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1953-07-08 第16回国会 参議院 決算委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月八日(水曜日)    午後三時八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     東   隆君    理事            長谷山行毅君            松平 勇雄君            島村 軍次君            菊田 七平君    委員            雨森 常夫君            石川 榮一君            入交 太藏君            植竹 春彦君            谷口弥三郎君            宮田 重文君            廣瀬 久忠君            岡  三郎君            永岡 光治君            八木 幸吉君   政府委員    調達庁総務部長 山内 隆一君    大蔵政務次官  愛知 揆一君   事務局側    常任委員会専門    員       森 莊三郎君   説明員    調達庁監察官 湯原 一雄君    自治庁財政部財    政課長     奧野 誠亮君    会計検査院検査    第一局長    池田 修藏君    会計検査院検査    第二局長    上村 照昌君   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十七年度一般会計国庫債務負  担行為総調書内閣提出) ○小委員長報告昭和二十六年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   —————————————
  2. 東隆

    委員長東隆君) 只今より第十回決算委員会を開会いたします。  本日は初めに財政法第十五条第四項の規定により、国会に報告されました昭和二十七年度一般会計国庫債務負担行為調書議題に供します。先ず政府説明を求めます。
  3. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 昭和二十七年度一般会計国庫債務負担行為に関しましては、只今委員長からお話のごとく政府から報告が出ておるのでございますが、その報告につきまして御説明を申上げます。  昭和二十七年度におきましては、財政法第十五条第二項の規定によりまして、災害復旧その他緊急の必要がある場合に、国庫債務負担行為をすることができる金額が三十億円でありまして、そのうち昭和二十七年十二月七日の火災によりまして焼失いたしました北海道大学工学部の建物の火災復旧に対しまして、昭和二十八年二月十七日閣議の決定を経まして、四百四十四万七千円の範囲内で債務負担行為をすることといたしたわけでございます。  以上が昭和二十七年度国庫債務負担行為に関する報告の御説明でございます。
  4. 東隆

    委員長東隆君) 本件に関しましては、本日はこの程度に止めまして、質疑は次回に譲りたいと思いますが、御異議はございませんか。   (「異議なし」と呼ぶものあり〕
  5. 東隆

    委員長東隆君) 異議がないようでございますから、次に昭和二十五年度決算三件を議題といたします。  本日は去る六月十八日決算審査に関する小委員会委託審査といたしました昭和二十五年度決算会計検査院検査報告架空経理関係批難事項に関する件、及び国家財政経理及び国有財産管理に関する調査といたしまして、同じく委託調査となつております、第六管区海上保安本部不当経理に関する件の二件につきまして、小委員会経過並びに結果について小委員長報告をお願いいたします。
  6. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 只今議題になりました決算審査に関する小委員長報告を申上げます。  本小委員会は、本年二月四日の委員会の決議により、昭和二十五年度決算検査報告中における架空審議を付託され、二月二十六日以来四回にわたつて関係各省及び会計検査院等から関係者出席を求め、慎重審議を重ねた。その審議経過及び結果につき報告する。 一、本案の内容   小委員会架空経理事案として採択したものは、法務府一件、大蔵省十件、文部省二件、厚生省五件、農林省一件、郵政省一件、電気通信省十三件、労働省二件、建設省三十六件、経済安定本部三件、日本国有鉄道一件、合計七十五件である。これら七十五件を便宜上左の四項に分類する。     (一) 国税庁関係検査番号一〇五乃至一一二)    これは四国税局及び四十一税務署で、昭和二十四年二月から二十六年九月までの間に、自動車使用料委託費、会場借上料旅費、その他架空名義により一千七百余万円を支出し、これを食糧費接待費物品購入代修理費自動車使用料債務返済、その他に使用し、なお残金六十余万円を保有していたのであるが、その内、食糧費及び接待費に充てたのが一千余万円に達するものである。    この種の架空経理終戦後における税務行政混乱に際し、往々にして行われていたもののようであり、現に昭和二十四年度決算検査報告中に三件(検査番号二九五、二九六、二九七)が指摘されているのであるが、昭和二十五年度の会計検査院実地検査において特に注意を加えられたので、今回かくも多数の案件指摘されるに至つたものである。国税庁関係会計検査院実地検査すべき箇所は六百十九箇所であるが、二十五年度においてはその約四〇%にあたる二百十一箇所(金額による比率は七〇%乃至八〇%)の実地検査を行い一千七百余万円の架空経理指摘するに至つたものである。    この架空経理の内、この二年半の間に食糧費及び接待費支出された金額は一千六十八万余円であるが、昭和二十五年度における国税庁全体の正規予算額は、交際費及び会議費合せて六千六百五十万円であり、これを本庁、十一国税局、五百三税務署に配分するから、一税務署当り十万円以下と計算される。而してこれらの経費は、多くは税務吏員打合会密造酒取締関係の会合、検察庁警察署、市町村、農工商業団体、その他との打合等に使用されたものであり、しかも実施部局たる税務署において多く事件を起していることから見て、予算配付実情に添わなかつたものと察せられる節のあることは、会計検査院においても認めているところである。    国税庁においては会計検査院指摘に鑑み、予算の適正なる配付部内監査励行経費緊縮等に努めることとした結果、昭和二十六年度の会計検査院検査においては、架空経理は三百九十万円に減少した。     (二)電気通信省関係検査番号七三四乃至七四五)    電気通信省施設局建設部が、昭和二十五年度中に施行した電信電話工事は九十九件、その工事費約五億円(外に貯蔵品使用額約十四億円)である。会計検査院がその実地検査を始めたとき、某々二地方において架空経理の行われている心証を得たが、たまたま同省の内部監査により同様の事実が他の地方にも行われている旨の報告を受けたので、これが全国的傾向であるという推定の下に、両者協力して熱心に調査の結果、合計四十二箇所において、その金額四千一百余万円に上る架空経理の事実を発見するに至つたものである。その内容は、直営工事を施行したとしておきながら、実はこれを業者に請負わせて施行したものがあり、なおその外に架空の賃金、旅費需品費付掛、等により捻出した現金を以て建設部本部人夫賃等財源に提供したり、部内外折衝費現場職員慰労費、諸手当等に使用したもの等である。    本件は、建設部長資金渡官吏資金交付し、工事長をしてその資金を以て工事を施行させたものであるが、このような事態を発生した事由を考察すると、連合国軍司令部の命令により、同建設部昭和二十二年に日本電信電話工事株式会社の業務を統合し、会社職員の大部分をそのまま建設部職員としているものであつて会社当時において工事出来形が設計の図面及び仕様書に相違することがなければ、工事費予定額範囲内で任意に経費を使用できた便法を踏襲して、官庁の予算統制及び経理規程を軽んじたことに基因し、建設部本部で定員以上に職員を使用し、その財源を各工事現場工事費中に求めたり、また各工事現場において地方官公署との折衝、その他部内職員激励慰労等にみだりに経費を使用する弊風を馴致したことによるものと認められるというのである。    電気通信省においては、これらの不祥事件の発生に鑑み、直にその弊風刷新に努力し、それぞれ一定の規準を設けてその遵守を励行することとし、特に内部監査を厳密にしている。その結果、昭和二十六年度においては、前年度に未確認として保留されていた二件を除き、新たに架空経理事件を生じたものは一件もない、という。     (三)建設省関係検査番号八三三乃至八六三)    建設省直営工事関係架空経理の行われていることについては、すでに昭和二十四年度の決算検査報告に数件(検査番号六一五乃至六一七)が指摘されているが、会計検査院においてはこれが全国的傾向のものであるとの推定の下に、二十五年度には建設省管下百四十二工事事務所中四十七事務所実地検査したところ、内三十一箇所で合計金額約四億五千万円に上る架空経理の事実を発見したのである。その方法は架空労力費材料費修理費その他の名義支出に立てて現金手許に保有し、これを工事請負代労力費材料費、諸手当修理費、その他の使途に自由に使用したもので、検査当時の手許残金は、約三千六百万円であつた。これらの事案についても、前に電気通信省関係で記したと同じく、その現金はおおむね国の工事労力費資材購入費等に還元されているが、左の如きものは予算外使途又は予算以上に使用されたものである。    給料諸手当  一千四百六十余万円    職員厚生費  八百五十余万円    食 糧 費  三百十余万円    本局送金   二百三十余万円    河川読本代  百二十余万円    これらの不当経理が行われるに至つた根本原因は、関係職員遵法精神の欠けていること、一般に官紀の弛緩していることにあるが、併しながら工事現場技術家工事第一主義に走るために、知らず識らずのうち会計法規軽視する傾向を生ずることは、実際問題として考慮に加えなければならぬ実情にあると思われる。なお、当時は継続費制度のなかつたこと、直営工事につき予算の繰越しが困難であつたこと、公共事業の認証が予算配賦を遅らせること、等の険路がおのずから正規経理を紊す誘因であつたことも争われない。幸にも今や法制の改革によつて、これらの隘路は除去せられ、また当局においても内部監査励行管下職員会議又は講習等を通じて、架空経理の全滅を期するよう努力した。その結果、昭和二十六年度においては会計検査院実地検査六十一箇所の内、十八箇所において架空経理の事実が指摘されたが、その大部分は過去の名残であつて、新たに生じた事件は極めて少なく、大体においてこの弊風は一掃されたという。     (四) その他の事件    以上三項に抽出したもの以外の諸案件は、各省等に亙り、その内容も種々であるが、その大部分は種々なる架空名義支出によつて現金を保有し、これを自由に使用しているもので、特に著しい使途は、食糧費即ち会議費及び接待費の類である。中には収入金をそのまま流用して自由な用途に充てているものもある。これら不当経理の多いことは、主として法令若しくは予算軽視又は責任観念の低下によるものと認められる。二、審議の結果   以上の諸案件を通観するに、その原因の一としては、現在公務員待遇は次第に改善の道に向つているとは言いながら、なお未だ往時の水準に達せざる憾のあることに基くものと認められるから、速かにその待遇改善し、安んじてその職務に専心せしめ得るよう、最善の考慮を払うべきである。然しながら、かくも多くの不当経理が行われるに至つた主たる所以は、終戦後における一般社会情勢混乱につれて、公務員綱紀の弛緩、遵法精神の薄弱、会計法規軽視等の諸原因が重なつて、おのずから経理紊乱を生ずるに至つたものと思われる。従つて各省等においては、講習会の開設その他の手段によつて経理事務担当者会計法規の徹底並びに一般教養の向上に努め、他方には各省における内部監察制度の整備によつて非違事件を未発に防止すべきであり、一たび違反者を生じたる後においては、一罰百戒の精神によつて行政処分を厳重且つ適正ならしむべきである。   なお、予算配付を始め、予算制度の運用に最大の注意を払い、以て国費効率的使用を確実にする必要がある。以上を以て報告を終る。  昭和二十八年七月八日   決算審査に関する小委員長          谷口弥三郎  決算委員長 東  隆殿  それからもう一つのほうのものを読み上げます。   決算審査に関する小委員長報告  第六管区海上保安本部不当経理事件に関する審査経過及び結果を報告する。一、審査経過   本件は、本年二月二十四日の委員会において審査を付託されたものであつて、以後本日までに四回小委員会を開き、その間会計検査院長検事総長代理)、呉市警察署長代理)、海上保安庁長官、元第六管区海上保安本部長吉田日出男等より本件に関する諸般の事項を聴取した上、本件に対する処置について協議を行なつた。   なお、審査の詳細については会議録を参照せられたい。二、事件内容   本件は単一の事件ではなく、広島所在第六管区海上保安本部において、昭和二十三年から二十七年に亙り多数の者による各種の不当行為が相次いで行われて来たものであるが、事件の数は、呉市警察署において捜査完了のもの、未着手のもの併せて十六件、最高検察庁においては報告を受けているもの八件、海上保安庁においては調査したもの十件となつており、これらを綜合して内容の大体明かになつているもの十件についてその概要を示せば次の通りである。  1、職員宿舎不当購入事件(不起訴)    昭和二十三、四年頃職員宿舎六棟価格二、六三〇、〇〇〇円のものを、傭船料旅費灯台修理費船舶補修費等の名目による架空支出金その他をもつて購入し、これを職員個人名義に登記しているという事件。  2、制服代金費消事件(不起訴)    昭和二十三年五月から二十五年六月の間において、海上保安官制服を斡旋購入するについて職員から集めた代金四八九、〇〇〇円を一時接待費等に費消したという事件であつて、その穴埋めとして(5)及び(6)のスクラツプ横領代金の一部を充当しているもの。  3、燈台備船空修理代金不当使用事件(不起訴)    昭和二十六年一月、白石燈台に配置の見廻船の修理川原造船所に行わしめたように文書を偽造して代金一〇〇、〇〇〇円を支出し、これを接待費等に使用したという事件。  4、浮標設置空工事代金不当使用事件(不起訴)    昭和二十六年一月、伊予灘北航路浮標四十六基の設置工事に当り、うち二十六基を深田サルベージ株式会社に行わしめ、残り二十基を直営行つたのに、これを全部同社に行わしめたように文書を偽造して二十基分の代金二、三二 ○、〇〇〇円を不当に支出し、直営工事資材代金その他に使用したという事件。  5、徳山警備救難所スクラツプ横領事件起訴)    昭和二十六年六月、徳山警備救難所にあつたリスト外スクラツプ六〇トンを正規手続によらないで広瀬産業株式会社に四〇〇、〇〇〇円で払下げ、その代金クラブ敷地購入代金制服代金費消事件穴埋め接待費その他に使用したという事件。  6、鯛尾倉庫スクラツプ横領事件起訴)    昭和二十六年十一月及び二十七年四月、鯛尾分室の倉庫にあつたリスト外スクラツプ三一トンを正規手続によらないで広瀬産業株式会社払下げ代金三二五、〇〇〇円を制服代金費消事件穴埋め接待費その他に使用したという事件。  7、海上保安訓練所構内スクラツプ窃盗事件起訴)    昭和二十六年九月から二十七年二月の間において、海上保安訓練所構内にあつた中国財務局所管ケーブル線スクラツプ等三一トン時価一、七五〇、〇〇〇円のものを同所清掃作業請負つていた久間貢等が持出したのを、同所職員が黙認し幇助したという事件。  8、油絵購入代金詐取事件(不起訴)    昭和二十七年三月、以前から同本部にあつた油絵五枚を佐藤商会佐藤利夫から新規に購入したこととして代金六〇、〇〇〇円を不当に支出し、うち六、〇〇〇円を佐藤に与え、五四、〇〇〇円を元本部長吉田日出男交付したという事件。  9、物品架空購入代金不当使用事件(不起訴)    昭和二十七年三月、リスト外のペイント及びコール・タールを新規に購入したこととして、代金八四、六〇〇円を不当に支出し、これを自動車購入諸雑費、食料油罐詰医薬品等在庫不足高補充費等に使用したという事件。  10、石炭水増納入代金詐取事件起訴)    昭和二十七年五月、芸南石炭会社から石炭を購入するに当り、実際の納入額は一八七トンであるのに、二〇〇トンの納入があつたように文書を偽造し、差引一三トン分の代金一〇三、七四〇円を補給課長木戸武二三が詐取したという事件。三、審査の結果   本件審査した結果、小委員会としては会計検査院長並びに運輸大臣に対し決算委員会の名において次のような要望を発する必要があるものと認める。  1、会計検査院長に対する要望    本件昭和二十三年以来逐次発生したものであり、現地においては同本部乱脈状態について相当風評もあつた模様である。事件の一部には単なる贈収賄に属するものもあるが、スクラツプの盗難、横領等国有物件管理よろしきを得ないもの、又は架空物品購入架空工事代金支出等経理紊乱しているもの、乃至はこれらの不当経理による資金をもつて職員宿舎を購入し、これを個人名義としているもの等、会計検査院が当然指摘の対象とすべき事件が含まれている。    然るにこれを決算検査報告について見るに二十五年度及び二十六年度においては、全くこれを取り上げていない。これに対しては、会計検査院の現在の陣容においては必ずしも全般の実地検査に十分でなく、機宜重点的にこれを行なつている関係上、網の目を洩れたものであり、遺憾であるとの趣旨の説明があつたので、既往のものについてはその事情を諒とするが、此の機会において二十七年度に発生した事件については勿論、二十六年度以前の事件についても可能なものについては、十分なる検査を実行されたい。関係帳簿類は目下呉市警察署に押収されている由であるが、必要によりこれを借覧する等、なるべく速かに検査の実を挙げ、その結果を報告せられることを要望する。  2 運輸大臣に対する要望    海上保安庁並びに各地海上保安本部については、かねてより必ずしもその綱紀が厳正を保たれていないかの風評がある。たまたま今回広島所在第六管区海上保安本部における過去数年間に亙る一連の汚職事件呉市警察署の取調を機として明かにされたが、これらの事件うちには、国有物件横領架空名義による国費支出、その他直接間接に国損を招来し、一面会計経理を甚しく紊乱しているものがある。    決算委員会においては、海上保安庁長官に対し、本件につき口頭をもつて警告を与え、速かに善後処置を講ずべきことを要求したのであるが、この際所管大臣たる運輸大臣において左記のような処置をとられることを要望する。       記   一、海上保安庁職員、殊に幹部職員において今後一層自粛自戒、もつて既往風評を払拭するに努めしめること。   二、調査の結果明かになつ事件関係職員に対しては、起訴された者については公判の結果を待つとするも、それ以外の者については速かに厳正なる懲戒処分等を実行すること。   三、懲戒処方等に当つては、その範囲事務取扱に当つた職員止むることなく決定又は監督の任に当つた職員について特に厳格にその責任を問うこととし、もつて綱紀粛正の実を挙ぐるよう措置すること。   四、経理紊乱機構制度等の欠陥に基くと認められるものについては、速かにこれが改善の措置を講ずること。   五、不当の経理によつてねん出した資金をもつて購入し、職員個人名義をもつて登記している宿舎については、速かに事実に適合した処置をなすこと。             以上  昭和二十八年七月八日   決算審査に関する小委員長            谷口弥三郎  決算委員長 東  隆殿   —————————————
  7. 東隆

    委員長東隆君) 以上御報告を述べました小委員長報告につきまして、何か御質問がございませんか。これは各会派から出られました十五人の小委員審議を遂げたものでありますから、お含みを願います。……別に御質疑がないようでありますから、小委員長報告通り了承することに決定いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 東隆

    委員長東隆君) 御異議がないと認めます。それではさよう決定いたしました。   —————————————
  9. 東隆

    委員長東隆君) なお、第六管区海上保安本部不当経理に関しまして、会計検査院長並びに運輸大臣に対しまして要望事項がございましたが、これにつきましては如何取り計らいいたしましようか。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  10. 東隆

    委員長東隆君) 速記を始めて。それでは運輸大臣及び会計検査院に対する要望事項委員長に御一任を願つてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 東隆

    委員長東隆君) 御異議がないようですから、委員長は別の機会会計検査院長及び運輸大臣出席を求めまして、そうして要望し、その節、返答ももらいたいと、こういうことにいたします。別に書面も差出し、返答その他をとりたいと、こういうふうに思つております。   —————————————
  12. 東隆

    委員長東隆君) 次に昭和二十六年度決算三件を議題に供します。本日は前回に引続きまして、総理府の分について引続き会計検査院検査報告批難事項地方財政委員会第二十六号、調達庁関係第三十号から第四十五号までを問題に供します。初めに第二十六号を問題といたします。専門員説明を願います。
  13. 森莊三郎

    専門員森莊三郎君) 第二十六号は、地方財政平衡交付金交付が均衡を得ていないものがあつたので、それを指摘しておられるのでありまするが、本件につきましては、この地方財政平衡交付金に関する法律が非常に御承知の通り内容の複雑なものでありまするから、あらゆる統計が完備しておるとかということでないことには正確な数字が出て来ない。又仮に正確な統計があるにしましても、取扱者が非常に複雑な計算をしたりする間につい計算違いをするようなことがとかくありがちなもののようであります。それでこの前年即ち二十五年度におきましても、全くこれと同じ検査報告が出ておりまして、そうしてそのときの誤りは、次の年度でみんな是正されております。今ここに出ておりまする二十六年度のものも、その次の二十七年度におきましてすべて是正済みになつておるのであります。そこで、検査報告の四十四ページを見ますると、そこになぜこのような誤りが起つたのであろうかということについて、検査院の見解が三カ条に分けて詳細に記されておりますということをちよつと御参考までに申上げます。
  14. 東隆

    委員長東隆君) 池田検査第一局長から説明を願います。
  15. 池田修藏

    説明員池田修藏君) 只今森専門員から御説明がございましたことでおおむね尽きておりますので、殆んど付け加えることはございませんと思いますが、この規則の複雑困難なということは、これは一つまあ程度の問題でもございます。初め習熟しない間は非常に複雑困難に考えられることでもだんだん慣れて参りますと、そういうものが非常に簡単に思われるということは、これは一般規則その他の共通な事情でございまして、二十五年度に初めてこの地方財政平衡交付金が設定されまして、二十六年度は二年目になつたわけでございますが、これがまあ二年目くらいまではまだやはりその習熟の程度が或る程度不十分であることは、只今専門員からも御説明になりましたように多少そこに考慮すべき余地があつたと思います。が、成るべく早くこの規則に習熟しまして、その結果から言いますと、各地方団体に対する交付金の均衡を失するという結果を来たすことでございますから、各担当の職員及びそれの審査に当る職員は十分努力をされて早く習熟しまして、正確なる数字を出されることに努力すべきであるという感じを持つております。  以上簡単でございますが、概況の説明を終ります。
  16. 東隆

    委員長東隆君) 次に奥野自治庁財政課長説明を求めます。
  17. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 只今までお話になつ通りでありますが、とにかく早く計算方法を安定させたいと考えております。何分今まで行なつていなかつた各団体ごとの、あるべき財政需要額、あるべき財政収入額とを客観的、機械的に測定するという方式を採用しましたので、年度の中途においても計算方式を変えなければならないような状態になつて来たわけであります。二十九年度からはこれらの問題も法律で全部規定するようにしてもらいたい。そうしますと、非常に安定して参りまするので、計算方式にも習熟しますし、誤りもだんだんとなくなつて来るのじやないかというふうに考えております。過渡期の間におけるこうした誤謬だというふうに御容赦願いたいと思つております。
  18. 東隆

    委員長東隆君) 御質議ございませんか……質議がないようですから、地方自治庁関係のものは質疑を一応終了したこととしてよろしうございますか。    〔「異議なしと」呼ぶものあり〕
  19. 東隆

    委員長東隆君) 御異議がないようですから、次の議題に移ります。  第三十号から第三十三号まで専門員説明を求めます。
  20. 森莊三郎

    専門員森莊三郎君) 第三十号は特別調達資金に対する管理費などを、アメリカ側へ請求しなければならないのに請求をしていないものがあるというのでありまするが、これは調達庁におきまして、アメリカ側へ労務提供をいろいろとやつておりまするが、それがための管理費を労務者一人当り幾らという計算で、アメリカ政府に償還を請求する必要があるのであります。ところが一カ月について十五日以上働いた者については幾ら当りの計算で請求するということになつているのでありまするが、日曜日、即ち週休日などを計算に入れるか入れないかで、大分日数が変つて来るわけであります。それでその稼働日をどういうふうに計算するかということについて、調達庁の方から各都道府県へ指示をしたのでありまするが、そのときに十月三十一日付で発した指示の中に、その計算を七月へ遡つて適用するという点が必ずしも明瞭でなかつたので、それで府県によりまして取扱がまちまちになつたものでありますから、正確に請求したところもある代りには、請求額が不足をしておつたという府県などがありまするので、ここにその実例が挙げられているのであります。これに対する当局からの答弁書には、目下アメリカのほうと交渉中であると、こういう答弁であります。  その次の三十一号は、所得税で源泉徴収しなければならないのに、それをつい誤つたということでありまして、不注意は不注意でありまするが、往々にしてありがちなことで、特にこれというほどのことはございません。  次の三十二号に、工事を施行したが、それが適当でなかつたというのでありまするが、これはコンクリートの床がその地盤が柔いために、自然に沈下してしまつた、それでそこのコンクリートの床を取り壊して、それを完全なものに修理をしなければならないのでありまするが、設計変更のために四十六万円を増額したことと、それからその工事のやり方次第では増額どころか却つて四十万円安くなるやり方もあるのに、そういうやり方をしなかつた。結局八十六万円ばかりやり方がまずかつたがために損をした結果になつておるので、これはその工事の施行がよろしきを得ないという指摘であります。それに対する当局の答えは、当時は軍の監督官がそこに附いておりまして、いろいろとこちらから話をしても、向うの命令通りでなければ聞いてくれない。又向うの命令は絶対にこれを守らなければならないようなふうに仕向けられておつたものでありまするから、どうにもいたし方がなかつたという答弁であります。それに対して検査院の意向を聞きますると、軍の監督官の命令とはいつても、それはただ口先きの命令であつて、命令書という正式の書類があるならば格別、そうでない場合には申し開きの理由にならないという意味のように了解いたしました。  次の三十三号、これは或る工事を行わせました際に、材料を官給したものがあります。その残つたものをもつと早く回収すべきはずであつた。工事は二十三年の工事であつて、それを二十七年にもなつてまだその代金も未納になつていると、こういう事件指摘されているのでありまするが、当局の弁明によりますると、回収の処置が遅れておつたことについては誠に申訳がありません。併しながら余りにも遅くなつたという点につきましては、これはこの業者がその後営業不振でありまして、又そうなると得てして会社の内部にも内紛が起る。結局会社は解散をしてしまいまして精算が不能で、今現にこちらから請求をしようとしても、その責任者が行方不明というような状態になつておるので、それでだんだん遅れておりますと、こういう弁明なのであります。
  21. 東隆

    委員長東隆君) 上村検査第二局長のほうから御説明を願います。
  22. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 只今審議になつておる案件でございますが、最初の三十号は、只今説明がありましたように、アメリカに対して請求すべき金額が全部してなかつた、こういう案件でございまして、この点については特に争いがありませんので、深く御説明いたしません。それから三十一号も大体只今の御説明で十分かと思います。  それから三十二号でございます。三十二号は設計変更をして工事費を増額したわけでありますが、その際に調達庁として適当な措置を講じられれば経費を安くし得る余地があつたということでありますが、そういう措置がとり得たかどうかということは先ずおきまして、とり得たとしたならば、八十六万円ぐらいの経費が節約できたということについては調達庁のほうでも争つておられないようでございます。問題はかかつて当時私のほうで申しておるようなことがとり得たかどうかということでございます。その点につきましては、只今お話がありましたように、現場で向うさんの監督官がこうしろということだけで、実は調達庁のほうでおやりになつておるのでありますが、こういう場合には上級の所へこういうふうな方法でもつと有利な方法があるということを申出て、それでも聞かれなくて、工事を当時やられたように変更しろというようなことでありますれば別でありますが、そうでなければ相手方と交渉して国費の節約を図るほうが適当である。こういうことを申しておるのであります。  それから三十三号でありますが、これは官給しました材料は全部で大体二百八十万円程度を官給しておつて残材のございましたのは、ここに書いてあります二百十四万円であります。結局精算の遅れましたのは、調達庁のほうでは結局相手方が内紛があつて現在では財政上面白くないと、こういうことでございますが、只今申上げましたように、官給材料の大部分が残材となつておるというような状況、それから現場監督がおられますので、そういうふうな事態の把握は十分しておかれるべきものであり、又現在に至りますまでに他の工事のほうの関係で大栄工業株式会社には二十四年十二月頃に二百四十万円ぐらい代金を支払つておられるような事実もございますが、そういう点を考慮いたしますと、何らかの措置がとられれば回収の方法もできたんではないか、こういうふうに実は考えておるわけであります。
  23. 東隆

    委員長東隆君) 調達庁のほうから御説明願います。
  24. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) 調達庁側として少しく申上げてみたいと思います。三十号につきましては、検査院の御主張御尤もでありますが、実はこの管理費につきましては、いろいろ軍との関係になかなか細かな計算の問題もありまして、過去長い期間に亙つて最近全部検討して、日本側のほうでもらつた分が多ければ先方にお返しする。それから不足ならば更にこちらが不足分をもらうというような意向がありまして、折角折衝もいたし、又調査もいたしております。そんな関係がありまして、この御指摘事項につきましても、個々のものについて非常に強く主張するということがなかなかしにくいような事情にもあつたような関係もありますので、いずれ近く全部精算いたしまして……。
  25. 東隆

    委員長東隆君) ちよつと申上げますが、速記を中止してもようございますから、それでよく皆さんに納得の行くように説明をして頂きたいと思います。
  26. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) この問題はいずれ近く精算の結果、こちらのほうで配分が多くなればお返えしする。足りなければ先方からもらおうという話になつて調査をいたしておるような状態であります。  それから三十一号につきましては、検査院の御指摘通り誠に遺憾に存じます。ただこの間違いを起しました原因は、十二月分の退職者に対する給与、退職金等を実際支払われるのは翌月の十日になつております関係上、つい翌月の支払いと思い込んで間違つたのでありまして、徴収を要する金額は二百二十一万七百七十円で、現在回収済みのものが十万七千五百六十一円、残額が二百十万三千二百九円となつておりまして、この船員が多いので徴収には困難を感じておりますが、極力徴収に努力いたしております。なおこの徴収に税務署が直接本人から徴収することとなつておると書いてありますが、労務管理事務所のほうでも極力徴収に努力をいたさせることにいたしております。  それから三十二号でありますが、これも検査院の御指摘の点、御尤もな点もありますが、ここに書いてあるのは軍の命令だけ書いてありますけれども、もう少し内容的に申しますと、コンクリートの打ち方が日本側とアメリカ側とは違うということ、そうしてアメリカ側のやり方に従わせられたことと、それからこの壊れたコンクリートを使いますと、密度が不均一になるからいかんというような理由でもつて、どうしても許されなかつたということを御了承願いたいと思います。  それから三十三号でありますが、これは検査院の御指摘通り、誠に遺憾に存じております。これが徴収につきましては精算未了のままで、何度か交渉を重ねたのでありましたが、そのうち責任者が所在不明となつてしまつて、今日に至つておりますが、現在縁故者を辿つて極力責任者の所在を探しておるような状態でございます。
  27. 東隆

    委員長東隆君) 御質問ございませんか。
  28. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 三十号について伺いたいのですが、今の御説明を伺いますと何かアメリカ軍に対して債権債務があるからこれをよく調査して払うんだ。こういうふうに伺つたのですが、債務になるようなものが何かあるかということを伺いたいのが一つ。それからもう一つは、債務はあつても、請求すベきものはこの労務提供契約によつてぴしぴし請求されるのがいいんじやないか、こう私ども思うのが第二点。それから第三点は、ここに会計検査院は十四都道府県についての検査の結果を報告して八百五万三千円の未収入がある、こういうことを指摘されておりますが、その他の府県については全然ないのかどうか、更に再調されたのかどうか、その三点について伺いたいのであります。
  29. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) 特に債権債務と申してよろしいかどうか、実は管理費につきましてアメリカからもらつておるのは、一応定額労務者一人についてまあ何千円というふうな形で、その定額は何回か変つておりますが、定額で頂いておつて、それが全体の管理費に当るという勘定になつております。それで日本側としては従来の管理費の実情から言つて、先ずその定額ならば大体別に損もないという考え方をしてずつと来ておりますが、最近いろいろ労務の基本協定の改訂なんかにおきまして、このやり方を根本から変えるという問題が起りまして、大体今度はやり方が非常に変ることになつておりますが、そういう場合にこの問題が起りまして、どうも日本側に少し余計やり過ぎておるということを向うが主張して、全然やり方が変りますから損か得かということはすぐはわからないけれども、今の協定においてはこの定額が従来よりも若干少くなる、定額に換算してみれば少くなるんじやないかという形に今なつておるのでございます。そこで最近特に今年の六月三十日までの、講和発効から六月三十日までの分について、全部一つ精算をして、まあ日本側は余計もらつておる、言い換えれば儲かつておるような状態ならば返してくれ、足りなければ向うで出すというような話になつておるのでございます。従つてお尋ねの点について、まああるかどうか存じませんが、そういうような実情になつております。
  30. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 それはまあ現在及び将来の問題ならそれでいいか知りませんが、ここで会計検査院指摘されているのは、二十七年の二月から十月までの過去のことであつて、而もそのときは多い少いという議論はあるにしても、一人一カ月三千三百七十九円、十月以降は四千六百二十九円、きつちり金高がきまつておるわけですから、計算をすれば幾ら請求するという答えがすぐ出るというわけであります。今までの間、長年の間放つておくという理由にはならないと思うのですが、その点どうですか。
  31. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) 調達庁としては、管理費は定額ということでやつたから、実はその定額でもらつておればそれでもう済んでしまうのだと、こういうふうに考えておつたわけで、従つて特にその経費の内訳を十分調べて、足るとか足らないとかということを過去においては、余り考えてなかつたんであります。途中になりましてからそういう問題を向うが持出し始めたのです、検討して。最近は大分強くそういう主張が起つて、今具体的に相当進んでおります。
  32. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 会計検査院が八百五万何千円という指摘をしたら、その指摘が不当であれば不当であるでいいと思いますが、それが正しいと見れば、直ちに請求すべきであると思うのですが、今まで放つておいたということがどうも納得が行かない。
  33. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) 御尤もでありますが、その当時どうも細かに入つて行くと、そういうことを言われて藪蛇なことになりはせんかという懸念があつたのであります。この経費は大体は実費償還の意味でありますけれども、そういう意味のものが実は定額で今までずつと償還を受けておつたわけであります。それが今実費償還の本質に返つて調査をし出したというようなことであります。
  34. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 今の御説明ですと、会計検査院は八百万円を指摘しておりますけれども、これを請求すると籔蛇になるというお話でありますが、その籔蛇の意味をもう少し具体的にはつきり伺わんと、この金を取らんかつたということの納得ができないのですが。
  35. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) これを実費の性格を持つておるということをよく調べますと、定額で償還を受けたほうが少し多くなることがほぼ日本側でははつきりしかかつたと……。
  36. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 多いとか少いとかいう問題は将来の問題で、このときはもらうべき金額の基礎というものはちやんときまつておつたのですか。
  37. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) 過去においてずつと定額で管理費をもらつておつたものを、それを実費の性格ですから、実費をよく調べて行きますと、定額の総額のほうが実際かかつた総額よりも多くなるということがほぼわかつて来たわけであります。
  38. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 今の定額というきめは何日まで有効であつて、実費計算なつたのは何月何日からそうしたという、はつきりした期限の切れというものはあると思うのですが。どうもそうでないと、今の会計検査院が御指摘なつた八百万円に対しては、指摘しておるけれども、必ずしもこいつはそうではないのだというような御説明に承わりますが、会計検査院の八百万円というのは納得のできない数字であると、こういうふうに了承してよろしうございますか。
  39. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) 二十六年の七月一日から、労務費については全部アメリカが負担するということになつたときから、管理費については定額になつたわけであります。
  40. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 結局この会計検査院の八百五万三千円の指摘は当を得てない。こういう御意見ですか。それともこれは当を得ているんだが、取らなかつたというのか。取るのを怠つておつたのか。そこのところをはつきりしてもらわんと、何だかぼやつとした話で一向納得できないのですが。
  41. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) 御指摘の点は尤もと思います。尤もと思いますが、そういう事情もありまして、深く取るということをあえてしなかつた。こういうことですが、なお説明が足らないところがありますから……。
  42. 湯原一雄

    説明員(湯原一雄君) 大体これは定額であつて検査院の御指摘通りなんでございますが、定額というのははつきりしていたわけでございますが、その後この定額の中で賄わなければならない例えば公務員に支給されました夏季手当のようなものを、この中では賄なえないということで以て向うから別に金をもらつた。こういうようなこともございまして、アメリカのほうの側といたしましては、その後これは二十六年七月から九月までは、三千三百七十九円で、二十六年十月からこちらは交渉いたしまして、四千六百二十九円に上げてもらつたわけなんでございますが、アメリカといたしましては、この管理費は上げるという交渉があつて、承知はいたしたのでございますが、どうもそんなにたくさんかからないのではないかというようなことがありまして、その後検査院の御指摘後、こちらが交渉を進めている間にずつと七月から現在に至るまでの分につきまして、この定額が果してそれだけかかつているかどうかということの検査只今いたしておりますので、その点検査院の御指摘は御尤もでございますが、その要求をするということがちよつとできないような恰好に只今つているわけでございます。
  43. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 どうも御説明を伺うと大変卑屈なように思うのですね。今お話の十月以降を四千六百二十九円に日本の政府が妥当だとしておきめになつたなら、向うが高いと言おうが安いと言おうが、きめた金額でびしつと請求するのが当り前であつて、若し向うが高いというなら、五百円負けろ、六百円負けろと、正式に妥当と思う線に改訂をして、きまつたものはきつちりびしびし取るというのが正しい行き方であつて、きめておいたけれども、どうも向うで御機嫌悪そうだから、ちよつともらうのを遠慮しているんだと、而も会計検査院から八百万円余りも取つていないということを指摘されながら荏苒今回まで及んでいるというのは、どうも私は納得できないのですがね。
  44. 湯原一雄

    説明員(湯原一雄君) それにつきましては、又検査をできるような規定になつているものでございますから、アメリカ側としてそれを検査いたしまして、若し足りないようであればそれは支払う、それから余つているというものであれば返せ、初め定額という線がこちらのほうでもこれ以外に必要とするものをもらつたというような関係もございまして、定額という性質が実費だというふうな線に変つて参つたわけなんでございます。それで今検査をやつておりますので、その結果に基いて精算をいたしたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
  45. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 今お話の実費に変つたというのはいつからのことなんですか。
  46. 湯原一雄

    説明員(湯原一雄君) 向うのほうの考え方が変つてつて来ているわけなんでございます。実は実費でやつておるんです。それでかかり過ぎるというようなことは、国と国との間だから儲けるという観念はいけないというもとに、それで実際の費用を払いたい。こういうように変つてつているわけでございます。
  47. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 向うの考えが変つて来ても、約束できめておればそれを請求するのが独立国として当然じやないかと私は思うのですが。
  48. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) 今の御意見非常に御尤もなんですが、先ほどから再々申上げる通り、いつから実費に変つたかというお話でありますが、はつきりいつから実費に変つたというわけでもないので、実費に完全に変つたということになると、七月一日から給与協定の線は完全に今度実費精算の形式になつて来ました。それまではどこまでもやはり管理費の定額償還という観念ではありますが、その定額という形式の中になんとなしに向うとしては、実費の意味だという気持が多分にあつたものですから、今度改訂に当つて全部直ることになつたと私は想像いたすわけでございます。従つて過去においていつから実費に変つたかというと、形式的には別にいつから変つたというわけじやないが、気持においてだんだんと実費償還的な気持になつて来た。なお、そういうふうに定額と言つておりますけれども、特殊の給与とか或いは何か特別の場合にはその定額償還のほかに別に又もらうことが、夏季手当とか或いは年末手当というような場合には、これは定額の中に入つておるのです。計算としては定額の中に或いは退職手当や何かの分としては入つておるのですけれども、やつぱり別にもらうようなことがあります。ものですから、それで今度は或る部分が足りないからその部分をもらいたいということが言いにくい事情にあつて、かたがた丁度検査院検査当時からもうそういうようなことはよく調べて見ようというような気持が多分にあつて、ときどき検査などやつておりましたものですから、つい請求をしなかつたということで、その点は私どもも遺憾に思つております。ただ事情はそういうわけで非常に請求しにくい事情にあつたわけであります。
  49. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 国と国との約束でありますから、そういう気持でこういうふうに変つて来たといつたようなお話は、どうも私としては納得ができません。併し私のほうももう少し研究をして改めて伺うということを保留しておきまして、第三点のこの八百万円以外にはもうほかにないのですか、あるのですか。その点を伺いたいと思います。
  50. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) ここに書いてありますように、十四都道県は完全に検査しましてわかつたわけです。それでそのうち九つだけはここに掲載してあるようにわかつたわけですが、その残りの分については全部請求しておるということであります。それで行かなかつた所は、これはやつぱり相当詳細に調べてみないとわかりませんので、確信を以て全部請求しておるかどうかということはちよつとお答しかねます。
  51. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 会計検査院のお立場としては御尤もでありますが、特別調達庁としてこの九県以外にはかような事例は全然ないということをただお調べにならずにお考えになるのか、会計検査院から御指摘があつたがために、改めてもう一ぺんお調べになつて、何らこのほかにはないと断言でき得るのかどうか、その点を伺いたい。
  52. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) これは絶えずそういう問題については注意はいたしておりますが、特に検査院から御指摘がありましたので、早速厳重な通牒を出しまして、そういうような間違い或いは誤解の向きは早速直すように、将来そういう間違いをせんようにということは強く通知をしてありますので、そのほかにはないと思つております。
  53. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 今の各府県に対する御指示でありますが、御指示の標準というものは、ここに書いてある会計検査院が御指摘なつたと同じ標準で見て而もないか、こういう意味でお聞きになつたと伺つてよろしうございますか。
  54. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) ここにある通りであります。
  55. 永岡光治

    ○永岡光治君 ちよつとこれはどこの場所で質問したらいいかわかりませんのですが、特に緊急の用足しがあつて席を外さなければなりませんので、質問をしたいと思うのですが、よろしうございますか。大体はこれに関連したものと私は考えるのですが、この項目そのものではないのですが……。
  56. 東隆

    委員長東隆君) 終戦処理費に関係をした……。
  57. 永岡光治

    ○永岡光治君 多分そうだろうと思うので、若し関連なければ後ほどでいいのですが、一応私の発言を許して頂きたいと思います。
  58. 東隆

    委員長東隆君) 今の四点に関連したことにして御質疑を……。
  59. 永岡光治

    ○永岡光治君 ええ、それでよろしうございます。実はこれは特別調達庁のほうで私はタツチされたのではないかと思うのですが、昨日、一昨日から衆議院の予算委員会で問題になつております、朝鮮事変の勃発直後日本のほうからアメリカ軍に石炭を売つた、その他労務の提供とかいろいろあるようですが、決済を受けていないのが約四千七百万ドルある、こういうお話で、約二百億に及ぶ金を日本が請求していない、これはどうしたのかというようなことをいろいろ追及されておつたようであります。これは皆さん方も新聞で一応御案内の通りだろうと思うのですが、そういうものは特別調達庁のほうで関係された事項であるかどうか。それから又関係された事項であるとすれば、その辺の請求の事情はどういうふうになつておるのか。と同時に会計検査院の方にお伺いしたいのですが、そういう問題について検査をしたことがあるのかないのか、全然気がつかなかつたのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
  60. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 最初の御質問の、只今新聞で私等承知しております四千七百万ドルの問題が特調に関係あるかどうかということでありますが、これは特調に関係あるものではありません。どこに関係がありますかと申しますと、結局御承知のように終戦後貿易が政府貿易の形態がとられたわけですが、そうしてそのやり方は貿易資金特別会計なり貿易特別会計以後に移行しておりますが、その特別会計で内地物資を買いまして、そうして外国に輸出するわけです。その国内で買います物資の買上というものが特別会計から金が出ているわけです。そうして外国から輸入されたものを本特別会計で売る場合に貿易特別会計に金が入つて来るわけです。ところが外貨のほうの面は日本政府がタツチしないという仕組になつておりまして、例えば朝鮮に、あれは問題になつたのは朝鮮の問題でありますが、朝鮮に輸出した場合にこれを何ドルで輸出したというそのドルは結局司令部のほうで管理しておるわけで、どういうふうな形になつておるかということは日本政府にはわからない仕組になつておるわけです。それで後になりまして貿易特別会計が廃止になる、それと時を同じくしまして結局民間貿易に移行すると共に、その今の外貨の面が日本政府に移管される、こういう状況になつたわけです。最初現金関係が一応移つて来たわけですが、それからその後、そのことを申上げますが、二十五年の三月頃になつてかと思いますが、政令が出まして、最高司令官の持つておりまする清算勘定、清算勘定と申上げますと、結局向うに出しましたものとこちらに輸入しましたものと帳尻で決済する、その帳尻の関係です。その清算勘定を外国為替特別会計に引継ぐというような措置がとられたわけです。それで結局そのものはどこから出て行つておるかと申しますと、最初申上げましたように、貿易特別会計が買上げて向うに持つてつて司令部のほうで売つて、ドルは司令部のほうに入る。入つて来たものは、国内に貿易特別会計が売つたと、円の関係はわかりますが、ドルの関係はわからない。そこで日本政府に清算勘定が引継がれるという段階になつて、一応清算勘定の尻が約千七百万ドルくらいだつたと思いますが、そういうことを一応発表されたわけです。ところが、輸出しましたものはどこに出したかということは正確にはわからん仕組にはなつておりますが、朝鮮へ向けたものは、大体積出港がどこであるとか、或いは物とかいうことからほぼ見当がつくわけであります。そういう関係で、千七百万ドルと発表されたものが相当少いのじやないかというようなことと、かたがた貿易特別会計の残務整理を一般会計に引継いで通産省でやつておつたわけでありますが、そこで検討してみまして、私のほうも注意しておつたわけですが、二十六年の終り頃からは大分違うのじやないかということになつたわけです。そうして結局、違うが一体どうなるだろうかということで通産省のほうから司令部のほうにいろいろ折衝があつたように思います。司令部折衝された二十七年の四月頃に文書の往復があつて、大体四千七百万ドルということがきまつたということは承知しております。それが果して債権であるか、債権だとは思いますが、如何なる方法の形で行使するべきものかどうかというようないろいろ複雑な問題がございますので、私どものほうとしては、政府のほうでそういうふうな一応措置がとられて、向うのほうの回答を見ましても、一応は認めておるわけでありますが、それにつきましては、御承知のような種々な条件がついておつたわけであります。それから又そのものについては、向うのほうで適当なところに引継いで処理するというような書類をよこしておるわけです。如何なる方法で処理されるかということは、私らのほうでも一応債権と考えねばならんものがあるのでございますが、どういうふうな形で確保されるかというような点で実は注意はしておつて、現在の段階に至つたのでございます。
  61. 永岡光治

    ○永岡光治君 その問題は、いずれにしましても、こういう特別会計の問題ならなおさらのこと、一応会計検査院検査の対象になるわけですね。
  62. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 検査の対象と言いますか、法規的に申上げますと、今の二十五年の政令の四十号というものが出まして、清算勘定のあれは外国為替特別会計に引継ぐと、こういうことがありますから、それが債権としてどれほどに確定するかということの操作がまだあると思いますけれども、はつきり債権と確定したならば、やはり検査の対象にもなりますし、その途中の段階においても当然見て行かなければならんと実は考えております。
  63. 永岡光治

    ○永岡光治君 いずれこの問題は後ほど質問することにいたしまして、保留をしておきまして、私の質問を一応終ります。この問題に関する質問は、後ほど機会があると思いまするので、どこの所管になつておるのか、そうして又それを会計検査院でどこまでタツチし得るものであるか、そういう点等を十分検討した上で……。
  64. 東隆

    委員長東隆君) 一応永岡さんに申しますが、今のは別に議題になつておりますのに関係がありませんので、適当な機会一つ又御質疑を願うことにして、ほかに御質疑ございませんか……御質疑がないようでしたら、三十号議案は八木さんのほうから保留になつております。あと三十一号、三十二号、三十三号、これについて若し御異議がなければ一応質疑を終了したことにして、本日はこれを以て散会をいたしたいと思います。
  65. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 資料の提供をお願いします。特別調達庁にお願いしたいのですが、日本政府とアメリカ合衆国政府との労務提供契約の条項を御提出願いたい。それから昭和二十六年、七年両年度における提供労務者の数と、稼働日数、労賃、管理費その他の諸雑費、それからそれの収支計算、それだけの一覧表を頂きたいと思います。
  66. 東隆

    委員長東隆君) 今のはよろしうございますね。
  67. 山内隆一

    政府委員(山内隆一君) 今の資料の問題でございますか、承知いたしました。
  68. 東隆

    委員長東隆君) それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後四時四十六分散会