない三十億を既定のものといたしますれば、更に九十億追加して欲しいという御意見のようでありますが、私どもといたしましては、年度内の追加、不足を考えれば大体そのくらいの数字がいるのかと、今説明を聞きながら考えておつたわけでありますが、併しあれには相当時期的な考慮がありますはずでありますし、それからいよいよいよ予算できますと、先ほども大野国務相から御説明申上げましたように、予備費から本格的に出ている部分もあるわけでありますから、この百三十三億という私どもの数字があの百二十億と必ずしも合致しておるものとは考えておりません、やはり今の三十億では足りないであろうということは、私どもにも想像がつくのであります。そこでこれに対しまして今の当面金があるかないかという問題と、今申上げる今年の年度の終りまでの収支はどうなるかという問題と、二通りに考えて行かなければならんのでございますが、当面の問題は自治庁の立場としてはどうにも考える余地がないのでありまして、これはどうしても大蔵省の方面から当面の繋ぎ融資を考えて頂かなければならん、ただ私どもは府県市町村の実情を見まして、やはり当面の必要額としまして、早急に予算が成立してどんどんと補助金が出て行き、又平衡交付金の追加も出せるようになれば出すというような状態になつて来ませんと、当面の必要もかなりあるのじやないかと思うのでありますが、一応それは私どもの所管外でありますので、年度を通じての計画について申上げますと、今百三十三億の中から一応今御審議になつております二十八年度予算に措置してあると考えられますものは、公共事業の今の百億に対する二十五億の起債、これは全額一応措置してあるわけであります。二十八年度予算と一緒に考えて頂いておる地方債の起債の枠の中にこの二十五億だけがこういう場合のためにとつてあるわけであります。それからして単独事業に対する起債は、前年度分と過年度分とを含めて五十億あるわけでありますが、この約二十八億が前年度分になりますが、これを全部持つて行けば、この二十五億に対してこういう事態に対して一応使える、こういうことになる。つまり特別平衡交付金が一千二百五十億の八%ですから百億あるわけですが、これを今までのこういういろいろな計算を基礎にして極く大雑把に計算をいたしましただけで、これに割当てられる分が百億の中から十億くらいはあるだろう。そういたしますと、約六十億というものが取りあえずこれに対して措置が一応今度の予算でついておる、こういうことになる。勿論今度の予算がついておると申しましても、今度の予算の中のこれらのいろいろな数字は先ほど申上げました災害予備の百億を含めまして、こういう突発事態を頭において考えた数字ではないのでありまして、普通の年を頭において考えておつた数字でありますからして、更にその他の災害が今後出て参りますことを考慮におくと、やはりこの総体の数字は勿論足りなくなるであろうと考えられるのでありますが、今そういうことを度外視して考れば、今申上げるような大体状態になつておる。こういうようにお考え願つていいのじやないか、こういうように考えております。税がうまくとれなくなると、それからして特別平衡交付金が今度とれなくなると、そういう面に足らなくなることについては、予算措置を必要とすると同時に、これは特別平衡交付金の場合には、若干法的措置を必要とするのじやないかというように私どもも考えておるのでありますが、それは今の平衡交付金法によると、平衡交付金を殖やしました額の八汚だけが特別平衡交付金に廻るという考え方になつておりますので、そうすると、百億出しましても八億しか行かないということになりますので、特別平衡交付金だけを特に増加して、この災害地に特別考慮をする必要というものが考えられる。従つて特別平衡交付金を考えるという段になれば、併せて法的措置を何か考えなければ急に応じられないのじやないかというように今考えておるわけであります。
  77. 永岡光治

    永岡光治君 塚田大臣にお尋ねいたしますが、特別平衡交付金の枠の拡大、それから復旧事業に対する県や市町村負担分の全額起債、これを認め、更に又これに対するところの元利償還というものについては、明年度平衡交付金でこれを補填する、これは最も望ましい措置だと地方のほうでも要望しておるようでありますが、政府はこれに対してどういうふうに考えておられるか、その点をお尋ねいたします。
  78. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これは縛別平衡交付金のことは先ほど申上げましたのでありますが、その他今の復旧事業に対する県市町村負担分の全額紀債を認めるということでありますが、これはいわゆる公共事業なり復旧事業の分は国の予算の枠がそれだけ殖えれば、当然それに対しては全額起債をつけなければならないという関係なつておりますので、これは問題ないと思います。ただ単独事業としてされます分でありますが、今度のような特別の際でありますから、できるだけそういうふうに必要があるたびに起債を認めて頂きたいというように考え得るわけであります。それからして災害復旧に伴います起債の枠の拡大は、現在すでにその元利償還は翌年度以降におい利子全額、元金はその年度内において必要とする分の九五%だけは、これは翌年の普通平衡交付金を算定します場合に面倒を見る、こういうことになつております。それからして、単独事業に対する起債の分は、これは特別平衡交付金で考えることになつておるのでありますが、このほうは元利に対して今までの行き方では大体三五%程度の面倒を見るという慣例になつておるのでありますが、これはもう少し或いは何らか考えなければならないかと、こういうふうに考えておるわけであります。
  79. 永岡光治

    永岡光治君 これは直接塚田大臣の関係であるかどうかはちよつと疑問があるかと思うのでありますが、併し当然これは地方税の関係とも関係が出て参りますので、当然若し地方税との関係が出て参りますれば、結果的には政府平衡交付金にも影響して参りますのでお尋ねするわけでありますが、今度の災害によつて非常に苦しい状態に罹災者は置かれて来るわけであります。そこで租税の減免の問題はこれが当然起きて参ると思うのでありますが、これについてその範囲を拡大する必要がある、当然これは拡大しなければなりませんし、又その一部を徴税する場合でも猶予しなければならん問題も出て参ると思うのでありますが、従つてその期限の延伸も図らなければならんと考えております。そこでこれらの問題について政府はどのような対策を現在考えておるか、それを明確にして頂きたいと思います。
  80. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 租税の減免の問題は、国税におきましては御承知のように法律がありまして、きまつております。それから地方税の場合には、形式的には自治団体が条例できめますれば、どのようにでもきまるわけでありますが、おのずから国税の例に準じて各自治団体においてきめるということになると思うのです。で当然きめられた線に従つて減収を生じますれば、普通の場合には今の八%の特別交付金で以てこれは面倒を見てやるということになつておるのでありますが、その特別交付金が先ほども申上げましたように、今度のように大きな災害であります場合には、あの百億の二十八年度予算にある総額じやとても足るまいと考えられますので、これを大きくして減収した分は当然特別平衡交付金のほうで見るというふうな関係なつております。
  81. 永岡光治

    永岡光治君 更に続いてお尋ねいたしますが、これは塚田大臣は郵政大臣でもあるわけでありますが、或いは又地方の公務員の問題にも影響すると思うのでありますが、被害地における公務員について、特別な給与の繰上支給等が講じられているのであります。従つて又これは期間をずつと恒久的に繰上支給するということであれば、それはその分は増額したと同じ結果になるわけでありますが、今地方ではこの穴埋めをただ繰上支給という形でなくして、而も非常に今困つておりますが、増額して欲しい、特別な手当も欲しい、こういうことを要望しておりますが、これについてどういう考えであるか、お聞きしたいと思います。
  82. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) この給与の問題は大体今までの例もそうでありますが、国の場合に準じてやるということになつておりますが、まだ国の場合にはそこまでの考慮はついておりませんので、私どもも今のところは考えておらないのでございますが、併し、御指摘のような問題は確かにあると思いますので、やがて国が何か考えるという時期になりますれば、私どももそれに準じて考えて行かなくちやならないのじやないかと思つております。
  83. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと申上げますが、中央本部長である緒方副総理が間もなく本委員会に出席するとの連絡がありました。
  84. 永岡光治

    永岡光治君 只今何も考えていないというように受取れるのでありますが、それはもう現実に繰上支給すれば穴が開くということは、これは明確な事実でありますので、考えてないということは、非常に私たちはその答弁を不満とするのであります。早急にこれは具体的な措置を講じてもらいたいと思うのでありますが、いつ頃その点についての結論を出す考えでおられますか、その点を一つお願いいたします。
  85. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) この問題は地方公務員だけの問題でありませんので、中央各省全部、あの方面へ出先を持つておりますもの全部の共通の問題でありますので、私どもとしても御注意は有難く承わりまして、十分確信を以て早く対策が立てられるものなら立てたいと、こう考えております。
  86. 松岡平市

    ○松岡平市君 自治庁長官にちよつとお伺いしますが、大体百三十三億、これは負担増と収入減の関係で約百三十三億は本年度地方公共団体負担が殖えたことになつております。それに対して今あるものは起債の枠が五十億、特別平衡交付金で約十億、六十億はこれでけりが付く、それから別に予算が決定いたしますというと、予備金が七十五億残つておる、これで大体百三十三億は見合つて来る、それで今地方で、これはまあ大分違うのですが、地方で本年度に必要とする金は三百七十九億、これは長崎や或いは鳥取、島根等を除いても、五県で三百七十九億幾らで、百三十億というのは七、八月でございますから、それはそれとしてあとで立法措置は講ずるが、ともかく百三十三億、七、八月と予算が今月一ぱいにきまれば、すぐ措置できるものが約百三十何億あるから、これでまあ一応はけりが付く、こういうふうにお考えになつていらつしやるのでございましようか。
  87. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 私が申上げました百三十三億という数字は、これは国からいろいろな形で出て行きますものを、今まで予算にありますものも、今後或いは増加士ボであろうものも全然考慮に置きませずに、一応私どもが調べて、これだけの仕事がありそうだ、これだけの税の減収がありそうだ、そのために地方が負担を新たに増加する分、こういう考え方で百三十三億と申上げたのでありまして、従つて七十五億の今後の災害予備金の予算というものが全額西日本のために出されましても、この百三十三億の一部分になるという考え方ではないのでございます。従つてこの百三十三億の中に、一応今御審議願つておる予算の中で措置されておると少くとも理論的には考えられ得るものは六十億しかない、こういうように考えておるわけでございます。勿論この百三十三億という数字は一応の調べでありますから、今後厳重に査定をし、厳格に調べました場合に、恐らくこの数字よりは少くとも二十八年度中に使い得る額、又は関係とする額はもう少し減つて来るのじやないかと思いますが、併しそれにいたしましても、起債の枠にいたしましても、特別平衡交付金の額にいたしましても、相当やはり不足がある、こういうように考えておるわけでございます。
  88. 松岡平市

    ○松岡平市君 そうすると、その不足の分をやはり何か特別な立法措置を講じてカバーしてやるより仕方がない、こういうふうにお考えになつていらつしやるのですね。
  89. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) さようでございます。起債災害予備の金が殖えればそれに応じて当然自動的に枠を殖やすという考え方になつておりますし、単独災害の分は特別の事情を御考慮願つて、国会で何らかお考え願つて増額する、特別平衡交付金のほうは法的措置を伴つて、予算の増額と同時に法的措置で成るべく西日本にたくさん行くように措置する、こういう工合に考えております。
  90. 松岡平市

    ○松岡平市君 その点はわかりましたが、そういたしますと、只今これは自治庁長官ももう御承知だと思いますが、災害五県、長崎県を別にしてともかく七、八月として百三十数億要る、実際要るのは百五十何億でありますが、そのうちもらつたものもあるから、併しここでざつと出して百三十億六千三百幾ら、これだけ要るのだ、取りあえず百億融資をしてもらいたいという県側要望について自治庁長官はどういうふうな御感想でございましようか。
  91. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これは私もこの表は今ここで拝見いたしましたのでありまして、まあ地方から出ますこういう種類の数字には今までの幾つかの例で見ましても、多少緩やかなものがあるのじやないかと思いますが、仮にこの数字を基礎にして考えますれば、ああいう考え方が当然出て来るのじやないかと想像されます。但しこの数字を基礎にして考えます場合には、先ほど御指摘の七十五億というような数字も予算ができれば、これは直ぐに出るものでありますから、その中から何がしかはすぐに出て、恐らくこういう数字が減つて来る。ですからして、二十億の上に更に百億当面欲しいとおつしやる考え方は、そういうような予算ができれば、正規に補助金その他で以て中央から流れて来るものを抜きにしまして、資金的な面でだけ考えて見ると、少くとも当面あれだけなければならない、こういうような現地のお考えじやないかと、こういうように察せられます。
  92. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に質疑のかたございませんか……、委員各位に質疑がないようですから、委員長から一つお伺いしたいと思います。それは現在の行政機構では、地方自治体の擁護機関としては自治庁が考えられておるわけです。今の答弁を聞いておりますと、特別平衡交付金を若干災害地に廻す、それは飽くまでも平衡交付金千二百五十億の枠内なんですね。更にこの予備金から災害復旧費が出ることになると、それに連れて起債が増額する、そのれ頂も現在予定されているものの枠内から出て行くわけですね。そうすると現在全国の自治体が非常に財政的に困窮しているということは、これは自治体当局者から聞くまでもなく、自治庁の政府委員みずから国会のあらゆる委員会で肯定されているところなんです。そこで私はこの自治体の擁護機関であるところの自治庁長官にお伺いいたしたいのですが、これだけの災害が起つて、それを只今まあ事務官がここで答弁されるのなら私は納得いたしますが、長官としてのあなたの今の答弁では、これは地方自治体は救われんじやないか、復旧できないんじやないか、こういう点委員長としては非常に懸念いたしているわけなんですが、事務官でない、長官としてのあなたに所見と決意のほどを承わりたいと思うのであります。如何に羨処されるか。
  93. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) どういう点を御指摘になつて救われないという御意見であるか、私にはよく了解できないのでありますが、私といたしましては責任を以て調べまして、どうしてもこれだけは必要であり、国から補助を出さなければならんという数字は、確定次第六蔵当局と折衝いたしまして、是非出したい。そうしてこれは放つておいてはならん問題であり、必ず自治庁として責任を以て何とか考えて差上げなければならんと、こういう固い決意を持つておるわけであります。
  94. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) もう一点お伺いいたしておきたい点は、一昨日佐賀県知事が、あの災害のひどい場面に直面したときに、被災者を救うためには補助法規とかなんとか考えているいとまもなく、臨機応変、独断に災害救助のために善処したということを参考人として供述されているのですが、そういう県があり、市町村によりますと、殆んど立ち上ることのできないほどに全面的にやられた市町村があるわけなんですね、御承知だと思うのですが、それらに対して特別今後何か考えはございませんか。
  95. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これは私も個々の府県及び市町村の、特に今委員長が御指摘になつているような状態を詳細具体的に承知いたしませんのでありますが、それが判明確定いたしましたならば、御指摘のように何らか、少くとも今後自治体として立つて行ける程度の災害の性質と睨み合してこれは考えなくちやならないと、こういうように考えております。
  96. 永岡光治

    永岡光治君 塚田自治庁長官に最後にもう一点お尋ねしたいのでありますが、いろいろ努力をする、いろいろ実情を検討してやる、こういうような非、常に抽象的なことがしばしば言われておるのでありますが、問題は地方の状況を聞きますと、非常に切羽詰つた気持でおるようであります。而も殆んどの県が財政的に窮乏いたしまして、給料も払うこともできないという非常に逼迫した状況にあるのでありますから、至急にこれは対策を講じて、大幅な支給をしなければならんと思つておるのでありますが、一体やはりいつ何日までという一つの見通しがなければ、仕事も早急に進ま雇いと事務的に考えられますので、一体いつ頃までに結論を出すという見込みであるのか、その点だけ一つお尋ねしたいと思います。
  97. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 先ほども申上げましたように、自治庁の立場は、これは当面の措置をする立場でありませんで、今年及び今後ずつと先長い地方財政の計画というものを頭において措置を考えるので、二十八年度の措置にいたしましても、今年の損害のうちどれだけが復旧さるべきものであるかという現実の見通しや、そういうものを含めて、従つて当面の措置はどこまでもこれは金融政策で、融資でやつて行く以外には手がないのであります。勿論その場合に我々が援助いたしまして、これぐらいのものは少くとも今年中に必要だと、政府の計画でも出さなくちやならんたろうという或る庫の見通しを我々も立てまして、大蔵省側と折衝いたしませんと、先ほど三井委員も御答弁になつたように、何らかの見通しがなくなつてはやはり繋ぎ融資も出せないものですから、そういう意味の側面援助はいたしております。これくらいの枠まではお出し頂いても一将来或いは、起債に振替える、或いは補助金に振替わる、だからこの程度までの短期融資は出して頂いていいのじやないかというような意味の側面援助を申上げることはできるのでありますが、我々は今申上げますように、恒久的な、そうしてきちんときまつた措置をする立場でありますので、そうせく必要はないし、せいてはならないし、本当にぎりぎり調べ上げたところで以てするというのが私どもの立場と、こういうふうに御了解願います。
  98. 永岡光治

    永岡光治君 どうもお話を聞いておりますと、根本的な対策を立てることは勿論必要であります、併し私たちが今根本的な計画を立てることを必要とすることは勿論でありますが、今問題にしておるのは、今日明日に迫つた地方の財政のこの逼迫から、何もできないのでそのまま被害を放置せざるを得ない状態にあるこのことを急速に解決しなければならん立場に置かれておる。これは国会議員の責任でもあり、又政府の責任でもあると考えておりますが、そういう意味でこれは並行的に考えて頂かないと困るのであります。そういう意味で、当面の問題をいつ頃までに結論を出そうとしておるのか、そのことをお尋ねしておるわけです。
  99. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これは繰返して申上げますけれども、私は当面の問題を、例えば今非常に府県なり市町村なりどうも月給を払う金もなくてお困りになつておる、そこで大蔵省にお話になるけれども、大蔵省は金を出されん、それはそんなはずはないというようなことで、意見の相違で、大蔵省が金を出さないというのであれば、私どもは自治庁の立場で、いやそんなことはない、佐賀県、福岡県なら福岡県に今金がないと言われる府県側の考え方のほうが正しいのだというように助言をして、大蔵省から金を出してもらうというようにいたしますことはできますけれども、それ以上は、今の段階では私どもとしては私どもの仕事の範囲でありませんので、それよりも逐次集まつて来る資料、更に現地に人をやつて調査をいたしまして、本当の数字を掴んで、まあ非常に漠然とした言い方でありますが、年度内に私どもは二十八年度必要とするものは措置できればいいのじやないか、平衡交付金特別平衡交付金もどれだけ見て差上げるか、又起債もどれだけ融資して差上げるかということは、二十八年度所要分については年度内に片付ければいいので、それまでは今の繋ぎ融資で行く、併しその前に成るべく早くきまるに越したことはありませんが、私どもは物の考え方をそういうふうにいたしておるわけであります。    〔委員長退席、理事秋山俊一郎君着席〕
  100. 松岡平市

    ○松岡平市君 併し少くとも自治庁としては、この災害府県に、本年度内に五十億ぐらいな起債は最小限度これはどうしても認めなければならんというぐらいなことは、小さな数字をお集めにならんでもこれはもうおわかりだと思います。そうすれば、この五十億を対象にして繋ぎ融資をこの部分にだけ至急繋ぎ融資として出してもらいたいということを大蔵省に御折衝願うことはこれはできると思います。問題は自治庁が地方公共団体の財政その他について万般の措置をおとり願うことは、これは当然のことであります。今我々が非常に問題にしておるのは、地方で裏付されておる資金がない、中には現金もない、こういうことでありまして、地方は三十億はすでに措置してもらつた、そのほかにも約十億近いいろいろな災害救助金その他はこれはもらつたけれども、なお急いで百億欲しい、こう言つておりますが、なかなかこれは百億というようなものも、今までの大野国務相なりあなたのお話を聞いておると、至急には措置されがたいというような印象を持つのであります。何にしてもこの際地方のために出る金を出してやるより仕方がない。そうしますると、この機会に繋ぎ融資の性質はいろいろありましようけれども、ともかく繋ぎ融資の将来の見返りの対象には起債はなるわけでしようから、そうしますると、少くとも起債の分で五十億は出してやつてもらつても、これは必ずあとでけりがつくわけであります。今まで出ておる三十億は別なものでちやんと見返りは大体つくだろう、少くともこの起債を見返りにして五十億を出してやつてくれ、こういうことは、私は自治庁もやつて頂いてもよかろうと思うのです。こういうことについてもやつて頂けるかどうか。この点を一つつておきたい。
  101. 塚田十一郎

    ○国務大臣(塚田十一郎君) この点は先ほども申上げましたように、少くとも私どももこの程度の起債の増加というものは、当然しなけれならないと考えおります。従つて、そう考えられます以上は、それに対して、それを見返りにした繋ぎ融資というものができるならば出してやつてもらいたいということは、大蔵省側に折衝いたすつもりでございます。    〔理事秋山俊一郎君退席、委員長溝席〕
  102. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 塚田自治庁長官に対する質疑は終了して異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ではこれを以て終了したものと認めます。
  104. 松岡平市

    ○松岡平市君 三井さんに一応大蔵省の立場でお答えを願いたいと思います。すでに三十億の繋ぎ融資現地に行つております。併し、現地側は更に百億八月分までの手当として何とか融資をしてもらいたいという要望をしております。先ほど三十億の繁ぎ融資についてはどういうふうに使われるか、あとの見返り、その対象になるものは今まで余り詳しく計算もせずに出したから、これ以上はそういうわけに行かんというようなお話もございましたが、只今自治庁長官のお話では、最小限度五十億くらいな起債はこれはどんなことがあつても認めざるを得ないという自治庁長官の御答弁でございます。そういたしますというと、れを対象になこる五十億の繋ぎ融資をお出しになつたところが別段お困りになることはないと思うのでございますが、少くともこの将来の起債五十億を見返りにして、更に繋ぎ融資をお出しになり得るや否やということについて御意見を伺います。
  105. 三井武夫

    説明員(三井武夫君) 只今お尋ねの点でありますが、自治庁としては、五十億の地方債の枠の拡大が将来必要であるという結論がお出になつたということで、大蔵省に御注文がありますれば、大蔵省といたしましては、十分それらの事情を考えまして、必要があるものならばそのように考えたいと思います。併し、今後といたしましては、先ほど申しましたように、十分その内容等を検討いたしまして、繋ぎ融資の真に緊急の必要を認めた場合に考えて参りたいという所存でございます。
  106. 松岡平市

    ○松岡平市君 大蔵省のお立場としては、十分あらゆる点を御検討にならなければならんこともよくわかりますけれども、本日の参議院の本会識において大野国務相が報告されたところによるというと、二千億を超える被害だと、こういうふうに言つておられます。これを現在何とかして国家も救済してやらなければならんという際であります。今繋ぎ融資として出されておるものは三十億であります。二千数百億の被害が起つておる。ところでその殆んど大部分というものは、結論におい地方公共団体その他が背負わなければならんわけでありますが、それに対して漸く三十億であります。起債も五十億くらいは最小限度本年度分要るというわけでありますが、大蔵省として先ほど同僚委員からも、何か特別融資というような方法でともかく金を出してやれんか、何かやつてもらえないかというような希望も述べられたようでありまするが、特別融資というようなことで特殊の取扱ができなければ、せめてそういうふうなはつきりした、まあ幾らどう押付けても五十億は起債を本年度内に認めなければならんというようなことはもう歴然たるものであります。相成るべくは、地方は先になつての倍な金よりも現実に今金が欲しいのだ、又そうしないというと、九月までは九州は台風を殆んど毎年迎えておるのでありまして、今ここで応急に何らかの措置をして置きませんというと、災害を私は倍加する虞れもあると思う。もう少し早く金をもらえることがきまつておれば、この在度まではやれておつたのに、それをやらなかつたために更に次の災害に出くわしたというようなことが、なければ幸いでございますが、万一あつた場合には政府として甚だ残念であつたということを言わなければならんと思うのであります。相成るべくは、一つ余り大蔵省の従来の例からということでなしに、この災害についてなお現地も百億ぐらいと言つておるのであります。ここで自治庁長官の言明で、五十億は起債でどうしても要るんだ、こういうことを言つておるのであります。相成るべくは私は余りやかましくおつしやらずに、五十億ぐらいな繋ぎ融資をお出しになる御熱意を大いに持つて頂きたいと思います。  もう一点は、中小商工業についての先ほど同僚委員からの質問に対して、これだけの措置は講じてある、これはかねがね了承いたしておりますが、大体の見積り及び営農資金その他の問題もありまするが、この災害について実際要る要らんは別でありますが、大蔵省御当局としては大体どれくらいな金を災占地に特別に何らかの措置を講じなければ間に合わんであろう、これは数字が出なければ、的確な数字はもとよりおつかみになれませんけれども、ともかくこれくらいな金は今回の災害に特別に考慮しなければならんということは大体頭におありだと思う。その点についてどういうふうに考えておられるか。今までどこに六億枠を殖やしたとか、どこに五億というようなことは、これは応急の措置であります。少くともこの災害を一応カバーするためにはどれくらいな金が要るとお考えになつていらつしやるか、それを一応お漏らし願いたいと思います。
  107. 三井武夫

    説明員(三井武夫君) 第一の点につきましては、現地の実情を私どももよく見ておりますので、十分に御趣旨は了承いたしております。  第二の点につきましてでありますが、先般西日本対策本部最後に集計いたしました今回の被害額の総計は、御承知のように二千余億であります。そのうち商工業関係被害額は三百余億ということになつております。この三百余億の被害額につきまして、これが復旧、復興のためにどの程度の資金を必要とするかということにつきまして、実は只今各金融機関を挙げまして、それぞれの取引関係を調査いたしております。その所要金額は今のところまだ判明いたしておりません。併し、先ほどから申しましたような需給の資金枠を与えまして、取りあえず融資の註文の出ておりますものには、それに応じ得る態勢を整えておりまするし、そちらに相当額の融資も実行いたしたように報告を受けております。この復旧資金所要額を至急に確定いたしまして、それにつきましての資金対策並びに利子補給、その他の問題を検討いたさなければならないと考えております。
  108. 松岡平市

    ○松岡平市君 私がお尋ねしているのは、数字について細かにどうということじやないのですが、今二千余億で、そのうちには国費でいろいろ賄うものもありますが、商工関係のみならず、営農資金等について何か特別な措置をしなければならん金額がまあ概算でありますが、あなたがたの内輪の、公式の話でなくてもいいのですが、今度の災害について百億なら百億、二百億なら二百億というものは特別措置をしなければならんだろうという大体のお考えがおありになるたろうと思います。あれは大体五十億特別措置すれば済むたろうとか、これは大きいからどうしても二百億や二百五十億は要るのだということは、これはまあ常識的に考えられるわけです。大蔵省として今度の災害について商工業者なり農民なりを救うためには、二千余億の被害と考えて、従来のいろいろな例もあります、いろいろ災害の場合の例もありますが、震災なり或いは火災なりといういろいろな災害の場合のときに鑑みて、どれくらいの特別な措置をしなければ、商工業者、農民は救われんとお考えになるか、それを聞いておるのです。
  109. 三井武夫

    説明員(三井武夫君) お尋ね営農資金につきましては、地元からの御要求総額百二十四億、そのうち五十億を取りあえず融資をいたしてもらいたいという御注文でございます。これに対しましては、利子補給損失補償等の問題はあとにいたしまして、差当り農林中央金庫にその御要求に応じ得るような資金の措置をいたしてございます。商工業関係につきましては、重ねての御質問でございまするが、只今までは当方におきまして資金の措置を講じました総額は四十億に相成つておりますが、これは只今までのところ取りあえずこれだけの資金額を与えたわけでございまして、今後融資の状況、要求の新らしく出て参りました状況等に応じまして必要な資金措置を追加いたします。
  110. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に質疑ございませんか。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  111. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。  本日の会議はこれを以て散会いたします。    午後四時五十六分散会