○林了君 この頃、前内閣時代から大変
医療行政のことにつきまして特に
熱意を以て当
つていらつしやる
山縣大臣には非常に敬意と尊敬をしておるのでありますが、先ほどから
廣瀬委員から
お話がありました中に、
社会保障の問題の中で、
大臣は、いろいろ
厚生福祉或いは
社会福祉、
公衆衛生、或いは
国家補助の点がありますが、特に、
社会保険の面、
医療保険の面が主であるということを言われましたが、全く私たちも同感でありまして、この点につきまして、一昨年の末に、前
大臣でありました橋本厚相時代に、
全国で
医療費の問題から発端いたしまして、適正なるところの診療費というものはどこにあるかというふうな問題で、かなり問題を起しました。そして、その後に
審議会ができまして、そこで、いろいろ研究立案をいたして
大臣に
答申をするということにな
つておりましたが、前の国会で、ここにおられる
堂森委員長が、当時
委員といたしまして、単価の問題については
如何かということについての
質問がありましたときに、
大臣は、臨時
医療保険
審議会でそれをや
つているからという話で、極めて簡単に答えられたようであります。併し今日この臨時
医療保険
審議会が、まだ選挙或いはその他の事情によりまして、一応ここで延ばそうという話でありましたが、もう済みましてからニカ月近くにもな
つておるのにかかわらず、これが開かれておらないという問題につきまして、先ず
大臣はどういうふうにこれを持
つて行こうとされておるお気持がおありになるか、これを先ず第一点伺いたい。
そしてその中におきまして、いろいろ細かい問題ではありまするが、一応単価の問題が一昨年末に決定いたしました際に、その翌年の丁度七月頃でありましたか、
厚生省の幹部の中で、あの単価の引上げは、
医療関係者は満足しておるようであるということを或る席上で言われたのでありまするが、誠に、こういう
考えが、今でもそういうことを思
つておられるのかどうか。これを私は先ず伺いたい。それから、単価問題についてはどういうふうに
大臣はお
考えにな
つていらつしやるか。
それから次の問題は、単価の問題が
解決しない、要するに、
財政の点で苦しいから、この点では、天秤にかけて税で補うのがいいだろうというふうな、当時池田
大蔵大臣の言葉もあり、そうして
厚生大臣と相談の結果、あの税の点で軽減を見たのでありますが、これも二月の十一日の閣議でありましたか、
大蔵当局との話合の結果、税率をきめるという問題については、どうもこれは妥当じやないということから、本年限りというような問題がそこできまつたそうであります。これについて、税の問題は
大蔵省の
所管ではありまするが、一応
厚生行政を
推進させるという
意味から、若しこれの保険経済が許さんというようなことがあるならば、何かこれで消極的な
方法で、税の面でも
考えて行かなければならない事態になるのではなかろうか、こう思いますが、過日も緑風会の豊田議員から、中小企業者に対する減税の問題をとり上げておりますが、とにかく現在の
社会保険は中小企業者と同じようなものである、公共性があるというようなことがそういうふうにさせておるということについての、先ず
大臣はこれをどういうふうに持
つて行つて頂けるか、そのお
考えを伺いたいという問題と、それからもう
一つの問題は、現在の
社会保険そのものの
考え方が、これが
医療の、治療の最低基準を守るという
考え方が、医学の進歩をそこねておる、そして果してこの医学の進歩を、特に我々のほうで言いますと、これは医師もそうでありますが、特に歯科の
医療は、これは形が違いますので、この点で、若しそういう
考えをお持ちにな
つていらつしやるかどうかという
考え、それを
一つ伺いたい。最低の基準を守ることであるということの私は定義が、果してそれに賛成をされておるかどうか、この点を伺いたい。
それから次には、
医療の
内容が違いますので、我々の
医療は義手義足のようなものに似ておるのであります。それに
従つて、そういう点につきまして、いろいろな稼働の問題、或いは又細かいことになりまするが、この単価の問題につきましても、必ずしも医師或いは歯科医師が同じであるということが私は言えなくともよろしいのじやないか。この点についてのお
考えがどうであるか、医学の進歩をその中に認めなければならんかという
考えにおいて
一つ伺いたい。
それからもう
一つは、そういうふうな医学、医術の、殊に治療の最低の基準を守ることであるということからきめられたものでありまするから、当然診療報酬も最低であるということのために、我々の資本の蓄積、即ち
施設の
改善ができないということで、昨年末、大変に
大臣には御厄仁になりまして、融資の問題をお願いいたしましたところが、これには全くお力をお貸し頂きまして、五億の金が今年
予算に入
つております。この問題につきまして、取りあえず、まあ五億ということでありまするが、我々五億を要求いたしましたのは、赤十字社、或いは済生会、或いは
全国厚生農業協同組合、これが、赤十字社、済生会は特に建前が無税でもありまするし、あのような大きな力を擁してさえも今日
施設改善ができない。我々これは民間開業医、私的
医療機関は、このため誠に苦しんでおります。そのために、五億の金で果して医師、歯科医師、或いに赤十字社、済生会、
全国厚生農業協同組合、或いは病院協会等の、この大きな団体、或いは大きな人数の人に、どれだけのことができるかということになりますれば、誠にこれも心細い次第であります。これに対しましては、伺うところによりますと、
厚生省も大変に御心配頂いておりまするし、又、六団体こぞ
つてや
つておりまするが、将来におけるところの、我々の要求いたしました
医療金融公庫というようなものを創設して頂きたいという問題に対して、
大臣のお
考えを是非ともここでお伺いいたしたい。
それから、最後に、私はここで専門家といたしまして申上げたいのでありまするが、欧米諸国に旅行いたしましたかたがたはよくおわかりと思いますが、
日本の歯科の
医療は、中国と
日本とが先ず
世界で一番低いのじやなかろうか、こう
考えるのであります。この点を、我々が文化
国家を建設するのであるというのであれば、どうしても引上げなければならんところの事態に今遭遇しておるのでありまするが、こういう点に関しまして
予算の点では一応母子衛生、歯科衛生あたりは大変に増額をしてここに見積
つてありますけれども、そのほかの全般的な問題に対しましても、もう少し
大臣の力を頂きまして、この
充実発展をさせて頂きたい。
それから先ほど山下
委員から
行政簡素化或いは
行政機構の改革をもつとしたらどうかと、留意をして大いにこの点を
考えてくれという要望がございましたが、私はこの点につきまして、
地方財政の
関係も勿論ございましようが、
全国的に歯科の
機関なり、歯科の専門のものを各都道府県に設置するようなことにお願いいたしまして、この遅れておるところの歯科衛生を、是非ともこの際私はこの明快なる、或いは非常に手腕力量の高い
山縣大臣の御在任中に是非ともお願いしたい。私の以上の見解を御
質問申上げて
大臣の御答弁を頂きたい、こう思います。