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1953-10-21 第16回国会 参議院 建設委員会 閉会後第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年十月二十一日(水曜日) 午後一時五十一分開会
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
石川
清一
君 理事
石川
榮一君 石井 桂君 三浦 辰雄君
委員
石坂 豊一君
鹿島守之助
君
小沢久太郎
君 小滝 彬君
小笠原二三男
君
江田
三郎
君 近藤 信一君 田中 一君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
常任委員会専門
員 菊池 璋三君
説明員
経済審議庁審議
官 今
井田研二郎
君
経済審議庁計画
部調査官
藤波
恒雄
君
建設省河川局開
発課長
小池 誉君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
建設行政
に関する
調査
の件 (
国土総合開発
に関する件)
—————————————
石川清一
1
○
委員長
(
石川清一
君) それでは只今から
建設委員会
を開会いたします。 昨日議題にいたしましたが、時間一
関係
で御
審議
願えませんでした
国土総合開発関係
について、先般来
資料
をお
手許
に配付してありますが、この
資料
の
説明
を
経済審議庁審議官
今
井田研一郎
君に願います。
今井田研二郎
2
○
説明員
(今
井田研二郎
君) それではお
手許
に提出してございます
資料
につきまして簡単に御
説明
申上げます。 先ず最初に
国土総合開発関係
というのでお配りいたしました厚いものがございます。これに大体の
国土総合開発関係
の従来からの
仕事
の
経過
を一応記載しておるのでございますが、これにつきまして若干御
説明
を申上げます。御
承知
のように
国土総合開発法
によりますと、
総合開発計画
には
四つ
の種類があるのでございまして、第一が
全国計画
、第二が
地方計画
、それから
府県計画
及び
特定地域計画
、
四つ
の
計画
があるのでございます。 その第一の
全国計画
と申しますのは、これは法律によりますと、
政府
が
作成
する
義務
を持
つて
おるものでありまして、この
計画
ができ上りました場合には、他の
三つ
の
計画
はこの
計画
を
基本
として
作成
せなければならないということにな
つて
おるものでございます。この
計画
は、現在
経済審議庁
が
中心
になりまして、
計画立案
中でございまして、
年内
には第一次草案というようなものができて、お目にかけることができるようになろうかと思うのでありますが、現在
審議
中のものでございます。 それから
地方計画
は、これは二
府県
又はそれ以上の
地域
に跨がる
地域
の
計画
でございまして、これも大体
計画
といたしましては、
全国計画
をやや
地方
的に砕きましたものでございまして、我々の
考え
といたしましては、
全国計画
同様これは
実施計画
になるのではなくして、
実施計画
の
基本
となる。即ち
地方
におきますところのもろもろの
計画
の
基本
になる
計画
であるという観念をと
つて
おりまして、これにつきまして、現在この
計画
の
作成義務者
はこれは
地方
でございまして、これにつきましては、現在までに
地方計画
として提出されておりますものは、
東北
七県が、いわゆる
東北地方
の
計画
といたしまして、
地方計画
を提出されまして、
現存国土総合開発審議会
におきまして
審議
中でございます。 次に
府県計画
でございますが、これは
府県
が
政府
に提出し、
政府
がこれを検討し、
審議会
が更にこれを見るということにな
つて
おるものでございますが、この
府県計画
は、各県が現在それぞれ
作成
中でございまして、一応
政府
にその
中間報告
は提出されておるのでございますが、現在はまだ
成案
としまして
政府
に提出されたものはないというような
状況
にな
つて
おります。
最後
に
特定地域
でございますが、現在の
総合開発計画
は、大体この
特定地域計画
というものを
中心
にいたしまして展開されておるのでございますが、この
特定地域
と申しますのは、御
承知
のように、
政府
が
地域
を指定いたしまして、その
地域
につきまして
府県
が
計画
を
作成
し、これを漸次中央に提出する。
政府
はこれを
国土総合開発審議会
にかけまして、その諮問を経た上で
閣議
で
決定
いたしまして最終的な
決定計画
にする。更に
決定
されました
計画
につきましては、
政府
が責任を持
つて
その
計画達成
に努力するという仕組にな
つて
いるのでございまして、
現行法制
から行きましても、大体現在の
段階
におきましては、日本の
国土総合開発
は、今申上げました
特定地域
というのを
中心
にいたしまして進めるという建前にな
つて
おるのでございます。この行き方につきましてはいろいろ御
意見
もあり、問題もある点でございますが、一応
現行法制
におきましてはさような体制にな
つて
おるわけでございます。 この
特定地域
は、御
承知
のように、一昨年の十二月に
政府
が
全国
で十九の
地域
につきまして
特定地域
といたしましてこれを指定したのでございます。現在までのところ、この
地域
から
政府
に提出されております
計画
は十三
地域
でございまして、他の六
地域
も
年内
には大体
政府
にその
原案
を提出する運びになろうかと思
つて
おるのであります。この
政府
に提出されました
計画
のうちで、最終的な
計画
といたしまして
決定
を見ましたものは、今年の一月に
北上川地域
が
特定地域計画ナンバー
・ワンとしまして
決定
を見ました。続いて本月の上旬に、秋田県の
阿仁田沢地域
及び山形県の
最上地域
がそれぞれ
特定地域
としまして、
特定計画
としまして
閣議決定
を見たわけでございます。
従つて
十九
地域
のうちで
三つ
の
地域
が最終的に
計画
として
決定
されたというような
段階
にな
つて
おるのでございまして、爾後逐次
審議
を終り次第、十九の
地域
につきましてそれぞれ
計画
を確定するというような
状況
にな
つて
おる次第であります。 よく、
全国
で十九も
特定地域
を作ると、これを遂行するのには非常な厖大な
国費
が要るであろう、或いは到底現在の
財政状況
から見まして、十九も
特定地域
を選ぶということはいささか多過ぎるという御
意見
がしばしば国会でもあ
つた
のでございますが、この
資料
の次の二ページ及び三ページに、大体十九の
地域
を
開発
しまするのにはどれだけの
国費
が要るかということが、極くラフな推算をここに書いてございます。この
計画
はそれぞれ先ほど申上げましたように、
原案
は
関係
の
府県
が
作成
することにな
つて
おるのでありますが、この各
府県
から提出されました
事業
に対する
事業費
は、総額で一兆八千億にな
つて
おるのでございます。これは大体十年間で全部の
仕事
を完成するという目的の下にその数字は一兆八千億にな
つて
おるのであります。そのうちでいわゆる、
種公共事業
、即ち
国費
に期待するものは一兆億ばかりあるのでございまして、いわゆる
公共事業費
というものは一兆億ばかりになるのであります。そのうちで大体六千億
程度
が
国費
に期待しておるものだというように我々は見ておるのであります。ところがこの十九の
地域
につきまして従来とも相当
公共事業費
、
国費
が投資されておるのでございまして、その額は大体二千億
余り
になろうかと思
つて
おるのであります。
従つて
六千億と二千億の差額がこの十九の
特定地域
を
開発
するために新たに必要とする額でございまして、十年間でございますので、年々四百億
程度
の
金額
を投入いたしますれば、全部の十九
地域
が
地方
の要望しますように一齊に
開発
することができようかと思うのでありまして、これはしばしば申上げるのでございますが、必ずしも荒唐無稽な
計画
ではなかろうというように
考え
ておるのであります。更に、この一兆億と言い或いけ六千億という
金額
は、これは
地方
の
要望額
で、ございまして、我々から見ますと、適当でないと思われるような
計画
もそのうちには包含されておるように見受けられますので、これを
調査
審議
いたしますならば、六千億という
国費期待分
は更に五千億、四千億
程度
に削減し得るのではなかろうかと思われますので、十九
地域
を一齊に同時に
開発
に着手いたしましても、
国費
に期待する分は必ずしも多くはないのではなかろうかというような
考え方
を持
つて
いる次第であります。併しながらこのほかに無論
事業費
といたしましては
地方
の
負担金
も相当多くなることでありますし、又
A種公共事業
以外の例えば
電源開発
でありますとか或いはその他の
鉄道敷設関係
でありますとか、さようないわゆる
B種公共事業
というようなものに期待しておるものがなお八千億
余り
十年間であるわけでありますので、全体としての資金の
需要額
は相当多額になることは言うまでもないことありますが、一応
国費分
だけに限定いたしますと、かような
状況
にな
つて
おるということを申上げ得ると思うのであります。 以上が大体
特定地域計画
の概観でございまして、二ページの初めのほうには、そのうちに入
つて
おります、そのうちの何と申しますか、
特定地域
の
概要
が大体記載してあります。それから
土特定地域
の以上申上げました
四つ
の
地域
の
計画
を
作成
することにな
つて
おりますほか、
総合開発法
におきましては
調査地域
というようなものをなお予定しておるのでございます。 これはどういう
地域
かと申しますと、一応
特定地域
たり得る
資格条件
は備えておるように見受けられるけれども、なお
調査
いたしませんと、
特定地域
たり得る
資格
があるかないか、
決定
いたしかねるというものを
調査地域
といたしまして、若干の
国費
を投入いたしましてこれを
調査
しておるのでございますが、この
地域
が
全国
で十ございます。これを一々申上げるまでもなく、この差上げました
資料
の中に図示してございますので、これを御覧願えればおわかり願えると思うのでありますが、これにつきましては現在よりより
調査
中で、ございまして、
調査
が完了いたしますれば、そのときの
状況
によりまして或いは
特定地域
とし、又は
特定地域
といたさないというようにして参りたい、かように
考え
ておる次第であります。 なお、この際申上げておきたいことは、
特定地域計画
におきまして取上げておりまする
計画
は、
当該地域開発
のための根幹となるべき
事業
のみでございまして、その
地域
の
生活水準
を向上し或いは
文化水準
を上げるというようなためには、或いは
民生施設
といたしましての学校でございますとか病院でございますとか、そういうものを作るという
計画
も当然包含すべきが理でございますが、一応
政府
で取上げております
計画
におきましては、産業の育成を図りますための基盤となるような
公共施設
の整備ということに重点を置きまして、他の
施設
は
府県計画
その他におきまして取上げてもらうようにいたしておりますので、
政府
で作りました
計画
は、それに対して
当該地域
の
総合開発
に完璧を期し得るものであることは
考え
ておらないことをこの際申上げておきたいと思うのであります。 なお
手許
に差上げてございます他の
資料
は、
総合開発計画
の一つの例といたしましての
北上特定地域計画
の予算的な面を取上げまして書きました
資料
でございまして、これは例示的に差上げておるものでありますので、
説明
は省略さして頂きまして、後ほど御
質問
に応じまして他の
資料
は御
説明
申上げたいと思います。
石川清一
3
○
委員長
(
石川清一
君) 本日特に
計画部調査官藤波恒雄
君が出席しておりますが、同君は
土地
の
収用関係
或いは
土地
の
補償関係
の
担当調査官
でございます。御
質問
がありましたら逐次……。
江田三郎
4
○
江田三郎
君
ちよ
つと
資料
の十四、十五も
一緒
にな
つて
おりますね、
一緒
に
質問
していいわけですか、十四、十五。
石川清一
5
○
委員長
(
石川清一
君) それでは只今申上げました
藤波恒雄
君に、
電源開発
に伴う
損失補償関係
の
要綱
と
対策
、或いは
各省
の
申合せ等
の
資料
がお
手許
に配付しておりますので、この
説明
を願います。
藤波恒雄
6
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 御指名によりまして、
電源開発
に伴う
損失補償対策
につきまして御
説明
を申上げます。 お
手許
に
昭和
二十八年四月十四日
閣議了解
としまして、「
電源開発
に伴う
水没
その他による
損失補償要綱
」という
刷物
が参
つて
おると思いますが、これにつきまして御
説明
申上げます。御
承知
のように
電源開発
を強力に且つ円滑に進めるにつきましては、
水没等
による
補償
の問題をうまく解決しなければなかなか迅速に進まないという
実情
でございまして、昨年
電源開発促進法
が制定されましたときにも、特に第七条に公正な
補償
の
実施
に
努むべ
きことを規定せられたわけでございます。その後その趣旨に基きまして、
関係各省
の間で半年間に亘りまして
要綱案
を練りまして、昨年の春になりまして漸くその
成案
を得まして、四月六日でございます。第七回の
電源開発調整審議会
におきましてそれを
審議
して頂きまして作りました。なおこの
要綱
を
政府
関係各省
一致してこういう線で
補償
問題について対処するという
意思
を鮮明にするために、四月十四日付で
閣議了解事項
といたしたわけです。これが大体この
要綱
ができました
経緯
でございます。 なお、この
要綱
の
性格
と申しますか、
特徴
につきまして若干御
説明
いたしますと、この
要綱
は飽くまで
補償
の
基準
を示したもので、
電源開発
に伴う
補償
につきましてはこういう
考え方
、こういう線で行くのが適正と
考え
られるという
適正基準
を明示したという
性格
でございまして、別に
法的拘束力
を持つものではございません。御
承知
のように今までの
補償
問題が非常にこじれたがために
電源開発
が遅延しましたもののうちの大きな理由は、その被
補償者
とそれから
補償
する者の
電源開発
の
事業者
との間の見解が当初において非常に懸け離れておりまして、
両方歩み寄り
ができる妥当な線まで
話合い
が行く期間が非常に長くかか
つて
、その間のトラブルが非常に多か
つた
という
実情
でございますので、こういう
基準
的な
考え方
を一つ打ち出すことによ
つて
、両
当事者
間の
話合い
が迅速に軌道に乗るというところを
狙つた
、こういうわけでございます。飽くまで
補償
の実際の
話合い
は
当事者
間において行われるということに待たなければならないという
考え
であります。従来こういう
補償
に関連しましたものとしては、
駐留軍
の用に供する
土地等
の
損失補償要綱
というようなものがあるわけでございます。大体の線はその
基準要綱
を参照して
作成
されておりまするが、特に新らしい
考え
を盛り込んだ点といたしましては、先ず第一に
補償
の
対象
としてどういう
範囲
を
考え
るかという点につきまして、
慣習
上認められた
利益
というものをもその
範囲
の中に含めるという点が、若干
駐留軍等
の場合の
要綱
に比しまして違
つて
いると申しますか、むしろ
範囲
を拡大して
考え
ているということでございます。諸種の
権利
にとどまらず、
慣習
上認められた
利益
、例えば流水を
使つて流木
を流している。これは一回ごとに許可を受けてやるというような性質のものでございまして、
通常
の
権利
という中に入らないわけでございますが、こういうものも
慣習
上認められた
利益
であるということで、その
電源開発
と密接な
関係
があるということをはつきり認められれば、そういうものも
補償
の
対象
として
考え
るのだということでございます。 第二番目の
特徴
といたしましては、従来の
駐留軍等
の
要綱
におきましては、いわゆる
金銭補償
という原則で打ち立てられているわけでございますが、例えば
農地
の
水没等
につきましては、ただ
金銭賠償
というだけでは適当でない。できるだけ
替地
の斡旋をしなければいけないという
考え
を取入れまして、
金銭補償
というものといわゆる
現物補償
というものを並列的に
考え
まして、できるだけ被
補償者
の
意思
を尊重して、いずれによるかということをきめるという
考え方
を取入れている。こういう二つの点が大きく違
つて
いる特色でございます。 それで一々の
条項
を御
説明
するまでもないと思いますが、目次のところで御覧にな
つて
頂きますと、第一章の通則におきましては、この
要綱
を貫く
根本思想
が全部謳われているわけでございまして、その第二条には、先ほど申上げました
範囲
、いわゆる
慣習
上認められた
利益
であ
つて
、
電源開発等
に
伴つて損失
をこうむる財産についてはその
範囲
を取上げるとか、こういうことが書いてございます。 それから第二章は、先ほど申上げましたいわゆる
現物補償
、
金銭補償
というもののうちのいわゆる
現物補償
のほうに該当する
事項
を書いてあるのでございまして、「
替地
、
代替施設
の提供による
補償
」ということにな
つて
おりますが、
農地
の
水没
に対して
替地
で
補償
をするという場合の
条項
を謳
つて
あるのでございまして、この場合に
替地
となるべき
土地
の
造成費
が、仮にいわゆる
金銭賠償
に応じて算出したときの
土地
の
賠償価格
というものよりも多少上廻
つて
も、その
替地
となるべき
土地
の
造成費
が、
通常国
が
開墾等
で要する
造成費
の
程度
であるならば、
補償
する側はそういう金を出して
補償
しなければいけないということがここに謳われてあるわけでございます。それから
代替施設
の例といたしましては、例えば
鉄道
、道路、
水路
の
付け替え
の問題或いは
損失防止施設
とそこに書いてございますが、これは長い
水路
を使うとか、或いは高いダムを
作つて底
のほうから水を引張るというために、
水温
が低下して、下流の
農業用水
が、
水温
が下
つて不都合
が起るという虞れのあるような場合には、そこに
遊水施設
を設けるとか或いは水の取入れの設備におきまして工作をして、そういう被害が起らないように
予防施設
をするということがここに語われているわけでございます それから第三章は、これはいわゆる
金銭補償
に属するものでございまして、主として
駐留軍
の場合の
基準
に
則つて
大体できておりまするが、前にも申上げましたように、若干
範囲
が拡が
つて
おりますので、例えば一番
最後
のページの、六十八条の
流木補償
或いは七十一条の
温泉利用権
というような、
通常慣習
上認められておる
権利
とい
つた
ようなものもその中に含まれており、なお、五十条、五十一条を見て頂きますと、これはいわゆる
少数残存者
に対する
補償
、まあ
間接補償
でございますが、直接
水没
しなくても、同一
部落民
の移住によ
つて
著しく
経済的損害
を受ける者、例えば大
部分
のうち二、三軒残
つた
けれども、二、三軒
残つた人
だけでは経済的に存立し得ないとい
つた
ような場合に、やはりそういうものも
補償
の
対象
として
考え
るというようなことが、比較的細かく規定されておるわけであります。 以上簡単に
要綱
の
特徴
とい
つた
ところを重点的に御
説明
申上げました。
石川清一
7
○
委員長
(
石川清一
君) この
資料
はい いのですか。
藤波恒雄
8
○
説明員
(
藤波恒雄
君) この
ガリ版刷
のほうの「
電源開発
にともなう
損失補償対策
」という
刷物
がございますが、これの前半のほうは、私が先ほど御
説明
申しました
要綱
を作定した
経緯
とか、それから
要綱
の
骨子等
が書いてあるようであります。なおこの中に書いてありますのは、実はこの
補償要綱
の
運用
につきまして、一々の
条項
につきまして細部についての取扱い方といいますか、概略を
各省
で
申合せ
た
事項
が載
つて
おります。それで七ページに
別紙
一というのがございます。
各省申合せ事項
は
別紙
一と
別紙
二に分れております。
別紙
一のほうは、これは
ちよ
つとわかりにくい
表現
にな
つて
いるかと思いますが、「この
要綱
は、
電源開発
に伴う
損失補償
についての
要綱
である。
公共事業
の
施行
に伴う
損失補償
については、場合により
受益者
又は
県等
においてこれを負担する
部分
もあるから、
電源開発
を伴う
公共事業
の
施行
により生ずる
損失
に対する
補償
のうち国が負担し又は補助する
部分
は、必ずしも、この
要綱
により算出される
損失補償
の全額に対してではない。」若干廻りくどい
表現
にな
つて
おりますが、この
要綱
は
電源開発
に伴うものであ
つて
、国が行う
公共事業
のこういう
精神
に
則つて
やりたいというのは、これは
関係方面
は皆そのつもりでや
つて
おるのでございまするが、御
承知
のように、若干その
事業
の
性格
が違う
関係
から、この各
条項
通り行かない
項目
もあるということでございます。なお聞くところによりますと、
建設省
におきましては
公共事業
の
関係
に適用される
損失補償要綱
というものを目下
作成
中であるのでございます。それから
別紙
二のほうの
申合せ事項
は、これは先ほどの
要綱
の各
条項
についての、若干
解釈
がいろいろにとれるというような
条項
につきましての
解釈
の
運用
について
申合せ
たものでございます。それから
最後
の
別紙
三のところには、
土地收用法
、それから
駐留軍
の用に供する
土地等
の
損失補償要綱
というものとの
相違点
が
比較対比表
にな
つて
載
つて
おるわけでございます。御参考までに配付申上げました。
石川清一
9
○
委員長
(
石川清一
君) 以上で終りました。御質疑がございましたら逐次お願いをします。
江田三郎
10
○
江田三郎
君 このあとから
説明
して頂いた
損失補償要綱
についてお尋ねしたいのですが、大体今の御
説明
のように、法的の
拘束力
がないということなんですが、今
電力会社等
が
電源開発
をや
つて
るときに実際に出している
損失
の
補償
というものは、これと比較して
概要
どういう
程度
のことにな
つて
いるのか。或いは又これを作るときに、そういう主なる
施行者
というような者の
意見
を聞かれて、今後こういうものに副うてそういう
事業体
でもや
つて
行くということにな
つて
るのかどうか。その
辺ただ法的拘束力
がないというだけでなしに、もう少し現状なり
経過
なりをお尋ねしたいと思います。
藤波恒雄
11
○
説明員
(
藤波恒雄
君)
要綱
を
作成
するにつきましては、
施行者
の側に立つべき
電力会社
の
関係
、それから被
補償者側
の農民とい
つた
関係
の
意見
の
調整
の仕方といたしましては、それぞれ通産省、それから
農林省等
を通じまして、各
段階
におきまして
意見
を交換したわけでございますが、今の御
質問
の中にあります、例えば
電力会社
ではこういう案に対してどういう
意見
であるかということでございますが、例えば
謝金
、第八条でございますが、
謝金等
につきましては、
電力会社側
なんかの
意見
などから言いますと、こういうものを明文化しないで欲しい、実際はまあ出さなければならんかも知れませんが、こういうところへ
義務
付けのように明文化されるのは面白くないのではないかというような
意見
が
最後
まで出てお
つた
わけでございますが、ただこれは
各省
の
申合せ
で書いてありますように、この
謝金
というのは、従来
電力会社
が
個々
の
条項
のいろんな
項目
を十把一からげにして皺寄せして
謝金
という名目で
最後
に片付けてお
つた例
が多か
つた
んですが、そういう
意味
の
謝金
とは
性格
が違うのである。大体のものは、すねての各
条項
で網羅されておるのであるから、この第八条の
謝金
というものは、墳墓の地を離れるためとかの
精神的打撃
というような
意味
の、非常に狭い
意味
の
謝金
であるから、額も限定して
考え
なければいかん。そういう
意味
の
謝金
であるということを
運用
上
申合せ
るというようなことで、大体
各省
との折合いがついたわけです。
電力会社
のほうでも、こういう
要綱
ができることは、事を運びやすくなるという
意見
でありまして、できるだけこれによりたいということで進んでおるのであります。 ただ御
質問
のように、具体的にこれよりどうかということになりますと、これは実のところ非常に千差万別でございまして、これより実際上廻
つた補償
をしておる実例もあります。それからこの
要綱
ができておる途中において、被
補償者
の側から、こういう
要綱
を参照して今までの
補償
を直してほしいというようなことで、この線によ
つて
直したという例もあります。これは非常に千差万別でございまして、平均してどうかということは
ちよ
つと申上げられないわけでございますが、併し少くとも
法的拘束力
はなくても、実際の
実情
はどうかと申しますと、現在はあらゆる地点に大
なり小
なり
補償
問題があるわけでございまして、その解決が自然その
地方
の知事、
県知事等
が中に入
つて
その
調停役
を買うという場合が多いのでございます。その場合にこういう
要綱
が作られたということが非常に役立ちまして、
話合い
が早く進む、少くとも。数字的な結論はこの
要綱
では何も出て来ないわけでございます。どういう
範囲
のものを
補償
の
対象
に
考え
るか、その計算の仕方はどういう
方法
によるのだという
方法論
が書いてあるわけでございます。一応中へ入
つて話
をまとめるというようなときはこれによるということになりますので、そういう
意味
において非常に役立
つて
おるということを聞いております。
江田三郎
12
○
江田三郎
君
個々
の内容は私も十分読んでおりませんので、読めばいろいろお尋ねしたい点が出ると思うのですが、その中で、特に先ほど
ちよ
つと
説明
がありました「
損失防止施設
の設置」という問題ですね。特にその中で、この
建設委員会
でも以前に問題にしたととがあるのですが、灌漑用水の
水温
低下の問題です。もつと詳しく
説明
して頂きたいと思うのですが、これで行きますと、一番終りの七十条。ところを見ましても、ただ抽象的にな
つて
いまして、用水に支障を及ぼすということだけで、
損失防止施設
というものの具体的に内容がよくわかりませんが、大体この案の
精神
から行きますと、そういう灌漑用水の
水温
低下に対しては、例えば取水塔を作るとか、或いはその他今まで使
つて
おる
水温
を保持するようなことを先ずやれということが眼目にな
つて
いるわけですか。
藤波恒雄
13
○
説明員
(
藤波恒雄
君) これは七十条のほうは、水利権の
項目
でございまして、既存の水利権の取消があ
つた
り或いは制限された場合のことを語
つて
おるのでございますが、今のお話の、
通常
起る
水温
の低下に対する
補償
のほうは、第十条のほうに該当するのでございます。十条の第三号に謳
つて
ある「
損失防止施設
」というものに該当すると
考え
ております。それで当然そういう
水温
低下による減産等の被害がないように予防するというのが建前でございます。そのすぐあとのほうに、それでも損害がある場合のことを謳
つて
ありますが、「前項第二号及び第三号の場合において、なお、
損失
が発生するときは、その
損失
を金銭で
補償
するものとする。」と書いてありまして、そういう取水塔を作るとか、或いは
水路
のあとのほうに遊水池を設けまして、
水温
を上昇させるという
施設
を作るというようなことをしても、なお
損失
が出るときは、その
損失
を金銭で
補償
するという二段かまえにな
つて
おるのでございます。建前は飽くまで
損失
がないように手当をする、こういうのが建前でございます。
江田三郎
14
○
江田三郎
君 最近取水塔のほうはやや認識が深ま
つて
、設置されているところが出ておるようですけれども、我我はまあダムによ
つて
底水の場合の
水温
の低下ということと、長い隧道による
水温
の低下というものを相当考慮しなければならんと、こう
考え
て来たのですが、そういう点についてはまだどうも、農林省のかんがい排水課あたりでは具体的のデータを出しているところがありますけれども、今ここへ出された中ではそういう点がはつきりしないのですが、やはりあなた方のほうでも長い隧道による
水温
の低下というものは相当著しいものがあるというようにお
考え
にな
つて
いるのですか、どうですか。
藤波恒雄
15
○
説明員
(
藤波恒雄
君) お話のようにダムの底水の問題ばかりでなくて、長い
水路
による
水温
の低下の問題もこれは重要なことでございまして、最近二、三の
開発
地点につきましてその問題が取上げられておる例がございます。それで今具体的に申しますと、北海道の忠別川におきまして同様な問題が、起きまして、現在農林省の研究所を
中心
にして
関係
の省の者が集まりまして、現在折角実地
調査
をや
つて
おるような工合でございまして、それによります
対策
として
考え
られますのは、遊水池を設けて、
水路
を出たところに或る
程度
の溜池のようなものを作
つて
温めるというような
方法
があるわけでございますが、これには相当の期間の
調査
が要るわけでありまして、大分前からその地点ではや
つて
おるのでございますが、今度は何らかそれの具体策、
対策
の
成案
を得たいという目的で現在現地に出張してや
つて
おりますので、そういう
調査
から何らか適当な
方法
が確立されれば、今後の同種の問題について非常に解決が軌道に乗るのじやないかという工合に期待しておるのでございます。
江田三郎
16
○
江田三郎
君 そうしますと、まあ今まだデータが十分に揃わない、そうして今までのがサンプル、ケースにな
つて
、そうして何らかここで、どういう解決になるかわからんが、若し……、我々まあ細かなことまではわかりませんけれども、相当何メーターの隧道のときにはどのくらいという概算は今までもわか
つて
いるのじやないかと思うのすでが、そういうことで長い隧道のために
水温
が何度か低下するということがはつきりした場合には、当然その
損失
を防止する
施設
を作るべきである。若しその
損失
防止の
施設
ができなか
つた
場合には、それを補うところの、損害の
補償
をする、こういうことになるわけですね。
藤波恒雄
17
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 現在データが十分か不足しておるかという問題ですが、その問題は、隧道の中に距離とか温度という問題ばかりでなくて、隅道を出てから川の中を流れる、それが実際の田の水面へ行く間の温度の変化というものは、これはまあ専門家の話を聞きますと、非常に複雑なんだそうでございまして、実際隧道の中自身の
水温
の低下と収量に与える影響というものの
関係
は非常にむずかしい問題だそうでございますが、これは逐次データが固ま
つて
行くのではないかと
考え
ます。併しながらそういう
水温
低下が
補償
によりまして完全にキヤンセルできれば、これが一番理想的なわけでございまして、現在でも北海道等におきましては、すでに遊水池等を設けてや
つて
おるところもあるわけでございます。全然や
つて
いないというわけではございません。や
つて
おるところもあるのであります。併しながらそれの効果がどれだけあ
つた
かということにつきましても、これはまあ現在計測中でありまして、はつきりした結論は実はまだ出ていないわけでございます。そういうものも併せまして現在実地
調査
をや
つて
おる、こういうわけでございます。 それからその
損失防止施設
の
補償
の
考え方
としましては、今おつしやられましたように、これは
水温
低下のために
損失
がありそうだということがはつきりする場合は防止
施設
を行い、それから若しそれが行な
つて
も
損失
がある場合には、それを金銭で
補償
するという建前でございます。ただこの
要綱
としましては、具体的にその金銭の数字的なことはこの
要綱
それ自身からは生まれて来ないのでございまして、やはり個別の地点につきまして、実地
調査
を
関係
の方面の協力によ
つて
検討してきめるということになるのではないかと思います。
江田三郎
18
○
江田三郎
君 これは一体工事認可をされる場合に、まあ誰がするのか、私はよくわからんのですが、従来
水温
低下の問題は非常に軽く扱われて、例えば百メーター上流へ持
つて
行けば、そうするとそういう
施設
ができる。併し百メーター上に持
つて
行くことによ
つて
発電量が違うということになると、やはり発電量の一番大きいところへ持
つて
来られている。そのために、やればできるのだけれども、
遊水施設
等ができていない。今までもそういうものはもう全く、取水塔の問題でも、その他の問題でも、
水温
低下という問題は置き去りを食
つて
いたと思うのです。そこで現実にそういうような
水温
低下を
考え
ない工事のために、多くのところで減収を来たしている。併しこれは今までまだ
補償
はもら
つて
いない。ところが今度こういうものができて、そういうものに対してはやはり十分な
補償
をして行かなきやならぬということになると、過去においての収穫と、現在の収穫とが、
水温
低下で著しく低下しているということがはつきりした場合には、これはやはり今からでも
補償
はすべきものとお
考え
にな
つて
いるわけですか。
藤波恒雄
19
○
説明員
(
藤波恒雄
君) これはまあこの
要綱
ができたから、過去のものに遡るか遡らぬかという問題になりますと、私これは当然過去のものに遡るという
考え方
はと
つて
はおらないわけでございますが、併しそういう問題がはつきりした場合には当然何らかの処置がとられるべきものと
考え
ます。
江田三郎
20
○
江田三郎
君 それはほかの、
土地
であるとか或いは工作物であるとかいうものは、これより安いか高いかは別問題にして、ともかく一応形式的には納得して終
つて
いるわけなんです。ところが
水温
低下の問題というやつは、言うた
つて
どうにもならんのだというように、まるで不可抗力のように、押付けられて来ているのが今までの
実情
なんですから、その点やはりこういう問題が出た以上、こういう
考え方
がある以上は、而も
閣議
としてこれを認められている以上は、今まで押付けられて何らの
補償
をしてもら
つて
いないというのは、これは当然適用されるべきものと、まあこの
精神
に
則つて
もう一遍取上げてやるべきものと、こう
考え
るわけですが、そう
解釈
してもいいでしようね。
藤波恒雄
21
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 今おつしやられたように
水温
低下の問題は、ほかの
水没
その他流木の問題等に比べますと確かに比較的新らしい問題でございまして、従来は比較的取上げられていなか
つた
問題でございますが、最近にはその問題が非常に大きく取上げられ、
農林省等
も非常にそれを、この
要綱
を作るにつきましても強硬に発言されまして、そのためにここに出した
損失防止施設
設置等云々ということも、その一番大きな内容をなすものは、そうい
つた
水温
低下の問題を
考え
ておるというようなことでございまして、今後
水温
低下の問題は、先ほど申上げました、実際の実地
調査
の進行とも併せましてうまく行くのじやないかという工合に
考え
ておるわけであります。
江田三郎
22
○
江田三郎
君 工事認可というものは、正式には認可がなくても仮認可というような形で工事というものはどんどん進められている場合が多いと思うのですが、これは我々から
考え
ると非常に不合理だと思うので、
補償
の問題も何も片付かないうちにどんどんや
つて
行くということは困
つた
ものだと思うのです。これは当然監督をなさると思うのですが、そういう工事の正式の認可を得ていないで工作物を作
つて
おる。たまたま災害等にぶつか
つて
その工作物が災害をより大きくするような原因に
なつ
たというような場合に、災害を受げた人に対する
補償
は誰がや
つて
行くわけですか。
藤波恒雄
23
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 工事認可の問題は、これは発電所を建設するにつきましては、先ず水利権の許可を受けることが一つ、それから電気
事業
を営むという
関係
で
公共事業
令による電気
事業
の認可というものと二本建にな
つて
おりますが、両方なければ実際の工事をや
つて
はいけない。この
補償
に関連しまして、それとどういう時期的
関係
があるかと申しますと、実際水利権を申請しますと、水利権の許可権は知事が持
つて
おるわけでございます。その許可をする過程におきまして、当然地元町村に諮問が参るわけでございます。その間におきまして、今の
水温
低下の問題とか、或いは
水没
に対する
補償
の要望とかいうあらゆる問題がそこに提起されて来まして、そこで納得が行
つた
上でないと、実際問題として知事は水利権の許可を与えられないというわけでございますので、水利権の許可の際、具体的に地元の要望というものが出て来るという
関係
になると思います。 それからあとのほうの御
質問
は、工事ができたあとで災害でもあ
つた
ときこ……。
江田三郎
24
○
江田三郎
君 例えば具体的に言うと、夜明ダムみたいな問題ですな。あれはやつぱり仮認可か何かでや
つて
いるんでしよう。たまたま。ゲートが上らないでそのためにへりが切れてしま
つた
というようなことを、我々現地へ行
つた
んでも何でもなし、新聞で見るだけですが、そういうときに、あの工作物があ
つた
がために附近の人がこうむらないで済む災害をこうむ
つた
としたら、その災害の
補償
は誰がやるか。
藤波恒雄
25
○
説明員
(
藤波恒雄
君) これは場合によ
つて
原因を
調査
した上できめるようなことになると思いますが、夜明ダムの場合にどういうことかということは、私の了解する
範囲
では、目下
調査
中であるように聞いております。若し詳細あれでしたら
建設省
の開
発課長
見えておりますので、或いは御
説明
するところがあるかも知れません。
江田三郎
26
○
江田三郎
君 あとで開
発課長
にお尋ねします。 それから
損失補償
の問題でなしに
総合開発
関係
の問題なんですが……。
石川清一
27
○
委員長
(
石川
清君)
江田
委員
の前に私から
質問
したいのですが、今、
藤波
調査
官の話を聞いてみますと、北海直の忠別川の
水温
上昇
施設
の効果がはつきりしておらない。併しあの附近の住民は相当効果がある、こういうように言
つて
おるし、私は信じておると思う。更にあの上流に発電所の認可申請か出ておりまして問題にな
つて
おる。そういうような
関係
で、はつきり効果ありとすれば、次に許可した場合に
水温
上昇
施設
をしなければならん、こういう
考え
にな
つて
問題になるので、その問題を恐れて、何か効果がないとあいまいな答弁をしているように思いますが、その点はもう少しはつきりできないのですか。
藤波恒雄
28
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 先ほど申上げましたのは若干
表現
が或いはいけなか
つた
かと思いますが、別に忠別川の今ある
水温
上昇
施設
が効果がないのだということを申上げたのではなくて、あれだけの規模でどういう条件でどの
程度
水温
が回復できるか、そのためにどういう
程度
の効果があるか、そういう
関係
を調べて、なお上流の御
承知
の奥忠別の、現在問題にな
つて
おります新規
開発
候補地点につきまして、これはとういう規模の
遊水施設
を作るなり或いは別途の方策があるかどうかという具体案を確立しよう、こういう目的で現在
調査
をや
つて
おる、こういうことであります。従いまして
遊水施設
というものが一般的に効果があるということは、これは認められることでございますので、そういう
施設
が適当な建設費で建設可能であるという場合に、そいうことが作られるということは当然であるというふうに
考え
ております。
三浦辰雄
29
○三浦辰雄君 この
補償
の問題ですが、第十条のところで、少し細かいかも知れませんが、
農地
のいわゆる
替地
を提供することができそうだ、客観的にその実現が可能である、こうい
つた
場合には
替地
を出す、こういうふうにな
つて
いるのですが、この
農地
のつまソ造成に要する費用の大体の目安といいますかは、同じく
資料
として配
つて
もら
つて
いる「国が行う
農地
の造成に
通常
要する費用、」一町歩あたりで六十五万九千百六十円とな
つて
おります川、これを
基準
にするのだろうが、そこの農民、追われるといいますか、沈んでしまう農民から言えば、或いは他の附帯的な財産、その他の
関係
があ
つて
、あそこはできそうだから
替地
でほしい、こういうときにこの
基準
というものの何割
程度
に、およそ何割
程度
まではかか
つて
も止むを得ないというふうに通念的に
考え
ているのかどうか。これはそれぞれの事情、場所によることでしようが、この点を先ず伺いたい。
藤波恒雄
30
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 只今の御
質問
ですが、具体的に何割
程度
までは持
つて
もいいかと言われると困るのでございますが、これはガリ版のほうの
説明
書の第十三ページにもありますように、
各省
の
申合せ
によりまして、「
電源開発
を行う者の
替地
又は
代替施設
の提供にあた
つて
は、その委嘱に応じ国又は都道
府県
は適地を
調査
し、若しくは地区開拓
計画
を
作成
し」云々という工合に農林省なり県なりは極力その
土地
を斡旋する。
開発
起業者の委嘱を受けて斡旋をするのだということにな
つて
おりまして、成るべく国がその
通常
要する費用、先ほど申しましたような数字で納まるようにやるということにな
つて
おるのでありまして、勿論それより
ちよ
つとでもオーバーしたらもういかんとか何とかいうことはないのでございますけれども、又
余り
かけ離れた建設費になりますと、又一方電力単価を高めるということになりますので、その辺は具体的には
当事者
間の
話合い
になると思いますけれども、極力優先的にいい
土地
を斡旋をするからということにな
つて
おるわけでございます。
三浦辰雄
31
○三浦辰雄君 それはまあ普通のお答えとしてはそうとしかないでしようけれども、これは平均ですから相当に、この今の農林省
関係
でや
つて
いる殊に畑、この場合は畑の場合が相当多いだろうと思いますが、随分かか
つて
いるところがあるんで、ですから当然現に開拓で以てかか
つて
いる高いコストの、現実過去においてかか
つた
程度
のその辺までは私は当然出すべきじやないか、いろいろと
意見
募れて、賠償
関係
の権威であるというあなたのところへ、どうしたらいいだろうと、こういう
意見
が仮に来れば、恐らく来るでしよう、そのときにはどういうふうな農林省の
意見
も聞くだろうが、あなたの態度として、恐らく私は、過去の開拓によ
つて
相当多くかかつちや
つた
、そういう実例がある。そうい
つた
線が私は或る
程度
止むを得ない線として出て来なければならんと思うのですが、これについてはどうなんですか。
藤波恒雄
32
○
説明員
(
藤波恒雄
君) これは先ほど申された六十何万円という数字も農林省から提示された現在においては、例えばこういう数字であるという例示でございまして、だんだん
状況
が進みまして、もつとかかる例が多くな
つて
来るというような場合には、当然そういう限度の数字も弾力性を持
つて
引上げて
考え
なければならんということは当然であろうかと存じますが、今あの数字に対して何割ぐらいを適当と
考え
ておるかということに対しましては
ちよ
つと答弁申しかねます。
三浦辰雄
33
○三浦辰雄君 それからこの第十七条の用材の立木買収についての評定の問題ですが、これは一のところに「伐期」として、「
地方
慣行の最低伐期」とあるわけです。つまりその
地方
で以ておよそ松は三十年ぐらいで切
つて
いるんだとか、杉なら三十五年なんて置かない、やつぱり三十二、三年だというような普通従来の慣行というものがスタンダードにな
つて
いるんですが、これは森林法が一昨年か改正されてできた、いわゆる適正伐期という、最も、何と言いますかね、その頃が一番切るとしては適当である。いろいろな点から見て適当であると、法律に基いてきま
つて
いる年限をとるべきだと思うのですが、これについて農林
関係
とあなたのほうとお打合せの点はどうな
つて
いるのか、これが一つ。もう一つこれに対して、その二のところに行
つて
、二の一番しまいの、まだそういう伐期に達しない立木の評価というやつは、はつきりわかりませんが、私はこれは適切な伐期までその林を置いたとした場合に入る収入から、それまでにかかる費用、管理費或いは手入費、その他の費用を引いたものの差額で払うのだというふうに第一段のほうはとれるし、その次のほうの、若し値段があれば、市場価があれば、例えば稲の穂
程度
にまでなれば、三寸とか四寸とかで買手があれば、それはもうその値段でよろしいということとは矛盾があるのであ
つて
、その点をどういうふうに
考え
ておられるか、その点聞きたい。
藤波恒雄
34
○
説明員
(
藤波恒雄
君) この十七条の立竹木の
条項
に関しましては、
駐留軍
のときの
要綱
と同じようにここに規定して、農林省との打合せもそういうことにな
つて
いるという工合に記憶しておりますが、全然
駐留軍
のものをそこに引用をしたという
関係
にな
つて
いるわけであります。 それからなお農林省との打合せでは、この
要綱
の内容につきまして若し
実情
に副わないということがありました場合に、変える場合には
駐留軍
のほうの
要綱
と同時に変えることにしようという
申合せ
にな
つて
いると記憶しております。
三浦辰雄
35
○三浦辰雄君 二号のほうは如何です一か、もう一遍言いましようか……。二号は、今の十七条の二のところは、これは読んでもらわないと
ちよ
つと文章がわからないのですが、「伐期未満の森林の立木価額は、その林令の、毎年の造林等の経費のその森林の収益率によるその林令までの元利合計額とする。」、この
意味
を先ず伺うのが筋なのでありますが、私は或る
解釈
に基いて
質問
したが、先ずこの
解釈
を
質問
いたしましよう。
藤波恒雄
36
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 少し
表現
を整理いたしまして、あとでお答えすることにいたします。ほかにありますれば……。
三浦辰雄
37
○三浦辰雄君 それでは、それの
解釈
がわかり、
表現
がわかれば、私はそれに関連してもう一つ聞きたい。 それは「但し、用材としての市場価額のある場合は前号による。」、つまりその値段によるということです。その利用値段によるということであれば、その前段も、今文章を整理されるでしようが、その
解釈
だと、恐らく
地方
慣行の最低伐期まで置いた場合にその木の値段が出る。又置くまでの経費が出る。その経費を差引いて置いたとしたときの首引値段を標準にするということを前段では言
つて
いると思うのであります。ところが「但し」というのは、それが僅かなものであ
つて
も、例えば売れるならば、まだまだこれから伸び盛りという木であ
つて
も、その売れる値段で払つちまうというのが原則だというふうに、但書と前段とは矛盾がある。こういうふうに
解釈
されると思う。この点も一つ併ぜてあとで御答弁を願いたい。 その次に三十一条に行きまして、「薪炭生産者」とあるのです。ここに「財産の買収によりその業務が客観的に不能となるときは、推定年間収益の一箇年分を
損失補償
額とする。」、こうあるのです。薪炭生産者というのは、御
承知
の通り多くのこれは企業者があるのです。いわゆる炭焼きを使
つて
生産している。そうするとこの三十一条でお聞きしたいのは、その企業をや
つて
いる親方に当る人に対する
補償
をお
考え
にな
つて
いるだけか、更にはそこに焼子として使われておる、毎日焼いておることによ
つて
生活を支えておるその炭焼きの生活費の問題まで
考え
ておる
条項
なのか、この点を聞きたい。
藤波恒雄
38
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 三十一条の薪炭生産者というのは、薪炭生産を業務として行な
つて
いる者ということにな
つて
おります。ですからその業務としてや
つて
おる者に使われておる者、使われておる者だ
つた
らそれに該当しないわけでございます。自分で業務としてや
つて
おる場合に……。
三浦辰雄
39
○三浦辰雄君 それでは今の御
説明
を伺うと、いわゆる企業者にはやる。つまり親方衆にはやりますけれども、そこに使われておる労務者と申しますか、炭焼きさん、鼻を真黒にしている炭焼きさんには何ら
関係
がない。親方だけがもらつちやうと、そのことだけで終つちやうんですか。
藤波恒雄
40
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 使われている雇用
関係
の
条項
は又別でございまして、これは薪炭生産者ばかりでございません。第四十四条解雇予告手当、「財産の買収のため止むを得ず
事業
を縮少し又は廃止する場合において
事業
主が従業員を解雇し、」云々と、この
条項
によ
つて
やるという
関係
になると思います。
石川清一
41
○
委員長
(
石川清一
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
石川清一
42
○
委員長
(
石川清一
君) 速記をつけて。
藤波恒雄
43
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 只今の三十一条の業務としてや
つて
いるという
解釈
の問題に或いはなるのじやないかと思いますが、実際それを生活の糧として、生業としてや
つて
いる者は、これに該当するという工合に
考え
ているのでございまして、只今のお話の、実際山に入
つて
薪炭を生産している者というのは当然入るという工合に
考え
ております。
三浦辰雄
44
○三浦辰雄君 まあ今度は、製炭者というものを企業者、営業者、親方だけでなくて、焼子にもそれを適用するのだという
解釈
であるなら一応はわからんわけではないが、炭焼きは御
承知
の通り、今年はこれだけの山を
対象
として炭がまを五個なり十個なりを作
つて
やる。翌年はこれの続きをやるという、いわゆるそこで続けてずつとやるというのが普通の形態です。奥山のようなものは……、そうなれば今日焼いているところの一カ年の収益、或いは過去の収益の平均率で追払
つて
いいか。一方においては離作料としては四年乃至六年ということは、これは当然です。それが一方毎年続けてそこを
仕事
場としてや
つて
いる焼子の諸君に対する一カ年のこの問題は、私はどうも
実情
に合わない。こうい
つた
ことが早く完成し、早く多く発電しなければならない。それがために作
つた
この
電源開発
関係
に非常に
実情
からいうと支障があるであろうと思うのです。で、この点については特にあなたのほうとして研究をしてもらいたい。これは実際そうだと思う。恐らくぶつか
つて
いるだろうと思う。
石川清一
45
○
委員長
(
石川清一
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
石川清一
46
○
委員長
(
石川清一
君) 速記を始めて。
藤波恒雄
47
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 先ほど業務としてや
つて
いるものということで申上げましたのは、焼子と申したのじやないのでございまして、それを生業として実際や
つて
いる者、具体的に申しますれば、焼がまを持
つて
、自分が持
つて
、生業としてや
つて
いる者という
意味
で申したわけであります。
江田三郎
48
○
江田三郎
君 そうすると焼子が又行方不明になるのです。
三浦辰雄
49
○三浦辰雄君 これはつまりほかから雇
つて
来て焼いている。ほうぼう移動して歩く専門の焼子についての問題と、そこの僅か一反歩……そんなにありやしない、五畝くらい、そういう農家の方がそこに固定して、一カ年の大半というものをこうい
つた
炭焼きで生活している者が事実問題としては非常に多いのですよ。これが救われていない。その四反歩に対する、いや、或いは一反歩以下の離作料を四年、六年もら
つた
つて
、それに見合うだけのものをもら
つた
つて
、それではどこにも行きようがないのですよ。その点を一つ。是非この場でどうとは申しません。真剣にな
つて
考え
て頂くことが是非必要だということをお願いします。 それから続いてもう一つ。これは私の
意見
なんですが、こういうふうに促進をする上において或る
程度
、被害者というと語弊がありますが、いわば被害者の側に相当に
実情
に合う
程度
の手厚さは我々は絶対に要望したいのだけれども、要するにダムができることによ
つて
非常に便益を受けるその道、或いはその財産について、これは主として下流においてですが、便益を受ける者がある。これらの者から或る
程度
受益負担的なものを取
つて
、そうして今言
つた
被害者側に先ず筋の通
つた
程度
のものはやるという
考え方
を研究されたか。或いはそういうものをどういうふうにお
考え
になるか。この点を一つ、私はやるやると言
つて
、上のほうの被害者だけにやたらに手厚きを主張して、徒らに電源のコスト高になることを望むんじやないのです。それは今日公正にみんなの協力によ
つて
電源開発
というものを早く完成したい。而も安いコストのものを出したい。これは当然なんです。
利益
があ
つて
黙
つて
おる連中には
利益
を持たしておいて知らん振りをしている。そうしてただやるやると言
つて
、上のほうの被害者のほうに手厚く手厚くと言
つて
も、これは容易じやないだろうと思うが、それについてお
考え
に
なつ
たかどうか、又や
つた
ことがあるかどうか。
藤波恒雄
50
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 下流の
受益者
から金を出してその被害者のほうに充てるという
考え方
は、一応議論にはなりましたのですが、ここではこの
要綱
には取入れてございません。ただ電気の
関係
で、下流の発電所が自然に
利益
をこうむり、上にダムができたために下流の電力が増加する、こういうものにつきましては、
考え方
として、その
利益
分に相当するものを上のほうのダムの建設に充てる、或いは電気の卸売とい
つた
ようなときに電気料金として間接的に入れるという
考え方
になりますのですが、下流の
農業用水
その他による受益を取入れるということは、議論の
対象
には一応なりましたのですが、この
要綱
には取入れるまでに実は至らなか
つた
のであります。
三浦辰雄
51
○三浦辰雄君 私はこの
要綱
にないことはわか
つて
おるのだけれども、そういうようなことをやつぱり
考え
ても、上のほうの被害を受ける連中に筋の通
つた
一つ
補償
をして、早くその目的が実現できるようにやられて然るべきだと私は思うのです。一つ是非研究を願いたい。
小笠原二三男
52
○
小笠原二三男
君 私は専門家のこの森林のほうの系統の買収に伴う問題に関連してお尋ねしたいのですが、
実情
としてはダムができる、そうすると水際の線で造林地が半分に横断せられるというような場合は、買収の
対象
は、その
水没
する
部分
の造林地だけを買収して、そうしてその水際から上のものは元の所有者に持たせるというような場合もあるでしようか。今一番問題に私の県でな
つて
おるのは、そういう湖かできますと、そこに残された自分の値林地の立木を切ることが不可能になる、どこからも行けない、だからもう全部売
つて
しまいたい、そうして完全な移転をしたいという希望の人が相当あるわけです。それらはその個人の希望によ
つて
買収の
対象
に全部して頂けるかどうか。
藤波恒雄
53
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 今のお話のような場合、即ち実際
水没
するものに隣接した
部分
が実際伐採できなくなるとい
つた
ような場合には、一
部分
一緒
に買収するという場合もあります。それから又或いは価値を減じた、要するに
土地
の大
部分
が
水没
して、あと一
部分
伐るのだけれども、
水没
はしないけれども、価値は非常に減ずるとい
つた
ような場合には、財産価値の減少としてその価値の
損失
を
補償
するということにな
つて
おります。
小笠原二三男
54
○
小笠原二三男
君 それから、これも薪炭生産者の問題から関連してお尋ねしますが、よく問題になりますのは、ダムを作
つて
いる地点が
余り
に奥地であ
つて
、そこにおられる農家は零細な出地を持
つて
おる、二反、三反百姓である。それで十分な生計が営めないから川で川魚を取り、山で栗、きのこを取り、拾う、そういう副業と申しますか、無形の収入によ
つて
、一般の農家で言えば一町も一町五反も田地経営をしたと同じ収益を得て立派な生活を営んでおるというところが多い。それの
補償
が、離作料なり家屋の移転料なりという有形のものに対するだけの
補償
で、てれら無形のものに対しての十分な
補償
がない。
従つて
他に移転してもその
土地
における生活
程度
と同様の生活を営むことができない。一、二反の田地の買収をし、離作料或いは買収費をもら
つて
他に移転しても、それは一、二反の田地さえも買い得ないし、その田地の専門的な経営だけでは生活ができない、こういう問題が具体的に非常に大きく問題になる。それはこの兼業及び副業というところで計算でき得る
範囲
に限
つて
は
補償
をして行こうという建前をと
つて
おるのですか、そういう考慮が払われておるわけですか。
藤波恒雄
55
○
説明員
(
藤波恒雄
君) お話のように専業だけで生活できなくて兼業或いは副業をや
つて
いるとい
つた
場合の
補償
は、御指摘のように第三十二条に兼業及び副業という欄がございまして、それが適用されるということにな
つて
おります。
小笠原二三男
56
○
小笠原二三男
君 ところがそれの推定ができないということで、実際上の問題としては、これを手厚く
補償
するというようなことをしない。そうして一部見舞金とかその他のもので換算率をよくして出すというような
補償
の仕方が過去においてあ
つた
ようですが、不可能なような場合にはどうしますか。確かにそうだとは誰でもわか
つて
いる。併し換算して幾らくらいの
金額
になるか推定ができないというときにはどうしますか。
藤波恒雄
57
○
説明員
(
藤波恒雄
君) まあこの
要綱
を作りましたときの
精神
と申しますか、
考え方
は飽くまで必ずしも形に捉われずに、実際の
実情
に即してやるんだということにな
つて
おりまして、その現われが例えば第二十八条を御覧にな
つて
頂きますと、一応離作料等につきましても、年間農業収益額は、農業粗収入から農業経営費を差引き云々ということにな
つて
おりましても、例えば零細農家の場合等につきましては、実際の
調査
によ
つて
別途算出してやるんだというようなことにな
つて
おりまして、まあ全然わからないという場合は困るのですが、わからない場合がないように、できるだけ実際の
調査
をして
実情
に即したようにやるという工合にな
つて
おるわけであります。
小笠原二三男
58
○
小笠原二三男
君 それからこの薪炭生産の企業者に雇われておる焼子そのものに対する
補償
というのは、先ほどの話では、解雇予告手当という話もありましたから、
従つて
そうなりますと、第四十五条の退職手当ということで、労働量を換算して、その以上の
補償
をするということになるわけでございますか。そうなるとしましても、労働
基準
法の適用も受けない、それぞれの季節労務者として雇用されている焼子に対する
補償
というのは、これで計算ができるものでしようか。ところが又この焼子には、一、二反の田地も持
つて
農家経営もや
つて
いると、こういうような場合は、副業としてそれは取扱われるものですか。この点は一番多いのですから、そのダム地点における
補償
の問題としては。それでお答え願えないならば、具体的に検討を加えられて、こうしたいああしたいというお話を承わると、私たち直接そのことを現地にも連絡できて、そのほうがいいわけです。
三浦辰雄
59
○三浦辰雄君 今小笠原
委員
の言
つて
いるのは私もさつきあれした問題です。これは何か答えられないようですから、文書で以て一つ答えてもらおうじやないですか。又お見えになるのを待
つて
てもしようがない。文書で…。
小笠原二三男
60
○
小笠原二三男
君 補足
説明
を、何か書いたものを出してもら
つて
も結構なわけです。そのほうがまあいいわけです。
藤波恒雄
61
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 三十一条の問題につきまして先ほどからいろいろ御指摘、御注意がございましたので、よく
調査
しまして、又農林省ともよく協議いたしまして、後ほど御
説明
いたすということにいたしたいと思います。
小笠原二三男
62
○
小笠原二三男
君 では次にもう一点伺います、が家屋の買収或いは移転、そういうことが現に行われるわけですが今一番困
つて
いる問題は、その
土地
を離れたくない、そして結局ダムによる、湖を利用して鱒の養殖をやるとか、或いは観光のためのボート業をやるとかいうことで、どうしてもその
土地
に、いたいというよう人は、この水際より上のほうに移転して行くという場合が多いわけです。ところが家は建
つた
が、さて電燈線の配線ができないという問題があるわけです。これは今後においても起り、個人の負担では到底堪えられない。里のほうから何里も電線を引直す、そのために電柱を何十本も使うなどということは、個人負担ではできないわけです。 私一例を過去の問題で申上げますが、川を利用して川流しでする木材を製材している工場があ
つた
わけです。そこでは個人負担で動力線を引いた。その主人の言うのには、自分は移転料も何ももらわんでよろしいか、やはりこの水際のほうへ移転して製材業を続けたい。だから動力線だけは国なり会社なりで配線してもらいたい。それだけを
補償
さえしてもらうならば移転料も何も要らない、自己資金ででもやる、こういう話もあ
つた
。ところが農家のほうではそれさえも無論できない。それで未だに解決しない問題がありますが、どこを見てもそういう
施設
をや
つて
預けるような点はないのですが、この工作物及び設備というようなところでも何かあるわけでしようか。まああるならどこの
条項
にあるのか、又そういうことも国なり
施行者
なりがこれをやるということなのか、お伺いしたい。
藤波恒雄
63
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 今のお話のケースは、
実情
はどういうところか存じませんが、非常に特例に属する問題じやないかと思いますが、今のお話のようなことであれば、これはその
実情
に応じて当然起業者が何らかの形において、例えば金銭の
補償
をずるなり、金銭を出してやる場合だ
つた
ら、例えば第五十一条の
少数残存者
の場合に匹敵する部面もあるでしよう。例えば大
部分
の者が移転してしま
つて
自分だけがここに残
つて
やる、それには従来受けていた
利益
の一部が喪失をしてしまうとい
つた
ような場合、併しながら金だけもら
つて
も困るので、起業者のほうで配電線を延ばして、新しい家のところまで延ばしてや
つて
くれなければ困るとい
つた
場合だ
つた
ら、そういうこともあり得ると思います。これは
実情
に応じて当然
補償
は考うべき問題であると思います。
小笠原二三男
64
○
小笠原二三男
君 その起業者というのは、例えば工事を
建設省
がや
つて
いる。ダムのほうの工事は
建設省
がや
つて
いる。そうして発電所のほうは電源会社がや
つて
いる。こういう場合にどつちのほうの起業の
補償
になるのですか、
建設省
でございますか……。
藤波恒雄
65
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 多目的ダムの場合のお話だろうと思いますが……。
小笠原二三男
66
○
小笠原二三男
君 そうそう。
藤波恒雄
67
○
説明員
(
藤波恒雄
君) その場合の
水没
農地
の
補償
はどちらが負担するかということですが、これは建設が両者合体でやられるわけでございます。従いまして両方
一緒
にな
つて
補償
をやるということになると思います。
小笠原二三男
68
○
小笠原二三男
君 そのことはわかります。電源会社のほうが分担金を出す、その分担金を分けるに当
つて
補償
費の問題を……、恐らく分けるのだから、これは間接には両者合体した資金の中から
補償
される、それはわかる。掛合う相手は誰ですかということになる。
藤波恒雄
69
○
説明員
(
藤波恒雄
君) これはケースによ
つて
若干違う場合もあるとは思いますが、大体工事は、金は出し合
つて
おりましても、工事の分担が一応あるわけでございまして、例えば治水なら治水の目的を主としたものにつきまして、大体、ダム自身は国なり県なりで工事する場合が多いのであります。そのダムの金の一部は
負担金
で出す、けれども工事は全部一方でやるという場合には、そういう場合でしたら実際問題として、掛合う相手はダムの工事をや
つて
いる
当事者
ということになると思います。
小笠原二三男
70
○
小笠原二三男
君 それで今私お尋ねしておるような問題は、この
条項
に照らせば五十一条によ
つて
やり得る途が開かれておる。そして又そういう
補償
をすべきである。こういう見解だと承わ
つて
ようございますか。
藤波恒雄
71
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 大体そういうことでございます。ここに五十一条にも書いてございますように、その
範囲
をどの
程度
に査定すべきかということは、ここに「
個々
の
実情
に応じて適正に」という言葉で書いてありまして、ての
電源開発
とどの
程度
に密接であるかということを判断して
個々
にやるということにな
つて
おります。
小笠原二三男
72
○
小笠原二三男
君 どうもそういうふうにあいまいに言われると、それは該当しないのだと現地でな
つて
来ると困るので、それではもつとしつかり承わりますが、
個々
の場合、特にこういう場合は私は必要でないかと思うのですが、
水没
のための道路の切り替、つけ替えが行われます。重要な県道というようなものができる。そうすると従来その道路沿いにあ
つた
部落が新しい付け替道路際に移転する。そう
なつ
たらその道路沿いに配線をして来るということの場合には、これは該当しますかしませんか。
藤波恒雄
73
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 今の御
質問
は、どういうケースかよくわかりませんが、電柱も
一緒
に
水没
する場合、それを
付け替え
る場合というのか、或いは
電源開発
によ
つて
道路が
付け替え
になる、そういう場合だ
つた
ら、大抵の場合だ
つた
ら電柱も家も大体
一緒
に動いてしまうというケースが多いのではないかと思いますが、そういう場合は一括して処理される場合が多いのではないかと思います。
石川清一
74
○
委員長
(
石川清一
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
石川清一
75
○
委員長
(
石川清一
君) 速記を始めて下さい。只今懇談中に小笠原君からありました点について答弁を求めます。
藤波恒雄
76
○
説明員
(
藤波恒雄
君) これは
通常
起る一般的の場合の例のように思いますが、当然そういう場合に道路が移転し或いは家が移転したという場合に、配電線の工事というものは
電力会社
が行うべきものです。
小笠原二三男
77
○
小笠原二三男
君
電力会社
が行うべきものだということで、
電力会社
に対してどういうふうに強制するのですか。何か法律がありますか。
藤波恒雄
78
○
説明員
(
藤波恒雄
君) これは一般家庭に対する、勿論農家も含めてでございます、に対する電気の供給というものは、原則として
電力会社
の
義務
にな
つて
おりまして、それの家のとつきまでの配電線というものは、原則として
電力会社
が行うということにな
つて
おります。特別の現在残
つて
いる未点燈部落に長い送電線を引つ張
つて
いるというようなところを除きまして一、般的には配電線は
電力会社
が行うということにな
つて
おりますので、配電会社に申込みをしまして、要求すれば引かなければならないということにな
つて
おります。
石川清一
79
○
委員長
(
石川清一
君) 速記をとめて。 午後三時四十八分速記中止 —————・————— 午後四時一分速記開始
石川清一
80
○
委員長
(
石川清一
君) 速記を始めて下さい。
石川榮一
81
○
石川
榮一君 じやもう一つお伺いいたします。ダムの建設による
水没
するところの
土地
は、思わざる犠牲を国家或いは公益のために払わされるわけでありますが、いわゆる戦争において、戦地に、戦野にあ
つて
倒れ去る者と同じ立場をと
つて
おるものだと思います。その他の道路とか或いは河川改修による犠牲者等とは、その質を異にしまして、全然何ら予測せざるところの犠牲が湧いて来たという建前を重視しまして、特に私はこういう
電源開発
というような国家的な要請に基いてやるものは、国の経済に重大な役割を演ずるために、やはりこういうふうな
事業
に対しては特別な措置を講ずべきだと思います。普通の
土地收用法
で律すべきものじやない。従いましてその観念は、飽くまでもその犠牲者に対する生活権を絶対に擁護してやるという建前をと
つて
扱わなければならぬと思います。そうなりますと自然今までの
電源開発
による電力のようなものは、その
土地
が必要とするものはあらゆる犠牲を払
つて
でもそれらの生活を擁護し、明朗な生活を打ち立てるためになすべきではないか。問題は、電源の基地でありますのにもかかわらず、永久に無点灯の部落に住まなければならぬという運命に落すことは甚だ忍びない。こういう点は私は相当
考え
て行かなくちやならぬと思います。単に一般的な収用法だけでこれが解決できるなら結構ですが、現在これが、
要綱
をお作りなさる前のことはわかりませんが、最近起
つて
おりまする、
電源開発
の地点に各地に起
つて
おりますが、熾烈な苦情が出ております。要するに忍びがたきを忍び得ないほどの
状況
にな
つて
おりまして、非常に渋滞しております。中には亡のダムを建設する以上は、当然電力は我々が使用するだけは無料でや
つて
もらわなければならぬというようなことを絶対の条件として掲げているところさえある。でありまするから先ほどあなたのお話の中にそういう点も幾らか話も出たという
程度
のもので片付けるべきものじやないと思います。そういうものであ
つて
は、結局
要綱
も何ら大した役割をしないということになるのだ。要するに
基本
的な
考え方
が、ただおつければいいという
考え方
、損害を賠償すればいいという
考え方
だけでは、とてもこの多くのこれからダム建設をする場合に、電源ばかりではありません、治水による洪水調節、ダムもあります。こういうようなものに対しては、それは到底私は
開発
の見通しはないと思う。こういう点で御考慮を願いまして、特別に
土地收用法
以外に、それにプラスしたところの、こういうような特別な犠牲を払う、思わざる犠牲を、川べりにあ
つて
、川が拡張して犠牲になるのとは事が違う。道路を移転したために少し遠く
なつ
たのとわけが違う。全然
考え
ないところですぽりとこういうふうな大きな工事が始ま
つて
、その要請に
従つて
亡び去
つて
行くと言
つて
もいいような
状況
に追い込まれる人たちに対しては別途な
考え方
を以て講ずる必要がある。御研究をなす
つて
頂いて、成るべくそういうような線に沿うて、こういうふうな
要綱
を
中心
といたしましようけれども、もつと。プラスしたところのものを立法化してもら
つて
、
電源開発
がスムーズに行くように、又犠牲に立つ人が喜んで犠牲に立ち、協力するという態勢まで持
つて
行けるような
方法
を立法的に考慮してもらいたい。 これはここであなたからはつきりした、そうやるという言葉を承わることは困難と思いますが、成るべくそういう線に沿うて御研究を願いまして、早期にそういうふうな案が出されますように願いたい。これは私の希望であります。
小笠原二三男
82
○
小笠原二三男
君 私は
基本
的に
補償
の問題では
石川
さん以上に各種の問題で希望はあるが、今は私は
質問
している
段階
ですから
質問
させて頂きますが、こういう場合はどうなりますか。借家に住んでおる。そうして定職というものがない、こういうふうな者が奥地の部落には相当多い。使い走りをし、行商をし、或いは山林に入
つて
季節労働を営んでおる。こういう人は、
補償
があるとすれば何によ
つて
何を
補償
してもらえるのか。
水没
のために他に移転する。家屋を見付けるから何からが心配です。その
地域
にあ
つて
こそ生活ができるが、他になれば確実な職業を求めなければならん、こういう場合がある。このときにはどういう
補償
の仕方をするか。 もう一つは、国鉄職員とか、一般公務員のように借家に住んでお
つて
、そうしてたまたま汽車の利便があるので通勤しておる。それが
水没
のために借家がなくなる。
従つて
その
土地
に定着しておれない。こういう場合にはどういう
補償
があるのか。これはこの
条項
ではどこを適用してどういう計算でやるのか、この二者の場合を御
説明
願いたい。
藤波恒雄
83
○
説明員
(
藤波恒雄
君) これはこういうことになると思います。財産も持
つて
いない、それから職もない、失業者ですか、そういうような場合でしたらばここの各
条項
では
補償
する
対象
がないわけでございますので、ただやろうと思えば、この第八条の
謝金
というところで何らか考慮するということになると思います。
石川清一
84
○
委員長
(
石川清一
君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
石川清一
85
○
委員長
(
石川清一
君) 速記をつけて。
小笠原二三男
86
○
小笠原二三男
君 営業権の問題ですが、この営業権を
補償
するというその時期、又営業権を算定する時期というのはどういう時期をとるわけですか。
藤波恒雄
87
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 二十四条の営業権の算出の問題でございますが、これは現在の価格、現在といいますのは、第三条にあります買収の時期、三条にきめる買収の時期でございますが、その価格において過去五カ年間の収益の平均をとるということにな
つて
おります。
小笠原二三男
88
○
小笠原二三男
君 そんなら運が悪く、
建設省
関係
で言えば、用地の
関係
の買収は一挙にはできませんわ。
土地
から始める、何から始めるとかいろいろや
つて
もできない。そうすると
補償
を受ける各商人の中の
部分
的な者は、どんどんどんどん、ダムの工事着工前後からそれぞれの
土地
を捨てて動いて行く。そのダムは一六年も七年もかかる。それで一番どん詰りでそれを、営業権を
補償
するとなると、物の売行きがどんどん下り坂に
なつ
た時分の過去の五カ年の平均ということだ
つた
ら、それが正当な
補償
になりますか、そういう場合は。そのことだけで律しては、これは
実情
に合わない場合が出て来ますよ。現にそういう運命に会
つた
豆腐屋さんを私は知ている。
藤波恒雄
89
○
説明員
(
藤波恒雄
君) これは大抵飽くまで
当事者
間の協議で納得して行くということが大原則でございますので、この買収の時期と申しましても、両者の協議できまることでございます。お互いに納得した線できめられるように取運ばれるべきものと
考え
ております。
小笠原二三男
90
○
小笠原二三男
君 よくわかりました。ところが従来の
補償
の問題は、納得したのではなく、納得させられてきまる。まあ無知文盲に近いという
地方
の人が、そこにおる有力な、まあ権力者の方や何か中に入
つて
、何やらわからんではんこを捺させられるだけです。ついたはんこの裏を見るというと、この協議にはいささかも異存がありませんというので、判を捺すとき、裏には判をついた以上はその後の異議の申立は受けないことなんだと法律や何かによ
つて
さあつと書いてある。そんなことはわからない。私は現に知
つて
いますが……、もう判をついたら内容を
説明
してやる。まあはんこを持
つて
来い、持
つて
来なければ
説明
してやらないと追つ払
つて
や
つた
ところが多数ある。それは納得させられてするのだから、そういうことはすぐそれを言わんでも、このことなら客観的にいいのじやないかという
基準
を求めて処理されるべきものと思います。まあこれはあとで具体的な問題が起
つた
とき
調査
官のほうにお話しますが……。 それで漁業権ですが、こういう場合は一号、二号と申しますか、二通り書いてありますが、どつちが適用になるのですか。具体的にこれを例で申しますと、岩手県の猿ケ
石川
の田瀬ダムによ
つて
猿ケ
石川
が分断されてしま
つて
、そうして魚族の通路等も、これはもうつけるなんということは分断されてしまう。そうして上流部には、鮎の漁業組合があ
つて
、下流部にもある。下流部においてはこれは水の
関係
が変
つて
来て、魚族が減るというような問題もありますが、私は、この下流部は今のところは尤も下流からも普通魚が遡
つて
来る場合もあるので、この場合は申上げませんが、分断されたらこの上流部のほうは鮎は上
つて
来ない。完全にこれは放流によ
つて
今後漁業を継続しなければなりません。その場合にこの二号が、仮に一部制限ということで適用に
なつ
たとしますと、初年度から数カ年間は平年度以上の稚魚の放流をしなければなりません。そういう場合にこれによ
つて
、この算定によ
つて
補償
されるということが
実情
に適しておるとお
考え
になりますか。現に昨年から三十万円か四十万円ぐらい放流する。ところがその収益というものは、その放流した額には遥かに遠い、今のところは。けれどもあれは一年魚ですから、毎年この問題は繰返されるかも知れない。で私は、全部制限せられた、この漁業権が喪失したものとしての
補償
か、それに近い
補償
かであ
つて
そうして継続する
部分
について又手当がなされるというようなことが行われなければ、これは確実にこの
仕事
というものはもうできなくなる。じやあできなくなることをこの一号で
補償
すればいいのだということになるならば、私は
実情
には遥かに遠いものがあると思う。まあこれも問題点だけ指摘して申上げておきますが、鹿島
委員
のほうでいろいろ……。
藤波恒雄
91
○
説明員
(
藤波恒雄
君) 今のお話はいろいろなケースが指摘されましたのですが、いろいろあると思いますが、第二十七条と三十八条とが関連して来ると思いますが、なお詳細研究いたしまして、後ほど又お答えいたします。
小笠原二三男
92
○
小笠原二三男
君 私はまだまだ具体的なことでお尋ねしたい点はございますが、時間もございませんので、本日はこれでやめますが、いつの機会にか時間が取り得るならば、もつとこの問題は
話合い
を進める必要があると思います。 治山治水
基本
対策
要綱
で九十九カ所もダムを作るなどという問題もあるのですから、十分これは忌憚なく
話合い
を進めて、万全の措置をとるべきだと思いますので、
委員長
に然るべく取計
つて
頂きたいと思います。
石川清一
93
○
委員長
(
石川清一
君)
電源開発
に伴う
水没
その他による
損失補償要綱
を本日今まで御
審議
願いましたが、今回
政府
が強力に推進しようとする治水の
計画
を見ましても、単に
電源開発
に伴うばりでなく、洪水
調整
ダム或いは川幅の拡張、その他堰堤の設定等をめぐりまして、関連する問題が非常に多く出て参ると思いますので、
損失補償
に関する御
審議
は、後刻御相談の上十分いたしたいと存じます。
鹿島守之助
94
○
鹿島守之助
君 もう時間もございませんから一言お尋ねしたいのですが、この
要綱
はまあ観念上の一つのエクイテイーの、正義公平の観念から出ておるのか、それとも
電源開発
を促進さそうというそういう
意思
からか、この
要綱
の趣旨ですね。それで恐らく官吏が立案されるというと、どうしてもやはり正義公平ということが離れない。併し実際の今の事情から言いますと、一つの例をと
つて
みますと、佐久間ダムあたりは三十五万キロワツト、それが一年用地買収なんかでごたごたしますと三十億違う、それは
電源開発
会社で売る値段です。それが国民経済に及ぼす影響は、アメリカでは大体その電力を使
つて
硫安を作るとか何とかというと八倍乃至十倍、恐らく日本のような電力の少いところになると。十五倍に廻るだろう。そこで一年遅延いたしますと、佐久間の場合、に仮に十倍とすると三百億になる。するとそれだけでできてしまうのですよ。ところがその
補償
を惜しんで、官吏のことだから惜しむことはございませんが、
余り
細かい正義観念は、やるのに時間がかかるために、その
損失
は莫大なものなんです。佐久間もそうだし、田子倉もそうです。ぐずぐずしているとこの渇水期にはやれないものだから、又一年遅れてしまうということになるので、立法論と申しますか、
要綱
を作るときに促進ということを念頭に一つ置いて頂きますと、今
石川
委員
がおつしや
つた
ような希望も達せられるのじやないのですか。これは私は国民経済の上からい
つて
、この
補償
なんか決して……、
電源開発
会社にしろ、それから九
電力会社
にしろ、これは大企業家なんです。炭焼の問題なんか問題じやないのですから、そういう促進という趣旨からこの
要綱
をもう一遍再検討して、一日も早く促進できるようにして頂きたい。これだけ一つお願いしておきます。
石川清一
95
○
委員長
(
石川清一
君) ほかに御質疑は……。
江田三郎
96
○
江田三郎
君 この質疑じやないのですけれどもね、さつき
総合開発
の……、いいですか、時間がないから簡単に
質問
しますが、
総合開発
のさつきの中でいろんな
地域
の
計画
が出ているわけですが、この中にある国土保全というようなことは、治山治水ということと大体同じように
考え
ていいわけですか。
今井田研二郎
97
○
説明員
(今
井田研二郎
君) お尋ねの御趣旨に或いはそのままのお答えにな
つて
おらないかも知れませんが、
国土総合開発法
におきましては、国土保全及び治山治水ということは一つの大きな
考え
と申しますか、目的の一つにな
つて
おるわけでございます。従いまし、私どもの
考え
といたしましては、治山治水
対策
協議会のほうでお作りになります
計画
も、
国土総合開発関係
で作ります治山治水
計画
も、全く同一のものでなければならないと
考え
ているわけでございます。
江田三郎
98
○
江田三郎
君 そこで今ここに出ておる
特定地域
の中の国土保全というのがのるわけですから、治山治水ということもお
考え
にな
つて
いるという場合に、この中にいろいろダムが出て来ますが、これらのダムが治水だけを目的としたダムがありますか、或いはいずれも
電源開発等
のいわゆる多目的ダムにな
つて
いるのかどうか。
今井田研二郎
99
○
説明員
(今
井田研二郎
君) 先ほど申上げましたように、只今まで
計画
として
決定
いたしましたものは北上とそれから阿仁田沢と最上だけでございますが、その他の
地域
におきますところのダムは、治水だけではなしに多目的なものが殆んど全部であります。
江田三郎
100
○
江田三郎
君 先般建設大臣は、従来のいわゆる多目的ダムというものが、治水の面から
考え
て却
つて
弊害の起
つた
ようなことがあるという答弁をこの
委員
会でしておられますが、そういうような事例がどこか具体的にあるわけですか。
今井田研二郎
101
○
説明員
(今
井田研二郎
君) 私は、弊害が起
つた
ということはまだ
承知
いたしておりません。ただ最近の
考え
といたしましては、多目的ということでなしに、治水だけを考慮しましたダムを作
つた
らどうか、極端に申上げますと、平素は空堀にしておきまして、治水のときにだけこれを治水目的に使うというような堰堤を作
つた
らどうかというふうに一歩進みました
考え方
があるわけであります。それは併し現在までのところ、まだ
総合開発計画
におきましては考慮しておらないわけであります。
江田三郎
102
○
江田三郎
君 一歩進んだということなんですが、実際一歩進んだのかどうか。今の日本の狭いところで、金のないところで、
公共事業
になるのか或いは個人の私の投資になるのか、いずれにしてもダムというようなものを大きな金をかけて作るのに、治水だけのダムを作るというようなことが正しいのかどうか、この問題についてこの
総合開発
のほうでは検討されておるわけですか
今井田研二郎
103
○
説明員
(今
井田研二郎
君)
総合開発
のほうではできるだけ一つの
施設
で多目的な経済効果を成るべく挙げたいというのが、
総合開発
の目的だろうと思いますので、私どもといたしましては、成るべく一つの
施設
を多目的に用いたいというふうに
考え
ております。 今御
質問
の治水だけの目的のダムを
考え
ておるかというお尋ねでございますが、現在
考え
ております
地域
の
計画
につきましては、さようなと申しますか、平素空堀にしておきまして、治水だけにこれを使うというようなことはまだ研究は開始しておりません。
江田三郎
104
○
江田三郎
君 我々も従来のダムは弊害がないというのではないのでして、これはいろいろ
電力会社等
が
余り
にも先の見えない
計画
をや
つて
却
つて
弊害を起している面があるが、これは多目的というのだが、実際に多目的にな
つて
いるかどうか。設計の拙さ、或いは金の出し憎み、いろいろな問題があると思うのですが、そういうような治水だけのダムというような
意見
があるというのは、主としてどういう方面からそういう
意見
が出ているわけですか。
今井田研二郎
105
○
説明員
(今
井田研二郎
君) 私ども実はその話を正式にと申しますか、はつきり聞いておりませんので、如何ようなものになるかよく存じませんが、恐らく平素貯水をしておきますと、
水没
その他によりまして相当弊害が、弊害と申しますか、経済的に
損失
をこうむる。併しその治水目的のために使いますケースは、何十年に一回という確率が
考え
られます場合には、平素はこれを空堀にしておきまして、洪水がありました際にだけこれを洪水の溜池として使うというような治水を目的とした溜池、こういう
意味
も
考え
られるのではなかろうかと思うのであります。私どもが聞いておりますのはさような場合と、それから当然利水にも
関係
があるわけでありますが、一定の洪水量を調節します際に利水ということを
考え
ないで或る
程度
の幅を持ちました
計画
を作りまして、たくさんの堰堤を作
つて
行くというような場合には、或るそれらの一つのものだけをとりますと治水だけという場合も起り得るのではなかろうか、そういうようなことではなかろうかと私は想像いたしたのであります。
江田三郎
106
○
江田三郎
君 今度この
政府
のほうで出された治山治水の根本
対策
要綱
というものについては、
総合開発
の何といいますか、
審議会
ですか、そのほうではこれに関与されましたか。
今井田研二郎
107
○
説明員
(今
井田研二郎
君)
総合開発
審議会
としましてはまだ治山治水協議会から正式に何と申しますか、
話合い
はできておらないのであります。ただ私ども
総合開発
のお世話をしております
経済審議庁
は、これは
委員
又は幹事ということで列席をしております。更に又
総合開発
審議会
委員
のうちから三名の方がこの協議会の
委員
になられまして、人的な交流も図
つて
いるということにな
つて
おります。私が
承知
しております限りにおきまして、現在まで
決定
されました
総合開発計画
はすべて治山治水協議会におきましてはそのままこれを取り込んでおり、即ち治山治水協議会の
決定
事項
とそれから
総合開発
審議会
におきますところの
決定
事項
は、全く
決定
されましたものにつきましては同一である。即ち
総合開発計画
を尊重しまして治山治水
計画
が出来上
つて
おるという建前にな
つて
おるわけでございます。
江田三郎
108
○
江田三郎
君 今の場合はいいですが、その逆があるわけですね。こちらのほうが先にできて、まだ
計画
が立
つて
いないところについては、今度これが一つの制約にな
つて
来るわけです。例えばこの中でも利根川外六十六河川の九十九カ所の洪水調節ダムを作るとか、それも十カ年……、九十九カ所というと、例の九十九カ年というああいうものでなしに、具体的の九十九だろうと思うのです。而も九十九カ所という以上は具体的に場所がちやんとあると思う。そういうところに洪水調節ダムを作るということになりますと、今後
総合開発
の
地域
計画
という案が立てられる場合にこれが一つの制約になるわけですね。尤も緒方さんの
説明
を聞くと、その制約というほど強くはなくて、そのうち消えてしまうかも知れませんが、一応なると見なければなりません。そこで当然この治山治水
計画
というものに対しては
総合開発
審議会
としては重大関心を持
つて
当られなければならんと思うのですが、これはあなたに申上げていいのかどうか、
経済審議庁
の長官としては、ただ
審議会
の個人が何人か参加しているとか、幹事として誰か出ているとかいうことでは済まんのではないかと思うのですが、そういう点は
審議会
のほうではまだ問題にな
つて
おりませんか。
今井田研二郎
109
○
説明員
(今
井田研二郎
君) 私は
総合開発
審議会
の事務局として、
意見
と申しますか、
経過
を申上げるだけでございますが、治山治水協議会ができることが新聞等で報ぜられました際に、たまたま
総合開発
審議会
が開会中でございまして、
総合開発
審議会
におきましてはこれが非常に問題になりまして、現に国土保全、災害防除ということが重要な使命にな
つて
おる
総合開発
審議会
を無視して、
政府
がかような二重機構的な治山治水協議会を作ることは間違いではないかというので、会長以下代表の方々が副総理にもお会いになりまして、十分その点の御
意見
を御開陳に
なつ
たようであります。それに対しまして副総理から、仄聞いたしますと、治山治水の
基本
的な
計画
はこれは
総合開発
審議会
のほうで作りたい、それの
実施
の促進と申しますか、具体化と申しますか、予算化、そういう面を担当するのがこの治山治水協議会である。かようなお話がございまして、会長以下御納得になりまして、お帰りに
なつ
たという
経過
も拝聴しているわけでございます。なお
総合開発
審議会
のほうでは然るべき機会にこの治山治水協議会の
決定
事項
は十分聞いてその是非を判定したいというような御
意見
も
審議会
の中にあることをこの際申上げておきます。
石川清一
110
○
委員長
(
石川清一
君) 速記とめて。 〔速記中止〕
石川清一
111
○
委員長
(
石川清一
君) 速記始めて。先ほど
江田
委員
から御
質問
がありました夜明ダムの損害に対する問題について河川局開
発課長
から答弁を求めます。
小池誉
112
○
説明員
(小池誉君) 夜明ダムにつきましては、現地に
調査
委員
会ができまして、去る十九日でございますが、第七回の
調査
委員
会の催しがございまして、今月末に最終の
決定
をいたすということにな
つて
おります。先ほどお話がございました
補償
の問題はどうなるかというお話かと思うのでございますが。
江田三郎
113
○
江田三郎
君 それだけではなしに、大体
調査
委員
会で取上げられて報告されることをずつと。
小池誉
114
○
説明員
(小池誉君) その点につきましては、向うの
調査
報告の内容をまだはつきり私ども
承知
しておらないわけでありますから、中の構成メンバーといたしましては、九大の先生、それから地建の局長というようなものが入
つて
構成メンバーにな
つて
おります。 そういたしまして現実にわか
つて
おりますのは、夜明の、ダムにつきまして、最大洪水流量は何立方メートルであ
つた
かということが先ず
考え
られるわけであります。この点につきましては、九千三百立方メートル乃至九千五百立方メートルというような数字の間ではなかろうかというような結論に大体な
つて
おるようでございます。その洪水が参りまして上流にどういう影響があ
つた
か、或いは下流にどういう影響があ
つた
かというような問題になるわけでございますが、上流に対しましては、夜明のダムが災害を受けました当時は、ゲートが八門ございますが、堰堤はそのうちの六門、六門のうちの三門は先ずゲートが完了いたしまして、すべて捲上げ装置で上るというような態勢にありまして、あとの三門は現在たて込み中であります。その六門によりまして、もともと夜明のダムは
計画
をいたします場合には七千立方という、下流は筑後川にな
つて
おりますが、そのうち七千立方どいうものを
基本
にいたしましてゲートの八門というものをきめたわけでありますが、そのうちの六門によりまして、上流にそれがなか
つた
場合、そのゲートがもうたて込んでしま
つて
、捲き上げることができたという場合と、現実には捲き上げられなか
つた
わけでございますが、捲き上げられなか
つた
場合にはどの
程度
影響したかということを計算で我々が当
つて
みますというと、大体二メートル八〇上
つた
わけでございますが、九千何がしという洪水流量では二メートル八〇上
つた
わけでございますが、そのうち六門ゲートがありましたということで一メートル八〇、そのゲートが閉
つて
お
つた
ということで一メートル八〇上るということになるわけでございます。でございますから七千立方流れたとすると、若しも
決定
いたしました洪水流量で来たということになりますと、そのゲートが六門塞
つて
おりましたので上流に影響があ
つた
ということになるわけであります。それから下流に対しましては、これはまだはつきり私どももつかんでおりませんのでありますが、三キロばかり下流に
鉄道
橋がございます。その
鉄道
橋の約八百メートルばかり下流に発電所ができるわけでありますが、その発電所の放水口附近まで影響があ
つた
かどうかということははつきりいたしておりませんが、実はそのダムが九千何がし流れたために、左岸と右岸が欠けたわけでございますが、右岸のほうにつきましては約五十メートル、それから左岸につきましては百二十メートル欠けたわけでございます。その欠けたのが一挙に流れたか或いは徐々に流れたかということになるわけでございます。ところが調べて見ますといと、約半日の間に両岸とも徐々にこわれて行
つて
おりますので、下流の今お話申上げました発電所の放水口附近までは或る
程度
影響があ
つた
のじやなかろうかというような、結論にはまだ到達しておりませんが、現在ではそういうふうなことに大体な
つて
いるようでございます。
江田三郎
115
○
江田三郎
君 それでこの災害を受けた者に対する賠償の問題はどうなんですか。
小池誉
116
○
説明員
(小池誉君) その問題につきましては、結局
事業者
が九州電力でございますので、九州電力と実際に被害を受けたでありましよう方々の間の交渉ということになると存じますが、それがまあ相整わない場合におきましては、第一次監督者が県でございますので、これは両県に跨がると存じます。福岡県、大分県でございますので、それに入
つて
調整
がなされるものと
考え
ます。
小笠原二三男
117
○
小笠原二三男
君 関連してお尋ねしますが、民間の被害者はそういうことで
補償
になるということですが、下流の両岸の決壊した県道、これはやはり会社に交渉する、県も又取立てることはできる、こういうことでございますか。
小池誉
118
○
説明員
(小池誉君) 下流のほうの県道の問題でございますが、具体的にどの箇所ということがわかりませんのでございますけれども、水害によりまして県道がこわれたか、又堰堤によりまして、水が或る
程度
下流に対して殖えて、それによ
つて
県道がこわれたか、その判定になると思います。でございますので、若しもこれは仮にでございます、仮に堰堤によりまして、流量が殖えてこわれたということが明確になりますれば、これは当然
事業者
が負担しなければならん、九州電力が負担する問題であろうと思います。
小笠原二三男
119
○
小笠原二三男
君 客観的に
調査
ができるのかどうかわかりませんが、下流県道に対してなか
つた
とは言えないと思うのであります。ところがそういうのは案外県民の負担なり或いは国民の負担で賄
つて
行くというようなことに実際上はなるのじやないかと思うのですが、こういうことは厳正にこの会社の責任を明らかにして、取るべきものは取るということでなくちやいかんと思うのです。私も現地を見て、誠にけしからんと思
つて話
を聞いて来たのですが、もう一点お尋ねしますが、その
補償
の問題でなくて、確かに影響があ
つた
ということが明らかに
なつ
たならば、その
電力会社
に対してですか、その請負業者に対してか、何らかの罰則というものはないのか。
小池誉
120
○
説明員
(小池誉君) 只今のお話でございますが、
補償
以外に罰則というものは現実にございません。
小笠原二三男
121
○
小笠原二三男
君 では監督不行届な
部分
については行政責任者を処分することができると思うが、そのほうは断固としてやりますか。相手の会社はやれないにしても……。ということはですね、初めから工事の工法が規格通り行われていないということは事実なんです。それを監督する責任者が大分県側の土木部長であるとか或いは県知事であるとかいうようなことにならば、それが
実施
に対しては国が何らかの措置をなし得るものですか。若しもそこに行政責任があるということに
なつ
たならなし得るものですか、国か或いは県として、県自体でやるという問題ですか。
小池誉
122
○
説明員
(小池誉君) この問題につきましては、若しもそういう行政的な措置に誤りがあ
つた
というような場合があるとすれば、第一次監督者であります県、これは第二次監督者が
建設省
にな
つて
おりますので、
建設省
がその内容をとくと
調査
いたしまして、その行政的な処分まで行くかどうかというような問題につきましては、私から簡単に行政的な処分をするんだというようなお話まで申上げられないと存じます。
小笠原二三男
123
○
小笠原二三男
君 では第一次の監督者には行政責任はないとお
考え
ですか。
小池誉
124
○
説明員
(小池誉君) 若しもそういう事実があるとすれば、当然やらなければならないと思います。
小笠原二三男
125
○
小笠原二三男
君 若しもそういう事実があればでなくて、現地で伺いますと、大分県の土木部長等は再三に亘
つて
、何と申しますか、この扉ですか、それを上げろとか、上げてお
つて
工事をせいとか、電気設備をぜいというような勧告をしたということで非常に良心的に努力したということはわか
つて
おる。けれども結果としてそれが守られないでああいう事態が起
つた
ということは、私は行政責任が当然あると思う。監督不行届であると言わなければならん。自分が良心的に主観としては立派なことをや
つた
としても、結果としてああいう事態が起
つた
。それがこの工事の工法の手続が悪いから起
つた
という事実が現われたら、これは当然監督者が理由の如何にかかわらず、客観的に責任があると私は思いますが、それは
調査
して見なければ、責任があるかないかわからんというような不明確なものですか。
小池誉
126
○
説明員
(小池誉君) その点につきましては先ほど申上げました通り、今月末に大体その内容が来ますので、
委員
会の報告によりまして、私どもが第二次監督者といたしまして、内容を検討して、はつきりした見通しをつけた上でなければ、あるかないかということははつきり申上げられないと思うのです。
小笠原二三男
127
○
小笠原二三男
君 列車が転覆した場合においてもその機関士なりその他が直接の責任を問われるばかりでなくて、監督の責任にある者は逐次責任を問われているじやないか。そういうことを
考え
たならば、何といいますか、そういう公務員の当然職責として果すべきことが結果としては果されないでそういう事態が起
つた
ということは事実であると思う。そういうような、私はその方を処分ぜいなどとは一言も申上げていない。これは主観においては、それは監督者でございますか、土木部長その他に責任があると、主観的にはその人たちがいけ在のだとはさらさら思
つて
おりませんけれども、一般の行政として、そういうことが起
つた
以上は不幸なことではありますけれども、責任がある。服務上の責任がある。監督上の責任があると言わざるを得ない。それさえも
調査
しなければ認められないというのはどういうことですか。
調査
してみなければわからないなどというそんな不明確なものですか。私の聞いて来た事態とあなたが聞いた事態と或いは現地に行かれた建設当局の方が聞いた事態と違
つて
いるものだとは思われない。電気設備のなか
つた
ということだけは確実なんだ。大体その門扉がしま
つて
お
つた
ということだけは厳然たる事実なんだ。私はそういう形式的な議論を今言
つて
いる。実質に触れて真の責任がどうのこうのということを言
つて
いるのじやない。監督責任があるではないかということを申上げる。 それからこれはいろいろ立法上の今後の研究課題にしなければなりませんが、何としても、会社側も請負者側もどうしてこれを処罰する根拠規定が或いは
公共事業
関係
にはないのか。やるとすれば何いかはあるのですか。全然しでかしたことは野放しで、ただ
補償
さえすればいいのだ。人命までも失うというような問題に何ら処罰できないのか。これは一般の被害者が刑事訴訟的に訴え出るというような、そういうことが起訴条件としてなるかどうかわからんけれども、そういう
方法
でもとらない以上、どうしても国として、県として制裁を加えることができないものですか。その点もう一度はつきりお伺いして置きたい。
小池誉
128
○
説明員
(小池誉君) 私ども河川法を取扱
つて
おります者といたしましては、そういう場合につきましての罰則と申しましようか、それが公共のために非常に支障がある、かような場合には停止を命ずることもできますし、或いは工作物を撤去するというようなことは河川法上の規則には調
つて
ございます。ですから河川におきます工作物についての監督権は持
つて
いるわけでございますが、罰則というようなものについての点は、私どもの
建設省
としてのものの中には語
つて
ございません
小笠原二三男
129
○
小笠原二三男
君 じや今後そういうようなものについて厳重な工事
施行
がなされ、又監督が十分行われるということを目的として、そしてそうした工事
方法
において妥当でない方式をと
つた
などというものについて何らか措置するというようなことを、今後お
考え
になる必要があるように思いますがということについて、御所見は如何ですか。
小池誉
130
○
説明員
(小池誉君) 私どもは水利権を取扱
つて
おりますので、そういうような事態が発生しないように内容を検討し、或いは監督の立場から、第一次監督者等に協議をいたす場合もありますし、或いは文書によりましてそういうことの起きないように厳重に監督をして行くというような態勢に、県に対しましては両三度通牒を出しておるわけでございます。
小笠原二三男
131
○
小笠原二三男
君 私のお尋ねしているのは、端的に今後を戒めるために、又そういう事態を惹き起さないがために立法的な措置ですね。万一の場合があ
つた
ら厳重な責任追及ができるというようなことをすべきではないかと
考え
ますので、そういう点について今後考慮を払われるお
考え
があるかどうかという点を伺いたいと思う。
小池誉
132
○
説明員
(小池誉君) お尋ねの点につきましては、河川法の改正の問題についても
関係
するわけでございますが、今度の我々が持
つて
おります河川法の案につきましても、その罰則まで規定をしてはまだございませんような状態でございますが、私どもといたしましては、そういう点にも十分研究を重ねまして、今後こういうことがないような措置を考慮して行きたいと
考え
ます。
江田三郎
133
○
江田三郎
君
ちよ
つと簡単なんです。今の答弁、私
ちよ
つと答弁にな
つて
ないと思うのですよ。もつといい答弁があるのだけれども、まあそれはいい。これは工事認可は正式に下りてお
つた
のですか。
小池誉
134
○
説明員
(小池誉君) 下りていました。
江田三郎
135
○
江田三郎
君 いつ工事認可が下りたか。
小池誉
136
○
説明員
(小池誉君) たしか六月十八日に第一次監督者であります県から、両県から九州電力に出てお
つた
と思います。
江田三郎
137
○
江田三郎
君 まあ実際に工事を始めたのはそうすると六月じやなしに、ずつと前ということになりますが、若したまたま、工事認可のあとでこういう災害が起きておりますけれども、工事認可なしに工事をするという例はここだけじやなしに、ほかにもいろいろあるようでありますが、一体工事認可が下りていないときに工事をするということに対して
建設省
ではどう
考え
ておるのか、もうこれは従来の慣例だということで放
つて
おくのか、若しそういう工事認可が正式に下りていないときに今日のような事故がたまたま起きるようなことがあ
つた
ら、これは誰が責任を持つことになるのか。
建設省
なり県のほうは知らん、請負組或いは
電力会社
が勝手に構造物を作
つた
のだ、こういうふうになるのですか、どうですか、そこのところ。
小池誉
138
○
説明員
(小池誉君) 先ほどお話がございましたように、水利使用の認可と、それに附随いたします工事
実施
認可が下りない前に工事をや
つて
いる実例が非常に多いというのがこれはまあ現実にあるわけでございます。
建設省
といたしましては、
実施
認可が下りなければ絶対に工事には着手してはならないという方針をきめまして……。
江田三郎
139
○
江田三郎
君 いつから。
小池誉
140
○
説明員
(小池誉君) それは最近でございます。(「うまいぞ」と呼ぶ者あり)きめまして、それをまあ流しておるわけであります。
石川清一
141
○
委員長
(
石川清一
君)
ちよ
つと速記とめて。 〔速記中止〕
石川清一
142
○
委員長
(
石川清一
君) 速記を始めて。明日公報に御通知申上げました通り治山治水の根本
対策
について御
審議
を願うことにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十五分散会