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1953-09-17 第16回国会 参議院 水害地緊急対策特別委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年九月十七日(木曜日)    午前十一時六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     矢嶋 三義君    理事            藤野 繁雄君            永岡 光治君            永井純一郎君            石川 清一君    委員            剱木 亨弘君            重政 庸徳君            高野 一夫君            谷口弥三郎君            徳川 頼貞君            堀  末治君            松岡 平市君            北 勝太郎君            新谷寅三郎君            高木 正夫君            林   了君            安部キミ子君            白井  勇君            松浦 清一君            山田 節男君            杉原 荒太君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君    農 林 大 臣 保利  茂君   説明員    自治庁財政部長 武岡 憲一君    大蔵省主計局次    長       原  純夫君    大蔵省主計民主    計官      柏木 雄介君    大蔵省理財局資    金課長     稲田 耕作君    文部省管理局長    福利課長    高橋 真照君    農林省官房長  渡部 伍良君    通商産業省重工    業局車両課長補    佐       山本  実君    中小企業庁振興    部長      石井由太郎君    労働省職業安定    局失業対策課長 村上 茂利君    労働省職業安定    局失業保険課長 三治 重信君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水害緊急対策に関する件 ○小委員会設置の件 ○小委員長の指名の件 ○小委員の選任の件   —————————————
  2. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から本日の委員会を開会いたします。  塚田自治庁長官が出席されておりますので、質疑のあるかたは発言を願います。
  3. 重政庸徳

    重政庸徳君 簡単に御質問を申上げますが、自治庁は被災害県が、つなぎ資金をどういうように流用し使用しておるかということをお調べなつたことがあるかどうか、お調べなつておれば一、二災害の大きい県を例に引いて一つ説明を願いたいと思います。つなぎ資金については、御承知のように、本委員会最初から非常に問題にいたしたのでありますが、事実被災害者が、十分ではないというが、或る程度忍ばれる程度つなぎ資金廻つておるかどうかという点を究めるのに、最も困難を来たしたのであります。今だにその帰趨はわからない。政府つなぎ資金工事進捗によつて不足せんように出す、まだ余裕があるから出すのだというように、常に説明いたしております。ところが町村側の声を聞くと、いつもつなぎ資金は足らん、来ない、足らんというように申しております。県も又さように申しております。その間の事情が極めて不明瞭で、どこにその障害があるかということが、大きな問題であろうと思うのであります。一つその点承わりたい。
  4. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) つなぎ資金は、これは出ます。資金源を扱つておりますところの関係から申しますと、今までの扱いからいたしまして、具体的にどこにどれだけ出すということ、それからどういう目的にそれが使われるかということについては、自治庁は実は関与いたしておらないのであります。従つてお尋ねのような調査自治庁の仕事としていたしたことはないわけであります。私はただ九州地方につきましては、先般私自身出て参りまして、現地廻つて若干見て参りました。これは具体的に現地のそれぞれの理事者とお話合いをし合つたりしまして私の参りましたときには、非常に金が要る、金がまだ十分来ておらないというのは、至るところで聞きましたので、各県においてそういう事情をよく確かめる、そうして現実にそういう事態が発生しており、而も金が現実政府から出ておらないので廻つておらないのか、出ておるけれども割振りができないので廻つていないのか、そういう事情調べまして、割振りがついていないで廻つておらないという事情がありましたところでは、県の当局者から、更に財務部出先の者に一緒に来てもらいまして、原因を確かめたりして、成るべく早く廻すようにいたしております。それからなお、総額が足らないという分につきましては、これは県でまとめて、対策本部のほうを通して大蔵省と折衝してもらう、こういう今までのやり方になつておりますので、その通り早急に運ぶようにということを言つて参つたわけであります。
  5. 重政庸徳

    重政庸徳君 私はそこに欠陥が生じておるのだろうと思う。これは自治庁がやるよりほかにやるところがないだろうど思うのです。つなぎ資金基礎となるべきものは、各省事業進捗がこうだから、この程度要るということを申出て、それがいわゆる政府が出資するつなぎ資金基礎となるのだろうと思う。ところが各県においては当初は、勿論これは県が悪いのでも何でもないだうと私は思う、或いは地方公務員給与に流用したり、或いはいろいろな方面に流用いたしたのでありまして、これは又当時として県とすれば背に腹は代えられない、或いはつなぎ資金性質にはちよつとおかしいが、政府も又みずから認めておつたのであります。ところがこれが私は癌になつておる。これをいつまでも今に至るまで、そのままで放つておくということは私はないと思う。自治庁は、今もしすでに災害を生じてから二カ月以上もたつた今日においても、なお而もつなぎ資金運営について、それが癌になつておる、私は少くともそれが癌になつておると思う。だから、そういうことになれば、早くそういう県には、私は別途の枠で、別途の筋から資金考慮をする必要がある、自治庁考慮する必要があると思うのであります。そうしてつなぎ資金は飽くまで事業に使用するように、一つの線を立つて右かなければならないと思うのであり言す。この点がこのたびの災害に対する私は自治庁の取扱いの欠陥じやないか。速かにそういう方法を立ててもらいたい。赤字が出て公務員給与を古払えないというのは、別途に私は資金の枠を与えねばならん。いつまでもつなぎ資金の中で、知事の権限において自由に任しておく場合においては、事業進捗上、非常な大きなそごに問題を生じて来る。どこでどうやつておるかわからんけれどもつなぎ資金政府は出しておる。而も町村においては来んと言う。それが大きな原因であると思うのであります。自治庁は速かにつなぎ資金はいわゆるつなぎ資金性質によつて、将来、つなぎ資金性質の本来に戻つて工事よりほかには使用してはならんということを一つ出して、そうして別途町村がほかの方面資金が要るというようなものは、別途にそこに資金の枠を私は樹立せねばならん、こう思う。速かに自治庁は県に対してつなぎ資金工事よりほかに使用してはならんという通牒を出して頂きたいと思うのでありますが、こういう意思があるかないか。
  6. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ考え方としては、毫も反対を申上げる筋はないと思うのでありますが、ただ現実の問題として当時工事以外のことにつなぎ資金が使われましたことも、確かにその通りでございまして、それが一時的の事情でありますならば、例えば当然税が入るという予定になつておるというのが、時期的に災害が起きて取れなくなつたという事情でありまするならば、問題は恐らくその後解消しておるのではないかと思いますし、従つて最初に出ましたときには、それが給与か何かに使われたと言いましても、その後それがほかの目的収入が入つて来て使われているということになつておると思うのであります。若し本当にそれが収入欠陥が生じて、どうしてもその穴が埋められないというのであれば、私どもといたしましては、最後は、この特例法によつて起債で以て今年は面倒を見るという、その総額の中に、実は入るべきものと考えておるわけであります。私どもがこの総額の中に入ると考えておりますものは、災害復旧に要する費用と、それからして収入減によるもの、そういうものをひつくるめて、地方財政需要が増加したというもの、それから収入が減少したというもの、従つてこれだけ今年は余計金が要るというものは、起債で面倒を見るということに考え方なつておるのでありますから、その起債で見るという考え方なつておるものが、起債が本ぎまりになるまでは、つなぎ資金で出ておるということ自体は、私は少しもそれが給与に使われたから、どうかということによる、違つて扱わなければならない理由はないのじやないかと、こういうように考えておるわけであります。
  7. 重政庸徳

    重政庸徳君 全く机上で御説明になる理論はその通りである。併しながらそうは行かないので、農民は早く復旧して来年の備えに備えなければならん。なお又その労務を提出して、それで生活して行かなければならんという状況に、災害状況はあるのであります。勿論、議会が早く開催されて、予算が早く流れれば問題はない。恐らくこの調子ならば少くとも早く行つても、十二月になつて来る。その期間、又そういうことが行われるということは非常に不都合を来す。金が入ればそのときに補う、これは結構だけれども、一カ月もそういうことをやつて、片ひらのつなぎ資金を食うておつたのでは方法がない。自治庁つなぎ資金運営に非常な欠陥があるのじやないか。だからそれを是正するために、そういうものを別途に、つなぎ資金を離れて考慮する必要がある。そうしたら、そういう憂いが生じて来ない。政府つなぎ資金が足らんようにして出しておることは明らかになつておる。十分出しておる、十分出しておる——が、これは工事進捗から出ておるつなぎ資金を、そういうふうに中間的に流用されておる。流用されておるものが悪いとは言わんけれども、いつまでもそういう方法で延ばすべき性質のものではないということを申し添えておきます。先般の調査で、或る県でそういうことを承知いたしたのであります。私はどこに欠陥があるか、どうもわからなかつた。ところが流用して、それを返すと申しましても、その間では相当期間がある。その期間罹災人は耐えられないというような状況にあるのであります。それで私はこういうことを申上げるのであります。よく調査して一つ……。当時は止むを得んけれども、それを今までそのままに放つて置くということは私はないと思う。どうか一つ調査せられて、県が悪いのでも何でもない。県は背に腹は代えられぬから、これはそういう方法を講ずる。これは県を監督及び助長しておる自治庁が、何かちよつと欠けるところがあつたのじやないか、こういうふうに私は思う。
  8. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 御趣旨はよくわかりましたので、御希望に副うようにできるだけ努力いたしたいと思います。なお、具体的な措置といたしましては、平衡交付金ども時期を若干繰上げ、災害府県には早く利子のかからない金を差上げるというような措置考慮しておるわけであります。
  9. 安部キミ子

    安部キミ子君 自治庁長官にお尋ねいたしますが、長官地方自治擁護のために日夜いろいろ御心配頂いておることと思います。ところがこのたびの災害につきまして、この立法地域指定について、基準を、公共事業復旧費が、標準税収入を超える府県についてのみ、県全域を処置するというふうに、今なつておるやに聞いておるのでございますが、若しそのようなことになりますと、例をとつて申しますと、山口県のように、毎年のようにきまつて災害が来ておるのが実情でございます。従いまして過年度災害がまだ未施行になつておる、総額は二百四十七億七千万円以上に上つておる次第でございます。このような厖大な金になりますと、山口県ではどうにもできない。それに今度の指定がはずれるということになりますと、今でさえ、明日の日にでも雨が降つたならば、災害が又起ろうという実情であるのに、このようなことでは、従来の三、五、二の比率で行つても、このような事情でありますし、又今度の立法趣旨にも何ら恩典がないわけなんです。そこで私は長官地方自治を擁護するという、この建前から、こうした苦しい県に対して、そうした枠以外に、あなたの立場で何とか善処する御意思はございませんでしようか。お尋ねしてみたいと思います。
  10. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ衆議院でそういうような委員会の御決定なつたということは、通知を受けて私も承知しておるのですが、まだ私、殊に自治庁関係ある今度の特例法についての指定を、どういう工合にするかということは、最終的に自分としては意思決定をいたしてはおらんのであります。地方自治を育成して行くという場合には、地方財源というものを、地方自治を財源的な意味から育成して行かなければ、自治の完成はできないということもよく承知をいたしておるのでありますが、ただこの特例法は、所詮これは特例法なんでありますから、特例法が特別の考慮ができるというのは、或る地域を限り、若しくは成るときの災害限つて、こういう措置をするのだというところで、初めて特例法としての性格もはつきり出て来、又特別の考慮もできるのでありまして、その特例法考え方を、災害があればどこまでも拡げて行くというように持つて行くということになると、財源的にも措置がつかなくなり、特例法が結局特例法でなくなるというような関係になりますので、やはりどこかで制限しなければならんのではないかということも、自分としては考えております。山口県の具体的な例でお示しになつたのでありまして、私もそこのところについては、まだ調査をいたしておりませんのでありますが、具体的によく調査をいたしまして、そういうような気持から、なお考慮する余地がありますならば、十分考慮をいたしまして、地方自治の育成を図りたいと、こう考えるのであります。
  11. 安部キミ子

    安部キミ子君 今の特例法の限界ということについては、私異存はないのです。ただその基準がこの程度なつておるにもかかわらず、ちよつと下廻つたために、それに入らなかつたということ、それからもう一つは、今までこれは特例法とか立法とかいうことを除外して、あなたの立場で、こういうふうな不測な災害を従来から受けている県の措置を、如何にして下さるかという心がまえなり、気持を聞いてみたいと思うのです。
  12. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは恐らく今度の西日本、それから山口あたりのように、台風被害が毎年出て来るというところには、むしろそういう災害を、或る年における特別なものとしてでなしに、毎年同じように出て来るならば、或る規模のものは当然経営費用として、臨時費でなく、経営費としても、当然これは考えておくべき性質のものじやないかと思います。そういう考え方からいたしまして、今度それぞれの地方自治団体基準財政需要というものを考えて行く、そういう面から考えて行つて、御指摘のような問題は若干解決ができるのじやないかというように考えられますので、そういうように処置をいたしたいと考えます。
  13. 安部キミ子

    安部キミ子君 そこで長官立場で、この山口県の問題を善処して頂くというお気持はないのでしようか。
  14. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは過年度災害が非常に溜つておるという事情が、どういう原因でそうなつておりますか、勿論山口だけでなしに、日本全体相当過年度災害が未復旧のまま累積をしておるということは承知をいたしておりますので、この山口事情が、当然考慮して差上げなければならないものでありますならば、今度の災害考慮いたします機会に、併せて考慮いたしたいと、こういうふうに考えております。
  15. 安部キミ子

    安部キミ子君 よろしくお願いいたします。
  16. 永井純一郎

    永井純一郎君 私もつなぎ融資についてですが、今までのつなぎ融資の配分ですね。七十九億六千万円ばかりが出ておるわけですが、これはまあ多い少いを言うわけではありませんが、これは何か、ごたごたしたので、一応はつきりした標準がなしに出たのだろうと思うのですが、例えば私は和歌山ですが、うちが一番被害復旧額というところが大きくて、それでいてつなぎ融資は少いのですよ。福岡、熊本等に比べて遥かに少いのです。これはおかしいと思うのですが、今後のつなぎ融資をする場合、これはいずれ是正か何かされるのですか。これはあなたのほうで配分したのですか。大蔵省かな……。
  17. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは先ほども申上げましたように、大体それぞれの府県でまとめまして、そして一方政府といたしましては、対策本部がこれに関与いたしておるわけでありますが、その対策本部の実質上の事務は、その面では大蔵省がやつておりますので、大蔵省出先の財務局若しくは財務部とそれから府県が両方が調べまして、意見を合せて、そういう工合なつておると思います。で、まあつなぎ融資は当面の必要をつなぐものでありますから、必ずしも災害の額とは比例的になるものではないと思つております。災害の額が少くても、緊急に金が必要であるという場合には、それと別に出ますから、つなぎ融資の額が少くても、災害の額が多いときには、当分金が御入用にならんけれども本当復旧のときには御入用になるというときには、本当予算のときには余計に出るということになります。併し、大体大きな災害のあるときには、緊急の必要も多いと考えられますから、必要のある金が出ておらないということであれば、これは調べ是正をしなければなりません。併し、そんなに、和歌山県から、強く必要があるが、出ておらないというようなことは聞いておらないのでありますが、何かそういうような具体的な御意見でも、現地事情であれになつておるならば、私が伺つて対策本部に伝えたいと思います。
  18. 永井純一郎

    永井純一郎君 それは出ておらないことはないので、まあ足りないのですが、どこの県でもそうだと思いますが、併しそれはあなたの言われるような、必ずしも復旧額に即応して按分をしたような恰好ではないのかも知れませんが、今後善処してもらいたいと思います。  それから次に、これは立法措置も、その点抜けておつたと思うのですが、起債特例に関する立法のことでありますが、実際は公営住宅等を作るについて、中山間部から山間部にかけては特にそうです。と同時に、平地でありましても、住宅地を造成して新たに宅地を求めて建てないと建てられないような状態の個所がたくさん出て来て、今困つておるわけなんです。そこで、そういう宅地造成費に対する補助の措置を講ずるようなことに、今の法律なつていないと思うのですが、それをやりたいということが一つですが、これはまあすぐできないかも知れませんが、法律の改正をしなければならんでしようが、そこで例の特例によるあの起債の枠の中に、この宅地造成の分を含めてもらいたいという申出が、各町村から私のほうは出て来ておるのですが、これは当然あの中のこれに類するというやつに入るのですか。災害関係することだけなんです。僕はまあその条文をそう解釈するのですがね。
  19. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは考え方としては、全然それは入れられないという性格のものではないように考えられますので、なお十分検討して善処いたしたいと思います。
  20. 永井純一郎

    永井純一郎君 その点、現実にそういう個所がたくさん出て来ております。これはよその県もたくさんあるようですが、自治庁で特にそこのところは、そう非常に限定的な規定でもなさそうですから、便宜的に御善処をお願いしたいと思います。  それからもう一つは、つなぎ資金に関してですが、まあつなぎ資金で、先ほど自治庁長官もおつしやいました通り、今後もまあ出るとしましても、このために金利を非常に払わなければならない。それでこの金利について特別のことをしてもらいたいわけですが、この金利を国庫で負担してもらうということは、これはまあ自治庁でどうしても考えてもらわなければ、私はいけないのだと思うのですが、それをまあ予算措置をしてもらつて、それから特別平衡交付金か何かに入れてもらつてつてもらうというようなことが、私はとしても必要だと思うのですが、この点長官のお考えはどうでしようか。
  21. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはこの特例法の第四条に、この規定従つてつた地方債当該年度分つなぎ資金利子ということを書いておるのでありますが、つなぎ資金は、大体これに代るべきものが時期的に間に合わないので遅れて出ておるという関係なつておりますので、同じような精神で以て、特別に予算を組んで措置をしたい、こういうふうに考えております。
  22. 永井純一郎

    永井純一郎君 これは前に財政部長から立法のときに答弁をもらつたのですが、ところがその後、衆議院のほうでは、ちよつと財政部長考え方が違つておるのじやないかというような連絡があつたのですが、それは今の起債特例に関する法律の適用なんですが、いわゆる小規模被害復旧ですね、十五万円、それから町村の十万円以下というやつ、そういうものを全部拾つてもらつて、そして一〇〇%それらを満たせるように起債の枠を作るのだというふうに回答をもらつてつたのですが、これはどうでしようか。それは変らないでしようね。そういうふうにして作つてもらえるかどうか。
  23. 武岡憲一

    説明員武岡憲一君) いわゆる単独災害に該当する部分でございますが、これにつきましては、前にお答え申上げましたように、従来からも現年分に関する限りは事実上一〇〇%もらつてつておるわけでございまして、今後におきましても、さような措置を取りたい、この点は別に考え方としては変つておりません。
  24. 永井純一郎

    永井純一郎君 もう一つ、それでは長官にお伺いいたしますが、実はこれは大蔵省と御相談になるのかも知れませんが、昨日から副総理にいろいろ総体的な質問をいたしまして、結論は国会が非常に遅れるつもりだ、そこで復旧というものは、併し放つておくわけには行かないのだから、今後つなぎ資金で以てその間は復旧に差支えがないようにして行くつもりだ、こういう答弁を一応しておられたのです。まあその考え方は止むを得ないとしても、大体今まで預金部資金、それから還附積立金等から廻されておると思うのですが、このつなぎ資金は、そこで今後その査定が済むというと、その査定額というものは相当大きいのです。今でも農林、建設だけでも相当大きい。それを見返りにしてつなぎ融資を出すという場合にです。これはやはりそれだけその枠が、預金部運用資金、還附積立金というものは、特にそんなにないと思うのですが、枠をちやんと新たに作つて、そうして復旧に差支えないように、どんどん出すことになつておるのですか。
  25. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは国会のおきめになりましたものの考え方と、現実にそれだけの資金が還付、若しくは郵便貯金でもつて蓄積されて貯まるかどうか、できるかどうかということには、かなり疑問があるわけです。一応今までの財政計画では、今まで考えられる大きさというものを考えて、それで財政計画を組んでありますから、それらの総枠というものは、それぞれの目的に皆割振つておるわけです。従つてこれによつて出て来る新らしい計画というものは、その上に何がしかが、又出て来るというものでないと、足りない部分というものが可なりあるわけです。又併し現実に私郵政大臣として、これはいろいろ貯蓄の伸びなぞも見ておるのでありますが、全然当初の、国が考えておりました財政計画以上に、資本蓄積が進んでいないというようなこともないように考えられますので、まあ相当にこの御趣旨に副うた起債の枠というものが、裕りが、財政資金の面に出て来るのじやないかというように、私としては見通しはしておるのでありますが、関係は今申上げるようになつておるのでありまして、そんなに簡単にできるものではないということだけは、御承知おき願いたいと思います。
  26. 永井純一郎

    永井純一郎君 その点は、これはもう地方はあなたに頼つておるわけです。この点は大蔵省反対というわけではないでしようが、よく相談をしてもらわなければいけない。それは御承知通り財政資金計画というものはさまつている、当初から。ですから今度の国会政府が非常に遅らして、私どもはこの点は非常に不満なんだが、非常に遅らしておいて、補正予算がなかなか組めない。その間をつなぎ融資ということになると、これは私は相当つなぎ資金が、今までくらいのことではなしに、相当要ると思う。そうすると、自治庁は今から手を打つてもらつて大蔵省とよく相談をしておいてもらつて、その復旧に差支えないだけのつなぎ資金が、実際預金部資金や還附積立金で確保できるようにしてもらわないと、その立法予算の上から、この財政資金計画の上から、不可能になつて来てしまつて、ほつたらかしになつてしまうという心配が非常にあると思う。これは大蔵省が来たら更に聞きたいと思つておるのですが、各地方庁としては、特にあなたにこれを頼んで推進してもらいたいということになると思いますので、この点、一つ是非今からお願いしておきたいと思う。今からお願いしておかないと、どうしてもあと廻しにされる心配がある。今の政府のやり方ではそういうふうに考えられる。  それから財政部長にもう一つ、これは小さな問題ですが、なお、各県ではこの起債特例の枠の中に、今後災害に備えて必要なる揚水ポンプの購入費だとか、その他の災害関係の機械ですね。それから無電設備、この補助金を出さない場合には、無電設備等がどうしても山間部には必要である。それから食糧の備蓄倉庫等は、これも補助金でやつてもらいたいと思いますが、これができない場合には、やはり起債の枠の中で、そういう計画をやつて頂きたいということを言つておりますが、こういうものはやはり対象になりますか。
  27. 武岡憲一

    説明員武岡憲一君) これはむしろ立法の御趣旨が、この第一条第二項の中に、そういうものまでここにございまするので、その他これに類する命令で定める災害に対する対策の防除に要する経費というものの中に入るという御趣旨なのか、或いはそこまで含めないという御趣旨なのか、そこは解釈の問題になると存ずるのでございます。それは要するに実際問題といたしまして、そういつた災害防除のための施設というものになつて参りますと、その範囲が非常に広くなつて来る虞れもございますし、どの程度までのことをこの特例の対象にするかというのは、法律解釈の問題として、なお又私どもも十分研究したい、かように考えます。
  28. 永岡光治

    ○永岡光治君 先ほども質問の中に出ておりますが、このつなぎ融資利子の負担の問題ですが、これは非常に地方財政が、災害地は非常に負担が嵩んでおりますから、過重になつていることは事実でありますが、それが故に国庫負担ができないというような思想まで、一部出ておるくらいでありますが、それでこの今のお話によれば、更にこの予算現実地方に廻るまでの間のつなぎ融資考慮したというような話であります。勿論それはやつてもらわなきやなりませんが、ここで聞いてみたいと思いますのは又特にこれをお願いしなくちやならん問題でありますが、すでに査定も殆んど済んでおるということであれば、相当な見通しもできているだろうと思います。それで地方のほうからは利子の負担に堪えかねておるという情勢でありますので、前払制度を一つ考えて欲しい、前払制度、つまり利子のつかない制度を一つ考えて欲しい、これは当然のことだと思うのであります。一体その点についてどう考えておるか。それから予備費としてまだ六十五億くらい残つておると、私たちは思つておるのでありますが、それをその意味で前払をすぐ出す用意がないかというような点を一つお尋ねしたい。これは当然大蔵省関係もありますが、やはり自治庁長官としての、地方の財政を擁護する立場からも考慮してもらわなきやならんと思うのでありますが、この点についてお尋ねしたいと思います。
  29. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは御指摘のように、私のほうの所管の問題ではないのでありまして、自治庁といたしましては、繰上げて差上げることのできる金は、結局平衡交付金だけしか持つてない。あとは個々に災害復旧に対しての国の負担分というものは、それぞれの所管省において出さなきやならない。それをいたしますのには、やはり今日の会計簿記の建前上、正確に査定が済んで、完全な書類上の整備がつかないと、或いはできないようになつているのじやないかと思うのでありますが、御質問趣旨はよくわかりますので、私としましても、成るべく早くそういうふうになるように、関係省と折衝いたしたいと思います。
  30. 松岡平市

    ○松岡平市君 ちよつと小さなことですが、今年も特別交付金の中から、これからのち災害がない、もう別段特別平衡交付金を出さなければならん災害がむしろ起らんとして、今度のこの災害にどれくらいお廻し願えるか、大体の数字になりますけれども……。
  31. 武岡憲一

    説明員武岡憲一君) 本年度の特別平衡交付金の配分の問題に関しましては、只今のところ、まだ全然私どもといたしまして具体的な構想を持つておりません。今年度の平衡交付金につきましては、普通平衡交付金決定がこの八月の末を以て行われた段階でございまして、今後生じて参りますいろいろな特殊事情等も参酌いたしまして、法律規定によりますれば、来年の二月までにこれをきめるということになつておるのでございます。来年は大体一月から二月まで頃の間に、特別交付金、の配分の要網等を定めまして決定いたしておりますが、先ほど申上げましたように、本年度の分につきましては、まだ只今のところ申上げるような要綱がないわけでございます。ただ従来の例から申上げますと、大体現年災の関係として特別交付金の中から配分いたしましたものは、年によつて違いますが、まあ一割乃至二割程度であつたように私記憶いたしております。本年の分につきましては、まあ何分にも災害状況が例年とは非常に変つておりますのでそれに又いろいろ特例法関係等もございますために、それがどのような割合になりますか、ちよつとまだ申上げるような具体的な資料を持ちませんので、御了承頂きたいと思います。
  32. 松岡平市

    ○松岡平市君 起債の問題ですが、これは先ず特例法の施行地域もまだ決定されておらないし、従つて地方公共団体の負担分というものは、全然未決定ということになると思うのでございますが、さて一昨日、臨時国会の召集も来月の末より早くはだめだ、こういうことになりますし、そうしてそこで予算の裏付けが決定されたのちに、その補助金の額、それらがまあずつと府県町村もそれによつて町村のほうは比較的影響が薄いでしようが、やはりその影響で起債の額が変つて来る、こういうことで概数の見込みが立つても、実際においては、起債をどう手をつけるかというふうなことは、今のところ罹災地方公共団体では全然手がつかんというのが実情のようでありますが、そうするというと、きまつて起債を、さて何からやつて行くかという事態は、十二月に入らなければ事務の操作が地方の公共団体では始められない。これをまあ府県を通じ自治庁を通じて、最後に大蔵省自治庁に御決定を願うという時期はかなり先になる、こう思うのであります。そういうようなことから、現実にはまあ今つなぎ融資で極く応急の措置だけはしているが、実際の工事は補助金或いは起債というようなものについて、全然これは、いずれもきまらなければ町村当局としては手がりけられない、こういうような悩みを非常にほうぼうで聞くわけでありまして、これらについてまあ法律的に実際考えてみて、それならばそれをどうするか、つなぎ融資以外に方法はないようにも思うのでございますが、自治庁のほうでは、そういう事態についてどういうふうにお考えになつていらつしやるか、これはもう大変憂慮すべき事柄になつて行くと思うのでありますが、大体の目安と申しますか、ちよつとお話しを願いたいと思います。
  33. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは私も先般九州を廻つて見て痛切にその感じを深くいたしたのでありまして、大分査定が進んではおるようでありますけれども、まだ未決定のところもありますし、全体としては勿論まだまとまつておらないという段階にもなつておる。まあこういう事態でありますときには、当面の措置としては御指摘のようにつなぎ融資以外にはどうにも処置がつかないようにも思われますのでありまして、ただ現地でも、大体査定ができましたらば、そう本ぎまりになるのをお待ちにならずに、どんどんとお仕事を進めて頂いても、私はいいのじやないか、大体査定の線できまるにきまつておるのでありますから、一つ積極的に仕事をやつて頂いて、そうすれば、本当に本起債になりましても、つなぎ融資になりましても、金利も同じことでありますし、そうしてもう一旦そういう工合にお進めになるのに、金が必要で、つなぎ融資で金をおとりになりさ、えすれば、それを又返してよこせということは絶対に起るまいと思うのでありますから、金が総額として足りないというときには、早く仕事をおやりになるほうが勝じやないかと思われるわけなんでありまして、そのように一つ善処願いたいと思います。
  34. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 委員のかたが質疑がないようですから、私から一、二お伺いしたいと思いますが、このたびの大災害で各県とも極めて小さな村で、標準税収入の三十倍から五十倍程度復旧費用を要するような大災害を受けた村が、熊本、和歌山或いは滋賀とか、他県にも点々とあるのですが、そういう自治体に対しては、自治庁長官としてはどういうお考えでいらつしやるか。この程度災害というものはそう年々歳々起るものじやないと思うのですが、御所見を承つて置きたいと思います。
  35. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはもう現実というものを無視した考え方からすれば、あまりに災害が大きくて、復旧するのにうんと金がかかつて、それで金をかけて、それによつて、例えば耕地を復旧しても、そこから得られる利益というものが、かけた金に遥かに及ばない、非常に高いものにつくということであれば、これはどつかほかに、もつと能率の上るところへ金でもかけて、そちらへでも越して行つて頂いたらというようなことも、理窟としては考えられないことがないのでありまして、私も現実に見て廻つたところじや、そういう感じのしたところも一、二カ所ないことはないのであります。併し現実の政治として、長年そこに住つていられたかたということを考える場合には、やはりそうは行かない。そういうことになりますと、結局私はそういう工合に、非常に普段の財政状態の比例をはずして災害が大きいからして、今度はその特別扱いをしなきやならないのだということで、特別法も国会でお作りになつたのでありますからして、その精神を十分汲みまして、どんなに金が要つても、とにかく査定をすべきものは査定をし、そうしてそれを何年計画に実行するかは、おのずから又別途の判断できまりますのでありましようから、その実行年度に必要な財源措置ということは、国会立法趣旨に副うて、是非その実現に努力したい、こういうように考えます。
  36. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ということは何ですか、起債に関する特例法律の運用とか、或いは特別平衡交付金の配分の際等において特に考慮する。まあ例えば具体的に筑後川の大決潰において、全村的に大損害を受けたあの大福村というのは、その災害底後小学校舎を全焼しておるというような例があるのです。こういうような場合の耕地の復旧もそうだし、校舎の建築というようなものも重なつて来るわけですが、そういう場合にも、さつき私が申上げたような立場において、具体的に努力される、善処される、こういう意味でございますかどうか。
  37. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) たまたま御指摘の大福村の問題について、あちらに参つておりましたのご、私が現地を視察いたしました翌日かに、学校が燃えたというようなことで、帰りぎわにもう一度福岡に寄りましたところが、すでにその情報を耳にいたしました。村の当事者から陳情を受けたりいたしました。これは何とか特別に考慮して上げなければならないのじやないかと考えております。全体の問題としましては、御指摘のように、特別平衡交付金考慮すべきものは特別平衡交付金で、併し、災害が大きいものですから、先ほど財政部長が申上げましたように、恐らく今年の百億の平衡交付金で、一割といたしますれば十億、二割といたしますれば二十億、その程度では、とても足りません。やはり全体のものは、その特例法趣旨に従つて起債で面倒を見て、あと元利は末長く、先長く、年次で割つて面倒を見る、こういう形でなければなるまいと思いますが、その線に沿つて最善の努力をしたい、こういう考えであります。
  38. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) もう一つ伺います。それは六月災害の直後、特別平衡交付金配分の際に、災害地に若干考慮して配分されたのは御承知通りですね。ところが、八月災害に当つては、ここに出されておる資料を見ますというと、平衡交付金の配分に当つて、何ら手加減されていないように資料を私は拝見したのですが、これは平等という立場から、どうかと思いますが、これは一つあとで伺います、武岡財政部長に。  それから大臣にお伺いしたい点は、大臣は、このつなぎ融資の問題について私は閣内で発言権をもう少し強大にすべきじやないかという点について伺うのですが、それは先ほど来、各委員から質疑がありましたように、復旧つなぎ融資が足りない、災害がなくても地方財政は赤字だ、こういう状況なんですね。従つて災害が起つた場合に、つなぎ融資を幾ら出すか、どういう時期に出すかということは、これは地方自治体に対しては極めて重大であり、地方自治体の育成、擁護、指導の立場にある自治庁長官としての責任も重大だと思うのですが、ところが、実際問題としては、大蔵省災害関係にある主計官が相当発言権を持ち、或いは大蔵省、農林省当局の発言を入れて、災害対策中央本部へ何して、大蔵省の理財局が配分して行く、こういうような実際上の取運び方、その中における自治庁当局、自治庁長官としての発言力というものが、私は非常に弱いと思う。これは私は誠に遺憾なことだと考えておるのですが、自治庁長官として、今のこういう処理の仕方ですね、こういうものはどういう見解と対策を持つておられるか、この際承つておきたいと思います。
  39. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは、今度のような特別扱いはしなかつた場合の状態でありますと、地方財政立場というものを代表して、発言を閣議でいたしますのは当然私なんでありまして、そうすべきである。又今度も若干発言はいたしておるのでありますが、今度の場合には、御承知のように、この問題は非常に異例でございますために、別に対策本部というものを現地にも中央にもおかれておつたのでありますからして、従つて発言の重点がそちらに移つてしまつて自治庁長官としてだけでなしに、建設省としましても、農林省といたしましても、やはり最後のつなぎ融資の発言は全部まとめて本部、具体的には又本部長というところへ移つておりますので、今度の場合には、私の発言が比較的表面に出なかつたという関係はあると思います。併し、内面には地方の団体の事情を一番よく承知をしておりますのは私でありますから、自治庁でありますから、地方団体の情勢もよく本部長には伝えておるのであります。さような関係で、今度の場合には十分発言はできておらんと思いますけれども、このことは、建設大臣としても農林大臣としても、やはり同じような関係じやないかと思います。
  40. 武岡憲一

    説明員武岡憲一君) 平衡交付金の概算交付に当つて、水害を受けた団体の措置に関してのお尋ねにつきましてお答えを申上げます。平衡交付金の概算交付の特別扱いにつきましては、只今委員長から八月以降については何ら措置をしておらんではないかというようなお尋ねでございますが、さようではございませんで、その後も特別な扱いをいたしておりますので、その点御説明申上げたいと思います。  最初の七月の概算交付につきましては、御承知通り、西日本関係の数県に対しまして総額五億円を特に増額概算交付いたしたのでございます。それから八月の概算交付でございますが、これは法律上は九月に概算交付すべきことになつておりますものを、特に八月に一部を繰上げ支給をいたしまして、その際には、奈良県及び和歌山県につきまして、総額で二億三千九百万円を増額交付いたしております。  なお、九月の概算交付に当りましては、総額におきまして、十億円を、これは京都、三重県を含む、それまでに水害を受けました全国の各府県につきまして、一定の基準を設けたのでございますが、総額で十億円を増額配分をいたしたのでございます。今日までの状況はさようなことになつておりますので御了承を願います。
  41. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 自治庁関係について他に質疑ございませんか。ではこれを以て自治庁関係の質疑を終ります。  ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  42. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。  労働省の説明員が出席されておりますので、質疑のあるかたは質疑を願います。委員のかたから質疑のある前に、委員長から一つ伺いますが、今度の災害を理由に失業した、離職した人はどのくらいいるのか、その資料がこの中に入つていないようですが、どのくらいあるか。それに対して、どういう対策を講じたかという点が一つと、それからもう一つ伺いたい点は、災害直後、九州各県に失業対策事業補助として、八月から九月分の人員を臨時に増加しましたのが、これは九月で打切るのかどうかという点と、それから臨時に増加したのに対して、補助額は合計千五百万円ですが、これを次官通牒で即刻返せというような通牒を出しておるというようなことを私は聞いたのですが、それはどういうわけなのか、その二点について伺います。
  43. 三治重信

    説明員(三治重信君) 今度の災害関係では、特例法では休業しておる者に対してだけ特例法の恩典を受けるわけなんですが、その施行前に現実に離職票を持つて安定所に現われておるのは、七月の報告は二千四百名ぐらいで、非常に僅かでした。八月のやつはまだ来ませんですが、大体私のほうに保険金の支給を要求しておる状況を見て、大体一万五千求職志望、大体一万五千人ぐらいというふうな感じであります。七月の様子は、これも水害を原因として離職したというようなことについては、我々のほうで実際上わかりませんので、大体のところでございます。それから特例法関係で、現在処置を進めておるわけでございますが、我々のほうでは一応大蔵省に対しては、九州——西日本それから和歌山地区を合せまして約五万人程度ということで、各県の報告をとつて要求しておりますが、これはまあ我々のほうとしては、予算措置を別にとらなくても、現実において繰上予算現実の中の予算で現在もまあ支給を始めておりますので、数字としてはまだはつきり出ておりません。で、現実には我々のほうといたしましては、一般の離職票を持つて来られたかた、それから特例法による離職のかたに対しても、現実に支給はずつと続けておりますので、このために支給が停止するとか、又保険金が足らないために、安定所で事故を起したというようなことは現在ございませんし、事実我々のほうも、そういうふうなことのないように現地と連絡をとつてつておりますので、その点失業保険に関する限りにおいては、間違いなくできることと思つております。
  44. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 第二点について……。
  45. 村上茂利

    説明員(村上茂利君) 御質問は、水害のための特別な増加した枠を九月以降打切つたという点と、もう一つ返還命令を出したという御質問だと思いますが、実はお手許に差上げました報告書にあります通り災害発生直後に二千四百五十五名特別の枠を増加いたしたのでございますが、最近に至りまして本委員でもいろいろ御審議頂いております災害復旧関係事業がだんだんと確立されておりますところもございまして、そのほうが賃金その他の関係からして適当であるというので、失業対策事業として枠を殖やしたものが、それに振替えるという点が若干ございまして、枠は当初よりやや減少いたしております。  で、御質問の返還命令を出したところがあるのじやないかというお話でございますが、事実一件ございました。これは、失対事業運営につきましては、県と事業主体、つまり市町村が緊密な連絡をとつてつておりますのでございまして災害復旧で全額国庫補助でやつたほうが有利である。失対の特例法による補助率を適用しても、なお且つ事業主体の負担というのが有利であるというような見地から、市と県との話合いで返還を申出たという事実がございました。実はそういうことであるならば、経理上の問題もあるので、至急手続をとると、かようなことで返還命令を出したのでございます。その後、いろいろな事情も聞いおりまして、私ども災害地の実情からいたしまして、そういうむごいような処置はいたしたくないというので、最近その詳細な事実の調査もいたしまして、実情に合うように善処をいたしたい、かように考えております。
  46. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) その点については、まだ国会も開かれずに、予算化というのも遅れているわけですから、その返還命令を出した以上、執行は暫く実情調査して猶予するような方法をとつて頂きたい、こういうふうに希望しておきます。よろしうございますな。  それからもう一つ、これは大臣に聞きたいのですが、大臣お見えになつていないから、まああなたがたの所見を聞いておきますが、現地行つてみますと、例えば同じ場所で国鉄の使つて出している労賃、それから同じところで建設省が国道或いは河川ですね、こういうものに出しているところの労賃、それから日雇労務者が同じ地域で仕事をやつている、これらの賃金が皆違うのですね。違う程度ならいいが、倍以上違うのですね。これはそれぞれの機関で、現場で監督指導する人などは非常に困ると思うのですが、こういう問題で、あなたがた労働省の立場から、何か閣内で問題になつたことはないのですか。どうですか。まあそれでいいというようなお考えでいらつしやるかどうか、この際、私は念のために聞いておきたいと思います。
  47. 村上茂利

    説明員(村上茂利君) 私ども失業対策事業に関する限りにおきましては、そういう話も間々聞いております。それからまあ一般的に各種の事業で賃金が違うということも承わつたこともございますが、ただ法的に規制するということになりますと、現在の法制上幾多難点があると存じます。ただ私ども失業対策事業の面で、具体的に日雇労務者も使いますし、賃金を払う。これはほかとの関係もございまして、低いままに据置くということも如何かと思われますので、災害地において物価が書しく高くなる。或いは臨時的に民間の日雇賃金が非常に増嵩したというような点につきましては、臨時的に増額するという処置を講じておりましてその間の調整を図つております。
  48. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 私はもうこれ以上申上げませんが、私があなたがたに要望する点は、労働行政という立場から、地域差とか仕事の量とか質とか、そういう点について差がつくということを認めないと言うわけじやないのですけれども、僕はただ或る省は金があるから、或る省は金が少いからということで、そういうものが、同じ地域で、仕事の質も量も余り違わないのに、差がつくというのは、労働行政という立場からどうか。検討の余地があるのじやないかと痛切に感じたので、念のためにこういうことがあるということを耳に入れたのです。検討して頂きます。  労働省関係でございませんか。
  49. 永岡光治

    ○永岡光治君 これは建設省の場合にも問題だつたのですが、今の問題とも多少関連して参りますが、地方現地廻つて見まして、非常に強く受けるのですが、やはり農地を失い、或いは家を流され、生計の途を断たれた罹災民は、土手の工事だとか或いは農地の復旧についての土工としての労務者を非常に希望しておる。それによつて生計を維持したいという考えがあるのですが、ところが実際の工事は、或る会社に請負わしておつて、そういうような人を必ずしも雇つていないという状況が非常に多いようであります。これは当然建設或いは農林の関係にはなると思うのですが、やはり労働省としてそれらの失業者に対する一つの生計を見出してやるために、労働省として当然私はこのことを閣内において強力に主張し、その方向に持つて行くべきだと思うのですが、そのような対策を講じておるのかどうか、この点についてお尋ねたいと思うのです。
  50. 村上茂利

    説明員(村上茂利君) お答えいたします。問題が大分大きな問題でございますので、私事務的にしかお答えできないかと存じますが、一応労働省といたしまして、前に公共事業と失業対策事業の調和的運用によりまして、偶広くその失業者の吸収を図りたいということを、前に新聞などでも申しておつたことがあるのですが、つまり今御質問のような農林或いは建設関係公共事業におきまして、御指摘のような方法を使うということもときにあるのでございます。その面と失業対策事業で失業者を使う両方の面を噛み合せて、できるだけ救済に当りたい、これは私どもの一貫した方針でございまして、各府県に対しまして、両面から調和的に吸収いたしたい、かように指示をいたしております。
  51. 永岡光治

    ○永岡光治君 それでは具体的な指導ですね、どういうふうになされておるのか、その方針はきまつたということはわかつたのでありますが、一体具体的にどういうようにそのことを指導されておるのか、そういうことをお尋ねしたい。
  52. 村上茂利

    説明員(村上茂利君) 御承知のように、労働省におきましては、さような失業者に対しましては、これは職業安定所で、その求職希望を把握いたしておりまして、職業安定機関を通じて指導いたしております。
  53. 永岡光治

    ○永岡光治君 それでは、その衝の職業安定所において、そのような方法を講じておるというところの御答弁でありますが、現実にはどこもそうでないように私たちは聞くわけであります。ですからこの問題について、一つ実情調査してもらいたい。と同時に、そのような指導を早急にとつてもらいたいと思います。このことを要望しておきます。
  54. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 労働省関係はこれを以て質疑を終ります。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  55. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。  大蔵省、通産省、文部省の説明員が出席されておりますので、質疑願います。
  56. 永岡光治

    ○永岡光治君 文部省関係ちよつとお尋ねしたいのですが、これは今度の特別立法の中で、公務員災害見舞金の増額について特別立法したわけでありますが、その対象になる人員の大部分のもの、相当大きな分野を占めておるものは私は教員だと考えておるものでありますが、実は、勿論その最高は二カ月で抑えております。そうしてその被害の程度に応じて、その範囲内でそれぞれの率に応じて増額することになつておりますが、それは勿論運営規則に委ねておりますが、聞くところによると、すでにそういう案がきまつたやに承わつておるのでありますが、この前、大蔵省の主計官だと記憶しておりますが、一体立案者の意向はどうなんだと聞かれて、私はこういうふうだということを申上げました。それは現在災害の度合に応じてそれぞれ率はきまつております最高三カ月、三、二、一、〇・五というふうにきまつております。その被害の程度に応じてそれぞれに一・五、一、〇・五、こういうふうに附加える意思だということを話したわけでありますが、現在どういうように進捗しておるか、そのことを先ずお尋ねしたいと思います。
  57. 高橋真照

    説明員(高橋真照君) 只今災害見舞金の増加給付につきましては、国家公務員共済組合法に基いて成立しております共済組合三十組合ございますが、大蔵省の主計局の給与謀を中心にいたしまして各組合寄合いまして相談をいたしましたところによりますると、それぞれ〇・三、〇・六、一一二というふうに、それぞれの〇・五、一、二、三、といつた法定給付に増加をするということに申合せが徹底いたしましてそれぞれの組合の運営審議会におきまして、これを了承するという段階に入つております。文部省共済組合におきましては、一昨々日の運営審議会におきまして、この点を了解いたしまして、国家公務員共済組合法第五十四条の災害見舞金特例に関しまして、特例的な措置運営組合の中に設けるようにいたしました。公立学校共済組合におきましては、この点につきまして、組合員側の代表は諒とするに至りませんで、前後三回に亙りまして協議を続けております。組合員側の意向は、更にこれに若干の増加給付をするように、この点に関して大蔵省当局と折衝せよということで、給与課の当局に折衝しておりますが、すでにこの点は三十組合の間に協定がついたことであるし、特別災害委員会の、多分どちらかと思いますが、ここへも了解を得たことでもあるので、諒としてもらいたいという御意向がございました。併し三十組合と申しましても、それぞれ組合の財政事情が違いますので、十分に支給のできる余裕のある組合において再度相談をして増加給付についての尽力をしてもらいたいという御依頼がございますので、この点について、できるだけの措置をいたしたいというふうに考えてはおりまするが、立案執行の当局におきましては、先ほど申しました〇・三から二の増加給付で我慢をしてもらいたいという再度の要望がございました。経過を申上げます。
  58. 永岡光治

    ○永岡光治君 実は只今の説明によりますと、大蔵当局はそれぞれの共済組合の了解を得たという説明でありますが、これは大蔵当局自身に聞いてみなければわからんと思うのでありますが、私たちに来ているいろいろな陳情によりますと、必らずしもそうでもないような情報であります。従つそその組合というのは誰に了解を得たのか、どういう形式で又了解を得たのか、そのことが問題になると思うのでありますが、関係されている文部省の場合をお尋ねしたいと思うのでありますが、どういう形式の了解を得たのか、どういう手続による了解を得たのか、そのことをちよつとお尋ねしたいと思います。
  59. 高橋真照

    説明員(高橋真照君) 先ほど申しましたように、それぞれの組合の事務担当者を三十組合集めまして、そこでいろいろと相談をいたしました。これは事務当局間の打合せでございます。その打合せに基きまして、国家公務員共済組合法に基いて設立されております運営審議会にかけて、その運営審議会の決定に基いて、初めて有効になるわけでありますが、私の所管しております文部省共済組合におきましては運営審議会でこれを諒といたしました。公立学校の共済組合におきましてはまだ諒とするに至りませんので、なお、増加給付を可能ならしめるための最後的な努力はいたしたい、こう思つております。三十組合の打合会の際におきましては、経済的に余裕のある組合においては、その組合の独自な措置がとれないかというような意見もありましたので、その組合の関係者と再度大蔵省関係当局と折衝いたしたい、こう考えております。併し大蔵省との折衝の過程におきましては、この組合は国の経費を何らかの形で不平等に出すことは望ましくない、そこでそれぞれの財政事情を勘案してやつたものである、更にこの給付におきましても、相当数の組合は赤字に悩んでおりますので、この経費の支払が困難になるのではないか、これにつきましては大蔵省で何らかの措置をしなければならないんじやないかといつたようなことも、併せてこの委員会で御了解を得たということを私は広間をいたしておるのでございます。この点如何なものでございましようか。
  60. 永岡光治

    ○永岡光治君 私に関する限り、その了解を与えた記憶はないと思うのでありますが、更に質問をいたしたいと思うのでありますが、そうすると、了解を得たというのは、事務担当者の了解を得たという趣旨に聞たのであつて、それぞれそれが権威を持つたところの運営審議会において、その了解を得た上で話を進めたということではない、こういうふうに解釈してよろしうございますか。
  61. 高橋真照

    説明員(高橋真照君) これは原案を作るほうの事務当局が、原案を作る場合の統一的措置ということで了解点に達してそれぞれの組合がこの原案を以て可決を得て、初めて成立いたしますので、手続上から申しますると、運営審議会の関係者が全部集まつてそこで了解を得ることは困難でありますので、各組合の独自の方法によりまして、適切な時期に運営審議会を開いて、そこで了解を得て初めて本ぎまりになるというふうな段取になるものと思います。
  62. 永岡光治

    ○永岡光治君 それでもう一つお尋ねしたいのですが、この増額の分だけの総額ですね、文部省、これは公立学校、国立学校を含めますが、この計数を今ちよつと調べたのでありますが、余りよくはつきりわかりませんが、およそどの程度になりましようか。
  63. 高橋真照

    説明員(高橋真照君) 公立学校におきましては概算約七千万円でございます。大蔵省原案によりますところの増加給付分だけでございます。約七千万円でございます。それから文部省の組合におきましては約七百二十万円程度でございます。
  64. 永岡光治

    ○永岡光治君 これは重大なことを発見したと思いますが、この前へこの法律立法するときに、私は大した金にならんであろうということを申上げたのでありますが、大蔵省は十億かかる、こういう厖大な数字で発表したことは皆さんも御記憶だろうと思います。ところが一番多い多いと言われている文部省関係で七千万円と七百二十万円、このうちで半額しか負担しないはずです。これは共済組合で半額負担になるのでありますが、そうすると約四千万円しか負担しないはずでありますが、これは重大な問題として、大蔵当局がおれば総額どの程度になりますか、この点をお尋ねしたいと思います。
  65. 原純夫

    説明員(原純夫君) 取調べてお答えをいたします。申訳ありませんが、私この月初めに次長を拝命いたしまして、今主計官を帯同すべきでありましたが、ほかの用事で来れないので、私だけで参りましたので……。
  66. 永岡光治

    ○永岡光治君 それでは資料の提出を要求いたします。
  67. 原純夫

    説明員(原純夫君) 承知いたしました。
  68. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 原主計局次長にお尋ねしたいのでありますが、二つの点をお尋ねしたい。いずれも財源の問題であります。一昨日もこの委員会で、水害対策の財源の問題について質問があつたのに対して、緒方副総理はその際に、前年度からの繰越が二百億あるということを言われた。必ずしもそれはすぐこれに向けるという意味ではないかも知れませんけれども、とにかくそういう金があるということを言われた。そこで私がお尋ねしたいのは、その繰越の二百億という金は、その使用目的等がどういう内容のものであるか、いろいろのものが集まつての二百億だろうけれども、そうしてその中で災害復旧という目的のためのものが幾らくらいあるか、併し災害復旧目的のものであつても、前年度の繰越のものだから、今度の災害復旧対策に充当し得るものかどうか、これが非常に疑問だろうと思います。その辺のところがどうなつておるかということ、これが第一点。  それから第二は、二十八年度の予算総則できめておるところの、本年度において災害復旧その他緊急の必要のある場合には、国が債務を負担することができるという金額はたしか三十億になつておつたと思います。その三十億のお金というものは、今までにその中から今度の災害対策に対して、そういう債務負担行為をやつておるものかどうか、或いは将来やるお考えがあるかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
  69. 原純夫

    説明員(原純夫君) 第一の点でありますが、各費目におきまして年度繰越があるというものが、災害乃至公共事業費一般につきましてもあることとは考えております。私数字を持つておりませんので、只今言われました数字がはつきりそれかどうか、今お答え申上げかねますが、大体の感じで申しますど、まあ我々の立場で見ますと、相当つておるので、繰越が相当あるんじやないかというようなことがよく考えられるのでありますが、実際には年末になりまして大部分出てしまうというのが多いようでございます。ただもつと突つ込んで言いますと、府県段階で資金を持つてお越しになるというようなことが多いというふうに聞いております。それはそういう事情でありますが、繰越が本年度の災害の財源になるかどうかという段になりますと、それはやはり繰越分を不要にして立てなければいけないことになりますので、ちよつとむずかしいかと思います。むしろこういうことを加えて申しますのは甚だ御心配を加えるだけになりますが、過年度、昨年までの災害復旧費で、なお、予算化されないで残つておりますものが非常に多いのでございます。私の記憶いたしますところで千七百億くらいあると思つております。そういうようなわけで、過去の年度の分ではむしろ本年度は負担を負つておるというような状態でございます。予算外の件は、私不勉強でそこまでまだ勉強いたしておりませんので、調べまして後ほどお答え申したいと思います。が、別段予算外でこの財源の一部を賄うという話はまだ出ておりませんので、余りこう進んでは考えておらないように思つております。
  70. 永井純一郎

    永井純一郎君 今のに関連してですが、不用額になつたりして使えないのかも知れませんが、その資料として、副総理が言つたのは自然増収が百五十億かある、それから繰越が二百億円財源があると言いましたが、それを数字的にどういうところで自然増収を見て百五十億くらいあるのか、それから繰越のいろいろな金、これを明許のあるものと、それから繰越したら使えなくなるものもあるかも知れませんが、そういうのを明らかにして、その数字を欲しいのです。
  71. 原純夫

    説明員(原純夫君) 承知いたしました。
  72. 永井純一郎

    永井純一郎君 それからもう一つ大蔵省に尋ねたいのは、さつき自治庁長官に聞いたのですが、これは自治庁でなくあなたのほうの御所管のようですが、副総理は、総体の問題としては、国会が非常に遅くなるので災害復旧予算がきまらんわけです。その間、併し査定が殆んど済んでおりますから、大体済んでしまう。そうすると、本工事等にかかるわけですが、それは今まで出したようにしてつなぎ資金を出して、そしてこれによつてつて行きたいというふうになつている、こういうことを言つているのです。そこで今まで出したつなぎ資金預金部資金、これは簡保積立金から出しておるのだろうと思いますが、それらは財政計画計画が全部あるのです。それで水害に例えば三、五、二の比率で出すにしても、本年度の出すべきものが私は相当の金額になつて来ると思う。それはやがて臨時国会が開かれて予算化されるものは、見返りにして出すのであるから、一時的のものであるから、幾らでもその資金は出せるのか。或いはもう大蔵省計画ができておつて、それによつて出すのでなかなか出せないということなのか。出せるのならば、どのくらいの枠で一体出せるのか。この十二月頃までの臨時国会が開かれて、予算が確定するまでにどのくらいのものを出せる枠かあるのか、こういう数字を知りたいと思います。
  73. 原純夫

    説明員(原純夫君) 先ず第一に、先ほど杉原委員からお尋ねがありました点は、私が誤解しておりましたのでお詫びして申上げます。只今の二百億というのは、私は公共事業費等の年度繰越額、使わないで繰越す額だと思いましたが、御趣旨は昭和二十七年度の剰余金のお話のように考えます。それでしたら剰余金が四百二億円というものが出ております。これを財政法で、その半分は翌々年度までに国債償還に充てなければならない。残りの半分が事業の年度の歳出の財源になるわけでございます。通例只今までの各年度におきましては、その国債償還に半分充てました残りの半分を使います年度は翌々年度、つまりこの場合でありますと二十九年度に使うというのが従来の例でございます。それを本年度に使うということも、勿論考えられるわけでありますけれども、或る意味では財政の毎年の大きさが、それで行きますと、今年分がふくらんで、来年は窮屈になるというようなことになるので、予算全体の組み方の問題としてお考えを願いたいと思いますが、確かにそういう意味でしたら、二百一億財源がございます。
  74. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 私の質問趣旨は、編方副総理の答弁を受けて、私は質問をしておるので、私もその点疑問に思うのですが、繰越という言葉を使われたので、それだから明許繰越のことで、そつちの剰余金でないというふうに、私は一応言葉通りにとつて質問したのであります。
  75. 原純夫

    説明員(原純夫君) それは只今申上げましたが、歳計剰余金でございます。それから自然増収百五十億と言われました中味は、私詳しく記憶しておりませんが、やはり一番大きいのは源泉所得税の増収が多いようであります。ほかの税におきましては、酒税が御存じのような事情で若干プラスを出し、申告所得税、それから法人税あたりは、申告所得税あたりは若干予算通りに行かない感じが、これは私の感じですが、或いは若干間違つておるかも知れませんが、概して申しましてそんなところであろうと思います。  それからつなぎ融資の件でございますが、理財局の所管と跨ります問題で、私申訳ありませんが、十分勉強しておりませんので、全体の数字を申上げるまでの記憶がございません。ただ態度といたしまして、国が予算で出しますものを引当てにして融資を受けてやつておる、こういう場合に、国が出します国の負担分に対応して、地方で負担される分があります。その地方負担の分も地方財政がいつ杯であるというので、その分も起債に待ちたいというようなことで、国の出します分にプラス地方分として起債を予想される分、それを今から借りてやるというようなことにつなぎ融資なつておると考えております。大分出して参りまして、どうももうあと一文も出ないのだというようなことを申上げるまでには至つてないかも知れませんが、まあいろいろなこれからの補正予算等の措置から考えましても、幾らでも出せるというようなものでなくて、天分終りに来ておるというような感じで私はおります。それから補正予算をお願いします臨時国会の会期と、このつなぎ融資乃至災害予備費の支出の填補というものが、密接に絡み合うということになりますので、例えば直輔河川、国が自分でやるというものは、もう融資を受けてやるというわけに行きませんので、随時予備費から出してやつております。そうでない災害復旧事業つなぎ融資でやつて行く、それらが窮屈になつて、実態の事業のほうは進めなければならんというようなことになりますと、事業資金の点から制約されるというようなことに相成ります。その辺余りぎくしやくしてはいけないというような見方から、これからの予算割を私のほうとしては考えて行かなければならんと考えております。
  76. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止]
  77. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。  大蔵省関係の質疑は午後に廻しまして、通産省関係の質疑に入ります。
  78. 高野一夫

    ○高野一夫君 私は最近和歌山県の御坊における中小商工業者の切実な訴えを受けましたのですが、御承知通り、御坊は和歌山県の災害の一番中心地です。そこでその中小商工業者の立場を訴えて来ているわけです。それは中小商工業者に対して国民金融公庫或いはそのほかの金融機関から、災害復旧の融資を受けられるということになつているわけだが、その説明もいろいろ聞いた。金融機関から聞かされたけれども、その条件、手続き等は何ら普段のときと毫も変らないものを要求されている。従つて緊急の災害を受けた商工業者が、特に商店などが急いで金を借りるということには到底間に合わない。そこで結局、金を借りられるような人は金のある有産階級に限定されるような結果になつて、本当に金の欲しい中小商工業者の災害復旧資金の借入というということは、殆んど不可能の状態にある。こういうようなことを書いて、訴えられているのであります。災害地においては、今度の災害復興に要する中小商工業者に対する融資は、特別のいろいろな考え方なり手続きなり条件を以て貸出を受けられるものだと思つているけれども、それは一体どういうようになつているのだろうか、こういうようなことなんですが、これはどういうのでしようか。これは本省のほうから普段と変らないような、そういう条件手続きを要求されているのか。それとも本省側のほうの通達なり御意思が末端の金融機関に達しないで、徹底しないで末端のほうでは相変らずむずかしいことばつかり言つて、結局金は借りられないというような事情なつているのか。これはどういうものでしようか。
  79. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 災害復旧のために要しまする中小企業者関係の融資につきましては、或いは国民金融公庫からでございますとか、或いは開発銀行或いは商工中金或いは市中銀行、いろいろのルートを通じましてそれぞれの層に応じた金融を行なつておるわけでございます。尤も末端におきましては、低利であり且つ簡便でございまする国民金融公庫の資金が多く利用されておると思うのでございます。国民金融公庫は当初六億という資金を用意いたしまして、九州方面の貸付をいたしたのでございますが、私先頃九州に出張いたしまして調査いたしたところによりますると、例えば最も中小企業者の被害の多かつた熊本県を一例にとりましても、県庁が中心になりまして、市当局並びに市内に数カ所の金融相談所を設けまして、ここに専任の経理士或いは金融についての堪能な人々を配置いたしまして、中小企業者自身の作成を困難とする書類のごときは、それらの機関でわざわざ作成をいたしまして、公庫からどんどん融資を受けている。このようにいわば受入れ態勢が極めて整つてつたわけであります。貸出いたします金融機関側、特に国民金融公庫といたしましては、この辺の事情に即応いたしまして、例えば営業の扱いぶりにいたしましても、従来よりも更に簡便な措置を講じて現在までのところ国民金融公庫の金は、先ず最も下の階層に対しましても、よく廻つておるものと考えておる次第でございます。  次は開発銀行の中小企業向け融資の状況でございますが、これ又当初やや政府の方針等が遅れたかの感がありましたので、九州方面十億、広島の九億、山口方面九億五千万円、和歌山方面一億という資金が、果して流れ得るや否や、非常に危ぶまれておりますけれども、今までの実績によりますと、九州におきましては、すでに二億三千二百四十五万円というものにつきましては、貸出の承諾を与えて、すでに金が渡つているものが九千六百万円ある。それから山口方面におきましては、一億五千万円の予定資金のうち一億六百万円を、すでに貸出の承諾をいたしておるわけであります。大阪方面と申しますと、これはお話の和歌山県が当るものと思うのでありますが、八千四百万円の資金が貸出承諾済に相成つておる。このような報告を私ども受理いたしておるのでございまして、和歌山県につきましては、御坊或いは有田といつたような局部的な地帯の被害でございましたので、和歌山県市内等におきます態勢が、若干現地の実状からズレておつた点は或いはあるのじやないかと存ずるのでございますが、私どもの態度といたしましては、国民金融公庫並びに開先銀行の中小企業向融資というものにつきましては、いつもの事業と違いますので、県庁方面の積極的協力に即応するようにということを督励いたしておる次第でございます。  なお、この機会に商工中金におきます融資状況を見ますると、これはすべて協同組合を対象としての融資でございますので、個人に対しましては貸出をいたさないわけでありますが、九州方面の水害のために、十億の特別資金を用意いたしたわけでございますが、九月十日までの状況では、百七十九組合三億六千二百万円というものがすでに貸出いたされております。それから和歌山につきましては、これ又三億の資金を用意いたしたのでありますが、案外に資金事情が低調でございますのか、今までのところ和歌山、奈良を合せまして五件、二千五百万品貸出されております。或いはこの辺はやや低調なところにも、お話のような事情が伏在いたしておるのか測りがたいのでございますが、商工中金につきましては、私どもの直接の監督下にある機関でございますので、よく督励をいたしたいと考えております。
  80. 高野一夫

    ○高野一夫君 今のお話を伺いますと、熊本の最もいい例を挙げられたわけでありますが、殆んど被害地には非常に満足な貸出しができているような御答弁のように、私は印象を受けたのです。そういうことでありますれば、何故、この御坊というのは和歌山災害の中心地です。その中心地において、町長の名前において、団体長の名前において、殆んど見込みが立たない。零細な中小企業者は殆んど借りられない。紙に書いた餅の画だというようなふうに書いてある。そういうような話を私も直接聞いた。これは文書もとつてある。それであるから私はお尋ねしたわけなんで、そういうような、あなたがたのお話はよくわかりますけれども、こういう和歌山の中心地において、こういう切実な訴えがあるということは、やはりこの金融機関の末端に、あなたがたの中央の趣旨が、殊に又我々の趣旨も、徹底してないのじやないかと思う。この御坊というのは、御承知のように、随分新聞にも出ておりましたが、向うには御出身の永井さんもおいでになりますが、非常に災害のひどかつたところだと思うのでありますが、商工業者のこういう金融に至つては、今のあなたの御答弁とは大分違うと思う。これは、だから一つ調べを願いまして、それであなたがたのお話のごとくであれば誠に結構なんで、我々はそれを希望しているわけです。殊にこの辺の零細なる企業者は、特に今のお話のごとく国民金融公庫のほうを非常に希望しているわけです。ですからそういう点を一つ調べおきを願つて、そうしてこの末端金融機関が最も円滑に一つ運営して頂くようにお願いをしておきたいと思います。
  81. 安部キミ子

    安部キミ子君 只今の説明を聞きますと、山口県でも非常に円満に行つているような印象を受けたのでありますが、今山口県から陳情に来られまして七、八人の町村長の代表のかたとお会いしまして、先ずこのことを仰せになつたのでございますが、百万円貸りるのにも四、五日かかる、こういうような実情で、緊急に明日の日にも要るというのに役に立たない。あんなものだつたら、我々の役に立ちませんというような、切実な陳情がございましたが、一体あなたの説明と現場の人達の声とは大分ギヤツプがあるのですが、どういうふうになつているのかどうか。
  82. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 百万円の資金調達に三日も四日もというお話でありますが、これは若し取引が初めての取引等でございますれば、この程度期間を以て御苦情を言われましたのでは、これは私は金融の実情といたしまして、事実そのくらいはかかつておるものと私は心得るのであります。只今のお話でございますと、恐らく開発銀行の融資品であると思うのでございます。国民金融公庫、これは二十万円までを目途としておりますが、この辺でございますと、書類の受付、実情の審査ということができますれば、より迅速に行えると思うのでありますが、資金が百万円となりますれば、これは三日四日程度の、審査或いは考慮といいますか、期間の要りますることは、金融常識といたしましては、そう遅滞いたしておるとは思えないと思います。
  83. 安部キミ子

    安部キミ子君 実際には、手続きが従来と殆んど変らない、こういうふうにおつしやつておられるんですが、その点はどうですか。
  84. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 手続きは一応従来と変りはございませんわけでございます。即ち資産の使途はどのような使途であるとか、或いは担保を出し得るものがあれば出して頂く、若しなければ、これは勿論なくても出し得るわけでございますが、ただそれに対して公庫の側におきましても、営業の時間を長くいたしまするとか、或いは一審査のスピードアツプをいたしまするとか、ということでございまして、特に申込みの条件を緩和するとか、或いは一般であれば、記載すべき事項、審査すべき事項を審査しないというようなことはないのでありまして、一応金融でございますから、通常の形式に従つて審査いたすのでございますけれども、いわゆる金融の考え方といたしましては、例えば担保物件などにつきましては、災害の金融であるという点を十分考慮する、こういうことになつた次第でございます。
  85. 安部キミ子

    安部キミ子君 実際に困つて金がほしいという人は、二十万円より下の金くらいに困つている、その命が借りられない、こういう実情なんですが。
  86. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 只今私資料の中に、国民金融公庫のほうの山口県の融資状況の件数その他の資料が、持つてつたつもりでありますが入つておりませんので、その件数等を御答弁することは如何かと思いますが、これは国民金融公庫、即ち二十万円程度までの一番最下層の融資は相当促進いたしておるのでありましてこの程度といたしましては、それでなお足らずという点は私どももあるかと思いますけれども政府として当初予定いたしました線には沿うていると思います。左お開発銀行の百五十万円程度の分でございますが、この分につきましては、予定いたしました一億五千万円のうち千六百万円はすでに貸出承諾が与えられておるということ、これらは金額が多うございますので、現実には材料の買入れ等に応ずるものであると思います。
  87. 永岡光治

    ○永岡光治君 三日四日くらいで借りられるようになれば、先ずいいと思うんですが、実は地方のほうで、今の実績に出ておりますが、余り借りられていないということは、むずかしいことを言つておるので、それでどうも借りる気がしないというのが現実の姿であります。そこでお尋ねするのは、即ち担保物件を例にとりましても、流された人にそうあろうはずがなく、そういう条件について、一体普通の場合の貸付条件、今度の場合の特定による貸付条件を緩和した具体的な条項ですね、そういうことはどういうことになつておりますか。それを一つお尋ねしたい。
  88. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 先ず金融公庫について申上げますと、これは無担保に貸すのが原則に相成つております。担保等はこのケースでそうやかましくいつておるものではないと、私どもは考えておるのでございますが、開発銀行の融資口につきましては、これはここに通牒を持つて参ればはつきりいたすわけでございますが、第一回にこの資金を割当てました時分に、開発銀行から各県庁のほうに宛てまして、非常に敏速に且つ災害融資であるということをよく念頭において、融資するようにという趣旨の通牒を出したわけでございまして担保に非常に重点をおくということをいたしましたのでは、災害融資の意味はないという点は、現実に私の承知いたしております。限りでは、その担保条件は相当緩和して貸出している事実を見ております。なお、きついことをいつておる、或いはこうした非常識なことをいつておるじやないかというお話がございますれば、これは現実に即しまして措置いたしたいと考えております。
  89. 永岡光治

    ○永岡光治君 そういう御答弁であれば抽象的であるので……。努力されておるのはわかるのですけれども、具体的に緩和の条件として十分に指導されたり、こういう点を緩和したという条件を、市中銀行においてもそうだと思うのですが、一応そういうものを示してもらいたいと思います。
  90. 高野一夫

    ○高野一夫君 今の永岡さんのお話の通りでありまして、中央のほうから地方の金融機関の末端、特に私は国民金融公庫に対して末端のその条件とか手続とか、そういうようなことに特別の便宜を図れ、こういうような点で、どういうように通達し、地方に申渡されておるかどうかということを、具体的にはつきり示して頂きたいと思います。
  91. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 国民金融公庫につきましては、これは大蔵省の直轄でございますので、私どもも出ております通牒は拝見いたしておりますが、それを後刻提出いたしますことによつて中央の考えております考え方というものが一番現れておると思いますので、それを提出いたしたいと思います。
  92. 高野一夫

    ○高野一夫君 文書で以てですか。
  93. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 文書で以て……
  94. 高野一夫

    ○高野一夫君 文書で以て御提出になりますと同時に、あなたも来て頂きたいと思います。
  95. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) この問題は、結局私は一番大事なのは末端の仕事をしておる人の問題で、中央からの指導の仕方だと思うのです。私も大分あつちこつち覗いて見ましたが、比較的うまく行つておるところもあるかと思うと、末だに決定もしていない、貸出どころでなく、災害が終つて一カ月、ニカ月たつたところで、まだ決定もしていないというところもあるのです。当事者としては、非常に回収ということを考えて慎重になるということも一応わかりますけれども災害復旧で、而も零細なる国民金融公庫あたりの取扱方は、ともかく迅速を尊ばなければならない、そういう点と、こういうことに携わつておる人々の感覚というものが非常に不十分な点が多い、一般的に言つて。国民金融公庫の職員の官僚化というものですね、これは或る程度肯定せざるを得ないと思います。これはあなたがた十分に耳に入れておいてもらいたいと思います。私は熊本ですが、先ほど部長が熊本のことを言われました、私もその一部を認めます。私があちこち視察した範囲内では、熊本の国民金融公庫の取扱方はうまく行つておるほうです。併し絶対額は非常に足りないのです。それと私は、この際、あなたは中小企業の擁護者だから、まあ耳に入れておいてもらいたいと思いますが、この実際を覗いてみますと、借りる人は三万、五万なんです。そういう方々が——熊本の支所員が悪いとは申しません、そういう支所員の前にお出でになつてこれが同じ人間かと思うような、全く金を貸すものと、僅か三万、五万を借りる中小企業者の態度というものが、同じ人間かと横から見ていてそう思いました。本当に金というものは有難いものだと、可哀そうだという気持がしました。これは僅か三万、五万を、それで借り得る人というものは、申込んだ人の三分の一程度ぐらいしか、うまく行つて二分の一ぐらいのようでした、私が行つたときは。従つて絶対額は足りないということですね、それは熊本あたりうまく行つてつてそれなんです。私が視察した県は、まだ決定していないという県もありますので、是非とも耳に入れておいて善処してもらいたい。それは一つの希望です。  それからもう一つは、これは中小企業金融公庫が発足する前に、開発銀行が代行機関として金を流し、国民金融公庫にも金を流した、これは財政資金というものは元のままなんです。全然ふくらんでいないわけです。従つて全国的な立場で考える場合には、中小企業関係者の金融というものは、非常にしわ寄せになつて問題だと思うのです。これだけの災害があつて、中小企業者がやつつけられた、それに金融する以上は、財政資金の全体の枠というものを拡げるということを考えなければならないと思うのですが、そういうお考えを持つていらつしやるのか。すでに交渉段階に入つておるのか、この際承わつておきたいと思います。
  96. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 前段のお話につきましては、誠に御尤もな御注意でございまして、私どもその点が非常に心配でございましたので、去る八月の十九日、福岡におきまして北九州方面、それから二十二日には熊本におきまして、特別に金融機関を集めまして、特に態度というものを誤解のないように、間違いのないようにということを申渡しまして、督励をいたして参つたわけであります。国民金融公庫につきましては、只今委員長から御指摘のごときことがあつたので、誠にこれは国家金融機関といたしまして申訳ない次第でございまして、十分この上とも改善に努めたいと思つております。  なお、熊本における例につきまして申上げますれば、国民金融公庫におきましては、自分で貸出しますると同時に、信用金庫、信用組合といつたようなものも使いまして、相当簡便な貸出をいたしておるわけであります。その方面の心配を第一段としまして、それから公庫の窓口で受付けるというようなことを第二段として貸付を行なつておる次第でございまするが、各市ともそのような便宜な措置を講じておる事実も認められるわけでございます。なお、今後とも考え方或いは貸付ける態度については、直すべきは常に改めるように改善いたしたいと存じております。  それから第二の財政資金の量を殖やすかという問題につきましては、これは災害の勃発直後から問題に相成つておるのでございまして、私どもといたしましては、災害復旧費の補正予算の問題の一環といたしまして、この問題は考える所存でございます。即ち只今中小企業金融公庫から出しておりますのは、災害という突発事故が起りまして、事の緩急ということから、本来からいえば、三月までを見て中小企業者に流す予定の資金の前貸をいたしておるわけでございますので、予算成立後と申しますか、予算決定後に起りました突発事故に対しましては、補正予算の問題として考えるのが常識でございますので、補正予算の問題といたしまして考える所存でございます。
  97. 高野一夫

    ○高野一夫君 もう一言、国民金融公庫などから貸出す場合に、その店なら店のいろんな被害の実情ですね、被害額が幾らとか、そういうようなことも、やはり金融機関として数字をお調べになるわけでしようね。そうすると、その場合に、流失した商品とか或いは破損した商品、すでに金を払つて仕入れてあつてそうして店にあつたものがもはや売れないというような状態になつた、そういう商品の損害というものは、そういうような場合に被害額として認めてあるのですか。
  98. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) 国民金融公庫と申しまするのは、御案内のごとく、非常に零細な生業資金と生産資金の両方を兼ねておりますような分野の資金でございますので、従来の営業の規模、商いの扱い方というようなもので、大体二十万円程度までを限度といたしまして償還能力、例えば二カ年間の償還能力というようなことから、いわば逆算されました貸付というようなことも、実は行なつておるわけでございます。従いまして或る場合には、損害額というものから査定いたしますと、どうしても三十万円、四十万円要る、ところが二十万までというのが償還能力から出て参るという場合もあり得るわけでございますが、今回の災害融資につきましては、損害の程度というものを斟酌いたしまして、融資の金額をきめるという態度は、これが態度の全部ではございませんけれども、償還能力と損害程度というものを噛み合せて、融資を決定するように指導いたしております。
  99. 高野一夫

    ○高野一夫君 いろいろな従来の、その商売なら商売の実績ということも大事でしようが、とにかく災害を受けてしまつた、皆家が潰れちやつた、商品は仕入れたけれども駄目になつて売れないというようなことで、それはいつ返せるか、復興の状況にもよるのであつて、ふだんの場合の事情とは大分違つて来ると思うのです。それでこういう零細なる小企業者の訴えというものは、そういうような製品なり、商品なりについての損害というものを、余り金融機関の末端で認めてくれてないような私は話を聞いておる。そういうことは余り考慮に入れてくれないというようなことも聞いておるのですが、今のお話で大体わからないでもなかつたのですが、どうか一つその点も頭において頂いて、適当に御研究願いたいと思います。
  100. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 最後に私から一つお伺いしますが、自転車競技法の特例に関する法律施行令という案が出ているのですが、これは恐らくあなたのほうで草案の草案として考えているものだと思うのですが、これで行きますと地域は県単位で指定するのですね。ということは、こういうことを意味しているのですか。A県が指定された、A県の中のBという市が自転車競技場を持つている。ところがB市は全然被害を受けなかつた。ところがそのB市が持つている競技場を使つて自転車競技をやつた場合に、国庫納付金を納めなくてもよろしい、こう適用する、こういう意味でこれは作られているのですか。車両課の所管でしようが……。
  101. 山本実

    説明員(山本実君) 水害立法の施行令におきまして県単位で指定いたしました理由は、県が施行者になつておりまする関係上、最小限度、県を単位にしないと、県が施行する場合に入つて来ないということで、県単位にいたしましたわけでございますが、その際、起ります最も不合理な点は、今委員長からお話がありましたように、A県の中のB市が損害を受けていないという場合にも、B市が国庫納付金を免除されるという点でございますが、この法律から考えまして、どうしても県が施行者である場合、県に施行させるという建前をとりました場合には、そういつた或る程度の不合理も止むを得ないであろう、そういつた場合、B市の国庫納付金を免除させないようにするか、或いはA県という県自体の施行をやめさせるか、そのどちらかの不合理は、いずれにしても生じて来るということから、後者のほうの不合理をとりまして一応被害を受けていない施行者につきましても、国庫納付金を免除できるということにいたしました。
  102. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 考え方だけ承わつておきましよう。  ほかに通産省関係の質疑はございませんか……。それではこれを以て通産省関係の質疑を打切り、暫時休憩に入つて、午後二時再開いたします。    午後一時八分休憩    —————・—————    午後二時十八分開会
  103. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今から委員会を再開いたします。  農林大臣以下農林省の説明員が出席されておりますので、昨日に引続いて農林省関係の質疑を願います。
  104. 永井純一郎

    永井純一郎君 農林省にちよつとお伺いしますが、農林省の大体査定は済んだようですが、その査定額は幾らになつているか聞きたい。
  105. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 農林省の関係におきましては農地関係、林野関係、国の直接補助の分即ち十万円以上の分は査定を大体一、二件を残して完了しました。その結果、農地の関係では復旧費が約三百四十七億で、そうしましてこれに対する国庫補助は改正法で行きますと二百八十八億程度が予定されておると、こういうふうな数字が出ております。それから林野関係におきましては、同じく十万円以上のもので三十二億程度、水産関係で四億程度というふうな数字が出ております。このほかに排土法による分が、これはまだ全部できておりませんが、農地関係で約七億、林野関係は極く僅かでございますが一千万円であります。それから水産関係、これは漁港、漁場等の分でありますが、二億五千万円程度が予定されております。そのほか一カ所十万円未満のものは県が補助する分を国が補助するというので県の査定を待つておるのでありますが、これはやはり十月にならなければ査定の結果は出て来ません。併し大体の見込は、我々のところでは、農地関係では十万円以上の個所の約一割、林野関係では約二割、水産関係では十万円以上の分の一割程度がいわゆる小規模の事業のものではないかと推定しております。併し、これは県の査定の結果相当異動があり得るものと思います。そのほか林野関係で地すべり及び山崩れによる分としまして、これはまだ全部の査定は済んでおりませんが、一応の推定では百二十億余りあるのではないかと考えております。昨日ちよつとお話がどなたからありましたが、農業施設関係では排土の事業があるが林道には排土がないではないか、こういうお話がありましたが、林道は御承知のように崖崩れで林道がなくなるか、或いは又林道の上に土砂が溜ればその上に林道をつけるのがいいじやないかというふうな考え方で、林野関係は排土法による分は一般災害復旧のほうに入れたほうが便利じやないかという考え方でございます。大体私のほうの被害状況は以上の通りでありますが、これを総計しますと約五百五十億程度になるのではないかと考えております。
  106. 永井純一郎

    永井純一郎君 そこで大臣に伺いたいのですが、政府が今復旧を三カ年計画にして三、五、二の割合でやるということを言うておるのです。その中で一番重要なものは農地の復旧であつてこれは農民の生活そのものの問題です。まあ橋や道路ということも大切だが、特に農地の復旧は来年の植付けに間に合うようにしてもらいたいというのが全部の希望なんです。ところが農地の十万円以上のものだけでも予算化すべきものが三百億ぐらいあつて非常に莫大な金額になつて来ると思う。そこで一年間で来年の植付けに間に合うように、又聞に合うような所が又大部分なんですが、これをどういうようにしてするつもりか、それを伺いたい。
  107. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 只今の点でありますが、従来の方法で行きますと、三、五、二で、初年度三、次年度五、三年度二ということでやつて来ております。農林省としては、これをできるだけ早く、まあ二カ年くらいで、事業の規模にもよりますが、やりたいということで、大蔵省のほうには要求したいと思つておりますが、衆議院のほうの議決ではたしか四、四、二というような線も出ておりますし、ほかのほうの釣合もありますのでまだ結論が出ておりません。まあできるだけ早くやりたいという趣旨関係方面相談を進めております。
  108. 永井純一郎

    永井純一郎君 それで、その場合予算化が財政の規模等の点からいろいろありましようが、私は農地は何物にも先んじて一番優先的に復旧をやつて行くべきものであると思うのですが、従つてその点は農林大臣が特に努力をしてもらいたいと思うのですが、今の官房長の説明のように二カ年でやるにしても、実際は市町村等では一年間でやろうという計画を立ててやると思うのです。そのときにこの資金を融資を受けてでもやりたいとこういうふうに皆言つておるわけだし、又私はそれは奨励すべきものだと思うのです。ところが現在公庫が貸せるのは、私はこれはまだはつきりわからないが、改良区だの組合に対してだけ貸せるのだと思うのですが、そうして而もそれは過年度分だけであつたと思うのです。そうすると、今度の六、七月水害分の県営だの市町村営だのという関係のもの等の資金の融資をやつて、そうして一年間でやれる所はどんどんやつて食糧の増産をやるということをどうしてもしなければならんとこう思うのですが、これらに対する農林省のどうするかという考え方をここで承わつておきたいと思うのです。
  109. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) これは災害復旧事業の従来やつて来ております問題も同じわけでございます。御承知通りであります、とにかくこの農地は、今永井さんお話のように、道路や何かは多少金が廻つて来たときに仕事をやるという場合も往々にしてあろうかと思いますけれども、農地のほうはとにかく零細な農家が僅かに持つておる田地でございますから、どうしてもこれは命が来るとか来ないとかにかかわらず復旧してやると、それでまあ一作くらいはどうしても止むを得ないにしても二作目からは何なり作れるように復旧をするということで、今日までの事例がそうであるわけであります。そこでまあ三年になるにしましても、二年になるにしましても、事業は三カ月なり半年なりでやり上げてしまう。そうすると、それにかかつておる金についての資金繰りは村なりの負担においてその融資をやつておる。これがかなりその災害を受けた市町村の財政の重圧になつておるということは、これはまあ否みがたい事実だと見なければならんわけであります。でありますから、私としては、永井さんのお話のように、できるだけこの農地の分については、余り長い期間かかるとこれは困るという考えで今努力いたしておるわけであります。それをどうするのだということは過年度との関係も生じて来ると思います。できるだけ一つ今回の災害に対しては従来のようなだらだらにならないようなことはどうしても必要だと、こういうふうに考えております。
  110. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 今お話のありました過年度災害のやつは公庫の匠うでやつております。当年災の分は、この間おきめ願いました営農資金以外の農漁業家に対する資金の融通に関する特別措置法の中で、一口一千万円の範囲内でやるということにしております。繋ぎの意味でございます。これ対助成金に代れば助成金になるし、それから公庫のほうに過年度として代れば乗り替える。こういうふうにしておるのであります。ただこれは協同組合なり土地改良区のやるやつで公共団体の分は入つておらない。公共団体は起債関係がありますのでこの中に入れることができなかつたのであります。こは別途たとえば市町村起債の面で処置しなければならんことになります。ただ銀行の関係で農漁業施設の関係は、殆んど土地改良区が全部と言つてもいいと思いますが市町村でやつておるのもありますので、そういう点は具体的な問題としてやはりかけ合つて行きたいと、こういうふうに考えております。
  111. 永井純一郎

    永井純一郎君 組合に対する営農資金の一千万円の限度でこれは大体やれるかどうか私は見当がつかないが、それとあとは起債というわけですね。
  112. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) ええ、市町村の分は……
  113. 永井純一郎

    永井純一郎君 市町村の分はね、起債の枠の中で。そこでそれは自治庁と話合つていますね。起債の枠の問題は一番大きくなつて来ると思います。
  114. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) これは具体的な問題として、具体的に町村相談をして行かないと……、一般的に起債の枠を拡げるという陳情というかそういうことをやつておりますので、それじや具体的にこの村としてどうなるかということは、やはり一つ一つの村で豊林省で話を助太刀してやる、こういうことをしなければいけないのじやないか、こういうふうに思つております。
  115. 白井勇

    ○白井勇君 只今永井委員からの御質問と私同様なことを考えておるわけですが、災害地の実態を見ますと、この際機械力なり強力なる施策を持つて行きまするならば、普通の場合でありますれば二年かかるものが、来年のとにかく植付けに間に合うというような耕地が到る所にあるように私は思うのであります。これは今大臣のお話のように、災害地のためにも速急におやりなることは当然なことだと私は思いまするが、そのほかに更に差迫つて来年なり再来年の食糧問題の解決の点から見ましても、従来やつておりまするようないろいろな干拓の事業なり或いは開墾の事業というものは別にあるわけでありまするから、そういうものが若し経費の上でこの災害地の復興というようなものと総合的に大体確保し得るものはいいが、幾ら大臣がお働きになりましてもやはり限界があると思うのでありますが、そういう場合において開拓なり或いは開墾に金を投資いたしましても、来年の植付けなり収穫に間に合わないというような事態のものは中止するなり或いは繰延べまして、少くも来年のその災害地の復興に投資をしたほうがより有効ではないか、こういう問題が私はやはりあると思うのであります。そういうようなお考え。更にそういうものをもつと国直営なり或いは府県で、法の施行というような強力な力を以てやるお考えが友いかということを私はお尋ねいたします。
  116. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) そういうお考えも財政当局方面にもかなり強くふるようであります。それでまあ恐らくお開き及びでございましようけれども、成立しました二十八年度の公共重業を繰延べるとか中止するとかというようなことで、この災害再建に奮発というような相談も実はあるわけ去あります。食糧増産という面はもとよりでございます、又個々の農家経済の机上から行きまして私は今処置しなきやならんそういう意味から災害復旧を加りろそかにいたすということはまあできませんけれども、併し同時に農業対策として打出して来ております公共事業費をそのために繰延べるとか中止をするとかいうことにしてすでに成立をいたしております予算復旧をやられては誠にどうもこれは困るということで、私どもはその説にはどうも賛成しがたいという態度をとつてうまく別途の財源の捻出の方途を考えてもらいたいということを強くむしろ財政方面に要請いたしております。いずれにいたしましてもこの農地の関係は数反歩という零細な農家の農民の経済生活に直接繋がつておるものでございますから、これはもう只今もお話のようにできるだけ一つ、その重要性、深刻性に鑑みまして、そのために公共事業をおろそかにするというわけには参らんということで私ども苦慮をいたしておるわけでございますが、そういう趣意でやつて行くよりしようがない。こういうふうに思つております。
  117. 白井勇

    ○白井勇君 多少私簡単に申上げましたので私の考え方を誤解せられたような点もあるようでありますが、この災害をこうむりました零細農民の民生安定をあとにして食糧問題を考えるということを決して私は申上げたのでは、ございません。更に一般公共事業、土木事業というようなものを中止してそつちに向けるということを申上げているのではないのでありまして、大臣がいろいろお話なさる間には、予算を別個にお取りを願わなきやならんと私思いまするが、そういたしましてもそこはおのずから限界が出て来る。そういう場合におきまして今私はお尋ねを申上げておるのであります。承わるとこるによりますると来年度は更に干拓関係なんかも相当積極的におやりになるというようなお話もありまするが、専門家の調べによりますると反当り二十二万円もかかる、こういうような一応の計算も立てておるようでありますが、そういうものは来年から始めましても来年の少くも食糧増産時には間に合うものでない。むしろそういうことでありまするならば、二年かかるものを一年でやつてしまつて効果を挙げることがより適切な面があるのじやなかろうかという意味合いで、私はお尋ねを申上げたのであります。
  118. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) それはもうその通りであります。
  119. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 農林省の政令の地域指定についての考え方を少しお尋ねしたいのですが、今まで頂いておりますのは農林省の一応の素案でございまして、別にそれの内容についていろいろお尋ねするのじやないのですが、あれを見ましてこの政令の立て方の基本的な考え方について私は少し疑問を持ちます。  それについて先ず第一番にお尋ねしたいのは、これは農林省に限らんことですが、この各省、大蔵省とか、内閣なども加えて各省間で一応政令の立て方についての実情調整措置をやられた上で政令を作られたのか、或いは各省ばらばらよその省のことはご存知ない、そういうことを連絡なく且つ農林省だけでこれは立てておられるのか、その点伺いたい。  第二点は、私はこの最初の案はどういうふうな考え方でこういうふうにきめられたかと思つてちよつと疑問に思つたのですが、いろいろの基準を掲げて、これに該当する地域であつて更にその中で農林大臣の指定する地域、こういうふうな考え方で政令を書いておられますけれども、これを一方法律のほうと照し合せて見ますと法律の建前と何か非常に合わないことになつておるんじやないか、立て方について法律のほうではこの地域指定は政令で指定すると、こう書いてある。そこで政令自体で具体的の地域をそこに掲げるというのが普通の法文の読み方であろうと思うんです。それでも差支えないという考え方でやつておられるのか。  それからその辺のところは非常にまあ法律自体が特定なものであるからいろいろ迷われたと思うんだが、そして又現に各省でやつておられる案でもその辺はばらばらになつておる。そうして今までこういうふうな法文のきめ方で、つまり政令で地域指定する、こういうふうなきめ方、例えば或る基準を政令できめてそれに基いて今度は農林大臣とか各省でやるというのならばそれはいいですよ、こういうふうなきめ方の場合、政令の立て方を一体こういうふうにした先例があるのか、私非常に疑問に思つております。  それからその思想は随分残つておると見えまして、これはあとで作られた案ですが、恐らく衆議院の議決なんかを見られたあとの案ではないかと思うんですが、十四日というのがあるんですが、あれの中にもかなりそこから脱却していない……。それからあとの案を見ますと、一つ基準を掲げていて、それに基いて今度は農林大臣が規定する、基いてということは非常に私は疑義が起つて来る問題だと思うんです。これからいよいよ最後の確定はされるだろうと思うけれども、その辺のところについて農林省の考え方一つお聞きしたい。
  120. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 又官房長から補足いたしますけれどもその通りで、ございまして、この特別立法が制定されましたときに建設大臣とも話合いまして、ちぐはぐにならないように大体地域指定で、建設省のほうほからかつた、農林省のほうはあまかつたというようなことにならんように、これは調整統一をしてかかる必要があると思いますから、ということは両大臣の間ではよく話をしております。ただ法律法律によつて事業が違つて来ておるようなものですが、それはまだ対象地域を今まあやつと査定を終ろうとしているというような段階でございまして、そこのところはそういうお感じがあろうかと存じますけれども、大体御趣意のようにこれは取扱わなければならんもんだという考えを持つております。  それと農林省のほうのまあ政令案は私はまだ実は何しておりますけれども、今までのつまり災害復旧の暫定措置法がありましてあれをまあ使えばこういうことになるということで、まあ国会側のお叱りを受けておるところでございます。これは併しどこまでもこの特別立法の精神の狙つておるところをそういうふうな政令でごまかすようなことは、勿論許されるところではありませんからその点は十分心得ておるつもりでございます。ただ立法技術等の問題につきましてはあるだろうと思いますので、これは官房長から一つ説明をさせます。
  121. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 第一の点は只今大臣から申上げた通りであります。これは非常にむずかしいのでありまするが、暫定措置のほうで例えば農地について申上げますれば、被害関係農家の復旧費の負担が八万円以上になる分については高率補助をする、こういうことになつておるのであります。これは例えば農地については十分の五が十分の八になり、農業施設では十分の六・五が十分の九になる。従いまして論理的に申上げますと、それより更にひどいやつを今度は更に今度の法律で高率適用をすべきであるという説と、そうじやなしに今の高率適用の基準が高過ぎるからもつとそれを下げろという両説があるわけです。そのいずれをとるかにつきましてはまだ十分議論を尽していないうちに衆議院委員会がありまして、その当時はまだ査定も完了しておりませんし、説明も不十分でありましていろいろな議論が出たのであります。実際の査定の結果ああしまして今の妥当な点をどこにきめるべきかということをきめたいと、こういうのであります。  それから第二点の問題でありますが、その通りこの法律で単直に読めば府県町村という地域を政令で直接指定するのが一番いいのであります。初めはそういうふうなことで考えておつたのでありますが、農林省の関係でありますといろいろな施設が非常にたくさんありますし、建設省で言えば例えば道路とか河川とか国道、県道、市町村道、河川にしても直轄河川以外の河川とか、割に単純で規模も大きいのでありますが、農林省の関係では農地、農業施設、そのほか今度の法律を見ますと農業用施設としてみなされるものが開拓地の住宅でありますとか、或いは農業団体の共同利用施設とかいろいろなものが入つて来たのであります。これを従来通りの大ざつぱな地域指定の仕方では被害程度の軽微なものと非常に多いものとのこの高率補助のバランスがとれない心配があるから、これをつきつめて行くと最小の行政単位である市町村別にやつたほうが一番いいのじやないか。このように観念的に考えて来まして、そうしますと市町村をいちいち指定することになりますれば、恐らく何千という市町村になるので直接政令でやるのには非常に時期がかかつて来る虞れもありますので、政令では基準を示しましてその基準に明らかに該当するやつはすぐ指定する。今後調査を待つものは調査を待つて追加して行く。その指定は告示で指定して行くことにすれば手続も簡略になるのじやないか。こういうふうな考え方に変つて来たのであります。こういうふうな考え方は内閣の法制局のちえを借りましてまあすつたもんだしたあげく、この点だけは関係省とも地域指定基準で行こう。併し法律によりましては、例えば競輪とか私のほうの関係で申しますれば、被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律等は、基準でなくて直接府県指定できるから面接政令で府県をして指定させて行く。こういうふうに一応の解釈が統一しているように私のほうは承知しておるのであります。
  122. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 いま一つだけ。これも農林省の案を見てちよつと私あとのことが少し気にかかるのでお尋ねするのですが、あとで作られた案の中に非常に大事な、その基準をきめる場合の一つの要件の中に、公共事業災害復旧費というようなことが書いてあつて公共事業という言葉を使つておる。これはまあ私が申上げるまでもなく、今公共事業というのは内容の不確定なものですから、法文の用語としてはこう  いうことをやつてしまつたのでは非常にあとで問題を起すだろうと思う。これは併し恐らくまだこれから練られると思うからそのことだけちよつと申上げておきます。
  123. 重政庸徳

    重政庸徳君 官房長にちよつと。先般永井委員質問のときに、今度の農地の復旧は大体土地改良地区で大部分やるように考えておると、これはちよつと私の見解が違うんですけれども、先般の議会でも土地改良法に町村事業主体になることができるように改正した、従来町村が非常に町村自体でやりたいという希望が非常に強かつた。今度の案を見ても大体私の考えでは、従門来土地改良地区がある部分はそれが主体になつてやりますが、そうでない部分は殆んど町村事業の主体になつてやるのだ。なお甚だしい所は県営でやるというところが非常にたくさんある。これはまあ民間の団体では手がつかんというところからそういう工合になつたのだろうと思うのです。想像するところ、今度の災害では土地改良が事業主体になる部分よりも町村事業主体になる部分が私多いとこう考えるのであります。そうなつて来ると従つてその町村起債ということが大きな問題になつて来る。この点は一つ早くもう査定も済みましたし、各県に大体どういう主体でやるということはおよそわかることであつて、見当をおつけになつて、無論起債町村個々で自治庁と御相談になるのだけれども、大体の心がまえとそれだけの考慮というようなものを自治庁と私はお打合せになつておかなければいかん。これはちよつと考え違いであわてられるときが来るのではないかというように考えているのであります。どうか一つ早く見当をつけていただきたい。大きい問題です、恐らく今年できた農林水産公庫の金を土地改良が利用するよりも大きい、町村が借りるとすれば町村起債のほうが大きいものが使えないかというように私は思つておるのでありますが、一つ調査してあらかじめ自治庁とよく打合せて頂きたい。
  124. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 御注意でありまして、私の言葉が足りなかつたことと私の勉強が足りないという点があつたのであります。市町村が直接主体になつておつても、下部団体として土地改良区とか、災害復旧の主体は市町村であるけれども土地改良区の面積等も相当あるように了解して永井さんにお答えしたのでありますが、今の推定では大体市町村主体が七、八割になつてその中の半分ぐらいがそういうものであろうこういうふうな推定を下しておるようでありますので、この点は更に今の起債の問題につきましてもつと細かく資料を整えた上でこの問題の解決に資したいとこういうふうに考えております。
  125. 永井純一郎

    永井純一郎君 今のにちよつと関連してもう少し。これは大体我々が作つた法律に不備があるのかも知れんけれども、もう少しはつきりしない点があるので重政さんに関連してお聞きしたいのだが、さつきのあなたのほうのこの政令案の原案、これは最終的なものじやないと思うのですが、原案では補助の対象になつておるものは融資の対象にしないことにしてあるのだなあ。改良区なり組合に一千万円を限度で貸すのはそういうふうに農林省の政令の原案はなつておる、それが筋はその筋だと思う。そうすると私が質問するのは、補助の対象になつておるが二年も三年もかかつたのでは困るから一年間のうちにやつてしまうというようなときには、その組合になり改良区を通じての対象にはこの原案ではなつて来ない。その場合この起債特例に関する法律の一条の二号によつて、この補助の対象になつておる而も三万円以下のものでないものも、この地方自治体の起債の枠のほうでそれを拾つて行くということに、この法律自治庁との話合でなつているのか、そこのところがちよつとどうもはつきりしない。
  126. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 只今の補助の対象になつておるものには融資をしないというのは一応訂正して……。
  127. 永井純一郎

    永井純一郎君 これには訂正してないですね。
  128. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 今までの金の対象は補助の対象になつておるものも出す、ですから同じように補助の対象になつておるものでも、自己負担分は或いは補助が来年に来る分は融資しなければいかん、こういうふうに考えますから、そうやります。
  129. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういうふうにこの政令案は変えるのですね。
  130. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 政令案は只今申上げましたように、まだ夫定稿の中間案でその点はよく御了承願つて衆議院並びに参議院の御意見を承わる材料として、この程度に御了承願いたい。
  131. 松浦清一

    ○松浦清一君 堆積土砂の排除に関する特例の問題ですが、この農林省で考えられておる政令案の最終案というものを私は承知をしておりませんので、白紙の立場から伺いますが、農地に堆積をしておる土砂を排除するものは市町村単位に地域指定するということはもう問題がないのですが、漁場とか漁港という地域指定はどういうことでおやりになる御方針でおられましようか。
  132. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 漁港及び漁場にかかるものは資料をお配りしておると思いますが、市町村ごとに一平方キロ当り二百本以上の樹木が堆積しておる場合、又は堆積しておる木材、土砂等を排除するために、その市町村で百万円以上の費用がかかる場合を、特に堆積の激甚な地域として指定する基準にしたい、こういうふうに考えております。
  133. 松浦清一

    ○松浦清一君 それはもうわかりましたが、これは先ほどもお話ございましたように、法律自体の中に取急いで作つた法律欠陥があるのかも知れませんが、今申上げた法律の第二条の堆積土砂というものの定義の中に、非常に多量の泥土、砂礫、岩石、樹木、とある、そうすると漁場とか漁港という所に沈んでいる根株等は、堆積しているというふうに解釈して間違いないと思うのだが、流れておる材木は堆積しておるとは言えないが、それをどう解釈しておられるのですか。法律を作つた側がどうも行政に聞くというのは妙な話ですが、(笑声)委員会で確認しておかんと最後の決定をする場合に、法律の中に不備があるということでそれがはねのけられるということはないと思うけれども、一遍確認をしておきたい。
  134. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) それは説明員説明を聞く必要ないと思います。私はその法律の提案者の代表として山田君と衆議院行つて答弁して確認しておりますことをここではつきりと申上げておきます。それは漁場とか漁港、商港等に沈下している木の根つこも入れば土砂も入ります。そうして正常なる漁業、安全なる航行、そういうものを阻害するものを意味するのであつて、漁場に浮いているところの流木は入らない、こういうふうに説明し、衆議院の特別委員会もそれを了承したことは速記に残つておりますので、念のため申上げておきます。それ以上質疑がございましたら説明員に質疑して下さい。
  135. 松浦清一

    ○松浦清一君 これは委員長に対する質問になりますが、私は委員会で途中で代つてつてその経過というものを承知しておらないからほかの委員各位には御迷惑になるかも知れませんが、そうすると流木を片付ける者は誰がどの費用で片付けるのですか。相当論議があつたようですがその論議の過程においてどのように解決して下さつたか。
  136. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 流木については随分専門的に議論されておりましたが、ハワイまで流れて行つておるというようなことまで出まして、ともかく海上に浮いておる木の所有権その他についても問題があるのでともかく沈下しておるものに限る、こういうふうにして規定したわけです。
  137. 松浦清一

    ○松浦清君 ハワイまで流れて行く材木をどうしろというのではないのですが、流れておる材木に持主があるということは問題ないと思う。これはやはり災害によつて被害をこうむつておるのは漁場なり漁港なんです。土砂等を排除することが国の費用で行われるのに、漁場、漁港に流れて来た材木のために漁業ができない、そういう状態になつた場合の排除する費用というのは一緒に含まれて論議をせられなければならん問題であつたとこう考えております。委員長がお答えにならなければ私は委員長質問しないのだが、委員長がそういうお答えのし方をなさるから委員長に聞くんですが、それはどのような論議になつてどのような説明をなされたのですか。
  138. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ともかくそのときに木がしよつちう動いておつて所有権というものは明確でないという衆議院側の意見もありました。そうしてともかく結果を申上げますと、衆議院側がそうでなくてはならないと、それから参議院側に持つて来てお諮りをしましたところがそれでよろしいということで、立法に携わりました両院の特別委員会はどなたも御異議なくそういう確認の下に法律が成立つておるという事実だけを申上げておきます。
  139. 松浦清一

    ○松浦清一君 ちよつと速記をとめて頂きたい。
  140. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  141. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて下さい。御質疑はございませんか。
  142. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 私は被害農家に対する米麦の売渡についてちよつとお伺いしたいと思います。農林省ではこの問題については適切なる措置をとつておられるということでその点については感謝に堪えないのでありますが、一体どのくらいの米麦の数を被害農家に売渡すようなことになつているか。その数量とそれから売渡の手続を農林省令で定めておられたらば大体の手続をお尋ねしたいと思うのであります。
  143. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 今予定しておりますのは米が一万一千トンですから約七万石、麦が一万二千トンですからやはり七万石余り予定しております。これは一応農林省が県に売渡すのであります。県から市町村を通じて各農家に貸付けておる、代金の一応のきめは今会計年度末ということになつております。そしてこれは現在まだ法律、面令が出ておりませんので仮オーダーで食糧事務所から県に来ております。実情はそういうわけであります。それでできるだけ早く本オーダーにいたしたい、この分だけ府県別にしてやりたいとお願いしております。
  144. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 そうしますと、大体において麦の値段はどのくらいの値段でやるということを近いうちにおきめたさるのかどうか。それからこの法律を作る際においては約一億五千万くらいの費用がかかるというような予定であつたのであるが、その予定の金額に相違があるかどうか。而うしてこれは附帯決議として食管特別会計の負担にならないような予算措置を講じろということであつたのであるが、その点はどういうふうな成行きになつておるか、これについてお尋ねします。
  145. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 大体金額は一億五千万円くらいの予定にしております。それから売渡価格は生産者価格、米で申上げますと三等で七千五百円、その分から半分を引いた額、つまり農家が実際に手取りになる価格というので渡すということにしております。それから一億五千万円の一般会計の負担につきましてはこれは大蔵省と交渉しておりますが、まだ結論は出ておりません。
  146. 松岡平市

    ○松岡平市君 農林大臣に。実はこれは昨日島村委員から質問があつた際にお答えになつたようでもあり、恐らく速記には載つておらんようなお答えであつたのでもう一遍確かめておきたいと思うのであります。それはこの委員会で数日前政府に三つの事項を要望いたしました。その最後の分、即ち今回の災害に際会して二号台風の場合にとられた措置、そのうちの特に農産物の被害に対しての予算上の補償措置、補助措置というようなものを是非やつてもらいたいという要望であります。農林大臣はその際にそのことは東北方面の現在進行しつつある冷害のことであろうというようなことであつて、そうでないということで、その結論がはつきりしなかつたのであります。我々がお願いしたいことは今回の水害で、冷害のことはもとよりでありまするが、御承知のように丁度稲の苗植付時に水害がありまして植付けたものが流れて非常に遅れて植付をせざるを得なかつた。遅いものは八月の十五日に植付をして殆んど結実を見ないであろう、こういうことであります。そうでないものでも農林省当局の御答弁では、七月の二十五日頃までに植付が終れば少くともまあ六、七割は穫れるであろう。こういうことでありましたが、七月の二十五日以後に植付られたものが九州方面に非常に多いのです。従つてこの水害のために農作物の被害というものが莫大な数字になる。で、私は当初その被害額の見積りがどれだけであるかということを一つ農林省から資料を出して頂きたいということをちやんと要求いたしましたけれども、その後今日までその農作物の被害というものの数字は頂いていないように私は思つております。私たちがこの間決議いたしました第三の事項は、非常な莫大な金額に上るであろう、今回の水害のために生じた農作物の被害に対して是非二号台風の場合におけると同様な措置を講じて頂きたい、あの際に麦或いはなたね等に対してもそれぞれ適当な補助、補償というような措置が講じられておるので、そういうことをして頂きたいということを申上げたのでありまするが、ここでもう一遍農林省当局といた申しましては、改めてお願い申上げなくてもさようなことをして頂けるのかどうかということについて一つお話を聞かせて頂きたいと思います。
  147. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 昨日お答えをいたしましたときに先走つて申上げておりましたが、今頭がそこへ支配されておりましたものですからそちらのほうに気が向いておりまして、今次災害のあの御決議の第三項に謳つてあります分につきましては、御趣意のような考えを以ちまして大体同じような平衡を失わないようにということで、たくさんの項目に亙つて財務当局に予算の折衝をいたしておるわけであります。これはもうすでに大蔵省と話をしておるものでありますから、それらについては昨日申上げた通り、詳しくは官房長から御説明をいたします。
  148. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 被害の状況の表が出てない、こういうお話でございますが、実は六、七月の災害の県からの報告のものは前に出しまして今度出す場合には私のほうとしましては統計事務所のはつきりした数字、こういうことでなければ回答になりませんので、次々出て来たあの集計がはつきりした最後的なものがまだ実はできないのであります。それはなぜかと申しますと病虫害の関係等次々にかかつて来ておりますので、それから北海道の分等ありますので甚だお叱りをこうむつて恐縮でありますが、併しそれを待つておれませんので予算には腰だめ数字で、最後は統計の数字のきまつたところで多少の出入りはそのときに立て直してくれという話で大蔵省に折衝する、こういうふうな段取りになつております。
  149. 松岡平市

    ○松岡平市君 この委員会の決議についても十分お考えを願つておるということを聞きまして大変感謝に堪えません。ただそれに関連いたしましては一つお願いを申上げたいと思います。  この前の二号台風の措置に関連してでありますが、例えばあの場合は麦というようなものが非常な被害をこうむつたということで、それに対してはむしろ補助金が出るとか或いは農業共済組合のほうから共済組合の保険金が出るとかいうふうな措置が講じられておつたのでありますが、その後例えば麦を集めた、ところがその数量が割合に多いのじやないかというようなことで、実際の被害はそれほどなかつたのじやないかというようなことで、大変そういう点について事務の取扱、殊に農業共済のほうの資金の支払等についてもいろいろな事件が起きておるというようなことも一、二聞いておりますが、御承知のようにあの二号台風でやられて収穫は非常に減つたことはもう農地事務局のほうでも十分認めておられる。その数字に基いて一応救済なり或いは農業共済のほうの資金も算定をしておられるのであります。その後今回の大災害に会つたということで、農民は実際はこれから来年の麦の穫れるまでの間、米と混ぜて食べる麦さえも売払わなければならんというような事情から、相当に期待せられたより余計に麦が出ておるというような実情相当あるようであります。で、そういう点につきましては、救済の趣旨から考えましても、農林省でお立てになつ標準で割切つてこういう数字を超えればそれは共済金共済金を払わんというようなふうに、お取扱いを余り厳格にはおやり願わないほうがいいんではないかというふうに考えるわけであります。是非一つ大臣の深甚なる御考慮をお願い申上げたい。  それと第二点は、もう一つこれは先ほど永井委員がお尋ねになつて大臣の御答弁なつたことでありますが、これももう一遍一つ再確認さして頂きたい。と申しまするのは、今回の災害復旧について予算措置その他から従来やられておつた、まあ大体三年で三・五・二の割合でやるというようなこと、或る所ではそういうことじや困るから六、四でやつてもらいたいとか或いは四、四、二でやつてもらいたいとかいろいろな要望がある。予算がきまりませんので我々それについては非常に心配しながら考えております。先ほど永井委員であつたと思いま押すが御質疑になつて、農地の復旧については是非急ぎたい、大臣は一作はともかくとして二作も三作もとれないというようなことは避けたいと、こういうようなことでありました。誠にその通りであろうと思うのであります。そのためには予算措置ができればもう本年度に来年の田植には事欠かないというふうに農地の復旧はしなければならない。それでできる部分相当多くあるわけであります。ところが先ほどの質疑応答を聞いておりますると、予算措置が完全でない場合を、官房長から土地改良区の場合と町村の場合と分けて御説明になりましたけれども、これは大体我々はまあ補助金というものの予算措置が十分でない場合には、町村なり地方公共団体なり土地改良区なりというようなものが、或いは起債で、或いは他の金融機関から金を借入れてでもできるだけ早くやるようにというふうに農林当局は御期待になつていらつしやる、かように了解してよろしいか、その点についてもう一遍はつきりしたお話を願いたいと思います。
  150. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 農地災害部分につきましてはお話の通り実情なつており、又対策といたしましても、この特別法を以ていたしましてもさように取扱つて行くほかはないと考えておるわけでございます。
  151. 重政庸徳

    重政庸徳君 農作物の災害に対する予算措置ですが、昨日の第三項、あれはまあこのたびの災害が余り大きかつたのでその方面には余り大きい声も出なかつたんだけれども、言わんでも当然のことであろうと思つてつたのですけれども、若し抜けたらと思つてあれを加えた。第二号台風でも結果とするといろいろな細かい問題が生じて来たのですが、これは一つ農林省が強くやつてもらわなければ、いろいろ大蔵省はへりくつを付けて、そうして或る作物を除外したりいろいろなことが生ずるのでありまして、この点は一つ農林省全体として事は細かいが、併し被害農民となつてみるとこれは非常に大きい影響を及ぼすのであります。ここで具体的に済んだことは申しませんが一つ官房長はよく御承知のことであろうと思うのであります。どうか一つ強く大蔵省に主張して頂きたいと思うのであります。  なおこれはちよつと大きい問題でありますが、開拓地の作物、まあ米麦は共済に入らんのでありまして、これは根本的に一つ考えてもらう必要もあるだろうと思うのであります。従つて共済資金ももらえず、まあとりつく島がないかつこうに今のところなつておる。今度の九州の災害においても開拓地の作物の被害が相当あるだろうと思います。これはここでどうやつて頂きたいという具体的のことは申しませんが、御承知通りの極めて貧困な開拓者であるのであります。何かの方法を講じて、非農家が受くると同様な救済措置を私は作物に対しても特例を設けて頂きたいと思うのであります。一つその点第二号台風の場合において経験した事柄でありますので、よろしくお願い申上げます。
  152. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 二号台風のときの予算につきましていろいろ御指導頂きましてやつたのでありますが、十分なことができなかつたことは誠に遺憾に存じます。六、七月のものにつきましてはそういうことのないように私のほうといたしましては努力をいたしております。ただ開拓地の問題につきましては、今度施設関係は特別の農業用施設というものの中に入れられることになりましたので相当なことができることになりますし、営農資金の分につきましても融資期間並びに利率について特別に優遇しておりますので、相当程度開拓地には意を払つておるつもりであります。なお今後開拓地の問題につきましては更に努力をいたしたいと考えておりまする
  153. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 質疑はないようでありますから、最後に私は簡単に私の視察した結果を農林大臣の耳に入れて一言伺つておきたいんですが、その点は全国的に大災害があつて私らあちこち視察した結果、一村或いは一部落が多量の土砂、砂礫、大きな岩石によつて埋まつてしまつて経済効果から言うならばこれは他の地に移植でもしたちいいだろうというような所もあるわけであります。併し農民にしてみればその美田を再び復旧いたしたい、こういう意欲に燃えておることは申すまでもありません。従つてそういう方々の生活されておる地域の耕地が九割程度もつぶれておるというのが点々とあるわけです。そういう所に農民は立つて一生懸命に何とか元の田にしようと苦慮されておる。更に又私は島根県にも参つたのでありますが、あの宍道湖の周囲というものはポンプを多景に買つて排水を一生懸命やつておると、次々に雨が降つて実に二十数日間もかかつて田植を四回も五回もやり直した、それで米がとれるかどうかわからないんだけれども、ともかく植付けなければ気が済まないという農民魂で四回、五回と植付けておる、その植付けた結果というものはどんな米がとれるかわからない、穂が出るかどうかわからないというような状況、こういう状況の所が点々とあるということを、私は農林大臣は実際にも見ておられるでありましようが、是非とも胸に秘めて今後の災害復旧に極力頑張つて頂きたい。これは委員長としての私の切なる要望であります。  これに関連してただ一言ここで答弁を頂きたいのは、それは私は島根県の斐伊川、宍道湖、あの附近を見て素人ながらも感じたことは、あの斐伊川の砂がつぎつぎと流れて来る。で建設省は年間五千万円の費用をかけて砂を排除しておる。ところが丁度それと同じ量が年々歳々流れて来ておる、こういうことを出先機関から聞いたのです。鳥取市は曾つては非常に水害に襲われておつたけれども、千代川の流域変更をやつてから水害を免れるようになつた。こういうことを聞きその実際の姿を見て来たときに、あの斐伊川あたりの河川の流域変更でもやつて、そうして宍道湖周辺のあの低地の田に客土でもやつて少しでも上げれば水は治まり、これは食糧増産上大きなプラスになるということを、私は農業専門じやないけれども素人ながらもはつきりとそういう点を見取つたわけですが、これは大きな問題だと思いますが、農林省でどういうような御研究をされ、又農林大臣としてどういう御見解を持つておられるか。私はあのような地域にとつてはとにかく大きな問題であり、又一つには国家的な問題でもあると考えて見て参りましたのでこの際伺つておきたい。
  154. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 只今、今次災害の各地の深刻な様相につきましては、私も狭い地域ではございましたけれども現地の視察をいたしまして、委員長お話の通り実情であるということを深く認識をいたしているわけでございます。この強い農民魂に応えなければならないという感を強くいたしておる次第でございます。只今の島根県斐伊川流域の問題は、即ちこれは土地改良として考えなければならない問題であろうと存じます。あの近郷にかなり大規模の土地改良事業計画され、且つ又実施をいたしておる所もあるわけであります。只今のお話につきましてはよく専門当局に検討を願うようにいたし、そうして必要な措置をとつて行くようにいたしたいと考えております。
  155. 松岡平市

    ○松岡平市君 最後に官房長に若しお手許に資料があればお答えを願いたい。と申しますのは、出て来ておる資料で今回の予備費から農業用及び建設用機械購入等の経費として二億八百七十五万円支弁されておるということは、まあ農業用が先に出ておるので農業用のほうが多いのだろうと思うのですが、二億八百七十五万円のうち挙げてあるのは揚水機、そのほかは災害復旧に貸付ける建設機械、こう書いてあるのですが、農業用が先に出ておるので農業用が多いと考えますが、大体どれだけのものを二億八百七十五万円のうち農業用として農林省所管でお使いになつていてそれは現在どういうように利用しておられるか、若しお手許に資料がありましたらば念のためにお聞きしたい。
  156. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 只今のお話で農林省関係のやつは大体一億三千七百万円になると思いますが、そのうち二千万円は九州の排水用のポンプ、たしか百三十台余り、それからあとは西日本及び和歌山の分としてブルトーザー、ダンプトラツク、シヨベル、トレーラー、こういうようなもの、トラツク、ブル各十七台、トレーラー、シヨベル各二台、一億一千七百万円そういうものを出しております。
  157. 石川清一

    ○石川清一君 具体的な問題を挙げて、若干私の意見もありますのでそれを含めて質問したいと思います。私も筑後川の流域を見て来たのですが、二カ所特に近い所で大多数の視察者が見て来た例を挙げますと、一つは朝倉郡の大福村でございます。一つは善導手でございますが、この二カ所は同じように筑後川の破堤で大きな被害を受けております。一方はレールを敷きましてプルトーザーで石をよせてどんどん復興を進めておる。今までの調子で行きますと今年中に復興が終るというように予想いたされます。ところが大福村は先日来委員長が言いますように復興に対する目鼻も付いておりません。共産党が入つて何か赤旗を立てておるようでございますが、こういうような所が同じような復興の速度で進めないといろいろな問題が更に起きて来るというようなことを予想をされます。その辺について先ず承りたい。  と同時にどこか向う岸でありましたか、河の中に十戸家がありましてそれが一品残つてあと全部洗出した。その河の中にある中洲地帯を復旧してくれ、農地を復旧してくれ、こういうように非常に強い要求がありまして、それらの人々は転職してそこをほかに出て行きたくないというような意見でありましたが、こういうようなことが単に筑後川の中洲地帯ばかりでなく上流においても復旧費が一反二十万円以上かかる、こういうような所に客土をするような、或いは大きな石を除けるような面でもあると思います。これは単に原形に復旧するというのではなく、別にそれだけの金額で、何か農林省の出す資金は一番安いものでも七分ぐらいの金利です、高いのは中金を経ましたのは一割二分もつくようなものもあるのでございますが、こういうような別に金庫でも作つて、一定の職業がきまるまで年金といいますか、或る程度その利子補給をして別に考えさして根本的にそれら河川或いは大きな地域に対しては別途に考慮するというようなお考えは持つておるかどうか、そういうようなことは考えずにやはり原形復旧の面でずつと行くか、こういう点についてお伺いいたしたい。
  158. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 筑後川筋の大福村、善導寺村のことは私も参りまして全く同様の感じを深くいたしました。ただ、この善導寺のほうはいわゆる筑後川の堤防の原形復旧が行けば大体いいということで、それとの関連においては別途の計画を立てる必要もなしに、ただやられた所を建直しをすればいいということで、ああいう機械が出て無論町長の指導力にもよると思いますけれども手際よく運んでおります。これは私も本当に涙の出るような思いをいたしました。片つ方は善導手よりも遥かに大きい区域に亙つて耕地がやられておる。全く同様の感じを深くいたしました。その後の経過はどうなつておるかわかりませんが、やはり問題は筑後川等の関係において計画がかなりあすこは面倒になつているというようなこともあるようです。いずれにいたしましても福岡の当局においても非常に食糧生産という上から行きますと大事な所でございますから県当局でも力を入れて頂いておりますし、まあ時期は善導等のほうが早くなつておりますけれども、少くとも来年の植付には間に合うようにやつて頂くように私からもお願いをいたしておるわけでございます。なお中洲地帯の僅かの所を復旧せよ、これは当然のことでございますしやらなければならんわけですけれども、ただこの筑後川の治水、河川計画がどういうふうになつておりますか、いやここに農地だからそういう手を付けることはならんと言つて頑張るわけにも行かんだろうと思います。これはやはり筑後川の治水という上から支障のない限りとにかく農地の原形復旧はいたさなければならない。最後のお話の点はこれはもう今農業共済の根本の問題と関連して参るので私どもも研究いたしておりますし、又両院におかれましても農業共済の根本検討をやるということになつておりますから御検討も願い、私ども又十分検討して行きたいと思います。
  159. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) まだありますか。
  160. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私ちよつと出席が遅れましたので、他の議員に対してお答えがあつたなら速記録で拝見しますからおつしやつて頂きた。  極く簡単に二点だけ伺いたいのですが、これは昨日一つは島村委員から質問したことなんですが、農林省でお出しになつた政令案、それから衆議院で決議されたことに基いて作られた政令案、いずれも拝見いたしましたが、島村君が昨日指摘しましたようにどうもつじつまの合わん点があるように思うのです。というのは、端的に申上げると、農地関係のほうはたい積土砂の排除についての特別措置法の施行令ですが、農道まで全部入つておりますね。ところが林業施設のほうはあらゆる法律の中で林業施設というのは勿論林道が入つておる。林道だけはこちらのほうのたい積土砂の排除に関する特別措置法は適用をしないで別の法律で行く、これは補助率が違うわけです。これは同じ趣旨だろうと思うのですが、農道と林道とを区別される理由、これはいわゆる確定案でないかもしれませんから今この案だけを本にして云々するのは早いかもしれませんが、若しそうだとすればその理由を聞かして頂きたい。  それからもう一つは多少細かくなつて恐縮なんですが、これもまだきまつたわけじやないだろうと思いますけれども、農林省において農地関係災害をいわゆる査定をされる場合に、従つてその指定地域基準を作られる場合に、稲の作付面積というものは非常に重点をおかれまして、稲のできないで例えば蔬菜類しかできないというような耕地については、これはもう基準外にしようというような御意見があるやに聞くのですけれども、今度の災害は平坦地と山間と両方ありまして、山間部は御承知のように殆んど稲はできないところが多い、蔬菜類だけを作つているというような耕地が多いのですが、この山村の人にとつてはこういう蔬菜がやはり生活を維持する上にどうしてもなければならない。米のほうはほかから持つて来るにしても日常いただく蔬菜類はやつぱり自分作つて賄うという建前で行かなければいけないわけですから、そういう蔬菜に関する耕地面積というようなものも被害面積として考えなければ実状に合わないのじやないかというような気がするのですけれども、そういう点は良林省のほうは今どういうふうにお考えになつているか、少しこの点を細かくなりますけれどもお伺いいたします。
  161. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 第一点につきましては、先ほどからも官房長から詳しくお答え申上げております。なお必要があれば官房長からお答え申上げます。  第二点につきましては、これは全くその通りで農地でございますから米を作る所だけが農地じやございませんし、これはもう当然に私どもは解釈いたしております。
  162. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 第一の点は、林道の分は崖くずれで林道がなくなつたか或いは林道の上に土が積つてなくなかつたかどつちかであります。土が積つている分はその上に林道をつけたほうがいいじやないか、こういうような考えからこの案には入れてないのであります。併し昨日御指摘ありましたのでなお研究さしておりますが、この点は実際の皆様方の御意見を更に拝聴したいと思います。  それから第二点はこの政令に農地とは耕作の目的に供されるものというので疑問の余と地はないと思います。
  163. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 他に御質疑はございませんか。…ないようでございますからこれを以て農林省関係の質疑を終ります。  続いて大蔵省関係の質疑に入ります。只今出席されている説明員は理財局資金課長稲田君、主計局主計官柏木君、大村君以上であります。御質疑のあるかたは願います。
  164. 松岡平市

    ○松岡平市君 これは極く事務的なことなんですが、この委員会のそもそもから絶えず柏木主計官などにはお願いしている例のつなぎ融資の問題です。今日なお地方ではつなぎ融資が不足だという声が非常に猛烈なんですが、これについての大蔵省としての御見解を一遍聞かして頂きたいと思います。
  165. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) お答えいたします。つなぎ資金につきましては、台風第二号から今まで九月十五日現在におきまして八十四億五千万円出しておるわけであります。これは災害関係だけでございます。そのほかにいわゆる財政調整資金といたしまして、これは普通の例年のやつでございますが、税収なり平衡交付金なりを見返りといたしましてつないでおりますのが二百四十億。八十四億五千万円の災害関係の繋ぎ融資の大体の数字を申上げますと、北海道におきましては台風第二号の分といたしまして五千万円、七月上旬の豪雨の関係といだしまして二億、七月下旬以降の分といたしまして二千万円、合せまして北海道が二億七千万円でございます。
  166. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  167. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。
  168. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) それから長野県が第二号分といたしまして三千五百万円、それから七月上旬が七千万円、合せまして一億五百万、それから新潟県が第二号分が四千五百万円そのままであります。富山が第二号分といたしまして……
  169. 松浦清一

    ○松浦清一君 そんなに修正しないで、変つたものがあれば修正したものを明日もらつたらどうです。
  170. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) よろしいですか……それでは松岡君のさつきの答弁を……。
  171. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) それで八十四億五千万円になつておりますが、そのほかに非常に不便な地帯が多いのでございまして報告洩れの分があると思いますが。そういう分につきましては報告の参つたものから主計局と相談いたしましてできるだけ早く調整しながら出して行きたいと、こう思います。
  172. 松岡平市

    ○松岡平市君 いや、私がお聞きしておるのは、大体八十四億五千万お出しになつていらつしやるが、地方からすれば府県当局も、殊に末端の市町村当局というものは復旧をしたいにも先ず第一にまあ予算措置が講ぜられぬという現状と、それがあつてもなくてもどんどんやるだけやらなければならん、そしてそれらのものをもう御承知のように建設関係におきましては応急復旧工事については全部査定を終つておる。農地関係については少くとも十万円以上の従来の単独災害外のものについては、これはまあ全国殆んど全部そうですが査定が終つておる。従つて旧そういうものについて急いで復旧工事をしなければならんが公共団体は資金を持たぬ。着手したいが繋ぎ融資を欲しておる、それで容易にもらえない。こういうことを言つておるんですが、すでに八十四億五千万出しておるからこれで十分足りるというお考えなのか。八十四億五千万という繋ぎ資金は、大体もう地方においてはこの災害のために消費し尽されておる。成るほど地方公共団体が更に資金が欲しいということは尤もだとお考えになるのか、その辺の御見解を明らかにして頂きたい、こういうことなんです。
  173. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) 八十四億五千万で十分とは考えておりませんが、一応被害額の報告が参りましてそれに対して公共災害としてどのくらいかということを主計局といたしまして査定をいたします。そしてそれに対しまして私のほうは今年度中に主計局がどれくらい事業ができるかという今年度の事業遂行計画といいますか、に対しまして大体七〇%見当を只今出しておるのでございますが、その基準になります被害額の報告が遅れたりいたしておりますので、そういう遅れておる分につきましては今後ともその標準に従いましてできるだけ早く出して行きたい、こう思つております。
  174. 松岡平市

    ○松岡平市君 今査定が済んだものについて七〇%は出しておるとおつしやるのはどういうことでございますか。八十四億五千万円というのがその七〇%に該当すると、こういうことでございますか。
  175. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) 只今報告に接しました被害額に対しまして、本年度施行の計画額に対しましてその国庫の補助を結局見返りにいたしまして、私のほうが七割だけ預金部資金から出しまして、或いは簡保資金も勿論政府資金として入るのでございますから、その七割見当をいわゆる政府の補助金に代えて出しておるわけでございます。
  176. 松岡平市

    ○松岡平市君 そうすると八十四億五千万円は本年度施行する工事の大体七割であるそうするとあと資金は三〇%しか余分はない。今年度施行される……あなたの今おつしやるのは多分土木災害、或いは農地の災害復旧に対する国が地方公共団体に補助をしてやる金のことだと思うのです。そうするとあとは明らかに非常に重要なことになつて来たわけですが、八十四億五千万円というのは大体大蔵省……どこが本年度分ときまつたのか、我々は承知いたしませんが、少くとも本年度施行する復旧工事の七〇%は八十四億五千万円に該当する、こういうふうにはつきりと了承してよろしうございますか。
  177. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) お答えいたしますが、只今報告に接しております被害額につきましては八十四億五千万円になつておるのであります。
  178. 松岡平市

    ○松岡平市君 査定をされた被害額の本年度施行分という言葉がついておるのですが、被害額をあなたのほうで調査査定された数字の被害額の七〇%なのか、そのうちで本年度施行分という言葉が一つつておるのですが、それがどういうことを意味するのかを明らかにして頂きたいと思います。
  179. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) お答えいたします。御承知のように繋ぎ融資は地方公共団体に対する繋ぎ融資でございまして、従つて繋ぎ融資の対象となります災害復旧費はやはり地方公共団体等が施行いたします公共事業費に対する分でございます。従つて本年度の災害復旧事業費が八十四億に見合つておる分だけかと申しますと、このほかにも直轄災害分とか或いはその他の団体等でやります分とかいろいろありますが、災害復旧費総額といたしましてはやはり相当多額のものに上る、こう御承知を願いたいと存じます。
  180. 松岡平市

    ○松岡平市君 そうすると私の聞きたいのは、地方公共団体への本年度事業分という言葉をおつしやるから、私たちは今報告されておる地方公共団体が施行する、つまり直轄事業外のそういうものの知られておる被害総額の七〇%がこれだけであるというのか、そうではなくて、何か知らんが本年度施行分という言葉が入つておるが、そのうちから本年度施行分というものを区切つてあるのかどうか、こういうことをお聞きしておるのです。
  181. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) お答えいたします。御承知のように災害対策予備費は本年度予算は百億円計上いたしております。ところが今日の災害におきまして災害額が多い関係でそれでは足らないと存じますが、幾ら補正予算で計上できますか目下研究中で、ここで数字を申上げることはできないのでございますが、只今稲田資金課長から本年度施行分と申しましたのは、現在のところこの程度のものは本年度やれるであろうという見通しのもとにこれだけの分は繋ぎ融資でやつても、その分の補助金は本年度出るであろうから、必ず年度内に償還できるという見通しのもとに繋ぎ融資というものを出すことにしたのであります。
  182. 松岡平市

    ○松岡平市君 その点はまだほかの委員からも御質問があると思いますので私はこれ以上申しませんが、繋ぎ融資については私たちも、その性質上、地方に補助金として地方公共団体が施行する事業に対してお出しになる資金を、予算が確定しないうちにお出しになつておるものだと了承しておりまするが、今までの質疑応答のうちにありましたが、例えば従来の土木災害単独災害というようなものもこれは地方公共団体でおやりなさい、その代りそういうものは起債を認めるとこういうことでありまして、そうして地方公共団体が将来起債に財源を求めるというものについては、これもこの繋ぎ融資を出し得る対象にはなるというふうに我々は説明を聞いて来ておるわけです。そうすると今おつしやつたのは、補助金をまあ今年はどうきまつてもこれだけは出し得るだろうというものの七〇%が八十四億五千万円といたしましても、今いうようにその中には地方公共団体が災害復旧のために行うであろう起債というようなものは全然見返りには入つておらんわけであります。で、その分が、単独災害等も相当今度は大きいので、地方公共団体が起債に仰ぐという資金相当莫大になつております。当然単独災害等についても、もつと五万円或いは三万円までの段階まで……農地についてはそういたしましたけれども土木災害等はそうしておらん。政府の御事情等も考えてそういうふうに我々は強く要望しなかつた、その代り起債は認める。こういうことになつて参りますと、実際の資金としては公共事業の補助金というものは今おつしやるように七〇%このように了承いたしまするけれども、そういう起債で財源を求めるというものが相当額あるということになりますれば、而も罹災町村地方公共団体はどんどん復興事業をやつて行つておる、これは事実でございます。将来それらは財源を起債に求め得ると、こう考えてやつておるわけであります。その分について大体あなたのほうはにらんでおられる。大体起債がどれくらいになるか、そのうちの例えば五〇%はこれに附加して繋ぎ融資を出さなきやならんとか、同じ率でそういうものについても七〇%出すとすればあと何十億は繋ぎ資金が出せる、或いは必要だ、こういうような数字は出ておるだろうと思いますが、その点についてはどういうふうにお考えになつていらつしやいますか。
  183. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) お答えいたします。八十四億五千万円のうちには起債前貸が二十三億入つております。それから国庫補助金の見返りといたしまして六十億四千万円、それから特別平衡交付金の見返りといたしまして九千万円となつております。
  184. 松岡平市

    ○松岡平市君 そうするとこういうことになつて参りますが、地方公共団体が災害復旧のために本年度内に施行するであろう、又予算もそれに対して大体裏付ができる金額というものの七〇%は約六十億だ、こういう数字になつて参りまするが、これは大蔵省ではさような財政規模と申しますか予算の見込で現在措置を進めつつある、こういうふうに我々了承せざるを得なくなつて参りますがそれでよろしうございますか。
  185. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) お答えいたします。六十億四千万円が七〇%であるということはその通りでございまして、大体その程度のものが今年度各地方団体に補助金として交付ができるであろうというふうに考えております。ただそれだけでおしまいかと言われますと、或いは財源等の都合もございますがもつともつとふえるかも知れません。只今のところはこの程度のものは少くも出せるのじやないかという見通しの下に繋ぎ融資のほうをやつております。
  186. 松岡平市

    ○松岡平市君 そういたしますと、只今聞くところによると六十億四千万、それから起債のほうには二十三億何千万、そうしてトータルにおいて八十四億五千万というものは、大体本年度いろいろな面から見て、まあこれは多少の入れ違いはありましようけれども、これから予算措置起債並びに補助金でするものの七〇%に達しておる。そうすると本年度内においては、大体今大蔵省のほうでは繋ぎ資金として幾ら急いで出してみてもこの会計年度内にはあと三〇%、計算をしてみますと僅かな金になるわけですが、それだけしか少くとも現在の皆様方の財政をいろいろ見ていらつしやるところでは地方公共団体には出す金はないだろう、起債と共に合せて。そういうふうに了解せざるを得なくなりますが、さようでございますか。
  187. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) 起債前貸のほうは二十三億になつておりますが、この災害分の起債の枠といたしまして、現年度災害分として、これは繋ぎでありませんで長期の起債の枠でございますが、これが二十五億ございます。それからいわゆる……
  188. 松岡平市

    ○松岡平市君 これは現在の予算ですね。
  189. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) はあ、さようでございます。それでそのほかに単独災害の分として七十五億でございますが、これは過年度災害の分も含んでおりますので、今年度分として大体二十五億予定できるのじやないか、そういたしますと、合せまして五十億の枠がございまするので、起債前貸の分といたしまして現行の予算のもとにおきましてはもう二十七億出る予定でございます6
  190. 永岡光治

    ○永岡光治君 只今の説明によりますと、国庫補助の対象になるものが、現在報告されておるものから見れば大体六十億がその七〇%に当る、こういうような説明ですが、もう一回確認しますがそういうことでよろしうございますか。
  191. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 御説明いたします。本年度大体補助金を出し得る金り七割が六十億である、その出し得る金が目下のところは大体見通しがついているのでございまして、今後それを幾らふやし得るかどうかは今後の推移によつて……
  192. 永岡光治

    ○永岡光治君 出し得る金は予算上から見てこの程度というのですか、実際の補助をしなければならない、つまりこの特例法を以て適用する考えである、これだけ補助しなければならん額、そういうものを考えて本年度分この程度やらなければならんという意味で考えた額なんですか、どちらなんですか。
  193. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 現在の予算が百億円であることは先ほど申上げましたが、今後の補正予算等で追加し得る分を考えますと少くもこれだけは出せると、これ以上は幾ら出せるか、今後研究いたしたいと思います。
  194. 永岡光治

    ○永岡光治君 わかりました。そうするとこちらで想像いたしまして、大蔵当局はあと予算はこの程度しか組めないだろうという予想の下に、この程度は先ず安全だという逆算における七〇%と解釈するわけですね。
  195. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 大体これくらいの補助金は十分出し得るであろうというふうに考えております。
  196. 永岡光治

    ○永岡光治君 これだけの財源はある、こういうのですね。
  197. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) さようでございます。
  198. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  199. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を始めて下さい。
  200. 永岡光治

    ○永岡光治君 先ほど現在までに報告されているということを冒頭につけておりますが、その報告というのは今年度内にこの程度ならば十分地方としてやれるという、今年度やりたい分がこれだけだという報告ですか、それはどういう報告ですか。
  201. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 各県より各省を通じまして頂きました、いわゆる被害報告額の金額より推定いたしましてボ年度復旧できる分と、こちらとして復旧できるという財源の見通しがつく分を考慮いたしまして計算いたしました。
  202. 永岡光治

    ○永岡光治君 それでは各省を通じて報告されておる総額は幾らになつておりますか。
  203. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 約千四百億円かと思います。
  204. 永岡光治

    ○永岡光治君 その千四百億を考え更に財源を考えて、先ほど六十億というのが七〇%に相当すると、こういう結論を出した、こういうことですね。
  205. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) さようでございます。
  206. 永井純一郎

    永井純一郎君 それはあれですか、三、五、二の比率ではないですね、本年度は全体で幾らになるのです。
  207. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 三、五、二という比率でできるかどうか相当困難があるのではないかと思います。
  208. 永井純一郎

    永井純一郎君 もう少しく今まで柏木君が言われた数字を整理したいのですが、今出ておるこの繋ぎ資金のうち六十億が大体本年度の復旧費の七割に当つておるということと、それは三、五、二というような比率ではないのであつてただ金額だけが計画として出ておるということが一つと、それから災害予備費のほうの百億のうちから農林省だの建設省で使つておる直轄事業で出ておるのが四十五億、補助に出しておるのが九億程度、ラウンド・ナンバーで大体その程度ということですね。大体その二つですね。そうすると本年度あなたのほうで予定しておる財源というものは結局幾ら見ているのですか。この水害対策の財源として見られるものは恐らく百億そこそこですね、予備費の残りと両方で。それをちよつと言つて下さい。
  209. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 六十億が七〇%といたしますと恐らく八十六億くらいになるかと思います。今まで出しておりますのが四十五億ありますから差引五十五億の予算の残額がございますが、これを充当いたしましてもなお三十一億円不足する。このほかに直轄災害の今後の工事分があります。いろいろ事業もありますがそれがどれくらいになりますかはこれからよく研究いたしたいと思いますが、とにかく八十六億円を出せば少くとも三十何億というものは不足するということはたしかでございます。
  210. 永井純一郎

    永井純一郎君 そうではないのでしよう。八十六億というものは直轄事業以外の地方公共団体がやる補助事業の本年度分でしよう。ですから八十六億はまるまる八十六億であつて災害予備費の残りの五十億というものは直轄事業をのけた残りでしよう。ですから八十六億にこの百億円の残りを財源に充てるだけに考えているのですか。私が言うのはそうではなく八十六億は八十六億でやつて、他に財源を求めて……
  211. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) さようではございません。五十五億の予算残から八十六億のほうに充当いたします。
  212. 永井純一郎

    永井純一郎君 そうすると、あと三十億くらいしか残つていない。
  213. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 逆でございます。
  214. 永井純一郎

    永井純一郎君 三十億足りないということですね。
  215. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 少くとも三十数億は補正を要する。
  216. 永井純一郎

    永井純一郎君 そうすると、あなたのほうの事務的な考えでは結局本年度の分、補助事業としての補助分が八十六億だということですね。
  217. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 先ほど申上げましたように八十六億円は少くとも確保できるだろう、これだけではない、幾らふやし得るかは今後も研究いたしたいということを申上げたのであります。
  218. 永井純一郎

    永井純一郎君 そうすると先ず八十六億は確実に財源措置ができる、あと各省の査定が確定してそれに対する復旧の数字が出て来たならば八十六億の外に勿論なるのだが、それはできるだけ研究して財源をこれから見つける、こういうことですね。
  219. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) さようでございます。
  220. 永井純一郎

    永井純一郎君 その場合に今あなたのほうで事務的にどの程度財源措置ができる見通しか、これは副総理は繰越金というようなものと自然増というようなものが何がしかあると言つておるが、あなたのほうでは事務的にどの程度災害に廻し得る財源があると今見ていますか。
  221. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) そういう予算全体の数字になりますと私詳しく存じませんが、或いは主計局長なり主計局次長からお答えしたいと思います。
  222. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 私、柏木主計官にお伺いしますが、八十六億程度復旧事業をやれば三十一億くらい足らなくなるけれども何とかそのくらいのやりくりはできそうだ、こういう観点から国庫補助分の見返りとして六十億四千万程度出した、こういう決定は一体誰がしたのですか。
  223. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 繋ぎ融資をいたします場合にはやはり大臣に決裁をとつております。
  224. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) では重ねて伺いますが、被害額と可能な見込のある復旧事業量というものから割出した今あなたの言つたこの結論というものは、西日本災害対策中央本部の決定に基いてのことですか。それで間違いありませんか。
  225. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 詳しくは存じませんが、繋ぎ融資の金額の決定はたしか大蔵大臣がやつておられるのです。その結果を災害対策本部へ通報いたしております。
  226. 永井純一郎

    永井純一郎君 関連して資金課長にもう一つお尋ねしておきたいのだが、こういうことに方針としては政府行つておるのですね。大体その数字は今わかつたが、今後査定が終つて復旧するものについては、国会が非常に遅れますから、その間繋ぎ資金を出して行くということを言つておる。その話と今のあなた方の説明と食い違うわけだが、今後補正予算がきまるまでの繋ぎは更に復旧事業を進めるために資金を出して行くと、こう言つておるが、それは幾らでも出せるのですよ、繋ぎの間ですから。すでに使つてしまつてない、残りがどのくらいあるか、どの程度まで水害のために繋ぎに出せる枠というものが、預金部資金と簡保の積立金から出す分はどのくらいあるのですか。
  227. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) これはいわゆる現金なんであります。一応起債の出方を申上げますと、大体長期の起債は第四・四半期に主に出るのでございますが、出すまでは初めは起債前貸で行つておりまして、仕事の進捗状況に応じて金が出るものでありますから前貸前貸と行つておりまして、第四四半期にこれを一本にいたしまして長期債として起債にいたします。そうでございますから第二・四半期、第三・四半期にはその余裕があるので、ございましてその金が出て参つております。三カ月三カ月で短期を切替え切替え行くわけであります。転がして行くわけであります。只今申上げましたが、いわゆる普通の財政資金といたしまして、財政の繋ぎといたしまして二百億……
  228. 永井純一郎

    永井純一郎君 今出ている……
  229. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) はあ、これはもう普通の財政調整金でございます。地方財政がどうしても年度の当初にはわかりませんし、平衡交付金は第四回にだけ出ますのでその関係でどうしても少くならざるを得ない。これを調整資金と我々申しておりますが、これは二百四十億、それに災害関係八十億でございます。
  230. 永井純一郎

    永井純一郎君 今後の…
  231. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) 今後の問題といたしましては、年度内に償還をさせて頂きますれば、いわゆる流動資産といたしまして現金と食糧証券をその必要の都度売払いまして出して行きたいと思つております。
  232. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういう予算がきまるまでの繋ぎの短期のやつは相当三百億でも四百億でも出せるのですか、還つてさえ来れば。
  233. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) 還つて来ますれば、その時期のあれがありますが、要するに余り多く出ますと、今度起債の前貸のほうが減る恰好になります。そのかね合いがございますが、必要な資金をどうしても作らなければいけないということになりますと、今三百億出しておりますがもう百億ぐらい出ると思います。なおそれは査定いたしまして御報告申上げたいと思います。
  234. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 大蔵省主計局次長が出席されました。
  235. 永井純一郎

    永井純一郎君 今百億程度しかあと廻せないような答弁でありましたが、私は資金関係を見てもそれ以上のものがまだ廻せる余裕があると見ておりますが……。
  236. 稲田耕作

    説明員(稲田耕作君) それはまだ余裕はございますが、ただ御承知のように郵便貯金、簡保、厚生年金、その拙いわゆる原資としてお預かりしておりますこの期限前払戻しのために、余裕金として或る程度見て行かないといけません。そういう点を配慮して百億をみたのであります。大体現金が最近バランス・シートが九十億、食糧証券は二百五十億か六十億でございます。それで起債前貸といいますか期限前払戻しが百億程度でございます。
  237. 松岡平市

    ○松岡平市君 主計局次長が参られましたが先ほどおつしやつたように極く最近に御就任になつたばかりであつて、数字等についてはここでお尋ねすることは困難かと思うのでありますが、先ほど来私は両主計官に質問いたしまして明らかになつたことは、まあ本年度内に先ほど話を聞いておると、地方公共団体の起債分としてはまだ半分五〇%近く或いは越すかと思いますが、五十億のうちその二十三億何十万円であるから約五〇%、そうではなしに国の繋ぎ融資と公共土木、農地復旧等の補助金としては六十億そこそこの金が、大体本年度内に施行せしめ得る予算措置を講じ得るトータルの七〇%、こういうような説明を一応事務当局からお聞きしたわけであります。私は実は、現在すでに各地方公共団体で予算もきまらないしするが仕事をやらなければならんが、繋ぎ融資はいやだ、利息もおびただしくなつ地方の財政を圧迫するから、できれば概算前払にしたい、が併しそれができないにしてもあと起債を認めてもらえるならば同じことだから繋ぎ融資でもよろしい、一日も速かに相当金が要るという要望が非常に強く今あるわけであります。でところが今お聞きするところによると、あるものはもう大体本年度内に出し得る金の七〇%を出してしまつておる、それから起債の分についても約五〇%近く出しておるということでありますと、フルに出したといたしましてもその金額は僅かなものである。恐らくこの広範囲に亙る被害、各府県地方公共団体の現在施行しつつある復旧事業を賄うための融資というようなものはとてもこれは出そうもない。私は実は或る府県について更に繋ぎ融資を要求したところが、もうその県には出せるだけ出してしまつてある、それより以上は融資は出せないのだ、こういうような大蔵省のまあ責任のある言葉ではないかも知れませんが、そういうこともあつた。而もそれは非常な大きな災害県であつて、そうして十月は九月よりも十一月は十月よりも更に資金的に枯渇を来たしている。そうして応急の復旧事業はどんどんやつて行かなければならん。そうしなければどうにも恰好がつかないというようなことであるが、今までもらつている融資で一ぱいだ、こういうふうな例もあるやに聞き及んでおりますが、そういうことになれば大変な事態だと、こう思うのであります。一体どういうふうなことで、事務当局が六十億は本年度内にやる地方公共団体に対する補助金としてやり得る予算の七〇%である、二十三億何千万円は大体予定されている起債の枠の半額に近いのだというようなことになるのか、その辺のところをおわかりになる程度で結構ですから、我々が了承できるように一つ説明を願いたいと思います。
  238. 原純夫

    説明員(原純夫君) お答えいたしますには、補正予算を前にいたしまして、私どもがどんなふうにこの財政全般のバランスを考えておるかということを申上げることが必要であろうと思うのであります。今朝ほど御質問及びそれに対するお答えで明らかになりましたように、この補正予算の財源といたしましては、租税の自然増収先ず百五十億というものが確実に見込まれますほかは、前年度剰余金の使用はその節申しました通り例年のことでない。つまり例年ならば二十九年度に廻して使いますものを繰上げて使うとして、それが財源になるというようなことでございます。すでに成立いたしております本予算が御存じの通り九千六百五十億ということでございますので、この両者を合せまして約一兆円というその大関門に丁度すれすれの所に来るわけでありますが、財源といたしましてもそんなようなことであり、かたがたこの経済全般が、財政の模様も入れまして御存じの通りかなりに将来の安定度というようなことに疑問を持たすというような現実に立至つておるのに考えまして、その国民経済を安定した形で、而も延して参るというようなことにするためには、この一兆円の関門というものは軽々に抜いてよいものではないと我々確信いたしておりますので、財源の関係及び総枠の関係からその程度で是非賄つて参りたいというふうに大きく考えておるわけであります。  さて、然らばこの三百四、五十億という枠に如何なる追加歳出の要求があるかと申しますと、すでに御存じの通り義務教育の国庫負担金におきまして、富裕府県に対する分を減して参りたいということが、先般の国会でそうは行かないということに相成りましたために、これで五十億近くの追加歳出が必要になる。それからこの農業保険が作柄の状況等をうつしまして相当資金が不足する。これを何とでもしてみてやらなければならないものがやはり三、四十億ございます。それに御存じの食糧管理特別会計への繰入れ、つまり先般の八百円のうち二分の一、四百円を繰入れますための所要額が、供出数量によつてつて参るわけでございますが、先ず百億円近くは要るのではないかというふうに考えられます。その他いろいろ細かいものはございます。以前の払戻は予算がなくてできないというようなことにもなつて来ておるというようなことも加えまして、かなりに只今の三百五十のうち二百三、四十億というようなものが只今申上げましたような項目で上つて来てしまう。一方災害復旧におきましてはいろいろ御要望があり、又先般の国会で御議決になりました法案もございます。これらの所要総額というものはすでにそれだけで二百数十億に達しております。尤もそのうち一部はまだ残しております災害関係の予備費で賄うことができるわけでありますが、それを除きましてももう二百億見当はある。先ほど申しました歳出の余裕が、三百四、五十から二百四、五十を引きましてまあ百億見当ということになりますと、それに圧縮するということは非常にむずかしいことに相成るわけであります。なおその上に政府といたしましては、人事院の勧告で先般ございました公務員給与改訂というものについても何らかの結論を出さなければならない。これの財政負担を人事院勧告通りに弾きますと、非常に大きい三、四百億というような数字がすぐ出て参るのであります。そういうような数字を前にして只今これをどういうふうにするか、先ほど申しました国民経済一般の様子を考え、且つ財源を考えた前提で補益予算をどうやつて原案をまとめるかということについて、非常に苦慮いたしておるわけなのであります。そういうようなわけで只今御質問のありました繋ぎ融資のうち国庫補助の見通しを立てて、それのいわばうらはらとして出しております分の高というようなものが判断されるわけなんでございますが、私どもといたしましてそういうような前提の数字を一方に持つて考えておりますので、繋ぎ融資の只今までの出方、出た金額というものが、これであと少しも出ないということは言いかねるということは今朝申上げた通りでありますが、同時に余裕が非常にあるということじやなくて、もうほぼいわばそういう意味の限度にかなり近く来ておるということを申上げたわけであります。大変財政全般が窮屈なしぶい話で恐縮でありますが、御了察願いたいと思います。
  239. 永井純一郎

    永井純一郎君 速記をとめてもらいたいのです。
  240. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  241. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記を起して下さい。原主計局次長以下に対する質疑は一応これを以て打切ります。なお、緒方副総理の出席を委員会として要求してありますが、副総理が出席される前にお諮り申上げたいことがございます。  本朝理事会を開催した結果を御報告申上げます。各省関係の質疑を一応終りましたので、政令の検討をやつて委員会としての一つの結論を得たい。その基本的な方針は、政府の現在草案として持つておるもの、並びに先般衆議院の特別委員会で決議されたもの、これらを参考として参議院は飽くまでも自主的な立場において審議をして行く。第二点といたしまして審議の便宜上二つの小委員会を設けて審議をする、その二つの小委員会目的は政令の基準等に関する検討と、更に先般の視察団の報告に基く要望事項を取りまとめる、この二つを主要の目的とすること。なおその各小委員会の結論は明日の十二時を目途に作業を進める。以上のことを理事会で申合せましたので、御承認願います。  以上の理事会の結果に基いてお諮りいたします。水害関係特例法に関する政令案を審議するため、二つの小委員会即ち農林、水産、通産、運輸、通信関係法律の政令に関する小委員会と、建設、文部、厚生、労働、地方行政関係法律の政令に関する小委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  242. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないと認めさよう決定いたしました。  それでは次に、小委員会の小委員の数と小委員及び小委員長の選定は如何いたしましようか。
  243. 永岡光治

    ○永岡光治君 私は、只今の二つの小委員会の4委員の数はそれぞれ十二名といたしまして、おのおのの小言及び小委員長の選定は、成規の手続を省略いたしまして委員長の指名によられんことの動議を提出いたします。
  244. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 只今の永岡君提出の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  245. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 御異議ないと認めます。  それでは農林、水産、通産、運輸、通信関係法律の政令に関する小委員の数は十二名とし、小委員に藤野繁雄君、島村軍次君、山田節男君、小野義夫君、重政庸徳君、堀末治君、北勝太郎君、新谷寅三郎君、白井勇君、松浦清一君、石川清一君、杉原荒太君を指名し、小委員長に藤野繁雄君を指名いたします。  次に、建設、文部、厚生、労働、地方行政関係法律の政令に関する小委員の数は十二名とし、小委員に永岡光治君、剱木亨弘君、高野一夫君、谷口弥三郎君、徳川頼貞君、松岡平市君、高木正夫君、林了君、安部キミ子君、永井純一郎君、寺木廣作君、鈴木張平君を指名し、小委員長永井純一郎君を指名いたします。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  246. 矢嶋三義

    委員長矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。  本日はこれを以て散会いたします。    午後五時五分散会