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1953-06-19 第16回国会 参議院 経済安定委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年六月十九日(金曜日)    午後一時三十三分開会   —————————————   委員の異動 五月三十日委員苫米地義三君及び岡田 宗司君辞任につき、その補欠として八 木幸吉君及び木下源吾君を議長におい て指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     早川 愼一君    理事            高橋  衛君            八木 幸吉君    委員            岩沢 忠恭君            奥 むめお君            鮎川 義介君   政府委員    経済審議庁次長 平井富三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       桑野  仁君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○日本経済の安定と復興に関する調査  の件  (経済審議庁業務内容に関する  件)   —————————————
  2. 早川愼一

    委員長早川愼一君) それではこれより経済安定委員会を開会いたします。先ず理事補欠互選についてお諮りいたします。本委員会理事苫米地義三君は去る五月三十日に委員を辞任いたされましたので、その後理事が欠員を生じていたのでございますが、この際理事補欠互選いたしたいと存じます。その互選方法でございますが、先例によりましてその指名を委員長に御一任頂きたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 御異議ないと認めます。それでは私から八木幸吉君を指名いたします。よろしくお願いいたします。ちよつと速記をとめて。    午後一時三十四分速記中止   —————————————    午後一時五十一分速記開始
  4. 早川愼一

    委員長早川愼一君) ちよつと速記を始めて下さい。  本日は経済審議庁平井次長が見えておりますから、一応今委員会として調査事項なつております日本経済の安定と復興に関する件でありますとか、或いは経済自立政策構想についての説明というようなものがございますが、そのうち二つの問題は来週あたり岡野長官の御説明を聞いた後で又補足願うこととして、取りあえず経済審議庁業務内容ちよつと説明しておいて頂くと非常に便宜かと思いますので、この機会に御説明願いたいと思います。
  5. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 審議庁次長平井であります。経済審議庁設置に伴う関係法令集というものがお手許に配付してございますが、その第一の経済審議庁設置法、それを御覧願いたいと思います。三頁であります。経済審議庁は御承知のように昨年の八月設置されたものでございまして、従来経済安定本部といたしまして各種企画等に従事して参りましたものが、当時の経済情勢に照応いたしましてこれを経済審議庁に改めたわけでございます。従来の経済安定本部は戦後の窮乏いたした経済を如何に再建復興せしめるかという企画を中心といたしまして、それに伴う調査を併行して参つたわけでございます。  当時は物資資金等が非常に不足しておりました状況でございましたので自然その方法各種統制伴つてつたわけでございます。従いまして経済安定本部統制官庁であるというような感を一般世間にも与えたかと存じまするが、たまたま当時の物資需給資金需給状況が非常に苦しかつたという面で、統制の総合的な、何と申しますか、物資需給計画或いば資金需給計画等を管掌することが強く現われたわけでございます。又その間例えば復興五カ年計画等調査立案等仕事もして参つたわけでありますが、ドツジライン施行後逐次物資資金につきまして余裕が出て参りました。二十四年以降の安定本部業務といたしましては、主としてこの状況に副いまして統制を逐次解除して参る方向に向つて参りました。昨年の八月にいわゆる統制的な業務というものは殆んど完了いたし、終了いたしまして、新らしくむしろ組織を変えたほうが適当であるという観点から、経済審議庁が新たに設けられ、経済安定本部が廃止された次第でございます。  従いまして経済審議庁業務といたしましては、第三条に規定しておりますように、長期経済計画策定が第一に掲げられてございます。先ほど申しましたように統制は殆んどこれを廃止いたしましたけれども、日本経済自体につきましてはまだまだ非常に底の浅い、力の弱い経済でございまして、現に現在の生産或いは生活水準等につきましては、非常な大きな年々増加を示しておりまするけれども、その内容を見ますれば、いわゆる特需に依存している経済であるということも言えるわけでございまして、この日本経済の真に安定した自立経済を達成いたしますためには、各種経済施策につきましても、これを総合的に、或いは長期的な観点から検討して行く必要がある。こういう目途を以ちまして、長期経済計画策定ということが第一に取上げられてございます。第二に二つ以上の行政機関経済施策関連する総合的且つ基本的な政策企画立案特定行政機関の主管に属するものを除く。)この点は非常に御理解のしにくい点であろうかと思いますが、現在の財政金融或いは産業、或いは通信、交通というものにつきまして、いわゆる経済省がそれぞれあるわけでありまして、経済審議庁が担当いたします経済施策というものは、二つ以上の行政機関に跨がつたもの、いわゆる総合的であり、且つ基本的な政策企画立案を担当するのである。各省とダブつたいわゆる企画立案をするということは、行政機構上重複があり、事務簡素化趣旨に反するということで、こういう第二号のような規定があるわけでございます。従いまして一つの問題を捉えまして、それを、如何に他の部門との調整をするかというような点がこの主眼になるわけでございます。これは一の長期経済計画策定うらはらになる問題でございます。又問題の取上げ方が各省で取上げるのと違つた面からこれを取上げる。例えば景気対策というふうに考えますれば、経済審議庁といたしまして、或いは財政、或いは金融、或いは産業対策の面、いろいろな面から総合的に考えて行くというような取上げ方もございましようし、東南アジアの開発という問題でも外務省なり、通産省、或いは農林省、運輸省、各省に跨がつているような問題なりを総合的に取上げて参る。こういう趣旨でございます。それから第三に経済に関する基本的な政策総合調整、これは各省の間におきましてそれぞれの立場から意見を異にすることば常に見られるところでございます。従つてそれらの調整に関しまして、経済審議庁がその任に当る、こういう趣旨でございます。例えば肥料の問題につきまして、農林省或いは通産省等意見食い違いがある、これを全般的な立場からどう捌いて行くかというような調整仕事経済審議庁が担当いたす次第でございます。それから第四に総合国力分析及び測定、これは一に申上げました長期経済計画のやはりうらはらになる問題でございまして、今後の日本経済自立のためには、総合国力主として経済審議庁が担当いたすわけでありますので、いわゆる総合経済力というものの分析及び測定を図る次第であります。今後賠償の問題なり、その他いろいろな外貨負担等が加重されて参る際におきまして、総合国力を如何に見るかという仕事が、第一の長期経済計画策定の基礎を成す問題でございます。第五が内外経済動向及び国民所得等に関する調査及び分析でございます。これは従来安定本部時代からも引続いて担当しておつた事項でございまして、世界経済及び日本経済につきまして、そのときどきの経済動向というものを調査及び分析いたします次第であります。そのために毎月経済分析というものを出しまして、月々の異なる経済現象につきまして、総合的な調査分析を行なつております。又年一回、経済白書と俗称されております年一回の年度を通じました経済分析を行なつておる次第でございます。それから国民所得に関しまする調査が、ここ数年来日本におきましても、相当学問的にも、或いは実際的にも研究が進まれ、又それらが実際の経済政策立案或いは予算編成、その他経済施策立案するに当りまして、基礎的な資料を提供する役割につきまして、だんだんそのウエイトが増して参りまして、それに関しまする調査及び分析を行なつておる次第であります。以上が大体経済審議庁任務でございまして、要するに現状経済分析という面と、長期に見ました経済構想、両面から長期経済政策或いは総合的な政策或いはそれに関連して各省にありまする意見食い違い調整を図つて行くということが、大体経済審議庁任務でございます。  それから権限でございますが、第四条に、権限の項としてございますが、第一号から十二号までは、これはいわゆる庶務的な規定でございますので、これは省略いたします。十三号以降が、大体経済審議庁任務に照応しました権限規定したものであります。第一が、経済に関する基本的な政策及び計画について、関係行政機関事務総合調整を図る、これは先ほど申上げました任務の第三の経済に関する基本的な政策総合調整、これを移したわけであります。例えば外国為替予算は、貿易面につきましては通商産業省、貿易外予算につきましては大蔵省、これをまとめますのが大蔵省ということになつておりまして、この為替予算編成いたしますために閣僚審議会が設けられ、その下に幹事会がございます。経済省の各大臣委員なつておりまして、幹事会は、各局長各省関係局長を以て構成されておるわけであります。これを編成する際における基本的な方針なり、或いは個々予算に盛込むべき事項につきまして、各省の間の意見食い違い等がございますればその調整をやつて参る、こういう意味でございます。次の国土総合開発に関する基本的な政策及び計画企画立案すること。この十四は、先ほど申上げました、第三条の二号に属します、二以上の行政機関経済施策関連する総合的且つ基本的な政策企画立案、この号に該当するものでございまして、国土総合開発という事項各省関連を持つて参りまするので、国土総合開発に関しまする計画につきましては、これを企画立案いたす。その次の電源開発に関する基本的な政策及び計画企画立案すること。これも同様な趣旨でございます。例えば電源開発を五カ年間に五百五十万キロ開発をいたす、その際に資金といたしまして約八千億なら八千億というものの所要資金を算出いたす。それを毎年おおむねどういう程度に調達するか、又その調達して来る例えば政府資金がどの程度或いは民間資金としてどの程度が可能であるかというような基本的な政策及び計画企画立案する。それから十六は物価に関する基本的な政策企画立案する。物価の問題は具体的に例えば米の価格、或いは電気料金ガス料金或いは運賃その他につきましてそれぞれの省において料金をきめ或いはマル公をきめるわけでありますが、その際に一つ物価水準としてどう見るべきか、基本的物価政策としてはどういうふうにやつて行くべきかという点につきましては、審議庁としても総合的な政策一つの一環といたしましてこの問題に触れて参るわけであります。その個々物資料金なり或いは価格をきめまするのはそれぞれの各省が決定いたすわけでありますけれども、物価全体の立場から基本的な政策及び計画審議庁としては検討する。それから十七の国民生活の安定及び労働状態の改善に関する基本的な政策企画立案する。これも国民生活に関しまする行政は殆んど経済省全部がそれぞれ分担して行なつておるわけでありますが、これを国民生活という観点或いは生活水準という観点から現状分析し、それに基く総合的な施策として審議庁としてどういうような態度をとるべきかというような問題についての業務。十八は以上を引つくるめましたことで「前四号に掲げるものの外、」といたしまして、このほか「二以上の行政磯間の経済施策関連する総合的且つ基本的な政策企画立案する」ということで引つくるめておるわけでございます。それから十九は法律に基きまして内閣総理大臣権限としてございますものを補佐するという意味において、経済審議庁長官としての補佐としての権限規定しております。国土総合開発法国土調査法特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法電源開発促進法、それぞれの法律はいずれも各省業務関連をいたしまして、各省大臣意見総理大臣総合調整いたすということになつております。その際における内閣総理大臣権限の行使について補佐をするという意味において十九号が掲げられております。二十は前各号に掲げましたもものほか今後新らしくできる法律等によつて審議庁に属せしめられた権限について補足的に定めるということであります。  以上が審議庁権限でございますが、要しまするに具体的な個々経済行政というものは各省がこれを行いまして、各省間に亘りまするような問題につきまして経済審議庁がその調整に当り又企画に当るということでございまして、抽象的には私が今申上げましたような点で割切れるわけでありますが、具体的に審議庁業務がどの程度に及ぶかということはそのときどきの経済情勢というものに反映いたす次第でございます。  それから内部部局でございますが、審議庁には総務部調整部計画部調査部という四つの部を置いてございます。人員は四部合せまして約四百名であります。三百九十七名、約四百名の人員でございます。総務部はいわゆる庶務的な事項と各部の総合調整に関する仕事をいたします。調整部は主として各省施策総合調整に関する仕事を担当いたしております。計画部長期経済計画国土開発に関する業務電源開発に関する業務、いわゆる計画的な事務を担当する。調査部はいろいろな各種調査統計、これらの総合部面を担当しております。  それから第六条は「特別な職」といたしまして審議庁次長を一人置く。それから各省と違いました点は審議庁審議官十人以内を置く。こうなつておりまして、各部長のほかに審議官十名以内置きまして、これは或いは各省或いは民間或いは学界から審議官をそれぞれ命じまして、審議庁の本来の事務が総合的な政策企画なり或いは判断なりに重点を置かれるわけでありますので、いわゆるボード的な運用を図りまして総合的な成果を得るようにいたしたい、こういう趣旨であります。それからなお総務部調整部計画部調査部、それぞれに調査官二十人以内を置くということにいたしまして専門的な事項調査に当らしめるわけであります。勿論調査官各省行政官のほかに或いは民間或いは学界から調査官を命じましてそれぞれ専門的な事項についての調査を担当させるのであります。  それから第七条総務部事項は先ほど簡単に申上げました程度であります。  第八条の調整部に関しまする事務が列挙されておりまするが、要するに総合調整に関する事務でございます。第一の貿易外国為替及び国際収支に関する基本的な政策及び計画総合調整に関すること。先ほど申上げました外国為替予算編成、或いはその年度における国際収支の見通し、或いは計画等についての総合調整を行うものであります。第二の産業につきましての問題、第三、第四皆それぞれ同じ趣旨のものであります。  それから第九条の計画部におきましては、先ほど申上げました長期経済計画策定に関する問題、総合国力分析及び測定に関すること、電源開発国土総合開発特殊土じよう地帯というような計画的な事務を担当いたしております。  調査部内外経済動向調査分析に関する仕事経済統計作成及び整備に関する仕事国民所得等調査及び分析に関する仕事ということに相成つております。で、調査部統計作成者ではございませんので、各省なり或いは民間なりで作成いたしました統計を収集し、或いはこれを分析いたしまして総合的な一つの解釈なり何なりを下して行く、むしろ統計の需要者的な意味を持つておるものであります。  それから附属機関といたしまして経済審議会が置かれておりまして、これは内閣総理大臣の諮問に応じて経済に関する重要な政策計画等につき、調査審議いたすということになつておりまして、現在十三名の委員が任命されておりまして、昨年末でございますか設置されまして数回審議をいたしております。  以上が大体経済審議庁の担当いたしまする事務でございます。で、当面経済審議庁といたしましては、この調査統計国民所得に関する調査分析等につきましては、これはいわゆる常時行なつておるわけでございまする当面の問題といたしましては、いわゆる長期経済政策乃至計画につきましていろいろと調査行い検討中でございます。で、従来検討いたしました中間的な段階ではございますが、いわゆる長期経済政策につきましては、そのアウト・ラインは本国会における経審長官演説に大体盛られておりまするので、今後長官からお聞き取り願いたいと思います。それから電源開発国土総合開発はいろいろこれにも問題がございます。今後例えば電源開発につきましては只見川の問題、その他相当大きな問題が解決を要する問題でございます。そういうような点が現在の審議庁として最もまあ主力を置いておる仕事でございます。
  6. 早川愼一

    委員長早川愼一君) では何かこの際御質疑がございましたら……。
  7. 八木幸吉

    八木幸吉君 参考資料なんですけれども、電信電話の値上げが物価並びに国民生活影響を持ちますから、その観点でやはりこちらでも論議するのが至当だと思います。それに関する何か参考資料専門員のほうでも御研究頂きたいということをお願いいたします。
  8. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 済済審議庁のほうは……。
  9. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 私のほうは別段今回の電信電話料は、率直に申上げて余り事務的にはまあタッチしなかつた。まあざつくばらんに申上げるとですね、主として予算編成関連いたしまして、閣議で決定されたのでありますが、物価の面から見ますると、例えば生活家計支出にどの程度影響があるかということを見ますと、〇・〇何%という問題でございまして、国民生活水準全体の問題から見ますると、大きな影響はない。ただまあ特定の業者でございますね。電話を余計使用しまする業界から見ますると、相当な影響があるかも知れません。いわゆる審議庁が担当しておりまする生活水準という立場から見ますると、まあ影響としては大した問題ではなかろうというふうに考えておる次第でございます。
  10. 八木幸吉

    八木幸吉君 例えばもう少し範囲を限定して、都市生活なら都市生活者生活水準の問題、そういつたようなものを全然ここで、まあ物価がやはり循環過程もありますから、全然取上げないでおくということも如何かと思うので、影響がなければないという結論で結構なんですが、一つ調べ頂けたらお願いしたいのですが……。
  11. 早川愼一

    委員長早川愼一君) まあ資料専門員としてはちよつと審議庁資料は取寄せまして……、電信電話としてこの委員会としての調査ちよつと困難なんですね。ですから……審議庁調査資料は取れるそうです。
  12. 八木幸吉

    八木幸吉君 例えばですね。観点を変えて、それじや輸出産業にどういう影響を及ぼすか、輸出貿易にどういう影響を及ぼすかということなら、今おつしやつた、〇・〇何%でなくて、もつと比重は大きいと思うのですね。今輸出商品コスト引下げの問題が非常にやかましく言れておる。その輸出商品コストにどんな影響を及ぼすかということはやはりこの委員会調査範囲に入ると思います。だから審議庁のほうの事務当局のほうのお調べ以外は調べられんということは如何かと思うのですね。だからやはり専門員においてはその観点で一応お調べを頂くということをお願いするのは、これは別に非常な埒外じやないかと私は思うのでございますが……。
  13. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 専門員のほうで一つ調査研究しておきます。  ほかに御質疑ございませんか。  来週は、それでは適当の機会経済審議庁長官出席を求めて過般の経済演説に関する詳細な又御説明を承わりたいと思います。その日時は又御通知申上げることにいたしまして、ほかに御質疑がなければ本日はこの程度において散会いたしましたいと思ひます。が、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
  14. 早川愼一

    委員長早川愼一君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十二分散会