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1953-07-22 第16回国会 参議院 運輸委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十二日(水曜日)    午後二時六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     前田  穰君    理事            入交 太藏君    委員            植竹 春彦君            岡田 信次君            一松 政二君            加賀山之雄君            森田 義衞君            大倉 精一君            大和 与一君            木島 虎藏君   衆議院議員            關谷 勝利君   国務大臣    運 輸 大 臣 石井光次郎君   政府委員    運輸省港湾局長 黒田 靜夫君    運輸省鉄道監督    局長      植田 純一君    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  細田 吉藏君    運輸省鉄道監督   局民営鉄道部長  山内 公猷君    運輸省航空局監    理部長     粟沢 一男君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       田倉 八郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○港湾整備促進法案内閣送付) ○鉄道敷設法等の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○日本航空株式会社法案内閣提出、  衆議院送付)   —————————————
  2. 前田穰

    委員長前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。  先ず港湾整備促進法案議題といたします。  政府から提案理由の御説明を願います。
  3. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 只今から港湾整備促進法案提案理由について御説明申上げます。  港湾は大まかに見て船舶に対する施設船積貨物に対する施設の二つに区分することができますが、舶船に対する施設としましては、防波堤、泊地、岸壁、物揚場等がありますが、これらは公共事業費により年々整備されて参つておるのでございます。これに対しまして貨物に対する施設である上屋荷役機械等は、公共事業費対象とならないのであります。その整備が現在放置されているよう状態でございます。上屋荷役機械等は戦後一時公共事業費対象とされたことがあります。そのときは整備が進んだのでありまするが、その後収益性を持つておるという故を以ちまして、公共事業費が打切られてからは、何らの施策が講ぜられずに今日に至つているというふうな状態でございます。  言うまでもなく港湾は、船舶に対する施設船積貨物に対する施設とが併行的に整備されて初めて港湾としての機能を十分に発揮できるのでありまして、上屋荷役機械等は、港湾機能を司る鍵でもあるのでございます。港湾において船舶の稼行率を高め、港湾諸掛りを軽減することは、上屋荷役機械整備によつて初めて可能になると申していいと思います。更に上屋荷役機械と並んで港湾が直面しています重要な問題としては、港湾用地がございます。日本においては、地理的条件から港湾周辺に工場を持つことが有利でありまして、現に日本工業の約八〇%は港湾に集中しているのでございます。然るに現在港湾周辺には利用し得る土地は殆んど残されておらないのであります。土地を求めるとすれば、海面の埋立によつて造成する以外はないのでありまするが、土地の造成についても何らの施策がなされていない状況であります。  上屋荷役機械港湾用地等整備は、公共事業費対象となつていない現在では、港湾管理者責任となるわけでありますが、港湾管理者財政状態では到底その責任を完うすることができない状況であります。このために、上屋荷役機械港湾用地整備を促進するためには、国庫から港湾管理者財政資金を融通して、その費用に充てしめる以外にないのであります。  以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを希望する次第でございます。
  4. 前田穰

    委員長前田穰君) 本案に対する質疑は、例によりまして次回に譲りたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  6. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。
  7. 前田穰

    委員長前田穰君) 次に、鉄道敷設法等の一部を改正する法律案議題といたします。  御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。
  8. 一松政二

    一松政二君 先日運輸大臣の留保いたしました件について、運輸大臣所見を伺いたいと思います。この前も述べましたように、日本国有鉄道が、今後各地の熾烈な要望に応える意味において、あえて赤字経営承知の上で、年々百億に近い建設費を捻出する大体の段取りであろうかと想像しておるわけであります。ところが、この地方鉄道軌道整備法によりますというと、第三条の第一号に、「天然資源開発その他産業の振興上特に重要な新線」と、それに対しては、その以後十年間に亘つて固定資産に対する六分の補助を与えて、この法文の建前からいうと、非常に新線建設奨励しておるように見えるわけであります。で、地方鉄道で、私で或いは地方的に国有鉄道と離れて建設する場合には、国はなけなしの金の中から六分の補助までして奨励をし、国有鉄道独立採算でありなから赤字新線を或る意味においては強要せられて、そうして独立採算制で一方からは責められておるわけであります。何らかこの辺に片手落ちというか、矛盾というか、ちよつと平仄が合わないような気がいたすのでありますが、運輸大臣は、この間をどういうふうにお考えになつておるのか、運輸大臣の御所見を承わりたいのであります。
  9. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) この前お尋ねあつた今の問題につきまして、私どもこういうふうに考えておるのでございますが、私鉄建設されます場合、その建設に要しまする金が、まあ大部分資本金外借入というようなものが相当多くないと、なかなか建設貸金が足りないだろうと思うのですか、そういうふうな場合に出します金利負担というものが、非常に大きな建設の上、或いはその後の経営の上にも大きな部門を占めると思うのであります。それで大体新らしい線は、経済線として将来有望であると申しましても、或る期間はなかなか採算がとれないというよう状態が多いものでありますが、従つてこの新線ができて、将来有望だというような見積り、見当でめりましても、なかなか資金を集めるのにも困難であり、運営上にもいろいろ困ることがあるのじやないかと、そういうふうな場合、横の保証が、未来の保証ができるということになりますと、大分町からの借入が相当高い金利でありましようから、資金を集める上においても、経営の上におきましても、六分ぐらいまで保証すれば、やりやすいのじやないかと、こういう私線ができることを承認……、これが経済的に将来有望だからやつてもらいたいということで出願を許すような場合には、そのくらいまで考えてやつておいてもいいんじやないかというふうに、これだけを考えるのであります。  国鉄との比較の問題でございますが、国鉄新線建設するについて、従来からとつて参りましたように、資金については、政府資金運用部資金を貸付けて賄うような措置を講じておりまして、その利子は町の中の金利から比べれば安いわけでございますし、この意味におきまして、いわゆる民間の私線と比べまして、国鉄の場合、必ずしも非常な大きな不利なバランスにならんじやないかというふうなことも考えるのであります。併し、国鉄新線の問題について今ちよつと一松さんのお言葉の中にもありましたが、或いはどうもすぐにはそろばんに合わないと、まあ国鉄としては、少し無理強いされておるような場合もあるのじやないかと、そういうのに対する援助が少し過ぎるようにも思えるというお言葉がありましたが、実際国鉄側自由選択にすれば、その通りにやつたかどうか、これは私どもこの場合、そういうことは当つたこともないからわかりませんが、まあ少し無理ではないか、そういう場合には、独立採算の点から見て、今はすぐやりたくないというような線だが、国家的に見て、この線は実に必要だという場合には、政府の出資ということで行くか、或いは少くとも金利だけは国家で保証すべきじやないかという議論も昨年あたりから私ども承わつています。これは一つの私は見方だと思いますが、今までのところは、そういう状態には行かずに、国鉄自身の計算においてやつて今日まで参つておるわけでありますが、そういうような点は相当考慮をしなければならない問題がままあるのじやないかということは考えておるのでございます。いずれにいたしましても、国鉄の問題はそういうよう見方もありますが、この私鉄新線で許します業は、このくらいなことぐらい考えてやつてもいいんじやないか、必ずしも全然やらなくちやならんときまつていないのでありますが、できれば、ついやらなければならんようになりやすいというようなこと等の懸念も勿論ありますが、まあ私ども経済線として、新たにこれからできるようなもの等には、このくらいなことぐらい考えておかんと、実際上なかなかできにくいじやないか。若しこれもできないくらいのものなら、これは初めからもう出願もないじやないかと、実際上は。今後出願なんか非常にむずかしいじやないか、こう思うておるわけであります。そういうふうなことを考えております。
  10. 一松政二

    一松政二君 そうすると、いわゆる大臣の御意思としては、つまりこの法律によつて新線建設が促進されると、言葉を換えて言えば、促進したいためにそれだけの補助を与えるのだと、与えても促進したいのだと、こういうふうに解釈して差支えないのでございますか。
  11. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 私どものほうで、御承知よう予定線として、鉄道敷設法に挙げられておるものは百何十線とありますが、なかなかこれはいつのことにそれが手がつけられるかわからないのであります。その中にはいろいろな情勢が変つておるものもありますが、できたほうが好ましいと思うものが多いのでありますけれども、なかなか政府資金関係上、国鉄ではそうやれない。そこに若し地方的に非常に熱を入れて、地方自治体なり、或いは地方資本家なりが力を入れてやつてくれるようなものがあつて、それが経済的にも或る年限、例えば経済が成り立つというような見込があるものならば、私はできることに援助をいたしたいという心持ちでございます。
  12. 一松政二

    一松政二君 資金関係ですとですね、政府がやるにしても、政府がやれば、いわゆる財政資金という、税金その他官業収入、或いはいわゆる財政資金という考え方ですが、国全体の国民経済から考えた場合には、政府が金を作ろうと、民間から金を出そうと、一応国民に流れておる血潮の中からそれだけのものがしぽりとられて、その方面に向けられるわけでありまして、これは結局やり方の問題であつて、今日本電信電話国民要望に応え得ないのは、まあ漸く公共企業になりましたが、これが民営にならんためにあるわけであります。これが民営であるならば、電話権利金などというのは、殆んどこれは外国人に了解せしめることは到底不可能であろうと思いますが、そういうことで国有鉄道もですね、今回国有鉄道法の一部改正が出ておりますが、私どもはもつと、せめて旧満鉄くらいのところにまで早く行くべきじやないかと、一応考えておりますが、新線補助してまでやりたいのならば、私は、これはむしろ何らか国鉄にこのことを考えてやらせる、或いはそれだけの地方的に資金を工面しても、早く鉄道を敷いてもらいたいという場合には、国鉄を仲間に入れて、そうして地方資金を吸収する方法考えてやつたほうが早道じやないか。むしろ鉄道を普及させるためには、よく言われておる建設公債という問題もありますが、新らしくその線だけで、そろばんのとりにくいことは、これは新規事業をやるときはみなそうでありますが、すでに基盤のある日本国有鉄道というものに、その新線の何がしかの負担考えてやるほうが私は早道であろうかと思うのです。そこで、どうしてもこういう地方鉄道だけの単独のものに、固定資産に対する六分の補助を与えて、これを促進させるというのは、何らか廻りくどいよう考えるわけであります。大きな大河がそこに流れておるにかかわらず、その川から水を引けば早いのであるが、何か独立の道をこしらえて、それに水を流そうというような感じがしてならないのですが、大臣はさようにお考えになりませんか。
  13. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 鉄道に関する限り、国鉄が全責任を以て、私鉄でも架けて然るべきだという所には、資金はどんな方法でもそれは別問題として、国鉄が中心にどんどん運んだほうがいいんじやないかというのも一応の考え方であろうと思います。併し、国鉄といたしましては、国全体の交通、連絡、系統等考えながらやつており、問題になるのは、やはり資金の問題というのがそこに出て来るものでありますから、そういたしますると、その全体の中の、まあ先にこれからやりたいというものが順次実行に移されるということになりますが、私鉄の場合のそういう場合に、国鉄に任しておけばなかなかできないが、私鉄ならばすぐに或いはできるのじやないかということを、これは仮に想像いたして見ますると、例えばその地方で是非ここの産業、この地帯産業開発するには鉄道が必要だということがその地方全体の意向となつて資金等が集まるということでありますれば、そのほうが手取り早い。まあ国鉄でやつておれば十年か、十五年の後始まるのが、私鉄でやれば早く始まるという場合も、そういう場合等もあり得ると、こういうふうに思うのであります。  それからさつきちよつと私が言い忘れましたが、全体的の問題としての鉄道網についての、私はまあ国鉄の足りんところは私鉄で補つたらということを言いましたが、私だけの考えは、大体寒い地帯、雪におおわれるよう地帯は、どうしても道がよくない、トラック等で物を運ぶということが冬場できないよう地帯は、やはり私鉄が、この鉄道が発達するほうがそこいらの交通上好ましいという情勢がありますので、そうでない地帯は、或いは国鉄等が敷けないような所は、道をよくして、トラックで物を運ぶというようなことが第一段には考えられるのじやないかと、そういうふうに考えております。
  14. 一松政二

    一松政二君 今言葉尻を捉えるわけではありませんが、雪におおわれるような危険のあるときは、私は鉄道のほうが困るだろうと思うのです。北海道なら北海道等では、冬三カ月、四カ月、少くとも鉄道が、全然小さな鉄道はものを言わない場所もありますが、まあそれは別問題といたしまして、そうすると、この敷設法は、鉄道予定線、今の鉄道敷設法の中に入つている線に私設をやつてもいいんだと、そういうことを考えておるという監督局長の御答弁であつたわけでありますから、一応できるかできないかは別問題として、私設鉄道の、或いは地方鉄道奨励策だと、奨励法として、むしろ奨励するためにこれだけの補助考えたのだということに承わつて差支えないのでございますか。
  15. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 奨励と申しますか、その地帯私鉄を設立しようという人たちがこの出願をされまして、これが適当だと、私ども産業開発上、その他において必要だと認めました場合には、この援助をするということは、鉄道ができるだけ健全に伸び得るように、そうしてその目的とされておるそこらの経済発展等のためによく運ばれることを希うためでありますから、その意味においては奨励でございます。
  16. 一松政二

    一松政二君 この新線建設について、この法律のために、既存の大企業が、或る地方に特に事業鉄道の必要を感じる、或いは従来の私設鉄道が或る点に営業線を伸ばしたいというような場合があつたときに、この法律があると、必ず私は新線だけは別会社経営することになると思う。新らしい会社でなければです。そのときには古い、大きな、もうすでに或る程度収益を挙げておる会社が、新線をただ伸ばすというのでは、この法律にかかりません。ペイするかも知れない。その場合に、こういう法律があると、民間では、私は必ずその新線建設する部分だけは別な新会社になると思うのです。そうして補助を受けつつ、そうして兄弟会社としてやるか、末には或いは合併するわけですが、同じ会社でありながら、経理は全然別になり、法人格は別の経営をとつて、この補助対象となり得ると思うのですが、その際には、ただ行政上のお考えで、法律上は当然補助をやらなければならんが、予算がないとか、或いは金がないとか言つて、甲の新線にはやり、乙の新線にはやらないという結果を生じないかと恐れるのですが、そういう点においてはどのようにお考えになりますか。
  17. 植田純一

    政府委員植田純一君) 私からお答え申上げます。この新線の場合につきましては、この整備法におきましては、認定という行為が勿論あるわけでありますが、この認定の前に新線を特許するかどうかという、その行政処分当然伴うわけであります。これはこの整備法の問題の前でございまして、これは地方鉄道法或いは軌道法によりまして、この新線を特許する必要があるかどうかということの問題があるわけであります。この場名におきまして、勿論会社のいわゆる構成その他の点に非常に無理があるかないかというようなことは、一応新の会社になりますと、勿論只今お話がありましたように別会社を作ることは決してないわけではありません。別会社作つても、そのほうがむしろ全体的にうまく行くという場合であるならば、別会社を作ることは何ら支障がありません。明らかに一つ会社の何といいますか、新線の問題というような場合、いろいろまあ別会社を作ることの利害得失というようなものも勿論あると思いますが、そういうような面につきまして十分検討をして、特許するか、どうかということをきめるわけであります。そのあとの問題としまして、更にこの補助認定をする必要があるかどうかということが起るわけであります。その認定に際しましては、先日来いろいろ申上げておりますように、実施上の基準を作りまして、個々の偶発的と申しますか、起きました事例によりまして、そう左右されるということのないように運営して参りたい、かように思つております。
  18. 一松政二

    一松政二君 次の問題に移りまして、大臣にお伺いしたいのですが、第三条の第二号及び第三号の又別の基準があるのですが、この法律によつて経営を粒々辛苦して、そうして従業員とも呼吸が合い、うまく経営しておるところには全然補助がない。そうして場合によつたならば、非常に悪い言葉で言えば、日々の収入自分たちの給与のほうに廻してしまつて、そうして建設……建設は何ですが、維持改良は怠る、そうしてどうにもならないようになつても、これは必ず国が補助しなければならない建前に……、それを新線を……新線じやない、そこの線路がなくなれば困るというのでその地方住民はわいく言つておる。併し会社経営は頗る不健全であるというようなことが私は起り得ないとは限らんと思う。それからこういう法律によつて、つまり悪貨が良貨を駆逐するという言葉は当らんかも知れませんが、なまけたほうが得なんだと、朽ちるに任せておけば、そのうち監督官庁がやかましう言うて来て、こんなのじや人命が危ないからこいつは改良よう改良するについては補助をやつてくれるという甘い考え方になるとお考えになりませんか。
  19. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 赤字を出して、自分たちだけで、経営者とか従業員だけで勝手にして、あとは野となれ山となれというよう心持ち経営しておるというものが、私は実際上の問題として、そんなものがどれだけこの規定によりまして、補助をするという場合には十分調べもしなくちやならないし、監督方法がおのずからきめられるわけでありまするから、ずるけた、なまけた気持でやつて行くものがあつて政府補助があつてもきついと、自分たちだけは何とかなるというものは、そこに私はおのずから整理されるものがあつて、そういう政府援助を求めて行くというようなものはそう出て来ないだろうと思うのですが、実際上の問題どうでしよう。まあ私余り困るような例を知りませんが、一つつておる手近なところが草軽鉄道、軽井沢、草津間の鉄道、これは私は前から気になつておる鉄道でありますが、これなどを見ましても、これは経営というよりも、なかなかそういうような、何とかしてやらなければどうにも動けないかというと、あれは今のところ、いろいろなそこいらに入植している者の関係その他等でやりにくいというような実除問題があつて、何とかしなければならない羽目になつておるようでありますが、そういうような例を見ましても、一つ鉄道、短くとも長くとも、一つ鉄道経営する人たち心持が、そうでたら目な心持になつて政府援助を頼りに受けるということは、私はその人たちの良識上ないじやないかと、こう少し甘い考え方かもわかりませんが、そういうよう心持を持つて、若し今後こういうものが出ればなお更そういうよう経営に当る人たちは、政府補助があるのだから、自分たちの力でも、自力でもつとよくするという考え方を持つことを期待するし、又そういう指導もしなければならないと、こういうふうに思つております。
  20. 一松政二

    一松政二君 もう一点だけ、大臣衆議院においでにならなければならんそうですが、私はちよつと今の議題から少し地方鉄道のほうに、丁度大臣がお見えだつたものだから、移行した形になつておるのですが、もう一点だけ、ついでと言つちや甚だ失礼ですが、今のなまけ者勝ちというのは、これは極端な例でございます。又言葉も当らないかも知れない。併しながら今地方鉄道、いわゆる私設鉄道施設というものは、恐らく国有鉄道比較したら比較にならんほど安全性とか、それから維持改良が、国有鉄道ほど行つていないであろうと、私は二、三日撃するものに対しては、おしなべてさように感ぜられるわけです。けれども労働攻勢が強くして、そうしてこれには応じて行かなければならん。従つて維持改善のほうに廻す金は非常に私は今後とも少くなつて行くという憂いがあるわけであります。そこでこういう法律が或る程度そういうところへ微妙な影響を及ぼす危険がないかということを申上げたのですが、まあ重ねて御答弁があれば結構でございますが、答弁なくても、私はそういうことはこの法律建前上、どうもそういう心配は、杞憂に終つてくれればいいが、今の日本の民心の上からして、どうも杞憂に終りそうにない。だんだんそうい言うに向く危険があると私は考えて、大臣所見を伺つたわけであります。私の大臣に対する質問は、敷設法に対して、それから更に多少逸脱しましたが、一応この程度で終りたいと考えております。
  21. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 只今のお言葉は、私ども懸念はいたしておる点でございます。そういうふうな非常に今お言葉のあつた微妙な影響、私どももそういうふうな心持で露骨にどうというものはないが、そういうふうな影響を受ける虞れも多々懸念されるものもあると思います。こういうふうな援助補助等になりますると、この補助等が、何と申しますか、死金にならないよう援助の実を上げて行かなくちやならんと、そういうことでなお気を付けてやつて参りたいと思うのであります。
  22. 前田穰

    委員長前田穰君) 大臣は間もなく退席されると思いますが、大臣に御質問のあるかたは引続いて一つ先へ御発言願いたいと思います。
  23. 岡田信次

    岡田信次君 今回鉄道敷設法に十三線の鉄道が追加されるわけでありまするが、現在すでに百五十あるのでありまするが、これを整理なさる御意志はないでしようか。それから若し整理をするといたしますると、やはり敷設法規定によりまして、建設審議会にかかる事項でありますかどうか。これはまあ監督局長でもいいのですが、前段の点につきましては大臣のお答えを頂きたいと思います。
  24. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 実際すぐに、まあすぐにと言つても、今年だけに限らない。今年でなければ来年はというくらいに、近く予定されるような線だけが、この予定線に相成るべきものであると、性質上私は思うのでありますが、だんだん予定線のほうが進行いたしまして、百何十線というような数だと思うのでありますが、出ておる。恐らく本年くらいな予算を、毎年それに多少の加わるものがあつても、一体いつ頃できるか、恐らく我々の生きているうちには手のつかんものがどつさりあると、何のために予定線を……、それに又更に加えるということ等も考えてみると誠におかしなものでございまして、それならば当分は手のつかん……つくには、少しまあ情勢も変つたあと廻しのものだというようなもの等があれば、一応そこから除いて、まあ二十とか、せめて三十とかいうくらいな数になつて、それに乗れば、もう近く、何年か後には着工できるようなものがあるなら本筋だと私どもは思います。私一番先にあれを見て実は驚きました。それにどんどん加わるものですから、どうなるのだと言つて驚いたのでありますけれども、これは一遍乗りますと、小学校に入つた者が退校するようなもので、やはり小学校に入つて中退……、上に行かんでも、そのまま暫らく籍だけは置いておいてくれというようなことが、本当の心持じやないかと思うので、実際上は無理じやないかと思うのですが、何か名案がありましようか。(笑声)どうも私もおかしいと思いながら、どうもちよつと手がつきかねておるのであります。
  25. 植田純一

    政府委員植田純一君) 後段の……。
  26. 岡田信次

    岡田信次君 整理をすると、やはり建設審議会にかける必要があるかどうか。
  27. 植田純一

    政府委員植田純一君) この法律建設審議会に諮問を法律上要求していると申しまするか、法律上の必要事項ではないと思つております。併し審議会がこの新線建設に関しますところの全般の問題についても審議調査するという目的で設置されておりますし、又実際問題といたしましては、当然運輸大臣といたしましては、今回追加する場合もそうでありましたように、それを何とか整理するという場合には、当然この運輸審議会に諮問されるものであろうと、かように存じます。
  28. 岡田信次

    岡田信次君 只今大臣のお心持はよくわかるので、私も非常に同感なんですが、ただ今回の十三線は最近の情勢又、各方面の意向の現実から察して、まあそう遠くない将来に建設したい線だというのでありまするが、前に乗つかつておる大正十一年以来の百五十線というのは、もう三十年も四十年もやつている線で、大分その後いろいろな交通機関の発達その他経済上の変化等から、相当これを見ても要らないと思う線もありますし、又私鉄と重複している線もありまするので、何らか一ついろいろその御事情もありましようけれども、何らかこの整理のほうも一つ考えをお願いいたしたいと思います。
  29. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 研究いたします。
  30. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 この十三線を新たに敷設法に、別表に追加されたのですが、これは従来の別表にある百五十線と同列に並んで、その中から今後建設線を選び出して行かれるのか、或いはこれは戦後の新たな見地から必要を生じたという理由がございますので、多少この線路については優先的に考えられなければならんような事情があるのかという点が一点で、それから今回のこの十三線路が追加されたについて、ほかにまだ戦後の必要な線として出ておつた路線があるように存じておりますが、それらの線の中からまあ特にこの十三線を抜き出された理由というか、或いは出ておつた線を保留された、それはまあ非常に或いはむずかしい問題があつたのかとも思いますが、若し伺えたらその理由。それから今後において更に別表に追加されるようなお考えがあるかないか。まあこういつた新たな必要が出て来た、あるとしての線が出て来た場合ですね、それらの点についてお考えを……。
  31. 植田純一

    政府委員植田純一君) 今回追加いたしまする十三線は、従来からございます予定線に加わりまして、全く同列になつた、かようなわけでございます。同列に置きまして、この中から実際工事に着手するものを又選定するという考え方でございます。  それから実はこの十三線を選び出しました経過についてでございますが、運輸大臣より鉄道建設審議会に諮問いたしておりましたのでありますが、昨年の七月に建設審議会が、この敷設法の別表に追加することの可否について、いいか悪いかということについて、調査すべき線として十八線というものが選定された、その旨運輸大臣に答申がございまして、運輸省といたしましては、約半年問いろいろ調査をいたしまして、その結果を審議会に報告いたしまして、本年の二月の十八日の建設審議会におきまして、この十三線を別表に追加するを適当と認める、こういうような答申を頂きましたような次第であります。その結果、この残りの五線というものが保留ということになつております。この五線につきましては、まあそれぞれの線につきましていろいろと事由がございますが、いずれにいたしましても、直ちに結論を出すことができない。もう少しいろいろの点を検討する必要があるという事由がございまして保留になつております。従いましてこの五線につきましては、更にそれぞれの線の問題の点につきまして調査をいたしまして、その結果によりまして更に御判断を願うということになろうかと思つております。  なおこの保留になりました五線のほかにも、更にこの予定線に追加して欲しいというその御要望の線も大分ございますようで、こういう線の扱い方につきましても、一体今後どうするかということにつきまして、更に建設審議会の御意向を承わり、それによりまして処置して参るということになろうかと存じております。
  32. 岡田信次

    岡田信次君 この鉄道敷設法と直接関係はないのでありまするけれども鉄道の電化に対する当局の御方針、計画をお聞かせ願いたいのであります。
  33. 植田純一

    政府委員植田純一君) 鉄道電化につきましては、この鉄道施設の近代化と申しまするか、合理化という見地から見まして、主要幹線は電化いたすことによりまして、鉄道の運営上におきましてもプラスになる面が非常に多いということで、この鉄道の幹線の主要な部分につきましては電化を促進したい、かような観念で従来は進んでおるわけであります。本年度は御承知通り七十八億の予算を計上いたしております。それによりまして、従来から継続いたしておりました浜松、姫路間の電化を更に促進いたしまして、昨二十一日名古屋までの旅客列車の電化が完成した、かようなことになつております。この十一月頃には稲沢までの貨物の電化ができる、かよう状況になつております。  その他は山手貨物線の電化をいたしております。更に引続きましてこの名古屋、姫路間の電化というものを極力推進いたして、更に財政上の事情が来年度以降許しますならば、極力主要幹線の重要な部分の電化というものを極力促進したい、かよう考えておるわけであります。
  34. 岡田信次

    岡田信次君 この建設線のほうは十キロでも十五キロでも、新たに作り上げればとにかく使える。ところが電化のほうは、十キロや二十キロやつたつて何にもならん。やはり百キロなり二百キロなり、相当大きな区間をやらないと、……まあ特殊の区間は別として、一般的には行かない。従つてそのキロ当りの設備費と申しますか、これは電化のほうの建設費が安いと思うのですけれどもね。これは金として要る額は、電化を積極的に進めようという御方針とするならば、非常にかかる。でありまするから、その鉄道電化に対する財源的処置と申しますか、財政的処置については、よほどの御考慮を煩わさなければいかんと思いますが、何かいいお考えがありますか。
  35. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) この問題は誠に御説の通りに、金が先に立ちまして、今のような予算の中から配賦を受けて、鉄道建設の一部としてやつておるのでは、なかなか進行遅いと思いますので、ただ一つの途として私ども考えておりますのは、外資を何とかして入れられないかという問題であります。これは昨年世界銀行の副総裁が来ましたときも、運輸省関係の各輸送機関について、若し外資の導入のできるものがあればやつて、少しく急ピッチ運びたい思いまして、いろいろ相談をいたしました。その中で一番向うの人たちが興味を持つというか、インヴエストしても適当だと思うというのが、この鉄道の電化が第一でございます。こういう問題がありましたので、この間長崎総裁が、ヨーロッパに出張いたしましたついでに、帰りにアメリカに寄つて参りまして、なお日本鉄道の電化に対する計画等の説明をしてもらつておいたのですが、この頃又ほかのほうの問題と合せて、政府において外資導入の打合わせを進めるのに、鉄道の電化問題をいろいろ取上げて、それに今材料を揃えて取り進めようと思つておりますが、どのくらい実際に我々のほうに借入れられるか見当がちよとつきませんが、できればそういうことでもして促進したいというようなことを考えております。
  36. 岡田信次

    岡田信次君 これは私の意見になるのでございますけれども只今大臣のお話のように、外資が或る程度順調に来れば、これも大変結構だと思うのでありますが、一方、今日日本では大体千億以上の電源開発の金を使つておる。ところが今のその電源開発の計画がどんどん進みまして、ここ数年後に六百万キロなり五百万キロの水力電源が開発されると相成りますると、如何にダムを作つて、渇水期と豊水期の差を少くいたしましても、日本のこの雨の状況、地形の関係からどうしても渇水期は免れない。すると電気というものは元来コンスタントなものをサプライするということが本質でございますから、それを補うために或る程度の火力を作らなくちやならん。そういたしまするというと、ここ数年後には火力用の石炭が、私の計算では千二百万トン以上に上ると思うのであります。そういたしまするというと、今国鉄が使つておる石炭が六百万トン、合せて両方で千八百万トンから二千万トンがまあ発電並びに国鉄に使われる。日本の石炭総額の四割がそういう方面に使われる。そういたしますと、一般産業を圧迫する面が非常に多い。でありまするから、どうしても水力電源の開発が進めば進むほど石炭の使用量が殖えるという変な現象を起しますので、それを防ぐためには、どうしても国鉄を電化して、国鉄の六百万トンの石炭を三百万トンなり四百万トンに減らすという以外に途がないと思うので、鉄道の電化もこの電源開発と睨み合せて、電源開発に千億も、千億以上の金も使うのだが、その二割なり、三割なりを割いて、国鉄の電化にやるというのも一つ方法であろうと思いますので、その点も一つ十分お考え願いたいと思います。
  37. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御質問はございませんか。本法案について他に御質問がなければ、質疑は終了したものと認めてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。それぞれ賛否の意見を明らかにして、御意見のおありのかたは順次お述べを願います。
  39. 一松政二

    一松政二君 私はこの法律案に対しましては、大した皆さんの間に、御質疑の終了と同時に、大体討論をなすべきことは或る程度つたのじやないかと考えるのでありまして、皆さんに御異議がなければ、討論を終結して、直ちに採決に入られんことの動議を提出したいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 前田穰

    委員長前田穰君) それでは只今の動議に御異議ないものと認めまして、これより採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  41. 前田穰

    委員長前田穰君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされましたかたは、例により、順次御署名を願います。   多数意見者署名     入交 太藏  植竹 春彦     岡田 信次  一松 政二     加賀山之雄  森田 義衞     大倉 精一  大和 興一     大倉 虎藏   —————————————
  43. 前田穰

    委員長前田穰君) 次に、日本航空株式会社法案議題といたします。質疑のおありのかたは順次御発言を願います。本法案は衆議院で修正されておりますので、修正案の提案者の關谷勝利君が間もなく出席されると思いますが、それ以外の部分で御質疑のおありのかたは順次御発言願います。  なお申上げますが、ほかの委員会で速記がぜひ要るそうでありまして、暫らく速記を外しますから、さよう承知を願います。    午後三時三分速記中止    —————・—————    午後三時二十七分速記開始
  44. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記を始めて。
  45. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 今回の法案に対しまする衆議院における修正部分に対しまして修正提案者からの御説明を伺いたいと思います。
  46. 關谷勝利

    衆議院議員(關谷勝利君) 衆議院委員会で修正の動議を提出いたしました一人といたしまして、修正案につきまして簡単に御説明を申上げたいと思うのであります。修正の理由を簡単に御説明申上げますと、政府原案によりますと、新設の日本航空株式会社に対する保護育成措置をいたしまして、会社設立の際に政府が十億円を出資をし、又必要がある場合に政府補助金を支給し得るよう規定されておりますが、航空事業の発達が極めて著しい諸外国でさえ、政村はこの事業の特殊性を認めまして、つとに事業の育成にあらゆる努力を傾注いたしておるのであります。これらの諸外国における積極的な助成策と比戦いたしますると、この程度の助成策では戦後七年間の空白を経て立ち上る伐が国の民間航空の国際航空路への進山は到底望み得ないというふうに考えりれます。よつて助成策の一端といたしまして、債務保証及び政府所有株式り後配制を設けまして、この事業の発展を促進しようとするものであります。これが修正案を提出いたしました理由であります。  この修正部分も加えて原案となつてつておるはずでありますので、法案の原文につきましては朗読することを省略いたしますが、これが修正動議を提出いたしました理由でございます。  簡単に御報告を申上げます。
  47. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 過日關谷議員から御提案の地方鉄道軌道の補助につきましては政府保証がなかつたのでありますが、本法案にはそれが出ておりますが、一方は天を駈り、一方は地を走るのでありますが、そこに天地の差があるわけでありますが、この政府保証につきましては、その点どういう程度に重要性の差異をお認めになつたのでございましようか、一応御説明をお伺いしたいと思います。
  48. 關谷勝利

    衆議院議員(關谷勝利君) これは地方鉄道軌道整備法の際にも一度申上げておりますが、あの法案に対しましても債務保証を徹底いたしますためには、どうしても現在地方鉄道軌道で困つておりますのは融資の面でありますので、債務保証をいたしたいと存じまして、私たちいろいろ各方面と折衝いたしたのでありますが、その折衝が整いませんために、交渉ができ上りませんために、止むを得ず債務保証という点があの中に含まれておらないのでありますが、あの法案を皆さんがたの御賛成を得て通過いたしまして実際にやつてみました上で、なお且つ必要があるということになりますれば、なお一層交渉いたしまして、その点までは漕ぎつけたいというのが私たちの気持であります。別にこの航空事業地方鉄道産業の振興上特に重要なものとが大した天と地ほどの隔りがあるとは考えておりませんが、ただこの日本航空株式会社法は、国際競争力というような点も要りまするし、なお又資本と借入金の割合が非常に何と申しまするか、大きい、現在の海運と同じよう状態であるというので、海運と睨み合せまして、同じく国際的に出て行きまするので、こういう方法が必要であろう、こういうふうに考えてやつたのでありまして、地方鉄道軌道整備法において必要がないということではないのでありまして、これも十分感じておるのでありますが、止むを得ずあのよう状態に実情がなつております点を御了承願いたいと思います。
  49. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 修正部分に対しまする御説明は了承いたしました。
  50. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  51. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記を始めて。
  52. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 今度お使いになるコメット機は、旅客機としてまだ多少不安があるということを聞きますが、本当ですか。
  53. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 只今英国がコメット機の一型を使用いたしておます。最近新聞等で御覧になりますように、若干事故も起きておるということでございます。併しまだ新らしい飛行機でございまして、必ずこれが危険であるとか、或いはほかの飛行機に比べて非常に絶対に優秀であるという結論はまだ出ておらないのであります。併し今度購入いたしますのは一型を更に改良した二型でございまして、勿論十分に検査もいたします。乗員等も熟練した委員を乗せて初めて国際線に使われると、こういうことになると思います。
  54. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 修繕設備は日本にはまだないのですね。
  55. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 戦争前にも多少ジェット機の研究等はいたしておりましたが、御承知通り十年のブランクがございますので、日本といたしましてはジエツト機の修繕設備等はございません。当初は止むを得ず英国に整備等を依頼しなければならんという状態になるかと存じます。
  56. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 多少意見になりますけれども、飛行機は消耗品のようなもので、しよつちゆう検査と修繕をやらなければいかんと思います。修繕設備なるものが完備し、それから旅客輸送のことですから、まあ世界のほうそれで相当使つてくれて、相当自信がついてからおやりになつても遅くはないだろうと、こう考えるのですが、その点につきましてはどうでしようか。
  57. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 勿論私どもも安全ということが第一に必要なことである、又最も重要なことだと考えております。今度の計画のコメットは、大体入りますのは再来年になります。それまでには各国とも相当使いますので、実績もできて参るので、勿論実際において使います場合には或る程度の補修等は日本でもできる、いわゆるラインメンテナンスと申しております。その程度日本でもできるという状態にしてやらなければならんと思つております。私の申上げました英国に当初依存しなければならないだろうと申しますのは、いわゆる大修繕、メージャー・オーバーホール程度のものは、当初は日本にはすぐにはできないかも知れない、こういうふうに御了承願いたいのであります。
  58. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 その今の大修繕は定期的になさるのですか。
  59. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) さようでございます。
  60. 森田義衞

    ○森田義衞君 本年度の債務保証の限度、つまり借入金の保証の限度ですが、三十四億四千万円となつておりますけれども、これは大体現に借入れておりますが、今後の借入等も入つておるのですか。
  61. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 長期借入金として今まで借入れたものはないはずであります。短期の分は、或いは運転資金等であるかも知れませんが、長期の分はまだないかと思つております。
  62. 森田義衞

    ○森田義衞君 この資金計画にあります二十八年度、それで総額五十三億、そこで借入金が大体三十四億とございますね、そうして二十八年度においては三十四億四千万円、これまでは債務保証をするということになつておりますが、この計画で何といいますか、こういつた資金で以て、この会社の運営を今後やつて行くのじやないですか。
  63. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 資金計画につきましては、おつしやる通りでございます。それで先ほど申上げましたが、この中の資金につきまして、御質問にもございましたように、まだ会社として債務として借りているものはございません。
  64. 森田義衞

    ○森田義衞君 今後の計画でございますね。
  65. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) そうです。
  66. 森田義衞

    ○森田義衞君 それと第八条の補助金の交付といつたもので、この予算の範囲内で補助金を交付することができる、こういつた補助金はどの程度お見込になつているのでございますか。
  67. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 今年度予算では補助金は見込んでございません。
  68. 森田義衞

    ○森田義衞君 ないのでございますか。
  69. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) と申しますのは、多少御説明を要するかと思いますが、成るべく初めから赤字は補償してやるというふうな補助金政策はとらないで、できるだけ自力でやれるところまでやるほうがよろしいのではないかというふうな考え方から、補助金は当初から予定しないという建前になつております。
  70. 森田義衞

    ○森田義衞君 その建前は非常に結構ですが、実際問題として、それで事業の発達が、順次航空機を殖やし、路線を殖やすといつたことができるのでございますか。
  71. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) この点私どもも多分に疑問なきを得ないのでございますが、要するに航空機も資金ぐりが付けば担保力はあるのでございまして、買うことができると思います。赤字補償と申しますのは、幾ら損があつて補助してやるという建前になりますので、やはり初めからそういう政府に依頼するような恰好で進めて行かないほうがいいのじやないかという考えであります。例えば外貨資金を借りる、或いは先日通りました開発銀行の扱います外貨を借入れるとか、或いは政府保証するというふうなことで、資金ぐりを付けてやれば、或る程度行くのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  72. 森田義衞

    ○森田義衞君 三年たてば結構な、何といいますか、事業計画になつておるようですけれども、将来飛行場の何といいますか、整備なりその維持というのは一体誰がやるのでございますか。
  73. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 大体現在考えておりますのは、少くとも国際線程度の飛行場は政府整備するというとうに考えております。又各国とも大体そういうふうになつております。或いはアメリカ等によりましては、州でやつておるものもあるようでございますが、日本としましては、相当やはり政府で面倒を見なければいかんのじやないかというふうに考えております。
  74. 森田義衞

    ○森田義衞君 会社としては直接の飛行場の整備費は要らないわけでございますね。
  75. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 例えば自分の飛行機専用の格納庫或いは自分の飛行機の整備工場といつたようなものは、会社でやはり整備する必要があると思います。これも国によりまして政府の金で作つてつておる所もあるようでありますが、会社としましては、現在そこまで政府考えてやるということは思つておりません。
  76. 入交太藏

    ○入交太藏君 使用飛行機のことですが、今コメットのお話もありましたけれども、現在外国の飛行機会社が航空路を開いてやつていますね、あの使つている現在の飛行機と比較してどういうふうになりますか。
  77. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 外国会社が使つております飛行機は、いろいろございますが、大体今度予定しておりますダグラスD・C・6、こういう飛行機は要するに旅客用の大型機としては世界の一流機でございます。現在世界で使つております機種としても、恐らく一番大型では多いのじやないかと思います。又ダグラス会社に対する注文も非常にたくさんになつておりまして、現在注文しても一年半後でなければ新らしいものが手に入らないという程度に注文も輻輳しておるのであります。従いまして各社とも非常に希望しておる飛行機であり、又旅客にとりましても信用のできる飛行機であるというふうに考えております。なお、それに対応しますもので、例えばスーパー・コンステレーシヨンといつたような飛行機も新らしくございます。こういう飛行機に対します優劣と申しますものも、いろいろ検討しまして、まあ一長一短といいますか、その使用します線、或いは旅客の乗つてくれる旅客の数、或いは一遍に飛行しなければならん距離、いろいろな点を考慮しまして、まあ一長一短、それに適当な線には適当な飛行機がよろしいというふうになるので、特にこの飛行機が絶対に優秀だということは言えないかと思います。とにかく現在のD・C・6は一流の大型機であるということは申せます。
  78. 入交太藏

    ○入交太藏君 要は、いずれこれは外国の飛行会社との競争にもなると思うのであります。今度できます日本航空のほうにも予算を相当獲得したいということになれば、今申しますように相当の飛行機でないというと、余り飛行機が劣るということになるとお客さんの獲得にも困ると思います。大体こういうものは御難のようにだんだん進んでおるのでありまして、来年なり再来年のものを予定する場合に、まあ財源的の問題もありましようが、できるだけ優秀なものを使うことに予定しないと、競争に敗けるのじやないかということもございますので、その点十分考慮されておると思いますけれども、できるだけまあ優秀なものを使用されるようにしたらどうかと思いますね。
  79. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 誠に御尤もなお話でございまして、私どもも是非そういうふうにしたいと思つております。最後にお話のありましたように、非常に日進月歩と申しますか、進歩が早いものでございます。私はこの三年後に果してどういう飛行機が出て来るやらわからん、というよりも、むしろなお現在よりも優秀な飛行機が新たに出て来るであらうということが常識的じやないかと思います。そういう点を十分考慮されまして、できるだけ優秀機を持つて行かなければ、世界の航空交通界の競争に入つていけない点があると思います。そういう点もできるだけ考慮してやりたいと私は思つております。
  80. 一松政二

    一松政二君 この購入予定の今問題になつておるD・C・6、コメット、合計九機、D・C・4は国内用だろうと思いますが、国際線及び南方に行く、台湾、琉球その他へ行くものはいわゆる九機で今の週二回の往復に十分と思いますか。
  81. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) サンフランシスコ、東京間及び東京、沖縄間は先ほど申上げましたように今年度十月までに三機入つて参ります。この三機で十分二回の往復をいたしまして、又その程度の能率を上げなければ会社としても非常に採算の点が悪い、こういうふうに考えております。お話のございました全部で、九機という数字は、結局台数を殖やす場合の所要機となつて参りますので、昭和三十年の計画でございます。
  82. 一松政二

    一松政二君 能率を増すのは結構ですが、こういう乗物のことでございますし、いろいろまだ予測せない事故もあり得る、或いは故障もあり得るというので、何か綱を引張つたような、余裕のない飛行機の数で、そうして相当に長い距離を運航せしめるとすれば、これは無理が一番禁物なんです。こういうものに対しては、ゆとりがないというと、つい無理をすることになるのでありますから、如何に計画がよくできて、損益計算が立ちましても、事いやしくも、大体が人間を運ぶのが目的なんですから、先ほど木島委員からコメット機についても注意があつたように、私はただペーパー・プランでそういうことをやつておられても、同じ飛行機が行つたり来たりするのは、それはよろしいですが、やはり相当ゆとりのある考え方を持つて運航に当らなければ、とかく事故を起しやすい。又従つて、代りがなければすぐ欠航という問題が起つて来る。そういう当てにならん飛行機に乗つておるよりも、結局、外国の航空機に乗つたほうが安全で確実だとすぐ私はなると思うのです。そうして相手方は相当経験もあり、資力もあり、ゆとりもあつて、そうして修繕その他の整備も万全を期して、すでに経験者である。日本は、これから新たにスタートするのであるから、なお更そこには、そういう経験者よりも、もう一つの細心の配慮は私は必要とするであろうと思うのです。であるから、三機でそれだけのことを今の沖繩とサンフフンシスコ線をやられる場合は、多少危惧の念を持つのですが、そういう心配はございませんか。
  83. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 只今のお話誠に御尤もでありまして、私どもも、実際航空局としましては、会社を儲けさせる、或いは会社に黒字を出させるというのが我々の使命だとは思つておりません。我々の第一の使命は、航空機の安全を期するということが使命だと思つております。従いまして、勿論事業計画、資金計画等、いろいろございますが、勿論、飛行機の余裕も十分に、或いはその安全度という面を一番重要視してやらせたい、こういうふうに考えております。現在のこの計画で参りまして、飛行機としての飛行時間、或いは余裕時間といつたようなものも、普通の会社経済的な計算から申しますと、むしろ余裕が少し多いのじやないかという程度の計算にいたしております。
  84. 一松政二

    一松政二君 先ほど速記のないときに、私ちよつと質問しかけた問題ですね。日本に発着しておる世界各国の飛行機に対して、日本がこれからスタートしたというのの旅客荷物及び郵便物の、これから計画する日航の、新らしい日航の占める割合はどういう予定ですか。
  85. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 旅客につきましては、統計がございまして、大体飛行機で入り、或いは日本から出て行くというような旅客が一日、入国する者と出国する者と大体百人ぐらい毎日あります。郵便物、貨物等につきましては、ちよつと今資料等を持合せておりませんで、後刻調べて申上げたいと思います。
  86. 一松政二

    一松政二君 それに対して、各国は、更に現在以上に日本に乗入れの回数を殖やしたり、又新らしい会社が来るというような形跡はございますか。
  87. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 大体現在会社の数にしまして、十一社外国の航空会社が乗入れております。回数の多いところはアメリカでございますが、殆んど毎日のように参つております。なおその上に、聞きますところによりますと、アメリカでは、アメリカの航空局に、日本に乗入れたい、或いはその回数を殖やしたいというような申請を出しておるということも聞いております。なお、そういう希望が若干出て来るのではないかというふうに考えております。
  88. 一松政二

    一松政二君 そうするというと、毎日の発着の機数はわかつておりますか。大体平均でよろしうございます。おわかりでなかつたらこの次の委員会までで結構です。
  89. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 大体羽田で現在毎日百機程度発着しておるということを聞いておりますが、そのうち、旅客機の数がどのくらいになるか、或いは貨物機の数がどのくらいになるかという的確な資料を持合せておりませんので、後刻申上げたいと思います。
  90. 一松政二

    一松政二君 私は、主として関心を持つておるのは、今、新らしくスタートしようとする日本航空が、日本に発着する世界の旅客輸送に対して、一体何割の程度考えておるのか、将来これをどうしよう考えておるのかということについて関心を寄せておりまするから、アメリカの軍用機その他については、これは事変等の関係もあり、これはそういう影響がありますから、それは除外してもいいのであつて、主として、平常の状態において考えられる観光並びに商用或いは官用を帯びて往来されておる人数の一体同割を日本一航空としては目的としておるのかを伺いたい。
  91. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 民間航空関係につきまして、只今お話のありました資料は成るべく速かに作つて差上げたいと思います。
  92. 一松政二

    一松政二君 あと大臣に伺いますから、極く簡単でよろしいけれども、先ほどの答弁の中に、日本航空が最初から補助なり補償なりを当てにして、そうして経営しては相成らん、成るべく自己の足によつてつて行くことが望ましい。誠に結構なんで、これは私の持論ですから。ところが、航空機は今のところ私は船よりも日本は遅れておると思う。海運に対しての考え方と、これは大臣に伺いますが、余りに釣り合いがとれなさ過ぎておると思う。航空局のほうではそういう考はしないですか、海運と考えて。
  93. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 役所としても出足が遅くなつております。又航空機の生産も立ち遅れておりますが、お話のように、私ども考えましても、微力のために必要な程度の育成もできないといつたお叱りを受けても止むを得ないと思う。できるだけ私どもも、こういう新らしく発足する事業には補助も育成もいたしたい、こういうふうに考えております。遺憾ながらまだそれだけ力がございませんので、思うように参らんという現状なんであります。
  94. 一松政二

    一松政二君 それならそれで答弁もわかるのですが、先ほどの同僚議員に対する御答弁の中では、何か一応そういう方針で成るべく自力で、人に頼らずに自分の腕で発達するのが望ましいから、そういうことになつておるという御答弁ように拝聴したのですが、それは望ましいことではあるけれども、私は監督官庁としては、最初自分の考えではそういうことではなかつたのであつて、そういう考えではこれは発達は覚束かないのだけれども、今の御答弁によつて、それが或る程度修正されたよう考えるのですが、さよう考えてよろしうございますか。
  95. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) お言葉をお返しするようで恐れ入るのですが、補助金という形で助成するということは、先ほど申上げましたように、余り育成策としても策を得たものではないかという点を考えまして、当初から補助金を出そうというふうな考え方は持つていなかつたわけであります。航空会社としても、初めから補助金をとにかく予定して仕事を始めるという態度では今までないのであります。ただ私どもとしましては、どうせ各国とも、アメリカは別でございますが、政府出資が一〇〇%という会社もありますし、或いは相当多額な補助金を出しておる例も多いのであります。やはり必要じやないかという点は考えております。従いまして本法案にも、予算の範囲内で補助金を交付することができるというよう規定まで入れて参つておるわけでありますが、将来においてこれが無理ではないかという点は考えておりますが、多少初めからやはり補助金が欲しかつたのだという程度には考えておらなかつたのであります。
  96. 一松政二

    一松政二君 そうすると政府保証なし、損失補償なし、或いは補助金なし、普通の金利借入金を借りて、日本の航空が国際競争上競争に堪え得るということは勿論ですが、国際航空界に乗り出し得るとお考えになつてつたように拝聴するのですが、さようですか。
  97. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) そこまでお聞きになられると困るのですが、実際私どもがそれほど自信があつて要らないと言つておるのではないのでありまして、実際多分に危惧は持つております。従いましておつしやるように、或いは少くも近い将来に補助金を考えなければならん時代が来るかも知れん。その点は甚だ申訳ないのでありますが、自信を持つて現在の補助金なしの政策で必ず外国会社と太刀打ちして、一本立ちでやつて行けるという自信は今のところはないのであります。
  98. 森田義衞

    ○森田義衞君 先ほど借入金のほうを聞いたのですが、政府出資の十億というのは話が付いているのですか。
  99. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 話が付きまして今予算に計上してございます。
  100. 岡田信次

    岡田信次君 その会社の資本に外国資本は予想されておるのですか。
  101. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 現在のところ外国資本は考えてございません。ただ航空法に規定しております三分の一程度までは、外国資本が入つても差支えないという考え方は持つております。
  102. 岡田信次

    岡田信次君 現在は考えておられないが、将来増資等の場合には如何ですか。
  103. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 将来につきましても特に外国資本というようなことは考えておりません。
  104. 岡田信次

    岡田信次君 今度は問題は別なんですが、国内幹線の輸送需要というか、現在の輸送力と輸送量の関係はどうなつていますか。
  105. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 先ほど申上げましたように、只今はD・C・4という飛行機を六機で国内幹線をやつております。大体その実績を見ますと、今年の五月の実績でございますが、旅客数について二万五千五百人、乗客の利用率としましては六五%ということになつておりますけれども、郵便等は、例えば郵便は二万七千点或いは貨物は三万キロというふうになつておりますが、これは大体逐次量としては殖えて参つております。運航率は五月は一〇〇%、六月はちよつと落ちまして九一%になつております。
  106. 岡田信次

    岡田信次君 今の利用率の六五%というのは、ちよつとこのほかの汽車と自動車と比較にならないのですが、どういう程度ですか。
  107. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) これは国際的に見ましても、六五%程度乗客があれば航空会社としてもペイするという数字でございます。
  108. 岡田信次

    岡田信次君 将来は国内幹線はこの会社をして独占せしめるお考えですか。
  109. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 必ずしも独占とも考えておらないのでございますが、大体今やつておりまする東京、大阪、福岡或いは北のほうで札幌という線は、まあ幹線と考えまして、現在の会社が国際線と一緒にやる。それからなおその間の例えば岩国、三沢等に持つて参ります線は、一応幹線上の線ではございますけれども、ローカル線と考えて、国内の小さな会社にやらしたらどうかというふうに考えております。と申しますのは、大体ローカル線としましては、その幹線上の細かく寄航して行くという線ばかりでなくて、なお更に地方に出ました線までも一緒にやつて行かなければならないわけです。そうしますと飛行場としましても、現在の幹線上にあるような大きな飛行場は金もかかりますし、予定もできません。又旅客の数から見ましても一機に六十人乗るような線はそうたくさんございません。できるだけ中型程度の飛行機にいたしまして、これでローカル線をやる。この会社は大体国際線が目的でございますのでD・C・4以上の、少くも韓国或いは沖繩線、台湾線ができるような大型の飛行機だけを持たして、そういう線を専門にやらしたい、こういうふうに考えております。
  110. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 今から経営上の問題を余り心配するのもあれかも知れないのですが、この数字を拝見すると、第三年度においても、国内線においてはマイナスということになつておりますね。現在の日航の経営数字をお調べになつたものがあれば拝見したいと思うのですが。これで見るとかなり国内の利用が殖えて行つて、なお且つ三年でマイナス。さつきから補助の問題が出ておりますが、国際航空については、パン・アメリカンは地球を何万回も廻つて無事故だということを自慢にし、或いはSASはサービスを以て非常な宣伝をしておる。あとから遅れて飛び込んで非常に困難だと思うのですが、国内のマイナスも補い、又国際的の競争にも堪えるということになると、よほど今後政府としても覚悟を持つて補助をして行かなければ成り立たないじやないかという気がいたすわけでありますが、国際航空について、そういうふうなものについての制限とか何かそういうふうなものがあるのでございますか、ないのでございますか。そういう点について伺いたい。協定というようなものですね、国際航空の……。
  111. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 日航の収支につきましては、前回の決算期で大体四千万円が赤字となつております。ただその後非常に成績も好転いたしまして、大体現在の、先ほど申上げました程度の率で乗客も乗つてくれ、運航率も上つて行くということでございますれば、国内線として現在使つております外国の乗務員等を日本人に成るべく早く切換えますれば、大体トントンには行くのじやないかというような予測を現在持たれております。併しこれも実際果してこの乗客率が季節によつて或いは変らんとも限りません。続くものかどうかというようなことは、まだちよつとわかりかねるのであります。今期の決算をやつてみれば或る程度見当がつくのではないかというふうに考えております。  それから国際関係の制限の問題でございますが、大体今の国際協定或いは民間航空条約によりますと、国際間に航空会社の協会と申しますか、その協会で大体認めた料金でやるというのが普通の建前でございまして、この料金を特に下廻つてダンピングをするというようなことはできない建前になつております。
  112. 一松政二

    一松政二君 大臣がお見えになりましたから、甚だ失礼ですけれどもちよつと先ほど伺いかけた問題を伺いたいと思うのです。海運について運輸省がお考えになつているのは、私から考えれば勿論至れり尽せりで、どうもほかの産業との関係上少し片寄り過ぎている。船だけに余りに手厚い保護になりはしないかと考えられるほど当局ではお考えになつているように窺えるのです。そうしてそれよりも更に立遅れて、そうして国際航空路にこれから出発しようという日本航空株式会社法案を見ましても、政府の出資は僅かに十億、そうして原案にはいわゆる債務の保証というものもなくて、衆議院から送付された、衆議院のほうから債務保証政府出資に対する配当金のいわゆるリベート・ペイメントといいますか、民間のほうが優先して先に八分だけを民間が取るという程度の修正があつたにとどまつて、今日法案がここに討議されているわけですが、こういうお考えの相違は一体どこから起つて来るか。先ほど事務当局のお話では、政府補助によらずして、自己の経営能力によつて一人立ちして行くことが望ましいから、そういうことは一応考えなかつたというやに承わつたのですが、等しく国際線上に打ちひしがれた日本産業の国際競争上に立つ問題で、一つは海運と、遅ればせながら、ここで海運というのに対する空運と言いたいところですが、そういう言葉はございませんから……、いわゆる国際航空に対して乗り出して行くつ政府は半分出資しているが、一方海運のほうは政府出資の会社一つもない。私どもから考えれば、政府政府計画でやる船でこれほど財政資金を費し、運輸大臣が御心配になつて民間銀行にすら融資斡旋方の御奔走があるやに聞いてておるのですが、それほどならば、なぜ政府がむしろ船をこしらえて、それをチャーターしたほうがいいのじやないか、そのほうがはつきりしている、こういうふうに思うわけです。そうして利子も、いわゆる国際競争に勝つためには三分五厘までしなければ駄目だというので、そういうような計画があるというのに対して、最も国際競争に薄弱であろうと考えられる、そうして最も遅れておるこの航空に対して、政府の当初のお考え方が余りに違いがあり過ぎる。これは一体どこからこういう問題が起つているのか、一つ大臣の御説明を承わりたいと思います。
  113. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 航空事業、殊に国際航空に出て行きます場合は、丁度船が外国の船と競争すると同じようなことになるというふうに考えます。それで私ども考えは、初め数年間はなかなかこれは経営も困難であると思いまするが、やがてこれは自立できるようになり得るという一応の目途は立てておりますが、なかなかそういうものがその通りに行くかどうかはむずかしい問題だと思います。相手のあることでありますし、無謀な競争はお互いにしないと思いますが、サービスをよくするためにいろいろな思わぬ支障が出て来ると思います。そういうような場合のことを考えまして、これはやつて見なければ本当のことはわかりないというのが正直なところでありまして、それにはただ一方に出しておりますのは、今度は予算も何も乗つておりませんが、出発をした様子を見た上で補助金を出すこともできるということが、海運には特に補助金として、海運の直接の補助制度はこれは今まで出してないのでありますけれども、この法案には、そういう線で幅広く実際に応じて皆さんがたの協賛を得れば援助し得るような途を開いておるということが私どもの狙いでございまして、それから又債務の保証であるとか配当のあと払いとか一応考えた問題でもあるし、政府部内においてもいろいろ部内だけで折衝した問題であつたのでありますが、いろいろな事情で政府部内では一致する意見になることができなかつたのであります。それで先ずやつて見て、かくのことし、これだけやりながらこれだけしかできないのだということを如実に示して、それにはこうしなければならぬ、丁度船の問題にいたしましても現にいろいろ困つて来た、そうしてこうしようああしようというので、じりじりそれに応じてやつて来て、今度相当大幅の援助もされる。御説のように如何にも至れり尽せリ、航空から見ると十分な幅に援助が行なわれておるような形に今度出て来るのでありますが、航空のほうにいたしましても、実際一遍やつて見て、その上で皆さんがたにこういうものもどうしてもお願いしなければならなくなるのじやないか。けれども政府部内の意見が合わないから出さずにおくわけにも行きませんし、一日でも早くこの仕事を始めたいという一念で、そういう項目は抜きにして出したのでございまして、今度衆議院で修正して通つたのしありますが、これがどうなりますか、皆さんがたの御賛同を得ればそういう問題は解決する予定で、一応途が開けるわけでございます。又、実際計算してみますると、恐らく日本の飛行上が十分訓練されて、本当に日本人だりで飛べるような時期、そうしてそれが世界の信頼を受けるというよう状態になる、そうするとそれは何年先だと言われると割合に早いのではないか。私はまあ雑談的に聞いた話でありますが、アメリカの大きな航空会社人たちが将来航空界においては、この商業航空においては、日本が一番大きな競争相手になるのじやないか、日本人の体格、素質、そういうようなものから考えてみても、自分たちよりも或いは飛行機乗りとしては優秀かもわからない、そうしてこういうふうに今日本とアメリカとの給与等を比較しますると、現在の日本航空がアメリカ人を使つておるばかりにマイナスが出ておる、これが若し日本人に代れば相当ほかの方面の仕事をする人よりも優遇しても、なお且つこの航空会社というものは赤字が解消するのではないか、計算的にそう言われておる状態が、この国際航空の上にも力強く影響して来るのじやないかということ等を考えますと、まあ今年始まり、来年までの様子で皆さんがたの結局は協賛を得て、何らかの補助の策がもう少し講じられなければならないのではないか、恐らくそういうふうになるかもわからないのであります。どういう形で補助金を出すか、どういうふうに法律等に出て来るかも知れませんが、そうなりますと、三年或いは五年、やはりそこで日本の航空界というものが一応の世界の一流国の列の中に並んで行つて経営的にも太刀打ちできるようになるのじやないかということをまあ考えておるわけであります。これもどういうふうになりますか、その心持を以て今会社の我々のほうも横から指導して行きたいと、こう考えております。
  114. 一松政二

    一松政二君 私は今日の海運に対する補助政策が尻つぼみになりつつあるのは今日甚だ残念であるのです。日本の海運は、或いはこれは国全体としても、或る程度、朝鮮事変が案外早く終末の気配が見え出してから非常に海運が不況に立つて来た。或る程度これは私はその関係者、自他ともに見込違いをしておる。或る程度見込違いをした事実は、私は掩われんと思うのです。この国際航空の問題でも、日本に飛行機がないと、日本が国際上少しも他に出て行くものがない。出て行かん限り入つて来るものもないわけですから、かよう言葉を使つてはどうかと思いますが、丁度日本の海運が非常に戦争のために傷めつけられて、日本に来る荷物はたくさんあるし、日本から出る荷物も戦争後二、三年にしてだんだん出て行つたのですが、運賃は非常に高かつたわけです。これは勝つた国だけでもないかも知れん。中立国までが日本を運賃によつて、かなり言葉は悪いかも知れないが、搾取しておるわけです。日本の海運ができれば運賃が下るということは彼らは知つておるのです。日本に海運ができれば僕らは用はないということを、私は或る汽船会社の支店長から聞いたわけです。それは三年もたしか前だと思いますが、私は国際航空の問題でも日本が真剣に進出して行けば、同盟者が常に新らしく加われば、そこに非常に波乱を捲き起して一応運賃が崩れる。そうして崩れたところでどう妥協するかということが結局問題だろうと思う。従つて今の日本から海外に出て行き、或いは又向うから来る航空路の賃金というものは私は将来必ず下る。又下ることを希望しなければならん。でありますから、今の航空輸送賃金で計算をして、或る程度見込が立つてつても、日本が進出すれば進出するほど或る程度私は下つて来る。又下つて来ることを希望しなければならん。日本人をそういう高い航空賃から開放するためには、日本が自力を発揮しなければならん。それに対しては私は補助政策は元来好まない。自立すべきものだと思いますけれども、航空に関する限りは、私は今の船の問題よりはもつと真剣に考えて欲しい、こう思うのです。そうして将来必ず私は今の日本基準とした運賃も崩れて来る。又崩さなければならんと思います。そうして日本の航空をもつと発達させて、そうして安心して日本人が日本人の操縦する飛行機に搭乗するようになるためには、もつと私は真剣に考えて欲しい。海運は最初二、三年前は儲かる計算で皆やつたのです。今日のように損をするような計算になろうとは思わなかつたのです。けれども何しろ開発銀行から借りた金と市中銀行から借りた金でも、結局払えなければ最後は払わなくてもいい。金利を払わないからといつて、船を叩き売るわけはないのです。結局今のようなやり方でやれば借りたものの得、そうして船を持つておれば又他日浮ぶ瀬もあるという或る程度、私はやはりさつきの地方鉄道軌道整備法に関連して私は言つたように、安易なつまり微妙なそこに考え方があるわけなんです。ところが日本航空に限つては、これはもう正真正銘の或る意味における政府事業であり、或いはその他各国の飛行会社を見ても、これは殆んど国力で競争しておるようなものであつて、ただ一部の船会社がやつておるのとは意図が違うわけでございますので、これを本当に発達させて世界の水準に近付け、そうして日本人の利益のために、日本を中心とする国際航空賃がもつともつと切下げられるためには、まだ格段の努力が必要であると思うのであります。従つて私はこの海運と余りにも懸隔のある、まあ実際はそうでもない、いよいよ形が現われればそうしたいのだとおつしやるから、まあ運輸当局としてはそうだろうけれども、もつと一段の努力が私は願いたいと思うのであります。そうして一日も早くこの航空の賃金をもつと下げて、そうして日本人の利益のために政府はもつと格段の私は措置があつて然るべしだと思うのでありますが、それに対する大臣の御所見を伺いたいと思います。
  115. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) この太平洋の航空賃金というものを、私余り詳細なことは知りませんが、パン・アメリカンなんかのあれが全体的に見て利益を一番挙げておるのは、太平洋航路において挙げておるということを聞くのであります。賃金そのものが割合ほかの競争の激甚な所に比べて割高で乗客の率もいいということを意味するのであろうと思います。で、そこに私どもは入つて行くわけでありまするが、仮に日本が非常にサービスもよくして、日本の航空会社に負けるというよう状態があれば協定でいろいろ、協定を破ることはないでありましようが、協定によつて賃金を下げるということで日本側に対して挑戦をして来る、向うは儲かつておるのでありますから、そういう全体的な挑戦に出て来ることも考えられます。これに対しますることも考えておかなければならんと思うのであります。又実際上、外国の飛行士を使つて何人か乗ればそろばんが合うということであるとか、今度は日本の飛行士で全部が日本の乗員で、そうしてその親切又安全というようなことでお客も付けば、ここにそろばん上もこちらがよくなつて来るのでありますから、それだけから見ても下げ得るのでありますが、やはり全体としてはこの競争の線においてめちやちやな競争を補助によつて戦うというのは、それは一時的のことはできましようが、全体的のやつはなかなか続くことが困難だろうと思いますから、本筋はコンマーシャル・ペースに乗るべきでありますが、或る時期まで伸びるためには、ここまで来れば飛行機の台数も多くなつて、こうなつて好転するという線もあるわけでありますから、それまでのいろいろな援助はどうしても力強くやらなければならないと思います。今のお話のように、この線が日本の航空路の一番優秀にして安いもので、サービスもいいということで、立派に日本人だけでなく、外国の乗客も乗るような線まで運んで行くということは、我々当然考えておかなくちやならん、又そこを目標としなくちやならん次第であります。そういう面でいろいろな援助補助というものも初めの中はよくいろいろ要るかと思うのでございます。そういうことにつきましては、具体的にどういう場合どうだということは言えませんが、今の線に沿うて、できるだけのカを会社もやらなくちやいかん、私ども政府としても諸君の御援助を得ましてやつて行きたいということは考えておるわけでございます。
  116. 一松政二

    一松政二君 私もその補助金とか保護政策というものは、元来が好まないのです。けれども国際航空路に従事しておる各国の例を見ると、殆んどが政府関係のないものはない、アメリカだけなんです。そうして政府の出資の金額も相当多いわけです。だから私は保護助長政策として政府補助するという行き方よりも、或る意味においてむしろ政府が八割なら八割の出資をする、そうして日本航空をしてやらしあるということであるならば、実質的に結局政府が見るという恰好になるのであつて、それならば文句を言われない。政府補助しているからと言うていろいろ難癖をつけて来ることにならないで、或る程度政府機関で、もう大部分政府が持つておる会社で、それでやれば日本は貧弱なりといえども、外国のプライベートでやつておる会社と或る程度の競争はなし得るで掛ろうと思うので、そうすれば又向うも考え方が変らないかと思うのです。丁度関税やその他で以て、日本が直接補助金をやつたり何かすると、向うがそれだけ関税を高くするようないわれ因縁もありますから、その点はむしろ政府が出資をもつとやつて、そうして将来安全な民間航空として名実共にやつて行けるような見込が確実に立りたならば、これは政府の株式なり出資を民間に売払つて、そうして純然たる民間会社にするのも結構だと思うのです。それは一応乗ぜられる余地のない考え方で、もう少し私は運輸当局として考えるべきじやないか。例えば将来はそれは損失を補償するということでありましようけれども、将来よりも目先にいわゆる金を借りたり、或いはその利息が高かつたりすることそれ自身が経営上にいろいろな蹉跌を来たすかも知れないし、尤もそれだけの苦労は事業をいやしくも経営する者としては当然やらなければなりませんが、各国との比例において、もう少し考えてやつて欲しいと思う。それから海運との比較において少し釣り合いがとれなさ過ぎるということを私は、これは私の意見になりますが、申上げまして、この日本航空株式会社法案に対する総括的な段階における質問はこれで以て打切りたいと思います。
  117. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 只今のお話は誠に全然僕も同感であります。私はこの出資を大にしたいという、これが一番だ思つております。いろいろなことの形をとるより、これで行つたほうが一つもおかしくない自然な形です。これはもう実際申しますと、今度の予算の編成に当りまして、十億円を出してもらうのがもうせい一ぱいの実情であつたという非常に辛いところがありまして、私は少くも最低、年々増すにしても、初年度は少くも二十億くらいは出してもらいたいというつもりであつたのでありますが、十億さえも、打明けて申すとふらふらして、最後まできまらなかつたくらいのものでありまして、これはもう全然お説の通りでありまして、できるだけこれを一番はつきりした線でいろいろな援助というよりはこれが大事だと思います。今度はそういうことで一つ将来、まあ将来と申しましても、将来のこういうふうな問題、そういうふうな線に微力でありますが力を入れて行きたいと考えております。
  118. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 二、三の質問をいたしたいと思うのです。国際競争の問題につきまして、先ほど大臣のお言葉の中に運賃競争のお言葉があつたようでございましたが、これはアイアタで大層作つておりますので、ダンピングしないことになろうかと思いますが、その辺の問題は日本も連盟に加入いたしているのではありませんでしようか。
  119. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 協定に入つておりますから……。
  120. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 それではダンピング等のことはないのですか。
  121. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) ダンピングというものは、直接に起るわけではございません。タンピングという、協定の話をそこに持出して話合いをして来ることはありましても、でたらめにはありません。
  122. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 次に、現在のこの乗り入れは平和条約で連合国については四カ年、それから非連合国については一カ年とたしかなつていたように記憶しておりますが、そうするともう非連合国に対しては期限が来ておりますし、連合国に対しては昭和三十年で期限かと思いますが、これが継続につきましての大臣のお考えは如何でありましようか。
  123. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) その問題は実際申しますと、まだあと年限の残つておるような国も今度の条約によりまして、そういう問題から離れまして、改めて条約によつて許可を受けに来るというような形にだんだんなつておりまして、イギリスのように一年目が済んだわけでございましたが、昨日日英の航空条約によつて許可をもらいたいというので、それで出したというよう状態であります。ほかのことについてちよつと部長から詳しく……。
  124. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) アメリカもやはり航空協定がありまして、只今日本から申請で出ておるところによりますと、これも四年の後でありますからまだ期限があるのでありますが、協定が一応できておりますので、その発効を待つてから許可しよう、こういうことになつております。なお、連合国でございません台湾とか、或いはタイ等とかいう国ともおのおのやはり対等に協定ができまして、それに基いて許可をする。又台湾のほうもそれぞれ公文等を通しまして、それに基いてやつております。
  125. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 先ほど岡田委員の御質問に対しまして、監理部長からのお答えに、外資が入つていないとありましたが、お示しのこの一覧表によりますと、長期借入金の中に外貨が三百七十万ドルほど入つておるようでありますが、これは現在の航空会社、日航からの引受の金額の意味でありましようか。
  126. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) それはいわゆる外資と申します資本金の意味ではなくつて、別口とか、その他の借入金の意味でございます。
  127. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 その借入金はないように先ほどお答えだつたかと記憶しておりましたが、そうじやありませんね。
  128. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 先ほど申上げましたのは、資本金としてはないと、こういう意味であります。
  129. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 そうしますと、この外貨はすでに契約になつておりますわけですね。この十三億何がし、約三百七十万ドル……。
  130. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 二十七年度の分、それに入つております。二十七年度の分十三億は外貨を借りてやつております。
  131. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 興業費の内訳は、大体の、概略でよろしいのでありますが、どういう内容でありましようか。大分金額が多いように思われますが。
  132. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 路線の調査と申しますか、いろいろと新らしい線ができますと調査費も必要でございますので、これが大体三百万円ほどあります。それから試験飛行、或いは慣熟飛行といつたものに六千万円ほど予定しております。それから外国に支店、出張所等の店舗を開設いたしまするその関係、或いはその店舗で必要な宣伝費の必要のために九千万円ほど予定しております。それから外人の顧問或いは……主として顧問でございます。運航部面につきまして、やはりそういう大型のに飛行機に本当に知識のある人の顧問等を予定しまして二千万円を挙げております。大品のところは大体その辺でございまして、それで約二億近くの興業費があると、こういうわけであります。
  133. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 航空整備会社は吸収されませんのですか。或いは別会社として存続しますか。
  134. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 現在別になつておりますので、まあ只今のところは吸収してしまうという計画はございません。
  135. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 航空保安施設はどうなりますか。これは会社のものになりますか、運輸省の。
  136. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 航空保安施設と申しますか、例えばテジオ・ビーコン或いは羽田等で使つておりますGCA、或いは滑走路、タワーそういつたものでしたら全部政府でやる建前にいたしております。
  137. 前田穰

    委員長前田穰君) ちよつと申上げますが、大臣に対する総括質問はまだありましようか。ほかに若しおありになればそのほうを先にやつて頂いたほうがよくはないかと思いますが、おありにならなければ植竹君に続行してもらいますがよろしうございますか。……それでは植竹君。
  138. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 僕も僅か、最後ですが、航空施設のうち会社の持ち分は、これは処分するときには大臣が認可といいますか、承認せらるることと思います。これは大蔵大臣と事前協議になることになるでしようか。若しそうだとすれば、まあ例えば社債の募集にしても、利益の処分にしても、重要施設の処分にしても、定款を変えたり、これは運輸大臣だけの権限できまりますのでしようか。
  139. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 第十条の認可は、十一条によりまして大蔵大臣との協議事項になつております。
  140. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 それは運輸大臣だけの権限になるのが妥当のように思われますが、あとで事後承諾を求める程度が妥当だと思うのですが、それに対して、幸い大臣がいらつしやいますのでお答え願えれば結構と思います。
  141. 粟沢一男

    政府委員(粟沢一男君) 私から先に折衝の経過を御説明申上げますが、私どもとしては、成るべく運輸大臣に任してもらいたいということで大蔵省と協議いたしたのでありますが、大蔵省としては、十億も出資するわけだから、是非一つ協議してもらいたいということを非常に強く強調いたしまして、結果的にはこういうふうになつたという経緯になつております。
  142. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) これはまあ今の説明の通りでありますが、余り一々大蔵大臣に相談されんでもいいのじやないかというのが私ども考え方ですけれども政府の出資という金の面になりますと、大蔵大臣がいつでもにゆつと顔を出すということになつておりますものですから、この場合も協議しなければならんとありますが、まあ併し実際の仕事は私どものほうがやるのでありますから、これは恐らく非常に特別の問題を起さざる限り、運輸大臣責任を持つて大体やつて行ける問題だと思つております。余り実際的には心配せんでもいいだろうと思つております。
  143. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 質問を終ります。
  144. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に大臣に対する御質疑はございませんか。それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後四時四十八分散会