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1953-07-15 第16回国会 参議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十五日(水曜日)    午後三時二十五分開会   —————————————   委員の異動 七月十三日委員堀眞琴君辞任につ き、その補欠として鈴木一君を議長に おいて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     東   隆君    理事            松平 勇雄君            大倉 精一君            菊田 七平君    委員            雨森 常夫君            石川 榮一君            谷口弥三郎君            松本  昇君            奥 むめお君            豊田 雅孝君            岡  三郎君            永岡 光治君            小林 亦治君            山田 節男君            八木 幸吉君   政府委員    法務大臣官房経    理部長     天野 武一君   事務局側    常任委員会専門    員       森 荘三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    会計検査院事務    総局検査第二局    長       上村 照昌君   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十五年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十五年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十五年度政府関係機関収入支  出決算内閣提出)(会計検査院検  査報告批難事項第一四二号に関する  件) ○小委員会の運営に関する件 ○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   —————————————
  2. 東隆

    委員長東隆君) それではこれより第十二回決算委員会を開会いたします。  昭和二十五年度決算会計検査院検査報告批難事項第百四十二号虎門公園地の件を議題に供します。  この件につきまして、理事会等においていろいろ相談いたしまして、要望内容について委員長に一任をされておりましたので、草案作つておりますので、その草案を一応専門員から朗読をさせます。
  3. 森荘三郎

    専門員森荘三郎君) 国有財産虎門公園地原形復旧に関する参議院決算委員会要望事項、   東京都所在の国有財産虎門公園地は、その一時使用許可条件通り、速かにこれを原形に復旧せしめ、公園地として国民一般利用に供すべきものと認める。   よつて政府は、速かにこれがため適切なる処置を講ずべきである。  以上が本文でありまして、これに対するその要望理由説明いたします。   東京都千代田区霞ヶ関三丁目にある虎の門公園地は、国有地でありまして、明治四十五年以来、東京都が公園用地として内務省から無償貸付を受け、これを公園使用して来た国有地であります。終戦後には、初め連合国軍接収されていたのでありますが、昭和二十三年十二月に至り、この土地ニユー・エンパイヤ・モーター株式会社使用許可されることを条件として接収を解除されたのであります。接収解除理由は、連合国側の必要に基きまして、連合国のシビリヤンのために、自動車及びその部品の販売及び修理等に関する営業を、ニユー・エンパイヤ・モーター株式会社をして経営せしめるためであつたと言われております。   それで、この公園地管理者である東京都は、かくのごとく連合国側の要請もあり、貿易庁からの希望もありましたので、昭和二十四年二月一日付で、この土地使用ニユー・エンパイヤ・モーター会社許可しました。その際、監督官庁たる建設省大蔵省に、即ち国有財産総轄的所管庁である大蔵省連絡をして置いたのであります。   東京都が建設省の指示の下に与えた一時使用許可条件要点は左の通りであります。    公園地の一部、六百五十坪    期限昭和二十四年二月一日から二十八年一月三十一日まで四カ年    期間満了後は更新せざること    使用料坪当り一カ月五円十銭建築物仮設用材による木造二階建とすること    使用期間満了の際は使用者において一カ月以内に東京都の指定する方法に従い、自己の費用使用地原形に復旧して返還すること。但し、これを履行しないときは、東京都は直接又は他人をして使用者に代りこれを執行し、その費用はすべて使用者から徴収すること    東京都の公園使用条例並びに関係規則命令を遵守すること   以上がこの許可条件要点であります。この許可書に対して、出願者たるニユー・エンパイヤ・モーター会社の社長は請書を出しまして、その許可条件を遵守することを誓約しております。会社がこの土地建築をしようとするに当りまして、この土地甲種防火地区に指定されているために、大きい木造建築が許されないことがわかりましたので、東京都は建築基準法に従い、組立式鉄骨建築に変更することを許可したのでありますが、東京都では、組立式鉄骨建築は普通の鉄骨コンクリート建築と異り、解体も容易で、解体後の利用価値も大であるから、これを許可したのであると説明しております。  大蔵省では二十四年九月以来、東京都及び建設省に対して、この土地永久的建造物が設置せられ、営利目的使用されており、公園としてこのまま存置させることは不当であるから、速かに除籍して、大蔵省へ返還すべき旨を交渉しております。併し、大蔵省としては、この土地の一時使用許可は四カ年を期限とするものであることを承知している筈であるのに、使用許可後僅か七カ月ほどしか経過していないときに、このような交渉を開始していることは、その動機が不可解であります。公園としての用途を廃止して、その土地大蔵省に返還すれば、普通一般国有地となりますから、これを営利会社貸付又は売却することが大蔵省の自由になるのであります。  これに対して、建設省及び東京都は、あくまでこの土地公園地として存置したい意思を表示し続けて、最近に至つたのであります。而して、東京都は会社に対し、建物の撤去につき、昨年六月には予告を与え、更に本年一月には一カ月の猶予期間を与えて、撤去を要求しているのであります。  又、一方に、会計検査院昭和二十六年三月に、大蔵省に対してこの土地公園用地以外の目的使用されているから、その用途を廃止して大蔵省へ引継き、別途貸付又は売払処置を講ずべきものと認める旨の照会を発しております。この照会を受けた大蔵省では、建設省に対し、重ねて同じ趣旨の申入れをしております。併し、会計検査院もこの土地使用許可が四カ年であることを知つておること、並びに会計検査院当該係長及び班長が、この公園地処置方について会社から収賄の容疑の下に起訴されて、目下裁判中であるという事実を不問に付する訳にはいかないのであります。本件はすでに世上の問題となつており、衆議院においては本年二月十三日以来、参議院においては三月六日以来、慎重に審議を重ねていたのでありましたが、三月十四日に国会が解散されるまでの大体の情勢は、以上述べました通りでありました。従つて政府並びに東京都としては、国会意向をも尊重して、本件処置につき最大注意を払わなければならない情勢の下に置かれていたものであります。然るに、三月から四月にかけて国会の解散、両院議員選挙等が行われている間に、一遮千里の勢を以て公園用途の廃止が決定され、虎の門公園地一般普通財産として大蔵省に返還されてしまつたのであります。これで見ますれば、建設省東京都の態度が、最近に至つて急変し、この公園地は永久に国民の手から失われ、一営利会社の利益のために貸付又は売却の運命に晒されるに至つたのでありまして、ここにも又明朗ならざる一面を包蔵するのであります。  そこで、五月十八日に召集されました只今国会において、再びこの問題を取上げて、大蔵大臣及び建設大臣意向を詰問しましたところ、六月二十五日の大蔵省省議においては直ちに前回決定を覆し、期限を定めてこの公園地明渡し会社に要求することに決定されたのであります。  以上述べました通り本件虎門公園地の取扱に関しましては、終戦以来、幾多の明朗ならざる経過を含んで今日に至つているのでありますが、この土地明治以来の由緒ある公園地であり、その中には史績として保存されなければならないものをも含んでいるのでありますから、幸にも今般政府決定会社に対する原形復旧の要求となりました以上は、政府は速かにこれがため適切なる処置をとり、一日も速かにこれを公園復元して、国民一般利用に提供されることを痛切に要望するものであります。  更に思いを馳せまするならば、戦前及び戦時中における陸海軍、或いは終戦後における占領軍等によつて、多くの国有財産使用されていたのでありますが、前者は終戦後において、後者は独立後において、次第にそれぞれ処理されて来たわけでありますが、その間、いろいろな不明朗な事情の下に、幾多国有財産が不当に処理されているのではないかということについて、国民一般は深き疑惑の念に駆られているのであります。本件虎門公園地のごときもその一例であり、氷山の一角が現われたとすら考えられているのであります。従つて政府国有財産管理及び処分を将来に向つて最も適正ならしめると共に、過去に遡つて不当行為の厳正なる是正を行われるよう、切望して止まない次第であります。
  4. 東隆

    委員長東隆君) 今読上げましたことについて御質疑ございませんか。
  5. 松平勇雄

    松平勇雄君 この五ページの所に、おしまいのほうに「直ちに前回決定を覆し」とあるんですが、これはどういう意味なんですか。前回決定大蔵省が何か……前回決定というのはどれに当るんですか。
  6. 東隆

    委員長東隆君) これはこういう意味です。大蔵省から建設省普通財産に移して処分をするように進めて来たんです、あの土地を。それを「詰問」とここに書いてありますけれども、質しましたところが、筋の通るようにきめたい、こういうふうにあのときには答えがあつたわけなんです。そして省議で以て決定したわけですから、こういう表現を使つたんです。
  7. 松平勇雄

    松平勇雄君 大蔵省としてはただ公園地として使つてないから、それを一般民有地に返したほうがいいということだけで、その後の処置のことに関しては別に何も決定していたのじやないですか。
  8. 八木幸吉

    八木幸吉君 普通財産に編入したのじやないですか。
  9. 松平勇雄

    松平勇雄君 編入して、その編入したものをどうするかということは決定してないのじやないですか。
  10. 八木幸吉

    八木幸吉君 それを覆えして公園にもう一遍返すのでしよう。
  11. 東隆

    委員長東隆君) そうです、その通り
  12. 石川榮一

    石川榮一君 今の意味は重大だと思いますから、現に普通財産として大蔵省所管復元をされた、今度この問題が起つたの大蔵省は元の公園復元するために、必要とする措置をする、そうする以上はやはり普通財産に繰入れたことを取りやめをして、更にこれを建設省所管換をする、そうして公園としてこれを指定するということを言つておりますが、ただこれだけでは元の公園にするために、普通財産のままであつたものを明渡し訴訟をするというようにしかとれない。そうすると民事訴訟になつてしまう。元の契約が、東京都が契約を結んでその内容を活かすようにやつておる。それが不可能であるがために、普通財産であるけれども、こういうことであるから、あそこを明渡しをさせるということでやつて行くか、或いは公園復元は元の契約を活かして闘おうとするのか、どつちであるか。
  13. 東隆

    委員長東隆君) 私からお答えいたしますが、こういう意味なんです。大蔵省撤去をして元に返す、こういうことを言つておるので、委員会復元をさせるように要望しておるのです。それ以上の中身にはタツチしておらないわけです。
  14. 石川榮一

    石川榮一君 それはわかります。それから先は行政面ですからわかりますが、少くとも今までの大蔵省にも決定等があつたのでありますから、その具体案はどうやつておるかということを一応大蔵省からでも何か連絡報告があつたのですか。ただ単純に原状回復にすることにきめたというのでありますか。それとも今の明渡し訴訟のような形に持つて行つて目的を達すると言つておりますか。或いは公園復元をする、東京都が契約したものを楯にとるというのですか。
  15. 東隆

    委員長東隆君) そういうようなものについては、こちらのほうはまだ一つも聞いておりません。
  16. 石川榮一

    石川榮一君 そうすると、今の前回決定を覆えすというのは何を言うのですか、どういうことを言うのですか。
  17. 東隆

    委員長東隆君) これはいろいろの質疑過程において資料提出をさしておるわけです。その資料から判断をいたしますと、大蔵省国会の休会中にとつた態度ですね、建設省がとつた態度、そういうものと違つた形がこの決算委員会過程において現われて来たわけです。そこでこういう表現使つておるわけです。  御質疑がないようでしたら、これを大蔵大臣及び建設大臣要望することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  18. 山田節男

    山田節男君 今委員長の言葉に、大蔵大臣並びに建設大臣というお話がありましたが、この問題の起きた最末端は東京都なんです。ですから大蔵大臣、それから建設大臣と同じように東京都知事にも私は要望をされるべき筋合のものだと思う。
  19. 奥むめお

    奥むめお君 それは東京都から手を離れているから、あとのことは問題は別になるのじやないですか。
  20. 山田節男

    山田節男君 これはああいう管財局普通財産になつて、それから関東管財局に移転して、そうして公園復元するということ、そういうことの最大の根拠は、委員長の今要望事項説明の中にもあるように、エンパイヤ・モータースは東京都から一時使用許可を受けている、東京都としてはこれはただ一時使用許可は公法上の行政措置だ、訴訟の対象にならない、東京都がちやんとこういう免許をちやんと出しているのです。ですから大蔵大臣建設大臣政府と同じように東京都にも、これはいわゆる要望の参考としてでもいいですから、一応回付さるべき筋合のものだと思う。
  21. 東隆

    委員長東隆君) 今山田さんの発議もありますので、この要望書中身東京都及びニユー・エンパイヤ会社に送達して、この決算委員会意思をはつきりさせたいとこう思いますから、御了承願います。   —————————————
  22. 東隆

    委員長東隆君) 次に決算審査に関する小委員会委託審査の件を問題に供します。先般の委員会で小委員会の存続をきめて頂いたわけでありますが、今回その小委員会補助金に関する批難事項付託をいたしたいと、こう考えます。中身については専門員から説明をいたします。
  23. 森荘三郎

    専門員森荘三郎君) 二十六年度の検査院からの検査報告を見ますると、批難事項の総数が千百九十八件あるわけでありまして、その内容は千差万別というわけでございます。併しその中で特に二十六年度といたしまして顕著なものは補助金に関する問題ではないかと思われるのであります。それは数を数えて見ますると、それだけで約五百件ほどございまして、それをもう少し細かく申上げますと、公共事業費に関するものが殆んど全部で、農林省が二百七十二件、運輸省が四十二件、建設省が百七十三件、合計四百八十七件あるのでございます。尤もこれは検査院に聞いてみましたところが、金額で十万円以上のものだけをここに報告したのであるということであります。若し金額を少し下まで下げまして、例えば五万円以上とでもするならば、恐らく七百件を超えるのではないかと言われているのであります。以上は公共事業費に関するものだけでありまするが、なおそのほかに厚生省の所管補助金に関するものが四件か五件、文部省に関係を持つたものが四件ばかりでございます、それでこれらの問題がどういう理由で如何なる原因で起つたであろうか、それを先ず明らかにしまして、その対策について研究をするということも重大なことではないかと思われまするので、若しもほかに何かいい問題がおありでございますならば、そのほうが勿論結構かと思いますが、とにかくこの補助金に関する問題が相当重大性を持つた問題であるということが気付かれましたので、ちよつとそのことを申上げた次第なのでございます。
  24. 東隆

    委員長東隆君) 今説明のありましたように、補助金関係しているものが相当数多いのでありますから、これを小委員会付託をしたい、こういう考えなのでありますが、只今小委員会のほうに何も付託されておりませんので、形式上から言いまして、付託事項がないと解散してしまうということになります。それでこの件を一応付託することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 東隆

    委員長東隆君) 御異議がないようですから、補助金に関する批難事項を小委員会付託をすることに決定をいたします。   —————————————
  26. 東隆

    委員長東隆君) 次に二十六年度決算法務府に関係する批難事項について問題にいたします。四十六号から五十五号まで、法務府から法務大臣官房経理部長天野武一君、会計検査院検査第二局長上村照昌君が見えております。専門員説明を求めます。
  27. 森荘三郎

    専門員森荘三郎君) 法務府に関係いたしました問題全体の中で、比較的重要で特に御審議の際に御注意を願いたいと思いました問題は、四十六号と四十七号のこの二つではないかと思います。  先ず四十六号を申上げます。これは船舶を登記いたします際に登録税を納めなければなりませんが、それには先ず船の課税標準価格法務局で計算をしまして、それに対して法律に定められた一定の率を課するということになつているのでありまするが、その課税標準価格の認定の基準各地にあります法務局に委されているのであります。ところがこの問題は最近数年間、毎年殆んど同じような問題が批難事項に上つておりますので、当決算委員会といたしましても、何とかこれはもつと全国的に統一するというような方法をとらなければいけないだろうというような注意委員会の席で繰返し繰返し述べられているわけであります。そのことがありますからかどうか存じませんが、たまたま民事局長から二十六年の十月に各地法務局長通知が発せられたのでありまして、それには評価基準が定められているわけであります。それでほかの局ではそれに従つて評価をして課税をしました。それは丁度大体において適当な価格であつたというふうに検査院では見ておられるのでありますが、ただ東京法務局だけがその民事局長からの通知に従わないで、古い標準評価をした、二十五年十二月当時の標準評価をした、いわば一年ほど前の標準を用いたのでありますから、甚だ低きに失し、従つて登録税の納め方が低すぎるという、こういうことなのであります。これに対する当局答弁としましては、事務が甚だ多忙であつたために新らしい標準に改訂することができなくて、古い標準そのまま採用したが、誠に遺憾であるというふうに答えられているのであります。これにつきましては、従来当委員会におきましては、各地法務局がかなり忙しい仕事がある、本当法務局としての仕事で随分忙しいのに、こういうような船価評価するというようなことまで一々各地に委されているということが不適当ではないか、むしろ中央で本省で以て一つきめて、それを全国通知さえすればもう一遍で済んでしまうことを、それを全国各地で一々評価しているというのは実に詰らないことではないかということと、それから又仮に中央で統一したものをきめるにしましても、ややともすると従来の経験によりますれば、この頃のように物価の変動が激しいときには、絶えず実情に副うように速かに変更をしなければならないのに、一度きめればその次までは相当長い間うつちやりになつているというきらいが見えておりますので、その辺をもつと実情に適するようにすればよいのじやないかということを繰返して当委員会において意見を発表しているような次第でございます。  それから次の四十七号のほうは、検査院指摘は、東京拘置所で十月一日付で綿布を買入れたが、その買入価格がその当時の時価に比べると一ヤード当り約十円ばかり高く付いておる。総額で百四十万円損をしているという指摘であります。これに対する当局答弁は、実は買入れの契約は四月にしたのであつて、当時の公定価格よりは一割引で契約をしたのである。そうして業者のほうでは六月から八月の間に十数回に亘つて納入されたのであつて代金支払いが十月になつてつた。ところが十月になるまでの間に統制が解除されたために市価が非常に安くなつて来た、そういうような事情でありまするので、実は十月に本当契約をしたのではありません。支払い関係書類を作るに当りまして、事務員がつい誤つて、あたかも十月に買入れの契約をしたような書類を作つたものでありますから、そういうふうになつたのであるが、ただこれは事務員の執務上の過失であります。その過失は誠に申訳がありませんが、決して高いものを買入れたのではないと、こういう答弁がなされているのであります。  次に四十八号から五十三号までは職員の不正行為でありまして、続いて誠に遺憾な事件が起つたのでありまするし、当局においても誠に遺憾の意を表して、それぞれの処置を付けたということを報告しておられるのであります。  次の五十四、保管金の処理が適当でないということ。東京地方検察庁で、昭和二十二年度以前の保管金で未整理のままに放置されておるものがあつたの注意を与えたということであります。これに対する当局答えは、昭和二十三年にたしか司法省が幾つかに割れまして、その関係東京地方検察庁会計課が本庁の会計課から分離したことがあります。そのときに引継いでおつたものであるが、戦後の混乱などのために未整理であつたので甚だ遺憾であるというふうに言われております。丁度これはこの前に、裁判所に関して御審議の際に、批難事項の第三号というところがありまするが、それと内容は違いまするけれども、種類は同じような種類の出来事なのでございます。  次に五十五号はすでに是正済みの問題でありまするが、国庫に帰属したところの領置金などを早く整理すべきはずであるのに、二十三年から二十六年までの間未整理のままで放置されておつたのはよろしくないということであります。これはもう今日では是正されていることなのであります。  なおそのあとに、既往年度検査報告の中で、不当事項として記されたものの中で、その後まだ代金を取立てる金が十分取立てないといつたようなふうのものがそこに報告されているのでございます。
  28. 東隆

    委員長東隆君) 次に会計検査院のほうから説明があります。
  29. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 四十六号の登録税の問題を最初に申上げます。  登録税の四十六号に書いてある事態は、只今専門員から説明のあつた通りでありますが、結局問題は、登録税を課けるとき、船価をきめる場合に一体どうしたらいいかということに関連すると思いますが、従来各法務局において各自の基準作つて、それによつて登録税を賦課されておつたわけであります。ところがそれを見てみますると、どうも実際上の船価よりは相当隔りがある、恐らく法務省でもそういう点をお考えになつたのだと思いますが、二十六年の十月に各法務局長に対して一応の基準をお示しになつておるわけなんで、それを実際のに照してみますると、ほぼ同じような、大体適正だというような形になつておるわけであります。それで各法務局でそれによつておられれば、実際上の問題はなかつたわけでありますが、その改訂について相当期間がかかつたという事態であります。それで然らばそういう法務省民事局から各法務局長通知せられた二十六年十月当時の基準がいつまでも適正であるかどうかという問題が残ると思います。その点につきましては、この後その各法務局を検収した結果、数字はちよつと持ち合せませんが、民事局長から通知せられた基準よりもなお実際上の船価は上つておると、こういうような実は実情になつております。そうなりますと、実際の船価にどういうふうにして追つ駈けて行くかということが問題になろうかと思います。私のほうといたしましては、中央でやらなければならない計画造船に基くいわゆる船舶でありますが、中央のほうで適当にお調べになつて、その都度各法務局にお流し願うか、或いはこういう問題は船舶のみならずいろいろの方面にも、これはまだデーターは上つておりませんが、考えなければならん点もあるかも知れませんが、そういうものを一括してこういうものに対する課税標準なり登録税のとり方を如何にするかということを法務省がお考えになることが適当ではないかと実は考えておるわけでありますが、法務省のほうでもこの点については、実は根本的に現在はお考えになつておるということを聞いております。  それから四十七号の綿布の購入でありますが、これは先ほど専門員説明されたように、事態そのものが私のほうで言つていることと法務省説明されておることとに多少の差異があるわけであります。私のほうで申しておるのは、二十六年の十月に購入されたが、十二月当時の時価から比べれば高いという趣旨のことを申しておるわけであります。それで法務省のほうでは、二十六年十月というのは整理の段階で、契約書をただその日付けで作成しただけであつて、実際の契約はそれより以前にできておるから、それで検査院の言うことは当らん、こうおつしやつているわけであります。その点につきまして、実はあとで調べたのでありますが、物は確かに法務省のおつしやる通り十月以前に入つておるようでありまして、実態から見れば法務省のおつしやる通り契約が前からできたというか、或いは価格の適用については前の価格を基礎にして決定するほうがよろしいということにもなろうかと思います。それで十月として見た場合には、私のほうの申しますように、高いということは間違いございません。然らば法務省のほうで言われるように、前に契約したということであるならば、一体どういうことになるかという点でありますが、二十六年の四月頃には綿織物の価格政府買付綿による統制価格と、民間買付綿による統制価格と、二本建になつているわけであります。それで本件に対しましては、法務省から業者に対して政府統制綿による割当切符を出しておられるわけであります。それで本件の綿織物が然らばどういうふうな価格になつてつたかと申上げますと、政府買付綿のほうはヤール当り七十六円七十七銭、民間買付綿のほうは百五円と、こういうふうになつておるわけであります。更にこれは紺染がしてありますから、その紺染料が十六円、これを加算いたしますと、大体私のほうで十月当時とつた価格と同じような九十円程度の価格になるわけであります。それで私のほうで申上げたいのは、只今申上げましたように、当時政府の買付綿による割当切符を出しておられる、そうしてマル公は民間の買付綿よりも安いマル公になつておりますから、そういうふうな事情であれば、政府買付綿の割当でありますから、価格については法定価格基準としてこれを買われるほうが適当であろう。そういたしますれば、結論から申上げますれば、仮に時期が違つておりましても、高いということは依然としてそういうふうに考えておるわけであります。それから次に職員の不正行為の四十八号から五十三号でありますが、これは詳細は記述してございますが、どういう大要かと申しますと、罰金、科料として納付されたもの、或いはその領置物換価代金、刑事証拠金等を正規の取扱をせず取つたもの、或いは法務省内で、正規に申上げますと、収入印紙で納付しなければならん登録税を、濫りに現金で受取つてこれを領得したもの、こういうふうな事態であります。考えますのに、いわゆる換価代金、そういうものを警察から送つて来た場合に、正規の取扱をしないで係官が使つてしまつたという事態、或いは出納官吏に渡さなければならないものを係官が渡さないで使つたという事態、或いは正規の取扱をしているが、それを使つたという事態、こういうふうなものでありますが、これに対してはそれに対応した、結局警察から持つて来ましたものをごまかしてやるような場合には、警察のほうと或いは打合せるというようなことも考えられると思います。それから又正規に取扱つておらないものは帳簿その他を監督いたしまして、随時現金その他を調査して行くというようなことも考えられるわけであります。この点については法務省のほうでも大分各地方に対して厳重にこういうことのないように指導しておられるように思つております。なおこういう事態は必ずしも現在跡を断つておるかと申しますと、必ずしもそうではありませんが、私のほうとしては心掛けといたしまして、いろいろ法務省のほうの関係ではこういう事態が起りますので、その後の検査におきましても相当重点を置きまして、現金関係その他について検査して行くという建前をとつております。それから五十四、五十五、これについては特に御説明するところはございません。
  30. 東隆

    委員長東隆君) 法務省からの説明を求めます。天野理部長
  31. 天野武一

    政府委員天野武一君) 先ず四十六の登録税の賦課当を得ないものについて申上げます。  先ほど森さんからもお話がございましたように、船舶の登録税の賦課当を得ないという点につきしましては、実は毎年問題になつているのでありまして、私ども法務省といたしましても、何とか中央で確つかりした基準作つて、それに各地方において則らせるようにしたいということも考えましたし、それから又もつと根本的に船舶の登録税問題そのもの、登録税制度そのものを考え直して見ようかというようなこともいろいろ考えました。例えて申しますと、この土地とか建物、船舶、こういうようなものの価格の認定基準法務局がやらないで、むしろ国税局でやつて頂いたらどうだろうかというようなことも考えましたし、それから又固定資産税というのがございますから、固定資産税の課税標準価格によつて土地なり建物なり船舶の価格をきめたらどうだろうか。それから又税をとるほうは法務局がやりませんで、登記の申請書には、固定資産税の課税標準価格を証明した市町村長の証明書をつけさせるというようなことで認定したらどうだろうか。或いは又税というけれども、むしろ手数料式な、或いは言葉を換えて言えば定額税のようなものに改善したらどうかというようなこともいろいろ考えました。そして大蔵省当局ともいろいろ折衝いたしましたが、大蔵省のほうでは、やはりこの点は制度の改革ということはお考えになつていないようでありまして、まあいたし方なく今年も、先ほどお話がありました二十六年十月末の民事局長から各地に出しました資料、これをいつまでもこのままではいけませんので、今年の八月くらいまでには新らしい価格をきめて、そうしてこれを全国に流すというようなことをやろうというようなことを考えております。それについては勿論法務省だけではその価格基準はできませんから、関係省と協力いたしまして、而も登記所で非常に利用のしやすいような認定基準を作らなければならない、かように考えておるわけであります。その準備を進めておる次第であります。  それから余談になりますけれども、一般土地、建物につきましても、実は各地では固定資産税の税額と一致していない。或いは高く或いは低いというようなところがございます。船舶についてだけかような食い違いが実はあるのではないのであつて、これは制度として本当に根本的に考え直す必要があるのではないかということを考えているのであります。本件東京法務局で、折角中央から流した基準があるのに、忙しいということでその改訂を遅らしたというのでありまして、誠にこれは、ほかの法務局ではすでに改めているのにかかわらず、東京法務局がこれをやらなかつたというのは申訳ない次第でございます。実は当時登録税のほうは、東京法務局長の下に民事行政部長、それからその下に登記課長というものがおりまして、そういうものの所管になるわけでありますが、その後この人たちを優秀な者と更迭いたしまして、間違いのないようにいたしたわけであります。次の四十七、綿布の購入に当り処置当を得ないもの、これは私どものほうで弁解といたしましても、とにかくちやんとした書類を作らずに契約に入つてあとから書類を整えるという、これは何といつても手落ちでございまして、申訳ない次第であります。会計検査院が批難されるのも御尤もでございまして、あえて異を立てるつもりはございませんが、ただ当時の真相というものをありのままに一つ述べさして頂きたい、かように存じます。  批難の要旨は、東京拘置所昭和二十六年十月中央装備株式会社ほか二社から拘置所に収容しております収容者の被服用の綿布紺染のものでございますが、これを十四万二千五百二十ヤールを、その当時の市場価格ヤール当り八十二円よりも約十円くらい高い価格で買つている、従つて約百四十万円を不当に支出したということになるわけであります。私のほうでいろいろまあ調べましたのでありますが、この昭和二十六年の三月中に実は当時これは法務省中央矯正保護局というのがございましたが、中央矯正保護局で当時の経済安定本部の割当てに基きまして、通産省の繊維局長から収容者被服用綿布として合計十四万二千五百二十ヤール割当証明書を受けました。その購入すべき綿布の銘柄は天竺の二Aというのでございまして、いわゆる政府綿で製造した綿糸を原料としたものを予定したのでございます。そして矯正保護局はこの三月二十日頃中央装備株式会社、菊池商工株式会社、それから日本繊維株式会社の三社に対してそれぞれ合計八万ヤール、それから四万六千ヤール、それから一万六千五百二十ヤールの割当証明書を渡しまして、綿布購入の手続をとつたのでございます。御存じのように当時公定価格がございましたから、随意契約でやつたわけであります。これらの証明書の有効期限はいずれも昭和二十六年の七月三十一日でございました。矯正保護局といたしましては昭和二十六年の第一四半期に収容者の被服地を購入する計画を立てました。そして新年度の始まる前にその準備的な措置をとつた次第であります。ところが実は矯正保護局の綿布を容易に手に入れることができなかつたのでございます。なぜかと申しますと、これは中央装備株式会社ほか二社でございますが、これが割当証明書を以ても政府綿によつて生産された綿糸を原料とした綿布、これを取扱業者から入手することができなかつたためであります。矯正保護局の調査によりますると、この昭和二十五年十二月まで一般市場にはいわゆる政府綿しか存在しておりませんでした、当時の需給調整の関係でございますが、二十六年一月以降は政府綿と並んでいわゆる民有綿が市場に現われました。原綿取扱業者にとつては民有綿の取扱いのほうが有利だつたらしいのです。そのために政府綿の入手が困難になつたということであります。それから綿布の染色につきましては品種の統制がございませんでしたので、染色業者のほうは利益のある民需品の染色を望みました。利益の少い官需品、この収容者被服のようなこういう官需品の受注を喜ばなかつた。特にこの二十六年の三月末日頃には、よく四月になると綿布は公定価格の引上げが行われるぞというようなことが唱えられまして、それが自然に業者の察知するところとなつており、そのためにいよいよ政府綿系統の綿布の入手が困難になつたということがあつたのであります。そうするうちに政府綿系統の綿布を入手する見通しが付かないままに二十六年四月となつた、そして四月の十四日に物価庁告示九十四号の公定価格の引上げが行われたのであります。矯正保護局におきましてはいわゆる民有綿系統の綿布以外は本当に入手困難と考えるに至つたのでありますが、それでもやはり安価な政府綿系統の綿布に関する割当証明書を中央装備株式会社等に渡しておりますから、これらのものから民有綿系統の綿布をそういう高い公定価格で購入するのは、如何にも不合理であるというふうに考えまして、再三業者に折衝した上、新らしく出ました公定価格の約一割引程度下廻つたところで綿布を買受けるということの承諾を得たのであります。ただこの際現品納入期限等の細かい点に亘つてまで書面で取交す、契約をはつきりするということをとらなかつたことは、先ほど申した通りであります。これは誠に職員の手落であります。ところがこの中央装備株式会社ほか二社は依然として綿布を持つて参りません。この間矯正保当局では再三勿論督促いたしました。そのうちに二十六年の六月となり、その頃になつてこの業者から漸く分割払的に引渡し可能であるという返事が参りました。ところがすでにその頃には近い将来に綿製品の統制が撤廃されるかも知れないという噂を耳にするようになりましたし、統制が撤廃されればその価格が上るのだろうか、或いは非常に下るだろうかといういろいろ思惑があつたわけであります。そこで矯正保護局といたしましては、統制の撤廃後綿布の価格が下つた場合は、統制撤廃前の購入計画に基きまして、なお時価に比べて高い綿布の引渡しを受けなければならないという事態になることを心配いたしました。それでどういうふうにこれを切抜けようかというようなことでいろいろ苦慮いたしまして、結局まあ購入価格が余り高くなければ差支えないだろうということを考えたわけであります。その結果矯正保護局といたしましては、中央装備株式会社ほか二社のこの業者から、前の契約に基く綿布の引渡しを受けることになりまして、履行を盛んに督促したのでございます。その結果昭和二十六年六月の二十八日から八月三十日まで、十数回にこまごまに分れまして、契約通り十四万二千五百二十ヤールの綿布が東京拘置所に引渡されたのでございます。それでこの支払でございますが、この代金の支払は二十六年の十月の五日、それから二十九日の二回に亘つて行われました。この支払に当つて実は初めて正式の契約書を作つたのであります。結局契約書によりますると、会計検査院の御批難の通り、あたかも東京拘置所が二十六年の十月に購入契約を結んだという記載があるのであります。若しそれが事実であると、本当にそのときの契約であるということになりますると、会計検査院のおつしやる通りに約百四十万高い代金で買つておりますのでありますが、事情只今申しましたようなわけでありまして、契約書は実はあとから、つまり何とかして半年かかりまして、割当証明書を渡したその綿布を手に入れたいということばかりのほうに力を入れまして、契約書というようなはつきりしたものを作るということに注意が行届かなかつたわけでございます。そこでまあこういうときに実際上の契約はいつあつたのだろうかということは、いろいろあとから事実の認定の問題になろうかと思います。或いはこれを実際品物の入つたその都度契約があるというふうに見ることもできましようし、そういうことであれば、その当時の公定価格よりも安い価格政府は買うことができているのですが、その当時公定価格は民有綿と国有綿と区別しておりませんので、いろいろその価格については疑問があろうかと存じます。何分にも全体の過程を振返つてみますと、拘置所の職員が業者によつて非常に巧妙に引廻されたという憾みは確かにこれは認めることができるのであります。誠に遺憾に堪えない、こういうふうに思います。今後は十分に自重いたしまして、こういうふうな同じような間違いを決して起すことのないように防止するつもりでおります。  それから不正行為、これはいずれも実は検察庁とそれから法務省の出張所が一つございます。殊にこの検察庁にこういう職員の不正行為による涜職というものが起きるということは実に残念なことでございまして、検察庁の面目にかけても、こういうことはなくなさなければならないものでございます。そこで私どももいろいろ考えまして、証拠品の取扱規程或いは執行事務規定というものを殆んど一年がかりで研究いたしました。ようやくこのほど成案を得まして、明年の一月一日からこれを行うということにして、実は目下検察庁の庁員に対する教育をやつております。それから又こういう不正行為をなした、例えば最初にございます大阪の高等検察庁、こういうふうなつまり何と言いますか、大きな検察庁でこういう不正があるということは今まで余りなかつたのでございまして、田舎の監督の目の行き届かない、而も職員が五人とか十人とかという小さい所でよくあるのが今までの例でございましたが、大阪のごときは高等検察庁に起つたということで非常に残念に存じております。この職員は一人は大阪商大を出て、入りまして二、三カ月のうちにもうこういう悪いことをしているというようなことでありまして、どうも職員に対する監督というものも確かになつていなかつたようでございます。いずれもこの批難事項に挙つておりまする職員は採用後古い経歴を持つているのは殆んどございませんで、皆採用後間もない人たちでありまするし、それから前の経歴も必ずしもこういうような仕事に適当なものじやなかつた。たまたま商科大学を出たとか、或いは前にそういう関係仕事をしておつたということだけで簡単にこういうような地位につけているきらいもございます。今後はそういう人事管理の面において厳重にこういうことのないようにいたしますと共に、今申したような各監督官に対しても厳重にその検査を励行してもらいたい。例えば月に必ず一回とか定時的に検査をしようというようなことも先般来口頭で申し、又刑事局長からの通牒ではつきり出しております。処分につきましては、この大阪高等検察庁につきましてはこの印刷物では控訴審理中となつておりますが、その後判決がございまして、現在本人は上告いたしております。  それから五十一の青森地方検察庁の八戸支部、ここではこれは公判中でございまして、第一審懲役五年の判決がございました。  それから五十三の控訴審理中とございます、これは釧路の地方法務局でございます。これは刑が確定しております。それで問題は監督責任でございますが、本人に対しては非常に厳重な処分をすると共に、監督者については当然厳重な処分をなさなければならないのでありますが、例の公務員等の懲戒免助に関する法律の結果懲戒の免助を受けている者が多数ございます。  それから次の五十四の保管金の処理が当を得ないものでございます。これは森さんから御説明がございましたが、司法省は従来裁判所の会計、検察庁の会計と本省の会計と全部持つておりました。ところが裁判所は分れますし、それから検察庁の会計も法務省と分れるというようなことで、実はごたごたいたしたのであります。而もこの保管金というのは非常に金がたくさんございまして、事務職員としては常に一々細かい書類を作らずに、一括したトータルを書き込んで書類整理してしまうという当時状況にございました。その結果一つ一つ細かく調べて行くと、そういう面からの整理ができていないわけであります。現在東京地方検察庁ではこういうふうなことがあると又不正の起きる基でありますから、非常に人を殖やしまして、専門的に、不正でもあるのじやないかというような見地からしまして検事が主任となつて一生懸命整理に着手させております。従来の帳簿式のものを全部カード式に直しまして、一々確かめてやつております。今日幸いに不正があるということは出ておりません。今日のところでは百円とか何とか計算の合わないものがあるという程度でございます。以上でございます。
  32. 東隆

    委員長東隆君) 御質疑はございませんか。
  33. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の四十七の案件でございますが、何か随意契約でお買いになつたその理由は、当時公定値があつたからだというふうに御説明を伺つたのですが、公定値があつても相当信用のある商社から入札の方法でお買いになれば、もつと公正妥当に且つ早く品物が廻るのじやないかと思うのでありますが、その辺の事情を伺いたいと思います。
  34. 天野武一

    政府委員天野武一君) 確かにお説の通りつたかも存じませんけれども、ただ当時予決令臨時特例第五条を適用して、価格統制品であるから、従来東京拘置所関係のあつたこういうような業者を相手に取引した次第であります。
  35. 八木幸吉

    八木幸吉君 どうもこの中央装備株式会社というのは余り民間で聞いたことのない会社でありまして、品物がなくて走り廻つたように今伺つたのでありますが、さような小さなところで特にお買いにならなくても、もつと信用のある且つ立派な商社が相当あるのですから、今後御注意を願いたいと思います。  それからもう一つは、最初これをお買いになるのは四月におきめになつている、品物の入つたのは六月の末から八月に至るまでである、且つ代金を払つたのは十一月であつたということでありますが、今までの方法として大体要る物はどのくらい前に御注文になるか、半年もあとの物を御注文になるのか、どのくらいの期間をお置きになつて補充なさるのか、伺つておきたいと思います。つまり私の伺いたいのは、余り早くお買いになつておれば金融の面で国家が損をし、余り急では品物が足りなくて不便を感ずるということがあろうと思いますから、大体二カ月前ぐらいに手当をするとか、或いは何カ月分のストックを持つとか、一定の基準があると思いますが、それを伺つているのであります。
  36. 天野武一

    政府委員天野武一君) この綿布の場合は非常に例外でありまして、なかなか手に入らなかつたのでございますが、通常の状態では長くて納期は一カ月あと契約をいたしております。
  37. 八木幸吉

    八木幸吉君 それからもう一つ向いたいのですが、契約をいつにしようかということを迷つたような御説明を今伺つたのですが、何々の物を幾らで買うということをおきめになつたその瞬間に契約書をお交わしにならんと、あとで物が下つた場合はいいけれども、上つた場合はトラブルが起るから、この問題はまあ極端でありまして、物が来てから二カ月も三カ月もしてから漸く契約書を作つたということでありますが、商習慣としては金額と品物をおきめになつたその日に契約をなさらんと、物価の変動がありますから、どちらにいたしましてもやはり迷惑をするのですから、今後さようになすつたらいいと思います。  それからもう一つ私の申上げたいのは、六月の二十八日から八月三十日までにすでに品物が入つているのに、十月になつてから代金を払うことになつた。これは商売人のほうから言えば、殊に今伺つておれば、非常に品物が入手が困難であつたといつたようなものを苦心をして品物を集めたのにもかかわらず、官庁としてそんなに遅く代金を払うということは、結局商習慣としてそれらの金利を見込んで高く売るか、或いはさようでなかつたならば、商売人が迷惑する、こういうことになるわけでありますから、今後やはり品物が入れば契約従つて即時にお金を払うということになさるほうが万事よかろうと思います。
  38. 天野武一

    政府委員天野武一君) 数々の御注意を頂きまして、私どもといたしましても、この品物を数量と値段をきめるときに、はつきりした契約をするということに勿論いたすようにしておりますし、それから又代金の支払も努めて、これは本当にいけないことでございますが、他の例ではこういうひどいのはございませんので、努めて早く代金を払うということにいたしております。
  39. 八木幸吉

    八木幸吉君 それからこの四十八から五十三の、「職員の不正行為に因り国に損害を与えたもの」、このうちでありますが、現金と収入伝票とのつき合せを月に一回必ずやるとか、或いは二カ月に一回必ずやるとかいつたような、定期的におやりになることをおきめになつておるかどうかを伺いたい。
  40. 天野武一

    政府委員天野武一君) 只今の点には、先ほどちよつと申しましたが、全国的に一齊にそういうことをしようということで、通達をいたしまして、それから又各地それぞれその長官の工夫によつて一般にその検査を定期的になさつておるところがあり、又或いは上級官庁から、一番上は最高検察庁でございますが、地方に出て行つて、これも年に何回というふうにきまつておりますが、調べております。併し何と言いましても、こういう長い間に亙つてこういう事実が行われておるのを気が付かないというのは、確かに検査の怠慢でありまするし、それから又検査しましても、それが容易に見付からないで、あとから責任者が変つたり、それからつまり人事異動でありまするとか、或いは監査に行く人が違つたら発覚したというのがあるのでございまして、その点については一層この定時の検査ということを力を入れたいとかように存じております。
  41. 八木幸吉

    八木幸吉君 出納係の人が現金と収入伝票とを付き合わして、月末に一応はつきり合つたか、或いは差があるかというのは、これはもう会計の常識で、制度としても当然あるわけでありまして、上級官庁からそれを調べに行つて初めて発見したとか何とかいうことでなくて、どこでももう民間では当然過ぎるほど当然やつておる会計組織の一つなんですが、今承わりますと、まだそれがはつきりできていないかのように伺つたのでありますが、一つ大至急、それは整備されるのは大してむずかしいことじやないのでありますから、確立されんことを希望いたしておきます。
  42. 東隆

    委員長東隆君) ほかにございませんか。……私から聞きますが、この四十六の問題ですがね。これは船の価格評価の問題などの場合に、船主のほうからのいろいろなその希望だの何だの、そういうようなものをこれは悪意に解釈すると考えられるわけですね、この件に関しては、それで善意に解釈すれば何も問題じやないのですけれども、悪意に解釈するとそういうような問題があるのですが、これは会計検査院のほうでそういうようなことはどういうふうに見られておるのですか、この件に関しては。
  43. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 只今お話のように悪意ということも考えられますが、私のほうで調べたところではそこまでわかつておりません。そういうことはないものだと思つております。私のほうといたしましては、これは恐らく登録税も相当高いとか、高過ぎるといようなことは船主のほうで恐らくお話があるだろうと思います。でこれは大体神戸、大阪、東京で登記されるわけですが、少くとも適正でなければならない。而も均衡を得なければならない。こういう頭で実は考えておるわけでありまして、不正があるとか、或いは船主のために安くしたかどうかというところはわかりません。恐らくないと私は確信しております。
  44. 東隆

    委員長東隆君) それからその次の四十七の問題は、これは丁度あの統制が外れて綿布が暴落をしたときにこれはぶつかつておると思うが、例えば農業関係には購買組合の場合にも綿布を配給をして欲しい、こういうふうに非常に要望をしておつて、そしてその後に非常に値段が下つてしまつて、丁度これに似たような問題があつた。それにこれは丁度ぶつかつておるのではないかと思うが、そうではないのですか。
  45. 天野武一

    政府委員天野武一君) さようでございます。あの統制が解けると同時に値段が下つて参りまして、その結果つまり業者としては、つまり業者に少し引きずられるような形になつたというのはその点でございます。
  46. 東隆

    委員長東隆君) そうすると、この値段を超過価格を以て、高い価格を以て支払つたということは、これはどちらかというと非常に契約その他においてあとでこしらえた場合には、これは役所のほうで相当強硬に出てもいい問題であつたと思うが、先ほど八木さんが言つたように当然必要なものは早くからやつたほうがいい、こういうように考えますので、これはやはりきちんきちんとおやりを願つておきます。私もこういう点を申上げておきます。  ほかに御質疑がないようでございましたら、第四十六号から第五十五号までの関係質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 東隆

    委員長東隆君) 御異議ないようでございますから、さようにいたします。
  48. 八木幸吉

    八木幸吉君 資料の要求をしてよろしゆうございますか。
  49. 東隆

    委員長東隆君) どうぞ。
  50. 八木幸吉

    八木幸吉君 運輸省に対して、鉄道会館と鉄道省との土地貸借契約の詳細、それから鉄道会館の定款、役員、及び若し株式会社であればその株主名。  それから会計検査院にお願いしたいのですが、各府省の外郭団体への補助金の明細、並びにその外郭団体の役員、定款、その他出資関係を明らかにする書類。  それから大蔵省へ、国有財産貸付貸付先、金額条件等の明細表、それから電話の建設及び改良費に関する調査これはできれば会計検査院にお願いしたいのですが、昭和二十七年度の建設改良費の予算、前年度からの繰越額、翌年度への繰越額、それから昭和二十七年度の予算支出決定額と不用額、同年度の完成工事の固定資産勘定に振替えた額、工事完成額、それから未完成の工事額、繰越工事額、それから建設改良工事費の各月支出額、同じく各月の貯蔵品勘定から事業品の勘定に振替えた額、それから昭和二十七年度末の貯蔵品総額、それから在庫品中の不適格品の総額、同じく在庫工事用品額、各府省の内部監察機構及びその取扱規定、それから行政管理庁の監察部の最近の活動状況、それからこれは各府省か人事院か私よくわかりませんが、公務員の職務上の怠慢等の処置に関する処分の規定があればその規定、それだけお願いいたします。
  51. 東隆

    委員長東隆君) それではこれで散会いたします。    午後四時五十二分散会。