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国務大臣(
石井光次郎君) 航空
事業、殊に国際航空に出て行きます場合は、丁度船が外国の船と競争すると同じ
ようなことになるというふうに
考えます。それで私
どもの
考えは、初め数年間はなかなかこれは
経営も困難であると思いまするが、やがてこれは自立できる
ようになり得るという一応の目途は立てておりますが、なかなかそういうものがその
通りに行くかどうかはむずかしい問題だと思います。相手のあることでありますし、無謀な競争はお互いにしないと思いますが、サービスをよくするためにいろいろな思わぬ支障が出て来ると思います。そういう
ような場合のことを
考えまして、これはや
つて見なければ本当のことはわかりないというのが正直なところでありまして、それにはただ一方に出しておりますのは、今度は予算も何も乗
つておりませんが、出発をした様子を見た上で
補助金を出すこともできるということが、海運には特に
補助金として、海運の直接の
補助制度はこれは今まで出してないのでありますけれ
ども、この法案には、そういう線で幅広く実際に応じて皆さんがたの協賛を得れば
援助し得る
ような途を開いておるということが私
どもの狙いでございまして、それから又債務の
保証であるとか配当の
あと払いとか一応
考えた問題でもあるし、
政府部内においてもいろいろ部内だけで折衝した問題であ
つたのでありますが、いろいろな事情で
政府部内では一致する意見になることができなか
つたのであります。それで先ずや
つて見て、かくのことし、これだけやりながらこれだけしかできないのだということを如実に示して、それにはこうしなければならぬ、丁度船の問題にいたしましても現にいろいろ困
つて来た、そうしてこうし
ようああし
ようというので、じりじりそれに応じてや
つて来て、今度相当大幅の
援助もされる。御説の
ように如何にも至れり尽せリ、航空から見ると十分な幅に
援助が行なわれておる
ような形に今度出て来るのでありますが、航空のほうにいたしましても、実際一遍や
つて見て、その上で皆さんがたにこういうものもどうしてもお願いしなければならなくなるのじやないか。けれ
ども政府部内の意見が合わないから出さずにおくわけにも行きませんし、一日でも早くこの仕事を始めたいという一念で、そういう項目は抜きにして出したのでございまして、今度
衆議院で修正して通
つたのしありますが、これがどうなりますか、皆さんがたの御賛同を得ればそういう問題は解決する
予定で、一応途が開けるわけでございます。又、実際計算してみますると、恐らく
日本の飛行上が十分訓練されて、本当に
日本人だりで飛べる
ような時期、そうしてそれが世界の信頼を受けるという
ような
状態になる、そうするとそれは何年先だと言われると割合に早いのではないか。私はまあ雑談的に聞いた話でありますが、アメリカの大きな航空
会社の
人たちが将来航空界においては、この商業航空においては、
日本が一番大きな競争相手になるのじやないか、
日本人の体格、素質、そういう
ようなものから
考えてみても、
自分たちよりも或いは飛行機乗りとしては優秀かもわからない、そうしてこういうふうに今
日本とアメリカとの給与等を
比較しますると、現在の
日本航空がアメリカ人を使
つておるばかりにマイナスが出ておる、これが若し
日本人に代れば相当ほかの方面の仕事をする人よりも優遇しても、なお且つこの航空
会社というものは
赤字が解消するのではないか、計算的にそう言われておる
状態が、この国際航空の上にも力強く
影響して来るのじやないかということ等を
考えますと、まあ今年始まり、来年までの様子で皆さんがたの結局は協賛を得て、何らかの
補助の策がもう少し講じられなければならないのではないか、恐らくそういうふうになるかもわからないのであります。どういう形で
補助金を出すか、どういうふうに
法律等に出て来るかも知れませんが、そうなりますと、三年或いは五年、やはりそこで
日本の航空界というものが一応の世界の一流国の列の中に並んで行
つて、
経営的にも太刀打ちできる
ようになるのじやないかということをまあ
考えておるわけであります。これもどういうふうになりますか、その
心持を以て今
会社の我々のほうも横から指導して行きたいと、こう
考えております。