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1953-07-20 第16回国会 参議院 運輸委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十日(月曜日)    午後二時五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     前田  穰君    理事            入交 太藏君    委員            植竹 春彦君            岡田 信次君            一松 政二君            加賀山之雄君            森田 義衞君            大和 与一君            木島 虎藏君   国務大臣    運 輸 大 臣 石井光次郎君   政府委員    運輸大臣官房長 壺井 玄剛君    運輸大臣官房会    計課長     辻  章男君    運輸省海運局海    運調整部長   国安 誠一君    運輸省鉄道監督    局長      植田 純一君    運輸省鉄道監督   局民営鉄道部長  山内 公猷君    運輸省自動車局    長       中村  豊君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       田倉 八郎君   説明員    中央気象台長  和達 清夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水先法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○鉄道敷設法等の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○運輸一般事情に関する調査の件  (昭和二十八年度気象台予算に関す  る件) ○道路運送法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 前田穰

    委員長前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。  先ず水先法の一部を改正する法律案議題に供します。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 岡田信次

    岡田信次君 水先区の区域の問題ですがね、この水先区の区域というのは港域法によつてこれは多分きまつているのだろうと思うのですが、港域法が変ると、又これが自然に変つて来るわけですか。ということは、港域法のほうが変れば又水先法の一部改正ということが始終問題になつて来るわけですか。
  4. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 水先区域港域法とは必ずしも一致したものではございませんので、水先を要する、つまり水先人がどの地点から乗り込むかということが、水先法に、いわゆる水先区域になつております。従いまして、港域法改正になつても、必ずしも即座にそれにつれて水先区域を変えるということは考えておりません。
  5. 岡田信次

    岡田信次君 ところが提案理由説明の中に、「留萌及び新潟水先区についての改正は、港域変更に伴い、水先区の区域港域のそれと一致させるためのものであり、」というふうに書いてあるのですがね。
  6. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 只今ちよつと説明が足らなかつたと思いますが、できるならば成るべくそういつた区域はいろいろな法律で一致したほうがいいいということは、これは望ましいことでございます。従いまして必ず一致するかと言われますと、必ずしも一致しないけれども、できるだけ一致させるようにはいたしたいというふうに考えております。
  7. 岡田信次

    岡田信次君 そうしますと、何か港域変更は、自然港域法改正になると思うのですが、そうすると、港域法改正水先法改正も包含せしめるという手段をとつて片一方が変れば片一方が又変るというのは、非常に煩雑だと思うのですが、どうですか。
  8. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) その点は御説の通りでございまするが、たまたま今般水先法を一部改正する機会でございますので、この機会に併せて港域法のほうも改正いたしたい、こう考えております。
  9. 前田穰

    委員長前田穰君) それでは私から一、二点お尋ねいたしますが、この法案は前国会で相当慎重に審議をされておつたのだと思いますので、或いは重複をいたしておるかも知れませんが、私は初めてでありますのでお伺いするのでありますが、十三条の、この法律の適用を受ける船舶規定の中で、「その他省令で定める船舶を除く」とありますが、その省令で定める船舶というのはどういうものを言うのでございましようか。
  10. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) お答えをいたします。省令で定める船舶として只今予定いたしておりまするのは、保安庁の船舶、それから漁業監視船、それから海難救助に従事する船舶、それから内航定期旅客船といつたようなものを予定しております。
  11. 前田穰

    委員長前田穰君) もう一点お伺いしますが、今度の改正の中の、主要なる事項の一つは、船舶総トン数改正であります。この船舶総トン数の、或るトン数を限界として、強制永先をするかしないかということになつておる。それがだんだんトン数を殖やされたような形になつておるというのですが、これは一体どういう考え方でありましようか。
  12. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 今回の改正によりまして、先ず第一点としましては、外国船舶につきまして、総トン数三百トン以下のものは強制水先を免除するということにいたしましたのですが、これは従来からの事績によりましても、この程度の小さいものは、実際に水先を取るほど危険性もないし、又港の中で混雑の程度も、船が小さければ少いであろうということから、実際土は免除しても差支えないものというふうに考えておつたのであります。従つて、小さい船については免除したいということを考えておつたのであります。三百トンというトン数で切りました理由は、これは小さい船という中にいろいろございまするけれども考え方としましては、港の中で、港則法従つて錨地指定をしなくてもよいというのも、三百トン以内のものはこれを錨地指定をしなくていいというのがございますが、その三百トンというのをとつて、一応外国船というものは、それ以下のものは強制を免除するということにいたしたのであります。それから日本船舶につきましては、現行は五百総トン以下のものについては免除しておりましたが、今回の改正につきましては、千トン以下というものについて免除することにいたしたのであります。これも大体考え方としましては、日本船舶は常に日本の港を出入りしておるので、外国船舶に比べて日本の港の状況にも詳しいであろうということから、成るべくこれは日本船舶につきましては免除されるトン数を上げまして、楽なところに持つて行くというところから、こういうトン数を上げたのでございます。千トンで切りました理由は、これ又千トン型以下の船、いわゆる改E型と称するのがございますが、こういつたものにつきましては、大体国内の相互間を走るものが多いであろうということから、この程度のものを目安にしまして、これ以下を免除するということにいたした次第でございます。
  13. 森田義衞

    森田義衞君 そこで何といいますか、日本内地を航海しているものですね。そうしますと、改E型以下を除くとなりますと、大体この強制水先にかかるのはどれくらいになるのですか。日本沿海だけでもほかの船との割合はどうなりますか。
  14. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 日本船舶強制水先されるものと然らざるものとの隻数割合でありますか。
  15. 森田義衞

    森田義衞君 隻数なりトン数と、両方で結構です。
  16. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) その隻数数字は、実はここにちよつと数字を持つておりませんので、後ほど調べてお答え申上げます。
  17. 森田義衞

    森田義衞君 改E型と言いますと、千トン以下となりますか。
  18. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 改E型と申しますのは、型が多少大小ございますが、大体平均して五百総トンから七百総トンくらいの間であります。
  19. 森田義衞

    森田義衞君 今の細かい計数別に特に知らして頂かなくてもいいですけれども、大体割合としまして、内地沿岸のものは楽になるのでございますか、強制水先で。
  20. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 割合としましては、内地沿岸は非常に楽になると考えております。
  21. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御発言はございませんか。他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにして御発言を願います。  別に御発言もないようでありますが、討論は終結したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  24. 前田穰

    委員長前田穰君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容等事後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。  次に、本案を可とされました方は例により順次御署名を願います。   多数意見者署名     入交 太藏  植竹 春彦     岡田 信次  一松 政二     森田 義衞  大和 与一     木島 虎藏   —————————————
  26. 前田穰

    委員長前田穰君) 鉄道敷設法等の一部を改正する法律案議題に供します。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  27. 木島虎藏

    木島虎藏君 鉄道敷設の根本問題につきまして大臣に是非聞いて所見を伺いたいと思うのですが、如何でございましようか。都合のいい日で……。
  28. 前田穰

    委員長前田穰君) 大臣出席を要求いたしておりますが、今体が空きませんので、後刻出席されると思います。
  29. 木島虎藏

    木島虎藏君 じや、そのときでよろしうございます。
  30. 前田穰

    委員長前田穰君) それでは私からちよつとお尋ねしますが、この鉄道建設審議会の構成は、二十七名を似て組織するということになつておりまして、それが欠けた場合どうするかという規定がないと思うのでありますが、又現実欠員のあることはしばしばあると思うのでございますが、二十七名を以て組織すという条文考え併せまして、欠員に対する処置というものはどういうふうなお考えを持つておられるか。二十七名を以て組織すと書いてあつても、現実二十六名でもそれでいいのだ、こういうふうなお考えなんでしようか、その辺のところを一つ伺いたいと思います。
  31. 植田純一

    政府委員植田純一君) 実はこの「二十七名ヲ以テヲ組織ス、これにつきまして、確かに只今お尋ねのような疑問が起るわけであります。従いまして、この点につきましては、かねて法制局に対しましても、どういうふうに解釈していいかということにつきまして検討をしておりましたのでありますが、こういうふうな表現になつておるが、定員が二十七名であるというふうに解釈していいものと、かように解釈しておるわけであります。従いまして、止むを得ない場合には欠員もあり得ると、かように考えておるわけであります。
  32. 前田穰

    委員長前田穰君) 重ねてお伺いしますが、そうすると二十七名を以て組織するということは、定員を二十七名以内とするということと同じ意味だと、こういうふうに言われるのでありますか。それとなお関連して「第七条第一項但書を削り」ということがありますが、「任期八二年トスシ補欠委員任期ハ前任者残任期間トス」、この七条の但書を削つておられるのですが、そうしますと、結局欠員ができて来ても、補充はしないと、こういうことをこの但書を削ることによつて意味されておるのだろうと思うのでありますが、先刻お尋ねしました条文意味の解釈は、そういう今私が申上げましたように解釈するという意味でございますか。
  33. 植田純一

    政府委員植田純一君) この委員二十七名ということは、先ほど申上げましたように、法律的には定員であるというふうに政府としては解釈いたしております。ただこれは当然のことでありますが、みだりに欠員を置くと申しますか、欠員のままにしておくということは、これはこの法の精神に反すると、かように考えておりますので、極力この定員を充足するというふうに、この運用に当りましては十分心がけなければならないと、かように考えております。なお第七条の補欠の点を削除いたしましたが、この補欠というものがどういう場合であるか、実際の場合に当りましては必すしも明瞭ではないわけであります。又この補欠と言う以上は、前任者との撃がり、つまり誰が誰の補欠であるかというような点につきましても必すしも明確でない場合もございます。又審議会運用の面から申しましても、この補欠制度を存続しなければ非常に工合が悪いというような点も考えられませんので、この補欠という制度を廃止いたしまして、任期の点をはつきりといたしました趣旨でございます。
  34. 前田穰

    委員長前田穰君) 只今の御答弁によりますと、委員任期というものは、各人が任命されたときから計算をするのだと思いますので、補欠をしなければ問題ないのですが、仮に補欠をする場合には、委員任期がそれぞれ区々になつて行くという危険があるわけですが、この審議会設置以来殆んど二十七名が揃つたことはないのだと私は思つておりますので、実際問題としては、支障はないのかも知れませんが、若し非常にたくさん欠けて補欠をするといつたような場合には、委員任期が不揃いになりますが、それはいいのでありますか。
  35. 植田純一

    政府委員植田純一君) 成るほど新らしく任命いたしました委員が、それから二年間ということになりますので、区々になることは考えられるわけでありますが、審議会運用の面から言いまして、いわゆる任期の周期を揃えなければならん、揃えないと非常に不都合が起るというようなことも考えられませんので、むしろこの任期につきまして、これを補欠考えるべきか、或いは新任と考えるべきか、非常にまぎらわしい場合もございますので、この点をはつきりしたと、かような趣旨でございます。
  36. 前田穰

    委員長前田穰君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  37. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記をつけて。
  38. 一松政二

    一松政二君 この前の鉄道敷設法をやつたときは大臣十一年、それからまあ今回出したわけですが、その途中には何も改正なかつたのですか。
  39. 植田純一

    政府委員植田純一君) 少しの改正はございまして、昭和二年、当時の第五十二議会におきまして、この別表に六号を追加しております。又昭和八年の第六十四議会におきまして三号を追加昭和九年の第六十五議会におきまして同じく三号を追加昭和十一年の第六十九議会におきまして三号を追加し、又一部改正が二号ございました。昭和十二年第七十議会におきまして一号を追加昭和十七年第七十九議会におきまして一部改正を行なつております。結局制定当時に比べますると、線路号数にしまして十六号殖えておると、こういうことになつております。
  40. 一松政二

    一松政二君 そうすると、この敷設法は、結局予定線を決定するごとに改正しておるのだと解釈しても大差はない。他は何か字句の修正か何か組織替えするほどのこともないのだが、極く小さな些々たることを改正するということだけで要は結局新線追加ということになるわけですか。
  41. 植田純一

    政府委員植田純一君) そういうことになつております。
  42. 一松政二

    一松政二君 更に伺いますが、これは大正十一年に敷設法制定されたのですか。或いはそれ以前にはこれに代るべき何物かがあつたのですか。
  43. 植田純一

    政府委員植田純一君) この以前にはこの鉄道敷設法というような全国まとまつたものはないように承わつております。
  44. 一松政二

    一松政二君 大正十一年に敷設法が先ず最初に制定されたものと心得てですね、そのときの予定線上つたものの中から実際に建設に移された路線はどのくらいございますか。
  45. 植田純一

    政府委員植田純一君) この敷設法別表にございます線路が百六十五号ございます。そうして線数から言いますると百九十五線ございまして、この延長が一万九百四十六キロ延長になつております。なおこの法律附則第二項というのがございまして、附則の第二項に「本法施行鉄道建設費予算以テ帝国議会ノ協賛ヲ経タル鉄道線路ハ本法二依リ敷設スルモノト看倣ス」という附則がございまして、その制定の当時に予算化されておつた線路、これがこの別表には載つておりませんが、六十四線、延長四千八百八キロあるわけであります。従いまして現在鉄道敷設法に盛られておりますところの予定線延長は一万五千七百五十四キロになつておりますが、そのうち建設工事に着手いたしまして、すでに開業しているものが七千七百八キロあります。従いまして未開業のものが八千四十六キロということになつております。なお、この未開業区間のうちで、現在地方鉄道開業している区間が千四十九キロあります。実際鉄道の全部敷かれていない区間が六千九百九十七キロ、約七千キロということになつております。
  46. 一松政二

    一松政二君 そうすると、この鉄道敷設法に載つているから早く鉄道を敷ける、若し至急に鉄道を敷く必要が何か事情の変化によつてつて来た場合に、この敷設法に載らなくとも必要がある場合には新線を、新線に違いないが、新線国有鉄道建設することになるのじやありませんか。そこで、なぜそういうことを伺うかというと、敷設法それ自身重要性ですね、敷設法に載つたのだからもうこの春には鉄道が敷かれるのだということか、或いは敷設法に載つたところで一つの気休めで、いつ、これは三十年たつて敷けるのか、五十年たつて敷けるのかわからんというようなことになる。まあ一番手取り早い例は、青函トンネルなんというようなことは今まで殆んど戦争以前には考えたこともなかつたかも知れないが、ここらは隧道工事の非常な技術的進歩もあつて、そういうことがいち早く取上げられておるということになると、必ずしも敷設法に載らなければ見込がないのだ、或いは敷設法に載つたから安心だということじやないような気がするのですが、そういう点における当局考え方を伺いたい。
  47. 植田純一

    政府委員植田純一君) 勿論この敷設法別表に載ります以上は、全然もう敷設しない、する見込がないというようなものは勿論載つておりません。できるだけ敷設する必要があるということでございますが、この別表に載りましたからといつて、何年以内に着手するということにはなつておりませんが、ただ実際国鉄を敷きますためには、どうしてもこの敷設法に載つていなければ敷けないのだ、こういうことでございます。
  48. 一松政二

    一松政二君 そうするとこの青函隧道工事は、今度初めて載つて、そうして地質がよければ調査の上引続き工事を進めるというお考えだと思うのですが、これは今回初めて載るわけじやないですか、前にそういう問題がありましたか。私は詳しく存じませんから聞きますが。
  49. 植田純一

    政府委員植田純一君) この青函の線は、今回初めて予定線に加えるべく改正したいと、かように考えておるわけであります。
  50. 一松政二

    一松政二君 従つて予定線に載らなければ実際の敷設はできないが、非常に重要だと皆が認識してやれば、敷設法に載ると同時に調査に着手して、そうして引続き敷設される。何十年か前に敷設法に載つている所は結局取残されておる。それがいいとか悪いとか言つているのじやないですよ。結局そういうことになつて、実際問題としては敷設法に載つたからといつて必ず鉄道が敷ける、それは金があり余つてほかに使い途がなければ、あれば便利なんだからやるほうがいいでしようが、そういう極楽のような世界が生れて来れば別問題ですが、そういう目には日本は殆んど私は会いつこないと思うのですが、この敷設法はまあ請願陳情を一応受取つて請願陳情の熾烈なやつを調査研究の後にそうして議論のあげく一応選んでいるのですから、敷設法に載ることそれ自身は一応の合格ということになるだろうと思う。それは合格したからこれで以て卒業できるのかというと、これはいつまでも原級にとどめ置かれるのかわけがわからんということが実際のように思うのですが、そうだろうと思うのですが、どうですか。
  51. 植田純一

    政府委員植田純一君) その実情は仰せの通りになつております。この敷設法に今回入れたいと思います線も、敷設法に入りましたならば、今までありますたくさんの敷設法に載つております線と同列と申しますか、同格に入りまして、初めて実際その中から着手するものをどう選び出すかというような場合に、従来あるものと同列に検討される、こういう何と申しますか、只今お話にもごいましたが、まあ学校へ入つたということになるわけでございます。
  52. 一松政二

    一松政二君 大臣がお見えになりましたから、私の役目も一応相済みまして、いずれ私も大臣には伺いたいのですが、先ず同僚の木島委員一つ先陣を承わつて頂きまして……。
  53. 木島虎藏

    木島虎藏君 大臣がお見えになりましたので、この今回の鉄道敷設法に関連したことで、新線建設に対しまする根本的な考え方を伺いたいと思うのですが、それは今回の十三路線でも恐らく皆必要でしよう。必要でしようが、この新線建設いたしましても、恐らく交通量は非常に少いじやないかと思います。多い所も例外としてございましようが、大体において五、六億か十億以下の所だと思いますが、十億もなかなか行かん思う。そういたしますと、この新線建設することによりまして、国鉄の全体の経営といたしまして、何と申しますか、赤字が殖えると申しますか、経営状態が悪くなるじやないかという感じが一ついたします。それからもう一つは、二十八年度の予算には九十億ばかり予定してあるそうでございますが、この九十億を全部おやめなさいという意見ではございませんが、この九十億をお使いになることと、それから現在線で随分改良の要る所がございます。私ども考えでも、東北線あたりは単線では限度になつております。東京附近の通勤の輸送も随分困つております。いろいろあると思います。第一点は、この建設に九十億も使うのを何ぼか割いて現在線の改良に、勿論今の案でもありますが、もう少し現在線の改良に力を入れられるお考えはないかという点と、第二点は、むしろ国鉄経営状態を悪くするような方向に向うようなことは、現在人事院の勧告もこの間行れまして、給与ベースをどういうふうになさるか存じませんが、又給与ベースを上げなければならんときに運賃を上げなければならんということも起きて来るのじやないかと思うのです。そういう場合に、むしろ国鉄経営を合理化するような方面に、例えば電化であるとか、或いはディーゼル・カーであるとか、そういう方向に相当向われるような考え方はございませんでしようか。この二点について根本的なお考えを承わつておきたいと、こう考える次第であります。
  54. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) この建設か、又今までのものをよく改良して行くかという問題は、いつもこの予算の際に問題になるものでございまして、私ども鉄道というものが安全性を持ち、そうして皆さんの信頼を受けるということがこれは根本でありますから、どうしても改良修繕等に力を余計及ぼしたいという気持があるのでございますが、一方長い間新線建設というものがなかつた、そうしていろいろの情勢から見て、経済線として、これはやがて線ができ上つた後には、初めはうまく行かんでもだんだん近い将来においてよくなる素質を持つておるということの建設審議会の議を経たものは、できるだけこれも建設をして行きたい、まあ両建で行きたいという心意気が強いのでありますが、まあなけなしの金ということにいつもなりまして、そこいらに両方とも不満のような状態が出ているのが現状でございます。今度の予算を組みます場合において、国鉄当局のいろいろ意向もあり、予算折衝をいたしまして、この程度であればまあ不満足ではあるが、修繕改良等のほうにも一通りつて行ける、電化とかデイーゼルとかは是非やりたいものでありますが、電化のほうは、私どものほうからするともうちよつと欲しいのでありますが一なかなか思うに任せんのでありますが、今までやつて来た線を一応完成することに向つて前進して行くだけの、多少のという程度でありますが、予算を取り、デイーゼル・カーは今年は初めの予算だけあれば三百台くらい今年はやれるという話でありましたが、単価が上りまして、三百台はどう本買えないという現状と聞いております。併し、いずれにしても大分飛躍して参ります。一方新線のほうにつきましては、予算がこの修繕のほうには私どもが欲しいと思うた量よりは割方よく行つたと言うていいであろうと思うのでありますが、九十億というものが出たわけであります。これとても、経済的に建設して行くには、百数十億本年度は欲しかつたのでありますけれども、全体のバランスもありますから、そうも行かないので、九十億にいたしました。私どもも筋として考えるのは、さつき申しましたように、建設というよりは、今まであるものの安全性を保持して皆さんから信頼されるというのが、これが第一に来るべきものだと思います。第二に建設だと思うております。併しどちらか一つ済むまで片一方を休むという筋ではないように思いますので、並行するとおのずから予算が不十分なためにどちらも不満足のような状態であるが、その中で先ず一応国鉄当局がこのくらいならやつて行けるという線で落着いたのが現在の状態でございます。
  55. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記をとめて。    〔速記中止
  56. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記をつけて。
  57. 一松政二

    一松政二君 地方鉄道軌道整備法案のほうで元来伺うのが本筋だけれども大臣がしよつちゆうお見え下さるわけにもいかない事情がありますから、むしろそのほうで伺いたいのですが、ついでですからこの敷設法に関連して一つ伺いますが、今御答弁になつたように、改良を非常にたくさんやらなければならん、而も新線もそう放つてもおけない、だからなけなしの財布の中から九十億くらいは一応本年度の予算でも割いて新線建設する、それもむしろ赤字覚悟の上だということのようでございますが、地方鉄道の今度出された法案の中に、新線について十年間固定資産について六分の補助をするような法律案が出ておるわけです。あの法案を見ると、産業上必要ある場合には新線で、而もそれをやつた人は六分の固定資産に対して十年間の補助、十年間と言つたつてそれは又必要であるからやつたので、儲らなくなつて経営上問題が起れば又何か問題が起るでしよう。ところが国鉄としては赤字を覚悟で国民の要望に応えるためにやつておる。併し地方鉄道新線建設すると、そこで固定資産に対して六分の補助をすると、何だかそこでものの考え方が片寄つているように思うのですが、そういうことに対して運輸大臣は如何ようにお考えになりますか、そのお考え一つ伺いたいのです。
  58. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) ちよつと待つて下さい。
  59. 一松政二

    一松政二君 大臣に申上げますが、今突然私からそういう問題を持出したので、他の法案との関連もございますから、そうしてその法案自身が非常に問題になつて皆さんから活溌な質疑のあつた問題ですから、これは他日これを論ずる機会に御回答下さつて結構だと思うのです。ちよつと問題も少しデリケートでもあるし、込み入つてもおりますから、あとでお答え下さつても結構です。
  60. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) ではそう願いましよう。
  61. 前田穰

    委員長前田穰君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  62. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記をつけて。それでは本法案の御審議は、本日は一応この程度にとどめまして、次の議題に移りたいと思います。   —————————————
  63. 前田穰

    委員長前田穰君) 次に、運輸一般事情に関する調査、その中で昭和二十八年度気象台予算について質疑の要望がありますので、これからそれをやりたいと思います。
  64. 植竹春彦

    植竹春彦君 気象台の予算関係につきまして、大臣及び関係の方々にお尋ねいたします。気象の施設、研究、調査及び予報の事務が欠くことのできない重要性を持つていて、殊に台風、降雨期の予報が、九州や近畿の大災害の例に見ますごとく、災害防除に重要な役割を持ちますので、この際、気象台の予算措置についてお伺いいたします。  先ず第一に、一般の問題でありますが、予算原案によりますと、二十一億八千二百万円になつておりますが、今回衆議院の修正の結果一億三千三百万円を減じまして、二十億四千九百万円になちつてしまつたと承知いたしておりますが、それで大臣として責任を以て気象の業務をやつて行けるとお考えになりますかどうか。又その減額の大要について係の方からお伺いいたしたいと思います。
  65. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 減額されましたものの内容を見ますと、ところどころ無理なものがあるようで。ございます。それらにつきましては如何なる取扱をして行つたらいいかということを、目下それが通りましたらどうなるかということで事務的にもいろいろ打合せをやらしておる状態でございますが、詳細は係から……。
  66. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 気象台の例ですぐに私どもの気の付いた問題は、行政協定に関係のある事項で、機械的に削減をされてはどうにも動かなくなるものがあるという問題でございます。それはどういうものがあるかと申しますと、マーカス島の観測業務でございますが、これは金額の上におきまして八百十一万一千円でありますが、これは全額アメリカ側があとで負担をすることになつておるのであります。それから洋上定点観測の費用でございますが、これは三千五百余万円になつております。この二五%が日本側の負担で七五%はアメリカ側の負担ということになつております。それから上高層の観測業務が千七百万円ほど要りますが、これはアメリカ側の負担ではありません。全額日本の負担でありまするが、これは行政協定によつてやることになつておる仕事でありまして、これらのいずれを、一部分を減らすということは、この仕事の上にはつきりした隙間をこしらえることになりますので、こういうものはどうするのだということで話しましたら、この予算の改訂に関与しておりまする首脳部の一人は、私にそれは必ず何らかの方法で補いをつけるから、その仕事は勿論やめずにやつて頂ぐものだという説明でありましたから、それにつきましては、その後は事務的に通つたならどうするかという事務折衝をやらしておる状態でございます。
  67. 植竹春彦

    植竹春彦君 只今の御答弁でありますと、何らかの方法によりというお話でありましたが、私の質問の要点はそこにあるのでありまして、何らかの方法ということは、他の費目の流用といいますか、転換といいますか、そういつたようなやりくりの意味でありましようか。これは大臣からでなく当該お係のお方からで結構でありますから、御答弁をお願いいたします。
  68. 辻章男

    政府委員(辻章男君) お答え申上げます。只今のお話になつておりまするマーカス島の気象観測及び定点の観測業務は、おのおの項が別になつておりまして、現在政府が出しております予算総則では、人件費だけが移用できるわけでございまして、従いましてマーカス、定点以外の経費を持つて来るにいたしましても、人件費以外のものは持つて来られないことに相成る次第でございますので、いわゆる流用、移用の問題といたしましては、殆んどマーカス、定点の業務のほうへ経費を繰入れる余地が非常に乏しいという結果に相成りますので、何らかの予算措置、と申しますれば予備費でありますか、或いは仮に補正予算のチヤンスがありますれば、補正ということにならざるを得ないと考えます。
  69. 植竹春彦

    植竹春彦君 私の疑問に思いますのは、むしろその逆の場合を予想しておるのであります。つまりマーカス島会計への繰入れではなくして、マーカス島に割当てられた予算をほかのほうへ持つて来るのではないかという疑問であります。と申しますのは、マーカス島に関しますることは、これはアメリカからの委託業務になつておりますので、こつちで黙つていても、そこに予算額に計上してなくても、アメリカから予想通りのお金が入つて来るのではないか。そのとき入つて来たものをマーカス島のほうに使わないで、ほかのほうに御利用になるかどうか。そういう場合にはこれは国際的な契約に基く、委託契約に基くものであるから、国際的の信用問題にもなつて参りますので、この点は厳格に費用をマーカス島のほうの観測に十分にお使いになるようなそういう考えを持つておりますか。それに対するお係としての御処置はどうなつておりますか。
  70. 辻章男

    政府委員(辻章男君) マーカス島のほうから他のほうへ費用を廻しますことも今の移用、流用の問題にからみまして、人件費以外はできないわけであります。現在私どもといたしましても、如何にほかが苦しくても、国際信義の問題もございますので、そういうことは全然考えておりません。先ほど大臣からそういう方針の下に事務折衝をさしておるという御答弁がありましたが、事務的に我々が考えておりますところを申上げますと、これはマーカス島は全額アメリカ政府のドル負担になつておりますし、それから定点業務のほうは、七五%がアメリカ側の負担でありまして、日本側は二五%の負担に相成つておりまして、いずれもアメリカ政府の支出に関連する問題がございますので、若し現在上程されております修正案が通りますれば、その経緯を話しまして、業務を縮小する代りに、ドル契約もそれだけ減額するということでアメリカ側のほうに支障ないかどうかということを確めまして、若しそれに異存がなければ、そういうふうに契約を改訂いたしますし、どうしても元通りの業務をしてもらわなければ困るという話がございますれば、先ほど申上げましたような方法によりまして、大体元通りの金額まで国庫の支出ができるような措置をとりたいというふうに考えておる次第でございます。
  71. 植竹春彦

    植竹春彦君 全額向うから来るのでありますから、これは遠慮なく全額向うからもらつて、向うの希望に合つたような、又契約に即した業務をやつてつたほうが適当であると思われますが、その点如何でありますか。
  72. 辻章男

    政府委員(辻章男君) 私ども係といたしましてはそういう気がするのでありますが、それで修正案のいろいろ議題になつておりましたときにも、そういうことで政府部内或いは政党のほうにも申入をしたのでございますけれども、種々の事情があつたのだろうと思いますが、今提出になつておりますような修正案で行くということにきまつたような次第でございます。我々といたしましては遺憾に思つておる次第でございます。
  73. 植竹春彦

    植竹春彦君 先ほど大臣のお話の三りの項目のうちの上高層の観測並びに通報に関する経費につきましては、これは行政協定で観測地点、観測種類とか回数が定められておると思われますので、これは削減できないのではないかというように思われますが、それが削減されておりますのについて、この契約上のお考え、又それから削減せられた後の今後の御処置、その二つについてお伺いいたします。
  74. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 上高層のお話を申上げる前に、少し一般的のお話を申上げたいと思います。気象台の観測、通報というような業務は、その大部分が行政協定で規定されております。従いまして、今回のこの大きな節約をいたしますことは、非常にこの行政協定を守るという見地からは困難をいたすのでございます。併し私どもといたしましては、国の方針に対してできるだけ他の節約をいたしまして何とか行政協定の線だけを守ろうといたしておりますが、その中でも、どうしてもできないというのがこの上高層の観測でございます。なぜと言えば、それは一回に消耗品として使う機械が一万円以上もするという非常に高価なものであるからであります。若しも今回こういうような節減をいたしますれば、どうしても観測回数を減すか、観測場所を減すかいたすよりいたし方ないということに立ち至るのであります。勿論この行政協定を守るということは、それ自体非常に大切なことではございますが、もともと我が国の気象観測といたしましても、これだけは必要であるというようなところから、その中の一部分を行政協定によつて米国に通報いたしておるのでありますので、これは一方におきましては、我が国の気象象観測、延いては防災という面においても大きな問題であろうかと私は存ずるのであります。
  75. 植竹春彦

    植竹春彦君 冒頭に気象台の今回の予算修正についての一般の説明を求めたのでありますが、まだお答えがないので、この一般の問題、殊に気象官署の項目についての修正がどういうふうになされておるのか。その修正の結果業務内容がどういうふうに縮小され変化して行くか。その御説明を承わりたいと思います。
  76. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 中央気象台の予算は、非常に従来も不足でございまして、私といたしましては、この運営に非常に困難をいたしておりました川のですが、今回の節減を受けますときには、単なる庁費の節約、つまり暖房は寒地に限る或いは徹夜勤務に限るとか、或いは文具費とか光熱費とかいうようなものの節約、こういうようなものでは到底賄い切れないのでございます。それをいたしますには、どうしても前にしておりますところの業務から節減いたさねばなりません。そのために予報をいたします天気図を減すとか、観測の回数を減すとか、こういうようなことに立ち至りますので、予報の精度、観測の精密さというものの低減は免れないと思います。なお、調査部面でありますが、若し今回の節約をいたしますれば、出版物というものは殆んど大半を本年はやめねばならんと思います。これらは資料を早く使いたいという方に対しては特別の措置はいたすつもりでありますが、一般には非常なる御迷惑をかけるかと心配いたしております。なお災害防止のための特殊観測、或いはそのための施設というものは殆んど廃止になりますので、一般に気象を利用する方面、或いは気象の災害を防止するという面におきまして非常な不便をかけることが予想され、誠に申訳けなく思つております。
  77. 植竹春彦

    植竹春彦君 質問はこれで打切りたいと思いますが、只今大臣初め各係からの御答弁を承わりますると、この気象に対しまして今年度、殊に今年度のようにまだ秋にならないうちから大きな水害のあるような今年度におきましては、この予算を以てしては十分責任のある気象台としての業務を遂行して行かれますることについて不安なきを得ないのであります。よつて私は当委員会の委員長から、参議院の予算委員会の委員長に対しましてお申入をせられることの御提案を申上げたいと思います。只今案文を読み上げまして、それに基きまして各委員方の御審議に待ちたいと思います。よろしうございますか。
  78. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記をとめて。    〔速記中止
  79. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記を始めて。
  80. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 只今気象観測について、植竹委員からお話がありましたが、今回衆議院で修正、本院に回付されました予算で一番大きなものは行政費の節減になつておるようでありますが、この気象観測以外に、運輸大臣として行政を滞りなくやられるについて、ほかに非常な困難を感じられている問題はあるのかないのか。私も実は修正案を詳しく見ておりませんが、他の事柄について、かような同じような問題がありやしないかということを懸念いたしますので、その点についてお考えを伺いたい。
  81. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 今の組織のままで仕事を運営して行く上には相当無理な予算の節約になるように思う点も私自身にあるのであります。併し行政整理をすべしという声は大きく社会の支持を受けておる声であり、この内閣においてもその線に沿うてやつて行きつつあるわけでありますが、これほど大幅にこの際やる意思は予算編成当時持つていなかつたのであります。だんだん話の進行につれまして、こういう修正予算で大幅の削減ということになりましたので、一体どこまでそれじやこの通りにやれるか、或いはこの通りやれば非常に動きが鈍くなるので、組織替えをしなければならんのか、組織替えせんでもこれでいいのかというような点につきまして、今各方面についての、私ども省内の各方面での意見をいろいろまとめさしておるのでございます。それによりまして、これできまりますれば、この線の範囲内において、その予算を流用できればできる範囲内においてやるべきものだと思うし、それができない場合には、特別な要求を政府に、例えば予備金を出すとか、或いはそれもできないようであれば、ほかの方法で出してもらうようなことも、それはしなければならないのではないかと、こう思つております。例えばその一つの現われがこの測候所の問題、すぐ気が付く問題でありますが、こういうふうな問題で各方面から、これこれこういう点がいかん、ああいう点がいかん、口頭ではいろいろ聞いておりますが、まだそういうものについてまとめておりませんが、できるだけその線に沿うて動けるようにすること、若しそれもどうしてもできない。省内の計らいだけではどうしてもできないし、これは日本の国政を動かす上において非常なマイナスになるもんであるというものがありましたら、これは別途な方法で支出を求めたい、こういうふうに思つております。
  82. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 只今大臣の御答弁を承わりましたが、本委員会としては、予算審議に伴いまして、この運輸省関係の予算がどうなるかということに非常に関心が深いのでございまして、これについては、確たる大臣のお考えをきめて頂かなければならん問題であると思いますので、只今各部局で御検討中のように承わりましたが、御検討が済みましたなら、是非、予算審議が終らない前に、本委員会においてお聞かせ願いたいと思うわけでざいます。
  83. 前田穰

    委員長前田穰君) 私、一つお伺いしたいのですが、この上高層観測の一億二千万円の大部分というのは、これは何といいますか、空へ飛ばすもので、消耗品だと思うのですが、ゾンデですか、それが大体一割四分減らされるのですか。
  84. 和達清夫

    説明員和達清夫君) そうです。
  85. 前田穰

    委員長前田穰君) そうすれば、それだけ数が減るわけなんですが、ゾンデの数が減るということは、観測の結果に一割四分減ればどういう影響があるのでありますか。
  86. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 結局、我が国において、約十カ所一日二回やつているんですが、それをまあぎりぎり、もつ厳しいところをぎりぎりな線でやつているわけでありますけれども、いよいよ減らすならば、場所を考えるか、回数を考えるか、十分検討しておかないと……、併しまあ無論行政協定を済ましてからです。
  87. 前田穰

    委員長前田穰君) もう二つ似たようなことですが、船を動かす費用が大分多かつたと思いますが、船のための費用がやはれ一割四分ですか、削減されておりますが、そうすると、これは何回か行くやつを一回かそこら減らすということになるのですか。或いはこいうふうにはならないで、本当に若干船の速力を落すとか、或いは人を減らすとか、何とかそういつた方法を講じなければならんのですか。
  88. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 船の観測は、御承知のように、北と南と二点ございまして、やつている仕事は海上気象観測、ラジオ・ゾンデ観測、パイロツト観測、シーリング観測、海洋観測とござい事。おのおの一日に何回ときめるわけでございます。そのほかにビーコン業務というようなものをいたしておる。で、こういうようなものを始終いたしておりますので、若し節約いたしますならば、どうしても日にちを削減するよりほかにいたし方ございません。二つの点のほうを、一つを若し完全にすれば、片一方のほうが私どもの計算では、一年のうちの百十余日の業務を休止しなければならない。こういうようなことは、この仕事の、米国との協定の趣旨から言いましても、到底話にはならないだろうと私どもは予想いたしております。
  89. 植竹春彦

    植竹春彦君 私は、先ほど申入を提案しようと思つたのでありますが、この趣旨は、災害を防除するため、又気象台における観測の正確さを期するため、報告の不十分を除き、又出版物等の不足分を補つて、そうして真に気象台の機能を完全に遂行せられるように望むためでありましたけれども只今の加賀山委員並びに委員長に対する大臣の御答弁によりまして、今回の予算措置全般に関しまする政府の方針等を勘案いたしまして、この際、申入は、国際協定の尊重という一事に限りまして、予算委員長に対して申入を行なつてはどうかということを皆さんに御提案申上げたいのであります。お許しを得ますればその案文を読み上げたいと思いますが、お諮り願いたいと思います。
  90. 大和与一

    大和与一君 ちよつと中座をして申訳けないのですが、国際協定の問題ですね、この前の海上衝突予防法のときに一私も赤いろいろ質問したのですが、協定そのものはまあその通りつているわけで、これは金の問題だけですね。そうなると協定はそのままで、金は今よりも少なければその協定が守れない。こういう理窟というか、そういうことで押して行こうというようなことになるのですか。
  91. 植竹春彦

    植竹春彦君 ちよつと速記をとめて懇談会に入つて頂きたいのですが。
  92. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記をとめて。    〔速記中止
  93. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記を始めて。
  94. 植竹春彦

    植竹春彦君 只今の懇談会におきまして、この気象台の国際協定に関しまする予算の問題につきまして十分了承いたしましたので、大臣のこの問題に関する御処置についての御説明を以て満足いたしまして、この決議案乃至申入案は出さないことにいたします。
  95. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御発言ございませんか。他に御発言がなければ、本問題はこの程度で打切りたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  97. 前田穰

    委員長前田穰君) 次に、道路運送法の一部を改正する法律案議題に供します。  本法案について質疑のおありのお方は順次御発言を願います。
  98. 一松政二

    一松政二君 この道路運送法の一部を塾する法律案いろいろ提案理由がありますが、最もその主眼を置いた点はどこにあるのか、伺います。
  99. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 自動車運送事業が、従来から免許制度をとつているのでありますが、それについて、まあこういう民主主義の時代であるから、これを自由営業にすべきであるという議論が非常に強くなつたわけでございまして、その点について、運輸省としての考え方をいろいろと各方面に御説明しましたところ、大体御了承を得たのでありますが、ただ何分にも手続が非常に煩雑である。又そのために時間が非常にかかるというので、手続の簡素化、行政の簡素化を図るべきであるという強い御要望が各方面から出たのでございます。そこで現在とつておりますところの道路運送審議会というものを廃止し、従つて、その際に行う公聴会をやめまして行政の簡素化を図るという建前にしたのでございます。これが一番大きな改正点でございます。  第二の改正点は、免許基準というものを定めてありまするけれども、それが画一的に流れまして、実情にそぐわない点があるという御批判がこれ又各方面にありましたので、その点もいろいろ検討しました結果、地方の実情に合うように、又事業の種別の実態に合うようにしなければいけないと考えまして、その点を改正したのでございます。で、第一の改正点が現われましたのは、第八章道路運送審議会という章がございますのを、全部削除いたしまして、それに代るべきものとして、自動車運送協議会を置くということにしたことに現われておるわけでございます。  第二の、免許基準を実情に合わすようにしようとした点は、第六条の免許基準、第一号から第五号までありますが、それを実際に合うように改正しましたのと、第六条の第三項にありまするように、「実情に沿うように努めなければならない。」としたことに現われておるわけでございます。その二つが改正の最も大きな点でございまして、その際に、同時に、この道路運送法施行後ニカ年間の経験によりまして、実情に合わなかつたり、或いは行政手続が煩雑であるというようなものをできるだけ簡素化しようと努めたことでございます。それらの点はお手許に配付しましたところの提案理由説明及び要綱に申述べてあるわけでございます。
  100. 一松政二

    一松政二君 これはまあ各地で非常にたくさん陳情請願がある。つまり免許制度をやめてもらいたいという陳情と、それからやめてもらつては困るという両方の請願の問題であると思うのですが立葉のいろいろ非難も、本当か嘘かそれはなかなか判断の限りではございませんけれども、非常に許可してもらうまで、仮に申請しておつても、許可してもらうまでひまがかかる。或いは逃げられちまつて、それを許可してもらう運びになるのが、今局長が説明されておつたように、非常に手続にひまがいるとか、或いはそれ以外に理由があるか知らんが、まあいろいろ問題があつたと、そこでそういうものは、やめちやつたらいいんじやないか。ついでに陸運局まで廃止しちまえという議論も相当あつたように思うのですが、免許制度を撤廃した場合の弊害はどういうことになりますか。
  101. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 免許制度を撤廃した場合に予想されます弊害は、自由競争のいい点を越えてしまい、不当競争になることが予想されるのであります。自由営業になりますと、自動車事業は、御承知のように興業費が僅かなもので済みます。自動車一台持つておれば、車庫がなくてもまあやろうとすれば仕事はできます。その自動車も、中古自動車を買えば、タクシー、ハイヤーならば二、三十万円、トラツクでもその程度で済むと思います。バスなら中古を持つて来れば五、六十万円。一そういうことで一台で事業をやれます。それからお客さんは安ければ安いほど乗手が多い。ですから運賃もうんと勉強して安くする。そうすると、成るほど利用者は如何にも便利になつたように見えるわけでございますが、その結果はまじめに立派な設備を持つて従つてそれだけを賄えるだけの適正運賃を頂いてやろうとするものが、運賃ダンピングの結果荒されて経営ができなくなる。撹乱されるということが起ると思うのであります。そうしてやつているうちは、まじめな業者は、擬乱されまするけれども、結局倒れなくて恐らく持ち堪えるでありましよう。ところが小さい不当競争をやる業者は、一年もたたないうちに倒れてしまう。ところがそれから次から次に同じようなものが出て来て、現われてはなくなり現われてはなくなり、泡沫のように消えてしまうだろうと思います。そういうようなことがたびたび重なりますと、結局まじめなしつかりしたような業者までその根底を揺がされて、しまいには倒れてしまう。こういう状況が、今までも、日本でもしばしば起つたのでございます。そこでこれではいけないというので、免許制度にしまして、まあまじめな業者が安心して事業をやつて行けるようにする。そのためには自由営業にせずに、特権を付与する。言葉は過ぎますけれども、事業をやれる権利を付与する。そして安心して事業をやれる、不当な競争にさらされなくて済むというふうに企業の安定を図らしめる。そうすると事業者は安心して、車両、設備、車庫その他のサービスをよくし、又運賃もできるだけ勉強をするということでやつて行けるわけでございます。ところがその権利だけを擁護されますと、これは権利の上に眠るという弊害が起りますので、その半面、運賃は運輸大臣の認可を受けなければならない。又事業計画は、認可を得てその通りを実行しなければいけないし、その通り事業計画を実行しましたときには、事業計画通り営業することを命令される。又事業が悪いときには事業改善の命令を課せられる、又公共の福祉を確保するために、いろいろ運送命令その他を課せられるというような、義務をいろいろと課され、厳重な監督に服している。その代りに事業が勝手に廃止されては利用者が困りますから、事業廃止は勝手にできずに、許可を受けなければできないということにするとかいうふうに、一面権利を与えると同時に、他面厳重な義務に服するという建前をとつているのがこの免許制度の根本精神であります。これはひとり我が国だけではなしに、世界各国ともこのような傾向にむしろ進みつつある。統制は強化される方向に進んでおるわけでございまして、まあそのような小業乱立、不当競争、業界潰乱、健全な事業者の壊滅というようなことを救済するために、是非免許制度をとらなければいけない、かなうに思うわけでございます。  第二に、結局同じことになるわけですが、そのような問題は、ひとり自動車界だけの問題と限定して考えるべきではなしに、自動車界がそのように混乱しますと、結局同じような交通事業である鉄道軌道がその被害を受ける。又広く他の海運業にしましても、航空業にしましても、交通事業でありますから、目的を同じくする範囲においては同じように被害を受けまして、多額の資本を投下した鉄道その他の事業がこれ又混乱させられる。交通の全体の秩序が保たれなくなるというような広い見地から考えましても、小業乱立は避けなければいけない、こういうふうに考えるわけでございます。  第三の理由としましては、少し具体的な話になりますが、自由営業にして勝手にあれしますと、その資力、信用のない者が営業をやり、お客さんを運び荷物を運ぶと、仮に事故が起つた場合に、その損害賠償ができるだけの資力を持たないために、測り知れない損害を利用者に与えることになりますし、車両の整備にしても、運転者の教養にしても、一応法規で定められた形だけのことはバスしましても、それ以上の力を入れませんし、いつ何時事故を起すかわからんということで、利用者の保護に欠けるところがあるということも考えますと、このような貴重な他人の生命財産を預かるような事業は、その事業開始のときに、厳重にその申請者の資力、信用及び適格性と申しますか、或いは又責任能力というものを十分審査する必要があるわけでございます。これを自由にすると、そのような審査ができないという弊害があるわけでございます。まあいろいろございますが、かいつまんで申上げれば、そのようなことであると思います。
  102. 一松政二

    一松政二君 局長が今、後段で述べられた車の維持、補修、或いは改良ということは、これはこの道路運送法のどこで取締りますか。
  103. 中村豊

    政府委員(中村豊君) この車の維持、補修、検査という問題は、法律としては道路運送車両法という他の法律で詳しく規定されております。従つてその他は御説のように、営業用でなくて、自家用でも何でもみんなその法律によりまするから、免許制度そのものとは直接関係はございません。ただ私が申上げますのは、免許制度で、資力、信用を十分審査すれば、そのような義務を十分尽して、又車を立派な状態で整備して行くという能力が、資力が保証できるということがわかるわけでございます。その点は、現在の道路運送法でも、免許基準でそのような点を審査することができますし、又免許したあとでうまく行かない場合には、三十二条で、公共の福祉を阻害しているような場合には、自動車その他輸送施設を政善することを命令することもできるわけでございます。
  104. 一松政二

    一松政二君 今の免許基準というやつが、まあ今度は協議会で、前は審議会でやつたが今度は協議会でやる。そういう問題もそこで論ずるというのでしようか。今まで地方を歩いて見て、いろいろ陳情されたところにようると、結局大都会と言えば、まあ五大都市とか六大都市とかいうことになるが、今度田舎に行つつ見ると、又田舎の都市が、そこが又小都会と大都会とに分れて、そして一台か二台立派な車を持つてやればやれると思うけれども、今度はその辺の大都会が何かそこに本拠を置いているものがやつてつて、それ以上はどうしても許してくれないということになると、結局はそこで、これは中小企業の問題がどこまで行つても果しがないので、自分は中小企業であると思つても、その下の者から見ればそれが大企業のように見えて、それを擁護して小企業を許さない。或いは又大企業のようにいろんな悪口を言うものもありますけれども、それでまああらん濡衣を着たり噂を立てられたりしておつたのだろうと想像するわけです、いろいろな非難を聞きますから。だからそれで一応局長が今御説明なつたものは、主としてバス、或いは遊覧自動車が、まあ旅客輸送に対して一応御尤ものように伺うのですが、例えば神戸、東京間を走るような、一体貨物輸送業者ということになるとですね、これを一人や二人あつたからといつて、それが過剰だとかいうことにはならんだろうと思います。そういうものを許す基準は一体どういうことにお考えになりますか。
  105. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 御説のごとく、大都市と地方の中小都市、又は田舎の山間部とは当然考え方を変えていいと思うのでございまして、まあ自動車運送事業が公共事業であるから、大企業でなければいけないという考え方は、現在ではとつていないのでございます。勿論東京、大阪のような大都市におけるバスとか、或いはタクシー、ハイヤーにしても大企業が望ましいのでございますけれども、地方に行けば行くほど、何も十台以上、或いはもつと大きなものでなければいけないとは考えておりません。又先般からの免許制度の廃止運動の経過にも考えて、いろいろ考えてみまして、地方の実情によつては、特にトラツク事業であるとか、タクシー、ハイヤー事業のようなものは、小企業でもよろしいということに、昨年十二月二十七日に通牒を出してございます。それでその前後、最近に至るまでの免許の状態を陸運局から取りまして調べましたところ、まあ地方においてはタクシー、ハイヤー事業では、一台で免許したものが三十二件ございます。又二台で免許したものが百八十一件、三台で免許したものが百二十九件もございまして、そのようにして十台以下で免許したものが四百九十六件もございまして、全免許の中の八一%はこのような十台以下の事業者に免許しているわけでございます。又トラックに例をとりましても、同様に一台で免許したものが百六十五件もございまして、十台以下の免許合計を見ますと、千四百二十七件もございますので、地方においては成るべく実情に合うように、このような小業者を最近はまあどんどん免許をしているというふうな状態が現われているのでございまして、この点は私たちの趣旨が大分徹底して来たものだと考えているわけでございます。  又、次のお話の、東京、大阪間のような長距離のトラツクの免許でございますが、これも終戦後、特に一昨年くらいから、この路線トラツク事業が非常に発達しまして、どんどん申請がございますので、只今のところでは、東京、大阪間を直通するトラツク事業者の数が三十業者以上になつているわけでございます。少しこれは免許を殖やし過ぎたのではないかとむしろ思つているくらいでございまして、むしろ業者間の間にも、整理統合が議せられているくらいでございます。そこでこの場合に免許の基準をどうするかでございますが、まあ申請業者の資力、信用、責任、事業遂行能力ということを、いわゆる主観的条件をいろいろ審査するのはこれは勿論でございますが、客観的条件として、輸送の需要と供給との均衡、バランスがどうなるかを調べる場合に、果して東京、大阪間の路線トラツクに来るところの貨物の数量がどのくらいあるかということを頭に置くわけでございます。それに対して供給するトラツク輸送力をどのくらいまで認めていいかを見るわけでございますが、この輸送需要を判断するのは、実はこれは非常にむずかしい問題でございまして、殊に新らしいこういう事業ですから、どこまで伸びて行くかわかりませんし、結局鉄道、特に国有鉄道の貨物を食うことになるわけでございます。その間に調整も考えなければいけませんので、まあ運賃或いは到達時間、貨物の特殊性、例えば非常に急送を要する貨物とか、生鮮食料のような鮮度を非常に尊ぶものとか、積替えのときに損傷する気づかいがなければ、少しくらい運賃が高くてもいいという負担力の非常にある高価品というようなものは、これはトラツクにだんだんと流れてくるでしよう。一般のものはなかなかそう変化しないと思いますので、そういうようなことを検討して輸送需要がどのくらいあるか、それに対して何業者許したらいいかということを目下研究しておるわけでごいます。只今の状況は、そのように少し免許が多くなり過ぎたという感じがしておるのでありますから、その業者間の整理統合というものが必要じやないかとも考えておるわけであります。
  106. 一松政二

    一松政二君 先ほど局長の御説明の中に、運賃を指定するか、定めるかというのですが、現にそういうことをやつているんですか。運賃を許可制度にしておりますか、運賃の金額を……。
  107. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 運賃は認可制度になつております。申請人がこれこれの運賃というのを出して来ますと、それを審査して適正な額を認可して七るわけでございます。
  108. 一松政二

    一松政二君 私どもが道路を通つてつて、殊に貨物輸送が最近非常に盛んになつておる。バスもそうですが、これが都市の中の交通を妨害しておることはもう実に夥しい。殊に店舗の極く狭い所で、往来を殆んど事業場にして荷物の中継場にしておる。特に東京においては下町、特に日本橋、京橋方面に非常に多いわけですが、これらは恐らく免許を申請されたときにどういういわゆる口実をつけて、何か荷扱者を書類の上で邪魔にならんようなことをしておるのかも知れませんが、殆んど大部分のものは往来を使つている。そしてこれは交通巡査もまあ見て見ぬ振りをするのか、規則通りにやれば営業を全然やれないはずなんです。私は余りだまりかねて、下町警察の交通を呼んで、見に来いと言つたこともあるのですが、そういうことは許可のときにどういうことにされているんですか。
  109. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 免許をする際には、事業計画の内容として、営業所の位置のみならず、車庫その他の構造についても審議するわけでございます。その場合にまあ路線について道路管理者の意見も聞きますし、現地の実情をいろいろ審査ずるわけでございますので、書面の上では、まあ交通を阻害するような場合には合格させていないのでございます。ところが今のお話のような点は、我々も気が付かないわけではございませんので、これからは厳重に監督をしなければいけないと思うのでございます。その一つの方法として、今回の改正法条では免許を受けて運輸を開始する前に、果して事業計画通りの準備を完了しておるかどうかを確認する制度をとることに提案をしております。そういうことでできるだけ現地によつて確認をして、まあ車庫或いは営業所の内容についても調べて行きたいと思うわけでございます。なお今お話のような、道路上に荷物をたくさん積んでしておる営業者は、トラツク業者であることもありますし、東京の下町なんかにあるのは、大部分は運送取扱業者ではないかと思うのであります。俗に水屋と称するものでございます。この法律では、貨物自動車の運送取扱事業者となつておりますが、つまり路線トラツク事業者に対して斡旋、仲介、仲立ちをする業者でございます。丁度鉄道に対する通運業のような立場にある者でございますが、それが大分、退路を使つているのじやないかと思うのでございます。ところがその事業に対しては、法律による規制は割合に簡便にしてあるので、そこのそういう事業計画までには触れてないのでございます。そこまで詳しくやることも、余り行政を複雑にし、煩雑にするような感じがして実は遠慮しているわけでございます。
  110. 一松政二

    一松政二君 今の局長の話は頗る意外です。仮にそれが取扱人であるならば、そこへ定期的に時間を切つて、一応トラツクがやつて来る。トラツクがやつて来て積むだけじやないのです。その頃を見計らつて又ほかのトラツクがそこに荷物を持つて来る。そうしてそれを積替えている。その時間というのは、殆んどそこが交通不可能になつちやう。そういうものは、道路運送法ではその取締はないが、これを交通違反などは全部それなんで……、併しながらそのもとをなすのは免許してあるから、営業を許可するからそういうことが起るわけです。そうして交通の安全を阻害する。それは車それ自身はいいかも知らん。それから荷物をたくさん積んであるから、あとから自動車が行つたら前のほうは一つ見えやしない。そうしてそれがもたもたしているから、交通を大いに阻害するわけなんす。これが市の真中に幾らでもある。これはほかの都会でもそうであろうと思う。いやしくも道路を使用して、そうしてそういう業を営む場合には、一般の道路というものに対して、そういうものをただで利用して、それが幾らか自分の事業の内容の中に、利益に入るわけです。元を出さずして収穫だけは幾らかあることになつていると思う。そういう問題に対しては、私はこの免許制度を履行するからには、そういう問題には、相当私はシリアスに考えてもらいたい、これは私の希望ですから。そうしてそれは営業所がどこにあるのか、停留所がどこにあるか、田舎ならまだいいです。都会はどこで中継するのか、その中継場所に、この狭い東京の道路上ですから、それは私は特段の注意をして頂かなければ徒らに交通の妨害になるし、公路を以て自分の営業の敷地にすることなんで、そういうことを見逃すことそれ自身が非常に公平を欠くと思う。
  111. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 誠に御説の通りでございまして、私も道路上を使用して交通の妨害になつておるということを認めて困つたもんだと思つておる一人でございます。御説の通りでございますので、今後は特に車庫、営業所の位地のみならず、構造、設備についても厳重にしまして、いやしくも道路を使用することがないように、まあ監督といいますか、取計らつて行きたいと思つております。その一つのまあ方法として今いろいろと考えておりますのは、大量に荷物を扱うような場合には、総合荷物取扱所、荷物の発着所といいますか、中継所といいますか、トラツク・ターミナルというものをできるだけ整備させることに是非ともいたしたいと思うのであります。そのためには又助成方法もいろいろございましようから、そういうことについて案を練つて、できるだけ近い機会にそのような法案について、又御審議を願いたいと思つておるような次第でございます。
  112. 一松政二

    一松政二君 ちよつと焦点がそれるかとも思うのですが、私は主として感じることは、あの道路を使用して、そうしてトラツクが走つて、そうして運賃を取つて営業しておる。国鉄は自分で線路をこしらえて多額の固定資産を入れて、そうして営業をしておる。そして補修費もある。運送業者は公路の上を利用して、そうして鉄道と盛んに競争をしておる。これは非常に私は片手落ちのような気がしておるわけでございます。で、これはほかのことに亙ると思うのですが、一体まあ自動車の税金とガソリンの税金についても、いろいろ皆さんのところにも陳情書がうんと来ていると思うのですが、そうして道路を破壊することは、もうバスとトラツクのこれが一番大きいのです。まあ自家用のトラツクによつてもかなり傷むところもあると思うが、これはそう万遍なく遠い所まで定期的にないと思うのですが、又あれば特別の方法も講ぜられると思いますけれども、国道なり県道なりの上を走つているバスとトラックによつて道が非常に懐われておるわけです。これに対しては特別の負担というものをこの運送業者に、その道路に関してですよ、道路の損傷に関して負担を課せるというようなことは、全然免許のときに考えていないのですか。
  113. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 自動車が道路を壊わすことについては、御尤もで、非常に御迷惑をかけておるわけでございます。今お話がありましたように、これは営業用、自家用問わずでございます。併し営業用に対してその点を考慮しなければいけないのでございますが、それは一応何といいますか、理窟だけを申しますと、道路はこれは公共の設備である。だから国なり公共団体が租税収入その他で以て立派な道路を作つて、誰がどんな方法で利用してもまあ自由にしておくという、公共の営造物といいますか、そういう観念でございますから、そのためにそれを利用するからといつて、一々何らかの負担を利用者にかけることは、これはできるだけ避けたほうがいいと思うのでございます。併しながら、今のような、自動車がこれを損傷することが著しいということもこれ又事実でございますので、いろいろと現在の法律では、自動車が道路を利用することにより、又損傷させることに対する負担がかかつておるわけでございます。今お話がございましたガソリン税もその一つ意味を持つておりまするし、又道路法においては、受益者負担金というものが課せられることになつております。又一般の慣習として、地方においては、トラツク、バスというような、営業用自動車に対してだけ道路の寄附金を取つたり、又道路改修の協力費を出させたり、事実上トラツク或いは労務者も提供さすような、まあ現物提供のようなことも行われておるわけでございまして、自動車営業者に言わせれば、道路損傷に対するだけの負担は十分さして頂いているんだというわけでございます。併しまあそのようなことを十分考えまして、税制なり負担をできるだけ妥当なものにいたしたいと思うわけでございます。  なお、これが運賃を審査し認可する場合には、今のような税制上或いは法律上定められた負担は原価の中に加味しておるわけでございますが、鉄道のように、軌道費といいますか、軌道補修費というか、そういうふうな費用は自動車運賃では計算に入れていないわけでございますから、運賃面で今のところカバーできないような状態でありますので、まあ事業者にしてみれば、全く道路を壊わしつ放しで儲けつ放しではないと思うわけでございます。なお道路を損傷することに対する負担を公正に且つ適正にするということについては、是非とも今後も考えて行きたいと思います。
  114. 一松政二

    一松政二君 もう一つだけ総括的に伺つておきますが、今のバスなりトラツクなりの定期的な貨物及び旅客の輸送は、輸送する面において便利を与えているということは、これは認めるにやぶさかでないが、道路を壊わすこと、それから他の歩行者なり或いは他の自動車に対しては相当不便を与えておるわけです。だから道路に対する負担金なり、まあ実物弁済なり、労務を提供していることも一部知らんわけでもございませんが、そいつで道路が直りやいいけれども、道路はいつも直つちやいない。そこにガソリンの名目税とかいろんな問題が議論されるわけですが、道路の傷んだ不便は、それを利用している他の国民一般が非常に迷惑をしているわけです。でありまするから、私が局長に希望しておきたいことは、免許制度を実施するからには、この都会の中における交通はまあ今発着所の、中央的なそういう集散の場所を得られればなお結構ですが、往来の真中でやつておるというようなことに対して特段の注意を払つて頂きたいことと、それからこれは免許をするときに厳重に言い付けておいてもらいたいことは、スピードその他で、こういうのが常に他の自動車の、常用車その他の妨害になつておる。なかなかよけない。よければまだいいんですが、その点も免許をするときにこれは厳重に私は注意をする必要があると思います。これは道路交通規則だけでは世の中はなかなか……、これ又免許のときでも問題でしようが、一応はやかましく言つておかなければ、そういう公路上を使つて営業をやつているんですから非常に遠慮してやるべきです。鉄道のように、自分で敷地を求めて線路を敷いてやつておれば、注意をしなければならないのは踏切くらいなものです。あとは勝手に自分で動いておつていい。これは通るほうが悪いが、公路は全部国民が利用しているところを営業に使うのですからもそれは大いに遠慮して使うべきだと思う。それだけの心がけと、細心の注意を運転手や助手などに向つて、いやしくも他の便利を阻害することのないような心がけだけはやつておいて頂きたいということを申上げて、私の総括的な一応の質問はこの程度にしておきます。
  115. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 只今の御注意、よく営業者にも徹底させたいと思います。その取締は、まあ形式的には道路交通取締法関係でございまして、まあ国家公安委員会、或いは警察関係になるわけでございますが、そちらともよく連絡して御趣旨の点を徹底させるようにいたしたいと思います。
  116. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 協議会に道路運送審議会が変つた。これはまあいいと思うのですが、陸運局長がこの決定ですか、これを尊重しなければならんとなつているんですが、お役人、それから学識経験者、事業者、利用者と、いろいろ複雑な構成になつていますね。この決定に対する議事のきめ方、これはやつぱり決議をするわけなんですね。
  117. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 議事の細目については、議事規則その他の省令に譲りたいと思いますが、やつぱり議事の決定方法については、決議によるつもりでございます。但し実施の場合には、決議で多数決というようなことは恐らく余りとられずに、成るべく全員一致で話を円満にまとめようというふうな運用は図られると思います。
  118. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 その結果がなかなかむずかしいのじやないかと思いますが、それは必ずいつでも全会一致というようなことが予想されますか。
  119. 中村豊

    政府委員(中村豊君) この協議会の構成は、業者代表と、利用者代表と、第三者と、まあ大きく言えば三つのグループに分れることになりましようから、なかなか簡単には全員一致できないと思いますけれども、それだけになお十分に話合いをし、審議を尽して全員一致の円満な結論ということに是非ともいたしたいものと思つております。
  120. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 その業者代表という中に、特に利害のあるような業者が入つている場合は、これも規則によつて、政令でそういう人はオミツトするとかいういうことになりますか。
  121. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 具体的に利害が起つて来れば忌避といいますか、除籍というのですか、そういうことが考えられなければいけないと思うのですが、ただこの協議会は、個々の案件については審査いたしませんので、一般方針、基本的な基準についてだけ審議するわけでございますから、具体的に特定の人が利害関係を直接持つということは起らないと思います。
  122. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 そこを私は間違えていたんですが、そうすると特定の業者が新たな路線を出願した、或いは延長を出願した、運賃の変更を出願したという場合には、この協議会にかけないで、陸運局長がかけないで決定できるということになりますか。
  123. 中村豊

    政府委員(中村豊君) その点が、そのように変えたわけでございまして、従来は道路運送審議会は、個々の案件を審議したわけですが、今回は、個々の案件には関与せずに、一般方針だけというわけでございます。従つて個々の案件については、陸運局長が全責任を以て事案の審理決定に当るわけでございます。ただその場合に、独断で、而も書類だけで、机の上で判断しては、誤つてもいけませんし、民主的な結論が出せなくてもいけませんから、聴聞制度は強化しまして、それによつてできるだけ関係者の声を聞くという建前をとつております。
  124. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 そうすると、従来の公聴会に代えて聴聞という制度を置かれたのだろうと思うのですが、この聴聞会なるものは陸運局長がやられるわけですね。
  125. 中村豊

    政府委員(中村豊君) その通りでございます。
  126. 一松政二

    一松政二君 この協議会がなかつた場合に、何か非常に運輸省が専断でやるとか、或いは陸運局長が勝手にやるというようなことになる虞れがありますか。それは虞れがないようにすればいいわけですが、審議会にこれをかけた、或いはむしろそういう形の上の民主主義ですね、これは占領後特にそういう形が多いのであるが、形の上の民主主義、何かそこに審議会か協議会にかけて多勢の意見を聞いてやつたのだから間違いないと言つても、大抵原案が執行されるにきまつている。それでまあいい点も悪い点もありますが、非常に複雑になる。がこの場合に、協議会というものを特に持つて来ているようですが、協議会を取つてしまつたらどういう弊害が起るのです。
  127. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 道路運送法の現行法を作つたときの大きな要点は、行政の民主化ということであつたわけであります。そのために道路運送審議会を作つてみたのでありますけれども予算の面その他で結局円満妥当な運営が非常に困難である。まあその点についていろいろと各方面から議論も承わりましたりするので、まあ遺憾ながら道路運送審議会を廃止するということにいたしたのでございます。さればとて、それでは全部もう陸運局長にすつかり仕事をやらしてしまうかということについても、いろいろとそれはまだ早過ぎる、折角民主的になつたのだから、もう少しその点を残したほうがいいだろうという御議論も非常に各方面に強かつたものでございますから、それで個々の案件に関与するということになつて、いろいろ問題も起り、又陸運局長の責任が不明確になつたりしましたので、個々の案件だけは陸運局長に任して、全責任をとらしてもらう代りに、一般方針だけについては、できるだけ民間のかたの意見を聞こうじやないかという趣旨で、性格は違つてしまつたわけでありますが、行政民主化の一助にもということで、この制度をとらしてもらいたいと思うわけでございます。
  128. 一松政二

    一松政二君 それはそういう協議会なんというものを、法律上に織り込まなくても、実質上の運営で、私は陸運局長が全責任を持つた場合に、臨時会合を招集していろいろ意見を聴取する方法があると思う。これを一つ制度として、而も大した予算も恐らくないのでしよう。あれば、今度は二重機構になつちまうし、そして陸運局長のどこか一つの部屋に陸運局の事務官をそれに割いて置き、そして会の世話をやくというのが大体落ちじやないかと思うのです。それでときどきやれば、結局一般論以外には、個々の問題を論議しようと思つたつて、それはむずかしいし、それは何でしようが、結局は一般論、まああつてもなくてもいいんだろうと思うけれども、まああるようにしたほうが民主的な恰好に見えるというので置いたというのが私は落ちだろうと思う。一応ここで置くというのですから、まあ置いてみるのも一つの方法たし、審議会から一遍になくなつてしまうのもというお話ですから、それはその程度でも考えられますが、私は、いわゆる行政は、むしろ局長なり次官なり大臣が全責任を持つて、そして民主的にやることはたくさんあり得ると思う。何も制度の上にそういうものがなくても私はその運営の方法はあると思うのです。まあ一応こういうのははやりでしたから……、私はあえて言いますよ、占領政策の結果、民主的に何かやると言えば、協議会とか審議会とか、何やら委員会をこしらえて、歴上屋を重ねてやつていることが如何にも民主主義であるかのごとくであるか、局長なり大臣なりが自己の全責任でやること、私はそれで民主主義は結構やり遂げ得ると思うのですよ。併しはやりで、なこりがここに来ておわ毒すから、ここで私は取れとあえて申上げるわけではございませんが、やる古注はあるだろう。あえて陸運局、長の責任がむしろ明確になつてつていいんじやないか。併し非難攻撃はあるでしようから、非難攻撃のないように運用すればよろしい、それには協議会など法律上に織り込まなくてもやる方法はあるだろう。こういう意見はあるわけです。ただそれだけにしておきます、他に御発言もあるようですから。
  129. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 私も今それを申上げようと思つた一松委員が言われたのですが、中央の運輸審議会とこれで語路が合いますか、どうですか。
  130. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 中央には運輸審議会があつて、運輸大臣権限のことについては、個々の案件について諮問に応じて答申をするわけでございます。私のほうの所管事項で申しますと、バスでございます。まあ俗に言うバスと、それから路線トラツクというもの、又この法律は関係ありませんが、通運事業なんかがそれにかかるわけでございます。それからこの陸運局長権限の事案については、道路運営審議会がなくなつて、この自動車運送協議会になりますから、個々の案件については審査、答申をしないというわけでございます。これは俗に言うトラツク事業、タクシー、ハイヤー事業がそれになるわけでございます。その点の語路でございますけれども、その本省権限と地方陸運局長権限に分けて、多少事業の公益性にウエイトをつけたわけでございますので、本省権限のような、公益性の非常に高いものについては、十分に審査し、それこそ行政の民主化を十分に図らなければいけないという意味で運輸審議会は残つたというわけでございます。まあ地方の権限については、先ほどからいろいろ申しましたような事情で、協議会程度にしたというわけでございます。多一少語路の合わないのは、公益性の緩急がおのずからあるからというふうに御了承を願いたいと思います
  131. 加賀山之雄

    ○加賀山之雄君 私ども申上げたいのはこのほうがいいと思うのです。民主化でですね。で、基本的なことをやつて陸運局長の諮問に応じておられていいと思うのですが、自動車のようなものに関しては、私は中央においてもこういつたことでいいじやないか。個々の条件にまで運輸審議会が当られるということは、これと合わないのではないかというような感じがするので、さような点について申上げたのであります。
  132. 前田穰

    委員長前田穰君) それでは本日はこの程度で散会いたします。   午後四時四十分散    —————・—————   午後四時四十分散