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1953-07-23 第16回国会 衆議院 本会議 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十三日(木曜日)  議事日程 第二十六号     午後一時開議  第一 農林漁業組合連合会整備促進法案内閣提出)  第二 建築士法の一部を改正する法律案田中角榮君外十四名提出)  第三 商工会議所法案小平久雄君外三十二名提出)  第四 危険校舎改築促進臨時措置法案内閣提出)  第五 公立学校施設費国庫負担法案内閣提出)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  電波監理審議会委員任命につき同意の件  国家公安委員任命につき同意の件  人事院勧告に関する政府態度に対する緊急質問加賀田進提出)  日程第一 農林漁業組合連合会整備促進法案内閣提出)  日程第二 建築士法の一部を改正する法律案田中角榮君外十四名提出)  日程第三 商工会議所法案小平久雄君外三十二名提出)  日程第四 危険校舎改築促進臨時措置法案内閣提出)  日程第五 公立学校施設費国庫負担法案内閣提出)  昭和二十八年度における期末手当支給特例に関する法律案内閣提出)  有価証券取引税法案内閣提出)  相続税法の一部を改正する法律案内閣提出)  資産再評価法の一部を改正する法律案内閣提出)  塩業組合法案内閣提出)  鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案内閣提出)  財団法人日本遺族会に対する国有財産無償貸付に関する法律案内閣提出)  戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案内閣提出)  未帰還者留守家族等援護法案内閣提出)     午後三時二十四分開議
  2. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) お諮りいたします。内閣から、電波監理審議会委員飯野毅夫君及び松方義三郎君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」、と呼ぶ者あり〕
  4. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて同意するに決しました。      ————◇—————
  5. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 次に、内閣から、国家公安委員高野鶴雄君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて同意するに決しました。      ————◇—————  人事院勧告に関する政府態度に対する緊急質問加賀田進提出
  7. 今村忠助

    今村忠助君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、加賀田進提出人事院勧告に関する政府態度に対する緊急質問をこの際許可されんことを望みます。
  8. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  人事院勧告に関する政府態度に対する緊急質問を許可いたします。加賀田進君。     〔加賀田進登壇
  10. 加賀田進

    加賀田進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、去る七月十八日人事院総裁より衆参両院議長並びに吉田総理に対して提出された国家公務員給与水準の改訂及び給与準則の制定に関する勧告に対して政府はいかに対処しようとしているかの諸点について質問をいたしたいと思うものであります。(拍手)  現在、国家公務員は、国家公務員法のわくの中に縛られて、罷業権が奪われ、団体交渉権失つて、みずからの持つ団結力実践力を自由なる意思によつて発揮して労働条件の改善を行うことは不可能な条件下に置かれております。従つて国家公務員たる職員は、ただ一つ、人事院の適正なる機能の発揮に労働生活のすべてをゆだねなくてはならないという非運の環境に置かれておることは、御承知通りであります。しかるに、政府は、かかる公務員立場理解しようとせず、従来しばしば行われました人事院ベ—ス勧告を、いまだ一度も完全に実施しようとすることなく、いつもこの勧告を下まわる数字を提示して来た。がかる態度は実に遺憾なこどであつて、われわれは、このような政府——公務員等に対し劣悪なる労働条件を一方的に押しつけるとともに、人事院の権威と存在価値すら疑わしめる無理解吉田内閣態度に対して、強く警告を発すると同時に、反省を求めつつ質問いたしたいと思います。(拍手)  まず、現在官公労組組合員は、マーケツト・バスケツト・システムに基いて長期にわたる詳細なる調査の結果、最低生活を維持するためには一人平均一万八千八百円を必要とすることが明らかになつて今日官公労組の全組織をあげて、この一万八千八百円の要求をいたしております。われわれはこの組合員の切実なる要求を支持して来たのでありますけれども、こうした情勢下におきまして、このたびの新給与ベース勧告基礎は、調査対象については従業員五十名以上の民間事業所約四千六百余に求め、その職種別給与額基礎といたしまして、さらに総理府統計局生計費調査並びに公務員生計実態調査等に基いて、この標準生計費を取り入れて作成したことは事実であり、その結果平均一万五千四百八十円となつたとわれわれは理解をしております。昨年は百名以上の民間事業所を重点としつて調査し、本年はさらに弱小企業を含めたものを対象としたところに、勧告に示すような、かかる低賃金水準の原因があり、なお生計費調査に対しても多くの疑義と不満を持つものであるけれども、昨年のごとき一万三千五百十五円べ—ス政府は一蹴いたしまして、わずか一万二千八百二十円を強行した政府の暴挙を洞察いたしますとき、われわれは、百歩を譲つて質問いたしたいことは、今度の人事院勧告平均一万五千四百八十円を、政府は完全に実施するだけの用意と決意があるかどうかであります。従来政府答弁の中によく聞くような、考慮いたしたいとか、あるいは検討いたしますという不確実な答分ではなくして、この際、この人事院勧告に対して明快なる、政府の責任ある答弁を願いたいと想うのであります。(拍手)  次に、昨年のベース勧告においても明らかなことく、政府勧告通わの期日に完全に実施したことはいまだにないのであります。人事院勧告に関する実態調査等をする場合に、一定の期間を定めて、その期間における条件調査して、それに基いて勧告を行うものであつて、当然調査期日の翌月より実施すべき必然の要素を勧告は含んでいるとわれわれは信じております。しかるに、今次の十八日提出されました勧告内容を検討してみますと、期日の問題に対して、こう書いてあります。この勧告がなるべくすみやかに実施されるように、国会及び内閣において適切なる処置をとられんことを切望する、として、実施期日を明確にしていないことは、まつたく人事院責任回避であり、さもなくば吉田内閣の重圧に屈したか、あるいはなれ合いの一端を示すものとして、人事院あり方に対してわれわれは重大なる関心を持たざるを得ないと思うのであります。(拍手)今次の勧告は、本年の三月現在における種々の調査基礎にして出されているのでありますから、当然その翌月である本年の四月より遡及して実施すべきであるとわれわれは信じておみが、政府は、これをいつから実施しようとしているのか、この点を明らかにいたしていただきたいと思うのであります。昨年のごとく、六箇月もの長い間遅延して実施するようなことであつては、公務員生計費赤字累積はとうてい解消することはできないと思います。従つて、私は、政府に対して、この点について良識ある御答弁をお願い申し上げます。  次に、五月上旬より最近に至るまで、公務員は、法の許す範囲の中において、当面の労働生活を窮乏から救うために、夏季手当一箇月分を要求して、院の内外を通じて政府に迫つて来ましたことは、政府与党といども否定することのできない事実であります。政府はこれら公務員要求に耳を傾けようとはしなかつたが、しかしながら、幸いに、その後予算委員会等における野党四派による〇・二五繰上げ支給決議によつて、ようやくその態度を改めるに至りましたが、かかる政府態度と関連いたしまして、勧告の中に示されている夏季手当〇・五増額に対して、政府はどう考えられているか。民間企業においては、本年の夏季手当は優に箇月以上を越えております。たとえば、化学工業関係では一万五千円から三万円、電気器具製造業では一万五千円から一万八千円、電力会社においても一万三千円から一万八千円を出しております。さらに高いところでは、セメント関係の五万円、紙、パルプ関係の四万円等、数え上げればいとまがないのでありますけれども、かかる民間企業状態を振り返つて公務員期末手当考えるとき、政府は何を考えているのか疑問を抱かざるを得ないのであります。この際、夏季手当に対する政府の明快なる態度をわれわれは求めます。  以上三点に対しては、吉田総理より責任ある答弁を願いたいのでありますけれども、本月出席されておりませんので、緒方総理より、総理にかわつて政府の責任ある答弁をお願いいたします。  次に、浅井人事院総裁にお伺いいたします。われわれは、過般人事委員会を通じて要望するとともに、わが党の決議として、直接浅井人事院総裁に対して、ペース・アツプの勧告予算審議と重大なる関係を有するから、すみやかに提出して、予算に盛り込むことのできるように努力されたいと、数度にわたつて要請したにもかかわらず、調査研究中との理由を繰返しつつ、提出期日を引延ばして、遂に衆議院予算通過の翌日である十八日の午前九時半において提出されたことは、人事院の自主性いずこにありやとわれわれは言わざるを得ないのであります。かかる人事院態度は、吉田政府の電圧に屈した浅井総裁予算通過援助的配慮をなしたものとして、われわれは人事院今後の存在に大なる晴影を投げ与えたものと言わざるを得ないのであります。(拍手)私は、勧告内容については委員会に譲りまして、本院においてただ浅井総裁人事院本来の使金をどのように考えているか、さらには今後とかかる不明朗なる政府御用機関的態度を縦続されようとしているのかどうか、その意思——特に人事院の内部においてすら、現在の総裁あり方について不満に声がだんだんと増大していることに留意されて答弁をお願い申し上げます。  次に、大蔵大臣に御答弁願いたいと思いますが、本国会開会中に人事院勧告があることは、昨年八月一日に勧告が行われた現実にかんがみて、法的にも当然なことであります。従つて予算審議人事院勧告とは相前後して日程に上ることは、大蔵大臣もよく御承知のことと思われる。われわれは、すでにかかる事態考慮いたしまして、先般の両社会党共同提出による予算の編成がえを求めた動議の中には、当面人事院の新たなる勧告を一万五千五百円として、一般公務員、教員、地方公務員特別会計政府関係機関職員等を含めて、会計二百三万七千人に対して六百二十七億円、夏季手当二箇月分を含めて総計七百二十二億円の予算化を含めてあることは、天下周知通りであります。政府大蔵大臣は、かかる予算審議と相前後して提出さるべきべ—ス勧告に対して、公務員の窮乏化した生活実態を打開するために、なぜ人事院と協力して予算処置をとらなかつたのか。なお、政府は、今日参議院において審議中の予算に対して、ペース勧告完全実施のために予算を組みかえる努力と誠意を示すべきだと思うが、その用意を持つているかどうか、さらには予算組みかえの誠意がないとするならば、当然補正予算提出して勧告にこたえなければならないと思うが、政府は、かかる補正予算提出必至の条件があるにもかかわらず、補正予算提出する考えがないと言い得るのかどうか、御答弁をお願いいたしたいと思います。もし政府として補正予算提出する用意があるとするならば、いつごろに提出する考えを持つているのか、この際明確にしていただきたいと思います。(拍手)  最後に、大蔵大臣に……。一昨日の大蔵大臣記者団との会談の発表をわれわれが新聞で見ますと、政府新聞に対してはいつもわれわれは関知しないと言つておりますが、この人事院勧告態度に対して、大蔵大臣はこう言つております。人事院勧告は聞きおく程度だと発表しております。もし事実だとするならば、人事院に対する侮辱的言語であつて人事院設置の本質をわきまえない放言と言わざるを得ないと私は思います。(拍手人事院設定理由——このことは報告ではありません。人事院政府に対して勧告を行つているのであります。この報告勧告とを、大蔵大臣は日本語のわきまえがないのではないかとわれわれは考えます。  最後に、国家公務員は、国民奉仕者という理由のもとに、憲法第二十八条に保障されている労働者基本権が奪われているから、その基本権にかわるものとして人事院が設けられていると、われわれは理解しております。従つて人事院は、絶えず国家公務員利益を擁護し、独立的な場立に立つて正当なる権利を主張して行くべきだと思います。その正当なる権利の主張が勧告として提示されるような場合に、その勧告の中には、国家公務員労働者として持ち得る最大権利、すなわちストライキ権が内包しているものであつて、このことは、昨年の十二月十三日、人事委員会において浅井総裁は、さよう心得て勧告していると答弁されていることを見ても事実であります。しかるに、政府が、従来スト権の含まれている重要な勧告を無視して公務員生活犠牲を強要するようなことは、行政運営に大なる支障を来すものであつて公務員は、国民奉仕者としての責任あるこの職務遂行最大の能率を発揮して、公務の民主的な運営に努力することが使命であり、国民もまたそのことを望んでいるのであります。しかるに、吉田内閣の行うことく、国家公務員その他の地方公務員に対する生活犠牲国民が望んでいないということを付言いたしまして、私の質問を終る次第であります。(拍手)     〔国務大臣緒方竹虎登壇
  11. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) お答えをいたします。  今回の人事院勧告は、財源といたしましても相当多額の経費を要しますし、また、その中には給与制度改正に関する意見も含まれておりますので)政府といたしましては、今後慎重に研究いたしたい所存でございます。  それから期末手当のことでありまするが、政府は、諸般情勢にかんがみまして、今年年末の期末手当に相当する額の一部を繰上げて支給することといたしたのでありまして、年末においてさらに増額するかどうかにつきましては、今後研究すべき問題と考えておりますので、今の段階では答弁はいたしかねます。(拍手)     〔国務大臣小笠原九郎登壇
  12. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 今回の人事院勧告に対しましては、勧告の性質にかんがみまして、十分の考慮検討を加うべきことは当然でございます。政府といたしまして慎重に検討することといたしたいと思います。が、勧告についても、少くとも次の諸点についてば考慮を要するものと考えます。一、勧告の前提となる卸小売物価消費者物価指数は、横ばい、ないし、わずかの上昇を見ておるにすぎません。これらの物価その他の経済指標から見て、勧告をそのままに行うことには慎重な考慮を要するものと考えております。二、勧告自身内容につきましても、調停との関連などもありまするし、検討しなければならない問題があると考えております。三、かりに国家公務員について勧告を実施するとともに、これに準じて公共企業体職員及び地方職員についても同様な措置をとる場合におきましては、これが財政負担は年額でおおむね八百三、四十億円の巨額に達する見込みでありまして、財政現状から見て相当な困難が予想されるのであります。従いまして、これらの点を総合勘案いたしまして、今後慎重に検討いたしたいと考えております。ただいまのところ、予算の組みかえ、ないし、これについて補正予算提出する考えは持つておりません。  期末夏季手当の問題でございますが、政府財政上の理由によりまして夏季手当増額をいたしかねたのでございますが、先般の衆議院予算委員会決議その他諸般情勢考慮いたしまして、期末手当〇・二五の繰上げ支給を行うことにいたしたのでございますが、しからば、本年末はどうか、年末にさらに手当増額するかどうか、こういう問題につきましては、財政その他諸般の事情を考慮した上きめることといたしたいと存じております。     〔政府委員浅井清登壇
  13. 浅井清

    政府委員浅井清君) お答えを申します。人事院ペース勧告をいたします場合に対しまして、ただいまお示しのごとく、国家公務員利益を保護しなければならないことは申すまでもないところでございますが、また同時に、このペース勧告納税者たる国民全体を納得せしめることがなくてはならないと思います。(拍手)ここに人事院の厳正な立場があるようにも考えておる次第でございます。従いまして、相当長い期間にわたりまして調査いたす必要がございますることは、勧告付属の資料によつておわかと存じます。お示しのごとく、勧告予算通過後になりましたことは、まことに私どもとしては残念に思いますが、われわれといたしましては、予算通過の時日未定のうちにすでに勧告の時期を明らかにいたし、その通り勧告行つたものでございまして、その間何ら政治的意図も持つていないのでございます。      ————◇—————
  14. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第一、農林漁業組合連合会整備促進法案議題といたします。委員長報告を求めます。農林委員長井出一太郎君。     〔井出一太郎登壇
  15. 井出一太郎

    井出一太郎君 ただいま議題となりました、内閣提出農林漁業組合連合会整備促進法案につきまして、農林委員会におきまする審議経過並びに結果の大要を御報告いたします。  わが国自立経済の確立のためには、農林漁業の振興を促進して食糧自給の向上をはかることが必要であります。これがためには、農業協同組合及び同連合会整備充実し、もつてその機能を十分に発揮させることが肝要なのであります。この目的をもちまして、一昨三十六年度から農林漁業組合再建整備法により、事業不振の農林漁業組合再建整備を助成いたし、爾来相応の成績を収めて参つたのでありますが、特に農林漁業組合連合会について検討いたしまするに、再建整備目標とする増資につきましては、かなりの進捗を見ているものの、相当多額欠損金並び固定化資金を擁しておりまして、今後の増資には相当の困難が予想されますのみならず、かりに増資が所期の目標に到達いたしました場合といえども、短期間にこの欠損金を補填し、かつ固定化した債務を償還するに足る事業利益を上げることは、はなはだ困難な実情にあるのであります。国会におきましても、この現状を重視いたし、本農林委員会といたしましては、去る第十五国会におきまして、「政府はかかる事態を率直に認識し、組合経営健全化を図るため総合的施策を強化すると共に、これら組合の借入金の金利負担を軽減し、固定化債権流動化を図るため、長期低利財政資金を導入し、その利子を補給する等の方策を講じ、現下農業金融の異常なる梗塞状態を速かに打開すべきである。」旨の決議行つた次第であります。かくのてごとき状況にありまするため、農業協同組組合等は、現下における経済的自立国家的要請にこたえるべくその機能を十分に発揮するという段階には、いまなお立ち至つていないのであります。以上の経過にかんがみまして政府は従来の再建整備方式を確実に実行せしめまするとともに、農林中央金庫、その他農林漁業系統金融機関が、経済事業を行う農林漁業組合連合会に対し、その固定した債権利子を軽減する等、積極的な援助を行うことを期待し、その援助を行う系統金融機関に対して助成措置を講じ、もつて農林漁業組合連合会整備を促進し、その健全なる発達を期する目的をもつて、ここに本法案提出した次第であります。  次に、本法案内容の主要な点を申し上げます。一、この法律によつて整備を行わんとする農林漁業組合連合会は、省令で定める金融機関と協議して整備計画を樹立すること、二、整備計画においては、今後十箇年間に固定した債務の全部の整理と、欠損金の全部の補填を目標とすること、三、政府は、農林漁業組合連合会整備促進審議会の議を経て、その適否を決定し、その整備計画によつて援助を行う金融機関に対し毎年補助金を交付すること、四、その他法人税上の特例を設け、整備計画が適当である旨の認定を受けた農林漁業組合連合会税負担軽減措置をとること等でございます。  本法案は、去る六月二十九日、本農林委員会に付託となり、七月一日、篠田農林政務次官より提案理由の説明を聴取いたしました。次いで十四日質疑を行い、さらに十八日には水産委員会との連台審査を行い、昨二十二日にも質疑を引続いて行いました。これらの質疑におきまして、改進党金子委員社会党足鹿、芳賀両委員、小会派久保田委員の各委員から御発言がありましたが、特に各委員から、連合会のみでなく、単協整備促進対象とすべきであるとの御意見の開陳がございました。また水産委員会との連合審査会におきましては、自由党玉置、川村の両委員から、北海道における水産加工業協同組合連合会対象に加えないのはいかなる理由かとの質問に対し、政府側から、本法案の趣旨は、直接生産者団体対象とするので、加工業組合対象に加えることは困難であるが、それらの整備促進については他の面から善処する旨の答弁がございました。  昨二十二日をもつて質疑を終了いたしましたので、同日、ただちに討論を省略、採決を行いましたところ、全会一致をもつて政府原案通り可決いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  16. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  18. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第一、建築士法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。建設委員長久野忠治君。     —————————————     〔久野忠治登壇
  19. 久野忠治

    久野忠治君 ただいま議題となりました建築士法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、本改正案の要旨を申し上げます。第一点は、一級建築士受験資格に関するものであります。従来、短期大学卒業者に対しては、建築に関する実務経験四年以上が必要とされておりましたが、短期大学には修業年限が二年のものと三年のものとがありますので、三年制の短期大学卒業者に対しては、特に実務経験年数を一年短縮して三年とすることにした点であります。第二点は、引揚者等に対する免許特例に関するものであります。すなわち、建築士法施行当初の経過措置として、相当の実務経歴のある者に対しては、試験によることなく、選考によつりて建築士免許が与えられたのでありますが、当時海外にあつて、その後国内に引揚げた者、及び戦争犯罪者で釈放された者等で、前回の選考の当時これを受ける資格のあつた者に対して、試験によることなく、選考によつて免許を受ける機会を与えようとするものであります。  本法案は、去る七月十八日本委員会に付託されたのでありますが、その内容が簡単なものであり、当然行われるべき措置であるとの了解の上で、全会一致をもつて可決すべきものと議決した次第であります。  以上、簡単に御報告申し上げます。(拍手
  20. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の捕り可決いたしました。      ————◇—————
  22. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第三、商工会議所法案議題といたします。委員長報告を求めます。通商産業委員長大西禎夫君。     〔大西禎夫君登壇
  23. 大西禎夫

    ○大西禎夫君 ただいま議題となりました商工会議所法案について、通商産業委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  元来、わが国の商工会議所は、明治中期の商業会議所条例以来、商業会議所法、商工会議所法及び商工経済会法と、それぞれ時勢の進運に伴い根拠法規に若干の変遷はありましたが、この間約六十年の長きにわたり、経済の改善発達をはかるための地域的綜合団体として公法人的性絡を与えられ、また現実にもわが国経済の発展に寄与するところが少くなかつたのであります。しかるに、戦後は、占領下において民法による社団法人として全面的な改編を余儀なくされ、そのまま今日に及んでおるのでありまするが、その間の経験にかんがみまするに、単なる民法上の社団法人としてでは、現存する四百有余の商工会議所がその本来の使命を十分に達成することは、はなはだしく困難であることが分明せられで参つたので、この際、商工会議所の地域的総合経済団体としての特性を完全に発揮せしめ、また国際的視野において健全化し、その国際的声望を高めるため、商工会議所を特殊法人化し、その実質的な強化をはかる必要がありまするので、本法案提出することになつた次第であります。  次に、法案の要点を御説明申し上げます。第一に、商工会議所の設立の認可の要件を法定し、その事業を実施するために必要な経済的基礎、施設及び役職員を有することを認可の基準とすることにしたのであります。第二に、商工会議所の組織の簡素化、強力化をはかるため、会員総会のかわりに、公正なる手続によつて設置された議員総会をもつて最高の意思決定機関とするとともに、軽微な事項については常議員会の決議による道を開くことといたしました。第三に、現在商工会議所の事業は相当制限されておりまするが、それではその機能を十分に果し得ないので、商工会議所の地区内の商工業に関する法定台帳の作成等をなし得ることとし、その事業の範囲を拡大したのであります。第四に、商工会議所の公共性にかんがみ、その財政基礎を強化するために、登録税、所得税、法人税、地方税の全部または一部について非課税の法人とする措置を講じたのであります。以上が本法案の骨子でございます。  本法案は、自由党小平久雄君外三十二名より提出せられ、七月十七日当通商産業委員会に付託と相なつた次第であります。よつて、当委員会におきまして、二十一日、自由党小平久雄君より提案者を代表し、提案の趣旨並びにその理由の説明を聴取した次第であります。同日質疑に入り、若干の質疑応答が行われ、翌二十二日討論を省略し採決に付しましたところ、全会一致をもつて可決した次第であリます。なお、改進党山手滿男君より本案に対する決議が提案せられ、決議について採決いたしましたところ、附帯決議全会一致をもつて可決した次第であります。  右御報告申し上げます。(拍手
  24. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長報告通り決するに御議異ありませんか。     〔「異議なしこと呼ぶ者あり〕
  25. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  26. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第四、危険校舎改築促進臨時措置法案日程第五、公立学校施設費国庫負担法案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。文部委員長辻寛一君。     〔辻寛一君登壇
  27. 辻寛一

    ○辻寛一君 ただいま議題となりました危険校舎改築促進臨時措置法案及び公立学校施設費国庫負担法案につきまして、両法案を一括して、その大要と審議の結果を御報告申し上げます。まず初めに、危険校舎改築促進臨時措置法案について申し上げます。この法案は、御承知通り、地方財政及び公立の義務教育諸学校の危険校舎の現状にかんがみて、その改築費について臨時に国が補助を行うことを定めております。その補助の対象となる危険校舎は、義務制諸学校の校舎で構造上危険な状態にあるもので、その範囲の決定について必要な事項は政令で定めることになつております。次に、国の補助率は予算の範囲内で三分の一以内ということにしてあります。さらに、補助の申請、補助金の交付の取消し、停止及び指示監督等、所要の規定が設けてあります。  次に、公立学校施設費国庫負担法案の原案の主要点を申し上げます。この法律案は、公立学校の施設の現状にかんがみて公立学校の施設の災害復旧、戦災復旧並びに義務教育年限の延長に伴う公立学校の施設の建設に要する経費について、国が負担する割合等を定めております。すなわち、国の負担する割合は、災害復旧については一様に二分の一、戦災復旧については小、中学校が二分の一、高等学校と大学は三分の一、義務教育年限の延長に伴う公立学校の施設の建設は二分の一となつております。次に、経費の算定基準については、災害復旧と戦災復旧に要する経費は、政令で定める基準に従い、原形復旧に要する費用を基準としております。また、義務教育年限の延長に伴う施設の建設に要する経費は、政令で定める児童及び生徒一人当りの坪数及び一坪当りの建築単価を基準として算定することになつております。また、適用除外の規定を設けて、災害復旧の場合は、建築基準法に規定する建築物の主要構造部が破損した場合、すなわち大破以上を国庫補助の対象として、中破以下は対象としないことになつております。次に、経費の種目は、各事業の本工事費及び附帯工事費並びに事務費としており、そのほかに、各事業費の決定、成功認定、負担金の還付及び監督等について所要の規定が設けてあります。  以上が両法案の骨子であります。  この二つの法律案は、ともに去る七月二日文部委員会に付託となり、爾来慎重に審議が進められました。両法案は特に国及び地方の財政に密接な関連を持つている重要な問題でありますので、委員全員が非常に熱心に検討したのであります。七月二十二日に至りまして質疑を終了、自由党坂田道太君外二十四名から、公立学校施設費国庫負担法案に対する修正案が提出せられました。  その修正案の大要については、まず第一は、災害復旧の国の負担率を三分の二といたしております。これは他の災害復旧事業の国庫負担率がおおむね三分の二以上になつておりますのに、学校の災害復旧がそれ以下では均衡を失しており、特に憲法にうたわれている教育の機会均等の趣旨から言いましても、とうてい許せないところであります。また戦災復旧については政府案では、高等学校及び大学は国の負担率が三分の一になつておりますが、昭和二十六年度までは高等学校、大学も、小、中学校と同様に二分の一でありましたいきさつから考えましても、三分の一にする理由がありませんので、公立学校の戦災復旧はすべて二分の一といたしました。第二に、公立学校の施設の範囲でありますが、これは、原案の第三条第二項においては政令でこれを定めることになつておりますが、その範囲のいかんはきわめて重大なことでありますので、法律において明確化することといたしました。すなわち、災害復旧にあつては、単に建物のみならず、設備、工作物、土地をもその対象に加えたのであります。これは、このたびの西日本その他の水害状況を見ても、その必要性は明瞭であります。戦災復旧、義務教育年限の延長の場合の施設は、従来通り建物のみに限定する旨もあわせて明らかにいたしました。第三に、第五条第二項の義務教育年限の延長に伴う公立学校の施設の建設に要する経費は、政府案によれば、その積算の基礎となる児童生徒一人当りの坪数が不明確であり、現在の予算措置に使われつつある児童及び生徒一人当り〇・七坪で打切るという誤解が生ずるおそれもあるので、本修正案において、その基準となる坪数は、中学校、盲学校及び聾学校の教育を行うに必要な最低限度の坪数と規定しております。第四に、第十二条第一号の災害復旧の場合の適用除外でありますが、本修正案において、国庫負担の対象に、建物のほか工作物、土地、設備をも加えましたので、これらについては、それぞれ政令で定める金額に達しないものは国庫負担の対象としないことにいたしてあります。第五に、この法律は二十八年度の最初にさかのぼり適用するを適当と認めるので、本年四月一日から適用する旨を明らかにし、昭和二十八年三月三十一日以前に災害をこうむつた公立学校の施設の災害復旧については従前の例によることをも、念のため明らかにいたしたのであります。なお、附則第三項として、義務教育年限の延長に伴う建設の経費についての過渡的規定を新設したのであります。以上が修正案の概要であります。  次いで、修正案を含めた公立学校施設費国庫負担法案について討論が行われ、各党よりそれぞれ、一、公立学校の施設の整備にあたつては、教育の重要性にかんがみ、完全整備のためにすみやかに年次計画を立てること、二、本案施行にあたつては、特に予算増額の獲得には一段の努力を払われたいこと、三、〇・七坪以上に基準を引上げることなどの旨を附帯して強く要望せられました。かくて採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案は、総員賛成をもつて可決せられました。次いで、自由党天野公義君から、  一、災害復旧及び戦災復旧に要する経費の算定基準を政令で定めるにあたつては、従来の基準によることなく、とりあえず少くとも最低基準(小学校一人当〇・九坪、中学校一人当一・二六坪)までの復旧を実現すると共に更に将来は原形復旧するよう考慮すること。  二、戦災復旧については少くとも五ケ年を限度として措置すること。の公立学校施設費国庫負担法案に関する附帯決議案が提出せられ、採決の結果、総員賛成をもつて可決せられました。  次に、危険校舎改築促進臨時措置法案に対して討論が行われ、各党より、全国の危険校舎約百八二十四万坪は、至急年次計画を立て、改築を促進するよう、また義務教育諸学校のみに限定することなく、公立学校全体に実施するよう、附帯して強く要望せられ、採決の結果、総員賛成をもつて可決せられました。  なお、積雪寒冷湿潤地帯の義務設置学校の屋内運動場整備促進について中学校と同様に、小学校及び盲聾学校についても、すみやかに予算その他の適切な措置を講ずる必要のあることは、本委員会において全員大いに主張された点でありますので、一言申し添えて、御報告といたします。
  28. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 両案を一括して採決いたします。日程第四の委員長報告は可決でありまして、日程第五の委員長報告は修正であります。両案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告通り決しました。      ————◇—————
  30. 今村忠助

    今村忠助君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出昭和二十八年度における期末手当支給特例に関する法律案議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  31. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  昭和二十八年度における期末手当支給特例に関する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。人事委員会理事赤城宗徳君。     〔赤城宗徳君登壇
  33. 赤城宗徳

    ○赤城宗徳君 ただいま議題となりました昭和二十八年度における期末手当支給特例に関する法律案について人事委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、本法律案の趣旨を簡単に御説明いたします。国家公務員に対しましては、期末手当として本年六月十五日に給与月額の半月分を支給したのでありますが、最近における諸般情勢考慮いたしますと、さらに何らかの措置が必要と認められますので、本年度に限り、年末に支給すべき期末手当に相当する額の一部を繰上げて支給することといたしたいというのであります。  次に、本法律案内容を簡単に御説明いたしますと、その支給額は、給与月額の二割五分を最高とし、在職期間に応じて支給額に差をつけることとし、支給日は政令で定めることといたしたのであります。  本法律案は、昨七月二十二日に衆議院提出され、ただちに当人事委員会に付託され、本日その審議をいたしました。その際、支給日について、各党委員から、早急に支給されるよう要望があり、政府当局よりも、昭和二十八年度予算成立直後に、できるだけすみやかに善処することを確認した次第であります。なお、本法律案の所要予算額は、一般会計特別会計合せて約二十八億六千三百万円、政府関係機関約二十二億一千八百万円となるのであります。さらに、地方公務員につきましては、昭和二十八年度予算平衡交付金の中に組み込まれておりますので、国家公務員にならつて支給されるものと、政府当局より答弁がありました。本法律案は、かねて各党派の熱心なる要望をいれられたもので、全委員において異議なく、討論を省略して採決され、全会一致をもつて政府原案通り可決した次第でございます。  右御報告いたします。(拍手
  34. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  36. 今村忠助

    今村忠助君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出有価証券取引税法案相続税法の一部を改正する法律案、資産再評価法の一部を改正する法律案塩業組合法案、鉄道証券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案、右三案を一括議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  37. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  有価証券取引税法案相続税法の一部を改正する法律案、資産再評価法の一部を改正する法律案塩業組合法案鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案、右五案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。大蔵委員会理事淺香忠雄君。     〔淺香忠雄君登壇
  39. 淺香忠雄

    ○淺香忠雄君 ただいま議題となりました有価証券取引税法案外四法律案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、有価証券取引税法案について申し上げます。今回税制改正の一環として、有価証券の譲渡所得に対する課税を廃止することとしているのでありますが、有価証券の取引を行う者の担税力等に顧み、この機会において、有価証券取引税を創設して、公社債券、株券、出資証券、証券投資信託の受益証券、貸付信託の受益証券等の有価証券の譲渡があつた場合に、その譲渡者を納税義務者として課税することとしようというのであります。しかしながら、短期国債及び国民貯蓄債券等の譲渡につきましては、その性質に顧みて課税しないこととし、さらに公社債券等の譲渡については今年一年間は課税しないこととする等であります。  次に、相続税法の一部を改正する法律案について申し上げます。今次の税制改正の一環として、相続税の負担の軽減と課税の簡素化をはかるため、累積課税制度を廃止し、相続及び包括遺贈によつて取得した財産には相続税を、贈与及び特定遺贈によつて取得した財産には贈与税を課することとするほか、基礎控除の引上げ、死亡保険金及び退職金控除の引上げ、税率の改正、延納制度の改正等を行う必要があるというのであります。  次に、資産再評価法の一部を改正する法律案について申し上げます。政府は、昭和二十五年本法を制定して以来二次にわたり再評価を実施したのでありますが、その実施の状況は必ずしも十分に行われなかつた実情にあり、かつまたその後の物価もある程度の上昇を示している状況でありますので、現下の急務である資本蓄積の促進に資するため、今回さらに資産再評価の機会を与え、現在の物価水準に応じた基準によつて再評価を行い得るようにするというのであります。  次に、塩業組合法案について申し上げます。この法案は、わが国における塩業の特殊性にかんがみまして、その経営の合理化によつて塩の生産の維持増進をはかり、塩業者の経済的地位の向上に資するため、塩業者が塩業組合を設立することを認め、この組合について、組合員の出資口数の制限並びに議決権及び役員選挙権の数に関する特例を設け、その他組合経営基礎を強固にする規定を設けようとするものであります。  最後に、鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案について申し上げます。この法律案は、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の長期資金の調達を円滑ならしめるため、これらのものが発行する債券及びこれらのものが借り入れる外貨払いを要する長期借入金に係る債務について、政府が保証契約をすることができることといたそうとするものであります。  以上の五法律案につきましては、審議の結果、本日質疑を打切り、塩業組合法案を除く四法律案につきましては、討論を省略の上、ただちに採決いたしましたところ、いずれも起立総員をもつて原案の通り可決いたしました。次に、塩業組合法案に対しては、大平正芳君より修正案が提出せられました。修正案の内容は、塩業組合についても、農業協同組合、水産業協同組合と同じく、組合員の貯金の受入れの業務を行うことができるようにしようとするものであります。本案は討論を省略して採決いたしましたところ、修正案及び修正案を除く原案に対し、それぞれ起立総員をもつて修正議決いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  40. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 五案を一括して採決いたします。五案中、塩業組合法案委員長報告は修正でありまして、その他の四案の委員長報告は可決であります。五案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて五案は委員長報告通り決しました。      ————◇—————
  42. 今村忠助

    今村忠助君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出財団法人日本遺族会に対する国有財産無償貸付に関する法律案戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、未帰還者留守家族等援護法案、右三案を一括議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  43. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  財団法人日本遺族会に対する国有財産無償貸付に関する法律案戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、未帰還者留守家族等援護法案、右三案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。厚生委員長小島徹三君。     〔小島徹三君登壇
  45. 小島徹三

    ○小島徹三君 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、未帰還者留守家族等援護法案並びに財団法人日本遺族会に対する国有財産無償貸付に関する法律案につきまして、厚生委員会における審査の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます’。  まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案について申し上げます。  戦傷病者戦没者遺族等援護法は、第十三国会において制定せられ、昨年四月一日から国家補償の精神に基く処遇を施行して参つたのでありますが、今回援護の措置をさらに強化しようとするのが政府本案提出理由であります。  本案内容のおもなる点を申し上げますれば、第一に、太平洋戦争中、旧国家総動員法に基いて設立された船舶運営会の運航する船舶の乗組船員は、戦時中軍人軍属と同様の戦争危険にさらされて、兵員、軍需物資等の運送に当り、また前線作戦に参加する等、まつたく軍人軍属と同様の任務に服していたものであり、その危険の程度は軍人のそれに比肩し、あるいはそれ以上に及んでいたのであります。これらの事情にかんがみ、これら船員をこの法律の援護の対象とするため、新たに軍属の範囲に加えようとすることであります。第二は年金額を、恩給法の一部を改正する法律による旧軍人の増加恩給、公務扶助料の額ともにらみ合せ、その額を引上げまして援護の強化をはかろうとするもので、すなわち、障害年金につきまして、不具廃疾の程度に応じ、九万円から二万四千円を、十八万一千円から二万四千円に、遺族年金につきましては、配偶者、子、父母、孫、祖父母の順序により、先順位者とその他の遺族に区分し、一人につき二万五千二百円、五千円にいたそうとするものであります。第三は、旧軍人恩給の復活に伴い、従前この法律により援護しておりました旧軍人またはその遺族については、原則として恩給法に転移することになりますが、これに伴い、戦傷病者戦没者遺族等援護法による援護と恩給法による恩給との間に支給対象の重複等が生じますので、所要の調整を行い、その間齟齬、間隙の生じないように措置いたしたことであります。なおこの法律は、恩給法の一部を改正する法律の施行の日から施行するものでありますが、新たに軍属の範囲に加えました船舶運営会の運航する船舶の乗組船員の遺族に支給する弔慰金の支給については昭和三十七年四月一日に、これらの遺族等に対する年金の支給並びに年金額の引上げ等につきましては本年四月一日から適用することといたしたのであります。  本案は、六月二十七日本委員会に付託せられ、同二十九日厚生大臣より提案理由の説明を聴取した後、数回にわたり、きわめて熱心なる審査が行われたのであります。特に、恩給法の一部を改正する法律案との関連により、七月三日連合審査会、同四月連合審査会公聴会を開き、また七月二十日本改正案について海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会との連合審査会を開き、慎重審議が重ねられたのであります。特に戦犯刑死者、獄死者の遺族に対し本法の援護を行うこと、遺族年金の額を引上げること、父母、祖父母の再婚を遺族年金の失権事由としないこと、二柱以上の戦没者遺族には柱数ごとに年金を支給すること等の諸点については、きわめて熱心なる質疑応答が行われたのでありますが、その詳細は会議録により御承知願います。  かくて、七月二十二日質疑を終了し、本二十二日、自由党の青柳委員より各派共同提案による次の修正案が提出せられました。すなわち、第一、遺族年金額を昭和二十九年一月一日より二万七千六百円とすること。第二、遺族のうち父、母、祖父または祖母が氏を改めないで婚姻したときは、遺族年金の失格及び失権の事由としないこと。第三、先順位者としての遺族年金を受ける権利を二以上有する遺族には、当該遺族年金を併給すること。第四、平和条約第十一条に掲げる裁判により拘禁された者が当該拘禁中に死亡した場合は、右の者の遺族に遺族年金及び弔慰金を支給すること。  次いで、修正案と修正案を除く原案の他の部分とを一括して討論に入りましたところ、改進党を代表して山下委員日本社会党を代表して長谷川委員日本社会党を代表して堤委員、自由党を代表して亘委員、自由党を代表して高橋委員より、それぞれ賛成の意が述べられたのであります。次いで討論を終了し、修正案と修正案を除く原案の他の部分を一挿して採決いたしましたところ、本法案全会一致修正議決すべきものと決した次第であります。  次に、未帰還者留守家族等援護法案について申し上げます。従来、未帰還者に対しては、未復員者給与法等により、本人に対する俸給と扶養手当とを支給して留守家族の援護が行われていましたが、これらの法律を廃止して、端的に留守家族そのものを対象とし、より実情に適した援護をしようというのが、本案提出理由であります。  次に、本案の大要を申し上げますと、第一に、未帰還者の範囲を、未復員者、及び昭和二十年八月九日以降ソ連、中共地区で生存していたと認められる一般邦人でまだ帰らない者、並びに平和条約第十一条に掲げる裁判により拘禁されている者としたことであります。第二に、留守家族の範囲をそれぞれ一定の条件を具備する配偶者、子、孫、父、母、祖父母とし、家族手当の額は、先順位者に月額二千百円、他に一人当り月額四百円を加給しようということであります。第三に、留守家族が援護を受け得る期間を限定する反面、国は未帰還者の状況について調査究明に努めなければならない旨を明記したことであります。第四に、未帰還者が帰還した後、必要ある場合には療養の給付を行い、また障害一時金、帰郷旅費、遺骨埋葬費、遺骨引取費等の支給をするほか、他の法律の改廃に伴う必要なる調整を行つたことであります。  本案は、六月二十七日本委員会に付託せられ、同二十九日政府より提案理由の説明を聴取した後、数次にわたる熱心なる審査が行われたのであります。特に、未帰還者が帰還した以後も留守家族手当支給考慮すること、未帰還者の消息についての調査究明、留守家族手当増額等の諸点について、きわめて熱心なる質疑応答が行われたのでありますが、その詳細は会議録により御承知願います。  かくて、七月二十三日質疑を終了し、本二十三日、自由党の青柳委員より、各派共同提案による次の修正案が提出されたのであります。すなわち、その第一は、第一条に、未帰還者が置かれている特別の状態にかんがみ、国の責任において援護する旨を明記すること。その第二は、留守家族手当の月額を昭和二十九年一月一日より二千三百円に増額すること。第三は、第二十九条において、国は、未帰還者の状況について調査究明するとともに、その帰還の促進に努めることを明記すること。第四、増加恩給、障害年金、傷病年金または傷病賜金を受けるべき者あるいは受けた者についても、厚生大臣が必要と認める場合は、この法律による療養の給付を行うことができるものとすること。この場合においては、政令で定めるところにより実費の一部を徴収すること。第五は、昭和二十八年四月かち七月までの間において、未複員者給与法または特別未帰還者給与法による扶養手当を受けた者には、扶養手当増額し、これを追給する措置に準じた措置をとること。  次いで、修正案と修正案を除く原案の他の部分を一括して討論に入りましたところ、日本社会党を代表して長谷川委員、小会派クラブを代表して有田委員より、それぞれ希望を述べて賛成の意見が述べられたのであります。かくて、討論を終了し、採決に入り、まず修正案の部分について採決いたしましたところ、全会一致をもつて修正案通り可決いたされました。次いで、修正部分を除く原案の他の部分について採決いたしましたところ、これまた全会一致をもつて原案通り可決いたしました。次いで、有田委員より次の附帯決議案が提出されたのであります。朗読いたします。   未帰還者留守家族等援護法案に対する附帯決議案従来ソ連地区および中共地区に残留すると認められる未帰還者の消息につき調査不充分と思われる点のあつた事実にかんがみ、政府はこの際徹底的にその消息の調査究明につとめ、生存者の留守家族の手当が不当に打ち切られるが如き事態を生ぜぎるよう善処を要望する。  右決議する。本決議案は全会一致をもつて附帯決議とすべきものと決した次第でございます。  次に、財団法人日本遺族会に対する国有財産無償貸付に関する法律案について申し上げます。  本案の大要は、第一に、財団法人日本遺族会に対し、旧軍人軍属で公務により死亡した者の遺族の福祉をはかるため、旧財団法人軍人会館が所有していた建物を、敷地とともに無償で貸し付けることができることとしたことであります。第二に、貸付財産の用途を宿泊所、集会所等の利用、生活相談、育英事業等、遺族の福祉をはかるために必要な事業の用に供することに制限したことであります。第三に、貸付契約の解除、役員の解職等必要な監督規定を設けたことであります。  本案は、七月二日本委員会に付託せられ、同五日提案理由の説明を聴取した後、本日まできわめて熱心なる審査が行われたのでありますが、詳細は会議録により御承知願います。  かくて、本二十三日質疑を終了し、討論に入りましたところ、改進党を代表して古屋委員日本社会党を代表して長谷川委員、同じく日本社会党を代表して堤委員より、それぞれ希望を付して賛成の意が述べられたのであります。次いで採決に入りましたところ、本案全会一致原案通り可決すべきものと議決しました。なお、次の附帯決議全会一致をもつて付すべきものと議決しました。  ここに附帯決議を朗読いたします。    附帯決議  本法における公務死亡の範囲は、これを実情に即して可及的広義に解釈するとともに、旧軍人会館の運営については、明朗にして民主的なるを期し、政府は適切なる監督措置を講ずることを要望する。  以上御報告申し上げます。(拍手
  46. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 三案を一括して採決いたします。三案中、財団法人日本遺族会に対する国有財産無償貸付に関する法律案委員長報告は可決でありまして、その他の二案の委員長報告は修正であります。三案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告通り決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十六分散会