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1953-07-07 第16回国会 参議院 建設委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月七日(火曜日)    午後二時二十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石川 清一君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            石坂 豊一君            小沢久太郎君            鹿島守之助君            赤木 正雄君            江田 三郎君           小笠原二三男君            近藤 信一君            田中  一君   衆議院議員            瀬戸山三男君   政府委員    建設政務次官  南  好雄君    建設省住宅局長 師岡健四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   説明員    建設省住宅局住    宅企画課長   前田 光嘉君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○産業労働者住宅資金融通法案(内閣  提出衆議院送付) ○北海道防寒住宅建設等促進法案(衆  議院提出)   —————————————
  2. 石川清一

    委員長石川清一君) 只今より委員会を開会いたします。  昨日に引続いて北海道防寒住宅建設等促進法案並びに産業労働者住宅資金融通法案の質疑をお願い申します。……それでは北海道防寒住宅建設等促進法案について総括質問をお願いします。
  3. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大変素朴なところから御意見を承わりたいと思うのですが、提案理由説明の中に、他の地方とは全く異つた自然的條件にあるから特に北海道地域限つてこういう特別立法をしなければならんという意向のようでありますが、青森県の北部と北海道の南部と全く異つた自然的條件になつているとお考えでございますか。
  4. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 極めてむずかしい、素朴的じやなくて非常に科学的な御質問でありますが、全く異つたというほどではございません。ここに寒冷が甚だしいということを申しておりますが、まあ主として自然的條件としては寒冷の問題を取上げております。そこでまあどのくらい寒冷度が違うかということがここに問題になるわけでありますが、気象台の統計と申しますか、その資料によりますれば、全国寒冷度統計があるわけでありますが、数字を以て申上げると、寒冷度統計の指数の二十九度以上が全部北海道になつております。それからまだ北海道地域に、二十六度以上は全部北海道になつておりますが、青森は別でありますけれども、二十八年度というのが軽井沢の地域が入つております。これはまあ一部分でありますが、それ以下が青森かその他の地方になる、こういうところが寒冷度においての北海道特殊事情、こういうことになつておりますが、ここに説明自然的條件と簡単に申しておりますけれども、全体的に御説明を申上げましたように、寒冷度の点と例の特別なる未開発の厖大なる日本の領域である、まあこういうことを申上げておるのであります。
  5. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この法案の件名は北海道というふうにもう限定されておりますが、今のような考え方から青森等の一部の地域限つてそうして欲しいという希望や期待がその地方から起つて来ました場合には、この法の適用によつて、その地域が拡大されて行くというようなことが仮にあるとするならば、提案者或いは提案者の属する会派等はそういうことに御賛成でございますか。又建設当局はそういうことも自然的條件北海道類似のものであるという御認定になつた場合には、そうするほうが望ましいというふうにお考えでございますか、この点両者に承わつておきます。
  6. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 現在の提案者気持としては、ここに法案にも書いてありますように、北海道地域限つておるわけであります。併し昨日も申上げましたように、北海道地域以外は全然こういうふうな趣旨のものが不必要である、かようには考えておりません。ただ寒冷度の問題だけを申上げると、今のような状態になりまするけれども、この法律の主たる目的は、昨日も申上げましたように北海道開発法によつて特別にこの地域を開発いたし、そうして日本の領土の資源をできるだけ最高度に利用いたしたい、と同時に北海道は御承知のように非常に広大な地域でありますが、人口から申すと四百三十万そこそこの人口しかおらない。そこを開発するにはもう少し日本人口問題から申してもここに多くの人を定住させる必要がある。それには最も悪條件になつておる寒冷度と、それから住宅が現在の状態においては非常に不適当である、これを改良して、できるだけ多くの人が安住の地と申しますか、永住し得る状況作つてやらなければならん、こういう考え方北海道に特別な法律をかように提案いたしておるわけであります。それと同時に、法案の内容にあります通りに、特に北海道においては木造住宅を、少くとも金融公庫を通じて出す資金においては建てない、こういう一つの制限もこの法案にはあるのでございまして、他の地方に直ちにこれを適用して、それでその地方全体について適切であるかどうかということは、今日の状態においては必ずしも適切でない。従つて受入れ状態自然的状況、その他の状況によつてここで直ちにこれを他の地域に及ぼすということは必ずしも適当でない。将来の状況が変つて来れば別でありますけれども、そういう考え提案をいたしておるのであります。
  7. 南好雄

    政府委員南好雄君) 今小笠原委員の御質問になりましたこの種の法律がないというふうの御質問であります。建設当局といたしましては昨日も申上げましたのですが、御承知通り北海直特殊性というものを考えておりまする結果、そういう法案につきましては政府として反対しない、こういう立場をとつております。
  8. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 次にお伺いしますか、防寒目的とする住宅建設不燃性防寒住宅としなければならないということでございますが、どういうこれは関連があるのですか。
  9. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 必ずしも不燃性でなくても防寒住宅はできるりであります。この法案の中にも第二係の第一項第三号でありますか、これに防寒改修ということを挙げておりますが、防寒改修は、現在の木造建物改修をしていわゆる防寒的な建物にする、こういう意味のものでありますが、少くとも将来いろいろ防寒住宅を建てるときには北海道庁でも研究をいたしておりますが、結局不燃質の材料を以て住宅を建てる、これが従つて防寒になる、まあ両方兼ねておる、こういう意味であります。これは防寒ということを何しておりますが、御承知のように日本家屋は非常に火災に弱いというのが、これはもう日本全国の問題となつておるわけでありますが、防寒住宅を建てる方法が従つて耐火構造になる、こういうことでありますので、この際防寒住宅不燃簡易耐火構造にする、又耐火構造は勿論防寒住宅になるわけでありますが、そういう気持で立案いたしておるわけであります。
  10. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 北海道居住家屋をほしいと希望する一般住民が、一挙に不燃性防寒住宅ということを希望するのか、先ず先ず防寒ということを主たる目的とした住宅資金希望するのか、この点は私にはわかりません。それで一挙に不燃性であり又防寒であるという根本的に最もいい最高の住宅希望するということはわかるにはわかりますが、現実の問題として、北海道の個々の道民の方々の資金能力等からいつて適当なものであるかどうかという御研究があろうと思いますので、御意見をお聞かせ願いたいと思います。
  11. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 最も適切な御質問だと思います。その点も勿論考えました。実際ここに法案に掲げておりますような住宅に限る、少くとも金融公庫を通じて貸す、融資する資金においてはそうだということについて、北海道住民住宅の面で非常な支障を来しはしないか、こういうことは当然懸念されるところであります。そこで御承知のように北海道住宅建設費は、他の内地と申しますか、他の地区よりか建築単価が相当に高くなつております。金融公庫標準単価を見ましても、木造で大体三万三千円、他の地方ではそれよりか下廻つておる、東京がやはり同じ甲号地でありますけれども、はつきり覚えませんけれども、二万八千円ぐらいになつております。そういうことで、ここに一例を挙げてわかりやすく申上げますと、仮に十五坪の住宅を建てる、木造で建てた場合と、ここに今お尋ねの簡易耐火構造を例にとつてありますが、木造の場合には融資は八割ということになつております。それが簡易耐火構造の場合は八割五分ということになつておりますが、これを十五坪の家を建てるという実例を申上げますと、簡易耐火構造標準単価が四万五千円、昨日も政府説明しておりましたが、そういうふうに相成つておりますので、それを計算をいたしてみますれば、十五坪の住宅木造の場合は例の頭金が九万九千円ということになります。それから簡易耐火構造、いわゆる耐寒住宅でありますが、これによると頭金が十万一千二百五十円、こういうふうに多少の頭金の差があるわけであります。そこで償還計算をして見ますれば、その同じ十五坪の家で、木造住宅では御承知のように償還の金額は当初が一番多いのでありますが、当初の月額は三千六百五十五円、簡易耐火構造防寒住宅では、それがこの法案では五年間特に延長することになつております。償還期限を当初の月額が四千二百三十三円、結局月額において簡易耐火構造防寒住宅は五百七十八円の当初の月における負担増になつておる、そこでこの提案理由にも申上げておりましたように、北海道の、特に寒冷のためにいわゆる採煖費と申しますか、石炭代と申しますか、それが一冬約三トンの石炭を要するというのが常識でありますが、簡易耐火構造防寒住宅では三分の一、少く見積つても二分の一の石炭によつて採煖ができる、こういうことから燃料費節約計算して見ますると、一冬に約一トンの節約ができる、それは多くの実例があるそうであります。そこで月大体六百六十七円の石炭費節約ができる。先ほど申上げましたように、当初の月額における負担増と今の採煖石炭費負担減とを差引きますと、実質的には非常に細かい計算でありますが、八十九円の負担減になる。まあ生活費の軽減が八十九円の減になる、こういう細かい研究をいたしておるのであります。  そこで簡易耐火構造、いわゆる防寒住宅としますと、木造建築をすると、当初の枕金、それからあとの償還金、それから生活費の中の大きな部分を占めております採煖費、これを全部計算いたしますれば、よい住宅を建てて、そうして住みよい住宅を建てて、生活費といいますか、経費が少くなる、こういう研究になつておりますので、住民としてむしろさつき言われたように、住みよい、いい家を建てて却つていい、こういうことを考えておるのであります。
  12. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは不燃性防寒住宅というのは、一般内地で建てている不燃性住宅というものと構造その他が特に違つて、それによつてこの単価が高いというようなことはなく、やはり四万何がしの単価でやれるものを言うのでございますか。
  13. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 北海道は四万七千が標準単価です。
  14. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 防寒ということを考えていつた構造でですか。
  15. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) そうです。そういうことであります。
  16. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、ここで定義しております防寒住宅というのは、これは必ずしも不燃性のいわゆる耐火建築をいうのではない、非常に幅の広いものでございますか。
  17. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 今北海道道庁で、御承知研究所を持つて研究しておりますのは、全部不燃質防寒住宅研究理論でやつておるのであります。先ほども申上げましたように、木造でも、勿論不燃性ではないけれども、装置によつて防寒装置ができるのでありますが、まあブロック造を主としてやつているようでありますが、そのほうが防寒が強いと申しますか、効果があつて従つて燃料が少くて而も耐火性がある、こういう一挙両得と申しますか、そういうことで全部耐寒住宅不燃質にいたしておる、こういうことであります。
  18. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると都市計画なんかで札幌その他で若しも防火帯というようなものでブロック建築考えるというような向きがありますが、そういうものも全部それは不燃性防寒住宅というふうに特殊な構造を持つものにさせるわけでございますか。
  19. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) これは例の防火帯との関連は直接はないのであります。御承知のようにこの法案にもありますように、目的としておりますのは少くとも国の財政資金を投ずる公営住宅、それから地方公共団体、いわゆる公共住宅と言いましようか、それから金融公庫から融資する住宅、これだけに限つておるのでありますから、耐火防火地帯と、それのみに限つておるわけではありません。農村でも漁村でも、工場地帯でも……。
  20. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 よくわかりました。私の聞いておるのは防火帯のそれだつたつて強制なり、補助なりがあるのであります。国がやつぱり財政投資するものですから、だからこういう法案で、北海道寒冷なんだから防寒住宅建築を必要とする。そして最小限度住宅金融公庫融資を受けるものはこうするのだということであれば、なお国が国の計画によつてやる、そういう防火帯建築等についても当然そういうふうな指導と申しますか、或いは強制と申しますか、そういうようなことをやつて、総合的に考えて行く必要があるのじやないかと、こういう意味合いでお尋ねしておるわけであります。
  21. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 勿論それは特に防火帯あたりは当然のことだと思いますが、これは防火帯公営住宅を建てるか、或いは防火帯地域金融公庫融資住宅を建てるかということは、直接関係がありませんので、先ほど申上げたようなことを申したのであります。
  22. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうもこの法案趣旨で見ますと、何も公営住宅その他限定された住宅をこうしたいということではなくて、総括的に北海道住民住宅防寒住宅で、そして火災その他の災害の防止或いは木材の消費の節約という一挙何得かのことを狙うんだという立法目的趣旨なんですね。そして中を見るというと、住宅金融公庫融資によるものだけをやるのだと、こういう法案なんです。だからこの法案趣旨から言えば、国がいくばくでも補助する、あらゆる住宅建設、或いは住宅と言えない法人の建造物等もございましようが、それらについても適正な強制力を発揮させるようなものでなかつたら、総合的な施策として欠けるのじやないかと、素朴に、私素人でございますから考えてお尋ねしておるわけであります。而も併せてお尋ねしますが、国や地方公共団体が建てる住宅について「努めなければならない。」とだけあるのですね。この法案は単に強制力も何もない、何と申しますのでしようか、訓示規定みたいなものです。その地方公共団体自身が直接間接に国の財政によつて建てるようなそういう住宅はただ「努めなければならない。」というので、金がなければやつぱりそうはしないのだというふうに、そういう向きのほうは誠に緩かにしておつて個人資金個人負担の伴う住宅金融公庫住宅についてだけはこうしなければ金は貸さないんだ、こういうことで、ちよつと私は法の建前からいつて、又この住宅政策と申しますか、北海道の場合それを考えると、何と申しますか、片手落ちではないか、却つてこういう公共団体がやるものこそ、又国がやるものこそ模範的に防寒住宅でなければならんと、なぜ規定できないのか、そういう点を考えた場合に、私はいろいろ総合して、ただもう住宅金融公庫のやつさえやればいいんだといつて目的は大きくて、羊頭を掲げて狗肉を売るといいますか、実際上のほうは又別だ、どうもこれは納得しかねる、それらを総合的に一つ御答弁願いたい。
  23. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) お説極めて御尤もであります。第七條に今仰せ通りに、「国又は地方公共団体北海道の区域内において建設する住宅は、これを防寒住宅とするように努めなければならない。」一方のほうにおいては木造は貸さない、これは不均衡じやないか。法律体裁から申上げると正にその通りであります。そこでこれはまあ立案の経過と申しますか、いきさつを申上げなくちやわからんのでありますが、仮にそういうふうに国又は地方公共団体強制的な法律を作らなくとも、北海道の全体から、先ほど申上げましたように防寒住宅ということが必要であるという法律作つてまでやりますから、国及び地方公共団体はその精神に則るであろう、これは強制でありません。そこで強制したらどうかという議論があるのですが、そこでそれが難点があるのは、将来そうやつたらいいじやないかと言えばそれまでですが、北海道のいわゆる行政、地方公共団体を拘束する意味法律を作りますれば、御承知のように憲法の第何條であつたか、條文は今忘れましたけれども、北海道住民投票をしてこの法律の成立を図らなくちやならない、非常に複雑な手続を各地でやつて立法したこともありますが、そういう複雑な手続までもやりたくない。そういう趣旨で今仰せ通りの多少権衡を失したような体裁條文になつておるのであります。まあ併し実際の運用において、国が国の費用を以て建築をする、或いは地方公共団体北海道道庁その他が建築する、こういうときには当然にやるものである、耐火建築をやるものである、こういう趣旨を以て考えるようにしておる。これを一つ御了解願いたいのであります。北海道地方におきましても現実公営住宅は将来全部不燃耐火構造にする、耐寒住宅にする、こういう方針を立てておりますので、その点を御信頼願いたい。仰せ通り法律体裁から申すと御尤もでおります。
  24. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、北海道並び北海道市町村はですね、住宅を建てる場合には防寒住宅を建てるのだ、そういうふうに了解してよろしうございますか。
  25. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) そうであります。
  26. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうでありますというけれど、そのそうでありますということは、北海道内の市町村理事者全部に聞いてみなければわからないですがね。
  27. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) それは先ほど申上げましたように、いわゆるその地方々々、北海道住宅投票をするということを避けるという意味においてこういう法文にいたしておるということを一つ御了解願いたいのであります。そうでありますと申上げたからと言つて、こういうふうに立てた法律上、強制権は勿論この法律からは出て来ないのであります。
  28. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうなら逆に住宅金融公庫資金を利用したいと思う北海道道民の自由というものが、自分は防寒住宅でなくてもいいのだ、木造建築でやつて成るべく算段できるように工夫するのだ、そういう住宅を私は建てたいのだということで、天下の公器である住宅金融公庫に金を借りるということが、北海道に住んでおるがためにその途の利用が抑えられる、こういうような法律はどういうことですか、それはかまわないのですか。
  29. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 法律的には全然かまわないと言うとおかしいのでありますが、先ほど申上げたように、北海道個人不利益をかけないからそれでいいという考えを持つております。先ほど申上げたように、第七條の場合は、これは憲法に書いてありますように、地方公共団体に関する特別な立法住民投票を要する、金融公庫の場合は個人々々でありますからそういう問題が起らないので、法律條文はかようになつております。法律條文の問題は別としまして、先ほど申上げたように、金融公庫の場合に、できるだけ北海道木造の、而も生活費の余計かかる、而も耐久力北海道において木造では他の地方よりも耐用年数が多少短くなつておる、そういう不利益な家を建てさせない。それが住民に対する何と申しますか、親切である。こういう趣旨でやつておるのであります。
  30. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は親切のそれは押売りでないかと思うのですが、不利益を与えない、或いは損をさせないと言われるが、木造建築不燃性防寒住宅とは、金がかかつたにしても、償還する場合に、採煖費その他がかからなくなるので、結果としては同じようになるのだ、そこで損はかけないのだ、そこのところは一応筋は筋として私はわかりますが、そういうことの損得ではなくて、そんな大きな金を借りて、そうしてそんな大きな金を毎月払うことは私はいやなんだ、私の家庭経済上それはできないのだ、従つて私は寒くてもいいから木造建築を建てたいのだ、こういうその住民意思というものを、或る地域限つて、この公庫は、どなたにも利用できるようにできている公庫なんだが、一部の地域限つて制限するというようなことをこの法律でやるというようなことが、これがいいのかどうか。住民の居住する住宅建設に対して公庫が門戸を開放しておるものを、一部の地域限つてだけは制限してしまうということは妥当であるかどうか。私はそうではなくて、一般住宅資金のやり繰り上木造のものを希望する者があつた希望もしてもいいし、防寒住宅を建てたいというならば防寒住宅のために特段に厚く北海道には資金を融通するようにするということならわかる。けれども一般的に行われていることは北海道にはやめてしまつて、これだけで住宅金融公庫資金を流すのだということは、私はどうもおかしいのじやないか、うまくないのじやないかというふうに考えてお尋ねしているのですが、そのほうは個人個人なんだから、個人々々の人間などの意思はどうでもいいのだというように聞えるようなので私はお尋ねする。
  31. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 個人個人意思はどうでもいいのである、そういう考えでは全然ありません。先ほど申上げたのは、法律体裁からそうなつておるのは、一方は憲法規定に触れない、一方は憲法規定に触れる、と言うとおかしいのでありますが、住民投票をしなければならないことになるから、法文体裁からいうと、一方は制限して一方は「努めなければならない。」ということに相成つておるのでありますということであります。そこで案はあなたのおつしやる通りに御尤もな点もありますが、大きく見て、北海道全体のことを考えて、而も個人についても、先ほど申上げたように、住みよい家を作つて生活費割合に、割合というよりも、計算上幾らか安く上る、こういう見地から、北海道には少くとも財政資金を出して、国の経費を出して建てる家についてはいわゆる耐寒構造にしよう、こういう趣旨であります。
  32. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから、私は北海道に居住したがために、その北海道道民にとつては、一部北海道住民個個意思が制約されてこの金を借りなくてはならない一つ條件が具わる、他の地域においては條件のない金が借りられる、こういうことを基本的の問題にしておるわけです。成るべくそれを指導し勧奨する建前防寒住宅資金も借りることができるようにするということならわかる。けれども、それでなければ金を貸さんとなれば、仮にあなたが言うようでなくて、防寒住宅のほうは長期に亘つて借入金償還にかかる、面倒だ、或いはとてもそれだけの償還能力はないというようなことになつたならば、この金融公庫を利用することなしに、個人的に高利の金でも何でも借りて簡易な住宅を建ててその中に住まおうとする、そういう不便な住宅建設をやる住民が何人でも出て来るようなことであつたら、それは一つ立法によつて一部の住民には利益を与えたかも知れないが、他の住民には不利益を与える、こういう結果になるのではないか。そういう法律は如何なものかと、そういう意味合いで私は疑点を持つておるわけなんです。この点はあなたから御答弁頂くと共に、本当に不燃性防寒住宅一般の従来の住宅建設よりも公庫を利用した場合金がかからない、負担は重くならないというふうに建設省当局もお考えになつておるのかどうか、はつきり説明願いたい。
  33. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 只今のお尋ねの点でありますが、これは提案者たる瀬戸山議員から申しましたように、建設省としましても、又住宅金融公庫といたしましても十分な計算をいたしまして、結局におきまして簡易耐寒住宅を建てた場合のほうが個人経済からいつても得であるという結論を得ておるわけでございます。その詳細な数字につきましては、先ほど提案者から御説明なつ通りでございます。又全体といたしましても、国民経済の立場からいたしましても、この北海道におきまして耐寒構造住宅が建ちますことは望ましいことでありまするから、従つて木造に貸付けなくても個人不利益を与えませんし、又国家、国民経済の立場から言いましても有利である。従つて耐寒構造だけに貸付を限定するというこの法案趣旨であろうと私どもは考えております。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今の御答弁で安上りなようなお話になつておりますが、それは提案者説明したように採煖費がかからないということと相殺してそういう計算になるのでございますか、ただもう金融公庫の貸出す金、それの利子或いは償還期限の延長等、それらの資金のやり繰りの上において結局安くつくのだということでございますか。
  35. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 十五坪の木造住宅と簡易耐寒住宅とを比較いたしてみますると、貸付金におきましては、木造住宅は八〇%でありまするから三十九万六千円になります。それから耐寒構造住宅におきましては、貸付率が八五%でありまするから、貸付金は五十七万三千七百五十円と相成ります。一カ月の毎月の償還金を比較してみますると、木造住宅の場合三千六百五十五円、耐寒住宅の場合には四千二百三十三円と、約六百円の相違がございます。併しながらこの点は毎月の石炭の消費量が異ることによりまして、約七百円の相違が生じまして、差引きまして耐寒構造におきまして毎月の負担というものは、家計費に対する負担は八十九円減少するという考え方でございます。又頭金におきましては、木造の場合は九万九千円、耐寒住宅の場合は十万一千二百五十円で、多少違いますが、約一万円の相違がございます。
  36. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういうことになつて、誠に一般木造建築よりいいのだということならば、何も北海道に限ることでなくて、青森や岩手でも、煖房を取つているような個人住宅に住居する者が、この企画によつて金をかけたい、こういうことになつたら貸せるような途を開いておくこと、そういう一般的な法律のほうが、私は誠に所期の目的を達成するのに都合がいいのじやないかと思うのですが、それでもなお且つ北海道だけで、青森、岩手或いは秋田のほうは今考えていないのだとはどういうことなんですか。そんなにいいことならどんどんおやりになつたらどうですか。
  37. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) その点につきましては、先ほど来提案者から御説明いたしました通りでございまして、北海道におきましては、木材が割合内地に比較しまして高いということと、それから主として耐寒住宅におきましてはブロツク構造になるものと思いまするが、その場合にその資材等が入手が容易であるという理由によりまして、木造耐寒住宅の差が内地の場合よりも小さいのであります。従つて建設費におきまして先ほど申上げた程度の差を生じ、償還金も少いという相違点があるわけでございます。光熱費の点だけから申しますれば、ほぼ同じような気候のところにおきましては同じ結論が出ますが、建設費におきましてさような相違があるわけであります。
  38. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今住宅局長のお話を聞くと、誠に結構なもくろみのようにだけ聞えるわけですが、なぜそんなに結構なもくろみだつたら、議員立法などということでなくて、あなたのほうの責任において堂々とおやりにならなかつたのか、その点をお尋ねしたい。
  39. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 私どもとしましても、この問題は検討いたしておつたわけでございます。併しながらまだ正確な結論を出すところまでは参りませんうちに、北海道庁或いは道会議員の方々の非常な御熱心に上りましで国会、衆議院のほうで、お取上げになつたものと考えております。
  40. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも今の答弁では不満足ですが、その北海道庁並びに道会議員がいろいろ運動をして、衆議院のほうで取上げるようになつてから、急に建設省のほうではいいものだという結論がそういうふうに出て来たわけですか。
  41. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 説明が拙かつたかも知れませんが、我々といたしましても、十分に現地の意向を聞き、又独自の立場におきまして十分に研究はいたしておつたのでありますが、最終的に法案を国会に出すというところまでにはまだ参つておらなかつたということを申上げたいのであります。
  42. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあその点はわかりましたが、私の一番心配する点は、こういう法を出して、住宅金融公庫というものは、一般住宅の不足を緩和し国民の利便を図ろうとする建前でできた公庫だろうと思うのです。その公庫が、法律によつて或る特定の地域限つては貸出制限をする、そうして住民意思というものがそれによつて制限せられるというようなことは、私非常にどう考えても疑点がある。この点について北海道道民すべてが挙つてこれでよろしいという保証があるなら、私は喜んでこれは賛成しますが、こういう法律も出すことによつて北海道住民の一人、二人の中からでも異議が出て来るというようなことであれば、個々の国民一般の利益と幸福のためにこの公庫というものがあるのですから、私はそういう建前から言うと、どうも納得できないのです。かまわないのだ、そういうふうに押切れるものかどうか、私勉強不足なのでわからんのですが、この点は提案者のほうは御自信があるわけでございますか。
  43. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 北海道の全部の人の意見を聞いたわけではありませんから、四百三十万余りの人の意見が一人も反対がないかということはよくわかりません。ただ提案理由にも申上げましたように、北海道の特性と日本の産業経済の重要性から北海道開発を企図して、その一面の支柱として住宅の面において開発をしよう、こういう趣旨でございますので、或いは一、二の人は反対するかもわかりませんが、大局から見て北海道には適切な措置である、こう考えております。同時にこの法案は、前の第十五国会にも提案されておつたのでありますが、解散によつてそのままになつておりました。その後今日に至つておりますけれども、北海道の人から一言半句もまだあの法律に反対だという声を聞いておりません。北海道庁及び道会を挙げて運動といいますか、この法の促進をされてはおりますけれども、まだ北海道の方から一言半句もあれを作ると困るのだという意見は聞いておりませんので、その点は或る程度心配をしておらない、こういうことだけを申上げておきます。
  44. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあそれはそれで一つ承わつておきますが、この法の内容を見ますと、なお今のような問題を考える場合に、これは北海道防寒住宅建設等促進法というもので出すのではなくて、却つて住宅金融公庫法或いは今出ております産業労働者住宅資金融通法、こういうようなものの改正で、そうしてこの運用上、規定その他で北海道にこういう目的のことが実施されているというふうにすることのほうが法の建前から言つていいのではないか。わざわざこういうふうに北海道何とか法というふうに単独立法だなんて言つて、中身は実のあるところは何かというと、この住宅金融公庫法と産業労働者資金融通法だけなんです。あとは何もないわけなんです。それから、まああるとすれば国及び地方公共団体側は防寒住宅を建設することに努めなければならないという単なる訓示規定だけなんです。で、却つて住民意思がどうとかこうとか面倒なことを考えます場合には、私はこうこうこういう事態で、こういう目的を以て資金の運用をやるのだ、貸出をやるのだというふうにその法が直つて、それで実施されて行くということのほうが、法の建前から誠に筋ではないかというふうに私は考えますが、第一北海道とか九州とか特定な地域限つて特定な立法をして行くということはいろいろ問題が起る。今までやつたもののうちでも皆それが拡大解釈したり、或いは助成金があれば助成金をぶん取ることをやるとか、いろいろそういう問題が起つて来る。こう申しますと、速記録を読んで、北海道の推進している方々は、私をけしからん議員だというふうにお考えになるだろうから、念のために結論だけは言つておきますが、私のほうは促進するほうの側なのでございます。結論は促進するほうの側なのでございますが、議員として又院として法律を作るのにこういう体裁でいつでも作つて行くということにはいささか問題があると考えますが、私が申上げるように、各法律案の中にこういう償還期間とか或いは貸付金の限度とか、或いは北海道なら北海道という地域を指定するとか、そういうふうなほうの改正をして行くというのが筋ではないか、この点について提案者並びに政府当局にお尋ねしておきます。
  45. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) まあ法律目的は形でなくて実質ですから、今おつしやつた通りに、各法律北海道に特別に適用する部分を改正してもこれは勿論いいのであります。それが悪いとは申上げません。ただいろいろな方法がありますが、この際これをやつたのは、たびたび申上げますように、北海道には特に日本の国土総合開発法のほかに、この前にできたのでありますけれども、北海道開発法という特別な法律作つてその開発の促進を図つておる。そういう意味で先ほど申上げましたように、その一環として住宅対策を講じよう、こういう趣旨北海道という特別な法律を作つたのであります。勿論先ほども申上げたよう、ほかの各法律部分的に改正する、一部ずつ改正するという方法もあるわけでありますが、まあどちらがいいということになると、これはまあどつちがいいということはなかなか結論が出ないと思いますが、こういう法律提案いたしたのは、只今申上げたような趣旨であります。
  46. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私こだわるようでございますが、北海道のための住宅対策だとしてこういう法でで高飛車に、北海道民の幾多の意見のある中に、住宅金融公庫資金の貸出について規制し、制限して行くというやり方よりは、住宅金融公庫法の建前からいつて、こうこうこれこれなんだから北海道にはこうするのだ、こういうふうにもうそのほうで規定して行くというほうが自然で素道ではないだろうかという考えが私には強いわけです。どうもこうだというと、陳情を受け請願を受けたからやつてやるのだということで、それでもいいでしようし、何ですか、この提案者をずつと見ますというと、超党派で、北海道の方々が大部分つておられる。私はこういうことは言いたくないのでございますが、一般に議員立法になつて出て来るものが、地域の問題が起るというとその地域の議員が提案してそうしてやつて来る。何かどうも国会、立法府というものがそれぞれ地域の特殊な利害関係に絡んで法案を出して来るというようなきらいがあり、まあこれはいい法案でございますけれども、他に誠にどうも顰蹙すべき法案も出て来る。それでもう速記がついておりますからこれ以上のことは申しませんけれども、私も建設委員なるためか、どこかからこの関係で招待を受けたことがあるわけですが、私は参りません。どうもいいものはいいのですけれども、こういうことで、法律がやすやすとできて行くということについては、私たち議員として慎重に考えなくちやならん点があるように思います。そういうことから言えば、北海道という行政団体や何かに対して施行される法律ではなくて、自由な、北海道には住んでおつても、国民に対してその利害に直接関与する法案でございますから、それを天降りにと申しますか、全部を制限してしまつて規定して行くというやり方がいいのか、そういうことをやつてもいいということをしようということならば、どしどし金は貸してやりますよというような指導或いは奨励的な法律であるというようなのがいいか、私はこういう問題については大きく疑問を持ちます。それであなたがおつしやるように、このことについては北海道住民も挙つて賛成しておるし、実際資金上も安上りでできるのだということであるならば、私はこれ以上何も申上げることはございません。誠に結構なことであるということを申上げます。  それからさつきも申上げましたように地方公共団体、特に指導的な立場に立つ研究所等も持つておる北海道庁自身が、今後建てる住宅などが不燃性防寒住宅でなければならんことはこれはもう絶対の必要條件です。ところが何と謳つておろうとも、若しも北海道庁がやはり普通の木造住宅などを建てるというようなことがこの法が通つた暁あるならば、私は提案者である方々を弾劾しなければなりません。それくらいのことがはつきり保証されてこの法が本当に所期の目的を達成することであるならば、もう何も申上げません。あとは逐條に入つたときに疑問とする点を申上げたいと思います。
  47. 田中一

    ○田中一君 今の小笠原君の質問はその通りであつて、私も同感です。ただちよつと具体的に政府に伺いたいのですが、この法律が通つた場合、北海道には公営住宅並びに住宅金融公庫融資の枠が何戸分、金額で幾ら幾らというようなものが渡るか、御説明願いたいのです。……今のは二十七年度並びに二十八年度を一つ説明願います。
  48. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 二十八年度におきましては、北海道において公営住宅が三千二百戸建設される予定になつております。二十七年度におきましては千三百五十戸建設されております。
  49. 田中一

    ○田中一君 公営住宅は二十七年度のやつは全部耐火構造ですか、それとも本造が入つておりますか。
  50. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 続いて申上げます。公営住宅におきましては、只今申しましたように、二十七年度千三百五十戸、昭和二十八年度三千二百戸でございます。住宅金融公庫融資におきましては特別に北海道は枠を設けておりませんので、申込によりまして、一般的に全国ほぼ同じ率で貸付を行なつておるわけであります。
  51. 田中一

    ○田中一君 では二十七年度で何戸住宅金庫は貸しますか。
  52. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 二十七年度におきましては、住宅金融公庫によつて北海道に建設されました住宅は、承認件数で申上げますと、千三百七十四件、只今百八十戸完成されております。これは二十七年の八月末の現在でございます。
  53. 田中一

    ○田中一君 二十七年度の公営住宅の千三百五十戸のうち木造と鉄筋耐火構造割合はどうなりますか。
  54. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 二十七年度分は第一種におきまして木造が七百十八戸、簡易耐火構造が二百戸、それから特殊耐火構造が九十戸、耐火構造が七十二戸となつております。それから第二種が木造によりまして二百七十戸、合せて千三百五十戸となつております。
  55. 田中一

    ○田中一君 住宅金融公庫の千三百七十四戸のうち承認されたものの内訳は木造及び鉄筋並びに特殊耐火構造ですか。
  56. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 只今手許にございます資料によりましては、構造別というのはちよつとわかりかねまするが、後ほど調べまして……。
  57. 田中一

    ○田中一君 二十八年度の住宅金融公庫の貸付は、大体現在の予算が通るものとしての枠がきまつておると思うのです。これは企画課長の手許できまつていなければならないと思いますが、大体どのぐらい貸すというお考えで十か。
  58. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) ちよつとお伺いしますが、今の話は公庫でございましようか。
  59. 田中一

    ○田中一君 そうです。
  60. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 公庫のほうは枠はございません。枠内で全国におきまして……。
  61. 田中一

    ○田中一君 併し一応どこにはどのくらいということをきめて、でなければ全国の予算の要求を何を基準にしてきめておるのですか。又言う通り千三百五十戸の基準を以て予算を要求しておるのですか、幾らでも多うければいいというのですが、そうでないと思うのです。
  62. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 公庫の場合には、今申上げましたように地区別の戸数の割当はあらかじめ持つておりません。
  63. 田中一

    ○田中一君 そうすると全国的に募集をして、そのうちから応募者の率によつて配分するという形をとつておるのですか。
  64. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) その通りでございます。
  65. 田中一

    ○田中一君 そうすると公営住宅の昨年度の千三百五十戸、これが金額にしますと幾らになりますか。又本年度の三千二百戸は金額にして幾らになりますか。
  66. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 住宅金融公庫の二十七年度の千三百七十四件の金額は、金額にしまして七億二千百四十一万円、それから公営住宅におきましては、補助額におきまして二十八年度は八億五千万円、前年度におきましては一億八千六百七十六万円となつております。
  67. 田中一

    ○田中一君 そうすると二十八年度は公営住宅については八億五千万、それから二十七年度は二億八千六百万、こういうわけですか。
  68. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) そうです。
  69. 田中一

    ○田中一君 この数字を伺つたのは、昨日懇談会の間でも提案者は、決して財政的なプラスには北海道はならないのだということをしばしば申しておるのです。そうすると二十八年度予算から見ますと、この単行法ができるために、その他の土地はそれだけ要求があつても、割当は金額的に不足になるという結論になると承知してよろしうございますか。
  70. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 私が北海道財政的にプラスにならないと申上げたようにお聞き取りになつたかも知れませんが、それは昨日も申上げたように、昨日のお問は、こうやつて国の費用を分取る運動が起る、こういうお尋ねでありましたから、そういう趣旨ではございませんと、こう申上げたつもりであつたのであります。勿論或る程度これは財政的のものが加わらなければ法律の価値はないのでありますが、その点は御了解を願いたいと思います。
  71. 田中一

    ○田中一君 この法律ができ上つて、運営上東京都が現在やつているように、金のない者には頭金の助成として、何といいますか、補助として一割程度のものを貸付けたものです。このような方法はとるつもりですか、つまり住宅金融公庫から融資を受ける場合に……。
  72. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 道庁からですか。
  73. 田中一

    ○田中一君 ええ。
  74. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 今のところは道庁からそうするという計画は聞いておりません。
  75. 田中一

    ○田中一君 先ほど来の小笠原委員の質疑の間にも、大体提案者の意図ははつきりわかりますけれども、本当の真意が、北海道の単行法を作らなければならないという真意が、本当のものは何ですか、本当の真意は何です。あなたが提案している提案理由としてはいろいろ御説明がありましたけれども。そうではなくて、これが基本法として打出された場合ですね、それから単行法でなければならない場合とどういうところに真意があるか。提案者の瀬戸山君は宮崎県の人ですから、北海道のことで利害を共にする方でなさそうに見えますが、どこに真意があつて北海道に単行法を作らなければならんのですか。
  76. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) どこに真意があるかと、別に真意を隠しているわけでは全然ありません。今仰せ通り私は北の北海道と全然逆な、南の北海道と言われております宮崎県でありますから、何らの直接の個人的の利害関係はございません。ただ北海道開発法を審議いたしましたし、又立案に当つた一人であります。こういうもくろみであるということで私が提案者の代表に立つているというだけで、ほかに何らの考えはないのであります。
  77. 田中一

    ○田中一君 そうすると提案者の意図としては、この内容に盛り込んだ條文がそのまま活きて、この法案を成るべく早く通過して、そうして実施される段階に来れば、それに越した希望はないというように解釈してよろしうございますか。
  78. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 御承知のように今年も半ばを過ぎんとしているときでありますから、できるだけこの法律を早く御協賛願つて北海道住宅をできるだけ早くよくしたいという熱望だけであります。
  79. 田中一

    ○田中一君 無論法律通りましても、二十八年度予算はまた不測の事態に立ち至つて、先般のような審議未了になることも考えられないでもないわけなんですが、従つて予算と併行して陽の目を見ることが望ましいというわけでざいますね。
  80. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 勿論予算が伴わなければ実行はできないのであります。全然別の問題でありますが、予算が国会で通過しないということで、国政が非常に頓挫を来たしていることは皆さんすでに御承知であつて、国民挙げて非常にまあ国会の動きについて残念がつている状態であります。私はこの法案の審議を離れて、又自由党員という立場を離れて、一日も早く国の予算を通過して頂きたい。これは国民の一人として希望いたしておりますので、これは当然国会において認めてもらうものだと思つておりますから、従つてこの法律も何も予算と併行でなくて、一日も早く一つ陽の目を見せて頂きたい、こういう考えであります。
  81. 田中一

    ○田中一君 くどく申上げて済みませんが、この国会中にこれが陽の目を見れば、あなたはこの内容が全部活きて来るならば御満足だということでございますね。
  82. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) それは結論から言えばそうかも知れませんが、もう審議が済みましたら、昨日も内容は大賛成だとおつしやつた田中委員でありますから、一日も早くその結論を出して頂くことが、これを熱望されている道民全体とは申上げません、一々聞いたわけじやありませんから、併し殆んど全体だと思います。安心されることだろうと思いますから、これは何も予算を待たずに、今日にでも是非ということを私はお願いするわけであります。
  83. 石井桂

    ○石井桂君 先ほどからいろいろ御質疑を聞いておつたのですが、提案者の意図が、北海道に限つたということが余りはつきりしていないのであります。私は大体技術家出身なので考えて見たのですが、大体北海道の全島が火山灰地であつて、使用資材がよその土地よりも非常に入手しやすいということと、もう一つは木材の節約が、木炭で燃料に使うという資材を救う、こういう二つの考えが元でこの法案が出たのじやないかと私は考えておつたのですが、その建設資材のほうの御説明師岡住宅局長からちよつとあつただけで、それがはつきりされないものだから、なぜ北海道にこれが最も安くできるのだということと、有効な家ができるのだという説明がぴんと来なかつたと思うのであります。全然そうではなかつたのですか、どうなんですか。
  84. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) お説の通りであります。ただ先ほどもお話があつたように、他の地方にも適用したらいいじやないか、こういう話がたびたびあるわけでありますが、それは悪いというわけではありません。ただ大きな狙いは、たびたび申上げるように北海道の開発に資したい。併し資したいけれども、先ほど局長もお話申上げたように、それに伴う例えば建設資材とか、その建設資材の分布状況、そういうものが伴わなければ、これは国の補助金を余計出すという方法をとらなくちやなりませんので、なかなかこれを北海道だけに適用するということは困難だと思います。幸いにお説の通り建設資材が、火山灰その他の分布状況も図面にありますが、それに相伴う境遇にありますので、特別立法をするのに非常に好都合である、こういう意味であります。
  85. 石井桂

    ○石井桂君 私は今回北海道防寒住宅建設等促進法という、北海道という名前をつけたことも非常にすつきりしないような趣旨で、御質問が随分続けられたと思うのです。併し北海道でなくても、青森とか或いは岩手、ああいう寒冷地でやはり附近にそういう資材の入手が容易にできて、而も同じようなことを要求する土地があれば続々耐火構造建築を私は妨げるものではないと思うのです。大いに歓迎されなければならない。北海道は函館の大火などが何回もありまして、私は東京から現場に行つたこともありまして、すぐ燃えてしまうような家ばかりですから、これは北海道もそうでございますが、それから青森にもこれはあつたと思います。従いまして私としては、そういう資材の入手や何か困難でなくて、比較的に資材が安く入る、国民の負担が非常に大きな額でなければ結構だと思いますので、他の同じような條件の国なり、国といいますか、県かもそういうものが出たらば、どうぞそういうものを押えないで通すというようなお心組でありますかどうか、それをお聞きしたいと思います。
  86. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) その点については昨日もお答えいたしたのでありますが、話はちよつと外れるかも知れませんけれども、日本住宅政策は、皆さん御心配しておられるように、一番と申すとおかしいのでありますが、今日の重大問題であります。住宅構造についても同じであります。ただこれを全面的にどうする、言い換えますれば、公営住宅においても或いは金融公庫住宅においてもこういう耐火建築というものには、或いは耐火は大火に通ずるのでありますが、そういうものを多く奨励する意味において一般的に補助率を上げる或いは融資率をもつと多くして、できるだけこういう住宅全国に普及すべきであるという根本的な考えを持つております。ただそれが今の財政状況では家の戸数との関係でなかなか簡単には参りませんので、それと同時にもう一つ先に局長もお話いたしておりましたように他の地方、例えば秋田であるとか、木材県の建築費と北海道建築単価と非常に違つております。又金融公庫融資建築単価も非常に違つておりますので、直ちにこれを他の地方に同じように適用する受入れ態勢がそう簡単にはできないじやないか、こういう考えを持つておりますので、ほかが殆んどこれと同じ状況になりますれば、何もあえて北海道だけに限定するという根本的な考えは持つておるわけではございません。それだけは御了解願いたいと思います。
  87. 石井桂

    ○石井桂君 もう一つ先ほど小笠原委員から御質問があつたのですが、防火地域或いは防火地帯の中の建築、これについては防火地域のほうの規定強制をしておりますから耐火構造によらざるを得ないと思うのです。而も防火構造であれば、これはその地域構造に適合するようになると思います。その場合にそこにできる建築住宅金融公庫の貸金を借りたい者であれば、住宅公庫から借りられるということもあるし、それから防火地域の補助もあつて、非常に建築が促進されると思う。併し防火地域住宅公庫から金を借りない者に対してはこいつは何も関係はないわけですね。
  88. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 先ほども申上げましたように、防火地帯においては御承知のように特別の法律があつて、防火建築をしなければならん、耐火建築にしなければならない、こういうことになつておりますが、これも財政上なかなか国民に困難を強いるような状況になつております。この法律では繰返して申上げるように公営住宅、それから金融公庫融資住宅、それだけでありますから、その他の住民の人が御自由に建てる防火建築には直ちには適用にならない、こういうことであります。
  89. 石井桂

    ○石井桂君 大体今の建築のほうの関係から言いますと、大きな都市にだんだん家が密集して来ますと、木造建築でどんどん建てて行つた場合には、密度が上れば上るほど結局燃える率が非常に大きくなつて、しまいには建てる数と燃える数とが同じになる、そういう研究が今学界でできているんです。従つて殊にそういう都市の火災というものは非常に大きいので、やはりこういう法律も私非常に結構だと思いますが、密集都市の防火地域のことをこれに関連してやはり同時にお考えになるようなことはしなかつたかどうか。
  90. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 極めて御造詣の深いところを承わつて敬意を表するわけでありますが、この法律自体はそういうことでは考えておりません。ただ、或いは資料にお配りしておるかも知れませんが、北海道地方では、この住民住宅というものについては非常に研究をいたしております。そしてその研究の結果と申しますか、いわゆる耐寒構造についての住宅の今建設促進されておる状況を写真でお示ししておるのでありますが、いわゆる防火という点について、密集から避けるようなことも指導いたしておりますから、その面で、今後指導面でやつて行きたい。そのほかの建築基準法その他の法律は別でありますけれども、そういたしたいと考えておる次第であります。
  91. 石井桂

    ○石井桂君 私は全般的にこの法律は非常に結構だと思います。
  92. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私の承わりたいことは、小笠原さん、田中さん、石井さん、皆さんから大体お話がありまして、私の疑問は同じことなんです。先ず一つお伺いしたいのは、この試験研究をやつているようですが、これは北海道でやつているんですか。
  93. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) これは北海道庁が試験研究所を立てております。そこで研究をいたしておるのであります。
  94. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 そうすると、ここに書いてある「国の責務」というのは北海道に対するものでありますか、或いはその他、本州と言いますか、内地でもやつているものか、やはりできるだけ防寒住宅に対して試験研究をするものに対しては補助をするとか、そういうふうなお答えになりますか。
  95. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) この法律で申しております第四條……。
  96. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 いや、第三條。
  97. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 第三條、第四條は繋つておりますが、これは北海道のものだけであります。これについては御存じの通りに今審議をお願いしております予算の中に、すでに予算が計上されておりまして、二十八年度の分といたしましては、北海道のこの研究所に対して設備資金として二百万円、それから研究資金として九十四万幾ら、約百万計上いたしておりますので、この点については北海道に関するものであります。
  98. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 先ほど小笠原委員からして、「国又は地方公共団体北海道の区域内において建設する住宅は、これを防寒住宅とするように努めなければならない。」、こういうふうに実にルーズなものでして、その次には非常に縛つてある。これは何といつても私は合点が行かない。どういうわけでこうしていらつしやるか、又仮にこの法案を修正しまして、第七條のものもやはり防寒住宅とせねばならん、こういうふうに改めた場合に、政府はどういうふうの立場になりましようか、これは政府当局からお伺いします。
  99. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 実際におきましては、この法案趣旨に私どもは根本から賛成でありますので、二十八年度の予算におきましても予算措置としましてはこの趣旨が実現できるようにいたしているわけであります。防寒住宅でなければならんように規定いたしません趣旨につきましては、たびたび提案者から御説明なつ通りに私ども考えております。
  100. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私のお伺いしているのは、仮に防寒住宅にせねばならんというふうに法案を修正した場合に、国の建物もありましようから、それは予算措置上非常に窮地に陥るかどうか、そういうところです。
  101. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) これは予算と関連するものでありますから、私どもとしましては、この法案趣旨によつて予算措置を講ずるように努力するわけでございまして、只今お話のように規定がなりました場合には、これは又その線に沿つて実現するほかないと存じます。
  102. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 どうせこの法案は今日決定しないのでありましようから、今後又北海道にお建てになるそういう国又は地方公共団体の建設する住宅、これに対してこの案が仮に修正した場合には予算はどういうふうに変つて来ますか、それをこの次に伺いたいと思います。これは今日でなくてこの次までに資料を見せて下さい。
  103. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 公営住宅につきましてはすでに予算措置を講じておりまするから、二十八年度の予算におきまして予算措置を講じておりまするから問題はありませんが、その他の例えば入植者住宅、そういうものにつきましてはまだ建設省の所管でもありませんし、折衝はいたしておりません。
  104. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 ちよつと言葉が低くてわかりませんからもう少し大きな声で話して下さい。
  105. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 公営住宅につきましては予算措置がすでに二十八年度において講ぜられております。但し入植者住宅等につきましてはまだ予算措置を講ぜられておりません。
  106. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 そうすると何ですか、無論この法案が出ていないのでありますからして、全然公営住宅以外のものはないのでありますか、この国又は地方公共団体北海道の区域内において建築する住宅ですね、もう一遍申しますと、どうもはつきり私のほうが理解しないのかも知れませんが、今のお話で行きますと、二十八年度の予算措置はありますね、これは決定したものが。それはそういたしますと木造なんですか、どうですか。
  107. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 二十八年度の予算におきましてはまだ勿論決定ではありませんが、要求いたしておりまする予算は、第一種の公営住宅におきまして簡易耐火構造のものが千五百、それから特殊耐火構造のものが四百二十、耐火構造が三百五十、第二種公営住宅におきましても簡易耐火構造のものが九百三十戸となつております。
  108. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 この次までに私のほうもよく研究いたして置きます。
  109. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) これはお答えになるかどうかわかりませんが、今赤木委員のおつしやつた趣旨を私聞いておりますと、第七條強制規定にした場合に、二十八年度の予算で困りはしないか、こういう御趣旨であつたと思いますが、今局長が申上げたのは、すべて少くとも簡易耐火構造以上のもので予算を立てておるから、それは困らないという趣旨であります。で、私がお願いいたしたいのは、先ほども申上げましたので、第七條で、これを強制規定にしなければならないということにいたしますれば、北海道としては、憲法上この法律について住民投票で全道を挙げてやらなくちやなりませんので、そういう複雑な手続をこの際やりたくない、やらしたくないという気持からこういう先ほどから何か生ぬるいというような、訳のわからないような規定になつておりますので、これを強制規定にすると、それはやればいいじやないかということになれば別でありますが、余り複雑な道民住民投票をやらせたくないという気持でありますので、その点は一つお含みをお願いいたします。
  110. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 そういたしますと、国又は地方公共団体の建てる分はわかりましたが、先ほど小笠原委員質問にもあつた通り個人で建てる場合、そういう場合にはもうこれは強制的にやつてしまわなければならん、耐火建築で。そういうふうな、一方のほうは憲法において云々の問題がありますが、一方のほうは、仮に千人の中に二人の人が、これは困る、やはり安い木造のほうがいいと言つても、これはできない、そういうことなんでございますね。
  111. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 少くとも住宅金融公庫、それか今御審議をされております産業労働者住宅資金融通法に基くものについてはさように相成るのであります。
  112. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 関連してお尋ねしますが、そうなれば私非常に疑問になります点が出て来たわけです。あなたのおつしやるのでは、これを強制規定にすれば、憲法上その地方地域住民投票に付して初めて効力が出て来る、そういう煩雑さを省きたい、手数を省きたいのだ、そして実際は防寒住宅を建設して行くのだ、こういう御趣旨でした。そこで私はこの法案を修正したいと思うのですね。第七條地方公共団体だけの規定にし、国の部分だけは別個にして、国はこうしなはればならないと、そういうふうに強制させろ、いわゆる国の建てるものは国自身の金を以て建てる住宅ですから、住宅金融公庫の金は国の財政投資なんだから、それを借りる者は防寒住宅にしなければならんのだ、強制してかまわないのだ、こういう趣旨つたんですから、まるまる国の金を投資する、国の建設しておる住宅防寒改修をさせる、今後建設する住宅防寒住宅でなければならん、こういうふうに直せば、これは誠にはつきりする法律になるわですが、そこで提案者の言うようにきちつとそういうふうに活きて来ますが、そういうふうにした場合に、国のほうはお困りになりませんか。それで困るということであれば、提案者が言うような、実は憲法上の建前があるからこうしたので、実際はやるのだということは嘘になつて来る。それでいわゆる政府関係の出先機関が北海道にあります。その出先機関の公務員の住宅並びに国家地方警察の各駐在所その他の住宅、これらを防寒改修し、新設する場合には防寒住宅にする、こういうことになるわけですが、そうしなくちやならんものである、これは北海道限つておる、それで尤もでございますと政府が言うのであれば、私は修正案を討論のときに必ず出してそしてはつきりしたいと思う。そうすれば提案者の御心配になつている向きは、国に関してだけは先ず心配なく所期の目的を達成できると思う。私は提案者は私の意見に賛成だろうと思うが、念のためにお伺いしておきたいし、政府のほうはどういう考えがあるか、お伺いしておきたい。そのようなことをずるけて、いやいや困るのだと、そのような理窟をつけるのなら、これはごまかしものですよ。個人のことだけを強制して、全く羊頭を掲げたような法案になつてしまう……。
  113. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上けます。この法案は建設省所管のものについてのお話でございます。国と申しますとこれは建設省ばかりではございません。農林省その他いろいろあるそうでございます。そういう場合に、これは政府全体として考えなければならんことでありまするから、こういう趣旨法律ができますれば、各省に諮つてみるつもりではありまするが、二十八年度のそれらの省から出ておりまする予算が私たちの考えておりまするように、建設省ではどういうようになつておるかどうかは今ちよつと判明しておりませんので、後刻調べて御返事いたしますが、若しそれが全部建設省の考えているような少くとも簡易耐火構造のようになつておりますれば、国の関係だけにおいては直して頂いても、先ほど赤木さんの御質問があつたように、二十八年度につきましては別に国として差支えないということは言い得るのでありますから、各省から出ております予算が、少くとも建設省同様に簡易耐火構造以上のそういう予算請求をし、これが財務当局に認められておるかどうかは、まだ私たちのほうで判明しておりませんので、後ほど調べて御返事申上げます。
  114. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は仮に他の省の出先機関において二十八年度予算がなければなくても、なかつたらなかつた木造建築をして、そうして来年度から防寒改修の費用を出して防寒改修規定によつて改修して行つてもらいたい。それで本年度に限つたことではないが、本法は本法の建前はつきり国の責任を明らかにし。地方公共団体に対しても、表面は訓示規定であるが、実際上は強制されるように国も指導して行く、そうして初めて住宅金融公庫のこの資金を以て建てる住宅については防寒住宅に制限して行く、このほうが私はこの法の筋だと思う、目的だと思う。そう考えますので、そういうふうにすると、漸次国はそうして行くのだ、本年度は行かないけれども、来年からはすぱつとそうして行くと、こういうふうな結果になるように修正するということについて如何ですか。
  115. 南好雄

    政府委員南好雄君) 住宅金融公庫を通じて行きます分については、二十八年度予算については私は恐らく差支えないと思います。併し住宅金融公庫を利用せざる国の直接予算が各省にあるかも知れません。そういたしますと、これは若し御審議を頂いて御可決があります場合には強制法規になりますので、それで予算修正が起きて来る、それでは困るので、後ほど調べて御返事申上げますと、こう申上げておるのでございまして、問題は要するに二十八年度に、今御審議を願つております予算案に建設省のような心がまえの下において予算措置があるかどうかということをまだ私たち明確に存じておりませんので、後刻調べて御返事申上げる、こう申上げておるのです。
  116. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は予算修正になろうが何しようが、野党の立場でかまわないのですが、併しそれは困るのだというならば、附則を以て第何條については二十九年度からこれをやるんだ、それは法の修正の仕方によつて如何ようにでもできるけれども、来年度なら来年度から確実に防寒住宅で国はやらなくちやならん、こういうふうにすることが、この原案よりは趣旨はつきりして来るんだ、それに政府は、この案はいい案だと言う限りは反対だとは言えないだろう、それで念のためにお伺いしたい。提案者は無論反対だとは言えないだろう、で念のためにお伺いしたい、こういうわけなんです。それで若しも反対だというならばこの第七條を直してもらいたい。
  117. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) なかなか合理的な御質問と申しますか、御議論でありますが、勿論道全体の家をこういうようにやりたいという考えでやつておりますので、提案いたしておるのでありますから、国は勿論率先して国の建てる住宅は少くとも簡易耐火構造以上の防寒住宅を建てなければならんという気持でおります。
  118. 南好雄

    政府委員南好雄君) 本法案は議員立法であります。でこの議員立法にどうせよこうせよということは、これは政府の言うべきことではございません。ただ御質問がこういうことになれば政府はどういう支障があるか、又どう考えるかという御質問でありますから、私たちは、政府といたしましては、建設省に関する限りにおいては異存ございませんが、建設省以外の省において予算折衝の際において、或いは木造のところが若しありますると、この法規が強制法規になりますると予算修正ということが二十八年度につきましては起きます。それでは、私たちとしては非常に困りまするから申上げたのでありまして、これは予算を調べてみなければなりません。若し調べてみまして、全部建設省のようなふうにできておりますならば、私は別に両院がそういうような法律をお作りになることにつきましては、政府といたしましてはとやこう言うべき筋合のものではないのでございますので、謹しんで承わりたいと思います。
  119. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると重ねてお伺いしますが、二十九年度からはもう大ぴらでやつて差支ない、法さえできればそのように措置して行く、それでいいわけでございますね。
  120. 南好雄

    政府委員南好雄君) 議員立法が予算を拘束することにつきましてはなかなかいろいろむずかしい議論がございます。で、これは各党におきましてはどうなつておるか知りませんが、自由党などにおきましては予算を伴う場合においてはなかなかむずかしいように聞いております。でこれは議員立法でありまして、むしろ私のほうから御返事申上げるのはどうかと思いまするが、あとで提案者のほうから御返事をして頂きますが、政府といたしましては、両院がお作りになつ法律につきましては、これは謹んで遵法する意向であります。
  121. 田中一

    ○田中一君 今のに関連して、今の質疑応答は結局第七條強制法にしようという前提の下に論議されておるわけですね。そうすると一応今の御議論を伺うと、大体において国でも若しそのような予算措置がとつてあるならばこれは強制法にしようという意図がある、そういう前提の下にあるということでよろしうございますか。
  122. 南好雄

    政府委員南好雄君) 私は、議員立法につきましてどうだこうだという筋合のものは、政府といたしましてはないのでございます。御質問が若しこれが強制法になつたら政府はどうかという御質問でございますから、政府といたしましては、建設省所管のものについては一応予算が簡易耐火構造以上になつておりますから差支はございませんが、他の省においては予算的な措置はどうなつておるかわかりませんから調べて御返事申上げますが、若しその措置がしてないと、政府といたしまして二十八年度の予算修正を当然伴わなければなりませんので、金額の多少はありますけれども、そういうことになります結果は、政府といたしましてはにわかに七條が国につきましても強制法規になると申しますことには、予算を調べてみない限りにおいては賛成できがたいと、こういう御返事を申上げたのであります。
  123. 田中一

    ○田中一君 今の、若しそうなつていれば差支ないということですが、二十八年度予算の上において全部耐寒建築といいますか、住宅なら差支えないと、こういうのですか。
  124. 南好雄

    政府委員南好雄君) 私は繰返して申上げております。両院のお作りになる法律につきましては、これは私のほうはとやかく言う筋合のものではない。御質問が、これを直したならばと、こういう御質問ですから、それは他の省の所管はどうなつておるか存じませんので、その省について調べてみなければわかりませんが、若し万一その省所管の費目が木造ということにでもなつておりますると、当然に予算措置を要することになりますので、政府の一員といたしましてはにわかに賛成いたしがたいということを繰返して申上げております。
  125. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 政府のほうの二十八年度の部分に関しては今の答弁で結構ですが、私は二十八年度をお困りになるというならば、二十九年度から効力を発するようにちやんとそれは親切に法を修正する、そういうことになつたならばもう文句はないだろう、こういうことなんです。而も提案者には先ほどから再三この七條についてお尋ねした場合には、地方公共団体憲法上煩しい手続を要するので、こういうふうに努めなければならないという訓示規定にせざるを得なかつたので、実質は、本質は又そういうふうに北海道庁のほうも市町村のほうもやるというふうな態勢が出て来ておる。だから一応これで差支えないように運用ができるのだと、こういう御答弁があつたわけです。ましてやそれは国においては何も住民投票も何も要することではない。そして一部国の財政投資になる住宅金融公庫だからこういう制限を、北海道地域には防寒住宅を作るのだ、強制するのだという建前から言うならば、国自身の投資によつて建てる国の出先機関の住宅防寒住宅にしなければならないということは、これは当然なことである。だから私はこういうあいまいな第七條を分割して国に関しては又国自身の金を使つてやるものであり、又模範的な立場に立つ国なのであるから、北海道に建設する住宅防寒住宅でなければならないと、木造建築防寒改修をしなければならない、こういうふうにすれば、この法の第七條ということがめきめきと活きて来る。それでこのことについては文句はもう一切ないだろう、こういうことを再三申上げておるわけなんです。文句があるとすればごまかしておる法律なんです、これは。
  126. 石川清一

    委員長石川清一君) ちよつと速記を中止して下さい。    〔速記中止〕
  127. 石川清一

    委員長石川清一君) 速記をつけて下さい。只今第七條の、国に強制力を持たすような條文解釈に対する、政府に要求した資料等につきましては、なお懇談の余地もございますし、御意見もあると存じますので、この次の機会にできるだけ多く政府から資料を出して頂きまして、審査の万全を期したいと存じております。
  128. 田中一

    ○田中一君 今日はこの程度で散会願います。
  129. 石川清一

    委員長石川清一君) 御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 石川清一

    委員長石川清一君) 御異議ないと認めます。それでは明日は午後一時に開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十一分散会