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1953-07-21 第16回国会 衆議院 本会議 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十一日(火曜日)  議事日程第二十四号     午後一時開議  第一 建設業法の一部を改正する法律案内閣提出)  第二 戦争犠牲者保護に関する千九百四十九年八月十二日のジユネーヴ条約への加入について承認を求めるの件  第三 団結権及び団体交渉権についての原則適用に関する条約(第九十八号)の批准について承   認を求めるの件  第四 工業及び商業における労働監督に関する条約(第八十一号)の批准について承認を求あるの件  第五 職業安定組織構成に関する条約(第八十八号)の批准について承認を求めるの件  第六 日本国フランスとの間の文化協定批准について承認を求めるの件  第七 世界気象機関条約への加入について承認を求めるの件  第八 相互銀行法の一部を改正する法律案内閣提出)  第九 国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決を求めるの件(正倉院の件)  第十 国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決を求めるの件(皇居の件)  第十一 中小企業金融公庫法案内閣提出)  第十二 食品衛生法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十三 日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊行為による特別損失補償に関する法律案内閣提出)  第十四 漁船損害補償法の一部を改正する法律案内閣提出)  第十五 郵便物運送委託法の一部を改正する法律案内閣提出)  第十六 日本航空株式会社法案内閣提出)  第十七 海事代理士法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十八 海上衝突予防法案内閣提出参議院送付)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  和歌山奈良両県を中心南近畿一帯襲つた豪雨被害状況調査並びに罹災者慰問のため特に院議をもつて議員五名を派遣することとし、その人選議長に一任するの件(議長発議)  和歌山及び奈良両県を中心とする南近畿地方における豪雨による被害調査の件を水害地緊急対策特別委員会に併せ付託することとし、同特別委員会委員員数を十名増加せられたいとの動議今村忠助提出)  農業災害補償法の一部を改正する法律案内閣提出参議院回付)  憲法第五十九条第三項及び国会法第八十四条第一項の規定により農業災害補償法の一部を改正する法律案につき両院協議会を求めるの動議今村忠助提出)  両院協議会協議委員選挙  日程第一 建設業法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第二 戦争犠牲者保護に関する千九百四十九年八月十二日のジユネーヴ条約への加入について承認を求めるの件  日程第三 団結権及び団体交渉権についての原則適用に関する条約(第九十八号)の批准について承認を求めるの件  日程第四 工業及び商業における労働監督に関する条約(第八十一号)の批准について承認を求めるの件  日程第五 職業安定組織構成に関する条約(第八十八号)の批准について承認を求めるの件  日程第六 日本国フランスとの間の文化協定批准について承認を求めるの件  日程第七 世界気象機関条約への加入について承認を求めるの件  日程第八 相互銀行法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第九 国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決を求めるの件(正倉院の件)  日程第十 国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決を求めるの件(皇居の件)  日程第十二 食品衛生法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十三 日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊行為による特別損失補償に関する法律案内閣提出)  日程第十四 漁船損害補償法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十五 郵便物運送委託法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十五 日本航空株式会社法案内閣提出)  日程第十七 海事代理士法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十八 海上衝突予防法案内閣提出参議院送付)  学校図書館法案大西正道君外二十四名提出)  公衆電気通信法案内閣提出)  有線電気通信法案内閣提出)  有線電気通信法及び公衆電気通信  法施行法案内閣提出)     午後三時二十七分開議
  2. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) お諮りいたします。今回和歌山奈良両県を中心南近畿一帯襲つた豪雨被害状況調査並びに罹災者慰問のため、特に院議をもつて議員五名を派遣することとし、その人選議長に一任せられたいと存じます。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。  議長は、和歌山奈良地方水害調査慰問議員に    高橋 英吉君  村瀬 宣親君    辻原 弘市君  伊瀬幸太郎君    世耕 弘一君 を指名いたします。      ————◇—————  和歌山及び奈良両県を中心とする  南近畿地方における豪雨による被  害調査の件を水害地緊急対策特別  委員会に併せ付託することとし、  同特別委員会委員員数を十名  増加せられたいとの動議今村忠  助君提出
  5. 今村忠助

    今村忠助君 調査事件併託及び委員増加緊急動議提出いたします。和歌山及び奈良両県を中心とする南近畿地方における豪雨による被害調査の件を水害地緊急対策特別委員会にあわせ付託することとし、同特別委員会委員数を十名増加せられんことを望みます。
  6. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。  増加特別委員は追つて指名いたします。      ————◇—————
  8. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 参議院から、内閣提出農業災害補償法の一部を改正する法律案が回付されております。この際議事日程に追加して右回付案議題となすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  農業災害補償法の一部を改正する法律案参議院回付案議題といたします。     —————————————
  10. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案参議院修正に同意の諸君起立を求めます。     〔起立者なし〕
  11. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 起立者がありません。よつて参議院修正に同意せざることに決しました。      ————◇—————
  12. 今村忠助

    今村忠助君 憲法第五十九条第三項及び国会法第八十四条第一項の規定により、農業災害補償法の一部を改正する法律案について両院協議会を求められんことを望みます。
  13. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて両院協議会を求めることに決しました。      ————◇—————
  15. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) これより両院協議会協議委員選挙を行います。     —————————————
  16. 今村忠助

    今村忠助君 両院協議会協議委員選挙は、その手続を省略して、議長においてただちに指名されんことを望みます。
  17. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  18. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて協議委員議長において指名するに決しました。  ただちに指名いたします。   農業災害補償法の一部を改正す   る法律案両院協議会協議委員    坪川 信三君  渡邊 良夫君    中野 三郎君  足立 篤郎君    金子與重郎君  吉川 久衛君    足鹿  覺君  正木  清君    川俣 清音君  安藤  覺君  ただいま指名いたしました協議委員諸君は、本会議散会議長応接室に御参集の上、議長、副議長おのおの一名を互選せられんことを望みます。      ————◇—————
  19. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第一、建設業法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。建設委員会理事瀬戸山三男君。     〔瀬戸山三男登壇
  20. 瀬戸山三男

    瀬戸山三男君 ただいま議題となりました建設業法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査経過並びに結果を御報告申し院げます。  まず、本法案提案理由並びに内容について申し上げます。  建設工事の適正な施行を確保し、もつ建設業の健全な発達に資するため、昭和二十四年法律第百号をもつて建設業法が制定され、ほぼ所期の成果を並めて今日に至つているのでありますが、施行以来四箇年にわたる経験に弘んがみ、なお若干の改正を加える必要を生じたのでありまして、以下本改正案の主要な点につきまして御説明申し上げます。  まず第一に、現行法におきましては、板金工事外八種類の工事については、それのみを単一に請負う場合には適用しないことになつているのでありますが、これを、壁紙工事のみを請負う場合を除き、建設業法適用を受けることといたしたのであります。第二に、建設大臣登録を受けた建設業者は、現行法においては同一都道府県内にある営業所の一に、一定の資格を備えた技術者を置くことになつているのでありますが、これを登録の要件とするとともに、登録の拒否を規定した第十一条についても、責任ある使用人等についての責任を明確にいたしたのであります。第三には、建設業審議会委員任期は、現行法におきましては六箇月間で、二回以上再任を許さぬこととなつているのでありますが、これを任期二年とし、かつ再任を認めることといたしたのであります。  本法案は、七月六日本委員会に付託され、七月十七日に至る問、前後四回にわたり慎重に審議いたしたのでありますが、その詳細は速記録に譲ることといたします。  かくて討論に入りましたところ、各党を代表して田中角榮君より、今日の段階においてはこの程度の改正にてやむを得ないものとは思うが、さらに早急なる機会において、建設業許可制落札価格最低制限制度等本法をより強力なものにすべきであろうとの意見の開陳があつて原案賛成の旨が述べられ、次いで採決の結果、全会一致をもつて原案の通り可決すべきものと決した次第であります。  以上、簡単に御報告申し上げます。(拍手
  21. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  23. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第二、戦争犠牲者保護に関する千九百四十九年八月十二日のジユネーヴ条約への加入について承認を求めるの件、日程第三、団結権及び団体交渉権についての原則適用に関する条約(第九十八号)の批准について承認を求めるの件、日程第四、工業及び商業における労働監督に関する条約(第八十一号)の批准について承認を求めるの件、日程第五、職業安定組織構成に関する条約(第八十八号)の批准について承認を求めるの件、日程第六、日本国フランスとの間の文化協定批准について承認を求めるの件、日程第七、世界気象機関条約への加入について承認を求めるの件、右六件を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。外務委員長上塚司君。     〔上塚司登壇
  24. 上塚司

    上塚司君 ただいま議題となりました諸条約並びに協定、すなわち第一、戦争犠牲者保護に関する千九百四十九年八号十二日のジユネーヴ条約への加入について承認を求めるの件、第二、団結権及び団体交渉権についての原則適用に関する条約批准について承認を求めるの件、第三、工業及び商業における労働監督に関する条約批准について承認を求めるの件、第四、職業安定組織構成に関する条約批准について承認を求めるの件、第五、日本国フランスとの間の文化協定批准について承認を求めるの件、第六、世界気象機関条約への加入について承認を求めるの件の六件に関し、外務委員会における審議経過及び結果について、きわめて簡単に御報告申し上げます。  第一の案件は、戦争または武力紛争の場合において、戦争犠牲者、すなわち傷者、病者、難船者、捕虜及び文民を戦争の危険から保護し、もつて戦争の惨禍を国際的協力によつてできる限り軽減しようとするものであります。わが国は、一昨年九月八日平和条約の署名に際し、平和条約の最初の効力発生の後一年以内にこれらの条約加入する意思を宣言しておりますので、政府は、事前国会承認を求めるため、前国会提出する準備を進めていたのでありますが、これらの条約国会提出する直前に衆議院が解散されました。従つて右加入について事前国会承認を得ることができませんでしたので、政府責任において平和条約付属宣言の期間内にこれらの条約加入手続をとり、国会に対しては、憲法の条章に従い、事後にその承認を求めるに至つた次第であります。  次に、第二より第四までの三条約について申し上げます。この三条約国際労働機構の三原則を定めたものでありまして、その第一は、労働者に与えらるべき基本酌権利である団結権及び団体交渉権の擁護を目的としたものであります。その二は、労働監督に関する条約でありまして、その目的とするところは、ILO加盟国労働監督制度を採用させて、労働者保護に関する法規を忠実に実施せしめ、これによつて労働者保護を確保しようとするものであります。その三は、職業安定組織構成に関する条約でありまして、職業安定組織設置による雇用市場組織化目的とし、これによつて失業防止及び雇用の増大をはからん冷するものであります。  次に第五の案件は、日本国フランスとの間の文化協定に関するものでありまして、その目的とするところは、両国間の文化交流を通じ、両国国民相互理解と親善に資せんとするものであります。  第六の条約案件は、世界気衆機関の設立、組織等について定めたものでありまして、気衆観測は、各国の気衆機関が協力して観測網を完成し、同一の基準によつて観測を行い、その結果を交換することが必要であります。よつてわが国は本条約への加入によつて世界気衆業務の円滑な運営に協力しようとするものであります。  以上の六件は、五月二十五日より七月十六日までの間に本委員会に付託せられ、本委員会においては、前後六回にわたり会議を開き、慎重審議を重ねました。その経過の詳細については委員会議録に譲ります。  質疑応答終つて、第一、第五、第六各案件を順次議題となし、討論を省略して採決の結果、本委員会全会一致をもつてこれを承認することに決定いたしました。  また、第二、第三、第四の案件一括議題となし、討論を行いましたところ、日本社会党田中稔男委員より、日本政府代表も参加せるILO総会において採択された条約は、このほかにもなお多数あるにもかかわらず、それらに対するわが国批准が遅れているが、労働者基本的権利を守るために、それらの条約についても政府はすみやかに批准手続をとられたいとの希望を述べて賛成せられました。採決の結果、本委員会全会一致をもつて以上三件を承認することに決定いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  25. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 六件を一括して採決いたします。六件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて六件は委員長報告の通り承認するに決しました。寺
  27. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第八、相互銀行法の一部を改正する法律案日程第九、国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決を求めるの件(正倉院の件)、日程第十、国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決を求めるの件(皇居の件)、右三件を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。大蔵委員会理事島村一郎君。     〔島村一郎登壇
  28. 島村一郎

    島村一郎君 ただいま議題となりました一法律案及び二議決案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、相互銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。この法案は、相互銀行中小企業部門に占める役割の重要性にかんがみ、その行う金融を一層円滑にして取引者の利便をはかるために、相互銀行が新たに内国為替取引業務を営むことができるようにいたそうとするものであります。ただ、個々の相互銀行がその業務を営もうとする場合におきましては、大蔵大臣が、当該相互銀行業況等を総合勘案して、個別的に認否を決定することとなつておりますが、本委員会におきましては、去る十七日、政府はなるべくすみやかに相互銀行に対し内国為替取引を認可するよう善処されたいとの附帯決議を付して、本案起立総員をもつて原案の通り可決いたしました。  次に、国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決を求めるの件(正倉院の件)について申し上げます。この議決案は、千二百余年にわたつて保存されて来た正倉院の宝物を今後さらに永久かつ完全に収蔵保存するため、昭和二十六年度及び昭和二十七年度の二箇年度にわたる計画により新築した新宝庫を皇室用財産として管理し、その適性をはかることといたしております。  最後に、国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決を求めるの件(皇居の件)について申し上げます。この議決案は、現在の皇居内吹上御文庫は、戦時中天皇、皇后両陛下の空襲時の待避所として建設されたものでありますために、住居としての使用には不向きであり、かつ狭隘でありますので、一部を増築し、かつ適当な修理を行い、これらに伴う増築建物及び工作物皇室用財産として取得することといたしております。  右の二議決案につきましては、審議の結果、去る十八日質疑を打切り、討論を省略してただちに採決いたしましたところ、いずれも起立総員をもつて可決すべきものと議決いたしました。  簡単でございますが、右御報告申し上げます。(拍手
  29. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 三件を一括して採決いたします。三件は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて三件は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  31. 今村忠助

    今村忠助君 日程第十一は延期されんことを望みます。
  32. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程第十一は延期するに決しました。      ————◇—————
  34. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第十二、食品衛生法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。厚生委員会理事古屋菊男君。     〔古屋菊男登壇
  35. 古屋菊男

    古屋菊男君 ただいま議題となりました食品衛生法の一部を改正する法律案につきまして、厚生委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず本法案提案理由並びに改正の要点を申し上げますと、衛生上不良な食品が輸入され、多くの中毒その他の事故の発生を見ておりますので、輸入食品による衛生上の危害を防止するため、次の改正をなさんとするものであります。第一は、衛生上有害のおそれある食品添加物などの輸入禁止規定を設けることであります。第二は、食肉については相手国政府発行証明書の添付がなければ輸入してはならないということにするのであります。第三は、厚生大臣は、輸入禁止に関する規定に違反して輸入された食品などにつき、必要な行政処分を行うことができるようにすることであります。  本案は、六月十三耳予備審査のため本委員会に付託せられ、同十八日に政府より提案理由の説明を聴取したのでありますが、七月八日本付託となり、熱心な審査の後、七月十八日討論を省略して採決に入りましたところ、本案全会一致をもつて原案通り可決すべきものと議決いたしましたのでございます。  以上御報告申し上げます。(拍手
  36. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  38. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第十三・日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊行為による特別損失補償に関する法律案日程第十四、漁船損害補償法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。水産委員長田口長治郎君。     〔田口長治郎登壇
  39. 田口長治郎

    田口長治郎君 ただいま議題となりました、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊行為による特別損失補償に関する法律案並びに漁船損害補償法の一部を改正する法律案について、水産委員会における審議経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊行為による特別損失補償に関する法律案につきまして、簡単に提案理由並びにその内容の大要について申し上げます。すななわち、日本国アメリカ合衆国の間に結ばれました安全保障条約に基いて、日本国内及びその付近に配備されておりますアメリカ合衆国の陸軍、海軍、空軍によりまして、防潜網、水中聴音機その他水中工作物設置または維持、あるいは防風林のような防風施設または防砂施設の除去あるいは損壊等が行われたことによりまして、従来適法農業、林業、漁業その他の事業を営んでいた者がその事業経営損失をこうむつたときは、国がその損失補償する必要があるのでありまして、これが本案提出いたしました理由であります。  次に、本案内容につきまして簡単に申し上げます。まず第一点は、駐留軍行為により適法農林水産業等事業を営んでいた者が事業経営損失をこうむつたときは、国がその損失補償することであり、この補償する損失は、通常生ずべき損失といたしておるのであります。第二点は、損失補償申請は、都道府県知事を経由して内閣総理大臣提出し、総理大臣はすみやかに補償すべき損失の有無あるいは補償額を決定することといたしたのでございます。第三点は、これに対する異議の申立て及び増額請求の訴えを起すことができる道を講じておるのであります。  本案は、去る第十五国会におきまして衆議院を通過いたしましたが、解散によつて廃案となり、今回あらためて提出され、去る六月十七日水産委員会に付託されてから、前後八回にわたり委員会を開き、慎重なる審議を重ね、その間農林委員会とも連合審査会を開き、本案を十分に検討いたしました結果、七月二十日の委員会において質疑を打切り、中村委員より修正案提出せられました。そのおもなる内容は、本案においては政令をもつて規定するアメリカ合衆国軍隊行為がはなはだ不明確であるから、これを本案に明示すること、これが農林委員会からも特に要望がありました。また、この法律適用を当然安全保障条約発効にさかのぼることとし、従来支給されておりました見舞金はこの法律に基く補償金の内払いとみなす規定を織り込みました各党共同提案による修正案趣旨弁明がありました。  ただちに討論に入り、小高委員より、原案及び修正案賛成であるが、本法施行にあたつては、特に政府において次の処置を講ずべきであるとの附帯決議提案がありました。すなわち  一、損失補償申請について、これが手続簡素化を図ること。  二、各省間の緊密なる連絡の上に、これが損失適確なる調査及び補償金の迅速なる交付を期し、且つ、補償金については予算上の制約等によりいやしくも削減払い、補償繰延べ若しくは補償停止等をせざること。  以上本案並びに修正案及び附帯決議について採決いたしましたところ、いずれも全会一致をもつて可決すべきものと議決した次第であります。  次に、漁船損害補償法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず、本案提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げます。本案は、現行の漁船損害補償法の一部を改正いたしまして、事故による損害の復旧を補償する普通損害保険制度だけでなく、さらに一歩を進めて、損害保険と代船建造資金の積立てとを兼ねたいわゆる満期保険の制度を新設することとし、これに必要なる規定を加え、かつこれと関連して現行の規定の一部を改正するのであります。すなわち、その内容といたしましては、第一点は、漁船保険組合が、従来の普通損害保険事業及び特殊保険事業のほかに、新たに満期保険事業を行うことができるようにするとともに、政府がこれを再保険することといたしたのであります。第二に、満期保険の保険料は、満期支払いのための積立金部分と満期前の事故による損失補填のための損害保険料の部分からなつておりまして、右の積立金部分に該当する保険金額は全額政府で再保険し、損害保険料部分に該当する保険金額は、普通損害保険の例により九割を再保険すべきことといたしたのであります。第三に、当分の間、満期保険の加入を奨励するため、この保険の加入者が代船を建造する場合には、所要資金の金利の一部に相当する奨励金を交付することができることといたしました。これがおもなる内容でございます。  原案は去る六月二十七日水産委員会に付託され、前後三回にわたり委員会を開き、慎重なる審議をいたしました結果、七月二十日の委員会において各派の共同提案として修正案提出され、鈴木委員からその趣旨弁明があつたのであります。すなわち、原案においては、二十トン未満の漁船に対しては、一定の条件のもとで、義務加入の制度が設けられておりまして、この義務加入の場合に限り保険料の一部を国が負担することとなつておるのでありまするが、漁業界の現状は、漁場の沖合い進出、漁船の大型化のために、漁村の中堅漁船は二十トンから百トン程度のものに移行しております。この現状に即応いたしまして、保険金の一部を国で負担する制度をこれらの漁船にまで拡張して、漁業の発展に資せんとするものでありまして、これが適用については来年度からするとの趣旨弁明があつたのであります。  ただちに討論に入り、松田委員から原案及び修正案賛成の意見の開陳がありまして、続いて修正案並びに原案についてそれぞれ採決いたしましたところ、いずれも全会一致をもつて可決すべきものと議決した次第でございます。  なお詳細については会議録に譲ることといたしまして、右御報告申し上げます。(拍手
  40. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長報告はいずれも修正であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————案を議題といたします。委員長報告を求めます。郵政委員会理事片島港君。     〔片島港君登壇
  42. 片島港

    ○片島港君 ただいま議題となりました郵便物運送委託法の一部を改正する法律案に関し、郵政委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法律案は、去る第十五回国会政府より提出せられ解散のため成立するに至らなかつたものとほとんど同の内容でありまして、政府提案理由とするところは次の通りであります。  すなわち、郵政大臣が郵便物の運送等を他に委託する場合に必要な準則は、郵便物運送委託法規定するところでありますが、それらの準則の中には、その後の情勢の推移に伴い、実情に沿わなくなつたものもありますので、事業の円滑な運営を確保するため、それらのものを改正しようとするものでありまして、その内容は次の三点であります。  改正の第一点は、郵政大臣が運送等を委託するにあたつて随意契約によることができる場合の改正でありまして、運送事業者の施設を利用する場合に、その運送料金が法令等によつて確定額をもつて定められているとき等には、随意契約によることができるように改めるとともに、この規定改正によつて不必要となつた従来の規定を廃止するものであります。すなわち、鉄道、軌道、定期自動車、定期航路事業等、一般運送施設を利用する場合の現行運送料金は、本荘第五条の規定に基く運輸省告示によつて各業者に共通に適用される確定額の運送料金が定められており、また上記第五条の適用を受けないもの、たとえば路線を定めない貨物自動車運送事業等についても、現行道路運送法第八条の規定によつてその認可運賃は確定額をもつて定められることになつており、双方の場合を通じ競争契約によらしめる意義を失うに至つたためであります。  第二点は、契約期間の更新をなし得る制度を新たに認めようとすることであります。現行規定においては、契約期間は四年以内となつており、期間の更新は認められていないのでありますが、契約期間中業務を誠実に執行したと認められる受託者に対しては、郵政大臣がその者の同意を得て契約期間を更新することができる道を開き、郵政事業の円滑な運営をはかるとともに、受託者の業務遂行の熱意を増進せしめ、一層事業に貢献せしめようとするものであります。  第三点は、第四条第一項後段の規定の削除であります。郵政大臣が随意契約により委託する場合においては、会計法第二十九条但書の規定にかかわらず、大蔵大臣に協議することを要しないという第四条第一項後段の規定は、会計法第二十九条但書の改正に伴い不必要となつたので、これを削除しようというのであります。  委員会は、本法案の付託以来しばしば会議を開き、まず提案理由の説明を聞きました後、政府との間に、契約の期間の更新を認めようとする第七条の改正規定中心とし、さらに郵政業務の委託自体に関し、これを廃止して直営に移行せしめる意思の有無、委託に対する政府の基本的態度、委託を許すべき業務の限界、現行の委託事務の中で明らかに行き過ぎと思われるものに対する措置等の諸点につき、しさいにわたり熱心に質疑応答が重ねられたのであります。それらの詳細につき要しては会議録に譲ることにいたしまして、以下二、三のおもな点につき、要点をかいつまんで申し上げたいと存じます。  まず、本法第七条を改正して、契約期間の更新を認めようとするのは、それ自体いわゆる独占禁止法の趣旨に抵触するのではないか、また自動車運送の委託の現状にかんがみ、その独占的傾向をさらに一層強化するおそれはないかという質疑に対しましては、独占禁止法は事業者相互間の問題で、本条には直接関係はないと思う、また自動車運送の現状がやや一社の独占的状態にあることは事実であるが、この状態は既往の競争契約の自然的な所産であつて、第七条の改正によつてさらに独占を強化させる意図はない、むしろ他の群小業者でも忠実に業務を執行した者には継続させることができるようにしたいという意味である旨の答弁がありました。  次いで、本法案に関連し、郵便物の運送等を他に委託して行わしめることは、事業本来の建前にかんがみ、真にやむを得ない事項に限定さるべきであつて、きわめて例外的な措置と思う、なお、事情の許す限りすみやかに委託事務は直営に移行せしめるべきと思うが、政府の所信はどうかという質疑に対しましては、国営事業であるからといつて、すべてを直営にするのが本則とまでは考えていない。また、経済的という点だけで委託の可否を決するわけでなく、事業運営の合理化という総合的観点からその可否を決すべきであり、国営事業の本質をそこなわない範囲においては委託してもさしつかえないのではないかと思う旨の答弁があり、また、郵便物の運送はともかくとして、通常郵便物の取集めの委託のごときはすみやかに中止すべきと思うがどうかという質疑に対しましては、弊害を伴うようなことがあれば、なお詳細検討の上善処したい旨の答弁がありました。  以上のほか、委託する場合における運送賃金の算定の根拠、委託事務に従事する者の法律上の地位、現行の委託事務が直営の場合より経済的である具体的根拠等の諸点についても、それぞれ政府の所信をただすところがあつたのであります。  かくて、委員会は昨二十日質疑を打切つたのでありますが、その際、改進党を代表して大高委員より、法文の趣旨を明確にするため、第四条第一項第四号の改正規定の字句を改めたいという趣旨の修正案とともに    本法施行に当り左の諸点を留意すること。  一、これによつて事業の施設の改善、技術の向上及び能率の増進を期すること。  二、郵便業務は国家専掌とする本旨にかんがみ、委託業務は漸次出来得る限り縮小すること。就中通常郵便物の取集、配達等を請負とすることは、特例の場合を除き避くべきこと。  三、受託業者の監督を厳にし、荷も誠実を欠く行為があれば直ちに解約すること。  四、委託契約の更新に当つては、少数業者の私的独占の弊に陥らないよう留意すること。  五、不当の利潤を抑制するため、委託料金の公正を期すること。 という附帯決議案を提出せられ、次いで討論を省略の上、ただちに大高委員提出修正案及び修正部分を除く残余の原案採決の結果、いずれも全会一致をもつて可決、よつて法律案修正議決を見た次第であります。次に、大高委員提出附帯決議案につき賛否をはかりましたところ、同じく全会一致をもつて原案の通り可決されたのであります。なお、右決議に対しましては、郵政大臣から、その趣旨を十分尊重する旨所信を述べられたことを申し添えます。  以上御報告申し上げます(拍手
  43. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案委員長報告修正であります。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あけ〕
  44. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告の通り決しました。      ————◇—————
  45. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第十六、日本航空株式会社法案日程第十七、海事代理士法の一部を改正する法律案日程第十八、海上衝突予防法案、右三案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。運輸委員会理事關谷勝利君。     〔關谷勝利君登壇
  46. 關谷勝利

    ○關谷勝利君 ただいま議題となりました日本航空株式会社法案海事代理士法の一部を改正する法律案及び海上衝突予防法案について、運輸委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、日本航空株式会社法案について申し上げます。  本法案は、わが国の航空事業は敗戦の結果まつたく壊滅に帰し、その再建並びに今後の発展を民間資本のみに依頼することは事業の特殊性から見てきわめて困難であるのにかんがみまして、国際路線及び国内幹線における定期航空運送事業と、これに附帯する事業経営することを目的とする株式会社を設立し、これに政府出資その他必要な助成をしようとするものであります。  本法律案は、張る六月二十二日本委員会に付託され、二十四日政府より提案理由の説明を聴取し、七月十四日質疑に入りましたが、詳細は会議録に譲りたいと存じます。  かくて、十八日質疑を終了しましたところ、自由党關谷勝利より、政府所有の株式は後配株とすること、及び政府の債務保証を規定することに関し、また改進党原彪君より、会社の経理に関する政府の監査権について規定することの修正動議がありました。次いで、討論を省略し、右修正案について採決の結果、起立総員をもつてこれを可決、修正部分を除く原案について採決の結果、これまた起立総員をもつて可決、よつて法案修正可決すべきものと議決いたした次第であります。  次に、海事代理士法の一部を改正する法律案について申し上げます。本法案は、海事代理士の業務の範囲のより適切を期するとともに、その試験に関する規定等を整備しようとするものでありまして、六月二十二日予備審査として本委員会に付託され、二十四日政府より提案理由の説明を聴取、二十九日質疑を行い、七月十五日本付託となりましたが、質疑内容については会議録によつて御承知を願います。  かくて、二十日質疑を打切り、討論を省略、採決の結果、起立総員をもつて法案原案の通り可決いたしました。  次に、海上衡突予防法案について申し上げます。本法案は、海上における人命の安全のための国際会議において承認された一九四八年の国際海上衝突予防規則に準拠して、海上における船舶及び水上航空機の衝突予防に関し規定しようとするものでありまして、六月二十二日予備審査のため本委員会に付託され、二十四日政府より提案理由の説明を聴取、二十九日質疑に入り、七月二十日本付託となりましたが、質疑応答の詳細については会議録によつて御承知を願います。  かくて、同日質疑を打切り、討論を省略、採決の結果、起立総員をもつて法案原案の通り可決いたしました。  以上御報告を申し上げます。(拍手
  47. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 討論の通告があります。これを許します。川島金次君。     〔川島金次君登壇
  48. 川島金次

    ○川島金次君 ただいま委員長報告のありました三葉のうちの日本航空株式会社法案に対しまして、私は、日本社会党を代表して、遺憾ながら反対の態度を明らかにするものでございます。(拍手)  もちろん、今日の国際社会にありまして、わが国が国際的な航空事業に参画をいたしまして、国際収支の改善に当ることを初めとして、国際交通の促進をはかり、近代国家としての進歩的な発展をはかることの必要であるということは、私といえどもこれを否定するものではございません。しかしながら、日本のような最も国際的に立ち遅れた国際航空を維持発展せしめるためには、より強固な組織と、より強大な資本力と、また多年にわたる技術と人材とが必要であるということはいうまでもございません。しかるに、わが国の国際航空事業は、御承知の通り、先年日本航空株式会社が設立せられまして、この会社は、その資本金はわずかに四億にすぎません。しかしながら、今日の旅客航空機の価額はきわめて厖大なところにまで及んでおりまして、わずか四億や五億の資本金をもつていたしましては、いかんともいたしがたい実情であるということは、想像にかたくはないのであります。従つて、今や現存の日本航空株式会社は、わずか資本金四億に対しまして、借入金に借入金を軍ねまして、今日ではその負債が実に驚くなかれ十八億を突破するという厖大な額に上つておるのであります。しかるに、この十八億に上る負債額にもかかわらず、なおかつ近来ますます激甚をきわめようといたしておりまする国際航空の間に伍しまして、とうていこれに匹儔することのできないような微力かつ無力な航空株式会社となつておる現状であるのであります。従つて、現存の日本航空株式会社は、一方には厖大な負債を背負つており、一方においては日にますます刻々として激烈をきわめようとしておるところの国際間の航空路競争に耐えかねて、今や将来の方針をすらも立てかねるようなみじめな状態に陥つておることは、皆さんも御承知と思うのであります。そこで考えられましたのが、今度の日本航空株式会社法案だとわれわれは断定いたしております。  この航空株式会社は、新たなる法案によりますと、民間の資本金が十億、政府の資本金が十億、合せまして新たな二十億万円の資本金をもつて日本航空株式会社を設立いたし、この設立後におきましては、現存のまことにみじめな姿に陥つておりまする航空株式会社を接収いたしまして、それで新しく発足をいたそうというのでございます。しかも、その上に、今委員長からも報告がありましたように、この新しい航空株式会社におきましても、資本金はわずかに二十億でありますから、これをもつていたしましても、なおかつ国際航空路競争の中に伍して堂々たる歩を進めることは、これまた不可能な現状にあるのであります。しかも、その上に、航空料金が世界的に比較いたしまして非常に高い。従つて、会社が予期するような乗客をつかむことがほとんど不可能の状態であります。従つて、新たに日本航空株式会社が発足いたしましても、客は少いわ、飛行機の新しいのは買わなければならないわというよううなことで、ますます会社経営は困難の道を歩まなければならないということは、これまた見やすき道理でございます。そこで、またさらに会社は、さらでだに困難な事業経営に当りまして、一層に多くの赤字を負担しなければならぬということも、これまたきわめて明白な事実であると私は考えます。この場合に、どうしても会社は、さるがゆえに新たにまた負債をいたさなければならない。  この新しい借入金に対しまして、自由党の諸君提案いたしました修正案によりますと、この負債に対して政府は債務を保証するという修正案でございます。のみならず、さらに一方におきましては、政府の出資いたしました十億の株式に対しましては、民間の出資いたしました十億の株式に対して八分の配当が可能であるまでは、政府に対しましては、その出資金に対して配当はしない。八分の配当ができるようになつてから、初めて政府の株に対しましても、民間とははなはだしい差異のある若干の配当ができるような仕組みといたしまして、この法案が立案されておるのであります。  しかも、この修正案がなぜ出たかという真相を尋ねてみると、こうであります。元来、運輸省では、初めから、今申し上げました修正案のように、債務の保証もすべし、株式の民間優先配当もすべしという法案原案として持ち出し、これを大蔵省に諮つたところ、大蔵省は、このような種類の会社に対して、政府が十億の出資をしたほかに、さらに厖大な今後幾らになるかわからないところの債務を保証することは、第一、財政法上の疑義がある、次には、戦後いまだかつてこういうような前例がない、こういう建前を堅持いたしまして、大蔵省は、せつかくの運輸省の申入れに対して拒絶をいたしておる事実があります。なお一方、優先株式の問題にいたしましても同様でありまして、これまた、この種の政府出資の会社に対しまして、民間の株式にのみ優先配当を認めるということは、これまた悪例を残す道を開くようなものであるという建前から、これまた反対をいたしたしろものであります。  このように、原案は、すでに運輸省と大蔵省との意見が明らかに食い違つておわ、そして、閣内が不統一のままに、やむを得ず大蔵省の反対の条項だけは削除してできたのが、この航空株式会社法案原案でございます。その原案であつては——航空会社と自由党と政府とがどのような関係にあるかは私は存じません。が、とにもかくにも自由党の議員の各位は、鞠躬如として、今度は、大蔵省が断固として削り取りましたところの条項を復活して、議員提出の形で修正案というものを出して来たのであります。一方、かんじんかなめの政府の方は、運輸省と大蔵省との意見が対立し、しかも大蔵省は断固たる見解を表明して反対し、拒絶している。その拒絶しているところの問題をも、あえて、院内においては、運輸委員会議員立法の形で修正案を出して来て、従来の運輸省の主張を通させてやろうという形で生れたのが、この運輸委員会に出ました航空会社法案でございます。この一連の——政府部内においては、大蔵省と運輸省が違つておる、しかも大蔵省は、財政法上疑義がある、その上にそのような悪例を残すということは、将来の財政運営上においてきわめて重大な問題である、こう言つてはつきり答弁しておる。にもかかわらず、その政府の下に立つところの自由党の諸君は、その逆な修正案を出して来ている。一体このような一連のことを考え合せてみますと、どうも一部の運輸省と、一部の自由党の諸君と、そのかんじんかなめの接収される予定であるところの現在の航空株式会社との間に何かあるんじやないかと想像するのは、私一人ではないだろうと考えるのであります。(拍手)  こういうことで立案されたのみならず、さらに一言加えたいのは、この議案の審議の過程において、わが党の熊本委員からは、世界の航空事業の発達した諸国のうちのおもなものでもよろしいから、一体政府が出資したもの、あるいは半官半民のもの、しかも政府が全額出資したものは十数箇国に上ると言われておるけれども、この政府全額出資の十数箇国におけるところの国際航空事業に対する運営の実態について、おれくの参考のために資料を提出してもらいたい、こういう申入れをいたしたにかかわらず、昨日討論採決を行うというにもかかわらず、この資料の提出がございません。  さらにまた、委員会において、先ほど申し上げましたように、明らかにこの法案に対しては、修正案を含めて、一つ政府であるところの大蔵省と運輸省との間で明らかな意見の対立があるではないか、このままで、かりにこの修正案が成立するようなことがありましても、かんじんかなめの債務の保証のごときは予算化を必要とする、予算化を必要とすれば、大蔵省の同意がなければ、この法案が成立いたしましても空文にひとしいものになるではないか、従つて、潔く政府部内は意見を調整して、こんな無責任法案をわれわれに諮らずして、責任のある見通しのついた法案として、あらためて出直して来たらどうか、従つてこの意見の調整のできるまでわれわれはこの討論を一日たりとも延ばして、翌日政府の方の意見の調整を待つてから、この法案討論採決をやつてもおそくはないではないかと、私どもは申し入れたのであります。われわれのこの意見に対しましては、社会党の左派も、あるいはまた鳩山自由党と称せられる自由党も、あるいは労農党の諸君賛成して、せつかく私どもが委員長と自由党の理事の諸君に折衝を行つておつたのであります。その折衝中に、自由党の諸君は、何を思つたか、改進党の三名の委員諸君を誘つて、臨時的に委員をさしかえて、遂に、自由党の委員は、平素は全員出て来たことがございませんにかかわらず、昨日だけは全員の首をすげかえて成立をさせ、そして、われわれの折衝にもかかわらず、最後に一方的に委員会を開会して、この修正案を通過せしめたというのが、昨日の運輸委員会におけるところのこの法案審議の実相であります。(拍手)  このように、何ゆえか、日本航空株式会社法案に対しましては、自由党の諸君は非常な焦燥を感じておられる。非常に性急に行つておられる。そうして、このような非民主的きわまる態度をもつて、この法案を一方的に強行して可決したというのが真相であるのであります。このようなことを考え合せましたときに、いよくもつてこれには何かありそうだと考えざるを得ないのは、あえて私一人ではないと思うのでございます。(拍手)  本来、国際航空の事業というものは、先ほど申し上げましたように、今日のような民間まかせのことでは、とうてい満足な発展を遂げることは不可能であります。従つて、強大な資本力、そうしてまた綿密なる技術と多年の経験を持つた人材を養成いたしまして、その事柄が一体となつて、初めて国際航空のこの競争激烈な中に伍して日本の国際航空の発展が維持せられるのではないかと思うのであります。従つて、このような事業の維持発展のためには、すべからく政府はみずから国有として全額を出資し、そうして事情によれば、英国その他のごとくに、国有民営あるいは国有国営あるいはそれがいけなければ絶対民営、これが国際航空事業の実態であります。にもかかわらず、政府は、このような半官半民で、しかも中途半端な機構をもつて提出して来たということは、政府に確固とした国際航空事業に対する大方針がないということを如実に暴露したものと断定しなければならないのであります。(拍手)こういう意味合いにおきまして、私どもは、国際航空のこの激烈な競争において、しかも外貨の獲得あるいは国際航空の促進、そうして近代国家としての日本が国際航空の名実ともに備わつた一つの態勢を確立いたしますためには、国有国営が最も望ましいものであるという断定を軍たしまして、あえて以上の理由を付しまして、われわれはこの法案に断固反対の態度を明らかにする次第であります。  以上をもつてわが党の反対の理由を明らかにいたした次第であります。(拍手
  49. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) これにて討論は終局いたしました。  まず、日程第十六につき採決いたします。本案委員長報告修正であります。本案委員長報告の通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成起立
  50. 堤康次郎

    ○職長(堤康次郎君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り決しました。(拍手)  次に日程第十七及び第十八の両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  52. 今村忠助

    今村忠助君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、大西正道君外二十四名提出、学校図書館浩案は、提出者の要求の通り委員会審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  53. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  学校図書館法案議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。辻寛一君。     〔辻寛一君登壇
  55. 辻寛一

    ○辻寛一君 ただいま議題となりました学校図書館法案につきまして、御審議を願うにあたりまして、その提案理由と概要を御説明申し上げます。  本法律案は文部委員全員が慎重に研究したものでございます。戦後わが国は教育制度の改革を断行し、教育の機会均等と教育の画期的振興とをはかり、漸次成果を収めて参りましたが、学校教育における内容の充実とその発達を促進いたしますためには、学校図書館の設置がきわめて必要でございます。すなわち、学校教育におきまして、学校図書館が設置されますことにより、その結果児童生徒を指導いたします場合著しく便宜が供せられ、学習指導の能率が高まり、自発的学習態度が養成せられ、もつて個性の伸展と教養の向上に資することきわめて顕著なるものがあります。次にまた学校図書館は、それ自体一つの指導機関としての機能を持つものであります。すなわち、学校図書館の資料を活用して読書指導の徹底が達せられ、また図書館利用を通じて社会的、民主的な生活態度を経験させるなど、実に学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であります。  以上申し述べましたごとく、学校図書館は学校教育においてきわめて重要なる地位を占めておるにもかかわらず、今日まで法的措置が講ぜられず、そのために、学校図書館の設置については、全国的にはなはだ低調なる状態にあり、また財政上の確立がないために、もつぱら父兄の犠牲的な負担にまかされており、そのため経費の不足により学校図書館の円滑なる運営に支障を来しており、さらにまた学校図書館の本質的機能を十分に発揮せしめ得るに足るすぐれたる専門的教職員を求め得ない現状であります。ここにおいて、学校図書館の設置、運営並びに財政の制度を確立し、学校図書館に必要なる教職員を養成配置し、もつて学校教育の充実とさらに発達とをはかるための措置を講ずることは、まさに目下の急務でございます。以上の理由によりまして、ここに学校図書館法案提案いたした次第であります。  次に、この法案の骨子について申し上げます。第一に、この法律案は、学校教育において学校図書館の目的を明確に規定し、さらにこれが設置及び運営に関して必要なる事項を規定いたしております。第二に、学校には当然学校図書館が設置されなければならないことを明確に規定しております。第三には、学校図書館の教職員養成のために必要なる制度の確立をはかり、もつて学校図書館の機能を十分に発揮し得るような措置を講じた次第であります。第四に、学校図書館に対する国庫負担であります。現在学校図書館に要しまする経費はもつぱら父兄の負担にまかされておりますが、本法案におきましては、国庫負担の道を開いて、その結果父兄の負担を軽減いたすように考慮いたしております。  以上、この法律案の趣旨及び大要について申し述べましたが、本法律案が成立し、施行せられますならば、学校教育は充実いたし、さらに著しい発達を遂げ、わが国の教育の振興に貢献するところきわめて大きいことを確信いたす次第でございます。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御昼向くださいますよう曲願い申し上げます。(拍手
  56. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  58. 今村忠助

    今村忠助君 議事日程追加の緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出公衆電気通信法案有線電気通信法案有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案、右三案を一括議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  59. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  公衆電気通信法案有線電気通信法案有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案、右三案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。電気通信委員長成田知巳君。     〔成田知巳君登壇
  61. 成田知巳

    ○成田知巳君 ただいま一括議題となりました公衆電気通信法案、右線電気通信法案、並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案に関し、電気通信委員会における審議経過と結果の概要につき御報告申し上げます。  提案理由として政府の説明するところによると、有線電気通信に関する現行法令は、明治中期の制定に属し、今日の実情に適合しない点が多いので、新たに有線電気通信設備の設置に関する監督法規として有線電気通信法を、日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社の電信電話サービス、料金、土地の使用等に関する基本的事項を規定するため公衆電気通信法を制定する意図のもとに、これら三法案提出するというのであります。  本法案現行法との相違点の詳細はすべて会議録に譲り、本委員会審査にあたつて特に問題となつた点についてのみ御報告申し上げます。  その第一は、いわゆるPBXの問題、すなわち構内交換設備の設置保存は、現在原則として公社の独占となつているのを改めて、加入者の自営を認めることとしたことであります。  その第二は、電信電話料金の改訂でありまして、すなわち本年八月一日より現行収入の約二五%、約百三十四億円の増収をはかるため料金の値上げを行い、その大部分を減価償却の不足及び設備拡充資金の一部に充当しようとするものであります。各種料金につきその概要を申し上げますと、市外電報料は基本料現行五十円を六十円とし、市内電話料金のうち、度数制局は、市内通話一度数ごとに現在の五円を十円に値上げするとともに、基本料についても相当額の引上げを行い、全体として約五割四分の値上げを行い、定額制局の使用料は平均二割七分を引上げることとなつております。また、市外通話料については、現行の待時区間の最低料金七円を十円とし、三百八十キロまでの区間についてそれぞれ十円ずつの値上げを行い、即時、準即時区間の料金も、現在は待時区間の普通通話料の約五割増しとなつているのを、さらに五割ないし八割増しに改訂するものであります。その他、公衆電話料、市外専用料、電信専用料等もそれぞれ大幅の引上げをすることとなつておるのであります。  まず料金改訂の問題に関する委員会質疑応答について申し上げますと、政府原案に対しまして、第一に、電信電話設備の拡充に要する資金は、理論上からもまた従来の例からいつても、財政資金もしくは公募社債にその財源を求むべきであつて、その負担を料金値上げによつて利用者に転嫁することは誤りではないか、特に電信電話設備の過去における償却不足のおもな原因は、昭和九年以降十九年までの間のみを見ても、通信事業特別会計は、時価にして三千億円以上の巨額を一般会計及び臨時軍事費特別会計によつて吸い上げられておつたというこの事実に基因するものであるから、今日国がその拡充資金を負担することは当然ではないか、第二に、第十五国会提案の流産予算においては、政府は、資金運用部資金四十億円、公募社債百億円の建設資金が計上せられておつたにかかわらず、幾ばくの時日も経過していない今日、資金運用部資金四十億をまるまる削り、かつ公募社債を二十五億減じて七十五億円のみを計上して、他は料金値上げに転嫁したことは理解に苦しむ、第三に、料金値上げによる増収率は平均二割五分というが、度数制局にあつては、使用度数のいかんにより、多きは七割、八割に達するものを生じ、一部加入者の急激なる負担増加を招くほか、政府みずから低物価政策に反してインフレ高進の原因を与えるものではないか等の諸点につき、各委員から政府当局に質疑が行われたのでありますが、これに対し、政府は、拡充財源を政府資金もしくは公募社債に仰ぐときは、将来元利払いが公社の経営収支を圧迫すること、起債市場の応募能力に限度があること、電信電話の拡充は現在の加入者にも利益をもたらすものであること、現在料金は一般物価の値上りより低位にあり、かつ国民生計費中に占むる割合も低いから、この程度の値上りは国民経済に著しい悪影響は及ぼさないと認める旨を答弁しております。  次に、構内交換設備、いわゆるPBXの問題について申し上げますと、元来PBXの建設保存を公社の直営としたのは、戦前これを加入者の自営にまかせた結果、工事の粗雑、保守の不統一等の欠陥を生じて、加入電話サービス全体に悪影響を及ぼした弊害を矯正したものであつて、再び加入者の自営を認めようとする政府原案は、過去の経緯を無視し、通信の統一性を破壊する改悪ではないかという質疑に対し、今回の改正は、PBXの工事を公社のほか民間業者にも行い得る道を開き、そのいずれに行わしめるかは加入者の選択にまかせる趣旨であつて、特に公社を除外したものではない、また、これによる弊害は、技術基準の設定、公社による民間工事業者の資格認定、工事検査の措置を法律規定しているから、技術上の欠陥を生ずるおそれはないと認める旨を答えております。  かくして、委員会は、昨七月二十日ようやく三法案に対する質疑を終了したのでありますが、この一箇月にわたる審議の結果、各党委員において政府原案修正を加える必要があるとの結論に達し、本二十一日、委員会の席上、公衆電気通信法案については、自由党、改進党、自由党三派共同修正案並びに日本社会党両派共同修正案提出され、また有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案については、日本社会党両派共同修正案提出され、改進党の齋藤憲三君及び日本社会党の松井政吉君が、それぞれ修正案の趣旨の説明に当られたのであります。  以下、右修正案の要点について申し上げます。  まず、公衆電気通信法案に対する自由党、改進党、自由党三派の共同修正案は、料金改訂の内容に関する修正でありまして、利用者負担の急激な増高を緩和する趣旨をもつて、料金値上げによる原案増収率二五%を二〇%程度にとどめ、これによつて生ずる損益勘定から建設勘定への繰入額の不足約二十五億円は、本年度中において公募社債のわくを拡張して、公社が原案の裏づけとして行わんとする拡充五箇年計画初年度分の遂行を期しようとするものであります。  次に、日本社会党両派の共同修正案の主要点は二つでありまして、そ一つは、PBXの加入者自営を無条件に認めることは、公衆電気通信事業のサービス低下を招来するおそれがあるという見地から、公社による設置が困難である等例外的の場合に限り、加入者の自営を認めようとするものであります。その二は、三派共同修正案と同じく料金改訂に関する修正でありますが、その趣旨とするところはまつたく別でありまして、電信電話設備の拡充資金は、原則として財政資金等の外部資金に依拠すべきであるから、料金値上げの幅は、適正減価償却を行つた結果公社の収支が均衡を得る限度にとどめなければならない。また、諸般の事情から、公社の企図する拡充五箇年計画は、これを六箇年に延長して施行することが適当であるという見地から算定をいたしたのであります。その結果、政府原案二五%、自敬自共同修正案二〇%値上げに対し、社会党両派の修正案ば一〇ないし一三%の値上げにおちつくよう措置したことであります。  以上、両法案に対する修正案の説明を終つたのでありますが、なお自改自共同修正案に関連して問題となりました重要な点を一言申し添えておきます。すなわち、三派共同修正案に関し、日本社会党委員から、修正案提出者及び政府当局に対して、日本電信電話公社の本年度予算に計上されている損益、建設、資本各勘定の収支は、すべて公衆電気通信法案政府原案による料金額、すなわち二五%値上げを基礎としたものである、従つて、もし公衆電気通信法案の料金額に修正を加えるならば、当然公社予算にも、これに照応した修正を加えなければならない、しかるに、本年度公社予算ば、政府関係機関予算としてすでに本院を通過しているのであるから、三派共同修正が成立するあかつきにおいては、法律と予算との不一致を来し、予算は架空の数字となり、予算の権威を著しく失墜するものではないか、また、政府は、この間の不一致は将来公社予算の修正によつて補正する意図であると言うが、補正予算の提出は不確定の事実に属するのみならず、少くとも補正の行われるまでは、前に述べた法律と予算との矛盾する状態は存続するものではないかとの質疑があり、これに対して、修正案提出者から、修正案と予算との不一致はまことに遺憾であるが、拡充五箇年計画を遂行する必要から、本法案の成立を期したため、やむを得ざるに出た結果であるとの答弁があり、また、政府からは、法律と予算との不一致は好ましくはないが、現行法制上往々にしてかかる事態を生ずる場合があり、これを防止するためには、将来日本電信電話公社法第五十一条あるいは国会関係法規等も適宜改正する必要があるかもしれぬという答弁がありました。  委員会は、今二十一日討論を行い、自由党を代表して橋本登美三郎君、改進党を代表して小泉純也君、自由党を代表して中村梅吉君は、いずれも公衆電気通信法案に対する三派共同修正案、同じく修正部分を除く原案有線電気通信法案、並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案原案賛成公衆電気通信法案、並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案に対する日本社会党両派共同修正案に反対の意見を述べられ、日本社会党を代表して原茂君、日本社会党を代表して松井政吉君は、いずれも公衆電気通信法案、並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案に対する日本社会党両派共同修正案賛成公衆電気通信法案に対する三派共同修正案及び修正部分を除く原案有線電気通信法案、及び有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案に反対の意見を述べられたのであります。  委員会は、引続き採決に入り、順次可否を諮りましたところ、公衆電気通信法案に対する日本社会党両派共同修正案を否決、同法案に対する自由党、改進党、自由党共同修正案を可決、同じく修正部分を除く原案を可決、有線電気通信法案原案を可決、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案に対する日本社会党両派共同修正案を否決、原案を可決いたした次第であります。  これをもつて報告を終ります。(拍手
  62. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 三案中、公衆電気通信法案及び有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案の両案に対しては、柴田義男君外五名から成規によりそれぞれ修正案提出されております。この際その趣旨弁明を許します。柴田義男君。     〔柴田義男君登壇
  63. 柴田義男

    ○柴田義男君 ただいま議題となりました公衆電気通信法案に対する修正案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案に対する修正案に関しまして、提案の趣旨並びに内容を御説明いたします。  公衆電気通信法案外一法案は、わが国電信電話のあり方を規律する根本法規として、日本社会党といたしましてもこれに重大な関心を寄せ、本委員会における審議の過程を通じて、あらゆる角度から検討を遂げたのでありますが、その結果として、公衆電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案の二つについては、その一部に修正を加える必要を認め、両派社会党提案としてここに本修正案提出いたした次第であります。  まず、公衆電気通信法案に対する修正案について申し上げます。  修正内容は大別して二つとなるのでありますが、その一つは、公衆電気通信設備の利用者による設置に関する第百五条第一項及び第二項の修正であります。すなわち、原案第百五条第一項の規定によれば、構内交換設備及び内線電話機等、いわゆるPBXと称せられるもの、船舶に設置する加入設置、専用設備の端末機器等の設置は、加入者または専用者がみずからこれを行うことを妨げないことになつているのでありますが、電話は神経系統といわれるごとく、機械の設置、保守、運営は一貫世をもつて行わなければ神経全体が統一して働かないのでありまして、PBXはあくまで加入電話の延長であり、電電公社の電話系と一体をなして公衆電気通信設備を構成するものであります。ゆえに、その設置、保存を加入者にゆだねる結果、PBXの建設保存の工事に欠陥を生じた場合は、ただちに公衆電話事業に悪影響を及ぼし、サービスの低下を来すおそれがきわめて大きいのであります。事実、戦前PBXの設置保存を無統制に民間業者にゆだねておつた時代の実績は、このおそれが決して単なる予測ではないことを証明しているのであります。上つて、本修正におきましては、大体現行の電信法付属の省令の規定に準柳し、PBX等の設備であつて公社に上る設置が困難であるもの、または加入者もしくは専用者の業務の性質上もしくは設備の構造上、特殊の保存を要するものについて公社の定める基準に適合する場合に、例外的に加入者または専用者による設置を認めることとし、かつ、第二項を改めて、これらの基準を定めるにはあらかじめ郵政大臣の認可を受けなければならないことといたした次第であります。  その二は、電話使用料及び市外通話料に関する公衆電気通信法を別表のごとく修正いたしたのであります。原案におきましては、現行電信電話料金収入の約二五%の増加をはかるため、本年八月一日より各種料金の大幅値上げを実施しようとしております。すなわち、電話使用料につきましては、度数制局においては、市内通話毎月六十度数を越える一度数ごとに現行の五円を十円とし、基本料、度数料の合計額において平均約五四%を引上げるとともに、均一制局の定額料金は平均約二七%、市外通話料は平均三一%に及ぶ値上げを行おうとするものであります。かような大幅の値上げを行わなければならない理由として、当局の説明するところは、電信電話拡充五箇年計画実施に要する所要資金の一部にあてるため、損益勘定に多額の繰入れをする必要を生じたというのでありますが、元来電信電話のごとき企業の拡張資金は、財政資金の融通または公債発行によつて調達するのが常道であり、また、わが国電信電話事業創始以来最近に至るまで、この方法をずつと継続し来つたのであります。また、特にこの際注意を喚起しておきたいことは、昭和九年通信事業特別会計が設置されて以来、昭和九年より昭和十九年までの問、国民大衆の最大の犠牲のもとに行われた日支事変から太平洋戦争に至る侵略戦争におきまして、その財政的裏づけとして十二億三千四百万円余、今日の金に換算すれば、三千億になんなんとする莫大な金額を、本特別会計から、一般会計、特に臨時軍事費に納入しているという事実でありまして、昭和九年以前の分を合算すれば、この額はさらに増大するのであります。今日問題となつている電信電話設備の過去における償却不足の最大の原因は、一般会計が電信電話特別会計からその収益の大半を搾取したことにあるのであります。その償いとしても、電信電話の拡充資金は、その大部を低利なる財政資金の供与にまつべきは当然であります。よつて日本社会党としては、電信電話の拡充整備はけつこうであるが、その資金は大部分財政資金にまつべきであつて、料金値上げによる利用者にこれを転嫁するがごとき政策に反対するものであります。  よつて、本修正案においては、おおむね公社が適正なる減価償却を行つて、損益収支の均衡を得る程度を目途として増収を算定し、これを各種料金に配分して値上げ率を定める方策をとつたのであります。また、政府原案は電信電話拡充五箇年計画を基礎としておりますが、財政資金の状況、社債公募に対する金融市場の情勢等より察して、七十万個の加入電話、百十八万手口の市外電話線、七万五千キロの市外専用線を五箇年に建設することは無理があるという見地から、本修正案の基礎をなす拡充計画は、五箇年計画を六箇年に延長したものを用いたのであります。以上のような見地から、各種料金に配分した値上げ率については、お手元に配付いたした修正案の通りでありますが、少しく説明を加えますれば、市外電報料及び公衆電話料については原案修正を加えておりません。度数制使用料においては、原案の一箇月六十度までは基本料に含まれるという最低度数料制を捨て、度数料は一度につき原案十円を七円に修正するとともに、基本料は事務用、住宅用にわかち、級別に応じて適当に定め、また均一使用料は度数制局と均衡をはかつて、それぞれ料金額を設定いたしたのであります。次に市外通話料におきましては、待時区間につき二十キロから三百八十キロまでの各区間の料金引上げ額原案十円を五円にとどめ、八十キロを越える区間の夜間通話の料金の逓減については、原案では、即時、準即時区間のみを認めようとするのを改めて、待時区間についても夜間割引制を設定したのであります。  以上をもつて公衆電気通信法案に対する修正案の説明を終ります。  次に、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案に対する修正は、第三十二条の債券の交付等に関するものでありまして、先ほど申し述べました公衆電気通信法第百五条の修正に関連して、原案規定のあるような設備の無償譲渡を必要とする場合を生じないこととなりますので、これに関する規定を削除し、かつこれに伴う所要の修正を加えた次第であります。  これをもつて修正案の説明を終ります。何とぞ全会一致をもつて賛成あらんことを望みます。(拍手
  64. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。廣瀬正雄君。     〔廣瀬正雄君登壇
  65. 廣瀬正雄

    ○廣瀬正雄君 ただいま議題となつております有線電気通信法案公衆電気通信法案、並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案に対しまして、私は、自由党、改進党及び自由党の三派を代表いたしまして、ただいま委員長より報告のありましたところに養成し、有線電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案の二法案政府原案に、公衆電気通信法案は自由党、改進党及び自由党の三派共同修正案並びに同修正部分を除く政府原案賛成し、日本社会党両派提出修正案には反対するものであります。  この三法案は、去る第十五国会提出せられ、審議未了となつたものでありますが、前国会において修正せられた事項を改めるとともに、減価償却費の不足及び設備拡充資金の一部を補うため料金別表に改訂を加え再提出されたものであります。  まず、有線電気通信法案につきましては、有線電気通信設備の設置及び使用を規律し、有線電気通信に関する秩序を確立することによつて、公共の福祉の増進に寄与することを目的としたものでありますが、電気通信の利便を広くするため、有線電気通信設備の設置及び使用については、でき得る限り自由にすることを建前とし、ただ日本電信電話公社または国際電信電話会社が行う公衆電気通信業務の専掌を侵されることのないようにするために、多少の制限を設けてあるのであります。その他手数の簡略化、技術基準の設定、妨害損傷の防止等について規定が定められたのでありますが。この法律は、有線電気通信設備の設置、使用に対する監督規律の法規として必要なものであり、政府原案を妥当と認めるものであります。  次に、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案につきましては、有線電気通信法及び公衆電気通信法の施行期日を定め、この二つの法律施行に関し必要なる経過的措置を定め、かつまた関係法令の改廃を行わんとするものでありまして、これまた当然の措置と存ずるのであります。  次に、公衆電気通信法案につきましては、日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社が、迅速かつ確実なる公衆電気通信サービスを、合理的な料金で、あまねくかつ公平に提供することによりまして公共の福祉を増進せんとすることを目的としたものでありますが、幾多の論点が存するのであります。  まず第一に、この法案の料金改訂の前提となつている日本電信電話公社の電信電話整備拡充五箇年計画がはたして妥当であるかどうか、五箇年をもつて二千七百七十二億の巨額の資金を要するこの計画は、日本の他の継続的な年次計画事業と比べましてあまりに厖大に過ぎはぜぬか、国力にマツチしているかどうかという疑念が一応持たれるのであります。しかしながら、私どもといたしましては、電信電話が、社会の神経系統として国民生活に多大な関連を持ち、事業、産業の動脈ともなつておる重大な使命を有するものであるにかかわらず、わが国の電信電話がその普及状況において世界の第二十二位にあり、あるいは通話が輻湊いたしまして、通話完了率はまことに低く、かつ待合い時間は長時間にわたり、さらに電話架設の申込みは殺到しているにかかわらず、架設数は蓼々たるもので、その需給はきわめて貧困であります等の現状は、一日もすみやかに打開しなければならないのでありまして、従来のごとぐ保守改善すら十分でなく、しかも弥縫的、場当り的であつたところの方策を捨てて、施設の整備拡充、発展飛躍のために長期な計画をもつて推進し、文化の利器を国民に普及させ、産業の興隆に寄与することは当然であるのでありまして、五箇年間の主要工程として、加入者を七十万個増加せしめ、市外電話線百十八万キロ、市外専用線七万五千キロを延長せんとするこの計画は、厖大に過ぎるとは申しがたいのであります。  第二に、施設整備拡充の建設資金に、電信電話料金の値上げを含む損益勘定から本年度七十六億円を初め、五箇年間に合計六百九十八億円を繰入れることになつておりますが、これは不合理である、この建設資金はその性質上公募債券または政府借入金をもつて充当すべきであるとする説があるのでありまして、これは一応傾聴に値するものを持つておるのであります。そうして、これが実行できるとすれば、料金値上げは一割余で押えることが可能であるのであります。しかるに、かかる方策は、本年度のみはその措置をとり得るといたしましても、明年度以後は元利金の累積によりまして運営至難に陥り、整備拡充は事実上不能に終るものと思われるのであります。のみならず、建設資金中には施設の改良と新規建設の二つの費用を含むものでありまして、改良はもとより、新規建設といえども、既存の加入者もまたその利便を享有するのでありますから、料金値上げの一部を建設資金に充当することはやむを得ないと思うのであります。しかしながら、つとめて損益勘定から建設資金への繰入れを減額するの必要があり、かつまた本年度は政府借入金は全然考慮されていないのはまことに遺憾と思うのでありまして、建設資金につきまして向後政府借入金の獲得、公募債券の発行に、郵政省、電電公社は格段の努力が必要と思うのであります。  第三に、施設拡充の資金は、現在の電話市価等にかんがみ、もつぱら加入者引受債券の増発に依存すべきであるとの意見もあるのでありますが、社債の増発には、大都市はとにかくといたしまして、地方におきましては漸次消化困難を加えるものと考えられ、五箇年計画の遂行がこれによることは不可能と思われるのであります。のみならず、電話架設の費用は、つとめて低廉に向わしむべきことが文化諸国の趨勢と存ずるのであります。  第四に、電報電話料金の値上げについては、低物価政策に反し、コスト引下げに逆行するものであるとなす説があるのであります。これは最も尊重すべき見解でありまして、私どもにおきましても、電報、電話料金の値上げが一般物価に与える影響を考慮し、産業、貿易の振興に支障あることを憂え、ことに中小商工業者の利益を擁護するために、値上げについては慎重に考究を加えたのであります。しかるに、施設の整備拡充のためには、つとめて値上率を抑制しつつ、幾らかこれを行わざるを得ないであろうとの結論に到達したのであります。しかも、他面電信電話の普及によつて事業、産業の合理化が進み、むしろこれによつてコストの引下げが招来されることも考えられるのであります。  第五に、以上のごとく、電報、電話料金の値上げがやむなきものといたしましても、その値上率が政府原案のごとく平均二割五分ということはあまりに高きに過ぐるものであり、また種目によりましては不均衡、不適当なものがありますが、これを委員長報告のごとく修正し、平均二割の値上にとどめ、かつ各種目の料額も改変することが妥当と思われるのであります。わけても、度数料の現行五円を十円に値上げせんとする原案を七円に押え、また市外電話料において夜間、早朝の割引制を設けることに修正したことは注目に値するものであります。  第六に、ただいま申しましたごとく、法案の別表を修正いたしますれば約二十五億円の減収となります。かくては、電信電話拡充五箇年計画の実行は不可能となるのでありますが、電電公社におきましては、今回の一般会計予算の行政費節約に準じて事業費の節約を行うべきであり、また全業の合理化についても、格段の配意をもつて経費の捻出に努めなければならないのであります。しかしながら、それをもつてしてもなお足らないことは明らかでありますので、委員長報告の通り、もはや予算は本院を通過後でありまして、衆議院修正は不可能でありますので、電気通信委員会において、郵政大臣、大蔵大臣、電電公社総裁が言明しましたごとく、後日、本年度必ず早い機会に、補正予算等において、公募債券の発行限度額七十五億円を百億円に増額修正する等の措置を講ずべきものであります。これを条件に賛成するものであります。  第七に、料金と並んで大きな論点となりましたものは、第百五条の「構内交換設備及び内線電話機並びにこれらの附属設備」を「加入者又は専用者が行うことを妨げない。」という条文でありまして、いわゆるPBXの民間業者施行の許容ということであります。これにつきましては、一部において、施行の一貫性や公社業務の縮小等を憂慮いたしまして、反対の意見を主張するものがあるのでありますけれども、技術基準の設定、施工者の資格認定、工事検査の励行、公社サービスの向上、積極化によつて、それは杞憂にすぎないものと思われ、わが国は電話創設以来すでに民間施工を続け、終戦後占領軍の指示により停止しておりますものを再び復活するにすぎないのであります。かかる見地から原案を適切と認めるものであります。  以上、公衆電気通信法案につきまして各種の見解、議論の存するところを述べ、あわせて改進党、自由党両派の共同修正案及び同修正部分を除く政府原案賛成理由を明らかにしたのであります。  次に、社会党両派提出修正案につきましては、第一に、この案によりますれば平均一割三分程度の料金値上げになるようでありますが、料金値上率は低きほど好ましきものであることはもちろんでありますが、この案をもつてしましては財政借入金、債券発行多額に上つて、その元利金支払いに追われ、とうてい電信、電話の整備拡充計画は実行不能に陥るのであります。のみならず、そのしわ寄せば従業員に及び、将来従業員の身分、給与等に多大なる影響なきやを憂えるものであります。  第二に、修正案は五箇年計画を六箇年計画に一箇年の延長を行わんとするものでありますが、計画の内容を検討いたしますれば、かかる工程の整備拡充は五箇年で完了すべきが当然と思われ、かつまた一年早ければ早いだけ、事業合理化、経済化のためにも妥当と思われるのであります。  第三に、公衆電気通信法案第百五条に特に制限を設けんとしている、のでありますけれども、さきに述べましたように、施工を民間に開放する半面、技術基準、資格認定、工事検査等によつてその弊を償えば、何ら支障なきものと思われ、また政府原案は、公社の施工を排除するものではなくて、民間業者と公社と並んで、よい意味の競争をせしむるものであり、さらに、本件につき最も発言権を有すべき施設者自体において自営を希望していることを思えば、原案を可とすべきものと認められるのであります。第四に、施行法案に対する修定案は、第三と同様の理由により、特にその修正の要なきものと認めるものであります。  以上の理由によりまして、私は、まことに遺憾ながら、社会党両派提出修正案に反対せざるを得ないのであります。(拍手)  終りに、右三法案に関連し、私の希望いたしたいことは、第一に、電信電話の整備拡充計画は、採算主義に立つて大都市偏重に陥らないことが望ましく、地方僻地に至るまで文化の利器を普及せしむべきであると思うのであります。第二に、国際電信電話会社は本年四月に発足したものでありますが、収益の確保せられた、しかも国際通信という特殊の業務を日本電信電話公社が離脱せしめたことは、まことに理不尽と思われるのでありまして、将来あらためて検討せられたいのであります。第三に、日本電信電話公社の電線及び機器の発注は、大業者のみへの随意契約により、また中間検査等の雑費に多額を要していると聞いているのであります。これらは経営の合理化に立つて将来考慮改善すべきことであると思うのであります。第四に、公社は、従業員についても考慮すべき幾多の点を持つていると思うのであります。施設の拡張に伴い、新規採用を抑制し、また管理要員から現場要員への切りかえをすみやかにする等は、きわめて必要であると思うのであります。第五に、今回公務員の給与ベース勧告が行われたのでありますが、公社におきましても、当然今後従業員のベース・アツプその他待遇改善の必要に迫られるものと思われるのでありますが、その資金は重ねて料金の値上げによることは至難と思われますので、企業の合理化、冗費の節約については一層の努力を払い、経費の捻出を心がけてもらいたいのであります。第六に、公社の電話交換サービスについては、あるいは市外通話数不正確とか、あるいは応答不親切とかの非難がかなり強いのでありまして、格段の改善が願いたいのであります。  以上をもちまして私の討論を終ります。(拍手
  66. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 原茂君。     〔原茂君登壇
  67. 原茂

    ○原茂君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になつております公衆電気通信法案有線電気通信法案有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案等について、原案並びに自由党、改進党、自由党の共同修正案に反対し、両派日本社会党提出にかかる修正部分について賛成理由を明らかにしたいと思うのであります。(拍手)  まず、構内交換設備、すなわちPBX等の利用者による設置でありますが、そもそも日本電信電話公社法の制定が、わが電気通信事業をして従来その経営に加えられていた官庁的な制約から脱却せしめ、事業の公共性を発揮するとともに、企業性を高揚することによつて施設の拡充をすみやかにし、サービスの向上をはかり、国民の電信電話利用の便益を真に増進することを目的として行われたことは御承知の通りであります。従つて、在来、公社直営をもつて建設し保存して参りましたBPXのごときは、いよいよますますその手によつて改良拡張の方途を講じ、この方面のサービスの改善に努力すべきであることは当然の条理であります。ことに、PBXは加入電話の延長であり、加入電話系と一体をなし、公衆電気通信設備を構成する関係にあるものでありますから、これが建設保存を加入者にゆだねることは、ただちに公衆電話事業に影響を及ぼすことになり、その結果として、事業の円滑なる運行をはばみ、サービスの低下を来すことの必然性は、過去における加入者自営当時の実績に徴しても明らかに認められるものであります。あるいは監督の規定をもつてこの弊害防止に備えるというがごとき、まつたく冗費をあえてしてはばからざるものということができるのであります。すなわち、利用者自営の例外範囲は、少くとも現行程度にとどむべきであつて、これを拡大することは、公社の使命にもとるものであり、われわれの絶対くみすべからざるものであります。(拍手)  次は料金の値上げでありますが、思うに、公社の事業の企業性は、その公共性の充足を前提といたしまして初めて発揮せらるべきものであり、独立採算主義をとるにいたしましても、公社の事業設備の由来、ないしは資産構成経過を顧みまして、国営の手を離れたといいましても、その事業経営については、政府は依然重大なる責任を負うべきものであります。さきに第十五国会提案された値上げは、増収率一割であり、それにより拡充五箇年計画の遂行を可能としたものでありますが、爾来僅々二、三箇月を経過したにすぎない今日、俄然二割五分増収を同様計画遂行のため必要とするというのであります。しかも、その間の理由といたしましては、政府借入金及び公募債券による資金調達の予定を、料金値上げによる増加収益に転換したことに見出されるのでありまして、不合理もはなはだしきものと言わざるを得ないのであります。(拍手)本来、建設資金の調達を利益金の繰入れにまつがごときは、経営経理の常道でないのでありまして、それにはおのずから限度があるのであります。原案が、国民負担の急激なる増加を顧みず、五箇年計画において所要資金の二割五分以上を収益繰入れに予定するがごときは、まことに暴挙ともいうべきでありまして、われわれのとうてい是認し得ないものであります。(拍手)  わが国の電気通信事業が、創業以来その収益より多額の一般会計繰入れを行い、昭和九年通信事業特別会計設定後において通計せられるもののみでも、一般会計及び臨時軍事費特別会計繰入金総額十二億三千四百五十四万円に上り、通貨価値よわいたしまして、今日の約三千億ないし四千億円に上るのでございます。従つて、公社の現有事業設備、現在資産の構成というものは、まつたく利用者負担の累積にほかならぬものと言つても過言ではないのであります。さらに、さきの国際電信電話株式会社設立の当時、額面より当然上まわつた金額で売れるべき株券を、当局の何らかの思惑のもとに額面通りに配付したことは、公社が当然受け得べきであつた資金を得させなかつたことを意味し、公社の経営を苦しくさせまして、原案のごとき値上げを必要とする大きな理由ともなつたのであります。なお、さらに前述のPBXは、現在の公社収入における唯一の黒字財源となつておるものでありまして、これをさらに民営に移すがごときは、これまた公社経営を悪化させる積極的理由となりまして、ここに積年にわたる料金政策の過誤及び無策が見出されまして、政府の無責任を糾弾せざるを得ないのであります。(拍手)  なお、さらに政府の料金値上げに対する説明によりますと、電話は一般国民の何十分の一しか利用していないものでありますから、一般国民大多数には料金値上げをしても大した影響を与えることはなかろうと主張いたしておりますが、われわれはこの考え方に断じて同調できないものであります。すなわち、進んで一般国民大衆がこれを自由に利用でき得るよう、電話設備を一刻も早く拡張設置すると同時に、料金を安くするということを前提条件としながら、公共の福祉増進を究極の目的とする考え方こそ、公共事業に対する本質的な考え方であり、ここにこそ公社としての存在理由があると信ずるからであります。  さらにまた、原案におきましては、電話の加入権は公社の承認なくしては譲渡できず、また質権設定が禁止されておりますが、今日の電話利用者の大多数を占める中小商工業者の金融難打開のための唯一の低金利融資の担保物件として、これが使用を中小商工業者は鶴首いたしておるにもかかわらず、これが一方的に禁止されておりますが、この電話加入権は私的財産権であることは、大審院の前例に照しても明白な事実であります。しかるに、自由主義経済をモツトーとする自由党内閣において一特別法による私的財産権の侵害は、自由経済の基調となる私有財産制度を否定することになると申しても過言でないと存じます。(拍手)まして、占領政策の行き過ぎ是正を呼号する政府が、占領下におけるかかる悪法をそのまま今日存置するがごときは、怠慢もはなはだしいと言わざるを得ないのであります。(拍手)ここにおいて、政府は、今やあるべき正常の態度に立ち返り、産業、経済その他あらゆる国民活動の基盤であり、拡充整備を焦眉の急務とする公衆電気通信施設のために、最善の財政的措置を講ずべきであります。  次に、自由党、改進党、自由党三派共同修正案について申し上げますが、三党は、利用者大衆の反撃に押されまして、これを表面だけ糊塗するために、わずかに原案より三、四パーセント引下げた料金値上案を共同修正として提出して参りましたが、その値下分三、四パーセン下を補うために、公募債券二十五億円の増額を財源として出して参りまして、これを来るべき補正予算に組んでおるのでありますが、かくのごときは、米の生産者価格引上げに伴う財政負担の増大分約百億円がこの秋にはいずれまた補正予算に組み込まれようとし、さらにまた保安庁経費の削減されたうち百二十四億円も予算外契約となつている一方、もしMSA援助が今後適用されるならば、これに伴う防衛費の国内負担が増加され、昭和二十九年度の保安庁費の増大が当然予想されておるとき、これらを通観してみますと、すべて財政規模の大膨脹を来し、インフレヘの誘因となることは疑う余地のないところであると存じます。同時に、本修正案による料金値上げは、ほとんど政府原案とかわりなく、値上率二〇%を上まわるものでありまして、中小企業における実値上率は原案二五%を上まわるものさえ多くなること必然であります。ただ一点わが党案に同調して参りまして、度数料を七円にしてはありますが、基本料その他における値上案のあやまてる基本精神はまつたく政府原案と軌を一にするものであり、特に与党たるの責任をも顧みず、一昨日通過せる予算案には二五%の値上げと七十五億円の公募債券による財源措置をもつてし、本日提出の自由党、改進党、自由党の共同修正案には二〇%値上げ及び百億円の公募債券による措置を織り込みまして、これを将来の不確定の補正予算に求むるがごとき暴挙をあえてし、多数の力をもつて国会運営の常道を踏み破らんとするものであり、今や修正予算案等に見られるがごとく、政党政治の本道を踏みはずした自由党と、最近顕著にその傾向を現わして参りました招かれざる与党となつた改進党の、まさに国会民主化に逆行する本修正案に対しましては、断固反対の意を表するものであります。(拍手)、これに反しまして、わが日本社会党共同提案にかかる修正案におきましては、これらの違法性と、あやまてる基本精神を正し、設備拡充資金の利用者負担を排除し、わずかに純経営上の赤字と設備改良資金の一部とをのみ料金一割程度の値上げに求めまして、これに基き料金の種別、金額の均衡を得た配分をいたしたものであり、その他の建設資金は、さきに提案せる日本社会党両派共同組みかえ予算案に見られるごとく、インヴエントリー・ファイナンスより産業投資に振り向けた百六十億円のうちより政府責任において運営善処されることを期待したものであり、しかも、特定者のみが利用しつつある電話を、一日も早く全国民大衆の容易に利用し得るものたらしむる筋を通されている点にかんがみ、満腔の賛意を表するものであります。  以上、簡単でありますが、わが党両派共同提出修正部分に対する賛意を表明いたした次第であります。(拍手
  68. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 松井政吉君。     〔松井政吉君登壇
  69. 松井政吉

    ○松井政吉君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公衆電気通信法案有線電気通信法案並びに両注の施行法案に対しまして、委員長報告に反対をし、両派社会党の修正案賛成するの意見を述べるものであります。(拍手)  まず第一に、公衆電気通信法案に対する反対の意見から申し上げます。  御承知のように、公衆電気通信法の構成は、立法技術としてまことに拙劣なものであります。公社法に基いて公社が業務の運営を規制する部分が一部、さらにPBXのごとく所有権、占有権、保存権等あらゆる混同を起すがごとき所有権の移転、移動に基くものが一部、さらに料金値上げの別表がつきまして法律改正をいたしておるのでありますが、これは御承知のように、今度の国会提出されますのが四回目であります。この四回の国会の議論を通じて、法律技術として、かかる天地のごとく異なれる内容を一つの法律に盛ることは、はなはだ審議にさしつかえが起るではないかという議論をされて参つたのであります。しかるに、三回も国会で流産になりました法律案法案体系をそのまま今国会提出して参りました政府の考え方について、われわれは承服ができないのであります。  さらに、その内容とする点につきまして、国際電気通信関係はただいま民間の経営と相なつております。民間の経営になりましたので、電気通信事業がこま切れにされまして、一番もうかる部分を民間で行い、もうからないで建設を必要とする部分が公社に残つているのであります。その結果、今回の値上げの赤字建設に必要なる資金が加入者の負担となつて、べらぼうな料金値上げの加入者負担と相なつているのであります。国際電気通信関係の民間経営を今日行つておりますけれども、われわれは、前国会において態度を表明した通り、電気通信事業の、しかも外交上あるいは貿易上重要なる国際関係の通信を民間の経営にまかせ、利益の一番多い通信関係の事業を民間にまかすということについては、今日なおわれわれは強く反対をいたしておるのであります。(拍手)  さらに、PBX、すなわち構内交換設備、内線電話機専用設備、端末機器等の設備改良及び建設を民間の加入者が自由にできるように法律案はつくられているのであります。私は、電気通信事業は一体をなして、一つの公社が立体的に経営をし、国民全体利用の立場に立つて、公共的立場を維持しなければならないものでありますから、一部分は民間に、あるいは設備の、所有権、占有権は民間に、保存権は公社が持つがごとき複雑怪奇なる経営を行おうとするPBXの民間開放には反対であります。  さらに、料金の問題について申し上げますならば、前国会提出されたときには、御承知のように一割値上げでありまして、八十億円の増収によつて、二十億円を建設改良にまわそうという考え方であつたのであります。わずか前国会と今国会の間、三、四箇月の間に、政府が建設資金として予定されておりました前国会当時の預金部資金の四十億円は削られ、一割値上げが総体の二割五分となつてはね上げられたのであります。その結果、現在電話加入者に対する負担が非常に重くなるとともに、政府は財政金融面から公社を見放した形と相なつたのであります。公共的事業であり、独占事業であり、公社組織である限り、政府が財政金融政策からも見放すべき企業体ではございません。さらにまた、政府が財政金融責任を負うとともに、国民全体に対して監督の責任を負わなければならないのは公社法の建前でありますから、今度の料金値上げから来るところの影響は、民間の悪い経営形態が流れ込んで参りまして、利益追求の方向に走る危険性が存在すること、さらに、現在の加入者に厖大なる負担をかげながら新しい建設をやろうとする不合理があること、さらに、減価償却の面、建設資金の面、及び利益のあるものは離し、民間に設備を分断して、こま切れにして、もうからない部分の公社経営加入者の負担にまかすというがごときものの考え方から割出された別表料金の条項については断じて承服ができないことを明らかにいたしておく次第であります。(拍手)  さらに、有線電気通信法について申し上げますならば、有線電気通信法の中には国際通信に関する条項がかなり多く盛られており、民間における国際通信の会社と公社との間における技術上のあるいは基準上の国家の立場における国際通信の秘密に関する諸問題すべてが織りまぜられておりまするので、われわれは、国際通信の公社に反対をし、電気通信事業は国内国際を通じて一体の公社が行うべきであるという建前から、有線電気通信法についても反対をいたします。さらに、両法案施行法案でありますが、これは百五条、PBXの関連事項、国際電電会社の関連事項等の関係から、施行法案についても反対の意思を表明せざるを得ないのであります。  さらに、自由党、改進党並びに自由党三派修正の料金の問題について意見を申し上げますならば、この三派の共同修正案によりますと政府原案よりも二十五億円の減収となり、その二十五億円の減収は、衆議院においては予算が通過をいたしておる、ところが通過した予算には原案通りが盛られておりますから、二十五億円の処理を提案者はお考えになつて提出をいたしたのかとお伺いしたところ、それは提案者が考うべきではなくて政府がやるべきだとお答えになつた。政府に対しまして、二十五億円は一体どのように処理をするのかという質問をいたしましたところ、当然初めのうちは何らかの方法で処理したいとおつしやつた。さらに、何らかの方法とはいかなるものかと言いましたところ、たとえば公募社債、預金部資金等の二つの方法があるが、それについてはまだ考えておる、追い込められて、次期国会に補正予算という答弁をなさつたのでありますが、ただ、その二十五億円の問題の扱い方についてわれわれが指摘をいたしましたのは、公社法の五十一条であります。これは公社の予算に関する取扱いをきめておる条文であります。さらに財政法二十九条並びに三十条、この予算と法律の関係についてお伺いをいたしましたところが、政府の答弁は、そういう法律上の問題になりまするならば、公社法、財政法の法律の不備だとおつしやる。もし法律の宙不備だというならば、二十五億円の処理の前に、政府みずからが法律の不備を認めるならば、法案改正をなすのが当然であります。(拍手)そういう考え方で、少くとも財政法上の問題、公社法の原案の問題並びに予算との裏づけは不明朗きわまるものが残つておるのであります。しかも、衆議院は予算が通過いたしましたが、参議院においては審議中であります。その審議中において善処する方法があるではないかとわれわれは質問いたしましたが、やはり次期国会の補正予算ということでございました。われわれは、少くとも修正案が出されて予算との食い違いが生じた場合には、公社の場合は公社法の予算に関する条項を遵守し、予算については財政法の規定を尊重することが国家財政の建前でなければならないと考えるのであります。(拍手)この修正案提出した三派の方々の無責任な考え方と、政府のおざなりの答弁で、この修正が、ごまかされたということについては、将来の国会運営について暗影を投じたものと考えられるのであります。(拍手)  さらに、第二点につきましては、三派の修正案内容につきましては、料金がきわめて加入者に対して不均衡を生じております。要するに、度数料についてはわが党の一割から一割三分案の七円にして基本料金、市外通話に多くの負担がかけられましたので、加入者の中における料金の不均衡が行われておることであります、改進党の諸君修正案作成について御苦労なさつたことについては敬意を払いますが、政党内閣の政府構成しておる自由党が、これに賛成をして共同修正はしたが、二十五億の問題と料金不均衡の問題につきましては、ほおかむりをしようとする態度については、断じて承服できないことを明らかにしておきたいのであります。このような見地に立ちましての両派社会党の修正点は、先ほども同僚議員から申し述べられましたが、PBXの問題、さらに料金の問題については、公社全体の運営と、公共企業体であることと独占企業である建前を貫きまして、党利党略を抜きにした国家的見地に立つ修正案であります。従いまして、党利党略、さらに輿論に押されて、おざなりの修正をした三派修正に反対をせられて、両社会党修正賛成せられんことを望みまして、私の討論を終ります。(拍手
  70. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) これにて討論は終局いたしました、  まず、公衆電気通信法案に対する柴田義男君外五名提出修正案につき採決いたします。本修正案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成起立
  71. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 起立少数。(「多数多数」、「少数」、「数えてみろ」、と呼び、その他発言する者多し)よつて柴田義男君外五名提出修正案は否決されました。(拍手)  次に、公衆電気通信法案につき採決いたします。本案委員長報告修正であります。本法委員長報告の通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成起立
  72. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り決しました。(拍手)  次に、有線電気通信法案につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成起立
  73. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)  次に、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案に対する柴田義男君外五名提出修正案につき採決いたします。本修正案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成起立
  74. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 起立少数。(「多数多数」と呼び、その他発言する者多し)よつて柴田義男君外五名提出修正案は否決されました。  次に、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成起立
  75. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)  明二十二日は定刻より特に本会議を開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十五分散会