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1953-07-20 第16回国会 参議院 外務委員会 第13号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十八年七月二十日(月曜日) 午後三時七分
開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
佐藤
尚武
君 理事 徳川
頼貞
君 佐多
忠隆
君
加藤シヅエ
君
委員
草葉
隆圓
君 中田 吉雄君 羽生 三七君
杉原
荒太
君
国務大臣
外 務 大 臣
岡崎
勝男
君
政府委員
外務省参事官
(
外務大臣官房
審議室付
) 大野 勝巳君
外務省欧米局長
土屋 隼君
外務省経済局長
黄田多喜夫
君
外務省条約局長
下田 武三君
事務局側
常任委員会専門
員
神田襄太郎
君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
連合委員会開会
の件 ○
国際情勢等
に関する調査の件 (
MSA
に関する件) ○
日本国
と
フイリピン共和国
との間の
沈没船舶引揚
に関する
中間賠償協定
の
締結
について承認を求めるの件 (
内閣送付
)
—————————————
佐藤尚武
1
○
委員長
(
佐藤尚武
君) では
只今
より
外務委員会
を開きます。 本日の
議題
は
公報掲載
の
通り
であります。先ず
日米友好通商航海条約
に関し、
経済安定委員会
では七月七日の
委員会
で当
委員会
と
連合委員会
を開くことを
決定
いたしました。この
経済安定委員会
の要求に対していかが取計らいましようかお諮りいたします。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
2
○
委員長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めまして、それでは
経済安定委員会
と
連合委員会
を開くことに
決定
いたしました。
—————————————
佐藤尚武
3
○
委員長
(
佐藤尚武
君) 次に
国際情勢
に関する件を
議題
といたします。質疑のある方は順次御発言をお願いします。
杉原荒太
4
○
杉原荒太
君
MSA
の問題は極めて重要な問題であります。まだこの
委員会
において或いは又
国会
において、今の
段階
においても明らかにすべき問題がたくさんある、
従つて他
の
同僚議員
も終始不満に堪えないに違いない。本日はすでにもう一時間以上を経過したのでありますが、この点考慮しまして私は細部の問題は
あと
に残しまして、今日は大筋のところについてお尋ねいたしたいと思います。言うまでもなくこの問題は単に一
内閣
だけの問題ではない、
国家的見地
から取上げなければならないことは言うまでもない。
従つて
私はそういう
立場
からこの問題を取上げてみたいと思う。
従つて政府側
においても本当に虚心坦懐にお答えを願いたいと思う。公平なる第三者、
国民
が聞いてお
つて
も余り聞き苦しくない問答になることを希望いたしまして今日の
質問
をいたします。 さて、第一に私のお尋ねしたいと思いますことは、
MSA援助
に関する
協定
を結ぶことによ
つて
、
日本
の受ける
援助
はいかなる
種類
の
援助
であるか、つまり
援助
の
種類いかん
という点を先ずお尋ねいたします。大勢の
国民
の中にはその点の
正体
をつかまずしてとんでもない誤解の
前提
に立
つて
MSA
問題を
考え
ておるものがあるように思う。例えば
MSA援助
を受けさえすれば
アメリカ
からうんとお金が来て
自分たち
の生活が楽になるのだ、
自分たち
の暮し向きは楽になるという素朴な幻想を抱いておる者すらある。それほどではなくても
MSA協定
による
援助
の中には、いわゆる
防衛生産
、
軍需生産
に対する
援助
或いは
経済援助
が相当織込まれるであろうという期待の上に立
つて
議論しておる者がある。そこで
我我
はこの
MSA
問題に対し賛否いずれの
立場
をとるにいたしましても、先ず
日本
がこの
MSA協定
によ
つて
受けることになる
援助
の
種類
の
正体
を明らかにしておくことが必要であると思う。申すまでもなく
アメリカ
の
政府
が
日本
に対しどういう
種類
の
援助
を与えるかということは、
アメリカ
においても
政府
限りで
政府
の一存できめられることではない。
議会
の議決を経た
法律
によ
つて
ちやんときま
つて
おる。それによる
一つ
の権限、それに
従つてアメリカ政府
といえども行動しなければならん。そうして又その
種類
の
内訳
にいたしましても、
アメリカ
の
議会
における
審議
の際、
政府当局
がなしました
証言等
でおのずから
制約
を受けるに違いない。最近
アメリカ
の
議会
を通過いたしました一九五三年
相互安全保障法
は言うまでもなく
日本
の受ける
援助
の場合にも直ちに適用されるに違いない。
従つて
この
法律
にきめておるところと、その
法律制定
に至る
議会
の
審議
の
経緯
に照して、
日本
がいかなる
種類
の
援助
を受けるかの問題をこの
さい国民
の前に明らかにする必要があると思う。私の今まで調べたところによりますれば、第一、一九五三年
相互安全保障法
に基いてそうして
MSA協定
によ
つて
供与されるであろう対
日援助
の
種類
は、この
法律
にいうところの
軍事援助
だけであ
つて
、
経済援助
や
技術援助
は一含まれていない、私はそう見ておる。この点
政府
はどう見ておるか、その点を明確に先ず明らかにしてもらいたい。 第二にはそのいわゆる
軍事援助
の
内訳
は、
日本
で言ういわゆる
防衛生産
、
軍需産業
を
増強
するために必要な原料、資材や
機械設備
、それに伴う特殊の
技術
などの
援助
、
アメリカ
の
法律
に言ういわゆる
防衛支持
の
援助
、
デフエンス・サポート
の
援助
、私はこの
防衛支持
という
言葉
が適訳ではないと思
つて
おりますが、よく
一般
に使われておりますので便宜にこういう
言葉
を使いますが、その
デフエンス・サポート
の
援助
、そういうものは今度の
MSA協定
による対
日援助
の中には予想されていないと思うが
政府
はその点をどう見ておるか、これが第二点。 第三には、一九五三年
相互安全保障法
による
アメリカ
の
相互安全保障計画
で、
日本
に供与される
計画
の
軍事援助そのもの
の
内容
は、
装備
(イクイプメント)と
訓練
を
主体
とするものと思うが
政府
はどう見ておるか。更にその
装備
の
援助
なるものは、この
完成兵器
の供与を
主体
とするものと思うがどうか。又
アメリカ
の
議会
における
MSA援助
の際の
国防当局
の
説明
によりますれば、いわゆる
訓練
の
種類
を大別して
二つ
にわける。
一つ
は軍隊がいかにして行動するかという戦術的な
訓練
その他の
技術的訓練
、即ちレーダーその他の特殊な
兵器等
の
取扱方
の
訓練
に分かれておる。そうして、この
戦術的訓練
ということは極く限られた小国にだけ大体適用するようにな
つて
おると思うが、
日本
の場合はいずれの
種類
の
訓練
を受けることを
考え
ておるか、先ず以上の点をお尋ねいたします。
岡崎勝男
5
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君)
アメリカ
の
MSA
の
援助
はいろいろな形にあるわけでありまして、今言われたような
武器
の
軍事援助
と言いますか、それからその一部と見られておる
防衛支持援助
のほかにも、例えば
相互特別武器計画
とか
技術経済援助
或いは
集団機構
による
援助
、いろいろなものがあるわけでありますが、その中で
日本
が今度の
交渉
で受けるであろうと
想像
されるものは、まだこれは
交渉
をやる途中でありますから
想像
に過ぎませんが、恐らくいわゆる
軍事援助
だろうと思います。その中でも
完成兵器
を
日本側
に引渡すことと、
日本
の
国内
で必要なものを注文して
アメリカ側
でそれを
支払つて日本側
に引渡すもの、この
二つ
があるだろうと思います。 それから
防衛支持援助
というものは予想されないという
お話
でありますが、私も
今ちよ
つと困難じやないかと思
つて
おります。併し我々の
考え
では
MSA
の
援助
も今年限りということでなくして又来年もあるであろうと思
つて
おります。
従つて条件
が整えば
防衛支持援助
も受け得るものでありまするし、私は
MSA
の
援助
を受けるならば
防衛支持援助
も受けるほうが
日本
のためには非常に利益だと思いますので、できるだけ若し
只今
受けえないとしても、これから
国内
の
条件
を整えて来年度には受けるように
努力
をいたしたいと思
つて
おります。 それからこのほかに
援助
と申しますると、これは直接
援助
にはなりますまいが、
アメリカ側
の回答にもありますから
ちよ
つと言及しますと、
日本
の
外貨収入
については非常に大きいいわゆる
域外買付
というものも出て来ると思いますが、これは直接
日本
に対する
援助
ではありません。 それからいわゆる
ポイント
・
ホアー
の
経済技術援助
の
関係
において、
アメリカ側
でも
日本
の
中共貿易
その他が困難な現状においてはということで、この問題に言及しておる人もあるのでありまして、場合によ
つて
は今後この
ポイント
・
ホアー
と
日本
との
結び付
というものも
考え
えないことはないであろうと思
つて
おります。 それから
援助
の
内容
は今申した
通り
、今の予想では主として
完成兵器
をということになり、或いは
国内
で注文する
兵器
を引渡すということが主でありましようから、直接の
援助
の
内容
としてはやはり
装備
、
訓練
でありましようが、これは
訓練
という場合にもやはり相当の部分を占めることは有り得ると思
つて
おります。たしか
イギリス
などでも
MSA
の
援助
の
協定
の
付属文書
の中で、
イギリス
の者が
アメリカ
に行
つて
訓練
する場合のドルの
支払問題等
について
協定
をいたしておるようでありまして、この頃の毎日新らしくなるようないろいろの
武器
については、
イギリス等
も必要の
訓練
があるであろうと思いますが、
日本
の場合に今の
憲法
の
制約下
においてそれほど新らしい
新鋭武器
を必要とするかどうか、又そういうものが来るかどうか、これは別問題でありますが、併し
訓練
という点も相当重きをおくべきものであろうと
考え
ております。
杉原荒太
6
○
杉原荒太
君 今の
外務大臣
の御
答弁
は大体私が予想しておるところと同様であるのであります。 次に私のお尋ねしたいと思いますことは、元来この
アメリカ
の
相互安全保障
のための
軍事援助
の
具体的計画
が実際にどういうようにして作成されて行くかということは、私の理解しておるところでは、先ず毎年
アメリカ
の
軍事援助
を与えんとする国の
援助
の対象とする
兵力
(フオース或いはフオーセス)の測定が基礎になる。そうして初めに
アメリカ
の
軍事顧問団
が
援助
を受ける国の者と相談をしてその
兵力
に必要な
装備
を調べる、そうしてその
装備
の全
必要量
からその
援助
を受ける国の供与し得る量を差引いて
不足分
を算定する、それがその後現地或いは
ワシントン
、中央において更に検討された上で案ができ上
つて
おる。そうしてこの
計画作成
の
作業
は毎年遅くとも前年の九月から始められ、私は昨年個人の資格で
欧米
を視察した際、
ワシントン
に参りましたときにも
アメリカ側
の
日本
のいわゆる再軍備問題に対する
態度
の点に特別の注意を持
つて
おつたのでありますが、
アメリカ
ではその当時すでに
日本
に対するその
作業
が
始つて
おつたことと私は了解しておる。私は先ほど
日本
に与える
援助
の
種類
の中には現在の一九五三年の
法律
に基くその
計画
の中にはいわゆる
デフエンス・サポート
の項目は含まれないと大体解しておるのでありますが、
外務大臣
も大体そうではなかろうかというふうに
言つて
おるのであります。私の理解するところではそういうことはすでに
アメリカ
ではきま
つて
しま
つて
おる。これから
交渉
して今度の際に間に合う問題ではないと思う。その後
計画
の中できま
つて
おるわくのもの以外のものは受けようとしても現行の
アメリカ
の
計画
の下では、もうそれは時期遅れである。もちろんそうして恐らく
日本側
としては
外務大臣
も言われたように、実際の必要からいたしますならばそのいわゆる
デフエンス・サポート
の
援助
が客観的に非常に要請されておることと思う。然るにこれは本年度に受けるこの中には恐らく私は入
つて
いないと思う。そうしてこれは今度の
交渉
によ
つて
解決さるべき問題ではないと私は思う。
政府
はこのいわゆる
デフエンス・サポート
のいわゆる
防衛支持援助
、
防衛生産
に直接つながる、その
防衛支持援助
を直接受けることにどういう
努力
をされたか。したけれども認められなかつたとすれば、それはいかなる
事情
によるものか、その点をお尋ねしたい。
岡崎勝男
7
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) 前々から何遍もお断りしておりますように、実はこの閣議の
決定
を終るまでは、
日本
としては
MSA
の
援助
を受けるかどうかという
態度
については出先でも厳重にコミツトしないようにしております。つまり
予備交渉
はしないというのはその
意味
であります。
従つて
予備的というか言わないか別といたしまして、本当の
日本
に関する
交渉
としてやりましたのは、先月の二十四日の
質問書
が第一回であります。それから現在に来ております。
従つて
今までのところまだ
具体的内容
に入
つて
おりませんから、
防衛支持援助
を受け得るかどうかということについては的確にはもちろん言えないのであります。ただいろいろの
資料等
を見ると、どうも今年の分には入
つて
いないであろうという
想像
をしておるだけであります。今まではまだ
努力
いたしておりません。これからや
つて
みるわけであります。
杉原荒太
8
○
杉原荒太
君 その辺のところには私もう少しお伺いしたい点もありますけれども次の問題に移りましよう。
MSA援助
の
協定
を結んだ場合において、
日本
の負担するところの
義務
、ことにその中で
防衛力増強
の
義務
と、
防衛能力
の
増強
のために必要な一切の
合理的措置
をとるというこの
義務
、この
二つ
の
義務
と
政府
の
予算作成権
と
国会
の
予算審議権
との
関係
についてお尋ねしたい。
MSA援助
を受けようとする国は、みずからも
防衛努力
、
軍事的努力
をすることが
前提条件
にな
つて
おることは言うまでもない。
MSA援助法
にもその
趣旨
が明記してある。又その性格の構成からして
必然
にそうなる。
防衛力自体
を
増強
するためにはもちろんこれを支えるために必要なる
軍需生産力
、いわゆる
防衛生産
というようなことを含むところの
防衛能力
の
増強
ということが必要になるわけでありますが、その
防衛力
及び
防衛能力
の
増強
のためには
一つ
でも金のかからないものはないから
必然
に早晩
財政的裏付
が必要にな
つて
来るに違いない。而して
MSA協定
を結ぶならばそれは厳密な
意味
における
条約
であることは言うまでもない。
従つて条約
は
政府
も
国会
もこれを遵守することを必要とすることは又これも言うまでもない。これは
憲法
の明文を待たずして明らかなことであり、
条約
によ
つて防衛能力増強
の
義務
を負担する以上、
防衛力
及び
防衛能力
の
増強
に関する
予算的措置
について、
政府
及び
議会
は、
政府
は
予算案
を作成し、
国会
はその
予算案
を
審議
する、
政府
及び
議会
は
条約
上の
拘束
を受けることになると思うが、
政府
の所見はどうか。その点で当然
予算そのもの
についての全体の
責任
は
外務大臣
ではないと思いますけれども、
条約
を作成する、それから直ぐこういつた重要な問題と
関係
を持
つて
来る、この
条約締結
について
責任
を持
つて
おられる
外務大臣
は、当然その辺のところはあらかじめよく検討したに違いない。この点についての
外務大臣
の御
見解
をお伺いしたい。
岡崎勝男
9
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) これはたしか第四項、五項でございましたか、片方には政治的、経済的の安定とか或いは
人口資源
、
設備
その他の
条件
を
考え
てという字が入
つて
、おる。その次は今
お話
の合理的という字が入
つて
おりまして、いずれも相当これはゆとりのある
言葉
でありますが、この
防衛力
の
増強
については特にこの間の第一回の正式の会合におきまして、
米国大使
はこの
防衛力
の
増強
の
速度
と
態様
は合衆国によ
つて
するのではなくして、
日本政府
によ
つて
決定
せられなければならないということを我々は認識しております。こういうことを申しております。この
日本
の
政府
というと
行政府
だけの場合と三権を含めた
日本
全体の
政府
という
意味
とありますが、通例こういうときに使
つて
おるのは
日本側
という
意味
であります。
つまり防衛力
の
増強
ということの
約束
を仮にするにしましても、これは
協定
をいよいよ結んでみないと、どういうかつこうに出て来るかは今直ちに申上げられない。
日本
の場合はいろいろ特殊な
事情
がありますから、併し仮に
防衛力
の
増強
ということを言いましてもこれをいかにするかということは、
日本
の
行政府
なり
国会
なりの
決定
による、こういうことであると私は確信しております。
杉原荒太
10
○
杉原荒太
君 その点は私
あと
でお尋ねしようと思
つて
おることにも
関連
を持
つて
来るのでありますが、これは私は
アメリカ側
で
速度
と
態様
は
日本側
が
決定
するということは百も承知しております。併しそれは
速度
と
態様
の問題であ
つて
、
条約
上
防衛力
を
増強
すべしという
義務
と又
防衛能力
を
増強
するために必要な合理的の
措置
をとるべしという
義務
を負担する以上、もちろん
外務大臣
の先ほど言われた、それにはその国の政治的安定、経済的安定を
考え
なければいけない、それは当然である、むしろそれは常識だと思う。そこで私の聞きたいと思う点は、そういうその
義務
の
履行
の
過程
おいてとらるべきいろいろの
附帯条件
の問題がある。それから逆に裏のほうから
質問
しますれば、今度のこういつた
協定
を結ぶことによ
つて
、一体
予算措置
について
日本側
は何らの
拘束
を受けないかどうか、その点
一つ
お答え願いたい。
岡崎勝男
11
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) 私は受けないと思います。
杉原荒太
12
○
杉原荒太
君 今明確に受けないというふうに言われました、私はその点には言うところを異にしております。これが併し具体的にはその
協定そのもの
の
書き方
の問題にもな
つて
来ますから、これ以上意見を述べることは避けておきます。併し私の
感想
としては、
外務大臣
が
条約
上そういう
義務
を負
つて
も、
予算審議権
は何ら
拘束
されないのだというのは余りにも私は実際の真相から外れておるような
感想
を持
つて
おることを率直に申上げたい。 その次にお尋ねしたいと思いますことは、
協定
を結ぶことによ
つて日本
は
防衛力増強
の新たなる
条約
上の
義務
を負うことになる、それは明瞭である。もちろんこの
義務
の
内容
を実現して行く
過程
においては
段階
的のものがありましよう。
差当り
は現在の
保安隊
ないし
警備隊
の或る程度の強化というような
段階
、而もそれにも人員の増加までには至らんというような
段階
もあり得るでありましよう。又その
保安隊
の任務にいたしましても、いわゆる
間接侵略
の排除ということに主点が向けられる
段階
もありましよう。併しそれらの
段階
という
言葉
は、いずれも
防衛力増強義務
の
内容
を実現して行く
過程
における
個々
の
履行
の
方法
の問題であ
つて
、その
義務
の
内容
それ
自体
ということと混同してはいけない。たとえをと
つて
言えば、ということは大変恐縮でありますが、私の言わんとする
趣旨
を
はつ
きり頭の中にえがいて頂くために申すのでありますが、例えば
金銭債務
を負う場合に、その
総額
が
幾ら
の
債務
を負うかという問題と、その
債務
を
履行
して行く
過程
において必要な
個々
の
給付行為
の時期
方法
をどうするかという問題を混同してはならん。
総額
百万円の
債務
を負担することになるのに、最初十万円だけ支払えばいいということに
なつ
たから、
あと
の九十万円は将来のことだからと
言つて
、その将来の九十万円だけは
債務
の
内容
を構成しないなどと
言つて
がん張る者があれば、
横着者
か低
脳扱い
にされるに違いない。今ここで
政府
がどうしても明確にしてもらわなければならないことは、この例をも
つて
言いますならば
総額幾ら
の
債務
を負わんとしておるかという点に相当するのであります。その
債務
の
履行行為
の
速度
と
態様
の問題ではない、そのところを
はつきり区分
をして
答弁
を願いたい。これは極めて大事な
ポイント
であります。どういう
内容
の
義務
を負うかということであ
つて
、更にそれ
いかん
によ
つて外
の国と全然違う
日本
の場合はどしどし重大な問題が起
つて
来る。およそ
防衛力増強
の
義務
を負担するその
範囲
について特別の
除外規定
を設けない以上、
間接侵略
に対する
防衛力
のみならず直接
侵略
に対する
防衛力
も含むことは理の当然である。これは我が
憲法
によ
つて陸海軍
その他の
戦力
を含むことは到底
規定
していない。そういう点を明らかにしないでただ
MSA
の
条件
は
憲法
に反するか反しないかと
言つて
もそれは
一つ
も問題に答えたことにならない。この点は余り言いたくないのでありますが、最近恐らく上司の命かと思いますが
外務省
から出しております
MSA
に対するパンフレットの中に或いは参考になる点もいろいろありますが、
MSA
の
憲法論
のごときは全く
独断論
である、
法律論
としては体をなしていない、これは率直に申上げる。そこで
政府
に
質問
をいたして
はつ
きり答えてもらいたいことは、第一、
MSA協定
によ
つて日本
の
防衛力増強
の
義務
の
内容
の中には、直接
侵略
に対する
防衛力
を
増強
する
意思
は含まれているか、含まれていないか、その点であります。 第二にはその
防衛力
の中には
憲法
に言う
陸海空軍
その他の
戦力
は除外されるかどうかという点であります。先ずこの点についてお伺いいたします。
岡崎勝男
13
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君)
協定
は実はこれから作るのでありますから、どういうふうになるかということはこちら側だけでは申上げられないし、又
いろいろ話合
の
経緯
もありますから、こちら側でこうするのだということをここで
はつ
きり申上げることは差控えたいと思いますが、恐らく
協定
の
文面
は、外の国の例を見ますと、直接
侵略
にも対抗するとかしないとか、そういう的確な
文句
は
協定
の上では出て来ない、出て来ないのが普通だと思います。併しそれを
日本政府
でどう
考え
るかということは、これはいよいよ
協定
を作り上げる際には
はつ
きり
国会等
にはする必要があると思います。もちろんするつもりでおります。 ただ今
お話
の一番重要な点は
憲法
第九条の
規定
との
関連
であります。これは今の例をと
つて
言われると百円借りるかどうかという点でありますが、この百円が
日本
の場合にはどこになるか、つまり
憲法
にいわゆる
戦力
を持つというところになるのか、
憲法
にいわゆる
戦力
を持たない限度においての最高額であるかという点はもちろん十分考慮しなければなりませんが、
政府
の
只今
の
考え
では
憲法
にいわゆる禁止しております
戦力
を持つ
約束
はいたさないつもりであります。
従つて戦力
に至らない
範囲
内、つまり
憲法
の
規定
の
範囲
内での
防衛力
の
漸増
ということを
考え
ております。又そういうことをするつもりでおります。
杉原荒太
14
○
杉原荒太
君 この点は更に具体的の
条約
の成文を見た上で問題になると思いますが、併しすでにほかの問題と
違つて
この問題を
考え
る
前提
的な事例は非常に
はつ
きりしておるものが多いのであります。
アメリカ
の
法律
に書いておることはもちろんでありますけれども、
アリソン大使
の
言つて
おる
MSA援助
を受ける以上、
日本
はこういう
義務
を負わなければならないのだということを明確に
言つて
おる。その中に特別の
除外規定
を設けない以上、私の今言つたようなことは当然含まれる。特に除外すれば、これは
外務省
でもよく研究しておられると思いますが、
アメリカ
が
ユーゴ
と結んでおる
協定
のような
書き方
をする。あのままでは私がさつき提起したような問題が当然起
つて
来る、そうしてこれは
日本側
ではこう思うのだということでは済まされない、向う側との完全な
意思
の
合致
がなければならない。
日本側
はこう思うのだというだけで
意思
の
合致
がなければ
協定
にならん、
条約
にならん、そういうことである。その点を
日本側
はこう思うという事柄は、もちろんそのことをちやんと明確にしなければならないことだと思う。
政府
は一方において
憲法
の
解釈論
といたしまして、いわゆるその目的が自衛のためであ
つて
も、
陸海空軍
その他の
戦力
の
保持
は
憲法
上禁止されておるという
見解
をと
つて
来ておられる。そうして他方において
MSA協定
によ
つて防衛力増強
の
一般的義務
を、
条約
約上の
義務
を負担する、こういうことに
なつ
た場合、その
憲法
に言う
陸海空軍
その他の
戦力
を除外するという特別の
除外規定
が
はつ
きりそこに出ない以上、明らかに
戦力保持
となり
憲法
に違反する結果となるわけであります。この
憲法
上の重大問題について、先ほどの
説明
でも当然触れておりますけれども、この点について更に重ねて
外務大臣
から明確にして頂きたい。
岡崎勝男
15
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君)
協定
はこれからまだ
交渉
することは今申上げた
通り
でありまして、どういう形になるかはまだ言明ができませんが、
憲法
に違反しない
範囲
で
防衛力
の
漸増
をやろうと思
つて
おります。その点については
アメリカ側
と
交渉
の
過程
において
十分意思
の
合致
を見るように取計らうつもりであります。
杉原荒太
16
○
杉原荒太
君 大体私の今日
質問
したいと思いますことはこういう点でありますが、これは
政府側
でも十分御苦心のことだと思います。この
条約
の
文面
に今の
ユーゴ
との
協定
のようなああいう
文句
の使い方をする、その場合には、これは法理上の問題だから仮定の問題に当然なるが、ああいう
書き方
をした場合それ
自体
が
憲法
違反になると思うか、ならないと思うか、その点
一つ
。
岡崎勝男
17
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) これは
一般
に
ユーゴ
の場合もそうでありましよう、
イギリス
の場合その他もありますが、これらの国と
日本
とは
憲法
が違いますからそのままでは
憲法
違反になると思います。
杉原荒太
18
○
杉原荒太
君 一応私の
質問
は終ります。
佐多忠隆
19
○佐多
忠隆
君 今の問題に
関連
して。今
防衛力増強
の
義務
と
防衛能力
増強
の
義務
というこういう
義務
が問題になりましたが、この場合に
政府
は今両方の
義務
、
防衛能力
の
義務
というものと
防衛力
の
義務
という
二つ
が違つたものだというふうにお
考え
になりますか、それとも同じことを
言つて
おるに違いないというようにお
考え
になるか、その点先ず伺いたい。
岡崎勝男
20
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) これは
言葉
の上だけを申しますと、
防衛力
というと
一般
的な表現になりますが、
防衛能力
といいますると、例えば安全保障
条約
にありますように、
日本
は防衛とは
言つて
おりませんで自衛と
言つて
おりますが、自衛の固有の権利、併しそれを有効に使う手段を持たない、この手段のほうが
防衛能力
になるであろうと思います。
防衛能力
と
言つて
は間違うかも知れませんが、現実に
日本
が持
つて
おる力は
防衛能力
であります。
日本
が現実に包括的に持
つて
おるのが
防衛能力
、しいて言えば権能、強いて言えばそういう区別があろうと思います。
羽生三七
21
○羽生三七君
ちよ
つとお尋ねしますが、先日の
アリソン大使
のあいさつの中にこの防衛の問題を、もつぱら
日本
の本土の防衛と
国内
治安に寄与するということでこつちでは
国内
治安のための自衛力というふうに解釈しておりますが、向うでは明確に
日本
の本土の防衛と
国内
治安と
二つ
に分けて
考え
ているのですが、これはどういうふうに分けて御解釈になりますか。
岡崎勝男
22
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) 今の御
質問
の点は
ちよ
つとよくわかりませんが、大使館の返事のほうを
言つて
おられるのですか。
羽生三七
23
○羽生三七君 その中に
日本
の本土の防衛と
国内
治安に寄与するためという二本建にして、
日本
でいう自衛とか防衛とかいう問題は一本で
国内
治安の問題と限定してい
つて
おりますが、それが二本建で言われているのはどういうわけですか。
岡崎勝男
24
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) この間のあいさつですか。
羽生三七
25
○羽生三七君 あいさつです。
岡崎勝男
26
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) これはよく
アメリカ側
で使う
言葉
でありますが、何と申しますか、いわゆるホーム・デイフエンスとインターナル・セキユリテイといいますか、そういう
文句
であ
つて
非常に強い
法律
的な区別はないように思います。
羽生三七
27
○羽生三七君 それで
日本
では勿論今の現行
憲法
の
範囲
内において、しかも
戦力
に及ばざるものとして
保安隊
をも
つて
国内
治安の維持をするということで来ているわけですが、向うではやはり
国内
治安の問題とは別箇に、
日本
の本土の防衛について直接
侵略
に対抗するものとしての
防衛力
をここにうた
つて
おるような感じがするのですが、これは違いますか。
岡崎勝男
28
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) これはいつも前に申しましたように他の
意味
からいうとおつしやるように両方の
意味
が入
つて
いると思います。併しこの
保安隊
或いは警察予備隊ができてからよくホーム・デイフエンスというのを、
国内
の大規模なじよう乱や或いは外国の示唆による騒じようというような
文句
を使
つて
おりますが、そういうものに対しての
意味
でホーム・デイフエンスというのを使
つて
いるときもあります。恐らくこの間ダレス長官が言いましたのはこのほうですが、それは私は確めておりませんが漠然と言つたのじやないかと思
つて
おります。
羽生三七
29
○羽生三七君 これは保安庁長官にお尋ねすることになるかも知れませんが、先日の論議にもあり又いろいろ
我我
今日の場合を
考え
てみて、とにかく
戦力
に及ばざる
範囲
の
防衛力
ということを、漸次
日本
自身の
態様
について作り上げて行くという
立場
を、
政府
が統一された
見解
をお持ちにな
つて
おるのですか。これは先日中田
委員
もおつしや
つて
おつたのですけれども、一体これは
戦力
だという解釈は誰がそれをするのかよくわかりませんが、
政府
みずからがそういう解釈を
決定
されるまでは、
幾ら
でもそういう
政府
の解釈は事実上は
戦力
であ
つて
も、併し
言葉
の上では
戦力
に至らざるものと
言つて
無限に拡張解釈できる権能と神通力を
政府
がお持ちにな
つて
おると思いますが、これはいかがですか。
岡崎勝男
30
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) これはどうも私が
答弁
する資格はないのですが、ただ私の言えることは恐らく
戦力
というものについては、これは常識というか、或いは
一般
国民
の認識といいますか、非常に漠然としたものであろうけれども、或る認識というか或る基準は普通
考え
られるものだと思います。ただ
日本
の場合に八千五百万の人口を擁し、そして非常に広い海岸線を持
つて
お
つて
、その地域が非常に入り組んでおる現状におきまして、例えば十一万の
保安隊
があるとか、或いはこれが少しふえたとしましてもそれは
戦力
にはまだほど遠いもので、私からいえばそんなところまでは到底行
つて
おらんということは申上げられると思います。かかるが故に日米安全保障
条約
というようなものを作
つて
おるくらいであります。
佐藤尚武
31
○
委員長
(
佐藤尚武
君)
ちよ
つと申上げますが、
外務大臣
は四時十五分までここにおられるということにな
つて
おりますから。
羽生三七
32
○羽生三七君 ごく簡単ですから。そこで
日本
の例えば今の
政府
、それから自由党以外の例えば改進党とかその他いろいろな政党がそんなことをいつまでも
言つて
おるべきではない、速かに
戦力
なら
戦力
といつたらどうかと
言つて
、これをそれじや
憲法
改正しなくても何か解釈上
戦力
と同等のような解釈を下した場合にはそれは
戦力
になるのですか。つまり実体は今
政府
のい
つて
おるようなことであ
つて
も、解釈を変えなければ実質上殆んど
戦力
にも至らないと、こういうような取扱が生まれるのですが、これは如何ですか。
岡崎勝男
33
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) これも非常にあいまいなものといえばあいまいなものであ
つて
お答えできにくいのでありますが、併し
国民
全体の良識というものは私は常にあるものと存じております。たとえ少数の者がそういう解釈をしたからとい
つて
それで中味が変
つて
来るというものじやない、これはおのずから帰すうはきまるものだと思います。
杉原荒太
34
○
杉原荒太
君 かねてからのいわゆる
戦力
の定義論も多少問題にな
つて
おるようでありますが、我々が真剣に
考え
てみなければならない
一般
の問題、単に
言葉
の先だけでどうという問題じやない。今度の
アメリカ
がいわゆる
軍事援助
を
日本
に送ることは何のためにしようとしておるのか、いろいろ抽象的な極めて
言葉
の上の争いのようなことを
考え
ているのじやないことは明らかです。
軍事援助
の実施の
責任
当局たる国防次官が
国会
において権威ある証言として
言つて
おることにおいても、
日本
があの長い列島を防衛するに必要な陸軍を作り上げることを
自分たち
は欲しているのだと
言つて
いる。これなどはただそうい
つて
いるのだというような簡単にそれは
考え
るものじやない。そういう点をにらみ合せて、私は今ここでどうこうするというと、非常にあいまい模ことした
言葉
の上の極めて妙なことにな
つて
しまう、こういう点
一つ
政府
で真剣に御検討にな
つて
いることと思う。これを率直に
国会
で
お話
になるほうがいいのだ、又そうすべきだ、このことを申上げて置きます。
佐多忠隆
35
○佐多
忠隆
君
防衛力増強
の
義務
という場合に自国の
防衛力
の
増強
の
義務
と、自由世界の
防衛力
の
増強
の
義務
の問題と両方あるという、それを
二つ
に分けて
考え
なければならんということをこの間
外務大臣
は言われたのですが、その自由世界の
防衛力
の
増強
という問題は、将来集団安全保障態勢を想定して同盟国が武力攻撃を受けた場合には、これを
援助
できる
防衛力
を持たなければならんという
意味
と解釈すべきだと思いますけれども、
外務大臣
はその点はどういうふうにお
考え
にな
つて
おりますか。
岡崎勝男
36
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) これは通例各国との
協定
の第一条にある
文句
だと思いますが、それは例えば
アメリカ
が
日本
に対して
完成兵器
その他のものを
援助
して、
日本
の
防衛力
を増大するように努める、
日本
も
兵器
その他を、若し余裕があつた場合ですが、ほかの国に
援助
してほかの国の
防衛力
の
増強
に努める、こういうことだと思います。ですから兵隊を出すとか出さんとかいうのじやなくて、今の
MSA
のようなかつこうの
援助
のことを
言つて
いる、こう了解しております。
佐多忠隆
37
○佐多
忠隆
君 併し自由世界の
防衛力
の
増強
ということは、いつも
言つて
いるように、そしてこの間の
アリソン大使
がダレスの
言葉
を引用して
言つて
いるように自由世界の集団的保障のためにやるのだという
考え
方だろうと思う。そうだとすればやはり
日本
が自国のための防衛だけでなくして、自由世界の集団的な自衛権といいますかそういうもののためにも
増強
をするのだ、その
義務
を負うのだという
意味
になるのだと思うのですが、その点はどうですか。
岡崎勝男
38
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) これはまだ国連の理想とする集団安全保障
措置
というものは実は完成しておるものじやないのですが、その理想の方向にどの
義務
も向うのを適当と思い
日本
もそう
考え
ております。但しその場合の
考え
方としては
憲法
の
規定
もありますからそれに応援する限度はおのずからある。それと
MSA
の
援助
に書いてあるほかの国の
援助
をするということは入
つて
いない、
MSA援助
を
アメリカ
から受けた場合でも
アメリカ
の軍隊を
日本
に置いてそれで
日本
の
防衛力
を強くするということは実際出て来ない、又そういうことは実際行われない。又それと同時に
日本
もほかの国に
援助
を与える場合でも軍隊を出す、
保安隊
を出すとかいう、そういう問題じやなくして、
武器
だとか弾薬だとかはできれば
援助
する、こういうことであります。
佐多忠隆
39
○佐多
忠隆
君 その点はどうもよくわかりかねますが、私はもつと違つた
意味
だと思うのですが、その点は他の機会に譲ります。
羽生三七
40
○羽生三七君 今話合を進めておる最中のようですが、その問題は別として今
国会
開会
中に
MSA
中間報告をなさるお気持はございませんか。
岡崎勝男
41
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) これは今
国会
が
開会
中はこういうふうに
委員会
等もありますから中間とか何とかいうことでなく時々刻々
説明
もし、お知らせもしようと思います。
羽生三七
42
○羽生三七君 そうすると
外務大臣
の
関係
部局のかたが時々刻々おやりにな
つて
おることが
外務大臣
のここに列席されておる
答弁
の中にしよつちう反映されていると了解されるのですが、どうも承わ
つて
いると事実はいろいろ進行しているが実際は
国会
開会
中は極めて抽象的に
答弁
して進める、こういうふうに私どもは曲解じやないのですが、了解するのですが、そういう解釈をしているのですが、どうですか。
岡崎勝男
43
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) 事実まだ話合は始めていないのです。一両日中に第二回の会合を開こうと思
つて
おります。
羽生三七
44
○羽生三七君 それでは若し具体的に何らか今
国会
中に話合ができた場合には
国会
なり、或いはどこなりに進行した事態は或る程度明らかにされるということはあり得るのですね。
岡崎勝男
45
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) 衆議院の
外務委員会
では何ら報告すべきことがあれば先ず一番に衆議院の
外務委員会
に報告しろということであります。私はそれを承知いたしました。
従つて
若し参議院の
外務委員会
で同様の御要求があれば喜んで御報告申上げます。
羽生三七
46
○羽生三七君 若しそういう事態が進行した場合には当
委員会
でも中間的な報告を求められるよう
一つ
大臣お聞きおきを願いたいと思います。
佐多忠隆
47
○佐多
忠隆
君 自国の
防衛力増強
の
義務
を新たに負うということにな
つて
、それは安保
条約
では
義務
を感じていなかつたのに今度の
協定
を結び
援助
を受けることによ
つて
新らしく
義務
を負うことになるのだという
お話
だつたと思いますが、それはそういうふうに解しておいていいのですか。
岡崎勝男
48
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) その点について私は何遍か申しておりますがこれは仮定の議論であります。
アリソン大使
の言明についての意見、こうい
つて
申上げたという記憶を持
つて
おります。又あなたも
アリソン大使
のこの間の十五日のステートメレトについての御
質問
だと思います。現実の
協定
がどういう形になるか、これは今後いろいろ話をしてみた上でのことでありますが、
協定
はこうなるということはまだ申上げられないと思います。ただ実際上こういうことになるであろうという予想の下に
お話
しているわけです。
協定
についての議論はまだ早いのであります。どういう形になるかまだわか
つて
おりませんから。
佐多忠隆
49
○佐多
忠隆
君
協定
がどういう形になるかわからんとおつしやいますが、併し
協定
を結ぶ第一歩としてのこの間のアリソンのあいさつでは
援助
を与えるとすれば当然
義務
を負わなければならん、こういうことを明言しておる。それから
援助
を受けないとすれば問題はないのですが、受けられるとすればそれは当然
義務
として受けられることになるのではないか、その点はどうなんですか。
岡崎勝男
50
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) だからそれを実際に
協定
文を作らなければ、私は
日本
の場合はいろいろの点において、つまり
憲法
の
規定
がよその国と違いますから、
従つて
協定
も必ずしもよその国と同様ということには行かないだろうと思います。併しながらただ現によその国の
協定
がどれもこれも一様じやない、その国の特殊
事情
によ
つて
異な
つて
おります。従
つて日本
の場合も違うことは当然あり得ると思います。だからと
言つて
協定
の中でどういうふうに現わされるかということは、
協定
を作つた上でないと御
審議
願えないと思います。
佐多忠隆
51
○佐多
忠隆
君 そうするとこの間のアリソンのあいさつというのはただ単に
MSA
の解釈、講義をしただけであ
つて日本
に具体的に適用される場合にどうなるということを
説明
されたものじやなくて、
日本
で
協定
を結ぶ場合には別なこともおのずから
考え
られるのだというふうにお
考え
にな
つて
おりますか。
岡崎勝男
52
○
国務大臣
(
岡崎勝男
君) いやそうじやありません。
アリソン大使
の言つたことは
援助
を受けるときにはこういうような
義務
を受けることになるだろうということを
言つて
おります。併し交