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1953-05-27 第16回国会 衆議院 予算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年五月二十六日       小峯 柳多君    西村 直己君       西村 久之君    川崎 秀二君       八百板 正君    今澄  勇君       山本 勝市君 が理事に当選した。     ————————————— 昭和二十八年五月二十七日(水曜日)     午後二時十一分開議  出席委員    委員長 尾崎 末吉君    理事 小峯 柳多君 理事 西村 直己君    理事 西村 久之君 理事 川崎 秀二君    理事 八百板 正君 理事 今澄  勇君    理事 山本 勝市君       相川 勝六君    植木庚子郎君       江藤 夏雄君    倉石 忠雄君       庄司 一郎君    鈴木 正文君       中村  清君    灘尾 弘吉君       葉梨新五郎君    船越  弘君       本間 俊一君    八木 一郎君       山崎  巖君    小山倉之助君       河野 金昇君    河本 敏夫君       中曽根康弘君    中村三之丞君       古井 喜實君    青野 武一君       伊藤 好道君    福田 昌子君       八木 一男君    横路 節雄君       和田 博雄君    加藤 鐐造君       小平  忠君    河野  密君       平野 力三君    三宅 正一君       吉川 兼光君    世耕 弘一君       黒田 寿男君    福田 赳夫君  出席国務大臣         外 務 大 臣 岡崎 勝男君        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君         厚 生 大 臣 山縣 勝見君         通商産業大臣  岡野 清豪君         労 働 大 臣 小坂善太郎君         国 務 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         法制局次長   林  修三君         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君         大蔵事務官         (主税局長)  渡邊喜久造君         大蔵事務官         (理財局長)  石田  正君         国税庁長官   平田敬一郎君         通商産業事務官         (官房長)   石原 武夫君  委員外出席者         専  門  員 小林幾次郎君         専  門  員 園山 芳造君         専  門  員 小竹 豊治君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十八年度一般会計暫定予算補正(第1  号)  昭和二十八年度特別会計暫定予算補正(特第1  号)  昭和二十八年度政府関係機関暫定予算補正(機  第1号)     —————————————
  2. 尾崎末吉

    尾崎委員長 これより会議を開きます。  昭和二十八年度一般会計暫定予算補正(第1号)、昭和二十八年度特別会計暫定予算補正(特第1号)、昭和二十八年度政府関係機関暫定予算補正(機第1号)、以上三件を一括議題といたします。質問に入ります。和田博雄君。
  3. 和田博雄

    和田委員 委員長お尋ねしますが、総理大臣はいつ出席されますか。
  4. 尾崎末吉

    尾崎委員長 先ほど理事会で御相談をしたのですが、総理質問しますのは、この間のように一つにまとめて御質問を願うことにして、本日中に向うの模様を問い合せて御報告する、こういうことでございます。
  5. 和田博雄

    和田委員 総理はおいでにならないのですか。
  6. 尾崎末吉

    尾崎委員長 きようは首相は出られませんので御了承を願います。
  7. 和田博雄

    和田委員 実は総理に対する質問が多いのですが……。
  8. 尾崎末吉

    尾崎委員長 ひとつ大蔵大臣その他からお尋ねを願います。
  9. 和田博雄

    和田委員 私はこういう慣習はこれでやめてもらいたいと思います。予算の方としてはやはり総理大臣に出てもらわないと困ると思うのです。
  10. 尾崎末吉

    尾崎委員長 十分に連絡いたします。
  11. 和田博雄

    和田委員 委員長としてしかるべき措置をとつてください。
  12. 尾崎末吉

    尾崎委員長 承知しました。
  13. 和田博雄

    和田委員 それでは総理質問あとにしまして、ほかの大臣質問します。  最初に大蔵大臣に御質問をいたしますが、解散でだめになりました二十八年度の予算を第四次吉田内閣編成しましたときの国際的な情勢あるいは国内情勢と現在とでは、そこに非常な開きがあると思うのであります。たとえば解散国会でだめになつたさきの予算編成しますときは、まだ朝鮮事変休戦になるという見通しは、非常に薄かつたと思うのであります。そうしていわばアメリカ世界政策によるソ連への巻返し政策がむしろ大胆に進められて行くのではないかというような情勢であつたと思うのであります。従いましてあの当時に組んだ予算は、そういう大きな前提の上に立つて組まれた予算だと思います。ところが現在におきましては、スターリンの死以後かなり世界情勢は大きく動いて、平和への傾向は非常に強くなつて来ておると私は考えるのであります。ことに朝鮮事変休戦になつて参ります見通しが強くなつて来れば来るほど、その結果生ずるいろいろな日本経済対する影響は、私どもちよつと考えてみただけでもはかり知れぬ深い、幅の広いものがあると考えます。従いまして今度暫定予算として六月分を出しておりますが、暫定予算とはいいながら少くともこの六月の予算は、今後提出さるべき七月以降の本格的な予算と十分つながつておるものだと私は考えてみなければならぬと思うのであります。ことに暫定予算であるからといつて、新しい計画は盛らない、ただ骨格予算だという昨日の御説明がありましたが、しかしこれはわれわれとしてはむしろ納得のできないことであつて、基本的な条件のかわつた現在において予算を提出しようとされるならば、むしろ暫定予算という、名前はそうでありましても、今後に来る本格的な予算とのつながり、あるいはその関連、それのみではなくて、むしろ新しい観点に立つてこの新情勢に応ずる予算編成して行くのが、私は筋ではないかと思うのであります。そういう点について大蔵大臣はどういうお考えを持つておられるか。また今後出さるべき予算編成方針について、はつきりとしたお答えをお願いいたしたいと思います。
  14. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今の情勢の変化は、私どもも御指摘のごとくに考えております。しかし六月分は暫定予算だけを実はお出ししているのでございまして、新しい政策等について、まだ盛り込むだけの、言葉は悪いかもしれませんが、時間的余裕はなかつたのであります。従いまして本予算は来月半ばごろに出したいと考えておりまして、そのときには、そういつた情勢を織り込み得るものは織り込みたいとは考えておりますが、実はまだ二十八年度の本予算編成についての閣議等も開いておりませんので、私の考え方を申せば、大体において従来出したもので、これを新しい情勢でどうしても取入れなければならないもの並びにその法律の通過に基いてやらなければならぬこと等の措置はとるつもりでおりますが、まだ閣議で実は全部決定もいたしておりませんので、この点だけを申し上げさせておいていただきます。
  15. 和田博雄

    和田委員 私は四月、五月の緊急集会に出された予算と、六月の予算とはやはり性格的にはかなり違つたものだろうと思います。いやしくも先に衆議院に出して、そして審議を請う六月の暫定予算と、解散中でありましたのでやむを得ずに四月、五月というものを出されたものとは、やはり質が違つて来るのではないか。  それからもう一つ私が憂えるのは、政府はよく経済は生きものだ、死にものではない、動いているのだということを今までいろいろ経済問題について答弁された。その経済の中で国の予算の占める役割は非常に大きなものだと思います。いろいろな事業継続して進めなければいかぬ。ここに空白があればあるだけそれは日本経済を多く停滞せしむる原因となると思います。そういうように動いている経済をとらえてみるときに、少くとも六月の予算に関する限りは、四月、五月の予算とはかわつた観点に立つて、もつと本格的な予算を出すときに、これが動きやすいような見地においての新しい政策をやはり調整することは、これはりくつの上から言つてあたりまえのことかと思います。それをまだ閣議できまつていないとかいうようなことは、私はどうも納得できないのであつて、むしろそういうことは積極的に進めて、事務当局を督励するなり、あるいは閣議を開くなりしてやつて今度の予算を出されるのが筋だろうと思うのですが、そういう点についての考慮をせられたのでございますか。
  16. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 まだ時間的に実はそういうことをやるほどの余裕を持つておりませんので、目下急いで計数等の取調べをいたし、それに基いて本予算編成する考えでおります。但し今和田さんが言われたように、六月分につきましても、たとえば積雪寒冷地帯等に対する問題でございますと、これは時期的に実行を困難ならしむるようなものがございますので、北海道とか東北、北陸の一部等には、そういうことについての公共事業費などはやつて参りたいと考えておりますし、また過日お尋ねがありましたような中共からの引揚げに対する措置等につきましては、これを織り込んで参る、かような考えでいる次第でございまして、暫定予算であつて骨格予算であり、従つて必要最少限度のものを盛りますけれども、そういう法律の上で必要とし、また時間的に必要といたしますものについては、これは御同意を得るものとして盛つてあるのでございます。
  17. 和田博雄

    和田委員 もちろん大蔵大臣の今おつしやいました程度の季節的な変動であるとか、あるいは突発的な事故が多少は盛られておることは、これは私も認めます。しかしながらそういうことを拾つて行けば、それよりももつと非常に重要なものもたくさんあるわけでございます。たとえば夏期手当の問題とか、その他いろいろな問題がやはり出て来るのでありまして、その点から言いましても、この六月の予算の性格についての政府考え方が、どこまでも暫定予算だということを非常に重く見てしまつて、そうしてすべての問題をむしろあとへ流してしまつたのじやないかという感じがするのであります。ことに私はその点で心配しますのは投資関係でありますが、投資関係はこういうように、かりに政府の言うように六月まで骨格予算として組んだ場合に、年間をつじて実際それがうまく働いて行つてどういうような形になつて行くのか、その働き方ですか、作用といいますか、そういう点をひとつ御説明願いたいと思います。
  18. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 投融資の問題につきましては、これは現行の法律でできるものが多いのでございますので、従つてたとえば農林漁業金融公庫に二十億円出すとか、同民金融公庫に十億円出すとかいうことをたしか見てあると記憶いたしております。そういうような次第で投融資の面では相当な処置をとり得る考えでおります。
  19. 和田博雄

    和田委員 私の言うのはむしろ財政投資です。新規のものはやはり六月の中には入つていないのじやないでしようか。
  20. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 従来の継続の分だけが入つておる次第で、お尋ねのような新しい部分は盛つてはおりません。
  21. 和田博雄

    和田委員 そこが一番問題なのでございまして、やはり今日本経済が、いわば産業別でいえばセメントを除いてはみんな非常に困つておると思うのです。それは財政に明るい小笠原さんよく知つていると思います。しかしそういう経済が非常に停滞しておるのを動かして行くのは、やはり投資だろうと思うのです。ことに財政投資だと思う。その新しいものが六月分は入つていないという御答弁でありました。四月、五月は私どもはまあやむを得ないとかりにしても、六月分について農林漁業金融公庫であるとか、あるいは住てであるとかいう形のものを入れるなつば、むしろもう一歩進めて、新しい財政投資もやはり六月分には組んでちつともさしつかえないのではございませんか。それを一体どういう理由で、新しい投資については、ことのほかこれを避けてあと譲つたのか、それは根本的に、三箇月間暫定予算を組むことによつて、いわば一・四半期がほとんど過ぎ去つてしまつたわけですから、あとのわずかな期間で、政府が今まで考えておつた新しい一つ政策なりその他のものを盛つて組みかえて、全体としての一つの構造を持たれた上でそういうことをやられておるのかどうか、その点はつきりしていただきたいと思います。
  22. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 まだ本予算編成につきましては、たとえば減税国債等をどうするか、そういうような問題もまだ決定いたしておりません。従つて今のような財政投資の問題は、こういう基本問題をきめたして臨みたいと思つておりますので、六月の暫定予算には計上しておらぬ次第でございます。
  23. 和田博雄

    和田委員 選挙管理内閣のような性質を持つてつた内閣中に、非常に重要な日米通商航海条約を調印されておるようなわけであります。外交の面では特にそういうことをやつておりながら、回内の実際の経済を動かして行く基本となる国の予算については、いわゆる本格的なことは何もまだやつていないのだというのでは、これでは一体どういうつもりで吉田内閣をつくられたのか、私どもは了解に苦しむのであります。この点は重ねて私は総理大臣にお伺いしたがつたのでありますが、総理大臣が来られないで、こういうときは非常に困ります。委員長、ぜひひとつ総理大臣を出していただきたい。  次に通産大臣お答えを願いたいのでありますが、それと同時に、外務大臣にも関連をいたしますので、両方の大臣にお聞きします。  四月の下旬にジユネーヴ西欧側ソ連側とが通商会議を開かれたことは、これは通産大臣も御存じだろうと思うのであります。世界経済平和攻勢によつて、非常に恐慌的な様相を示して来るおそれがあるし、また世界市場における競争が激化する傾向にあることも、これまた考えられる点でありますが、そうなつて来ますと、やはり東西貿易というものが、ヨーロッパ各国においても非常に重要になつて来るだろうと思うのであります。そこで四月に開かれたジユネーヴ通商会議は、非常に大きな意味を持つた会議だろうと思つて、われわれも注目をいたしておつたわけでありますが、ただこの会議世界がどう見ておるかということになつてきますと、この会議の見方について、今までのような、形式的なものではなしに、むしろどちらかというと、もつと実質的に東西貿易を開いて行きたい、そうしてこの会議はかなり両者の側の誠意を信じ得る会議である、並びにフランスのある新聞などによれば、戦争が間近に迫つておる場合におきましては、東西貿易に課せられた制限もあるいはやむを得ないという考え方もできるかもしれないが、そうではなしに戦争が遠のいたという観点に立つと、今まで東西貿易に加えられておつた制限ということも、また別の見地から見直して考え直さなければならぬということを言つておる者さえあるのであります。ちようどそういう情勢のときに、岡野通産大臣は、いわば突如として中共貿易を拡大しなければならないということを先般繰返し、新聞紙上で見ますると言われておるのであります。中国貿易日本がどうしても拡大して、そうして平和の通商を開いて行かなければならないということは、もうこの国会におきましてのみならず、繰返し述べられたところでもあるし、事実これは進んでおるのであります。ところが一方最近非常に問題になつて来ているのは、アメリカ相互安全保障法による援助でございます。この相互安全保障法による援助は、朝鮮事変を契機として、むしろ軍事的な援助を強くする意味において、アメリカが今まで外国に行つてつた援助をまとめたものでございます。これがまた当然日本も対象になりまして、一九五三年においては日本またこの援助を受けるのではないか。それに対する政府態度が非常に問題になつているのであります。ところがMSAによる援助を受ければ、当然それには一定の条件があるし義務がある。法律を見てみると、中国貿易なんかはむしろ今までよりももつと強い制限を受けこそすれ、とうていこれを緩和することは、困難なように思われるのであります。そうしますと吉田内閣の一閣僚である岡野通産大臣は、中共貿易を拡大しなければならないということを言つているが、吉田総理は昨日の記者会見において、中共貿易はあまり期待できないということを言つている。MSAに対する態度、それがまだ未定であるかどうかは知らないが、少くともこの点から考えてみますと、総理通産大臣との間の言葉には非常な矛盾があるのであります。一体岡野通産大臣は、中共貿易を拡大すると、こう言つているときに具体的にはどういう方法考えているのか。またMSAとの関係は、どういうふうに考えてその発言をされるのであるか。その点をはつきりしていただきたいと思うのであります。
  24. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。私は実は商売人上りでございます。そこで通商産業大臣になりまして考えますことは、まず第一番に商売の方面からものを考える。そこで今の日本経済を立て直す、すなわち自立経済を果して行きます場合に、一番何が大事かというと、やはり貿易に依存しなければならない。その貿易には輸出をうんとふやさなければならない。その意味から申しまして、もし純経済的に申しますならば、輸出貿易を振興しなければならない。輸出貿易を振興し得る可能性があるならば、できるだけの努力をしなければならない。そういう意味におきましてわれわれとしては考える。ただ問題は世界情勢といたしまして、今御説のように、平和攻勢が出て来て当分戦争がないのじやないかというようなことも、遠い見通しとしては想像します。しかしただいまの世界的な緊張状況というものは、やはり各国が相対立して、同時に貿易にも相当の制限をしているということでございますから、これを国際政治上から見た関係はまた別でございます。国際政治日本が置かれている地位にかんがみまして、日本がどうして行かなければならぬということは、これはまた別の問題でございます。しかし少くとも輸出貿易を進展さして行きたいというものについては、その国際政治上の制約以内においてはできるだけ努力する。それならば今まででも中共貿易ができているのですから、その点において大いに努力して参りたい。これはいろいろ新聞誤解がございますから、私の申し上げたいことは、中共全面的貿易をしてはいかぬということにはなつておらないと思う。私は就任早々でございますから間違つたこともあるかと思いますが、問題は中共貿易というものはやはりあつて二十七年には約六十万ドルの輸出ができているのであります。これは正規貿易でございます。ところが昨年以来戦略物資の範囲を縮めまして少し緩和したという意味におきまして、ことしの一月から三月までには二百二十万ドルの輸出ができているのであります。そうしますと、昨年一年間かかつて六十万ドルしか輸出ができなかつたものが、戦略物資の緩和によりまして二百二十万ドルになるといえば、国際政治上の制約というものが正規外交交渉なんかで緩和されるならば、まだもう少し中共輸出ができるのではないか、こういう意味に私は考えているのであります。
  25. 和田博雄

    和田委員 この業者の利益を守りあるいは主張されて、商売人立場からいろいろなことをお考えになるのはけつこうですが、しかしやはり岡野さんも国務大臣でございまして政治家でありますから、自分の言われたことが一体政治としてほんとうに実現できるものかどうか。国際関係はどういうようなもとにおいてそういう発言を許すのかどうかということは、いやしくも政治家としておられる以上は、やはり十が考えてやつてもらわなければ困るのでありまして、それでなければ政治の問題にはならないのであります。私どもは今のお話を聞いておりますと、従来通りの形でそして伸ばし得るだけ中共貿易は伸ばして行くと一応こう解釈しまして、それならばどういうことを一体具体的に考えておられるのかをお伺いしたいと思います。MSAとの関係はいずれ総理にお聞きしたいので、の際はそれ以上岡野さんには聞きませんが、具体的に言つて中国との貿易をそれならばどういう手段によつて伸ばそうとしているのか。今までの制約の中においてどういう手段中共貿易を進展させようというのか。
  26. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。ただいま申し上げたことにつきまして何か言葉の行き違いがありますが、私は商売人の出身であるから通商仕業大臣なつたから商売人立場からものを考える。すなわち経済的な観念からものを考えて行きたい、こう申し上げたのでありますが、あなたは業者の代表だとおとりになるが、これは誤解でありますからお取消しを願います。  それから私は今後中共貿易にできるだけの努力をしたい。と申しますことは、先ほども申し上げましたように外交交渉のいかんによつては、昨年度六十万ドルしか出なかつたものが、今年月から三月までの期間において二百二十万ドルにも伸びたのであるから、こういうふうにして行つて伸ばしたい。これが私の構想でございます。
  27. 和田博雄

    和田委員 それは私も言葉のやりとりはきらいですからやりたくはありませんが、商売人立場からものを考えることだけでは足らないのであつて、やはり政治家としては、商売人のいろいろな動きも政治の大きな立場からは、あるいは批評されなければならぬ場合もあるし、いろいろな面が出て来るのでありますし、政治家としての立場からものを考えてもらいたいということを言つたのであります。  それから中共貿易は六十万ドルが二百何十万トルかになつたということは、ただ伸びたということだけであつて、私がお聞きしているのは通産大臣は、どういう具体的な方法でもつてこれを今後伸ばそうとしているのか、その具体的なあなたの構想をお聞きしているのであります。
  28. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答えを申し上げます。具体的の方策についてはただいま経済審議庁並びに通産省で一生懸命勉強して考えております。
  29. 和田博雄

    和田委員 私はそれは非常に不勉強だと思うのであります。というのは具体的にもいろいろと考えられる事柄があるのであります。中国貿易の促進のための議員連盟諸君が満場一致で政府に要望した事柄なんかも、これは実際政府がやる意思さえあればできるのであります。たとえば輸入信用状をすみやかに開設するようにしろ、こういうことをひとつ政府が本気になつてつてみたらいいのであります。それから中国からの輸入の際の輸入補償金の問題でも、ほかの国並に直すような措置を具体的にとりさえすればいいのであります。いろいろ具体的にやることは今の情勢においてもあるのであります。経済審議庁につきまして勉強されなくても、具体的な案というものはすぐ考えられるのであります。そういうものを一体本気でやる誠意があるのかとうか。やるつもりなのかどうか。そういう点についてもつとこれは誠意をもつて私はお答えを願いたいと思うのであります。今後の日本経済自立経済に持つて行くためにも、また現に非常に要望している中小企業諸君の要望にこたえるためにも、これは通産大臣としては、ただこれから勉強するというのではなくして、もつと具体的な御答弁をこの際お伺いしたい。
  30. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。そういうようなことがたくさんございますので、それを私は十分勉強して、自分納得行つて具体的の方策をつくりたいと思います。ただ皆様方が御決議になり、そうしてこうしたらいいだろう、ああしたらいいだろう、それは私通産大臣になつて六日にしかなりませんが、各方面からいろいろな御指導を受けております。御指導を受けておりますけれども、ただ出たとこ勝負で、それにすぐ乗つて行うということでは私はおもしろくないと思う。具体的に実行いたしますにつきましては、十分検討して、自分納得した方策政策として実行して行きたいと思います。
  31. 和田博雄

    和田委員 納得をされてやられることは、けつこうであります。しかしだれが見ても、少し調べればすぐ納得の行く事柄もあるのであります。そういうようないわば良識化した、常識化した事柄政策と言うにはあまりに古いものもあるのであります。それはただあとつておることは、決意と実行だけであります。そういう問題もあることをひとつよく覚えておいていただきたい。どうやられるかは今後の通産大臣のやり方を見て、また機会があつたら、私は繰返し質問いたします。  次にMSAについてちよつと外務大臣お尋ねしたいのであります。昨日外務大臣は、アリソン大使とお会いになつたようでありますが、やはりこのMSAの問題には当然触れられたと思うのであります。その点はいかがでありましようか。
  32. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 昨日の会見は儀礼的なものでありまして、御承知のように信任状奉呈の前には外務大臣のところに会いに来まして、信任状奉呈に対するあつせんを求めるのであります。必ずいずれの大使にしても公式にやつて来るのであります。そのときは今までの慣例上ビジネスの話はしないのが普通であります。昨日もMSAの話はいたしておりません。
  33. 和田博雄

    和田委員 アメリカ予算が七月から始まるわけでありますが、ちようどこの予算の問題がアメリカ予算期になるといろいろと人の働きもあれば、まヒ今まではいろいろなプロパガンダが行われたのでありますが、ちようどアメリカ予算編成期にあたつておる点からいいまして、何らかMSAに対する日本態度アメリカがテストしておる、あるいはそれを求めておる、こういうようにわれわれは感ずるのでありますが、その点に対しては外務大臣はどういうようにお考えになるか、また感じておられますか。
  34. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 私の見るところでは、まだそういうことはないようでありますが、これは元来必ずしも予算が発足する時までにつくり上げておらないようであります。その後においても話合いがつき次第新しく協定等をつくるようになつておるようでありまして、いずれ何らかの話はあるであろうと思いますけれども、ただいまのところはそういうことはないし、また日本の様子を探つておるというような感じは受けておりません。
  35. 和田博雄

    和田委員 私はアメリカ世界政策一つの転換点というか、反省期にちようど来ておるのではないかと思うのであります。ソ連平和攻勢によつてアメリカも今までやつて来たアイクとダレスの路線というものを、やはり少し考え直さなければならぬのではないか。これは私は平和攻勢がある前から、アメリカ外交政策一つの転換点に立つてつたと思うが、その傾向が非常に強いのではないかと思う。そうすると、どうしてもアジアにおけるアメリカソ連との間のバランス。オブ・パワーをとつて行く上から行きまして、アメリカとしてはいろいろなことを考えると思うのであります。やはりアメリカ外交政策一つの大きな基調である世界における勢力の均衡ということについては、アメリカは依然として非常に敏感でしある、またその態度を堅持しておると私は思います。そのときに朝鮮戦争がやまつて、そして平和になつて来る。そのやまつたあとでいろいろな問題が起ります。これはいずれあとで聞きますが、問題が起ると思う。それに対してアメリカがどういうふうにそこに態勢を整えて、アメリカとしての一つの勢力の均衡というものを維持しながら、今後の政策を進めて行くかということについては、おそらく今までのところ、まだ十分な準備はなかつたとは思うが、これはアメリカとしては十分考えておるし、また準備を進めておるとわれわれとしては考えられるのであります。そうなつて来ますと、日本がそのときにどういう役割を演じ、立場を持つかということは、アメリカにとつては一番重要な問題であります。ことにヨーロツパの欧州軍の条約が一頓挫を来しておるような情勢においては、日本のいわゆる再軍備というようなことについてのアメリカ考え方というものは、以前にも増して現実的になり、深刻になつて来るようにも思われるのであります。その一つのつながりといいますか、導きの糸になるのがどうもMSAであると私ども考えます。そこでMSAに対する日本態度というものは、おそかれ早かれどうしても求められて来るし、話合いをして来ざるを得ないと思うのでありますが、一体いつごろそういうものが来るのか、外務大臣としては、どういう時期にそれが持ち出されるか、そういう点はどうお考えになつておるか、ぜひひとつ御答弁を願いたいと思うのであります。と申しますのはMSAというものに対する態度MSAをほんとうに受けるか受けないかということが、今後の日本外交なり経済なりあるいは政治なりを、ひつぱつて行く大きな方向をきめる問題だと思うのであります。従いましてこういう問題についてはまだ研究中であり、準備中であるとは思いますが、しかしこの国会を通じて実際上の事実、そういつた政府考え方というものをはつきり国民に知らしておくことが、一つは祕密外交を破る大きな手段でもあるし、ほんとうの国民的な外交を展開して行く一つの基礎になるものと私は思うのでありまして、一体MSAに対する態度というものを、いつ政府ははつきりときめるのか、今度の七月以降の予算を出す上においても、そこがふらふらしておつたのでは、ほんとうの予算は出ないと思うのであります。それについてどういうようなお考えであるのか御答弁願いたいと思います。
  36. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 いろいろ国際関係についてのお話がありましたが、今よくいわれまする平和攻勢と称するものも、元来平和攻勢というような字を使われると、これは謀略と言つては言い過ぎかもしれませんが、ほんとうの平和でなくして、平和攻勢であるということになりますと、これはまた普通の平和とは大分違うように思われるのでありますが、終戦以来でも平和攻勢と称するものは今回に限つたことではありません。いつも戦争の脅威がありそうになつて来ると、また今度平和攻勢と称するものが出て来て、交互に今までも来ておつたアメリカ側としても今度が初めてでありませんから、いずれこれに対処する方策は十分研究済みだと私は考えております。そこで朝鮮の問題にしましても、今和田君は朝鮮に平和が来たらというようなお話がありましたが、停戦会議が成立いたすことを希望します。またおそらくするでありましよう。しかしなかなか政治上の話はむずかしいのではないかと思つております。従つて真の平和がもたらされるようになるかどうかということは、われわれはもちろん非蓮華はしておりますが、まだ必ずしもはつきりしておるわけではないと思います。  そこでさらにMSAにつきましても、これは今までいろいろの方面でいろいろの援助をしておつたのを一本にまとめて、一つの中心を持つてやろうというのが趣旨のように思います。従つてこれは何も日本に対する問題だけではなくして、世界各国に対する問題であつて、それの一つ日本にも適用されるか、されないかということになろのだと考えております。そこでただいま少くとも現政府考え方といたしましては、日米の間には密接なる連絡を保つて親善関係をこの上ともしつかりして行こうという考えでありまして、これはMSAをかりに受けるとか受けないとかいうことがありましても、その根本方針はかわらないし、またかえるべきでないと私は考えております。従つてMSAを受けるか受けないかで相当の影響はありましようけれども、これだけで日本の方針が右に向くとか左に向くとか、そういうふうには私は考えておりません。従つて、その大方針のもとに、どういう具体的の内容を持つものであつて、それがどうなるかということを十分研究した上に考慮したいのでありますが、元来これは非常に幅の広いものでありまして、その中の一部をとつておる国もあり、また全部をとつておる国もあり、また中間的な国もあるのでありまして、具体的にどうかということは、ほんとうのことを言うと私も知らないのであります。また先方からも何も話は聞いておりません。いろいろの過去における協定とか法律とかいうものはもちろんありますけれども、これを日本に適用する場合のことは、具体的にまだわかつておりません。そこでこれをいつやるかとかいうようなことについても、まだここで申し上げることはできないのであります。しかし重ねて申し上げますと、日米間の親善関係という大方針については、MSAのいかんにかかわらずかわりがない、こう御了解願つてさしつかえない、かように考えております。
  37. 和田博雄

    和田委員 日米間の親善関係であるとか、あるいは善隣友好の関係であるとか、どこの国とも仲よくして行くべきだ、そういうような外交上の方針といいますか、辞令というものは、これはあたりまえであります。われわれといえどもどこの国とも平和を結び、外交関係はよくして行くことにはかわりない。しかしここに起つている問題は、MSAという旦一体的な問題であります。そしてこのMSAをそのまま日本援助を受けるということになれば、条件はいろいろありますが、しかしその条件もどうも選択的であるように見えるのでありますが、しかし軍事的な要素、色彩が強いということは、MSAの成立の過程からはつきりするわけでありまして、それを否定するわけにはどうも参らぬように思うのであります。たとえば技術援助といつてみても、岡崎君も御承知のように、この援助を受ける以上は、やはりカントリー・バイ・カントリーのチームが編成されて日本にやつて来る、こういつたようなことで、しかもそれは非常に軍事的な面と結びついたものが、現在のMSAのやられておるやられ方のように私は理解しておるのであります。そうなつて来ると、日本が今でさえ特需がなくなるとかいろいろなことをいつ非常に心配をしておる。外国の貿易もまだ伸びない。そしてMSAという形においてそれにかわつた一つのものがここに入つて来るわけでありますから、今まで再軍備はしない、憲法は改正しない、こう言つてつたいわゆる自由党の吉田内閣の再軍備問題に対する態度というものが、MSAを本格的に受けるようになれば、もちろんその内容が、単なる技術援助ということで限定されれば、その点は少しかわつて来ますが、そこまで限定されるようには、われわれとしてはどうも思えない。そうなつて来ると、今まで政府のとつて来た態度も、これははつきりとかえなければならないであろうし、日本としても政治的にも経済的にも、その行き方というものが、アメリカの大きな世界計画の中にまつたく巻き込まれてしまうことに、これはどうしてもなつて来るのであります。だからこそMSAというものを受けた国において、MSAがあまりに内政に干渉する、あるいは独立国としての面目がどうも保てないというので、ビルマの例をとつて見ても、これを拒否する国が出て来ておるわけであります。こういうことを考えて来ると、MSAというものは、なるほど今は政府が直接の交渉を受けておらないから、態度はきめられないということを言われますが、しかしおそかれ早かれこの問題については、はつきりとした政府としての方針をきめるのでなければ、私は外交の面についても、国内の政治の面についても根本がきまらない、非常に不安な、そして動揺する状態をここに出して来ると私どもは思うのであります。そういう点からいつて外務大臣としては一体この問題について、これはどうも日本としては条件によつては受けることは非常に不利だ、またMSA自体を日本として受入れることも非常に不利だということであれば、これを断固として拒否するだけのお考えなり腹が今あるのかどうか。やはりこの問題は、まだ未定の部分が多いけれども、内容自体は私はわかつておると思うのであります。法案の内容はもうはつきりしているのであるし、すでに今までMSAを受けている国があるのであつて、そこから生ずるいろいろな問題がたくさん出て来ておるのでありますから、これはむしろ私は総理に承りたかつたのでありますが、今日は出席しませんので、当面の責任者である外務大臣としては、一体どういう態度で臨まれておるのかを、重ねてお答え願いたいと思います。
  38. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 私の研究もまだ十分とは言えませんが、今までの状況を見ますと、このMSAに一本になります前には、時間の相違は多少ありますが、いわゆるギリシャ、トルコに対するような純然たる軍需援助もありましたし、またヨーロツパに対する経済復興計画の、いわゆるマーシャル・プランといいますか、こういうようなものもありましたし、また未開発国に対するポイント・フオアのような援助計画もありまして、そうして国防省がやつているもの、国務省がやつているもの、それからポイント・フオアのように、初めからMSAというようなかつこうでやつておるものがありまして、それが今度はMSAに一本になつたわけであります。従つてその中にはいろいろの種類があるのは当然でありまして、この内容をつぶさに検討してみなければならないと考えております。またアメリカ側で一体まだ援助をくれるかどうかもわかりませんが、伝えられるところによると、日本も入つておるようなことを言つておりますから、いずれ話があるかもしれませんが、その前にわれわれも十分研究はいたしてみます。しかしまだ話もないうちから、断固としてどうするというようなことは、ちよつと早過ぎるように思いますので、おつしやるように相当日本にも大きな影響をもたらすべきフアクターを持つておるのでありますから、遠からざるうちにさらに詳細に申し上げる機会は、必ずあると考えております。
  39. 和田博雄

    和田委員 何とも言えないということで逃げられておるのでありますが、しかし、これだけアメリカ世界政策の根幹をなしておるもので、しかも当然極東が入れば日本も入つていることは明らかなのでありまして、その点については、いろいろと研究はされておるのでありましようが、やはりはつきりとした態度政府としてま、どうしても早く持たなければならぬのじやないかと私は思うのであります。相当事件が進んでしまつてから、何とかしなれればならぬ、こういうことでは、この問題については、どうもおそいように私どもは思います。ことに内容については、私は岡崎君とちよつと意見を異にしておるのであります。いろいろなものが加わつていることは私も十分承知しております。しかし一本に法律をまとめた、しかも朝鮮事変を契機とのてまとめたことからいつて、そうしてそれ以後に行われたいろいろの援助の仕方、あるいは援助を受けた国の情勢を見て、どうしてもこれは軍事援助が主だ。純粋の技術援助といつても、これは軍事援助が主であるということだけは、はつきりとしておいていただきたいと思います。なまなかな単なる経済援助というものではもはやないのであります。単なる経済援助であれば、これを一本にまとめる必要はアメリカとしてはなかつたのであります。ポイント・フオア自体といえども進まなかつたじやありませんか。それを軍事援助にまとめて、そして初めて世界をこれによつてやろうとしていることははつきりしている。私はそういう事実はいやしくも政治家たる以上は、大胆に率直にこれを認めて、そうしてその上にいろいろな政案を立てていただきたい。そういう点については、はつきりと私は保守党の人にもしてもらいたいと思います。事実を甘く見ずに、はつきりとした認識に立つて政治をやつてもらいたい。MSAについては、技術的にはまだこまかく私は聞きたいのでありますが、今のようにまだ研究中であるということでもございますので、MSAについての質問はこれで終ります。  それから、この点は外務大臣にお聞きせずに、むしろ農林大臣にお聞きしたいと思つてつたのでありますが、外務大臣の方でおわかりの点だけを御答弁願えればけつこうであります。実は小麦協定であります。小麦協定はたしか今年中には有効期間が切れるのじやないかと思うのですが、今小麦協定をめぐつて輸入国と輸出国と価格の問題について折合いがつかない状態であります。日本としては小麦協定には入つておるわけでありますが、こういつた問題について、今政府としてはどういうような態度で臨もうとしておられるのか、どういう方針なんですか。これは農林大臣がむしろ所管でありますが、外務省としてもいろいろ通商条約の点については関係がありますから、その点についてお伺いしたい。
  40. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これは御指摘のように、輸入国の方、すなわちイギリスの方で価格の問題で意見がありまして話がつかないのであります。しかしただいまのところ、それを除きますと、輸出の方は売るつもりでありますから、場合によつては割当量が多くなり得るという可能性もかえつて出て来たようなわけであります。われわれとしては、実は前の五十万トンをさらにふやして、百万トンあるいは百二十万トンもほしいというふうに言つておりますが、これはただいままだ交渉中であります。いずれにしてもふえることは確かでありましようが、価格にしましても、自由価格よりは安く入ることは確かであります。しかし決定はまだいたしておりません。
  41. 和田博雄

    和田委員 これは専門ではありませんからこの程度にしております。  最後に経審長官に外貨予算について一言お答え願いたいのです。今外貨予算は一体どういうようになつておりますか。
  42. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。外貨予算の状態がどうなつておるか、よく私まだ研究しておりません。ただ問題は、輸出輸入と比べますと、特需でカバーして国際収支を償つておるくらいの程度しか存じておりませんので、詳しいことは政府委員から申し上げます。
  43. 尾崎末吉

    尾崎委員長 ちよつとお諮りいたしますが、先ほど理事会で申し合せまして、本会議が始まつたら休憩をして、時間があつたらまた継続しよう、こういうことになつております。三時から本会議を開くことになつておりますが、御継続なさいますかどうですか。
  44. 和田博雄

    和田委員 まだ外務大臣一つと、それから今の外貨予算の点で聞きたいのですから、休憩してもらつて、本会議が済んでから継続いたします。
  45. 尾崎末吉

    尾崎委員長 それでは本会議終了後ただちに再開をいたすこととし、暫時休憩いたします。     午後三時四分休憩      —————・—————     午後五時三分開議
  46. 尾崎末吉

    尾崎委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  質疑を継続いたします。和田博雄君。
  47. 和田博雄

    和田委員 外貨予算についてお聞きしたいと思うのですが、大体二十八年度の外貨予算は、今どういうようになつておりますか。これはむしろ大蔵大臣にお聞きした方がいいかもしれませんが。
  48. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 外貨の現状でありますが、こまかい数字はあとから資料として差上げますが、大体申しますと、現在のところ米ドル八億五、六千万ドルと思います。それからポンドが三千五、六百万ポンド見当と存じます。オープン・アカウント地域のが一億二、三千万ドル、こういうふうに考えます。こまかい数字は資料として差上げます。それで現在のところ、上期に対する外貨予算の割当をいたしております。四月から九月までの外貨予算の割当をいたしております。これもこまかい数字はあとで差上げますが、大体十二億二、三千万ドルを輸入するものとして割当てております。それらでどういう物資をどう入れるかというごく概括的なものは、あとから表にして差上げます。但しどの地域からど入れるかということは、いろいろと向うと交捗等の都合もありまして、たとえばドルの地域からどう入れる、あるいはポンドの地域からどう入れるということは、まだ申し上げるのはどうかと思いますが、どういう物資を大体どう入れるかということは、表で差上げることにいたしたいと存じております。
  49. 尾崎末吉

    尾崎委員長 和田君に申し上げますが、通産大臣から、先ほど御質問の数字を答弁したいということであります。
  50. 岡野清豪

    岡野国務大臣 先ほどは、不勉強でございまして知つておりませんでしたので、今調べさせましたのを申し上げます。これは四月から九月、その間の輸入計画は十五億五千五百万ドルでございます。そこで輸入貨物予算としまして十二億二千五百万ドル、それから貿易外の予算といたしまして三億二千九百万ドルでございます。それから輸入貨物予算の地域別内訳を申し上げますと、ドル地域から五億七千九百万ドル、これを前年同期に比較いたしますと、約三千万ドルふえております。それからスターリング地域の方は一億九十九百万ドルです。そうして前年の回期に比しますと、一億五千万ドル減つております。それからオープン・アカウント地域は三億四千六百万ドル、これは一億五百万ドルの増になつておリます。それからあとは、御承知でもございましようが、ポンドが昨年七月一億三千万ポンドあつたのですが、その後減りまして、今三千万ポンドしかございません。
  51. 和田博雄

    和田委員 大蔵大臣、その資料は明日でももらえますか。
  52. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 明日差上げます。はおちよつと、前の通産大臣時分の記憶でありましたから、その後、なるべく新しい、四月末の数字を差上げたいと存じております。
  53. 和田博雄

    和田委員 資料は明日いただくことにしまして、その他まだ多少質問が残つておりますが、総理大臣との関連において質問した方が趣旨が徹底すると思いますので、私の質問は本日はこれにてやめますけれども総理大臣に対する質問は留保いたしておきます。なお関連大臣質問も同時にお願いいたしておきます。
  54. 尾崎末吉

  55. 今澄勇

    今澄委員 私は先ほど来の質問で、大蔵大臣のこの暫定予算に対する考え方、並びに引続き本予算についての見解を承つておりましたが、どうも了解することができません。私がまず大蔵大臣にお伺いしたいのは、就任の際、先般記者会見の談話において、新しい大蔵大臣は、インフレ政策もとらない、但しデフレ政策ではないのであるという談話がありました。この新大蔵大臣の談話は、前池田大蔵大臣考えておりましたディスインフレ政策というものと同じものであるか、それともこれとは違うのであるかという点について、御見解を伺つておきたいと思います。
  56. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 過日の新聞記事は、私に対してインフレに持つて行くかというお話でございましたから、インフレに持つて行くようなことは、日本の現段階では困る。それではデフレに持つて行くか。デフレでは日本の産業のために困るであろうから、インフレにも持つて行かず、デフレにも持つて行かぬということを、実は申したのであります。その際に私が、日本輸出増強のためにある程度の物価の引下げは、きわめて必要であるという点を申したのが中心であつたのであります。それで今、それでは池田氏と同じ考えかということを言われましたけれども、これはやはり人おのおの考えは違うと思います。池田君がお書きになつた均衡財政という本を私は読みましたが、大体ああいう考えを持つておりますけれども、私は私自身の言葉で申しますならば、財政と金融というものを、もう少し有機化して結びつけてやつて参りたい。たとえば財政投資等でインフレになるおそれのある場合には、金融面の方でこれを引締めて行く。あるいは政府の吸上げが非常に多いときには、金融面でこれをゆるやかにして行くというようなぐあいに、一口に申しますと、財政、金融の一本化というか、財政、金融の有機化で、一方では日本財政というものをあくまで均衡財政で持つて行くが、他面では増産その他の阻害にならないように持つて行きたい、こういうのが私の考え一方でございます。
  57. 今澄勇

    今澄委員 ついでに私は新大蔵大臣に、いわゆる超均衡予算の名のもとに従来行われて参りましたドツジ計画というものに関して、あなたは、今の御説明を聞くと、大分批判的な立場をおとりのようでありますが、どういう御見解であるかも、あわせて伺いたいと思います。
  58. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ドツジ氏の、いわゆる超均衡予算は、あの当時において日本に最も必要な政策であつた考えますが、今日においては、いま少しく幅を持つ必要があろう、かように私は考えて、ただいま申し上げたような御返事をいたした次第でございます。
  59. 今澄勇

    今澄委員 そこで私は、新しい昭和二十八年度予算案については、先般の流産予算を引続き大体踏襲して行くという御見解はすでに承りましたが、この新しい二十八年度本予算編成にあたつて大蔵大臣はこの予算を踏襲するのみでなくて、さらにそこにはいろいろと新しい財政投資の問題、社会保障制度等の問題があるが、まだ最終結論にはなつておらぬだろうと思いますけれども大蔵大臣としてのこれらの新しい費目についての見通し、その他についての御見解を伺いたいと思います。
  60. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 この問題につきましては、先ほどもお答え申し上げました通り、私は本予算提出の際に申し上げさしていただきたいと存じます。その理由は、たとえば三千三十億に上つておる財政投融資をどうするか、こういう問題がまだ確定いたしておりません。あの通りにやるか、それともそれを、まあ言葉で申しますれば、ふやすか減すかというような基本問題等は、実はまだ新内閣として相談をいたしておりませんので、本予算編成の際にこういう問題をとりきめませんと、その問題が申し上げにくいので、先刻来申し上げておる通り、こういう事柄については、本予算編成それも決して遠くはございませんから、その時期までお待ちを願いたいと存じます。
  61. 今澄勇

    今澄委員 そこで支出の面について、今いろいろ話を聞いてみると、確定はせぬが、やや増大するかのような印象を受けますが、私は二十八年度の流産予算をそのまま踏襲するとしても、財政規模九千六百五億円の維持ということは、その当時と現在とでは、すでに相当の時日が経過しておりますから、昨年十一月の物価、所得の水準を、現在と比べてみるときに、今の昭和二十八年度の流産予算の規模を持ち続けることがすでに困難ではないか。鉱工業生産の上昇率の鈍化、滞貨の増大、企業収益の低下等、現在のわが国の経済情勢というものは、この半年の変化を見ると、相当な深刻さであります。それで今の流産予算を維持するについては、財政規模を縮小してこそ、私どもは深刻な現在の経済情勢から大体妥当ではないかと思われるのであるが、昨年の十一月と違つた現在の経済情勢と、新しい本年度本予算との関連について、大蔵大臣はどういうような考え方でおられるか、お伺いしたいと思います。
  62. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ただいまの私の答弁が、さらに歳出予算を多くするような印象を与えたということでございますならば、それは私の用語の用い方が悪かつたと思います。私は決してさような考えを持つておりません。但しその後の情勢の変化に従つて、減ずべきものは減ずる。しかしふえておるものもありますので、ふえておるものについてはその調整をして行くことが必要だと存じますが、先ほども申した通り、まだ本予算に対する新内閣としての態度を確定しておりませんから、それまでしばらくお待ちを願いたいと存じます。
  63. 今澄勇

    今澄委員 それではこの問題はこれで終りますが、昨年の十一月に出されたときの本年度の国民総所得の推定、と、その後情勢がかわりました現在の経済規模における国民総所得の推定については、大蔵大臣としてはかわらないものという見解で本予算をお組みになるのかどうか、この点だけお伺いしておきたいと思います。
  64. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 まだ経済審議庁でこの結果を出しておりませんからわかりませんが、私は国民所得はそう減つていないというふうに実は考えております。なお私が経済審議庁におりましたときの感じから申しますと、あの数字はだんだんと月にふえておるのでありまして、このごろちよつと模様がいわゆる不景気の様相を呈しておりますが、国民所得全体として見ますと、たとえば給料の値上りその他各種の問題がございますので、そう減つていないであろうというふうに私は見ておるのでございます。
  65. 今澄勇

    今澄委員 この国民所得の点については、私はひとつ重大な御再考を願つておきたいと思います。二十八年度本予算作成にあたつては1名目減税の名において、実質上は国民総所得の増加ということの名前で増税が行われるような予算案で、常に中小企業者その他が困却をしておるのであるから、私どもは二十八年度本予算作成にあたつては、どうかひとつ政府は、自分から自由党時代に出された、いわゆる減税公債その他の公約にとらわれて、再び名目的なごまかし減税案等をとられることのないように、私はここで御注意申し上げて、本予算のときに重ねて大蔵大臣に伺いたいと思います。  そこで今度は日本の現下の当面せる経済事情について私はお伺いしておきたいと思いますが、まず何といつてもわが国の経済情勢がいかに深刻であるかということは、アメリカMSAに関する計画の中にも、日本経済はまことに深刻であるという一文が、本日の新聞に載つておるところを見ても、これは重大な問題であると思います。この日本の深刻な経済の打開をするには、かつてルーズヴエルトが行いました国内購買力の振起による、いわゆる国内市場の拡大をして切り抜ける道と、現在、西ドイツかとつております貿易中心主義の政策で、いわゆる貿易によつて生きて行く道と二つがあるのでありますが、新吉田内閣はこの際そのいずれの道をとつて日本経済再建、自立経済経済の回復をはかるのであるかという、この根本問題について、私は関係大臣、あるいは副総理がおられたならば副総理の御見解を承つておきたいのであります。
  66. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 副総理が見えませんから、一応私からお答え申し上げておきます。但し一応でございます。私は今今澄さんが言われたように、日本経済の状況が非常に重大なときであつて、お互いに何とかしてこの難局を打開して行くことに対しては、まつたく感じを同じくするものであります。もつとも難局ろいつても非常なパニツクでも起きたような意味ではございませんで、むずかしい意味の難局であります。その難局打開といたしましては、もずかしいこの時代の処して行く方法といたしましては、お話のように、海外に対する市場の拡大、貿易お伸張等をはかることはきわめて必要であり、これがたまにはよくいわれております通りに、いわゆる経済外交を強化して、古い市場の維持拡大に努めるとともに、新市場の獲得に努めなければならぬと思います。同時にまた日本の品物のコストが高くて国際競争力に欠くるところがありますから、このコストの引下げに努力しなければならぬと考えておるのでございまして、生産コストの引下げということは、日本の将来の貿易発展のためにはぜひとも必要なことで、私ども通産省在職中も、まず基幹産業である鉄、石炭等の問題について、さらにまた動力の点から電源開発等に重きを置きましたことは、ここに申し上げるまでもございません。従いまして各種の物価をだんだんと国際競争力をつけるように引下げて参ろう。第三には、何といつて輸出商社が強化されませんと、ちよつとした風波にも耐え得ないようでは困りますから、輸出業者の強化対策を立てておつたのでございまして、これらをそれぞれ輸出産業の振興という目安のもとに達して行くのでございます。但し国内におきましてのこともきわめて大切でございまして、国内で消費物資が非常に増加することは、私ども現在の日本の段階では望ましくございません。国内私企業の健全な発達ということは、非常に望まれるのでありますけれども、たとえば奢侈品、ぜいたく品、各種のものが国内で消費されることは非常に望ましくございません。しかし国内で日本の持つておる資源の開発とかあるいは今申し上げた電源開発もその一つでありますし、その他各種の資源開発の問題がございます。あるいは食糧増産なんということもその面であります。そういうような意味での国内での産業に対する各種の努力というものは、これは続けて参つて行かなければならぬ。ごく簡単に申し上げますと、さように考えておりますが、同時に一面、私ども日本の占領直後におきましては、敗戦その他のためにまずいろいろな物資を日本輸入することがきわめて重要であつたけれども、もう今日の段階になりますと、輸入物資も、ある意味から選びわけて輸入することにしなければいかぬのじやないか。もう少し言わしていただけば、ちまたにあふれておる高級自動車であるとか、あるいは向うでも着ないような高級な洋服が輸入せられておるとか、あるいはまた向うで飲まないようなスコッチ・ウイスキーが飲まれる、こういつたことははなはだおもしろくないのでございまして、お互いがもう少しそれらの点について真剣な態度をとるべきではないかということを、ごく概括的に考えておる次第でございます。
  67. 今澄勇

    今澄委員 今の国内資源の開発については、過ぐる国会において流産した予算案において、電源開発、あるいは石炭関係の縦坑の開発、あるいは鉄鋼、造船などの合理化資金、その他数々の重要な国内資源開発に関する予算というものはほとんど大蔵省で削られて、まさにあわれさんたんたるものとなつて自立経済予算がなかつたことは、当時の通産大臣であつた小笠原さんみずからが身に泌みてお感じの通りであります。私どもは、わが国内資源の開発についてはこれは今回は暫定予算でありますから詳しく申しませんが、少くとも今の政府予算の基本的な考え方、大蔵省の基礎的な考え方の中には、日本自立経済達成のためのこれらの国内資源開発に関する熱意はなきものである、かように思つております。新大蔵大臣はどうかひとつ通産大臣時代の実情を思われて、これらの問題について懸命な努力を尽される必要があるのではないかと思います。  そこで今お話の、貿易がやはり一番重大であるという、この貿易について私は昭和二十七年の貿易に関する実績をながめてみますと、昭和二十七年の貿易は、輸出の総計は二十二億八千四百万ドル、輸入が二十億三千万ドル、一見この貿易事情は非常はスムースのようであるけれども、その輸出の中には、正常なる貿易行為によらざる収入九億一千万ドルというものがあるのであるから、これは特需その他の不健全なものであるということになりますれば、まことに六億五千万ドルというものが現在は輸入超過であるという結論が出るのであります。これがいわゆる貿易第一主義えお唱えおうとしておる政府の、昭和二十七年度の結果であるということから思い至りますと、私どもは今後の世界経済の動向は、あと二箇年もすれば、アメリカ経済には大きな一つのストップが起りはしないか、世界的な経済の規模も縮小するであろうなどという見通しを持ちますと、この貿易の前途というものは、まことにわが国の運命に関する重大な問題でありますが、通産大臣並びに政府の責任者は、いかなる手段をもつて今後のこれらの国際収支のバランスに手を打つかということが、当予算委員会において私はまず取上げるべき最も重大な問題であると思います。この点についてひとつ関係相並びに責任者の御答弁を願いたい。副総理と、できれば外務大臣も要求してあるのであるから、委員長呼んでもらいたい。
  68. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。お説の通りに、まつたくあなた方の御心配とわれわれと憂いを同じゆうするのであります。昨年度の貿易情勢を見ましても、これはただいまおあげになつたように、昨年度輸出は十一億六千八百万ドル、輸入が十七億九千万ドル、ちようど六億二千二百万ドル輸入超過になつております。これを何で埋めて国際バランスをとつておるかと申しますれば、御承知の通り、特需の七億八千万ドルというので埋め合せておるわけであります。ただ私どもといたしましては、これはむろん特需が急激になくなつてしまうということはないと考えておりますけれども、もともと臨時的な突発的な収入でありまして、その臨時的収入をもつてわれわれが生きて行かなければならぬ、十七億九千万ドルをこの七億八千万ドルも受持つてバランスを合せなければならぬという日本貿易の現状は、まことに痛嘆にたえないところであります。どうしても正常貿易によつて輸出入のバランスを合せて、同時に国民生活の向上をはかつて行くように、輸出入計画を立てて行かなければなりません。これにつきましては、政府としてもいろいろ苦心をしているわけであります。そこで問題は、急激にとも行きませんけれども、できるだけ早く、すなわち早くと申しますことは、特需のなくならぬうちに正常貿易に引きもどして行く方策を講じなければならぬと思います。これにはいろいろな露がございまして、昔のように今日はよい品物で安い物ができれば幾らでも飛んで売れて行くような世界情勢ではございませんで、いくら品物がよくて安くても、これを受入れる方で輸入制限をされますと、何らの効果はありませんので、第一段といたしましては、世界的に割高であると称せられておる日本の物価のコストを下げるということが一番大事なことである。同時に今度は、下げもしますけれども、受入態勢、すなわち輸出相手国に、外交交渉によつて、そうしてこれをできるだけ打開して販路を獲得して行きたい、こう考えるものでございまして、外務省といたしましてもそういう点に努力もいたして来ておりますが、ますますその努力を続けなければならぬ、こう考えます。私どもといたしましては、まず外交交渉でそういうことをしていただくと同時に、またもう一つ日本の商品というものが、十分相手方に認識をしてもらつていない、こういうようなこともあるように思います。一例を申しますれば、東南アジアの市場のごときものは、これは今まで輸入が二割くらいでございます。それから輸出は三割という割合を保つて、われわれの将来の貿易の中心をなすものじやないか、こう考えております。ところがそういうところにおきましても、日本の商品というものの真価をよく知つておらぬ。また取引をどういうふうにしていいかよくわからぬということでございますから、われわれはできるだけ外交交渉によりまして、向うへ入国が自由にできるようにし、また向うへ経済使節団でも行きまして、いろいろ宣伝もし、また二十八年度予算ちよつと触れてはおいたのでございますが、技術相談室というようなものを向うへつくりましてそうして向うでいろいろプラントとか何とかいうものについて、日本からの輸入を希望しておるものに対して指導をし、またお互いに技術を交流するというようないろいろな手を打つて、とにかく輸出貿易をうんとやらなければならぬと思います。そういうふうにして行きまして、おいおいに、と申しましても、あまりおいおいで長く待つているわけに参りませんけれども、できるだけの努力をして行きたいと思いますが、ただいまのところではまだ輸入制限をうんとしなければならぬというところまでの結論は出ておりません。けれどももし方策としまして必要ならば、私はある程度の輸入制限もしなければならぬというようなことも出て来るのじやないかと思いますが、まだ十分私研究しておりませんうう、至急にそういうことを研究いたしまして早く結論を出したい、こう考えております。
  69. 今澄勇

    今澄委員 今のお話のコストの引下げが一番重大であるということになると、今日本輸出産業は軽工業的なものから重化学工業にその規模が大きく変革をいたしておるときでありますから、重化学工業のあらゆる原料である石炭高ということが、日本のコスト高の一番重大な根本問題である。そこで私は一例として、しからば石炭を取上げるならば、日本の石炭が現在どのような状況であるかということは、新通産大臣もすでに御承知のように、今年の六月末に約一千万トンの貯炭を予想せられ、さらに加うるに三百六十万トンの外炭輸入の計画があり、しかも重油によつて日本の燃料政策を助けんとする政府態度によつて日本の石炭の炭価が非常に下つて来つつある。この現状から見て、御説のように確かにコストの引下げになりつつある。だが片方ではこの石炭に対して、これらの中小炭鉱のいわゆる経営難、合理化その他のために、生産を一応制限して、現在の出炭を多少とも制限をするとか、あるいはいろいろこの石炭の値段が下りつつある現実を食いとめるがごとき通産省の政策が行われるやに論議せられておる。これは、石炭一つつてみても、コスト引下げの、いわゆる輸出産業中心の政策が、それを強行すれば中小炭鉱業の崩壊、わが同経済の現実の苦難に行き当つて、いわゆる自由経済の原則に基く自由競争の名においては、石炭一つすらこのコスト引下げの問題がなし得ないというジレンマに私は今の政府があるものであるということを雄弁に物語ると思いますが、ともあれ新しい通産大臣の石炭産業に関する政策、炭価の引下げに関する基本的な考え方、これらの炭価の下落から来る日本のいわゆる炭鉱業の重大な、深刻なこの様相に対して、あなたはいかなる見解を持つて、この輸出の重大課題であるコストの引下げにこたえられんとしておるか、ひとつ根本的な考え方を承りたいと思います。
  70. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。ただいまお説のように、石炭の問題は最近非常に大きな問題になつております。昨年のストライキによつて非常に貯炭が少くなりまして、むしろない方を非常に心配しておつたのでありますが、ただいまの現状といたしましてはむしろよけいになつておる。御説の通りに、一千万トンとも行きませんが、近い将来に相当の量の貯炭が出て来る。しかもコストが下らない、こういうことでいろいろ苦心しておるわけであります。それで先般の二十八年度の流れました予算におきましては、大きな方の業者につきましてはコスト引下げという目的のために、約四百九十億くらいの予算を組みまして、二十二企業体に対して七十九の縦坑を掘つて行く、こういう計画をいたしたのであります。こういうことで大体二割ないし三割程度のコストの引下げができる見込みでございます。また中小企業の炭鉱あたりは、これは機械設備が非常に古いものでございますから、いい機械を入れて、そうしてこれのコスト引下げをする。これには三十億ほどの金を投じまして機械を設備させる、こういうことになつておりましたが、しかし中小企業というものはそれだけでは行きませんので、いろいろ金融の方面におきまして困難をしておりますから、金利の引下げ、あるいはもう少し行きまして税の方でもこれを緩和するとか、いろいろな手を打ち、また短期で金利の高いもので泳いでおりますものは、これはひとつ長期に切りかえて低利でこれをまかなつてやるというような、いろいろな方策がございましようが、そういう意味におきまして、炭価につきましては一応の計画を立てておりますが、私新しくその方の担当者になつておりますので、もう少しいい手はないかとただいま目下検討中でございます。
  71. 今澄勇

    今澄委員 今の御答弁でありますが、昭和二十八年度予算においては、昭和二十八年度から五箇年間で七十九本の採炭用縦坑に対する五百億の長期金融の計画は、大蔵省の産業資金計画によると、三十億の開銀融資というようなものが二十八年度の計画であつて、縦坑開発に関する今のあなたのお答えとは根本的にその様相は違つておるということを、ひとつ新通産大臣に私は申し上げておきたいのであります。現下の石炭産業のこういう状態では炭価は下らない。大して下らないにもかかわらず、炭鉱企業は危機に臨んでおる。大炭鉱に対する縦坑の金についてはかくのごとき現状である。しかもその予算案は、新大蔵大臣は大体前年度を踏襲すると言う。私は日本の置かれた現在の経済的な規模の中で新通産大臣の今の御答弁は、まるきりその実態から離れておるものであるということを御指摘申し上げまして、ぜひひとつこれらの矛盾にからんだ日本の炭鉱事業についての基本的な政策を立てられたい。そこで私は、輸出産業関する石炭補給金を通産省は今度取上げておるが、いわゆる輸出産業助成のための補給金というものはどういうふうに考えられておるかという点について、簡単に御答弁を願つておきたいと思います。
  72. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。補給金の問題は各種の産業にいろいろと要望があります。またそうしなければ急激なコストの引下げはできぬというような点もございますが、補給金を出すことはいろいろ利害得失がございまして、大きな目からコスト引下げ至上主義ということになりますれば、万難を排してでもそれに必要なことをやらなければならぬと思いますが、経済全般とよく兼ね合いまして研究を要することであると思いますので、これも急速に研究いたしまして、近いうちに結論を出したいと考えております。
  73. 今澄勇

    今澄委員 そこでこれらの産業合理化に関する労働問題について、労働大臣を呼んであつたが、きようは来るのか来ぬのか、それからかような貿易に関する経済外交の問題について、私は外務大臣の出席を求めておつたが、委員長は了承したが、これも出て来るのか来ぬのか。来ないということになるならば、あした私は引続き質疑をいたしたいと思うが、委員長の所見を伺つておきます。
  74. 尾崎末吉

    尾崎委員長 ただいま御要求の大臣は連絡中でありますから、ほどなく参ることと思つております。
  75. 今澄勇

    今澄委員 それではその聞私は通産大臣並びに大蔵大臣に、日本の燃料政策並びに石油の問題について一言お伺いをしておきます。世界の石油の五〇%は中東から出ておる。生産量は今は二五%であるが、アメリカは五〇彦を生産しておるけれども、これはアメリカの需要によつて輸出の余力は少いといわれておる。東南アジア貿易、東南アジア貿易総理大臣がしきりと唱えておるが、今、中東におけるイランが、石油国営を断行して、世界の石油カルテルから独立した姿において、石油を世界の市場に出さんといたしております。そこで政府の基本的な燃料政策はさることながら、イランから出されておりまする石油が、日本の一商社によつて買われておるのであるが、ここにイランに対する石油の買付が、世界の石油の生産市場であるイラン、中東と、石油の消費国である日本とが手を握つて行くということは、純経済的な観点から見るならば、大いに日本輸出を伸ばすためにも必要であり、日本の石油の消費のためにも、石油カルテルに対する大きな一つの圧力として必要であると思う。日本の石油カルテルの現状を見ると、御承知のようにわが国のおもだつた石油会社は、シェルあるいはスタンダード等の外国カルテル商社によつて、その株式の五〇%をとられておるのであるが、このイランから日本の一商社が買つた石油について、政府が今考えておる見解と、この問題が大きく議論され始めるや、外貨の割当において、石油に対する外貨の割当一億一千万ドルの中で——今年の五月から、外貨は従来は自由に使用されておつたものを、イランに関する限りにおいては、外貨の使用を禁止したという通産省の措置は、いかなる理由に基いてとられたものであるか、この二点について、通産大臣からでも大蔵大臣からでも責任ある答弁を私はひとつお願いしたいと思います。
  76. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。これはお説の通りに、石油というものは石炭にかわる非常に重要なる原料でございます。できるだけ安いものを買うことは、日本の産業合理化に、またコスト引下げに役立つものと思います。でございますから、イランの石油が安く買えて、そして自由自在に入つて来るということは、非常に経済的に望ましいことでございます。ただ問題は、今御承知のように国際的にイランと英国との間が長い紛争を続けておりまして、だれが仲裁に入つてもこれがうまく行かない。しかも両方ともいがみ合つているということでございます。そういうような感情に基きまして、イギリスといたしましては、イランの石油を日本が買うということに対しては、非常に困ることであるということで、ああいう問題が起きたのであります。そこでこの問題につきましては、私ども経済省の関係といたしましては、安いものは買いたい、しかし、また貿易全体の面から見ますと、イギリスの感情を害して、ほかの直接の関連はございませんけれども、これが紛糾するために、ポンド地域並びにイギリス方面との貿易に重大なる支障が起ることになると、それでは小さいものにこだわつて、そうして大きな利益を失うという点も考えられますので、一に外務大臣にその交渉をゆだねて、円満なる解決をしていただきたい、こう考えておる次第であります。
  77. 今澄勇

    今澄委員 そこで私は重ねて通産大臣にお伺いをいたしたいのは、イランから買い入れた石油について、アングロ・イラニアン会社から提訴がありまして、本日裁判所において、盗品であるかいなかということについての判決が下るのであります。この判決の結果、イランの石油はイランの国の所有のものであつて、自由に買つてさしつかえないという判決が出た際は、わが国の通産省は、外貨の割当、いわゆる五月から賢い始めましたイランの石油に関しては、外貨の使用を停止したという措置をとつておるのですが、この措置を改めるかどうか、この点をひとつお伺いしたい。
  78. 岡野清豪

    岡野国務大臣 私、まだ確認はしておりませんけれども、これは却下になつたということをうわさに聞いております。多分きよう出るのではないかと思いますが、そういたしますと、われわれは先ほど申しました原則に従いまして、できるだけ日本経済の利益になるように措置をして行きたい、こう考えております。
  79. 今澄勇

    今澄委員 大体アメリカにおいては昨年の十二月六日、アメリカの全業者に対して、イラ、からの石油の輸入については自由に輸入をしてさしつかえないという通達が出ておるのであります。しかもわが国においてはかように石油が高い。しかもイランはタンカー百万トンを初めといたしまして、繊維、機械、鉄鋼、コム等二十六品目にわたる尨大な数量を外貨を要しないバーターによつて石油をやろうといつているのである。しかも裁判は却下になるというような、大体イランの国の所有であることを認めるという現実の状態のもとで、本年五月通産省は何ゆえにイランに対する外貨の使用を禁止したのであるか、この点についてひとつ責任ある答弁をお願いしたいと思います。
  80. 石原武夫

    ○石原政府委員 ただいま五月一日以降イランの油の輸入を禁止したというお話でございましたが、通産省といたしましては、イランの問題がありました以後、今期の石油の割当にあたりまして、一応問題が外交的に問題になつておりましたために、油を入れます各申請会社から、いずれの地域から輸入するかということの希望をとつたわけであります。その際すべての輸入の割当を受けました会社からの申請は、イランを積出し地として希望して参りましたところはございませんでした。従いまして各申請の希望地を指定いたしまして、外貨の割当をいたしたのであります。今後かりにイランから油を入れたいという希望の申請が出て参りました際に、いかにするかということが続いて問題になりますが、これは先ほど大臣から御説明をいたしましたように、十分外交的な問題、経済的な問題等を検討して決定をいたしたいというふうに考えております。
  81. 今澄勇

    今澄委員 先ほどの大臣答弁は、日本に安い品物が入るということは、経済的な行為の上において妥当である。しかしながらこれが裁判されて、国際的な紛争になつておるから、今われわれは考えておるのである。けだしこの事件が裁判所において却下になつたとするならば、われわれは既存の方式によつてこれは明らかである。結論すれば、外貨の割当をイランの石油についても与えることになるものと私は了解しておる。今のあなたの答弁とは少し食い違いがあるが、さように了解して可なりやということを重ねてひとつお伺いいたします。
  82. 岡野清豪

    岡野国務大臣 どうも私口下手でありまして、私の申し上げましたことがはつきり徹底しなかつたのではないかと思うのですが、こういう私の考えなんです。まあ世の中と申しますものは、りくつ三分で感情七分のものであります。そこで、たというくつが通りましても、感情を刺激すると損をするということである。これはどんな場合でもそうである。そこで私の考えておりますことは、できるならばうんと安いものを買いたい、これは希望であります。しかし、その安いものを買いたいという希望が、ある一つ方面を刺激して、商売上の大きな利益を失うかどうかということは、これは天びんにかけて判断しなければならない、こう申し上げたのでありまして、これが却下になつて自由自在になつたから、ほかのすべてのスターリング・エーリアで不利益をこうむつても、それでやつて行こうということは、私は責任上できない、こう申すのであります。
  83. 今澄勇

    今澄委員 さらに通産大臣にもう一つお伺いいたしますが、最近ソ連とのバーター取引に関して、民間商社二、三社から通産省に許可の申請が出ておる。このソ連とのバーター取引に対して、通産省は大体許可の意向であるとわれわれは聞いておりますが、このバーター取引を通産省は許可するかどうか、これについて、ひとつ私はこれまた責任ある御答弁を願いたいと思います。
  84. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。そういう話がございまして、いろいろ向うから来る物、こちらから出す物を研究しておりまして、そうしてその条件が合いますならば、私はやつてもいいことと自分考えております。
  85. 今澄勇

    今澄委員 私は今のイランの石油について通産大臣答弁は、どうも明確でなかつたが、私どもはイギリスとの間におけるいろいろの問題は、外交折衝によつて、これを調整し、イギリス政府が申し立てて参りました裁判というものは、これが横車の、まことに無理じいなものであるということは事実でありますからして、われわれはかよりな観点からするならば、ソ連とのハーター取引も許されるのに、イランの石油が何ゆえ買えないのかということについて、多くの日本国民が疑問を狩つであろうと思います。どうか通産省はわが国の燃料政策並びに日本の仁炭を含めた石油、石炭等の、いわゆる重要産業についての国内的な石油政策日本の石油精製に関する政策——現状のもとにおいては諸外国の石油カルテルは、日本に石油の原料を供給してもうけ、さらにそう精製事業をしてもうけ、さらに五〇%の株を持つて、その配当を受けるというような、実に日本の石油工業というものは、外国商社のまことに言いなりであるというこの現実を、私は通産大臣はつぶさに御検討願いまして、日本の石油政策の上に一段と明確なお答えを本予算編成の際には私は望んでおきます。  そこで、お見えになりました外務大臣に、私はこのイランの石油の問題について、イギリス当局並びにイラン等等との折衝、さらには外務省の見解等について御説明願いたいと思います。
  86. 岡野清豪

    岡野国務大臣 イギリスの主張は、御承知の通り、イランの国有は認めるにしても、それに対する保障が適正でなければ、事実上国有は実行できないものであるという主張をいたしておるようであります。この主張の当否は両国間の係争問題でありまして、ほかの国もこれに対する仲裁を試みようといたしておる現状でありますので、どちらが正しいということを、いずれの国といえども今判断することは困難であろうと思います。そこで事実上は、イギリスはこの石油を自己の所有であるとして、これを買つて来た者に対しては、あらゆる機会に訴訟を起しておるのは実際の事実でありまして、要するにそのあとの処置としては、これは安いイランの油を買い入れることが得であるか、それとも日本全体の貿易等に関する支障を取除く方が得であるかという判断の問題になつて来ると思います。そこでただいまのところは、通産大臣お答えのように、その判断をいかにするかということは、今後の問題になつておりますが、今までのところは、すでに外貨を割当てたものであるからいかんとも政府としてはいたし方ない、こういう主張をいたしておりまするが、イギリスはまだ必ずしもそれを納得しておるとは考えておりません。
  87. 今澄勇

    今澄委員 今の問題について、もう一点だけ外務大臣にお伺いしておきますが、政府がいうところの東南アジア貿易というものは、経済的ないわゆる供給需要の関係が大きな要素であるとともに、最近独立をなし、さらにはまた、近く民族独立をなそうとする独立意欲の強いこれらの国民が、東洋の先進国であり、東洋の独立国である日本のあり方を重大関心を持つてながめておりますることま卸吹田D直りでちります。今回イギリスが申出でましたアングロ・イラニアン会社その他の要求は、もし日本の裁判所が決然これを却下するものとすれば、これはイギリスの方が横車であつたということになる。この横車に東洋の独立国日本が何らの対策も、その国の最も重大な燃料政策も投げ捨てて、唯々として従わなければならぬということになるならば、東南アジアの各国は、日本との貿易の上においては、これが大きく心理的に阻害をするものであるということを私はおそれるのであります。だから利害得失いずれが可なりやという問題の上には、こういう東南アジア諸国の民族独立の動きと、しかして日本に対する期待と、しかも日本の現状というものを並べてながめるならば、外務大臣としてはこの際決然たる態度が必要であると思うが、これらの問題についての外務大臣の御見解を承つておきたいと思います。
  88. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 お説のような気持は、東南アジアの諸国にあることは私もよく認めております。しかしイギリスとの間の話も裁判上の問題はこれは裁判所のことでありますから、別問題でありますが、元来日英同盟の昔から非常に友好的な関係にあるのでありまして、その後戦争によつての変化はありますけれども、ただいまも皇太子殿下が渡英しておられまして、非常に大部分のイギリス人からは歓迎をせられて、日英の関係もくれにいつて好転しつつあることは事実と考えます。従来ましてこの問題も必ずしも権利義務とか、あるいは理論的な抗争を行うことのみが解決の全部ではないと考えておりまして、その間には友好的に話合う余地が十分あると思つております。従いまして先般出先の問題が起りましたとき以来、イギリスの大使に対しましても、また日本の大使がイギリスの外務省に対しましても、いろいろ事情を説明しまして、相互に納得すべく努力をいたしております。私は日英の友好的な関係を推進することによつて貿易等も当然もつと発展し得べきものでありますから、できるだけこの方面によつてイランの問題も解決する方向に向いたい、その開には今おつしやつたような日本の独立を阻害されるようなこともなければ、またイギリスの方の主張を全然無視するということもなく、解決でき得るものと今のところは信じて、その努力を続けているような次第であります。
  89. 今澄勇

    今澄委員 今の御答弁で、この石油の問題はちよつと話がこまかくなりましたので、この辺で切上げますが、しからば外務大臣は現在イギリスの国会においてチヤーナル氏なり、アトリ治氏等がいろいろアメリカのあり方について発言をなし、さらにまたアメリカにおいても非常にイギリスに対する発言が盛んでありまして、日本外交の基調は最近この米英両国の姿から見ると、何か考えさせられなければならぬものがあると思います。東南アジアに輸出の一番大事な市場を求めるとすれば、やはり東南アジアの民心というものも考えなければならないが、この米英の対立と、特に最近韓国の大統領と国連軍司令官とが朝鮮休戦会談並びにその方途において、著しく見解の対立を来しております際におけるわが国の外交のあり方として何か考え、方針を改心て行くべきような問題はないのか、この点について外務大臣の御見解を承つておきたいと思います。
  90. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 お話の趣旨は、たとえばイギリスの議会でも、アメリカの議会でも、自由に相手国の批評をし、場合によつては攻撃をしているじやないか、また韓国の大統領も強く自説を主張して譲らないじやないか、日本も同様の態度で行くべきであろう、こういう趣旨ではないかと思いますが、私はその点はまつたく同感でありまして、日本国会といえども自由に論議をされることは、これは当然のことと思います。また日本の利益に非常に多くの関係のある事項であれば、もちろん政府としても十分なる強い意思を持つてこれに当るべきは、これまた当然だと考えおります。いろいろ議論もありますけれども、たとえば現内閣、あるいは前の内閣も自衛力の問題等につきまして、常に同じ主張を繰返して、ずつと堅持して来ているのでありますが、重大なる国の利益に関係のある事項となれば、自己の判断によりまして強い主張をいたすべきが当然と考えております。
  91. 今澄勇

    今澄委員 私が求めておるのは——われわれは何ものにも恐れ議論をしているのであるが、政府の責任者であり、外交の責任の衝にあるあなたが、こういう国際情勢から、日本外交のやり方としては、アメリカだけに追随するとか、イギリスの思惑を恐れて石油も輸入できないというような日本外交方針を、何とか強力な筋の通つたものにすることができないかというのか、私の質問の要旨でありまして、こり際政府は、アメリカの要望にのみこたえ、あるいはイギリスの経済的な圧力におびえるというようなことでは、門もできないのではないかということを聞いたのであります。日本貿易の不振の大半の原因は、この日本経済外交の現実にあるということを指摘いたしまして、外務大臣の御見解をもう一度承つておきたいものであります。
  92. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 お話の趣旨はよく私もわかるのであります。ただ一つ考え願いたいことは、日本経済は必ずしも独力で、いずれの国の反対があつても国民の生活をゆたかにできるだけの実力をまだ備えておらないのは、私は事実だと思います。従いまして、その間に、りくつがなくとも、日本経済の発展のためには、必要と思われる措置をとらざるを得ない場合もあると考えるのであります。ごく卑近なことを申しますれば、たとえば、これは妙な話でありますが、アメリカ経済力のほんの一部にしても、東洋において日本と競争する立場に立ちますれば、日本の産業はおそらく非常な打撃をこうむるだろうと思います。従いまして、いろいろの考慮が日本経済維持して行くために必要なのもこれは事実でありまして、はなはだ、残念でありますが、その点はわれわれも考えざるを得ない点であります。しかしお説のように、重大なる国の利益に関係あることならば、これは当然強く自己の主張を堅持すべきものとかたく信じております。
  93. 今澄勇

    今澄委員 そこで私が外務大臣にもう一つお伺いしておきたいことは——MSA援助の問題は、今正確な報道と申入れがないのであるからという、先ほど来の御答弁を承つておきますが、ただ一点だけ聞きたいのは、行政協定による防衛支出金の負担を日本の国はアメリカの駐留軍に対していたしておるのである。一億ドルないし一億五千万ドルというような防衛支出金の総額は、この一億五千万ドル程度のMSA的な援助の金額で、大体埋め合うのであるが、今の政府のやり方ならば、せめてこの行政協定の改訂をされる機会にアメリカ当局と折衝して、かような形式における日本の防衛支出金の全額を、アメリカ負担というような方向に交渉をお進めになる御意思があるかどうか、お伺いいたしておきたいと思います。
  94. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 MSAの問題は、今おつしやつたように、まだ何ら決定に至らない話でありますので、かりにこれの援助を受けると仮定いたしましても、どれだけの金が来るのであるか、これもはつきりいたしませんし、またそれがかりに一億五千万ドル来ると仮定いたしましても、それが物で来るのか金で来るのか、これもまだ何らわかつておらない状況でありますから、これとこれとを引きかえにというような意見は、私はここで述べることができないのでありますが、一般に行政協定に基く防衛分担金は向うに全部おぶさつたらどうか、こういう御意見でありますれば、私はむしろ非常に苦しい財政ではありますけれども、できるだけ日本の金でまかなうような措置の方が、かえつてその間に日本発言もできるのであつて、全面的におぶさつてということは、私は国としてははなはだ残念なことだと考えております。但しそれは、何も国民の負担をよけいふやそうという意思では決してありませんけれども、リーズナブルな範囲においては、やはりわれわれはわれわれとしての分担をいたすということが筋の通つたことではないか、こう考えております。但しそれと別に、何らかの意味援助的のものが来るならそれはけつこうでありますから、できるだけ努力をいたすつもりでおりますが、それにいたしましても、たとえば特需が非常に来たといたしましても、これにおぶさつて日本経済はこれで大丈夫だというわけにも参りませんので、結局は自立経済ということを早くやるように努力するよりほかにないと考えております。
  95. 今澄勇

    今澄委員 当然アメリカが負担しなければならない防衛支出金をこちらの方で出しておいて、そうして援助を受けるからというて軍事的なあらゆる要請を日本に求められて、それを検討しなければならぬというような政府外交的な態度というものは、今あなたのおつしやつた自分の方で出した方がよかろうなどというような御見解と現実はまさに百八十度の相違で、この際私どもは、必要なきこれらの支出を切りつめて参るということが、政府の方針でなければならぬと思います。われわれはこれらの防衛支出金というものは不要であると考えておるのであるから、アメリカ駐留軍の問題についても、即時本国へ帰還を願いたいと思つております。別段われわれは希望しておるものでないが、政府としては、少くとも私どもは、かような交渉も、やはりこういつた外交的な一つの雰囲気ができたときにはとらえてやるということが、外務大臣として必要ではないかということを申し上げたのであります。  なお労働大臣、副総理はお見えになりますか。
  96. 尾崎末吉

    尾崎委員長 今澄君にちよつと申し上げますが、申し合せの各派持時間の関係もありますし、本日なおほかに質疑者も控えておられますから、御質疑をつとめて簡略におとりまとめを願つて、他の質疑者のことも御考慮願いたいと思います。時間の点もお含みの上で御質問願いたいと思います。
  97. 今澄勇

    今澄委員 ぼくは労働大臣を約束して委員長もよろしいと言つたが来ない。副総理も約束して来ると言つたが来ない。黙つてつておるのも時間がもつたいないから、こうしているく質問しているのであつて、あなたの方の職権でもつて大臣を呼ぶことができないで、そうして国民代表の発言を時間で持つて行つて制限するというような物の言い方は、予算委員長としてあるまじき見解であると思う。理事会で、大臣を呼んでくれるかと言つたら、必ず呼ぶ、きよう大臣は昼から来ると委員長も言つた……。
  98. 尾崎末吉

    尾崎委員長 誤解がありますから、ちよつと申し上げます。先ほどは、本日出席しておられる大臣に対する御質疑を願うということで、和田君の方もそういう点を御了解を願つてつたのであります。従いまして、おやりになることを決して権限でとめるのではありません。ただ各派申し合せた持時間の関係もありますので、義侠心でおやりになつてあとで持時間がなくなつてしまつたということでは、他の大臣に対する御質疑がどうかということで申し上げたのであります。決して権限でとめるのではありませんから、その点は御了承を願いたいと思います。ちよつと速記をとめて。     〔速記中止〕
  99. 尾崎末吉

    尾崎委員長 速記を始めて。それでは今澄君に御了承願いますが、他の大臣に対する質疑は保留を願います。
  100. 今澄勇

    今澄委員 他の大臣に対する質疑は保留してあした伺います。
  101. 尾崎末吉

    尾崎委員長 それでは世耕弘一君。
  102. 世耕弘一

    世耕委員 私は最初にまず大蔵大臣通産大臣お尋ねいたしたいと思います。簡単にお尋ねいたしますから、簡単にお答え願えばけつこうだと思います。  最近の日本経済の実情をながめてみますると、非常に悲観的な面が多いようにわれわれは察さられるのであります。換言すればすなわち生産部面が行き詰まつて、消費部面が意外な発展を遂げつつある、かような現状であります。かくのごとき実情がもし継続するとするならば、日本の産業経済ははなはだ憂うべき現状に立ち至るのではないか。この点について通産大臣並びに大蔵大臣はどういう心構えでこの問題を解決しようとなさつておられるか。この点まず最初にお尋ねいたしたいと思います。
  103. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。消費がほぼ戦前のレベルに達したというようなことも言えるのでありますが、それがとにかく何でまかなわれておるかと申しますと、これは日本の生産そのものでなくて、やはり特需とかなんとかいうような方面でカバーしているからだと思います。私どもといたしましては、今後日本自立経済を確立して行くという意味におきましては、貿易のバランスを正常な取引によつてつて行きたい、こう考えます。そういたしますと、あるいはぜいたくな消費というものは少し抑制でもしなければならぬ、こういうような考えを持つております。まだ就任早々でありまして、いろいろなフアクターを調べておりませんから、そういう点を研究いたしまして確固たる方策を講じたい、こう考えております。
  104. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今の日本の財界の状況については、大体お話のごとく悲観的な要素が相当あることは事実であります。しかし目下あらゆる方面に対する努力も払われており、また今の現状のうちには、予算の執行が遅れておるというようなことも相当大きな作用をしておるように思います。過日御配付申し上げたように、私どもいろいろ金融措置はとつておりますけれども、本予算が通つておる場合と少し違いまするので、この点に少し原因があるのじやないかと思いますから、近く本予算等が通過いたしますれば、よほとその点明るくなつて行くのじやないか、かように考えておる次第でございます。
  105. 世耕弘一

    世耕委員 少し掘り下げてお尋ねいたしますが、最近金融機関である銀行、これに類した金融機関は盛んに支店、出張所の建築をやつております。厖大な建築をやつておる。また保険会社も同様大きな建築をやつておることは私の目に映ると同様に大臣の目に映つているだろうと思う。これは統計面からごらんくださつたなちばその数字は明らかになろうと思いますが、これは国民の反感を買つております。それはなぜかと申しますと、中小企業関係者が金融難に陥つておる。今日約束手形の不渡りが逐次増加しておるということは目をおおうわけには行かない現状だろうと思う。かような際に銀行といえどもこれは大衆の預金、保険会社また大衆の預金、私は産業資金に振りまいてその余裕のある場合に、建築資金にまわすならばおのずから経済的な道徳が許されると思いますが、少しこれは行き過ぎた行き方ではないか、かような点に関して通産大臣並びに大蔵大臣はどういう指導をなさつておるか。これはただ一部分にすぎない、こう判断なさつておるかどうか。やむを得ずさようなことをしておるのであるかどうか。この点について具体的な御意見を——私いい悪いということの結論を今出そうと思うのではありません。けれども目に映つておるわけですから、この点について御答弁が願いたいと思います。
  106. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 御指摘のごとくに銀行、保険会社等がそれぞれ建築を営んでおることは事実でございます。これにつきましては私どもの方でも、戦災で相当被害を受けたあとの復旧に要するもの等もございまして、これについてのことは認めておりますが、大蔵省の方針としては、これは私の就任前からのことでございますが、でき得るだけ簡素にするようにということを申してそういうふうに指導をいたしておる。但し指導はいたしておるが、同時に金を使つたらいかぬといういわば資金統制ということは、まだ法律上の根拠をもつてつておるわけでございませんが、そういう指導はいたしておるのでありまして、今後とも中小企業等につきまして、政府の資金を効率的に使つてもらうということは、銀行業者こ最も望ましいのでありますから、今後は大体お考えのようなぐあいに強く持つて参りたいと考えております。
  107. 世耕弘一

    世耕委員 さらに簡単でございますがお尋ねいたしたいと思います。現状から行きますと、事業会社がいろいろな経済的困難に陥る傾向をたどつておるのでありますが、そういう関係から、あるいは資金獲得の意味からでもありましようと思いますが、資産再評価等の形をもつて増資の形をとりつつあるようであります。これも産業面から見て堅実な再評価とその資金の運営のよろしきを得れば、まことに国家財政のためにも、また国民経済のためにもけつこうだと思いますが、われわれの研究するところによると、いかがわしい再評価、増資等の傾向があるやにわれわれは感ずるのであります。こういう点について御調査を進められたか、あるいは今後の大蔵大臣また通産大臣としてのお考えはどういうふうにお持ちになつておるか。さらに進んで、時間を省略する意味においてお尋ねいたしたいのは、造船あるいは鉄鋼その他の事業関係が、必ずしも前途楽観を許さないという実情であります。これにからんで金融面にもある一つのトラブルが起るのではないかという感じもするのであります。そういう点について今日からもすでにその見通しとその対策を立ててしかるべきだと思うが、新任早々の大臣諸公にこういうことを具体的にお尋ねするのはどうかと思いますが、一応それに対する御所信がおありでしたら、お示し願えればけつこうだと、かように思います。
  108. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 資産再評価の問題につきましては、さらに第三次の再評価についていろいろな意見が出ております。ただ今お話になりましたようなぐあいに、資産再評価が増資に向けられておるものもありますが、増資に全然向けられてない分も相当あるのでありまして、増資に向けられまするというと、ある方面から見ますれば、たとえば今度条約が締結されますと、三年後にはそういつた会社の株を外国人が持つことができるようになります。そういう場合を考えますと、増資を行つておれば非常に効果があるのです。またもう一方、増資を行いますと、配当その他についての問題も起つて参りますから、よほど合理化を促進することに私はなると思うのでありますが、増資せずにただ再評価だけをして、積立てをしておるというのでは、そういう効果もないように考えられるのであります。その点から、一部に、私はさようにまだ考えておりませんが、一部に今度の再評価などはむしろ強制的にやらして、そして税などとらないがいいじやないか、こういうような意見さえ出ておるのは、そういう再評価はやるけれども、単純な再評価の積立てにしておいて、増資はやらない、その結果事業の合理化その他を怠つておる、そうして同じような配当をしておつて、同じように重役賞与金をとつたり、社内配当をとつておる、こういう点に非常に不満な意見があるようにも多く聞くのでありまして、これらの問題については、私どもまだ現在非常に研究をしておりまして、方針は決定いたしておりませんが、決定します場合には、そういつた声をもよく反映させたい、かように実は考えておる次第でございます。それから鉄鋼その他につきましては、これは現在のところ私どもは何らそういう杞憂を持つておりません。何らそういう心配は持つておりません。しかし事業の前途につきまして、健全な育成をはかるためには、これは資金上のことについても、金があるからうまく仕事が行くということは——かえつて金があるために仕事がうまく行かないような点もございますので、それらの点も実情に即して十分考えて参りたい、かように考えております。
  109. 岡野清豪

    岡野国務大臣 大体大蔵大臣のお述べになつた通りでございます。ただ問題は、私は通産省の関係としてよくわかりませんけれども、船会社あたりが非常に困つておるらしいのでございます。これは船の専門家の山県厚生大臣がいられますが、あるいは間違つておるかもしれませんが、見返り資金七分五厘、市中銀行の金利一割、こういうような投資でできた船が採算が得られるかということは、私は平常の経済のときにはできないと見ておつたのであります。でございますから、あの当時は朝鮮の特需だとか、アメリカの軍拡とか、非常な勢いでやつてつたときでございますから、三年か五年で償却できて非常にうまく行くように思えておつたのでございましようけれども、私は心ひそかに、これは不堅実ではないかということを銀行家の立場として考えておつたのであります。案の定、その心配が出て来まして、このごろはできた船がしよつちゆう満船して運航しても、金利も払えないというような状態に陥つておる。この点は私は相当考えなければならぬことと思います。しかしそれだからといつても、日本貿易を仲張さして行きますのには、やはり船腹が足りないことは事実でございますから、何とかその辺を調整して、うまくやつて行かなければならぬと存じますが、まだ十分なる結論を得ておりませんことを告白いたしまして、御答弁といたします。
  110. 世耕弘一

    世耕委員 岡野大臣の御説明によつて一応了承いたしましたが、実は日本の船舶の将来、海運の将来に対しては、私もそういう点に関して一つの杞憂を持つておるものであります。ことに今大蔵大臣は、鉄鋼の方は心配ないと言われたけれどもアメリカの鉄鋼生産等の関係から見、また日本の国内の造船費のコスト高等を見て、外国の国内に対する造船の注文等も将来は今の現状では行き詰まるのではないかということ、さらに鉄材がもうすでに市価に相当値下りを予想されておる、こういう点を考えてみた場合に、そう楽観は許せないのではないか、こういうように私は考える。ことに造船関係には相当思い切つて金融をしてみるがいいじやないか、相当重い荷物を各銀行がかついでいるのじやないかというふうにも私は考える。さようなことを考えてみた場合に、これはよほど上手にこのところを切盛りして行かないと、大きな問題が——中小企業ばかりではなしに、大きな重工業方面から破綻が来るのではないか、私はかように考えるから、特にこの点をお尋ねしておいたのであります。  なおもう一点お尋ねしておきたいと思いますことは、先ほど外務大臣もおつしやつたと思いますが、私は少し露骨に批評してみますならば、日本の今日の現状は半分アメリカに食わしてもらつておるのじやないか、そしてうしろの方ではソビエト側におどかされておるのではないか。これが日本のすべての姿だと思う。そうするなれば、ソビエト側からおどかされない、そしてアメリカから食わしてもらつておるやつを一人前に食えるように、ここに大きな経済対策と、独立自衛の根本対策が確立されなくてはならぬ。これが第五次吉田内閣の大きな使命でないか、私はかように考える。その意味において、特に金融に明るく、過去において深い経験を持たれる岡野小笠原大臣に、今日は思い切つた御抱負を伺つておけば、私ばかりじやない、国民も非常に安心するのじやないかと、かように考えお尋ねをいたしたのであります。別に御無理を申し上げるわけではないけれども、どうぞ多年の御抱負をこの際お漏らしくださるなれば国民は満足するのじやないか、かように思うのであります。もう一ぺんひとつお立ちを願つて御返答願いたい。
  111. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 せつかくでありますが、まだ抱負として申し上げるほどのことは持ちませんけれども、しかし私どもは何としても日本経済を自立に持つて行かなければならぬという強い考え方をいたしております。自立に持つて行くのには、さつき申し上げましたように、一方に輸出を奨励する、他方には輸入のある程度の品物と選みわけて、輸入を減らして、国内で自立に持つて参るような政策を行い、第三には国内資源を開発して輸入を幾らかでも減すようなぐあいに持つて行く、また国内資源の活用等に基いて、いろいろなことをやつて参りたい、こういうのが主たる考え方でございます。世耕さんもよく御存じの通りに、日本経済は、ごく大ざつぱに見ますと、輸入が十八、九億ドル、また輸出の方が十一、二意ドル、大体その差七、八億ドルというものが特需その他のものでまかなわれておるような状況であります。従いまして、これを五箇年ぐらいの間にできるだけ狭めて参りたい。それはかつて経済審議庁で立てました一応の案には、たとえば三十二年に鉱工業生産を一七六くらいのところに持つて行くというようなことになつておりまして、大体それでバランスがとれるというところまで持つてつたのでありますが、そういうことをどういうふうに実行して参るかという事柄につきましては、今後ともこれは実情に即してよく運んで行くようにしなければならぬであろうと考えておるのであります。お示しのごとくに、日本経済をそういう特需その他のものによらずして、言いかえますと、外国の力を借らずして自立に持つて参る、これは日本経済の方角でなければなりません。またこれが方針でなければなりません。このもとにすべての政策は立てらるべきものであると考えております。
  112. 世耕弘一

    世耕委員 通産大臣はおそらくこの事実は御承知だろうと思いますが、現在の日本の消費市場の様子を見ますると、輸出の行き詰まつたストック品を国内消費にまわしているというような傾向が多分にあると私は思う。かくのごときことは日本経済の行き詰まりをさらに増大し、まじめな経済生活を破壊するものである。これについては大きなてこ入れが必要ではないか、私はかように考える。しかしこれは私の意見でありますから、あとでそれについて御所感があれば承つておきます。  次に、外務大臣に一点だけお尋ねしたいと思うのは、先ほど来もう他の委員乍らも直間がござ’ましセが、東南アジア方面の問題でございます。東南アジアというふうに一括して申し上げましても、範囲の広いことでありますが、東南アジア貿易ということが今日話題の中心になつておりますが、大体その中心地をどこに置いて東南アジアの貿易の開発をしようとなさるのであるか。それについては、先ほど岡野大臣から一これは私の聞き違いかもわかりませんが、大体外国関係は理論が四分、感情が六分だということをおつしやつておられたようであります。国際関係はその理論は一応私も了承できると思う。そういう感じを私は持つのでありますが、もしさように、理論が四分なり三分、そして感情が六分なり七分で国際関係が動いているとするなれば、留任された岡崎外務大臣のいわゆる手腕にまつことが非常に多かろうと思う。東南アジアの外交的、経済的開発の先駆をなす外務省は、何かこれに対して新しい手をお打ちになつているか、もし感情的ないきさつがあるとするなれば、その感情を解くべき何か新しい政策をおとりになつておるかどうか、これを承りたい。なぜそういうことを聞くかと申し上げますと、他の方面においてはしきりに中共との貿易関係ということが言われておりますが、私はいろいろな実情か覧て、ただちに中共貿易をはなやかに展開するということは、国際関係から見て、そう望み得られないのではないか。得られなければ、ほかに何かはけ口を求めなければならぬ。二言目には貿易貿易と言うが、その貿易のはけ口をいずれに求めるか。この点に関して、外務大臣並びに通産大臣は何か新しい手をお打らになつておられるかどうか。二の一点を承つておきたい。  それから最後に小さい問題でありますが、国民の叫びの一つとして、これは厚生大臣に、時間を省略していただく意味においてお尋ねしておきます。遺家族援護資金を受取るべき当人が死んでしまつた。そのために実を言うと、外地から帰つて来て、慰霊祭も行う人もない。かような非常に気の毒な英霊が各所に散在しておる。特殊の有志の人たちによつて、幾つかの英霊を一まとめにして無縁仏をつくつて供養しておるところもありますが、当然受取るべき人が、英霊が帰還するときにはなくなつて、だれも受取る人がないというような、余分な金がここに浮いて来たとするならば、そういうような余分の金が国家の手元にあるなれば、むしろその無縁仏になつておるような英霊に対して、何か慰められる方法なり、あるいは施設があつてしかるべきじやないかということの一点、もう一つはどういうことかと申しますれば、遺家族援護資金をめぐつて、いわゆる家庭争議が至るところに起つているようにわれわれは舞を受けおります。これは取扱い上の法の欠陥か、事務の扱いか、いずれかにあつて、せつかくの目的がかえつて逆な面に使われて行くということは、英霊に対しても尊厳を傷つけることでありますから、こういう点も何か実際問題として考慮されているかどうかということを承りたい。  最後にもう一点お尋ねいたしたいのは、ちようど今入梅時期になりまして、各地から生徒、学生が修学旅行で都会に集中されて来ております。これは毎年の例でありますが、食事南主D面から見て、非常に中毒を起して、ときどき事件を起すのでありますが、こういう点について、親心をもつて未然にさようなことのないようにとりはからつてつていただきたいと思うが、厚生省として何かこれについて適当な処置をとられているか。  以上の点についてお答えを願つておきます。
  113. 山縣勝見

    ○山縣国務大臣 お答えを申し上げます。  まず第一点でありますが、いわゆる無縁の遺骨、ことに外地、戦地においてなくなられた方の遺骨、それらの方方に対して、ただいまお話のようなことも考えられますが、しかし何分にも無縁でありますから、無縁の方々に対して、たとえば遺家族援護法等の給与をいたすこともできません。そういうような金でもつて遺骨に対する慰霊等の資に充てたらどうかというお説でありますが、これに対しましては、先般御承知の通り南方の八島に対しましては丁重に遺骨の収集もいたし、また現地において慰霊もいたし、また遺骨を奉還いたした後においては、丁重に国家において慰霊をいたしました。なおまた政府におきましては、いずれこれらの合同墓を適当な規模において設けたい。これによつて国民的なと申しますか、社会全般の協賛を得て丁重に慰霊をいたしたい、かように考えております。  なお第二点でありますが、実はこの点についてはいろいろ頭を痛めているのであります。それは主として弔慰金の問題だと思うのであつて、年金はほとんど問題ございません。何となれは、これは妻に対しては一万円、その他の子供さんに対しては、幾人ありましても五千円ずつ差上げますから、いわゆる分取りというようなことは起つて来ません。お話の点は、主として五万円の弔慰金の問題だと思うのでありますが、弔慰金については、これは余談でありますが、申し添えておきたいのは、昨年の末以来弔慰金の裁定に対しているく苦情がございまして、もつと早く出したらどうかというお話がありました。これは御質問にも関連いたしておりますから申し上げますが、非常に順調に参りまして、大体百八十一万七千件の申請に対して百六十六万七千件を裁定いたしておりまして、ほとんど裁定いたしております。これは昨年のちようど秋ごろには十数万件ございましたが、ほとんど裁定いたしております。と申しますことは、ただいまお話のようなトラブルも漸次消えて参つて、順調に裁定及び通知をしております。なおお話の点も、これは実は大体直系卑属二等親まで出しておりますが、問題の起りますのは、どつちかと申しますと、親心を示しましたためにかえつてつておる。援護法におきましては、内縁の妻も認めております。従つて給与いたします範囲は、非常に現在の民法の規定を越えて、実際に即して内縁の妻にも出しておる。そういうようなことのために、実際上いろいろなトラブルが起つて来る。むしろ親心を示さなければそういうようなトラブルも起つて来ない。しかしこれに対しましては都道府県福祉事務所、ことに民生委員等を活用して、できるだけそういうことのないようにいたし、また家庭裁判所にも協力していただいて、できるだけそういうトラブルのないように努めております。なおまた裁定通知がただいま申し上げたように順調に参つておることも考慮して、今後とも御説のような点につきましては十分考慮して参りたいと思います。  なお第三点の、最近ちようど季節でありますから、東京都等に対してたくさん地方の生徒が遊学に参りますが、これは実は昨年は非常に問題がございまして、件数にいたして、大体調査してわかつておりますところで十四件、六百二十九名という病人を出しております。そのうち一名死んでおります。これにかんがみまして、厚生省としては昨年の七月に都道府県の知事に通牒を出しまして、たとえばそういうふうな学校の生徒が旅行いたします際には、まずもつて旅館とかあるいは給食の施設とか、あるいは弁当の調達所等に対しては、厳重に調査をしてやつてほしい。なおまた文部省と連絡をとりまして、そういうふうな計画のあるときには、あらかじめその地方の保健所に通知をいたして、保健所で旅館を選定するとか、あるいは弁当の調達所を選定して、そうして厳重にそういうふうな面の監督をいたしてやるということにいたしました結果、本年は一件も生じておりません。今後とも努力をいたすつもりであります。
  114. 尾崎末吉

    尾崎委員長 世耕君にちよつと御相談いたします。中曽根君から関連質問一問という御希望がありますが、よろしゆうございますか。——それでは中曽根君。
  115. 中曽根康弘

    ○中曽根委員 厚生大臣お尋ねいたしますが、今の遺家族援護法の問題ですが、最近われわれのところに非常に陳情が多い事件があります。それは戦傷死であるとかあるいは戦病死であるとか、こういうクースの方々であります。いろいろ聞いてみますと、厚生省か非常に努力をされて、百八十万件のうち百六十万件は通知されたのですか、残りの二十何万件かに実は重大な問題があると思う。と申しますのは、戦死ということがはつきりしておるのはそれですぱつと片づけられて、それかいよいよ適用されるということになつておりますが、しかし病院へ入つてつてそれが死んだ、あるいは復員後戦地で受けた傷がもとで死んだ、中に』戦犯になることを恐れて現地で逃亡した、逃亡しておつたために帰つて来はいので、遺家族援護法の適用を受けしおつた。ところが一般邦人の顔をし」その仲間の一部が帰つて来た。しかし帰つて来ない人がある。この帰つて不ない人たちは、昭和二十四年八月の[日でありましたかに打切られてお)。こういうような問題は二十万件のノち大いに含まれておる問題だと思います。これが大きな問題を今起しております。たとえば群馬県の例を見ますこ、小野村という村がありますが、こり村は五十何件クースがあつた中で、脳病死あるいは戦傷死の関係で何ら通知がなく、あるいは留保しておるという通知が来たのが四、五件あります。これはみんな母親は戦死したものと思つておるし、当然いただけるものだと思つてつた。ところが一緒に申請書を村役場に出して、隣の家の子のは来たが、自分の子供だけ来ないというので、非常に政府をのろつておるというケースが非常に多い。これを厳格に適用すればいろいろ問題はあるでしよう。しかしまず第一点として、現地で除隊したとかあるいは逃亡したとか、こういうことによつて昭和二十四年八月に一旦打切りになつた。帰つて来ない者に対しては、再び復活するのが未復員者給与法の趣旨でもある。これは当然適用しなければならぬ。この問題はいかに御処置なさるか。  第二点として、ただいま申し上げた戦傷死、戦病死の問題です。これらの問題については社会的心理というか、母親の気持になつてもらつて、そうして大体疑いのない、インチキな申請をしていないというものについては、当然政府が親心を示して寛大な処置をするようにして、この二十何万件のケースを一挙に解決していただきたいと思う。母親、父親は年老いて、当然来るものと思つて期待しておる。予算もそう足りないこともないと思う。従つてもしそういう場合にないというならば、われわれも大いに手心を加える用意があります。あとの第二点のクースの場合こついても厚生大臣は善処されたいと思うのでありますが、厚生大臣の明確なるお答えをお願いいたしたいと思います。
  116. 山縣勝見

    ○山縣国務大臣 お答え申し上げます。今大体十六、七万件未裁定のものがあります。実はこの問題は、残つておりますのは、公務によるものかどうか判定に苦しみます結果遅れておりますが、御指摘の通りなお相当あります。ただこの判定はなかなかむずかしい部分がございまして、私も実はこの弔慰金の支給に対しては就任当時から重点的に、多少の問題があつても遺族の方々の立場考えて支給を早くすることと、裁定等もできるだけそういう立場考えてやるという方針でおります。何分にも国家として出すものでありますから、その裁定があまりずさんでも困るので、事務的には多少遅れておる点もありますが、この点は私自身日日督促をいたしておる問題であります。  それから逃亡いたしたり何かして帰つて来た復員者に対しては、そのときの事情をよく勘案して、該当と認められますれば出すということにいたしておるのであります。この未裁定のものに対して、特に原因の判明が確定的でないものに対しては、至急に確定したいと思つております。
  117. 中曽根康弘

    ○中曽根委員 今の答弁は私の質問に対して非常に的がはずれておる。私のお尋ねしたのは、実は二つのことを申し上げた。まず一つは、現地で逃亡その他した者が非常に多い。これは戦犯になることを恐れてやつた者が非常に多いのです。しかし戦犯自体が、われわれからいえば無益な、あるいは無法な行為なのであつて、逃げるのもやむを得ないと思つておる。そういう人たちも未復員者給与法の適用を今まで受けておつた。ところが昭和二十四年にその適用を切つて、給与しないということにした。ところが、その中には帰つて来た者もあるわけなんです。帰らない者もある。帰らない者に対しては、当然シベリア、満州におる者と同じ取扱いをして、未復員者給与法の適用を復活しなければならぬと思う。これを復活するか、しないかというのがまず第一点。  第二点は、戦傷病によつて死亡された方の御遺族は、当然戦死者の遺族と同じ扱いを受けると期待しておる。しかるに今回の政府の処置から見ルと、それが非常に疑問になつて来ておるのが、遺家族は非常に心配しておる。こういう際には、調べてみて、明らかに間違つておるとか、インチキであるとかいうものがあれば、これはキャンセルする必要があるけれども、そうでないと思われるものは寛大な処置をとつて、すみやかにこれを解決しろ、母親の気持になつてこれを解決してやれ、こういう趣旨の質問なのです。この二点についてどうするか、明確に御答弁願いたいと思う。
  118. 山縣勝見

    ○山縣国務大臣 現地で逃亡いたしました者が内地に帰つて参りました際におきましては、先ほど申しましたように再調いたして、そうして当時の事情をよく調査いたしまして、出すべきものは出す。なおまた現在帰りません者でも、調査いたしまして出すべきものは出す、こういうふうにいたしております。
  119. 中曽根康弘

    ○中曽根委員 四分の一の答弁しかないのであつて、現地で逃亡して帰つて来ない者をどうするかというのです。これは二十四年に切られておる。これを復活するかしないかという質問をしておる。これは相当の数がある。  第二点は、戦傷病によつて死亡された、陸軍病院で死亡されたのもあると思う。あるいは家庭に帰つてから死んでのもあるでしよう。これは当然お国に奉仕して死んだのであるから、御遺族の方々は当然戦死者と同じ扱いにされると思つておるが、同じ扱いにされないように最近手紙が来た。そこで非常に驚いてわれわれのところに懐が来ておるのでありますが、間違つて申告しておるのは別だけれども、少くとも右町村長が証明する程度のものは、大まかに、寛大に取扱つて、遺家族の気持になつてつてもらいたいというのです。この二点について、焦点の合つた答弁をしていただきたい。
  120. 山縣勝見

    ○山縣国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、第一点の復員しない者については調査をいたして、その調査の結果支給すべきものには支給いたすという方針は確立をいたしております。  第二の点につきましては、戦傷病死の原因が公務によるものであれば支給いたす、さような方針をとつておりますけれども、その根本の要点は、ほんとうに遺族の方々の立場考えて、その適用について親心を加えて適当に善処せよというお話でありますから、その点につきましては御発言の通り今後善処いたしたいと考えております。
  121. 世耕弘一

    世耕委員 最後に一点だけお尋ねしておきたいと思いますが、遺家族の問題は事務的に取扱われるきらいが多いのですが、そうでなくして、むしろ精神的に取扱つてつていただきたいということが主眼であります。同時に英霊に対しては、日本人の感情からいつて、宗教的な感が非常に深いのでありますから、外地から英霊がもどつて一応役場で慰霊祭をした。慰霊祭が済んでしまつたあとだれも次の年に法事をしてやる者もない。そういうのが各村にかなりたくさんある。そういう場合に、先ほど厚生大臣ちよつとおつしやつておりましたが、そういうものはまとめて一つのお堂なり石碑を立てて合同に慰霊をするというような方法考えてほしいというのが今の声であります。それについて予算の問題が出て来るわけであります。英霊になるまでは家族が生きていたのだが、帰還してみると、もうみな死んでしまつた、こういうまことに気の毒な実情がたくさんある。それを何とかして石碑を立てるなり、あとあとまでも供養してやる方法考えてほしいという声が、周囲の人たちに多いのであります。現に私の知つている篤志家で、数柱を一まとめにして石碑を切つて自費でそういうものをまつつている者もある。遠く外地に行つて日本に帰つて来て、その英霊の納まる場所すらないということは、私は精神的に見てもはなはだ遺憾だと思いますから、この点について、何か先ほどちよつとお話を承つたのですが、もう一ぺん具体的な御方針等がおありになつたらお示し願えればけつこうだと思います。
  122. 山縣勝見

    ○山縣国務大臣 お答え申し上げます。先ほど申し上げました通り、戦死された方々の遺骨、しかも内地に引取り手のない、こういう遺骨に対しては、政府の方針として、合同墓を建てて、そうして国家として慰霊する、この方針を確立いたしました。先般南方等に出しましたが、今後もその他の島島にも相当出す予定でありますから、それとにらみ合せまして、今後この方針を具体化して行きたい、かように考えております。
  123. 尾崎末吉

    尾崎委員長 本日はこの程度にいたしまして、次会は明日午前十時より開会いたします。  これにて散会いたします。     午後六時五十四分散会