○和田
委員 耕地の分散が危険分散であるということは間違いでありますが、あえて追究いたしません。耕地が非常に狭いということ、また
日本に山が多いということ、そういうことはもちろんあなたのおつしやる
通りでありますが、
日本がそういう
状態にあるのを、機械化して行くためには、やはりその難関も同時に打破して行くことを
考えなければならぬと私は思うのでございます。機械化の問題をただ平面的に
考えてお
つたのでは、これはいつまでた
つても進むことはないのでありまして、
政府の今度の
施策を見ておりましても、こういう基本的な問題に対して非常に冷淡といいますか、ごくわずかな
予算をと
つているだけでございまして、そうでない従来のしきたりのものだけに重点があるような気がして、
ちよつとお聞きしたわけでありますが、やはり私は
日本の農村の問題を解決する一つの糸口は、この近代化、機械化の問題を総合的に推し進めて行くことだろうと思うのであります。これらの問題につきまして、まだいろいろ詳しくお聞きしたいと思うのでございますが、まだ先の問題もありますので、いずれ機会があるときに、分科会か何かででも多少こまかく聞くことにしまして、きようはこの問題はこれで打切
つておきます。しかし私は
農林省とせられては、やはり農村の問題を解決して行き、農村問題を解決することと同時に、農民の生活を向上させて行くという方向に進めて行かれるとするならば、どうか農業政策をやられる場合に、農家というような一律な
考え方ではなしに、農民についていろいろな層があるということ、そしてその農民の各層の要求がいろいろ違
つているということ、しかもその違
つているものをよく理解してやらないと、結局農業政策というものは、
ちようど昔はどんな農業政策をや
つても地主擁護に帰したことに
なつたと同じような結果が出て来るのじやないかと思うのであります。ことに私が最近憂えるのは、農家が非常に階層の分解をや
つて来ている、いわゆる貧富の懸隔といいますか、それがだんだん大きくな
つて来ているという感じを持つのであります。大部分が労働収入によるような農家がどなんにたくさんふえてみても、
日本の農業そのものはちつともよくならないのでありまして、しかもその農業が依然として機械なんかを使わずに、たくさんの安い労力を使
つて食糧の生産をしているというような
状態では、将来はまことに憂うべきものがあると思うのであります。この点について農業機械化の問題を今度使わずかながらも
農林大臣として取上げておりますので、なお一層この問題と真剣に取組んでもらいたいということを、私は希望として申し上げておきます。
もう一つは、これは水産の問題について
ちよつとお聞きしたいのでありますが、われわれがまだ和平条約を結んでいない国との国交調整をすることが
日本の前進のためには非常に必要だということは、繰返しあらゆる面で今までも
お尋ねして参
つたのでありますが、水産の方も私は同じだと思うのでありまして、たとえば北洋のさけ、ます流し網漁業あるいは母船式、こうい
つたような北緯四十七度以南でや
つておりますいろいろな漁業について、今非常に制約を受けている。依然としてきゆうくつな
状態にある。こういうような点は、
政府として今までと
つて来た外交政策がアメリカ一辺倒であ
つた結果でもありますが、こういう
状態は、私はやはり国としては早く解消して行くことに、
政府が絶えず
努力をして行かなければならぬと思うのであります。ところがこの
国会でいろいろ
質問をしますと、総理大臣はまだ向うにたくさんの懸案があるのだから、それが解決しないうちは何ともならぬとか、いろいろそんな答弁をされて、一向にそういう交渉が進んでいるようにも思えないのであります。しかし漁民は毎日々々生活して行かなければなりませんし、また漁業を営んでいる企業家も
事業をや
つて行かなければならぬ、そういう
状態でありますだけに、またいろいろとそこに
事業上のトラブルも起
つて来ておるのであります。こういう点については
岡崎外務大臣には今までもずいぶんとお聞きして参
つたのでありますが、漁業
関係において、そういう国交調整について何か今具体的にや
つておられるか、また今後どういう方針で、どのような段取りでやられて行くのか、はつきりとしておいていただけば非常にけつこうだと思います。
もう一つ、これも
岡崎さんにお聞きしたいのですが、例の李承晩ラインの問題であります。これはこの前の
国会でも非常にやかましい問題になりまして、各同僚が
質問されたところでありますが、その後一向にこれが打開されたようにも見えぬのであります。いわゆる防衛水域というものを引かれて、
日本の漁民が非常に苦しんでいる。朝鮮の休戦が成立しようとしているときに、
日本としましてはこの問題についてどういう打開の
努力をしているかということを、ひとつ御答弁願いたいと思うのであります。