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1953-06-25 第16回国会 参議院 建設委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年六月二十五日(木曜日)    午後一時三十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石川 清一君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            石坂 豊一君            小沢久太郎君            鹿島守之助君            赤木 正雄君            江田 三郎君            近藤 信一君            田中  一君            木村禧八郎君   政府委員    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省道路局長 富樫 凱一君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   説明員    建設省道路局総    務課長     八巻淳之輔君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件  (建設省関係昭和二十八年度予算の  件) ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 石川清一

    委員長石川清一君) それでは只今より委員会開会いたします。  本日は公報を以て御通知申上げました通り建設省道路局計画局関係昭和二十八年度予算の件を議題といたします。政府側より御説明を願います前に御相談をいたしますが、道路整備費財源等に関する臨時措置法案の取扱について、当委員会として大蔵委員会に対し連合審査を申入れることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  3. 田中一

    田中一君 ちよつと速記をとめて……。
  4. 石川清一

    委員長石川清一君) じやちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  5. 石川清一

    委員長石川清一君) 速記を始めて。今のところを訂正いたします。  当委員会としては大蔵委員会連合審査をすることに決定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 石川清一

    委員長石川清一君) 御異議ないと認めます。御異議がないようでございますので、合同委員会の日程については委員長に御一任願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 石川清一

    委員長石川清一君) それではこれより政府側から二十八年度建設省道路局並び計画局関係予算説明をお願いします。
  8. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路局関係の二十八年度の予算を御説明申上げます。よろしく御審議をお願いいたします。  お手許にお配りしてあります刷り物の五ページからでありますが、先ず総括的な御説明を申上げたいと思います。七ページのおしまいのほうに合計と書いてある欄がございますが、昭和二十七年度におきましては道路関係予算は八十六億八千六百余万円でございます。二十八年度におきましては百四十一億二百余万円でございます。約六割二分の増額でございます。これによりましてどういう事業ができますかを総括的に二十七年度と対比して申上げたいと存じます。  内地分におきまして、改良関係でございますが、国道改良関係におきまして二十七年度は四百十二キロを実施いたしましたが、二十八年度におきましては六百二十六キロを実施する計画であります。鋪装新設につきましては、二十七年度二百十九キロであつたものが、二十八年度におきましては四百二十八キロを実施する計画であります。又橋梁におきましては、二十七年度三十三キロでございましたが、これは二十八年度三十二キロという計画であります。  次に北海道について申上げますと、改良分が二十七年度が四百二十キロでございましたが、二十八年度は三百五十七キロを実施する計画でございます。又鋪装新設につきましては、二十七年度が八キロでございますが、二十八年度は十三キロを実施いたしたい計画であります。又橋梁につきましては、二十七年度四キロでございますが、二十八年度八キロを実施いたしたい計画であります。この二十八年度予算のうちで、暫定できまりましたものが全体につきまして五十一億ございまして、残りが八十九億九千五百万ございますが、この五十一億と申しますものは、二十八年度予算に対して四・三カ月に当ります。四、五、六、七、四カ月でございますが、暫定予算で配賦いたしましたものは四・三カ月になつております。  なお詳細について御説明申上げます。五ページの上、内地分について御説明申上げます。先ず直轄道路改修費でございますが、これは三十九億二千六百万円で、これを内訳いたしますと、改良、踏切除切、鋪装鋪修となりますが、改良につきましては二十九億八千九百万、踏切除切につきましては六千万、鋪装につきましては七億九千五百万、補修につきましては八千二百万ということになつております。この直轄道路改修費は一級国道或いは二級国道につきまして国が直轄を以て行います道路事業ございまして、国の負担率が三分の二でありまして、補修につきましては二分の一でございます。この「説明」という項の所にございますが、改良につきましては「国道改良区間の中から我川国最大幹線である東海道、山陽道及び交通不能箇所を重点として施行し、又長大橋梁の架設及び災害との合併施話を推進する。」ということであります。それから踏切除切につきましては、「最近の頻発する踏切交通事故に鑑み一日交通量一〇〇〇台以上の箇所遮断時間多く交通隘路なつている箇所を施行する。」、それから鋪装補修でございますが、これは「現在鋪装されている箇所で長区間亘つて破損甚だしく基礎的構造から補修を要するところを重点的に施行する。」となつておりますが、これらの事業直轄道路改修費で行うわけであります。次に道路事業調査費でございますが、これは二千四百十七万七千円でございまして、これは直轄国道改良計画を樹出するため、これに関する調査でございまして、測量調査重要構造物調査耐雪施設調査路盤調査路面改良調査等をこれで実施するわけでございます。次に道路改修費補助でございますが、道路改修費補助は、地方の行います道路事業に対する補助でございまして、その内訳は改良踏切除却特殊改良橋梁整備補修災害防除鋪装地盤沈下地帯、これだけになつております。このうちで特殊改良というのは、従来局部改良と申しておりましたもので、局部的に改良すれば非常に実効が挙がるというふうなものを取上げておるわけでございまして、これを局部改良と称しておるのでございます。この改良費は、これは補助率が二分の一でございますが、これが十八億六千六百二十万円でございます。踏切除却、これも補助率は二分の一でありまして、三億四千七百二十万でございます。特殊改良、これは補助率が三分の一でありまして二億七千五百万、橋梁整備、これは補助率は二分の一でございまして、金額は十九億一千四百五十七万でございます。補修補助率が三分の一でございまして、五億六千八百五十一万でございます。災害防除補助率は三分の一で一億九千百二十万であります。それから鋪装は二分の一乃至三分の一でありまして、これが十六億二千百五十万円でございます。この鋪装補助率の二分の一とありますのは、国道について二分の一でありまして、その他の府県道につきましては三分の一でございます。地盤沈下地帯とありますが、これは南海地震によります地盤沈下地帯に対します道路事業でございまして、これは補助率が二分の一から三分の二でございまして、金額が三千三百八十万円であります。  ここで二十七年度と変りました点を御説明申上げたいと存じますが、先ず費目につきまして、砂利道補修、それから軌道の補修道路標識、それから橋梁補修の中で木橋補修というものが二十八年度では見込まれておりません。もう一つ補助率の変つた点でございまして、鋪装に対する補助率府県道に対するものが三分の一となりました。これは二十七年度までは二分の一であつたものであります。これだけが二十七年度と変つております。この説明の項を御覧願いたいと存じますが、この道路改修費補助の中の幹線道路改良及び産業開発上必要とする道路改良を施行するわけであります。又、踏切除却につきましては、現在鉄道と平面交叉なつておる箇所で、一日交通量が三百台以上で、遮断時間が三時間以上に及ぶ箇所を立体交叉させるという計画であります。それから特殊改良でございますが、道路局部改良及び突角剪除待避所設置並びに路面基礎構造改良するというのを特殊改良でやる計画であります。それから橋梁につきましては特に御説明申上げることもないと存じますが、長大橋というのは百メートル以上の橋梁でございまして、交通上緊急に施設の必要ある箇所及び中小橋、百メートル以下の橋梁でございますが、百メートル以下の橋梁のうち交通上及び腐朽度合の高いものから逐次実施することにいたしております。それから補修でございますが、この砂利道補修はございませんで、鋪装道補修は、著しく破損している箇所交通上これは支障になつておる路線について、緊急度の高いものから施行して行く計画であります。それから災害防除でありますが、年々災害を誘発する虞れのある箇所及び特殊土壌地帯についてこれを防止するためにやりまする仕事でございます。これは「道路橋改良する」とありますが、防止するための、「橋」を除いて頂きまして、「道路改良する」と御訂正願いたいと思います。それから鋪装でございますが、交通量激増のため、現在の砂利道では維持困難な幹線道路及び人家連担地区、或いは工場の密集地帯等鋪装する計画であります。それから地盤沈下地帯につきましては、先ほどちよつと触れたのでありますが、昭和十九年の東海、昭和二十一年の南海地震のために道路橋梁が著しく沈下しまして、その効用を失つた箇所を施行する計画でございます。次に道路事業調査費補助でございますが、これは府県の行います道路事業調査に対する補助でございまして、六百三万五千円でございますが、これは重要路線計画線調査橋梁調査とあります。この内地分を総計いたしまして二十八年度の予算が百七億七千四百十九万二千円となつております。  次に北海道につきまして御説明上げます。北海道につきましても直轄道路改修費道路改修費補助とこの二本建になつておるのでございます。この直轄道路改修費北海道開発局が実施いたします事業でございまして、この分につきましては改良費直轄道路改修費全額国費で施行することになつております。先ず直轄道路改修費の御説明を申上げますが、直轄道路改修費が二十七億五千三百三十万円でございまして、それを区分けいたしますと、改良鋪装補修維持橋梁整備災害防除、これだけになつております。北海道特殊性から改良の中に一般道路開拓道路というものがございます。この開拓道路といいますのは、建設大臣開拓道路に指定いたしまして行う事業でございます。この改良が九億二千八百万、一般道路が五億六千六十万、開拓道路が三億六千八百万円でございます。それから鋪装でございますが、鋪装が一億四千八百万円、補修が九千三百三十万でございまして、この北海道につきましては鋪装道路補修が三千万で、なお砂利道補修というのが北海道にはございます。これが六千三百三十万でございます。それから北海道特殊性のもう一つは、維持というものが入つておりまして、これも国の費用維持するわけでございます。この維持改良と同じく北海道開発局が実施いたしますが、この維持費用といたしまして三億九千七百三十万円を見込んでおります。それから橋梁整備といたしまして十一億六千百九十万でございますが、この北海道においての特殊性の第三と申しましようか、本橋の架換についてもこれを認める、橋梁補修についても認めているわけでございまして、これが二千八百八十万でございます。この説明のほうにありますが、これを上のほうから御説明申上げたいと存じます。  直轄道路改修費は、北海道開発特殊性に鑑み全額国費で実施するわけでございます。それから改良一般道路でございますが、一、二級国道のうちから緊急性を勘案して道路改良を実施するわけでございます。それから開拓道路でございますが、開拓上必要と認める線について入植戸数を考えて開発道路新設又は改良するものでございます。それから鋪装については、主要都市交通量が多く且つ積雪と砂利道では維持困難な箇所鋪装する計画でございます。この舗装補修については内地の分と同様でございます。維持につきましては、幹線道路一円及び過去十カ年内で皆国費改良した市町村道について維持をする費用でございます。北海道道路令開拓道路をこしらえまして、十カ年間は維持をしなければならんことになつておりますので、それに要する費用でございます。橋梁については内地の分と同様でございます。災害防除につきましても同様でございます。次に道路事業調査費でございますが、これが九百三十六万九千円でございまして、これの説明内地と同様でございます。そのほかに道路改修費補助というのがございまして、これが五億六千四百六十万円でございますが、これは北海道庁の施行する道路事業に対する補助であります。改良が四億九千六百八十万円でございますが、この改良を内訳いたしまして一般改良鋪装道新設、それから長大橋中小橋ということになつておりますが北海道において補助率内地と変つておりまして、改良については十分の六でございます。それから鋪装につきましては二分の一でございます。それから長大橋については十分の六、中小橋については十分の六、こういうふうになつておりまして、内地よりも少し上つております。それで改良につきましては四万九千六百八十万円でございまして、これの仕事内容は、この補助率が変つておるということだけで、仕事内容につきましては内地と同様でございます。次に特殊改良でございますが、これは補助率が三分の一でございまして、二千三百四十万六千円、仕事内容内地と同様でございます。それから補修でございますが、補修補助率は三分の一、これが四千八十万でございまして、この補修についても内地と同様でございます。それから災害防除でございますが、これも補助率は二分の一、金額は僅かに三百六十万でございますが、これも内地と同様でございます。それから道路事業調査費補助といたしまして七十六万五千円がございますが、この内容内地と同様でございます。  以上合計をいたしまして北海道分が三十三億二千八百四万でございまして、内地北海道と合せまして百四十一億二百二十三万二千円となります。これで公共事業費関係道路について御説明申上げたわけでございますが、そのほかに特定道路というのがございますが、これは特定道路整備事業特別会計で実施いたします仕事でございます。これは二十七年度におきましては資金運用部資金を借入れておつたのでございますが、二十八年度におきましては繰入金を以て実施することになつております。この特定道路の実施をいたしますのは内地だけでございますが、これが二十五億円でございます。これらを合せますと百六十六億二百二十三万二千円となるわけでございます。  以上簡単でございますが、内容を申上げた次第でございます。
  9. 石川清一

    委員長石川清一君) 計画局のほうは見えませんので、御質疑がありましたら逐次御発言を願います。
  10. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私質問でなくて、或いは教わることになるのだと思うのですけれども、道路改修とか補修はあるけれども、いわゆる県道みたいなもの、或いは更に町村道というか、ああいうものの新設関係はどういうふうになるのですか。
  11. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この改修と申しておりますのは、これは改良補修という意味を一緒にしたものでございます。それで県道等新設改良の中に含まれております。
  12. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうすると新設改良という中に含まれて仕事している、そういうことでございますか。
  13. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 先ほどのをちよつと訂正さして頂きます。改築でございます。それでこの中で、道路法でいいますと、新設と申しますのは路線を新らしく設けまして、それでその線について仕事をするというのを新設言つているのであります。路線があつて現在通行ができないというのをやるのは改築というふうに考えます。
  14. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それは改築というのはそうだろうと思うのでありますが、私の実はお聞きしたいと思うのは、まあ県道、大きいところになれば県道ですな、いろいろとダムとかああいうものが、いろいろ文化の進んで来るに従つて相当交通事情が変る。そういうようなことからしてこの村とこの村を結んだほうがいい、こういうようなことでいわゆる新設ですね、路線新設に当る部分の必要な所を大分聞くのであります。殊にその問題は町村町村とを結ぶ、或いは町村道ちよつともの生えたようなところが非常に要望される点が多い。で、これらのものについては何ら今の道路仕組ではなかなか事実できないのですね、事実できない。私はこう思うのですが、それはできるでしようか、どうでしようか。
  15. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 只今お話のようなことはこれはだんだんにございます。殊に最近資源開発等のために町村道改築或いは改良したいという要望が非常に多いわけでありますが、これは町村道のままでは内地におきましては国の補助事業の対象にならないのであります。
  16. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そこで私は一方山の林道の問題を前に扱つたことがあるのですが、林道は御承知の通り目的があつて林産物を出すということが建前なつているのだが、林産物を出す建前ではあるけれども、今は人口が殖え、町村関係実情は変つて来て、実は解釈の仕方によれば明らかにこれは一般道路だと思われる点が多々出て来るのですね。これは一般道路のほうから出してもらつたらいいじやないか、こういうことになると、そつちのほうは全然道がないというか、殆んど実現は不可能なんだから、どうせ林産物を出すのだから、これは林道としてやつてくれと言う。だけれども林道の金なんというのは林産物を出すためにある。それも要求額の三分の一くらいしかくれないで、そういつた一般交通相当に使用されるようなものまでなかなか手が及ぼせない。これも林産物の量が非常に多い場合においてはこれは林道だというような名目にもなるけれども、必ずしも林産物が特に他の候補路線よりも多いわけじやない。殊に一般交通ということを考えれば、全体として国民の側から見ればこれは欲しいだろうということはわかる。こういうようなときに、非常に私はかねてから道路行政というものの問題について非常に遺憾に思つていたのです。何とかしてそういうところに今日開拓のことから、或いは総合開発のことから随分奥地のほうに変化が起きているのだから、そういうようなものを繋ぐ道路を新たに何か限定された条件の下でもいいけれども、新設するということは必要だと私はもう痛感するのですが、それについてのお考えと、その実現の見込ですね、その辺についてお答え願いたい。
  17. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話御尤もでございまして、我々のほうといたしましても、毎年林道との関係道路改良の要望される面が相当多いのでございます。ただこの道路費が誠に今少いものでございますから、何といいましても道路国道府県道町村道とありまして、道路がその順に従つて重要度も違うわけであります。只今道路費で購えるのは、府県道もなかなか思うように行かないというようなことで、二十八年度の予算にも町村道というのは殆んど入つておらないわけでありますが、それはそういつた観点からでございます。なお併しだんだん奥地の様子が変つて来まして、昔の町村道がこれは県道にならなければならんという性格のものも出て来ようと思うのでございますが、そういうものは県道にいたしまして、その上で改良するというふうな仕組をしておるわけでございます。
  18. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 まあ趣旨の点はわかるのですけれども、交通量の多寡というものを非常に大きなウエートにして行く場合にはそれまでには至らない、さればと言つてそこの産物搬出という点からいうとペイしない、こういうことになると、端から見れば当然そこに通すべき路線でありながら、丁度エア・ポケツトのような恰好になつてあるのです。私はお互いの省の関係がいずれも経費が少いことから出ている実情だろうことはわかるけれども、そうかと言つてエアポケットのようになつしまつて両方からはねられている。併し実際それを見ると、まさにつけて然るべき所だと思うような所が多々ある。私はこの問題については関係の、つまり農林省と建設省でどつちが金を取つてもかまわんのです。もう路線も選べば約二十足らずだと思うのです、最も必要だと考えられるのは……。それは特別に両方で連絡をとつて、どちらでお持ちなるのも結構ですが、是非具体的な路線として新たに持つて、そういう救われない、今までエアポケットなつていた道を是非大きな開発の面から一つお取上げ願いたいというのですが、それについて御意見如何ですか。
  19. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 毎年予算がきまりますと、私のほうでは林野庁のほうと打合せまして、林道関係を突合せることをやつております。まあそういうふうな例もそう多くはないと思いますので、これは具体的に一々お話し願えれば、それによつて考慮できるかと思つております。
  20. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それではこれは、予算がきまつてからもそういうことをして頂くことは勿論望ましいことですが、予算折衝の際に、今まで両方からしてまあまあと言われていたよう線、これを是非取上げて予算折衝そのものに乗せて、経過的にそういうものを暫らく救う必要があるのじやないか、私はそういうことを強くお願いを申上げます。
  21. 田中一

    田中一君 今この予算書を拝見しまして、昨年度と比べて約倍額近い道路予算が盛られたことは非常に敬意を表します。併し今の局長説明を聞きますと、今度の予算編成によつて地方公共団体負担が非常に過重になつたと、こういうような印象を受けるのですが、その点について二、三伺いたいと思うのです。  先ず第一に伺いたいのは、先ほど言つた五ページのおしまいのほうの鋪装が二分の一が三分の一になつたという点、これは国道の場合には二分の一、地方道の場合には三分の一になつたという点、それとその上の砂利道補修については、二億五千万の予算が昨年度あつたやつが今度なくなつておる。これは併し一番下のほうの今の鋪装のほうでカバーするのだと、砂利道は随時鋪装のほうに直して行くからだというように御説明伺つたのです。そこで砂利道維持管理というものは今日地方都道府県がやつております。その場合に砂利道は一切補修せんでよろしいと、若し補修するならば、大体お前のほうの維持管理の能力において補修しろと、現在のところ砂利道というものは金はやらんけれども、お前のほうがやるなら勝手にやれと、こういう印象を受けるのです。そこで砂利道というものは、今日国道の場合、地方道の場合、どのぐらい延長があつて、この次の鋪装するという分がどのくらいのキロメートルあるか、この点を御説明願いたいのです。砂利道維持管理は一切勝手にやつてよろしいと、そうすると今度の予算編成倍額近いような予算を取りながら、どうも地方自治体の貧困な財政をなお圧迫する形になるような編成ではなかろうかと、こう考えるのです。まだこれに関する二、三の点がありますが、先ずその点を御答弁願いたいと思います。
  22. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 只今の御質問は私どもにとつて誠に痛い御質問なのであります。実は予算要求の過程におきましては、この砂利道補修橋梁補修も全部要求したのでございますけれども、大蔵省の見解は、補修のような仕事をやるよりも改良的な仕事に国が補助して、その仕事を伸ばしてやるべきではないか、補修のような仕事はそれぞれの道路管理者がやつて然るべきであるということで、この補修は遂に落ちたわけでございます。又鋪装補助率の問題も同じでございまして、これは人家連担のところで地元が非常に要望されておるところは、これは特別な場合として三分の一でもよろしいというところはあろうけれども、一般にはどうしてもこの補助率は二分の一くらいにしてもらわなければ困るということで折衝いたしたわけでありますけれども、これも結果において地方道鋪装補助に対しては三分の一になつたわけでございます。  先ほどのお尋ねで、砂利道鋪装の延長の割合ということでございましたが、これは鋪装の延長なんというものはもう問題にならないぐらい少いわけでございます。殆んど砂利道と申して差支えないわけであります。この砂利道鋪装にするというのは、今の道路費で行きますと百年を越すくらいかかるわけでございまして、ここに相当当分の間は砂利道を使つて行かなければならん状態でございます。
  23. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今田中さんの御質問に関連しまして、地方負担分は、この予算の結果、金額としてどのくらいになつておるのですか。
  24. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 二十八年度の予算におきましては、合計いたしまして地方負担分が八十九億九千八百万でございます。これを内地北海道に分けますと、内地分が八十五億二千三百万でございまして、北海道のほうが四億七千四百四十四万でございます。
  25. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 二十七年度は幾らですか。
  26. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 二十七年度は、道路予算額が八十六億八千六百九十六万七千円でございまして、これに対する地方負担額は五十六億二千三百二十七万三千円でございます。率にいたしますと、昨年は地方負担額が国の予算額に対して七五%を負担しておりましたが、二十八年度におきましては七三%でございます。
  27. 田中一

    田中一君 今日も衆議院で道路整備費財源等に関する臨時措置法案委員会は通過したそうです。これだけの二十七年度に比べまして倍近い予算を取りながら、なお地方自治体に対する負担を増大さすということであるならば、我々はあの法案審議に当つて相当に考慮しなければならんです。従つて国道を見て歩いても、府県道を見て歩いても、大抵の幹線は砂利も敷かないような道路があるのです。そういうものを放置されて、ただ吉田首相が大磯から自動車で通われるような道路だけ整備して、実際に産業開発その他の面で以て必要な地方道というものを放置されて、而もそれが地方県民の負担においてなされなければならないということになるならば、この道路予算というものは根本的に組替をしなければ我々承知できないのです。先ず今道路局長説明を聞いただけでもこれは到底我々野党として呑めない予算です。これについてこれは道路局長をいじめてもしようがありませんから、大蔵大臣又は建設大臣の出席を求めまして、そのどこに意図があるか、この点を究明しなければ、私は道路予算に対する質疑はいたしません。この根本の問題をおきめ願わなければ我々審議に入れないのです。なお二、三重要な質問がありますけれども、先ずその点を明らかにしてもらうまでは私はこの審議を保留します。ほかの方々の質問があるでしようから、私は大蔵大臣並びに建設大臣の出席がなければ、この道路予算委員会における審議はいたしませんから、このことを委員長から両大臣に出るように要請して頂きたい。
  28. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 只今お話の中で昨年度の約二倍ということでございましたけれども、公共事業費に関しましては六割二分の、この百六十六億といいますのは、特別会計の有料道路を含めたことであります。
  29. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほどの御説明のうち、特定道路については一般会計から二十五億特別会計のほうへ繰入れると言いましたが、これは特定道路の特別会計三十一億のうち二十五億を繰入れて、あとは資金運用部資金か何かで賄うのですか。
  30. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 実はこの特定道路につきましては暫定予算がつけられなかつたわけであります。そこで運用部資金から五億借りまして直轄分について七月まで賄つたわけでございます。その金を今度返さなければならない、それで二十五億になるわけであります。三十一億の中から五億借りておりますから、それを返しましてあと利子や何かありますが、計画としては二十五億の計画であります。
  31. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 わかりました。それからもう一つ、高速度道路調査費がここにやはり出て来ております。千五百五十五万ですね。これは大体この前しも問題になりましたが、この高速度退路計画は外資の導入を前提としておるわけですね。そればかりでなく、全体の道路計画のバランスからいつて非常に多額の一つ道路予算が要るわけですね。常識から見てちよつと実現不可能ではないかと私は思うのです。従つてこの調査費はもう私は不必要ではないかと思うのです。それにもかかわらず又ここに出て来ておるという意図は、やはり既定方針通り外資を前提としてこの高速度道路計画をやはりやる建前で出して来ておられるのか、その点を伺いたいのです。
  32. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 高速道路につきましては、申されましたように外資を当てにしておるわけでございますし、なお外資が非常に見込がなさそうだというような点から、これについて道路会社というようなものを考えられておるわけでございます。ただいずれも成案を得ておりませんで、只今のところは調査をするだけにとどまつておるわけでございますが、この高速道路につきましても従来から調査をいたしておりまして、あと四千万円ほどあれは全部完結するわけであります。これがありますと将来にも参考になるわけでございますし、又この途中でやめたりでは、今までやつたところも無意味になるということもございますので、是非この調査だけは完結さして頂きたいと考えておるわけであります。
  33. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは一応の建前としてはわかるのです。折角始めたものを途中で打切るということは如何かと思うということは、当局の人としてはそうでしようが、実際問題として大体実現困難だ、而も本年度あたりから着工するやに言われておつたのが実際にできない。それならこういう調査費をもつと直接的に必要な調査費に振り向けてはどうか、そういう意味で私は質問をしておるのです。もつと資金使用の効率ということを考えなければならんということを言つておるのです。政府は財政資金の効率的使用を国全体から見て、道路調査費というものは決して多いものではないのです。私は道路のほうは専門じやありません。専門じやありませんが、全体の、さつきお話を聞いても、砂利道路がまだ鋪装道路になるのには大変な時間がかかる。この道路調査だけでもまだまだ大変やらなければならない。そういう意味で、実際実現しそうもないものについて、やはり今まで手を著けたから、その行きがかり上やはり計上するというのは、どうも私は実際問題として財政資金を効率的に使わなければならん建前からいつてどうかと思うのですが、この点思い切つて削られたらどうですか。又削る削らんは我々議員の手にあるのですけれども、不用ではないかと思うのですが、そんなに緊急ではないのではないか。
  34. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 先ほど申上げたことを繰返すようでございますけれども、外資導入を図りますによりましても一応計画を確立して行かなければなりませんし、又道路会社等を考えられるときにも、先ず基本になりますのは道路計画でありますので、できますならば我々としてはこの調査はやはり完成さして頂きたいと思います。
  35. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 では伺いますが、道路会社というお話でありましたが、道路会社の計画をお聞きですか。それはやはり国費調査されたこの調査に基いて道路会社が高速度道路を建設するという計画なのですか。
  36. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路会社と申上げましたのですが、これは公団というふうなものも考えられておりますし、それもできなければ、道路会社がどうかというようなことも言われておりますので、この辺はまだはつきりしたことを申上げかねるのでございますが、一応そういつた仕組のものが考えられているわけです。で、いずれにしましても、会社となりますと、国が調査したものをそのまま使うということになつては又何か筋が通らないものがあるかも知れませんので、その辺はまだはつきりいたしませんので、まあ会社と申上げたことが不適当かと思いますが、一応そういうものに役立てたいと思います。
  37. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう一つつておきたいのですが、根本において政府は高速道路というものをどうしてもやるつもりなのか、やらんつもりなのか、その点、条件が崩れている。ですからその点だけ最後に明らかにして頂きたい。
  38. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 我々といたしましては現在の東海道を見ておりますし、又最近の自動車の増加量を見ておるわけでございますが、遠からずこういつた高速道路というものが必然的に必要になつて来るというふうに我々は考えております。
  39. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつと……もう私はやめようかと思つたのですが、必然的に必要になるというのは、高速度的な道路が必要であることはわかるのですが、今この調査費が出て来ているような計画に基くそういう道路が必然的に必要であるというのですが、それは外資導入を前提としているのですよ。ですから他に又路線なんかを変えるかも知れない。或いは又そのほかにこれは鉄道計画なんかともいろいろ関係があると思うのですが、そればかりが唯一の交通を緩和するような方法じやないと思うのですが、必然的にそうなるというのはどういうことですか。この既定方針についてやはりそうなつて来ているということですが、この問題は道路局長よく御存じなんです。この道路に該当する、当る村民は大変な重大問題にしているのです。それは特にあそこは非常に二毛作にいい土地ですね、田圃、田畑、そういうものがあそこに該当するのですよ。今調査している所はそうなんです。食糧難、食糧難と言つて、増産と言つておきながら、相当いい物が取れるところです。東海道からずつと神戸まで、今道路に該当するところはこれは大きな私は問題になると思うのです。或いは又こういう道路を仮に高速度的なものを設けるとしても、今のような形でなく、成るべくそういう優良の田畑を避けてやるという、そういうほかに計画があるかどうか、そういう点についてちよつと伺つておきたいのです。
  40. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話の点御尤もでございまして、我々といたしましてもできるだけ良田をつぶさないような線を又考えておるわけでございます。山のほうに持つてつて、できるだけ田はつぶさんというような線を今企画線として考えております。
  41. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 では又あとで。
  42. 田中一

    田中一君 さつき木村さんが質問した部分ですが、特定道路予算は一般会計から二十五億出ておるのですね。これは特定道路、この特定道路の法案の審議の場合にもこれは一般会計を利用するという建前で有料道路となつたのであります。今度の二十五億の支出は、これは一般会計でやるなら金利は取らないのですね。
  43. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 特別会計に入つて来るときには金利は付きません。
  44. 田中一

    田中一君 従つて地方に貸す場合にも金利は取りませんね。
  45. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この一般会計から繰入れるということは、この道路整備特別会計をうまく運転しようという趣旨から出たもののように聞いておるわけであります。それで何分にもこの有料道路というものは、まだはつきりしておらない交通量計画を立てておりますから、まあ簡単な話が、儲かる所もあろうし損する所もあろうし、それらのものを何かプール資金を持つてつて円滑に運転しようじやないかというところが大蔵省の考え方のようであります。従いまして地方に出て行く分につきましては利子が付くわけであります。
  46. 田中一

    田中一君 法律の……、本法は運用資金を利用する点に重点を置いて、予算を立つておるわけなんです。大蔵省から今後一般財政資金を繰入れるということのこの特例の法律が出ることになつておりましたね。これは前国会で通過しましたか、しませんでしたかね。
  47. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) その法律は前回流れたと思います。それでちよつと今申上げたいのですが、あの法律の中には別にどこから借りるということは法律の面では書いていないのであります。運用部資金からというふうには謳つておらない……。
  48. 田中一

    田中一君 この議事録を見ればわかりますが、運用部から借入れるということになつておるのです。我々は若し一般財政資金でこれをやればこんなものは通しませんよ。国民の税金で道路を直すのに、国が全部やるのに、道路費というものがありながら金利を付ける、金を貸してやれば金利を取る、従つて賃取り道路にするんだ、一般財政資金は国民の税金から金をやつて、又利子を取る、利用する人が又その料金を払うというようなことならば、道路費予算を十分取つて十分やればいいのです。これが観光道路とか何とかいうたらばこれは別でしようが、国道に金を……関門道路は別にしましよう、国道に国民の税金を注ぎ込んで、そうして都道府県から利子を取つて、そうしてそこを通る者からは通行料を取るなんということは、これは磔茂左衛門が出て来ますよ。そういうことをするというようなことはありようがありません。これは運用部資金から取るなり、成るほど運用部資金というものは国民の零細な金を積み立てたのでありますから、まあ国民にも金利を払つております。筋が立つております。従つしそれに対する利子の補給面を持たなければならんから、賃取り道路も止むを得ぬ。地方、都道府県がやるところの多少営利的なものは止むを得ませんでしよう。併しながら国道を作ろうとして我々をだましてあなた方が行政権でやつたものがあるのです。我々は関門海峡を先ず承認いたしました。戸塚国道などは絶対に反対している。国道は天下の公道です、国民全部の道路を通るのに料金を払わなければならんなんということはありようはずがない、ほかに幾らでも財源はあるのであります。それからこれも又吉田さんの強い要請で、あなた方、前建設大臣も非常に困つて、これだけはまあ多数で押し通しました。吉田さんが毎日々々大磯から、大磯の妾宅か何か知らんが、国会へ来るのに、総理官邸に来るのに困るからやるのだという話も聞いております。あなた方は多数で以てやつたのだからいいでしようが、我々がやつたのは関門国道、三重国道です、少くとも国民の税金を投げ込んで料金を取るなんということは、これはもう前時代の、封建時代の遺物です、この方式は。この点若しもあなた方が、今度の予算で以て一応出ておりますが、我々の知らんものが又新らしく、松江でしたか、どこかを今度やると言いましたね。二十八年度の計画では松江国道をやる、松江国道をおやりになるならば一般の国の予算道路費で以て立派におやりなさい。この点からいつて道路予算というものの組替を要求します。我々は道路整備法を審議する前にくどく申上げたところです。今の局長は御存じないかも知れないが、ほかの課長さんは知つておるはずです。国道を通るのに一々料金を払わなければならん、これは無論歩行者からは取りません、こういう考え方はやめて頂きたいのです。なぜ松江国道を今度賃取り道路にしなければならなくなつたかという理由を先ず説明して下さい。
  49. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 松江国道仕事は、宍道湖の湖岸を埋めまして観光道路的な道路を作ろうということに端を発しているわけでありますが、現在の国道国道として不便ではありますが、通れるようにはなつているわけであります。そこで湖岸を埋めて観光道路的なものをやろうというようなわけでありますから、なかなか公共事業費からは出しにくいというような点から、特別会計からやることになつたわけであります。
  50. 田中一

    田中一君 そうしますと国道というものは甲乙ございません。甲乙といつたつて道路法では一級国道、二級国道、同じ一級国道の中で、片方は一般財政資金を以て工事をする、片方は何といいますか、止むを得ず賃取り道路でやるというような考え方は、道路行政のもとに触れる問題なんです。例えばここにあるところの阿蘇登山道路とか霧島登山道路とか、高野山登山道路とかというものは観光的な意味があつて、或いは地方の財源を豊かにする意味においてもこれは了承します。併し国道というものは国民のものなんです、政府のものじやないのです。国民が権利を持つているところの道路です。それを一々賃取り道路にするならば、一般財政資金で以ておやりなさい。関門鉄道のように五十億も注ぎ込めばほかの道路ができなくなるから、これは一応了承しまして、こういうことは全く何といいますか、本当の逆コースをはつきりと政策面に謳つておるようなものです。殊に法律を作るときに一応了承したものを、新らしく又国道に加えるなんということは、当然これは、道路局長は苦しいでしようけれども、政治力に抗して、あなた自身道路技術家としての良心から強く主張して頂きたい。日本の道路計画というものを完成するために、我々はこの道路の財源の問題、いわゆるガソリンを目的税とする問題でごうごうたる各党内に批判もあつた。併しながら道路を何とか整備して、道路を日本の産業経済のための足場にしたいという念願でやつているのです。にかかわらず、あえて又国道をこういう賃取りでやる。こういうことに対しては当然考慮しなければならんわけです。この党について局長道路政策の根幹というものを一つ説明願いたい。
  51. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路政策の根幹ということになりますと甚だむずかしいことになるのでございますが、要は、早く日本の道路を自動車の通れるようにしたいということなんでございます。これは別に御説明申上げなくてもおわかりの点でございますが、何分にも予算が少いものですから、まああらゆる方法をとつて、できるだけ早く日本の道路を直したいということなのでありまして、この限られた予算の中でそれならばどういうふうに道路改修をやつて行くかということになるわけでございますが、これについては交通税の問題でありますとか、それから産業開発というふうな面からそれぞれ順位をつけて、その急を要するものからやつて行くということでありますが、なかなかに道路改修がはかばかしくないわけであります。そして有料道路の制度なるものもできましたが、この制度もできるだけ活用して、早く日本の道路を直して行きたいというふうに考えておるわけでございます。  又先ほどちよつとお話にありましたガソリン税相当額を道路整備費に使うという法案が今御審議になつておるのすが、そういうことになりますと、或る程度道路改良というものが計画的にできるわけでありますが、これとても誠に少いものでございまして、今の全国の府県道以上を直すには約三兆億を要するわけであります。こういうようなことでありますので、ここ当分はいろいろ御議論もございましようが、有料道路の方式などを活用して頂いて、できるだけ早く道路を直すということにさせて頂きたいと考えておるわけでございます。
  52. 田中一

    田中一君 一つの例をとりますと、戸塚国道、御承知のように相当、一キロくらい手前から東海道線を越えて、山を通つてあの踏切を通らずして、一番閉鎖時間の長いという戸塚国道の踏切を通らずして向うに通る。そうすると金がある者はいち早く向うに到達する、金がない者は止むを得ず遅く行かなければならんということになるのですね。若しも道路整備再建等のあの臨時措置法が通つた場合には、国道は全部一般財政資金から出して振替えるという自信はお持ちですか。
  53. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは先ほども申上げましたように、なかなか法案が通りましても、一年二百億程度要るわけでありまして、これでは到底今の道路を急速に直すというわけに参りませんので、あの法案が通りましても有料道路をあの中から賄うというふうには考えておりません。
  54. 田中一

    田中一君 そうすると政府ではどこまでも国道というものから、国道の一部から通行料を取つてそれで整備する、そうしなければ今日の三兆億円かかるところの道路整備はできないというところの御見解ですね。
  55. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 田中先生の言われるところは御尤もでありまして、例えば戸塚国道のようなものから料金を取るということはこれは相当疑問のあつたところでございます。ただあの道路は非常に交通量も多いし償還が早くできるだろう。今の有料道路建前から行きますと、償還が終れば無料にするということになつておりますので、まあこういつた日本の道路を急速に直さなければならん現在の情勢からああいう方法もまあ止むを得なかろうかということでとられたように聞いております。
  56. 田中一

    田中一君 私も局長の言われる通りに止むを得んからあれを了承したのです。これが完成した暁にはどこまでも料金を取るつもりですか、あなたは道路局長として、道路行政の担当官として、完成した暁には料金を取るのですか、それを国の財政資金で振替えてあれを無賃道路にするか、やはり今の通り有賃道路にするか、あなたの技術家としての良心に訴えて答えて頂きたい。
  57. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路局長として申上げますと、あの法律に基いてやつておる事業でありますので、でき上りましたら有料にしなければならんと考えておるわけでございまするが、併しああいつた道路につきましてはできるだけ早く無料にするようにしなければならんと考えております。
  58. 田中一

    田中一君 この問題で局長を余りいじめても悪いからやめますが、ただ北海道道路の問題をちよつと聞きたいのですが、開拒道路というものは農林省で十分打合せをして、農林省が大体ここに何千戸ぐらい入植させる、どのくらいのものは入植させるという計画に則らたものでしよね、これは。
  59. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) その通りでありまして、この開拒道路計画をやるにつきましては、北海道の農地部で立てます入植計画に合せてやつておるわけでございます。
  60. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今の有料道路に関連いたしまして少しお伺い申上げておきます。田中委員の御質問通りに、あの法案を通過させるについては随分難点があつたのです。そのときに、法案審議の際に、有料道路についてはいいか悪いか、あれも随分難点があつたのです。併し一応大臣の立場もあろうというような考え方であれを認めまして、そのときに私は実に遺憾に思つている点も少しある。或る種の道路のごときは決して有料道路にしてはいけませんというふうなことを申したのもあります。併しこれは知らん間に有料道路なつてしまつた顕著な例もあります。言い換えれば、その結果から見ますと、審議に当つた我々委員は出し抜かれてしまつたという結果になつておるのであります。でありますから今田中さんの御質問もありますことでありますので、我々は決して行政権にそれほど深く立ち入ろうとは思いませんが、予算編成をいたしまして、すでに活字に組まれた上で、これはいかん、これは修正しなさいと言つてもなかなかできることではありませんから、今後有料道路になさろうというときは、この委員会もあることであるので、あらかじめ予算編成前に政府の御希望でも承われば、又我々の今までの審議の過程からして、こういうことは果していいか悪いか、そういうこともやはり御相談申上げて、建設省とこの委員会とがうまく運営といいますか、そういうことも考えられると思いますが、そういうことを政府は全然考えておられん、そういう点でこの前出し抜かれたと同じような結果になつた。これは一つ建設省としてもお考え下さつたほうが今後の運営にいいと思いますが、如何でございましようか。
  61. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 私から御答弁申上げたいと思いますが、予算編成につきましてはできるだけ建設委員の方々なり、その他広く世間の識者の御意見も承わつて予算編成をやつて行きたい、かように考えております。なお具体的に有料道路の問題に関しましては、できるだけ委員会の方々の、個人としてでも結構でありますし、委員会としての御意見でも結構でありますから、できるだけ御意見を事前に承わつて善処して行きたい、かように考えております。
  62. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 そういうふうなお座なりの答弁をされると、何だか一言、言いたくなるんです。一々されてないんですから……。実際今度の予算編成に対してなすつたでしようか。それを我我は一向……有料道路にするというので相談にあずかつたかどうか、ほかの人は知りませんが、私は一向あずかつておりません。これは皆さんにお聞きしてもいいのですが、どうでしようか。(「ございません」と呼ぶ者あり)そういう答弁なんですが、どうでしようかね、これは。
  63. 田中一

    田中一君 道路法道路審議会、これには特定道路に関する審議の問題はこの中には入つておらなかつたでしようかね。法律の中には。
  64. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路審議会にかけることにはなつておりません。
  65. 田中一

    田中一君 たしかそうだと思つたのです。そこでこれを、この特定道路をどんどんやるならば、これは道路法を改正して、或いは特定道路に関するものを今度改正しまして、道路審議会に必ずかけると、このような条文に直そうじやありませんか。早速この予算が通るのと併行して、政府としては特定道路の指定に当つて道路審議会の議を経るということに修正する意思はありますかどうか。若し今あなたに聞いたところで答弁できんでしようから、これは強い要求として大臣に申達して頂きたい。そうして、この予算の審議と併行して急速に出して頂きたい。これは赤木君が言つているように行政権に関与しようというつもりは毛頭もございません。官房長どうでしようか。
  66. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 成るほど道路法による道路審議会に付議すべき事項という中には入つておりませんけれども、将来の問題といたしましては、道路審議会の議を経てやるということもちよつと考えたところでは違法でもなさそうでございますので、それらの点も考え併せまして、もう少しどういう措置をとりますか、研究さして頂きたいと思つております。ただ私どもの気持といたしましては、政府が独断に勝手なことをしようというような意思は毛頭持つておりません。御了承願いたいと思います。
  67. 田中一

    田中一君 それは官房長にしても道路局長にしても純粋な人ですから少しもそういうことはないと思います。ただ道路が各地方の政策道路という形になると非常に困るのです。実際に困るのです。又その形が多分にあるのです。そこで私は道路審議会の議を経るということがどうも違法ではなかろうかというようなことではなく、道路整備法なり或いはまあこれは特例ですから、道路法の本法をいじると困ると思いますから、この整備法にそれを一項目入れるという改正をしなかつたら……、それを一つ請求しておきます。
  68. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 もう少し……特定道路の問題ですが、例えて申しますと、私は具体的なことを率直に言うのですが、例の奥日光からどこかに通ずる有料道路があつたはずです。あれなんかは野田大臣のときですよ。これにはいろいろな運動のあつたことも私は聞いておるんです。実に余り気持よくないことと思つております。そういうことがありますからして、先ほど申す通りに行政権に立ち入ろうと思いませんが、今後の運営をよくするために、先ほど申した通りに特に御考え願いたい、これを重ねて申上げます。  もう一つお伺いしたいのは、一級国道、二級国道に編入されたら、今後の改良とかそういう仕事直轄でなされるのでしようか、府県に委託なりなさるんでしようか、これは道路局長にお伺いいたします。
  69. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 二級国道がきまりましたが、道路予算のほうは余りに飛躍しておらないわけであります。二級国道につきましても直轄で実施する箇所もございまするが、これは従前実施しておつた所を継続実施したいと考えておるのでございます。直轄でやりますのはやはり一級国道に重点を置きたいと考えております。
  70. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 さよういたしますと、今までの県道が二級国道に編入された場所、なお現在各府県調査もし、事業もしている場所は、やはり今までの同じ形でするのでしようか。
  71. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 二級国道直轄で実施し得ることにはなつておりますので、予算を考えまして、適格の場所は直轄にしたいと思つているのでございますが、大体従前補助工事でやつておりました県道が二級国道なつたというものについてはやはり補助工事で継続するものが大部分だろうと考えております。
  72. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 とにかく県道が二級国道なつたために、二級国道に編入された地方の人は非常にこれに期待していますからして、むしろ道路費は少いのでありましようが、名前も国道なつた以上は、特に今後の助成といいますか、事業の促進によほど御関心をお願いして、私の質問をこれで終ります。
  73. 鹿島守之助

    鹿島守之助君 外国から来た人が言いますのに、どうも日本の道路はひどい、何よりも先ず道路を直さなければならんと。吉田総理も道路を何とかしなければならん。自由党の佐藤幹事長が建設大臣の頃も大いに道路を直さなければならんと言つたことがありますが、本年度の予算で特にそうした理想ですね、抱負というものを特に織り込んだ点がございましたら一つお教えを願いたいと思います。
  74. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) まあ予算が少いものですから、とても理想を織り込むところまでは行つておらんのでございますが、従前に、二十七年度に比べれば鋪装橋梁を率を多くいたしております。北海道におきましては改良よりも木橋の改築ということに率を余計持つ行つております。
  75. 鹿島守之助

    鹿島守之助君 その程度ですか。
  76. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) その程度でございます。
  77. 鹿島守之助

    鹿島守之助君 少し理想はありませんか。
  78. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 今出されております道路整備費財源等に関する臨時措置法案によりますと、建設大臣は五カ年計画を作りまして、閣議の決定を求めなければならんことになつておるわけでございます。五カ年に亘りまして、又或る程度の財源がはつきりしておりますので、こうなりますと或る程度理想的な道路計画が盛り込み得るものと考えております。
  79. 田中一

    田中一君 もう一つ伺いたいのは、さつき木村さんが質問していた高速道路ですね、これは先ほど道路局長説明を聞くと、まあ同じ調査をやつたんだから、調査を完成する形に持つて行こう、そうしてこうやつていれは、或いは呼び水としてやつていれば、外資も来得るんじやなかろうかという御説明があつたんです。いよいよ来なければ止を得ず公社又は営利会社でやつてもいいというお話があつた。仮に営利会社がこの事業をやつた場合、今日までの調査費というものは、その会社から全部返してもらうというようなことになりますね。ちよつと念を押しておきますが。
  80. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 只今お話でございますが、その通りでございまして、何らかの形で返してもらわなければならんと思つております。
  81. 田中一

    田中一君 やるかやらないかわからないものに、前年度は二千万円、今度は千五百万、計三千五百万の国費を投じて、そうして地方における道路費というものは一向国が負担しない、どうもこういう道路局長道路行政に関する感覚というものを非常に疑うのですね。どうしても割切れぬものがある。そこで恐らく道路局長は強い政治的な道路計画から圧迫されて、止むを得ず渋々ながらこういう予算を組んだのじやなかろうかと同情するわけですが、私こういう解釈をしておつてよろしうございますか。
  82. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この日本の中でもいろいろな段階の道路がございまして、例えば東京都のような場合は殆んど舗装されておりますけれども、自動車がもう窒息しそうな状況である。又山のほうに参りますと、自動車の通れないような道路を僅かではあるが毎日自動車が通つておる。まあいろいろなステージの道路がございまして、それぞれに万遍なくということはなかなか困難ことでございます。一方東海道の高速道路のようなものが現われるかと思いますと、山の中の道路新設をやらなければならんということも起きて来るわけであります。それぞれ自動車の使い方によつてそういう状況が出ておるわけでございますが、東海道などを見ますと、遠からずあの東海道は窒息するのじやないかという気が我々にはするわでございます。そこでどういうふうにウエートを置いてやつて行くかということが問題になるわけでございますが、私といたしましては、決してこの東海道の高速道路というものが無駄なものでありますとか、或いは時期が早過ぎるものであるとかいうふうには実は考えておらないのでございます。
  83. 田中一

    田中一君 もう一点。先ほど要求しました大蔵大臣並びに建設大臣の出席を求めたいと思うのですが、これは委員長からはつきりと御返事を伺いたい。
  84. 石川清一

    委員長石川清一君) 本日も連絡をしましたが、建設大臣は衆議院の本会議に出ておりまして、こちらのほうに来るまでには相当の時間がかかる、あと大蔵大臣と一緒に御質問をするというのであれば或る程度連絡を十分にしなければならんと存じております。
  85. 田中一

    田中一君 もう一つ何を追加して、塚田君と三人呼んで下さい。
  86. 石川清一

    委員長石川清一君) 大蔵大臣並びに自治庁長官も呼びまして、建設大臣と共に質疑をする機会を早急に持つことにいたします。
  87. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 道路局長ちよつと伺いたいのですが、行政協定の道路について御説明を願いたいと思います。
  88. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 行政協定の道路について御説明申上げます。  この行政協定の道路は安全保障費から出されるものでございまして、行政協定の道路分科会というのがございますが、この分科会で決定したものから逐次実施して行くという建前なつております。この安全保障費は二十七年度にあつたものでございまして、二十八年度予算にはないように聞いておりますのですが、只今つております分は二十七年度の繰越を使つているのでございます。道路関係につきました分が第一次から第六次に亘つてついているのですが、この総額が現在までに約百十億でございます。で、これらの道路を選びましたのは、駐留軍の施設によつて必要を生じた道路に限られているわけでございますが、なおこの六次にきまりましたもののほかに地方からの要望がございます。そういつた程度でございます。
  89. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 この百十億の中で只今道路局で持つている五カ年計画、そういう計画に載つているものと載つていないものとパーセンテージはどのくらいでありますか、ちよつと御説明を願いたい。
  90. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 只今のお尋ねでございますが、実はそれを集計したものがございませんので、次回に用意して来ることで御了承願いたいと思います。
  91. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 それでは次回に一つ説明願いたいと思います。それからもう一つ伺いたいのですが、この行政協定による道路の例えば構造基準というものはどういうふうに考えておられるか、御説明を願いたい。
  92. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは従来の道路法による道路の基準と何ら違うところはございません。
  93. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 最近自動車が非常に大きくなつたのでございますが、その自動車の重量とかそれから大きさなんかに対する制限はどういうふうになつておりますか、伺いたい。
  94. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 只今の自動車の制限と申しますと、車輛法によります高さと長さと巾を指定したものであります。それから総体の目方を二十トンにしろというあれによつているのであります。私どもとしましては、最近の自動車の発達につれまして非常に大型のものが出ており、又重量の多いものが出て来ておりますので、これを実際について只今調査しているところでございます。  敷衍して申上げますと、只今道路橋の示方書案を作つておるのでありますが、これには当然荷重の問題が第一の問題になつて来るわけであります。いずれ成案を得ることと思いますが、それによつて御報告申上げます。
  95. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 只今道路局でいでいろ御研究の由ですが、非常に荷重が大きくなつておる現状でございますから、構造基準でも早急に改正して、実情に副うように一つ早くして頂きたいというふうに申述べておきます。  それから先ほどの御説明の中に、橋梁の長さが二十七年度より少いように御説明を受けましたが、これは私が聞き違いでございますか。
  96. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 内地におきましては少いのでございます。
  97. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 この内地において少くなつたということは、もはや橋梁がそう必要がなくなつたということでございますか、それともほかに何を理由があるわけでございますか。
  98. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは一応少くなつたと申しますが、これは着手中のものがこの中に入つているのがございます。それで二十七年度に着手いたしまして二十七年度で完成したものが抜けておりますが、従前着手したものはそのまま着手し、なお新規に二十八年度ととつておりますものは、大体において橋梁においては二十七年度と差がないというふうに申上げておいていいと思います。
  99. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 長大橋梁については大体何年間ぐらいで仕上げるお考えでございますか。
  100. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 大体長大橋梁と申しましても、二、三百メートルのものはこれは多くても三年というふうに考えておるのでございますが、四、五百メートル又はそれ以上ということになりますとなかなか予算関係で三年でも困難でございますので、五年くらいを考えております。併し五年以上もかかるというふうなものはこれは計画したくないと考えております。
  101. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 道路改良については途中においても効用を果すということがあるのでありますが、橋梁については全部完成いたしませんと効用を果さないので、成るべく速かに完成するというように御努力願いたいと思います。  それからもう一つ伺いたいのですが、市内における道路道路局とそれから計画局でやつておいでになるのですが、道路局の予算の伸びに対して、計画局道路に関する予算の伸びが少いのでありますが、これはどういうわけでございますか。バランスが取れておらないというふうに考えるのですが。
  102. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 只今の御指摘の通り一般道路事業費の増加率に比べまして、街路事業費の増加率は少いのでございますが、実はこういうことを考えておるのでございます。予算の執行に当りまして、都市内の街路でありましても、道路法による道路と認定した分につきましては道路事業費を以てこれの工事を行うと、こういうことを考えておるのでありまして、只今の大体の腹づもりでは約五億乃至六億というものを道路事業費を以て市内の道路を整備しようと、かように考えております。
  103. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 それから踏切に対する補助がありますが、これは鉄道関係で分担するのでございますか、しないのでございますか、ちよつと伺いたいと思います。
  104. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この踏切の分につきましては、従前内務、鉄道両省の協定があるわけでございます。その協定が今改正さるべき段階に来ておるのでございますが、今国鉄と折衝中でございますが、結論に来ておりません。それで今やつておりますものは、従前の内務、鉄道両省の協定によつておるわけでございます。従いまして鉄道踏切というものについては、鉄道にもその協定による分担をしてもらうということになつております。
  105. 江田三郎

    ○江田三郎君 先ほどの小澤委員質問に関連するのですが、安全保障費から出ておるのが総額百十億というのはどういう線ということは、資料として頂けますか。
  106. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) すでにきまりました分については資料として差上げます。
  107. 江田三郎

    ○江田三郎君 これから先の見込はどういうことになりますか。
  108. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 先の見込は、何と申しましようか、どうも我々のほうにはわからないわけでありますが、まだそういつた関係道路がございますので、我々のほうといたしては大蔵省に要求いたしております。
  109. 江田三郎

    ○江田三郎君 要求というのはどういう要求をされるのですか。
  110. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 安全保障費で出さるべき道路事業費としまして、それぞれの個所を見ましてその事業計画を立てまして、その予算を要求しておるわけであります。
  111. 江田三郎

    ○江田三郎君 そうするとそれは道路分科会ですか、そちらのほうからどことどこをやれというのが来ておるわけですか。
  112. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) それぞれの計画につきましては行政協定の分科会で協議いたしまして、その上で要求いたしておるわけでございます。
  113. 江田三郎

    ○江田三郎君 分科会のほうでこの路線はきまつてつて、それでまだやつていないところが大分あるわけでございますね。
  114. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) はあ。
  115. 江田三郎

    ○江田三郎君 そうすると今までやつたところと、それから今やらなければならんというところも併せて資料としてこの次に頂きたいと思いまする
  116. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) よろしうございます。
  117. 石川清一

    委員長石川清一君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  118. 石川清一

    委員長石川清一君) 速記を始めて。それでは只今から計画局関係説明を承わることにいたします。八巻総務課長
  119. 八巻淳之輔

    説明員八巻淳之輔君) 計画局所管事業費の関係予算は五十億九千三百三十八万三千円でございまして、その内訳は、都市計画事業費四十七億三千五十九万二千円、都市災害復旧事業補助が二億九千二十四万一千円、北海道都市計画事業費七千二百五十五万円でございまして、昭和二十七年度予算の四十四億八千七百三十七万二千円に比較いたしまして約七分の増加ということになつております。昭和二十八年度予算といたしましては、戦災復興事業の完遂、それから戦災都市の整備のための街路事業等の整備ということを根幹として予算編成いたしております。  この予算内容といたしまして、項目別に申上げますと、先ず第一点は国営公園の整備費でございます。これは従来新宿御苑、皇居外苑、それから京都御所というものを対象にいたしまして整備を続けて参つたわけでございますが、昨年に引続きまして本年度におきまする変つた点は、皇居外苑の和田倉地区の整備をする、和田倉地区の橋を架けるという点が新規の仕事なつております。その次が都市計画調査費でございます。これは行政部費の補助に振替えまして、従前都市計画調査費というのが、直轄と申しますか、委託調査でやつておりましたのを、今年度は都市計画調査補助ということで、地方補助対象になりまするような街路とか橋梁、立体交叉、排水施設というようなものの調査、設計につきまして補助をするという予算が九十七万七千円組んでございます。これも道路局、河川局方面と同じように四分の一の補助というようにしてございます。その次は都市復興事業補助の内訳でございまして、この中で戦災復興は大体昨年と同様の金額が計上されておるわけでございますが、戦災復興事業は実は五カ年計画というものに基きまして二十五年度から着々やつて参つたわけでございますが、昭和二十八年度以降に五カ年計画によりまする事業量というものかどのくらい残つておるかと申しますこ、約百四十億残つております。この百四十億と申しますと、国費に直しますと七十億でございまして、七十億昭和二十八、九年の両年において支出しなければならないと、こういう予定を立てておつたのでございます。これに対しまして二十六億四千九百万円、約二十六億五千万円というものが認められたわけでございまして、事業費にいたしまして約五十二億、即ち、二十八、九年に上つております百四十億のうち五十二億だけが二十八年度で行われるということになつておるわけでございます。従つて約九十億ぐらいの仕事が二十九年度、最終年度に残されておる、しわ寄せされておるという勘定になつております。  それから火災復興でございますが、本年度の事業対象といたしましては従来ずつと継続的にやつておりました能代、松坂の火災復興につきましては本年度で完了いたします。それから鳥取につきましては、昨年の大火によりまして取りあえず鳥取についての事業費を組んだわけでございまして、本年度も引続き鳥取に対して補助をいたし、来年度を以て完了する、こういう予定で以て予算を組んでおります。それかりその次は港湾地帯整備でございますか、これは大阪の大正区、港区の両地区におきまする地盤沈下というものを、これを港湾の浚渫の土砂を以て埋立をいたし、蒿上げをいたしまして、同時に現在ございます家屋を移転させ、区画整理をして、そうして元の位置に戻すという一種の埋立蒿上げを伴います区画整理事業を現在大阪の港区、大正区でやつているのでございます。この仕事はずつと昭和二十五年度から継続的にやつておりまして、戦災復興事業のテンポに合せまして若干、九千八百万円の増加を見ております。その次は海岸堤防の修築でございますが、これはこの対象となつておりまするのは堺市、神戸市、西宮市の防潮堤が対象になつておりまして、堺市につきましては残額の五〇%を計上する、神戸市につきましては残額の二〇%を計上する、西宮市につきましては本年度を以て終了する、こういう予定を以てこの四千三百万円の予算を組んでございます。それから接収解除の跡地整備でございますが、これは実は昨年神戸と横浜の市街地の真中に接収地がございまして、これを接収された状態にありましたものですから、神戸なり横浜の戦災土地区画整理、戦災復興の区画整理の事業として行えなかつたのでございますが、昨年の接収解除に伴いまして、この地区の区画整理を戦災復興の一つの、一環の事業として行わなければならないということになつたわけでございます。そこで昨年度一億六千四百万円を計上いたしまして、今年度は全体を三十カ月で、つまり二年半でやるという計算のうち一年分を計上してございます。内訳を申上げますと、神戸につきましては一億三千五百万円、横浜につきましては一億四千九百万円というものを計上して、今年度と来年度で完了するということに予定をいたしております。それからその次は広島、長崎の特別都市建築事業補助費でございますが、これは内訳といたしましては戦災復興事業それから街路事業、都市水利事業というふうな一般的な項目を広島と長崎につきましては特別法も出ました関係もございまして、その当時別枠に組んだわけでございます。そうして五カ年計画を立てまして着々実行しておるわけでございますが、大体昨年並みの二億九千二百万円、その内訳といたしまして広島が一億九千八百万円、長崎が九千三百万円という予算を組んでございます。  それから街路事業補助でございますが、これは大体昨年と同様の予算が組まれておりまして、約九千万円ばかりが増額になつておりまするが、その内訳といたしましては橋梁、立体交叉、隧道、鋪装、疎開跡地、一般街路というものがその内容等になつております。都市計画できめられた街路というものをその計画通り実施して行くのに重点的にやつて行かなければならないわけでございますが、大体のめどといたしましては、橋梁につきましては橋長三十メートル以上、工費が五百万円以上というくらいのものを対象にしてやつております。又立体交叉につきましては、一日の交通量、換算交通量が五百台以上、遮断回数が百回以上、延時間が五時間以上というようなものをとつてつております。そのほか鋪装、疎開土地、一般街路につきましてもそれぞれ一定のめどを立てまして、重点的に予算の配賦を図るようにいたしたいと思つております。それから都市水利その他施設整備事業補助でございますが、これは内容といたしましては都市水利整備と公共施設整備と児童公園整備、国民体育大会施設、防火水槽というふうな五つの項目に分れておりますが一最初の都市水利整備と申しますのは、これは市街地の排水が非常に悪いというために、雨季になりまするというと相当の浸水家屋が出るというようなところでは、河川法の適用を受けないような水路又は下水道の適用されないもの、そういうふうな水路につきまして排水路を完備して行くというための予算でございます。昨年の六千九百万円の予算に対しまして約倍額なつた次第でございますが、これは昨年の各大都市における相当な台風による被害がございまして、床上浸水、床下浸水の面積も相当拡がつたというふうなものに対する対策として、ここで手当して行こうという趣旨が盛り込まれております。それから公共施設整備でございますが、これはこの内容といたしましては公園、運動場というふうなものを作つて行くことでございますが、実は軍用跡地であるとか、或いは自作農創設特別措置法というものによりまして、従前農地であつたものを一遍公園にするつもりで買つておつた、それが自作農創設によりまして政府保有地になつてしまつたというふうなものが相当ございます。そこでそういうものにつきましては早く手を打つてつて、そうして自作農に創設されないようにするということが必要でございまして、そういうふうな空地を早く公園なり運動場に整備するということにしたいと思つているのがこの予算でございまして、その五千八百万円を計上してございます。ここに二分の一、三分の一と書いてございますのは、この補助の対象といたしまして、施設費に対しては二分の一、土地の買収費に対して三分の一計上してございます。  それから児童公園の整備でございますが、児童公園の事業昭和二十七年度から出発して参つて来ておりますので、これは密集市街地内の児童公園というものが非常にとりにくい、そこで政府としてはこれに対して助成を与えまして、児童公園をできるだけ密集市街地内の適当な箇所に作つてやるということの一助といたしましてこの予算を昨年度から組んだわけでございますが、まあだんだんとこれに対する要望が聞き届けられまして、若干づつ増嵩しております。この二分の一と申しますのは施設費に対する補助でございます。三分の一は用地買収に対する補助率でございます。それから国民体育大会の施設の整備でございますが、これは本年は四国四県におきまして国民体育大会が行われるということになつております。この国民体育大会を契機といたしまして、各都市におけるこうした総合運動場がないということをこの機会に整備するということに対して、やはり公園行政の一環としてこれに対する補助を行なつて行こうということで、昨年は一県でございましたが、昭和二十七年は一県が対象でございましたが、昭和二十八年は四国四県ということで約五百万円を殖やしております。防火水槽でございますが、これは消防庁と私のほうの共管事項でございますが、都市内の防火対策というものの一助といたしまして地下式の防火水槽を各主要なところに作るということで、約千個を二十八年度におきましても引続き作つて行こう、これに対する助成費でございます。一番最後の都市災害復旧事業費、これは過年度の都市災害事業に対する助成費でございまして、この補助率は一般国庫負担法によりません補助率を適用されております。で、これは二分の一補助ということになつております。  北海道につきましても大体昨年度の倍額が計上されておりまするが、この内容につきましては戦災復興の問題、街路の問題、都市水利の問題というふうに、この三点につきましての北海道の施設を助成しているわけでございまして、大体内容的には同様でございます。  以上で一応の御説明を終ります。
  120. 田中一

    田中一君 私は質問が二、三あるんですが、長くなるから今日はこの辺で打切りたいと思います。
  121. 石川清一

    委員長石川清一君) 只今の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 石川清一

    委員長石川清一君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会